米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 繊維;紙;印刷 -> ブラザー工業株式会社

発明の名称 穴かがり縫いミシン
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−29433(P2007−29433A)
公開日 平成19年2月8日(2007.2.8)
出願番号 特願2005−217151(P2005−217151)
出願日 平成17年7月27日(2005.7.27)
代理人 【識別番号】100089004
【弁理士】
【氏名又は名称】岡村 俊雄
発明者 柴田 到
要約 課題
本縫いミシンのように縫製速度の高速化を実現でき、しかも耐久性の向上を図れるようにすること。

解決手段
電子鳩目穴かがりミシン1において、アーム部3内に、ミシンモータで回転駆動される上軸30が前後方向向きに配置され、この上軸30と平面視直交状に副軸31が配置され、上軸30に固着したハイポイドギヤ34と副軸31に固着したハイポイドギヤ35とが噛合し、これら上軸30と副軸31とが連動連結されている。更に、上軸30の前端部において針棒上下動機構36が連動連結されている。副軸31の左端部において針振り機構60が連動連結され、副軸31の右端部において天秤機構90が連動連結されている。
特許請求の範囲
【請求項1】
少なくとも針棒上下動機構と針振り機構と天秤機構とをアーム部に装備した穴かがり縫いミシンにおいて、
前記アーム部内に、ミシンモータで回転駆動される上軸と、この上軸と平面視直交状に配設された副軸と、前記上軸と副軸とを連動連結するギヤ機構とを設けたことを特徴とする穴かがり縫いミシン。
【請求項2】
前記上軸が前記針棒上下動機構に連動連結され、前記副軸が前記針振り機構と天秤機構に連動連結されたことを特徴とする請求項1に記載の穴かがり縫いミシン。
【請求項3】
前記針振り機構と前記天秤機構は、前記副軸の両端部に別れて夫々連動連結されたことを特徴とする請求項2に記載の穴かがり縫いミシン。
【請求項4】
前記副軸の端部に、外部から手動操作可能なハンドプーリを固定したことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の穴かがり縫いミシン。
【請求項5】
前記ギヤ機構は、1組のハイポイドギヤを有することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の穴かがり縫いミシン。
【請求項6】
前記ギヤ機構は、前記副軸の回転速度を前記上軸の回転速度の1/2とする減速ギヤ機構であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の穴かがり縫いミシン。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、穴かがり縫いミシンに関し、特にアーム部内に上軸をその長さ方向に配設し、この上軸に平面視直交状に副軸を配設し、上軸で針棒上下動機構を駆動し、副軸で針振り機構と天秤機構を駆動するようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
従来、鳩目穴かがり縫目を縫製する穴かがり縫いミシンにおいては、ミシンモータで駆動される上軸の回転により、針棒を上下動させる針棒上下動機構が駆動され、針棒を揺動させる針振り機構が駆動され、更に天秤を揺動させる天秤機構が駆動されるようになっている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の鳩目穴かがりミシンの針振り機構は、アーム部の長さ方向と直交する方向に配設された上軸の回転力により、針棒揺動レバーの揺動を介して、針棒を上下動させるように構成されている。また、針振り機構は、上軸に固着した偏心カムによる揺動レバーの揺動で針振りさせるようにしてある。
【0004】
【特許文献1】特開平7−313772号公報 (第4〜5頁、図1,図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述したように、特許文献1に記載の鳩目穴かがりミシンの針振り機構においては、針棒上下動機構は、アーム部の長さ方向と直交する方向に配設された上軸をミシンモータで回転駆動し、その上軸の回転により、針棒揺動レバーを上下に揺動させて、その揺動力により針棒を上下動させるように構成されている為、針棒揺動レバーのイナーシャが大きくなり、針棒上下動機構は高速回転に耐えられるような構成になっておらず、縫製速度の高速化を達成できないという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の穴かがり縫いミシンは、少なくとも針棒上下動機構と針振り機構と天秤機構とをアーム部に装備した穴かがり縫いミシンにおいて、アーム部内に、ミシンモータで回転駆動される上軸と、この上軸と平面視直交状に配設された副軸と、上軸と副軸とを連動連結するギヤ機構とを設けたものである。
【0007】
上軸がミシンモータで回転駆動されると、その上軸に平面視にて直交状に配設された副軸はギヤ機構を介して上軸と同期して回転駆動される。ここで、上軸がアーム部の長さ方向に配設される場合には、上軸の回転により針棒上下動機構を直接に駆動できる。
【0008】
請求項2の穴かがり縫いミシンは、請求項1において、前記上軸が針棒上下動機構に連動連結され、副軸が針振り機構と天秤機構に連動連結されたものである。
【0009】
請求項3の穴かがり縫いミシンは、請求項2において、前記針振り機構と天秤機構は、副軸の両端部に別れて夫々連動連結されたものである。
【0010】
請求項4の穴かがり縫いミシンは、請求項1〜3の何れかにおいて、前記副軸の端部に、外部から手動操作可能なハンドプーリを固定したものである。
【0011】
請求項5の穴かがり縫いミシンは、請求項1〜4の何れかにおいて、前記ギヤ機構は、1組のハイポイドギヤを有するものである。
【0012】
請求項6の穴かがり縫いミシンは、請求項1〜5の何れかにおいて、前記ギヤ機構は、副軸の回転速度を前記上軸の回転速度の1/2とする減速ギヤ機構で構成されたものである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明によれば、少なくとも針棒上下動機構と針振り機構と天秤機構とをアーム部に装備した穴かがり縫いミシンにおいて、アーム部内に、ミシンモータで回転駆動される上軸と、この上軸と平面視直交状に配設された副軸と、上軸と副軸とを連動連結するギヤ機構とを設けたので、ミシンモータにより相互に直交する上軸と副軸を同時に回転駆動させることができる。しかも、上軸がアーム部の長さ方向に配設されるような場合には、上軸の回転による針棒上下動機構の高速駆動が可能になる。
【0014】
請求項2の発明によれば、前記上軸が針棒上下動機構に連動連結され、副軸が針振り機構と天秤機構に連動連結されたので、副軸により従来と同様に、針振り機構と天秤機構とを夫々駆動させることができる。また、上軸により針棒上下動機構の直接駆動が可能になり、縫製速度の高速化を図ることができる。その他請求項1と同様の効果を奏することができる。
【0015】
請求項3の発明によれば、前記針振り機構と天秤機構は、副軸の両端部に別れて夫々連動連結されたので、これら針振り機構や天秤機構を配置する自由度を高めることができ、更に副軸による駆動力伝達性やバランス性を高めることができる。その他請求項2と同様の効果を奏する。
【0016】
請求項4の発明によれば、前記副軸の端部に、外部から手動操作可能なハンドプーリを固定したので、ハンドプーリの取付け位置が作業者に近くなり、作業者によるハンドプーリの操作性を高めることができ、更に、作業能率の向上が図られる。その他請求項1〜3の何れかと同様の効果を奏する。
【0017】
請求項5の発明によれば、前記ギヤ機構は、1組のハイポイドギヤを有するので、上軸と副軸とを立体的に交差させるようにして、上軸と副軸の各々をその両端部で夫々機枠に枢支することができ、上軸及び副軸の高速回転時における安定性を高めることができる。その他請求項1〜4の何れかと同様の効果を奏する。
【0018】
請求項6の発明によれば、前記ギヤ機構は、副軸の回転速度を上軸の回転速度の1/2とする減速ギヤ機構で構成されたので、針振り機構や天秤機構を、針棒が2回上下動するのに同期して動作させることができる。その他請求項1〜5の何れかと同様の効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本実施例の穴かがり縫いミシンは、アーム部内に、ミシンモータで回転駆動される上軸が長さ方向に配設されるとともに、副軸がその上軸と平面視にて直交状に配設され、上軸で針棒上下動機構が駆動され、副軸で針振り機構と天秤機構とが駆動されるようにしてある。
【実施例】
【0020】
図1,図2に示すように、電子鳩目穴かがりミシン(以下、単に穴かがり縫いミシンと言う)1は、略矩形箱状をなすベッド部2に、その後方部上部から前方に連続して延びるアーム部3を一体的に有して構成され、ミシンテーブル4上に載置されている。このミシンテーブル4の上側に、複数種類の鳩目穴かがり縫目のうちから択一的に選択する等の各種の操作を指示する操作パネル5などが設けられるとともに、ミシンテーブル4の下側に、各機構の作動を制御するマイクロコンピュータからなる制御装置6が設けられている。
【0021】
アーム部3の先端部には、縫針7を下端に取付けた中空状(パイプ状)の針棒8が後述する針棒上下動機構36により上下動可能に設けられ、更に、針棒8は後述する針振り機構60(図4に示す)により所定幅分だけ左側揺動位置(内針位置)と右側揺動位置(外針位置)とに左右に揺動可能になっている。
【0022】
また、図3に示すように、ベッド部2には、針棒8の上下動及び揺動やルーパー機構10等を同期駆動させる縫製機構の駆動源となるミシンモータ(図示略)、針棒8に対向するように左右1対のルーパー(図示略)を有するルーパー機構10を備えたルーパー土台11が設けられ、このルーパー土台11は後述する回動機構15により鉛直軸周りに一体的に回動可能になっている。
【0023】
ここで、縫針7には糸供給源から供給される上糸が挿通されるとともに、左ルーパーの先端部には下糸が挿通され、右ルーパーは上糸ループを編み込みながら下糸を交絡させて、ループ結合部を形成する。
【0024】
次に、針棒8及びルーパー土台11はベッド部2内に設けられたθ方向駆動モータ21及びギヤ機構からなる回動機構15により、夫々水平面において、鉛直軸周りに一体的に回動させるようになっている。次に、これら針棒8とルーパー機構10を鉛直軸心回りに回動可能な回動機構15について、図3に基づいて簡単に説明する。
【0025】
鉛直向きのレース回動軸16の上端部と下端部とに夫々プーリ17,18が固着され、上側プーリ17と針棒8を嵌合した針棒ブロック19とに亙ってタイミングベルト20が掛装されている。一方、下側プーリ18とθ方向駆動モータ21の駆動軸に固着された駆動プーリ22とルーパー土台11の従動ギヤ23とに亙ってタイミングベルト24が掛装されている。
【0026】
それ故、θ方向駆動モータ21の回転によりレース回動軸16及びタイミングベルト20,23を介して、針棒8とルーパー土台11とが同期して鉛直軸心回りに回動できるようになっている。
【0027】
ここで、回動機構15には、針棒ブロック19やタイミングベルト20やレース回動軸16に固着されたプーリ17、タイミングベルト24、θ方向駆動モータ21等からなり、θ方向駆動モータ21により針棒8をその軸心周りに回動可能な針棒回動機構15Aと、ルーパー土台11の従動ギヤ23やタイミングベルト24、θ方向駆動モータ21等からなり、ルーパー土台11を針棒8の回動と同期させてθ方向駆動モータ21により回動可能なルーパー土台回動機構15Bが含まれている。
【0028】
ベッド部2には、図2に示すように、ルーパー土台11の後方側に位置して固定配置されて鳩目穴部を形成する為のメス25が取付け台(図示略)にボルトにより着脱可能に取付けられるとともに、このメス25に対して上方より接離する打ち抜き用ハンマー26がアーム部3内において上下揺動可能に設けられている。
【0029】
この打ち抜き用ハンマー26の先端部には、ハンマー本体27が着脱可能に取付けられ、ベッド部2内に設けられたエアシリンダなどからなるハンマー駆動機構(図示略)により駆動され、ハンマー本体27とメス25の協働により、略円形状の鳩目部とこれに連なる直線状の足部とからなる鳩目穴部を加工布に穿孔するようになっている。
【0030】
ベッド部2の上面部には、図1,図2に示すように、鳩目穴かがり縫いに供する加工布がセットされる送り台28が設けられている。この送り台28は、全体として薄形の矩形箱状をなし、ルーパー土台11及びメス25に対向する部位が開放されている。また、この送り台28の上面には、図示を省略するが、金属製からなる左右1対のクロスプレートが夫々設けられている。
【0031】
ベッド部2内には、この送り台28を、ステッピングモータからなるX方向駆動モータ(図示略)の駆動によりX方向(左右方向)に送り移動させるX方向移動機構(図示略)と、ステッピングモータからなるY方向駆動モータ(図示略)の駆動によりY方向(前後方向)に送り移動させるY方向移動機構(図示略)とが設けられている。
【0032】
ところで、図4,図6に示すように、アーム部3内において、上軸30が前後方向向きに配設され、複数箇所において機枠Fに回転可能に枢支されている。アーム部3の前後方向のほぼ中央部において、上軸30の直ぐ下側に上軸30と平面視にて直交状に、つまり上軸30とは立体交差により副軸31が左右向きに配設され、その両端部において機枠Fに回転可能に枢支されている。
【0033】
図1,図2,図6に示すように、その副軸31の右端部にハンドプーリ12が固着している。即ち、このハンドプーリ12は、作業者の手が容易に届く位置であって、アーム部3の右側の機枠Fよりも外側に突出して、作業者により手動操作可能に固定されている。上軸30の後端部にプーリ32が固着され、そのプーリ32とミシンモータのモータ軸に固着された駆動プーリ(図示略)とにタイミングベルト33が掛装され、上軸30はミシンモータによりタイミングベルト33を介して回転駆動される。
【0034】
図6に示すように、上軸30にハイポイドギヤ34が固着されるとともに、このハイポイドギヤ34に噛合するハイポイドギヤ35が副軸31に固着されている。この場合、副軸31のハイポイドギヤ35の歯の数は上軸30のハイポイドギヤ34の歯の数の2倍である。その為、副軸31の回転速度は上軸30の回転速度の1/2になる。これら2つのハイポイドギヤ34,35により減速ギヤ機構であるギヤ機構GKが構成されている。
【0035】
次に、天秤機構90について説明する。図4〜図6に示すように、副軸31の右端部であって、ハンドプーリ12の直ぐ内側において円形状のカム板91が固着され、そのカム板91の左側に溝カム91aが形成されている。一方、副軸31の前側に副軸31と平行な支軸92が配設され、その支軸92の右端部に天秤形成部材93の下端部が固着されている。
【0036】
その天秤形成部材93の一端部に回転可能に枢着されたコロ部材94が溝カム91aに嵌入している。ここで、天秤93aは天秤形成部材93の上端部に形成されている。それ故、上軸30がミシンモータにより回転されると、1対のハイポイドギヤ34,35を介して副軸31が上軸30の1/2の回転速度で回転し、カム板91の回転によりコロ部材94を介して天秤93aが揺動する。
【0037】
次に、アーム部3内に前後方向向きに配設された上軸30により針棒8を上下駆動させる針棒上下動機構36について説明する。
【0038】
図4〜図6に示すように、上軸30の前端部に上軸クランク37が固着され、この上軸クランク37に、針棒8を上下動させる針棒上下動機構36が連結されている。この針棒上下動機構36は、上軸クランク37の偏心部位に上端部が回転可能に枢着された針棒クランク38と、その針棒クランク38に連動連結される上下動伝達機構40とを有している。
【0039】
針棒クランク38は、図4〜図6に示すように、クランク本体部38aと、このクランク本体部38aから一体的に前方に延びる平面視L字状の張出しクランク部38bとからなっており、この張出しクランク部38bの前端部である張出し支持部38cはクランク本体部38aと所定距離を隔てて平行であって左右方向向きに形成されている。
【0040】
次に、上下動伝達機構40について説明する。図4〜図10に示すように、この上下動伝達機構40は、針棒クランク38に第1支軸42を介して支持されたヨーク部材41と、このヨーク部材41に第2支軸44を介して支持される環状部材43と、針棒クランク38に装着された前後1対の被案内駒45,46とこの1対の被案内駒45,46を案内する案内溝47a,48aを有する前後1対の駒ガイド板47,48等を有する案内機構50と、環状部材43の上下両面に設けられた1対の座金部材51と、針棒8に固定された上下1対の針棒抱き52,53等を備えている。
【0041】
針棒クランク38と上軸クランク37との間に、板状の後側駒ガイド板47が左右向きに配設され機枠Fに固着されている。一方、針棒クランク38の張出し支持部38cの直ぐ前側に、板状の前側駒ガイド板48が左右向きに配設され、複数本の連結軸54,55を介して後側駒ガイド板47に固着されている。但し、これら後側駒ガイド板47と前側駒ガイド板48とは相互に平行状に向かい合っている。
【0042】
後側駒ガイド板47の前面の左右幅方向中央部に、縦方向に延びる直線状の案内溝47aが形成され、前側駒ガイド板48の後面の左右幅方向中央部にも、縦方向に延びる直線状の案内溝48aが形成されている。ところで、これら両駒ガイド板47,48の間に、平面視略矩形枠状のヨーク部材41が配設され、前後1対の第1支軸42により針棒クランク38に回動自在に支持されている。
【0043】
ヨーク部材41の後側枢支部41a内に、クランク本体部38aを挿通した後側の水平な前後方向向きの第1支軸42の略前半部分が嵌め込まれ、その第1支軸42の後端部が後側の被案内駒45に回動自在に枢支され、その被案内駒45が後側駒ガイド板47の案内溝47aに上下動可能に係合している。但し、第1支軸42は固定ピン56でクランク本体部38aに固定されている。
【0044】
また、ヨーク部材41の前側支持部41b内に、張出し支持部38cを挿通した前側の水平な前後方向向きの第1支軸42の略後半部分が嵌め込まれ、その第1支軸42の前端部が前側の被案内駒46に回動自在に枢支され、その被案内駒46が前側駒ガイド板48の案内溝48aに上下動可能に係合している。但し、第2支軸44は固定ピン57で張出し支持部38cに固定されている。
【0045】
それ故、ヨーク部材41は、これら前後1対の第1支軸42を介して針棒クランク38に回動自在に枢支されるとともに、これら前後1対の被案内駒45,46と案内溝47a,48aとの係合を介して前後1対の駒ガイド板47,48に上下動自在に支持されている。
【0046】
ところで、ヨーク部材41の内側に所定高さを有する平面視にて略環状の環状部材43が配設されている。この環状部材43は、図10に示すように、針棒8の直径よりも大きく、つまり針棒8の揺動用隙間Sを開けた大きさであり、その環状部材43には、その左右方向に突出状の枢支部43a,43bが夫々形成されている。環状部材43の左側枢支部43aに水平な左右方向向きの第2支軸44の略右半部分が嵌め込まれ、その第2支軸44の左端部がヨーク部材41の左側支持部41cに回動自在に枢支されている。
【0047】
また、環状部材43の右側枢支部43bに水平な左右方向向きの第2支軸44の略左半部分が嵌め込まれ、その第2支軸44の右端部がヨーク部材41の右側支持部41dに回動自在に枢支されている。ここで、これら水平な前後1対の第1支軸42と水平な左右1対の第2支軸44とは直交している。
【0048】
即ち、環状部材43は、これら前後1対の第1支軸42と左右1対の第2支軸44により、針棒クランク38にユニバーサルジョイント的に支持されている。それ故、環状部材43は、第1支軸42を介して第1支軸42の軸心周りに回動可能であり、しかも第2支軸44を介して第2支軸44の軸心周りに回動可能である。
【0049】
鉛直向きに配設された針棒8は、図4〜図5、図8〜図9に示すように、その上端近傍部において、機枠Fに固定された弾性材からなる薄板状で円形の支持板9で上下動可能に且つ揺動可能に支持され、環状部材43の内部を挿通して下方に延び、後述する針振り機構60を経てアーム部3の下側に臨み、その下端部に縫針7が取付けられている。
【0050】
ところで、針棒8の外形と同じ寸法の穴が中央部に形成された円形の上側座金部材51が環状部材43の上側に摺動自在に配設されるとともに、同様に構成された円形の下側座金部材51が環状部材43の下側に摺動自在に配設され、針棒8はその中段部においてこれら上下両側の座金部材51を挿通している。
【0051】
更に、針棒8には、上側座金部材51の上面に当接状に配設された上側針棒抱き52が固着されるとともに、下側座金部材51の下面に当接状に配設された下側針棒抱き53が固着されている。即ち、上軸30の回転駆動により上軸クランク37を介して、針棒クランク38のクランク本体部38aと張出し支持部38cとが同期して上下動すると、前後1対の第1支軸42及び前後1対の被案内駒45,46と案内溝47a,48aとの係合を介してヨーク部材41が上下に移動するため、左右1対の第2支軸44を介して環状部材43が上下に所定ストローク分移動し、上下の針棒抱き52,53により針棒8が上下駆動される。
【0052】
このとき、針棒8が上下動しながら後述する針振り機構60により前後左右に揺動する場合には、上下両側の座金部材51が環状部材43に対して摺動可能であるため、針棒8は何ら支障なく前後左右に揺動することができる。この針棒8の揺動に際して、針棒8に固定した上下1対の針棒抱き52,53及び上下1対の座金部材51が水平姿勢から傾斜姿勢に変化した場合でも、環状部材43が針棒クランク38に前述したユニバーサルジョイント的に支持されているため、座金部材51の傾きを確実に吸収させることができ、針棒8の上下動と揺動が可能である。
【0053】
次に、針振り機構60について説明する。図4〜図6に示すように、この針振り機構60は、針振り駆動部61と針振り本体部62とからなる。先ず、針振り駆動部61について説明する。
【0054】
副軸31に固着された偏心カム板(図示略)に、揺動部材68の二股状に形成された二股部68aが係合している。その揺動部材68はその下端部において機枠Fに固定された枢支軸69に回動可能に枢支されている。
【0055】
揺動部材68の二股部68aの一方に連結ロッド70の後端部が連結されるとともに、その連結ロッド70の前端部が、針棒8の近傍部において、左右向きの支持軸71に揺動可能な揺動調節板72の第1腕部72aに形成された湾曲状の切欠き穴72bにボルト(図示略)とナット73を介して連結されている。揺動調節板72の第2腕部72cは針振りヨーク74の基端部に連結されている。
【0056】
ここで、連結ロッド70の前端部を固定しているナット73を緩めて、連結ロッド70の前端部の湾曲状切欠き穴72bに対する取付け位置を、揺動調節板72の支持軸71側に近づけた場合、第2腕部72cの揺動量が大きくなり、針棒8の針振り量を大きくできる一方、揺動調節板72の支持軸71と反対側に遠ざけた場合、第2腕部72cの揺動量が小さくなり、針棒8の針振り量を小さくできる。
【0057】
次に、針振り本体部62について説明する。図11に示すように、平面視円形の針棒回動ブラケット80が抜け止め状態で、アーム部3の頭部下面に形成された大径の貫通孔(図示略)に回動可能に嵌め込まれている。針棒回動ブラケット80は基本的に中空円筒体で構成され、貫通孔に嵌挿される筒状部80aと、その下部に設けたタイミングプーリ80bと、このタイミングプーリ80bから垂下して対向する1対の脚部80cとを一体的に備えている。
【0058】
そして、夫々の脚部82cに横方向に収納孔80dが夫々穿設されている。また、針棒回動ブラケット80の筒状部80aには、円筒状の針棒案内部材81が上下動可能に収納されている。この針棒案内部材81は、長尺側の筒状部材82と、筒状部材82の下端に固定した直方体状のブロック部83とからなる。
【0059】
そして、組付け状態では、筒状部材82が針棒回動ブラケット80の筒状部80aに内挿され、このときブロック部83は、針棒回動ブラケット80における脚部80cの間に挾まれて位置している。
【0060】
尚、ブロック部83の側面で、夫々の脚部82cに接する2つの面には、同一方向に延在する2本の斜状溝83aが夫々形成されている。また、各脚部82cにおける収納孔80dには、ガイドピン84が摺動可能に収容される。このガイドピン84の先端部には、斜状溝83aと摺動自在に係合する針振り突部84aが突設されると共に、他端部には軸方向に有底孔部84bが夫々穿設され、この有底孔部84bに圧縮バネ85が弾力的に収容されている。
【0061】
そして、トラニオン状の押え板86により脚部80cを挟持すると、押え板86における対向舌片86aが収納孔80dを対応的に塞ぎ、従って各収納孔80dに収容したガイドピン84は圧縮バネ85により内方へ付勢されて、その針振り突部84aをブロック部83の斜状溝83aに摺動可能に臨ませる。
【0062】
針棒案内部材81の筒状部材82には連結カラー87が外挿され、筒状部材82に周設したフランジ88と上方から外挿した固定カラー89との間で回動可能に挟まれている。この連結カラー87は水平方向に延出する連結ピン87aを備え、これら連結ピン87aが針振りヨーク74の二股状の連結部74aに連結されている。
【0063】
そこで、前述した針振り駆動部61により針振りヨーク74及び連結カラー87を介して針棒案内部材81を上下に移動させると、ブロック部83も一体的に上下動を行なう。このとき、押え板86によりアーム部3に固定された関係となるガイドピン84は、その針振り突部84aをブロック部83の斜状溝83aに臨ませているから、ブロック部83( および針棒案内部材81) はその斜状溝83aに案内されて左右に揺動する。
【0064】
また、前述の如く、連結カラー87には針棒案内部材81が内挿されるものであるが、これら連結カラー87の内周面と針棒案内部材81の外周面との間には、針棒案内部材81が連結カラー87に対し僅かに移動するのを許容する環状隙間が形成してある。即ち、針棒案内部材81は、その環状隙間の存在によって、針振りに際して、連結カラー87に対し僅かに前後左右方向に移動可能になっている。
【0065】
次に、このように構成された穴かがり縫いミシン1の作用及び効果について説明する。
【0066】
縫製に際して、ミシンモータが回転駆動されるとタイミングベルト33及びプーリ32を介して上軸30が駆動され、ハイポイドギヤ34,35を介して副軸31が回転する。上軸30の回転により、前述したように、針棒8が針棒上下動機構36により所定ストロークに亙って上下動される。
【0067】
一方、上軸30が回転されるのと同時に副軸31が回転され、この副軸31の右端部に連動連結された天秤機構90が駆動されて天秤93aが揺動するとともに、副軸31の左端部に連動連結された針振り機構60により針棒8が揺動が駆動される。ところで、作業者は、縫製に供する加工布を準備したり、縫製後の加工布を取り出す際に、ハンドプーリ12を手動操作する。
【0068】
このように、少なくとも針棒上下動機構36と針振り機構60と天秤機構90とをアーム部3に装備した穴かがり縫いミシン1において、アーム部3内に、ミシンモータで回転駆動される上軸30と、この上軸30と平面視直交状に配設された副軸31とを設け、上軸30と副軸31とをハイポイドギヤ34,35からなるギヤ機構GKにより連動連結するようにし、しかも上軸30が針棒上下動機構36に連動連結され、副軸31が針振り機構60と天秤機構90に連動連結されたので、ミシンモータにより相互に直交する上軸30と副軸31とが同時に回転駆動され、副軸31により従来と同様に、針振り機構60と天秤機構90とを夫々駆動させることができる。また、上軸30により針棒上下動機構36の高速駆動が可能になり、縫製速度の高速化を図ることができる。
【0069】
また、針振り機構60と天秤機構90は、副軸31の両端部に別れて夫々連動連結されたので、これら針振り機構60や天秤機構90を配置する自由度を高めることができ、更に副軸31による駆動力伝達性やバランス性を高めることができる。
【0070】
また、副軸31の端部に、外部から手動操作可能なハンドプーリ12を固定したので、ハンドプーリ12の取付け位置が作業者に近くなり、作業者によるハンドプーリ12の操作性を高めることができ、更に、作業能率の向上が図られる。
【0071】
また、ギヤ機構GKは、1組のハイポイドギヤ34,35を有するので、上軸30と副軸31とを立体的に交差させるようにして、上軸30と副軸31の各々をその両端部で夫々機枠Fに枢支することができ、上軸30及び副軸31の高速回転時における安定性を高めることができる。
【0072】
また、ギヤ機構GKは、副軸31の回転速度を上軸30の回転速度の1/2とする減速ギヤ機構で構成されたので、針振り機構60や天秤機構90を、針棒8が2回上下動するのに同期して動作させることができる。
【0073】
次に、前記実施例を部分的に変更した変更形態について説明する。
1〕副軸31は、1対のハイポイドギヤ34,35を介して、上軸30の直ぐ上側に立体的に交差させるようにしてもよい。
【0074】
2〕上軸30にウォームギヤを固着し、副軸31にウォームホイールを固着し、ギヤ機構GKは、これらウォームギヤとこれに噛合するウォームホイールとで構成するようにしてもよい。
【0075】
3〕副軸31の右側に針振り機構60が連動連結され、副軸31の左側に天秤機構90が連動連結されるように構成してもよい。
【0076】
4〕本発明を電子鳩目穴かがりミシン1に適用した場合について説明したが、少なくとも針棒上下動機構36や針振り機構60、天秤機構90を備えた本縫いミシン等の各種の穴かがり縫いミシンに本発明を適用することができる。
【0077】
5〕本発明は以上説明した実施の形態に限定されるものではなく、当業者でれば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、前記実施例に種々の変更を付加して実施することができ、本発明はそれらの変更形態をも包含するものである。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の実施形態に係る電子鳩目穴かがりミシンの斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る電子鳩目穴かがりミシンの側面図である。
【図3】回転機構及びルーパー機構の斜視図である。
【図4】アーム部に有する内部機構の斜視図である。
【図5】アーム部に有する内部機構の側面図である。
【図6】アーム部に有する内部機構の平面図である。
【図7】アーム部に有する内部機構の正面図である。
【図8】図6のH−H線縦断側面図である。
【図9】図5のI−I線縦断背面図である。
【図10】図5J−J線横断平面図である。
【図11】針振り本体部の分解斜視図である。
【図12−1】図8のL−L線横断部分平面図である。
【図12−2】針振り時における図12−1相当図である。
【図13】針棒の針振り動作を説明する模式図である。
【符号の説明】
【0079】
1 電子鳩目穴かがりミシン(穴かがり縫いミシン)
3 アーム部
7 縫針
8 針棒
12 ハンドプーリ
21 針棒上下動機構
30 上軸
31 副軸
34 ハイポイドギヤ
35 ハイポイドギヤ
60 針振り機構
90 天秤機構
GK ギヤ機構




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013