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発明の名称 布保持枠及びプリンタ
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−2356(P2007−2356A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−183541(P2005−183541)
出願日 平成17年6月23日(2005.6.23)
代理人 【識別番号】100089004
【弁理士】
【氏名又は名称】岡村 俊雄
発明者 川口 保彦 / 岸 素志 / 加藤 治奈
要約 課題
フラッシングに要するメンテナンス時間の短縮化、印刷処理の高速化、フラッシングの為に駆動される駆動機構の制御の簡単化、プリンタの小型化が図れるようにすること。

解決手段
印刷ヘッド36を有するプリンタ1の枠駆動機構12に着脱可能な布保持枠10であって印刷対象の布地Wを保持する布保持枠10において、印刷ヘッド36をフラッシングする際にインクを受けるインク受け部材68が、外枠16の外周側に着脱可能に設けられ、印刷ヘッド36のフラッシングに際して、プリンタ1に装着された布保持枠10の種類に応じた移動距離に基づいて、布保持枠10がフラッシング位置に移動される。
特許請求の範囲
【請求項1】
インクジェットヘッドを有するインクジェットプリンタの枠駆動機構に着脱可能に装着され、且つ印刷対象の布地を保持する布保持枠において、
前記インクジェットヘッドをフラッシングする際にインクを受けるインク受け部材が一体的に又は着脱可能に設けられたことを特徴とする布保持枠。
【請求項2】
前記布保持枠は外枠と内枠とを有し、前記インク受け部材は前記外枠の外周側に設けられることを特徴とする請求項1に記載の布保持枠。
【請求項3】
前記布保持枠は外枠と内枠とを有し、前記インク受け部材は前記内枠の内周側に設けられることを特徴とする請求項1に記載の布保持枠。
【請求項4】
前記布保持枠がインクジェットプリンタに装着された状態において、前記インク受け部材は前記インクジェットヘッドに形成されたノズル列の配列方向と平行に且つノズル列の長さよりも長い矩形状に構成されたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の布保持枠。
【請求項5】
前記布保持枠がインクジェットプリンタに装着された状態において、前記インク受け部材は作業者による操作側と反対の外側に設けられることを特徴とする請求項4に記載の布保持枠。
【請求項6】
前記インク受け部材の内部に、交換可能なインク吸収材が装着されていることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の布保持枠。
【請求項7】
インクジェットヘッドと、布地を保持する布保持枠と、その布保持枠をインクジェットヘッドに対して直交する2方向へ独立に移動させる枠駆動機構とを備え、前記枠駆動機構により前記布保持枠を前記インクジェットヘッドに対して移動させながら布地に印刷を行うプリンタにおいて、
前記インクジェットヘッドのフラッシングに際してインクを受ける為に前記布保持枠の一部に装着されたインク受け部材と、
前記布保持枠に対する前記インク受け部材の位置を、前記布保持枠の移動位置に関連づけて検知する検知手段と、
フラッシングに際して、前記枠駆動機構の移動と前記検知手段からの検知とに基づいて前記インク受け部材をインクジェットヘッドに対応する所定のフラッシング位置に位置決めするフラッシング制御手段と、
を備えることを特徴とするプリンタ。
【請求項8】
前記検知手段は、前記インク受け部材の一部に設けられた被検出部と、前記インクジェットヘッドに設けられ前記被検出部を検出可能な検出器とを有し、
前記フラッシング制御手段は、前記枠駆動機構を移動させながら前記検出器による被検出部の検出により前記インク受け部材を所定のフラッシング位置に位置決めすることを特徴とする請求項7に記載のプリンタ。
【請求項9】
前記検知手段は、前記布保持枠の種類と布保持枠の特定位置に対するインク受け部材の位置とを対応付けた枠情報を記憶する枠情報記憶手段と、前記枠駆動機構に装着された布保持枠の種類を検出する枠種類検出手段とを有し、
前記フラッシング制御手段は、前記枠種類検出手段から受けた布保持枠の種類と枠情報記憶手段の枠情報とに基づいて前記枠駆動機構を移動させて前記インク受け部材を所定のフラッシング位置に位置決めすることを特徴とする請求項7に記載のプリンタ。
【請求項10】
前記枠種類検出手段は、前記布保持枠の装着部に設けられその布保持枠に特有の被検出体と、前記布保持枠が装着される前記枠駆動機構の装着部に設けられ前記被検出体を検出可能な検出体検出手段とを有することを特徴とする請求項9に記載のプリンタ。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、布保持枠及びプリンタに関し、特に印刷対象の布地を保持する布保持枠と、その布保持枠に保持された布地にインクジェットヘッドにより印刷するプリンタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、インクジェット式のプリンタは、多数のインクジェットノズルを有するカラーのインクジェットヘッドを備え、そのインクジェットヘッドを印刷方向と平行な方向に往復移動させながら、各種サイズの用紙にインクを噴射させてカラー印刷するようになっている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載のインクジェットプリンタは、インクジェットヘッドを搭載したキャリッジを左右方向に移動可能に構成し、インクジェットヘッドから下向きに噴射されるインクで、搬送ローラにより搬送される記録紙に各種の画像を形成するようになっている。
【0004】
また、このインクジェットプリンタには、プラテンの右端におけるヘッドとの対向部において、フラッシングによりヘッドから吐出されたインクを受けるインク受け部が設けられている。それ故、印刷開始時や印刷の途中においてフラッシングするに際して、ヘッドをインク受け部が設けられたメンテナンス位置に移動し、適宜フラッシングさせるようにしてある。
【0005】
一方、各種の布地に模様や図柄を印刷する印刷技術も種々提案されており、布地とインクジェットヘッドとをX方向とこれに直交するY方向へ相対移動させ、印刷データに基づいてインクノズルからカラーのインクを布地に向けて噴射させ、布地の表面に模様や図柄を印刷可能なインクジェット式の印刷装置が提案されている。
【0006】
例えば、特許文献2に記載のプリンタは、平面視U字状の機枠の両側面に形成した溝に沿ってY移動バーをY方向に移動可能に支持し、そのY移動バーに沿ってX移動腕を移動可能に支持し、X移動腕の先端部にインクヘッドを設け、印刷に供する布地をセットした保持枠を機枠の中央部に設けたテーブル上に固定的に載置するようにしてある。この場合、印刷に際して、インクヘッドがX方向とY方向とに移動しながら静止状態の布地に印刷する。
【特許文献1】特開2002−234188号公報 (第4頁、図1)
【特許文献2】特開平5−84887号公報 (第2〜3頁、図2、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載のインクジェットプリンタにおいては、印刷範囲よりも外側であって、プラテンの右端に対応させた専用のフラッシング位置に、フラッシングの為のインク受け部が設けられているため、プリンタの印刷方向長さが長くなり、プリンタが大型化するという問題がある。
【0008】
また、特許文献2に記載のプリンタにおいても同様に、フラッシングの為のインク受け部材を設ける場合には、保持枠に保持する布地が汚れないように、保持枠よりも外側に設けることになる。その為、インクヘッドを移動させる距離が大きくなり、プリンタが大型化するという問題がある。
【0009】
そこで、インクジェットヘッドを固定保持される布地に対して移動させて印刷を行う構成ではなく、布地を保持する布保持枠をインクジェットヘッドに対して直交するX方向とY方向とに夫々移動させて印刷を行うように構成し、フラッシングの際には、インクジェットヘッドを布地に接近する印刷位置から上方のメンテナンスの為の位置に移動させた後、フラッシングの為のインク受け部材を有するメンテナンス機構を水平方向に移動させて、インクジェットヘッドに対応する位置にインク受け部材を位置させるように構成することも考えられる。
【0010】
しかし、この場合には、フラッシングを行わせる為に、インクジェットヘッドの上昇移動とメンテナンス機構の水平移動とを連係して行わなければならないので、フラッシングの為のメンテナンス時間が多大になり、印刷処理が遅れることや、インクジェットヘッドの上下移動機構やメンテナンス機構が複雑となり、また、その移動制御も複雑化すること等の問題が想定される。
【0011】
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、フラッシングに要するメンテナンス時間の短縮化、印刷処理の高速化、フラッシングの為に駆動される駆動機構の制御の簡単化、プリンタの小型化が図れるようにすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1の布保持枠は、インクジェットヘッドを有するインクジェットプリンタの枠駆動機構に着脱可能な布保持枠に装着され、且つ印刷対象の布地を保持するものを対象として、特に、インクジェットヘッドをフラッシングする際にインクを受けるインク受け部材が一体的に又は着脱可能に設けられたものである。
【0013】
枠駆動機構に装着された布保持枠が枠駆動機構により移動駆動され、インクジェットヘッドにより、布保持枠に保持された布地に印刷が行われる。ところで、フラッシングに際して、布保持枠に一体的に又は着脱可能に設けられたインク受け部材が、インクジェットヘッドに対応する所定のフラッシング位置に位置するように布保持枠が移動される。
【0014】
このときに、インクジェットヘッドがフラッシングすると、噴射されたインクは、こぼれるようなことがなく、インク受け部材で受けられる。また、インク受け部材が布保持枠に着脱可能に設けられている場合には、インク受け部材が必要に応じて、新しいものと交換される。
【0015】
請求項2の布保持枠は、請求項1において、前記布保持枠は外枠と内枠とを有し、インク受け部材は外枠の外周側に設けられるものである。
【0016】
請求項3の布保持枠は、請求項1において、前記布保持枠は外枠と内枠とを有し、インク受け部材は内枠の内周側に設けられるものである。
【0017】
請求項4の布保持枠は、請求項1〜3の何れかにおいて、前記布保持枠がインクジェットプリンタに装着された状態において、前記インク受け部材はインクジェットヘッドに形成されたノズル列の配列方向と平行に且つノズル列の長さよりも長い矩形状に構成されたものである。
【0018】
請求項5の布保持枠は、請求項4において、前記布保持枠がインクジェットプリンタに装着された状態において、前記インク受け部材は作業者による操作側と反対の外側に設けられるものである。
【0019】
請求項6の布保持枠は、請求項1〜5の何れかにおいて、前記インク受け部材の内部に、交換可能なインク吸収材が装着されているものである。
【0020】
請求項7のプリンタは、インクジェットヘッドと、布地を保持する布保持枠と、その布保持枠をインクジェットヘッドに対して直交する2方向へ独立に移動させる枠駆動機構とを備え、枠駆動機構により布保持枠をインクジェットヘッドに対して移動させながら布地に印刷を行うものを対象として、特に、インクジェットヘッドのフラッシングに際してインクを受ける為に布保持枠の一部に装着されたインク受け部材と、布保持枠に対するインク受け部材の位置を、布保持枠の移動位置に関連づけて検知する検知手段と、フラッシングに際して、枠駆動機構の移動と検知手段からの検知とに基づいて、インク受け部材をインクジェットヘッドに対応する所定のフラッシング位置に位置決めするフラッシング制御手段とを備えるものである。
【0021】
布保持枠の一部にインク受け部材が装着され、検知手段が布保持枠に対するインク受け部材の位置を布保持枠の移動位置に関連づけて検知する。枠駆動機構の移動と検知手段からの検知とに基づいて、フラッシング制御手段がインク受け部材をインクジェットヘッドに対応する所定のフラッシング位置に位置決めする。
【0022】
請求項8のプリンタは、請求項7において、前記検知手段は、インク受け部材の一部に設けられた被検出部と、インクジェットヘッドに設けられ被検出部を検出可能な検出器とを有し、フラッシング制御手段は、枠駆動機構を移動させながら検出器による被検出部の検出によりインク受け部材を所定のフラッシング位置に位置決めするものである。
【0023】
請求項9プリンタは、請求項7において、前記検知手段は、布保持枠の種類と布保持枠の特定位置に対するインク受け部材の位置とを対応付けた枠情報を記憶した枠情報記憶手段と、枠駆動機構に装着された布保持枠の種類を検出する枠種類検出手段とを有し、フラッシング制御手段は、枠種類検出手段から受けた布保持枠の種類と枠情報記憶手段の枠情報とに基づいて枠駆動機構を移動させてインク受け部材を所定のフラッシング位置に位置決めするものである。
【0024】
請求項10プリンタは、請求項9において、前記枠種類検出手段は、布保持枠の装着部に設けられその布保持枠に特有の被検出体と、布保持枠が装着される枠駆動機構の装着部に設けられ被検出体を検出可能な検出体検出手段とを有するものである。
【発明の効果】
【0025】
請求項1の発明によれば、インクジェットヘッドをフラッシングする際にインクを受けるインク受け部材が、印刷対象の布地を保持する布保持枠に一体的に又は着脱可能に設けられたので、フラッシングに際して、布保持枠に設けられたインク受け部材が、インクジェットヘッドに対応する所定のフラッシング位置に位置するように布保持枠が移動され、フラッシングされるので、フラッシングによりインクジェットヘッドから噴射されたインクは、こぼれるようなことがなく、インク受け部材で確実に受けられる。
【0026】
しかも、インク受け部材が布保持枠に設けられているので、インクジェットヘッドを上下移動させることなく、布保持枠を水平移動させるだけでフラッシングできる。それ故、フラッシングに要するメンテナンス時間の短縮化が図れ、フラッシングの為に駆動される枠駆動機構の制御の簡単化、更にはプリンタの小型化が図れる。
【0027】
特に、インク受け部材が布保持枠に着脱可能に設けられている場合には、布地を布保持枠に取付ける作業や取外す作業を行う際、インク受け部材を布保持枠から取外して作業を行うことができるので、インク受け部材が邪魔になることなく布地の取付けや取外し作業ができる。また、その布地の取付けや取外し作業中に、布地や手指がインク受け部材のインクで汚れるようなことがない。
【0028】
請求項2の発明によれば、前記布保持枠は外枠と内枠とを有し、インク受け部材は外枠の外周側に設けられるので、内枠の内側の印刷範囲が狭くなることがない。
また、布地は布保持枠の上面側に保持されるので、フラッシングの際に、インクジェットヘッドを上下移動させる必要はなく、布保持枠を水平移動させるだけで、インク受け部をインクジェットヘッドに対応する所定のフラッシング位置に移動させることができる。
【0029】
しかも、フラッシングによりインクジェットヘッドから噴射されたインクを、外枠の外周側に設けられたインク受け部材で確実に受けることができる。その他請求項1と同様の効果を奏する。
【0030】
請求項3の発明によれば、前記布保持枠は外枠と内枠とを有し、インク受け部材は内枠の内周側に設けられるので、印刷範囲が小さくてもよい場合には、布保持枠の大きさを余分に大きくしなくても済む。
【0031】
しかも、フラッシングによりインクジェットヘッドから噴射されたインクを、内枠の内周側に設けられたインク受け部材で確実に受けることができる。その他請求項1と同様の効果を奏する。
【0032】
請求項4の発明によれば、前記布保持枠がインクジェットプリンタに装着された状態において、インク受け部材はインクジェットヘッドに形成されたノズル列の配列方向と平行に且つノズル列の長さよりも長い矩形状に構成されたので、インク受け部材の幅寸法はインクジェットヘッドに形成されたノズル列の幅寸法に合わせた寸法にすることができ、インク受け部材の大きさを小型化することができる。
【0033】
しかも、インク受け部材の長さはノズル列の長さよりも長いので、全てのノズルを同時にフラッシングさせることができ、フラッシング時間の短縮化を図ることができる。その他請求項1〜3の何れかと同様の効果を奏する。
【0034】
請求項5の発明によれば、前記布保持枠がインクジェットプリンタに装着された状態において、インク受け部材は作業者による操作側と反対の外側に設けられるので、作業者が、布保持枠を枠駆動機構に装着する準備作業を行う際や、インクジェットプリンタを操作する際に、インク受け部材が邪魔になるようなことがない。その他請求項4と同様の効果を奏する。
【0035】
請求項6の発明によれば、前記インク受け部材の内部に、交換可能なインク吸収材が装着されているので、布保持枠の移動時に内部に溜まったインクがこぼれることがなく、必要に応じて、インク吸収材だけを簡単に交換することができる。その他請求項1〜5の何れかと同様の効果を奏する。
【0036】
請求項7の発明によれば、インクジェットヘッドと、布地を保持する布保持枠と、その布保持枠をインクジェットヘッドに対して直交する2方向へ独立に移動させる枠駆動機構とを備え、枠駆動機構により布保持枠を布地に対して移動させながら布地に印刷を行うプリンタにおいて、布保持枠の一部に装着されたインク受け部材と、検知手段と、フラッシング制御手段とを設けたので、布保持枠の一部に装着されたインク受け部材の位置は、布保持枠の移動位置に関連づけて検知手段で検知されるため、インク受け部材をインクジェットヘッドに対応する所定のフラッシング位置に確実に且つ容易に位置決めすることができる。
【0037】
請求項8の発明によれば、前記検知手段は、インク受け部材の一部に設けられた被検出部と、インクジェットヘッドに設けられ被検出部を検出可能な検出器とを有し、フラッシング制御手段は、枠駆動機構を移動させながら検出器による被検出部の検出によりインク受け部材を所定のフラッシング位置に位置決めするので、フラッシングに際して、枠駆動機構を移動させて、検出器で被検出部を検出するだけでよく、フラッシング制御手段によるインク受け部材の位置検出制御の簡単化を図ることができる。その他請求項7と同様の効果を奏する。
【0038】
請求項9の発明によれば、前記検知手段は、布保持枠の種類と布保持枠の特定位置に対するインク受け部材の位置とを対応付けた枠情報を記憶した枠情報記憶手段と、枠駆動機構に装着された布保持枠の種類を検出する枠種類検出手段とを有し、フラッシング制御手段は、枠種類検出手段から受けた布保持枠の種類と枠情報記憶手段の枠情報とに基づいて枠駆動機構を移動させてインク受け部材を所定のフラッシング位置に位置決めするので、フラッシングに際して、枠駆動機構に装着された布保持枠の種類に応じた枠情報に基づいて、枠駆動機構を移動させるだけでよく、フラッシング制御手段によるインク受け部材の位置検出制御の簡単化を図ることができる。その他請求項7と同様の効果を奏する。
【0039】
請求項10の発明によれば、前記枠種類検出手段は、布保持枠の装着部に設けられその布保持枠に特有の被検出体と、布保持枠が装着される枠駆動機構の装着部に設けられ被検出体を検出可能な検出体検出手段とを有するので、布保持枠の装着部に設けられた布保持枠に特有の被検出体を検出するだけで、その被検出体に基づいて布保持枠の種類を確実に特定でき、布保持枠毎の枠情報を正確に読み込むことができる。その他請求項9と同様の効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
本実施例の布保持枠及びプリンタは、布保持枠の外枠の外周側にインク受け部材を着脱可能に設け、布保持枠を直交する2方向へ独立に移動させながら印刷ユニットに搭載したインクジェットヘッドにより布地に印刷できるとともに、フラッシングによりインクジェットヘッドから噴射されたインクをインク受け部材で受けるようにしてある。
【実施例】
【0041】
内枠15と外枠16とを有する布保持枠10で保持された布地Wに、印刷ユニット30に設けたインクジェットヘッド36によりカラーインクを用いて任意の模様や図柄を印刷するインクジェット式のプリンタ1について説明する。
【0042】
図1〜図2に示すように、プリンタ1は、布地Wを着脱自在に保持する布保持枠10と、この布保持枠10に保持された布地Wに印刷するインクジェットヘッド36(以下、単に印刷ヘッドという)を有する印刷機構部20と、この印刷機構部20の印刷ヘッド36をメンテナンスするメンテナンス機構部21とを備えた印刷装置本体11と、印刷ヘッド36による布地Wへの印刷位置を直交する2方向(X方向とY方向)へ夫々独立に移動させるために、布保持枠10をX方向とこれに直交するY方向へ夫々独立に駆動して移動させる枠駆動機構12等で構成されている。
【0043】
布保持枠10は、図1,図3,図6に示すように、合成樹脂製の内枠15と外枠16とを有し、印刷に際して、図3に示すように、印刷対象の布地Wがこれら内枠15と外枠16の間に挟持される。但し、その布地Wの裏側(下側)に接着芯(図示略)が予め貼着され、布地Wはピンと張られた状態で布保持枠10にセットされている。
【0044】
外枠16に連結部16aが一体的に形成され、この連結部16aが枠移動機構12のYキャリッジ13に着脱自在に装着される。但し、布保持枠10は矩形枠状であるが、楕円枠又は円形枠等の種々の枠形状を採用可能である。
【0045】
図1,図2に示すように、印刷装置本体11は、左右方向向きのベッド部2と、そのベッド部2の右端から立設された脚柱部3と、その脚柱部3から左方に延びるアーム部4を有し、ベッド部2内に枠駆動機構12が装備されている。アーム部4の先端部分は、平面視にて前方に直角に曲げられた略L字状に形成され、その前方向きの先端部分に機構取付け部5が設けられ、その機構取付け部5に印刷機構部20とメンテナンス機構部21とが夫々装備されている。
【0046】
尚、印刷機構部20は機構取付け部5の後方側において上下動可能に設けられ、メンテナンス機構部21は前方の待機位置から印刷機構部20の下側に対応する後方のメンテナンス位置とに亙って前後方向に移動可能に設けられている。ここで、図1において、布地Wを保持する布保持枠10の印刷時における移動方向(印刷方向)を後方向きの矢印PDで示し、印刷機構部20による印刷方向を前方向きの矢印pdで示す。
【0047】
即ち、布保持枠10は、枠駆動機構12の駆動により、図1に示される前後方向(Y方向)及び左右方向(X方向)に移動可能であるが、布保持枠10が後方向きの印刷方向PDに移動されている移動時にのみ、印刷ヘッド36により印刷が実行(所謂、一方向印刷)されるように構成されている。従って、布地Wに対する印刷方向は、前方向きの矢印pdで示する方向となる。
【0048】
そして、1行分の印刷処理の終了後、布保持枠10が前方(印刷PDと逆向きの方向)に移動されるとともに、左右方向(X方向)に移動された後、布保持枠10を印刷PD方向に移動させながら次の印刷行の印刷が実行される。このように、布保持枠10の印刷方向PDへの移動を繰り返すことにより、布保持枠10の印刷可能範囲の全体に亙って布地Wに印刷処理が行われる。
【0049】
脚柱部3の前面部には、図示を省略するが、印刷する模様や図柄を選択したり、各種の設定画面を表示するためのディスプレイ、各種のスイッチ類、各種の設定状態を表示する表示ランプ等が設けられている。更に、脚柱部3の前面部には、パーソナルコンピュータ等の電子機器にUSBケーブル等を介して接続可能な接続用ジャック、ROMカードやRAMカード等のメモリカードを装着可能なコネクタ等が設けられている。
【0050】
枠駆動機構12は、図示を省略するが、ベッド部2の上側に設けられたYキャリッジ13に装着される布保持枠10をY方向駆動モータ97(図12参照)でY方向(前後方向)に移動させるY方向駆動部と、ベッド部2内に組み込まれ、Yキャリッジ13をX方向駆動モータ95(図12参照)でX方向(左右方向)に移動させるX方向駆動部等を有している。
【0051】
次に、機構取付け部5に設けられた印刷機構部20について、図3〜図5に基づいて説明する。機構取付け部5内に略矩形枠状のシャーシ6が配設され、このシャーシ6の後方側に印刷機構部20が設けられている。印刷機構部20は、印刷ヘッド36を有する印刷ユニット30と、この印刷ユニット30を上下方向に、つまり布地Wに対し接近・離隔するように移動駆動させる上下駆動機構31等を有している。
【0052】
先ず、箱状に形成された印刷ユニット30について説明する。シャーシ6の後方側且つ左端部において、上下方向向きに配設された前後1対のヘッドガイド軸35の上下両端部がシャーシ6に支持されている。印刷ユニット30を構成するユニットフレーム30Fがその左端部においてこれら1対のヘッドガイド軸35に上下移動可能に支持されている。但し、この印刷ユニット30はインクジェット方式として構成されている。
【0053】
それ故、この印刷ユニット30には、その底部において印刷ヘッド36が下向きに配設されるとともに、印刷ヘッド36の上側には、図示を省略するが、4色(シアン,マゼンタ,イエロー,ブラック)のカラーインクにより印刷する為の4種類のインクカートリッジ及びこれらインクカートリッジと印刷ヘッド36を連結するインク供給管等が収容されている。
【0054】
印刷ヘッド36は、図4に示すように、4つのノズル列36a〜36dの2列(36a,36b、36c,36d)ずつを接近状に併設させてユニット化され、各ノズル列36a〜36dには多数の噴射ノズルが一列状に設けられ、約1インチの印刷幅で印刷可能になっている。印刷ヘッド36は後述する制御装置80から印刷指令を受けると、圧電セラミックアクチュエータの撓みによりインクカートリッジから受けたインクを各ノズル列36a〜36dから下側の布地Wに向けて噴射するようになっている。
【0055】
次に、印刷ユニット30を上下動させる上下駆動機構31について説明する。図3〜図5に示すように、縦向きのラック部材40が複数のビスによりユニットフレーム30Fの左端部の外側に固定されている。一方、ユニットフレーム30Fの左側に対応するシャーシ6に、ヘッド上下駆動モータ41が固着されるとともに、このヘッド上下駆動モータ41の駆動軸に固着した駆動ギヤ42に噛合する大径ギヤ43aを有する複合ギヤ43が回転可能に枢支されている。その複合ギヤ43の小径ギヤ43bが印刷ユニット30のラック部材40の歯部40aに噛合している。
【0056】
それ故、ヘッド上下駆動モータ41が時計回り又は反時計回りに回転駆動されると、複合ギヤ43とラック部材40との噛合を介して、印刷ユニット30は1対のヘッドガイド軸35に案内されながら、図3に示す下側の印刷位置と、図10に示す上側の上昇位置に亙って上下方向に移動される。
【0057】
次に、印刷時以外にパージ処理等を行うメンテナンス機構部21について説明する。図3〜図5に示すように、メンテナンス機構部21はシャーシ6内を前後方向に移動可能であり、キャッピング機構55やパージ機構56等を有するメンテナンスユニット50と、このメンテナンスユニット50を前後方向に移動駆動させる前後駆動機構51等を有している。
【0058】
先ず、箱状のメンテナンスユニット50について説明する。シャーシ6の右端側部において、前後方向向きに1つのメンテガイド軸52が配設され、その前後両端部においてシャーシ6に固着されている。メンテナンスユニット50を構成するユニットフレーム50Fは、その右端部においてメンテガイド軸52に前後移動可能に支持されるとともに、図11に示すように、メンテナンスユニット50に固着した係合部材53をシャーシ6の下端に係合させることで、後述する前後駆動機構51により前後方向に移動可能に支持されている。
【0059】
このメンテナンスユニット50は、キャッピング機構55と、パージ機構56等を有し、キャップ処理やパージ処理が可能になっている。但し、フラッシング処理により印刷ヘッド36から噴射されたインクを受けるインク受け部材68は、後述するように、布保持枠10の外枠16に着脱可能に設けられている。
【0060】
先ず、キャッピング機構55について簡単に説明する。キャッピング機構55は、ユニットフレーム50Fの上端近傍部において、印刷ヘッド36のヘッド面に下側から密着可能なゴム製キャップで構成された1対のヘッドキャップ57を有し、印刷しない状態のときに、後述するパージ機構56のパージモータ90(図12参照)の駆動によりヘッドキャップ57を上昇させてヘッド面を下側から密着させて蓋をする。それにより、多数のインクノズルの乾燥を防止できるようになっている。
【0061】
パージ機構56について簡単に説明する。パージ機構56は、1対のヘッドキャップ57や吸引ポンプ92(図12参照)等を有し、前述したようにヘッドキャップ57がキャップ位置まで上昇した際に、キャップ状態で吸引ポンプ92を作動させて、ヘッドキャップ57内部を負圧にすることで、印刷ヘッド36の複数のインクノズルからノズルを閉塞させる気泡や乾燥して高粘度化したインクを吸引し、良好な印刷状態を維持できるようにする。
【0062】
次に、前後駆動機構51について説明する。図3〜図5に示すように、シャーシ6の右方の後端側の外部に前後駆動モータ60が固着され、その駆動軸に駆動ギヤ61が固定され、その駆動ギヤ61に噛合する大径の従動ギヤ62がシャーシ6に回転可能に枢支されている。従動ギヤ62には更に駆動プーリ63が一体形成されている。シャーシ6の右方の前端側に従動プーリ64が回転可能に枢支され、タイミングベルトからなる駆動ベルト65がこれら駆動プーリ63と従動プーリ64とに掛装されている。
【0063】
メンテナンスユニット50を構成するユニットフレーム50Fの一部が固定金具66により駆動ベルト65の一部に固定されている。それ故、前後駆動モータ60が駆動されると、駆動ギヤ61及び駆動プーリ63、駆動ベルト65を介してメンテナンスユニット50が、図3,図4に示す前方側の待機位置と、図10に示す後方側のメンテナンス位置まで移動可能になっている。
【0064】
次に、布保持枠10の外枠16の外周側に設けられたインク受け部材68について説明する。
図6に示すように、インク受け部材68は、外枠16の後側の短辺16b、つまり図1に示すように、布保持枠10をYキャリッジ13に装着した状態において、作業者による操作側(前側)と反対である後側の短辺16bの外側(外周側)に着脱可能に設けられている。
【0065】
しかも、インク受け部材68は、印刷ヘッド36に形成されたノズル列36a〜36dの配列方向と平行に且つノズル列36a〜36dの長さよりも長い矩形状に構成されている。インク受け部材68の内部には、印刷ヘッド36がフラッシングされたインクを吸収可能な、スポンジ等のインク吸収材69が装着されている。
【0066】
インク受け部材68には、図9に示すように、左右1対のフック部68aが一体的に夫々形成されている。これらフック部68aに対応する外枠16の部位には、図8に示すように、上端部に凹部16cと、これに連なる縦向きのスリット16dとが夫々形成されている。そこで、インク受け部材68のフック部68aを、外枠16の対応する凹部16cとスリット16dに夫々係合させることにより、インク受け部材68を外枠16の外周側に着脱可能に装着することができる。
【0067】
次に、布保持枠10の種類を検出する枠種類検出機構72について説明する。
布保持枠10の連結部16aに、略三角形状の第1凹部16eと、第2凹部16fと、第3凹部16gのうちの少なくとも1つが形成されている。例えば、図6に示す布保持枠10の場合には、これら3つの第1〜第3凹部16e〜16gのうち、第1凹部16eと第3凹部16gとが夫々形成されている。
【0068】
一方、連結部16aが連結されるYキャリッジ13の内部には、布保持枠10を装着した状態で、これら第1〜第3凹部16e,16f,16gに対応する3つの第1〜第3検出スイッチ73〜75(図12参照)が夫々取付けられている。即ち、布保持枠10をYキャリッジ13に連結した状態において、第1検出スイッチ73は、第1凹部16eに対応する場合に「H」レベルの検出信号を出力し、第1凹部16eに対応しない場合に「L」レベルの検出信号を出力する。
【0069】
その他の第2,第3検出スイッチ74,75も同様に、第2,第3凹部16f,16gに対応する場合に「H」レベルの信号を夫々出力し、第2,第3凹部16f,16gに対応しない場合に「L」レベルの信号を夫々出力する。それ故、図6に示す布保持枠10をYキャリッジ13に連結した場合、連結部16aには2つの第1,第3凹部16e,16gが形成されているため、第1,第3検出スイッチ73,75から夫々「H」レベルの検出信号が出力されるが、第2検出スイッチ74からは「L」レベルの検出信号が出力される。
【0070】
次に、プリンタ1の制御系のブロック図について、図12に基づいて説明する。
【0071】
印刷装置本体11には、CPU81やROM82,RAM83及び入出力インターフェイス(I/O)84等を有する制御装置80と、この制御装置80に接続された印刷開始スイッチや枠移動スイッチ等からなる各種操作スイッチ85と、印刷ヘッド36の高さ位置を布地Wの記録面からの基準高さ(2mm) に設定するヘッド基準高さ位置検出器86、印刷ヘッド36を駆動する駆動回路87と、ヘッド上下駆動モータ41を駆動する駆動回路88と、前後駆動モータ60を駆動する駆動回路89と、パージモータ90を駆動する駆動回路91と、吸引ポンプ92を駆動する駆動回路93等が設けられている。
【0072】
制御装置80には、更に、第1〜第3検出スイッチ73〜75が電気的に接続されている。ROM82には、各駆動機構12,20,50,51,55,56を駆動する駆動制御の制御プログラムに加えて、図13に示す布保持枠種類テーブルのデータと、図14に示す枠情報テーブルのデータとが格納されている。
【0073】
布保持枠種類テーブルには、3つの第1〜第3検出スイッチ73〜75からの検出信号と、布保持枠10の種類とを対応づけたデータが記憶されている。例えば、図6に示す布保持枠10がYキャリッジ13に連結された場合、第1,第3検出スイッチ73,75から夫々「H」レベルの検出信号が出力されるので、布保持枠10の種類として、「布保持枠F」であると検出される。
【0074】
枠情報テーブルには、布保持枠10の種類に対応させて、印刷範囲と、印刷範囲における原点位置Oと、前側の2つのノズル列36c,36dからインク受け部材68までのY方向距離とが夫々記憶されている。ここで、図6に示すように、そのY方向距離は、原点位置O(これが特定位置に相当する)からインク受け部材68までのY方向距離に、原点位置Oから前側の2つのノズル列36c,36dまでのY方向距離とを加算したものである。
【0075】
例えば、図6に示す布保持枠(F)10がYキャリッジ13に連結された場合、印刷範囲は「f1〜f4」であり、原点位置は「Of」であり、インク受け部材68のフラッシング位置FPまでのY方向距離「Yf」は、原点位置Ofからインク受け部材68までのY方向距離Yxに、原点位置Oから前側の2つのノズル列36c,36dまでのY方向距離Ymとを加算した距離である。
【0076】
枠駆動機構12には、布保持枠10のX方向位置及びY方向位置を検出するキャリッジ位置検出センサ94と、X方向駆動モータ95を駆動する駆動回路96と、Y方向駆動モータ97を駆動する駆動回路98等が設けられている。
【0077】
次に、印刷装置本体11の制御装置80で実行される印刷制御について、図15のフローチャートについて説明する。
プリンタ1に電源が投入されると、先ず初期化処理が実行される(S11)。この初期化処理においては、制御系の初期化処理が実行されるとともに、枠駆動機構12の駆動により布保持枠10が移動され、印刷ヘッド36が印刷可能範囲の原点位置(中央位置)に対応する位置に位置決めされる。
【0078】
そして、布地Wを装着した布保持枠10がYキャリッジ13に連結された状態で、印刷指令を受けると(S12:Yes )、第1〜第3検出スイッチ73〜75からの検出信号に基づいて、図13に示す布保持枠種類テーブルから布保持枠10の枠種類情報が読み込まれる(S13)。次に、その枠種類情報に基づいて、図14に示す枠情報テーブルから枠情報が読み込まれる(S14)。
【0079】
次に、その枠情報に基づいて、フラッシングのために、布保持枠10の現在位置(原点位置)からインク受け部材68のフラッシング位置FPまでのY方向における移動距離が演算される(S15)。そして、布保持枠10は演算により求められた移動距離だけ、印刷方向PDと反対方向(前方)に移動(図16参照)される(S16)。
【0080】
次に、このように、フラッシング位置FPに位置決めされた布保持枠10は印刷方向PDに加速移動しながら、前側のノズル列36c,36dと、これに続いく後側のノズル列36a,36bについて、フラッシングが2回分実行され(S17)、その後前述したように、印刷範囲において1行分の印刷処理が実行される(S18)。
【0081】
ところで、印刷中においては、布保持枠10はフラッシング位置FP及び印刷範囲を含む所定距離に亙ってY方向に往復移動される。このように、1行ずつの印刷処理中に、フラッシングを行う時期になると(S19:Yes )、布保持枠10がフラッシング位置FPに移動した時点でフラッシングが実行される(S17)。そして、印刷処理が終了した場合には(S20:Yes )、この制御を終了する。
【0082】
このように、印刷ヘッド36を有するプリンタ1の枠駆動機構12に着脱可能な布保持枠10であって印刷対象の布地Wを保持する布保持枠10において、印刷ヘッド36をフラッシングする際にインクを受けるインク受け部材68が着脱可能に設けられたので、フラッシングに際して、印刷ヘッド36が布保持枠10に設けられたインク受け部材68に対応するように布保持枠10が移動され、この時点でフラッシングされるので、フラッシングにより印刷ヘッド36から噴射されたインクは、こぼれるようなことがなく、インク受け部材68で確実に受けられる。
【0083】
しかも、インク受け部材68が布保持枠10に設けられているので、印刷ヘッド36を上下移動させることなく、印刷処理における布保持枠10の一連の移動動作の一環としてフラッシングすることができるため、フラッシングに要するメンテナンス時間の短縮化、印刷処理の高速化、フラッシングの為に駆動される枠駆動機構12の制御の簡単化、更にはプリンタ1の小型化が図れる。
【0084】
特に、インク受け部材68が布保持枠10に着脱可能に設けられている場合には、布地Wを布保持枠10に取付ける作業や取外す作業を行う際、インク受け部材68を布保持枠10から取外して作業を行うことができるので、インク受け部材68が邪魔になることなく布地Wの取付けや取外し作業ができる。また、その布地Wの取付けや取外し作業中に、布地Wや手指がインク受け部材68のインクで汚れるようなことがない。
【0085】
また、布保持枠10は外枠16と内枠15とを有し、インク受け部材68は外枠16の外周側に設けられるので、内枠15の内側の印刷範囲が狭くなることがない。
また、布地Wは布保持枠10の上面側に保持されるので、フラッシングの際に、印刷ヘッド36を上下移動させる必要はなく、布保持枠10を水平移動させるだけで、インク受け部材68を印刷ヘッド36に対応する所定のフラッシング位置に移動させることができる。
【0086】
しかも、フラッシングにより印刷ヘッド36から噴射されたインクを、外枠16の外周側に設けられたインク受け部材68で確実に受けることができる。
【0087】
また、布保持枠10がプリンタ1に装着された状態において、インク受け部材68は印刷ヘッド36に形成されたノズル列36a〜36dの配列方向と平行に且つノズル列36a〜36dの長さよりも長い矩形状に構成されたので、インク受け部材68の幅寸法は印刷ヘッド36に形成された2列分のノズル列の幅寸法に合わせた寸法にすることができ、インク受け部材68の大きさを小型化することができる。
【0088】
しかも、インク受け部材68の長さはノズル列36a〜36dの長さよりも長いので、全てのノズルを同時にフラッシングさせることができ、フラッシング時間の短縮化を図ることができる。
【0089】
また、布保持枠10がプリンタ1に装着された状態において、インク受け部材68は作業者による操作側と反対の短辺16bの外側に設けられるので、作業者が、布保持枠10を枠駆動機構12に装着する準備作業を行う際や、プリンタ1を操作する際に、インク受け部材68が邪魔になるようなことがない。
【0090】
また、インク受け部材68の内部に、交換可能なインク吸収材69が装着されているので、布保持枠10の移動時に内部に溜まったインクがこぼれることがなく、必要に応じて、インク吸収材69だけを簡単に交換することができる。
【0091】
更に、印刷ヘッド36と、布地Wを保持する布保持枠10と、その布保持枠10を印刷ヘッド36に対して直交するX方向とY方向へ独立に移動させる枠駆動機構12とを備え、枠駆動機構12により布保持枠10を布地Wに対して移動させながら布地Wに印刷を行うプリンタ1において、布保持枠10に対するインク受け部材68の位置を、布保持枠10の移動位置に関連づけて検知するようにし、フラッシングに際して、枠駆動機構12の移動と検知されたインク受け部材68の位置とに基づいて、インク受け部材68を印刷ヘッド36に対応する所定のフラッシング位置FPに位置決めするようにしたので、布保持枠10の一部に装着されたインク受け部材68の位置は、布保持枠10の移動位置に関連づけて検知されるため、インク受け部材68を印刷ヘッド36に対応する所定のフラッシング位置FPに確実に且つ容易に位置決めすることができる。
【0092】
また、布保持枠10の種類と布保持枠10の原点に対するインク受け部材68のフラッシング位置FPとを対応付けた枠情報を記憶しておき、枠駆動機構12に装着された布保持枠10の種類を検出するようにし、これら布保持枠10の種類と枠情報とに基づいて枠駆動機構12を移動させてインク受け部材68を所定のフラッシング位置FPに位置決めするので、フラッシングに際して、枠駆動機構12に装着された布保持枠10の種類に応じた枠情報に基づいて、枠駆動機構12を移動させるだけでよく、インク受け部材68の位置検出制御の簡単化を図ることができる。
【0093】
更に、枠種類検出に際しては、布保持枠10の装着部16aに設けられた第1凹部16e〜第3凹部16gを、枠駆動機構12のYキャリッジ13に設けられた第1〜第3検出スイッチ73〜75で検出するので、布保持枠10の装着部16aに設けられた布保持枠10に特有の第1凹部16e〜第3凹部16gを検出するだけで、その第1凹部16e〜第3凹部16gに基づいて布保持枠10の種類を確実に特定でき、布保持枠10毎の枠情報を正確に読み込むことができる。
【0094】
次に、前記実施例を部分的に変更した変更形態について説明する。
【0095】
1)電源投直後に、インク受け部材68Aに設けた検出シール101を、プリンタ1側に設けた検出器で検出するようにし、インク受け部材68Aに関するフラッシング位置FPを検知するようにしてもよい。
【0096】
図17に示すように、アーム部4と機構取付け部5との角部の下側に、フォトインタラプタ100(これが検出器に相当する)が下向きに固着されている。一方、インク受け部材68Aの左端部の上面に、小型で円形の反射可能な検出シール101が貼着されている。フォトインタラプタ100は、発光器と受光器とを一体的に備えたものであり、発光器から真下に向けて発光された光は、検出シール101で反射された場合、受光器で受光可能になっている。
【0097】
ところで、印刷ヘッド36が布保持枠10の原点位置に対応している場合(図17参照)、フォトインタラプタ100から検出シール101までのX方向距離「X0」は、大きさや形状が異なる複数の種類の布保持枠10であっても全て同一距離に設定されている。一方、フォトインタラプタ100から検出シール101までのY方向距離「Y0」は、布保持枠10の種類によって異なっている。しかし、前側のノズル列36c,36dからフォトインタラプタ100までのY方向距離Ynは所定の距離である。
【0098】
そこで、印刷制御が開始された場合、図18に示すように、前記実施例における印刷制御のS11と同様に初期化処理が実行され(S25)、続いて、フラッシング位置検出処理(図19参照)が実行される(S26)。この制御が開始されると、図19に示すように、先ず、布保持枠10がX方向に距離「X0」だけ移動される(S35)。次に、フォトインタラプタ100の発光器が発光され(S36)、このときに検出シール101が検出されない場合、つまり受光器で反射光を受光しない場合には(S37:No)、Y方向駆動モータ97が1パルスだけ駆動される(S38)。
【0099】
次に、Yキャリッジ13がY方向への移動限界位置でない場合には(S39:No)、S37〜S39が繰返して実行される。そして、発光器から発光された光が検出シール101で反射され、その反射光が受光器で受光されて、検出シール101が検出された場合には(S37:Yes )、そのときのY方向移動距離「Y0」が記憶され(S40)、発光器の発光が停止され(S42)、この制御を終了して、印刷制御にリターンする。
【0100】
但し、Yキャリッジ13のY方向への移動が限界の場合には(S39:Yes )、警告音を発生させる等のエラー処理が実行される(S41)。印刷制御において、布地Wを装着した布保持枠10がYキャリッジ13に連結された状態で、印刷指令を受けると(S27:Yes )、フラッシングのために、布保持枠10が現在位置(原点位置)からフラッシング位置FPに移動される(S28)。
【0101】
即ち、布保持枠10の移動に際しては、前述したように、先ずX方向距離「X0」だけX方向に移動され、続いてY方向に移動しながら検出シール101が検出され、フラッシング位置FPに到達する。
【0102】
次に、このように、フラッシング位置FPに位置決めされた布保持枠10は印刷方向PDに加速移動しながら、前側のノズル列36c,36dと、これに続く後側のノズル列36a,36bについて、フラッシングが2回分実行され(S29)、その後前述したように、印刷範囲において1行分の印刷処理が実行される(S30)。
【0103】
ところで、印刷中においては、布保持枠10はフラッシング位置FP及び印刷範囲を含む所定距離に亙ってY方向に往復移動される。このように、1行ずつの印刷処理中に、フラッシングを行う時期になると(S31:Yes )、布保持枠10がフラッシング位置FPに移動した時点でフラッシングが実行される(S29)。そして、印刷処理が終了した場合には(S32:Yes )、この制御を終了する。
【0104】
このように、インク受け部材68Aの一部に被検出部である検出シール101を設け、枠駆動機構12を移動させながら印刷ヘッド36側に設けられたフォトインタラプタ100による検出シール101の検出により、インク受け部材68Aを所定のフラッシング位置FPに位置決めするので、フラッシングに際して、枠駆動機構12を移動させて、フォトインタラプタ100で検出シール101を検出するだけでよく、インク受け部材68Aの位置検出制御の簡単化を図ることができる。
【0105】
2)図20,図21に示すように、インク受け部材68Bは、布保持枠10Aの外枠16Aの短辺16bに、一体的に形成するようにしてもよい。この場合には、インク受け部材68Aの構成がより簡単にできる。また、インク受け部材68Aを紛失させてしまうこともない。
【0106】
3)図22,図23に示すように、インク受け部材68Cは、布保持枠10Bの内枠15Aの内周側に、一体的に形成するようにしてもよい。この場合にも、インク受け部材68Cの構成がより簡単にできる。また、インク受け部材68Cを紛失させてしまうこともない。
【0107】
更に、フラッシングされた印刷ヘッド36のインクを、内枠15Aの内周側に設けられたインク受け部材68Cで確実に受けることができる。また、インク受け部材68Cを内枠15Aに一体的に形成するのではなく、着脱可能に構成するようにしてもよい。
【0108】
4)本発明は以上説明した実施の形態に限定されるものではなく、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、前記実施例に種々の変更を付加して実施することができ、本発明はそれらの変更形態をも包含するものである。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】本発明の実施形態に係るプリンタの平面図である。
【図2】本発明の実施形態に係るプリンタの正面図である。
【図3】印刷装置本体の左側面図である。
【図4】印刷装置本体の平面図である。
【図5】印刷装置本体の背面図である。
【図6】布保持枠の平面図である。
【図7】図6のG−G線縦断断面図である。
【図8】外枠の要部縦断断面図である。
【図9】インク受け部材の縦断断面図である。
【図10】パージ処理時の図3相当図である。
【図11】パージ処理時の図5相当図である。
【図12】プリンタの制御系のブロック図である。
【図13】布保持枠種類テーブルに格納された情報を示す図表である。
【図14】枠情報テーブルに格納された情報を示す図表である。
【図15】印刷制御のフローチャートである。
【図16】フラッシングを説明する図1相当図である。
【図17】第1変更形態に係る図1相当図である。
【図18】印刷制御のフローチャートである。
【図19】フラッシング位置検出制御のフローチャートである。
【図20】第2変更形態に係る図6相当図である。
【図21】図20のU−U線縦断断面図である。
【図22】第3変更形態に係る図6相当図である。
【図23】図22のW−W線縦断断面図である。
【符号の説明】
【0110】
1 インクジェットプリンタ
10 布保持枠
10A 布保持枠
10B 布保持枠
12 枠駆動機構
15 内枠
16 外枠
16e 第1凹部
16f 第2凹部
16g 第3凹部
36 インクジェットヘッド
68 インク受け部材
68A インク受け部材
68B インク受け部材
68C インク受け部材
69 インク吸収材
73 第1検出スイッチ
74 第2検出スイッチ
75 第3検出スイッチ
80 制御装置
82 ROM
W 布地




 

 


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