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発明の名称 ニードル及びその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−15347(P2007−15347A)
公開日 平成19年1月25日(2007.1.25)
出願番号 特願2005−202046(P2005−202046)
出願日 平成17年7月11日(2005.7.11)
代理人 【識別番号】100089196
【弁理士】
【氏名又は名称】梶 良之
発明者 伊藤 敦
要約 課題
流路を遮断する弾性体がニードルに形成された孔により削られるのを抑制する。

解決手段
ニードル51は、先端が閉塞したテーパ部52と、テーパ部52と繋がった中空部53とを備えている。中空部53には、外部と内部とを連通させる複数の孔55が形成されている。中空部53には、外周側面53aから孔55の外側開口にかけて孔51の軸に対して内向きに傾いた外斜面61が形成されている。外斜面61は、平面視において、孔55の中心を通り中空部53の軸方向と平行な中心線を外斜面61で切り取った長さが、孔55の中心を通り中空部53の軸方向と垂直な中心線を外斜面61で切り取った長さよりも長い形状となっている。
特許請求の範囲
【請求項1】
流路を遮断する弾性体を貫通することで、前記弾性体に関して前記流路の上流側と下流側とを連通させるニードルにおいて、
先端が閉塞し、前記弾性体を貫通する中空管と、
前記流路の上流側と下流側とを連通させるために、前記中空管の外周側面から内周側面まで貫通して形成された孔と、
前記中空管の外周側面から前記孔の外側開口にかけて、前記孔の軸に対して内向きに傾いて前記外側開口の全周に亘って形成された外斜面とを備えており、
前記孔の軸に対して垂直に仮想した仮想平面に関して、前記外側開口と前記外斜面とが前記孔の軸に沿って前記仮想平面に射影されて作られる射影像をそれぞれ射影開口と射影外斜面としたときに、
前記射影開口の中心を通り前記中空管の軸方向に延びた直線が前記射影外斜面によって切り取られる長さが、前記射影開口の中心を通り前記中空管の軸方向と垂直に延びた直線が前記射影外斜面によって切り取られる長さよりも長いことを特徴とするニードル。
【請求項2】
前記射影開口の中心を通って前記中空管の軸方向に延びた直線が前記射影外斜面によって切り取られる長さが、前記射影開口の中心を通って前記中空管の軸方向と垂直に延びた直線が前記射影外斜面によって切り取られる長さの2倍よりも長いことを特徴する請求項1に記載のニードル。
【請求項3】
前記射影外斜面が、前記射影開口の中心を通って前記中空管の軸方向に延びた前記直線及び前記射影開口の中心を通って前記中空管の軸方向と垂直に延びた前記直線に線対称な楕円形状であることを特徴とする請求項1又は2に記載のニードル。
【請求項4】
前記孔の内側開口から前記中空管の前記内周側面にかけて、前記孔の軸に対して内向きに傾いて前記内側開口の全周にわたって形成された内斜面をさらに備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のニードル。
【請求項5】
前記中空管が、先端に向かって先細りとなるテーパ部を有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のニードル。
【請求項6】
複数の前記孔が、前記中空管の前記テーパ部を除く領域に前記中空管の軸を対称軸として形成されていることを特徴とする請求項5に記載のニードル。
【請求項7】
流路を遮断する弾性体を貫通することで、前記弾性体に関して前記流路の上流側と下流側とを連通させるニードルの製造方法において、
前記中空管の外周側面と内周側面との間に、穿孔加工によって、前記中空管の内部空間と外部とを連通させる孔を形成する孔形成工程と、
前記中空管の前記外周側面から前記孔の外側開口にかけて、切削加工によって、前記外側開口の全周にわたって前記孔の軸に対して内向きに傾いた外斜面を形成する外斜面形成工程とを備えており、
前記外斜面形成工程において、前記外斜面及び前記外側開口を前記孔の軸方向に沿って前記孔の軸に対して垂直に仮想した仮想平面上に射影したときに、前記外側開口の射影像である射影開口の中心を通って前記中空管の軸方向に延びた直線が前記外斜面の射影像である射影外斜面によって切り取られた長さが、前記射影開口の中心を通って前記中空管の軸方向と垂直に延びた直線が前記射影外斜面によって切り取られた長さよりも長くなるように前記外斜面を形成することを特徴とするニードルの製造方法。
【請求項8】
前記外斜面形成工程後に、研磨剤が含まれた研磨液を前記内部空間から前記孔を介して外部へと排出することによって、前記中空管の前記内周側面から前記孔の内側開口にかけて、前記内側開口の全周にわたって前記孔の軸に対して内向きに傾いた内斜面を形成する内斜面形成工程をさらに備えていることを特徴とする請求項7に記載のニードルの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、流路を遮断する弾性体を貫通して弾性体に関する流路の上流側及び下流側を連通させるニードル及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、インクが充填されるインク袋を有するインクカートリッジ及びそのインクカートリッジを有する画像形成装置について記載されている。このインクカートリッジにおいては、インク袋に熱溶着された保持部材を含んでいる。保持部材には、インク充填口部とインク排出口部とが形成されている。インク排出口部の端部には、ゴム材料からなる弾性部材(弾性体)が設けられており、インク排出口部のインク導出孔を密閉している。インク充填口部は、インク充填口部を介してインク袋内にインクが充填された後、熱融着して封止される。こうして、インク袋内にインクが充填された状態となる。画像形成装置本体には、インクを本体側に導入するための中空針(ニードル)が設けられている。この中空針は、内部にインク導入通路を有し先端が先細り形状の筒状部材であり、先端側面部にインク導入穴が形成されている。そして、インクカートリッジの弾性部材に中空針を突き刺すことで、インク導出孔とインク導入通路とがインク導入穴を介して連通し、画像形成装置本体側にインク袋内のインクが供給される。
【0003】
【特許文献1】特開2005−14437号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1に記載の技術においては、弾性部材に中空針を突き刺したときに、弾性部材の一部がその弾性復帰力によりインク導入穴内に入り込む。弾性部材の一部がインク導入穴に入り込んだ状態で、インク導入穴が保持部材のインク導出孔に達するまで中空針を移動させると、弾性部材の一部にインク導入穴の外側周縁による剪断力が加わり、弾性部材の一部が削り取られる。削り取られた弾性部材の一部(屑)は、インク袋内のインクとともにインク導入穴を介して画像形成装置本体側に送り込まれ、インクジェットヘッドのインク吐出不良の原因となる。
【0005】
そこで、本発明の目的は、流路を遮断する弾性体がニードルに形成された孔により削られるのを抑制するニードル及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0006】
本発明のニードルは、流路を遮断する弾性体を貫通することで、前記弾性体に関して前記流路の上流側と下流側とを連通させるニードルにおいて、先端が閉塞し、前記弾性体を貫通する中空管と、前記流路の上流側と下流側とを連通させるために、前記中空管の外周側面から内周側面まで貫通して形成された孔と、前記中空管の外周側面から前記孔の外側開口にかけて、前記孔の軸に対して内向きに傾いて前記外側開口の全周に亘って形成された外斜面とを備えている。そして、前記孔の軸に対して垂直に仮想した仮想平面に関して、前記外側開口と前記外斜面とが前記孔の軸に沿って前記仮想平面に射影されて作られる射影像をそれぞれ射影開口と射影外斜面としたときに、前記射影開口の中心を通り前記中空管の軸方向に延びた直線が前記射影外斜面によって切り取られる長さが、前記射影開口の中心を通り前記中空管の軸方向と垂直に延びた直線が前記射影外斜面によって切り取られる長さよりも長い。
【0007】
これにより、ニードルは、弾性体に関して流路の上流と下流とを連通させるように、弾性体に対して閉塞した先端から中空管の軸方向に差し込まれる。ニードルには、射影開口の中心を通って中空管の軸方向に延びた直線を射影外斜面によって切り取った長さが、射影開口の中心を通って中空管の軸方向と垂直に延びた直線を射影外斜面によって切り取った長さよりも長い外斜面が形成されているので、中空管の強度低下を抑制するとともに、弾性体に対してニードルを挿抜するときに、孔の外側開口が弾性体を削りにくくなる。そのため、流路内に弾性体の削り屑が侵入するのを抑制することができる。
【0008】
本発明において、前記射影開口の中心を通って前記中空管の軸方向に延びた直線が前記射影外斜面によって切り取られる長さが、前記射影開口の中心を通って前記中空管の軸方向と垂直に延びた直線が前記射影外斜面によって切り取られる長さの2倍よりも長いことが好ましい。これにより、中空管の強度低下が小さくなるので、中空管の周方向に関して、複数の孔を形成することができる。そのため、ニードルを介しても流路の上流と下流とが流通しやすくなる。
【0009】
また、本発明において、前記射影外斜面が、前記射影開口の中心を通って前記中空管の軸方向に延びた前記直線及び前記射影開口の中心を通って前記中空管の軸方向と垂直に延びた前記直線に線対称な楕円形状であることが好ましい。これにより、外斜面の平面形状が楕円であるため、中空管に外斜面を容易に形成することができる。また、弾性体に対するニードルの滑らかな挿抜が可能となり、孔の外側開口が弾性体をさらに削りにくくなる。
【0010】
また、本発明において、前記孔の内側開口から前記中空管の前記内周側面にかけて、前記孔の軸に対して内向きに傾いて前記内側開口の全周にわたって形成された内斜面をさらに備えていることが好ましい。これにより、外周側面から内周側面まで貫通する孔を機械加工により形成したとき、内側開口の開口端に残ることがあるバリが、内側開口の全周に亘って除去される。そのため、中空管自身が発生する屑が流路内に侵入するのを抑制することができる。
【0011】
また、本発明において、前記中空管が、先端に向かって先細りとなるテーパ部を有していることが好ましい。これにより、ニードルが弾性体に差し込みやすくなる。
【0012】
また、このとき、複数の前記孔が、前記中空管の前記テーパ部を除く領域に前記中空管の軸を対称軸として形成されていてもよい。これにより、弾性体に対してニードルを挿抜するときに、外斜面及び孔の外側開口と弾性体との接触抵抗が小さくなる。そのため、外斜面及び孔の外側開口が弾性体をほとんど削らなくなる。したがって、流路内に弾性体の削り屑がほとんど侵入しない。
【0013】
本発明のニードルの製造方法は、流路を遮断する弾性体を貫通することで、前記弾性体に関して前記流路の上流側と下流側とを連通させるニードルの製造方法において、前記中空管の外周側面と内周側面との間に、穿孔加工によって、前記中空管の内部空間と外部とを連通させる孔を形成する孔形成工程と、前記中空管の前記外周側面から前記孔の外側開口にかけて、切削加工によって、前記外側開口の全周にわたって前記孔の軸に対して内向きに傾いた外斜面を形成する外斜面形成工程とを備えている。そして、前記外斜面形成工程において、前記外斜面及び前記外側開口を前記孔の軸方向に沿って前記孔の軸に対して垂直に仮想した仮想平面上に射影したときに、前記外側開口の射影像である射影開口の中心を通って前記中空管の軸方向に延びた直線が前記外斜面の射影像である射影外斜面によって切り取られた長さが、前記射影開口の中心を通って前記中空管の軸方向と垂直に延びた直線が前記射影外斜面によって切り取られた長さよりも長くなるように前記外斜面を形成する。
【0014】
これによると、外斜面形成工程において、中空管に射影開口の中心を通って中空管の軸方向に延びた直線を射影外斜面によって切り取った長さが、射影開口の中心を通って中空管の軸方向と垂直に延びた直線を射影外斜面によって切り取った長さよりも長い外斜面を形成することで、中空管の強度低下を抑制するとともに、弾性体に対してニードルを挿抜するときに、孔の外側開口が弾性体を削りにくくなるニードルを製造することができる。したがって、流路内に弾性体の削り屑が侵入するのを抑制することができる。
【0015】
本発明において、前記外斜面形成工程後に、研磨剤が含まれた研磨液を前記内部空間から前記孔を介して外部へと排出することによって、前記中空管の前記内周側面から前記孔の内側開口にかけて、前記内側開口の全周にわたって前記孔の軸に対して内向きに傾いた内斜面を形成する内斜面形成工程をさらに備えていることが好ましい。これにより、中空管の内周側面から孔の内側開口にかけて内斜面を容易に形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態によるニードルが採用されたインクジェットプリンタの概略構成図である。図1に示すように、インクジェットプリンタ1は、記録用紙Pに向けてインクを吐出するノズル2aを備えたインクジェットヘッド2と、可撓性のチューブ15を介してインクジェットヘッド2と接続されたインクカートリッジ20と、インクジェットヘッド2を一方向に直線的に往復移動させるキャリッジ5と、記録用紙Pを搬送する搬送機構6と、インクジェットヘッド2内のエアや高粘度化したインクを吸引するパージ装置7とを含んでいる。
【0018】
記録用紙Pに対する印刷に際して、インクジェットプリンタ1のインクジェットヘッド2がキャリッジ5により図1の紙面垂直方向に往復移動され、記録用紙Pが搬送機構6により図1の紙面左右方向に搬送される。インクジェットヘッド2は記録用紙Pに対して所定間隔を介して対向配置され、互いに交差する方向に相対移動される。インクジェットヘッド2の往復移動と記録用紙Pの搬送移動とは、図示しない制御手段により同期して行われ、インクジェットヘッド2が記録用紙Pを横切るごとにノズル2aからインクが吐出されて印刷が行われる。このインクは、インクカートリッジ20からチューブ15を介してインクジェットヘッド2に供給されている。なお、ノズル2aからインクが吐出されていない状態で、ノズル2aからインクが漏れるのを防止するために、ノズル2aは、インクカートリッジよりも高い位置に配置されている。
【0019】
パージ装置7は、インク吐出面に対して接近及び離隔する方向に移動可能で且つインク吐出面を覆うようにインクジェットヘッド2に装着可能なパージキャップ10と、ノズル2aからインクを吸引する吸引ポンプ11を備えている。そして、インクジェットヘッド2が記録用紙Pに印刷可能な印刷範囲外にあるときは、吸引ポンプ11により、インクジェットヘッド2内に混入したエアや水分が蒸発して高粘度化したインクをノズル2aから吸引することが可能である。このパージ動作により、インクジェットヘッド2のインク吐出特性が回復される。
【0020】
インクカートリッジ20は、図1に示すように、インクが充填されたインク袋21と、インク袋21を収納する合成樹脂製のハウジング22とを含んでいる。インク袋21は、脱気された状態でインクを内包するものである。また、インク袋21は、図1中左右両側に配置された2つの樹脂製のスパウト23を有している。ハウジング22には、インク袋21のスパウト23に対応してインク供給口24aとインク排出口24bとが形成されている。図1中右側のインク供給口24aに対して、一方のスパウト23が配置されている。このスパウト23を介して、図示しないインク注入器からインクがインク袋21内に供給される。また、図1中左側のインク排出口24bに対しては、他方のスパウト23が配置されている。このスパウト23を介して、インクがインク袋21から排出される。なお、インク供給口24a及びインク排出口24bに配置された2つのスパウト23は、同じ構成を有している。したがって、以下のスパウト23の説明に関しては、インク排出口24bに配置されたスパウト23に関して説明する。
【0021】
スパウト23は、筒状部材であり、インク袋21の周縁部21aと熱溶着される溶着部25と、ハウジング22に支持された支持部27と、溶着部25と支持部27とを繋ぐ胴部26とを備えている。溶着部25の外周側面には、複数の突起25aが形成されている。インク袋21とスパウト23とは、インク袋21の周縁部21aが突起25a間に入り込むようにして熱溶着されることで、一体化されている。これにより、インク袋21とスパウト23との間を確実にシールすることが可能となり、スパウト23とインク袋21内とが連通する。
【0022】
また、溶着部25には、インク袋21内と連通する連通孔25bが形成されている。胴部26には、連通孔25bに連通し且つ連通孔25bよりも大径の連通孔26aが形成されている。支持部27には、連通孔26a及び外部と連通し且つ連通孔26aよりも大径の孔27aが形成されている。支持部27の孔27aには、シリコンゴム製またはブチルゴム製のキャップ(弾性体)28が嵌め込まれている。このキャップ28は、図1に示すように、ニードル51を貫通させることができ、インク袋21内のインクが外部の流路、本実施の形態では、チューブ15に対して供給される。また、インク袋21内のインクがなくなった場合には、キャップ28からニードル51を抜いて、他のインクカートリッジと交換できるようになっている。なお、ニードル51は、インクジェットヘッド2に連通するチューブ15の端部に設けられており、チューブ15内に供給されたインクは、さらにインクジェットヘッド2に供給される。このように、ニードル51が、流路を遮断する弾性体のキャップ28を貫通することで、キャップ28に関して、流路の上流側であるスパウト23の連通孔25b,26aやインク袋21と、下流側であるチューブ15他インクジェットヘッド2とが連通されている。
【0023】
インク袋21は、複数の可撓性フィルムを熱圧着等によりラミネートして形成された樹脂フィルムにより構成されている。この樹脂フィルムは、例えば、最内側にポリプロピレン層が形成され、外側に向かって順に基材としてのポリエステル層と、そのポリエステル層に敷設されるガスバリア層としてのアルミナあるいはシリカ蒸着層と、フィルムの強度向上のためのナイロン層とが順に積層された構造となっている。さらに、最外側に2枚の樹脂フィルムを準備し、それらの周縁部21a間にスパウト23の溶着部25を挟んだ状態で、樹脂フィルムの周縁部同士を熱圧着する。これにより、左右の周縁部21aにそれぞれスパウト23を有し、内部にインクを貯溜可能な袋状のインク袋21が形成される。そのため、インク袋21の周縁部21aに囲まれた領域内にインク供給口24aに配置されたスパウト23を介してインクを充填することができ、さらにインク排出口24bに配置されたスパウト23を介してインク袋21の周縁部21aに囲まれた領域からインクを排出することができる。
【0024】
次に、ニードル51について以下に説明する。図2は、本発明の一実施形態によるニードルの要部拡大図であり、一部断面図である。図3は、図2に示すA−A線の断面図である。図4は、本発明の一実施形態によるニードルの中空部53を示しており、(a)は中空部53に形成された孔の拡大平面図であり、(b)は孔近傍の部分断面図である。なお、図4(a)の平面図に示される後述の孔55、外斜面61及び内斜面65は、孔55の軸に対して垂直に仮想した仮想平面に孔55、外斜面61及び内斜面65が射影して作られる射影開口、射影外斜面及び射影内斜面と同じ図である。
【0025】
ニードル51は、図2に示すように、先端が閉塞した円形断面形状を有する中空管からなり、先細りのテーパ部52と、ニードル51の軸方向に平行に延在した円柱状の中空部53とを有している。中空部53には、円形平面形状の複数の孔55が形成されている。これら孔55により、中空部53の外部と内部とが連通している。複数の孔55は、中空部55の周方向に沿って4つずつ配置されており、中空部53の軸(ニードル51の軸)方向に3つの孔列56a,56b,56cを構成している。3つの孔列56a〜56cのうち、図2中左右に位置する孔列56a,56cに挟まれた孔列56bを構成する4つの孔55は、図3に示すように、2つの孔列56a,56cをそれぞれ構成する4つの孔55から中空部53の軸81を回転中心として45°回転した位置に配置されている。また、各孔列56a〜56cを構成する4つの孔55は、中空部53の軸81を対称軸として図3中において対称に形成されている。
【0026】
中空部53には、図4(a)、(b)に示すように、中空部53の外周側面53aから孔55の外側開口55aにかけて外斜面61が形成されている。外斜面61は、孔55の軸(中空部53の軸81に垂直な軸であって孔55の中心を通る軸)82に対して内向きに傾いて形成されている。また、外斜面61は、図4(a)に示すように、孔55の外側開口55aの全周に亘って形成されている。外斜面61は、図4(a)に示すように、孔55の中心を通り中空部53の軸81方向と平行な中心線(直線)83を外斜面61で切り取った長さbが、孔55の中心を通り中空部53の軸81方向と垂直な中心線(直線)84を外斜面61で切り取った長さaの2倍よりも長くなっている。つまり、外斜面61の平面形状が中空部53の軸81方向に長手方向を有する楕円形状となっている。また、外斜面61は、中心線83,84の両方に線対称な楕円形状である。そのため、外斜面61を容易に形成することができる。また、外斜面61の平面形状が、中空部53の軸方向に長く、これがニードル51の挿抜方向と一致している。そのため、キャップ28に対するニードル51の滑らかな挿抜が可能となり、孔55の外側開口55aがキャップ28をさらに削りにくくしている。
【0027】
また、中空部53には、図4(b)に示すように、中空部53の内周側面53bから孔55の内側開口55bにかけて内斜面65が形成されている。内斜面65は、図4(b)に示すように、孔55の軸82に対して内向きに傾いて形成されている。また、内斜面65も、図4(a)に示すように、孔55の内側開口55bの全周に亘って形成されている。内斜面65は、外斜面61のように楕円形状とならず、ほぼ円形状となっている。
【0028】
続いて、ニードル51をキャップ28に突き刺すときの動作について、以下に説明する。図5(a)はニードル51のテーパ部52がキャップ28に突き刺された状態を示す状況図であり、(b)はニードル51の中空部53に形成された孔55がキャップ28に達した状態を示す状況図である。インクカートリッジ20のインク袋21内のインクをインクジェットヘッド2に供給するには、まず、ニードル51の先端をキャップ28に突き刺す。このとき、図5(a)に示すように、テーパ部52は先細り形状となっているので、キャップ28にニードル51の先端を容易に突き刺すことができる。また、テーパ部52には、孔55が形成されていない。仮にテーパ部52に孔が形成されていると、テーパ部52をキャップ28に突き刺したときに、キャップ28の弾性復帰力によりキャップ28の一部が孔内に入り込みやすくなる。孔内にキャップ28の一部が入り込んだ状態でニードル51を図5(a)中の矢印方向に移動させると、孔内に入り込んだキャップ28の一部が孔の移動に伴って滑らかに追従しないため、キャップ28とテーパ部52との接触抵抗が大きくなる。さらに、孔による剪断力がキャップ28の一部に加わり、キャップ28の一部が削り取られることがある。ところが、本実施形態においては、テーパ部52に孔55が形成されていないので、テーパ部52をキャップ28に突き刺してもテーパ部52とキャップ28との接触抵抗が小さくなる。そのため、上述のようにキャップ28を削り取ることがない。
【0029】
そして、ニードル51のテーパ部52をキャップ28に突き刺した後、図5(b)に示すように、ニードル51を矢印方向に移動させる。すると、中空部53に形成された複数の孔55がキャップ28に到達し、孔55内にキャップ28の一部28aがその弾性復帰力によって入り込んでくる。孔55内にキャップ28の一部28aが入り込んだまま、複数の孔55がスパウト23の連通孔26a内に達するまでニードル51を図5(b)中矢印方向に移動させる。このとき、中空部53の外斜面61が、ニードル51の移動に伴いキャップ28の一部28aの根元部分を弾性復帰力に抗する方向に押し上げようとするため、一部28aが孔55から抜けやすくなる。これにより、ニードル51の移動に伴って孔55によるキャップ28の一部28aに生じる剪断力が緩和される。さらに、外斜面61によって孔55の外側開口55aの角部が鈍角となるので、孔55に入り込んだキャップ28の一部28aが外側開口55aの角部によって削られにくくなる。また、ニードル51の滑らかな移動を可能としている。このようにして、ニードル51をキャップ28に突き刺すことで生じやすいキャップ28の削り屑が、流路内に侵入することが容易に抑制される。一方、中空部53には内斜面65が形成されており、孔55の内側開口55bの角部が鈍角に成形されている。これにより、外周側面から内周側面まで貫通する孔55を機械加工(後述)により形成したとき、内側開口55bの開口端に残ることがあるバリが、内側開口55bの全周に亘って除去されている。そのため、バリが脱落することにより発生する屑が流路内に侵入するのを抑制することができる。したがって、孔55内にキャップ28の一部28aが入り込んだままニードル51を移動させても、孔55がキャップ28を削り取らずに、スパウト23の連通孔26a内に達する。また、インクの供給中には、ニードル51自身が屑の発生源となることもない。こうして、インク袋21内のインクを、清浄な状態のままニードル51を介してインクジェットヘッド2まで供給することができる。
【0030】
続いて、上述したニードル51の製造方法について、以下に説明する。図6は、本発明の一実施形態によるニードル51の製造工程図である。図6に示すように、ニードル51を製造するには、まず、ステップ1(S1)において、予め準備された所定長さの中空管を周方向に回しながら一方の端部を外周側面から中空管の軸に向かって押圧し、図2に示すような先端が閉塞したテーパ部52を中空管に形成する。こうして、中空管のテーパ部52以外の領域が中空部53となる。次に、ステップ(S2)において、中空部53を所定の治具を用いて固定した後、ドリルを用いた穿孔加工により中空部53の外部と内部とが連通する複数の孔55を中空部53に形成する。
【0031】
次に、ステップ3(S3)において、ステップ2で用いたドリルよりも大径のドリル(図示せず)を準備し、その大径ドリルの先端面中心と孔55の中心とが対向するように位置合わせする。そして、大径ドリルを回転させるとともに、大径ドリルの先端面を中空部53の外周側面53aに近づく方向に移動させる。そして、中空部53の外周側面53aに大径ドリルの先端面を接触させ中空部53に大径ドリルによる切削加工を施し、外周側面53aから孔55の外側開口55aにかけて外斜面61を形成する。このとき、大径ドリルの先端面は、中心が孔55の中心に向かう凸形状であるため、外斜面61は孔55の軸82に対して内向きに傾いた斜面となる。また、中空部53の断面形状は円形であるため、中空部53の大径ドリルの先端面と対向する領域は、中空部53の周方向に沿って大径ドリルから離隔する方向に湾曲している。そのため、中空部53に大径ドリルの先端面で切削加工を施したときに、大径ドリルが移動した距離(移動量)に対し、切削の移動方向において、大径ドリルによる切削開始点からの切削面の離隔分だけ、実質的に大径ドリルの移動量が少なくなっている。一方、周方向と直交する方向(孔55の中心を通る中空部53の軸方向)では、切削面の湾曲の影響はないので、大径ドリルの移動量だけ切削がなされる。つまり、外周側面53aにおいて、周方向よりも周方向と直交する方向の領域が広く削られることになる。これを加味し、図4(a)に示すような、孔55の中心を通り中空部53の軸81方向と平行な中心線83を外斜面61で切り取った長さbが、孔55の中心を通り中空部53の軸81方向と垂直な中心線84を外斜面61で切り取った長さaの2倍よりも長い外斜面61が形成されるような、所定の先端角を有する大径ドリルを用いている。
【0032】
次に、ステップ4(S4)において、研磨剤が含まれた研磨液を図示しない注入器により中空部53の開口した端部(すなわち、中空管の他方の端部であってテーパ部52とは反対側の端部)から中空部53内に注入するとともに孔55から研磨液を排出させて、内周側面53bの孔55の周囲を研磨する。このとき、孔55から排出される研磨液は、孔55の内側開口55bの角部から研磨していくので、中空部53の内周側面53bから孔55の内側開口55bにかけて孔55の軸82に対して内向きに傾いた内斜面65が形成される。これにより、内側開口55bの角部に、ステップ2で発生することがあるバリが残っていたとしても研磨の進行と共に除去される。そして、ステップ5(S5)において、洗浄液を図示しない注入器により中空部53の開口した端部から中空部53内に注入するとともに孔55から洗浄液を排出させて、中空部53及びテーパ部52内を洗浄する。その後、洗浄液を乾燥させることで、ニードル51の製造が完了する。
【0033】
以上のような本実施形態によるニードル51によると、外周側面53aから孔55の外側開口55aにかけて、孔55の中心を通る中心線83を外斜面61で切り取った長さbが孔55の中心を通る中心線84を外斜面61で切り取った長さaよりも長い外斜面61が形成されているので、孔55の外側開口55aの角部がキャップ28を削りにくくなる。そのため、ニードル51の内部空間にキャップ28の削り屑(一部28aがキャップ28から削り取られたもの)が侵入するのを抑制することができる。加えて、外斜面61の長手方向が、中空部53の軸方向であるため、中空部53の強度低下が抑制される。
【0034】
また、外斜面61で切り取った中心線83の長さbが中心線84の長さaの2倍よりも長くなっている。言い換えると、中心線84の切り取られた長さaが短くなる。そのため、外斜面61が中空部53に形成されても中空部53の強度低下を小さくすることができ、中空部53の周方向に関して、複数の孔55を形成することができる。したがって、インク袋21とチューブ15とがニードル51を介しても流通しやすくなる。さらに、外側開口55aの角部が、キャップ28をより削りにくくなり、ニードル51のキャップ28に対する挿抜がより滑らかになる。
【0035】
また、ニードル51には、内斜面65が形成されているので、ニードル51自身が屑の発生源となることもないし、供給されるインクに対して滑らかな流れを生む。
【0036】
また、上述したニードル51の製造方法によると、上述の効果を有するニードル51を製造することができる。さらに、研磨液を中空部53の開口した端部から注入し、孔55から注入した研磨液を排出させることで、内斜面65を容易に形成することができる。
【0037】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、上述したニードル51は、インクジェットプリンタ1に設けられているが、インクカートリッジ20のインク袋21内にインクを充填する注入器に設けていてもよい。この場合においても、インクカートリッジ20のインク供給口24aに配置されたスパウト23のキャップ28にニードルを突き刺すことで、注入器からインク袋21内にインクを供給することができると共に、ニードルがスパウト23のキャップ28を削らない。すなわち、上述した実施形態と同様な効果を有することができる。また、外斜面61が、外斜面61で切り取った中心線83の長さbが中心線84の長さaよりも長い平面形状を有しておれば、特に楕円形状でなくてもよい。また、中空部53の内周側面から孔55の内側開口55bにかけて内斜面65が形成されていなくてもよい。また、ニードル51自体が細ければ、テーパ部52が形成されていなくてもよい。すなわち、ニードルが、先端が閉塞した中空部53からなっていてもよい。また、テーパ部52に孔55及び外斜面61が形成されていてもよい。また、ニードル51は円形断面を有しているが、三角、四角、多角形及び楕円形状の断面を有していてもよい。また、本実施形態におけるニードル51は、インク袋21にインクを注入する注入器やインクジェットプリンタ1以外に設けられていてもよい。つまり、ニードルは、流路を遮断する弾性体を貫通して弾性体に関する流路の上流側と下流側とを連通させるもの全般に適用することができる。
【0038】
また、上述した実施形態では、ステップ2において、ドリルを用いた機械加工によりニードル51の中空部53に孔55を形成したが、例えば、円盤状のカッターなどで中空部53に孔を形成してもよい。また、上述した実施形態では、ゴム製のキャップ(弾性体)を貫通する部材として、金属製(例えば、ステンレス製)のニードルを想定したが、その用途や用法によっては樹脂製のニードルであってもよい。このときには、機械加工で孔の穿設が可能であるが、金型を用いた成型法を用いることもできる。この際には、ニードルの軸に関して二分割や三分割した、割り型の金型とすればよい。また、上述した外斜面61は、孔55の形成に用いたドリルよりも大径のドリル以外の切削工具(例えば、孔55の角に面を加工可能な面削りカッターなど)で、外周側面53aから孔55の外側開口55aにかけて形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の一実施形態によるニードルが採用されたインクジェットプリンタの概略構成図である。
【図2】本発明の一実施形態によるニードルの要部拡大図である。
【図3】図2に示すA−A線の断面図である。
【図4】本発明の一実施形態によるニードルの中空部を示しており、(a)は中空部に形成された孔の拡大平面図であり、(b)は孔近傍の部分断面図である。
【図5】(a)はニードルのテーパ部がキャップに突き刺された状態を示す状況図であり、(b)はニードルの中空部に形成された孔がキャップに達した状態を示す状況図である。
【図6】本発明の一実施形態によるニードルの製造工程図である。
【符号の説明】
【0040】
20 インクカートリッジ
21 インク袋
28 キャップ(弾性体)
28a 一部
51 ニードル
52 テーパ部
53 中空部(中空管)
53a 外周側面
53b 内周側面
55 孔
55a 外側開口
55b 内側開口
61 外斜面
65 内斜面
81,82 軸
83,84 中心線(直線)




 

 


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