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発明の名称 液体吐出用基板およびその製造方法、ならびに液体吐出装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−8084(P2007−8084A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−193792(P2005−193792)
出願日 平成17年7月1日(2005.7.1)
代理人 【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
発明者 佐々木 圭一
要約 課題
発熱素子の液体吐出量のばらつきを低減するために、ヒータを含む回路のばらつきを容易に補正する方法および液体吐出用基板ならびにその液体吐出用基板を備えた液体吐出装置を提供する。

解決手段
主配線21と並列にヒューズ素子23が直列に接続された付加配線22を補正回路として設ける。ヒータ抵抗値RH のばらつきにあわせて、主配線21の配線抵抗値RALに並列に付加接続された補正回路である抵抗値RAL2 を有する付加配線22のヒューズ素子23を切断し、付加配線22の抵抗RAL2 を回路から切り離すことにより、配線部20の抵抗値を変化させることができ、それによってヒータである抵抗部30に印加される電圧を制御して、ヒータの発熱量の補正が行われるので、インク吐出量が制御できてインク吐出量のばらつきを押さえることが可能となる。
特許請求の範囲
【請求項1】
基板の絶縁性表面上に設けられた抵抗部と、該抵抗部上に所定の間隔をおいて形成された一対の電極とを有する素子が複数形成された液体吐出用基板の製造方法において、
前記液体吐出用基板として、前記一対の電極の片方の電極と電源との間に、それぞれが所定の抵抗値を有する2本以上の配線を並列に接続したものを準備する工程と、
通電時の前記抵抗部の発熱量を制御するために、選択された前記配線を切断する工程を有することを特徴とする、液体吐出用基板の製造方法。
【請求項2】
前記並列の配線はヒューズ回路を有し、選択された前記配線を切断する工程は選択された前記配線の前記ヒューズ回路を切断する工程である、請求項1に記載の液体吐出用基板の製造方法。
【請求項3】
前記ヒューズ回路の切断は、レーザ照射によって行なわれる、請求項2に記載の液体吐出用基板の製造方法。
【請求項4】
基板の絶縁性表面上に設けられた抵抗部と、該抵抗部上に所定の間隔をおいて形成された一対の電極とを有する素子が複数形成された液体吐出用基板において、
前記各素子に含まれる前記抵抗部ごとの抵抗値のばらつきを補正するための補正回路を有することを特徴とする液体吐出用基板。
【請求項5】
前記補正回路は、前記一対の電極の片方の電極と電源との間に接続されたそれぞれが所定の抵抗値を有する2本以上の並列の配線であり、少なくとも1本以上の前記配線は所定の手段で切断が可能である、請求項4に記載の液体吐出用基板。
【請求項6】
前記2本以上の並列の配線のうち、少なくとも1本以上の前記配線は所定の手段で切断が可能なヒューズ回路を有する、請求項5に記載の液体吐出用基板。
【請求項7】
前記補正回路は、それぞれの素子ごとに設けられている、請求項4から請求項6のいずれか1項に記載の液体吐出用基板。
【請求項8】
前記補正回路は、複数の素子からなるセグメントごとに設けられている、請求項4から請求項6のいずれか1項に記載の液体吐出用基板。
【請求項9】
電気熱変換体により発生した熱を利用して液体を吐出させる液体吐出装置であって、
請求項4から請求項8のいずれか1項に記載の液体吐出用基板と、
前記液体吐出用基板に設けられた前記素子のそれぞれに対応して設けられて前記液体を吐出する吐出口と、
前記素子上に供給される前記液体を収容する収容容器と、
前記素子を制御する回路基板に電源電圧を供給するための電源回路と、
前記素子を制御する回路基板に駆動信号を供給するための制御回路と、
を有することを特徴とする液体吐出装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体吐出用基板およびその製造方法ならびに液体吐出装置に関し、特に、発熱素子が複数設けられた回路を有し、電気エネルギーを発熱素子により熱エネルギーに変換し、その熱エネルギーを利用して液体を吐出させるための液体吐出基板、および熱エネルギー量を制御する工程を有するその製造方法、ならびにその液体吐出基板を用いた液体吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の液体吐出装置用の回路基板の動作と製造方法とをインクジェットヘッドを例にあげて説明する。インクジェット記録装置では、インクを微小な液滴として液体吐出ヘッドの吐出口から被記録部材に吐出することにより画像を被記録部材上に記録することができる。その原理を説明すると、電気エネルギーを発熱素子により熱エネルギーに変換し、その熱エネルギーでインク中に気泡を発生させる。その気泡の作用により液体吐出ヘッドの先端部にある吐出口から液滴が吐出され、被記録部材に付着して画像が記録される。したがって、このような液体吐出ヘッドは、電気エネルギーを熱エネルギーに変換する発熱素子が複数設けられた回路基板を有している。
【0003】
回路基板の製造方法を具体的に説明すると、基板に設けられた絶縁性の表面上に抵抗層と電極材料層とが形成された後、電極材料層の一部が取り除かれて一対の電極が形成され、その電極の間の抵抗層が発熱部となる。その後、これらをインクから保護するための保護層と、発熱に伴う化学的或いは物理的なダメージから保護層を保護するための耐キャビテーション膜が形成される。
【0004】
液体吐出装置用の回路基板は、上述したような発熱素子を高密度で複数有し、個々の発熱素子に対応する液体吐出口から被記録部材に液体を吐出することにより画像の記録を可能としている。そして、各発熱素子は、発熱素子を流れる電流をオンオフ制御するスイッチング素子であるパワートランジスタとそれぞれ直列に接続されている。回路基板の上には吐出口が形成されて液体吐出装置となる。
【0005】
近年、印刷の高精細化が更に進み、このような液体吐出用基板における一回あたりのインクの吐出量が数十plから数plへと少なくなってきている。また、さらなる印刷の高速化の要求も強く、液体吐出ヘッドの往復移動を減らすために、回路基板の長尺化が図られている。このため、回路基板1個当たりの発熱素子数が、数百個から数千個へと増加している。このような条件下において、ヒータの特性のばらつきによりインク吐出量のばらつきが発生するという問題が大きくなっている。これはヒータの抵抗のばらつきによって発熱量にばらつきを生じその結果液体吐出量にばらつきが発生することに起因している。これを図8を参照して説明する。
【0006】
図8は従来技術の液体吐出ヘッドにおけるヒータ回路の概念を示す模式図である。ヒータ回路6は電源部60と接続する電源側端子78、電源側端子78と抵抗部側端子79とを接続する配線部70の配線71、ヒータとなる抵抗部80、抵抗部80と接続して抵抗部80に流れる電流のON、OFFを制御するスイッチング素子90とから構成され、配線部70と抵抗部80とを接続する抵抗部側端子79と、抵抗部80とスイッチング素子90とを接続するスイッチング素子側端子81とが抵抗部80上に所定の間隔をおいた一対の電極として設けられている。ここで抵抗部80のヒータ抵抗値をRH、スイッチング素子90のオン抵抗値をRON、配線部70の配線抵抗値をRALと表す。また、ヒータ回路6には電源部60から電圧VHが印加されている。
【0007】
スイッチング素子90を制御信号によりONすることにより、ヒータである抵抗部80に電流が流れ、ヒータの加熱により、ヒータに近接しているインクが発泡して膨張し、液体吐出ヘッドの先端部にある吐出口よりインクが吐出される。このとき、インクの吐出量を決める要因として、ヒータの加熱量がある。図8のヒータ回路6系の性能のばらつきを抑えることで、各ヒータによって吐出されるインク量のばらつきをおさえて、より高品質な印刷を行う必要がある。
【0008】
しかし、一般に、液体吐出ヘッドは半導体製造プロセスを用いて形成され、特にヒータである抵抗部80はスパッタ成膜によって一括して形成されるため、成膜された面内の均一性が悪いことが多く、チップを分割した際に、チップ面内のヒータの抵抗のばらつきとして表れ、最終的にはヒータの発熱量の差からインク吐出のばらつきを生ずる。
【0009】
このような課題に対して、特許文献1においては、液体吐出ヘッドに備えられたヒータと、ヘッドの外部に設けられた抵抗とを用いて、記録ヘッドに備えられたヒータの抵抗値を判別して記録ヘッドの駆動条件を選択できるようにした構成が開示されている。
【特許文献1】特開平05−169661号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1に記載の構成によれば、ヘッド外部に設けられた抵抗を用いてヒータの抵抗値を判別しており、その判別結果に応じて駆動電圧を設定している。しかしながら、このような構成では、ヒータごとの抵抗値が判別できたとしても、駆動電圧をヒータごとに設定する必要があり、構成が複雑となってしまう
本発明の目的は、発熱素子の液体吐出量のばらつきを低減するために、ヒータを含む回路のばらつきを容易に補正する方法および液体吐出用基板ならびにその液体吐出用基板を備えた液体吐出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の液体吐出用基板の製造方法は、
基板の絶縁性表面上に設けられた抵抗部と、該抵抗部上に所定の間隔をおいて形成された一対の電極とを有する素子が複数形成された液体吐出用基板の製造方法において、前記液体吐出用基板として、前記一対の電極の片方の電極と電源との間に、それぞれが所定の抵抗値を有する2本以上の配線を並列に接続したものを準備する工程と、通電時の前記抵抗部の発熱量を制御するために、選択された前記配線を切断する工程を有することを特徴とする。並列の配線はヒューズ回路を有し、選択された配線を切断する工程は選択された配線のヒューズ回路を切断する工程であってもよく、ヒューズ回路の切断は、レーザ照射によって行なわれてもよい。
【0012】
本発明の液体吐出用基板は、
基板の絶縁性表面上に設けられた抵抗部と、その抵抗部上に所定の間隔をおいて形成された一対の電極とを有する素子が複数形成された液体吐出用基板において、各素子に含まれる抵抗部ごとの抵抗値のばらつきを補正するための補正回路を有することを特徴とする。補正回路は、一対の電極の片方の電極と電源との間に接続されたそれぞれが所定の抵抗値を有する2本以上の並列の配線であり、少なくとも1本以上の配線は所定の手段で切断が可能であってもよく、2本以上の並列の配線のうち、少なくとも1本以上の配線は所定の手段で切断が可能なヒューズ回路を有してもよい。補正回路は、それぞれの素子ごとに設けられていてもよく、複数の素子からなるセグメントごとに設けられていてもよい。
【0013】
本発明の液体吐出装置は、
電気熱変換体により発生した熱を利用して液体を吐出させる液体吐出装置であって、上述の液体吐出用基板と、液体吐出用基板に設けられた素子のそれぞれに対応して設けられて液体を吐出する吐出口と、素子上に供給される液体を収容する収容容器と、素子を制御する回路基板に電源電圧を供給するための電源回路と、素子を制御する回路基板に駆動信号を供給するための制御回路とを有することを特徴とする。
【0014】
ヒータである抵抗部に電気的に接続する回路の抵抗を調整することで、インク吐出のばらつきを低減させることができる。液体吐出用基板の製造方法において、各素子の電源部と抵抗部を接続する配線部に並列に複数の配線を設け、配線に設けられたヒューズを必要に応じて切断する工程を含むことで、配線部の抵抗値を変化させて抵抗部に印加される電圧を制御できるので、抵抗部ごとの抵抗値のばらつきによる発熱量を制御して液体吐出量のばらつきを制御できる。
【0015】
また、液体吐出用基板において、各素子に含まれる抵抗部ごとの抵抗値のばらつきによる液体吐出量のばらつきを補正するための補正回路を有することにより、液体吐出用基板における素子ごとの液体吐出量のばらつきを制御できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、液体吐出用基板における各素子のヒータである抵抗部における抵抗値のばらつきを、抵抗部に電圧を印加する配線部で供給する電圧を回路的に補正することにより補正するので、簡易な構成で、チップごとに発熱量の補正ができてインク吐出量のばらつき低減が可能となるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の液体吐出用基板は、各素子(ドット)に設けられたヒータである抵抗部ごとの抵抗のばらつきによる液体吐出量のばらつきを補正する回路を有することを特徴としている。またその製造方法は、各素子の電源部と抵抗部を接続する配線部に並列に複数の配線を設け、配線に設けられたヒューズを必要に応じて切断する工程を含むことで、配線部の抵抗値を変化させて抵抗部に印加される電圧を制御できるので、抵抗部ごとの抵抗値のばらつきによる発熱量を制御して液体吐出量のばらつきを制御することができ、各素子に設けられた抵抗部ごとの抵抗のばらつきによる液体吐出量のばらつきを制御できることを特徴としている。具体的にはヒューズ素子にレーザを照射して、ヒューズ素子を切断したり、抵抗を変化させたり、もしくはアンチヒューズ素子にレーザを照射して配線間の電気的接続を行ったりすることによって、配線間の電気的接続を制御している。
【0018】
本発明におけるインク吐出量のばらつきを補正する回路とは、上述のように各素子の電源部と抵抗部とを接続する配線部に並列に設けられた複数の配線であり、複数の配線にはレーザ照射で切断可能なヒューズ素子あるいは接続可能なアンチヒューズが設けられている。基本となる配線にはヒューズ素子は設けられていなくてもよいが、特に基本となる配線を決めずに抵抗部の抵抗値に対応させて切断する配線を選択してもよい。ヒューズ素子の切断あるいはアンチヒューズ素子の接続によって配線部の抵抗値を制御でき、それによってヒータである抵抗部に印加される電圧が制御されるので、ヒータの発熱量が制御できて液体吐出量が制御できる。またヒューズ素子は、たとえば、Al、Si、またはCu、あるいはAl、Si、Cuの複合材料を用いて、電気またはレーザにより切断、あるいはその抵抗値を変化させることのできる素子をいう。望ましくは、ヒューズ素子の抵抗値が2桁以上変化することが望ましい。以下実施例を挙げてさらに詳細に説明する。
(実施例1)
次に、本発明の実施例1について図面を参照して説明する。図1は本発明の実施例1のインクジェットプリンターヘッドの液体吐出ヘッドにおけるヒータ回路の概念を示す模式図である。ヒータ回路1は電源部10と接続する電源側端子28、電源側端子28と抵抗部側端子29とを接続する配線部20、ヒータとなる抵抗部30、抵抗部30と接続して抵抗部30に流れる電流のON、OFFを制御するスイッチング素子40とから構成され、配線部20と抵抗部30とを接続する抵抗部側端子29と、抵抗部30とスイッチング素子40とを接続するスイッチング素子側端子31とが抵抗部30上に間隔をおいた一対の電極として設けられている。配線部20は並列に配線された主配線21とヒューズ素子23と直列に接続された付加配線22とから構成されている。ここでは説明を容易にするために付加回線22は1個としているが、ヒューズ素子23と直列に接続された付加配線22が複数列設けられていて、それぞれ抵抗値の異なる主配線を含む配線を任意に選択して一つ以上切断して配線部全体の所望の抵抗値を得てもよい。
【0019】
ここで抵抗部30のヒータ抵抗値をRH 、スイッチング素子40のオン抵抗値をRON、配線部70の主配線21の配線抵抗値をRAL、付加配線22の配線抵抗値をRAL2 と表す。また、ヒータ回路1には電源部10から電圧VHが印加されている。VH、RH 、RONは一定なので、並列のRAL、RAL2 のうちのRAL2 の回路を切断すると抵抗部側端子29に印加される電圧は低下し、抵抗部30の発熱量は低下する。低下の度合いはRAL、RAL2 の抵抗値を選択することにより制御できる。
【0020】
このように、本実施例では、従来技術の配線71(実施例の主配線21)と並列にヒューズ素子23が直列に接続された付加配線22を補正回路として設けている。ヒータ抵抗値RH のばらつきにあわせて、主配線21の配線抵抗値RALに並列に付加接続された補正回路である抵抗値RAL2 を有する付加配線22のヒューズ素子23を切断し、付加配線22の抵抗RAL2 を回路から切り離すことにより、配線部20の抵抗値を変化させることができ、それによってヒータである抵抗部30に印加される電圧を制御して、ヒータの発熱量の補正が行われるので、インク吐出量が制御できてインク吐出量のばらつきを押さえることが可能となる。ヒューズ素子23の切断は通常出荷前の検査時に行なわれるので、それぞれの素子の抵抗部30の抵抗値RH を測定して、抵抗部30の発熱量が所定の範囲に収まるように付加配線22のヒューズ素子23を切断して抵抗部30の印加電圧を調整すればよい。ここでは1ドットごとに補正回路が設けられている例によって説明しているが、これに限られるものではなく時分割駆動する際のグループ(セグメント)ごとに補正回路が設けられてもよい。
【0021】
電源部10と抵抗部30とを結ぶ配線部20の抵抗値を、配線抵抗値RALを有する主配線21に対しヒューズ素子23を有し配線抵抗値RAL2 を有する付加配線22を補正回路として補正する具体的な構成を、図2に示す。図2は電源側端子とヒータとなる抵抗部の抵抗部端子とを接続するAL配線の模式的平面図であり、(a)はヒューズ素子が切断されていない状態、(b)はヒューズ素子が切断された状態を示す。図2は図1の配線部20を示しており、主配線21(抵抗値RAL)、ヒューズ素子23、付加配線22(抵抗値RAL2 )が示されている。また、電源側端子28と抵抗部側端子29が示されており、電源側端子28は電源部10と、抵抗部側端子29は抵抗部30と接続されている。図2(a)のヒューズ素子23をレーザーリペア装置等で切断することにより、図2(b)のようにヒータ回路上の配線抵抗はRALのみとなり抵抗部30に印加される電圧を制御できる。
【0022】
図3は、本発明のインク吐出量補正についてのイメージ図である。横軸はヒータボードチップ(以下チップと略称)内のヒータ列(以下Bit列と略称)、縦軸は各ヒータのドライバーをオンしたときの電流値(以下Bit電流値と略称)を表している。Bit電流値がBit列内でばらつきが少なければ、吐出量はばらつきが少ない。ヒューズによる補正前(図中 補正前と表記)では、Bit電流値のばらつきが大きいが、補正することによって、配線部を含めた抵抗のばらつきを小さくすることが可能となった。また、本実施例では、配線層は1層形成していたが、多層化しても問題なく、第一の配線層と第二の配線層のように2層を用いてもよい。
【0023】
また、付加配線22を有する配線部20はそれぞれの素子の抵抗部30ごとに設けられていることとして説明したが、複数の素子をグループとしてセグメントとし、セグメントに共通に配線部20を設け、配線部20の出力を複数の素子に共通に出力してもよい。
【0024】
ここでは、ヒューズ素子23を有する付加配線22を1個として説明したが、複数個を設けて抵抗部30の抵抗値RH に対応して最適な付加配線22を切断してもよい。その場合それぞれの付加配線の抵抗値を同一としてもよく、あるいは変化させて選択可能としてもよい。また、主配線21にもヒューズ素子を設け切断の選択対象としてもよい。また、ヒューズ素子による切断として説明しているが、例えばレーザ光の照射時間により抵抗値の変化を生ずる付加配線を設けてもよく、ヒューズ素子に代えてアンチヒューズ素子を用いて付加配線を追加する構成としてもよい。
(実施例2)
図4はヒューズ回路の他の構成例であり、(a)は主配線に高抵抗体を用いた例、(b)は高抵抗体自体をヒューズとした例である。図4(a)に示すように、付加配線25に平行して、高抵抗抵抗体、たとえばPOL抵抗などの受動素子を高抵抗体主配線24として用いてもよいし、図4(b)に示すように高抵抗体そのものをレーザで切断可能なヒューズ部を有する高抵抗体付加配線とし、並列に主配線21を設けてもよい。
【0025】
他の電気的な回路を用いて抵抗を変化させる構成も可能であるが、実施例1も含めこのヒューズをレーザーリペア装置でヒューズカットする方法を用いることにより抵抗を制御するための特別な回路を設ける必要がなく、付帯の回路を簡略化することが可能となる。上述のように、ヒータである抵抗部に接続する配線回路の抵抗を最適化することで、ヒーターボード内にある、ヒータ群の発熱量ばらつきを補正し、高品質なインクジェットプリンターヘッドを作製することが可能となる。
(液体吐出装置)
上述の液体吐出用基板は、液体吐出装置の液体吐出ヘッドに応用できる。例えば、上述した各実施例による液体吐出用基板に、吐出口やそれに連通する液路を形成するために、成形樹脂やフィルムなどからなる天板などの吐出口形成部材を組合せる。そして、インクを収納した容器を接続して、プリンター本体に搭載し、本体の電源回路から電源電圧を、画像処理回路から画像データをヘッドに供給すれば、インクジェットプリンタとして動作させることができる。
【0026】
図5は、本発明の液体吐出装置の一実施形態を説明するための模式的斜視図であり、液体吐出ヘッドの一部分を示している。本発明の液体吐出用基板152上には、電気信号を受けてその電流で熱を発生し、その熱によって発生する気泡によって吐出口153からインクを吐出するためのヒータ141が列状に複数配置されている。このヒータ141のそれぞれには、各ヒータを駆動するための電気信号を供給する配線電極154が設けられており、配線電極154の一端側はスイッチ素子(不図示)に電気的に接続されている。
【0027】
ヒータ141に対向する位置に設けられた吐出口153へインクを供給するための流路155がそれぞれの吐出口153に対応して設けられている。これらの吐出口153および流路155を構成する壁が溝付き部材156に設けられており、これらの溝付き部材156を回路基板152に接続することで流路155と複数の流路にインクを供給するための共通液室157が設けられている。
【0028】
図6は本発明の液体吐出用基板を組み込んだ液体吐出ヘッドの構造を示す模式的斜視図である。枠体158に本発明の液体吐出用基板152が組み込まれている。この液体吐出用基板152上には上述のような吐出口153や流路155を構成する溝付き部材156が取り付けられている。そして、装置側からの電気信号を受け取るためのコンタクトパッド159が設けられており、フレキシブルプリント配線基板160を介して液体吐出用基板152の有する回路に、装置本体の制御器から各種駆動信号となる電気信号が供給される。
【0029】
図7は本発明の液体吐出ヘッドが適用される液体吐出装置の一実施形態を説明するためのインクジェット記録装置の模式的斜視図であり、インクジェット記録装置IJRAの概観を示している。
【0030】
駆動モータ9011の正逆回転に連動して駆動力伝達ギア5011、5009を介して回転するリードスクリュー5005のら線溝5004に対して係合するキャリッジHCは、ピン(不図示)を有し、矢印a、b方向に往復移動される。
【0031】
符号5002は紙押え板であり、キャリッジ移動方向にわたって紙を記録媒体搬送手段であるプラテンに対して押圧する。符号5007、5008はフォトカプラであり、キャリッジHCのレバー5006のこの域での存在を確認して駆動モータ9011の回転方向切換等を行うためのホームポジション検知手段である。記録ヘッドの前面をキャップするキャップ部材を支持する部材が設けられており、符号5013はこのキャップ内を吸引する吸引手段でキャップ内開口5023を介して記録ヘッドの吸引回復を行う。符号5017はクリーニングブレードで、符号5019はこのブレードを前後方向に移動可能にする部材であり、本体支持板5018にこれらは支持されている。ブレードは、この形態でなく周知のクリーニングブレードが本例に適用できることはいうまでもない。また、符号5012は、吸引回復の吸引を開始するためのレバーで、キャリッジと係合するカム5020の移動に伴って移動し、駆動モータからの駆動力がクラッチ切換等の公知の伝達手段で移動制御される。
【0032】
これらのキャッピング、クリーニング、吸引回復は、キャリッジHCがホームポジション側領域にきたときにリードスクリュー5005の作用によってそれらの対応位置で所望の処理が行えるように構成されているが、周知のタイミングで所望の作動を行うようにすれば、本例には何れも適用できる。上述における各構成は単独でも複合的に見ても優れた発明であり、本発明にとって好ましい構成例を示している。
【0033】
なお、本インクジェット記録装置は、電源電圧や画像信号や駆動制御信号などを液体吐出用基板152に供給するための電気回路からなる制御器駆動信号供給手段(不図示)を有している。
【0034】
また、本発明は、上述した各種実施形態に限定されるものではなく、上述した課題を解決できるものであれば、本発明の各構成要件を代替物や均等物に置換できることは明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0035】
複写機、ファクシミリ、ワードプロセッサ、コンピュータ等の情報機器の出力用端末として用いられる記録装置、或いは、DNAチップ、有機トランジスタ、カラーフィルタなどの作製に用いられる装置などに適用できる液体吐出用基板に好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施例1のインクジェットプリンターヘッドの液体吐出ヘッドにおけるヒータ回路の概念を示す模式図である。
【図2】電源側端子とヒータとなる抵抗部の抵抗部端子とを接続するAL配線の模式的平面図であり、(a)はヒューズ素子が切断されていない状態、(b)はヒューズ素子が切断された状態を示す。
【図3】本発明のインク吐出量補正についてのイメージ図である。
【図4】ヒューズ回路の他の構成例であり、(a)は主配線に高抵抗体を用いた例、(b)は高抵抗体自体をヒューズとした例である。
【図5】本発明の液体吐出装置の一実施形態を説明するための模式的斜視図である。
【図6】本発明の液体吐出用基板を組み込んだ液体吐出ヘッドの構造を示す模式的斜視図である。
【図7】本発明の液体吐出ヘッドが適用される液体吐出装置の一実施形態を説明するためのインクジェット記録装置の模式的斜視図である。
【図8】従来技術の液体吐出ヘッドにおけるヒータ回路の概念を示す模式図である。
【符号の説明】
【0037】
1、6 ヒータ回路
10、60 電源
20、70 配線部
21 主配線
22 付加配線
23 ヒューズ素子
29 抵抗部側端子
30 抵抗部
31 スイッチング素子側端子
40 スイッチング素子




 

 


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