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発明の名称 記録ヘッド及び記録装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−15174(P2007−15174A)
公開日 平成19年1月25日(2007.1.25)
出願番号 特願2005−197559(P2005−197559)
出願日 平成17年7月6日(2005.7.6)
代理人 【識別番号】100090538
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 恵三
発明者 坂本 敦 / 田中 宏和 / 森山 次郎
要約 課題
複数のノズル列を備え、ノズル列毎にインクの吐出量が異なる記録ヘッドに備えるメモリに格納する記録ヘッドの制御情報の量を削減する。

解決手段
第1のノズル列について駆動の設定は、第1のノズル列についての駆動値の選択情報に基づいて駆動テーブルから読み出して行う。第2のノズル列について駆動の設定は、第1のノズル列と第2のノズル列のオフセット情報と、駆動値の選択情報に基づき駆動テーブルから読み出して行う。
特許請求の範囲
【請求項1】
第1ノズル列のインクの吐出量と第2ノズル列のインクの吐出量とが異なり、前記第1ノズル列の駆動値の選択情報と前記第2ノズル列の駆動値の選択情報について所定のオフセットを有する記録ヘッドを用いて記録を行う記録装置であって、
前記記録ヘッドに保持されている前記第1ノズル列の駆動値の選択情報と前記第2ノズル列の駆動値の選択情報とを入力する入力手段と、
前記所定のオフセットに関する情報と、前記第1ノズル列に対応した複数の駆動値を備える第1駆動テーブルと前記第2ノズル列に対応した複数の駆動値を備える第2駆動テーブルとを保持するメモリ手段と、
前記入力手段が入力した前記第1ノズル列の駆動値の選択情報に基づいて前記第1駆動テーブルから前記第1ノズル列について駆動値を選択し、前記入力手段が入力した前記第1ノズル列の駆動値の選択情報と前記第2ノズル列の駆動値の選択情報と前記メモリ手段から取得した所定のオフセットに関する情報に基づいて前記第2駆動テーブルから前記第2ノズル列について駆動値を選択する選択手段と、
前記選択手段で選択した前記第1ノズル列についての駆動値と前記第2ノズル列についての駆動値をそれぞれ設定する設定手段と、
前記設定手段で設定された駆動値基づいて前記記録ヘッドの駆動制御を行う制御手段とを備えることを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記記録ヘッドはヒューズロムを備え、前記ヒューズロムには前記第1ノズル列の駆動値の選択情報と前記第2ノズル列の駆動値の選択情報が保持されていることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記オフセットは、前記第1ノズル列における製造工程上のバラツキの中心値と前記第2ノズル列における製造工程上のバラツキの中心値との差であることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項4】
前記オフセットは、前記第1ノズル列における駆動値のテーブルのアドレスと前記第2ノズル列における駆動値のテーブルのアドレスの差であることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項5】
前記第1ノズル列の駆動値の選択情報はjビット、前記第2ノズル列の駆動値の選択情報はkビット、jとkとの関係はj>kであることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項6】
前記駆動値は、記録素子に印加する電圧のパルス幅であることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項7】
前記駆動値は、記録素子に印加する電圧の値であることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項8】
第1ノズル列のインクの吐出量と第2ノズル列のインクの吐出量とが異なり、前記第1ノズル列の駆動値の選択情報と前記第2ノズル列の駆動値の選択情報について所定のオフセットを有する記録ヘッドであって、
前記第1ノズル列の駆動値の選択情報と前記第2ノズル列の駆動値の選択情報を保持する記憶手段を有し、
前記第1ノズル列の駆動値の選択情報はjビット、前記第2ノズル列の駆動値の選択情報はkビット、jとkとの関係はj>kであることを特徴とする記録ヘッド。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録ヘッド及び記録装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、インクジェット記録装置は低騒音化、ランニングコストの低コスト化、装置の小型化が容易である等の理由から、プリンタや複写機等において広く利用されており、中でもインク吐出に利用されるエネルギーとして熱エネルギーを用い、これによって生じる気泡によってインクを吐出する方式のインクジェット記録装置が最近普及しつつある。
【0003】
このようなインクジェット記録装置において記録ヘッドからインクを安定的に吐出させるため、記録ヘッドに備えた記憶領域にヘッド特性情報を備える(特許文献1)。この情報に基づき、インクジェット記録装置内に準備されたヘッド駆動条件の中から記録ヘッド固有の駆動条件を選択し、さらにインクジェット記録装置に設けられている環境温度や記録ヘッド温度等の情報から駆動を制御を行っている。
【0004】
上述した記録ヘッド固有の駆動条件とは、主に記録ヘッドの吐出用素子や素子に至るまでの配線等の製造における製造バラツキを考慮した条件であり、この条件は製造された多数の記録ヘッドにおいて各々の記録ヘッド固有の値を設定できるようにするため、記録ヘッドに記憶素子(メモリ)を持たせて、その中に上述した情報を格納し、インクジェット記録装置装着時にその情報を基にヘッド駆動を行う。
【0005】
また、近年インクジェット記録装置は上述した背景に加え、高速印刷と写真画質等の高画質印刷の両立が実現し、この両立にあたり記録ヘッド(特にカラーヘッド)には主に高速印刷時に使用される10〜5plの大きなインク吐出量と高画質印刷時に使用される4〜1plの小さなインク吐出量と言った複数のインク吐出量を吐出可能にする構成が多く採用されている。
【特許文献1】特開平7−52388号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のインクジェット記録装置においては、上述したように2種類以上のインク吐出量毎や複数色毎に駆動条件情報を格納するため記録ヘッドの記憶素子の容量が増加し、大きな容量の記憶素子を記録ヘッドに持たせなければならず、この結果記録ヘッドのコストが高額になってしまうという問題があった。
【0007】
また、上述した記録ヘッドの記憶素子にはFuseROMを採用しているものがあり、このROM形式はFuseの切断/未切断の組み合せで任意の情報を形成するため、記録ヘッドの製造工程中にこのFuseを切断する必要があり、情報が増加すればするだけ切断工程時間が増えるために結果として記録ヘッド1個当りの製造時間が長くなってしまうという問題があった。
【0008】
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、
記録ヘッドに格納する駆動条件情報について効率的に格納することで、記憶素子の容量の増加を抑える事が可能になる構成を備え、2種類以上のインク吐出可能な記録ヘッドにおいても、従来と同じ安定したインク吐出により記録画像を出力でき、かつ安価なインクジェット記録ヘッドとインクジェット記録装置を提供すること目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の記録装置は、第1ノズル列のインクの吐出量と第2ノズル列のインクの吐出量とが異なり、前記第1ノズル列の駆動値の選択情報と前記第2ノズル列の駆動値の選択情報について所定のオフセットを有する記録ヘッドを用いて記録を行う記録装置であって、前記記録ヘッドに保持されている前記第1ノズル列の駆動値の選択情報と前記第2ノズル列の駆動値の選択情報とを入力する入力手段と、前記所定のオフセットに関する情報と、前記第1ノズル列に対応した複数の駆動値を備える第1駆動テーブルと前記第2ノズル列に対応した複数の駆動値を備える第2駆動テーブルとを保持するメモリ手段と、前記入力手段が入力した前記第1ノズル列の駆動値の選択情報に基づいて前記第1駆動テーブルから前記第1ノズル列について駆動値を選択し、前記入力手段が入力した前記第1ノズル列の駆動値の選択情報と前記第2ノズル列の駆動値の選択情報と前記メモリ手段から取得した所定のオフセットに関する情報に基づいて前記第2駆動テーブルから前記第2ノズル列について駆動値を選択する選択手段と、前記選択手段で選択した前記第1ノズル列についての駆動値と前記第2ノズル列についての駆動値をそれぞれ設定する設定手段と、前記設定手段で設定された駆動値基づいて前記記録ヘッドの駆動制御を行う制御手段とを備える。
【0010】
また、本発明の記録ヘッドは、第1ノズル列のインクの吐出量と第2ノズル列のインクの吐出量とが異なり、前記第1ノズル列の駆動値の選択情報と前記第2ノズル列の駆動値の選択情報について所定のオフセットを有する記録ヘッドであって、前記第1ノズル列の駆動値の選択情報と前記第2ノズル列の駆動値の選択情報を保持する記憶手段を有し、前記第1ノズル列の駆動値の選択情報はjビット、前記第2ノズル列の駆動値の選択情報はkビット、jとkとの関係はj>kである。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように本発明によれば、記録ヘッドに備えるメモリ手段(記憶素子)の容量の増加を抑えつつ、記録ヘッドの適切に駆動するための情報を格納することができる。また、メモリ手段としてFuseROMを使用する形態においては、FuseROMの切断工程時間の短縮も可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。
【0013】
<実施形態1>
図1は本発明の一実施形態であるインクジェット方式に従って記録を行う記録ヘッドを装着可能な記録装置の槻略構成を示す斜視図である。
【0014】
図1において、Cはその上方にインクタンク、その下方に記録ヘッドを有し、さらに記録ヘッドを駆動するための信号などを受信するコネクタが設けられているインクジェットカートリッジ(以下、カートリッジ)、2は複数のカートリッジCを搭載するキャリッジである。複数のカートリッジC夫々のインクタンクには、イエロ、マゼンタ、シアン、ブラックインクなどの異なった色のインクを収容する。また、キャリッジ2には、各カートリッジCの記録ヘッドを駆動するための信号などを伝達するコネクタホルダが設けられ、その記録ヘッドと電気的に接続されるようになっている。図1に示す例では、左からマゼンタ、イエロ、シアン、ブラックインクを夫々のインクタンク内に収納した4つのカートリッジCが搭載される。
【0015】
11は記録ヘッドを走査させる方向(主走査方向)に延在してキャリッジ2を摺動自在に支持する走査レール、52はキャリッジモータ、53はキャリッジ2を主走査方向に往復移動させるためのキャリッジモータ52の駆動力を伝達する駆動ベルト、5と6、及び7と8は、記録ヘッドによる記録媒体の記録位置の前後に配置され記録媒体を挾持して搬送する搬送ローラ対、Pは紙などの記録媒体である。記録媒体Pはその記録面を平坦に規制するプラテン(不図示)の案内面に圧接されている。
【0016】
また、キャリッジ2に搭載されたカートリッジCが備える記録ヘッドは、キャリッジ2から下方へ突出して搬送用ローラ6と8の間に位置し、記録ヘッドの吐出口が形成されている吐出口形成面は、プラテン(不図示)の案内面に圧接された記録媒体Pと平行に対向するようになっている。この記録装置には回復系ユニットが図1の左側にあるホームポジション側に配設されている。
【0017】
図1において、この回復系ユニットに関し、300は4つのカートリッジC夫々に備えられた記録ヘッド夫々に対応して設けられた上下方向に昇降可能なキャップユニットである。キャップユニット300は、キャリッジ2がホームポジションにあるときに、記録ヘッドと接合してこれをキャッピングし、記録ヘッドの吐出口内のインクの蒸発を防止して、インクの粘度が増大したり、或いは、揮発成分が蒸発し固着して吐出不良となることを防いでいる。
【0018】
また、キャップユニット300の内部は、ポンプユニット(不図示)に連通されている。そのポンプユニットは必要に応じて負圧を生じさせる。負圧を生じるタイミングは、例えば、記録ヘッドが万が一吐出不良になった場合に、キャップユニット300と記録ヘッドとを接合させて行う吸引回復時や、キャップユニット300のキャップ内に予備吐出されたインクを空吸引するときなどである。
【0019】
401は記録媒体Pに対する記録動作領域を挟んでホームポジションと反対側に設けられた予備吐出受け部であり、予備吐出受け部401において、記録ヘッドの予備吐出を行う。さらに、回復系ユニットにはゴムなどの弾性部材で形成されたブレードを設けて、記録ヘッドの吐出口形成面に付着した液滴をワイピングするような構成としてもよい。また吐出口へのワイピングによる不要物の押し込みを解消するため、ワイピング後に予備吐出を実施して吐出状態を安定にする。
【0020】
なお、この実施形態の記録装置では、記録媒体Pを搬送するための搬送用の駆動モータと、回復系ユニットを動作させるための駆動モータとを同一のものとして共通化している。
【0021】
図2は記録ヘッドとインクタンクとが一体となったインクジェットカートリッジCの斜視図である。
【0022】
カートリッジCは、図2に示されているように、上方にインクタンクT、下方に記録ヘッド86を有しており、さらに、インクタンクTの上部には空気孔84が、インクタンクTと並ぶ位置にはヘッド側コネクタ85が設けられている。コネクタ85は記録ヘッド86を駆動するための信号などを受信すると共にインク残量検知信号を出力する。記録ヘッド86には、図中下方の底面側に開口する複数の吐出口を有する吐出口面1が形成されており、各吐出口に連通する液路部分にはインクを吐出するために必要とされる熱エネルギーを発生する電気熱変換体が配置されている。
【0023】
図3は、3色(C、M、Y)のインクをそれぞれ5plと2plで吐出する3つの吐出口群を有する記録ヘッドを吐出方向側からみた模式図である。この図3は、記録ヘッドでは、第1の吐出量(5pl)でインクを吐出するノズル列と第2の吐出量(2pl)でインクを吐出するノズル列とそれぞれ備えている。
【0024】
31は5plのインクを吐出可能な吐出口であり、不図示であるが各吐出口にはそれぞれ電圧を印加してインクを吐出させるためにインクに加熱する記録素子(以下ヒータボード)が設けられている。32は2plを吐出可能な吐出口であり、5plと同様にヒータボードが存在する。
【0025】
このヒータボードには一般的に半導体素子が利用され、そのサイズはインク吐出量と相関が強い。このため、記録ヘッド、特にこのヒータサイズの製造工程におけるバラツキは安定した吐出量でインク吐出を行うことに対して大きく影響する。また、プリンタ本体の電源から本体側の記録ヘッド着脱部を経て、駆動電圧が供給されるが、記録ヘッド側のコンタクトからこれらヒータに至るまでの配線の抵抗のバラツキもわずかではあるが安定した吐出量でインク吐出を行うことに対して影響する。
【0026】
具体的には、ヒータサイズの製造工程におけるバラツキと記録ヘッド側のコンタクトからこれらヒータに至るまでの配線の抵抗のバラツキから、インクジェットプリンタ本体が同じ電圧、印加時間を駆動しても吐出量や吐出速度と言った吐出条件を均一にすることは出来ない。
【0027】
そこで従来からインクジェットプリンタでは、記録ヘッド毎に異なる吐出量や吐出速度などの吐出条件を均一にするため、記録ヘッドが持ちうる上述したようなヒータサイズや配線抵抗のばらつき(以下ヘッドランクと省略)を考慮したヘッド駆動制御を行っている。
【0028】
図4は、インクジェットプリンタで行っているヘッド駆動制御の内、上述したヘッドランクに対するシングルパルスのパルス幅を変えた制御テーブルを示す。このヘッドランクに対応する駆動情報を複数備えたデータテーブルである。
【0029】
ランクナンバーは、ヘッド製造時に一定の印加電圧(本体の電圧とは異なる)のもと、インクジェットプリンタの駆動分解能単位でパルス幅を変えながらインクがノズルから飛び出し始めるパルススレッショルドを測定して、記録ヘッド毎にランクナンバーが割り当てられる。割り当てられたランクナンバーをそれぞれの記録ヘッド内の記憶素子に格納し、インクジェットプリンタに搭載された場合にそのナンバーに対応した駆動パルスを選択するヘッド駆動制御を行っている。
【0030】
図3のように5plのインク吐出を行うノズル列と2plのインク吐出を行うノズル列を備える記録ヘッドでは、各々の吐出条件を満たすためノズル列毎にランクナンバーを割り当てる。この場合、記録ヘッドに設けられている記憶素子(メモリ手段)に格納されるランクナンバー情報の数(データ数)は、2倍になってしまう。
【0031】
例えば、3種類のインク吐出量を吐出可能な記録ヘッドでは、各々の吐出条件を満たすために記録ヘッドの記憶素子に格納されるランクナンバー情報についてのデータ量は3倍となってしまう。このように、N種類(2以上の整数)のインク吐出量を吐出可能な記録ヘッドでは、各々の吐出条件を満たすために記録ヘッドの記憶素子に格納されるランクナンバー情報の量はN倍となってしまう。
【0032】
このように2種類以上のインク吐出量を吐出可能な記録ヘッドにおいて、ランクナンバーは1つの吐出量で考えうる製造バラツキに加え、吐出量種類毎の情報量を記録ヘッドの記憶素子に格納しなければならず、その記憶素子の容量の増大を避けられなかった。
【0033】
図5は、図3で示した5plと2plの記録ヘッド10000個を製造した時のランクナンバーの分布である。1ランク当りのパルス分解能は5、2plともに48Mhz(約0.02μsec)である。51の分布は5plのランクナンバー分布を表し、52の分布は2plのランクナンバー分布を表している。51の分布と52の分布とは非常に類似している。言い換えると、51の分布と52の分布は強い相関(相関関係)がある。
【0034】
そして、51の分布のピーク、52の分布のピークに着目すると、2つのピーク間の距離(ランクの値の差)は53で示すように3ランク分離れていることが分かる。つまり、図4に示す駆動テーブルの3アドレス分離れていることになる。
【0035】
また、5plの分布のピークであるランクナンバーが15であった記録ヘッドの2plのランクナンバーを実測したところ、ランク18を中心にほとんどが20、19、18、17の4ランク範囲内で存在している(分布している)ことが分かる。
【0036】
同様の測定を行ったところ、5plのランクナンバーが20であった記録ヘッドの2plのランクナンバーは23を中心にほとんどが4ランク以内、また5plのランクナンバーが10であった記録ヘッドの2plのランクナンバーは13を中心にほとんどが4ランク以内という結果を得た。
【0037】
そこで、上述した相関関係を利用して、2種類のノズルの駆動情報について記録ヘッドに備えるメモリ手段(記憶手段)にランクナンバー情報の格納を行う。
【0038】
例えば、図5の結果に基づき、2種類のインク吐出量を吐出可能なヘッドにおいて各々の吐出量毎にランクナンバーを割り当てず、ある1つのインク吐出量に対応するノズル(ノズル列)については、製造工程のバラツキ考慮したランク範囲の中から1つランクナンバーをメモリ手段に格納する。そのまま直接ランクナンバーとしてインクジェットプリンタ本体の駆動情報を選択する構成とする。もう一方のインク吐出量に対応するノズル(ノズル列)については、相関関係を利用することで、ランク範囲内にある駆動情報の中から1つのランクナンバーをしている構成とする。
【0039】
言い換えると、1つの駆動情報については、駆動制御範囲(L個)の中から1つのランク情報を選択してメモリ手段に格納する。もう1つの駆動情報については、駆動制御範囲の一部であって所定の範囲(S個)の中から1つのランク情報を選択してメモリ手段に格納する。ここで、L個>S個である。上述した説明では、L=32、S=4である。
【0040】
ここで、駆動範囲の一部であって所定の範囲の指定(設定)は、図5の53に示すように分布のピークのずれ(言い換えるとオフセット量)に基づいて行われる。そして、図5の分布のピークが、この所定の範囲の中心あるいはほぼ中心に位置するよう指定(設定)する。
【0041】
上述した記録ヘッドの記憶素子容量を抑えたランクナンバー決定方法について、記録ヘッド(カートリッジ)の記憶素子にFuseROM(ヒューズROM、ヒューズロム)を採用した場合を具体的に説明する。
【0042】
インク吐出量5plの製造バラツキを考慮した場合におけるランクの範囲は、0.46〜1.08μsecであり、駆動パルス分解能を0.02とすると32ランク必要になる。ランクナンバー0から31までの32ランクをFuseROMで実際に割り当てるには、5ビットの容量が必要となる。5plのランクナンバーはそのままインクジェットプリンタ本体のヘッド駆動パルスの選択ナンバーに対応するため、5plのランクナンバーが15であれば、その値に対応したヘッド駆動パルスを選択する。
【0043】
一方、2plのランクナンバーはFuseROMの容量を抑えるため5ビットではなく2ビットの割り当てを行う。上述したように5plのランクナンバーとの相関を利用する為、少ないRuseROM容量を割り当てることが可能になる。ここでは上述した実測データを基に、2ビットで4種類の値を持つシフトナンバー値として設定する。
【0044】
なお、記録装置のメモリ手段には、上述したオフセット値(ピーク間距離である3)を格納する。そして、記録装置は、記録ヘッドの駆動情報として、5plのノズルに対応するパルス幅情報(0.46〜1.08μsec)のテーブルと、少なくとも3ランク(3アドレス)分オフセットされている2plのノズルに対応するパルス幅情報(パルス幅の0.52〜1.14μsec)をメモリに保持する。
【0045】
この結果、2plのランクナンバーの決定は5plのランクナンバーX、オフセット値Y、2plのシフトナンバー値Z、を用いて加算(演算)すれば、2plの製造工程のばらつきで存在しうるパルス幅のいずれかに割り当てることが可能になる。
【0046】
2plのシフトクナンバーZの割り当てについて、具体例として上述した5plのランクナンバーXが15の場合を挙げる。この場合、2plのランクナンバーはランク18を中心に全数20、19、18、17の4ランク範囲内で存在している。
【0047】
2plのランクナンバーが20である場合は、5plのランクナンバーX=15、オフセット値Y=3であるため、シフトナンバーZは2を割り当てる。
【0048】
2plのランクナンバーが19である場合は、5plのランクナンバーX=15、オフセット値Y=3であるため、シフトナンバーZは1を割り当てる。
【0049】
2plのランクナンバーが18である場合は、5plのランクナンバーX=15、オフセット値Y=3であるため、シフトナンバーZは0を割り当てる。
【0050】
2plのランクナンバーが17である場合は、5plのランクナンバーX=15、オフセット値Y=3であるため、シフトナンバーZは−1を割り当てる。
【0051】
なお、上記説明において、異なる表現を使うと、第1ノズル列については、第1ノズル列に対応した複数の駆動値を備える第1駆動テーブルと記録ヘッドに保持されている第1ノズル列の駆動値の選択情報に基づいて、前記第1ノズル列について駆動値を選択しているといえる。
【0052】
また、第2ノズル列については、第2ノズル列に対応した複数の駆動値を備える第2駆動テーブルと、前記第1ノズル列の駆動値の選択情報、第2ノズル列の駆動値の選択情報、オフセットに関する情報に基づいて、前記第2ノズル列について駆動値を選択しているといえる。
【0053】
補足すると、ランクナンバーXは第1ノズル列の駆動値の選択情報であり、シフトナンバー値Zは、第2ノズル列の駆動値の選択情報であり、オフセット値Yはオフセットに関する情報である。
【0054】
上述したように、製造時に異なるインク吐出量の各々のランク分布を調べてその結果を用いることで、記録ヘッドに具備する記憶素子の容量の増加を抑えて、かつ各々のインク吐出量の吐出条件を満足する駆動条件情報を格納することが可能になる。
【0055】
さて、図9は、記録装置の制御構成図である。記録装置の制御部90は、CPU91,ASIC94,ROM92,RAM93を含んでいる。CPU91は記録装置の動作制御をASIC94を用いて行う。ASIC94には、記録ヘッドの駆動制御ブロックやキャリッジモータの制御ブロック、HV変換回路などが設けられている。また、ROM92には、CPU91の制御プログラムや、ヘッドの駆動テーブルやモータの制御情報などが設けられている。また、カートリッジCにはFuseROM95を備えている。
【0056】
図8は、CPU91にて実行される制御フローである。このフローは例えば、ステップS1において、カートリッジCに設けられているFuseROM95から5plのランクナンバー、シフトナンバーを読み出す。ステップS2において、制御部90のROM92からオフセット情報を読み出す。
【0057】
ステップS3において、5plのノズル列について、このランクナンバーに基づき駆動テーブルからパルス幅情報を選択し、記録ヘッドの駆動制御ブロックの5plノズル列用の設定部に選択したパルス幅情報を設定する。
【0058】
ステップS4において、2plのノズル列について、この5plのランクナンバー、オフセット情報と、シフトナンバーに基づき、駆動テーブルからパルス幅情報を選択し、記録ヘッドの駆動制御ブロックの2plノズル列用の設定部に選択したパルス幅情報を設定する。その後、ユーザーの操作、外部から画像データが入力されると、設定された情報に基づき、記録ヘッドの駆動がなされ、記録ヘッドによって記録媒体への画像の記録がなされる。
【0059】
この制御フローは例えば、記録装置の電源オン時や、カートリッジが記録装置に装着された場合などに実行される。
【0060】
<実施形態2>
第1の実施形態では、2種類のインク吐出について説明したが、この第2の実施形態では3種類の場合について説明する。この実施形態では、第1の実施形態と異なる点について説明し、他の説明は省略する。
【0061】
図6を用いて、インク吐出量が61の5pl、62の2pl、63の1plの3種類のインク吐出が可能な記録ヘッドにおける2pl、1plのランクナンバー決定方法とFuseROM容量の割り当てについて説明する。
【0062】
2plのランクナンバーは、第1の実施形態で説明したように3ランク分オフセットした値を中心に4ランク以内にほとんど存在している。また、1plのランクナンバーについても5plのランクナンバーに対して4ランク分オフセットした値を中心に4ランク以内にほとんど存在していることが分かった。
【0063】
この結果に基づき、2plのランクナンバー決定方法と同様に、1plのランクナンバー決定方法についても、FuseROM容量2ビット分を割りあてて、4種類のシフトナンバー値のうちの1つの値を持たせる。1plのオフセット値Y2を4としてインクジェットプリンタ本体内の記憶領域に格納し、5plのランクナンバーXとオフセット値Y2と1plのシフトナンバー値の加算によって、決定することが可能になる。
【0064】
つまり、記録ヘッドのメモリ手段には、5pl用のランク情報5ビット、2pl用のランク情報2ビット、1pl用のランク情報2ビットの合計9ビットの情報が保持される。
【0065】
図7に、インク吐出量が5pl、2pl、1plの3種類のインク吐出が可能な記録ヘッドにおいて、Fuse必要容量と切断工程時間、及び各インク吐出量のインク吐出安定性との3項目について本発明のランクナンバー決定方法と従来のランクナンバー決定方法の比較を行った。
【0066】
各インク吐出量のインク吐出安定性については、どちらの方法とも吐出量及び吐出速度どちらの吐出条件も満足していた。FuseROM容量については従来の方法が15ビット必要なのに対して、本実施形態では9ビットと約40%少なく、効率的に割り当てることが可能になっている。また、記録ヘッド10000個製造時のFuseROM切断工程時間についても1ビット切断するのに要する時間が0.1secであるため、従来方法では15000秒、本発明の方法では9000秒と約100分短縮可能になっている。更には、記憶素子容量の抑制と切断工程の短縮の両面により、記録ヘッド製造コストに関しても格段に低コストで記録ヘッドを生産できる。
【0067】
上述のように本発明によれば、2種類以上のインク吐出量が吐出可能な記録ヘッドにおいて、記録ヘッド製造時に異なるインク吐出量の各々のランク分布を調べてその結果を用いることで、記録ヘッドに具備する記憶素子の容量の増加を抑えて、かつ各々のインク吐出量の吐出条件を満足する駆動条件情報を格納することが可能になる。
【0068】
また、記録ヘッドの記憶素子にFuseROMを使用する記録ヘッド形態においては、FuseROMの切断工程時間の短縮も可能になる。この結果、2種類以上のインク吐出可能な記録ヘッドにおいて記憶素子容量増加の抑制と製造工程時間の両面から、記録ヘッド製造コストダウンも実現可能になり、高画質で高速のインクジェットプリンタを安価でユーザーに提供することが可能になる。
【0069】
<その他の実施形態>
以上、第1の実施形態、第2の実施形態において、説明した上記の例に限定するものではない。例えば、インク吐出量の種類は4種類以上でも構わない。また、駆動制御範囲も32や4に限定するものではないし、シフトナンバーの取りうる値も4に限定するものではない。
【0070】
また、インクの吐出条件を均一にするため駆動情報としてパルス幅の情報を制御する例にしたが、これに限定するものではなく、インクの吐出条件を均一にするために駆動電圧値を制御するものであって、駆動電圧のテーブルであっても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】記録装置の概略斜視図。
【図2】図1の記録装置で用いられるインクジェットカートリッジの斜視図。
【図3】第1の実施形態で説明する記録ヘッドを吐出方向側からみた図。
【図4】ヘッドランクに対するパルス幅(駆動情報)のテーブル。
【図5】製造された記録ヘッド10000個について、ランクナンバーの分布を示す図。
【図6】第2の実施形態で説明する記録ヘッドを吐出方向側からみた図。
【図7】Fuse必要容量と切断工程時間の関係を示す図。
【図8】実施形態における制御フロー。
【図9】記録装置の制御構成を説明する図。




 

 


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