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発明の名称 液滴噴射装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−8157(P2007−8157A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2006−147743(P2006−147743)
出願日 平成18年5月29日(2006.5.29)
代理人 【識別番号】100089196
【弁理士】
【氏名又は名称】梶 良之
発明者 菅原 宏人
要約 課題
パージ時に噴射ノズルから噴射されたインクがこの噴射ノズルの出射口付近に付着するのを極力防止することが可能な液滴噴射装置を提供すること。

解決手段
インクジェットヘッド1の流路ユニット2は、複数の噴射ノズル20の近傍部にそれぞれ形成された複数の回収ノズル25と、これら複数の回収ノズル25に連通する回収用流路28とを有し、回収ノズル25の、インク噴射面40において開口した回収口25aは、噴射ノズル20の出射口20aに近接して形成されている。そして、インクジェットプリンタ100は、キャップ65が出射口20aと回収口25aの両方を覆っている状態で、吸引ポンプ66により出射口20aからインクを噴射させ、さらに、この噴射されたインクを回収口25aから回収用流路28へ回収するように構成されている。
特許請求の範囲
【請求項1】
液滴状の液体を噴射する液滴噴射装置であって、
噴射ノズル、前記噴射ノズルに連通する噴射用流路、回収ノズル、前記回収ノズルに連通する回収用流路、並びに、前記噴射ノズルの開口である出射口及び前記回収ノズルの開口である回収口が形成された液滴噴射面を有する流路ユニットと、
前記噴射用流路内の液体に噴射圧力を付与する噴射圧付与機構と、
前記噴射ノズルの出射口と前記回収ノズルの回収口の両方を密閉して覆うように、前記液滴噴射面に当接可能なキャップと、
前記キャップが前記出射口と前記回収口の両方を覆っている状態で、前記噴射用流路内の液体に前記回収用流路へ至る流れを生じさせるパージ圧付与機構とを備え、
前記パージ圧付与機構により、前記出射口から前記液体を流出させて、さらに、この液体を前記回収口から前記回収用流路へ回収する液滴噴射装置。
【請求項2】
前記液滴噴射面において、前記回収ノズルの回収口は、前記噴射ノズルの出射口に近接して形成されている請求項1に記載の液滴噴射装置。
【請求項3】
前記パージ圧付与機構は、前記回収用流路側から吸引して、前記キャップと前記液滴噴射面との間に形成された空間内を減圧する吸引装置を含む請求項2に記載の液滴噴射装置。
【請求項4】
前記パージ圧付与機構は、前記噴射用流路内の前記液体を加圧する加圧装置をさらに含む請求項3に記載の液滴噴射装置。
【請求項5】
前記回収ノズルは複数の個別回収ノズルを備え、前記液滴噴射面の、前記出射口に関して互いに反対側の位置に、2つの、前記個別回収ノズルの開口である個別回収口がそれぞれ配置されている請求項2に記載の液滴噴射装置。
【請求項6】
前記流路ユニットの噴射ノズルは、複数の個別噴射ノズルを有し、前記流路ユニットの回収ノズルは、複数の個別回収ノズルを有し、前記液滴噴射面には、前記個別噴射ノズルの開口である個別出射口と前記個別回収ノズルの開口である個別回収口が形成されている請求項2に記載の液滴噴射装置。
【請求項7】
前記液滴噴射面において、前記個別出射口は所定の一方向に配列されており、
前記複数の個別出射口の間に、前記個別回収口がそれぞれ配置されている請求項6に記載の液滴噴射装置。
【請求項8】
前記液滴噴射面において、前記個別出射口は所定の一方向に配列されており、
前記液滴噴射面の前記個別出射口の列の両側において、前記個別出射口の配列方向と平行に、複数の前記個別回収口が配列されている請求項6に記載の液滴噴射装置。
【請求項9】
前記液滴噴射面において、前記複数の個別出射口は所定の一方向に沿って所定のピッチで複数列に配列されており、
隣接する2列の前記個別出射口の列に関して、一方の列に属する個別出射口は他方の列に属する個別出射口に対して前記所定の一方向に前記所定のピッチの半分だけずれて配置され、
前記複数の個別回収口は、前記隣接する2列の個別出射口の列の間に、前記所定の一方向に沿って前記所定のピッチで配列され、
各個別回収口は、その両側に配列された2列の個別出射口の列にそれぞれ属し、前記所定の一方向に前記所定のピッチの半分だけ互いにずれて配置された2つの個別出射口を結ぶ直線上に位置している請求項6に記載の液滴噴射装置。
【請求項10】
前記流路ユニットの外部で前記噴射用流路と前記回収用流路とを連通させる連通部を有する請求項2に記載の液滴噴射装置。
【請求項11】
前記連通部には、前記回収用流路から回収された液体に含まれる異物を除去するフィルタが設けられている請求項10に記載の液滴噴射装置。
【請求項12】
前記連通部は、前記回収用流路から回収された前記液体を貯留する貯留部を有し、この貯留部内に前記フィルタが設けられている請求項11に記載の液滴噴射装置。
【請求項13】
前記回収用流路から回収された液体が、前記噴射用流路を通じて前記噴射ノズルから噴射される請求項10に記載の液滴噴射装置。
【請求項14】
前記液滴噴射面において、前記出射口の周りの領域の撥液性は、前記回収口の周りの領域の撥液性よりも高い請求項1に記載の液滴噴射装置。
【請求項15】
前記キャップは複数の領域に区画され、前記キャップの各領域は、前記個別出射口と前記個別回収口とを独立に覆う請求項6に記載の液滴噴射装置。
【請求項16】
液滴状の液体を噴射する液滴噴射装置であって、
噴射ノズル及び前記噴射ノズルに連通する噴射用流路を有する流路ユニットと、回収ノズル及び前記回収ノズルに連通する回収用流路を有し、前記流路ユニットをメンテナンスするメンテナンス機構と、前記噴射ノズルの開口である出射口及び前記回収ノズルの開口である回収口が形成された液滴噴射面とを有するヘッドと、
前記噴射用流路内の液体に噴射圧力を付与する噴射圧付与機構と、
前記噴射ノズルの出射口と前記回収ノズルの回収口の両方を密閉して覆うように、前記液滴噴射面に当接可能なキャップと
前記回収用流路に液体連結され、前記回収流路内の液体にパージ圧を与えるパージ圧付与機構を備え、
前記パージ圧付与機構により、前記出射口から前記液体を流出させて、さらに、この液体を前記回収口から前記回収用流路へ回収する液滴噴射装置。



発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノズルから液体を噴射する液滴噴射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェットヘッドは、ノズルからインクの液滴を記録用紙等の対象物に噴射するものであるが、塵や増粘インクなどによりノズルに目詰まりが生じたり、あるいは、ノズルを含むインク流路内に気泡が混入したりしたときには、そのノズルの噴射特性(液滴の噴射量や液滴の飛翔方向など)が異常になったり、さらには、ノズルからインクを全く噴射できなくなることもある。そのため、一般的なインクジェットヘッドは、ノズルから正常にインクを噴射できなくなったときに、ノズルからインクを強制的に噴出して塵や気泡等を排出して異常状態を解消する、いわゆる、パージ動作を行うための構成を備えている。
【0003】
例えば、特許文献1(特開平5−220970号公報)に記載のインクジェットヘッド(印字ヘッド)は、複数のノズルの出射口を覆うようにインク噴射面に取り付けられるキャップ(キャッピング部材)と、このキャップにチューブを介して接続された吸引ポンプとを備えている。そして、インク噴射面にキャップが取り付けられた状態で、吸引ポンプにより複数のノズルからインクを吸引して、キャップ内の空間へインクを強制的に噴出させることにより、インクジェットヘッドのインク噴射の異常状態を解消することができる。
【0004】
【特許文献1】特開平5-220970号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、パージ動作の際には、ノズルから流出されたインクの一部が、泡立った状態でインク噴射面の出射口付近に付着しやすい。そして、インクジェットヘッドの内部は負圧に保たれているので、この泡立ったインクがノズル内に戻って気泡が混入してしまい、再びノズルから正常にインクを噴射できない状態に戻ってしまう虞がある。また、パージ動作の際に吸引ポンプにより吸引されたインクを回収して再利用するためには、可動のインクジェットヘッドに設けられたインクのサブタンクとキャップとを接続するチューブ等の複雑な機構が必要となるため、吸引されたインクは再利用されることなく、インク廃液室に廃棄されていた。
【0006】
本発明の目的は、パージ時に噴射ノズルから流出したインクがこの噴射ノズルの出射口付近に付着するのを極力防止することが可能な液滴噴射装置を提供することである。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0007】
本発明の第1の態様に従えば、液滴状の液体を噴射する液滴噴射装置であって、噴射ノズル、前記噴射ノズルに連通する噴射用流路、回収ノズル、前記回収ノズルに連通する回収用流路、並びに、前記噴射ノズルの開口である出射口及び前記回収ノズルの開口である回収口が形成された液滴噴射面を有する流路ユニットと、前記噴射用流路内の液体に噴射圧力を付与する噴射圧付与機構と、前記噴射ノズルの出射口と前記回収ノズルの回収口の両方を密閉して覆うように、前記液滴噴射面に当接可能なキャップと、前記キャップが前記出射口と前記回収口の両方を覆っている状態で、前記噴射用流路内の液体に前記回収用流路へ至る流れを生じさせるパージ圧付与機構とを備え、前記パージ圧付与機構により、前記出射口から前記液体を流出させて、さらに、この液体を前記回収口から前記回収用流路へ回収する液滴噴射装置が提供される。また、前記液滴噴射面において、前記回収ノズルの回収口は、前記噴射ノズルの出射口に近接して形成されていてもよい。
【0008】
本発明の第1の態様によれば、噴射圧付与機構により噴射用流路内の液体に噴射圧力が付与されたときには、噴射用流路に連通する噴射ノズルから液体が噴射される。一方、噴射ノズルの目詰まりや噴射用流路内への気泡の混入などにより、噴射ノズルからの液体の噴射が異常になったときには、キャップにより噴射ノズルの出射口を覆った状態で、パージ圧付与機構により、例えば噴射ノズルから噴射用流路内の液体をキャップと液滴噴射面との間の空間へ流出させる。
【0009】
ここで、例えば、噴射ノズルの近傍部には回収ノズルが形成されており、この回収ノズルの出射口は噴射ノズルの出射口に近接して設けられていてもよい。そして、噴射ノズルのパージ時には、噴射ノズルの出射口と回収ノズルの回収口は1つのキャップにより密閉状に覆われるため、噴射ノズルから流出した液体を、キャップと液滴噴射面との間の空間から回収ノズルを介して回収用流路へ回収することができる。そのため、噴射ノズルから流出する際に泡立った液体の大部分が回収されて液滴噴射面に付着しにくくなり、液滴噴射面の出射口付近に付着する液体が少なくなる。従って、噴射ノズルから流出されたときに泡立った液体が、噴射ノズル内に戻ってその噴射ノズルに噴射異常を生じさせてしまうのを極力防止することができる。
【0010】
本発明の液滴噴射装置において、前記パージ圧付与機構は、前記回収用流路側から吸引して、前記キャップと前記液滴噴射面との間に形成された空間内を減圧する吸引装置を含んでもよい。従って、吸引装置によりキャップと前記液滴噴射面との間の空間内を減圧することにより、噴射ノズルの出射口からキャップと液滴噴射面との間の空間へ液体を流出させて噴射ノズルのパージを行うとともに、流出された液体を回収ノズルから回収用流路へ回収することができる。
【0011】
本発明の液滴噴射装置において、前記パージ圧付与機構は、前記噴射用流路内の前記液体を加圧する加圧装置をさらに含んでもよい。この構成によれば、噴射ノズルのパージ時に、加圧装置で噴射用流路内の液体を加圧することにより流出速度を高めることができるため、噴射ノズルのパージをより確実に行える。
【0012】
本発明の液滴噴射装置において、前記回収ノズルは複数の個別回収ノズルを備え、前記液滴噴射面の、前記出射口に関して互いに反対側の位置に、2つの、前記個別回収ノズルの開口である個別回収口がそれぞれ配置されていてもよい。この構成では、パージ時に噴射ノズルの出射口から流出された液体は、この出射口の両側にそれぞれ配置された個別回収ノズルの回収口から確実に回収されるため、出射口付近に付着する液体をさらに少なくすることができる。
【0013】
本発明の液滴噴射装置において、前記流路ユニットの噴射ノズルは、複数の個別噴射ノズルを有し、前記流路ユニットの回収ノズルは、複数の個別回収ノズルを有し、前記液滴噴射面には、前記個別噴射ノズルの開口である個別出射口と前記個別回収ノズルの開口である個別回収口が形成されていてもよい。流路ユニットに、複数の個別噴射ノズルと個別回収ノズルを形成することにより、一度に大量の液体を噴射し、回収することができる。
【0014】
本発明の液滴噴射装置において、前記液滴噴射面において、前記個別出射口は所定の一方向に配列されており、前記複数の個別出射口の間に、前記個別回収口がそれぞれ配置されていてもよい。この構成では、2つの個別出射口から流出された液体を、その間に配置された個別回収口から回収でき、回収口の数を少なくすることが可能である。また、回収口を効率よく配置できるため、装置の小型化につながる。
【0015】
本発明の液滴噴射装置は、前記液滴噴射面において、前記個別出射口は所定の一方向に配列されており、前記液滴噴射面の前記個別出射口の列の両側において、前記個別出射口の配列方向と平行に、複数の前記個別回収口が配列されていてもよい。この構成では、個別出射口から流出した液体を、個別出射口の両側にそれぞれ配列された個別回収口から確実に液体を回収でき、個別出射口付近に付着する液体を少なくすることができる。
【0016】
本発明の液滴噴射装置では、前記液滴噴射面において、前記複数の個別出射口は所定の一方向に沿って所定のピッチで複数列に配列されており、隣接する2列の前記個別出射口の列に関して、一方の列に属する個別出射口は他方の列に属する個別出射口に対して前記所定の一方向に前記所定のピッチの半分だけずれて配置され、前記複数の個別回収口は、前記隣接する2列の個別出射口の列の間に、前記所定の一方向に沿って前記所定のピッチで配列され、各個別回収口は、その両側に配列された2列の個別出射口の列にそれぞれ属し、前記所定の一方向に前記所定のピッチの半分だけ互いにずれて配置された2つの個別出射口を結ぶ直線上に位置していてもよい。この構成では、パージ時に複数の個別噴射ノズルから流出した液体を、個別噴射ノズルの半分の数の個別回収ノズルにより効率よく回収することができる。従って、個別噴射ノズルを配置する領域を広く確保できるため、個別噴射ノズルを高密度に配置して、液滴噴射装置を小型化することが可能になる。
【0017】
本発明の液滴噴射装置において、前記流路ユニットの外部で前記噴射用流路と前記回収用流路とを連通させる連通部を有してもよい。この構成によれば、パージ時に噴射ノズルから流出した液体を回収ノズルで回収してから、さらに、連通部を介して噴射用流路に戻すことができるため、液体を再利用することができる。
【0018】
本発明の液滴噴射装置において、前記連通部には、前記回収用流路から回収された液体に含まれる異物を除去するフィルタが設けられていてもよい。この構成によれば、回収した液体が噴射用流路に戻される前に、この液体に含まれる異物がフィルタで除去されるため、異物が噴射用流路に流れて噴射ノズルを詰まらせるのを防止できる。
【0019】
本発明の液滴噴射装置において、前記連通部は、前記回収用流路から回収された前記液体を貯留する貯留部を有し、この貯留部内に前記フィルタが設けられていてもよい。この構成によれば、回収用流路から貯留部に流れ込んだ液体は、貯留部内のフィルタを通って異物が除去されてから、噴射用流路へ流れるため、異物が噴射用流路に流れて噴射ノズルを詰まらせるのを防止できる。
【0020】
本発明の液滴噴射装置において、前記回収用流路から回収された液体が、前記噴射用流路を通じて前記噴射ノズルから噴射されてもよい。この場合には、回収用流路から回収された液体を循環させて再度噴射できるので、廃棄される液体の量を減らすことができる。例えば、液滴噴射装置がインクジェットプリンタである場合には、ヘッドのパージ動作時に廃棄されるインクの量を劇的に少なくできるので、インクを廃棄するための廃液室をプリンタ内部に設ける必要が無い。さらに、パージ動作時に廃棄されるインク量を予め見込んでおく必要がないため、所定枚数の印字に必要な実質的なインク量も減らすことができる。従って、インクタンクの容量を小型化できる。
【0021】
本発明の液滴噴射装置では、前記液滴噴射面において、前記出射口の周りの領域の撥液性は、前記回収口の周りの領域の撥液性よりも高くすることができる。この場合には、出射口の周りに付着する液体の量を減らすことができ、回収口の周りに付着した液体を効率よく回収することが可能となる。
【0022】
本発明の液滴噴射装置において、前記キャップは複数の領域に区画され、前記キャップの各領域は、前記個別出射口と前記個別回収口とを独立に覆ってもよい。この場合には、個別出射口と個別回収口の配置に合わせて、キャップを複数の領域に区画することによって、効率的に液体を回収することができる。
【0023】
噴射ノズル及び前記噴射ノズルに連通する噴射用流路を有する流路ユニットと、回収ノズル及び前記回収ノズルに連通する回収用流路を有し、前記流路ユニットをメンテナンスするメンテナンス機構と、前記噴射ノズルの開口である出射口及び前記回収ノズルの開口である回収口が形成された液滴噴射面とを有するヘッドと、前記噴射用流路内の液体に噴射圧力を付与する噴射圧付与機構と、前記噴射ノズルの出射口と前記回収ノズルの回収口の両方を密閉して覆うように、前記液滴噴射面に当接可能なキャップと前記回収用流路に液体連結され、前記回収流路内の液体にパージ圧を与えるパージ圧付与機構を備え、前記パージ圧付与機構により、前記出射口から前記液体を流出させて、さらに、この液体を前記回収口から前記回収用流路へ回収する液滴噴射装置が提供される。
【0024】
本発明の第2の態様によれば、ヘッドにメンテナンス機構が設けられており、キャップとメンテナンス機構とは一体化されていないため、液滴噴射装置のキャップが配置されている領域を小型化することができ、液滴噴射装置の設置面積を小さくすることができる。
【0025】
なお、本願において、用語「パージ圧」は、回収流路を通じて液体を回収するために、回収流路内の液体等に加える圧力を意味し、陰圧及び陽圧のいずれの場合も含むものとする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明の実施形態について説明する。本実施形態は、液滴噴射装置として、ノズルから記録用紙に対してインクを噴射して画像などを記録するインクジェットプリンタに本発明を適用した一例である。
【0027】
図1に示すように、インクジェットプリンタ100は、走査方向(図1の左右方向)に移動可能なキャリッジ101と、このキャリッジ101に設けられて記録用紙Pに対してインクを吐出するシリアル式のインクジェットヘッド1と、記録用紙Pを図1の紙送り方向(前方)へ搬送する搬送ローラ102等を備えている。インクジェットヘッド1には、インクタンク60に接続されたサブタンク61からチューブ62を介してインクが供給される。そして、このインクジェットヘッド1は、キャリッジ101と一体的に走査方向へ移動しつつ、その下面のインク噴射面40(液滴噴射面)に形成された噴射ノズル20の出射口20a(図4参照)から記録用紙Pにインクを噴射して、記録用紙Pに画像等の記録を行うように構成されている。また、インクジェットヘッド1により記録された記録用紙Pは、搬送ローラ102により紙送り方向へ排出される。
【0028】
さらに、インクジェットプリンタ100は、複数の噴射ノズル20の出射口20aを覆うようにインク噴射面40に当接可能なキャップ65と、このキャップ65がインク噴射面40に当接した状態で噴射ノズル20からインクを吸引して強制的に流出させる吸引ポンプ66(吸引装置、パージ圧付与機構)を備えている。そして、インクジェットプリンタ100は、塵等の異物による噴射ノズル20の目詰まりやインクジェットヘッド1のインク流路内への気泡の混入が発生して、噴射ノズル20から正常にインクを噴射させることができないときには、インク噴射面40にキャップ65を当接させた状態で、吸引ポンプ66を作動させて、噴射ノズル20から強制的にインクを噴射させる、パージ動作を行う。
【0029】
次に、インクジェットヘッド1について図2〜図7を参照して詳細に説明する。図2〜図7に示すように、インクジェットヘッド1は、圧力室14を含む個別インク流路21(図6参照)が形成された流路ユニット2と、この流路ユニット2の上面に配置された圧電アクチュエータ3(噴射圧付与機構)とを備えている。
【0030】
まず、流路ユニット2について説明する。図3、図5〜図7に示すように、流路ユニット2はキャビティプレート10、ベースプレート11、マニホールドプレート12、及びノズルプレート13を備えており、これら4枚のプレート10〜13が積層状態で接合されている。このうち、キャビティプレート10、ベースプレート11及びマニホールドプレート12はステンレス鋼製の板であり、これら3枚のプレート10〜12に、後述するマニホールド17や圧力室14等のインク流路をエッチングにより容易に形成することができる。また、ノズルプレート13は、例えば、ポリイミド等の高分子合成樹脂材料により形成され、マニホールドプレート12の下面に接着される。あるいは、このノズルプレート13も、3枚のプレート10〜12と同様にステンレス鋼等の金属材料で形成されていてもよい。
【0031】
図2、図3、及び、図5〜図7に示すように、キャビティプレート10には、平面に沿って配列された複数の圧力室14(例えば、10個)が形成されており、これら複数の圧力室14は、上方へ開口している。また、複数の圧力室14は、紙送り方向(図2の上下方向)に2列に配列されている。各圧力室14は、平面視で走査方向(図2の左右方向)に長い、略楕円形状に形成されている。
【0032】
ベースプレート11の、平面視で圧力室14の両端部と重なる位置には、それぞれ連通孔15,16が形成されている。また、マニホールドプレート12には、紙送り方向(図2の上下方向)に延びるマニホールド17が形成されている。また、このマニホールド17は、平面視で、左側に配列された圧力室14の左半分、及び、右側に配列された圧力室14の右半分とそれぞれ重なるように配置されている。そして、このマニホールド17は、後述の振動板30に形成されたインク供給口18に連通しており、サブタンク61(図1参照)からチューブ62及びインク供給口18を介してマニホールド17へインクが供給される。また、マニホールドプレート12の、平面視で複数の圧力室14のマニホールド17と反対側の端部と重なる位置には、それぞれ、複数の連通孔16に連なる複数の連通孔19も形成されている。
【0033】
さらに、ノズルプレート13の、平面視で複数の連通孔19にそれぞれ重なる位置には、複数の噴射ノズル(個別噴射ノズル)20が形成されている。図2、図4に示すように、複数の噴射ノズル20(複数の噴射ノズル20の出射口(個別出射口)20a)は、2列に配列された複数の圧力室14のマニホールド17と反対側の端部と重なっており、インクジェットヘッド1の左右方向略中央部において、紙送り方向(図2の上下方向)に等間隔のピッチで2列に配列されている。尚、ノズルプレート13が合成樹脂材料からなる場合には、噴射ノズル20は、エキシマレーザー加工などにより形成することができる。また、ノズルプレート13が金属材料からなる場合には、プレス加工などにより形成することができる。
【0034】
そして、図6に示すように、マニホールド17は連通孔15を介して圧力室14に連通し、さらに、圧力室14は、連通孔16,19を介してノズル20に連通している。このように、流路ユニット2内には、マニホールド17から圧力室14を経て噴射ノズル20に至る複数の個別インク流路21が形成されている。そして、マニホールド17及び複数の個別インク流路21により、複数の噴射ノズル20から記録用紙Pに対してインクを噴射するための噴射用流路22が構成されている。
【0035】
ところで、本実施形態のインクジェットプリンタ100においては、噴射ノズル20に目詰まりが生じたり、流路ユニット2内の噴射用流路22に気泡が混入した場合には、キャップ65及び吸引ポンプ66により、噴射ノズル20からインクを強制的に流出するパージ動作が行われる。そして、流路ユニット2には、前述のマニホールド17及び複数の個別インク流路21からなる噴射用流路22とは別に、パージ動作時に噴射ノズル20から流出されたインクを回収するための、回収ノズル25及び回収用流路28を有するメンテナンス機構300が設けられている。
【0036】
図2、図4、図7に示すように、ノズルプレート13の噴射ノズル20の周りには、複数の回収ノズル(個別回収ノズル)25が形成されている。これら複数の回収ノズル25の、インク噴射面40における開口である回収口(個別回収口)25aは、紙送り方向(図2、図4の上下方向)に配列された複数の噴射ノズル20の出射口20aの間において、これら出射口20aに近接して配置されている。そして、これら複数の回収口25aは、複数の出射口20aと同様に紙送り方向に2列に配列されている。
【0037】
また、流路ユニット2内には、複数の回収ノズル25に連通する回収用流路28が形成されている。この回収用流路28は、マニホールドプレート12に形成され、複数の回収ノズル25にそれぞれ連通する個別回収流路26と、これら複数の個別回収流路26が合流して形成される合流流路27とを含んでいる。図2、図4に示すように、複数の個別回収流路26は、平面視で、2列に配列された複数の回収ノズル25からそれぞれ走査方向(左右方向)に延びて、流路ユニット2の走査方向(図2の左右方向)中央部において紙送り方向に延びる合流流路27に合流している。また、合流流路27は、その一端部(図2、図4の上端部)において折れ曲がり、キャビティプレート10に形成された接続口29から、図1に示すように、チューブ63、吸引ポンプ66及びチューブ64を介してサブタンク61に接続されている。
【0038】
パージ動作時には、複数の噴射ノズル20の出射口20aが形成されたインクジェットヘッド1のインク噴射面40(ノズルプレート13の下面)に、噴射されたインクを受ける後述のキャップ65が、複数の出射口20aを覆うように当接される。この状態で、吸引ポンプ66(図1参照)により回収用流路28側から空気等を吸引し、キャップ65とインク噴射面40との間に形成された空間50(図3参照)を減圧することにより、噴射ノズル20からインクを強制的に流出させる。ここで、図4に示すように、複数の回収口25aは、複数の出射口20aの間に配置されているため、複数の回収口25aもこのキャップ65により覆われる。そして、噴射ノズル20の出射口20aから、キャップ65とインク噴射面40との間に形成された空間50へと流出したインクが、回収ノズル25から回収用流路28を経てサブタンク61に回収される。このパージ動作時のインク回収については後ほどさらに詳しく説明する。
【0039】
次に、圧電アクチュエータ3について説明する。図2〜図7に示すように、圧電アクチュエータ3は、流路ユニット2の上面に配置された振動板30と、この振動板30の上面に形成された圧電層31と、この圧電層31の上面に複数の圧力室14にそれぞれ対応して形成された個別電極32とを備えている。
【0040】
振動板30は、平面視で略矩形状の金属材料からなる板であり、例えば、ステンレス鋼等の鉄系合金、銅系合金、ニッケル系合金、あるいは、チタン系合金などからなる。この振動板30は、キャビティプレート10の上面に複数の圧力室14を覆うように配設され、キャビティプレート10の上面に接合されている。また、金属製の振動板30は導電性を有しており、この振動板30と個別電極32との間に挟まれた圧電層31に電界を作用させる共通電極を兼ねている。
【0041】
振動板30の上面には、チタン酸鉛とジルコン酸鉛との固溶体であり強誘電体であるチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を主成分とする圧電層31が配置されている。図2、図3に示すように、この圧電層31は、複数の圧力室14に亙って連続的に形成されている。ここで、圧電層31は、例えば、非常に小さな圧電材料の粒子を基板に吹き付けて高速で衝突させ、基板に堆積させるエアロゾルデポジション法(AD法)を用いて形成することができる。また、スパッタ法、化学蒸着法(CVD法)、ゾルゲル法、あるいは、水熱合成法などにより形成することもできる。あるいは、PZTのグリーンシートを焼成することにより生成された圧電シートを所定の大きさに切断し、この切断された圧電シートを振動板30に貼り付けることにより圧電層31を形成してもよい。
【0042】
圧電層31の上面には、圧力室14よりも一回り小さい、平面視で楕円形の形状を有する複数の個別電極32が形成されている。これら複数の個別電極32は、平面視で、対応する圧力室14の中央部に重なる位置にそれぞれ形成されている。また、個別電極32は金、銅、銀、パラジウム、白金、あるいは、チタンなどの導電性材料からなる。さらに、圧電層31の上面には、複数の個別電極32のマニホールド17側の端部から、それぞれ、個別電極32の長手方向(図2の左右方向)と平行に延びる複数の配線部35も形成されている。これら複数の個別電極32及び複数の配線部35は、例えば、スクリーン印刷、スパッタ法、あるいは、蒸着法等により形成することができる。
【0043】
複数の配線部35には、フレキシブルプリント配線板(Flexible Printed Circuit:FPC)等の可撓性を有する配線部材(図示省略)が接合され、図6に示すように、配線部材を介してドライバIC37と電気的に接続されている。そして、ドライバIC37から配線部35を介して複数の個別電極32に対して選択的に駆動電圧が供給される。
【0044】
次に、圧電アクチュエータ3の作用について説明する。所望の個別電極32に対してドライバIC37から選択的に駆動電圧が印加されると、駆動電圧が供給された圧電層31上側の個別電極32の電位と、グランド電位に保持されている圧電層31下側の共通電極としての振動板30の電位が異なる状態となり、個別電極32と振動板30の間に挟まれた圧電層31の部分にその厚み方向の電界が生じる。このとき、圧電層31の分極方向と電界の方向とが同じ場合には、圧電層31がその分極方向である厚み方向と直交する水平方向に収縮する。このとき、この圧電層31の収縮に伴って振動板30が圧力室14側に凸となるように変形するため、圧力室14内の容積が減少して圧力室14内のインクに噴射圧力が付与され、圧力室14に連通する噴射ノズル20からインクが噴射される。
【0045】
次に、パージ動作時に使用されるキャップ65及び吸引ポンプ66について説明する。図1に示すように、キャップ65は、記録用紙Pの搬送経路よりも走査方向に関して外側(図1の左側)の、インクジェットヘッド1の退避位置の下方に配置されている。また、図3に示すように、このキャップ65は、図示しない駆動モータにより上下方向(図3の矢印方向)に移動する。そして、パージ動作を行う際には、インクジェットヘッド1が退避位置に移動した後に、キャップ65が上方へ駆動されてインク噴射面40に当接する。
【0046】
図3、図4に示すように、キャップ65は、噴射ノズル20の配列方向である紙送り方向に長い形状を有し、2列に配列された噴射ノズル20の出射口20aの全てを覆うように、インク噴射面40の走査方向(図4の左右方向)の中央部に当接可能である。ここで、前述したように、複数の回収ノズル25の回収口25aは、紙送り方向(図4の上下方向)に配列された複数の出射口20aの間にそれぞれ配置されているため、キャップ65がインク噴射面40に当接したときには、図4に示すように、複数の出射口20aと複数の回収口25aの全てがキャップ65により密閉した状態で覆われる。
【0047】
図1に示すように、吸引ポンプ66は、流路ユニット2に形成された回収用流路28の開口端である接続口29(図2、図4参照)とチューブ63を介して接続されている。さらに、吸引ポンプ66は、サブタンク61にチューブ64を介して接続されている。そして、パージ動作時には、図3、図4に示すように、インク噴射面40にキャップ65が当接することにより、複数の噴射ノズル20の出射口20aと複数の回収ノズル25の回収口25aとがキャップ65により密閉して覆われる。この状態で、吸引ポンプ66により、チューブ63を介して回収用流路28から空気等を吸引し、キャップ65とインク噴射面40との間の空間50を減圧する。すると、インクが、噴射ノズル20の出射口20aからこの空間50内に噴射される。ここで、インク噴射面40において、回収ノズル25の回収口25aが出射口20aに近接して配置されているため、噴射ノズル20から空間50を経て回収ノズル25(回収用流路28)に至るインクの流れが生じ、噴射ノズル20から空間50に流出されたインクの大部分が回収口25aに吸い込まれて回収用流路28に回収されるため、インク噴射面40の出射口20a付近に付着するインクが少なくなる。従って、噴射ノズル20から流出されたときに泡立ったインクが、噴射ノズル20から流路ユニット2の内部に戻って、その噴射ノズル20に噴射異常を生じさせてしまうのを極力防止することができる。
【0048】
また、吸引ポンプ66により回収口25aから回収用流路28に吸い込まれたインクは、チューブ64を介してサブタンク61(貯留部)に送られる。図8に示すように、サブタンク61は、サブタンク61の側部に設けられてインクタンク60(図1参照)と接続されるタンク接続部70と、サブタンク61の底部に設けられて流路ユニット2の噴射用流路22(インク供給口18:図2参照)と接続されるインク供給部71と、サブタンク61の上部に設けられて吸引ポンプ66を介して流路ユニット2の回収用流路28(接続口29:図2参照)と接続されるインク回収部72とを備えている。また、このサブタンク61の内部には、タンク接続部70とインク供給部71の両方に連通するインク供給空間73と、インク回収部72に連通し、インク供給空間73とは隔壁部75を介して仕切られたインク回収空間74とが形成されている。そして、隔壁部75には、インク供給空間73とインク回収空間74とを連通させる連通孔76が形成されている。そのため、回収口25aから回収用流路28へ回収されてサブタンク61内に流入したインクは、インク回収空間74から連通孔76を通ってインク供給空間73に流れて、インク供給部71から再び噴射用流路22へ供給され、再利用される。また、連通孔76には、回収用流路28から回収されたインクに含まれる異物を除去するフィルタ77が設けられている。従って、回収用流路28からサブタンク61内に流れ込んだインクは、サブタンク61内のフィルタ77により異物が除去された後に、噴射用流路22へ流れるため、異物が噴射用流路22に流れて噴射ノズル20を詰まらせてしまうのを防止できる。尚、サブタンク61及びチューブ62,63,64は、本願発明の連通部に相当し、流路ユニット2の外で噴射用流路22と回収用流路28とを連通させている。
【0049】
以上説明したインクジェットプリンタ100によれば、次のような効果が得られる。インク噴射面40には、噴射ノズル20の出射口20aに近接して回収ノズル25の回収口25aが設けられており、パージ動作時には、噴射ノズル20の出射口20aと、回収ノズル25の回収口25aとが1つのキャップ65により覆われる。従って、吸引ポンプ66により回収用流路28側から吸引されて噴射ノズル20から流出するインクの大部分は、出射口20aに近接する回収口25aから回収用流路28へ回収される。そのため、噴射ノズル20から流出されたときに泡立ったインクがインク噴射面40に付着しにくくなり、また、泡立ったインクが噴射ノズル20から流路ユニット2の内部に戻って、噴射ノズル20に噴射異常を生じさせることを極力防止することができる。
【0050】
また、複数の回収口25aは、紙送り方向に配列された複数の出射口20aの間にそれぞれ配置されている。そのため、2つの出射口20aから噴射されたインクを、その間に配置された1つの回収口25aから回収でき、回収口25aの数を少なくすることが可能になる。従って、回収口25aを効率よく配置でき、噴射ノズル20を高密度に配置してインクジェットヘッド1の小型化を図ることができる。
【0051】
さらに、流路ユニット2に形成された噴射用流路22と回収用流路28は、流路ユニット2の外部で、サブタンク61及びチューブ62,63,64を介して連通している。従って、パージ動作時に噴射ノズル20から噴射された液体を回収ノズル25で回収した後に、さらに、サブタンク61及びチューブ62,63,64を介して噴射用流路22に戻すことができるため、パージ動作時に噴射されたインクを再利用することができる。そのため、インクジェットプリンタ100には、パージ動作時に回収されたインクを廃棄するための廃液室を設ける必要がなく、インクジェットプリンタ100の部品点数を減らして、大きさを小さくすることができる。また、パージ動作時に廃棄されるインクの量を予め見込んでおく必要がないため、インクタンク60の大きさを抑えることも可能となる。また、本実施形態では、キャップには、インクを吸引するための機構が設けられていない。従って、キャップとパージ機構とが一体になっている場合と比べて、プリンタ本体の設置面積を小さくすることが可能である。
【0052】
次に、前記実施形態に種々の変更を加えた変更形態について説明する。但し、前記実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
【0053】
〈第1変更形態〉
図9に示すように、紙送り方向(図9の上下方向)に配列された複数の出射口20aの、配列方向両端側の位置(図9の上下両端側の位置)にもそれぞれ回収口25aが設けられており、全ての出射口20aの各々に対して、その配列方向に関して両側(出射口20aに対して互いに反対側)の位置に2つの回収口25aが配置されていてもよい。このインクジェットヘッド1Aでは、パージ動作時に出射口20aからキャップ65Aへ流出されたインクを、この出射口20aの配列方向に関して両側に位置する2つの回収口25aから回収用流路28Aへ回収することができるため、出射口20a付近に付着するインクの量がさらに少なくなる。
【0054】
〈第2変更形態〉
また、図10に示すように、紙送り方向(図10の上下方向)に配列された出射口20aの列に対して、走査方向(図10の左右方向)両側の位置に、複数の回収口25aが、出射口20aの列に平行に配列されており、全ての出射口20aの各々に対して、走査方向に関して両側(出射口20aに対して互いに反対側)の位置に2つの回収口25aが配置されていてもよい。このインクジェットヘッド1Bにおいても、出射口20aからキャップ65Bへ噴射されたインクを、この出射口20aの走査方向の両側に位置する2つの回収口25aから回収用流路28Bへ回収することができるため、出射口20a付近に付着するインクの量が少なくなる。
【0055】
〈第3変更形態〉
複数の噴射ノズル20の出射口20aが等間隔で複数列に配列され、これら複数列の出射口20aの列の間に、複数の回収口25aが配列されていてもよい。例えば、図11に示すインクジェットヘッド1Cにおいては、2列に配置された出射口20aの各列の間に、1列に配置された複数の回収ノズル25の回収口25aが、出射口20aの列に平行に配列されている。この構成では、前記実施形態及び前述の第1、第2変更形態と比べて、インク噴射面40において噴射ノズル20を配置する領域を広く確保できるため、噴射ノズル20を高密度に配置して、インクジェットヘッド1Cを小型化することが可能になる。
【0056】
また、図11のインクジェットヘッド1Cにおいては、隣接する2列の出射口20aの列に関して、一方の列に属する出射口20aが、他方の列に属する出射口20aに対して、紙送り方向(図11の上下方向)にピッチの半分だけずれて配置されている。また、複数の回収口25aは、出射口20aの列と同じピッチで配列されている。さらに、各回収口25aは、その両側に配列された2列の出射口20aの列に含まれ、且つ、配列方向である紙送り方向にピッチの半分だけずれて配置された、2つの出射口20aを結ぶ直線L上において、2つの出射口20aとの間の距離が等しくなる位置に位置している。このインクジェットヘッド1Cでは、複数の噴射ノズル20からキャップ65Cへ噴射されたインクを、少ない数(噴射ノズル20の半分の数)の回収ノズル25により効率よく回収することができる。但し、この構成によれば、前記実施形態に比べて回収口25a(回収ノズル25)の数が少なくなるため、全体的なインクの回収量も少なくなる。そこで、少ない数の回収口25aでより多くのインクを回収するために、例えば、図11に示すように、回収口25aの径を出射口20aの径に対して大きくしてもよい。
【0057】
〈第4変更形態〉
図12に示すように、回収ノズル25に連通する個別回収流路26Dが、マニホールドプレート12Dではなく、ノズルプレート13Dに形成されていてもよい。
【0058】
〈第5変更形態〉
図13に示すインクジェットプリンタ100Eのように、前記実施形態の吸引ポンプ66(図1参照)の代わりに、サブタンク61とインクジェットヘッド1(流路ユニット2)の噴射用流路22との間に、パージ動作時に噴射用流路22内のインクを加圧することにより噴射ノズル20からインクを流出させる、加圧ポンプ80(加圧装置)を設けてもよい。この場合にも、噴射用流路22に液体連通する回収用流路28内のインクに対して、インクを回収するためのパージ圧を付与することができる。
【0059】
〈第6変更形態〉
さらに、図14に示すインクジェットプリンタ100Fのように、インクジェットヘッド1(流路ユニット2)の回収用流路28とサブタンク61の間に吸引ポンプ66を設けるとともに、サブタンク61と噴射用流路22との間に加圧ポンプ80を設けてもよい。この構成によれば、パージ動作時に、吸引ポンプ66により回収用流路28側から吸引するとともに、加圧ポンプ80により噴射用流路22側からインクを加圧して、噴射ノズル20からインクを噴射させるため、噴射速度をより高めることができ、噴射ノズル20のパージをより確実に行える。
【0060】
また、専用のポンプを設けずに、噴射用流路22内のインクに圧力を付与する機構(圧電アクチュエータ3)を用いてパージ動作を行ってもよい。この場合、パージ動作の際にインクに付与する圧力が記録を行うときに付与する圧力よりも大きくなるようにインクに圧力を付与する機構を制御することが望ましい。この場合にも、噴射用流路22に液体連通する回収用流路28内のインクに対して、インクを回収するためのパージ圧を付与することができる。
【0061】
なお、噴射用流路内のインクに圧力を付与する機構は、圧電式のアクチュエータに限られるものではない。例えば、ヒータによりインクを加熱・沸騰させることでインクに圧力を付与するものや、静電力によって薄板状のアクチュエータを変形させてインクに圧力を付与するものであってもよい。
【0062】
〈第7変更形態〉
パージ動作時にインクジェットヘッドのインク噴射面を覆うキャップの形状は、上記実施形態及び変更形態で示された形状に限らず、任意の形状にし得る。特に、キャップの内部の形状は、噴射ノズル20及び回収ノズル25の配置に合わせて任意に変更しうる。例えば、上記実施形態で示されたような、内部が区画されていないキャップを用いることができる。この場合には、キャップがインク噴射面を覆った際に、キャップの内面とインク噴射面とによって、1つの連続した空間が形成される。また、例えば、図4を参照して説明したような、列状に配置された噴射ノズル20及び回収ノズル25を備えるインクジェットヘッド1に対しては、図15に示すようなキャップ165Aを用いることができる。キャップ165Aの内部は、各ノズル列毎に区画されている。この場合には、パージ動作時に、各ノズル列の間の部分にインクが飛散することが無い。また、1つの回収ノズル当たりの吸引すべき空間の体積が小さくなるため、回収ノズルの吸引の効率を高めることができる。さらに、例えば、図10を参照して説明したような、列状に配置された噴射ノズル20の両脇に列状に配置された回収ノズル25を備えるインクジェットヘッド1Bに対しては、図16に示されるようなキャップ165Bを用いることができる。キャップ165Bの内部は、1つの噴射ノズル20とその両脇の回収ノズル25を単位とする10個の区画に分割されている。この場合にも、パージ動作時に、区画を超えてインクが飛散するおそれが無く、1つの回収ノズル当たりの吸引すべき空間の体積が非常に小さくなるため、吸引の効率を高めることができる。なお、図15及び図16においては、回収用流路が省略されている。
【0063】
〈第8変更形態〉
インクジェットヘッドのインク噴射面の撥液性の程度は、任意に調整することができる。例えば、図17に示すように、図4で示されたインクジェットヘッド1の噴射ノズル20及び回収ノズル25の周囲に、それぞれ高撥液性領域120と低撥液性領域125を形成することができる。このように、噴射ノズル20の周囲に高撥液性領域120を形成することによって、噴射ノズル20の周囲にインクが付着するのを防ぐことができる。また、回収ノズル25の周囲に低撥液性領域125を形成することにより、パージ動作時に、回収ノズル25の周囲に付着したインクを効率よく回収することができる。噴射ノズル20の周囲に形成される高撥液性領域120は、例えばフッ素系樹脂の膜をコーティングすることにより形成されうる。また、回収ノズル25の周囲に形成される低撥液性領域125は、例えば親水性の膜をコーティングすることにより形成されうる。あるいは、ノズルプレート13がポリイミドなどの材料で形成されている場合には、低撥液性領域125は、ノズルプレート13の表面に弱い出力のレーザー光を照射して、ノズルプレート13のレーザーが照射された領域の撥液性を下げることによっても形成されうる。また、ノズルプレート13のインク噴射面に、高撥液性領域又は低撥液性領域のいずれか一方のみを形成することもでき、そのような場合であっても、上記の効果を得ることができる。
【0064】
以上、液滴噴射装置として、記録用紙にインクを噴射して記録するインクジェットプリンタに本発明を適用した形態について説明したが、本発明を適用可能な形態はこれらの形態に限られるものではなく、インク以外の液体を様々な対象物に噴射する種々の液滴噴射装置に本発明を適用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の実施形態に係るインクジェットプリンタの概略構成図である。
【図2】インクジェットヘッドの平面図である。
【図3】図2のIII-III線断面図である。
【図4】インクジェットヘッドの底面図である。
【図5】図2の一部拡大図である。
【図6】図5のVI-VI線断面図である。
【図7】図5のVII-VII線断面図である。
【図8】サブタンクの断面図である。
【図9】第1変更形態のインクジェットヘッドの底面図である。
【図10】第2変更形態のインクジェットヘッドの底面図である。
【図11】第3変更形態のインクジェットヘッドの底面図である。
【図12】第4変更形態の図7相当の断面図である。
【図13】第5変更形態のインクジェットプリンタの概略構成図である。
【図14】第6変更形態のインクジェットプリンタの概略構成図である。
【図15】図15は第7変更形態のインクジェットヘッドの底面図である。
【図16】図16は第7変更形態のインクジェットヘッドの底面図である。
【図17】図17は第8変更形態のインクジェットヘッドの底面図である。
【符号の説明】
【0066】
1,1A,1B,1C インクジェットヘッド
2 流路ユニット
3 圧電アクチュエータ
20 噴射ノズル
22 噴射用流路
25 回収ノズル
25a 回収口
28,28A,28B 回収用流路
40 インク噴射面
50 空間
61 サブタンク
62,63,64 チューブ
65,65A,65B,65C キャップ
66 吸引ポンプ
77 フィルタ
80 加圧ポンプ
100 ,100E,100F インクジェットプリンタ





 

 


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