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インクジェットヘッド - ブラザー工業株式会社
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発明の名称 インクジェットヘッド
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−30242(P2007−30242A)
公開日 平成19年2月8日(2007.2.8)
出願番号 特願2005−213923(P2005−213923)
出願日 平成17年7月25日(2005.7.25)
代理人 【識別番号】100089196
【弁理士】
【氏名又は名称】梶 良之
発明者 片山 直樹
要約 課題
複数のノズル孔の吐出口の中心が一方向と直交する方向に沿って一直線上に配列された場合、及び、複数のノズル孔の吐出口の中心が前記一方向に関して互いに離隔している場合のいずれにおいても、優れたインク吐出性能を得る。

解決手段
互いに異なるマニホールド流路に連通していると共に圧力室を介してノズルプレートに形成されたノズルに至る4つの個別インク流路からなる個別インク流路組を含んでいる。個別インク流路組に関する4つのノズルの各吐出口の中心及び当該吐出口に対応する接続口の中心を、インク吐出面に平行な仮想平面上に射影したとき、仮想平面において、共通原点Oに対する射影接続口点67bの副走査方向に関する座標成分と、射影接続口点67bに対する、対応する射影吐出口点8cの副走査方向に関する座標成分の両方が、4つの個別インク流路すべてについて相違している。
特許請求の範囲
【請求項1】
共通インク室の出口から圧力室を経て液滴が吐出される吐出口に至る複数の個別インク流路が形成され、インク吐出面に複数の前記吐出口を有する複数のノズル孔が形成されたノズルプレートが固定された流路ユニットを含むインクジェットヘッドであって、
前記流路ユニットにおいて、前記インク吐出面には、前記複数の吐出口により第1の方向に延在しつつ互いに対向して配列する複数列の吐出口列が形成されており、前記ノズルプレートとの固定面には、前記複数の個別インク流路の接続口が前記複数のノズル孔にそれぞれ対応して形成されており、
前記インク吐出面内の任意の点、互いに異なる前記吐出口列に属し且つ前記第1の方向と交差する第2の方向に関して互いに隣接するn個(n:自然数)の前記吐出口の中心、及び、これらn個の前記吐出口に対応したn個の前記接続口の中心を、前記インク吐出面に垂直な方向に沿って前記インク吐出面に平行な仮想平面上に射影したときに、n個の前記吐出口に係るn個の前記個別インク流路からなる個別インク流路組の中には、前記任意の点が射影されることによって前記仮想平面に形成された共通原点に対する、前記接続口の中心が射影されることによって前記仮想平面に形成された射影接続口点の前記仮想平面内での一方向に関する座標成分と、各射影接続口点に対する、これに対応する前記吐出口の中心が射影されることによって前記仮想平面に形成された射影吐出口点の前記一方向に関する座標成分との両方が互いに異なる少なくとも2個の前記個別インク流路が存在していることを特徴とするインクジェットヘッド。
【請求項2】
前記共通原点に対する前記射影接続口点の前記一方向に関する座標成分と、前記射影接続口点に対する対応する前記射影吐出口点の前記一方向に関する座標成分の両方が、n個の前記個別インク流路すべてについて相違していることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッド。
【請求項3】
n個の前記射影接続口点が、前記一方向に関して等間隔に離隔していることを特徴とする請求項2に記載のインクジェットヘッド。
【請求項4】
n個の前記射影接続口点とこれに対応するn個の前記射影吐出口点との間の前記一方向に関するn個の距離が、等間隔に変化していることを特徴とする請求項2に記載のインクジェットヘッド。
【請求項5】
n個の前記射影接続口点が、前記一方向に関して第1の間隔ずつ離隔し、且つ、n個の前記射影接続口点とこれに対応するn個の前記射影吐出口点との間の前記一方向に関するn個の距離が、第2の間隔ずつ変化していることを特徴とする請求項2に記載のインクジェットヘッド。
【請求項6】
n個の前記射影吐出口点が、前記一方向に関して等間隔に離隔していることを特徴とする請求項5に記載のインクジェットヘッド。
【請求項7】
前記第1の間隔が、前記第2の間隔よりも小さいことを特徴とする請求項6に記載のインクジェットヘッド。
【請求項8】
前記共通原点に対する前記射影接続口点の前記一方向に関する座標成分が大きいほど、当該射影接続口点に対応する前記射影吐出口点の前記一方向に関する座標成分が大きいことを特徴とする請求項7に記載のインクジェットヘッド。
【請求項9】
n個の前記射影吐出口点が、前記一方向と直交する方向に沿って一直線上に配列されていることを特徴とする請求項5に記載のインクジェットヘッド。
【請求項10】
前記仮想平面上において、n個の前記射影接続口点及びn個の前記射影吐出口点を前記第2の方向に関して等間隔に配置したとき、n個の前記射影接続口点が第1の直線上に存在していると共に、n個の前記射影吐出口点が前記第1の直線と交差する方向に延在する第2の直線上に存在していることを特徴とする請求項5〜9のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド。
【請求項11】
前記接続口の輪郭線を前記インク吐出面に垂直な方向に沿って前記仮想平面上に射影したときに、当該接続口に対応する前記射影吐出口点が、射影されることによって前記仮想平面に形成された前記接続口の射影輪郭線に包含されることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド。
【請求項12】
前記吐出口の輪郭線を前記インク吐出面に垂直な方向に沿って前記仮想平面上に射影したときに、射影されることによって前記仮想平面に形成された前記吐出口の射影輪郭線が、前記接続口の射影輪郭線に包含されることを特徴とする請求項11に記載のインクジェットヘッド。
【請求項13】
複数の前記共通インク室が、前記第1の方向に延在しつつ互いに対向するように配列されており、
各共通インク室が、共通の前記吐出口列に係るm個(m:自然数)の前記個別インク流路と連通しており、
同じ前記共通インク室に連通したm個の前記個別インク流路に対応したm個の前記射影吐出口点が、前記仮想平面上において前記一方向に関して等間隔に離隔しており、
互いに異なる前記共通インク室に連通したn個の前記個別インク流路からなる前記個別インク流路組がm個形成されていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド。
【請求項14】
n個の前記共通インク室が形成されており、
これらn個の前記共通インク室がそれぞれ2個の副共通インク室を有しており、
各共通インク室に属する2つの前記副共通インク室に連通したm個の前記個別インク流路に対応したm個の前記射影吐出口点が、前記仮想平面上において前記一方向に関して等間隔に離隔していることを特徴とする請求項13に記載のインクジェットヘッド。
【請求項15】
n×m個の前記圧力室及び前記圧力室に対向して配置された個別電極が、前記一方向に関して千鳥状に配列されていることを特徴とする請求項13又は14に記載のインクジェットヘッド。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクを吐出するノズル孔を備えたインクジェットヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェットプリンタ等で用いられるインクジェットヘッドとしては、多数のノズルが形成されたノズルプレートを含みつつ、各ノズルから圧力室を介して共通インク室に至る多数の個別インク流路が形成された流路ユニットを有するものが知られている(特許文献1参照)。このインクジェットヘッドによると、インクタンクから供給されたインクが共通インク室を介して各個別インク流路の圧力室に流れ込む。そして、圧力室に選択的にパルス状の圧力が付与されることによって当該圧力室に連通しているノズルからインク滴を吐出する。
【0003】
【特許文献1】特開2002−036539号公報(図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなインクジェットヘッドとしては、1つのインクジェットヘッドから複数色のインク滴を吐出することができるカラー用のものや、単色のインク滴を高解像度で吐出することができるモノクロ用のものなどがある。これら複数種類のインクジェットヘッドを用途に合わせて個別に設計及び製造すると、インクジェットヘッドの製造コストが高くなる。
【0005】
一方、例えば、カラー用インクジェットヘッドとモノクロ用インクジェットヘッドとでは、ノズル孔の吐出口の位置が異なるもののその他の流路構成はほぼ同じである。そこで、ノズル孔が形成されたノズルプレートのみを変更することで、カラー用及びモノクロ用のインクジェットヘッドを製造することが考えられる。つまり、流路ユニットを、ノズル孔が形成されたノズルプレートとノズル孔以外の流路が形成された主流路部とに分け、このうち主流路部を共通部品化するという考え方である。図11は、従来のカラー用インクジェットヘッドに、この考え方を適用した例を示している。図11は、ノズルプレートのノズル孔と、ノズルプレートが固定される主流路部の接続口との位置関係を示した模式図である。説明の都合上、この位置関係の違いが分かる範囲の基本部分が示してある。ここでは、4つのノズル孔の吐出口(インク吐出面側開口)と流入口(インク吐出面と反対側開口)、及びこの流入口と接続する主流路部の接続口(個別インク流路におけるディセンダ孔の開口)を、インク吐出面に垂直方向に沿って、インク吐出面と平行な仮想平面に対して射影したそれぞれの射影像が図示されている。図11(a)には、4色(M:マゼンタ、Y:イエロー、C:シアン、K:ブラック)のインクを用いるカラー用インクジェットヘッドの各射影像が示され、図11(b)には、カラー用インクジェットヘッドからノズルプレートをモノクロ用に変更した場合の各射影像が示されている。
【0006】
カラー印字の場合、色インクの重ね合わせが必要なので、互いに異なる色のインク滴を吐出する吐出口が、所定の方向(例えば、用紙搬送方向)に直線状に配列されている。一方、モノクロ印字の場合には、印字の高解像度化に対応するため、所定の方向での吐出口の重なりはない。この場合の各吐出口は、これと直交方向に、解像度に対応した等間隔を介して配列されている。
【0007】
そのため、カラー用のノズルプレートを使用した場合においては、図11(a)に示すように、各接続口の射影輪郭線(接続口の射影像)92が対応する吐出口の射影輪郭線(吐出口の射影像)91a及び流入口の射影輪郭線(流入口の射影像)91bと同心状に配置されている。つまり、接続口の中心の射影像:射影接続口点と対応する吐出口の中心の射影像:射影吐出口点とが一致しているとともに、所定の方向に引いた直線の射影像:仮想線X上に位置している。また、接続口の射影輪郭線92に吐出口の射影輪郭線91a及び流入口の射影輪郭線91bが完全に包含されているとも言える。一方、モノクロ用ノズルプレートを用いた場合には、図11(b)に示すように、仮想線Xに対する接続口の射影輪郭線92の位置関係は、カラーの場合と同じであるが、吐出口の射影輪郭線91a'は、仮想線Xについて平行に引いた4本の仮想線Y1〜Y4上に1つずつ位置している。いずれの接続口においても、射影接続口点と射影吐出口点とは一致していない。とりわけ、仮想線Xと直交する方向で、両端に位置する2つの射影輪郭線91a'は、接続口の射影輪郭線92に近接している。ノズルプレートにノズル孔を形成する場合、要求される吐出特性(速度、量、方向性等)にあわせて、流入口から吐出口に向かって小径化することがある。このとき、接続口と吐出口との近接具合やノズル孔の小径化の程度にもよるが、製造過程で僅かなずれが生じると、接続口の射影輪郭線92から流入口の射影輪郭線91b'がはみ出すことがある。なお、この図において、流入口の射影輪郭線91b、91b'は破線で示してある。その場合、接続口からノズル孔に至るインクの流れが乱れ、インク吐出性能が低下する。したがって、ノズルプレートだけが異なるカラー用インクジェットヘッドとモノクロ用インクジェットヘッドとを実現することは困難である。
【0008】
本発明の主たる目的は、流路ユニットの構成部材として、ノズルプレート以外の部材を共通とし、ノズルプレートには、複数の吐出口の中心が一方向と直交する方向に沿って一直線上に配列されたもの、及び、複数の吐出口の中心が前記一方向に関して互いに離隔しているもののいずれが用いられた場合においても、インクの流れが乱れにくく、優れたインク吐出性能が得られるインクジェットヘッドを提供することである。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0009】
本発明のインクジェットヘッドは、共通インク室の出口から圧力室を経て液滴が吐出される吐出口に至る複数の個別インク流路が形成され、インク吐出面に複数の前記吐出口を有する複数のノズル孔が形成されたノズルプレートが固定された流路ユニットを含むインクジェットヘッドである。前記流路ユニットにおいて、前記インク吐出面には、前記複数の吐出口により第1の方向に延在しつつ互いに対向して配列する複数列の吐出口列が形成されており、前記ノズルプレートとの固定面には、前記複数の個別インク流路の接続口が前記複数のノズル孔にそれぞれ対応して形成されている。そして、前記インク吐出面内の任意の点、互いに異なる前記吐出口列に属し且つ前記第1の方向と交差する第2の方向に関して互いに隣接するn個(n:自然数)の前記吐出口の中心、及び、これらn個の前記吐出口に対応したn個の前記接続口の中心を、前記インク吐出面に垂直な方向に沿って前記インク吐出面に平行な仮想平面上に射影したときに、n個の前記吐出口に係るn個の前記個別インク流路からなる個別インク流路組の中には、前記任意の点が射影されることによって前記仮想平面に形成された共通原点に対する、前記接続口の中心が射影されることによって前記仮想平面に形成された射影接続口点の前記仮想平面内での一方向に関する座標成分と、各射影接続口点に対する、これに対応する前記吐出口の中心が射影されることによって前記仮想平面に形成された射影吐出口点の前記一方向に関する座標成分との両方が互いに異なる少なくとも2個の前記個別インク流路が存在している。
【0010】
本発明によると、共通原点に対する射影接続口点の前記一方向に関する座標成分と、各射影接続口点に対する射影吐出口点の前記一方向に関する座標成分との両方が互いに異なる複数の個別インク流路同士においては、複数の吐出口の中心が前記一方向と直交する方向に沿って一直線上に配列されている場合、及び、複数の吐出口の中心同士が前記一方向に関して互いに離隔している場合のいずれであっても、製造過程において僅かな位置ずれが生じたとしても、ノズル孔の流入口の射影輪郭線が接続口の射影輪郭線内に包含されやすくなる。したがって、ノズルプレートとして、複数のノズル孔の吐出口の中心が前記一方向と直交する方向に沿って一直線上に配列されたもの、及び、複数のノズル孔の吐出口の中心が前記一方向に関して互いに離隔しているもののいずれが用いられた場合においても、これら複数の個別インク流路同士においては、インクの流れが乱れにくく、優れたインク吐出性能が得られる。
【0011】
本発明においては、前記共通原点に対する前記射影接続口点の前記一方向に関する座標成分と、前記射影接続口点に対する対応する前記射影吐出口点の前記一方向に関する座標成分の両方が、n個の前記個別インク流路すべてについて相違していることが好ましい。これによると、ノズル孔が、接続口に対して平面視ではみ出さないで接続可能な範囲がさらに広くなる。これにより、共通原点に対する射影接続口点の前記一方向に関する座標成分と、各射影接続口点に対する射影吐出口点の前記一方向に関する座標成分との両方が互いに異なるn個の個別インク流路同士においては、複数の吐出口の中心が前記一方向と直交する方向に沿って一直線上に配列されている場合、及び、複数の吐出口の中心同士が前記一方向に関して互いに離隔している場合のいずれであっても、製造過程において僅かな位置ずれが生じたとしても、ノズル孔の流入口の射影輪郭線が接続口の射影輪郭線内にさらに包含されやすくなる。したがって、ノズルプレートとして、複数のノズル孔の吐出口の中心位置が前記一方向と直交する方向に沿って一直線上に配列されたもの、及び、複数のノズル孔の吐出口の中心位置が前記一方向に関して互いに離隔しているもののいずれが用いられた場合においても、これらn個の個別インク流路同士においては、インクの流れが乱れにくく、優れたインク吐出性能が得られる。
【0012】
また、本発明においては、n個の前記射影接続口点が、前記一方向に関して等間隔に離隔していることが好ましい。
【0013】
または、n個の前記射影接続口点とこれに対応するn個の前記射影吐出口点との間の前記一方向に関するn個の距離が、等間隔に変化していてもよい。
【0014】
或いは、n個の前記射影接続口点が、前記一方向に関して第1の間隔ずつ離隔し、且つ、n個の前記射影接続口点とこれに対応するn個の前記射影吐出口点との間の前記一方向に関するn個の距離が、第2の間隔ずつ変化してもよい。これらによると、個別インク流路組の構造を簡単にすることができる。
【0015】
このとき、n個の前記射影吐出口点が、前記一方向に関して等間隔に離隔していることが好ましい。これによると、高解像度のモノクロ画像を印刷することができる。
【0016】
さらに、このとき、前記第1の間隔が、前記第2の間隔よりも小さいことがより好ましい。これによると、ノズル孔の流入口の射影輪郭線が接続口の射影輪郭線内により一層包含されやすくなる。
【0017】
加えて、このとき、前記共通原点に対する前記射影接続口点の前記一方向に関する座標成分が大きいほど、当該射影接続口点に対応する前記射影吐出口点の前記一方向に関する座標成分が大きいことがより一層好ましい。これによると、ノズル孔の流入口の射影輪郭線が接続口の射影輪郭線内に確実に包含されることになる。
【0018】
また、本発明においては、n個の前記射影吐出口点が、前記一方向と直交する方向に沿って一直線上に配列されていることが好ましい。これによると、良好なカラー画像を印刷することができる。
【0019】
本発明においては、前記仮想平面上において、n個の前記射影接続口点及びn個の前記射影吐出口点を前記第2の方向に関して等間隔に配置したとき、n個の前記射影接続口点が第1の直線上に存在していると共に、n個の前記射影吐出口点が前記第1の直線と交差する方向に延在する第2の直線上に存在していることが好ましい。これによると、個別インク流路組の構造を簡単にすることができる。
【0020】
加えて、本発明においては、前記接続口の輪郭線を前記インク吐出面に垂直な方向に沿って前記仮想平面上に射影したときに、当該接続口に対応する前記射影吐出口点が、射影されることによって前記仮想平面に形成された前記接続口の射影輪郭線に包含されることが好ましい。これによると、インク吐出性能をさらに向上させることができる。
【0021】
さらには、前記吐出口の輪郭線を前記インク吐出面に垂直な方向に沿って前記仮想平面上に射影したときに、射影されることによって前記仮想平面に形成された前記吐出口の射影輪郭線が、前記接続口の射影輪郭線に包含されることがより好ましい。これによると、インク吐出性能をより一層向上させることができる。
【0022】
また、本発明においては、複数の前記共通インク室が、前記第1の方向に延在しつつ互いに対向するように配列されていてよい。そして、各共通インク室が、共通の前記吐出口列に係るm個(m:自然数)の前記個別インク流路と連通していてよい。このとき、同じ前記共通インク室に連通したm個の前記個別インク流路に対応したm個の前記射影吐出口点が、前記仮想平面上において前記一方向に関して等間隔に離隔しており、互いに異なる前記共通インク室に連通したn個の前記個別インク流路からなる前記個別インク流路組がm個形成されていることが好ましい。これによると、ヘッド全域にわたって上述した効果が得られる。
【0023】
このとき、n個の前記共通インク室が形成されており、これらn個の前記共通インク室がそれぞれ2個の副共通インク室を有しており、各共通インク室に属する2つの前記副共通インク室に連通したm個の前記個別インク流路に対応したm個の前記射影吐出口点が、前記仮想平面上において前記一方向に関して等間隔に離隔していることが好ましい。これによると、共通インク室と同数のインク色を用いたカラー印刷と、その倍の副共通インク室と同数のインク色を用いたカラー印刷とを1つのインクジェットヘッドで実現することができる。
【0024】
また、これらにおいて、n×m個の前記圧力室及び前記圧力室に対向して配置された個別電極が、前記一方向に関して千鳥状に配列されていることがより好ましい。これによると、圧力室を高密度に配置することができるため、高解像度印刷を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0026】
図1は、本発明に係る好適な実施の形態によるインクジェットヘッドの外観斜視図である。図2は、図1のII−II線における断面図であり、インクジェットヘッドを構成するホルダにヘッド本体が組み付けられた状態を示している。図3は、図2に示すヘッド本体に補強板が接着された状態を示す斜視図である。インクジェットヘッド1は、シリアル式のインクジェットプリンタ(図示略)に用いられて、副走査方向に平行に搬送されてきた用紙に対してマゼンタ、イエロー、シアン及びブラックの4色のインクを吐出して記録するものである。インクジェットヘッド1は、図示しないキャリッジに着脱可能に搭載されて、主走査方向に往復移動され、用紙上を横切る毎にインク滴が吐出される。図1及び図2に示すようにインクジェットヘッド1は、4色のインクをそれぞれ貯溜する4つのインク室3が形成されたインクタンク71と、このインクタンク71の下方に配置されたヘッド本体70と、ヘッド本体70に貼り付けられた信号伝送基板となるフレキシブルプリント基板(FPC)50とを備えている。
【0027】
インクタンク71の内部には、4つのインク室3が主走査方向に並んで形成されており、図2中左方のインク室3からマゼンタ、イエロー、シアン、ブラックのインクが順に貯溜されている。これら4つのインク室3は、対応するインクカートリッジ(図示せず)がチューブ40(図1参照)によってそれぞれ接続されており、インクカートリッジからインク室3に各色のインクが供給されるようになっている。また、図2及び図3に示すようにインクタンク71が、平面矩形形状の補強板41に組み付けられている。この補強板41は、略直方体形状を有するホルダ72に紫外線型硬化剤43で固着されている。さらに、この補強板41には図3に示すように、平面形状が長方形形状の開口部42が形成されており、この開口部42内に後述のアクチュエータユニット(圧電アクチュエータ)21を配置するようにしてヘッド本体70が接着固定されている。インクタンク71の下端部には、4つのインク室3にそれぞれ連通する4つのインク導出口3aが形成されている。一方、補強板41には、図3に示すように、4つのインク導出口3aとそれぞれ連なる平面形状が楕円形状の4つの貫通孔41aが形成されている。
【0028】
ヘッド本体70は、それぞれの色ごとに複数のインク流路が形成された流路ユニット4と、流路ユニット4の上面にエポキシ系の熱硬化性接着剤によって接着されたアクチュエータユニット21とを含んでいる。流路ユニット4及びアクチュエータユニット21は、複数の薄板を積層して互いに接着させた構成であり、これら流路ユニット4及びアクチュエータユニット21はインクタンク71の下方に配置されている。流路ユニット4の上面には、平面形状が楕円形状の4つのインク供給口4a(図4参照)が形成されている。また、図3に示すように補強板41には、補強板41に形成された貫通孔41aと流路ユニット4に形成されたインク供給口4aとがそれぞれ連なるようにして流路ユニット4が接着されている。この構成により、インクタンク71内の4種類のインクが、インクタンク71に形成された4つのインク導出口3a及び補強板41に形成された4つの貫通孔41aを通ってそれぞれに対応する流路ユニット4の4つのインク供給口4aから流路ユニット4内に供給されている。
【0029】
また、図2に示すようにヘッド本体70は、流路ユニット4のインク吐出面70aを外部に露出する状態で、補強板41がホルダ72の下面に形成された段付き状の開口部72aに装着されており、ホルダ72と流路ユニット4との間はシール剤73により封止されている。また、ヘッド本体70の底面は微小径を有する多数のノズル孔8の吐出口8a(図6参照)が配列されたインク吐出面70aとなっている。また、アクチュエータユニット21の上面には、FPC50が熱硬化性接着剤によって固着され、主走査方向の一方に引き出されるとともに、屈曲しながら上方に引き出されている。さらに、このFPC50の上面には、FPC50及びアクチュエータユニット21を保護する保護プレート44が貼付されている。さらに、この保護プレート44は、アクチュエータユニット21に生じる温度分布を均一化し、インクの吐出特性をそろえる働きをしている。
【0030】
アクチュエータユニット21に固着されたFPC50は、スポンジなどの弾性部材74を介してインクタンク71の側面に沿うように引き出され、このFPC50上にドライバIC75が設置されている。FPC50は、ドライバIC75から出力された駆動信号をヘッド本体70のアクチュエータユニット21(後に詳述)に伝達するように、アクチュエータユニット21と電気的に接続されている。
【0031】
ホルダ72のドライバIC75に対向する側壁には、ドライバIC75の熱を外部に放散する為の開口部72bが形成されている。さらに、ドライバIC75とホルダ72の開口部72bとの間には、略直方体形状のアルミ板からなるヒートシンク76がドライバIC75に密着するように配置されている。これらヒートシンク76及び開口部72bにより、ドライバIC75で発生した熱を効率的に散逸させることができる。また、開口部72b内には、ホルダ72の側壁とヒートシンク76の隙間を埋めるためのシール剤77が配置されており、インクジェットヘッド1の本体にゴミやインクが侵入することを防いでいる。
【0032】
図4は、ヘッド本体70の平面図である。図4に示すように、ヘッド本体70は矩形平面形状を有している。図4において、流路ユニット4内には、流路ユニット4の長手方向(副走査方向)に沿って互いに平行に延在された4つ(n個)のマニホールド流路5が形成されている。これらマニホールド流路5には、流路ユニット4の4つのインク供給口4aを通じてインクタンク71のインク室3からそれぞれインクが供給される。本実施の形態では、図4中上方に示すマニホールド流路5から下方に向かって順にマゼンタ、イエロー、シアン及びブラックに対応するマニホールド流路5A、5B、5C、5Dが形成されている。また、流路ユニット4の上面であって4つのインク供給口4aを覆う位置には、フィルタ部材45が配置されている。フィルタ部材45は、各インク供給口4aと重なる位置に複数の微小孔が形成されたフィルタ45aを有している。こうして、インクタンク71から流路ユニット4内に供給されるインク内のゴミなどがフィルタ45aによって捕獲される。
【0033】
流路ユニット4の上面には、平面形状が長方形形状のアクチュエータユニット21が、インク供給口4aを避けたほぼ中央部分に接着されている。アクチュエータユニット21と流路ユニット4との接着領域と対応する流路ユニット4の下面は、多数のノズル孔8(図6参照)が配列されたインク吐出面70aとなっている。アクチュエータユニット21に対向する流路ユニット4の接着領域には、マトリクス状に配列された多数の圧力室10(図6参照)及び空隙60(図5参照)が形成されている。言い換えると、アクチュエータユニット21はすべての圧力室10及び空隙60に跨る寸法を有している。
【0034】
図5は、図4内に描かれた一点鎖線で囲まれた領域の拡大図である。図5に示すように、流路ユニット4においては、4つのマニホールド流路(共通インク室)5A、5B、5C、5Dが、それぞれ2本の副マニホールド流路(副共通インク室)5aに分岐している。言い換えれば、計8本の副マニホールド流路5aが形成されている。副マニホールド流路5aは、平面視における幅方向の両側壁から外側に向かって突出していると共に、延在方向に沿って千鳥状に配列されている多数の突出部80を備えている(図6参照)。また、流路ユニット4には、複数の圧力室10がマニホールド流路5(副マニホールド流路5a)と平行に配列された16本の圧力室列11と、多数の空隙60が圧力室列11と平行に配列された4本の空隙列61とが形成されている。16本の圧力室列11は、互いに隣接して形成された4本の空隙列61の集団によって、12本の集団と4本の集団とに隔てられている。圧力室10及び空隙60は平面形状及びサイズが同じである。多数の圧力室10及び空隙60は、両者を区別のないものと考えたときに、流路ユニット4において1つの配列パターンが形成されるように規則的に配列されている。
【0035】
流路ユニット4に形成された圧力室10は、角部にアールが施された略菱形の平面形状を有しており、その長い方の対角線は流路ユニット4の幅方向(主走査方向)に平行である。各圧力室10の一端はディセンダ孔(プレート23、24、25、66、26、27、28、29、67に亘って形成された孔)14を介してノズル孔(ノズルプレート30に形成された孔)8に連通しており、他端はアパーチャ13及び連通孔68を介して副マニホールド流路5aの突出部80に連通している(図6参照)。なお、図5においては、図面を分かりやすくするために流路ユニット4内にあって破線で描くべき圧力室10、空隙60、アパーチャ13及びノズル孔8等を実線で描いている。
【0036】
後述するように、アクチュエータユニット21上には、平面形状がほぼ菱形で圧力室10よりも一回り小さい個別電極35(図9参照)が、圧力室10と対向するようにマトリクス状に配列されている。なお、図5には、図面を簡略にするために、複数の個別電極35のうちの1つだけを描いている。
【0037】
図6は、図5に示すVI−VI線に沿った個別インク流路7を示す断面図である。図6に示すように、副マニホールド流路5aは矩形断面形状を有していると共に側壁からほぼ水平方向に突出する突出部80を有している。各ノズル孔8は、ディセンダ孔14、圧力室10、アパーチャ(すなわち絞り)13及び連通孔68を介して副マニホールド流路5aの突出部80と連通している。このとき、連通孔68、アパーチャ13、圧力室10、ディセンダ孔14、ノズル孔8を含むものとして1つの個別インク流路7が形成されている。このように、各副マニホールド流路5aには多数(本実施の形態においてはm/2個)の個別インク流路7が連通している(図5参照)。つまり、各マニホールド流路5にはm個の個別インク流路7が連通している。
【0038】
また、副マニホールド流路5aの内壁面の一部を構成する上部薄膜部81aを介して副マニホールド流路5aに隣接するように上部ダンパー室81が形成されている。さらに、上部薄膜部81aに対向する内壁面の一部を構成する下部薄膜部82aを介して副マニホールド流路5aに隣接するように下部ダンパー室82が形成されている。したがって、上部ダンパー室81及び下部ダンパー室82は、副マニホールド流路5aを挟んで互いに対向するように配置されている。
【0039】
ヘッド本体70は、図6に示すように、上から、アクチュエータユニット21、キャビティプレート22、ベースプレート23、アパーチャプレート24、サプライプレート25、上部ダンパープレート66、マニホールドプレート26〜29、下部ダンパープレート67、及び、ノズルプレート30の合計12枚のシート材が積層された積層構造を有している。これらのうち、アクチュエータユニット21を除いた11枚のプレートから流路ユニット4が構成されている。
【0040】
アクチュエータユニット21は、後述するように、4枚の圧電シート31〜34(図9参照)の積層体を含んでいる。そのうちの最上層だけが電界印加時に活性部となる部分を有する層(以下、単に「活性部を有する層」というように記する)とされ、残り3層が活性部を有しない非活性層とされたものである。キャビティプレート22は、圧力室10及び空隙60を構成する菱形の孔が、アクチュエータユニット21の貼付範囲(接着領域)内に多数設けられた金属プレートである。ベースプレート23は、キャビティプレート22の1つの圧力室10について、圧力室10とアパーチャ13との連絡孔及び圧力室10からノズル孔8への連絡孔であるディセンダ孔14となる孔がそれぞれ設けられた金属プレートである。
【0041】
アパーチャプレート24は、キャビティプレート22の1つの圧力室10について、アパーチャ13となる孔のほかにディセンダ孔14となる孔がそれぞれ設けられた金属プレートである。サプライプレート25は、キャビティプレート22の1つの圧力室10について、アパーチャ13と連通する連通孔68の一部となる孔及びディセンダ孔14となる孔がそれぞれ設けられた金属プレートである。
【0042】
上部ダンパープレート66は、キャビティプレート22の1つの圧力室10について、アパーチャ13と連通する連通孔68の一部となる孔、ディセンダ孔14となる孔及び上部ダンパー室81の一部となる凹部がそれぞれ設けられた金属プレートである。つまり、サプライプレート25、及び上部ダンパープレート66の孔により連通孔68が形成される。また、上部ダンパー室81の一部となる凹部の底部は上部薄膜部81aとなる。
【0043】
マニホールドプレート26〜29は、副マニホールド流路5aの一部となる孔と、キャビティプレート22の1つの圧力室10について、ディセンダ孔14となる孔とが設けられた金属プレートである。なお、マニホールドプレート26の副マニホールド流路5aの一部となる孔には、突出部80となる部分が含まれている。下部ダンパープレート(ノズルプレート30に隣接するプレート)67は、下部ダンパー室82の一部となる凹部及びディセンダ孔14となる孔が設けられた金属プレートである。下部ダンパー室82となる凹部の底部は下部薄膜部82aとなる。また、ノズルプレート30に接する面におけるディセンダ孔14となる孔の開口が、ノズル孔8に接続される接続口67aとなっている。ノズルプレート30は、キャビティプレート22の1つの圧力室10についてノズル孔8がそれぞれ設けられた金属プレートである。ノズル孔8のインク吐出面70aに位置する開口が吐出口8aとなっており、下部ダンパープレート67の接続口67aに接続される開口が上部開口(流入口)8bとなっている。
【0044】
これら12枚のシート21〜30、66、67は、図6に示すような個別インク流路7が形成されるように、互いに位置合わせして積層されている。この個別インク流路7は、副マニホールド流路5aから連通孔68を通って上方へ向かい、アパーチャ13において水平に延在し、それからさらに上方に向かい、圧力室10において再び水平に延在し、それからしばらくアパーチャ13から離れる方向に斜め下方に向かってから垂直下方にノズル孔8へと向かう。
【0045】
図6から明らかなように、各プレートの積層方向において圧力室10とアパーチャ13とは異なるレベルに設けられている。これにより、図5に示すように、流路ユニット4内において、1つの圧力室10と連通したアパーチャ13を、当該圧力室に隣接する別の圧力室10と平面視で重なるように配置することが可能となっている。この結果、圧力室10同士が密着して高密度に配列されるため、比較的小さな占有面積のインクジェットヘッド1により高解像度の画像印刷が実現される。
【0046】
また、キャビティプレート22に形成された複数の空隙60は、キャビティプレート22に形成された圧力室10と同じ形状及び同じ大きさを有する孔がアクチュエータユニット21及びベースプレート23によって塞がれることによって画定されている。そのため、空隙60にはインク流路が接続されておらず、複数の空隙60はインクで満たされることがない。複数の空隙60は、配列方向A(副走査方向)及び配列方向Bの2方向に千鳥状配列パターンでマトリクス状に隣接配置されている。複数の空隙60は、互いに平行な4列の空隙列61を形成しており、それら4列の空隙列61によって空隙群62が構成されている。この空隙群62を挟むようにして複数の圧力室10が流路ユニット4に形成されている。
【0047】
上述したように、マトリクス状に配置された多数の圧力室10は、配列方向Aに沿って16本の圧力室列11を形成している。これら16本の圧力室列11は、平面視において、各マニホールド流路5との相対位置に応じて、第1の圧力室列11a、第2の圧力室列11b、第3の圧力室列11c、及び、第4の圧力室列11dに分けられる。これら第1〜第4の圧力室列11a〜11dは、アクチュエータユニット21の幅方向における一方から他方(図5中下方から上方)に向けて、11a→11c→11b→11d→11a→11c→11b→11d→・・という順番で周期的に4個ずつ配置されている。なお、これら周期的に4個ずつ配置された第1〜第4の圧力室列毎に4つの圧力室群12が形成されており、各圧力室群12の圧力室10が各マニホールド流路5とそれぞれアパーチャ13を介して連通している。つまり、各圧力室群12はマニホールド流路5毎に形成されているため、4色のインクに対応する圧力室群12をそれぞれ圧力室群12A(マゼンタ)、12B(イエロー)、12C(シアン)、12D(ブラック)と称する。
【0048】
圧力室群12について、図7をさらに参照しつつ説明する。図7は、図5内に描かれた一点鎖線で囲まれた領域の拡大図である。なお、図7においては、図面を分かりやすくするために副マニホールド流路5a、アパーチャ13、圧力室10、接続口67a及びノズル孔8のみを実線で描いている。図7に示すように、各圧力室群12においては、圧力室列11aを構成する圧力室10aと圧力室列11cを構成する圧力室10cとが、同じ副マニホールド流路5aに連通している。また、圧力室列11bを構成する圧力室10bと圧力室列11dを構成する圧力室10dとが、同じ副マニホールド流路5aに連通している。また、各圧力室群12においては、各ノズル孔8の吐出口8aの中心を通り主走査方向に平行な多数の仮想線Zがどの2本についても互いに重ならないようになっている。つまり、各ノズル孔8の吐出口8aの中心が、副走査方向に関して等距離ずつ離隔している。例えば、本実施の形態においては、150dpiの解像度による印字を可能とするため、隣接する2本の仮想線Z同士が150dpiずつ離隔している。また、一方の副マニホールド流路5aに連通している圧力室10a、10c又は圧力室10b、10dに係るノズル孔8の吐出口8aの中心を通る仮想線Zだけを取り出した場合、隣接する2本の仮想線Z同士が75dpiずつ離隔している。さらに、4つのうちいずれか1つの圧力室列11に属する圧力室(例えば圧力室10a)に係るノズル孔8の吐出口8aの中心を通る仮想線Zだけを取り出した場合、隣接する2本の仮想線Z同士が37.5dpiずつ離隔している。そして、1つの圧力室列11に属する圧力室(例えば圧力室10a)に係るノズル孔8の吐出口8aの中心を通る仮想線Zだけを取り出した場合、隣接する2本の仮想線Zの間には、それぞれ、他の3つの圧力室列11に属する圧力室(例えば圧力室10c、10b、10d)に係るノズル孔8の吐出口8aの中心を通る仮想線Zが1本ずつ存在している。1つの圧力室群12だけを考えたとき、各仮想線Z上には、ノズル孔8の吐出口8aの中心が1つだけ存在している。また、4つの圧力室群12A、12B、12C、12Dを考えたとき、各仮想線Z上には、ノズル孔8の吐出口8aの中心が4つ存在している。これら4つの吐出口8aの中心は、4つの圧力室群12A、12B、12C、12Dに属するものからそれぞれ1つずつ選ばれたものである。
【0049】
このとき、インク吐出面70aにおいて、多数の吐出口8aが、それぞれが副走査方向(第1の方向)に延在しつつ互いに対向するように配列された複数の吐出口列18を形成している(図5参照)。そして、流路ユニット4においては、吐出口8aの中心が同じ仮想線Z上に存在する互いに異なる圧力室群12に対応するノズル孔8を含む4つの個別インク流路7が、1つの個別インク流路組を構成している。以上のように、本実施の形態では、インクの色毎に圧力室群12が構成されており、これに属する圧力室10や、副マニホールド5a、アパーチャ13、接続口67a及びノズル孔8の位置関係は、圧力室群12同士で同じである。そのため、1つの個別インク流路組に属する圧力室10についても、各流路構成要素(副マニホールド5a、アパーチャ13等)と各圧力室10との位置関係は同じになっている。
【0050】
次に、1つの個別インク流路組における、ノズル孔8の吐出口8a及び上部開口8bと当該ノズル孔8に接続された接続口67aとの位置関係について図8を参照しつつ説明する。図8は、インク吐出面70aに設定された任意の点、1つの個別インク流路組に関する4つの吐出口8a、上部開口8b及び接続口67aを、インク吐出面70aに垂直な方向に沿ってインク吐出面70aに平行な仮想平面上に射影した図である。つまり、図8においては、仮想線Z上に存在する各圧力室群12A、12B、12C、12Dに対応する4つのノズル孔8と接続口67aとの位置関係が示されている。以下、仮想平面において、インク吐出面70aに設定された任意の点が射影されたものを共通原点O、吐出口8aが射影されたものを吐出口の射影輪郭線8a'、上部開口8bが射影されたものを上部開口の射影輪郭線8b'、接続口67aが射影されたものを接続口の射影輪郭線67a'と称する。また、吐出口の射影輪郭線8a'の中心点を射影吐出口点8c、接続口の射影輪郭線67a’の中心点を射影接続口点67bと称する。なお、図8においては、上部開口の射影輪郭線8b'を破線で示している。また、図8において、4つの接続口の射影輪郭線67a'などは、主走査方向に関する離隔距離が副走査方向の縮尺を基準として考えた場合の距離よりも短くなるように描かれている。具体的には、4つの接続口の射影輪郭線67a'などの主走査方向に関する離隔距離は、副走査方向の縮尺を基準として考えた場合の距離をさらに同じ割合で縮小した位置に描かれている。さらに、位置関係をわかりやすくするため、接続口の射影輪郭線67a'などが主走査方向に関して等間隔に配置されるように描かれている。
【0051】
図8に示すように、仮想平面においては、4つの射影吐出口点8cが、主走査方向に沿った直線A(第2の直線)上に配列されている。また、4つの射影接続口点67bが、副走査方向に関して一定の間隔l(1200dpi)ずつ離隔しつつ、直線Aと交差する直線B(第1の直線)上に配列されている。このとき、方向まで考慮すると、射影接続口点67bに対する、対応する射影吐出口点8cの副走査方向に関する距離(LA、LB、LC、LD)が、1.5l、0.5l、−0.5l、−1.5lと間隔lずつ変化している。このように、共通原点Oに対する射影接続口点67bの副走査方向に関する座標成分と、射影接続口点67bに対する、対応する射影吐出口点8cの副走査方向に関する座標成分の両方が、1つの個別インク流路組に属する4つの個別インク流路7すべてについて相違している。さらに、このとき、仮想平面において、射影吐出口点8c、吐出口の射影輪郭線8a'及び上部開口の射影輪郭線8b'が、接続口の射影輪郭線67a'に完全に包含されている。これにより、各個別インク流路7において、圧力室10からのインクが接続口67aを経由してノズル孔8に円滑に流れ込む。
【0052】
次に、アクチュエータユニット21及びFPC50の構成について説明する。アクチュエータユニット21上には、圧力室10と同じ配列パターンで多数の個別電極35がマトリクス状に配置されている。各個別電極35は、平面視において圧力室10と対向する位置に配置されている(図5参照)。
【0053】
図9は、アクチュエータユニットを示している。図9(a)は図6における一点鎖線で囲まれた部分の拡大図であり、図9(b)は個別電極の平面図である。なお、図9には、図面を分かりやすくするためにFPC50内にあって破線で描くべき端子部48a及び配線48bなどを実線で描いている。図9(a)及び図9(b)に示すように、個別電極35は圧力室10と対向する位置に配置されており、平面視において圧力室10の平面領域内に形成された主電極領域35aと、主電極領域35aにつながっており且つ圧力室10の平面領域外に形成された補助電極領域35bとから構成されている。
【0054】
図9(a)に示すように、アクチュエータユニット21は、それぞれ厚みが15μm程度に形成された4枚の圧電シート31〜34を含んでいる。これら圧電シート31〜34は、ヘッド本体70内のインク吐出領域内に形成された多数の圧力室10及び空隙60に跨って配置されるように連続した層状の平板(連続平板層)となっている。圧電シート31〜34は、強誘電性を有するチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系のセラミックス材料からなるものである。
【0055】
最上層の圧電シート31上に形成された個別電極35の主電極領域35aは、図9(b)に示すように、圧力室10とほぼ相似である略菱形の平面形状を有している。略菱形の主電極領域35aにおける図9(b)中左側の一鋭角部は、圧力室10の一鋭角部と重なる領域に延出され、補助電極領域35bとつながっている。補助電極領域35bの先端には、個別電極35と電気的に接続された円形のランド部36が設けられている。このランド部36は、後述の接合部となる端子部48aと電気的に接続される端子となっている。図9(b)に示すように、ランド部36は、キャビティプレート22において圧力室10が形成されていない領域に対向しており、その直径が約0.3mm、厚さは約10μmとなっている。ランド部36は、例えばガラスフリットを含む金からなり、図9(a)に示すように、補助電極領域35bにおける表面上に形成されている。
【0056】
最上層の圧電シート31とその下側の圧電シート32との間には、圧電シート31と同じ外形及び略2μmの厚みを有する共通電極37が介在している。個別電極35及び共通電極37は共に、例えばAg−Pd系などの金属材料からなる。
【0057】
共通電極37は、図示しない領域において接地されている。これにより、共通電極37は、すべての圧力室10に対応する領域において等しく一定の電位、本実施の形態ではグランド電位に保たれている。
【0058】
図9(a)に示すようにFPC50は、ベースフィルム(フレキシブル層)46と、ベースフィルム46の下面(ヘッド本体70に対向する面)に形成された導体パターン47とを有している。ベースフィルム46は、可撓性及び絶縁性を有したポリイミド樹脂フィルム等からなる。また、導体パターン47は銅箔から形成されている。
【0059】
導体パターン47は、ベースフィルム46のランド部36と対向する位置に形成された複数の端子部48aと、各端子部48aの下端中央からFPC50の基端側に向かって引き出された配線48bとを有している。端子部48aは、円形平面形状に形成されている。なお、端子部48aの表面には、端子部48aの酸化防止とランド部36に対する確実な導通を確保するために金メッキ(不図示)が施されている。
【0060】
複数の配線48bは、FPC50の基端側においてドライバIC75とそれぞれ接続されている。ベースフィルム46において、ランド部36に対向する領域の一部は、ランド部36の中心に向かって突出する凸部51が形成されている。端子部48aに、凸部51に対向するように、端子部48aの中央部分からランド部36の中心に向かって突出した突出部55が形成されている。
【0061】
突出部55の周囲には、非導電性材料からなるエポキシ系の熱硬化性接着剤56が配置されており、その熱硬化性接着剤56の硬化に伴う収縮力によって突出部55の先端が、ランド部36の表面と接触して押しつぶされたようになっている。これによって端子部48aとランド部36とが電気的に接続された状態となる。このような構成により、FPC50はドライバIC75からの駆動信号を配線48b及び端子部48aを介して個別電極35にそれぞれ伝送することが可能になる。つまり、複数の個別電極35の夫々が、FPC50における独立した端子部48a及び配線48bを介してドライバIC75に接続される。これにより、圧力室10毎にインクの吐出制御をすることが可能になる。
【0062】
次に、アクチュエータユニット21の駆動方法について述べる。アクチュエータユニット21における圧電シート31の分極方向はその厚み方向である。つまり、アクチュエータユニット21は、上側(つまり、圧力室10とは離れた)1枚の圧電シート31を活性部が存在する層とし且つ下側(つまり、圧力室10に近い)3枚の圧電シート32〜34を非活性層とした、いわゆるユニモルフタイプの構成となっている。従って、個別電極35をグランド電位に対して正又は負の所定電位とすると、例えば電界と分極とが同方向であれば圧電シート31中の電極に挟まれた電界印加部分が活性部として働き、電歪効果により分極方向と直角方向に縮む。
【0063】
一方、圧電シート31の下方にある3枚の圧電シート32〜34は、外部から電界が印加されることが無く、そのために活性部としてほとんど機能しない。
【0064】
つまり、圧電シート32〜34は、自発的には変位しないので、上層の圧電シート31と下層の圧電シート32〜34との間で、分極方向と垂直な方向への歪みに差を生じることとなり、圧電シート31〜34全体が非活性側に凸となるように変形しようとする(ユニモルフ変形)。このとき、図9(a)に示したように、圧電シート31〜34で構成されたアクチュエータユニット21の下面は圧力室を区画する隔壁(キャビティプレート)22の上面に固定されているので、結果的に圧電シート31〜34は圧力室の容積を減少する。このため、インクの圧力が上昇し、ノズル孔8からインクが吐出される。その後、個別電極35を共通電極37と同じ電位に戻すと、圧電シート31〜34は元の形状になって圧力室10の容積が元の容積に戻るので、インクをマニホールド流路5側から吸い込む。
【0065】
なお、他の駆動方法として、予め個別電極35を共通電極37と異なる電位にしておき、吐出要求があるごとに個別電極35を共通電極37と一旦同じ電位(例えば、グランド電位)とし、その後所定のタイミングにて再び個別電極35を共通電極37と異なる電位にすることもできる。この場合は、個別電極35と共通電極37とが同じ電位になるタイミングで、圧電シート31〜34が元の形状に戻ることにより、圧力室10の容積は初期状態(両電極の電位が異なる状態)と比較して増加し、インクがマニホールド流路5側から圧力室10内に吸い込まれる。その後再び個別電極35を共通電極37と異なる電位にしたタイミングで、圧電シート31〜34が圧力室10側へ凸となるように変形し、圧力室10の容積低下によりインクへの圧力が上昇し、インクが吐出される。こうして、ノズル孔8からインクが吐出されると共に、インクジェットヘッド1が適宜、主走査方向に移動され用紙に所望画像が印刷される。
【0066】
以上説明したインクジェットヘッド1は、4色のインク滴を吐出可能なカラー用インクジェットヘッドとして機能するものであるが、ノズルプレート30をモノクロ用のノズルプレート30Aに変更することによって、単色のインク滴を狭い間隔で吐出可能なモノクロ用インクジェットヘッドとして機能させることができる。なお、この場合、4つのインク室3の全てに同色のインクが貯溜されるように構成されていればよい。以下、ノズルプレート30をモノクロ用のノズルプレート30Aに変更した場合について説明する。ノズルプレート30Aは、キャビティプレート22の1つの圧力室10について、ノズル孔8Aがそれぞれ設けられた金属プレートである。ノズル孔8Aのインク吐出面70aに位置する開口が吐出口8Aaとなっており、下部ダンパープレート67の接続口67aに接続される開口が上部開口8Abとなっている(図6参照)。
【0067】
また、4つの圧力室群12をまとめて考えた場合、各ノズル孔8Aの吐出口8Aaの中心を通り主走査方向に平行な多数の仮想線Z'(図10参照)は、どの2本についても互いに重ならないようになっている。例えば、本実施の形態においては、600dpiの解像度による印字を可能とするため、隣接する2本の仮想線Z'がそれぞれ600dpiに相当する距離ずつ離隔している。このとき、インク吐出面70aにおいて、多数の吐出口8Aaが、それぞれが副走査方向(第1の方向)に延在しつつ互いに対向するように配列された16の吐出口列18A(図5参照)を形成している。そして、流路ユニット4においては、互いに隣接する4つの仮想線Z'上に存在する互いに異なる圧力室群12に対応するノズル孔8Aを含む4つの個別インク流路7が1つの個別インク流路組を構成している。
【0068】
次に、1つの個別インク流路組における、ノズル孔8Aの吐出口8Aaと当該ノズル孔8Aに接続された接続口67Aaとの位置関係について図10を参照しつつ説明する。図10は、ノズルプレート30Aを用いた場合の、インク吐出面70aに設定された任意の点、1つの個別インク流路組に関する4つの吐出口8Aa、上部開口8Ab及び接続口67aを、インク吐出面70aに垂直な方向に沿ってインク吐出面70aに平行な仮想平面上に射影した図である。つまり、図10においては、互いに隣接する仮想線Z’上に存在する各圧力室群12A、12B、12C、12Dに対応する4つのノズル孔8Aと接続口67aとの位置関係が示されている。以下、仮想平面において、吐出口8Aaが射影されたものを吐出口の射影輪郭線8Aa’、上部開口8Abが射影されたものを上部開口の射影輪郭線8Ab’と称する。また、吐出口の射影輪郭線8Aa'の中心点を射影吐出口点8Acと称する。なお、図10においては、上部開口の射影輪郭線8Ab'を破線で示している。また、図10において、4つの接続口の射影輪郭線67a'などは、主走査方向に関する離隔距離が副走査方向の縮尺を基準として考えた場合の距離よりも短くなるように描かれている。具体的には、4つの接続口の射影輪郭線67a'などの主走査方向に関する離隔距離は、副走査方向の縮尺を基準として考えた場合の距離をさらに同じ割合で縮小した位置に描かれている。さらに、位置関係をわかりやすくするため、接続口の射影輪郭線67a'などが主走査方向に関して等間隔に配置されるように描かれている。
【0069】
図10に示すように、仮想平面においては、4つの射影接続口点67bが、副走査方向に関して一定の間隔l(第1の距離:1200dpi)ずつ離隔しており、主走査方向に対して傾いた直線B上に配列されている。また、4つの射影吐出口点8Acが、副走査方向に関して一定の間隔L(第2の距離:600dpi)ずつ離隔しており、直線Bと交差する直線A’上に配列されている。そして、間隔lが間隔Lより小さいため、直線A’が直線Bよりも大きく傾いている。このとき、方向まで考慮すると、射影接続口点67bに対する、対応する射影吐出口点8Acの副走査方向に関する距離(LA’、LB’、LC’、LD’)が、間隔L−間隔l(=600dpi)ずつ変化している。また、共通原点Oに対する射影接続口点67bの副走査方向に関する座標成分が大きいほど、当該射影接続口点67bに対応する射影吐出口点8Acの副走査方向に関する座標成分が大きくなっている。このように、共通原点Oに対する射影接続口点67bの副走査方向に関する座標成分と、射影接続口点67bに対する、対応する射影吐出口点8Acの副走査方向に関する座標成分の両方が、1つの個別インク流路組に属する4つの個別インク流路7すべてについて相違している。さらに、このとき、仮想平面において、射影吐出口点8Ac、吐出口の射影輪郭線8Aa'及び上部開口の射影輪郭線8Ab'が、接続口の射影輪郭線67a'に完全に包含されている。これにより、各個別インク流路7において、圧力室10からのインクが接続口67aを経由してノズル孔8Aに円滑に流れ込む。
【0070】
以上説明した実施の形態によると、吐出口8a、8Aaの位置が互いに異なるノズルプレート30、30Aのいずれを用いた場合であっても、インクジェットヘッド1の製造過程において僅かな位置ずれが生じたとしても、上部開口の射影輪郭線8b'、8Ab'が接続口の射影輪郭線67a'内に確実に包含される。したがって、全ての個別インク流路7において、インクの流れが乱れにくく、優れたインク吐出性能が得られる。さらに、ノズルプレート30、30A以外のプレート21〜29、66、67は共用できる。そのため、カラー用、モノクロ用のインクジェットヘッド1を低コストで製作することができる。
【0071】
また、仮想平面において、共通原点Oに対する射影接続口点67bの副走査方向に関する座標成分と、射影接続口点67bに対する対応する射影吐出口点8c及び射影吐出口点8Acの副走査方向に関する座標成分の両方が、1つの個別インク流路組に属する4つの個別インク流路7すべてについて相違している。これによると、接続口67aに接続可能なノズルの範囲がさらに広くなるため、吐出口8a、8Aaの位置が互いに異なるノズル孔8、8Aを有するノズルプレート30、30Aのいずれを用いた場合においても、全ての個別インク流路7において、インクの流れが確実に乱れにくく、より優れたインク吐出性能が得られる。
【0072】
さらに、仮想平面において、4つの射影接続口点67bが、副走査方向に関して一定の間隔lずつ離隔していると共にモノクロ用のノズルプレート30Aを用いた場合に射影接続口点67bに対する、対応する射影吐出口点8Acの副走査方向に関する距離(LA'、LB'、LC'、LD')が、間隔L−間隔l(=600dpi)ずつ変化しているため、個別インク流路組の構造が簡単になる。
【0073】
加えて、仮想平面において、射影接続口点67bに対する、対応する射影吐出口点8c、8Acの副走査方向に関する距離(LA、LB、LC、LD;LA'、LB'、LC'、LD')が、一定距離ずつ変化しているため、個別インク流路組内においてノズル孔8、8A間のインク吐出特性の差が小さくなる。これにより、特にノズルプレート30Aを用いてモノクロ用インクジェットヘッドを構成したときに、モノクロ印刷の画像品質の低下を抑制することができる。
【0074】
また、ノズルプレート30Aを用いることによって、高解像度なモノクロ印刷が可能となるが、このとき、仮想平面において、4つの射影吐出口点8Acが副走査方向に関して一定の間隔Lずつ離隔しつつ直線A'上に配列されており、4つの射影接続口点67bが副走査方向に関して間隔Lより小さい一定の間隔lずつ離隔しつつ直線A上に配列されているため、個別インク流路組の構造がより簡単になる。
【0075】
さらに、各副マニホールド5aに異なるインクが供給されるように構成すると共にノズルプレートを変更することによって、最大8色のインクが吐出可能なインクジェットヘッドを構成することができる。
【0076】
加えて、圧力室10及び個別電極35が副走査方向に関して千鳥状に配列されているため、圧力室10を高密後に配置することができ、高解像度印刷が可能となる。
【0077】
さらに、カラー用ノズルプレート30の射影吐出口点8cは主走査方向に延びる直線A上に配列し、モノクロ用ノズルプレート8Acは直線Aに対し交差する直線A'上に配列している。これに対し、カラーとモノクロとで共通の配置を有する射影接続点67bが、2つの直線A、A'の中間的な傾きを有した直線B上に配置されているので、ノズルプレート30、30Aに対応してインク滴の着弾位置が異なる以外は、個別インク流路組内において、ノズル8、8A間のインク吐出特性の差を小さくしやすい。
【0078】
以上、本発明の好適な一実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更が可能なものである。例えば、上述した実施の形態においては、4つの個別インク流路7が1つの個別インク流路組を形成する構成であるが、4つ以外の複数の個別インク流路が1つの個別インク流路組を形成する構成であってもよい。
【0079】
また、上述した実施の形態においては、1つのマニホールド流路5が2つの副マニホールド流路5aに分岐する構成であるが、2つの副マニホールドに分岐しない構成でもよいし、3つ以上の副マニホールドに分岐する構成でもよい。
【0080】
さらに、上述した実施の形態においては、多数の個別インク流路組を有する構成であるが、個別インク流路組は1つであってもよい。
【0081】
また、上述した実施の形態においては、仮想平面において、共通原点Oに対する射影接続口点67bの副走査方向に関する座標成分と、射影接続口点67bに対する対応する射影吐出口点8c及び射影吐出口点8Acの副走査方向に関する座標成分の両方が、1つの個別インク流路組に属する4つの個別インク流路7すべてについて相違するように各個別インク流路が構成されているが、共通原点Oに対する射影接続口点の副走査方向に関する座標成分と、射影接続口点に対する対応する射影吐出口点の副走査方向に関する座標成分の両方が、1つの個別インク流路組に属する個別インク流路のうちの少なくとも2つについて相違するように個別インク流路が構成されていればよい。
【0082】
さらに、上述した実施の形態においては、仮想平面において、4つの射影接続口点67bが、副走査方向に関して一定の間隔lずつ離隔するように接続口67aが形成されているが、射影接続口点が副走査方向に関して任意の間隔で離隔するように接続口が形成されていてもよい。
【0083】
加えて、上述した実施の形態においては、仮想平面において、4つの射影吐出口点8c、8Acとこれに対応する射影接続口点67bとの距離が一定距離ずつ変化するように各個別インク流路7が形成されているが、仮想平面において、射影吐出口点とこれに対応する射影接続口点との距離が任意の距離で変化するように各個別インク流路が形成されていてもよい。
【0084】
また、上述した実施の形態においては、吐出口列18、18Aが副走査方向に沿って延在するように構成されているが、吐出口列が副走査方向以外の方向に沿って延在するように構成されていてもよい。
【0085】
さらに、上述した実施の形態においては、仮想平面において、4つの射影吐出口点8Acが副走査方向に関して一定の間隔Lずつ離隔しつつ直線A'上に配列されており、4つの射影接続口点67bが副走査方向に関して間隔Lより小さい一定の間隔lずつ離隔しつつ直線B上に配列されるように各個別インク流路7が形成されているが、間隔lが間隔Lと同じなるように、又は、間隔lが間隔Lよりも大きくなるように各個別インク流路が形成されていてもよい。また、射影接続口点が直線上に配列しないように各個別インク流路が形成されていてもよい。
【0086】
加えて、上述した実施の形態においては、インクジェットヘッド1が、ノズルプレート30、30Aを変更することによって、4色カラー印刷又はモノクロ印刷が可能な構成となっているが、インクジェットヘッドの構成はこれらに限定されるものではない、例えば、ノズルプレートを変更することによって、2色、3色、又は5色以上のカラー印刷可能な構成となっていてもよいし、一部がカラー印刷可能となっており、残りがモノクロ印刷可能となる構成であってもよい。
【0087】
また、上述したインクジェットヘッド1は、シリアルタイプのインクジェットプリンタに適用されるものであるが、ラインタイプのインクジェットヘッドプリンタに適用されるインクジェットヘッドにも適用可能である。また、インクジェットヘッドは圧電方式のアクチュエータユニットによって駆動され、インクがノズルから吐出されるが、FPCから送られた信号によって各圧力室内のインクを加熱し、圧力室内のインクに吐出エネルギーを付与する方式のインクジェットヘッドであっても適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明の一実施形態によるインクジェットヘッドの外観斜視図である。
【図2】図1のII−II線における断面図である。
【図3】図2に示すヘッド本体に補強板が接着された状態を示す斜視図である。
【図4】図2に示すヘッド本体の平面図である。
【図5】図4内に描かれた一点鎖線で囲まれた領域の拡大図である。
【図6】図5のVI−VI線に沿った断面図である。
【図7】図5内に描かれた一点鎖線で囲まれた領域の拡大図である。
【図8】図6内に描かれたカラー用のノズルプレートにおける吐出口、上部開口及び接続口をインク吐出面に平行な仮想平面上に射影した図である。
【図9】図6のアクチュエータユニットを示しており、(a)は図6における一点鎖線で囲まれた部分の拡大図であり、(b)は個別電極の平面図である。
【図10】図6内に描かれたモノクロ用のノズルプレートにおける吐出口、上部開口及び接続口をインク吐出面に平行な仮想平面上に射影した図である。
【図11】従来のカラー用インクジェットヘッドの流路構成でカラー用のノズルプレート及びモノクロ用のノズルプレートをそれぞれ用いた場合の、ノズル孔の吐出口、この吐出口とは反対側に形成された流入口及びこの流入口に接続される接続口をインク吐出面に平行な仮想平面上に射影した図である。
【符号の説明】
【0089】
1 インクジェットヘッド
4 流路ユニット
5 マニホールド流路
5a 副マニホールド
7 個別インク流路
8 ノズル
8a 吐出口
8a’ 吐出口の射影輪郭線
8b 開口
8c 射影吐出口点
10 圧力室
11 圧力室列
12 圧力室群
14 ディセンダ孔
18 吐出口列
21 アクチュエータユニット
30 ノズルプレート
67a 接続口
67a' 接続口の射影輪郭線
67b 射影接続口点
70 ヘッド本体
70a インク吐出面




 

 


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