Warning: copy(.htaccess): failed to open stream: Permission denied in /home/jp321/public_html/header.php on line 8
保護キャップ、インクジェット記録装置および保護キャップの製造方法 - ブラザー工業株式会社
米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 繊維;紙;印刷 -> ブラザー工業株式会社

発明の名称 保護キャップ、インクジェット記録装置および保護キャップの製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−8016(P2007−8016A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−191953(P2005−191953)
出願日 平成17年6月30日(2005.6.30)
代理人 【識別番号】100082500
【弁理士】
【氏名又は名称】足立 勉
発明者 梅田 隆一郎
要約 課題
壊れにくく、そのリップ部が吸引時に倒れるのを防止するとともに、より確実な密閉状態を実現できるインクジェット記録装置の保護キャップを、より少ない製造工程および製造コストで提供すること。

解決手段
保護キャップ17の本体部17aについては、熱可塑性エラストマー組成物にブチルゴム成分を含有した第一の硬度を有する第一の材料にて構成されており、本体部17aの突出部17cの少なくとも上部を覆うように装着されるリップ部17bについては、熱可塑性エラストマー組成物にブチルゴム成分を含有した第二の硬度を有する第二の材料にて構成されている。なお、第一の硬度と第二の硬度とでは、第一の硬度の値よりも第二の硬度の値の方が低い。
特許請求の範囲
【請求項1】
インクジェット記録装置が備える記録ヘッドの吐出面に設けられているノズル列を覆い、所定の密閉空間を形成する保護キャップであって、
基部と前記基部から突出するように一体成形される突出部とを有する本体部と、
弾性を有し、前記本体部の前記突出部の少なくとも上部を覆うように装着されるリップ部と、を備え、
前記本体部は、熱可塑性エラストマー組成物にブチルゴム成分を含有した第一の硬度を有する第一の材料にて構成されており、
前記リップ部は、熱可塑性エラストマー組成物にブチルゴム成分を含有した、その値が前記第一の硬度よりも低い第二の硬度を有する第二の材料にて構成されていること
を特徴とする保護キャップ。
【請求項2】
請求項1に記載の保護キャップにおいて、
前記第一の材料および前記第二の材料は、熱可塑性エラストマー組成物にブチルゴム成分を20%以上含有させた材料であることを特徴とする保護キャップ。
【請求項3】
請求項1または請求項2の何れかに記載の保護キャップにおいて、
前記第一の硬度は60度以上であることを特徴とする保護キャップ。
【請求項4】
請求項1〜請求項3の何れかに記載の保護キャップにおいて、
前記第二の硬度は40度以下であることを特徴とする保護キャップ。
【請求項5】
請求項1〜請求項4の何れかに記載の保護キャップにおいて、
前記第一の硬度は60度以上であり、前記第二の硬度は40度以下であることを特徴とする保護キャップ。
【請求項6】
請求項1〜請求項5の何れかに記載の保護キャップと、
熱可塑性エラストマー組成物にブチルゴム成分を含有した材料にて構成され、前記保護キャップを支持するためのキャップホルダと、
を備え、前記保護キャップと前記キャップホルダとを一体に形成したことを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項7】
請求項1〜請求項5の何れかに記載の本体部を製作するための第一の上側金型と前記本体部および請求項1〜請求項5の何れかに記載のリップ部を製作するための下側金型との間に形成された空間に、前記第一の材料を射出することで前記本体部を射出成形する第一工程と、
前記第一の上側金型に代えて請求項1〜請求項5の何れかに記載のリップ部を製作するための第二の上側金型と前記下側金型との間に形成された空間に、前記第二の材料を射出することで、前記本体部の前記突出部の少なくとも上部を覆うように前記リップ部を射出成形する第二工程と、
を有する保護キャップの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録ヘッドの吐出面に設けられているノズル列を覆い、所定の密閉空間を形成する保護キャップ、当該保護キャップを備えるインクジェット記録装置、および保護キャップの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、噴射ノズルからサブタンク内のインクを選択的に噴射して被記録媒体に画像記録を行う記録ヘッドと、記録ヘッドに備えられるノズル面を密閉保持するための保護キャップとを備えるインクジェット記録装置が知られている。
【0003】
上述の保護キャップとしては、特許文献1の図4に例示するように、記録ヘッドの吐出面に設けられているノズル列を覆い、所定の密閉空間を形成するための窪みを有する本体部とこの窪みの周縁に設けられて記録ヘッドの吐出面に密着するリップ部とがゴムにて一体成形されたものが用いられている。
【0004】
なお、上述の保護キャップでは、記録ヘッドの吐出面に当接する部分であるリップ部の硬度を30〜40度としている。これは、リップ部の硬度が高いと記録ヘッドの吐出面との間に隙間ができやすく、一方、リップ部の硬度が低いと突出部が倒れてしまいやすいからである。
【0005】
しかし、上述のような保護キャップは、上述のようにゴムで一体成形されていたため、記録ヘッドのノズルの目詰まり防止のための吸引動作を行うと、密閉空間内に強い負圧が生じ、リップ部が倒れてノズルを塞いでしまうという問題を有していた。
【0006】
そこで、特許文献1の図3に例示するように、基部とその基部から突出するように一体成形される突出部とを有する合成樹脂製の本体部と、弾性を有し、本体部の突出部の少なくとも上部を覆うように装着されるゴム製のリップ部材とから構成されるキャップ部が知られている(例えば、特許文献1参照。)。このことにより、保護キャップのリップ部が吸引時に倒れるのを防止するとともに、より確実な密閉状態を実現することができるとされている。
【特許文献1】特開2001−80091号公報(第3,4頁、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上述のようなインクジェット記録装置が備える保護キャップにおいては、本体部が合成樹脂製であるとともにリップ部材がゴム製であるため、本体部とリップ部材との接合面から乖離しやすいという問題があった。
【0008】
なお、このような問題を解決するために、例えば本体部の突出部に突起や孔を設け、その本体部の突出部をリップ部材が覆うことで、本体部の突起部の突起や孔とリップ部材とが噛み合うように構成することが考えられるが、本体部を製作するための金型の形状が複雑になるという問題がある。
【0009】
また、上述のようなインクジェット記録装置が備える保護キャップにおいては、次のような理由により、その製造工程が多くなり、且つその製造コストが高価になるという問題があった。すなわち、上述の保護キャップにおいては、本体部の材質とリップ部材の材質が異なるため、本体部を製作するための金型と、リップ部材を製作するための金型とを用意する必要がある。このように2種類の金型を用意する分製造コストが高価となる。また、本体部を製作するための金型へ樹脂材料を射出することで本体部を射出成形し、その金型から取り出した樹脂成形品を、リップ部材を製作するための金型に入れてゴム成形することで、保護キャップが製作される。このように、保護キャップを製作するために2種類の成形工程を経る分製造コストが多くなり、且つ製造コストが高価になる。
【0010】
本発明は、このような不具合に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、壊れにくく、保護キャップのリップ部が吸引時に倒れるのを防止するとともに、より確実な密閉状態を実現できるインクジェット記録装置の保護キャップを、より少ない製造工程および製造コストで提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するためになされた請求項1に係るインクジェット記録装置の保護キャップは、インクジェット記録装置が備える記録ヘッドの吐出面に設けられているノズル列を覆い、所定の密閉空間を形成する保護キャップであって、基部と前記基部から突出するように一体成形される突出部とを有する本体部と、弾性を有し、前記本体部の前記突出部の少なくとも上部を覆うように装着されるリップ部と、を備え、前記本体部は、熱可塑性エラストマー組成物にブチルゴム成分を含有した第一の硬度を有する第一の材料にて構成されており、前記リップ部は、熱可塑性エラストマー組成物にブチルゴム成分を含有した、その値が前記第一の硬度よりも低い第二の硬度を有する第二の材料にて構成されていることを特徴とする。
【0012】
このように構成された本発明によれば、基部と、基部から突出するように一体成形される突出部とを有する本体部については、熱可塑性エラストマー組成物にブチルゴム成分を含有した第一の硬度を有する第一の材料にて構成されており、本体部の突出部の少なくとも上部を覆うように装着されるリップ部については、熱可塑性エラストマー組成物にブチルゴム成分を含有した第二の硬度を有する第二の材料にて構成されている。なお、第一の硬度と第二の硬度とでは、第一の硬度の値よりも第二の硬度の値の方が低い。このことにより、本体部の硬度が高いので保護キャップが吸引時に倒れにくくなる。また、リップ部についてはその硬度が低いことから弾性を有しているので、記録ヘッドの吐出面との間でより確実な密閉状態を実現できる。
【0013】
なおこの場合、本体部についてはその硬度が60度以上であることが望ましい(請求項3)。また、リップ部についてはその硬度が40度以下であることが望ましい(請求項4)。さらに、第一の硬度が60度以上であり、且つ第二の硬度が40度以下であれば、成形上、好適な条件となる(請求項5)。
【0014】
また、本体部とリップ部とは、双方とも熱可塑性エラストマー組成物にブチルゴム成分を含有した材料で構成されており、熱可塑性エラストマー組成物にブチルゴム成分を含有した異なる硬度の材料を順に同一の金型に射出することで成形される。このことにより、本体部とリップ部材との接合面では、2層の間の分子結合がよいために乖離しにくく、保護キャップが壊れにくい。
【0015】
さらに、本体部を射出成形する第一工程とリップ部を射出成形する第二工程とでは下側の金型を共通化できるので、本体部を成形したときにその本体部を下側の金型から取り外さずに上側の金型を交換することでリップ部を成形することができる。このことにより、より少ない製造工程および製造コストで製造可能である。
【0016】
したがって、インクジェット記録装置の保護キャップにおいて、より少ない製造工程および製造コストで製造可能であり、壊れにくく、保護キャップのリップ部が吸引時に倒れるのを防止するとともに、より確実な密閉状態を実現できる。
【0017】
なお、上述の第一の材料および第二の材料については、熱可塑性エラストマー組成物にブチルゴム成分を20%以上含有させた材料であることが考えられる(請求項2)。このようにすれば、保護キャップにおける空気透過性が低くなり、記録ヘッドの吐出面との密閉性がよくなる。
【0018】
また、上述の熱可塑性エラストマーについては、ポリプロピレンまたはポリエチレンの何れか一方を含有することが考えられる。
さらに、上述の保護キャップと、熱可塑性エラストマー組成物にブチルゴム成分を含有した材料にて構成され、保護キャップを支持するためのキャップホルダと、を備えるインクジェット記録装置において、保護キャップとキャップホルダとを一体に形成することが考えられる(請求項6)。このようにすれば、保護キャップとキャップホルダとをより少ない製造工程および製造コストで製造することができる。また、インクジェット記録装置の部品点数を削減するとともに、保護キャップとキャップホルダとを組み立てる際の組み付け工数を削減することができる。
【0019】
ところで、上述の保護キャップは、請求項1〜請求項5の何れかに記載の本体部を製作するための第一の上側金型と前記本体部および請求項1〜請求項5の何れかに記載のリップ部を製作するための下側金型との間に形成された空間に、前記第一の材料を射出することで前記本体部を射出成形する第一工程と、前記第一の上側金型に代えて請求項1〜請求項5の何れかに記載のリップ部を製作するための第二の上側金型と前記下側金型との間に形成された空間に、前記第二の材料を射出することで、前記本体部の前記突出部の少なくとも上部を覆うように前記リップ部を射出成形する第二工程と、を有する保護キャップの製造方法によって製造されることが考えられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
[第一実施形態]
図1は、本発明を適用するのに好適なインクジェット記録装置1の外形斜視図である。
【0021】
図1に示すように、インクジェット記録装置1は、プリンタ機能、コピー機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能等を備えた、いわゆる多機能装置(MFD:Multi Function Device)であり、被記録媒体として、紙又はプラスチックフィルム等のシート状の用紙が用いられる。
【0022】
インクジェット記録装置1は、合成樹脂製のハウジング2の底部に、その前側に形成された開口部2aから差し込み可能な給紙カセット3を備える。また、給紙カセット3の上方には、記録済みの用紙が矢印A方向へ排出される排紙部4が設けられており、排紙部4から連通する排紙口は、ハウジング2の前面の開口部2aの上部に共通に設けられている。
【0023】
給紙カセット3は、例えばA4サイズ、レターサイズ、リーガルサイズ、はがきサイズ等にカットされた用紙を複数枚収納可能に構成されている。各用紙は、その長辺が用紙搬送方向(副走査方向又はX軸方向)と平行になるように配置される。また、給紙カセット3の前端には、リーガルサイズ等の長い用紙の後端部を支持する補助支持部材3aがX軸方向に延出可能に装着されている。給紙カセット3内に納まるA4サイズ等の用紙を用いる場合には、給紙カセット3の前部に対して補助支持部材3aを給紙の妨げとならないように収納することができる。
【0024】
一方、ハウジング2の上部には、コピー機能やファクシミリ機能における原稿読取の際に使用される画像読取装置5が配置されている。この画像読取装置5は図示しない枢軸部を介してハウジング2の一側端に対して上下開閉回動可能に構成されている。更に、画像読取装置5の上部には、画像読取装置5の上面を覆う原稿カバー体6が、画像読取装置5の後端に設けられた図示しない枢軸を中心に上下回動可能に装着されている。
【0025】
画像読取りの際は、原稿カバー体6を上側に開けて載置用ガラス板上に原稿が載置された状態で、載置用ガラス板の下方にてY軸方向(主走査方向)に往復移動可能に設けられている原稿読取り用の密着型イメージセンサ(CIS:Contact Image Sensor)を原稿紙面に対して走査することによって原稿紙面の画像を読取る。
【0026】
画像読取装置5の上面の原稿カバー体6の前方に各種操作ボタンや液晶表示部等を備えた操作パネル部7が設けられている。
ハウジング2内部には、プリンタ機能を実現するためのインクジェット式の記録ヘッド10(図2参照)を搭載し、Y軸方向(主走査方向)へ往復移動可能なキャリッジ(図示せず)及びその他の機構からなる記録部(図示せず)が設けられている。
【0027】
図2は、本発明のインクジェット記録装置1の第一実施形態の要部概略構成を示すブロック図である。
図2に示すように、記録ヘッド10には、4組の噴射ノズル(ノズル列)10a〜10dが下方に向けて設けられ、これら噴射ノズル10a〜10dから4色(ブラック、シアン、イエロー、マゼンダ)のインクを下側に噴射して用紙に記録可能である。
【0028】
また、記録ヘッド10は、後述するインクカートリッジ21a〜21dから供給される4色のインクをそれぞれ貯蔵するサブタンク101a〜101dを内蔵している。これらサブタンク101a〜101dと噴射ノズル10a〜10dとは、図示しない供給流路で色ごとに接続されており、サブタンク101a〜101dから各色の噴射ノズル10a〜10dへ各色のインクを供給可能である。
【0029】
また、サブタンク101a〜101dとインクカートリッジ21a〜21dとは、色ごとにチューブ103a〜103dで接続されており、インクカートリッジ21a〜21dからサブタンク101a〜101dへ各色のインクを供給可能である。なお、チューブ103a〜103dはインク供給経路に該当する。
【0030】
以上のように構成された記録部においては、キャリッジはCPU等からなるキャリッジ制御部(図示せず)によって制御されることによりY方向(主走査方向)に往復移動することで記録ヘッド10を走査する。記録ヘッド10は、この走査時に各サブタンク101a〜101d内のインクを噴射ノズル10a〜10dから選択的に噴射して用紙に画像を記録する。
【0031】
また、記録ヘッド10におけるキャリッジの待機位置に相当する位置にはメンテナンスユニット15が搭載されている。このメンテナンスユニット15は、記録ヘッド10の吐出面に設けられている噴射ノズル10a〜10dを覆い、所定の密閉空間を形成可能な保護キャップ17と、インク切りブレード18と、ワイパ19と、廃インク受け部(図示省略)と、廃液フォーム(図示省略)と、保護キャップ17を支持するキャップホルダ20と、を備えている。このメンテナンスユニット15では、インク切りブレード18による記録ヘッド10の噴射ノズル10a〜10dの拭き取りをおこなうブレード動作や、ワイパ19による記録ヘッド10の噴射ノズル10a〜10dの拭き取りをおこなうワイピング動作、上昇させた保護キャップ17によって記録ヘッド10の噴射ノズル10a〜10dを密閉して、噴射ノズル10a〜10d内からゴミや空気、更には固化したインクを強制的に除去するためのパージ動作、廃インク受け部に対して記録ヘッド10の噴射ノズル10a〜10dからインクを吐出させるフラッシング動作等の各種メンテナンス動作が行われる。
【0032】
また、ハウジング2内部には、フルカラー記録のための4色(ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y))の未使用インクを各々収容したインクカートリッジ21a〜21dが収納されている。このインクカートリッジ21a〜21dは、キャリッジの移動方向に順に配列されるとともに、ハウジング2に対して上方から着脱可能に構成されており、インクの補充を行う場合は、このインクカートリッジ21a〜21dごとに交換する。また、インクカートリッジ21a〜21dには、その内部と大気とを連通するための大気連通部22a〜22dがそれぞれ設けられている。なお、インクカートリッジ21a〜21dはメインタンクに該当する。
【0033】
また、インクカートリッジ21a〜21dとチャージタンク23とはチューブ25a〜25dでそれぞれ接続されており、チャージタンク23から各インクカートリッジ21a〜21dへチャージタンク23内に蓄積された空気を供給可能に構成されている。さらに、インクカートリッジ21a〜21dの大気連通部22a〜22dとチャージタンク23とはチューブ25eで接続されている。具体的には、チューブ25eは、その途中で4本に分岐しており、チューブ25eの両端のうち4本に分岐している側がそれぞれインクカートリッジ21a〜21dの大気連通部22a〜22dに接続されるとともに、チューブ25eの両端のうち分岐していない側がチャージタンク23に接続されることで、大気連通部22a〜22dとチャージタンク23とがチューブ25eで接続されている。このことにより、チャージタンク23内に蓄積された空気を各インクカートリッジ21a〜21dの大気連通部22a〜22dへ供給可能である。なお、チューブ25eにおける分岐部分および大気連通部22a〜22dとチューブ25eとの接続箇所については、図2では図示を省略している。また、上述のチューブ25a〜25dおよびチューブ25eにおける分岐していない部分については、切替え部27の内部で互いに平行となるよう並べられている。なお、切替え部27の構成については、公知技術に従っているのでここでは詳細な説明は省略する。
【0034】
また、チャージタンク23にはチューブポンプ47がチューブ26を介して接続されている。このチャージタンク23は、図示しない制御部によって制御されたチューブポンプ47から供給される空気を一時的に貯留することにより、各インクカートリッジ21a〜21dに対して一定の圧力で加圧する機能を有する。
【0035】
以上のように構成されたチャージタンク23およびチューブポンプ47は、各インクカートリッジ21a〜21d内のインクを加圧することにより、各インクカートリッジ21a〜21d内のインクをサブタンク101a〜101dへ供給可能である。
【0036】
また、メンテナンスユニット15のキャップホルダ20には、記録ヘッド10と保護キャップ17との間に形成された密閉空間と外部とを連通させる連通ノズル20a〜20dが形成されている。なお、これらキャップホルダ20の連通ノズル20a〜20dについては、図2では図示を省略し、図3ではノズル20aのみを図示している。また、この連通ノズル20a〜20dは、チューブ111a〜111dを介して負圧ポンプ112に接続されている。この負圧ポンプ112は、負圧を付与することで、記録ヘッド10と保護キャップ17との間に形成された密閉空間から空気やインクを吸引する作用を奏する。また、負圧ポンプ112には、吸引したインクを貯留するための廃液箱113が接続されている。
【0037】
以上のような構成により、メンテナンスユニット15においては、保護キャップ17で記録ヘッド10の噴射ノズル10a〜10dを被覆した際には、図示しない制御部によって制御された負圧ポンプ112の負圧付与作用により、保護キャップ17およびキャップホルダ20の連通ノズル20a〜20dおよびチューブ111a〜111dを介して噴射ノズル10a〜10dからインクや気泡を吸引して、さらに廃液箱113へ導くことができる。
【0038】
次に、保護キャップ17の構成について図3を参照しながら説明する。なお、図3は、保護キャップの断面図であり、図3(a)が正面方向の断面図であり、図3(b)が長手方向の断面図である。
【0039】
図3(a)および図3(b)に示すように、保護キャップ17は、本体部17aと、リップ部17bと、を備える。
このうち本体部17aは、噴射ノズル10a〜10dとの間に所定の密閉空間を形成するための窪みをその中央部に有するよう構成されている。具体的には、本体部17aは、基部17cと、この基部17cから突出するように一体成形される突出部17dとを有する。また、本体部17aは、熱可塑性エラストマー組成物にブチルゴム成分を含有した第一の硬度を有する第一の材料にて構成されている。なお、上述の熱可塑性エラストマーについては、ポリプロピレンまたはポリエチレンの何れか一方を含有することが考えられる。また、本実施形態では、上述の第一の材料については、熱可塑性エラストマー組成物にブチルゴム成分を20%以上含有させた材料である。また、本実施形態では、第一の硬度は60度以上である。
【0040】
一方、リップ部17bは、本体部17aの突出部17dの少なくとも上部を覆うように装着されている。また、このリップ部17bは、熱可塑性エラストマー組成物にブチルゴム成分を含有した第二の材料にて構成されている。なお、上述の熱可塑性エラストマーについては、ポリプロピレンまたはポリエチレンの何れか一方を含有することが考えられる。なお、上述の第二の材料については、熱可塑性エラストマー組成物にブチルゴム成分を20%以上含有させた材料である。また、本実施形態では、第二の硬度が40度以下であり、このことによりリップ部17bは弾性を有している。
【0041】
次に、保護キャップ17の製造方法について図4を参照しながら説明する。なお、図4(a)は保護キャップの断面図であり、図4(b)は保護キャップの成形工程を説明する説明図(1)であり、図4(c)は保護キャップの成形工程を説明する説明図(2)であり、図4(d)は保護キャップの成形工程を説明する説明図(3)であり、図4(e)は保護キャップの成形工程を説明する説明図(4)である。
【0042】
図4に示すように、保護キャップ17の本体部17aとリップ部17bとは、上述のように、双方とも熱可塑性エラストマー組成物にブチルゴム成分を含有した材料で構成されており、熱可塑性エラストマー組成物にブチルゴム成分を含有した異なる硬度の材料を順に同一の金型に射出することで成形される(図4(a)参照)。以下に順に説明する。
【0043】
(イ)第一工程
まず、高硬度領域用上型201と下型202との間に形成された空間に、上述の第一の材料を射出することで本体部17aを射出成形する(図4(b)参照)。
【0044】
(ロ)第ニ工程
次に、高硬度領域用上型201を下型202から取り外し(図4(c)参照)、低硬度領域用上型203を下型202に取り付ける。そして、低硬度領域用上型203と下型202との間に形成された空間に、上述の第二の材料を射出することでリップ部17bを射出成形する(図4(d)参照)。さらに、低硬度領域用上型203を下型202から取り外し、保護キャップを下型202から取り外す(図4(e)参照)。
【0045】
なお、高硬度領域用上型201は第一の上側金型に該当し、下型202は下側金型に該当し、低硬度領域用上型203は第二の上側金型に該当する。
[効果]
(1)このように第一実施形態の保護キャップ17によれば、本体部17aについては、熱可塑性エラストマー組成物にブチルゴム成分を含有した第一の硬度を有する第一の材料にて構成されており、本体部17aの突出部17cの少なくとも上部を覆うように装着されるリップ部17bについては、熱可塑性エラストマー組成物にブチルゴム成分を含有した第二の硬度を有する第二の材料にて構成されている。なお、第一の硬度と第二の硬度とでは、第一の硬度の値よりも第二の硬度の値の方が低い。このことにより、本体部17aの硬度が高いので保護キャップ17が吸引時に倒れにくくなる。また、リップ部17bについてはその硬度が低いことから弾性を有しているので、記録ヘッド10の吐出面との間でより確実な密閉状態を実現できる。
【0046】
(2)また、このように第一実施形態の保護キャップ17によれば、第一の硬度が60度以上であり、且つ第二の硬度が40度以下であるので、成形上好適な条件となる。
(3)また、このように第一実施形態の保護キャップ17によれば、本体部17aとリップ部17bとは、双方とも熱可塑性エラストマー組成物にブチルゴム成分を含有した材料で構成されており、熱可塑性エラストマー組成物にブチルゴム成分を含有した異なる硬度の材料を順に同一の金型に射出することで成形される。このことにより、本体部17aとリップ部材17bとの接合面では、2層の間の分子結合がよいために乖離しにくく、保護キャップが壊れにくい。
【0047】
(4)また、このように第一実施形態の保護キャップ17によれば、上述の第一の材料および第二の材料については、熱可塑性エラストマー組成物にブチルゴム成分を20%以上含有させた材料である。このことにより、保護キャップ17における空気透過性が低くなり、記録ヘッドの吐出面との密閉性がよくなる。
【0048】
(5)また、このように第一実施形態の保護キャップ17によれば、本体部17aとリップ部17bとが、上述のように、双方とも熱可塑性エラストマー組成物にブチルゴム成分を含有した材料で構成されており、熱可塑性エラストマー組成物にブチルゴム成分を含有した異なる硬度の材料を順に同一の金型に射出することで成形される。このような製造方法によれば、本体部17aを射出成形する第一工程とリップ部17bを射出成形する第二工程とでは下側の金型を共通化できるので、本体部17aを成形したときにその本体部17aを下側の金型から取り外さずに上側の金型を交換することでリップ部17bを成形することができる。このことにより、より少ない製造工程および製造コストで製造可能である。したがって、インクジェット記録装置1の保護キャップ17において、より少ない製造工程および製造コストで製造可能であり、壊れにくく、保護キャップ17のリップ部17bが吸引時に倒れるのを防止するとともに、より確実な密閉状態を実現できる。
【0049】
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下のような様々な態様にて実施することが可能である。
【0050】
(1)上記第一の実施形態の保護キャップ17では、本体部17aを構成する第一の材料の第一の硬度が60度以上であり、且つリップ部17bを構成する第二の材料の第二の硬度が40度以下であるが、これには限られず、次のように各材料の硬度を設定してもよい。すなわち、例えば、本体部17aを構成する第一の材料の第一の硬度については60度以上とし、リップ部17bを構成する第二の材料の第二の硬度については40度以下とはしなくてもよい。また、例えば、リップ部17bを構成する第二の材料の第二の硬度については40度以下とし、本体部17aを構成する第一の材料の第一の硬度については60度以上とはしなくてもよい。このようにしても、第一実施形態の保護キャップ17ほどではないが、成形上、好適な条件とすることができる。
【0051】
(2)また、上記第一の実施形態では、保護キャップ17とキャップホルダ20とは別体に構成されているが、これには限られず、キャップホルダ20の材料を、保護キャップ17と同様に、熱可塑性エラストマー組成物にブチルゴム成分を含有した材料とすることで一体に形成してもよい。このようにすれば、保護キャップ17とキャップホルダ20とをより少ない製造工程および製造コストで製造することができる。また、インクジェット記録装置1の部品点数を削減するとともに、保護キャップ17とキャップホルダ20とを組み立てる際の組み付け工数を削減することができる。
【0052】
(3)上記第一の実施形態のインクジョット記録装置1では、キャップホルダ20の連通ノズル20a〜20dを、チューブ111a〜111dを介して負圧ポンプ112に接続しているが、負圧ポンプ112の負圧を付与する対象を切替える切替え機構をキャップホルダ20の連通ノズル20a〜20dと負圧ポンプ112との間に挿入し、負圧を付与する連通ノズルをキャップホルダ20の連通ノズル20a〜20dから選択することで、インクや気泡を吸引する噴射ノズルを記録ヘッド10の噴射ノズル10a〜10dから選択するように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明を適用するのに好適なインクジェット記録装置1の外形斜視図である。
【図2】本発明のインクジェット記録装置1の第一実施形態の要部概略構成を示すブロック図である。
【図3】保護キャップの断面図であり、(a)は正面方向の断面図であり(b)は長手方向の断面図である。
【図4】(a)は保護キャップの断面図であり、(b)は保護キャップの成形工程を説明する説明図(1)であり、(c)は保護キャップの成形工程を説明する説明図(2)であり、(d)は保護キャップの成形工程を説明する説明図(3)であり、(e)は保護キャップの成形工程を説明する説明図(4)である。
【符号の説明】
【0054】
1…インクジェット記録装置、2…ハウジング、2a…開口部、3…給紙カセット、3a…補助支持部材、4…排紙部、5…画像読取装置、6…原稿カバー体、7…操作パネル部、10…記録ヘッド、15…メンテナンスユニット、16…廃液フォーム、17…保護キャップ、18…インク切りブレード、19…ワイパ、20…キャップホルダ、20a〜20d…連通ノズル、21a〜21d…インクカートリッジ、22a〜22d…大気連通部、23…チャージタンク、25a〜25e,26,103a〜103d,111a〜111d…チューブ、27…切替え部、47…チューブポンプ、101a〜101d…サブタンク、112…負圧ポンプ、113…廃液箱、201…高硬度領域用上型、202…下型、203…低硬度領域用上型




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013