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発明の名称 印材、印材の製造方法及び印材を備えた印判
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−15368(P2007−15368A)
公開日 平成19年1月25日(2007.1.25)
出願番号 特願2005−369223(P2005−369223)
出願日 平成17年12月22日(2005.12.22)
代理人 【識別番号】100104178
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 尚
発明者 北村 裕美 / 神戸 一幸
要約 課題
一種類の材料で複雑な工程を経ることなく製造可能で、シャープな印影を得られる印材及びその製造方法、その印材を備えた印判を提供する。

解決手段
ポリオレフィン樹脂を一体成形して、凹凸を含めた印字面211、突設部212及び連結部を得る。次いで、成形された後の印材の全体をインクに数時間浸しておく。インク含浸部214にインクが充分含浸された後、印材の全体を50〜75℃の恒温槽において1〜12時間加熱する。すると、印材の全体の表面が0.5〜5%程度収縮し、表面部215が得られる。
特許請求の範囲
【請求項1】
熱可塑性樹脂の連続気泡体からなる印材であって、
インクが含浸された含浸部と、
当該インクが含浸された含浸部の表面が加熱されることにより収縮硬化してなる表面部とを有する印材。
【請求項2】
前記熱可塑性樹脂は、ポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の印材。
【請求項3】
連続気泡を有する熱可塑性樹脂を用いて印面部を成形する成形工程と、
当該成形工程において成形された後の前記印面部をインクに浸すことにより、前記連続気泡内にインクを含浸させるインク含浸工程と、
当該インク含浸工程を経てインクが含浸された後の印面部を加熱することによりインクが含浸された含浸部の表面を収縮硬化させる加熱工程とからなる印材の製造方法。
【請求項4】
前記熱可塑性樹脂は、ポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項3に記載の印材の製造方法。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の印材を備えた印判。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、印材、印材の製造方法及び印材を備えた印判に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、表面に凹凸のある印字面を有する印材(以下、「印字体」ともいう)を、多孔質材料で形成し、インクを含浸させておくことにより、数回連続して捺印が可能な印判が知られている。このような印材では、押印時の圧力で印材が圧縮変形し、インクが表面に絞り出されて印影を形成する。ところが、印材にかかる圧力が常に適切になるとは限らないため、圧力不足で印影が掠れたり、圧力過大でインクが過剰となって印影が滲んでしまうことが発生する。
【0003】
このような捺印品質のばらつきを防ぎ、美しい印影を得るために、例えば、特許文献1及び特許文献2では、一次成形されたゴムベース層に、硬度の異なる中間ゴム層と多孔性ゴム被覆層とを積層成形して印字体を製造し、シャープな印影を得られるようにしている。
【特許文献1】特開昭60−143990号公報
【特許文献2】特開昭60−220781号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の製造方法による印字体では、異なる硬度のゴム材料を用意して、成型を2段階にて行なう必要があった。
【0005】
本発明は上記問題を解決するためになされたものであり、一種類の材料で複雑な工程を経ることなく製造可能で、シャープな印影を得られる印材及びその製造方法、その印材を備えた印判を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の印材は、熱可塑性樹脂の連続気泡体からなる印材であって、インクが含浸された含浸部と、当該インクが含浸された含浸部の表面が加熱されることにより収縮硬化してなる表面部とを有する。
【0007】
また、本発明の請求項2に記載の印材は、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の請求項3に記載の印材の製造方法は、連続気泡を有する熱可塑性樹脂を用いて印面部を成形する成形工程と、当該成形工程において成形された後の前記印面部をインクに浸すことにより、前記連続気泡内にインクを含浸させるインク含浸工程と、当該インク含浸工程を経てインクが含浸された後の印面部を加熱することによりインクが含浸された含浸部の表面を収縮硬化させる加熱工程とからなる。
【0009】
また、本発明の請求項4に記載の印材の製造方法は、請求項3に記載の発明の構成に加え、前記熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項5に記載の印判は、請求項1又は2に記載の発明の印材を備えている。
【発明の効果】
【0011】
本発明の請求項1に記載の印材によれば、熱可塑性樹脂の連続気泡体を成型し、その連続気泡部にインクを含浸した後に加熱することにより、表面が収縮硬化するので、表面部の硬度が上がる。従って、この印材を用いた印判では、押印時に圧力変形過大で印影が潰れたり掠れたりすることなく、シャープな印影を得ることができる。
【0012】
また、本発明の請求項2に記載の印材は、請求項1に記載の発明の効果に加え、前記熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン系樹脂であるため、従来から印材に用いられている材料を成形、インク含浸後に加熱することにより、安価簡単にシャープな印影を提供する印材を得ることができる。
【0013】
また、本発明の請求項3に記載の印材の製造方法によれば、熱可塑性樹脂を用いて印面部を成形し、その印面部にインクを含浸させた後に加熱し、含浸部の表面を収縮硬化させる。従来から用いられている成型、インク含浸工程に加え、印面部の加熱をするのみであるから、複雑な工程を経ることなく、所望の印材を得ることができる。
【0014】
さらに、本発明の請求項4に記載の印材の製造方法は、請求項3に記載の発明の効果に加え、従来同様ポリオレフィン系樹脂を用いて製造するので、材料の変更により製造上の難しさが発生することもない。
【0015】
また、本発明の請求項5に記載の印判は、請求項1又は2に記載の発明の作用効果を奏することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
次に、本発明を実施するための最良の形態として、本発明を、回転により印字面の変更が可能な日付印1用の印材に適用した実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、印材210の平面図である。図2は、印材210の突設部212の断面図である。図3は、インク含浸後の印材210の突設部212の断面図である。図4及び図5は、加熱後の印材210の突設部212の断面図である。
【0017】
図1に示すように、印材210は、ポリオレフィン樹脂の連続気泡体からなり、先端に印字面211を有する、略直方体状の複数の突設部212が、連結部213により連結されてなっている。印字面211には、数字や文字や記号等が凹凸により形成されている。本実施形態では、印材210は、変更可能な日付印の印字部として用いられるため、印字面211には、例えば、0〜9の数字や、1〜12の数字が形成され、印材210は、変更が必要な数だけの突設部212を有している。
【0018】
また、上記の構成の印材210の突設部212は、図2に示すように、内部に空洞219を有するポリオレフィン樹脂の連続気泡体からなり、突設部212内部の空洞219でない部分は、連続気泡内にインクを保持し、印面部211にインクを供給するためのインク含浸部214として機能する。印材210の全体をインクに含浸すると、突設部212の連続気泡内にインクが浸透し、図3に示すように、インクを保持したインク含浸部214となる。
【0019】
さらに、印材210を形成するポリオレフィン樹脂は、熱可塑性樹脂であるため、その全体を恒温槽において加熱(アニール)すると、図4に示すように、熱により表面が収縮硬化し、内部よりも密度の高い表面部215が得られる。尚、表面部は、図4に示すように、インク含浸部214に層状となったものに限らず、図5に示すような、収縮部分にむらのある状態の表面部216であってもよい。
【0020】
このような印材210を製造するには、まず、ポリオレフィン樹脂を一体成形して、凹凸を含めた印字面211,突設部212,連結部213を得る。次いで、成形された後の印字面211,突設部212,連結部213からなる印材210の全体をインクに数時間浸しておく。インクが充分含浸された後、印字面211,突設部212,連結部213からなる印材210の全体を55〜75℃の恒温槽において1時間以上加熱する。すると、印材210の全体の表面が0.5〜5%程度収縮し、表面部215が得られる。印字面211は、表面部215の一部をなすため、印影を形成する凹凸部も収縮硬化して硬度が増している。従って、圧力を加えた場合にも、凹凸による印影が掠れたり滲んだりすることが少なく、シャープな印影を得ることができる。また、収縮硬化した結果、表面部215の気孔径が印材210の内部の気孔径よりも小さくなるため、毛細管力により、常に印材210の内部から表面部215にインクが補充されることとなり、かすれが発生しにくくなる。さらに、インクの追従性が良いため、連続して捺印を実行しても印影の濃度の低下が非常に少ないという効果がある。
【0021】
ここで、ポイントとなるのは収縮率であり、収縮率が0.5%未満の場合、印影のかすれや滲みが発生する。また、5%を超えると印影が収縮しすぎてしまい、本来の印影と異なるものになったり、耐熱強度が劣化したりするおそれがある。また、このような最適な収縮率を得るためのアニール条件は、印材の材質により異なるため、上記の条件に限られるものではなく、0.5〜5%の収縮率を安定して得られるものであれば、本実施形態の趣旨に該当する。
【0022】
次に、材質の異なる印材Aと印材Bについて、アニール条件を変えて収縮率を計測した実施例1及び実施例2について図7及び図8を参照して説明する。図7は、印材Aのアニール温度と収縮率の関係を示すグラフである。図8は、印材Bのアニール温度と収縮率の関係を示すグラフである。
【0023】
[実施例1]
ポリオレフィン樹脂からなる印材Aを65℃、70℃、75℃の恒温槽で加熱し、それぞれの収縮率を計測した。ここで、収縮率の計測は、長尺状に形成された印材210の長手方向の長さL(図1参照)を、加熱前と加熱後で計測し、その差ΔLをLで除した値を用いた。尚、収縮率の計測は、印材210の長さに限らず、印材210の幅や突設部212の高さでも同様に計測することができる。本実施例では、最も誤差が少ない長さLを用いて計測したものである。図7に示すように、65℃で加熱した場合には、3時間で約1.0%の収縮率であり、5時間で約1.3%の収縮率の表面部215が得られた。また、70℃で加熱した場合には、3時間で約1.8%、5時間で約2.7%、8時間で約3%、12時間で約3.7%の収縮率の表面部215が得られた。さらに、75℃で加熱した場合には、3時間で約3/9%、5時間で約5.6%の収縮率の表面部215が得られた。
【0024】
[実施例2]
ポリオレフィン樹脂からなるが、印材Aとは材質の異なる印材Bを55℃、60℃、65℃、70℃の恒温槽で加熱し、それぞれの収縮率を、実施例1と同様に長さLについて計測した。図8に示すように、55℃で加熱した場合には、1時間で約0.4%の収縮率であり、2時間で約0.5%、4時間で約0.4%の収縮率の表面部215が得られた。また、60℃で加熱した場合には、1時間で約1.0%、2時間で約1.3%、4時間で約1.7%、7時間で約1.8%、15時間で約1.8%の収縮率の表面部215が得られた。さらに、65℃で加熱した場合には、1時間で約1.6%、2時間で約2.7%、4時間で約3.4%、7時間で約4.4%、15時間で約4.4%の収縮率の表面部215が得られた。また、70℃で加熱した場合には、1時間で約2.4%、2時間で約5.2%、4時間で約7.0%の収縮率の表面部215が得られた。
【0025】
次に、以上の印材210を用いた印判である日付印1について説明する。図6は、日付印1の断面図である。図6に示すように、日付印1は、略円筒状の本体ケース2の端部に、本体ケース2の軸方向に対して直交する略円形状の印字面が保持されている。そして、この印字面は、印影が不変の印字面と、数字や記号などを組み合わせて任意の日付等の印影を形成可能な印字面との合成により、一つの印影を形成するようになっている。そして、任意の印影を形成可能な印字面として、本発明の印材210が用いられる。
【0026】
本体ケース2の内部には、印材210を保持する回動印字部200と、印影が不変の印字面である印字面111を保持する固定印字部100とが収容されている。固定印字部100は、本体ケース2の内周に嵌合する保持部材120に、印字面111を有する固定印字体112とその固定印字体112に接触してインクを供給するインク貯蔵体113とが保持されて構成されている。
【0027】
詳細には、固定印字部100は、印字面111を有する固定印字体112の背面にインク貯蔵体113が保持部材120により保持されている。インク貯蔵体113は、例えば多孔性樹脂からなり、内部にインクを染み込ませることによってインクを貯蔵することができる。固定印字体112は、インク貯蔵体113と同様に多孔性樹脂からなり、その印字面111は、公知のように、固定印字体112の印影となる部分をマスクした状態で圧縮しつつ露光し、露光された部分が溶解して孔を塞ぐことによって形成される。固定印字体112の略中央には、略長方形の孔部117が形成され、この孔部117からは、回動印字部200の印字面211が露出される。
【0028】
回動印字部200は、本体ケース2内に、略長板状の保持体230に5本の印材210を保持して構成されている。保持体230には、長手方向に沿って、個別に回転可能なベルト体220が5本が並列して設けられており、その外周面のそれぞれに印材210が設けられている。各ベルト体220上に設けられた印材210は、ベルト体220の半周以下の長さであり、ベルト体220の回転とともにその位置が移動されるように固定されている。また、ベルト体220の外周面には、各ベルト体220を個々に回転させる際にスライド操作するスライド部221が突設されており、本体ケース2の長手方向に沿ってスライド部221をスライド回動させることでベルト体220を回転させることができる。
【0029】
以上の構成の日付印1によれば、操作者が印字面を被捺印媒体に接触させ、本体ケース2の軸方向に圧力をかけると、インク貯蔵体113から印字面111にインクが供給されるとともに、印材210のインク含浸部214から印字面211にインクが供給されて、合成された印影が被捺印媒体に形成される。印字面211は、加熱による表面部215の形成により、インク含浸部214よりも硬度が高くなっていることから、押圧によって印字面211にかかる圧力変形により印影が掠れたり滲んだりすることが少なく、シャープな印影を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】印材210の平面図である。
【図2】印材210の突設部212の断面図である。
【図3】インク含浸後の印材210の突設部212の断面図である。
【図4】加熱後の印材210の突設部212の断面図である。
【図5】加熱後の印材210の突設部212の断面図である。
【図6】日付印1の断面図である。
【図7】印材Aのアニール温度と収縮率の関係を示すグラフである。
【図8】印材Bのアニール温度と収縮率の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0031】
1 日付印
210 印材
211 印字面
212 突設部
214 インク含浸部
215 表面部
216 表面部




 

 


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