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発明の名称 インクジェット記録装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−30369(P2007−30369A)
公開日 平成19年2月8日(2007.2.8)
出願番号 特願2005−217698(P2005−217698)
出願日 平成17年7月27日(2005.7.27)
代理人 【識別番号】100082500
【弁理士】
【氏名又は名称】足立 勉
発明者 梅田 隆一郎
要約 課題
インクジェット記録装置において、記録ヘッドの噴射ノズルにおいて不吐出が発生した場合でも、迅速に画像記録を再開すること。

解決手段
不吐出状態であるノズルが存在すると判断された場合には(S230:Y)、不吐出状態であるノズルを2組のノズル群の一方のみが含むか否かを判断する。不吐出状態であるノズルを2組のノズル群の一方のみが含むのではないと判断された場合、すなわち、不吐出状態であるノズルを2組のノズル群の双方が含むと判断した場合には(S250:N)、回復動作を実行する(S280)。一方、不吐出状態であるノズルを2組のノズル群の一方のみが含むと判断された場合には(S250:Y)、不吐出状態であるノズルを含まないノズル群を用いて、指示に従って記録を行う(S260)。そして、不吐出状態であるノズル含むノズル群に対して回復動作を実行する(S270)。
特許請求の範囲
【請求項1】
インクを貯蔵するサブタンクを内蔵するとともに噴射ノズルから前記サブタンク内のインクを選択的に噴射して被記録媒体に画像記録を行う記録ヘッドを備えるインクジェット記録装置であって、
前記記録ヘッドは、複数組の噴射ノズル群を有しており、
前記複数組の噴射ノズル群のうち少なくとも何れかを選択して被記録媒体に画像記録を行わせる画像記録制御手段と、
前記噴射ノズルの何れかが不吐出状態であることを検出する不吐出状態検出手段と、
を備え、
前記画像制御制御手段は、前記不吐出状態検出手段によって何れかの噴射ノズルが不吐出状態であることが検出された場合には、前記複数組の噴射ノズル群のうちその不吐出状態である噴射ノズルを含まない噴射ノズル群を選択して画像記録を行わせること
を特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項2】
請求項1に記載のインクジェット記録装置において、
前記記録ヘッドの噴射ノズル群に対してメンテナンスを行うメンテナンス手段を備え、
前記メンテナンス手段は、前記画像制御制御手段によって前記複数組の噴射ノズル群のうち不吐出状態である噴射ノズルを含まない噴射ノズル群を選択して画像記録を行った場合には、前記複数組の噴射ノズル群のうち少なくともその画像記録を行った噴射ノズル群に対してメンテナンスを行うこと
を特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のインクジェット記録装置において、
前記記録ヘッドの噴射ノズル群に対してメンテナンスを行うメンテナンス手段を備え、
前記メンテナンス手段は、前記不吐出状態検出手段によって何れかの噴射ノズルが不吐出状態であることが検出された場合において、前記複数組の噴射ノズル群すべてに不吐出状態である噴射ノズルが含まれるときには、前記複数組の噴射ノズル群すべてに対してメンテナンスを行うこと
を特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項4】
n色の基本インクをそれぞれ貯留するn個のインクタンクと、
前記インクタンクに接続可能なm個(m>n)のサブタンクと、
前記基本インクを前記インクタンクから前記サブタンク側へ供給する供給手段と、
前記サブタンクを内蔵するとともに噴射ノズルから前記サブタンク内のインクを選択的に噴射して被記録媒体に画像記録を行う記録ヘッドと、
を備えるインクジェット記録装置であって、
前記サブタンクにおける前記供給手段によってインクが供給される箇所には、複数の細孔が形成されており、
前記複数の細孔は、前記メインタンクから前記チューブを介して供給されるインクを前記サブタンク内へ拡散させるよう形成されていること
を特徴とするインクジェット記録装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット記録装置において、記録ヘッドの噴射ノズルにおいて不吐出が発生した場合でも、迅速に画像記録を再開する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、インク供給システムを備えるインクジェット記録装置が知られている。すなわち、この種のインクジェット記録装置においては、噴射ノズルからインクを噴射して被記録媒体に記録を行う記録ヘッドおよび記録ヘッドに供給されるインクを貯えるインクタンクを搭載したキャリッジと、インクタンクへ供給されるインクを貯えるメインタンクと、を備え、インクタンクのインクが減少したときにはメインタンクからサブタンクへインクを供給するよう構成されている。
【0003】
このようなインクジェット記録装置においては、記録ヘッドの噴射ノズルにおいて不吐出が発生した際には回復動作を行うよう構成されている。
また、上述のインクジェット記録装置の中には、記録ヘッドに2組の噴射ノズル群を備えており、通常画質モードと高画質モードとで画像記録を行うことができるインクジェット記録装置がある(例えば、特許文献1参照。)。なお、上述の2組の噴射ノズル群のうち一方についてはBCMYの噴射ノズル群であり、他方についてはRGBの噴射ノズル群である。
【特許文献1】特開平10−285422号公報(第3,4頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述のようなインクジェット記録装置においては、上述のように記録ヘッドの噴射ノズルにおいて不吐出が発生した際には、回復動作を行うために画像記録を一時停止する必要があり、その分画像記録が終了するまで利用者を待たせることになるという問題があった。
【0005】
本発明は、このような不具合に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、インクジェット記録装置において、記録ヘッドの噴射ノズルにおいて不吐出が発生した場合でも、迅速に画像記録を再開する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するためになされた請求項1に係るインクジェット記録装置は、インクを貯蔵するサブタンクを内蔵するとともに噴射ノズルから前記サブタンク内のインクを選択的に噴射して被記録媒体に画像記録を行う記録ヘッドを備えるインクジェット記録装置であって、前記記録ヘッドは、複数組の噴射ノズル群を有しており、前記複数組の噴射ノズル群のうち少なくとも何れかを選択して被記録媒体に画像記録を行わせる画像記録制御手段と、前記噴射ノズルの何れかが不吐出状態であることを検出する不吐出状態検出手段と、を備え、前記画像制御制御手段は、前記不吐出状態検出手段によって何れかの噴射ノズルが不吐出状態であることが検出された場合には、前記複数組の噴射ノズル群のうちその不吐出状態である噴射ノズルを含まない噴射ノズル群を選択して画像記録を行わせることを特徴とする。
【0007】
このように構成された本発明によれば、何れかの噴射ノズルが不吐出状態であることが検出された場合には、複数組の噴射ノズル群のうちその不吐出状態である噴射ノズルを含まない噴射ノズル群を選択して画像記録を行うので、記録ヘッドの噴射ノズルにおいて不吐出が発生した際でも、例えば回復動作を行うことなく、迅速に画像記録を再開することができる。
【0008】
ところで、上述のように、複数組の噴射ノズル群のうちの何れかが不吐出状態である噴射ノズルを含む場合において、他の噴射ノズル群を用いて画像記録を行っているときには、その噴射ノズル群を構成する噴射ノズルが、高頻度で使用されることで不吐出状態になるおそれがある。
【0009】
そこで、不吐出状態である噴射ノズルを含まない噴射ノズル群に対してメンテナンスを行うことが考えられる。具体的には、請求項2のように、記録ヘッドの噴射ノズル群に対してメンテナンスを行うメンテナンス手段を備え、画像制御制御手段によって複数組の噴射ノズル群のうち不吐出状態である噴射ノズルを含まない噴射ノズル群を選択して画像記録を行った場合には、メンテナンス手段が、複数組の噴射ノズル群のうち少なくともその画像記録を行った噴射ノズル群に対してメンテナンスを行うことが考えられる。
【0010】
このように構成すれば、不吐出状態である噴射ノズルを含まない噴射ノズル群を高頻度で使用しても、その噴射ノズル群が不吐出状態になることを防ぐことができる。なお、噴射ノズル群すべてに対してメンテナンスを行ってもよい。このようにすれば、不吐出状態である噴射ノズルがクリーニングによって吐出可能な状態となるので、次回の画像記録時には噴射ノズル群すべてを選択可能とすることができる。
【0011】
なお、噴射ノズル群すべてが不吐出状態である噴射ノズルを含む場合には、噴射ノズル群すべてに対してメンテナンスを行うことが考えられる。具体的には、請求項3のように、記録ヘッドの噴射ノズル群に対してメンテナンスを行うメンテナンス手段を備え、不吐出状態検出手段によって何れかの噴射ノズルが不吐出状態であることが検出された場合において、複数組の噴射ノズル群すべてに不吐出状態である噴射ノズルが含まれるときには、メンテナンス手段が、複数組の噴射ノズル群すべてに対してメンテナンスを行うことが考えられる。このように構成すれば、すべての噴射ノズル群が不吐出状態となるのを防ぐことができる。
【0012】
ところで、メインタンクからサブタンクへ供給されるインクの色彩とサブタンクに貯留するインクの色彩とが異なる場合には、これらインクがサブタンク内で混ざるのに時間を要するおそれがある。そこで、上記課題を解決するためになされた請求項4に係るインクジェット記録装置は、n色の基本インクをそれぞれ貯留するn個のインクタンクと、前記インクタンクに接続可能なm個(m>n)のサブタンクと、前記基本インクを前記インクタンクから前記サブタンク側へ供給する供給手段と、前記サブタンクを内蔵するとともに噴射ノズルから前記サブタンク内のインクを選択的に噴射して被記録媒体に画像記録を行う記録ヘッドと、を備えるインクジェット記録装置であって、前記サブタンクにおける前記供給手段によってインクが供給される箇所には、複数の細孔が形成されており、前記複数の細孔は、前記メインタンクから前記チューブを介して供給されるインクを前記サブタンク内へ拡散させるよう形成されていることを特徴とする。
【0013】
このように構成された本発明によれば、サブタンクにおけるチューブが接続された箇所には複数の細孔が形成されており、これら複数の細孔が、メインタンクから供給されるインクをサブタンク内へ拡散させるよう形成されていることが考えられる。このように構成すれば、メインタンクからサブタンクへ供給されたインクとサブタンク内に貯留するインクとを短時間で混ぜることができる。
【0014】
なお、上述の複数組の噴射ノズル群については、2組の噴射ノズル群であることが考えられる。この場合、2組の噴射ノズル群のうち一方については、BCMYの噴射ノズル群であり、他方についてはRGBの噴射ノズル群であることが考えられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に本発明の実施形態を図面とともに説明する。
[実施形態]
図1は、本発明を適用するのに好適な複合機10(インクジェット記録装置)の外観斜視図である。
【0016】
複合機10は、下部にプリンタ部11を、上部にスキャナ部12を一体的に備えた多機能装置(MFD:Multi Function Device)であり、プリンタ機能、スキャナ機能、コピー機能を有する。複合機10のうちプリンタ部11が本発明に係るインクジェット記録装置に相当する。プリンタ機能以外の機能が省略されていてもよい。したがって、本発明は、スキャナ部12が省略され、スキャナ機能やコピー機能を有しない単機能のプリンタにも適用され、さらに通信部を備えたファクシミリ機能等を有するものにも適用され得る。
【0017】
本発明が複合機であるインクジェット記録装置として実施される場合には、本実施形態に係る複合機10のような小型装置として構成されてもよいし、複数の給紙カセットや自動原稿搬送装置(ADF:Auto Document Feeder)を備えた大型装置として構成されてもよい。また、複合機10は、主に図示されていないコンピュータと接続されて、当該コンピュータから送信された画像データや文書データに基づいて記録用紙(被記録媒体)に画像や文書を記録するように構成されていてもよい。さらに、複合機10は、デジタルカメラと接続されて、当該デジタルカメラから出力される画像データを記録用紙に記録したり、各種記録媒体が装填されることにより、当該記録媒体に記録された画像データ等を記録用紙に記録するように構成されていてもよい。
【0018】
後に詳述されるが、本実施形態に係る複合機10の特徴とするところは、少ない種類のインク(基本インク)が予め貯留されるだけで、多種類の混合インクが複合機10内で生成される点である。これにより、画像形成に際して多種類のインクが使用されることとなるから、複合機10の色再現性が向上する。しかも、予め貯留される基本インクの数が少ないので、複合機10のランニングコストが大幅に上昇することはない。
【0019】
図1が示すように、複合機10は概ね幅広薄型直方体の外形を呈し、複合機10の高さ寸法より横幅寸法及び奥行寸法が大きく設定されている。複合機10の下部にプリンタ部11が設けられている。プリンタ部11は、正面に開口13を有する。給紙トレイ14及び排紙トレイ15がこの開口13に露出するようにして上下2段に設けられている。給紙トレイ14は、記録用紙を貯蔵するためのものであり、A4サイズ以下の、B5サイズ、はがきサイズ等の各種サイズの記録用紙が収容可能となっている。給紙トレイ14は、スライドトレイ16を備えており、必要に応じてスライドトレイ16が引き出されることによりトレイ面が拡大されるようになっている。給紙トレイ14に収容された記録用紙は、プリンタ部11の内部へ給送されて所定の画像が記録され、排紙トレイ15へ排出されるようになっている。
【0020】
複合機10の上部にスキャナ部12が設けられている。このスキャナ部12は、所謂フラットベッドスキャナとして構成されている。複合機10は、原稿カバー17を備えている。原稿カバー17は、複合機10に対して開閉自在に設けられており、複合機10の天板として構成されている。原稿カバー17の下側に、図示されていないプラテンガラス及び画像読取キャリッジが設けられている。プラテンガラスは原稿を載置するためのものである。画像読取キャリッジは、このプラテンガラスの下方に設けられており、主走査方向(複合機10の幅方向)にスライド可能である。画像読取キャリッジは、複合機10の幅方向にスライドすることによって原稿を読み取る。
【0021】
複合機10の正面上部に操作パネル18が設けられている。この操作パネル18は、プリンタ部11やスキャナ部12を操作するための装置である。操作パネル18は各種操作ボタンや液晶表示部から構成されている。複合機10は、この操作パネル18からの操作指示によって、あるいはプリンタドライバを介してコンピュータから送信される指示によって動作するようになっている。また、複合機10の正面の左上部にスロット部19が設けられている。記録媒体である各種小型メモリーカードがこのスロット部19に装填されるようになっている。小型メモリーカードに記録された画像データは、液晶表示部に表示される。そして、操作パネル18が操作されることにより、小型メモリーカードに記録された任意の画像がプリンタ部11によって記録用紙に記録される。
【0022】
図2は、ヘッド部28およびインクタンク37〜40を模式的に示す説明図(1)である。
図2に示すように、複合機10は、ヘッド部28、ヘッド部28と対向配置されたプラテン(図示省略)、および後述するサブタンク29〜36にインクを供給するカートリッジタイプのインクタンク37〜40を備えている。
【0023】
ヘッド部28は、記録ヘッド43、記録ヘッド43(インクジェット記録ヘッド)にインクを供給するサブタンク29〜36、図示しない駆動部の駆動力によって主走査方向にスライド可能に構成された走査キャリッジ(図示省略)を備えている。
【0024】
サブタンク29〜36は、等間隔に配置されており、複合機10における左側から順に、ブラック(Bk)、シアンインク(C)、イエローインク(Y)、マゼンタインク(M)、ブルーインク(B)、レッドインク(R)、グリーンインク(G)およびフォトブラックインク(Fb)をそれぞれ貯蔵している。なお、サブタンク29〜32が一方のサブタンク群を形成し、サブタンク33〜36が他方のサブタンク群を形成する。
【0025】
また、各サブタンク29〜36は、その上部に嵌合部56を備えている。この嵌合部56は、各インクタンク37〜40の接続部66と対向するように形成されており、各サブタンク29〜36は、下降した接続部66と嵌合部56とが連通した場合には、接続部66および嵌合部56を介して、各インクタンク37〜40からインクの供給をうけることができる。
【0026】
インクタンク37〜40は、等間隔に配置されており、複合機10における左側から順に、ブラック(Bk)、シアンインク(C)、イエローインク(Y)、およびマゼンタインク(M)をそれぞれ貯蔵している。なお、インクタンク37〜40は、カートリッジタイプである必要はなく、要するにインクを貯留しておけるものであればよい。また、インクタンク37〜40にはそれぞれ加圧ポンプ65が接続されている。
【0027】
以上のように構成されたヘッド部28は、インクタンク37〜40から供給されるシアン(C)・マゼンタ(M)・イエロー(Y)・ブラック(Bk)等の各色インクを吐出しながら主走査方向にスライドされることにより、記録用紙に画像を記録することが可能である。
【0028】
図3は、インクタンク37の接続部の断面図であって、逆止弁58の構造が図示されている。
同図が示すように、インクタンク37の接続部66は、外筒部78、弁本体79およびコイルバネ80を備えている。外筒部78は、インクタンク37の壁面から外方へ突出している。外筒部78とインクタンク37とは、複数の小孔81によって連通されている。弁本体79は、外筒部78の内部からインクタンク37内部へ貫通する主軸82と、主軸82の一端に設けられたフランジ83と、主軸82の他端に設けられ、インクタンク37の内部に配置された頭部84とを備えている。主軸82は、インクタンク37の壁面にスライド可能に支持されており、インクタンク37に対して進退自在となっている。フランジ83は、主軸82と一体的に形成され、その外径寸法は、外筒部78の外径寸法以上となるように設定されている。したがって、主軸82が図中右側へスライドしたときは、フランジ83が外筒部78の端面に当接する。頭部84は、インクタンク37の壁面に当接することによって、上記小孔を液密的に閉じることができる。コイルバネ80は、外筒部78の内側に配置され、主軸82がコイルバネ80の内側に挿通されている。
【0029】
したがって、インクタンク37からサブタンク29へインクを供給する場合を例に説明すると、常時においては、フランジ83がコイルバネ80によって図中左側に弾性的に付勢されており、この弾性力によって頭部84がインクタンク37の壁面に当接している。つまり、インクタンク37からインクが漏れ出ることはない。しかし、この接続部66がサブタンク29の嵌合部56に嵌め込まれると、嵌合部56のプッシュロッド57が上記フランジ83を押圧する。これにより、上記頭部84がインクタンク37の壁面から離反し、インクタンク37内のインクは、サブタンク29側へ送給され得る状態となる。そして、上記加圧ポンプ65が作動すれば、インクがサブタンク29に送給されるようになっている。なお、この接続部66の構造は、他のインクタンクについても同様である。
【0030】
図4は、記録ヘッド43の拡大底面図であり、図5は図4のA部を拡大した拡大図である。なお、これらの図は、記録ヘッド43の構造を模式的に詳細に示している。
図4に示すように、記録ヘッド43は、その下面にインク吐出口48が縦方向に並設されている。なお、同図において縦方向とは、記録用紙の搬送方向である。本実施形態では、8列のインク吐出口48が設けられている。同図において最も左端に位置するインク吐出口48は、ブラックインク(Bk)に対応しており、このインク吐出口48からブラックインク(Bkインク)が吐出される。このBkインク用のインク吐出口48に隣り合うように順に、7列のインク吐出口48が設けられている。各列のインク吐出口48は、それぞれ、シアンインク(C)、イエローインク(Y)、マゼンタインク(M)、ブルーインク(B)、レッドインク(R)、グリーンインク(G)及びフォトブラックインク(Fb)に対応しており、各インク吐出口48からは、シアンインク(Cインク)、イエローインク(Yインク)、マゼンタインク(Mインク)、ブルーインク(Bインク)、レッドインク(Rインク)、グリーンインク(Gインク)及びフォトブラックインク(Fbインク)が吐出される。すなわち、この記録ヘッド43は、8色のインクを吐出することができる。
【0031】
なお、上述のサブタンク29〜32が一方のサブタンク群を形成し、サブタンク33〜36が他方のサブタンク群を形成することより、ブラックインク(Bk)、シアンインク(C)、イエローインク(Y)およびマゼンタインク(M)のインク吐出口48が一方のノズル群を形成し、ブルーインク(Bインク)、レッドインク(Rインク)、グリーンインク(Gインク)及びフォトブラックインク(Fbインク)のインク吐出口48が他方のノズル群を形成する。
【0032】
また、記録ヘッド43は、図5に示すように、ノズルプレート44、ノズルプレート44に設けられた電極100、および各電極100に流れる電流値を測定する電流センサ68と、を備えている。なお、図5では、ブラック(Bkインク)に関するインク吐出口48および電極100のみを記載しており、ブラック(Bkインク)以外の色のインクに関するインク吐出口48および電極100については省略する。
【0033】
なお、電流センサ68は、既知のものが採用され得る。例えば、この電流センサ68は、所定の電圧を各電極100に印加するための電源を内蔵しており、各電極100に流れる電流を検知する。この電流センサ68が検出した電流値に基づいて、各電極100が導通状態であるか否かが判断される。
【0034】
図6は、記録ヘッド43の内部を拡大した拡大断面図である。
図6に示すように、記録ヘッド43は、記録用紙と平行に配置されたノズルプレート44を備えている。ノズルプレート44には下向きに記録媒体に向かって開口されたノズル孔49が形成されており、ノズル孔49に連通してディセンダ45が設けられている。ディセンダ45に連通してインク室46が設けられており、このインク室46は圧電素子(ピエゾ素子)47の駆動に応じて、その容積が変化するように構成されている。
【0035】
また、インク室46は、絞り50を介してマニホールド51に連通されており、マニホールド51はチューブ等のインク流路を介してサブタンク29〜36に接続されている。絞り50は、インク室46の底面に上下方向に開口して配置されており、マニホールド51は絞り50よりも下側に配置されている。絞り50はインク室46の最も低い位置に形成するのが好ましい。サブタンク29〜36には図示しないインクタンクやインクカートリッジ等からインクが供給されると共に、サブタンク29〜36内のインク上面のレベルがほぼ一定に保たれるように構成されている。
【0036】
また、インク室46には、絞り50、マニホールド51、インク流路およびサブタンク29〜36によって負圧が付与され、ノズル孔49形成されるメニスカスの表面張力とインク室46の負圧とが釣り合ってメニスカスが維持されるよう構成されている。なお、本実施形態では、インク室46への負圧については、サブタンク29〜36内のインク上面とノズル孔49の水頭差により付与されるように構成されている。
【0037】
また、記録ヘッド43は、圧電素子47への電圧の印加により圧電素子47が駆動されて、インク室46の容積が増大して、絞り50を介してインクをインク室46内に吸入するとともに、ノズル孔49のメニスカスが後退する。そして、圧電素子47への電圧の印加を所定のタイミングで停止すると、インク室46が元の容積に戻り、メニスカスがノズル孔49を前進して、ノズル孔49からインク滴として吐出されるように構成されている。
【0038】
また、記録ヘッド43は、インク室46の容積の急な増大の際には、メニスカスがノズル孔49を後退するとともに、絞り50を介してインク室46にインクを吸入でき、インク室46の容積が急に元に戻る際には、ノズル孔49からインク滴を吐出できるように、絞り50が、適度な流路抵抗を付与する形状に形成されており、実験等により決定される。また、ノズル孔49、ディセンダ45、インク室46内に空気が充填された状態で、絞り50に形成されるメニスカスの表面張力と、絞り50、マニホールド51、インク流路およびサブタンク29〜36による負圧負圧とが釣り合うように、絞り50の形状が形成されている。
【0039】
一方、サブタンク29〜36は、チューブ等のエア流路を介して加圧ポンプ65に接続されている。加圧ポンプ65は、例えば、チューブポンプ、チャージタンク、切換弁等を備え、エア流路を介してサブタンク29〜36に圧縮エアを供給して、サブタンク29〜36内のインクを加圧できるよう構成されている。なお、加圧ポンプ65がサブタンク29〜36内のインクを加圧する圧力について、ノズル孔49に形成されるメニスカスを破壊しない程度に設定されており、例えば、4kPa程度の圧力である。
【0040】
また、圧電素子47、加圧ポンプ65は後述する中央処理部70に接続されており、中央処理部70は、複合機10の動作内容に関する制御プログラムに従って、複合機10を制御するCPU、ROM、RAM等を備えている。
【0041】
また、図7(a)および図7(c)に示すように、ノズルプレート44は板状に形成されており、2層構造を有している。すなわち、ノズルプレート44は、ディセンダ45側に配置された絶縁材44aと、絶縁材44aの外側に配置された撥水膜44b(撥水層)とを備えている。絶縁材44aは、例えばポリイミドからなり、撥水膜44bは、例えばフッ素系樹脂等からなる。また、電極100は、ノズルプレート44の表面、すなわち、上記撥水膜44bの外側に配置されている。さらに、この電極100は、インク吐出口48を挟んで隣接するように配置されている。
【0042】
また、図7(b)に示すように、電極100は、インク吐出口48の周縁から所定距離dだけ離隔されている。なお、本実施形態では、この所定距離dは、2μm〜3μmに設定されている。ただし、この所定距離dは2μm〜3μmに限定されるものではなく、略1μm〜5μmの範囲で設定され得る。また、電極100は、各インク吐出口48同士を直列に接続するように配置されている。
【0043】
図8(a)は、記録ヘッド43のノズル孔49に形成されるメニスカスの説明図(1)であり、図8(b)は、記録ヘッド43のノズル孔49に形成されるメニスカスの説明図(2)である。また、図9(a)は、記録ヘッド43のノズル孔49に形成されるメニスカスの説明図(3)であり、図9(b)は、記録ヘッド43のノズル孔49に形成されるメニスカスの説明図(4)である。
【0044】
さて、画像が記録される際に、上記記録ヘッド43からインク滴が良好に吐出されるためには、インク吐出口48内にメニスカスが正常に形成され、且つ記録ヘッド43に設けられたピエゾ素子118の変形(振動)に当該メニスカスが追従する必要がある。ここで、「正常なメニスカス」とは、図8(a)に示すように、インク液面(メニスカス)がノズル孔49の出口周縁から内奥側に凹となる曲面状に形成された状態をいい、インク液面の縁部がノズル孔49の出口周縁に位置することをいう。正常なメニスカスが形成された状態において、インクがインク滴としてノズル孔49から吐出されるときには、当該インクは、次のような挙動を示す。すなわち、圧電素子47が変形することにより、上記正常なメニスカスは、一旦ノズル孔49の内奥側にさらに待避し、その後、圧電素子47の変形が復帰されることに伴ってインクがノズル孔49から弾かれるようにして押し出される。
【0045】
仮に、インク滴が吐出される前に既にノズル孔49内に空気等が侵入してしまっているときは、インクの液面(メニスカス)はノズル孔49の内奥部まで待避してしまう。このようにインク滴が吐出される前に既にメニスカスがノズル孔49の内奥まで待避してしまうと、インクは、ノズル孔49からインク滴として飛び出すことはできない。また、仮に、インク滴が吐出される前にノズル孔49よりも上流側の流路内に気泡が存在しているとすれば、圧電素子47が変形したときに、この気泡が一種の緩衝材として機能する。具体的には、圧電素子47の変形に伴ってインクの圧力が変動し、インクの液面(メニスカス)は一旦ノズル孔49内に待避する。しかし、上記気泡が存在することにより、インクの圧力変動は、この気泡を変形させるのみであって、上記メニスカスをノズル孔49の内奥側へ待避させることはできない。したがって、インク滴の吐出前に正常なメニスカスが形成されていたとしても、上記気泡が存在するならば、このインクは、ノズル孔49からインク滴として飛び出すことはできない。
【0046】
しかし、インク滴の吐出前に上記ノズル孔49内に上記正常なメニスカスが形成され、且つ当該メニスカスが圧電素子47の変形(振動)に追従したときは、当該インクは、次のような挙動を示す。すなわち、まず、圧電素子47の変形に伴って、上記メニスカスがノズル孔49の内奥側に待避する。その後、圧電素子47の変形が復帰されると、上記インクは柱状となってノズル孔49の外部に突出し(図8(b)参照)、さらに、この柱状のインクの一部が離脱し、インク滴となってノズル孔49から飛び出す(図9(a)参照)。
【0047】
ただし、上記柱状のインクの一部がインク滴として離脱した後は、当該インク滴の離脱の反作用によって上記柱状のインクが径方向に広がり、当該ノズル孔49の開口周縁の周囲に付着する。前述のように、サブタンク29〜36には背圧(負圧)が作用しているから、インク滴が離脱した後の上記柱状のインクは、再び当該ノズル孔49側へ退避することになる。すなわち、ノズル孔49の内部は常時負圧(大気圧以下)となっているから、上記柱状のインクは、ノズル孔49内に引っ張られるようにして退避する。そして、これに引きずられるようにして、ノズル孔49の開口周縁の周囲に付着したインクも当該ノズル孔49内に退避する。ノズル孔49内に退避したインクは、再び上記正常なメニスカスを形成する。
【0048】
前述のように、インク滴がノズル孔49から飛び出した後には、柱状のインクの端部がノズル孔49の開口周縁の周囲に付着する。上述のように電極100がノズル孔49を挟んで隣接配置されているので、上記柱状のインクの端部は、電極100間を接続する導電材として機能する(図9(b)参照)。したがって、上記インクの端部が電極100間に掛け渡されるように付着すると、電極100間に電流が流れる。他の電極100についても同様である。このように電流が電極100間に流れると、電流センサ68がこの電流を検知し、制御装置69は、電極100間が導通状態であることを判断する。すなわち、ノズル孔49からインク滴が確実に吐出されたことが検知される。なお、ノズル孔49からインク滴が吐出された後は、前述のように当該インクは、再びノズル孔49内に正常なメニスカスを形成するので、上述のように電流が検知された後には、再び絶縁状態が検知されることになる。したがって、画像記録の際に、インク滴が確実に吐出されたことが検知されるので、何らかの原因によりインク滴の吐出不良が発生したときは、印字中であってもこれが確実に検知される。
【0049】
図10は、複合機10の制御装置69の構成を示すブロック図である。
図10に示すように、制御装置69は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を備えた中央処理部70を有し、この中央処理部70が、バス71及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)72を介して、各種センサ、プリンタ部11、スキャナ部12、操作パネル18等とデータ送受信可能に接続されている。
【0050】
中央処理部70のROMは、所定のコンピュータプログラムを記憶している。CPUは、このコンピュータプログラムにしたがい、各種センサの情報に基づいて種々の演算を行う。これにより、駆動ローラ60の駆動源であるモータ64(LFモータ)の回転制御やヘッド部28をスライドさせるためのベルト駆動モータ90(CRモータ)の回転制御のほか、インクタンク37〜40をヘッド部28側へ移動させるためのスライドシリンダ67の伸縮制御やインクタンク37〜40内の基本インクをサブタンク29〜36側へ送給するための加圧ポンプ65の制御を統括して行う。
【0051】
複合機10は、操作パネル18からの入力のほか、例えばパーソナルコンピュータ(PC)73と接続され、このパーソナルコンピュータ73から送信された画像データや文書データに基づいて記録用紙に画像や文書を記録することもできる。そのために、パーソナルコンピュータ73とデータを送受信するためのインタフェース(I/F)も備えている。なお、本実施形態で示した制御装置69の構成は一例であり、したがって、後述の制御を行う制御装置であれば、他の構成が採用されてもよいことは勿論である。なお、制御装置69は画像記録制御手段に該当する。
【0052】
図11は、記録処理の手順を示すフローチャートである。
この処理は、電源スイッチがオンである場合に実行される。
まず、複合機10のメイン電源をオンとし、記録指示がなされるまで待機する。記録指示がなされた場合には、記録が開始される前にフラッシングを行う(S210)。各ノズルの抵抗値を検知する(S220)。
【0053】
検知された各ノズルの抵抗値に基づき、不吐出状態であるノズルが存在しないと判断された場合には(S230:N)、指示に従って記録を行い(S240)、本処理を終了する。一方、不吐出状態であるノズルが存在すると判断された場合には(S230:Y)、不吐出状態であるノズルを2組のノズル群の一方のみが含むか否かを判断する。
【0054】
不吐出状態であるノズルを2組のノズル群の一方のみが含むのではないと判断された場合、すなわち、不吐出状態であるノズルを2組のノズル群の双方が含むと判断した場合には(S250:N)、回復動作を実行し(S280)、S210へ移行する。一方、不吐出状態であるノズルを2組のノズル群の一方のみが含むと判断された場合には(S250:Y)、不吐出状態であるノズルを含まないノズル群を用いて、指示に従って記録を行う(S260)。そして、不吐出状態であるノズル含むノズル群に対して回復動作を実行し(S270)、本処理を終了する。
【0055】
図12は、インクがインクタンク37〜40からサブタンク29〜36を経て記録ヘッド43へ送られるインク供給経路及び記録ヘッド43の動作位置を模式的に示したものである。
【0056】
インクタンク37〜40から供給されたインクは、前述のようにサブタンク29〜36に貯留されてインク中の気泡が捕捉される。このインクは、供給管からマニホールド51へ流れて絞り50、インク室46およびディセンダを経由してノズル孔49に分配され、各ノズル孔49からインク滴として吐出される。このようにして記録ヘッド43が各カラーインクのインク滴を吐出しながら、画像記録範囲W1をスライドすることにより、記録ヘッド43の下方を搬送される記録用紙に画像が記録される。
【0057】
また、図12に示すように、記録ヘッド43の画像記録範囲W1外であって走査可能範囲W2の両端側には、パージ機構74及び廃インクトレイ75がそれぞれ配設されている。パージ機構74は、記録ヘッド43のノズル孔49等から気泡や異物を吸引除去するためのものである。記録ヘッド43が走査可能範囲W2の右端にスライドすると、パージ機構74のキャップ76が上方へ移動し、キャップ76は、記録ヘッド43の下面にインク吐出口48を覆うように密着する。キャップ76に吸引ポンプが接続されている。この吸引ポンプが作動することによって、記録ヘッド43のノズル孔49等からインクが吸引される。記録ヘッド43をスライドさせるためのベルト駆動モータ90の制御、キャップ76の移動制御、吸引ポンプの制御は、上記制御装置69が行う。
【0058】
廃インクトレイ75は、記録ヘッド43からのインクの空吐出を受けるためのものである。このようなインクの空吐出は、一般にフラッシングと呼ばれる。フラッシングの際には、記録ヘッド43が走査可能範囲W2の左端に移動され、その位置で各カラーインクが廃インクトレイ75へ向かって空吐出される。なお、パージ機構74及び廃インクトレイ75の左右の配置は特に限定されるものではなく、走査可能範囲W2において前述と左右反対に配置しても、左右のいずれか一方に両者を配置してもよい。
【0059】
なお、インクタンク37〜40を保持したヘッド部28は、走査可能範囲W2の右端に設置されている。もっとも、このヘッド部28は、走査可能範囲W2の左端に配置されていてもよいことは勿論である。インクタンク37〜40に貯留された各基本インク(Bkインク、Cインク、Yインク、Mインク)は次のようにしてサブタンク29〜36へ送給される。
【0060】
図13は、インクタンク37〜40からサブタンク29〜36への基本インクの供給要領を示したフローチャートである。
まず、インクタンク37〜40から基本インクがサブタンク29〜36のうち基本色サブタンク29〜32に送給される。具体的には、ヘッド部28の走査キャリッジ42が所定位置、すなわち上記走査可能範囲W2の端部(例えば、右端)に配置されているか否かが判断される(ステップ1:S1)。この判断は、例えば、エンコーダ等の走査キャリッジ42の位置センサが設けられることにより容易に行われる。
【0061】
走査キャリッジ42が所定位置に配置されていない場合は、ベルト駆動モータ90が駆動され、走査キャリッジ42が所定位置に位置決めされる(ステップ2:S2)。続いて、スライドシリンダ67が作動され(ステップ3:S3)、各インクタンク37〜40の接続部66とサブタンク29〜32の嵌合部56とが嵌合接続される。これにより、接続部66の逆止弁58が開放される(ステップ4:S4)。さらに、加圧ポンプ65が作動され(ステップ5:S5)、サブタンク29〜32のそれぞれに基本インクが独立して送給される(ステップ6:S6)。これらベルト駆動モータ90の駆動、スライドシリンダ67の作動、加圧ポンプ65の作動等は、上記制御装置69によって制御される。なお、最初から走査キャリッジ42が所定位置に配置されている場合には、上記ステップ2が省略される。
【0062】
次に、混合インクの生成が必要であるか否かが判断される(ステップ7:S7)。この判断は、例えば各サブタンク29〜36にインクレベルレベル(インク液面高さ)を検出するセンサが設けられることにより容易に行われる。混合インクが生成される場合(典型的には、サブタンク33〜36内の混合インクのレベルが低くなっている場合)には、ベルト駆動モータ90が駆動され、走査キャリッジ42が所定位置に位置決めされる。この場合の「所定位置」とは、インクが混合されるべきサブタンク33〜36のうちいずれかのサブタンク(例えばサブタンク33)が、送給されるべき基本インクを貯留したインクタンク(例えばインクタンク38)と対向する位置である。続いてスライドシリンダ67が作動され、所定のインクタンク37〜40(例えばインクタンク38)の接続部66と当該サブタンク(例えばサブタンク33)の嵌合部56とが嵌合接続される。これにより、接続部66の逆止弁58が開放される。さらに、加圧ポンプ65が作動され、当該サブタンク33にインクタンク38から一の基本インクが送給される(ステップ8:S8)。
【0063】
同様に、ベルト駆動モータ90が駆動され、走査キャリッジ42が所定位置に位置決めされる。この場合の「所定位置」とは、インクが混合されるべきサブタンク33〜36のうちいずれかのサブタンク(例えばサブタンク33)が、送給されるべき基本インクを貯留した他のインクタンク(例えばインクタンク39)に対応する位置である。続いてスライドシリンダ67が作動され、所定のインクタンク37〜40(例えばインクタンク39)の接続部66と当該サブタンク(例えばサブタンク33)の嵌合部56とが嵌合接続される。これにより、接続部66の逆止弁58が開放される。さらに、加圧ポンプ65が作動され、当該サブタンク33にインクタンク39から他の基本インクが送給される(ステップ9:S9)。
【0064】
上記ステップ8及びステップ9により、混合インクが生成される。次に、さらに他の混合インクの生成が必要であるか否かが判断される(ステップ10:S10)。そして、他の混合インクの生成が必要であれば、上記ステップ8及びステップ9と同様の要領で他の混合インクが生成される。混合インクの生成が必要でなければ、かかるインク混合作業は終了する。混合インクの生成においても、ベルト駆動モータ90の駆動、スライドシリンダ67の作動、加圧ポンプ65の作動等は、上記制御装置69によって制御される。
【0065】
図14は、基本インク(Bkインク、Cインク、Yインク、Mインク)がインクタンク37〜40から基本色サブタンク29〜32に送給される要領を詳細に図示した模式図である。以下、基本インクが基本色サブタンク29〜32に送給される要領が具体的に示される。
【0066】
上記ステップ2〜ステップ6(図13参照)にしたがって、走査キャリッジ42が位置決めされ、各インクタンク37〜40がサブタンク29〜32と接続される。このとき、各インクタンク37〜40の接続部66は、サブタンク29〜32の嵌合部56と嵌め合わされ、加圧ポンプ65によって基本インクがサブタンク29〜32に送給される。本実施形態では、サブタンク29〜32は、それぞれBkインク、Cインク、Yインク、Mインクに対応している。すなわち、サブタンク29〜32の配列とインクタンク37〜40の配列とが同一となっている。もっとも、サブタンク29〜32の配列とインクタンク37〜40の配列とが同一でなくてもよい。
【0067】
次に、サブタンク33に混合インク(Bインク)が生成される。図15は、Bインクの生成要領を示す模式図である。
Bインクは、基本インクのうちCインクとMインクとが混合されることによって生成される。まず、同図(a)が示すように、走査キャリッジ42がスライドされ、インクタンク38がサブタンク33と接続される。このサブタンク33は、混合インク(Bインク)が生成されるために割り当てられた混合色サブタンクである。このとき、インクタンク38の接続部66は、サブタンク33の嵌合部56と嵌め合わされ、加圧ポンプ65によってCインクがサブタンク33に送給される。次に、同図(b)が示すように、走査キャリッジ42がスライドされ、インクタンク40がサブタンク33と接続される。インクタンク40の接続部66は、サブタンク33の嵌合部56と嵌め合わされ、加圧ポンプ65によってMインクがサブタンク33に送給される。これにより、Bインクがサブタンク33に生成される。Bインクが生成される際には、サブタンク33に先にMインクが送給された後にCインクが送給されてもよい。すなわち、混合される複数の基本インクのうち、相対的に淡い色のインクから順にサブタンク33に送給されるのが好ましい。これによる作用効果については、後述される。
【0068】
次に、サブタンク34に混合インク(Rインク)が生成される。図16は、Rインクの生成要領を示す模式図である。
Rインクは、基本インクのうちYインクとMインクとが混合されることによって生成される。まず、同図(a)が示すように、走査キャリッジ42がスライドされ、インクタンク39がサブタンク34と接続される。このサブタンク34は、混合インク(Rインク)が生成されるために割り当てられた混合色サブタンクである。このとき、インクタンク39の接続部66は、サブタンク34の嵌合部56と嵌め合わされ、加圧ポンプ65によってYインクがサブタンク34に送給される。次に、同図(b)が示すように、走査キャリッジ42がスライドされ、インクタンク40がサブタンク34と接続される。インクタンク40の接続部66は、サブタンク34の嵌合部56と嵌め合わされ、加圧ポンプ65によってMインクがサブタンク34に送給される。これにより、Rインクがサブタンク34に生成される。Rインクが生成される際には、本実施形態のように、サブタンク34に先にYインクが送給された後にMインクが送給されるのが好ましい。すなわち、混合される複数の基本インクのうち、相対的に淡い色のインクから順にサブタンク34に送給されるのが好ましい。ただし、先にMインクがサブタンク34に送給されてもよい。先にYインクがサブタンク34に送給されることによる作用効果については、後述される。
【0069】
次に、サブタンク35に混合インク(Gインク)が生成される。図17は、Gインクの生成要領を示す模式図である。
Gインクは、基本インクのうちYインクとCインクとが混合されることによって生成される。まず、同図(a)が示すように、走査キャリッジ42がスライドされ、インクタンク39がサブタンク35と接続される。このサブタンク35は、混合インク(Gインク)が生成されるために割り当てられた混合色サブタンクである。このとき、インクタンク39の接続部66は、サブタンク35の嵌合部56と嵌め合わされ、加圧ポンプ65によってYインクがサブタンク35に送給される。次に、同図(b)が示すように、走査キャリッジ42がスライドされ、インクタンク38がサブタンク35と接続される。インクタンク38の接続部66は、サブタンク35の嵌合部56と嵌め合わされ、加圧ポンプ65によってCインクがサブタンク35に送給される。これにより、Gインクがサブタンク35に生成される。Gインクが生成される際には、本実施形態のように、サブタンク35に先にYインクが送給された後にCインクが送給されるのが好ましい。すなわち、混合される複数の基本インクのうち、相対的に淡い色のインクから順にサブタンク35に送給されるのが好ましい。ただし、先にCインクがサブタンク35に送給されてもよい。先にYインクがサブタンク35に送給されることによる作用効果については、後述される。
【0070】
次に、サブタンク36に混合インク(Fbインク)が生成される。図18は、Fbインクの生成要領を示す模式図である。
Fbインクは、基本インクのうちYインクとCインクとMインクとが混合されることによって生成される。まず、同図(a)が示すように、走査キャリッジ42がスライドされ、インクタンク39がサブタンク36と接続される。このサブタンク36は、混合インク(Fbインク)が生成されるために割り当てられた混合色サブタンクである。このとき、インクタンク39の接続部66は、サブタンク36の嵌合部56と嵌め合わされ、加圧ポンプ65によってYインクがサブタンク36に送給される。次に、同図(b)が示すように、走査キャリッジ42がスライドされ、インクタンク38がサブタンク36と接続される。インクタンク38の接続部66は、サブタンク36の嵌合部56と嵌め合わされ、加圧ポンプ65によってCインクがサブタンク36に送給される。次に、同図(c)が示すように、走査キャリッジ42がスライドされ、インクタンク40がサブタンク36と接続される。インクタンク40の接続部66は、サブタンク36の嵌合部56と嵌め合わされ、加圧ポンプ65によってMインクがサブタンク36に送給される。これにより、Fbインクがサブタンク36に生成される。Fbインクが生成される際には、サブタンク36にYインク、Mインク、Cインクの順に送給されてもよい。すなわち、混合される複数の基本インクのうち、相対的に淡い色のインクから順にサブタンク36に送給されるのが好ましい。これによる作用効果については、後述される。
【0071】
このようにして、インクタンク37〜40から基本インクがサブタンク29〜36へ送給され、4種類の基本インクを貯留するインクタンク37〜40から、8種類のインクが生成されてサブタンク29〜36にストックされる。なお、本実施形態では、基本インクは、Bkインク、Cインク、Yインク、Mインクの4種類であるが、基本インクの種類に制限はなく、一般にn種類の基本インクがインクタンクに貯留されていてもよい。その場合、これらn類の基本インクが混合されることにより、さらに多数の混合インクが生成されるので、サブタンクにはm種類(m>n)のインクがストックされ得ることになる。
【0072】
なお、サブタンク29〜36にインクが充填された状態で、複合機10は、前述のインク吸引動作及び空吐出動作によって、記録ヘッド43のヘッドクリーニングを行うように構成されていてもよい。かかるヘッドクリーニング動作は、上記制御装置69のROM(図6参照)に記録されるコンピュータプログラムによって簡単に行われる。
【0073】
[効果]
(1)このように第一実施形態の複合機10によれば、何れかの噴射ノズルが不吐出状態であることが検出された場合には、複数組の噴射ノズル群のうちその不吐出状態である噴射ノズルを含まない噴射ノズル群を選択して画像記録を行うので、記録ヘッド43の噴射ノズルにおいて不吐出が発生した際でも、例えば回復動作を行うことなく、迅速に画像記録を再開することができる。
【0074】
(2)また、第一実施形態の複合機10によれば、2組の噴射ノズル群のうち不吐出状態である噴射ノズルを含まない噴射ノズル群を選択して画像記録を行った場合には、2組の噴射ノズル群のうち少なくともその画像記録を行った噴射ノズル群に対してメンテナンスを行う。このことにより、不吐出状態である噴射ノズルを含まない噴射ノズル群を高頻度で使用しても、その噴射ノズル群が不吐出状態になることを防ぐことができる。
【0075】
なお、噴射ノズル群すべてに対してメンテナンスを行ってもよい。このようにすれば、不吐出状態である噴射ノズルがクリーニングによって吐出可能な状態となるので、次回の画像記録時には噴射ノズル群すべてを選択可能とすることができる。
【0076】
(3)また、第一実施形態の複合機10によれば、何れかの噴射ノズルが不吐出状態であることが検出された場合において、2組の噴射ノズル群すべてに不吐出状態である噴射ノズルが含まれるときには、複数組の噴射ノズル群すべてに対してメンテナンスを行う。このように、噴射ノズル群すべてが不吐出状態である噴射ノズルを含む場合には、噴射ノズル群すべてに対してメンテナンスを行うことにより、すべての噴射ノズル群が不吐出状態となるのを防ぐことができる。
【0077】
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下のような様々な態様にて実施することが可能である。
【0078】
(1)上記実施形態では、記録処理において、不吐出状態であるノズルを2組のノズル群の一方のみが含むと判断された場合には(S250:Y)、不吐出状態であるノズルを含まないノズル群を用いて、指示に従って記録を行い(S260)、さらに、不吐出状態であるノズル含むノズル群に対して回復動作を実行するが(S270)、この際に、操作部18を介した利用者からの指示に基づき、回復動作を実行するようにしてもよい。
【0079】
(2)図19に例示するように、各サブタンク29〜36が備える嵌合部56において、嵌合部56の中心からの距離寸法が上流側よりも下流側の方が大きく形成された小孔56aを有するようにしてもよい。このことにより、メインタンクメインタンク37〜40供給されるインクを小孔56aがサブタンク29〜36内へ拡散させるので、メインタンク37〜40からサブタンク29〜36へ供給されたインクとサブタンク29〜36内に貯留するインクとを短時間で混ぜることができる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明を適用するのに好適な複合機10(インクジェット記録装置)の外観斜視図である。
【図2】ヘッド部およびインクタンクを模式的に示す説明図(1)である。
【図3】サブタンクの接続部の断面図である。
【図4】記録ヘッドの拡大底面図である。
【図5】図4のA部を拡大した拡大図である。
【図6】記録ヘッドの内部を拡大した拡大断面図である。
【図7】(a)は記録ヘッドのノズルを示す説明図(2)であり、(b)はB視図であり、(c)はC部を拡大した拡大図である。
【図8】(a)は記録ヘッドのノズル孔に形成されるメニスカスの説明図(1)であり、(b)は記録ヘッドのノズル孔に形成されるメニスカスの説明図(2)である。
【図9】(a)は記録ヘッドのノズル孔に形成されるメニスカスの説明図(3)であり、(b)は記録ヘッドのノズル孔に形成されるメニスカスの説明図(4)である。
【図10】複合機の制御装置の構成を示すブロック図である。
【図11】記録処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】インク供給経路および記録ヘッドの動作位置を模式的に示した図である。
【図13】インクタンクからサブタンクへの基本インクの供給要領を示したフローチャートである。
【図14】基本インクの送給要領を模式的に示した図である。
【図15】Bインクの生成要領を示す模式図である。
【図16】Rインクの生成要領を示す模式図である。
【図17】Gインクの生成要領を示す模式図である。
【図18】Fbインクの生成要領を示す模式図である。
【図19】サブタンクの接続部を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
【0081】
10…複合機、11…プリンタ部、12…スキャナ部、13…開口、14…給紙トレイ、15…排紙トレイ、16…スライドトレイ、17…原稿カバー、18…操作パネル、19…スロット部、28…ヘッド部、29〜36…サブタンク、37〜40…インクタンク、42…走査キャリッジ、43…記録ヘッド、44…ノズルプレート、44a…絶縁材、44b…撥水膜、45…ディセンダ、46…インク室、47…圧電素子、48…インク吐出口、49…ノズル孔、50…絞り、51…マニホールド、56…嵌合部、56a…小孔、57…プッシュロッド、58…逆止弁、60…駆動ローラ、64…モータ、65…加圧ポンプ、66…接続部、67…スライドシリンダ、68…電流センサ、69…制御装置、70…中央処理部、73…パーソナルコンピュータ、74…パージ機構、75…廃インクトレイ、76…キャップ、78…外筒部、79…弁本体、80…コイルバネ、81…小孔、82…主軸、83…フランジ、84…頭部、90…ベルト駆動モータ、100…電極




 

 


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