米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 繊維;紙;印刷 -> キヤノン株式会社

発明の名称 インク残量異常検知方法及びインクジェット記録装置の制御方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−15249(P2007−15249A)
公開日 平成19年1月25日(2007.1.25)
出願番号 特願2005−199968(P2005−199968)
出願日 平成17年7月8日(2005.7.8)
代理人 【識別番号】100090538
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 恵三
発明者 高橋 喜一郎 / 勅使川原 稔 / 枝村 哲也 / 丸 晶子 / 村山 仁昭
要約 課題
外乱要因により、光学センサーを用いたインク残量検知機構や使用量カウント機構、記憶機構の動作に異常(エラー)が生じた場合であっても、このエラーが原因で記録装置もしくはインクタンクが使用不可になってしまうような不具合を抑制する。これにより、使用するユーザーに不利益を生じさせなようにする。

解決手段
光学センサを用いてインクタンク内のインクの有無を検知し、また、インクタンクから使用されたインク量に相当する値が所定値以上か否かも判断する。そして、上記の検知結果と判断結果に基づいてインクタンクのインク残量が異常であるか否かを判定し、異常があった場合には所定の表示部に対するインク残量表示を停止する。
特許請求の範囲
【請求項1】
記録装置に搭載されるインクタンクのインク残量の異常を検知する方法であって、
光学センサを用いて、前記インクタンク内のインクの有無を検知する検知工程と、
前記インクタンクから使用されたインク量に相当する値が所定値以上か否かを判断する判断工程と、
前記検知工程の検知結果と前記判断工程の判断結果に基づいて、前記インクタンクのインク残量が異常であるか否かを判定する判定工程とを有し、
前記判定工程においてインク残量の異常が示された場合、所定の表示部に対するインク残量表示を停止することを特徴とするインク残量異常検知方法。
【請求項2】
前記判断工程において前記使用されたインク量に相当する値が前記所定値以上であると判断し、且つ前記検知工程においてインク有りと検知した場合、前記インク残量が異常であると判定することを特徴とする請求項1記載のインク残量異常検知方法。
【請求項3】
前記判定工程において前記インク残量の異常が示された場合、その正常結果を前記タンクに設けられた記憶媒体に記憶することを特徴とする請求項2記載のインク残量異常検知方法。
【請求項4】
記録装置に搭載されるインクタンクのインク残量の異常を検知する方法であって、
光学センサを用いて、前記インクタンク内のインクの有無を検知する検知工程と、
前記インクタンクから供給されるインクを吐出するための記録ヘッドから排出されたインク量を算出する算出工程と、
前記算出工程において算出されたインク量が、前記インクタンクの容量よりも大きな容量に相当する所定量以上であるか否かを判断する判断工程と、
前記検知工程の検知結果と前記判断工程の判断結果に基づいて、前記インクタンクのインク残量が異常であるか否かを判定する判定工程とを有し、
前記判定工程においてインク残量の異常が示された場合、所定の表示部に対するインク残量表示を停止することを特徴とするインク残量異常検知方法。
【請求項5】
前記判断工程において前記算出されたインク量が前記所定量以上であると判断し、且つ前記検知工程においてインク有りと検知した場合、前記インク残量が異常であると判定することを特徴とする請求項4記載のインク残量異常検知方法。
【請求項6】
インクタンクから供給されるインクを吐出する記録ヘッドを用いて記録を行う記録装置の制御方法であって、
光学センサを用いて、前記インクタンク内のインクの有無を検知する検知工程と、
前記インクタンクから使用されたインク量に相当する値が所定値以上か否かを判断する判断工程と、
前記検知工程の検知結果と前記判断工程の判断結果に基づいて、前記インクタンクのインク残量が異常であるか否かを判定する判定工程とを有し、
前記判定工程においてインク残量の異常が示された場合は、前記インク残量が正常のときとは異なる記録制御もしくは回復制御を行うことを特徴とする記録装置の制御方法。
【請求項7】
インクタンクから供給されるインクを吐出する記録ヘッドを用いて記録を行う記録装置の制御方法であって、
光学センサを用いて、前記インクタンク内のインクの有無を検知する検知工程と、
前記記録ヘッドから排出されたインク量を算出する算出工程と、
前記算出工程において算出されたインク量が、前記インクタンクの容量よりも大きな容量に相当する所定量以上であるか否かを判断する判断工程と、
前記検知工程の検知結果と前記判断工程の判断結果に基づいて、前記インクタンクのインク残量が異常であるか否かを判定する判定工程とを有し、
前記判定工程においてインク残量の異常が示された場合、前記インク残量が正常のときとは異なる記録制御もしくは回復制御を行うことを特徴とする記録装置の制御方法。
【請求項8】
記録装置に搭載されるインクタンクのインク残量の異常を検知する方法であって、
光学センサを用いて、前記インクタンク内のインクの有無を検知する検知工程と、
前記インクタンクから使用されたインク量に相当する値が所定値以上か否かを判断する判断工程と、
前記検知工程の検知結果と前記判断工程の判断結果に基づいて、前記インクタンクのインク残量が異常であるか否かを判定する判定工程と、
を有することを特徴とするインク残量異常検知方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明はインクタンクのインク残量異常検知方法およびインクジェット記録装置の制御方法に関し、詳しくはインク残量が正確に認識できない場合のインク残量表示制御や回復制御、記録制御に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、オフィスや家庭におけるパーソナルコンピュータやワードプロセッサ、ファクシミリ等の普及により、これらの機器の情報出力機器として様々な記録方式の記録装置が提供されている。その中でもインクジェット方式によるプリンタなどの記録装置は、複数種類のインクを用いたカラー記録への対応が比較的容易なものである。また、動作時の騒音が小さく、多種多様の記録媒体に対して高品位の画像形成が可能であり、さらに小型である等、種々の利点を有している。この点から、この方式のプリンタなどはオフィスや家庭でのパーソナルユースに適したものと言える。このインクジェット方式の記録装置のうち、記録媒体に対して記録ヘッドを走査して記録を行うシリアル型の記録装置は、低コストで高品位の画像を記録できることから広く普及している。
【0003】
シリアルタイプの記録装置は、このように比較的低コストであることから、パーソナルユースのみならず、多くのユーザー層に受け入れられている。一方では、その使用感においても、より高い性能が求められている。特に、インク残量などの、ユーザーが記録装置を使用する上で、正確な情報を提示する必要がある。
【0004】
インク残量の検知方法の1つとして、インクタンクに何らかのセンサを設けインク残量を直接測定しようとするものがある。このセンサとしてインクタンクにインクに接した2本の電極を用いる場合には、そのインク残量に応じて変化する電極間の抵抗値を測定することによりインク残量を推定する。また、インクタンクの近傍に光センサを設ける場合には、インクタンク内のインクに光を入射させ、インク残量やインクの有無に応じて変化するその反射光或は透過光をその光センサで検出してそのインク残量や有無を検知している。このようなインク残量検出方法は、「センサ方法」と呼ばれている。
【0005】
また別の方法として、インク滴の吐出回数をカウントし、予め見積もった1吐出当りのインク量を掛け合わせることにより、インク消費量を間接的に推定するものがある。この方式は、「ドットカウント方法」と呼ばれている。
【0006】
さらに、インク残量をより正確に把握するために、複数のインク量の検出機構を設けた構成も考えられている。例えば、インクカートリッジのインク残量を検出するために、インクニアエンド検出機構と、インクジェットプリンタの側に搭載されたインク残量カウンタとを備えた構成のものも知られている。具体的には、光学式センサを用いてインクカートリッジのインク残量が所定のインク残量以下になるインクニアエンド状態を検出し、インクニアエンド状態になった後は、インク液滴の吐出回数からインク消費量を算出し、算出したインク消費量に対応する値をインク残量カウンタから減算するように構成されている。インク残量カウンタの値が予め定めた値以下になると、インクカートリッジのインク残量が実質的に無くなったインクリアルエンド状態になったことが検出される。このようなインクジェットプリンタは、例えば、特許文献1に開示されている。
【0007】
また、一方では、インクニアエンド状態になった後にカートリッジ装着部から引き抜かれたインクカートリッジをインクリアルエンド状態まで使用可能なインク残量検出システムが提案されている。このシステムでは、装着されたインクカートリッジのICメモリのフラグ領域にインクニアエンド状態であるか否かの情報を記憶させ、その残量カウンタにインク残量情報を記憶させる。装着されたインクカートリッジがインクニアエンド状態のものである場合には、残量カウンタのカウント値から、インク液滴の吐出回数から算出したインク消費量を減算してインク残量を算出する。そして、インクリアルエンドを検出する。このようなインクジェットプリンタは、例えば、特許文献2に開示されている。
【0008】
以上の特許文献1、2に開示の技術は、ICメモリや光学センサなどが正確に動作していれば、正確なインク残量表示が行え、インクを無駄なく最後まで使うことが可能であり、経済的な使用方法であるといえる。
【特許文献1】特開2002−326369号公報
【特許文献2】特開2004−358793号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、簡単に着脱可能なインクタンクは、落下などの物理的な衝撃や電気ノイズ等の影響を受け易い形態をしている。このような外乱要因により、ICメモリなどの記憶手段が破壊さえてしまうことがある。また、光学センサは電気ノイズの影響を受け易いことに加え、記録動作に伴うインクミストなどにより、光学的な出力が低下してしまって、正確な検出を行うことができなくなることがある。つまり、各インクタンクに対して、適切なインク残量の把握が行えなくなってしまう。
【0010】
この場合、間違ったインク残量表示をしたり、使用できるインクがあるにも関わらず、使用できない状態になったり、ユーザーに対して不利益を生じさせてしまう。
【0011】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、外乱要因により、光学センサを用いてインク残量を検知するインク残量機構や各インクタンクについて使用したインク量を算出する使用量カウント機構、記憶機構の動作に異常(エラー)が生じた場合であっても、このエラーが原因で記録装置もしくはインクタンクが使用不可になってしまうような不具合を抑制し、使用するユーザーに不利益を生じさせないようにすることを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するために本発明は、記録装置に搭載されるインクタンクのインク残量の異常を検知する方法であって、光学センサを用いて、前記インクタンク内のインクの有無を検知する検知工程と、前記インクタンクから使用されたインク量に相当する値が所定値以上か否かを判断する判断工程と、前記検知工程の検知結果と前記判断工程の判断結果に基づいて、前記インクタンクのインク残量が異常であるか否かを判定する判定工程とを有し、前記判定工程においてインク残量の異常が示された場合、所定の表示部に対するインク残量表示を停止することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、記録装置に搭載されるインクタンクのインク残量の異常を検知する方法であって、光学センサを用いて、前記インクタンク内のインクの有無を検知する検知工程と、前記インクタンクから供給されるインクを吐出するための記録ヘッドから排出されたインク量を算出する算出工程と、前記算出工程において算出されたインク量が、前記インクタンクの容量よりも大きな容量に相当する所定量以上であるか否かを判断する判断工程と、前記検知工程の検知結果と前記判断工程の判断結果に基づいて、前記インクタンクのインク残量が異常であるか否かを判定する判定工程とを有し、前記判定工程においてインク残量の異常が示された場合、所定の表示部に対するインク残量表示を停止することを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、インクタンクから供給されるインクを吐出する記録ヘッドを用いて記録を行う記録装置の制御方法であって、光学センサを用いて、前記インクタンク内のインクの有無を検知する検知工程と、前記インクタンクから使用されたインク量に相当する値が所定値以上か否かを判断する判断工程と、前記検知工程の検知結果と前記判断工程の判断結果に基づいて、前記インクタンクのインク残量が異常であるか否かを判定する判定工程とを有し、前記判定工程においてインク残量の異常が示された場合は、前記インク残量が正常のときとは異なる記録制御もしくは回復制御を行うことを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、インクタンクから供給されるインクを吐出する記録ヘッドを用いて記録を行う記録装置の制御方法であって、光学センサを用いて、前記インクタンク内のインクの有無を検知する検知工程と、前記記録ヘッドから排出されたインク量を算出する算出工程と、前記算出工程において算出されたインク量が、前記インクタンクの容量よりも大きな容量に相当する所定量以上であるか否かを判断する判断工程と、前記検知工程の検知結果と前記判断工程の判断結果に基づいて、前記インクタンクのインク残量が異常であるか否かを判定する判定工程とを有し、前記判定工程においてインク残量の異常が示された場合、前記インク残量が正常のときとは異なる記録制御もしくは回復制御を行うことを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、記録装置に搭載されるインクタンクのインク残量の異常を検知する方法であって、光学センサを用いて、前記インクタンク内のインクの有無を検知する検知工程と、前記インクタンクから使用されたインク量に相当する値が所定値以上か否かを判断する判断工程と、前記検知工程の検知結果と前記判断工程の判断結果に基づいて、前記インクタンクのインク残量が異常であるか否かを判定する判定工程と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、外乱要因により、光学センサーを用いたインク残量検知機構や使用量カウント機構、記憶機構の動作に異常(エラー)が生じた場合であっても、このエラーが原因で記録装置もしくはインクタンクが使用不可になってしまうような不具合を抑制することができる。結果、使用するユーザーに不利益を生じさせずに済む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0019】
本発明の一実施形態としてインクジェット記録装置を説明する。ここでは、色材としてインクを使用し、ノズルである記録素子から該インクを記録媒体へ吐出する形態としたが、本発明はインクジェット記録装置に限らず、複数の記録素子からなる構成の記録装置であれば、実現可能である。
【0020】
(インクジェット記録装置の装置構成)
図1は、本実施形態のインクジェット記録装置の装置構成を示す図であり、ケースカバーを除いた状態で示す斜視図である。
【0021】
同図に示すように、本実施形態のインクジェット記録装置は、記録ヘッド3を着脱自在に搭載するキャリッジ2と、これを移動させて記録ヘッドの走査を行うための駆動機構を備える。すなわち、キャリッジ2は、駆動源であるキャリッジモータM1の駆動力がベルト、プーリなどからなる伝動機構4を介してキャリッジ2に伝えられることによりキャリッジ2を矢印A方向に往復移動させることができる。キャリッジ2には、本記録装置で用いるインクの種類に対応してインクカートリッジ6が着脱自在に搭載される。搭載するインクカートリッジは簡略化して4個のみを示しているが、本実施形態では、第1および第2のブラックインク、シアン、マゼンタ、イエローの5種類のインクを用いる。従って、必要に応じてインクごとに別体のインクカートリッジを5個搭載するようにしてもよい。なお、インクの詳細については後述する。
【0022】
記録ヘッド3は大きくはブラックインク用チップとカラーインク用チップに分かれており、キャリッジ2には、これらチップにおける各溝にそれぞれ対応するインクがカートリッジから供給されるようそれぞれのインク供給路が形成される。また、キャリッジ2と上記各チップからなる記録ヘッド3は、両部材の接合面が適切に接して所要の電気的接続ができるよう構成される。これにより、記録ヘッド3は、記録信号に応じて前述のヒータに電圧パルスを印加してインクに気泡を生じさせこの気泡の圧力によって吐出口からインクを吐出することができる。すなわち、電気熱変換体であるヒータはパルスが印加されることにより熱エネルギーを生じ、これによりインクに生じる膜沸騰による気泡の成長、収縮によって生じる圧力変化を利用して、吐出口よりインクを吐出させるものである。
【0023】
また、記録媒体である記録紙Pを搬送する給紙機構5を備え、記録ヘッドの走査に応じて所定量の紙送りを行う。さらに、キャリッジ2の移動範囲の一端には、記録ヘッド3の吐出回復処理を行うための回復装置10を備える。
【0024】
このようなインクジェットプリンタにおいて、記録紙Pは給紙機構5によって記録ヘッド3の走査領域に送り込まれ、記録ヘッド3の走査によって記録紙Pに画像や文字などの記録が行なわれる。
【0025】
上述の装置構成をより詳細に説明すると、キャリッジ2は、キャリッジモータM1の駆動力を伝達する伝動機構4を構成する駆動ベルト7の一部に連結されており、また、ガイドシャフト13に沿って矢印A方向に摺動自在に案内支持されている。これにより、キャリッジモータM1の駆動力がキャリッジ2に伝達されてその移動を行うことができる。この場合、キャリッジ2は、キャリッジモータM1の正転および逆転によってそれぞれ往方向または復方向の移動を行うことができる。また、図1において、8はキャリッジ2の矢印A方向における位置を検出するためのスケールを示す。本実施形態では、透明なPETフィルムに所定のピッチで黒色のバーを印刷したものを用いており、その一方はシャーシ9に固着され、他方は不図示の板バネで支持されている。このスケールのバーをキャリッジ2に設けられるセンサが光学的に検出することにより、キャリッジ2の位置を検出することができる。
【0026】
記録ヘッド3の走査領域で、記録ヘッド3の走査でそれぞれの吐出口列に対向する領域に不図示のプラテンが設けられており、このプラテン上を搬送される記録紙Pに対してそれぞれのインクを吐出することにより、プラテンによって平坦な面が維持された記録紙に記録が行われる。
【0027】
14は不図示の搬送モータM2によって駆動される搬送ローラを示し、15は不図示のバネにより記録シートを搬送ローラ14に当接するピンチローラ、16はピンチローラ15を回転自在に支持するピンチローラホルダをそれぞれ示す。また、17は搬送ローラ14の一端に取り付けられた搬送ローラギアを示し、この搬送ローラギア17に不図示の中間ギアを介して伝達された搬送モータM2の回転により、搬送ローラ14が駆動される。20は記録ヘッド3によって画像が形成された記録紙を装置外ヘ排出するための排出ローラを示し、同様に搬送モータM2の回転が伝達されることで駆動される。なお、排出ローラ20には不図示のバネの押圧力によって不図示の拍車ローラが記録紙に当接する。22は拍車ローラを回転自在に支持する拍車ホルダを示す。
【0028】
キャリッジ2が記録動作のために往復移動する範囲(走査領域)外の所定の位置(例えばホームポジションと対応する位置)には、上述のように、記録ヘッド3の吐出性能を維持するための回復装置10が配設されている。この回復装置10は、記録ヘッド3の吐出口面をキャッピングするキャッピング機構11と記録ヘッド3の吐出口面(各色の吐出口列が設けられた面)をクリーニングするワイピング機構12を備えている。このキャッピング機構11による吐出口面のキャッピングに連動して回復装置内の不図示の吸引機構(吸引ポンプ等)により吐出口からインクを強制的に排出させる。それによって、記録ヘッド3のインク路内の増粘インクや気泡等を除去するなどの吐出回復処理を行うことができる。また、非記録時等に、記録ヘッド3の吐出口面をキャッピングすることによって、記録ヘッドを保護するとともにインクの乾燥を防止することができる。さらに、ワイピング機構12は、キャッピング機構11の近傍に配されて、記録ヘッド3の吐出口面に付着したインク滴を拭き取ることにより、そのクリーニングを行う。そして、これらキャッピング機構11およびワイピング機構12により、記録ヘッド3を正常な吐出状態に保つことが可能となっている。
【0029】
図2は図1に示した装置構成を具えたインクジェット記録装置の制御系の概略構成を示すブロック図である。
【0030】
図2に示すように、コントローラ600は、マイクロコンピュータ形態のCPU601、ROM602、特殊用途集積回路(ASIC)603、RAM604、システムバス605、A/D変換器606等を含む。ROM602は、後述する各種記録モードの実行やその際の記録動作の制御、また、後述する画像処理のシーケンスに対応したプログラムや所要のテーブルその他の固定データを格納している。特殊用途集積回路(ASIC)603は、各記録モード実行の際のキャリッジモータM1の制御、紙送りモータM2の制御、記録ヘッド3における吐出制御等の制御信号を生成する。RAM604は、画像データを展開する領域や作業用の領域等を備える。システムバス605は、CPU601、ASIC603およびRAM604を相互に接続してデータの授受を行う。
【0031】
A/D変換器606は、以下に説明するセンサ群からのアナログ信号を入力してA/D変換し、それぞれのデジタル信号をCPU601に供給する。
【0032】
610は画像データの供給源となるホストコンピュータ(あるいは画像読取り用のリーダや、デジタルカメラなど)を示し、インターフェース(I/F)611を介して画像データ、コマンド、ステータス信号等をコントローラ600と送受信する。
【0033】
620はスイッチ群を示し、電源スイッチ621、プリント開始を指令するためのスイッチ622、および記録ヘッド3の回復処理の起動を指示するための回復スイッチ623など、操作者による指令入力を受容するためのスイッチを有する。630はセンサ群を示し、記録ヘッド3がその移動によりホームポジションhに位置することを検出する、上記スケール8と組合わされるフォトカプラ631、環境温度を検出するためにプリンタの適宜の箇所に設けられた温度センサ632等から構成される。さらに、640はキャリッジモータM1を駆動するドライバ、642は紙送りモータM2を駆動するためのドライバをそれぞれ示す。
【0034】
以上の構成において、本実施形態の記録装置は、インターフェース611を介して転送された記録データのコマンドを解析し、記録すべき画像データをRAM602に展開する。画像データの展開領域(展開バッファ)は、横を主走査方向の記録可能領域分の画素数Hpに対応したサイズ、縦を記録ヘッドにおけるノズル列により1回の走査で記録される縦方向の画素数である64n(nは1以上の整数;例えばn=4)に対応したサイズとしてそれぞれ構成し、RAM602の記憶領域上に確保される。また、記録走査において記録ヘッドにデータを送るために参照されるRAM602上の記憶領域(プリントバッファ)は、横を主走査方向の記録可能領域分の画素数Vpに対応したサイズ、縦を記録ヘッドの1回のプリント走査でプリントされる縦方向の画素数である64nに対応したサイズとして構成し、RAM602の記憶領域上に確保される。
【0035】
ASIC603は、記録ヘッドによる記録走査の際に、RAM602の記憶領域(プリントバッファ)に直接アクセスしながら記録ヘッドに対して各吐出口ごとにヒータの駆動データを取得し、それを記録ヘッドのドライバへ転送する。
【0036】
このような構成のインクジェット記録装置に搭載するインクについて、以下に詳細を説明する。
【0037】
(記録ヘッド構成)
次に、本実施形態で用いられる記録ヘッドの構成について図3を参照して説明する。
【0038】
まず、各記録ヘッドには複数の吐出口が記録媒体搬送方向に配列されている。各吐出口はインクタンクと連通するインク液室及びインク液路とつながっており、各吐出口に対応してインク液路には電気熱変換体であるヒータが設けられている。インク吐出時はこのヒータを発熱させ、インク中に気泡を発生させ、この気泡の生成圧力によって所定量のインクを滴として記録媒体上に吐出する。以下、吐出口とそれに対応するインク液路等を含めて「ノズル」と称する。
【0039】
図3は、本インクジェット記録装置に装着された状態の記録ヘッドを記録媒体側から見た図であり、各記録チップの配置を示した模式図である。
【0040】
同図に示すように、本実施形態の記録ヘッドは、カラーインク用チップ1100とブラックインク用チップ1200を基材1000に接続することにより形成される。カラーインク用チップ1100とブラックインク用チップ1200とを比較して分かるように、ブラックインク用チップ1200の方が記録媒体搬送方向に長くなっている。ブラックインク用チップ1200は、上述の第1ブラックインクを吐出するためのノズルを配列したものであり、カラーインク用チップ1100より記録媒体搬送方向(副走査方向)にノズルの配列範囲が長いチップである。これによって、ブラックインク用チップを用いて黒1色でテキスト文書等を記録する場合、1走査での記録幅が長いので、1ページを記録するために要する走査数が少なくなり、記録に要する時間が短くすることができる。テキスト文書のように記録速度を重視する記録モードの場合、非常に有効である。
【0041】
また、記録媒体上の同一記録領域に対しカラーインクの付与に先行して顔料ブラックインクの記録を行うことができるように、カラーインク用チップ1100とブラックインク用チップ1200は記録媒体方向にずらした位置に配置してある。
【0042】
(インク)
本実施形態では、ブラックインクとして、上述記録モードに応じて2種類のインクが用いられる。そのうち、テキスト文書などのモノクロ記録モードで使用される第1のブラックインクは、色材としてカーボンブラックからなる顔料を用いたものである。この顔料の表面にカルボキシル基等の表面処理を施すことでインク中に分散可能にしている。また、インクの水分蒸発を抑制するためにグリセリン等の多価アルコール類を保湿剤として添加することが好ましい。さらに、顔料インクは顔料が記録媒体表層に定着するため、文字等のキャラクタを記録するのに用いると黒々としたシャープな文字を実現することができる。また、テキスト文書は普通紙に記録されることが多いので、普通紙においてもブラックインクドットのエッジが劣化しないことが重要である。そのため、エッジが劣化しない範囲でインクの浸透性を調整するためにアセチレングリコール系の界面活性剤を添加しても良い。また、この顔料と記録媒体との結着力を高めるために高分子ポリマーをバインダーとして添加しても良い。
【0043】
一方、カラー記録モードで使用される第2のブラックインクは、色材としてブラック染料を用いる。また、記録媒体の表面で十分高速なインクの浸透を実現するためにアセチレングリコール系の界面活性剤を臨界ミセル濃度以上添加する。また、本インクも水分蒸発を抑制するためにグリセリン等の多価アルコール類を保湿剤として添加することが好ましい。また、尿素等を色材の溶解性を高めるために添加しても良い。
【0044】
写真画像などをカラー記録する場合、本実施形態では、カラーインクとしてシアンインク、マゼンタインクおよびイエローインクが用いられる。これらはそれぞれシアン、マゼンタ、イエローの染料インクとなっている。これらカラー染料インクと共に上述したブラック顔料インク(第1ブラックインク)を用いると、カラーインクとブラックインクとの間でインクの浸透速度に違いがあるため、結果としてカラーインクとブラックインクの境界部分でブリーディングやフェザリングが発生しやすくなる。したがって、写真画像のような比較的高品位のカラー記録を行う場合、上述のブラック染料インク(第2ブラックインク)を用いるものとする。したがって、カラーインクは、第2のブラックインクと同様な保湿剤、界面活性剤、および添加物を添加することが好ましい。なお、本発明はこれに限らず、顔料インクと染料インクを併用する形としてもよいのは言うまでもない。
【0045】
また、第2のブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクの表面張力は概略同じになるように界面活性剤を調整することが望ましい。これは普通紙においての浸透性を同じにすることで紙面上での各インク間で記録された領域間のにじみ(ブリード)を抑制することができる。また、上記特性以外のインクの浸透性および粘度などの特性は、第2のブラックインクとシアンインク、マゼンタインク、イエローインクとは同等に調整する。
【0046】
(光学センサによるインク残量機構)
図4は、センサ、特に、光センサを用いてインクタンク内のインク残量を検出する機構を説明した図である。実際には、図4に示すようなインク残量検出のための基本的構成が図1に示したインクジェット記録装置に備えられる。
【0047】
まず、図4において、401は記録ヘッドに供給するインクを収容するための透明プラスチック等の光透過性を有する材質で形成されたインクタンクである。402はインクタンク401から記録ヘッドにインクを供給するための供給口、403はインクの消費に伴う気液交換を行うための大気連通口である。404はカラープリンタで通常使用される黒、シアン、マゼンタ、イエロなどの色のインクである。405は記録ヘッドでの記録のために安定的にインクを供給するためにインクタンク内に適当な負圧を発生させるよう適当な毛管力を有するポリウレタン等のインク吸収体である。406はインク吸収体405をインクタンク内の適当な位置(図4では左半分の空間)に保持するための仕切り板、407はインク吸収体405に吸収されていないインク(以下、“生インク”という)である。
【0048】
なお、仕切り板406はその下部がインクタンク401の右半分の空間と左半分の空間とが通じるようなっている。このようにして徐々に生インク407がインク吸収体405へ供給されることにより、生インク407が残存する間は負圧が一定に保たれる。
【0049】
また、408は生インク407の有無を検出するのに使用される光源となるLEDである。このLEDにはブラック、シアン、マゼンタ、イエロなどの4色のインクがいずれにもほとんど透過しない波長555nmの光を発光するもの、例えば、スタンレー電気(株)製のHBG5066Xなどを用いることができる。さらに、409はシリコンフォトディテクター等の光検出器でLED408からの光の波長に十分な感度をもつものである。この光検出器409は、図4に示すように、LED408から照射された光をインクタンク401及び生インク407を介して受光するように配置されている。
【0050】
なお、LED408の発光制御や光検出器409で検出された光に基づく処理は、図1に示したインクジェット記録装置に備えられたCPUなどによってなされる。
【0051】
また、インクタンク401には記憶素子410が備え付けられている。この記憶素子410には、そのインクタンクの注入されているインク種、注入量、製造日、タンクID、そのタンクから使用したインク量、インク残量のステータスなど、インクタンク情報を記憶させることが可能である。当然、本インクタンクが装着される記録装置において、本インクタンクと電気的に接続できることは言うまでもない。記憶素子410に書き込まれた種々の情報を記録装置が取り込むことが可能である。
【0052】
次に、図5は別形態として反射型センサを用いてインクタンク内のインク残量を検出する機構を説明した図である。図5(a)は生インクありの状態で、図5(b)は生インクなしの状態を示している。
【0053】
図5において、記録ヘッドに供給するインクを収容するための透明プラスチック等の光透過性を有する材質で形成されたインクタンク501、供給口502、大気連通口503、インク504、インク吸収体505、仕切り板506、生インク507である。これら501〜507は上述した図4と同じ構成である。
【0054】
また、511は生インク507の残量検出用の光源となるLEDである。512はシリコンフォトディテクター等の光検出器でLED511からの光の波長に十分な感度をもつものである。一般に、LED511と光検出器512が一体となっている構成は反射型フォトインタラプタと言われている。図5に示すように、光検出器512はLED511から照射された光をインクタンク501、生インク507及びインクタンク内の設けられたプリズム515を介して受光するように配置されている。また、LED511から照射された光をレンズ513で集光させることで検出感度を向上させる構成となっている。
【0055】
図5(a)に示す生インクありの状態では、インクタンク内面はインク507で満たされている。この場合、LED511から発せられた照明光514の大部分はプリズム515を透過しインク507内へと抜ける。つまり、インクの残量を検出するための照明光514は、インク507とプリズム515の界面で反射されず透過する。このためプリズム515からの反射光は得られず、センサ512は、反射光が無いためにインクの残量が充分であると検査できる。それに対して、図5(b)のようにインク量が空もしくは少ない時には、LED511からの照明光514はプリズム515内で反射される。つまり、照明光514は、プリズム515と空気との界面で全反射されるため、反射光516がセンサ512へ入射する。これによりインクの残量が空もしくは少ないことが検出できる。
【0056】
また、インクタンク501には記憶素子510が備え付けられてる。この記録素子510には、そのインクタンクの注入されているインク種、注入量、製造日、タンクID、そのタンクから使用したインク量、インク残量のステータスなど、インクタンク情報を記憶させることが可能である。当然、本インクタンクが装着される記録装置において、本インクタンクと電気的に接続できることは言うまでもない。記憶素子510に書き込まれた種々の情報を記録装置が取り込むことが可能である。
【0057】
本発明において、光学センサの形態は図4および図5のいずれでも対応は可能であるが、記録装置の大きさなど面から反射型が選択されることが多く、以降の実施例は反射型の光学センサを用いた場合について説明していく。
【0058】
(光学センサによるインク残量検出シーケンス)
上述の反射型光学センサを用いた構成を備えたインクジェット記録装置において、インクタンク内のインク残量検出は、図6のフローチャートに示すようなシーケンスに従って実行される。
【0059】
まず、ステップS100においてインクタンク501からインクが供給される記録ヘッドがインクを吐出すると、次のステップS110では、LED511から光を照射して光検出器512においてその光を受光する。ステップS120では、その受光した光量がゼロかどうかを調べる。
【0060】
ここで、最初の段階ではインクタンク501内に生インク507が充填されているので、LED511からの光はインクに吸収されてしまう。従って、光検出器512の出力はオフセット及びノイズとなるバックグランドを除くと“ゼロ”となり、処理はステップS100に戻る。これに対して、記録動作が進むにつれてインクが消費され生インク507がだんだん減っていき、やがて生インク507が無くなると、LED511からの光がプリズム515と空気との界面で全反射され、光検出器512に光が到達する。この場合、光検出器512の出力は“ゼロ”でない。このように、光検出器512の出力変化を受け取るとCPUは生インク507が無くなったと判断して、処理はステップS130に進む。
【0061】
ステップS130では、CPUはインク吐出回数のカウントを開始するために、そのカウント値(DCNT)をまず“0”に初期化する。そして、以降ステップS140でインク吐出が発生すると、さらにステップS150ではそのインク吐出回数をカウントし加算してゆく。そして、ステップS160ではそのカウント値(DCNT)が所定の値(TH)になったかどうかを調べ、DCNT<THであればまだ記録動作を続行できるインクが残存していると判断して処理はステップS140に戻る。一方、DCNT≧THであればインク残量が少ないと判断して処理はステップS170に進む。
【0062】
最後に、ステップS170では、CPUは記録装置に備えられた操作パネルなどにインク残量が少なくなったことを示す警告メッセージを表示する。ユーザーは、この警告メッセージ表示を見て、新しいインクタンクに交換したり、新しいタンクを準備したりする。もしくは、警告としてインクなしエラーで記録装置を一時的に停止しても良い。なお、このような警告メッセージは、図2に示される記録装置と接続されるホスト装置601表示画面に表示するようにしてよい。
【0063】
この場合、インク吸収体505に吸収されたインクから供給されるインク量に相当するインク吐出回数をカウントしているわけであるが、このインク量はインクタンク501全体に収容されるインク量よりも、インク吸収体505の気孔率や圧縮率等に依存するので、一定の製造工程を経れば、そのインク量のばらつきはある程度抑えることができる。
【0064】
また、インク吸収体505に吸収されているインク量はインクタンク501全体に収容されるインク量の20%程度であるので、ドットカウント方法に従ってインク残量検出を行う場合の検出誤差もその割合に比例して低減できる。
【0065】
(インク残量検知機構の判定シーケンス)
前記の反射型光学センサを用いた構成がインクジェット記録装置に備えられていて、インク残量検出がシステムとして稼動している場合に、図7のフローチャートに示すようなシーケンスに従って、インク残量が正しく検知できているかを判定する。
【0066】
まず、ステップS200においてインクタンク501が記録装置に取り付けられたことを確認する。インクタンク501が取り付けられると、次のステップS210では、記憶素子410に記憶されているタンクIDの情報を取得する。新しいインクタンクであるのか、使用中のインクタンクが単に着脱されたのか、などの判断が可能となる。記録装置は、EEPROM等の不揮発性メモリを利用することで、使用したタンクIDをタンク種毎に複数個記憶しておくことが可能である。次に、ステップS220では、記憶素子410に記憶されているドットカウント値(DCNT)を取得する。記録装置の不揮発性メモリを利用して、タンクIDとドットカウント値を相関付けて記憶しておく構成でも、インクタンク毎のドットカウント値を取得することは可能であるが、煩雑な構成になり易い。インクタンク毎の記憶素子410からドットカウント値を取り込む構成の方が、より好ましい形態であると言える。
【0067】
そして、処理はステップS230に進んで、ドットカウント値が所定量(THE)になっているかを調べる。DCNT<THEであれば、まだ記録動作を十分に続行できるインクが残存していると判断して、このまま記録動作を行っても問題が無いので、本シーケンスを終了する。また、DCNT≧THEであればインク残量が少なくなっているはずと判断して、処理はステップS240に進む。ここで、THEはインクタンクに注入されているインク量よりも大きめの値としておく。例えば、20ccのインクが注入されるインクタンクに対しては、24cc相当とする。インクタンクの製造公差やインク注入量公差等を加味して、20%程度のインク量公差があるという考え方である。逆に、そのインクタンクからは、決して使用することのできないインク量相当に設定してある。当然、インク種やインクタンクの構造により変わるものなので、インクタンク種毎にTHEを変えても良い。
【0068】
次にステップS240では、インク残量検知を実行する。ここでのインク残量検知は、前述の光学センサを用いたインク残量検知である。光学センサを用いたインク残量検知では、生インク507が在るのか無いのかを直接検出することができるので、ドットカウント値には依存せず、独立した検知結果となっている。
【0069】
LED511から光を照射して光検出器512においてその光を受光し、さらに、ステップS250その受光光量がゼロかどうかを調べる。上述したように生インク507が存在する場合、光検出器512の出力は“ゼロ”となり、処理はステップS260に進む。
【0070】
ステップS260では、本記録装置において、インク残量検知システムが異常であると判定する。ステップS230でDCNT≧THEであると確認している。つまり、そのインクタンク501は製造公差を含めても、十分なインク量が使用されている。従って、インクタンク501内にインクが残存しているはずがない。それにもかかわらず、ステップ250において受光光量がゼロを示すということは、残存しているはずのない生インク507が存在していることを意味する。要するに、ステップS230とステップS250とが矛盾する結果を出しており、どちらかが予期せぬ不具合により、動作が正常ではなくなっていると考えられる。具体的には、電気ノイズ等で記録素子510が破壊されたり、ドットカウント回路が破壊されたり、記録に伴うインクミストが原因で光学センサが正常に検知できなかったりするケースが考えられる。その結果、インク残量検知システムが異常であるため、間違ったインク残量を設定している可能性が高い。
【0071】
そこで、ステップS270でインク残量が異常であることを、記録装置の不揮発性メモリやインクタンク501の記憶素子510などに記憶して、本シーケンスを終了する。
【0072】
ここで、ステップ250に戻り、生インク507が無い場合は、LED511からの光がプリズム515と空気との界面で全反射され、この全反射した光が光検出器512に到達し、光検出器512には“ゼロ”でない出力が得られる。このように、光検出器512の出力変化を受け取るとCPUは生インク507が無くなったと判断して、処理はステップS280に進む。
【0073】
ステップS280では、インクなし状態のタンクであると判定する。ステップS230でインクが十分に使用され、且つステップS250で生インク507が無いと判断しており、矛盾も無く、インクの無い状態であると考えられる。この結果を踏まえて、ステップS290でインクなしのエラー処理を実行する。つまり、インクなしであることをユーザーに知らせるために、「インクが無くなりました。インクタンクを交換して下さい」等のメッセージを記録装置の表示部で表示したり、記録装置と接続されるホスト装置の表示部におけるドライバーのUI画面で表示したりしている。
【0074】
以上のように、複数のインク残量の検出機構による判定結果を比較することで、インク残量検知システムは異常な状態になっており、インク残量が異常になっていることを判定することが可能となっている。
【0075】
(インク残量の表示停止処理)
次に、インク残量が正しく検知できていないと判定をした場合に、ユーザーに間違った情報を与えないために、図8のフローチャートに示すようなシーケンスに従って、インク残量表示を停止する処理を実行する。
【0076】
まず、ステップS300でインク残量が不正であることを、ユーザーに通知する。そして、ステップS310でインク残量が不正であることを、記録装置もしくはインクタンクの記憶素子に記憶することをユーザーに通知する。続いて、ステップS320でユーザーに間違った情報を与えないために、インク残量表示を停止することを、ユーザーに通知する。これらの通知手段は、ドライバーのUI画面などを用いて行う。
【0077】
次に、ステップS330で前記の通知内容に対して、同意をして頂けるかを確認する。インク残量表示を停止すること、このままでは該当のインクタンクは使用できないことになってしまうこと、などのユーザーデメリットがあるため、自動で設定してしまうのではなく、ユーザー意志で、該当インクタンクをそのまま使用するのかを判断してもらう。ここで、ユーザーの同意が得られれば、ステップS340に進み、インク残量が不正であることを、記録装置もしくはインクタンクの記憶素子に記憶する。そして、ステップS350に進んで、インク残量表示の停止を実行して、本シーケンスを終了する。
【0078】
また、ステップS330で前記の通知内容に対して、同意して頂けない場合は、ステップS360に進んで、インク残量検知エラー処理を実行する。具体的には記録装置でエラー表示をする。エラー状態のため記録動作を行えなくなる。
【0079】
以上のように、本来使用できなくなっている記録装置及びインクタンクに対して、ユーザーの意志でインク残量表示を停止させることで、該当のインクタンクを使用することが可能となる。
【0080】
(該当インクタンクの記録制御もしくは回復制御)
次に、インク残量が正しく検知できていないと判定をした場合に、画像弊害などの不具合を生じさせないために、図9のフローチャートに示すようなシーケンスに従って、該当インクタンクに対する記録制御もしくは回復制御の変更を実行する。
【0081】
まず、ステップS400でインク残量が不正であることを、ユーザーに通知する。そして、ステップS410でインク残量が不正であることを、記録装置もしくはインクタンクの記憶素子に記憶することをユーザーに通知する。続いて、ステップS420で画像弊害などの不具合を生じさせないために、記録制御もしくは回復制御を変更することを、ユーザーに通知する。これらの通知手段は、ドライバーのUI画面などを用いて行う。
【0082】
次に、ステップS430で前記の通知内容に対して、同意をして頂けるかを確認する。記録制御もしくは回復制御を変更すると、スループットが低下したり、インク使用量が上がったりするなどのユーザーデメリットがあるため、自動で設定してしまうのではなく、ユーザー意志で、該当インクタンクをそのまま使用するのかを判断してもらう。ここで、ユーザーの同意が得られれば、ステップS440に進み、インク残量が不正であることを、記録装置もしくはインクタンクの記憶素子に記憶する。そして、ステップS450に進んで、記録制御もしくは回復制御の変更を実行して、本シーケンスを終了する。
【0083】
ここで、記録制御の変更とは記録パス数を多くする処理である。また、回復制御の変更とは、回復動作に伴うインク量を多く処理である。すなわち、上述したようにインク残量が正しく検知できないということは、インクタンク内のインクの状態が不明であることを意味する。インクの状態が不明であると、予期し得ない画像弊害を招く可能性がある。そこで、このような予期し得ない画像弊害が生じる可能性を抑制するために、予防的に記録パス数を多くし、また、予防的に回復動作に伴うインク量を多くするのである。この構成によれば、生来的に画質アップを狙える多パスが設定され、また、生来的にインク吐出状態を安定化できる多量の回復動作が設定されるので、予期し得ない画像弊害の発生を抑制することができる。
【0084】
また、ステップS430で前記の通知内容に対して、同意して頂けない場合は、ステップS460に進んで、インク残量検知エラー処理を実行する。具体的には記録装置でエラー表示をする。エラー状態のため記録動作を行えなくなる。
【0085】
以上のように、本来使用できなくなっている記録装置及びインクタンクに対して、ユーザーの意志で記録制御もしくは回復制御を変更することで、該当のインクタンクを使用することが可能となる。
【0086】
以上説明したように本実施形態によれば、光学センサーを用いたインク残量検知機構や使用量カウント機構、記憶機構の動作に異常(エラー)が生じた場合であっても、このエラーが原因で記録装置もしくはインクタンクが使用不可になってしまうような不具合を抑制することができ、結果、使用するユーザーに不利益を生じさせずに済む。特に、インクタンク内のインク残量が不正であった場合、そのインクタンクのインク残量表示を停止させる。これにより、使用するユーザーに不利益な情報の提示を抑制することが可能となる。また、インク残量が正常でないインクタンクがある場合、通常状態とは異なる記録制御もしくは回復制御を行う。これにより、不要にエラー状態で記録装置もしくはインクタンクが使用することができなくなる不具合を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の一実施形態に係わるインクジェット記録装置の構成を示す斜視図である。
【図2】図2に示したインクジェット記録装置の制御系の概略構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態で用いる記録ヘッドのチップ構成を説明する模式図である。
【図4】光学センサを用いたインクタンク内のインク残量を検出する機構について説明した図である。
【図5】本発明で用いられる光学センサを用いたインクタンク内のインク残量を検出する機構を示す説明図であり、(a)は生インクあり状態を示し(b)は生インクなし状態の場合を示す。
【図6】複数の方式を組み合わせたインク残量検出の実行シーケンスを説明するフローチャートである。
【図7】本発明で実行されるインク残量が不正状態を検知する実行シーケンスを説明するフローチャートである。
【図8】本発明で実行されるインク残量表示の停止実行シーケンスを説明するフローチャートである。
【図9】本発明で実行される記録制御もしくは回復制御の変更の実行シーケンスを説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0088】
401、501 インクタンク
402、502 供給口
403、503 大気連通口
404、504 インク
405、505 インク吸収体
406、506 仕切り板
407、507 生インク
408、511 LED
409、512 光検出器
410、510 記憶素子
513 レンズ
514 照明光
515 プリズム
516 反射光




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013