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発明の名称 インクジェット記録ヘッド用基板の製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−21798(P2007−21798A)
公開日 平成19年2月1日(2007.2.1)
出願番号 特願2005−204331(P2005−204331)
出願日 平成17年7月13日(2005.7.13)
代理人 【識別番号】100066061
【弁理士】
【氏名又は名称】丹羽 宏之
発明者 小山 修司 / 藤井 謙児 / 大角 正紀 / 山室 純 / 村山 裕之 / 田川 義則 / 浦山 好信
要約 課題
インクジェット用ヘッド基板のノズルが多くなり、長尺化又は縮小化していくと、基板の表面に形成された感光性樹脂の影響で、引っ張り方向で基板の変形が起こり、ノズル剥がれや吐出口の変形、さらにはインクの吐出方向が定まらず印字に悪影響を与えてしまうという課題があった。

解決手段
インクジェット記録ヘッドのノズルやインク供給口を形成する過程で、裏面に異なるパターンの樹脂層を2層作製し、ウエハの反りを防止して、基板上部にあるメンブレンの割れを防止する。最終的には2層ある裏面の樹脂層のうち1層は途中工程で除去し、インジェクト記録ヘッド用基板としては裏面の樹脂層が1層になる。
特許請求の範囲
【請求項1】
素子形成面である第1面と、第1面の裏面である第2面を有するSi基板を用意する工程と、前記Si基板の前記第2面にSiO膜を形成する工程と、前記Si基板の前記第1面に犠牲層を形成する工程と、該Si基板の第1面に液体を吐出させるためのエネルギーを発生する液体吐出エネルギー発生素子を形成する工程と、前記第2面に形成した前記SiO膜に第1の樹脂層をパターニングする工程と、前記第2面に第2の樹脂層を第1の樹脂層の開口幅よりも狭くパターニングする工程と、インク流路になる型材をパターニングする工程と、吐出口やオリフィスプレート材になる感光性樹脂をパターニングする工程と、撥水層を形成する工程と、保護材で基板を覆い異方性エッチングを行う工程と、第2面に形成した第2の樹脂層を除去し第2面に形成した第1の樹脂層を残す工程と、保護材と型材を除去する工程を含むことを特徴とするインクジェット記録ヘッド用基板の製造方法。
【請求項2】
素子形成面である第1面と、第1面の裏面である第2面を有するSi基板を用意する工程と、前記Si基板の前記第2面にSiO膜を形成する工程と、前記Si基板の前記第1面に犠牲層を形成する工程と、該Si基板の第1面に液体を吐出させるためのエネルギーを発生する液体吐出エネルギー発生素子を形成する工程と、前記第2面に形成した前記SiO膜に第1の樹脂層をパターニングする工程と、前記第2面に第2の樹脂層を第1の樹脂層の開口幅よりも広くパターニングする工程と、インク流路になる型材をパターニングする工程と、吐出口やオリフィスプレート材になる感光性樹脂をパターニングする工程と、撥水層を形成する工程と、保護材で基板を覆い異方性エッチングを行う工程と、第2面に形成した第2の樹脂層を除去し第2面に形成した第1の樹脂層を残す工程と、保護材と型材を除去する工程を含むことを特徴とするインクジェット記録ヘッド用基板の製造方法。
【請求項3】
前記第1の樹脂層と第2の樹脂層は同一な樹脂で、有機膜であり、熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェット記録ヘッド用基板の製造方法。
【請求項4】
前記Si基板の結晶方位が100及び110であることを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載のインクジェット記録ヘッド用基板の製造方法。
【請求項5】
前記第1の樹脂層、第2の樹脂層、型材、感光性樹脂、撥水層、保護材は、スピンコートあるいはロールコートあるいはダイレクトコートで基板上に形成されることを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載のインクジェット記録ヘッド用基板の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明はインクジェット記録ヘッド用の基板を安価に作製する製造技術に係わるインジェクト記録ヘッド用基板の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種のインクジェット記録ヘッドに関し、例えば特許文献1に記載されているインクジェット記録法は、熱エネルギーを液体に作用させて、液滴吐出の原動力を得るという点において、他のインクジェット記録方法とは異なる特徴を有している。
【0003】
即ち、上述の公報に開示されている記録法は、熱エネルギーの作用を受けた液体が過熱されて気泡を発生し、この気泡発生に基づく作用力によって、記録ヘッド部先端のオリフィスから液滴が形成され、この液滴が被記録部材に付着して情報の記録が行われるということを特徴としている。この記録法に適用される記録ヘッドは、一般に液体を吐出するために設けられたオリフィスと、このオリフィスに連通して液滴を吐出するための熱エネルギーが液体に作用する部分である熱作用部を構成の一部とする液流路とを有する液吐出部及び熱エネルギーを発生する手段である熱変換体としての発熱抵抗層とそれをインクから保護する上部保護層と蓄熱するための下部層を具備している。
【0004】
従来、特許文献2でインクジェット記録ヘッド基板の製造方法が開示されている。この形成方法はインク吐出口を異方性エッチングにより形成し、吐出口を感光性樹脂により形成する基本的な特許である。
【0005】
このインクを飛ばすためのノズルとインクを供給するためのインク供給口を基板に作製する工程に関して図4を用いて説明する。この図4は図5(A)のB−B断面図である。
【0006】
図4−(A)〜(F)は、従来のインクジェット記録ヘッドの基本的な製造工程を示すための断面模式図である。図4−(A)に示される基板1上には、発熱抵抗体等のインク吐出エネルギー発生素子3が複数個配置されている。また前記基板1の裏面はSiO膜2が形成されている。また、基板上にはインク吐出エネルギー発生素子3以外に、ノズル作製工程におけるインク供給口の作成時に使用する犠牲層4や不図示であるがインク吐出エネルギー発生素子を駆動するための配線や駆動素子が形成されている。
【0007】
まず、基板1の裏面に樹脂層14を塗布し、その樹脂層14をパターニングするために、ポジ型レジストをスピンコート等により塗布、露光、現像し、図4−(B)に示すように、前記基板1の裏面の樹脂層14をドライエッチング等によりパターニングし、前記ポジ型レジストを剥離する。そして表面にノズルの流路となる型材料であるポジ型レジスト(ODUR:東京応化製)7をパターニングする。
【0008】
次に図4−(C)に示すように、型材料7上に被覆樹脂層8(CR:コ‐ティングレジン)をスピンコート等により形成する。前記被覆樹脂層8上には撥水層9がドライフィルムのラミネート等により形成されている。インク吐出口10は、被覆樹脂層8(CR)が感光性樹脂層なので、紫外線やDeep UV光等による露光、現像を行ってパターニングして形成する。
【0009】
次に図4−(D)に示すように、型材料7および被覆樹脂層8等がパターン形成されている前記基板1の表面および側面をスピンコート等による塗布を行い、保護材11で覆う。前記基板1の裏面のSiO膜2は、前記樹脂層14をマスクとしてウェットエッチング等によりパターニングされ、Si面が露出することで、異方性エッチングの開始面12が形成される。
【0010】
次に前記基板1にインク供給口13を設ける。このインク供給口13は、基板を化学的にエッチングして形成する。例えばTMAH等の強アルカリ溶液による異方性エッチングにより形成する。そして図4−(E)に示すように、裏面から異方性エッチングを行っていくと表面の犠牲層4に到達し、インク供給口13が形成される。
【0011】
次に樹脂層14および保護材11を除去する。さらに型材料7を、前記インク吐出口10および前記インク供給口13から溶出させることにより、インク流路および発泡室が形成される。
【0012】
以上の工程によりインク流路等が形成されたインクジェット記録ヘッド用基板16を、インク吐出エネルギー発生素子3を駆動させるための電気的接合を行った後、インク供給のためのチップタンク部材を接続して、インクジェット記録ヘッドが完成する。
【0013】
このような工程で作製したインク流路等が形成されたインクジェット用記録ヘッド用基板16を図5(A)に示す。
【0014】
このインクジェット用ヘッドの基板のシリコン基板1は結晶方位が100のものを使用し、異方性エッチングによりインク供給口13を形成している。8はCR材であり、その上層には撥水層9が形成されている。インク流路17やオリフィス10を形成している。18はボンディングパッドである。
【0015】
図5(B)のB−B断面図に示される通り、基板の裏面には酸化膜2が形成されている。
【特許文献1】特開昭54−51837号公報
【特許文献2】特開平9−11479号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかしながら、上述のインクジェット用ヘッド基板用いて、インクジェトヘッドを作製する場合、次のような問題があった。
【0017】
1.インクジェット用ヘッド基板のノズルが多くなり、長尺化していくと、異方性エッチングの穴がノズル列方向に大きく開いているために基板の剛性がなくなり、基板の表面に形成された感光性樹脂の影響で、引っ張り方向で基板の変形が起こり、ノズル剥がれや吐出口の変形、さらにはインクの吐出方向が定まらず印字に悪影響を与えていた。
【0018】
2.インクジェット用ヘッド基板のコストを削減するために、基板を小さくしていくとノズルを多くした時と同じように、基板の剛性がなくなり、基板の表面に形成された感光性樹脂の影響で、引っ張り方向で基板の変形が起こり、ノズル剥がれや吐出口の変形、さらにはインクの吐出方向が定まらず印字に悪影響を与えていた。
【0019】
以上のように、インクジェット用基板が大きくなり、インク供給口の数が増え、さらにはノズル数が多くなることによってインク供給口が大きくなり、基板の剛性がなくなって、印字歩留まりが低下し、ノズル剥がれ等の問題が発生する場合がある。
【0020】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、その目的は、インクジェット用基板の剛性を高くし、基板を変形しないように工夫がなされたもので、基板が小さくなったり、基板が長尺化された場合でも良好な印字ができ、さらには品質の高いインクジェット記録ヘッドの製造方法を提供することにある。そして本発明は、特に製造方法に関するものであり、工程中の反りを防止し、反りによるノズル剥がれ等の不良を押さえることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明では、上記問題点を解決するために、素子形成面である第1面と、第1面の裏面である第2面を有するSi基板を用意する工程と、前記Si基板の前記第2面にSiO膜を形成する工程と、前記Si基板の前記第1面に犠牲層を形成する工程と、該Si基板の第1面に液体を吐出させるためのエネルギーを発生する液体吐出エネルギー発生素子を形成する工程と、前記第2面に形成した前記SiO膜に第1の樹脂層をパターニングする工程と、前記第2面に第2の樹脂層を第1の樹脂層の開口幅よりも狭くパターニングする工程と、インク流路になる型材をパターニングする工程と、吐出口やオリフィスプレート材になる感光性樹脂をパターニングする工程と、撥水層を形成する工程と、保護材で基板を覆い異方性エッチングを行う工程と、第2面に形成した第2の樹脂層を除去し第2面に形成した第1の樹脂層を残す工程と、保護材と型材を除去する工程を含むことを特徴とするインクジェット記録ヘッド用基板の製造方法を提案するものである。
【0022】
また、素子形成面である第1面と、第1面の裏面である第2面を有するSi基板を用意する工程と、前記Si基板の前記第2面にSiO膜を形成する工程と、前記Si基板の前記第1面に犠牲層を形成する工程と、該Si基板の第1面に液体を吐出させるためのエネルギーを発生する液体吐出エネルギー発生素子を形成する工程と、前記第2面に形成した前記SiO膜に第1の樹脂層をパターニングする工程と、前記第2面に第2の樹脂層を第1の樹脂層の開口幅よりも広くパターニングする工程と、インク流路になる型材をパターニングする工程と、吐出口やオリフィスプレート材になる感光性樹脂をパターニングする工程と、撥水層を形成する工程と、保護材で基板を覆い異方性エッチングを行う工程と、第2面に形成した第2の樹脂層を除去し第2面に形成した第1の樹脂層を残す工程と、保護材と型材を除去する工程を含むことを特徴とするインクジェット記録ヘッド用基板の製造方法を提案するものである。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように、本発明によれば、インクジェット記録ヘッド用基板の長尺化及び縮小化に対して、インク供給口の裏面に樹脂を設ける製造方法をとることにより、基板表面に形成した感光性樹脂による引っ張り応力を押さえ、ノズル工程での反りを防止し、ノズル歩留りや印字歩留まりを良好にさせることができる。
【0024】
さらに、ヘッドの部品であるIJ用基板の反りが押さえられるため、インクジェット記録ヘッドとして信頼性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図3(A)に、本実施形態において製造するインクジェット記録ヘッド用基板の斜視図を示す。図3(A)は、インクジェット記録装置の一部を示す斜視図である。
【0026】
このインクジェット記録ヘッド(液体吐出ヘッド)は、インク吐出エネルギー発生素子(液体吐出エネルギー発生素子)3が所定のピッチで2列並んで形成されたSi基板1を有している。Si基板1には、SiO膜をマスクとしてSiの異方性エッチングによって形成されたインク供給口(液体供給口)13が、インク吐出エネルギー発生素子3の2つの列の間に開口されている。Si基板1上には、オリフィスプレート材8によって、各インク吐出エネルギー発生素子3の上方に開口するインク吐出口(液体吐出口)10と、インク供給口13から各インク吐出口10に連通するインク流路(液体流路)17が形成されている。
【0027】
このインクジェット記録ヘッドは、インク供給口13が形成された面が被記録媒体の記録面に対面するように配置される。そしてこのインクジェット記録ヘッドは、インク供給口13を介してインク流路内に充填されたインク(液体)に、インク吐出エネルギー発生素子3によって発生する圧力を加えることによって、インク吐出口10からインク液滴を吐出させ、被記録媒体に付着させることによって記録を行う。
【0028】
本発明は、液体を噴射し飛翔液滴を形成して記録を行うインクジェット記録ヘッドと、液体を噴射する吐出口(以下、オリフィスともいう)及び液体を供給するインク供給口の形成に関するものである。
【0029】
また本発明は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の被記録媒体に対し記録を行う、プリンタ,複写機,通信システムを有するファクシミリ、プリンタ部を有するワードプロセッサ等の装置、さらには各種処理装置と複合的に組み合わせた産業記録装置に適用できる発明である。
【0030】
なお、本発明における、『記録』とは、文字や図形等の意味を持つ画像を被記録媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を付与することも意味する。
【実施例1】
【0031】
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。図1は本発明のインクジェット記録ヘッド用基板を作成するための模式的断面図であり、工程順に説明している図である。
【0032】
図1−(A)〜(F)は、図3(A)のB−B断面図であり、本発明のインクジェット記録ヘッドの基本的な製造工程を示すための断面模式図である。それぞれ別の断面図を用いたのは本特許をわかりやすく解説するためである。まず、図1によりB−B断面図の製造工程に関して説明する。
【0033】
図1−(A)に示される基板1上には、発熱抵抗体等のインク吐出エネルギー発生素子3が複数個配置されている。今回使用した基板の結晶方位は100を使用したが、110のものでも同様の結果となることはいうまでもない。また前記基板1の裏面はSiO膜2が形成されている。そして、アルカリ性の溶液によってインク供給口を形成するときに、表面の寸法を精度良く加工するための犠牲層4が基板1に設けてある。ヒーター3の配線やそのヒーターを駆動するための半導体素子は不図示である。この犠牲層はアルカリ溶液でエッチングできるものであれば良く、ポリシリコンやアルミで形成される。好ましくはアルカリ溶液に対してエッチング速度の速いアルミ、アルミシリコン、アルミ銅、アルミシリコン銅などが良い。
【0034】
まず、基板1の裏面に第1の樹脂層5を塗布し、その第1の樹脂層5をパターニングするために、ポジ型レジストをスピンコート等により塗布、露光、現像し、前記基板1の裏面の第1の樹脂層5をドライエッチング等によりパターニングし、前記ポジ型レジストを剥離する。この後、第2の樹脂層6を塗布し、その第2の樹脂層6をパターニングするために、ポジ型レジストをスピンコート等により塗布、露光、現像し、前記基板1の裏面の第2樹脂層6をドライエッチング等によりパターニングし、前記ポジ型レジストを剥離する。このように基板裏面へパターニングする時は、表面を保護して行っても良いことは言うまでもない。そして表面にノズルの流路となる型材料であるポジ型レジスト(ODUR:東京応化製)7をパターニングする。このように形成した第1樹脂層5と第2樹脂層6との関係は図1−(B)に示すように第2樹脂層の方が開口幅が狭く、第1樹脂層の方が開口幅が広い形状になっている。
【0035】
次に図1−(C)に示すように、型材料4上に被覆樹脂層8(CR)をスピンコート等により形成する。前記被覆樹脂層8上には撥水層9がドライフィルムのラミネート等により形成されている。インク吐出口13は、被覆樹脂層6(CR)が感光性樹脂層なので、紫外線やDeep UV光等による露光、現像を行ってパターニングして形成する。
【0036】
次に図1−(D)に示すように、型材料7および被覆樹脂層6等がパターン形成されている前記基板1の表面および側面をスピンコート等による塗布を行い、保護材11で覆う。前記保護材11は異方性エッチングを行う際に使用する強アルカリ溶液に十分耐えうる材料であり、そのため異方性エッチングを行うことによる前記撥水層9等の劣化等を防ぐことが可能となる。前記基板1の裏面のSiO膜2は、前記第2の樹脂層6をマスクとしてウェットエッチング等によりパターニングされ、異方性エッチングの開始面12となりSi面が露出される。次に前記基板1にインク供給口を設ける。このインク供給口は、基板を化学的にエッチング、例えばTMAH等の強アルカリ溶液による異方性エッチングにより形成する。図1−(E)に異方性エッチングの途中工程を示す。異方性エッチングでシリコンをエッチングした後、犠牲層4に到達し、エッチングの早い犠牲層は横方向にエッチングが進む。そして図1−(F)に示すように、まず、異方性エッチング時に発生した酸化膜2のバリをウェットエッチングによりエッチングする。その後、第1の樹脂層が残るように第2の樹脂層を裏面からエッチングし、第1の樹脂層5が残ることでウエハ全体の反りを防ぐ働きをする。従来の工程ではこの樹脂を除去するときに表面に形成した感光性樹脂により引っ張り方向に応力が加わり、ウエハに反りが発生し、不図示であるノズル流路17とインク供給口13の間に形成されているメンブレン膜の割れ等が発生し、歩留りを落としていた。
【0037】
次に保護材11を除去した後、型材料7を、前記インク吐出口10および前記インク供給口13から溶出させることにより、インク流路および発泡室が形成される。型材料7の除去は、Deep UV光による全面露光を行った後、現像、乾燥を行えばよく、必要に応じて現像の際、超音波浸漬すれば十分である。
【0038】
以上の工程によりノズル部が形成されたインクジェット記録ヘッド用基板19を、ダイシングソー等により分離切断、チップ化し、インク吐出エネルギー発生素子3を駆動させるための電気的接合を行った後、インク供給のためのチップタンク部材を接続して、インクジェット記録ヘッドが完成する。
【0039】
このインクジェット記録ヘッドは、ノズルやインク供給口を形成している工程で、裏面に樹脂を残す工程にしているため、表面に形成した感光性樹脂の引っ張り応力を押さえ、反りを押さえることで、メンブレン割れ等の不良発生を防ぐことができる。
【実施例2】
【0040】
以下、本発明の他の実施例について図面を参照して説明する。
【0041】
図2は本発明のインクジェット記録ヘッド用基板を作成するための模式的断面図であり、工程順に説明している図である。
【0042】
図2−(A)〜(F)は、図3(A)のB−B断面図であり、本発明のインクジェット記録ヘッドの基本的な製造工程を示すための断面模式図である。それぞれ別の断面図を用いたのは本特許をわかりやすく解説するためである。まず、図2によりB−B断面図の製造工程に関して説明する。
【0043】
図2−(A)に示される基板1上には、発熱抵抗体等のインク吐出エネルギー発生素子3が複数個配置されている。今回使用した基板の結晶方位は100を使用したが、110のものでも同様の結果となることはいうまでもない。また前記基板1の裏面はSiO膜2が形成されている。そして、アルカリ性の溶液によってインク供給口を形成するときに、表面の寸法を精度良く加工するための犠牲層4が基板1に設けてある。ヒーター3の配線やそのヒーターを駆動するための半導体素子は不図示である。この犠牲層はアルカリ溶液でエッチングできるものであれば良く、ポリシリコンやアルミで形成される。好ましくはアルカリ溶液に対してエッチング速度の速いアルミ、アルミシリコン、アルミ銅、アルミシリコン銅などが良い。
【0044】
まず、基板1の裏面に第1の樹脂層14を塗布し、その第1の樹脂層14をパターニングするために、ポジ型レジストをスピンコート等により塗布、露光、現像し、前記基板1の裏面の第1樹脂層14をドライエッチング等によりパターニングし、前記ポジ型レジストを剥離する。この後同様に第2の樹脂層15を塗布し、その第2の樹脂層15をパターニングするために、ポジ型レジストをスピンコート等により塗布、露光、現像し、前記基板1の裏面の第2樹脂層15をドライエッチング等によりパターニングし、前記ポジ型レジストを剥離する。このように基板裏面へパターニングする時は、表面を保護して行っても良いことは言うまでもない。そして表面にノズルの流路となる型材料であるポジ型レジスト(ODUR:東京応化製)7をパターニングする。このように形成した第1の樹脂層14と第2の樹脂層15との関係は図2−(B)に示すように第2の樹脂層の方が開口幅が広く、第1の樹脂層の方が開口幅が狭い形状になっている。
【0045】
次に図2−(C)に示すように、型材料4上に被覆樹脂層8(CR)をスピンコート等により形成する。前記被覆樹脂層8上には撥水層9がドライフィルムのラミネート等により形成されている。インク吐出口13は、被覆樹脂層15(CR)が感光性樹脂層なので、紫外線やDeep UV光等による露光、現像を行ってパターニングして形成する。
【0046】
次に図2−(D)に示すように、型材料7および被覆樹脂層15等がパターン形成されている前記基板1の表面および側面をスピンコート等による塗布を行い、保護材11で覆う。前記保護材11は異方性エッチングを行う際に使用する強アルカリ溶液に十分耐えうる材料であり、そのため異方性エッチングを行うことによる前記撥水層9等の劣化等を防ぐことが可能となる。前記基板1の裏面のSiO膜2は、前記第2の樹脂層14をマスクとしてウェットエッチング等によりパターニングされ、異方性エッチングの開始面12となりSi面が露出される。次に前記基板1にインク供給口を設ける。このインク供給口は、基板を化学的にエッチング、例えばTMAH等の強アルカリ溶液による異方性エッチングにより形成する。図2−(E)に異方性エッチングの途中工程を示す。異方性エッチングでシリコンをエッチングした後、犠牲層4に到達し、エッチングの早い犠牲層は横方向にエッチングが進む。そして図2−(F)に示すように、まず、異方性エッチング時に発生した酸化膜2のバリをウェットエッチングによりエッチングする。その後、第1の樹脂層が残るように第2の樹脂層を裏面からエッチングし、第1の樹脂層14が残ることでウエハ全体の反りを防ぐ働きをする。従来の工程ではこの樹脂を除去するときに表面に形成した感光性樹脂により引っ張り方向に応力が加わり、ウエハに反りが発生し、不図示であるノズル流路17とインク供給口13の間に形成されているメンブレン膜の割れ等が発生し、歩留りを落としていた。
【0047】
次に保護材11を除去した後、型材料7を、前記インク吐出口10および前記インク供給口13から溶出させることにより、インク流路および発泡室が形成される。型材料7の除去は、Deep UV光による全面露光を行った後、現像、乾燥を行えばよく、必要に応じて現像の際、超音波浸漬すれば十分である。
【0048】
以上の工程によりノズル部が形成されたインクジェット記録ヘッド用基板19を、ダイシングソー等により分離切断、チップ化し、インク吐出エネルギー発生素子3を駆動させるための電気的接合を行った後、インク供給のためのチップタンク部材を接続して、インクジェット記録ヘッドが完成する。
【0049】
このインクジェット記録ヘッドはノズルやインク供給口を形成している工程で、裏面に樹脂を残す工程にしているため、表面に形成した感光性樹脂の引っ張り応力を押さえ、反りを押さえることで、メンブレン割れ等の不良発生を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の第1実施例の模式的断面図である。
【図2】本発明の第2実施例の模式的断面図である。
【図3】(A)は、本発明実施例の液体吐出ヘッド用基板の一部を示す模式的斜視図である。(B)は、(A)のB−B断面図である。
【図4】従来のインクジェット記録ヘッド用基板の各製造工程を説明するための模式的断面図である。
【図5】(A)は、従来のインクジェット記録ヘッド用基板の一部を示す模式的斜視図である。(B)は、(A)のB−B断面図である。
【符号の説明】
【0051】
1 シリコン基板
2 酸化膜
3 インク吐出エネルギー発生素子
4 犠牲層
5 第1の樹脂層
6 第2の樹脂層
7 型材
8 感光性樹脂(流路・オリフィス形成部材)
9 撥水層
10 吐出口
11 保護材
12 エッチング開始面
13 インク供給口
14 第1の樹脂層
15 第2の樹脂層
16 従来のインク流路等が形成されたインクジェット記録ヘッド用基板
17 インク流路
18 ボンディングパッド
19 インク流路、裏面樹脂層等が形成されたインクジェット記録ヘッド用基板




 

 


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