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記録ヘッド、ヘッドカートリッジ、及び記録装置 - キヤノン株式会社
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発明の名称 記録ヘッド、ヘッドカートリッジ、及び記録装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−8064(P2007−8064A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−193083(P2005−193083)
出願日 平成17年6月30日(2005.6.30)
代理人 【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
発明者 松居 孝浩 / 今仲 良行 / 竹内 創太 / 初井 琢也 / 山口 孝明 / 久保 康祐 / 田中 壮平
要約 課題
記録ヘッドと記録装置本体との接続状態を確認する回路が、実際に記録を行う際に悪影響を及ぼさないようにする。

解決手段
記録装置本体から入力される、記録信号(DATA)、該記録信号を転送するためのクロック信号(CLK)、及び記録信号に応じた記録動作を制御するための制御信号(LT、HE)のそれぞれに対応した接続端子を介した記録装置本体との接続状態を確認するための接続状態出力回路において、接続状態の確認時には、接続状態を反映した信号を出力し、記録動作時には出力される信号が変化しないように構成する。
特許請求の範囲
【請求項1】
記録装置本体に着脱可能な記録ヘッドであって、
前記記録装置本体から入力される、記録信号、該記録信号を転送するためのクロック信号、及び前記記録信号に応じた記録動作を制御するための制御信号のそれぞれに対応した接続端子と、
該接続端子を介した前記記録装置本体との接続状態を確認すべく、前記記録信号、前記クロック信号、及び前記制御信号が入力され、それらの信号の論理演算を行って、前記接続状態を反映した信号を出力する接続状態出力回路と、を備えており、
前記接続状態出力回路は、前記接続状態の確認時には、前記接続状態を反映した信号を出力し、記録動作時には出力される信号が変化しないように構成されていることを特徴とする記録ヘッド。
【請求項2】
前記制御信号は、入力された前記記録信号を確定するためのラッチ信号と、前記記録信号に応じた記録動作を実行させるための駆動信号との少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項1に記載の記録ヘッド。
【請求項3】
前記記録信号及び前記クロック信号は正論理のデジタル信号であり、前記制御信号は負論理のデジタル信号であることを特徴とする請求項1に記載の記録ヘッド。
【請求項4】
前記接続状態出力回路は、該回路に入力される信号の論理積を演算するAND回路を有し、前記入力される信号の1つが反転された信号であることを特徴とする請求項3に記載の記録ヘッド。
【請求項5】
前記接続状態出力回路は、該回路に入力される信号の論理積を演算するAND回路を有し、前記入力される信号の1つを除いた他の信号が反転された信号であることを特徴とする請求項3に記載の記録ヘッド。
【請求項6】
前記制御信号が複数の信号を含み、
前記接続状態出力回路は、前記記録信号及び前記クロック信号の論理積を演算する第1のAND回路と、前記複数の信号の論理積を演算する第2のAND回路と、前記第1及び第2のAND回路の出力の論理積を演算する第3の論理回路と、前記複数の信号のいずれかを前記第2のAND回路に入力される前に反転させるインバータとを含むことを特徴とする請求項4または5に記載の記録ヘッド。
【請求項7】
前記記録信号に応じて液体を吐出する記録素子を含むことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の記録ヘッド。
【請求項8】
請求項7に記載の記録ヘッドと、吐出される液体を保持し、該液体を前記記録ヘッドに供給するタンクとを含むことを特徴とするヘッドカートリッジ。
【請求項9】
前記接続状態の確認時用の信号と、前記記録動作時用の信号とを出力し、請求項7に記載の記録ヘッドを用いて記録媒体に記録を行うことを特徴とする記録装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は記録ヘッド、ヘッドカートリッジ、及び記録装置に関し、特に、記録ヘッド内に設けられた記録ヘッドと記録装置本体との接続状態を確認する回路に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ、ファクシミリ等に於ける情報出力装置として、所望される文字や画像等の情報を用紙やフィルム等シート状の記録媒体に記録を行うプリンタが広く使用されている。
【0003】
現在知られている記録方式の中で、インクジェット方式の記録装置は、いわゆるノンインパクト記録方式の記録装置であり、様々な特徴を有している。具体的には、高速な記録が可能であること、様々な記録媒体に対して記録することが可能であること、記録の際の騒音が殆ど生じないことなどである。このようなことから、インクジェット記録装置は、プリンタ、複写機、ファクシミリ、ワードプロセッサ等の記録機構を担う装置として、広く採用されている。
【0004】
インクジェット記録装置に搭載される記録ヘッドにおける代表的な液体(インク)吐出方式として、いくつかの方式が知られている。例えば、ピエゾ素子などの電気機械変換体を用いたものや、熱エネルギーを利用して液滴を吐出させるものが知られている。これらの方式のうち、電気熱変換素子(ヒータ)によって液体を加熱し、膜沸騰の作用により液滴を吐出させるインクジェット記録ヘッドは広く実用化されている。その構成は、電気熱変換素子を記録液室内に設け、これに記録信号となる電気パルスを供給して発熱させることにより液体に熱エネルギーを与えるものである。そして、液体の相変化により生じる、液体の発泡時(沸騰時)の気泡圧力を利用して、微小な吐出口(ノズル)から微小な液滴を吐出させて、記録媒体に対し記録を行う。
【0005】
上記のようなインクジェット記録ヘッドを備えた記録装置は、低コストで高品位な文字や画像が出力可能である。特に、液体に膜沸騰を生じせしめ気泡の形成(発生、成長、消泡、消滅)に伴って、液滴を吐出させる方式を採用したプリンタは、低価格でカラープリントを行うことができる利点から、市場の大半を占めている。このプリンタは、黒系液体としてのブラックインクに加え、シアン、マゼンタ、イエローのカラー系液体(インク)を用い、使用するインクの種類に対応して、上記の方式の記録ヘッドを備えている。
【0006】
一般に、各記録ヘッド部の吐出口は、数的には高画質化の傾向から、64個から128個、さらには256個等に増えており、1インチ当たりの吐出口数で示される「dpi」の単位で、300dpi、600dpi等の高密度な配置になっている。これらの吐出口に対して配置される電気熱変換体としての発熱体(ヒータ)は、数μsecオーダーから10μsecオーダーのパルス的な駆動によって膜沸騰による気泡を形成するが、高周波的な駆動により、高速で、高画質なプリントを実現している。
【0007】
一方、上記の方式を改良した方式として、気泡を大気に連通させることで、液滴を一定化せしめ、微小液滴の吐出を可能にした大気連通方式を用いたプリンタが市場に投入されている。このプリンタも、上述のプリンタと同様のブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色用の記録ヘッドを有し、各記録ヘッドでこの方式を用いることで、微小液滴の安定吐出量の確保し、高画質プリントを達成している。
【0008】
銀塩写真と同等の高品位カラー記録を達成するためには、紙上でドットが見えない(粒状感が無い)程度に小ドット化することが必要である。この場合、カラーインクの液滴は、約5pl(ピコリットル、10−12リットル)、ドット径40〜50μm、解像度600×1200〜1200×1200dpi(dpiは1インチ当たりのドット数を示す単位)程度となるような設定がなされる。上記大気連通方式のプリンタではそのような設定に十分対応可能である。
【0009】
以上説明した記録ヘッドと記録装置本体とを電気的に接続する手段は、記録ヘッドを搭載して往復移動させるキャリッジに設けられている。具体的にはキャリッジに複数の接点を設け、記録ヘッドがキャリッジに装着された際に、記録ヘッド側に設けられた複数の接点と接することにより、記録ヘッドとインクジェット記録装置本体との電気的な接続がなされる。
【0010】
この電気的接続状態を監視する構成を設けた記録ヘッド及び記録装置が、特許文献1に開示されている。記録装置本体から記録ヘッドの入力端子へ入力される記録信号、記録信号を転送するためのクロック信号、記録信号による記録動作のための制御信号の論理積を演算するAND回路、及び演算の結果を出力する出力端子が、記録ヘッドに設けられている。これによって、記録ドット抜けなどの記録不良や、接点不良が起因となる記録ヘッドの破壊などを防止することができる。このような接続状態の確認又は監視は、特にインクタンクと一体化され、インクジェット記録装置本体に着脱可能な記録ヘッドカートリッジにおいて重要となる。
【特許文献1】特開平8−252909号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上述した記録信号とクロック信号と制御信号の論理積を演算し、その結果を出力することで記録ヘッドと記録装置本体との電気的接続状態を確認する構成では、通常の記録動作時に問題が生じる。すなわち、通常の記録動作においてヒータを駆動する際には次の記録動作を行うための各信号が記録ヘッドに入力される。従って、記録動作中に、入力されたクロック信号や制御信号に対応した信号が、接続状態を出力する出力端子から出力され、この出力信号がノイズとなってデータ信号等に影響し、記録に不具合が発生する可能性がある。
【0012】
図2Aから2Cを参照して従来の接続状態出力回路について説明する。図2Aの回路図に示されたように、記録装置から入力される記録信号(DATA)、記録信号を転送するためのクロック信号(CLK)、ヒータを駆動するための駆動信号(HE)、記録信号を保持回路にラッチするためのラッチ信号(LT)が入力される。そして記録信号とクロック信号の論理積をAND回路11で、駆動信号とラッチ信号の論理積をAND回路12でそれぞれ演算し、2つのAND回路からの出力の論理積を後段のAND回路13で演算して、接続状態出力端子(CNO)から演算結果が出力される。
【0013】
ここで、制御系信号であるラッチ信号(LT)と駆動信号(HE)は、信号がローレベル(Low)でONとなる負論理(ローアクティブ)のデジタル信号となっている。これは、負論理とした方がノイズマージンが有利となるためである。また、全ての信号を正論理とすると、ショート等が発生したときに、ラッチ信号が常にON状態となってヒータが駆動され、断線が発生する可能性もある。以上のような理由で、記録信号及びクロック信号を正論理とする一方、制御信号(LT,HE)を負論理とすることが回路設計では一般的である。
【0014】
このため、無信号、つまり論理で“偽(0)”の時にはプルアップ抵抗でハイレベル(High)に吊っておき、論理“真(1)”のときにローレベルとなる。一方、記録信号(DATA)及びクロック信号(CLK)は、信号がハイレベルでONとなる正論理(ハイアクティブ)のデジタル信号であり、無信号時はGNDレベルとなるようにプルダウン抵抗に接続されている。
【0015】
図2Bは、図2Aの接続状態出力回路で、記録ヘッドと記録装置本体の接続状態を確認する場合に、記録装置から入力される各信号と、CNOからの出力信号の状態を示すタイミングチャートである。図2Aの回路では、ラッチ信号、駆動信号、記録信号及びクロック信号の全てがハイレベルである場合にのみ、CNO出力信号がハイレベルとなる。従って、記録装置本体からある任意のタイミングで各入力信号をハイで入力し、CNO出力信号がハイレベルとなった場合に、記録ヘッドと記録装置本体との電気的接続が確認される。
【0016】
しかしながら上述のように、実際の記録動作実行時に、インクを吐出するために記録ヘッドに設けられた複数の電気熱変換素子を駆動する際も、同様の信号が記録ヘッドに入力される。
【0017】
図2Cは、実際にヒータを駆動する際に入力される各信号と、その際のCNOからの出力信号の状態を示すタイミングチャートである。記録信号(DATA)をクロック信号(CLK)と同期して入力し、ラッチ信号(LT)を入力して記録信号を確定させる。その後で駆動信号(HE)を入力すると、選択されたヒータが駆動されてインクが吐出される。ラッチ信号(LT)及び駆動信号(HE)は、記録信号(DATA)の入力が完了するまで無信号、すなわちハイレベルである。記録信号(DATA)とクロック信号(CLK)は同期している。
【0018】
従って、CNO端子から出力される信号は、記録信号(DATA)及びクロック信号(CLK)を反映したトグル状の信号となる。この出力信号は、クロック信号とほぼ同じ周波数、あるいはその整数分の1の周波数などのクロック信号に関連した周波数で出力されるため、ノイズとなって記録信号等に悪影響を及ぼし、記録不良を引き起こす可能性がある。
【0019】
本発明は以上のような状況に鑑みてなされてものであり、記録ヘッドと記録装置本体との接続状態を確認する回路が、実際に記録を行う際に悪影響を及ぼさないようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記目的を達成する本発明の一態様としての記録ヘッドは、記録装置本体に着脱可能な記録ヘッドであって、
前記記録装置本体から入力される、記録信号、該記録信号を転送するためのクロック信号、及び前記記録信号に応じた記録動作を制御するための制御信号のそれぞれに対応した接続端子と、
該接続端子を介した前記記録装置本体との接続状態を確認すべく、前記記録信号、前記クロック信号、及び前記制御信号が入力され、それらの信号の論理演算を行って、前記接続状態を反映した信号を出力する接続状態出力回路と、を備えており、
前記接続状態出力回路は、前記接続状態の確認時には、前記接続状態を反映した信号を出力し、記録動作時には出力される信号が変化しないように構成されている。
【0021】
すなわち、本発明では、記録装置本体に着脱可能な記録ヘッドに、記録装置本体から入力される、記録信号、該記録信号を転送するためのクロック信号、及び記録信号に応じた記録動作を制御するための制御信号のそれぞれに対応した接続端子と、該接続端子を介した記録装置本体との接続状態を確認すべく、記録信号、クロック信号、及び制御信号が入力され、それらの信号の論理演算を行って、接続状態を反映した信号を出力する接続状態出力回路と、を備え、接続状態出力回路を、接続状態の確認時には、接続状態を反映した信号を出力し、記録動作時には出力される信号が変化しないように構成する。
【0022】
このようにすると、記録装置本体と記録ヘッドとの接続状態を確認する接続状態出力回路の出力が、実際に記録を行う際に、クロック信号に関連した周波数で変化することがなくなる。
【0023】
従って、記録ヘッドと記録装置本体との接続状態を確認する回路が、実際に記録を行う際に他の信号(特に記録信号)等に悪影響を及ぼすことが回避される。
【0024】
なお、制御信号は、入力された前記記録信号を確定するためのラッチ信号と、記録信号に応じた記録動作を実行させるための駆動信号との少なくともいずれかを含んでいてもよい。
【0025】
記録信号及びクロック信号は正論理のデジタル信号であり、制御信号は負論理のデジタル信号であってもよい。
【0026】
接続状態出力回路が、該回路に入力される信号の論理積を演算するAND回路を有し、入力される信号の1つ、あるいは入力される信号の1つを除いた他の信号が反転された信号であってもい。
【0027】
その場合、制御信号が複数の信号を含み、接続状態出力回路が、記録信号及びクロック信号の論理積を演算する第1のAND回路と、複数の信号の論理積を演算する第2のAND回路と、第1及び第2のAND回路の出力の論理積を演算する第3の論理回路と、複数の信号のいずれかを第2のAND回路に入力される前に反転させるインバータとを含む構成としてもよい。
【0028】
また、上記の目的は、上記記録ヘッドが液体を吐出する記録素子を含む記録ヘッドである場合、該記録ヘッドと該記録ヘッドに液体を供給するタンクとを含むヘッドカートリッジ、上記記録ヘッドを用いて記録媒体に記録を行う記録装置によっても達成される。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、記録を行うために電気熱変換素子を駆動する際には、接続状態を出力する出力端子から無信号状態の信号が出力されるため、記録信号に影響を及ぼすノイズが発生せず正確な記録動作を実現することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下に、添付図面を参照して、本発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0031】
なお、この明細書において、「記録」(「プリント」という場合もある)とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、広く解釈されるべきものである。詳細には、有意無意を問わず、また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、または媒体の加工を行う場合も表すものとする。
【0032】
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものも表すものとする。
【0033】
さらに、「インク」や「液体」とは、上記「記録(プリント)」の定義と同様広く解釈されるべきものである。詳細には、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成または記録媒体の加工、或いはインクの処理(例えば記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固または不溶化)に供され得る液体を表すものとする。
【0034】
以下に用いる記録素子基板とは、シリコン半導体からなる単なる基体を指し示すものではなく、各素子や配線等が設けられた構成を指し示すものである。
【0035】
さらに、基板上とは、単に素子基板の上を指し示すだけでなく、素子基板の表面、表面近傍の素子基板内部側をも示すものである。また、本発明でいう配置とは、別体の各素子を単に基体表面上に別体として置くことを指し示している言葉ではなく、各素子を半導体回路の製造工程等によって素子板上に一体的に形成、製造することを示すものである。
【0036】
始めに、本発明に係る記録ヘッドの機械的構成、並びに該記録ヘッドを用いて記録を行うインクジェット記録装置について概略説明する。
【0037】
(記録ヘッド)
図6から図8は、本発明が実施または適用される好適な記録ヘッドを説明するための説明図である。以下、これらの図面を参照して各構成要素について説明する。
【0038】
本実施形態の記録ヘッドは、インクタンク一体型の構成である。図6の(a)および(b)に示すような、ブラックインクが充填された第1の記録ヘッドH1000と、カラーインク(シアンインク、マゼンタインク、イエローインク)が充填された第2の記録ヘッドH1001との2つの記録ヘッドがある。これら2つの記録ヘッドH1000、H1001は、インクジェット記録装置本体に搭載されているキャリッジ上に、位置決め手段および電気的接点によって固定支持されるとともに、キャリッジに対して着脱可能となっている。充填されているインクが消費されてなくなった場合は、記録ヘッドを交換することができる。
【0039】
以下、これら記録ヘッドH1000、H1001に関して、記録ヘッドを構成しているそれぞれの構成要素を詳細に説明する。
【0040】
第1の記録ヘッドH1000及び第2の記録ヘッドH1001は、いずれも電気信号に応じて膜沸騰をインクに対して生じせしめるための熱エネルギを生成する電気熱変換体を用いたバブルジェット(登録商標)方式の記録ヘッドである。詳細には、電気熱変換体とインク吐出口とが対向するように配置された、いわゆるサイドシュータ型の記録ヘッドである。
【0041】
以下では第1の記録ヘッドH1000についてのみ説明する。シアン、マゼンタ、イエロー等の複数色のインクを吐出させるための第2の記録ヘッドH1001も、第1の記録ヘッドH1000と基本的な構成は同じであるので、説明を省略する。
【0042】
図7は、第1の記録ヘッドH1000の分解斜視図である。第1の記録ヘッドH1000は、記録素子基板H1100、電気配線テープH1300、インク供給保持部材H1500、フィルタH1700、インク吸収体H1600、蓋部材H1900、およびシール部材H1800から構成されている。
【0043】
(記録素子基板H1100)
図8は、記録素子基板H1100の構成を説明するための図で、一部破断して示す斜視図である。記録素子基板H1100は、例えば、厚さ0.5mm〜1mmのSi基板H1110に、インク流路である長溝状の貫通口のインク供給口H1102をSiの結晶方位を利用した異方性エッチングやサンドブラストなどの方法で形成したものである。
【0044】
Si基板H1110には、インク供給口H1102を挟んでその両側に、電気熱変換素子H1103が1列ずつ並べて配置されており、さらに電気熱変換素子H1103に電力を供給するAlなどからなる不図示の電気配線が形成されている。これら電気熱変換素子H1103と電気配線は、既存の成膜技術を利用して形成することができる。各列の電気熱変換素子H1103は、互いに千鳥状になるように配列されている。すなわち、各列の吐出口の位置が、その列方向に直交する方向に並ばないように少しずれて配置されている。
【0045】
また、Si基板H1110には、電気配線に電力を供給したり、電気熱変換素子H1103を駆動するための電気信号を供給したりするための電極部H1104が、電気熱変換素子H1103の列の両端に位置する側の辺部に沿って配列されている。また、それぞれの電極部H1104上にはAuなどからなるバンプH1105が形成されている。
【0046】
Si基板H1110上の、配線および抵抗素子などの記憶素子のパターンが形成された面上には、電気熱変換素子H1103ごとにインク流路を備える、樹脂材料からなる構造体がフォトリソ技術によって形成されている。この構造体は、各インク流路を区切るインク流路壁H1106とその上方を覆う天井部とを有し、天井部には吐出口H1107が開口されている。吐出口1107は、電気熱変換素子H1103のそれぞれに対向して設けられており、これにより吐出口群H1108を形成している。
【0047】
上記のように構成された記録素子H1100では、インク流路H1102から供給されたインクは、各電気熱変換素子H1103の発熱によって発生した気泡の圧力によって、各電気熱変換素子H1103に対向する吐出口1107から吐出される。
【0048】
(電気配線テープH1300)
図7に示すように、電気配線テープH1300は、記録素子基板H1100に対してインクを吐出するための電気信号を印加する電気信号経路を形成するものであり、ポリイミドのベース基材上に銅箔の配線パターンを形成することで構成されている。また、記録素子基板H1100を組み込むための開口部H1303が形成されており、この開口部の縁付近には、記録素子基板H1100の電極部H1104に接続される電極端子H1304が形成されている。さらに、電気配線テープH1300には、本体装置からの電気信号を受け取るための外部信号入力端子H1302が形成されており、この外部信号入力端子H1302と電極端子H1304が連続した銅箔の配線パターンでつながれている。
【0049】
電気配線テープH1300と記録素子基板H1100の電気的接続は、圧着等によりなされる。例えば、記録素子基板H1100の電極部H1104に形成されたバンプH1105と、記録素子基板H1100の電極部H1104に対応する電気配線テープH1300の電極端子H1304とが熱超音波圧着法により電気接合されることでなされている。
【0050】
また、記録素子基板H1100の接着面周囲の平面には、電気配線テープH1300の一部の裏面が第2の接着剤により接着固定される。記録素子基板H1100と電気配線テープH1300との電気接続部分は、第1の封止剤および第2の封止剤により封止され、これにより電気接続部分をインクによる腐食や外的衝撃から保護している。第1の封止剤は、主に電気配線テープH1300の電極端子H1302と第1の記録素子基板H1100のバンプH1105との接続部の裏面側と第1の記録素子基板H1100の外周部分を封止している。一方、第2の封止剤は、上述の接続部の表側を封止している。
【0051】
図7に示したように、第1の記録ヘッドH1000及び不図示の第2の記録ヘッドは下記の部材を備えている。インクジェット記録装置本体のキャリッジの装着位置に案内するための装着ガイドH1560。ヘッドセットレバーによりキャリッジに装着固定するための係合部H1930。キャリッジの所定の装着位置に位置決めするためのX方向(キャリッジスキャン方向)の突き当て部H1570。Y方向(記録メディア搬送方向)の突き当て部H1580。Z方向(インク吐出方向)の突き当て部H1590。これら突き当て部により位置決めされることで、電気配線テープH1300およびH1301上の外部信号入力端子H1302とキャリッジ内に設けられた電気接続部のコンタクトピンとの正確な電気的接触が可能となっている。
【0052】
<インクジェット記録装置>
次に、上述したようなカートリッジタイプの記録ヘッドを搭載可能な液体吐出記録装置について説明する。図9は、本発明のインクジェット記録ヘッドを搭載可能な記録装置の一例を示す説明図である。
【0053】
図9を参照すると、この記録装置は、図6から8に示した記録ヘッドH1000および不図示の第2の記録ヘッドが位置決めされて交換可能に搭載されるキャリッジ102を有する。キャリッジ102には、記録ヘッド上の外部信号入力端子を介して各吐出部に駆動信号等を伝達するための電気接続部が設けられている。
【0054】
キャリッジ102は、主走査方向に延在して装置本体に設置されたガイドシャフト103に沿って往復移動可能に支持されている。そして、キャリッジ102は、主走査モータ104によりモータプーリ105、従動プーリ106およびタイミングベルト107等の駆動機構を介して駆動されるとともに、その位置および移動が制御される。また、キャリッジ102にはホームポジションセンサ130が設けられている。キャリッジ102上のホームポジションセンサ130が遮蔽板136の位置を通過した際に、ホームポジションとなる位置が検出される。
【0055】
記録用紙やプラスチック薄板等の記録媒体108は、給紙モータ135がギアを介してピックアップローラ131を回転させることにより、記録媒体108がオートシートフィーダ(ASF)132から一枚ずつ分離給紙される。さらに、記録媒体108は、搬送ローラ109の回転により、記録ヘッドの吐出口面と対向する位置(プリント部)を通って搬送(副走査)される。LFモータ134による駆動は、ギアを介して搬送ローラ109に伝達される。給紙されたかどうかの判定と給紙時の頭出し位置の確定は、記録媒体108がペーパエンドセンサ133を通過した時点で行われる。このペーパエンドセンサ133は、記録媒体108の後端が実際にどこに有り、実際の後端から現在の記録位置を最終的に割り出すためにも使用される。
【0056】
なお、記録媒体108は、プリント部において平坦なプリント面を形成するように、その裏面がプラテン(不図示)により支持される。この場合、キャリッジ102に搭載された記録ヘッドは、それらの吐出口面がキャリッジ102から下方へ突出して2組の搬送ローラ対の間で記録媒体108と平行になるように保持されている。
【0057】
記録ヘッドは、各吐出部における吐出口の並び方向がキャリッジ102の走査方向に対して交差する方向になるようにキャリッジ102に搭載され、これらの吐出口列から液体を吐出して記録を行う。
【0058】
また、第2記録ヘッドと同じ構成で、内部のインクがライトマゼンタ、ライトシアン、ブラックで構成された記録ヘッドと交換して使うことで高画質フォトプリンタとして使用することも可能である。
【0059】
<記録ヘッドの回路構成>
以下、本発明に係る記録ヘッドの回路構成について、記録装置本体との接続状態を確認するための接続状態出力回路について、いくつかの実施形態を例にあげて説明する。
【0060】
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態の記録ヘッドH1000の記録素子基板H1100に形成された回路構成を示す図である。なお、記録素子基板H1100は、Si基板H1110の上に半導体素子と配線を半導体プロセスで形成している。この実施形態における記録ヘッドH1100には、インク供給口H1102に対して、一列あたりn個のノズルが備えられている。このノズルそれぞれに対応して、ノズル中のインクを加熱する電気熱変換素子H1103と、電気熱変換素子H1103を駆動する駆動素子(ドライバトランジスタ)H1116が設けられている。この電気熱変換素子、駆動素子、及びノズルをあわせて記録素子と呼ぶ。
【0061】
また、記録素子基板H1100には、記録装置本体との電気的接点として、記録信号(DATA)、クロック信号(CLK)、制御信号としてのラッチ信号(LT)及び駆動信号(HE)の4つの信号を入力するための入力端子がそれぞれ設けられている。すなわち、記録信号入力端子H1121、クロック信号入力端子H1120、ラッチ信号入力端子H1123、駆動信号入力端子H1122である。また、図1の記録ヘッドは、n個の記録素子を複数のブロックに分割して駆動する分割駆動を採用している。
【0062】
更に、H1127は接続状態出力回路、H1126は該接続状態出力回路の出力端子、H1124は、駆動電圧ラインH1113に駆動電圧を供給するための駆動電圧入力端子、H1125は、GNDラインH1114に接続されたGND端子である。H1118記録信号をクロック信号に従って順次シフトするシフトレジスタ、H1117は該シフトレジスタからの出力信号の状態を保持するラッチ回路、H1119及びH1112は駆動する駆動素子を選択する論理回路である。なお、H1120〜H1125で示した接続用の端子は、図8に示した電極部H1004を構成する。
【0063】
このような記録ヘッドの駆動は以下のような手順でなされる。
【0064】
クロック信号入力端子H1120から入力されるクロック信号に同期して、記録信号入力端子H1121より記録信号が入力され、入力された記録信号の状態(記録データ)は順次シフトレジスタH1118に保持される。このようにして所定ビットの記録データがシフトレジスタH1118に入力・保持されると、ラッチ信号入力端子H1123にラッチ信号が入力される。シフトレジスタH1118の次段にあるラッチ回路H1117は、ラッチ信号の入力されたタイミングでシフトレジスタに保持された記録データをラッチする。また、記録データの一部はn個の電気熱変換素子H1103を分割して駆動するためのブロック選択信号(BLE)としてデコーダ(不図示)に入力される。このブロック選択信号によって選択された記録素子の内、駆動信号入力端子H1122に入力される駆動信号と、ラッチ回路H1117より出力される記録信号との論理積を演算するAND回路H1119からの出力によって選択された記録素子が駆動される。駆動された記録素子のノズルからインクが吐出され、記録動作がなされる。
【0065】
次に、本実施形態で、記録ヘッドH1000と記録装置本体との電気的接続状態を確認するための手順について説明する。
【0066】
記録ヘッドH1000は、図9に示すように記録装置本体のキャリッジ102に装着される。キャリッジ102には、記録ヘッドH1000の電極部H1004と接続するための電気的接点を有するコンタクト部(不図示)が設けられている。従って、記録ヘッドH1000をキャリッジH1302に装着すると、キャリッジの電気的接点が記録ヘッドH1000に設けられている種々の電気信号を授受する電極部H1004と接触し、電気的な接続がなされる。
【0067】
本実施形態では、記録ヘッドH1000に、記録装置本体との電気的接続状態を確認する手段として、接続状態出力回路H1127が設けられており、この回路の出力信号が出力端子H1126(CNO)を介して記録装置本体に出力される。
【0068】
図3Aはこの接続状態出力回路H1127を詳細に示す回路図である。本実施形態の接続状態出力回路は、3つのAND回路を有している。第1のAND回路11は、記録信号(DATA)とクロック信号(CLK)との論理積を演算する。第2のAND回路12は、ラッチ信号(LT)と駆動信号(HE)との論理積を演算する。第3のAND回路13は、第1のAND回路11と第2のAND回路12との演算結果の論理積を演算する。ここでラッチ信号(LT)は、第2のAND12に入力される前にインバータ21によって信号が反転される。第3のAND回路13からの出力は、接続状態出力端子(CNO)H1126より、記録装置本体へ出力される。
【0069】
図3Bは、記録ヘッドと記録装置本体の接続状態を確認する場合に記録装置から記録ヘッドへ入力される各信号と、接続状態出力端子H1126より出力される出力信号(CNO出力)の状態を示すタイミングチャートである。
【0070】
ここで、制御系信号であるラッチ信号(LT)と駆動信号(HE)は、信号がローレベルでONとなる負論理(ローアクティブ)のデジタル信号である。負論理とは無信号、つまり論理で“偽(0)”の時にはプルアップ抵抗でハイ側に吊っておき、論理“真(1)”のときにローレベルとなる。このようにする理由は、半導体素子としてCMOSが用いられる前には、TTLで回路を構成していたが、TTL回路を5Vで駆動する場合、TTL回路がローレベルと認識する範囲が狭いことに起因している。具体的には、ハイレベルについては5〜3Vの範囲であるのに対して、ローレベルについては0〜0.8V程度の範囲であった。
【0071】
一方、記録信号(DATA)及びクロック信号(CLK)は信号がハイレベルでONとなる正論理(ハイアクティブ)のデジタル信号であり、無信号時はGNDレベルとなるようにプルダウン抵抗に接続されている。これは全ての信号を正論理とすると、信号系のショートや電源系に不具合が生じ、全ての信号がハイレベルになったときに、記録素子の駆動制御が不可能になるためである。本実施形態では、このような状態になることを防ぐため、異なる論理の信号を使用しており、通常ノイズマージンが有利なことから、制御系信号であるラッチ信号と駆動信号を負論理とし、クロック信号と記録信号を正論理としている。
【0072】
また、本実施形態では、接続状態出力端子H1126から出力されるCNO出力は信号がハイレベルでONとなる正論理(ハイアクティブ)のデジタル信号であり、無信号時はGNDレベルとなるようにプルダウン抵抗に接続されている。
【0073】
まず、第1の期間T1において、記録装置本体から記録ヘッドへ、記録信号(DATA)、クロック信号(CLK)、ラッチ信号(LT)、駆動信号(HE)を全てハイレベルにする。このうち、記録信号(DATA)とクロック信号(CLK)は第5の期間T5までハイレベルを維持させる。次に第2の期間T2において、ラッチ信号(LT)をローレベルに変更する。この状態でCNO出力よりハイレベルの信号が出力されると、記録信号入力端子H1121、クロック信号入力端子H1120、ラッチ信号入力端子H1123と記録装置本体との電気的接続が確認される。ラッチ信号(LT)は第4の期間T4までローレベルを維持させる。その後第3の期間T3において、駆動信号(HE)をローレベルに変更する。この状態でCNO出力の状態がハイレベルからローレベルになると、駆動信号入力端子H1122と記録装置本体との電気的接続も確認される。その後、第4の期間T4で駆動信号(HE)をハイレベルに戻し、第5の期間T5でラッチ信号(LT)をハイレベルに戻して、接続状態確認処理を終了する。
【0074】
このようにして、記録ヘッドH1000と記録装置本体との電気的接続が正常であると判断される。この接続状態確認処理を、記録装置の電源投入時や記録動作開始前(スタンバイ時)に行うことで、記録ドット抜けなどの記録不良や、接続不良に起因する記録ヘッドの破壊などを防止することができる。
【0075】
以上、接続状態出力回路H1127によって、記録ヘッドと記録装置本体との電気的接続状態を確認する処理について説明した。しかしながら、上述のように、実際の記録動作実行時にもこれらの入力端子には信号が入力される。以下、本実施形態における、実際の記録動作の実行時の接続状態出力回路H1127の動作と、接続状態出力端子H1126から出力される信号(CNO出力)について検討する。
【0076】
図3Cは、本実施形態における実際の記録動作時の、各信号の状態を示すタイミングチャートである。所定周波数のクロック信号(CLK)が入力され、これに同期して記録信号(DATA)が入力される。そして、記録信号の各データがシフトレジスタ内に保持されると、シフトレジスタの次段に設けたラッチ回路へ記録信号を出力するため、ラッチ信号(LT)がローレベルにされる。その後、駆動信号(HE)をローレベルにすることで選択された記録素子が駆動されてインクが吐出される。
【0077】
ここで、ラッチ信号(LT)がローレベルとなっている間は、シフトレジスタの状態を維持する必要があるため、記録装置本体から記録ヘッドへ記録信号(DATA)は入力されない。また、本実施形態では、駆動信号(HE)がアクティブ(ローレベル)となっている間には、記録装置本体は次の記録信号(DATA)を出力しないように制御する。
【0078】
本実施形態の接続状態出力回路H1127では、CNO出力が“真(1)”となるのは、記録信号(DATA)、クロック信号(CLK)及び駆動信号(HE)がハイレベルで、且つラッチ信号(LT)がローレベルとなる場合である。ところが、上記のように、ラッチ信号(LT)がローレベルとなっている間は、記録装置本体から記録ヘッドへ記録信号(DATA)は入力されない。従って、実際の記録動作において、接続状態出力回路H1127からのCNO出力が“真(1)”となることはなく、接続状態出力端子H1126からのCNO出力は、常にGNDレベル(無信号)となる。
【0079】
以上説明したように、本実施形態によれば、記録動作の実行時に、接続状態出力端子H1126から出力される信号が常にGNDレベルとなるため、他の信号、特に記録信号に影響するノイズを発生することが無い。このため、記録ヘッドと記録装置本体との接続状態を確認する回路が、実際に記録を行う際に他の信号(特に記録信号)等に悪影響を及ぼすことが回避される。
【0080】
<第2の実施形態>
以下、本発明の記録ヘッドに係る接続状態出力回路の第2の実施形態について説明する。以下の説明では、上記第1の実施形態と同様な部分については詳細な説明を省略し、本実施形態の特徴的な部分を中心に説明する。
【0081】
図4Aは、本実施形態の接続状態出力回路H1127の構成を示す回路図である。本実施形態の接続状態出力回路も、第1の実施形態と同様に、記録信号(DATA)、クロック信号(CLK)、ラッチ信号(LT)及び駆動信号(HE)が入力される。第1のAND回路11は、記録信号(DATA)とクロック信号(CLK)との論理積を演算し、第2のAND回路12は、ラッチ信号(LT)と駆動信号(HE)との論理積を演算する。第3のAND回路13は、第1のAND回路11と第2のAND回路12との演算結果の論理積を演算する。ここで本実施形態では駆動信号(HE)は、第2のAND12に入力される前にインバータ21によって信号が反転される。第3のAND回路13からの出力は、接続状態出力端子(CNO)H1126より、記録装置本体へ出力される。
【0082】
図4Bは、本実施形態で記録ヘッドと記録装置本体の接続状態を確認する場合に記録装置から記録ヘッドへ入力される各信号と、接続状態出力端子H1126より出力される出力信号(CNO出力)の状態を示すタイミングチャートである。
【0083】
本実施形態でも、第1の実施形態と同様に、制御系信号であるラッチ信号(LT)と駆動信号(HE)は、信号がローレベルでONとなる負論理(ローアクティブ)のデジタル信号である。また、記録信号(DATA)及びクロック信号(CLK)は信号がハイレベルでONとなる正論理(ハイアクティブ)のデジタル信号である。
【0084】
まず、第1の期間T1において、記録装置本体から記録ヘッドへ、記録信号(DATA)、クロック信号(CLK)、ラッチ信号(LT)、駆動信号(HE)を全てハイレベルで入力する。このうち、記録信号(DATA)とクロック信号(CLK)は第5の期間T5までハイレベルを維持させる。次に第2の期間T2において、駆動信号(HE)をローレベルに変更する。この状態でCNO出力よりハイレベルの信号が出力されると、記録信号入力端子H1121、クロック信号入力端子H1120、駆動信号入力端子H1122と記録装置本体との電気的接続が確認される。駆動信号(HE)は第4の期間T4までローレベルを維持すさせる。その後第3の期間T3において、ラッチ信号(LT)をローレベルに変更する。この状態でCNO出力の状態がハイレベルからローレベルになると、ラッチ信号入力端子H1123と記録装置本体との電気的接続も確認される。その後、第4の期間T4でラッチ信号(LT)をハイレベルに戻し、第5の期間T5で駆動信号(HE)をハイレベルに戻して、接続状態確認処理を終了する。
【0085】
このようにして、記録ヘッドH1000と記録装置本体との電気的接続が正常であると判断される。この接続状態確認処理を、記録装置の電源投入時や記録動作開始前(スタンバイ時)に行うことで、記録ドット抜けなどの記録不良や、接続不良に起因する記録ヘッドの破壊などを防止することができる。
【0086】
次に、本実施形態における、実際の記録動作の実行時の接続状態出力回路H1127の動作と、接続状態出力端子H1126から出力される信号(CNO出力)について検討する。
【0087】
図4Cは、本実施形態における実際の記録動作時の、各信号の状態を示すタイミングチャートである。本実施形態の4つの入力信号のタイミングは、第1の実施形態と同様である。従って、ラッチ信号(LT)がローレベルとなっている間は、記録装置本体から記録ヘッドへ記録信号(DATA)は入力されない。また、駆動信号(HE)がアクティブ(ローレベル)となっている間には、記録装置本体は次の記録信号(DATA)を出力しないように制御する。
【0088】
本実施形態の接続状態出力回路H1127では、CNO出力が“真(1)”となるのは、記録信号(DATA)、クロック信号(CLK)及びラッチ信号(LT)がハイレベルで、且つ駆動信号(HE)がローレベルとなる場合である。ところが、上記のように、駆動信号(HE)がアクティブ(ローレベル)となっている間には、記録装置本体からは次の記録信号(DATA)は出力されない。従って、実際の記録動作において、接続状態出力回路H1127からのCNO出力が“真(1)”となることはなく、接続状態出力端子H1126からのCNO出力は、常にGNDレベル(無信号)となる。
【0089】
以上説明したように、本実施形態によっても第1の実施形態と同様に、記録動作の実行時に、接続状態出力端子H1126から出力される信号が常にGNDレベルとなるため、他の信号、特に記録信号に影響するノイズを発生することが無い。このため、記録ヘッドと記録装置本体との接続状態を確認する回路が、実際に記録を行う際に他の信号(特に記録信号)等に悪影響を及ぼすことが回避される。
【0090】
<第3の実施形態>
以下、本発明の記録ヘッドに係る接続状態出力回路の第3の実施形態について説明する。以下の説明では、上記第1の実施形態と同様な部分については詳細な説明を省略し、本実施形態の特徴的な部分を中心に説明する。
【0091】
図5Aに示す第3の実施形態の接続状態出力回路の構成は、実質的に図3Aに示した第1の実施形態の接続状態出力回路と同じである。また、図5Bに示した接続状態確認処理における各信号のタイミングも、図3Bに示した第1の実施形態と同様である。
【0092】
本実施形態は、実際の記録動作の際に記録装置本体から入力される信号のタイミングが第1の実施形態と異なっている。すなわち、本実施形態は、記録信号の入力に要する時間を短縮して実質的な記録速度を向上させるように、駆動信号(HE)がアクティブ(ローレベル)となっている間に、次の記録信号がクロック信号に同期して入力される。
【0093】
この実際の記録動作の実行時の接続状態出力回路H1127の動作と、接続状態出力端子H1126から出力される信号(CNO出力)について検討する。
【0094】
図5Cは、本実施形態における実際の記録動作時の、各信号の状態を示すタイミングチャートである。本実施形態の4つの入力信号のタイミングは、第1の実施形態と同様である。従って、ラッチ信号(LT)がローレベルとなっている間は、記録装置本体から記録ヘッドへ記録信号(DATA)は入力されない。ただし、本実施形態では、駆動信号(HE)がアクティブ(ローレベル)となっている間にも、記録装置本体から次の記録信号(DATA)がクロック信号(CLK)に同期して入力される。
【0095】
本実施形態の接続状態出力回路H1127では、CNO出力が“真(1)”となるのは、記録信号(DATA)、クロック信号(CLK)及び駆動信号(HE)がハイレベルで、且つラッチ信号(LT)がローレベルとなる場合である。ところが、上記のように、ラッチ信号(LT)がローレベルとなっている間は、記録装置本体から記録ヘッドへ記録信号(DATA)は入力されない。従って、実際の記録動作において、接続状態出力回路H1127からのCNO出力が“真(1)”となることはなく、接続状態出力端子H1126からのCNO出力は、常にGNDレベル(無信号)となる。
【0096】
以上説明したように、本実施形態によれば、駆動信号(HE)がアクティブ(ローレベル)となっている間に、次の記録信号がクロック信号に同期して入力される構成においても、上記第1の実施形態と同様な効果が得られる。
【0097】
(変形例)
接続状態出力回路は、記録ヘッドと記録装置本体との接続状態を確認可能であり、且つ実際の記録動作時に接続状態確認用出力端子からクロック信号に関連した周波数の信号が出力されなければ、上記実施形態以外の構成としてもよい。
【0098】
例えば、上記実施形態のいずれかの構成で、記録信号(DATA)及びクロック信号(CLK)の両方を反転させて入力させる構成としても良い。すなわち、接続状態出力回路の4つの入力信号のうち、ラッチ信号(LT)又は駆動信号(HE)以外の3つの信号を反転させて入力させる構成である。
【0099】
この場合、AND11の2つの入力それぞれにインバータを設ける構成以外に、AND回路11をNAND回路で置き換える構成としても良い。
【0100】
また、上記の実施形態では、実際の記録動作実行時に、接続状態出力回路の出力(CNO出力)がGNDレベルで変化しないようにするものであったが、実際の記録動作実行時に、CNO出力がハイレベルで変化しないようにしてもよい。例えば、GNDに保つ回路の最後にインバータをつけることで対応が可能である。
【0101】
(他の実施形態)
以上説明した実施形態は、熱エネルギーを利用したインクジェット方式に従う記録ヘッド、該記録ヘッドを用いた記録装置に本発明を適用した場合を例にあげて説明した。しかしながら、本発明は、記録装置本体に着脱可能であり、接続状態確認のための回路を有する記録ヘッドであれば、様々なタイプの記録ヘッド及び該記録ヘッドを用いる記録装置に適用可能である。
【0102】
例えば、ピエゾ素子などの電気機械変換体を用いたインクジェット方式の記録ヘッド、あるいはサーマル型などのインクジェット方式以外の記録ヘッドにも適用できる。
【0103】
加えて、記録装置の構成としても、上記の実施形態のようなシリアル走査タイプのものに限定されず、様々なタイプに適用可能である。例えば、記録媒体の幅に対応した長尺状の記録ヘッドに対して、記録媒体を相対的に移動させて記録を行う、いわゆるフルラインタイプの記録装置にも本発明は適用できる。
【0104】
更にまた、記録ヘッドの構成についても、インクタンクと個別に交換可能な構成でもよく、記録ヘッドに設けられたサブタンクに記録装置本体内に設けられたインクタンクからインクが供給される構成であっても良い。
【0105】
さらに加えて、本発明のインクジェット記録装置の形態として次のようなものがあげられる。コンピュータ等の情報処理機器の画像出力装置として用いられるもの、リーダ等と組合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の形態、あるいはそれら複数の機能を備えた複合機の形態を採るもの、のいずれであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】本発明の第1の実施形態の記録ヘッドの記録素子基板に形成された回路構成を示す図である。
【図2A】従来の接続状態出力回路の構成を示す回路図である。
【図2B】図2Aの接続状態出力回路で、接続状態を確認する際の信号の状態を示すタイミングチャートである。
【図2C】図2Aの接続状態出力回路で、実際の記録動作を実行する際の信号の状態を示すタイミングチャートである。
【図3A】第1の実施形態の接続状態出力回路の構成を示す図である。
【図3B】図3Aの接続状態出力回路で、接続状態を確認する際の信号の状態を示すタイミングチャートである。
【図3C】図3Aの接続状態出力回路で、実際の記録動作を実行する際の信号の状態を示すタイミングチャートである。
【図4A】第2の実施形態の接続状態出力回路の構成を示す図である。
【図4B】図4Aの接続状態出力回路で、接続状態を確認する際の信号の状態を示すタイミングチャートである。
【図4C】図4Aの接続状態出力回路で、実際の記録動作を実行する際の信号の状態を示すタイミングチャートである。
【図5A】第3の実施形態の接続状態出力回路の構成を示す図である。
【図5B】図5Aの接続状態出力回路で、接続状態を確認する際の信号の状態を示すタイミングチャートである。
【図5C】図5Aの接続状態出力回路で、実際の記録動作を実行する際の信号の状態を示すタイミングチャートである。
【図6】記録ヘッドの外観を示す斜視図である。
【図7】記録ヘッドの構成を示す分解斜視図である。
【図8】記録ヘッドの記録素子基板の外観斜視図である。
【図9】本発明の記録ヘッドを搭載可能な記録装置の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0107】
11、12、13 AND回路
21 インバータ
H1000、H1001 記録ヘッドカートリッジ
H1100、H1101 記録ヘッド
H1102 インク供給口
H1103 電気熱変換素子
H1104 電極部
H1105 バンプ
H1106 インク流路壁
H1107 吐出口
H1108 吐出口群
H1110 記録素子基板
H1112、H1119 論理回路
H1113 GNDライン
H1114 駆動電圧ライン
H1116 駆動素子
H1117 ラッチ回路
H1118 シフトレジスタ
H1119 AND回路
H1120〜H1123 接続状態確認用入力端子
H1124 駆動電圧入力端子
H1125 GND端子
H1126 接続状態確認用出力端子
H1127 接続状態出力回路




 

 


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