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発明の名称 インクジェット記録装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−15250(P2007−15250A)
公開日 平成19年1月25日(2007.1.25)
出願番号 特願2005−199969(P2005−199969)
出願日 平成17年7月8日(2005.7.8)
代理人 【識別番号】100090538
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 恵三
発明者 枝村 哲也 / 高橋 喜一郎 / 勅使川原 稔 / 丸 晶子 / 村山 仁昭
要約 課題
インク色ごとに独立したインクタンクを個別に交換可能なインクジェット記録装置において、タンク誤装着による記録乱れを軽減する。

解決手段
タンク交換後に全てのタンクが正規の位置に装着されているかを判断する。正規の位置に装着されていない場合は、誤装着状態が継続した時間に応じた回復処理を実施する。具体的には、誤装着が発生しても、所定時間以内に正規の位置にタンクが装着された場合は、通常の吸引回復動作を実施し、誤装着状態が所定時間以上経過した場合は、通常の吸引回復動作よりも強力な吸引回復動作を実施する。
特許請求の範囲
【請求項1】
インク種ごとに独立した複数のインクタンクを個別に交換可能なインクジェット記録装置において、
前記複数のインクタンクを装着するタンク装着部と、
タンク交換後において、前記タンク装着部のインクタンクが正規の位置に装着されているか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段による判断結果に基づいて、前記インクタンクと接続された記録ヘッドからインクを排出させる回復動作を実行する回復手段とを備え、
前記回復手段は、前記インクタンクが正規の位置に装着されている場合に比べ、前記インクタンクが正規の位置に装着されていない場合において前記回復動作に伴うインク量を多くすることを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項2】
インク種ごとに独立した複数のインクタンクを個別に交換可能なインクジェット記録装置において、
前記複数のインクタンクを装着するタンク装着部と、
タンク交換後において、前記タンク装着部に装着されているインクタンクの誤装着の有無を判断する判断手段と、
前記誤装着が有ると判断された場合、当該誤装着が継続している時間を計測する計測手段と、
前記計測手段により計測される時間に基づいて、前記インクタンクと接続された記録ヘッドからインクを排出させる回復動作を実行する回復手段と、
前記回復手段は、前記計測手段により計測される時間に基づいて、前記回復動作の内容を異ならせることを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項3】
前記回復手段は、前記計測手段により計測される時間が第1の閾値未満である場合に比べ、前記計測手段により計測される時間が第1の閾値以上である場合に前記回復動作に伴うインク量を多くすることを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
【請求項4】
前記回復手段は、前記計測手段により計測される時間が第1の閾値未満である場合、前記誤装着が発生していないときに実行される回復動作と同じ内容の回復動作を実行することを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
【請求項5】
前記回復手段は、前記計測手段により計測される時間が第1の閾値以上である場合、前記誤装着が発生していないときに実行される回復動作よりもインク排出量の多い回復動作を実行することを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
【請求項6】
前記回復手段は、前記計測手段により計測される時間が第1の閾値よりも長い時間に相当する第2の閾値以上である場合、前記誤装着の状態のままで回復動作を実行することを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
【請求項7】
前記回復動作は、前記記録ヘッドからインクを吸引する吸引回復動作および前記記録ヘッドからインクを吐出させる予備吐出動作の少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置に関し、特に複数のインクタンクを着脱自在なもののタンク交換シーケンスに関する。
【背景技術】
【0002】
記録素子上に配置した吐出口(ノズル)からインクを吐出させて記録紙上に記録を行うインクジェット方式の記録ヘッドを具備した記録装置(以下、インクジェット記録装置という)は、高密度かつ高速な記録動作が可能である。
【0003】
インクジェット記録装置は、該装置が適用されるシステム等の固有の機能、仕様形態等に対応した構成をとる。一般にインクジェット記録装置は、記録ヘッドおよびインクタンクを搭載するキャリッジと、記録紙を搬送する搬送手段と、これらを制御するための制御手段とを具備する。
【0004】
そして、複数の吐出口からインク滴を吐出させる記録ヘッドを記録紙の搬送方向(副走査方向)と直交する方向(主走査方向)にシリアルスキャンさせ、一方で非記録時に記録紙を記録幅に等しい量で間欠搬送(ピッチ送り)するものである。インクを吐出する多数のノズルが副走査方向に直線上に配置された記録ヘッドを用いることにより、記録ヘッドが記録紙上を一回走査することでノズル数に対応した幅の記録がなされる。
【0005】
また、インクジェット記録装置は、ランニングコストが安く、装置のコンパクト化も可能であり、さらに多色のインクを用いてカラー画像記録に対応することも容易である。中でも、記録紙の幅方向に多数の吐出口を配列したラインタイプの記録手段を使用したライン型の記録装置は、記録の一層の高速化が可能である。
【0006】
上記の理由から、インクジェット記録装置は、情報処理システムの出力手段、例えば複写機、ファクシミリ、電子タイプライタ、ワードプロセッサ、ワークステーション等の出力端末としてのプリンタとして利用されている。また、パーソナルコンピュータ、ホストコンピュータ、光ディスク装置、ビデオ装置等に具備されるハンディまたはポータブルプリンタとしても利用されている。
【0007】
インクジェット記録装置の記録素子、すなわちインクを吐出するためのエネルギを発生するエネルギ発生手段としては、ピエゾ素子などの電気機械変換体を用いたもの、レーザーなどの電磁波を照射して発熱させ、この発熱による作用で液滴を吐出させるもの、あるいは発熱抵抗体を有する電気熱変換素子によって液体を加熱させるものなどがある。
【0008】
その中でも熱エネルギを利用して液体を吐出させる方式のインクジェット記録方式の記録ヘッドは、上記液体吐出口を高密度に配列することができるために高解像度の記録をすることが可能である。
【0009】
記録ヘッドへインクを供給するためのインクタンクは、インク吸収体と、このインク吸収体を挿入するための容器と、これを封止する蓋部材とで概略構成される。
【0010】
また、上記記録ヘッドは、このようなインクタンクと一体化されたチップタイプのものと、インクタンクと着脱自在に結合するものとがある。ランニングコストを抑えるためには、インクタンク交換タイプが有利である。タンク交換タイプとしては、ブラックインクの入ったブラックタンクとイエロー、マゼンタ、シアンの3色が−体になったカラータンクを交換するタイプ、あるいはブラック、イエロー、マゼンタ、シアンのそれぞれのインクが入ったタンクを交換するタイプ等がある。また、最近は写真調の印刷を行う際に濃度の薄いマゼンタ、シアンのインクが入ったタンクもある。各色ごとにインクタンクを交換するタイプは、無くなったインクだけを交換することができるため、ランニングコストが抑えられるという利点がある。
【0011】
しかしながら、各色ごとにインクタンクを交換するタイプでは、インク切れによりユーザーがタンク交換する際に、誤ったインク色のタンクを装着してしまうと、正しいインク色で記録が行われないため、印刷結果に不具合が生じる。
【0012】
このため、タンクの誤装着による印刷乱れを防止する技術が提案されている。
【0013】
そのひとつとして、装着されたタンクのインク色を判別して、本来装着されるべきタンクと異なる場合は、正常なタンクが装着された場合とは違う特別な処理を実施する技術が広く知られている。例えば、特許文献1には、装着されたインクタンクに、赤、緑、青の3種類の光を照射することで、インク色を判別して装着されたタンク種類を判別する技術が開示されている。また、特許文献2には、インク色ごとに異なるプリズムをタンクに設置し、プリズムを光学的に検知することで、タンク種類を検知する技術が記載されている。また、特許文献3には、インクタンクに記憶素子を設け、記憶素子に記録されたタンク種類情報を記録装置本体で読み込むことでタンク種類を判別する技術が記載されている。
【特許文献1】特開2001−88322号公報
【特許文献2】特開2004−1282号公報
【特許文献3】特開2005−119228号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
さて、実際にタンクが誤装着された場合、インクタンクと記録ヘッドのジョイント部で、異なるインクが混ざり混色が生じる。このため、誤装着後に、誤装着に気づいたユーザーが正規のタンクに付け替えたとしても、ジョイント部には混色したインクが残留しているため、そのまま記録を実施すると混色インクによる記録が行われ印刷結果に不具合が生じる。特に、誤装着されたタンクが長時間放置された場合、混色インクが拡散するため、混色インクによる印刷乱れの影響は深刻になる。
【0015】
このため、タンク誤装着が発生した際には、誤装着であることをユーザーに報知して正規のタンクを取り付けさせるだけでなく、混色インクを除去するクリーニング動作を適確に実施する必要がある。
【0016】
しかしながら、特許文献1においては、誤装着された場合、ブザーなどを鳴らすなどユーザーへの報知については言及しているが、その後の回復動作に関しては記載がない。また、特許文献3では、誤装着後の具体的な回復動作についてなんら開示されていない。
【0017】
一方、特許文献2では、誤装着の検知後は混色インクの拡散を防止するため、速やかに混色インクを除去することが必要とされ、誤装着の検知後は常に吸引回復を実施する構成が開示されている。この技術によれば、混色インクの拡散を防止することは可能であるが、誤装着後は常に吸引回復を実施するため、多量のインクを浪費する恐れがある。特に、ユーザーが誤装着にすぐ気づいて正規のタンクを装着した場合など、混色インクの拡散が僅かであり、多量のインクを吸い出す必要がない場合でも、吸引回復動作を実施するため、インクの浪費が増大してしまう。
【0018】
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、インクタンクの誤装着が発生した場合であっても、回復動作に伴うインク浪費量をそれ程多くせずに、混色インクによる画像劣化を抑制できるインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記課題を解決するための本発明は、インク種ごとに独立した複数のインクタンクを個別に交換可能なインクジェット記録装置において、前記複数のインクタンクを装着するタンク装着部と、タンク交換後において、前記タンク装着部のインクタンクが正規の位置に装着されているか否かを判断する判断手段と、前記判断手段による判断結果に基づいて、前記インクタンクと接続された記録ヘッドからインクを排出させる回復動作を実行する回復手段とを備え、前記回復手段は、前記インクタンクが正規の位置に装着されている場合に比べ、前記インクタンクが正規の位置に装着されていない場合において前記回復動作に伴うインク量を多くすることを特徴とする。
【0020】
また、本発明は、インク種ごとに独立した複数のインクタンクを個別に交換可能なインクジェット記録装置において、前記複数のインクタンクを装着するタンク装着部と、タンク交換後において、前記タンク装着部に装着されているインクタンクの誤装着の有無を判断する判断手段と、前記誤装着が有ると判断された場合、当該誤装着が継続している時間を計測する計測手段と、前記計測手段により計測される時間に基づいて、前記インクタンクと接続された記録ヘッドからインクを排出させる回復動作を実行する回復手段と、前記回復手段は、前記計測手段により計測される時間に基づいて、前記回復動作の内容を異ならせることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、インクタンクの誤装着が発生した場合であっても、回復動作に伴うインク浪費量をそれ程多くせずに、混色インクによる画像劣化を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について、図を参照しながら詳細に説明する。
【0023】
図1は本発明の第1の実施形態で適用可能な記録装置を示す斜視図であり、図2は図1に示した記録装置の主要部を示すブロック図である。まず、本実施形態の記録装置の基本構成について説明する。図1,2に示すように、本実施形態の記録装置はインクジェット記録装置であり、その基本構成自体は従来のインクジェット記録装置とほとんど同じである。すなわち、記録用紙などの被記録媒体9に記録材であるインクを吐出して記録を行うインクジェット記録方式の記録ヘッド15と、この記録ヘッド15に各色(本実施形態ではシアン、マゼンタ、イエロー、黒の4色)のインクを供給するための複数(本実施形態では4つ)のインクカートリッジ2a〜2dを有している。本実施形態では、記録ヘッド15がキャリッジを兼ねる構成であり、記録ヘッド15およびインクカートリッジ(以下、「インクタンク」ともいう)2a〜2dは、駆動モータ5の駆動力が駆動ベルト6によって伝達されて、ガイドレール4に沿って一体的に往復走査可能である。各インクカートリッジ2a〜2dは、記録ヘッド15に対してそれぞれ独立して着脱可能である。
【0024】
また、記録装置本体1には、被記録媒体9を搬送するための複数のローラを含む搬送手段3と、記録ヘッド15の吐出状態を良好にするための回復手段13が設けられている。回復手段13は、記録ヘッド15の前面(吐出口面)を清掃するためのワイパーブレード8と、記録ヘッド15の図示しない吐出口内に存在する固化インクや気泡やごみなどの異物を吸引して除去するためのポンプやキャップを含む吸引手段7を有している。
【0025】
記録動作時には、搬送手段3が被記録媒体9を1行分のピッチずつ間欠的に搬送することと、記録ヘッド15が被記録媒体9を横切る方向へ走査しながらインクを被記録媒体9に吐出することとが交互に繰り返される。これによって、被記録媒体9への記録が行われる。そして、非記録時(特に記録ヘッド15が待機位置(ホームポジション)に位置している時)には、適切なタイミングで、ワイパーブレード8が記録ヘッド15の前面(吐出口面)を清掃する。また、吸引手段7が記録ヘッド15の図示しない吐出口内から異物や増粘インク等を吸引して除去することによって、記録ヘッド15のインク吐出性能を維持している。
【0026】
図2に示すように、搬送手段3や回復手段13を含む記録装置本体1に、制御回路部22が内蔵されている。この制御回路部22には、前記した搬送手段3、回復手段13、および記録ヘッド15をはじめとする記録装置の各部の様々な動作を制御するCPU(Central Processing Unit)10と、例えば電気的に情報の書き換えが可能なEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)やフラッシュメモリ等の半導体メモリである記憶装置12と、もう1つの記憶装置であるROM(Read Only Memory)11などが含まれている。半導体メモリである記憶装置12は、記録装置本体1自体の電源が切断されても、既に記憶されているデータを保持し得るものである。本実施形態では、インクカートリッジの識別情報やインクカートリッジ装着履歴等の情報を格納している。一方、ROM11は、各種制御手順やデータ等を格納している。また、記録装置本体1内には、インクカートリッジの有無を検知する光学式センサや機械式センサであるインクカートリッジ検出手段17が設けられており、CPU10に接続されている。
【0027】
そして本実施形態では、図2、図3に示すように、記録ヘッド15に記憶素子18が設けられている。また、各インクカートリッジ2a〜2dに記憶素子21a〜21dが設けられている。各記憶素子18,21a〜21dは、電力の供給がなくても記憶内容を保持可能であり、電気的に書き換え可能なEEPROMや誘電体メモリなどの不揮発性メモリである。図3に要部を抜き出して示している通り、インクカートリッジ2a〜2dの記憶素子21a〜21dには、記録ヘッド15の表面を経て制御回路部22のCPU10に至る信号線16a,16bが接続されている。一方、記録ヘッド15の記憶素子18には、この信号線16a,16bに加えて、制御回路部22のCPU10に至る信号線16cが接続されている。信号線16a,16bは、各インクカートリッジ2a〜2dの記憶素子21a〜21dと、記録ヘッド15の記憶素子18とに共通に接続されている。各インクカートリッジ2a〜2dと記録ヘッド15の間は接点28によって電気的に接続され、記録ヘッド15と制御回路部22の間はフレキシブルケーブル29を介して電気的に接続されて、各信号線16a〜16cが構成されている。
【0028】
本実施形態のインクカートリッジ2a〜2dの詳細な構成が図4に示されている。インクカートリッジ2a〜2dは、記録材であるインクを収容するインク収容部(筐体)26と、記録ヘッド15へ取り付けるためのラッチレバー27と、各種情報を格納する記憶素子21a〜21dとを有している。このインクカートリッジ2a〜2dは、図4(b)に模式的に示すように、記録ヘッド15に装着されると、記憶素子21a〜21dが記録ヘッド15に設けられている接点28に電気的に接続される。
【0029】
インクカートリッジ2a〜2dの記憶素子21a〜21dには、インクカートリッジ2a〜2d自体の種類を示す識別情報や、収容しているインクの種類や色を示す識別情報や、インクの消費情報等が記憶されている。更に、インクの使用期限や製造年月日、総使用量なども記憶されている。そして、記憶素子21a〜21dから信号線16a,16bを介して、記録装置本体1の制御回路部22のCPU10に、インクカートリッジ2a〜2dの記憶素子21a〜21dに格納されている、各インクカートリッジ2a〜2dのそれぞれに関する情報が伝達される。もちろん各インクカートリッジ2a〜2dの記憶素子21a〜21d毎には異なる内容の情報が記憶されている。CPU10は信号線16a〜16dを介して伝達されるこれらの情報を読み取ることによって、各インクカートリッジ2a〜2dのそれぞれの情報を個別に知ることができる。
【0030】
なお、記録ヘッド15に接合される4個のインクカートリッジ(インクタンク)2a〜2dはそれぞれブラック、シアン、マゼンタ、イエローのインクを収容する。
【0031】
次に、本実施形態の特徴的なタンク交換シーケンスについて、図5を参照して詳細に記述する。図5は、タンク交換シーケンスの全体の処理流れを示すフローチャートである。
【0032】
ユーザーがタンク交換を実施するために、本体のカバーを開けると本体に設けられたカバーオープンセンサにより、カバーオープンが検知される(ステップS501)。カバーオープンが検知されると記録装置は、インクタンクを搭載したキャリッジをタンク交換ポジションへ移動させる(ステップS502)。その後、ユーザーはタンク交換を行うために、現在装着されているタンクを外し、新たなタンクを装着する(ステップS503)。
【0033】
ユーザーによるタンク交換作業が終了しカバーを閉じると、センサによりカバークローズが検知される。カバークローズの検知に伴って、そのとき搭載されているインクタンクについて各タンク固有の情報を読み出す。なお、固有の情報とは、上述したように、収容しているインクの種類や色を示す識別情報やインクの消費情報等である。そして、各タンク固有の情報を利用して、全てのタンクが所定の位置(正規の位置)に搭載されたか否かを判断する(ステップS504)。このステップS504において、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローのインクタンク2a〜2dが正規の位置に搭載されていると判断された場合は、インクタンク交換が正常に実施されたと判断し、ステップS505に進む。ステップS505では、通常の吸引回復動作(通常タンク交換吸引回復動作)を実施する。すなわち、タンク交換の際にヘッド内に混入する恐れのある気泡を除去するために、吸引回復手段により吸引が実施される。この際、気泡によるインク吐出不良を確実に防止するために、ヘッド流路容積とほぼ等量のインク量を吸引する。
【0034】
一方、ステップS504において、インクタンクが所定の位置とは異なる位置に装着されていると判断された場合、すなわち2aにブラック、2bにシアン、2cにマゼンタ、2dにイエローという組み合わせ以外の組み合わせでタンクが装着された場合は、記録装置に設けられたLEDを点滅させることで、誤装着が発生したことをユーザーに報知する(S506)。この後、ユーザーが誤装着に気付き、タンク交換を行い(S507)、誤装着タンクが正規の位置へ装着されると(S508)、ステップS509へ進む。
【0035】
ステップS509では、誤装着が生じた場合に特有の吸引回復動作(誤装着後タンク交換吸引回復動作)を実施する。この回復動作においては、誤装着によりタンクとヘッドのジョイント部で発生する混色インクを確実に除去するため、ステップS505に示されるような通常の吸引回復動作よりも多いインク量を吸引する必要がある。本実施形態においては、ヘッド流路容積の約2倍のインク量を吸引する構成となっている。
【0036】
以上の構成によれば、誤装着がなかった場合に比べて、誤装着があった場合には強力な回復動作を行うようにしている。具体的には、回復動作に伴うインク量を多くしている。従って、誤装着が生じた場合であっても、その誤装着が原因で生じる印刷乱れを軽減することが可能になる。
【0037】
なお、本実施形態では、ステップS505に示す「通常タンク交換吸引回復動作」においてはヘッド流路容積とほぼ等量のインク量を吸引し、また、ステップS509に示す「誤装着後タンク交換吸引回復動作」においてはヘッド流路容積の約2倍のインク量を吸引しているが、この数値に限定されるものではない。ここでは重要なことは、「誤装着がなかった場合に比べて、誤装着があった場合は、回復動作に伴うインク量を多くする必要がある」という技術思想である。回復動作に伴うインク量をどの程度にすべきかは、ヘッドの流路構造に起因するものであり、適用する形態にあわせて適宜増減すればよい。
【0038】
更に、タンク交換が正常に行われ、なおかつ、タンクが外されていた時間が短い場合(例えば1分以内)には、泡の混入はほとんどないため、吸引回復動作を実施しなくて良い。従って、タンク交換の際にタンクが外されていた時間を計測し、その計測時間が所定時間を超えていないかを判定し、所定時間を超えないような短い時間内にタンク交換が正常に完了した場合には、通常タンク交換吸引回復を実施しなくて良い。
【0039】
(第2の実施形態)
記録装置全体の構成とタンク情報取得の構成は、第1の実施形態と同様であるので省略する。
【0040】
本実施形態の特徴的なタンク交換シーケンスについて、図6を参照して詳細に記述する。図6は、タンク交換シーケンスの全体流れをあらわすフローチャートである。
【0041】
ユーザーがタンク交換を実施するために、本体のカバーを開けると本体に設けられたカバーオープンセンサにより、カバーオープンが検知される(ステップS601)。カバーオープンが検知されると記録装置は、インクタンクを搭載したキャリッジをタンク交換ポジションへ移動させる(ステップS602)。
【0042】
ユーザーはタンク交換を行うために、現在装着されているタンクを外し新たなタンクを装着する(ステップS603)。このとき、タンクが装着されてからの時間を計測するために計時タイマーTを起動させる。記録装置は、タンク位置ごとに独立したタイマーを有し、タンクが搭載される4つの位置全てについて計時が可能である。
【0043】
ユーザーの交換作業が終了しカバーを閉じると、すなわちセンサによりカバークローズが検知されると、上述のタンク情報取得機能により、搭載されたタンクの情報を取得する。こうして取得した情報を利用して、全てのタンクが所定の位置(正規の位置)に搭載されたか否かを判断する(ステップS605)。ステップS605において、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローのインクタンクが正規の位置に搭載されたと判断された場合は、正常にタンク交換が実施されたと判断しステップS606に進む。ステップS606では、通常のタンク交換吸引回復動作を実施する。すなわち、タンク交換の際にヘッド内に混入する恐れのある気泡を除去するために、吸引回復手段により吸引が実施される。この際、気泡によるインク吐出不良を確実に防止するために、ヘッド流路容積とほぼ等量のインク量を吸引する。
【0044】
一方、ステップS605において、タンクが所定の位置とは異なる位置に装着されたと判断された場合、すなわち2aにブラック、2bにシアン、2cにマゼンタ、2dにイエローという組み合わせ以外の組み合わせでタンクが装着された場合は、ステップS607へ進む。ステップS607では、記録装置に設けられたLEDを点滅させることで、誤装着が発生したことをユーザーに報知する。この後、ステップS607以降に記述されているように、ユーザーが誤装着に気付き、誤装着タンクを取り外すまでの時間に応じて回復処理を変更する。
【0045】
(1)「N1(秒)以内に誤装着タンクがはずされた場合」
誤装着により、ヘッド/タンクジョイント部で混色インクが発生する。しかし、N1秒以内であれば、ヘッド及びタンク内の混色インクの拡散は僅かである。このため、S606で記述される通常タンク交換回復動作で充分回復可能である。このため、S606の処理に移行する。
【0046】
(2)「N1(秒)以上、N2(秒)以内で誤装着タンクがはずされた場合」
誤装着により、ヘッド/タンクジョイント部で混色インクが発生する。N1(秒)以上放置されたことにより、混色インクがヘッド内、タンク内で拡散している。このため、通常タンク交換回復動作の吸引量では、拡散した混色インクを除去しきれない恐れがある。このため、ステップS613において、通常タンク交換回復動作よりも多い吸引量で吸引する。本実施形態では、流路容積の約2倍の吸引量で回復する。
【0047】
(3)「誤装着状態がN2(秒)以上継続した場合」
誤装着により、ヘッド/タンクジョイント部で混色インクが発生する。混色インクは時間の経過によりヘッド内、タンク内で拡散する。よって、誤装着状態が長時間続いた場合、混色インクがヘッド内/タンク内の広範囲に拡散するため、莫大なインク量を吸引しなければ回復できなくなってしまう。更に、タンク内全域に混色インクが拡散した場合、いくら吸引しても回復することが不可能になってしまう。このため、誤装着状態がN2(秒)以上継続した場合は、タンクが誤装着されたまま、吸引回復を実施する(S614)。その意図は、ヘッド内のインクを混色インクごと除去し、ヘッド内を誤装着タンクのフレッシュなインクで充填することにより、タンク内への混色インクの拡散を防止することということである。
【0048】
その後、正規のタンクがユーザーによって取り付けられた場合は、再び吸引動作を実施し、正規タンクのインクをヘッド内に充填する。
【0049】
以上の(1)〜(3)の動作を実施可能なフローが図6のS607以降に記載されている。なお、本実施形態では、N1を20(秒)、N2を120(秒)と設定している。
【0050】
以上の構成によれば、タンク誤装着があった場合でも、誤装着状態が継続した時間によって、吸引量や吸引タイミングを適切に設定されることになる。従って、誤装着の混色インクによる印刷乱れを軽減し、かつ、インク浪費を低減することが可能である。
【0051】
なお、タンク交換が正常に行われ、なおかつ、タンクが外されていた時間が短い場合(例えば1分以内)には、泡の混入はほとんどないため、吸引回復動作を実施しなくて良い。従って、タンク交換の際にタンクが外されていた時間を計測し、その計測時間が所定時間を超えていないかを判定し、所定時間を超えないような短い時間内にタンク交換が正常に完了した場合には、通常タンク交換吸引回復を実施しなくて良い。しかし、誤装着が発生した場合は、誤装着時間が短い場合でも僅かではあるが混色インクが発生するので吸引回復を実施する必要がある。このため、「タンク交換が短時間で実施された場合には通常タンク交換吸引回復を実施しない記録装置」においても、S612の判定が「Y」時には吸引回復を実施する必要がある。
【0052】
(その他の実施形態)
上記第1および第2の実施形態では、回復動作の一例として、吸引回復動作を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限られるものではない。本発明は回復動作として、予備吐出動作を実行してもよいし、あるいは吸引回復動作と吸引回復動作の両方を実行するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施形態に適用可能な記録装置の基本構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示す記録装置の基本構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示す記録装置の記録ヘッドおよびカートリッジの識別システムを概略的に示す模式図である。
【図4】(a)は図1に示す記録装置のカートリッジを示す斜視図、(b)はそのカートリッジを記録ヘッドに装着した状態を概略的に示す模式図である。
【図5】第1実施形態のタンク交換シーケンスの処理流れを表すフローチャートである。
【図6】第2実施形態のタンク交換シーケンスの処理流れを表すフローチャートである。




 

 


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