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発明の名称 刺繍データ処理装置及びプログラム
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−20644(P2007−20644A)
公開日 平成19年2月1日(2007.2.1)
出願番号 特願2005−203391(P2005−203391)
出願日 平成17年7月12日(2005.7.12)
代理人 【識別番号】110000291
【氏名又は名称】特許業務法人コスモス特許事務所
発明者 武藤 幸好 / 鈴木 幹俊 / 水野 雅裕 / 田口 彰一 / 若山 明弘
要約 課題
複数の独立した木構造ベクトルデータを結合して、単一の木構造ベクトルデータを作成することが可能な刺繍データ処理装置及びプログラムを提供する。

解決手段
木構造ベクトルデータ32(TV1)の各ノードN2、N5間に結合ノードN22追加して、各ノードN2、N22間を連結するベクトルデータN2→N22と、各ノードN22、N5間を連結するベクトルデータN22→N5を作成して、木構造ベクトルデータ32(TVa)を作成する(S1〜S3)。そして、木構造ベクトルデータ45(TV2)に対して、接続部位42に存在するノードN22が根ノードになるようにノード相互間の向きを変換して木構造ベクトルデータ45(TVb)を作成して、この根ノードN22を木構造ベクトルデータ32(TVa)の結合ノードN22と結合して、単一の木構造ベクトルデータ47を作成する(S4〜S6)。
特許請求の範囲
【請求項1】
刺繍図柄を構成する線画情報に基づいて根ノードから端ノード方向にノード相互間をベクトルデータにより連結した木構造ベクトルデータを作成する木構造ベクトルデータ作成手段と、前記木構造ベクトルデータに対して前記根ノードから端ノード方向の各ベクトルデータに基づいて走り縫いデータを作成し、該端ノードから根ノード方向の各ベクトルデータに基づいて前記走り縫いデータに重なる本打ち縫製データを作成する刺繍データ作成手段とを備えた刺繍データ処理装置において、
前記木構造ベクトルデータ作成手段は、
第1木構造ベクトルデータに対して前記第1木構造ベクトルデータとは独立した第2木構造ベクトルデータを結合して単一の木構造ベクトルデータを作成する結合木構造ベクトルデータ作成手段
を備えたことを特徴とする刺繍データ処理装置。
【請求項2】
前記第1木構造ベクトルデータと前記第2木構造ベクトルデータとを結合する接続部位を指示する指示手段と、
前記指示手段によって指示された接続部位に存在する該第1木構造ベクトルデータの第1ノードを検出する第1ノード検出手段と、
前記指示手段によって指示された接続部位に存在する該第2木構造ベクトルデータの第2ノードを検出する第2ノード検出手段と
を備え、
前記結合木構造ベクトルデータ作成手段は、
前記接続部位に存在する前記第1ノードと前記第2ノードとが検出された場合には、該接続部位に存在する第1ノードと該第2ノードとを結合して単一の木構造ベクトルデータを作成することを特徴とする請求項1に記載の刺繍データ処理装置。
【請求項3】
前記結合木構造ベクトルデータ作成手段は、
前記接続部位に存在する前記第1ノードが検出されなかった場合には、前記接続部位に存在する前記第1木構造ベクトルデータのベクトルデータ上に第1結合ノードを追加する第1結合ノード追加手段を有し、
前記第1結合ノード追加手段によって追加された第1結合ノードと該接続部位に存在する前記第2ノードとを結合して単一の木構造ベクトルデータを作成することを特徴とする請求項2に記載の刺繍データ処理装置。
【請求項4】
前記結合木構造ベクトルデータ作成手段は、
前記接続部位に存在する前記第2ノードが検出されなかった場合には、前記接続部位に存在する前記第2木構造ベクトルデータのベクトルデータ上に第2結合ノードを追加する第2結合ノード追加手段を有し、
前記第2結合ノード追加手段によって追加された第2結合ノードと該接続部位に存在する前記第1ノード又は前記第1結合ノードとを結合して単一の木構造ベクトルデータを作成することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の刺繍データ処理装置。
【請求項5】
前記第1ノード追加手段及び第2ノード追加手段は、前記第1結合ノード及び第2結合ノードを前記接続部位に存在する他方の前記第1木構造ベクトルデータ又は前記第2木構造ベクトルデータまでの距離が近い位置のベクトルデータ上に追加することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の刺繍データ処理装置。
【請求項6】
根ノードを維持する木構造ベクトルデータとして、前記第1木構造ベクトルデータと前記第2木構造ベクトルデータとの一方の木構造ベクトルデータを選択する木構造ベクトルデータ選択手段と、
前記木構造ベクトルデータ選択手段により選択されず、根ノードを維持しない他方の木構造ベクトルデータに関し、結合されるノードを根ノードとするようにノード相互間の向きを変換する木構造ベクトルデータ変換手段と、
を備え、
前記結合木構造ベクトルデータ作成手段は、前記木構造ベクトルデータ選択手段により選択された前記一方の木構造ベクトルデータと、前記木構造ベクトルデータ変換手段により変換される前記他方の木構造ベクトルデータとを、前記結合されるノードで結合し、根ノードとして前記一方の木構造ベクトルデータに含まれた根ノードを有する単一の木構造ベクトルデータを作成することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の刺繍データ処理装置。
【請求項7】
刺繍図柄を構成する線画情報に基づいて根ノードから端ノード方向にノード相互間をベクトルデータにより連結した木構造ベクトルデータを作成する木構造ベクトルデータ作成手段と、前記木構造ベクトルデータに対して前記根ノードから端ノード方向の各ベクトルデータに基づいて走り縫いデータを作成し、該端ノードから根ノード方向の各ベクトルデータに基づいて前記走り縫いデータに重なる本打ち縫製データを作成する刺繍データ作成手段とを備えた刺繍データ処理装置において、
前記木構造ベクトルデータを複数の部分木構造ベクトルデータに分割する分割部位を入力する分割部位入力手段と、
前記分割部位入力手段によって入力された分割部位に基づいて該木構造ベクトルデータを複数の部分木構造ベクトルデータに分割する木構造ベクトルデータ分割手段と
を備えたことを特徴とする刺繍データ処理装置。
【請求項8】
前記分割部位入力手段によって入力された分割部位に前記木構造ベクトルデータのノードが存在するか否かを検出するノード検出手段を備え、
前記木構造ベクトル分割手段は、前記分割部位に存在するノードが検出された場合には、その検出されたノードで、該木構造ベクトルデータを複数の部分木構造ベクトルデータに分割することを特徴とする請求項7に記載の刺繍データ処理装置。
【請求項9】
前記木構造ベクトル分割手段は、
前記分割部位に存在するノードが検出されなかった場合には、該分割部位に存在するベクトルデータ上に分割ノードを追加する分割ノード追加手段を有し、
前記分割ノード追加手段によって追加された分割ノードで前記木構造ベクトルデータを複数の部分木構造ベクトルデータに分割することを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の刺繍データ処理装置。
【請求項10】
前記木構造ベクトルデータ分割手段により分割される複数の部分木構造ベクトルデータのうち、分割前の木構造ベクトルデータにおける根ノードを有しない各部分木構造ベクトルデータに対して、前記分割部位に存在するノード又は前記分割ノードを根ノードに変換する根ノード変換手段を備え、
前記刺繍データ作成手段は、前記根ノード変換手段によって変換された根ノードに基づいて前記走り縫いデータ及び前記本打ち縫製データを作成することを特徴とする請求項7乃至請求項9のいずれかに記載の刺繍データ処理装置。
【請求項11】
コンピュータを、刺繍図柄を構成する線画情報に基づいて根ノードから端ノード方向にノード相互間をベクトルデータにより連結した木構造ベクトルデータを作成する木構造ベクトルデータ作成手段と、前記木構造ベクトルデータに対して前記根ノードから端ノード方向の各ベクトルデータに基づいて走り縫いデータを作成し、該端ノードから根ノード方向の各ベクトルデータに基づいて前記走り縫いデータに重なる本打ち縫製データを作成する刺繍データ作成手段として機能させるためのプログラムにおいて、
前記木構造ベクトルデータ作成手段は、
第1木構造ベクトルデータに対して前記第1木構造ベクトルデータとは独立した第2木構造ベクトルデータを結合して単一の木構造ベクトルデータを作成する結合木構造ベクトルデータ作成手段を備えたことを特徴とするプログラム。
【請求項12】
コンピュータを、
前記第1木構造ベクトルデータと前記第2木構造ベクトルデータとを結合する接続部位を指示する指示手段と、
前記指示手段によって指示された接続部位に存在する該第1木構造ベクトルデータの第1ノードを検出する第1ノード検出手段と、
前記指示手段によって指示された接続部位に存在する該第2木構造ベクトルデータの第2ノードを検出する第2ノード検出手段と
して機能させ、
前記結合木構造ベクトルデータ作成手段は、
前記接続部位に存在する前記第1ノードと前記第2ノードとが検出された場合には、該接続部位に存在する第1ノードと該第2ノードとを結合して単一の木構造ベクトルデータを作成することを特徴とする請求項11に記載のプログラム。
【請求項13】
前記結合木構造ベクトルデータ作成手段は、
前記接続部位に存在する前記第1ノードが検出されなかった場合には、前記接続部位に存在する前記第1木構造ベクトルデータのベクトルデータ上に第1結合ノードを追加する第1結合ノード追加手段を有し、
前記第1結合ノード追加手段によって追加された第1結合ノードと該接続部位に存在する前記第2ノードとを結合して単一の木構造ベクトルデータを作成することを特徴とする請求項12に記載のプログラム。
【請求項14】
前記結合木構造ベクトルデータ作成手段は、
前記接続部位に存在する前記第2ノードが検出されなかった場合には、前記接続部位に存在する前記第2木構造ベクトルデータのベクトルデータ上に第2結合ノードを追加する第2結合ノード追加手段を有し、
前記第2結合ノード追加手段によって追加された第2結合ノードと該接続部位に存在する前記第1ノード又は前記第1結合ノードとを結合して単一の木構造ベクトルデータを作成することを特徴とする請求項12又は請求項13に記載のプログラム。
【請求項15】
前記第1ノード追加手段及び第2ノード追加手段は、前記第1結合ノード及び第2結合ノードを前記接続部位に存在する他方の前記第1木構造ベクトルデータ又は前記第2木構造ベクトルデータまでの距離が近い位置のベクトルデータ上に追加することを特徴とする請求項13又は請求項14に記載のプログラム。
【請求項16】
コンピュータを、
根ノードを維持する木構造ベクトルデータとして、前記第1木構造ベクトルデータと前記第2木構造ベクトルデータとの一方の木構造ベクトルデータを選択する木構造ベクトルデータ選択手段と、
前記木構造ベクトルデータ選択手段により選択されず、根ノードを維持しない他方の木構造ベクトルデータに関し、結合されるノードを根ノードとするようにノード相互間の向きを変換する木構造ベクトルデータ変換手段と、
して機能させ、
前記結合木構造ベクトルデータ作成手段は、前記木構造ベクトルデータ選択手段により選択された前記一方の木構造ベクトルデータと、前記木構造ベクトルデータ変換手段により変換される前記他方の木構造ベクトルデータとを、前記結合されるノードで結合し、根ノードとして前記一方の木構造ベクトルデータに含まれた根ノードを有する単一の木構造ベクトルデータを作成することを特徴とする請求項11乃至請求項15のいずれかに記載のプログラム。
【請求項17】
コンピュータを、
刺繍図柄を構成する線画情報に基づいて根ノードから端ノード方向にノード相互間をベクトルデータにより連結した木構造ベクトルデータを作成する木構造ベクトルデータ作成手段と、前記木構造ベクトルデータに対して前記根ノードから端ノード方向の各ベクトルデータに基づいて走り縫いデータを作成し、該端ノードから根ノード方向の各ベクトルデータに基づいて前記走り縫いデータに重なる本打ち縫製データを作成する刺繍データ作成手段として機能させるためのプログラムにおいて、
前記木構造ベクトルデータを複数の部分木構造ベクトルデータに分割する分割部位を入力する分割部位入力手段と、
前記分割部位入力手段によって入力された分割部位に基づいて該木構造ベクトルデータを複数の部分木構造ベクトルデータに分割する木構造ベクトルデータ分割手段と
して機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項18】
コンピュータを、前記分割部位入力手段によって入力された分割部位に前記木構造ベクトルデータのノードが存在するか否かを検出するノード検出手段として機能させ、
前記木構造ベクトル分割手段は、前記分割部位に存在するノードが検出された場合には、その検出されたノードで、該木構造ベクトルデータを複数の部分木構造ベクトルデータに分割することを特徴とする請求項17に記載のプログラム。
【請求項19】
前記木構造ベクトル分割手段は、
前記分割部位に存在するノードが検出されなかった場合には、該分割部位に存在するベクトルデータ上に分割ノードを追加する分割ノード追加手段を有し、
前記分割ノード追加手段によって追加された分割ノードで前記木構造ベクトルデータを複数の部分木構造ベクトルデータに分割することを特徴とする請求項17又は請求項18に記載のプログラム。
【請求項20】
コンピュータを、前記木構造ベクトルデータ分割手段により分割される複数の部分木構造ベクトルデータのうち、分割前の木構造ベクトルデータにおける根ノードを有しない各部分木構造ベクトルデータに対して、前記分割部位に存在するノード又は前記分割ノードを根ノードに変換する根ノード変換手段として機能させ、
前記刺繍データ作成手段は、前記根ノード変換手段によって変換された根ノードに基づいて前記走り縫いデータ及び前記本打ち縫製データを作成することを特徴とする請求項17乃至請求項19のいずれかに記載のプログラム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、刺繍データ処理装置及びプログラムに関し、特に、複数の独立した木構造ベクトルデータを1つの木構造ベクトルデータに結合して、渡りの発生しない連続した縫い順の刺繍データを作成することが可能な刺繍データ処理装置及びプログラムに関するものである。また、1つの木構造ベクトルデータを任意に分割して複数の木構造ベクトルデータに分割して、それぞれ独立した縫い順の刺繍データを作成することが可能な刺繍データ処理装置及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、刺繍図柄を構成する線画情報に基づいて根ノードから端ノード方向にノード相互間をベクトルデータにより連結した木構造ベクトルデータを作成し、この木構造ベクトルデータに基づいて連続した縫い順の刺繍データを作成する刺繍データ処理装置及びプログラムに関して種々提案されている。
例えば、線画で構成される刺繍図柄をミシンにより縫製するために必要な刺繍データを作成する刺繍データ処理装置において、前記刺繍図柄の原画から画像データを読取る読取手段と、この読取手段が読取った画像データに基づいて、分岐点相互間がベクトルデータにより連結された形態の木構造ベクトルデータを作成する木構造ベクトルデータ作成手段と、この木構造ベクトルデータ作成手段が作成した木構造ベクトルデータに対して深さ優先探索を行うことにより、刺繍図柄上に対応する点を起点としてベクトルデータを前向きおよび後向きの双方向へ探索する探索手段と、この探索手段が前向きに探索したベクトルデータに基づいて下打ち縫製データを作成し、後向きに探索したベクトルデータに基づいて、下打ち縫製データに重なる本打ち縫製データを作成する縫製データ作成手段とから構成される刺繍データ処理装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平8−38756号公報(段落(0010)〜(0036)、図1〜図10)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した従来の刺繍データ処理装置においては、1つの木構造ベクトルデータの中では渡りの発生しない刺繍データを作成することができるが、既に作成された木構造ベクトルデータに、別の木構造ベクトルデータを追加する場合には、一方の木構造ベクトルデータに基づく縫い順と他方の木構造ベクトルデータに基づく縫い順とを連続した縫い順とすることができず、根ノード間に無駄な渡り糸が生じて、この渡り糸の除去作業が煩雑であるという問題がある。また、既に作成された1つの木構造ベクトルデータを複数の木構造ベクトルデータに分割して、複数の独立した縫い順の刺繍データを作成し、別々の色の糸で縫製することができないという問題がある。
【0004】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、既に作成された木構造ベクトルデータに、別の木構造ベクトルデータを追加する場合には、一方の木構造ベクトルデータに基づく縫い順と他方の木構造ベクトルデータに基づく縫い順とを連続した縫い順とすることが可能な刺繍データ処理装置及びプログラムを提供することを目的とする。また、既に作成された1つの木構造ベクトルデータを複数の木構造ベクトルデータに分割して、複数の独立した縫い順の刺繍データを作成することが可能な刺繍データ処理装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するため請求項1に係る刺繍データ処理装置は、刺繍図柄を構成する線画情報に基づいて根ノードから端ノード方向にノード相互間をベクトルデータにより連結した木構造ベクトルデータを作成する木構造ベクトルデータ作成手段と、前記木構造ベクトルデータに対して前記根ノードから端ノード方向の各ベクトルデータに基づいて走り縫いデータを作成し、該端ノードから根ノード方向の各ベクトルデータに基づいて前記走り縫いデータに重なる本打ち縫製データを作成する刺繍データ作成手段とを備えた刺繍データ処理装置において、前記木構造ベクトルデータ作成手段は、第1木構造ベクトルデータに対して前記第1木構造ベクトルデータとは独立した第2木構造ベクトルデータを結合して単一の木構造ベクトルデータを作成する結合木構造ベクトルデータ作成手段を備えたことを特徴とする。
【0006】
また、請求項2に係る刺繍データ処理装置は、請求項1に記載の刺繍データ処理装置において、前記第1木構造ベクトルデータと前記第2木構造ベクトルデータとを結合する接続部位を指示する指示手段と、前記指示手段によって指示された接続部位に存在する該第1木構造ベクトルデータの第1ノードを検出する第1ノード検出手段と、前記指示手段によって指示された接続部位に存在する該第2木構造ベクトルデータの第2ノードを検出する第2ノード検出手段とを備え、前記結合木構造ベクトルデータ作成手段は、前記接続部位に存在する前記第1ノードと前記第2ノードとが検出された場合には、該接続部位に存在する第1ノードと該第2ノードとを結合して単一の木構造ベクトルデータを作成することを特徴とする。
【0007】
また、請求項3に係る刺繍データ処理装置は、請求項2に記載の刺繍データ処理装置において、前記結合木構造ベクトルデータ作成手段は、前記接続部位に存在する前記第1ノードが検出されなかった場合には、前記接続部位に存在する前記第1木構造ベクトルデータのベクトルデータ上に第1結合ノードを追加する第1結合ノード追加手段を有し、前記第1結合ノード追加手段によって追加された第1結合ノードと該接続部位に存在する前記第2ノードとを結合して単一の木構造ベクトルデータを作成することを特徴とする。
【0008】
また、請求項4に係る刺繍データ処理装置は、請求項2又は請求項3に記載の刺繍データ処理装置において、前記結合木構造ベクトルデータ作成手段は、前記接続部位に存在する前記第2ノードが検出されなかった場合には、前記接続部位に存在する前記第2木構造ベクトルデータのベクトルデータ上に第2結合ノードを追加する第2結合ノード追加手段を有し、前記第2結合ノード追加手段によって追加された第2結合ノードと該接続部位に存在する前記第1ノード又は前記第1結合ノードとを結合して単一の木構造ベクトルデータを作成することを特徴とする。
【0009】
また、請求項5に係る刺繍データ処理装置は、請求項3又は請求項4に記載の刺繍データ処理装置において、前記第1ノード追加手段及び第2ノード追加手段は、前記第1結合ノード及び第2結合ノードを前記接続部位に存在する他方の前記第1木構造ベクトルデータ又は前記第2木構造ベクトルデータまでの距離が近い位置のベクトルデータ上に追加することを特徴とする。
【0010】
更に、請求項6に係る刺繍データ処理装置は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の刺繍データ処理装置において、根ノードを維持する木構造ベクトルデータとして、前記第1木構造ベクトルデータと前記第2木構造ベクトルデータとの一方の木構造ベクトルデータを選択する木構造ベクトルデータ選択手段と、前記木構造ベクトルデータ選択手段により選択されず、根ノードを維持しない他方の木構造ベクトルデータに関し、結合されるノードを根ノードとするようにノード相互間の向きを変換する木構造ベクトルデータ変換手段と、を備え、前記結合木構造ベクトルデータ作成手段は、前記木構造ベクトルデータ選択手段により選択された前記一方の木構造ベクトルデータと、前記木構造ベクトルデータ変換手段により変換される前記他方の木構造ベクトルデータとを、前記結合されるノードで結合し、根ノードとして前記一方の木構造ベクトルデータに含まれた根ノードを有する単一の木構造ベクトルデータを作成することを特徴とする。
【0011】
また、請求項7に係る刺繍データ処理装置は、刺繍図柄を構成する線画情報に基づいて根ノードから端ノード方向にノード相互間をベクトルデータにより連結した木構造ベクトルデータを作成する木構造ベクトルデータ作成手段と、前記木構造ベクトルデータに対して前記根ノードから端ノード方向の各ベクトルデータに基づいて走り縫いデータを作成し、該端ノードから根ノード方向の各ベクトルデータに基づいて前記走り縫いデータに重なる本打ち縫製データを作成する刺繍データ作成手段とを備えた刺繍データ処理装置において、前記木構造ベクトルデータを複数の部分木構造ベクトルデータに分割する分割部位を入力する分割部位入力手段と、前記分割部位入力手段によって入力された分割部位に基づいて該木構造ベクトルデータを複数の部分木構造ベクトルデータに分割する木構造ベクトルデータ分割手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】
また、請求項8に係る刺繍データ処理装置は、請求項7に記載の刺繍データ処理装置において、前記分割部位入力手段によって入力された分割部位に前記木構造ベクトルデータのノードが存在するか否かを検出するノード検出手段を備え、前記木構造ベクトル分割手段は、前記分割部位に存在するノードが検出された場合には、その検出されたノードで、該木構造ベクトルデータを複数の部分木構造ベクトルデータに分割することを特徴とする。
【0013】
また、請求項9に係る刺繍データ処理装置は、請求項7又は請求項8に記載の刺繍データ処理装置において、前記木構造ベクトル分割手段は、前記分割部位に存在するノードが検出されなかった場合には、該分割部位に存在するベクトルデータ上に分割ノードを追加する分割ノード追加手段を有し、前記分割ノード追加手段によって追加された分割ノードで前記木構造ベクトルデータを複数の部分木構造ベクトルデータに分割することを特徴とする。
【0014】
更に、請求項10に係る刺繍データ処理装置は、請求項7乃至請求項9のいずれかに記載の刺繍データ処理装置において、前記木構造ベクトルデータ分割手段により分割される複数の部分木構造ベクトルデータのうち、分割前の木構造ベクトルデータにおける根ノードを有しない各部分木構造ベクトルデータに対して、前記分割部位に存在するノード又は前記分割ノードを根ノードに変換する根ノード変換手段を備え、前記刺繍データ作成手段は、前記根ノード変換手段によって変換された根ノードに基づいて前記走り縫いデータ及び前記本打ち縫製データを作成することを特徴とする。
【0015】
また、請求項11に係るプログラムは、コンピュータを、刺繍図柄を構成する線画情報に基づいて根ノードから端ノード方向にノード相互間をベクトルデータにより連結した木構造ベクトルデータを作成する木構造ベクトルデータ作成手段と、前記木構造ベクトルデータに対して前記根ノードから端ノード方向の各ベクトルデータに基づいて走り縫いデータを作成し、該端ノードから根ノード方向の各ベクトルデータに基づいて前記走り縫いデータに重なる本打ち縫製データを作成する刺繍データ作成手段として機能させるためのプログラムにおいて、前記木構造ベクトルデータ作成手段は、第1木構造ベクトルデータに対して前記第1木構造ベクトルデータとは独立した第2木構造ベクトルデータを結合して単一の木構造ベクトルデータを作成する結合木構造ベクトルデータ作成手段を備えたことを特徴とする。
【0016】
また、請求項12に係るプログラムは、請求項11に記載のプログラムにおいて、コンピュータを、前記第1木構造ベクトルデータと前記第2木構造ベクトルデータとを結合する接続部位を指示する指示手段と、前記指示手段によって指示された接続部位に存在する該第1木構造ベクトルデータの第1ノードを検出する第1ノード検出手段と、前記指示手段によって指示された接続部位に存在する該第2木構造ベクトルデータの第2ノードを検出する第2ノード検出手段として機能させ、前記結合木構造ベクトルデータ作成手段は、前記接続部位に存在する前記第1ノードと前記第2ノードとが検出された場合には、該接続部位に存在する第1ノードと該第2ノードとを結合して単一の木構造ベクトルデータを作成することを特徴とする。
【0017】
また、請求項13に係るプログラムは、請求項12に記載のプログラムにおいて、前記結合木構造ベクトルデータ作成手段は、前記接続部位に存在する前記第1ノードが検出されなかった場合には、前記接続部位に存在する前記第1木構造ベクトルデータのベクトルデータ上に第1結合ノードを追加する第1結合ノード追加手段を有し、前記第1結合ノード追加手段によって追加された第1結合ノードと該接続部位に存在する前記第2ノードとを結合して単一の木構造ベクトルデータを作成することを特徴とする。
【0018】
また、請求項14に係るプログラムは、請求項12又は請求項13に記載のプログラムにおいて、前記結合木構造ベクトルデータ作成手段は、前記接続部位に存在する前記第2ノードが検出されなかった場合には、前記接続部位に存在する前記第2木構造ベクトルデータのベクトルデータ上に第2結合ノードを追加する第2結合ノード追加手段を有し、前記第2結合ノード追加手段によって追加された第2結合ノードと該接続部位に存在する前記第1ノード又は前記第1結合ノードとを結合して単一の木構造ベクトルデータを作成することを特徴とする。
【0019】
また、請求項15に係るプログラムは、請求項13又は請求項14に記載のプログラムにおいて、前記第1ノード追加手段及び第2ノード追加手段は、前記第1結合ノード及び第2結合ノードを前記接続部位に存在する他方の前記第1木構造ベクトルデータ又は前記第2木構造ベクトルデータまでの距離が近い位置のベクトルデータ上に追加することを特徴とする。
【0020】
更に、請求項16に係るプログラムは、請求項11乃至請求項15のいずれかに記載のプログラムにおいて、コンピュータを、根ノードを維持する木構造ベクトルデータとして、前記第1木構造ベクトルデータと前記第2木構造ベクトルデータとの一方の木構造ベクトルデータを選択する木構造ベクトルデータ選択手段と、前記木構造ベクトルデータ選択手段により選択されず、根ノードを維持しない他方の木構造ベクトルデータに関し、結合されるノードを根ノードとするようにノード相互間の向きを変換する木構造ベクトルデータ変換手段と、して機能させ、前記結合木構造ベクトルデータ作成手段は、前記木構造ベクトルデータ選択手段により選択された前記一方の木構造ベクトルデータと、前記木構造ベクトルデータ変換手段により変換される前記他方の木構造ベクトルデータとを、前記結合されるノードで結合し、根ノードとして前記一方の木構造ベクトルデータに含まれた根ノードを有する単一の木構造ベクトルデータを作成することを特徴とする。
【0021】
また、請求項17に係るプログラムは、コンピュータを、刺繍図柄を構成する線画情報に基づいて根ノードから端ノード方向にノード相互間をベクトルデータにより連結した木構造ベクトルデータを作成する木構造ベクトルデータ作成手段と、前記木構造ベクトルデータに対して前記根ノードから端ノード方向の各ベクトルデータに基づいて走り縫いデータを作成し、該端ノードから根ノード方向の各ベクトルデータに基づいて前記走り縫いデータに重なる本打ち縫製データを作成する刺繍データ作成手段として機能させるためのプログラムにおいて、前記木構造ベクトルデータを複数の部分木構造ベクトルデータに分割する分割部位を入力する分割部位入力手段と、前記分割部位入力手段によって入力された分割部位に基づいて該木構造ベクトルデータを複数の部分木構造ベクトルデータに分割する木構造ベクトルデータ分割手段として機能させることを特徴とする。
【0022】
また、請求項18に係るプログラムは、請求項17に記載のプログラムにおいて、コンピュータを、前記分割部位入力手段によって入力された分割部位に前記木構造ベクトルデータのノードが存在するか否かを検出するノード検出手段として機能させ、前記木構造ベクトル分割手段は、前記分割部位に存在するノードが検出された場合には、その検出されたノードで、該木構造ベクトルデータを複数の部分木構造ベクトルデータに分割することを特徴とする。
【0023】
また、請求項19に係るプログラムは、請求項17又は請求項18に記載のプログラムにおいて、前記木構造ベクトル分割手段は、前記分割部位に存在するノードが検出されなかった場合には、該分割部位に存在するベクトルデータ上に分割ノードを追加する分割ノード追加手段を有し、前記分割ノード追加手段によって追加された分割ノードで前記木構造ベクトルデータを複数の部分木構造ベクトルデータに分割することを特徴とする。
【0024】
更に、請求項20に係るプログラムは、請求項17乃至請求項19のいずれかに記載のプログラムにおいて、コンピュータを、前記木構造ベクトルデータ分割手段により分割される複数の部分木構造ベクトルデータのうち、分割前の木構造ベクトルデータにおける根ノードを有しない各部分木構造ベクトルデータに対して、前記分割部位に存在するノード又は前記分割ノードを根ノードに変換する根ノード変換手段として機能させ、前記刺繍データ作成手段は、前記根ノード変換手段によって変換された根ノードに基づいて前記走り縫いデータ及び前記本打ち縫製データを作成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
請求項1に係る刺繍データ処理装置では、刺繍図柄を構成する線画情報に基づいて根ノードから端ノード方向にノード相互間をベクトルデータにより連結した木構造ベクトルデータを作成する。また、第1木構造ベクトルデータに対して該第1木構造ベクトルデータとは独立した第2木構造ベクトルデータを結合して単一の木構造ベクトルデータを作成する。そして、この木構造ベクトルデータに対して根ノードから端ノード方向の各ベクトルデータに基づいて走り縫いデータを作成し、該端ノードから根ノード方向の各ベクトルデータに基づいて走り縫いデータに重なる本打ち縫製データを作成する。
これにより、第1木構造ベクトルデータに対して該第1木構造ベクトルデータとは独立した第2木構造ベクトルデータを結合して単一の木構造ベクトルデータを作成し、この単一の木構造ベクトルデータに基づいて連続した縫い順の縫製データを作成できる。このため、ユーザは、既に作成された第1木構造ベクトルデータに、別の第2木構造ベクトルデータを追加する場合には、第1木構造ベクトルデータに基づく縫い順と第2木構造ベクトルデータに基づく縫い順とを連続した縫い順とすることが可能となり、縫い上がりに無駄な渡り糸が生じない高品質で綺麗な刺繍図柄を形成できる。
【0026】
また、請求項2に係る刺繍データ作成装置では、ユーザが指示手段を介して第1木構造ベクトルデータと第2木構造ベクトルデータとを結合する接続部位を指示することによって、この接続部位に第1木構造ベクトルデータの第1ノードと第2木構造ベクトルデータの第2ノードが検出された場合には、該接続部位に存在する第1ノードと第2ノードとが結合されて、単一の木構造ベクトルデータが作成される。
これにより、ユーザは、第1木構造ベクトルデータの任意の第1ノードと第2木構造ベクトルデータの任意の第2ノードとを結合するように接続部位を指示することが可能となり、第1木構造ベクトルデータの希望するノードの位置に第2木構造ベクトルデータを簡単に結合することが可能となる。このため、ユーザの希望する刺繍図柄を容易に形成することができると共に、縫い上がりに無駄な渡り糸が生じない高品質で綺麗な刺繍図柄を形成できる。
【0027】
また、請求項3に係る刺繍データ処理装置では、ユーザが指示手段を介して指示した接続部位に存在する第1ノードが検出されなかった場合には、接続部位に存在する第1木構造ベクトルデータのベクトルデータ上に第1結合ノードが追加され、この第1結合ノードと該接続部位に存在する第2ノードとが結合されて、単一の木構造ベクトルデータが作成される。
これにより、ユーザは、第1木構造ベクトルデータの任意のノード間のベクトルデータ上に第2木構造ベクトルデータの第2ノードを結合するように接続部位を指示することが可能となり、第1木構造ベクトルデータの希望するノード間のベクトルデータ上の位置に第2木構造ベクトルデータを簡単に結合することが可能となる。このため、ユーザの希望する刺繍図柄をより容易に形成することができると共に、縫い上がりに無駄な渡り糸が生じない高品質で綺麗な刺繍図柄を形成できる。
【0028】
また、請求項4に係る刺繍データ処理装置では、 ユーザが指示手段を介して指示した接続部位に存在する第2ノードが検出されなかった場合には、接続部位に存在する第2木構造ベクトルデータのベクトルデータ上に第2結合ノードが追加され、この第2結合ノードと該接続部位に存在する第1ノード又は第1結合ノードとが結合されて、単一の木構造ベクトルデータが作成される。
これにより、ユーザは、第1木構造ベクトルデータの任意のノード又はノード間の任意ベクトルデータ上に第2木構造ベクトルデータの任意のノード間のベクトルデータを結合するように接続部位を指示することが可能となり、第1木構造ベクトルデータの希望するノード又はノード間のベクトルデータ上の位置に第2木構造ベクトルデータの任意のノード間のベクトルデータを簡単に結合することが可能となる。このため、ユーザの希望する刺繍図柄を更に容易に形成することができると共に、縫い上がりに無駄な渡り糸が生じない高品質で綺麗な刺繍図柄を形成できる。
【0029】
また、請求項5に係る刺繍データ処理装置では、第1結合ノード及び第2結合ノードは、接続部位に存在する他方の第1木構造ベクトルデータ又は第2木構造ベクトルデータまでの距離が近い位置のベクトルデータ上に追加されるため、ユーザは、第2木構造ベクトルデータを第1木構造ベクトルデータの希望する接続部位の近くに配置後、接続部位を指示することによって、該第1木構造ベクトルデータに該第2木構造ベクトルデータを容易に結合して単一の木構造ベクトルデータを作成することが可能となる。
【0030】
更に、請求項6に係る刺繍データ処理装置では、第1木構造ベクトルデータの根ノードと第2木構造ベクトルデータの根ノードとのうちのいずれか一方の木構造ベクトルデータの根ノードを維持するように設定する。また、根ノードを維持しない他方の根ノードを有する木構造ベクトルデータを結合されるノードを根ノードとするようにノード相互間の向きを変換する。そして、根ノードを維持するように設定された木構造ベクトルデータに対して結合されるノードを根ノードに変換された木構造ベクトルデータを該根ノードで結合し、この維持するように設定された一方の根ノードを有する単一の木構造ベクトルデータが作成される。
これにより、根ノードを維持するように設定された一方の木構造ベクトルデータから結合されるノードを経て他方の木構造ベクトルデータの端ノード方向にノード相互間をベクトルデータにより連結して単一の木構造ベクトルデータが作成されるため、この単一の木構造ベクトルデータに基づいて連続した縫い順の縫製データを作成できる。このため、操作者が根ノードを維持すると設定した木構造ベクトルデータについては、ノード間の向きが変更されないため、走り縫いや本打ち縫製データによる縫製時の縫いの進行方向は変わらず、縫い終点も維持することができる。
【0031】
また、請求項7に係る刺繍データ処理装置では、刺繍図柄を構成する線画情報に基づいて根ノードから端ノード方向にノード相互間をベクトルデータにより連結した木構造ベクトルデータを作成する。また、ユーザが分割部位入力手段によって木構造ベクトルデータを複数の部分木構造ベクトルデータに分割する分割部位を入力することにより、この入力された分割部位に基づいて該木構造ベクトルデータを複数の部分木構造ベクトルデータに分割する。そして、部分木構造ベクトルデータに対して該根ノードから端ノード方向の各ベクトルデータに基づいて走り縫いデータを作成し、該端ノードから根ノード方向の各ベクトルデータに基づいて走り縫いデータに重なる本打ち縫製データを作成する。
これにより、ユーザが分割部位入力手段によって入力した分割部位に基づいて木構造ベクトルデータを複数の部分木構造ベクトルデータに分割し、この分割された複数の部分木構造ベクトルデータに基づいて、独立した連続する縫い順の縫製データを作成することが可能となり、分割された複数の部分木構造ベクトルデータに従って任意の色の糸で縫製することが可能となる。
【0032】
また、請求項8に係る刺繍データ処理装置では、分割部位入力手段によって入力された分割部位に存在するノードが検出された場合には、その検出されたノードで、木構造ベクトルデータを複数の部分木構造ベクトルデータに分割する。
これにより、ユーザは、分割入力手段によって木構造ベクトルデータの任意のノードを分割部位として指示して該木構造ベクトルデータを複数の部分木構造ベクトルデータに分割することが可能となり、木構造ベクトルデータを希望するノードの部分で分割することができる。
【0033】
また、請求項9に係る刺繍データ処理装置では、分割部位入力手段によって入力された分割部位に存在するノードが検出されなかった場合には、該分割部位に存在するベクトルデータ上に分割ノードが追加されて、この追加された分割ノードで木構造ベクトルデータを複数の部分木構造ベクトルデータに分割する。
これにより、ユーザは、分割入力手段によって木構造ベクトルデータの任意のベクトルデータを選択して、このベクトルデータ上の任意の位置に分割部位を設定することが可能となり、木構造ベクトルデータを希望するベクトルデータの部分で更に自由に分割することができる。
【0034】
更に、請求項10に係る刺繍データ処理装置では、分割された複数の部分木構造ベクトルデータのうち、分割前の木構造ベクトルデータにおける根ノードを有しない各部分木構造ベクトルデータに対して、分割部位に存在するノード又は分割ノードを根ノードに変換し、該根ノードに基づいて前記走り縫いデータ及び前記本打ち縫製データを作成する。
これにより、ユーザが分割部位入力手段によって入力した分割部位に基づいて分割された複数の部分木構造ベクトルデータのノード間の向きは変わらないため、走り縫いや本打ち縫製データによる縫製時の縫いの進行方向を、分割前の縫いの進行方向と同じ方向とすることができる。
【0035】
また、請求項11に係るプログラムでは、コンピュータは、当該プログラムを読み込むことによって、刺繍図柄を構成する線画情報に基づいて根ノードから端ノード方向にノード相互間をベクトルデータにより連結した木構造ベクトルデータを作成する。また、第1木構造ベクトルデータに対して該第1木構造ベクトルデータとは独立した第2木構造ベクトルデータを結合して単一の木構造ベクトルデータを作成する。そして、この木構造ベクトルデータに対して根ノードから端ノード方向の各ベクトルデータに基づいて走り縫いデータを作成し、該端ノードから根ノード方向の各ベクトルデータに基づいて走り縫いデータに重なる本打ち縫製データを作成する。
これにより、コンピュータは、第1木構造ベクトルデータに対して該第1木構造ベクトルデータとは独立した第2木構造ベクトルデータを結合して単一の木構造ベクトルデータを作成し、この単一の木構造ベクトルデータに基づいて連続した縫い順の縫製データを作成できる。このため、ユーザは、既に作成された第1木構造ベクトルデータに、別の第2木構造ベクトルデータを追加する場合には、第1木構造ベクトルデータに基づく縫い順と第2木構造ベクトルデータに基づく縫い順とを連続した縫い順とすることが可能となり、縫い上がりに無駄な渡り糸が生じない高品質で綺麗な刺繍図柄を形成できる。
【0036】
また、請求項12に係るプログラムでは、コンピュータは、当該プログラムを読み込むことによって、ユーザは指示手段を介して第1木構造ベクトルデータと第2木構造ベクトルデータとを結合する接続部位を指示することができる。そして、コンピュータは、この指示された接続部位に第1木構造ベクトルデータの第1ノードと第2木構造ベクトルデータの第2ノードを検出した場合には、該接続部位に存在する第1ノードと第2ノードとを結合して、単一の木構造ベクトルデータを作成する。
これにより、ユーザは、第1木構造ベクトルデータの任意の第1ノードと第2木構造ベクトルデータの任意の第2ノードとを結合するように接続部位を指示することが可能となり、第1木構造ベクトルデータの希望するノードの位置に第2木構造ベクトルデータを簡単に結合することが可能となる。このため、ユーザの希望する刺繍図柄を容易に形成することができると共に、縫い上がりに無駄な渡り糸が生じない高品質で綺麗な刺繍図柄を形成できる。
【0037】
また、請求項13に係るプログラムでは、コンピュータは、当該プログラムを読み込むことによって、ユーザが指示手段を介して指示した接続部位に存在する第1ノードを検出しなかった場合には、接続部位に存在する第1木構造ベクトルデータのベクトルデータ上に第1結合ノードを追加し、この第1結合ノードと該接続部位に存在する第2ノードとを結合して、単一の木構造ベクトルデータを作成する。
これにより、ユーザは、第1木構造ベクトルデータの任意のノード間のベクトルデータ上に第2木構造ベクトルデータの第2ノードを結合するように接続部位を指示することが可能となり、第1木構造ベクトルデータの希望するノード間のベクトルデータ上の位置に第2木構造ベクトルデータを簡単に結合することが可能となる。このため、ユーザの希望する刺繍図柄をより容易に形成することができると共に、縫い上がりに無駄な渡り糸が生じない高品質で綺麗な刺繍図柄を形成できる。
【0038】
また、請求項14に係るプログラムでは、コンピュータは、当該プログラムを読み込むことによって、ユーザが指示手段を介して指示した接続部位に存在する第2ノードを検出しなかった場合には、接続部位に存在する第2木構造ベクトルデータのベクトルデータ上に第2結合ノードを追加し、この第2結合ノードと該接続部位に存在する第1ノード又は第1結合ノードとを結合して、単一の木構造ベクトルデータを作成する。
これにより、ユーザは、第1木構造ベクトルデータの任意のノード又はノード間の任意ベクトルデータ上に第2木構造ベクトルデータの任意のノード間のベクトルデータを結合するように接続部位を指示することが可能となり、第1木構造ベクトルデータの希望するノード又はノード間のベクトルデータ上の位置に第2木構造ベクトルデータの任意のノード間のベクトルデータを簡単に結合することが可能となる。このため、ユーザの希望する刺繍図柄を更に容易に形成することができると共に、縫い上がりに無駄な渡り糸が生じない高品質で綺麗な刺繍図柄を形成できる。
【0039】
また、請求項15に係るプログラムでは、コンピュータは、当該プログラムを読み込むことによって、第1結合ノード及び第2結合ノードを、接続部位に存在する他方の第1木構造ベクトルデータ又は第2木構造ベクトルデータまでの距離が近い位置のベクトルデータ上に追加する。このため、ユーザは、第2木構造ベクトルデータを第1木構造ベクトルデータの希望する接続部位の近くに配置後、接続部位を指示することによって、該第1木構造ベクトルデータに該第2木構造ベクトルデータを容易に結合して単一の木構造ベクトルデータを作成することが可能となる。
【0040】
更に、請求項16に係るプログラムでは、コンピュータは、当該プログラムを読み込むことによって、第1木構造ベクトルデータの根ノードと第2木構造ベクトルデータの根ノードとのうちのいずれか一方の木構造ベクトルデータの根ノードを維持するように設定する。また、コンピュータは、根ノードを維持しない他方の根ノードを有する木構造ベクトルデータを結合されるノードを根ノードとするようにノード相互間の向きを変換する。そして、コンピュータは、根ノードを維持するように設定された木構造ベクトルデータに対して結合されるノードを根ノードに変換された木構造ベクトルデータを該根ノードで結合し、この維持するように設定された一方の根ノードを有する単一の木構造ベクトルデータを作成する。
これにより、コンピュータは、根ノードを維持するように設定された一方の木構造ベクトルデータから結合されるノードを経て他方の木構造ベクトルデータの端ノード方向にノード相互間をベクトルデータにより連結して単一の木構造ベクトルデータを作成するため、この単一の木構造ベクトルデータに基づいて連続した縫い順の縫製データを作成できる。このため、操作者が根ノードを維持すると設定した木構造ベクトルデータについては、ノード間の向きが変更されないため、走り縫いや本打ち縫製データによる縫製時の縫いの進行方向は変わらず、縫い終点も維持することができる。
【0041】
また、請求項17に係るプログラムでは、コンピュータは、当該プログラムを読み込むことによって、刺繍図柄を構成する線画情報に基づいて根ノードから端ノード方向にノード相互間をベクトルデータにより連結した木構造ベクトルデータを作成する。また、ユーザは、分割部位入力手段によって木構造ベクトルデータを複数の部分木構造ベクトルデータに分割する分割部位を入力することができる。また、コンピュータは、この入力された分割部位に基づいて該木構造ベクトルデータを複数の部分木構造ベクトルデータに分割する。そして、コンピュータは、部分木構造ベクトルデータに対して該根ノードから端ノード方向の各ベクトルデータに基づいて走り縫いデータを作成し、該端ノードから根ノード方向の各ベクトルデータに基づいて走り縫いデータに重なる本打ち縫製データを作成する。
これにより、コンピュータは、分割部位入力手段によって入力された分割部位に基づいて木構造ベクトルデータを複数の部分木構造ベクトルデータに分割し、この分割された複数の部分木構造ベクトルデータに基づいて、独立した連続する縫い順の縫製データを作成することが可能となり、分割された複数の部分木構造ベクトルデータに従って任意の色の糸で縫製することが可能となる。
【0042】
また、請求項18に係るプログラムでは、コンピュータは、当該プログラムを読み込むことによって、分割部位入力手段によって入力された分割部位に存在するノードを検出した場合には、その検出したノードで、木構造ベクトルデータを複数の部分木構造ベクトルデータに分割する。
これにより、ユーザは、分割入力手段によって木構造ベクトルデータの任意のノードを分割部位として指示して該木構造ベクトルデータを複数の部分木構造ベクトルデータに分割することが可能となり、木構造ベクトルデータを希望するノードの部分で分割することができる。
【0043】
また、請求項19に係るプログラムでは、コンピュータは、当該プログラムを読み込むことによって、分割部位入力手段によって入力された分割部位に存在するノードを検出しなかった場合には、該分割部位に存在するベクトルデータ上に分割ノードを追加して、この追加した分割ノードで木構造ベクトルデータを複数の部分木構造ベクトルデータに分割する。
これにより、ユーザは、分割入力手段によって木構造ベクトルデータの任意のベクトルデータを選択して、このベクトルデータ上の任意の位置に分割部位を設定することが可能となり、木構造ベクトルデータを希望するベクトルデータの部分で更に自由に分割することができる。
【0044】
更に、請求項20に係るプログラムでは、コンピュータは、当該プログラムを読み込むことによって、分割された複数の部分木構造ベクトルデータのうち、分割前の木構造ベクトルデータにおける根ノードを有しない各部分木構造ベクトルデータに対して、分割部位に存在するノード又は分割ノードを根ノードに変換し、該根ノードに基づいて前記走り縫いデータ及び前記本打ち縫製データを作成する。
これにより、ユーザが分割部位入力手段によって入力した分割部位に基づいて分割された複数の部分木構造ベクトルデータのノード間の向きは変わらないため、走り縫いや本打ち縫製データによる縫製時の縫いの進行方向を、分割前の縫いの進行方向と同じ方向とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
以下、本発明に係る刺繍データ処理装置及びプログラムについて、本発明を具体化した実施例1及び実施例2に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。
【実施例1】
【0046】
先ず、実施例1に係る刺繍データ処理装置の概略構成を図1に基づき説明する。
図1において、刺繍データ処理装置1は、制御本体部3を主体として構成されている。制御本体部3は、画像、図形、文字等を表示するCRTディスプレイ4を備えている。また、制御本体部3には、キーボード5、マウス6、フレキシブルディスク(FD)装置7、ハードディスク装置8、CD−ROM装置9、フラッシュメモリ装置10、イメージスキャナ装置11が接続されている。
【0047】
フレキシブルディスク装置7には、後述する独立した複数の木構造ベクトルデータを結合して単一の木構造ベクトルデータを作成する木構造ベクトル結合処理プログラム、単一の木構造ベクトルデータを複数の木構造ベクトルデータに分割する木構造ベクトル分割処理プログラム、木構造ベクトルデータから連続した縫製データを作成する刺繍データ処理プログラム等の各種のプログラム等が記憶された記録媒体であるフレキシブルディスク7A(図2参照)が着脱可能にセットされるように構成されている。また、ハードディスク装置8は、画像データ、アウトラインデータ、木構造ベクトルデータ、刺繍データ等をハードディスクに保存したりハードディスクから読み出したりするものである。CD−ROM装置9は、CD−ROMに記録された画像データ、アウトラインデータ、木構造ベクトルデータ、刺繍データ等を読み出すものである。フラッシュメモリ装置10は、不揮発性のフラッシュメモリからなるメモリカード12を着脱可能に備えており、メモリカード12に刺繍データ等を書き込むものである。イメージスキャナ装置11は、刺繍模様の原画を読み込むためのものである。
【0048】
また、刺繍ミシン2のミシン本体部13は、ベッド部14の上方にアーム部15を一体に有して構成されている。アーム部15の先端部には、縫針16を有する針棒(図示せず)が設けられている。また、ベッド部14の上には、加工布(図示せず)を保持する刺繍枠17が配置されている。刺繍枠17は、刺繍枠移動機構18により装置固有のXY座標系に基づく任意の位置に移動するように構成されている。そして、刺繍枠移動機構18により加工布を自在に移動させながら針棒や釜機構(図示せず)を駆動させることにより、加工布に対して所定の刺繍を形成する刺繍形成動作が実行される。
【0049】
更に、ミシン本体13の右側面部には、メモリカード12が差し込まれるカード挿入孔19が設けられている。
前記刺繍枠移動機構18や針棒等は、マイクロコンピュータ等から構成される制御装置(図示せず)により制御されるように構成されている。そして、かかる制御装置には、メモリカード12により、外部から刺繍データが与えられるように構成されている。従って、刺繍データの内の一針毎の加工布のXY方向の移動量(針落ち位置)を指示するデータに基づいて、制御装置は、刺繍形成動作を自動的に実行することが可能となる。
【0050】
続いて、刺繍データ処理装置の電気的構成について、図2に基づき説明する。図2は刺繍データ処理装置の制御系を示すブロック図である。
図2において、制御本体部3に内蔵された制御装置20は、例えばマイクロコンピュータを主とした回路から構成されており、入出力インターフェース21、CPU22、ROM23、RAM24をバスライン25を介して相互に接続して構成されている。
【0051】
また、入出力インターフェース21には、CRTディスプレス4、キーボード5、マウス6、フレキシブルディスク(FD)装置7、フラッシュメモリ装置10、ハードディスク装置8、イメージスキャナ装置11、CD−ROM装置9が接続されている。
【0052】
前記した構成より、制御装置20は、フレキシブルディスク7Aに記憶された木構造ベクトル結合処理プログラム、木構造ベクトル分割処理プログラム、刺繍データ処理プログラム等や刺繍データをフレキシブルディスク装置7を介して読み取り、この読み取ったプログラムに従って刺繍データ作成処理を実行するように構成されているものである。
【0053】
ROM23には、刺繍データ処理装置1を動作させるに必要な制御プログラム、その他刺繍データを処理するについて必要な各種のプログラム等が記憶されている。また、RAM24には、イメージスキャナ装置11を介して読み込まれた刺繍の原画に相当する画像データを記憶する画像メモリエリア、この画像データに基づき作成された線画情報を記憶する線画情報メモリエリア、この線画情報から作成された木構造ベクトルデータを記憶する木構造ベクトルメモリエリア、該木構造ベクトルデータから作成された刺繍データやフレキシブルディスク7Aから読み取った刺繍データを記憶する刺繍データメモリエリア、その他刺繍データを作成するについて必要な各種のデータメモリ領域が設けられている。
【0054】
ここで、RAM24の線画情報メモリエリアに記憶される線画情報に基づいて作成されて、木構造ベクトルメモリエリアに記憶される木構造ベクトルデータの一例について図3及び図4に基づいて説明する。尚、この線画情報及び木構造ベクトルデータは、公知のようにイメージスキャナ装置11を介して取得された原画の画像データから作成されている(例えば、特開平8−38756号公報等参照)。
図3及び図4に示すように、原画から取得された画像データに基づいて画素1の線幅で細線化され更にベクトル化されてCRTディスプレイ4に表示される線画31は、最下端に位置する点N1が、根ノードN1に設定されている。そして、この根ノードN1から、各ノードN2〜ノードN17をつなぐ木構造ベクトルデータ32が作成され、RAM24の木構造ベクトルメモリエリアに記憶されている。
【0055】
続いて、この木構造ベクトルデータ32に基づいて作成された刺繍データ33について図5及び図6に基づいて説明する。尚、この刺繍データ33は、公知のように木構造ベクトルデータ32を構成する根ノードN1から各端ノードN3、N4、N7、N8、N11、N12、N15、N16、N17方向に連結するベクトルデータに基づいて作成されている(例えば、特開平8−38756号公報等参照)。
図5に示すように、刺繍データ33は、刺繍模様を形成する「縫い順」と、各「縫い順」の縫い始めの針落ち点が設定されたノードの位置を表す「縫い始ノード」と、各「縫い順」の縫い終わりの針落ち点が設定されたノードの位置を表す「縫い終ノード」と、各「縫い順」の縫い目を表す「縫い方」とから構成されている。従って、この刺繍データ33には、「縫い順」が、「1」番目から「30」番目までの連続した縫い目を形成する刺繍データが格納されている。
【0056】
例えば、1番目の「縫い順」は、端ノードN3の位置からノードN2の位置に向かって「縫い方」の「Zigzag」に対応するサテン縫いの縫い目が作成される刺繍データ(本打ち縫製データ)が格納されている。
また、2番目の「縫い順」は、ノードN2の位置からノードN5の位置に向かって「縫い方」の「Running」に対応する走り縫いの縫い目が作成される刺繍データ(走り縫いデータ)が格納されている。
また、3番目の「縫い順」は、ノードN5の位置からノードN6の位置に向かって「縫い方」の「Running」に対応する走り縫いの縫い目が作成される刺繍データ(走り縫いデータ)が格納されている。
従って、図6に示すように、刺繍データ33に基づいて縫製された刺繍図柄34の縫い目は連続した縫い目を形成、即ち、根ノードから端ノードに向かって走り縫い、端ノードから根ノードに向かってサテン縫い(本打ち縫い)を形成し、各走り縫いの縫い目は、それぞれサテン縫い(本打ち縫い)の縫い目によって覆われ、縫い上がりの刺繍に無駄な渡り糸が生じていない。
【0057】
次に、木構造ベクトルデータに独立した木構造ベクトルデータを結合して単一の木構造ベクトルデータを作成し、渡りの発生しない連続した縫い順の刺繍データを作成する処理についてについて図7乃至図14に基づいて説明する。尚、以下の説明においては、上記線画31に対応する木構造ベクトルデータ32に独立した木構造ベクトルデータを結合する場合について説明する。
【0058】
先ず、木構造ベクトルデータに独立した木構造ベクトルデータを結合して単一の木構造ベクトルデータを作成する木構造ベクトル結合処理について図7乃至図12に基づいて説明する。
図7乃至図9に示すように、先ず、ステップ(以下、Sと略記する)1において、CPU22は、RAM24の線画情報メモリエリアから各線画31、41の線画情報を読み出し、CRTディスプレイ4に各線画31、41を表示する。ユーザーは、この線画41をマウス6によって、線画31に結合する位置の近傍まで移動させ、この線画31と線画41の接続位置をマウス6でクリックすることにより、破線の小円によって接続部位42が表示される。これにより、CPU22は、この接続部位42内に存在する線画41のノードN22と、線画31の各ノードN2、N5を連結する線43の接続部位42内に存在する部分との接続を決定する。即ち、線画31の木構造ベクトルデータ32(TV1)の各ノードN2、N5を連結するベクトルデータN2→N5と、線画41の木構造ベクトルデータ42(TV2)のノードN22とを接続部位42として決定する。
【0059】
そして、S2おいて、CPU22は、CRTディスプレ4に表示される線画31の接続部位42内に存在する線43上に結合するノードが存在するか否かを判定する判定処理を実行する。そして、図8に示すように、線画31の接続部位42内に存在する線43上に結合するノードが存在しない場合は、図11に示すように、CPU22は、この接続部位42内の線43上において、線画41のノードN22に最も近い位置に結合ノードN22を追加する。
また、図12に示すように、CPU22は、木構造ベクトルデータ32(TV1)の各ノードN2、N5間に結合ノードN22追加して、各ノードN2、N22間を連結するベクトルデータN2→N22と、各ノードN22、N5間を連結するベクトルデータN22→N5を作成して、木構造ベクトルメモリエリアに記憶する。
一方、線画31の接続部位42内に存在する線43上に結合するノードが存在する場合は、CPU22は、木構造ベクトルデータ32(TV1)に、結合ノードを追加しない。
【0060】
続いて、S3において、CPU22は、CRTディスプレ4に表示される線画41の接続部位42内に結合するノードが存在するか否かを判定する判定処理を実行する。そして、図8に示すように、線画41の接続部位42内に結合するノードN22が存在する場合には、図10に示すように、CPU22は、線画41の木構造ベクトルデータ45(TV2)には、結合ノードを追加しない。
一方、CPU22は、線画41の接続部位42内に結合するノードが存在しない場合には、線画41の接続部位42内に存在する線上において、線画31の接続部位42内に存在する線又はノードに最も近い位置に結合ノードを追加する。また、CPU22は、木構造ベクトルデータ45(TV2)に結合ノードを追加する。
【0061】
そして、S4において、CPU22は、木構造ベクトルデータ32(TV1)の根ノードN1又は木構造ベクトルデータ45(TV2)の根ノードN20のうちのいずれの根ノードを維持するか選択する。例えば、CPU22は、各木構造ベクトルデータ32、45のうちノード数の多い方の木構造ベクトルデータ32の根ノードN1を維持するように選択し、根ノードN1を有する木構造ベクトルデータ32(TVa)として木構造ベクトルメモリエリアに再度、記憶する。
【0062】
続いて、S5において、CPU22は、図10に示すように、根ノードを維持しない方の木構造ベクトルデータ45(TV2)に対して、接続部位42に存在するノードN22を根ノードとするように各ノードN20、N21、N22、N23相互間の向きを変換し、根ノードN22を有する木構造ベクトルデータ45(TVb)として木構造ベクトルメモリエリアに再度、記憶する。
【0063】
そして、S6において、CPU22は、図11に示すように、線画31の線43上の結合ノードN22に線画41の根ノードN22を重ね合わせて、CRTディスプレイ4に表示する。また、CPU22は、図12に示すように、RAM24の木構造ベクトルメモリエリアから木構造ベクトルデータ32(TVa)と木構造ベクトルデータ45(TVb)とを読み出し、該木構造ベクトルデータ32(TVa)の追加された結合ノードN22に木構造ベクトルデータ45(TVb)の根ノードN22を結合して、単一の木構造ベクトルデータ47を作成して、木構造ベクトルメモリエリアに記憶後、当該サブ処理を終了してメインフローチャートに戻る。
【0064】
続いて、この木構造ベクトルデータ47に基づいて作成された刺繍データ49について図13及び図14に基づいて説明する。尚、この刺繍データ49は、公知のように木構造ベクトルデータ47を構成する根ノードN1から各端ノードN3、N4、N20、N23、N7、N8、N11、N12、N15、N16、N17方向に連結するベクトルデータに基づいて作成されている(例えば、特開平8−38756号公報等参照)。
図13に示すように、刺繍データ49は、上記刺繍データ33(図5参照)とほぼ同じであるが、木構造ベクトルデータ45(TVb)を結合することによって、刺繍データ33の縫い順「2」に替えて、各縫い順「2」〜「9」が追加されている。また、刺繍データ49は、刺繍データ33の縫い順「27」に替えて、各縫い順「34」、「35」が追加されている。従って、この刺繍データ49には、「縫い順」が、「1」番目から「38」番目までの連続した縫い目を形成する刺繍データが格納されている。
【0065】
例えば、1番目の「縫い順」は、端ノードN3の位置からノードN2の位置に向かって「縫い方」の「Zigzag」に対応するサテン縫いの縫い目が作成される刺繍データ(本打ち縫製データ)が格納されている。
また、2番目の「縫い順」は、ノードN2の位置からノードN22の位置に向かって「縫い方」の「Running」に対応する走り縫いの縫い目が作成される刺繍データ(走り縫いデータ)が格納されている。
また、3番目の「縫い順」は、ノードN22の位置からノードN21の位置に向かって「縫い方」の「Running」に対応する走り縫いの縫い目が作成される刺繍データ(走り縫いデータ)が格納されている。
また、4番目の「縫い順」は、ノードN21の位置からノードN20の位置に向かって「縫い方」の「Running」に対応する走り縫いの縫い目が作成される刺繍データ(走り縫いデータ)が格納されている。
従って、図14に示すように、刺繍データ49に基づいて縫製された刺繍図柄51の縫い目は、上記刺繍図柄34に線画41に対応する刺繍図柄52が追加された連続した縫い目を形成し、各走り縫いの縫い目は、それぞれサテン縫い(本打ち縫い)の縫い目によって覆われ、縫い上がりの刺繍に無駄な渡り糸が生じていない。また、根ノードを維持すると設定された木構造ベクトルデータ32(TVa)については、ノード間の向きが変更されないため、走り縫いやサテン縫い(本打ち縫製)データによる縫製時の縫いの進行方向は変わらず、縫い終点となるノードN1も維持される。
【0066】
次に、木構造ベクトルデータに独立した木構造ベクトルデータを結合して単一の木構造ベクトルデータを作成する木構造ベクトル結合処理の他の例について図15乃至図21に基づいて説明する。
図15に示すように、上記S1の処理において、CPU22は、RAM24の線画情報メモリエリアから各線画31、55の線画情報を読み出し、CRTディスプレイ4に各線画31、55を表示する。ユーザーは、この線画55をマウス6によって、線画31に結合する位置まで移動させて重ね合わせ、この線画31と線画55の接続位置をマウス6でクリックすることにより、破線の小円によって接続部位42が表示される。これにより、CPU22は、この接続部位42内に存在する線画55の各ノードN30、N31を連結する線56と、線画31の各ノードN2、N5を連結する線43との接続部位42内に存在する部分での接続を決定する。即ち、線画31の線43と線画55の線56との重なった位置を接続部位42として決定する。
【0067】
そして、上記S2の処理において、CPU22は、CRTディスプレ4に表示される線画31の接続部位42内に存在する線43上に結合するノードが存在するか否かを判定する判定処理を実行する。そして、図15に示すように、線画31の接続部位42内に存在する線43上に結合するノードが存在しない場合は、図18に示すように、CPU22は、この接続部位42内の線43上において、線画56に最も近い位置、即ち重なった位置に結合ノードN32を追加する。
また、図19に示すように、CPU22は、木構造ベクトルデータ32(TV1)の各ノードN2、N5間に結合ノードN32追加して、各ノードN2、N32間を連結するベクトルデータN2→N32と、各ノードN32、N5間を連結するベクトルデータN32→N5を作成して、木構造ベクトルメモリエリアに記憶する。
【0068】
続いて、上記S3の処理において、CPU22は、CRTディスプレ4に表示される線画55の接続部位42内に結合するノードが存在するか否かを判定する判定処理を実行する。そして、図15に示すように、線画56の接続部位42内に結合するノードが存在しない場合には、図16に示すように、CPU22は、この接続部位42内の線56上において、線43に最も近い位置、即ち重なった位置に結合ノードN32を追加する。
また、図17に示すように、CPU22は、線画55に対応する木構造ベクトルデータ58(TV2)の各ノードN30、N31間に結合ノードN32追加して、各ノードN30、N32間を連結するベクトルデータN30→N32と、各ノードN32、N31間を連結するベクトルデータN32→N31を作成して、木構造ベクトルメモリエリアに記憶する。
【0069】
そして、上記S4の処理において、CPU22は、木構造ベクトルデータ32(TV1)の根ノードN1又は木構造ベクトルデータ58(TV2)の根ノードN30のうちのいずれの根ノードを維持するか選択する。例えば、CPU22は、各木構造ベクトルデータ32、58のうちノード数の多い方の木構造ベクトルデータ32の根ノードN1を維持するように選択し、根ノードN1を有する木構造ベクトルデータ32(TVa)として木構造ベクトルメモリエリアに再度、記憶する。
【0070】
続いて、上記S5の処理において、CPU22は、図17に示すように、根ノードを維持しない方の木構造ベクトルデータ58(TV2)に対して、接続部位42に存在する結合ノードN32を根ノードとするように各ノードN30、N31、N32相互間の向きを変換し、根ノードN32を有する木構造ベクトルデータ58(TVb)として木構造ベクトルメモリエリアに再度、記憶する。
【0071】
そして、上記S6の処理において、CPU22は、図18に示すように、線画31の線43上の結合ノードN32に線画55の線56上の根ノードN32を重ね合わせて、CRTディスプレイ4に表示する。また、CPU22は、図19に示すように、RAM24の木構造ベクトルメモリエリアから木構造ベクトルデータ32(TVa)と木構造ベクトルデータ58(TVb)とを読み出し、該木構造ベクトルデータ32(TVa)の追加された結合ノードN32に木構造ベクトルデータ58(TVb)の根ノードN32を結合して、単一の木構造ベクトルデータ61を作成して、木構造ベクトルメモリエリアに記憶後、当該サブ処理を終了してメインフローチャートに戻る。
【0072】
続いて、この木構造ベクトルデータ61に基づいて作成された刺繍データ62について図20及び図21に基づいて説明する。尚、この刺繍データ61は、公知のように木構造ベクトルデータ61を構成する根ノードN1から各端ノードN3、N4、N30、N31、N7、N8、N11、N12、N15、N16、N17方向に連結するベクトルデータに基づいて作成されている(例えば、特開平8−38756号公報等参照)。
図20に示すように、刺繍データ62は、上記刺繍データ33(図5参照)とほぼ同じであるが、木構造ベクトルデータ58(TVb)を結合することによって、刺繍データ33の縫い順「2」に替えて、各縫い順「2」〜「7」が追加されている。また、刺繍データ62は、刺繍データ33の縫い順「27」に替えて、各縫い順「32」、「33」が追加されている。従って、この刺繍データ62には、「縫い順」が、「1」番目から「36」番目までの連続した縫い目を形成する刺繍データが格納されている。
【0073】
例えば、1番目の「縫い順」は、端ノードN3の位置からノードN2の位置に向かって「縫い方」の「Zigzag」に対応するサテン縫いの縫い目が作成される刺繍データ(本打ち縫製データ)が格納されている。
また、2番目の「縫い順」は、ノードN2の位置からノードN32の位置に向かって「縫い方」の「Running」に対応する走り縫いの縫い目が作成される刺繍データ(走り縫いデータ)が格納されている。
また、3番目の「縫い順」は、ノードN32の位置からノードN30の位置に向かって「縫い方」の「Running」に対応する走り縫いの縫い目が作成される刺繍データ(走り縫いデータ)が格納されている。
また、4番目の「縫い順」は、ノードN30の位置からノードN32の位置に向かって「縫い方」の「Zigzag」に対応するサテン縫いの縫い目が作成される刺繍データ(本打ち縫製データ)が格納されている。
従って、図21に示すように、刺繍データ62に基づいて縫製された刺繍図柄63の縫い目は、上記刺繍図柄34に線画55に対応する刺繍図柄64が追加された連続した縫い目を形成し、各走り縫いの縫い目は、それぞれサテン縫い(本打ち縫い)の縫い目によって覆われ、縫い上がりの刺繍に無駄な渡り糸が生じていない。また、根ノードを維持すると設定された木構造ベクトルデータ32(TVa)については、ノード間の向きが変更されないため、走り縫いやサテン縫い(本打ち縫製)データによる縫製時の縫いの進行方向は変わらず、縫い終点となるノードN1も維持される。
【0074】
ここで、CPU22、ROM23、RAM24は、木構造ベクトルデータ作成手段、刺繍データ作成手段、結合木構造ベクトルデータ作成手段、第1結合ノード追加手段、第2結合ノード追加手段、根ノード設定手段を構成する。また、キーボード5、マウス6は、指示手段として機能する。また、CPU22は、第1ノード検出手段、第2ノード検出手段として機能する。
【0075】
以上詳細に説明した通り実施例1に係る刺繍データ処理装置1では、図8に示すように、線画31の接続部位42内に存在する線43上に結合するノードが存在しない場合は、図11に示すように、CPU22は、この接続部位42内の線43上において、線画41のノードN22に最も近い位置に結合ノードN22を追加する。また、図12に示すように、木構造ベクトルデータ32(TV1)の各ノードN2、N5間に結合ノードN22追加して、各ノードN2、N22間を連結するベクトルデータN2→N22と、各ノードN22、N5間を連結するベクトルデータN22→N5を作成して、木構造ベクトルデータ32(TVa)作成する(S1〜S3)。そして、図10に示すように、根ノードを維持しない方の木構造ベクトルデータ45(TV2)に対して、接続部位42に存在するノードN22が根ノードになるように木構造を変換して木構造ベクトルデータ45(TVb)を作成する。そして、木構造ベクトルデータ45(TVb)の根ノードN22を木構造ベクトルデータ32(TVa)の結合ノードN22と結合して、単一の木構造ベクトルデータ47を作成する(S4〜S6)。そして、この木構造ベクトルデータ47に基づいて連続した縫い目の刺繍データ49を作成する。
【0076】
これにより、ユーザは、木構造ベクトルデータ32の任意のノード間のベクトルデータ上に木構造ベクトルデータ45の端ノードを結合するように接続部位42を指示することによって、この木構造ベクトルデータ32の任意のノード間のベクトルデータ上に木構造ベクトルデータ45の端ノードを簡単に結合することが可能となる。このため、ユーザの希望する刺繍図柄51等をより容易に形成することができると共に、縫い上がりに無駄な渡り糸が生じない高品質で綺麗な刺繍図柄51を形成できる。
また、結合ノード22は、接続部位42に存在する線43上のノードN22に最も近い位置に追加されるため、ユーザは、線画41を線画31の希望する接続位置の近くに配置後、接続部位42を指示することによって、各木構造ベクトルデータ32、45を容易に結合して、単一の木構造ベクトルデータ47を作成することができる。
【0077】
また、図15に示すように、接続部位42内の各線画31、55にノードが存在しない場合には、CPU22は、各線画31、55の各線43、56の重なった位置に各結合ノードN32を追加する。また、図19に示すように、CPU22は、木構造ベクトルデータ32(TV1)の各ノードN2、N5間に結合ノードN32追加して、各ノードN2、N32間を連結するベクトルデータN2→N32と、各ノードN32、N5間を連結するベクトルデータN32→N5を作成する。また、CPU22は、木構造ベクトルデータ58(TV2)の各ノードN30、N31間に結合ノードN32追加して、各ノードN30、N32間を連結するベクトルデータN30→N32と、各ノードN32、N31間を連結するベクトルデータN32→N31を作成する(S1〜S3)。そして、図19に示すように、木構造ベクトルデータ32(TVa)の追加された結合ノードN32に木構造ベクトルデータ58(TVb)の根ノードN32を結合して、単一の木構造ベクトルデータ61を作成する(S4〜S6)。そして、この木構造ベクトルデータ61に基づいて連続した縫い目の刺繍データ62を作成する。
【0078】
これにより、ユーザは、線画31の任意の線に、線画55の線56を重ねて接続部位42を指示することによって、木構造ベクトルデータ32の任意のノード間のベクトルデータ上に木構造ベクトルデータ58のベクトルデータN30→N31を簡単に結合して、単一の木構造ベクトルデータ61を作成することが可能となる。このため、ユーザの希望する刺繍図柄63等を更に容易に形成することができると共に、縫い上がりに無駄な渡り糸が生じない高品質で綺麗な刺繍図柄63を形成できる。
【実施例2】
【0079】
次に、実施例2に係る刺繍データ処理装置及びプログラムについて図22乃至図28に基づいて説明する。尚、以下の説明において上記図1乃至図21の実施例1に係る刺繍データ処理装置1及びプログラムの構成等と同一符号は、該実施例1に係る刺繍データ処理装置1及びプログラムの構成等と同一あるいは相当部分を示すものである。
実施例2に係る刺繍データ処理装置の概略構成は、実施例1に係る刺繍データ処理装置1とほぼ同じ構成である。また、実施例2に係る刺繍データ処理装置の各種制御処理も実施例1に係る刺繍データ処理装置1とほぼ同じ制御処理である。
但し、実施例2に係る刺繍データ処理装置は、木構造ベクトルデータ32を複数の木構造ベクトルデータに分割する点で実施例1に係る刺繍データ処理装置1と異なっている。
【0080】
木構造ベクトルデータ32を分割して複数の木構造ベクトルデータに作成する木構造ベクトル分割処理について図22乃至図28に基づいて説明する。
図22に示すように、S11において、CPU22は、RAM24の線画情報メモリエリアから線画31の線画情報を読み出し、CRTディスプレイ4に線画31を表示する。そして、ユーザーは、この線画31のノードN5で刺繍図柄34(図6参照)を分割して、縫い順を別々にすることを希望する場合は、このノードN5をマウス6でクリックする。一方、CPU22は、ノード5をマウス6でクリックされた場合には、図23に示すように、線画31のノード5を中心とした部分拡大図をCRTディスプレイ4に表示する。そして、ユーザがマウス6を操作して、ノード5とノード6の間の線71のノードN5側端縁部、即ち線71のノードN5近傍位置を横切るようにカーソルを動かすことによって、CPU22は、このカーソルが横切った位置に対応する木構造ベクトルデータ32(図4参照)上を分割部位として決定する。
【0081】
また、S12において、CPU22は、線71のカーソルが横切った位置の近傍にノードがあるか否かを判定する判定処理を実行する。そして、この線71のカーソルが横切った位置の近傍にノードN5が存在する場合は、このノードN5を木構造ベクトルデータ32の分割ノードとしてRAM24に記憶する。
一方、この線71のカーソルが横切った位置の近傍にノードが存在しない場合には、この線71のカーソルが横切った位置に分割ノードを追加すると共に、木構造ベクトルデータ32のノードN5とノードN6との間のベクトルデータN5→N6上に分割ノードを追加して、木構造ベクトルデータメモリエリアに記憶する。
【0082】
そして、S13において、CPU22は、図24に示すように、RAM24から分割ノードを読み出して、該分割ノードがノードN5の場合には、線画31をノードN5で分割して、根ノードN1を有する部分線画73と各ノードN5〜N8を有する部分線画75とに分離してCRTディスプレイ4に表示する。
一方、RAM24から読み出した分割ノードが追加された分割ノードである場合は、線画31をこの分割ノードで分割して、根ノードN1を有する部分線画と、分割ノード及び各ノードN6〜N8を有する部分線画とに分離してCRTディスプレイ4に表示する。
【0083】
また、CPU22は、図25に示すように、木構造ベクトルデータ32を分割ノードであるノード5で分割して、部分線画73に対応する根ノードN1を有する部分木構造ベクトルデータ77と、部分線画75に対応する部分木構造ベクトルデータ78とに分離する。また、CPU22は、部分木構造ベクトルデータ78の分割ノードN5が根ノードになるように変換し、根ノードN5を有する部分木構造ベクトルデータ78として木構造ベクトルメモリエリアに記憶する。また、CPU22は、根ノードN1を有する部分木構造ベクトルデータ77を木構造ベクトルメモリエリアに記憶し、当該サブ処理を終了してメインフローチャートに戻る。
一方、ノードN5とノードN6との間のベクトルデータN5→N6上に分割ノードが追加された場合には、木構造ベクトルデータ32をこの分割ノードで分割して、根ノードN1を有する一方の部分木構造ベクトルデータと、分割ノード及び各ノードN6〜N8を有する他方の部分木構造ベクトルデータとに分離する。また、この他方の部分木構造ベクトルデータの分割ノードが根ノードになるように変換する。そして、この一方の部分木構造ベクトルデータと他方の部分木構造ベクトルデータとを木構造ベクトルメモリエリアに記憶し、当該サブ処理を終了してメインフローチャートに戻る。
【0084】
続いて、各部分木構造ベクトルデータ77、78に基づいて作成された各刺繍データ81、82について図26乃至図28に基づいて説明する。尚、刺繍データ81は、公知のように部分木構造ベクトルデータ77を構成する根ノードN1から各端ノードN3、N4、N11、N12、N15、N16、N17方向に連結するベクトルデータに基づいて作成されている(例えば、特開平8−38756号公報等参照)。また、刺繍データ82は、 公知のように部分木構造ベクトルデータ78を構成する根ノードN5から各端ノードN7、N8方向に連結するベクトルデータに基づいて作成されている(例えば、特開平8−38756号公報等参照)。
図26に示すように、刺繍データ81は、上記刺繍データ33(図5参照)とほぼ同じであるが、木構造ベクトルデータ32のノードN5で各ノードN6〜N8を分離したため、刺繍データ33の縫い順「3」〜「8」が削除されている。従って、この刺繍データ81には、「縫い順」が、「1」番目から「24」番目までの連続した縫い目を形成する刺繍データが格納されている。
【0085】
例えば、1番目の「縫い順」は、端ノードN3の位置からノードN2の位置に向かって「縫い方」の「Zigzag」に対応するサテン縫いの縫い目が作成される刺繍データ(本打ち縫製データ)が格納されている。
また、2番目の「縫い順」は、ノードN2の位置からノードN5の位置に向かって「縫い方」の「Running」に対応する走り縫いの縫い目が作成される刺繍データ(走り縫いデータ)が格納されている。
また、3番目の「縫い順」は、ノードN5の位置からノードN9の位置に向かって「縫い方」の「Running」に対応する走り縫いの縫い目が作成される刺繍データ(走り縫いデータ)が格納されている。
また、4番目の「縫い順」は、ノードN9の位置からノードN10の位置に向かって「縫い方」の「Running」に対応する走り縫いの縫い目が作成される刺繍データ(走り縫いデータ)が格納されている。
従って、図28に示すように、刺繍データ81に基づいて縫製された刺繍図柄85の縫い目は、上記部分線画73に対応する連続した縫い目を形成し、各走り縫いの縫い目は、それぞれサテン縫い(本打ち縫い)の縫い目によって覆われ、縫い上がりの刺繍に無駄な渡り糸が生じていない。
【0086】
また、図27に示すように、刺繍データ82は、上記木構造ベクトルデータ32のノードN5〜ノードN8に対応する刺繍データ33の縫い順「3」〜「8」を縫い順「1」〜「6」としている。従って、この刺繍データ82には、「縫い順」が、「1」番目から「6」番目までの連続した縫い目を形成する刺繍データが格納されている。
例えば、1番目の「縫い順」は、根ノードN5の位置からノードN6の位置に向かって「縫い方」の「Running」に対応する走り縫いの縫い目が作成される刺繍データ(走り縫いデータ)が格納されている。
また、2番目の「縫い順」は、ノードN6の位置から端ノードN7の位置に向かって「縫い方」の「Running」に対応する走り縫いの縫い目が作成される刺繍データ(走り縫いデータ)が格納されている。
また、3番目の「縫い順」は、端ノードN7の位置からノードN6の位置に向かって「縫い方」の「Zigzag」に対応するサテン縫いの縫い目が作成される刺繍データ(本打ち縫製データ)が格納されている。
従って、図28に示すように、刺繍データ82に基づいて糸の色を変更して縫製された刺繍図柄86の縫い目は、上記部分線画75に対応する連続した縫い目を形成し、各走り縫いの縫い目は、それぞれサテン縫い(本打ち縫い)の縫い目によって覆われ、縫い上がりの刺繍に無駄な渡り糸が生じていない。また、刺繍図柄86は、刺繍図柄85のノード5に対応する位置から連続した縫い目を形成している。また、ノード間の向きは分割前と変更されないため、走り縫いやサテン縫い(本打ち縫製)データによる縫製時の縫いの進行方向を、分割前の縫いの進行方向と同じ方向にすることができる。
【0087】
ここで、CPU22、ROM23、RAM24は、木構造ベクトルデータ作成手段、刺繍データ作成手段、木構造ベクトルデータ分割手段、根ノード変換手段を構成する。また、キーボード5、マウス6は、分割部位入力手段として機能する。また、CPU22は、ノード検出手段として機能する。
【0088】
以上詳細に説明した通り実施例2に係る刺繍データ処理装置では、図23及び図24に示すように、ユーザがマウス6を操作して、線画31の線71をノードN5で分割するように指示した場合には、線画31がノードN5で分割され、各部分線画73、75とに分離されてCRTディスプレイ4に表示される。また、図25に示すように、木構造ベクトルデータ32は、ノードN5で分割され、ノードN1を根ノードとし、各ノードN6〜N8が削除された部分木構造ベクトルデータ77と、分割ノードであるノードN5を根ノードとし、各ノードN5〜N8で構成される部分木構造ベクトルデータ78とに分割される。そして、各部分木構造ベクトルデータ77、78に基づいて各刺繍データ81、82が作成される。また、この刺繍データ81に基づいて縫製された刺繍図柄85の縫い目は、上記部分線画73に対応する連続した縫い目を形成する。また、刺繍データ82に基づいて糸の色を変更して縫製された刺繍図柄86の縫い目は、上記部分線画75に対応する連続した縫い目を形成し、刺繍図柄85のノード5に対応する位置から連続した縫い目を形成する。
【0089】
これにより、ユーザは、マウス6を操作して、線画31の線71をノードN5で分割するように指示した場合には、線画31がノードN5で分割され、各部分線画73、75とに分離されてCRTディスプレイ4に表示されるため、刺繍図柄34(図6参照)の糸の色を変える部分を容易に確認することができる。
また、ユーザがマウス6を操作して、線画31の線71をノードN5で分割するように指示することによって、木構造ベクトルデータ32のノード5において、各ノードN6〜N8を分割して、各部分木構造ベクトルデータ77、78を作成することが可能となる。このため、各部分木構造ベクトルデータ77、78に基づいて、独立した連続する縫い順の各刺繍データ81、82を作成することが可能となり、縫い上がりに無駄な渡り糸が生じない高品質で綺麗な各刺繍図柄85、86を形成できると共に、各刺繍データ81、82に基づいて各刺繍図柄85、86のそれぞれを任意の色の糸で縫製することが可能となる。
また、ユーザがマウス6を操作して、線画31の任意の線を分割部位として指示した場合には、木構造ベクトルデータ32の分割部位に対応するベクトルデータ上に分割ノードが追加されるため、ユーザは、線画31の任意の線上に分割部位を設定することが可能となり、刺繍図柄34の任意の部分の糸の色を変えた刺繍データを作成することが可能となる。
【0090】
尚、本発明は上記実施例1及び実施例2に限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。例えば、以下のようにしてもよい。尚、以下の説明において上記図1乃至図28の実施例1及び実施例2に係る刺繍データ処理装置1及びプログラムの構成等と同一符号は、該実施例1及び実施例2に係る刺繍データ処理装置1及びプログラムの構成等と同一あるいは相当部分を示すものである。
【実施例3】
【0091】
単一の木構造ベクトルデータを分割後、再度結合して端ノードの位置を変換し、該木構造ベクトルデータに基づいて作成される刺繍データの縫い順を変更する木構造ベクトルデータ変換処理について図29及び図30に基づいて説明する。
図29の上側左端に示すように、線画91は、最上端に位置する点N1が根ノードN1に設定され、図30の左端に示すように、この根ノードN1から各ノードN2、N3、N4に至る木構造ベクトルデータ92が作成され、RAM24の木構造ベクトルメモリエリアに記憶されている。そして、図29の下側左端に示すように、この木構造ベクトルデータ92に基づいて刺繍データを作成し、縫製された刺繍図柄93は、線画91のノードN2に対応する位置で、縫い方向が急激に曲がるため、ノードN3からノードN4に達する縫い目に対して不連続な縫い目を構成し、見栄えが悪くなっている。
【0092】
そこで、図29の上側左端に示すように、マウス6を操作して線画91のノードN2の位置で分割指示した場合には、図29の上側中央に示すように、CPU22は、このノードN2で線画91を分割し、各部分線画95、96に分離して表示する。これにより、図30の中央に示すように、CPU22は、木構造ベクトルデータ92をノードN2で分割して、根ノードN1を有する部分木構造ベクトルデータ98と、分割ノードN2を根ノードとする部分木構造ベクトルデータ99とを作成し、木構造ベクトルメモリエリアに記憶する。
【0093】
続いて、図29の上側中央に示すように、キーボード5又はマウス6を操作して部分線画95の端ノードN2と、部分線画96の端ノードN4とを接続するように接続部位101を指示することによって、図29の上側右端に示すように、CPU22は、部分線画95の端ノードN2に部分線画96の端ノードN4を重ね合わせた線画103をCRTディスプレイ4に表示する。また、図30の右端に示すように、CPU22は、元の根ノードN1を維持するように該根ノードN1を有する部分木構造ベクトルデータ98の端ノードN2に部分木構造ベクトルデータ99の端ノードN4を結合すると共に、部分木構造ベクトルデータ99の根ノードN2を端ノードN2に変換して単一の木構造ベクトルデータ105を作成して、木構造ベクトルメモリエリアに記憶する。そして、図29の下側右端に示すように、この木構造ベクトルデータ105に基づいて刺繍データを作成し、縫製された刺繍図柄106は、線画103のノードN4に対応する位置で連続した縫い目を構成し、見栄えのよい刺繍図柄を形成する。
【0094】
従って、ユーザは、キーボード5又はマウス6を操作して、CRTディスプレ4に表示される線画91をノード2の位置で分割し、分割された各部分線画95、96を近傍に位置する各端ノードN2、N4で再度結合することによって、木構造ベクトルデータ92の端ノードの変換を行って木構造ベクトルデータ105を作成することが可能となり、該木構造ベクトルデータ105に基づいて元の連続した縫い目の刺繍データの縫い順を変更し、縫い上がりに無駄な渡り糸が生じない高品質でより綺麗な刺繍図柄106を形成できる。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】実施例1に係る刺繍データ処理装置の概略構成を示す斜視図である。
【図2】刺繍データ処理装置の制御系を示すブロック図である。
【図3】RAMの線画情報メモリエリアに記憶される線画情報をCRTディスプレイに表示した一例を示す図である。
【図4】図3に示す線画から作成された木構造ベクトルデータの一例を示す図である。
【図5】図4に示す木構造ベクトルデータから作成された刺繍データの一例を示す図である。
【図6】図5に示す刺繍データに基づいて縫製された刺繍縫い目の一例を示す図である。
【図7】木構造ベクトルデータに独立した木構造ベクトルデータを結合して単一の木構造ベクトルデータを作成する木構造ベクトル結合処理プログラムを示すフローチャートである。
【図8】表示画面に表示された線画を介して、木構造ベクトルデータに独立した木構造ベクトルデータを結合する表示画面の一例を示す図である。
【図9】図8の結合する線画を示す拡大図である。
【図10】図9の線画に対応する木構造ベクトルデータの接続部位に存在するノードを根ノードになるように変換した木構造を示す図である。
【図11】図8の接続部位で線とノードとを結合した線画の一例を示す図である。
【図12】図11の線画から作成される木構造ベクトルデータの一例を示す図である。
【図13】図12の木構造ベクトルデータに基づいて作成された刺繍データの一例を示す図である。
【図14】図13に示す刺繍データに基づいて縫製された刺繍縫い目の一例を示す図である。
【図15】表示画面に表示された線画を介して、木構造ベクトルデータに独立した木構造ベクトルデータを結合する表示画面の他の例を示す図である。
【図16】図15の結合する線画の接続部位に結合ノードの追加を示す拡大図である。
【図17】図16の線画に対応する木構造ベクトルデータの接続部位に存在するノードを根ノードになるように変換した木構造を示す図である。
【図18】図15の接続部位で線と線とを結合した線画の一例を示す図である。
【図19】図18の線画から作成される木構造ベクトルデータの一例を示す図である。
【図20】図19の木構造ベクトルデータに基づいて作成された刺繍データの一例を示す図である。
【図21】図20に示す刺繍データに基づいて縫製された刺繍縫い目の一例を示す図である。
【図22】実施例2に係る刺繍データ処理装置の木構造ベクトルデータに分割して複数の独立した部分木構造ベクトルデータを作成する木構造ベクトル分割処理プログラムを示すフローチャートである。
【図23】線画の分割部位を拡大表示して分割位置を入力する表示画面の一例を示す図である。
【図24】図23の分割部位で分割された各線画を表示する一例を示す図である。
【図25】図24の分割された各線画に対応する各部分木構造ベクトルデータの一例を示す図である。
【図26】図25の分割前の根ノードを有する部分木構造ベクトルデータに基づいて作成された刺繍データの一例を示す図である。
【図27】図25の分割ノードを根ノードに変換した部分木構造ベクトルデータに基づいて作成された刺繍データの一例を示す図である。
【図28】図26及び図27に示す刺繍データに基づいて縫製された刺繍縫い目の一例を示す図である。
【図29】他の実施例に係る刺繍データ処理装置の線画を分割し、この分割後、再度、結合した場合における、各線画の表示状態を上側に示し、分割前と結合後の各線画に対応する刺繍図柄の一例を下側に示す図である。
【図30】図29の分割前の線画に対応する木構造ベクトルデータ、分割後の各部分線画に対応する各部分木構造ベクトルデータ、及び結合後の線画に対応する木構造ベクトルデータの一例を示す図である。
【符号の説明】
【0096】
1 刺繍データ処理装置
2 刺繍ミシン
3 制御本体部
4 CRTディスプレイ
5 キーボード
7 フレキシブルディスク装置
7A フレキシブルディスク
8 ハードディスク装置
20 制御装置
22 CPU
23 ROM
24 RAM
31、41、55、91、103 線画
73、75、95、96 部分線画
32、45、47、58、61、92、105 木構造ベクトルデータ
77、78、98、99 部分木構造ベクトルデータ
33、49、62、81、82 刺繍データ
34、51、52、63、64、85、86、93、106 刺繍図柄
42、101 接続部位
43、56、71 線




 

 


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