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発明の名称 インクジェットプリンタ、インクジェットプリンタ用ヘッド及びそれに用いるフレキシブルケーブル
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−55246(P2007−55246A)
公開日 平成19年3月8日(2007.3.8)
出願番号 特願2006−200454(P2006−200454)
出願日 平成18年7月24日(2006.7.24)
代理人 【識別番号】100085291
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥巣 実
発明者 片山 直樹 / 高橋 義和
要約 課題
フレキシブルケーブル(例えばFPCやCOP)を複数枚使用することなく、1枚で、高密度に配置されたアクチュエータとの電気接続を安価に実現する。

解決手段
個別表面電極21は、それ自身に電気的に導通するとともに隣の個別表面電極21との間に配置される溶着ランド部22を有する。この溶着ランド部22に、フレキシブルケーブル13の導電パターンとして形成される複数の信号線31の接続端子部32が電気的に接続される。各圧力室列S1〜S8において、各溶着ランド部22が、隣の個別表面電極21の溶着ランド部22とは圧力室14Aaの長手方向においてずれて配置されている。
特許請求の範囲
【請求項1】
インクを吐出するインクジェットプリンタ用ヘッドであって、
複数のノズル、前記複数のノズルの各々に連通する複数の細長い圧力室及び前記圧力室に供給する前記インクを貯留するマニホールドを含むキャビティユニットと、
前記圧力室に対応して形成された個別表面電極及び前記個別表面電極にそれぞれ導通し、前記圧力室に対応して、導通する前記個別表面電極とその隣の前記個別表面電極との間に形成された溶着ランド部を有し、これらの個別表面電極に各々駆動信号が供給されることで前記複数の圧力室の容積を変化させて前記ノズルからインクを吐出させるアクチュエータユニットと
可撓性を有する基材、前記基材に形成された複数の接続端子部及び前記基材に形成され、前記接続端子部から引き出された信号線を有し、前記アクチュエータユニットと重なるように配置されたフレキシブルケーブルとを備え、
前記溶着ランド部は、前記接続端子部と電気的に接続され、
前記信号線の引き出し側の前記溶着ランド部の、前記圧力室の短手方向に隣接する3つの溶着ランド部は、前記圧力室の長手方向において互いにずれて配置されていることを特徴とするインクジェットプリンタ用ヘッド。
【請求項2】
前記複数の圧力室は、前記長手方向と異なる列方向に配列された複数の圧力室列を形成し、
前記信号線は、前記列方向と交差する方向に引き出され、
前記信号線の引き出し側の圧力室列において、その圧力室列を形成する圧力室に対応する個別表面電極と導通する前記溶着ランド部は、同じ圧力室列を形成する隣の圧力室に対応する個別表面電極との間に形成されることを特徴とする請求項1記載のインクジェットプリンタ用ヘッド。
【請求項3】
同一の前記圧力室列を形成する前記圧力室に対応する前記溶着ランド部は、隣り合う複数の前記溶着ランド部を含む、隣接する複数のグループを形成し、前記各グループに含まれる前記溶着ランド部の配置パターンは同一であることを特徴とする請求項2記載のインクジェットプリンタ用ヘッド。
【請求項4】
前記グループを形成する複数の溶着ランド部は、前記圧力室の長手方向に対し傾斜した直線に沿って配置されていることを特徴とする請求項3記載のインクジェットプリンタ用ヘッド。
【請求項5】
前記グループにおいて、前記グループを形成する複数の溶着ランド部は、前記圧力室の長手方向においては一定間隔ごとに1つずつ配置され、
前記グループにおいて、前記グループの両端に位置する溶着ランド部の、前記圧力室の長手方向の間隔が最も広く、前記両端に位置する溶着ランド部を除く残りの溶着ランド部は、前記両端に位置する溶着ランド部を結ぶ直線からずれて配置されていることを特徴とする請求項3記載のインクジェットプリンタ用ヘッド。
【請求項6】
前記各個別表面電極には、隣の個別表面電極と導通する前記溶着ランド部に対応する切り欠き部が形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェットプリンタ用ヘッド。
【請求項7】
前記圧力室列の前記列方向は、前記圧力室の長手方向と直交しており、前記信号線の引き出し方向は、前記圧力室の前記長手方向と平行であることを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載のインクジェットプリンタ用ヘッド。
【請求項8】
前記複数の圧力室は、ブラックインクを含む複数の色のインクがそれぞれ供給される色別圧力室を含み、
前記信号線が引き出される側の前記個別表面電極に対応する前記色別圧力室は、ブラックインクが供給されることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のインクジェットプリンタ用ヘッド。
【請求項9】
前記アクチュエータユニットは、前記圧力室の上方にそれぞれ形成された内部電極と、前記内部電極の表面に形成された圧電シートとをさらに備え、前記個別表面電極は、前記圧電シートの表面に形成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のインクジェットプリンタ用ヘッド。
【請求項10】
全ての前記溶着ランド部について、前記圧力室の短手方向に隣接する3つの溶着ランド部が、前記圧力室の長手方向において互いにずれて配置されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のインクジェットプリンタ用ヘッド。
【請求項11】
前記信号線の引き出し側の前記溶着ランド部について、前記圧力室の短手方向に隣接する4つの溶着ランド部が、前記圧力室の長手方向において互いにずれて配置されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のインクジェットプリンタ用ヘッド。
【請求項12】
前記フレキシブルケーブルを一枚のみ備えることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のインクジェットプリンタ用ヘッド。
【請求項13】
複数のノズル、前記複数のノズルの各々に連通する複数の細長い圧力室及び前記圧力室に供給するインクを貯留するマニホールドを含むキャビティユニットと、前記複数の圧力室に対応して形成された個別表面電極及び前記個別表面電極にそれぞれ導通し、前記圧力室に対応して、導通する前記個別表面電極とその隣の前記個別表面電極との間に形成された溶着ランド部を有し、これらの個別表面電極に各々駆動信号が供給されることで前記複数の圧力室の各々の容積を変化させて前記ノズルからインクを吐出させるアクチュエータユニットとを備えるインクジェットプリンタ用ヘッドに接続されるフレキシブルケーブルであって、
帯状の可撓性絶縁基板、前記可撓性絶縁基板上に形成された複数の接続端子部、及び前記可撓性絶縁基板上に形成され、前記接続端子部から前記前記可撓性基板の延在する延在方向に引き出され、前記複数の個別表面電極に対して駆動信号を供給する複数の信号線を備え、
前記可撓性絶縁基板の、前記信号線の引出側に配置された前記接続端子部において、前記延在方向と異なる方向に隣接する3つの接続端子部は、前記延在方向において互いにずれた位置に形成されていることを特徴とするフレキシブルケーブル。
【請求項14】
前記接続端子部は、中心に貫通孔が形成された銅箔部であることを特徴とする請求項13に記載のフレキシブルケーブル。
【請求項15】
インクを吐出して記録媒体に記録するインクジェットプリンタであって、
複数のノズル、前記複数のノズルにそれぞれ連通する複数の長細い圧力室及び前記圧力室に供給する前記インクを貯留するマニホールドを含むキャビティユニット、
前記圧力室に対応して形成された個別表面電極及び前記個別表面電極にそれぞれ導通し、前記圧力室に対応して、導通する前記個別表面電極とその隣の前記個別表面電極との間に形成された溶着ランド部を有し、これらの個別表面電極に各々駆動信号が供給されることで前記複数の圧力室の容積を変化させて前記ノズルからインクを吐出させるアクチュエータユニット、並びに、
可撓性を有する基材、前記基材に形成された複数の接続端子部及び前記基材に形成され、前記接続端子部から引き出された信号線を有し、前記アクチュエータユニットと重なるように配置されたフレキシブルケーブルとを含むインクジェットプリンタ用ヘッドと、
前記インクジェットプリンタ用ヘッドを支持して移動するキャリッジと、
前記フレキシブルケーブルの一端に接続され、前記個別表面電極に前記駆動信号を供給し、前記キャリッジに、前記キャリッジの駆動を制御するための信号を供給する駆動制御装置とを備え、
前記溶着ランド部は、前記接続端子部と電気的に接続され、
前記信号線の引き出し側の前記溶着ランド部において、前記圧力室の短手方向に隣接する3つの溶着ランド部は、前記圧力室の長手方向に互いにずれた位置に配置されていることを特徴とするインクジェットプリンタ。
【請求項16】
前記フレキシブルケーブルを一枚のみ備えることを特徴とする請求項15に記載のインクジェットプリンタ。


発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェットプリンタ、インクジェットプリンタ用ヘッド及びそれに用いるフレキシブルケーブルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
インクの吐出により記録媒体に記録するインクジェットプリンタとして、従来より、複数のノズル、前記複数のノズルの各々に連通する複数の圧力室及び前記圧力室に供給するインクを一時的に貯留するマニホールドを含むキャビティユニットと、前記圧力室にそれぞれ対応して形成される個別表面電極を有し、これらの個別表面電極に各々駆動信号を供給して、対応する前記圧力室の容積を変化させて、前記ノズルからインクを吐出させるアクチュエータユニットとを備えるインクジェットプリンタが広く知られている。
【0003】
そのようなインクジェットプリンタとして、個別表面電極と、前記個別表面電極と電気的に導通し、且つ、平面視で、圧力室と重ならない補助電極(溶着ランド部)を有し、これらの補助電極を一方向に配列して、フレキシブルケーブルの信号線の接続パッド(接続端子部)と接続したものが知られている(例えば特許文献1(特開2003−311953号)参照)。
【0004】
そして、近年、インクジェットプリンタにおいては、高速印字、画質向上の要求から、ヘッドの小型化、ノズルの高密度化が図られている。そのため、ノズルピッチをできるだけ狭くすることが求められる。しかしながら、前記特許文献1に記載のインクジェットプリンタでは、前記アクチュエータユニットの個別表面電極と制御板とを接続するのに用いるフレキシブルケーブル(FPCあるいはCOF)において、信号線(可撓性絶縁基板状の形成される導電パターン)の引き出し側では、各個別表面電極の溶着ブランド部に接続される信号線が集まり、信号線の数が多くなる。従って、前記信号線(導電パターン)の配線ピッチが狭くなり、ヘッドの小型化及びノズルの高密度化を実現するのが困難である。
【0005】
また、インクジェットヘッドの表面電極上に設けられ、且つ、表面電極に電気的に導通するヘッド端子を千鳥状に配置することによって、これらのヘッド端子に接続される、フレキシブルケーブルの端子電極も千鳥状に配置するようにした配線構造も知られている(例えば、特許文献2(特開2004−114609号公報)参照)。
【特許文献1】特開2003−311953号公報(段落0104及び図10)
【特許文献2】特開2004−114609号公報(段落0028及び図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献2に記載の配線構造のように、インクジェットヘッドの表面電極のヘッド端子及びフレキシブルケーブルの信号線の端子電極を千鳥状に形成しても、それらの大きさをあまり小さくすることができない。なぜならば、ヘッド端子と端子電極の大きさを小さくすると、それらを接続する際に、互いの位置が少しでもずれると、電気的な接続ができなくなるおそれがあるからである。そのため、このような配線構造は、フレキシブルケーブルの信号線のピッチが狭いままであり、ノズルの高密度化をさらに進めることが困難である。
【0007】
そのため、さらにノズルの高密度化を進めて個別表面電極の数を増加するには、複数のフレキシブルケーブル(例えばFPCやCOP)を使用する必要があるが、配線の機械的接続強度が非常に弱くなることに加えて、コスト高となる。
【0008】
本発明は、複数のフレキシブルケーブル(例えばFPCやCOP)を使用することなく、高密度に配置されたノズルに対応したアクチュエータと電気に接続できるインクジェットプリンタ用ヘッド、該インクジェットプリンタ用ヘッドとの接続に用いるフレキシブルケーブル及びインクジェットプリンタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様に従えば、インクの吐出により記録媒体に記録するインクジェットプリンタ用ヘッドであって、複数のノズル、前記複数のノズルの各々に連通する複数の細長い圧力室及び前記圧力室に供給する前記インクを貯留するマニホールドを含むキャビティユニットと、前記圧力室に対応して形成された個別表面電極及び前記個別表面電極にそれぞれ導通し、前記圧力室に対応して、導通する前記個別表面電極とその隣の前記個別表面電極との間に形成された溶着ランド部を有し、これらの個別表面電極に各々駆動信号が供給されることで前記複数の圧力室の容積を変化させて前記ノズルからインクを吐出させるアクチュエータユニットと可撓性を有する基材、前記基材に形成された複数の接続端子部及び前記基材に形成され、前記接続端子部から引き出された信号線を有し、前記アクチュエータユニットと重なるように配置されたフレキシブルケーブルとを備え、前記溶着ランド部は、前記接続端子部と電気的に接続され、前記信号線の引き出し側の前記溶着ランド部の、前記圧力室の短手方向に隣接する3つの溶着ランド部は、前記圧力室の長手方向において互いにずれて配置されているインクジェットプリンタ用ヘッドが提供される。ここで、「前記信号線の引き出し側の」とは、信号線の引き出し側以外の個別表面電極と導通する溶着ランド部は、圧力室の長手方向にずれていない場合も含むことを意味する。
【0010】
本発明の第1の態様によれば、信号線の引き出し側の個別表面電極と導通する各溶着ランド部及び、その両隣の個別表面電極の溶着ランド部は、圧力室の長手方向において互いに位置がずれているので、これらの溶着ランド部が真横に一列に並んでいる場合よりも溶着ランド部間の間隔が広くなる。よって、フレキシブルケーブルにおいて、信号線の配線ピッチが最も狭くなる信号線の引き出し側で、溶着ランド部に電気的に接続されるフレキシブルケーブルの接続端子部の間に、導電パターンとして形成される信号線を余裕をもって通過するように配線することができる。つまり、各個別表面電極と電気的に導通するとともに隣の個別表面電極との間に配置される溶着ランド部の配置を工夫することで、フレキシブルケーブルで信号線を配線するためのスペースを無理なく確保している。よって、複数のフレキシブルケーブル(例えばFPCやCOP)を使用することなく、1枚のフレキシブルケーブルを用いて、高密度に配置された圧力室に対応して形成されたアクチュエータの溶着ランド部と、フレキシブルケーブルの接続端子部とを安価且つ容易に電気的に接続できる。
【0011】
本発明のインクジェットプリンタ用ヘッドにおいて、前記複数の圧力室は、前記長手方向と異なる列方向に配列された複数の圧力室列を形成し、前記信号線は、前記列方向と交差する方向に引き出され、前記信号線の引き出し側の圧力室列において、その圧力室列を形成する圧力室に対応する個別表面電極と導通する前記溶着ランド部は、同じ圧力室列を形成する隣の圧力室に対応する個別表面電極との間に形成されてもよい。
【0012】
このようにすれば、少なくとも信号線の引き出し側の圧力室列において、その圧力室列に属する各圧力室に対応する個別表面電極の前記溶着ランド部が、同じ圧力室列における隣の圧力室に対応する個別表面電極との間に形成されるので、溶着ランド部が真横に並んでいる場合よりも溶着ランド部間の間隔が広くなる。よって、フレキシブルケーブルの信号線の配線スペースを余裕をもって確保する上で有利となる。
【0013】
本発明のインクジェットプリンタ用ヘッドにおいて、同一の前記圧力室列を形成する前記圧力室に対応する前記溶着ランド部は、隣り合う複数の前記溶着ランド部を含む、隣接する複数のグループを形成し、前記各グループに含まれる前記溶着ランド部の配置パターンは同一であってもよい。
【0014】
このようにすれば、圧力室列内の圧力室に対応する溶着ランド部をグループ分けして、そのグループごとに同じ配置パターンを繰り返すことで、フレキシブルケーブル(信号線)の接続端子部と接続される溶着ランド部の配置が単純になる。
【0015】
本発明のインクジェットプリンタ用ヘッドにおいて、前記グループを形成する複数の溶着ランド部は、前記圧力室の長手方向に対し傾斜した直線に沿って配置されていてもよい。
【0016】
このようにすれば、複数の溶着ランド部が、圧力室の長手方向に対し傾斜した直線に沿って配置されることで、溶着ランド部間の間隔が広くなり、フレキシブルケーブルの信号線も余裕をもって、容易に配線することができる。
【0017】
本発明のインクジェットプリンタ用ヘッドにおいて、前記グループにおいて、前記グループを形成する複数の溶着ランド部は、前記圧力室の長手方向においては一定間隔ごとに1つずつ配置され、前記グループにおいて、前記グループの両端に位置する溶着ランド部の、前記圧力室の長手方向の間隔が最も広く、前記両端に位置する溶着ランド部を除く残りの溶着ランド部は、前記両端に位置する溶着ランド部を結ぶ直線からずれて配置されていてもよい。
【0018】
このようにすれば、各グループの両端に位置する2つの溶着ランド部は圧力室の長手方向の間隔がそのグループにおいて最も広くなるので、フレキシブルケーブルの信号線も余裕をもって、容易に配線することができる。また、両端の溶着ランド部を除く残りの溶着ランド部が、前記両端に位置する溶着ランド部を結ぶ直線からずれて配置されているので、フレキシブルケーブルの接続端子部とアクチュエータユニットの溶着ランド部とを電気的に接続する際に、フレキシブルケーブルとアクチュエータユニットとをバランスよく押圧できる。
【0019】
本発明のインクジェットプリンタ用ヘッドにおいて、前記各個別表面電極には、隣の個別表面電極と導通する前記溶着ランド部に対応する切り欠き部が形成されていてもよい。
【0020】
このようにすれば、個別表面電極に部分的に電極部分が切除された切り欠き部を形成することによって、ハンダ付けなどの際に、余分なハンダによって、溶着ランド部と隣の個別表面電極とが、誤って短絡するのが回避される。
【0021】
本発明のインクジェットプリンタ用ヘッドにおいて、前記圧力室列の整列方向が、前記圧力室の長手方向と直交しており、前記信号線の引き出し方向は、前記圧力室の前記長手方向と平行であってもよい。
【0022】
このようにすれば、すべての信号線を圧力室の長手方向とほぼ平行な同一方向に引き出されるので、フレキシブルケーブルにおいて信号線の配線が比較的容易になる。
【0023】
本発明のインクジェットプリンタ用ヘッドにおいて、前記複数の圧力室は、ブラックインクを含む複数の色のインクがそれぞれ供給される色別圧力室を含み、前記信号線が引き出される側の前記個別表面電極に対応する前記色別圧力室は、ブラックインクが供給されてもよい。
【0024】
多くのインク吐出量が要求されるブラックインク用の圧力室の長さは、通常、安定したインク吐出のために、他の色のインクの圧力室の長さよりも長い。そのような場合には、圧力室に対応して形成される個別表面電極も長さが長くなる。個別表面電極の長さを長くできるので、フレキシブルケーブルの信号線の配線ピッチを余裕をもって確保できる。
【0025】
本発明のインクジェットプリンタ用ヘッドにおいて、前記アクチュエータユニットは、前記圧力室の上方にそれぞれ形成された内部電極と、前記内部電極の表面に形成された圧電シートとをさらに備え、前記個別表面電極は、前記圧電シートの表面に形成されていてもよい。
【0026】
アクチュエータユニットは、圧電シート全体が変形することで圧力室に圧力を加えるものであるが、個別表面電極と導通する溶着ランド部が、圧電シートの変形する部分(圧電シートの個別表面電極が形成された部分)から離れた領域である個別表面電極間の領域に配置されているので、溶着ランド部が、圧電シートの変形による圧力室への加圧に影響を与えるおそれがない。つまり、この圧電シート上に形成された個別表面電極上に直接、フレキシブルケーブルの信号線をハンダにて接続する構成とすると、そのハンダ付けされた部分において個別表面電極の剛性が高くなり、圧電シートが変形しにくくなるからである。
【0027】
本発明のインクジェットプリンタ用ヘッドにおいて、全ての前記溶着ランド部について、前記圧力室の短手方向に隣接する3つの溶着ランド部が、前記圧力室の長手方向において互いにずれて配置されていてもよい。この場合には、最も信号線の引き出し側の溶着ランド部のみについて、圧力室の短手方向に隣接する3つの溶着ランド部が、圧力室の長手方向において互いにずれて配置されている場合よりも、フレキシブルケーブルの信号線を配線する自由度が高くなる。
【0028】
本発明のインクジェットプリンタ用ヘッドにおいて、前記信号線の引き出し側の前記溶着ランド部について、前記圧力室の短手方向に隣接する4つの溶着ランド部が、前記圧力室の長手方向において互いにずれて配置されていてもよい。この場合には、隣接する3つの溶着ランド部のみが前記圧力室の長手方向において互いにずれて配置されている場合と比べて、フレキシブルケーブルの信号線の配線ピッチを広くすることができる。
【0029】
本発明のインクジェットプリンタ用ヘッドは、前記フレキシブルケーブルを一枚のみ備えてもよい。この場合には、複数のフレキシブルケーブルを使用しないため、溶着ランド部と接続端子部との間の、電気的接続及び機械的接続の信頼性を高めることができる。
【0030】
本発明の第2の態様に従えば、複数のノズル、前記複数のノズルの各々に連通する複数の長細い圧力室及び前記圧力室に供給するインクを貯留するマニホールドを含むキャビティユニットと、前記複数の圧力室に対応して形成された個別表面電極及び前記個別表面電極にそれぞれ導通し、前記圧力室に対応して、導通する前記個別表面電極とその隣の前記個別表面電極との間に形成された溶着ランド部を有し、これらの個別表面電極に各々駆動信号が供給されることで前記複数の圧力室の各々の容積を変化させて前記ノズルからインクを吐出させるアクチュエータユニットとを備えるインクジェットプリンタ用ヘッドに接続されるフレキシブルケーブルであって、帯状の可撓性絶縁基板、前記可撓性絶縁基板上に形成された複数の接続端子部、及び前記可撓性絶縁基板上に形成され、前記接続端子部から前記前記可撓性基板の延在する延在方向に引き出され、前記複数の個別表面電極に対して駆動信号を供給する複数の信号線を備え、前記可撓性絶縁基板の、前記信号線の引出側に配置された前記接続端子部において、前記延在方向と異なる方向に隣接する3つの接続端子部は、前記延在方向において互いにずれた位置に形成されているフレキシブルケーブルが提供される。
【0031】
本発明の第2の態様によれば、少なくとも信号線の引き出し側の個別表面電極に導通する溶着ランド部が、隣の個別表面電極に導通する溶着ランド部とは圧力室の長手方向において位置がずれており、フレキシブルケーブルの接続端子部が、前記各個別表面電極の溶着ランド部に対応するように配置されているので、接続端子部間の間隔を広くすることができる。このように接続端子部間の間隔を広くすることで、前記接続端子部間に、(フレキシブルケーブルの)信号線を余裕をもって配線することができる。よって、高密度に配置された圧力室に対応して、アクチュエータに高密度に形成された個別表面電極とフレキシブルケーブルの接続端子部との電気な接続は、1枚のフレキシブルケーブル(例えばFPCやCOP)を用いて安価に実現できる。
【0032】
本発明のフレキシブルケーブルにおいて、前記信号線の接続端子部は、中心に貫通孔が形成された銅箔部であってもよい。
【0033】
このようにすれば、接続端子部の中心に形成された貫通孔に、ハンダなどを充填することで、接続端子部と溶着ランド部とを容易に電気的に接続できる。
【0034】
本発明の第3の態様に従えば、インクの吐出により記録媒体に記録するインクジェットプリンタであって、複数のノズル、前記複数のノズルにそれぞれ連通する複数の長細い圧力室及び前記圧力室に供給する前記インクを貯留するマニホールドを含むキャビティユニットと、前記圧力室に対応して形成された個別表面電極及び前記個別表面電極にそれぞれ導通し、前記圧力室に対応して、導通する前記個別表面電極とその隣の前記個別表面電極との間に形成された溶着ランド部を有し、これらの個別表面電極に各々駆動信号が供給されることで前記複数の圧力室の容積を変化させて前記ノズルからインクを吐出させるアクチュエータユニットと、可撓性を有する基材、前記基材に形成された複数の接続端子部及び前記基材に形成され、前記接続端子部から引き出された信号線を有し、前記アクチュエータユニットと重なるように配置されたフレキシブルケーブルとを含むインクジェットプリンタ用ヘッドと、前記インクジェットプリンタ用ヘッドを支持して移動するキャリッジと、前記フレキシブルケーブルの一端に接続され、前記個別表面電極に前記駆動信号を供給し、前記キャリッジに、前記キャリッジの駆動を制御するための信号を供給する駆動制御装置とを備え、前記溶着ランド部は、前記接続端子部と電気的に接続され、前記信号線の引き出し側の前記溶着ランド部において、前記圧力室の短手方向に隣接する3つの溶着ランド部は、前記圧力室の長手方向に互いにずれた位置に配置されているインクジェットプリンタが提供される。
【0035】
本発明の第3の態様によれば、信号線の引き出し側の個別表面電極に導通する溶着ランド部は、隣接する個別表面電極と導通する溶着ランド部に対して圧力室の長手方向にずれているので、これらの溶着ランド部が真横に一列に並んでいる場合よりも、溶着ランド部間の間隔を広くすることができる。よって、信号線の配線ピッチが最も狭くなる信号線の引き出し側においても、溶着ランド部に電気的に接続される接続端子部間に、導電パターンとして形成される(フレキシブルケーブルの)信号線を余裕をもって配線することができる。
【0036】
本発明のインクジェットプリンタは、前記フレキシブルケーブルを一枚のみ備えてもよい。この場合には、複数のフレキシブルケーブルを使用しないため、溶着ランド部と接続端子部との間の、電気的接続及び機械的接続の信頼性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、本発明の実施の形態を図面に沿って説明する。
【0038】
図1(a)は本発明にかかるインクジェットプリンタ1の概略構成図であり、図1(b)は本発明にかかるインクジェットプリンタ1のキャビティユニット、アクチュエータユニットおよびフレキシブルケーブル(COP)の関係を示す図である。
【0039】
本発明に係るインクジェットプリンタ1は、図1(a)に示すように、インクカートリッジ(図示せず)が搭載されるキャリッジ2の下面に、記録用紙P(記録媒体)に記録するためのインクジェットプリンタ用ヘッド3(以下、単にヘッドという)が設けられている。キャリッジ2は、プリンタフレーム4内に設けられるキャリッジ軸5とガイド板(図示せず)とによって支持され、記録用紙Pの搬送方向Aと直交する方向Bに往復移動できる。
【0040】
図示しない給紙部からA方向に搬送される記録用紙Pは、プラテンローラ(図示せず)とヘッド3との間に導入されて、ヘッド3から記録用紙Pに向けて吐出されるインクにより所定の画像などが記録され、その後排紙ローラ6にて排紙される。
【0041】
また、図1(b)及び図2に示すように、ヘッド3は、キャビティユニット11と、アクチュエータユニット12とを下側から順に備え、アクチュエータユニット12の上面に駆動信号を供給するフレキシブルケーブル13(信号線)が設けられている。フレキシブルケーブル13の一端はアクチュエータユニット12に接続され、他端は駆動制御装置100に接続されている。駆動制御装置100は、キャリッジ2の駆動を制御するための信号を送出する駆動制御部101と、後述するアクチュエータユニットの各圧力室に対応して形成された個別表面電極に対して駆動信号(駆動電圧)を送出するドライバIC(IC)102とを備える。
【0042】
キャビティユニット11は、図3に示すように、複数のプレートからなる積層体14を含む。その積層体14の上側には、後述するトッププレート15が設けられ、下側には、ノズルプレート16及びスペーサプレート17を貼り合わせて形成されるプレートアッセンブリ18が一体に貼り付けられている。
【0043】
トッププレート14の上側に、図2(a)に示すように、アクチュエータユニット12が設けられている。また、キャビティユニット11の開口11aには、インクに含有される塵埃などを捕獲するためのフィルタ19が設けられる。ノズルプレート16は、合成樹脂プレート(例えばポリイミド)であって、積層体14を構成する後述のキャビティプレート14Aの各圧力室14Aaにつき、1つのノズル16aが形成されている。また、スペーサプレート17は、ノズル16aに対応する貫通孔17aが形成された金属プレートである。なお、ノズルプレート16は金属プレートであってもよい。
【0044】
図5に示すように、この積層体14は、上側から順にキャビティプレート14A、ベースプレート14B、アパーチャープレート14C、2枚のマニホールドプレート14D,14E、及びダンパープレート14Fがそれぞれ重ねられて金属拡散接合されたものである。これら6枚のプレート14A〜14Fは、各ノズル16aに連通する個別のインク流路が形成されるように、互いに位置合わせして積層されている。ここで、金属製のキャビティプレート14Aには、規則的に整列した多数の貫通孔が形成されており、これらの貫通孔によって圧力室14Aaが形成されている。金属製のベースプレート14Bは、マニホールド14Da,14Ea(共通インク室)を圧力室14Aaに連通するための連通孔14Ba及び圧力室14Aaをノズル16aに連通するための連通孔14Bbがそれぞれ形成されている。金属製のアパーチャープレート14Cも、マニホールド14Da,14Eaを圧力室14Aaに連通するための連通孔14Ca及び圧力室14Aaをノズル16aに連通するための連通孔14Cbがそれぞれ形成されている。金属製のマニホールドプレート14D,14Eは、マニホールド14Da,14Eaと、圧力室14Aaをノズル16aにそれぞれ連通するための連通孔14Db,14Ebとがそれぞれ形成されている。金属製のダンパープレート14Fは、ダンパー室14Faと、圧力室14Aaをノズル16aに連通するための連通孔14Fbとが形成されている。
【0045】
アクチュエータユニット12は、各圧力室14Aaに対応してトッププレート15上に形成された内部共通電極20と、内部共通電極20の上に形成された圧電シート24と、この圧電シート24の上面に形成された表面電極21(個別表面電極)とを備えている。圧電シート24は、強誘電性を有するチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系のセラミックス材料からなり、その厚み方向に分極している。表面電極21は、Ag−Pd系等の金属材料からなるものであり、駆動信号が供給されるフレキシブルケーブル13の信号線31により、ドライバIC102を備える駆動制御装置100に接続されている。他方、内部共通電極は常にグランド電位に保たれている。したがって、個別表面電極21の電位をグランド電位より高い電位(または低い電位)とすることで、圧電シート24に対してその分極方向に電界が印加される。電界が印加された圧電シート24は、活性層として、圧電横効果により分極方向と直交する方向に縮む。一方、トッププレート15は、電界の影響を受けないため自発的には縮まないので、上層の圧電シート24と下層のトッププレート15との間で分極方向と直交する方向への歪みに差を生じることとなる。トッププレート15は、キャビティプレート14Aに固定されているので、圧電シート及びトッププレート15は圧力室14Aa側に凸となるように変形する(ユニモルフ変形)。このため、圧力室14Aaの容積が減少して、圧力室14Aa内のインクの圧力が上昇し、ノズル16aからインクが吐出される。その後、表面電極21を内部共通電極20と同じ電位に戻すと、圧電シート24及びトッププレート15は元の形状になって圧力室14Aaの容積が元の容積に戻るので、圧力室14Aa内の圧力が減少して、インクがマニホールド14Da,14Eaから圧力室14Aa内に流入する。これと同様にして、インク吐出動作を繰り返すことができる。
【0046】
上述したように、本実施の形態では、キャビティユニット11の上側に、振動板としてのトッププレート15を設けているので、ユニモルフ変形による優れた吐出効率を実現することができる。
【0047】
このように、キャビティユニット11は、複数のノズル16a、前記複数のノズル16aにそれぞれ連通する複数の圧力室14Aa及び圧力室14Aaに供給するインクを一時的に貯留するマニホールド14Da,14Eaを含む。一方、アクチュエータユニット12は、圧力室14Aaに対応する個別表面電極21を有し、この個別表面電極21に駆動信号を供給して、圧力室14Aaの容積を変化させて前記ノズル16aからインクを吐出させている。
【0048】
続いて、個別表面電極21とフレキシブルケーブル13(COP)の信号線31との接続について、図4〜図7に沿って説明する。
【0049】
アクチュエータユニット15の上面には、図4(a)に示すように、細長い長円形状の個別表面電極21と円形状の溶着ランド部22とが、圧力室14Aaに対応して規則的に整列して配置されている。各個別表面電極21は、アクチュエータユニット15の各圧力室14Aaに対応する位置に形成されており、平面視において各個別表面電極21は各圧力室14Aaと重なっている。個別表面電極21に対応して円形状の溶着ランド部22が設けられており、個別表面電極21と溶着ランド部22とはそれぞれ互いに電気的に導通する。
【0050】
圧力室14Aaは、圧力室14Aaの長手方向と異なる方向(この実施の形態では、圧力室14Aaの長手方向と直交する方向)に直線状に整列する複数の圧力室列S1〜S8を形成するように配置される。よって、これらの圧力室14Aaに対応して設けられる個別表面電極21も、圧力室14Aaの長手方向と異なる方向に直線状に並ぶ複数の列に配置されている。なお、圧力室列S1〜S8は、2列ずつ異なる色のインク用に用いられており、それぞれ、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックのインク用の色別圧力室を含んでいる。
【0051】
各圧力室列S1〜S8に属する各圧力室14Aaに対応する各個別表面電極21と導通する溶着ランド部22は、同じ圧力室列S1〜S8における隣の圧力室14Aaに対応する個別表面電極21との間に形成されている。この溶着ランド部22の径は、個別表面電極21間の間隔より小さく、溶着ランド部22は、導通する個別表面電極21と隣の個別表面電極21との間において、導通する側の個別表面電極21寄りに設けられている。
【0052】
よって、溶着ランド部22と、それの隣の個別表面電極21との間には、電気的に接触しないように隙間が設けられている。また、本実施の形態では、溶着ランド部22は、それの隣の個別表面電極21との間に隙間が形成されるだけでなく、平面視で、隣の個別表面電極21についての圧力室14Aaと重ならないように配置されている。
【0053】
フレキシブルケーブル13の信号線31は、図4(b)に示すように、圧力室14Aaの長手方向に延在する帯状の可撓性絶縁基板13a(図1B参照)上に、導電パターンとして形成されている。信号線31の接続端子部32は、中心に貫通孔32aが形成された銅箔部32bとして形成されている。前記駆動信号を供給する信号線31は、同一方向に引き出され、その引き出し方向は、圧力室14Aaの長手方向と平行である。
【0054】
各信号線31の接続端子部32は、各個別表面電極21の溶着ランド部22に対応して可撓性絶縁基板に配置されており、接続端子部32に形成された貫通孔32aにハンダを充填することで、図6及び図7に示すように、接続端子部32が溶着ランド部22を介して個別表面電極21に電気的に接続されている。
【0055】
溶着ランド部22と、同じ圧力室列S1〜S8における隣の個別表面電極21の溶着ランド部22とは、圧力室14Aaの長手方向においてずれて配置されている。本実施の形態では、溶着ランド部22は、前記圧力室列S1〜S8内において隣り合う4個ずつにグループ分けされ、そのグループごとに同じ配置パターンを繰り返しており、配置パターンの単純化が図られている。
【0056】
具体的には、図4(a)に示すように、前記グループを構成する複数の溶着ランド部22a,22b,22c,22dは、圧力室14Aaの長手方向に対し傾斜した直線Lに沿って配置されている。グループの両端に位置する溶着ランド部22a,22dは、溶着ランド部間の間隔をできるだけ広く確保できるように、個別表面電極21の、圧力室14Aaの長手方向における端部付近に設けられている。
【0057】
前記グループにおいて、溶着ランド部22a〜22dは、圧力室14Aaの長手方向において等間隔に配置されている。隣り合う溶着ランド部22a〜22dの間隔は、これらが真横に並んでいる場合の間隔よりも広くなる。これにより、図4(b)及び図6に示すように、フレキシブルケーブル13において、溶着ランド部22に対応して配置される接続端子部32間の間隔も、それらを真横に並べる場合の間隔に比べて広くなるので、接続端子部32間に可撓性絶縁基板上に形成される導電パターンとしての信号線31を余裕をもって配線することができる。
【0058】
本発明は、前記実施の形態に制限されるものではなく、次のように変更した形態とすることも可能である。
【0059】
〈第1変更形態〉
グループを構成する複数の溶着ランド部は、圧力室14Aaの長手方向に対し傾斜した直線Lに沿って配置する場合に限られず、例えば図8〜図10に示すように配置することも可能である。
【0060】
この場合には、グループを構成する複数の溶着ランド部22e,22f,22g,22hは、圧力室14Aaの長手方向においては一定間隔ごとに配置される。そして、前記グループにおいて、前記グループの両端に位置する溶着ランド部22e,22hの間隔が最も広く、残りの溶着ランド部22f,22gは、2つの溶着ランド部22e,22hを結ぶ直線上には配置されていない。この実施の形態の溶着ランド部22e〜22hは、図4〜図7に示される4つの溶着ランド部22a〜22dにおいて、中央に位置する2つの溶着ランド部22b、22cの位置を入れ替えた場合と同じ配置である。
【0061】
また、溶着ランド部22e〜22hと接続端子部32とのハンダ付けの際に、接続端子部32が隣の個別表面電極21に誤って電気的に導通するのを回避するために、図11に示すように、各個別表面電極21に、隣の個別表面電極21の溶着ランド部22e〜22hを避けるように、電極部分に切り欠き部21a,21bを形成することも可能である。この場合も、フレキシブルケーブル13において、溶着ランド部22に対応して配置される接続端子部32間の間隔が、それらを真横に並べる場合に比べて広くなるので、図8(b)及び図9に示すように、接続端子部32間に形成される信号線31の導電パターンを、余裕をもって配線することができる。また、フレキシブルケーブル13の接続端子部32と、アクチュエータユニット15の溶着ランド部22とを半田などにより電気的に接続する際に、フレキシブルケーブル13をアクチュエータユニット15に対して押圧する必要がある。このときに、溶着ランド部が直線状に配置されている場合と比べて、アクチュエータユニット15をまんべんなく均一に押圧することができる。
【0062】
〈第2変更形態〉
前記実施の形態では、個別表面電極のグループは4個の個別表面電極を含んでいるが、その数は4個に特定されるものではなく、例えば、3個、5個あるいはそれ以上の数の個別表面電極を含むグループにすることも可能である。
【0063】
〈第3変更形態〉
前記実施の形態では、複数の圧力室14Aaには、異なる色のインク(マゼンタ、シアン、イエロー、ブラック)が供給される色別圧力室を含んでいるが、前記信号線31が引き出される側の個別表面電極21に対応する圧力室14Aaに供給されるインクの色については特に制限はない。ただし、次のような場合には、ブラックインクが供給される圧力室を、信号線の引き出し側に配置することが望ましい。
【0064】
ブラックインクは通常、多くのインク吐出量を要求されることから、ブラックインクについての圧力室14Aaは、安定したインクの充填のために他の色のインクについての圧力室よりも長い。そのような場合には、圧力室14Aaに対応して形成される個別表面電極21の長さも長くなるので、圧力室の長手方向における溶着ランド部の間隔を、他のインクについての圧力室を利用する場合に比べて広くすることができる。従って、信号線31の数が多くなり、信号線31の配線ピッチが狭くなる引き出し側にブラックインク用の圧力室14Aaを配置することで、信号線31の導電パターンの配線ピッチを余裕をもって確保することができる。
【0065】
〈第4実施形態〉
上記実施の形態では、すべての圧力室列の個別表面電極が、隣の個別表面電極の溶着ランド部とは圧力室の長手方向においてずれて配置されるようにしているが、本発明はそれに限定されるものではない。前記信号線の最も引き出し側の圧力室列のみ、あるいはその圧力室列を含む前記信号線の引き出し側の複数の圧力室列のみについて、前記個別表面電極と導通する溶着ランド部が圧力室の長手方向においてずれて配置されるようにすることができる。信号線の引き出し側ほど前記信号線の配線ピッチが狭くなるので、少なくとも前記信号線の引き出し側の前記個別表面電極と導通する溶着ランド部が圧力室の長手方向においてずれて配置されていれば、配線が容易になるという効果が得られるからである。
【0066】
〈第5変更形態〉
前記実施の形態では、圧力室の長手方向においては、溶着ランド部を一定間隔で配置しているが、本発明はそれに限定されるものではない。信号線の引き出し側ほど前記信号線の配線ピッチが狭くなるので、同じグループ内において、信号線の引き出し側ほど圧力室の長手方向における溶着ランド部の間隔が広くなるように配置することも可能である。
【0067】
〈第6変更形態〉
前記実施の形態において、アクチュエータユニットは、各圧力室の上方に形成された内部電極と、この内部電極の上に形成された圧電シートと、この圧電シート上に形成された個別表面電極とを有しているが、本発明はそれに限定されない。本発明は、複数の圧力室にまたがって延び、複数積層された圧電セラミックスを含むシート材料と、前記複数のシート材料の間に設けられ、かつ、キャビティユニットに最も近い側を共通電極として前記シート材料の積層方向に交互に配置された前記各圧力室に対応する複数の個別電極及び共通電極を備えるアクチュエータユニットにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】(a)は本発明にかかるインクジェットプリンタの概略構成図、(b)は本発明にかかるキャビティユニット、アクチュエータユニットおよびフレキシブルケーブル(COP)の関係を示す図である。
【図2】(a)はキャビティユニットを、積層体と、ノズルプレートとスペーサプレートとを貼り合わせたものに分解して示す図、(b)はノズルプレートとスペーサプレートとを示す図である。
【図3】キャビティユニットを構成する積層体を、構成要素である各プレートに分解し、それらをトッププレートとともに示す図である。
【図4】本発明にかかる第1の実施の形態を示し、(a)は個別表面電極と圧力室との関係を示す図、(b)は信号線の接続端子部の配置を示す図である。
【図5】図4のV−V線断面図である。
【図6】個別表面電極に信号線の接続端子部を接続した状態を示す平面図である。
【図7】個別表面電極に信号線の接続端子部を接続した状態を示す一部拡大図である。
【図8】(a)は本発明にかかる第2の実施の形態における個別表面電極と圧力室との関係を示す図であり、(b)は本発明にかかる第2の実施の形態における信号線の接続端子部の配置を示す図である。
【図9】個別表面電極に信号線の接続端子部を接続した状態を示す平面図である。
【図10】個別表面電極に信号線の接続端子部を接続した状態を示す一部拡大図である。
【図11】第1変更形態における個別表面電極と圧力室との関係を示す図である。
【符号の説明】
【0069】
S1〜S8 圧力室列
P 記録用紙
1 インクジェットプリンタ
3 インクジェットヘッド
11 キャビティユニット
14 積層体
14 キャビティプレート
14Aa 圧力室
12 アクチュエータユニット
13 フレキシブルケーブル
14Da,14Ea マニホールド
16a ノズル
21 個別表面電極
21a,21b 切り欠き部
22,22a〜22h 溶着ランド部
31 信号線
32 接続端子部
32a 貫通孔
32b 銅箔部






 

 


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