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発明の名称 インクジェット記録装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−21761(P2007−21761A)
公開日 平成19年2月1日(2007.2.1)
出願番号 特願2005−203041(P2005−203041)
出願日 平成17年7月12日(2005.7.12)
代理人 【識別番号】100089196
【弁理士】
【氏名又は名称】梶 良之
発明者 加賀 光
要約 課題
正圧パージ動作においてインクが無駄に消費されにくくする。

解決手段
インクジェットヘッドのインク吐出面に互いに異なる色のインク滴を吐出するノズル群が形成されている。パージ機構がインクジェットヘッドに供給される各色のインクを選択的に加圧可能になっている。パージ動作時においては、パージ制御部が、パージ機構を制御することによって、ブラックインク(S101)→マゼンタインク(S102)→シアンインク(S103)→イエローインク(S104)の順に、各ノズル群からインクを強制排出する。その後、インク吐出面を拭き取るワイピング動作を行う(S105)。最後に、全てのノズル群から所定量のインク滴を吐出するフラッシング動作を行う(S106)。
特許請求の範囲
【請求項1】
インク滴を吐出するノズルがインク吐出面に複数配置された複数のノズル群、複数のノズル群へインクを供給する個別インク流路、及び、複数の前記個別インク流路内でインクに選択的に吐出エネルギーを付与する複数のアクチュエータを有するインクジェットヘッドと、
前記インクジェットヘッドに接続されて、複数の前記個別インク流路にインクを供給する複数のインク供給流路と、
複数の前記ノズル群に対応する一又は複数の前記インク供給流路のうちの少なくとも1つの前記インク供給流路を単位として、前記インク供給流路内及び個別インク流路内のインクを加圧可能な加圧機構とからなるインクジェット記録装置において、
前記加圧機構の動作に基づいて複数の前記個別インク流路内及び前記インク供給流路内のインクを強制排出するパージ動作にて、複数の前記ノズル群のうちで吐出インク色の明度が最も大きい前記ノズル群に係る複数の前記個別インク流路内及び前記インク供給流路内のインクが、他の前記ノズル群に係る複数の前記個別インク流路内及び前記インク供給流路内のインクを強制排出した後に強制排出されるように、前記加圧機構を制御するパージ制御手段を備えていることを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項2】
前記パージ制御手段は、複数の前記ノズル群のうちで吐出インク色の明度が最も小さい前記ノズル群に係る複数の前記個別インク流路内及び前記インク供給流路内のインクが、他の前記ノズル群に係る複数の前記個別インク流路内及び前記インク供給流路内のインクを強制排出する前に強制排出されるように前記加圧機構を制御することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
【請求項3】
前記パージ制御手段は、吐出インク色の明度の小さい前記ノズル群に係るものから順に複数の前記個別インク流路内及び前記インク供給流路内のインクが強制排出されるように前記加圧機構を制御することを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
【請求項4】
前記パージ制御手段は、吐出インク色の明度が同じ前記ノズル群に関して、吐出インク色の彩度が小さい前記ノズル群に係るものから順に複数の前記個別インク流路内及び前記インク供給流路内のインクが強制排出されるように前記加圧機構を制御することを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録装置。
【請求項5】
明度が最も大きいインクが、イエローインクであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
【請求項6】
明度が最も小さいインクが、ブラックインクであることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
【請求項7】
前記パージ制御手段が前記加圧機構を制御することによって複数の前記個別インク流路内及び前記インク供給流路内のインクを強制排出した後に、前記複数のアクチュエータの駆動に基づいて複数の前記個別インク流路内のインクを排出するように前記複数のアクチュエータを制御するフラッシング制御手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
【請求項8】
前記加圧機構が、前記インクジェットヘッドの外部に配置されたポンプを含んでいることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、被記録媒体にインクを吐出するインクジェット記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インク滴を吐出すると共にインク吐出面に開口を有するノズルと、ノズルに連通する圧力室とを含む個別インク流路が多数形成されたインクジェットヘッドにおいては、その内部に気泡や劣化したインクが残留することによってインク吐出性能が低下することがある。したがって、インク吐出性能を回復するために、内部に残留した気泡や劣化したインクを外部に強制排出するいわゆるパージ動作を行う必要がある。このようなパージ動作の1つとしてインクジェットヘッドに供給されるインクを加圧する正圧パージ動作がある。この正圧パージ動作を実現するものとして、インクジェットヘッドに供給されるインクを貯溜するインクタンクの上流側に、空気ポンプから空気を供給されることによって所定の圧力を有する空気を貯溜する空気タンクが設けられたインクジェットプリンタ(インクジェット記録装置)が知られている(例えば、特許文献1参照)。このインクジェットプリンタにおいては、正圧パージ動作時に、空気タンク内の加圧された空気をインクタンクに供給することにより、インクタンク内のインクをインクジェットヘッドに供給し、インクジェットヘッド内に滞留する気泡や劣化したインクをノズルから強制排出する。
【0003】
【特許文献1】特開2004−58348号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この正圧パージ動作によってノズルから強制排出されたインクは、インク吐出面に沿って濡れ広がりやすい。このとき、インク吐出面において、強制排出されたインクが他のノズルの開口まで濡れ広がり、さらに、他のノズルの開口を介して個別インク流路内のインクに混入することがある。したがって、カラー印刷を行うために複数色のインク滴を吐出可能に構成されているインクジェットヘッドにおいては、個別インク流路内のインクに他色のインクが混入することになる。他色のインクが混入するとインクの色彩が変化するため、インクの色彩を回復するためにさらに個別インク流路内のインクを排出する必要がある。このとき、ブラックなど明度が小さいインクは、イエローなど明度が大きいインクが若干量混入してもその色彩は大きく変化しないが、明度が大きいインクは、明度が小さいインクが若干量混入するだけでその色彩は大きく変化する。このため、明度の小さいインクに係る個別インク流路においては、正圧パージ動作後に、さらにインクの色彩を回復させるために多量のインクを排出しなければならなくなり、インクが無駄に消費される。
【0005】
本発明の目的は、正圧パージ動作においてインクが無駄に消費されにくいインクジェット記録装置を提供することである。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0006】
本発明のインクジェット記録装置は、インク滴を吐出するノズルがインク吐出面に複数配置された複数のノズル群、複数のノズル群へインクを供給する個別インク流路、及び、複数の前記個別インク流路内でインクに選択的に吐出エネルギーを付与する複数のアクチュエータを有するインクジェットヘッドを備えている。また、前記インクジェットヘッドに接続されて、複数の前記個別インク流路にインクを供給する複数のインク供給流路と、複数の前記ノズル群に対応する一又は複数の前記インク供給流路のうちの少なくとも1つの前記インク供給流路を単位として、前記インク供給流路内及び個別インク流路内のインクを加圧可能な加圧機構とを備えている。さらに、前記加圧機構の動作に基づいて複数の前記個別インク流路内及び前記インク供給流路内のインクを強制排出するパージ動作にて、複数の前記ノズル群のうちで吐出インク色の明度が最も大きい前記ノズル群に係る複数の前記個別インク流路内及び前記インク供給流路内のインクが、他の前記ノズル群に係る複数の前記個別インク流路内及び前記インク供給流路内のインクを強制排出した後に強制排出されるように、前記加圧機構を制御するパージ制御手段を備えている。
【0007】
上述したように、ブラックなど明度の小さいインクは、イエローなど明度の大きいインクが若干量混入してもその色彩は大きく変化しないが、明度の大きいインクは、明度の小さいインクが若干量混入するだけでその色彩が大きく変化する。したがって、正圧パージ動作において、先に強制排出された明度の小さい他色のインクが、インク吐出面に濡れ広がって吐出インク色の明度が最も大きいノズル群に係る個別インク流路内のインクに混入すると、当該個別インク流路内のインクの色彩が大きく変化することになる。本発明によると、吐出インク色の明度が最も大きいノズル群に係る複数の個別インク流路内のインクが、他のノズル群に係る複数の個別インク流路内のインクを強制排出した後に強制排出されるため、正圧パージ動作時に、吐出インク色の明度が最も大きいノズル群に係る複数の個別インク流路内のインクに混入した他色のインクのほとんどが強制排出される。これにより、当該個別インク流路内のインクの色彩が回復する。このとき、他のノズル群に係る個別インク流路内のインクに他色のインクが混入することになるが、比較的明度の小さいインクに明度の大きいインクが若干量混入しても色彩が大きく変化しにくい。また、明度の小さいインク同士においても互いに若干量のインクが混入しても色彩が大きく変化しにくい。これにより、正圧パージ動作後に、さらに色彩を回復するためのフラッシングによって排出すべきインク量が少なくなり、インクが無駄に消費されにくくなる。
【0008】
本発明において、前記パージ制御手段は、複数の前記ノズル群のうちで吐出インク色の明度が最も小さい前記ノズル群に係る複数の前記個別インク流路内及び前記インク供給流路内のインクが、他の前記ノズル群に係る複数の前記個別インク流路内及び前記インク供給流路内のインクを強制排出する前に強制排出されるように前記加圧機構を制御することが好ましい。これによると、正圧パージ動作において、最も明度の小さいインクが、インク吐出面に濡れ広がって吐出インク色の明度が大きいノズル群に係る個別インク流路内のインクに混入するため、当該個別インク流路内のインクの色彩が大きく変化することになるが、吐出インク色の明度が大きいノズル群に係る複数の個別インク流路内のインクが、吐出インク色の明度が最も小さいノズル群に係る複数の個別インク流路内のインクを強制排出した後に強制排出されるため、その正圧パージ動作時に混入した明度の最も小さいインクのほとんどが強制排出される。これにより、当該個別インク流路内のインクの色彩が回復する。このとき、吐出インク色の明度が最も小さいノズル群に係る個別インク流路内に明度の大きい他色のインクが混入することになるが、最も明度の小さいインクに明度の大きいインクが若干量混入してもその色彩は大きく変化しない。
【0009】
このとき、前記パージ制御手段は、吐出インク色の明度の小さい前記ノズル群に係るものから順に複数の前記個別インク流路内及び前記インク供給流路内のインクが強制排出されるように前記加圧機構を制御することがより好ましい。これによると、正圧パージ動作において、吐出インク色の明度が大きいノズル群に係る複数の個別インク流路内のインクが、吐出インク色の明度が小さいノズル群に係る複数の個別インク流路内のインクを強制排出した後に強制排出されるため、その正圧パージ動作時に混入した明度の小さいインクのほとんどが強制排出される。これにより、各個別インク流路内のインクの色彩が回復する。このとき、各個別インク流路内に明度の大きい他色のインクが混入することになるが、明度の小さいインクに明度の大きいインクが若干量混入してもその色彩は大きく変化しない。
【0010】
さらに、このとき、前記パージ制御手段は、吐出インク色の明度が同じ前記ノズル群に関して、吐出インク色の彩度が小さい前記ノズル群に係るものから順に複数の前記個別インク流路内及び前記インク供給流路内のインクが強制排出されるように前記加圧機構を制御することがより一層好ましい。これによると、正圧パージ動作において、吐出インク色の彩度が大きいノズル群に係る複数の個別インク流路内のインクが、吐出インク色の彩度が小さいノズル群に係る複数の個別インク流路内のインクを強制排出した後に強制排出されるため、そのパージ動作時に混入した彩度の小さいインクのほとんどが強制排出される。これにより、各個別インク流路内のインクの色彩が回復する。このとき、各個別インク流路内に彩度の大きい他色のインクが混入することになるが、彩度の小さいインクに彩度が大きいインクが若干量混入してもその色彩は大きく変化しない。
【0011】
本発明においては、明度の最も大きいインクがイエローインクであってよい。これによると、正圧パージ動作時においてイエローのノズル群に係る個別インク流路内に混入した他色のインクのほとんどが強制排出される。
【0012】
また、本発明においては、明度の最も小さいインクがブラックインクであってもよい。これによると、正圧パージ動作時において個別インク流路内に混入したブラックインクのほとんどが強制排出される。
【0013】
さらに、本発明においては、前記パージ制御手段が前記加圧機構を制御することによって複数の前記個別インク流路内及び前記インク供給流路内のインクを強制排出した後に、前記複数のアクチュエータの駆動に基づいて複数の前記個別インク流路内のインクを排出するように前記複数のアクチュエータを制御するフラッシング制御手段をさらに備えていることが好ましい。これによると、正圧パージ動作時に混入した他色のインクを個別インク流路から確実に排出することができる。
【0014】
加えて、本発明においては、前記加圧機構が、前記インクジェットヘッドの外部に配置されたポンプを含んでいることが好ましい。これによると、簡単な構成で加圧機構を構成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0016】
図1は、本発明に係る好適な実施の形態のインクジェット記録装置の概略構成図である。図1に示すように、本実施の形態のインクジェット記録装置101は、キャリッジ17と、このキャリッジ17に搭載され、4色(イエロー、シアン、マゼンタ及びブラック)のインク滴を記録用紙Pに対して吐出可能なインクジェットヘッド1と、パージ機構(加圧機構)90と、インクジェット記録装置101の動作を制御する制御装置83とを有している。また、本体フレーム2内には、プラテン85が設けられており、このプラテン85上において、記録用紙Pが前方(図1の紙面手前方向)へ搬送される。さらに、本体フレーム2内には、記録用紙Pの搬送経路であるプラテン85に対して走査方向一方側(図1では右側)に、インクジェットヘッド1がパージ動作を行うパージ位置が設けられている。このパージ位置には、廃液フォーム94を備えた基台95が設置されている。また、走査方向他方側(図1では左側)に、インクジェットヘッド1が記録用紙Pに対する記録を行わないときに退避する退避位置が設けられている。この退避位置には、ノズル面を覆うキャップ(図示省略)が設置されている。
【0017】
キャリッジ17は、本体フレーム2に設けられた2本のガイド軸15、16に沿って、記録用紙Pの搬送方向に直交する方向(図中左右方向)に移動可能となっている。インクジェットヘッド1には、4色(イエロー、シアン、マゼンタ及びブラック)のインクをそれぞれ貯留する4つのインクカートリッジ53がチューブ(インク供給流路)40を介して接続されている(図2参照)。そして、図1に2点鎖線で示すように、インクジェットヘッド1は、プラテン85の上方において、キャリッジ17と一体的に主走査方向(図1の左右方向)に往復移動しながら、前方へ搬送される記録用紙Pに4色のインク滴を吐出することによって、記録用紙Pに所望のカラー画像を記録する。つまり、インクジェットヘッド1はシリアル式のヘッドである。
【0018】
次に、インクジェットヘッド1について図2〜図4を参照しつつ詳細に説明する。図2は、インクジェットヘッド1の外観斜視図である。図3は、図2のIII−III線における断面図である。図4は、図3に示すヘッド本体に補強板が接着された状態を示す斜視図である。図2及び図3に示すように、インクジェットヘッド1は、4色のインクをそれぞれ貯溜する4つのインク室3が形成されたインクタンク71と、このインクタンク71の下方に配置されたヘッド本体70と、ヘッド本体70に貼り付けられたフレキシブルプリント基板(FPC)50とを備えている。
【0019】
インクタンク71の内部には、4つのインク室3が主走査方向に並んで形成されており、図3中左方のインク室3からイエロー、シアン、マゼンタ及びブラックのインクが順に貯溜されている。これら4つのインク室3はチューブ40(図1参照)を介して、対応する色のインクを貯溜するインクカートリッジ53と接続されており、インクカートリッジ53からインク室3に各色のインクが供給されるようになっている。また、図3及び図4に示すようにインクタンク71が、平面矩形形状の補強板41に組み付けられている。この補強板41は、略直方体形状を有するホルダ72に紫外線型硬化剤43で固着されている。さらに、補強板41に平面形状が長方形形状の開口部42が形成されている。この開口部42内に後述のアクチュエータユニット21が配置されるように、補強板41の下面(図2右方)にヘッド本体70が接着固定されている。インクタンク71の下端部には、各インク室3に連通する4つのインク導出口3aが形成されている。一方、補強板41には、この4つのインク導出口3aとそれぞれ連なると共に平面形状が楕円形状の4つの貫通孔41aが形成されている。
【0020】
ヘッド本体70は、それぞれの色ごとに複数のインク流路が形成された流路ユニット4と、流路ユニット4の上面に接着されていると共に流路ユニット4内に形成された後述する圧力室10(図7参照)内のインクに圧力(吐出エネルギー)を付与するアクチュエータユニット21とを含んでいる。流路ユニット4の上面には、平面形状が楕円形状の4つのインク供給口4a(図5参照)が形成されている。流路ユニット4の下面は、多数のノズル8(図7参照)が開口しているインク吐出面70aとなっている。また、貫通孔41aと流路ユニット4に形成されたインク供給口4aとがそれぞれ連なるように、流路ユニット4が補強板41に接着されている。この構成により、インクタンク71内の各色のインクが、インク導出口3a、貫通孔41a及びインク供給口4aを介して流路ユニット4内に供給される。
【0021】
また、図3に示すように、補強板41がホルダ72の下面に形成された段付き状の開口部72aに装着されている。また、アクチュエータユニット21の上面には、FPC50が熱硬化性接着剤によって固着され、主走査方向の一方に引き出されるとともに、屈曲しながら上方に引き出されている。このFPC50上にドライバIC75が設置されている。FPC50は、ドライバIC75から出力された駆動信号をヘッド本体70のアクチュエータユニット21に伝達するように、アクチュエータユニット21と電気的に接続されている。
【0022】
ホルダ72のドライバIC75に対向する側壁には、ドライバIC75の熱を外部に放散する為の開口部72bが形成されている。さらに、ドライバIC75とホルダ72の開口部72bとの間には、略直方体形状のアルミ板からなるヒートシンク76がドライバIC75に密着するように配置されている。
【0023】
図5は、ヘッド本体70の平面図である。図5に示すように、ヘッド本体70は流路ユニット4の長手方向(副走査方向)に延在した矩形平面形状を有している。流路ユニット4内には、流路ユニット4の長手方向に沿って互いに平行に延在された4つのマニホールド流路5が形成されている。これらマニホールド流路5には、インクタンク71のインク室3からインク供給口4aを介してそれぞれインクが供給される。本実施の形態では、図5中上方に示すマニホールド流路5から下方に向かって順にイエロー、シアン、マゼンタ及びブラックに対応するマニホールド流路5A、5B、5C、5Dが形成されている。また、流路ユニット4の上面であって4つのインク供給口4aを覆う位置には、フィルタ部材45が配置されている。フィルタ部材45は、各インク供給口4aと重なる位置に複数の微小孔が形成されたフィルタ45aを有している。こうして、インクタンク71から流路ユニット4内に供給されるインク内のゴミなどがフィルタ部材45のフィルタ45aによって捕獲される。
【0024】
流路ユニット4の上面には、平面形状が長方形形状のアクチュエータユニット21が、インク供給口4aを避けたほぼ中央部分に接着されている。アクチュエータユニット21に対向する流路ユニット4の接着領域には、マトリクス状に配列された多数の圧力室10(図7参照)及び空隙60(図6参照)が形成されている。
【0025】
図6は、図5内に描かれた一点鎖線で囲まれた領域の拡大図である。図6に示すように、流路ユニット4においては、4つのマニホールド流路5A、5B、5C、5Dが、それぞれ2本の副マニホールド流路5aに分岐している。副マニホールド流路5aは、平面視における幅方向の両側壁から外側に向かって突出していると共に、延在方向に沿って千鳥状に配列されている多数の突出部80を備えている。また、流路ユニット4には、複数の圧力室10がマニホールド流路5(副マニホールド流路5a)と平行に配列された16本の圧力室列11と、多数の空隙60が圧力室列11と平行に配列された4本の空隙列61とが形成されている。16本の圧力室列11は、互いに隣接して形成された4本の空隙列61の集団によって、12本の集団と4本の集団とに隔てられている。圧力室10及び空隙60は平面形状及びサイズが同じである。
【0026】
流路ユニット4に形成された圧力室10は、角部にアールが施された略菱形の平面形状を有しており、その長い方の対角線は流路ユニット4の幅方向(主走査方向)に平行である。各圧力室10の一端はディセンダ孔14を介してノズル8に連通しており、他端はアパーチャ13及び連通孔68を介して副マニホールド流路5aの突出部80に連通している(図7参照)。なお、図6においては、図面を分かりやすくするために流路ユニット4内にあって破線で描くべき圧力室10、空隙60、アパーチャ13及びノズル8等を実線で描いている。
【0027】
後述するように、アクチュエータユニット21上には、平面形状がほぼ菱形で圧力室10よりも一回り小さい個別電極35(図8参照)が、圧力室10と対向するようにマトリクス状に配列されている。なお、図6には、図面を簡略にするために、複数の個別電極35のうちの1つだけを描いている。
【0028】
図7は、図6に示すVII−VII線に沿った個別インク流路7を示す断面図である。図7に示すように、副マニホールド流路5aは矩形断面形状を有していると共に側壁からほぼ水平方向に突出する突出部80を有している。各ノズル8は、ディセンダ孔14、圧力室10、アパーチャ(すなわち絞り)13及び連通孔68を介して副マニホールド流路5aの突出部80と連通している。このとき、連通孔68、アパーチャ13、圧力室10、ディセンダ孔14、ノズル8を含むものとして1つの個別インク流路7が形成されている。このように、各副マニホールド流路5aには多数の個別インク流路7が連通している。
【0029】
また、副マニホールド流路5aの内壁面の一部を構成する上部薄膜部81aを介して副マニホールド流路5aに隣接するように上部ダンパー室81が形成されている。さらに、上部薄膜部81aに対向する内壁面の一部を構成する下部薄膜部82aを介して副マニホールド流路5aに隣接するように下部ダンパー室82が形成されている。したがって、上部ダンパー室81及び下部ダンパー室82は、副マニホールド流路5aを挟んで互いに対向するように配置されている。
【0030】
ヘッド本体70は、図7に示すように、上から、アクチュエータユニット21、キャビティプレート22、ベースプレート23、アパーチャプレート24、サプライプレート25、上部ダンパープレート66、マニホールドプレート26〜29、下部ダンパープレート67、及び、ノズルプレート30の合計12枚のシート材が積層された積層構造を有している。これらのうち、アクチュエータユニット21を除いた11枚のプレートから流路ユニット4が構成されている。
【0031】
キャビティプレート22は、圧力室10及び空隙60を構成する菱形の孔が、アクチュエータユニット21の貼付範囲(接着領域)内に多数設けられた金属プレートである。ベースプレート23は、キャビティプレート22の1つの圧力室10について、圧力室10とアパーチャ13との連絡孔及び圧力室10からノズル8への連絡孔であるディセンダ孔14となる孔がそれぞれ設けられた金属プレートである。
【0032】
アパーチャプレート24は、キャビティプレート22の1つの圧力室10について、アパーチャ13となる孔のほかにディセンダ孔14となる孔がそれぞれ設けられた金属プレートである。サプライプレート25は、キャビティプレート22の1つの圧力室10について、アパーチャ13と連通する連通孔68の一部となる孔及びディセンダ孔14となる孔がそれぞれ設けられた金属プレートである。
【0033】
上部ダンパープレート66は、キャビティプレート22の1つの圧力室10について、アパーチャ13と連通する連通孔68の一部となる孔、ディセンダ孔14となる孔及び上部ダンパー室81の一部となる凹部がそれぞれ設けられた金属プレートである。つまり、サプライプレート25、及び上部ダンパープレート66の孔により連通孔68が形成される。また、上部ダンパー室81の一部となる凹部の底部は上部薄膜部81aとなる。
【0034】
マニホールドプレート26〜29は、副マニホールド流路5aの一部となる孔と、キャビティプレート22の1つの圧力室10について、ディセンダ孔14となる孔とが設けられた金属プレートである。なお、マニホールドプレート26の副マニホールド流路5aの一部となる孔には、突出部80となる部分が含まれている。下部ダンパープレート67は、下部ダンパー室82の一部となる凹部及びディセンダ孔14となる孔が設けられた金属プレートである。下部ダンパー室82となる凹部の底部は下部薄膜部82aとなる。ノズルプレート30は、キャビティプレート22の1つの圧力室10についてノズル8がそれぞれ設けられた金属プレートである。
【0035】
これら12枚のシート21〜30、66及び67は、図7に示すような個別インク流路7が形成されるように、互いに位置合わせして積層されている。この個別インク流路7は、副マニホールド流路5aから連通孔68を通って上方へ向かい、アパーチャ13において水平に延在し、それからさらに上方に向かい、圧力室10において再び水平に延在し、それからしばらくアパーチャ13から離れる方向に斜め下方に向かってから垂直下方にノズル8へと向かう。
【0036】
図6に戻って、上述したように、マトリクス状に配置された多数の圧力室10は、配列方向Aに沿って16本の圧力室列11を形成している。これら16本の圧力室列11は、平面視において、各マニホールド流路5との相対位置に応じて、第1の圧力室列11a、第2の圧力室列11b、第3の圧力室列11c、及び、第4の圧力室列11dに分けられる。これら第1〜第4の圧力室列11a〜11dは、アクチュエータユニット21の幅方向における一方から他方(図6中下方から上方)に向けて、11a→11c→11b→11d→11a→11c→11b→11d→・・という順番で周期的に4個ずつ配置されている。なお、これら周期的に4個ずつ配置された第1〜第4の圧力室列毎に4つの圧力室群12が形成されている。各圧力室群12の圧力室10が各マニホールド流路5とそれぞれアパーチャ13を介して連通している。なお、図6においては、各圧力室群12はマニホールド流路5毎に形成されているため、4色のインクに対応する圧力室群12をそれぞれ圧力室群12A(イエロー)、12B(シアン)、12C(マゼンタ)、12D(ブラック)と称している。そして、各圧力群12に対応する複数のノズル8がノズル群18を形成している。つまり、4つのノズル群18は、吐出インク色(イエロー、シアン、マゼンタ及びブラック)が互いに異なっている。
【0037】
次に、アクチュエータユニット21及びFPC50の構成について説明する。アクチュエータユニット21上には、圧力室10と同じ配列パターンで多数の個別電極35がマトリクス状に配置されている。各個別電極35は、平面視において圧力室10と対向する位置に配置されている(図7参照)。
【0038】
図8は、アクチュエータユニット21を示している。図8(a)は図7における一点鎖線で囲まれた部分の拡大図であり、図8(b)は個別電極の平面図である。なお、図8には、図面を分かりやすくするためにFPC50内にあって破線で描くべき端子部48a及び配線48bなどを実線で描いている。図8(a)及び図8(b)に示すように、個別電極35は圧力室10と対向する位置に配置されており、平面視において圧力室10の平面領域内に形成された主電極領域35aと、主電極領域35aにつながっており且つ圧力室10の平面領域外に形成された補助電極領域35bとから構成されている。
【0039】
アクチュエータユニット21は、それぞれ厚みが15μm程度に形成された4枚の圧電シート31〜34を含んでいる。これら圧電シート31〜34は、ヘッド本体70内のインク吐出領域内に形成された多数の圧力室10及び空隙60に跨って配置されるように連続した層状の平板(連続平板層)となっている。圧電シート31〜34は、強誘電性を有するチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系のセラミックス材料からなるものである。
【0040】
最上層の圧電シート31上に形成された個別電極35の主電極領域35aは、圧力室10とほぼ相似である略菱形の平面形状を有している。略菱形の主電極領域35aにおける図8(b)中左側の一鋭角部は、圧力室10の一鋭角部と重なる領域に延出され、補助電極領域35bとつながっている。補助電極領域35bの先端には、個別電極35と電気的に接続された円形のランド部36が設けられている。このランド部36は、後述の接合部となる端子部48aと電気的に接続される端子となっている。ランド部36は、キャビティプレート22において圧力室10が形成されていない領域に対向しており、その直径が約0.3mm、厚さは約10μmとなっている。ランド部36は、例えばガラスフリットを含む金からなり、補助電極領域35bにおける表面上に形成されている。
【0041】
最上層の圧電シート31とその下側の圧電シート32との間には、圧電シート31と同じ外形及び略2μmの厚みを有する共通電極37が介在している。個別電極35及び共通電極37は共に、例えばAg−Pd系などの金属材料からなる。共通電極37は、図示しない領域において接地されている。これにより、共通電極37は、すべての圧力室10に対応する領域において等しく一定の電位、本実施の形態ではグランド電位に保たれている。
【0042】
FPC50は、ベースフィルム46と、ベースフィルム46の下面に形成された導体パターン47とを有している。ベースフィルム46は、可撓性及び絶縁性を有したポリイミド樹脂フィルム等からなる。また、導体パターン47は銅箔から形成されている。導体パターン47は、ベースフィルム46のランド部36と対向する位置に形成された複数の端子部48aと、各端子部48aの下端中央からFPC50の基端側に向かって引き出された配線48bとを有している。端子部48aは、円形平面形状に形成されている。
【0043】
複数の配線48bは、FPC50の基端側においてドライバIC75とそれぞれ接続されている。ベースフィルム46において、ランド部36に対向する領域の一部は、ランド部36の中心に向かって突出する凸部51が形成されている。端子部48aに、凸部51に対向するように、端子部48aの中央部分からランド部36の中心に向かって突出した突出部55が形成されている。
【0044】
突出部55の周囲には、非導電性材料からなるエポキシ系の熱硬化性接着剤56が配置されており、その熱硬化性接着剤56の硬化に伴う収縮力によって突出部55の先端が、ランド部36の表面と接触して押しつぶされたようになっている。これによって端子部48aとランド部36とが電気的に接続された状態となる。このような構成により、FPC50はドライバIC75からの駆動信号を配線48b及び端子部48aを介して個別電極35にそれぞれ伝送することが可能になる。つまり、複数の個別電極35の夫々が、FPC50における独立した端子部48a及び配線48bを介してドライバIC75に接続される。これにより、圧力室10毎にインク滴の吐出制御をすることが可能になる。
【0045】
次に、アクチュエータユニット21の駆動方法について述べる。アクチュエータユニット21における圧電シート31の分極方向はその厚み方向である。つまり、アクチュエータユニット21は、上側(つまり、圧力室10とは離れた)1枚の圧電シート31を活性部が存在する層とし且つ下側(つまり、圧力室10に近い)3枚の圧電シート32〜34を非活性層とした、いわゆるユニモルフタイプの構成となっている。従って、個別電極35を接地電位に対して正又は負の所定電位とすると、例えば電界と分極とが同方向であれば圧電シート31中の電極に挟まれた電界印加部分が活性部として働き、圧電横効果により分極方向と直角方向に縮む。
【0046】
本実施の形態では、圧電シート31において個別電極35と共通電極37とによって挟まれた部分は、電界が印加されると圧電効果によって歪みを発生する活性部として働く。一方、圧電シート31の下方にある3枚の圧電シート32〜34は、外部から電界が印加されることが無く、そのために活性部としてほとんど機能しない。したがって、圧電シート31において主に主電極領域35aと共通電極37とによって挟まれた部分が、圧電横効果により分極方向と直角方向に縮む。
【0047】
一方、圧電シート32〜34は、電界の影響を受けないため自発的には変位しないので、上層の圧電シート31と下層の圧電シート32〜34との間で、分極方向と垂直な方向への歪みに差を生じることとなり、圧電シート31〜34全体が非活性側に凸となるように変形しようとする(ユニモルフ変形)。このとき、図8(a)に示したように、圧電シート31〜34で構成されたアクチュエータユニット21の下面は圧力室を区画する隔壁(キャビティプレート)22の上面に固定されているので、結果的に圧電シート31〜34は圧力室側へ凸になるように変形する。このため、圧力室10の容積が低下して、インクの圧力が上昇し、ノズル8からインク滴が吐出される。その後、個別電極35を共通電極37と同じ電位に戻すと、圧電シート31〜34は元の形状になって圧力室10の容積が元の容積に戻るので、インクをマニホールド流路5側から吸い込む。
【0048】
図1に戻って、パージ機構90は、チューブ40、インク室3、マニホールド流路5(副マニホールド流路5a)及び個別インク流路7内のインクに混入したエア、塵等の異物及び劣化したインク等を、インクと共に外部に強制排出するためのメンテナンス機構である。また、パージ機構90は、空気ポンプ91と、空気ポンプ91で加圧された加圧空気を一旦貯留するサージタンク92と、サージタンク92内の加圧空気を4つのインクカートリッジ53に選択的に供給する切替ユニット93とを含んでいる。そして、パージ機構90は、制御装置83からの指示に基づいて、サージタンク92に貯溜された加圧空気を、切替ユニット93を介して所定のインクカートリッジ53に選択的に供給する。これにより、インクカートリッジ53内の空気が加圧され、この圧力でインクカートリッジ53内のインクが、対応するチューブ40を介してインクジェットヘッド1に強制的に供給される。このとき、インクカートリッジ53からのインクが、各インクカートリッジ53に対応するチューブ40、インク室3、マニホールド流路5及び個別インク流路7の順に行き渡り、これらに対応するノズル群18から一斉に強制排出される。つまり、パージ機構90はいわゆる正圧パージ動作を行うように構成されている。さらに、切替ユニット93により、加圧された空気を供給するインクカートリッジ53を切り替えることができるため、各ノズル群18に係るチューブ40、インク室3、マニホールド流路5及び個別インク流路7内のインクが個別に強制排出される単色パージ動作が可能となっている。
【0049】
なお、正圧パージ動作においては、ノズル8から直接インクを吸引することによってチューブ40及びインクジェットヘッド1内のインクを強制排出させる吸引パージ動作に比べて、パージ圧力を高くすることができる。このため、正圧パージ動作は、各インク流路内に混入したエアや塵などの異物やノズル8内に詰まった増粘インクなどを排出する効果が高く、結果として消費(排出)するインクの量が少なくてすむという利点を有する。
【0050】
また、基台95の左側(プラテン85側)に、上下方向に延在するワイプ部材96が設置されている。ワイプ部材96は、ゴム等の可撓性を有する材料からなる。また、ワイプ部材96は、図示しない駆動機構により、上下方向に移動可能となっている。インクジェットヘッド1がプラテン85上からパージ位置へ移動するときには、その先端部がインク吐出面70aに接触しないようにワイプ部材96が下方へ移動される。また、後述するように、インクジェットヘッド1がパージ位置に移動し正圧パージ動作が行われた後には、その先端部がインク吐出面70aに接触するようにワイプ部材96が上方へ移動される。そして、この状態でインクジェットヘッド1がパージ位置から左方へ移動することによって、ワイプ部材96の先端部がインク吐出面70aに接触しつつ移動し、インク吐出面70aに付着したインクが拭き取られる(ワイピング動作)。
【0051】
次に、制御装置83について、図9を参照しつつ説明する。図9は、制御装置83の機能ブロック図である。制御装置83は、上述したように、インクジェットヘッド1、パージ機構90及び図示しない搬送機構を含むインクジェット記録装置101全体を制御するものである。制御装置83は、図9に示すように、印刷制御部83aと、パージ制御部(パージ制御手段)83bと、フラッシング制御部(フラッシング制御手段)83cとを有している。
【0052】
印刷制御部83aは、インクジェット記録装置101における、記録用紙Pに対する記記録動作を制御するものである。具体的には、図示しない搬送機構を制御してプラテン85上に記録用紙Pを搬送しつつ、記録用紙Pの上方をインクジェットヘッド1が主走査方向に移動するようにキャリッジ17を駆動すると共に所望の色のインク滴がノズル8から記録用紙Pに吐出されるようにアクチュエータユニット21を駆動する。これにより、記録用紙Pに所望のカラー画像が記録される。
【0053】
パージ制御部83bは、パージ機構90を制御することによって正圧パージ動作を行うものである。具体的には、キャリッジ17を駆動することによって、インクジェットヘッド1をパージ位置に移動させる。そして、ノズル群18に係るチューブ40、インク室3、マニホールド流路5及び個別インク流路7内のインクが、ノズル群18から強制排出(単色パージ動作)されるように、パージ機構90を制御する。パージ制御部83bは、この単色パージ動作をノズル群18毎に、言い換えればインク色毎に実行する。
【0054】
このとき、パージ制御部83bは、吐出インク色の明度(例えば、L***表色系(CIE1976)におけるL*の値)の小さいノズル群18に係るものから順にチューブ40、インク室3、マニホールド流路5及び個別インク流路7内のインクが強制排出されるようにパージ機構90を制御する。例えば、本実施の形態においては、パージ制御部83bが、ブラック(L*=0)→マゼンタ(L*=40〜60)→シアン(L*=50〜65)→イエロー(L*=85〜90)の色順に各ノズル群18からインクが強制排出されるようにパージ機構90を制御する。つまり、明度が最も小さいインクがブラックインクとなっており、明度が最も大きいインクがイエローインクとなっている。なお、例えば、マゼンタインクとシアンインクとの明度差が小さいため、インクの種類によっては、マゼンタインク及びシアンインクの明度が同じ値になることがある。この場合は、パージ制御部83bが、吐出インク色の彩度(例えば、L***表色系(CIE1976)におけるC*=((a*2+(b*21/2の値)の小さいノズル群18に係るものから順にチューブ40、インク室3、マニホールド流路5及び個別インク流路7内のインクが強制排出されるようにパージ機構90を制御する。なお、各単色パージ動作によって強制排出されたインクは、基台95に設置された廃液フォーム94によって回収される。
【0055】
そして、パージ制御部83bは、全ての単色パージ動作が完了した後に、ワイピング動作を実行する。これによって、各単色パージ動作でインク吐出面70aに濡れ広がったインクが拭き取られる。
【0056】
フラッシング制御部83cは、正圧パージ動作及びワイピング動作が完了した後に、アクチュエータユニット21を駆動することによって、全てのノズル8から所定量のインクを吐出させるフラッシング動作を行うものである。なお、フラッシング動作によるインクの吐出量は、ノズル群18毎に決定されてもよい。上述したように、正圧パージ動作を行うと、強制排出されたインクの一部がインク吐出面70aに濡れ広がる。このとき、各個別インク流路内が負圧になっているため、ノズル8の開口を介して他色のインクが個別インク流路内のインクに混入することがある。この混入したインクを確実に排出するため、フラッシング動作が行われる。
【0057】
以上に基づいて、パージ動作を実行するときの制御装置83の処理手順を、図10を参照しつつ説明する。図10は、パージ動作を実行するときの処理手順を示すフローチャートである。図10に示すように、パージ動作が開始されると、パージ制御部83bが、インクジェットヘッド1をパージ位置に移動させて、吐出インク色がブラックのノズル群18からインクが強制排出されるように、パージ機構90を制御する(ステップS101:以下S101と略す。他のステップも同様)。次に、吐出インク色がマゼンタのノズル群18からインクが強制排出されるように、パージ機構90を制御する(S102)。さらに、吐出インク色がシアンのノズル群18からインクが強制排出されるように、パージ機構90を制御する(S103)。そして、吐出インク色がイエローのノズル群18からインクが強制排出されるように、パージ機構90を制御する(S104)。全ての単色パージ動作が完了すると、インク吐出面70aを拭き取るワイピング動作を行う(S105)。ワイピング動作が完了すると、フラッシング制御部83cがノズル8からインク滴を吐出させるフラッシング動作を行う(S106)。以上でパージ動作を終了し、待機状態に移行する。
【0058】
ところで、ブラックなど明度の小さいインクは、イエローなど明度の大きいインクが若干量混入してもその色彩は大きく変化しないが、明度の大きいインクは、明度の小さいインクが若干量混入するだけでその色彩が大きく変化する。したがって、正圧パージ動作において、先に強制排出された明度の小さい他色のインクが、インク吐出面70aに濡れ広がって吐出インク色の明度が最も大きいノズル群18に係る個別インク流路7内のインクに混入すると、当該個別インク流路7内のインクの色彩が大きく変化することになる。以上に述べた、本実施形態に係るインクジェット記録装置101によると、正圧パージ動作において、吐出インク色の明度の小さいノズル群18に係るものから順にチューブ40、インク室3、マニホールド流路5及び個別インク流路7内のインクが強制排出されるため、各個別インク流路7内において、正圧パージ動作時に混入したより明度が小さいインクのほとんどが各個別インク流路7から強制排出される。このとき、個別インク流路7内に明度が大きい他色のインクが混入することになるが、明度が小さいインクに明度が大きいインクが若干量混入してもその色彩は大きく変化しない。
【0059】
特に、吐出インク色が明度の最も大きいイエローであるノズル群18に係る個別インク流路7内においては、混入した他色(ブラック、マゼンタ及びシアン)のインクのほとんどが強制排出される。これにより、当該個別インク流路7内のインクの色彩がほぼ完全に回復する。これにより、フラッシング動作において排出すべきインク量が少なくなり、インクが無駄に消費されにくくなる。
【0060】
また、吐出インク色の明度が同じ値になる場合には、吐出インク色の彩度(例えば、L***表色系(CIE1976)におけるC*の値)の小さいノズル群18に係るものから順にチューブ40、インク室3、マニホールド流路5及び個別インク流路7内のインクが強制排出されるため、彩度の大きい吐出インク色を有するノズル群18に係る個別インク流路7内において、混入した彩度の小さいインクのほとんどが強制排出される。これにより、各個別インク流路7内のインクの色彩が一層回復する。このとき、彩度の小さい吐出インク色を有するノズル群18に係る個別インク流路7内において、彩度の大きい他色のインクが混入することになるが、彩度が小さいインクに彩度が大きいインクが若干量混入してもその色彩は大きく変化しない。これにより、インクが一層無駄に消費されにくくなる。
【0061】
さらに、正圧パージ動作を行った後に、フラッシング動作を行うため、個別インク流路7内に混入した他色のインクを完全に排出することができる。
【0062】
加えて、パージ機構90が、インクジェットヘッド1の外部に配置された空気ポンプ91を含んでいるため、パージ機構90を容易に構成することができる。
【0063】
以上、本発明の好適な一実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更が可能なものである。例えば、上述の実施の形態では、正圧パージ動作において、インクの明度の値が小さい順としてブラック→マゼンタ→シアン→イエローの順に各ノズル群18からインクが強制排出される構成であるが、このような構成に限定されるものではなく、最も明度の大きいインクであるイエローのインクが最後にノズル群18から強制排出されるように構成されていれば、他の色のインクがノズル群18から強制排出される順序は任意のものであってよい。例えば、正圧パージ動作において、ブラック→シアン→マゼンタ→イエローの順に各ノズル群18からインクが強制排出されるように構成されていてもよいし、マゼンタ→ブラック→シアン→イエローの順に各ノズル群18からインクが強制排出されるように構成されていてもよい。
【0064】
また、本実施の形態においては、明度の値が同じインクを強制排出するときに、インクの彩度の値が小さい順に各インクがノズル群18から強制排出される構成であるが、明度の値が同じインクを強制排出するときであっても、彩度の値とは関係ない順序で各インクがノズル群18から強制排出される構成であってもよい。
【0065】
さらに、本実施の形態においては、インクジェットヘッド1が、ブラック、シアン、マゼンタ及びイエローの4色のインク滴を吐出可能に構成されているが、他の色のインク滴を吐出可能に構成されていてもよいし、5色以上のインク滴を吐出可能に構成されていてもよい。例えば、インクジェットヘッドが、ブラック、レッド、マゼンタ、ブルー、シアン、グリーン及びイエローの7色のインク滴を吐出可能に構成されていてもよい。この場合、正圧パージ動作においては、本実施の形態のように、明度の値の小さい順に各インクを強制排出するように構成されていることが好ましいが、上述したように、強制排出の順序はこれに限られるものではなく、最も明度の大きいインクが最後に強制排出されるように構成されていれば、他の色のインクが強制排出される順序は任意のものであってよい。例えば、ブラック→レッド→マゼンタ→ブルー→シアン→グリーン→イエローの順に各インクが強制排出されてもよいし、ブラック→レッド→マゼンタ→ブルー→グリーン→シアン→イエローの順に各インクが強制排出されてもよいし、ブラック→レッド→ブルー→マゼンタ→シアン→グリーン→イエローの順に各インクが強制排出されてもよいし、ブラック→レッド→ブルー→マゼンタ→グリーン→シアン→イエローの順に各インクが強制排出されてもよいし、ブラック→レッド→ブルー→シアン→マゼンタ→グリーン→イエローの順に各インクが強制排出されてもよい。
【0066】
また、本実施の形態においては、制御装置83が、正圧パージ動作の後にフラッシング動作を行う構成であるが、このようなフラッシング動作を行わない構成であってもよい。
【0067】
さらに、本実施の形態においては、パージ機構90が空気ポンプ91を含むように構成されているが、他の機構によりパージ機構を構成してもよい。
【0068】
加えて、本実施の形態においては、インクジェットヘッド1がシリアル式のヘッドとて構成されたものであるが、インクジェットヘッドは特開2003−311955号公報に開示されたようなライン式のヘッドとして構成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の一実施の形態に係るインクジェット記録装置の概略構成図である。
【図2】図1に示すインクジェットヘッドの斜視図である。
【図3】図2のIII-III線に沿ったインクジェットヘッドの断面図である。
【図4】図3に示すヘッド本体に補強板が接着された状態を示す斜視図である。
【図5】図3に示すヘッド本体の平面図である。
【図6】図5の一点鎖線で囲まれた領域の拡大図である。
【図7】図6のVII-VII線に沿った部分断面図である。
【図8】図5に示すアクチュエータユニットの拡大図である。
【図9】図1に示す制御装置の機能ブロック図である。
【図10】図1に示すパージ動作の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0070】
1 インクジェットヘッド
2 本体フレーム
3 インク室
4 流路ユニット
5 マニホールド流路
5a 副マニホールド流路
7 個別インク流路
8 ノズル
21 アクチュエータユニット
40 チューブ
53 インクカートリッジ
70a インク吐出面
70 ヘッド本体
83 制御装置
83a 印刷制御部
83b パージ制御部
83c フラッシング制御部
90 パージ機構
91 空気ポンプ
92 サージタンク
93 切替ユニット
101 インクジェット記録装置




 

 


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