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発明の名称 インクジェット記録装置及びそれに用いられる廃インク吸収体
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−8048(P2007−8048A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−192608(P2005−192608)
出願日 平成17年6月30日(2005.6.30)
代理人 【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
発明者 鈴木 克彦 / 仁藤 康弘 / 酒井 淳一 / 大角 孝一 / 袴田 慎一 / 須釜 定之
要約 課題
特性の異なる複数の液体を使用した場合でも、廃インク吸収体を効率的に使用できるインクジェット記録装置及びそれに用いられる廃インク吸収体を提供する。

解決手段
所定の位置で記録ヘッド5のインク吐出口と対向し、かつ記録用紙6の下側となる位置には、回復装置7が設置されている。廃インク吸収体1に対するインク拡散速度が相対的に小さい第1のインクに由来する廃液を廃インク吸収体1の収納部へ導入するための第1の廃液導入部2と、廃インク吸収体1に対するインク拡散速度が相対的に大きい第2のインクに由来する廃液を廃インク吸収体1の収納部へ導入するための第2の廃液導入部3とが回復装置7に配管で繋がっており、第1の廃液導入部2の廃インク吸収体1への導入端は、第2の廃液導入部3の廃インク吸収体1への導入端よりも高い位置にある。
特許請求の範囲
【請求項1】
廃インク吸収体が収納される領域に対して、少なくとも廃インク吸収体への拡散速度が相対的に小さい第1の液体に由来する廃液と、拡散速度が相対的に大きい第2の液体に由来する廃液とが、それぞれ異なる廃液の導入位置より導入されるインクジェット記録装置において、
前記第2の液体に由来する廃液の導入位置よりも前記第1の液体に由来する廃液の導入位置が、相対的に高く位置していることを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項2】
吸収体への拡散速度が相対的に小さい第1の液体に由来する廃液を導入する第1の液体に由来する廃液の導入位置と、吸収体への拡散速度が相対的に大きい第2の液体に由来する廃液を導入する第2の液体に由来する廃液の導入位置とを有し、該第2の液体に由来する廃液の導入位置よりも前記第1の液体に由来する廃液の導入位置が相対的に高いことを特徴とする廃インク吸収体。
【請求項3】
複数の部材で一体に構成されている廃インク吸収体であって、
吸収体への拡散速度が相対的に小さい第1の液体に由来する廃液を導入する第1の液体に由来する廃液の導入位置と、吸収体への拡散速度が相対的に大きい第2の液体に由来する廃液を導入する第2の液体に由来する廃液の導入位置とを有し、該第2の液体に由来する廃液の導入位置よりも第1の液体に由来する廃液の導入位置が相対的に高いことを特徴とする廃インク吸収体。
【請求項4】
前記第1の液体に由来する廃液を吸収する領域に、吸収する液体の拡散速度が相対的に大きい部材が使用され、前記第2の液体に由来する廃液を吸収する領域には、吸収する液体の拡散速度が相対的に小さい部材が使用されている請求項3に記載の廃インク吸収体。
【請求項5】
廃液を導入する廃インク吸収体部分に、開口部が設けられていることを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の廃インク吸収体。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃インク吸収体が収納される領域に対して、少なくとも2つ以上の廃液導入部を有するインクジェット記録装置及びそれに用いられる廃インク吸収体に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェット記録方法は、インク小滴を普通紙、及び、専用光沢メディア上に飛翔させ、画像を形成する記録方法であり、その低価格化、印字速度の向上により、急速に普及が進んでいる。又、その記録画像の高画質化が進んだことに加えて、デジタルカメラの急速な普及に伴い、銀塩写真と匹敵する写真画像の出力方法として、広く一般的になっている。
【0003】
このような背景から、低価格化、印字速度の向上及び記録画像の高画質化がますます望まれるようになり、低価格で、高速印字においても高画質であるインクジェットシステムが様々検討されている。例えば、色材を不溶化させることを促進するインク(以下、反応インク)を用いることなくブリード抑制性能が良好なインク及びインクセットについての使用、技術の開示がされるようになってきており(特許文献1参照)、その傾向がますます強くなってきている。
【0004】
一方、正常なインク吐出状態とする為、インクを吐出口から強制的に排出させる機構を持ったインクジェット記録装置は、排出された廃液を貯蔵するための廃液貯蔵部を一般的に備えている。
【0005】
従来の廃インク貯蔵部としては、液体を吸収保持するための廃インク吸収体が収容されていて、ポンプから排出された廃インクを、この廃インク吸収体に吸収させるようにしたものが様々提供されている。また、インクと反応インクの廃インクを廃インク吸収体の離れた位置から夫々吸収させるものが開示されている(特許文献2、3参照)。
【特許文献1】特開2000−198955号公報
【特許文献2】特開平8−118678号公報
【特許文献3】特開平10−278303号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、発色性及びブリード抑制性能が良好なインクセットとして、色材として顔料を用いたブラックインクと色材として染料を用いたカラーインクをセットとして画像を形成させるシステムが多く採用されている。上記のようなインクセットの廃インクの、廃インク吸収体への導入位置は、両インクの廃インク吸収体への導入位置を離れた場所にするよりも、ブラックインクとカラーインクの廃インクの導入位置を同一部又は隣接させる方法が有効である。これは、ブラックインクの廃インク吸収体中及び廃インク吸収体上部等で発生する固着物をカラーインクで再溶解(再分散)させることで、廃インクの吸収能力を最大限に引き出すことが可能となるからである。しかしながら、インク中に含有させる色材、溶剤、添加剤とを工夫し、紙面上でより凝集物を形成させやすくすることで、従来よりも少しでもブリード抑制性能等の画像性能を向上させることを目的とした近年のインクセットを使用した場合、従来のように廃インクの導入位置を同一部又は隣接部とした場合、再溶解(再分散)するどころか、逆に色材の分散安定性の低下を促進させてしまうという新たな現象を引き起こしてしまうことが判明した。そこで本発明者らは、従来よりも優れた発色性及びブリード抑制性能が良好なインクセットを用いても、従来のインクセットを用いた場合と同じように廃インクの吸収能力を最大限に引き出すことが課題であることを認識した。
【0007】
従来のインクセットのように、廃インクの導入位置を同一または隣接部とした場合に、生成した固着物が再分散される場合のブラックインク、カラーインクの混合液の廃インク吸収体への拡散速度に比べて、色材の凝集物形成を促進させるような近年のインクセットにおける、ブラックインクとカラーインクの混合液の廃インク吸収体への拡散速度は、極端に拡散しにくくなっていることがわかった。これは、従来のインクセットのブラックインク、カラーインクを混合させた液体特性と、近年のインクセットのブラックインク、カラーインクを混合させた液体特性が極端に異なるため、生成した固着物が再溶解性に差が生じた結果であると考えられる。
【0008】
さらに、近年インクジェット記録装置は、そのコンパクト性やデザイン性も重視されており、内部の各機構に対する制約も大きくなってきている。そのため、廃インク吸収体の体積や廃インク吸収体の設置面積、設置場所が制限される場合があり、特に上記したブリード抑制性能が良好なインクセットを用いて、廃インク導入位置を同一または隣接部として、色材の凝集物形成が促進される場合には、廃インク吸収体を効率的に使用することができず、廃インク吸収体の吸収能を残したまま、廃インクを吸収できなくなってしまうことが発生することも判った。廃インク吸収体が廃インクを吸収できなくなると、廃インク吸収体から廃インクが溢れ出したりして、信頼性を悪化させてしまう。
【0009】
このことから、本発明の解決しようとする課題(すなわち本発明の目的)は、これまで以上にブリード抑制性能が良好なインク及びインクセットであっても、廃インク吸収体から廃インクが溢れ出したりして、信頼性を悪化させてしまうことがないインクジェット記録装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記した従来技術の課題を解決すべく本発明者らが鋭意検討した結果、廃液の廃インク吸収体への拡散速度と導入位置の関係に着目したことで、上記課題を解決するための知見を得た。
【0011】
即ち、上記目的を達成するための本発明は、廃インク吸収体が収納される領域に対して、少なくとも廃インク吸収体への拡散速度が相対的に小さい第1の液体に由来する廃液と、拡散速度が相対的に大きい第2の液体に由来する廃液とが、それぞれ異なる廃液の導入位置より導入されるインクジェット記録装置において、上記第2の液体に由来する廃液の導入位置よりも上記第1の液体に由来する廃液の導入位置が、相対的に高く位置していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、廃インク吸収体が収納される廃インク吸収領域に対して、特性の異なる複数のインクの廃液を、異なる廃液導入位置より導入する際、廃インク吸収体への拡散速度が相対的に小さい第1の液体に由来する廃液を導入する位置を、相対的に拡散速度の大きい第2の液体に由来する廃液を導入する位置よりも高くしたことで、廃インク吸収体を効率的に使用できる効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0014】
本発明における第1と第2の液体に由来する廃液とは、廃インク吸収体に対してインクの拡散速度を比較した場合に、相対的に拡散速度の小さいインクを第1の液体に由来する廃液、相対的に拡散速度の大きいインクを第2の液体に由来する廃液とした。
【0015】
まず、本発明に至った経緯について説明する。従来のインクセットよりも優れた発色性及びブリード抑制性能が良好なインクセットの廃液の廃インク吸収体への導入位置を隣接させて設置していたところ、各廃液が廃インク吸収体に吸収されるに伴い、廃液の拡散速度の低下が起こった。その結果、廃インク吸収体へ廃液が吸収されなくなっていまい、廃インク吸収体より廃液が溢れてしまうという問題が起きてしまった。そこで本発明者らは、上記インクセットと廃インク吸収体上で起きる現象について詳細に検討した結果、廃インク吸収体上又は内部で各廃液が接触することで、廃液の増粘が素早く起り廃インク吸収体への廃液の吸収が大きく阻害されていることがわかった。この現象は従来のインクセットよりもブリード抑制性能を向上させるために、色材として顔料を用いているブラックインクの顔料の特性や溶剤、添加剤の特性を利用し紙面上で顔料が凝集物を形成しやすい様に工夫した点、共に用いるカラーインクも紙面上で顔料インクと接した時に、顔料の凝集を促進させるようにインク処方や色材の特性を変更した点などが、大きく関与していると考えられる。
【0016】
更に色材として顔料を用いているインクは、廃インク吸収体への拡散が遅いため、拡散が起こる前に増粘してしまい、新たに排出された廃液の吸収を阻害することと、廃インク吸収体への吸収過程で顔料と溶剤が分離し、溶剤が吸収体へより拡散していくという現象が見られた。更に、ブリード抑制性能を向上させるために、紙面上で顔料が凝集物を形成しやすい様に工夫したインク程、廃インク吸収体内で目詰まりを起し、廃インク吸収体の一部分しか使用できずにインクが溢れてしまうことがわかった。そこで本発明者らは、廃インク吸収体をより効率的に使用するためには、相対的に拡散速度が小さい第1の液体に由来する廃液と相対的に拡散速度が大きい第2の液体に由来する廃液とが、廃インク吸収体に導入された直後に接することがなく、さらに少なくとも第1の液体に由来する廃液を廃インク吸収体の比較的上部に設置し、自重により下部への拡散を向上させる必要があるという結論に達した。
【0017】
更に、第2の液体に由来する廃液を第1の液体に由来する廃液よりも低い場所に設置することで、飛躍的に廃インク吸収体の効率を向上できることがわかった。その理由を以下に推測すると、拡散速度の大きい廃液を下部に設けると、廃インク吸収体下部の横方向への広い領域に廃液が広がり、その後、上方向へ液体は広がっていく。一方、第1の液体に由来する廃液は、自重により下部への拡散能力が向上するが、廃インク吸収体の上部から一定の深さで色材の廃インク吸収体内への拡散は、水分蒸発により色材の不安定化を伴い急速に低下する。さらに水分蒸発が促進されると、色材の分散が不安定化し色材の拡散を停止させてしまう。しかし、この際、固液分離した液体はさらに下へ拡散する。この分離された液体は、廃インク吸収体下部より上方向へ拡散してきた第2の液体に由来する廃液の影響によって、さらに廃インク吸収体下部方向への拡散が素早く進行することになる。その結果、廃インク吸収体内部の色材の分散安定性が失われた部分に廃インク吸収体に排出される第1の液体に由来する廃液は、先の固液分離の臨界域よりもさらに廃インク吸収体下部へ拡散しやすくなるためだと考えられる。
【0018】
以上のようなことから、廃インク吸収体への廃液の拡散速度に応じて、廃液導入位置を、相対的に拡散速度の小さい第1の液体に由来する廃液については高く、相対的に拡散速度の大きい第2の液体に由来する廃液については低く設置して、両者の廃液導入位置に高低差を設けるという本発明に至った。
【0019】
次に本発明の具体的形態について説明する。
【0020】
本発明の代表的な形態を図1〜3に示した。図中において、符号1は廃インク吸収体、符号2は廃インク吸収体に対して相対的に拡散速度の小さい第1の液体に由来する廃液を導入する廃液の導入部、符号3は廃インク吸収体に対して相対的に拡散速度の大きい第2の液体に由来する廃液を導入する廃液の導入部をそれぞれ示している。図1(a)〜(c)は廃インク吸収体の同一面側に、相対的に拡散速度の小さい第1の液体に由来する廃液の導入部と、相対的に拡散速度の大きい第2の液体に由来する廃液の導入部とを設置している例である。図1(a)は、第1の液体に由来する廃液を廃インク吸収体最上部、第2の液体に由来する廃液を廃インク吸収体最下部より吸収させる形態であり、(b)は第1の液体に由来する廃液を廃インク吸収体最上部、第2の液体に由来する廃液を廃インク吸収体内から吸収させる形態、(c)は第1と第2の廃液の両方を廃インク吸収体内から吸収させる形態を示している。図1とは対称的に、図2は廃インク吸収体に対して、第1と第2のそれぞれの廃液導入部が反対面になるように設置していることを示す図である。図2(a)〜(c)の導入位置は図1と同じである。
【0021】
次に、本発明者らは、本発明の形態での廃液の拡散効果を確認する目的として、図1及び図2、3における構成で、第1の液体に由来する廃液の導入部2へ廃インク吸収体に対して相対的に拡散速度の大きいインクを用い、第2の液体に由来する廃液の導入部3へ廃インク吸収体に対して相対的に拡散速度の小さいインクを用いた形態、更には、図5で示すように二つの廃インク吸収体への導入位置を、廃インク吸収体の同一上部に設けた形態を準備し、これらの形態と本発明の形態とを比較した。ここで、図1〜3および図5は、廃インク吸収体を横方向から見た場合の断面図である。その結果、本発明の構成(廃インク吸収体1への拡散速度が相対的に小さい第1の液体に由来する廃液の廃液導入部を、相対的に拡散速度の大きい第2の液体に由来する廃液の廃液導入部よりも高くしたこと)を満たした図1〜3のすべての形態において、図5の形態に比べ、廃インク吸収体に対する廃液を効率よく拡散することが確認された。上記のように本発明の形態である図1〜3が図5の形態に比べて拡散効率が向上した理由を下記に示す。
【0022】
どの形態においても、自重による廃インク吸収体下部への拡散と横方向への拡散拡散とが同時に起こる。しかしながら、拡散速度の速い液体では、廃インク吸収体横方向への拡散速度が下部への拡散よりも大きい。よって、図5で示したように第1の液体に由来する廃液と第2の液体に由来する廃液の導入位置を同一平面上にした形態のほうが、図1〜3で示した形態に比べ、第1の液体に由来する廃液と第2の液体に由来する廃液がより混合されやすいことがわかった。従って、ブリード性能を向上させるような近年のインクセットを用いた場合の各液体由来の廃液導入部として、相対的に拡散速度が速い液体が下に設置され、拡散速度の遅い液体が上部に設置することで、廃インク吸収体に対する廃液を効率よく拡散することが可能となる。
【0023】
更に、より好ましい形態として、第1および第2の廃液の廃インク吸収体への導入位置の高低差を大きくした形状が好ましく、更には、図1(c)及び図2の(c)に示すように、相対的に拡散速度の小さい廃液の廃インク吸収体への導入位置を廃インク吸収体の内部に設置することが好ましいことも判明した。これは、廃インク吸収体上部から廃液を導入する場合と比較し、廃液導入部端部を吸収体内部に設置することで、廃インク吸収体に対する廃液の接触面積が増加するため、効率よく廃液を吸収すると考えられる。
【0024】
図7(a)には、廃液を導入する廃インク吸収体部分に開口部を設けて開口部内にインクを滴下するもの、(b)には廃インク吸収体へ直接廃液導入部を設置する形態を示した。両者を比較した場合、図7(a)のほうが(b)に比べ前記理由により、廃液の廃インク吸収体への接触面積が増加するため、より好ましい形態となる。さらに、第1と第2の液体に由来する廃液を導入する廃インク吸収体部分の両方に開口部を設けることで、さらに好ましい形態となる。
【0025】
また、図1、図2(a)〜(c)の形態である第1と第2の廃液導入部の距離に関して検討を行った。その結果、第1と第2の廃液導入部の距離を所定の距離だけ離すことで、図1、図2(a)〜(c)のどの形態においても、廃液が溢れることはなく、廃インク吸収体を十分に満たす結果が得られた。尚、上記の“所定の距離”とは、第1の液体に由来する廃液の導入位置と第2の液体に由来する廃液が廃インク吸収体に導入された時、前記第1の液体に由来する廃液に含まれる溶剤が、単独で前記廃インク吸収体中で拡散または移動でき、且つ、この移動した廃液と、前記第2の液体に由来する廃液とが接することができる距離だけ離れた距離を意味する。より具体的には、第1の液体に由来する廃液の導入位置と第2の液体に由来する廃液の導入位置との、前記廃インク吸収体での好適距離は、一般的に廃インク吸収体として使用されるパルプ繊維を主材料とする廃インク吸収体を用いた場合、5cm以上20cm以下を意味する。
【0026】
更に別の形態として、図3(a)〜(c)の形態が挙げられる。図3の形態の特徴としては、第1と第2の液体に由来する廃液の廃インク吸収体に対する廃液導入位置を左右方向にある一定以上の距離を設けて設置させ、更に廃液の導入部に高低差h1、h2、h3と変化させている点である。
【0027】
廃インク吸収体は単一であるか、または、複数の部材によって構成され実質的に一体であるものであれば良い。実質的に一体とは、液体が毛管現象によって廃インク吸収体間を液移動可能であれば良い。特に、実質的に一体であり第1と第2の廃液の廃インク吸収体への拡散速度に応じて、異なる材質の部材を用いることでより好ましい形態となる場合がある。具体的には、相対的に拡散速度の小さい第1の液体に由来する廃液に対して、液体の拡散速度の大きい吸収体(毛管力が相対的に大きい吸収体)を使用し、相対的に拡散速度の大きい第2の液体に由来する廃液に対して、液体の拡散速度の小さい吸収体(毛管力が相対的に小さい)を使用する。これは、異なる部材の廃インク吸収体を使用した場合、廃インク吸収体同士の界面での拡散が律速となるため、廃液はそれぞれの廃液導入部にある廃インク吸収体へ十分に拡散した後、吸収体界面での拡散が起こり、異なる材質の吸収体への拡散が進行する。そのため、第2の液体に由来する廃液は、廃インク吸収体下部全体に広がった後、上層部に拡散が進行する。その結果、第2の液体に由来する廃液の拡散が第1の液体に由来する廃液の拡散に効果的に働き、第1の液体に由来する廃液もまた廃インク吸収体全体に広がっていくことになる。また、第1の液体に由来する廃液に対して、相対的に拡散速度の大きい吸収体を使用することで、例えば顔料等の目詰まりを起しやすいインクを使用した場合、廃液の拡散が妨げられにくくなる。
【0028】
さらに別の形態として、図6に示すような多段構成の廃インク吸収体の例を挙げることができる。図6に示すように、例えば自動両面印刷を行えるインクジェット記録装置に、記録装置中の空間を有効利用し廃インク吸収体を設置する場合に、廃インク吸収体が多段構成となり、廃液の廃インク吸収体への拡散性が悪くなることがあるが、本発明の構成とすることで、廃インク吸収体への拡散を悪化させずに、廃インク吸収体を効率よく使用することが可能となる。
【0029】
次に、第1と第2の液体の具体的な例を記載する。本発明の第1と第2の液体は、廃インク吸収体に対する拡散速度が異なった関係の液体であれば特に限定されるものではないが、本発明の効果がより顕著に現れる第1の液体としては、水の蒸発に伴い増粘や粒径が増大する液体、より具体的には、液体から水分が40%蒸発した時に、蒸発前後での平均粒径が25%以上変化してしまうインクが挙げられる。また、第2の液体としては、色材として染料を用いた液体、又は色材として顔料を用い、更にはインク中に用いられる溶剤が顔料に対し安定な状態を保てる溶剤であるインク、更には第1の液体と接触することで第1の液体に含有されている顔料の分散安定性が低下してしまうようなインクが挙げられる。尚、上記で記載した粒径の測定は、型番FPAR−1000(大塚電子社製)の測定装置を使用することで、希釈を行うことなく粒径を測定することが可能である。
【0030】
また、廃インク吸収体としては、主にパルプ等からなる不織布及び高分子吸水ゲルをコーティング又は含浸させたものが使用されるが、液体を適度に保持する機能を備えた材料であれば、特に限定されるものではなく、スポンジ等の多孔質体や繊維状体により構成されたもの、あるいは高分子吸収体または高分子吸収体を紙状体にまぶした部材等が好適に使用可能である。なお、繊維状体では廃液の滴下点から所望の方向に向かって一方向に繊維を配置した構成のものを使用してもよく、フェルト状のものであっても良い。方向性を有した繊維を使用する場合には廃液を良好に導くことが可能である。
【0031】
次に、廃インク吸収体を備えるインクジェット記録装置の例を述べる。図4は、本発明のインクジェット記録装置の例を横方向から見た模式図である。図4において、記録装置は、振動エネルギーや熱エネルギーなどを利用してインク滴をノズルから吐出するインクジェット式の記録ヘッド5を備える。記録ヘッド5には、記録ヘッド5にインクを供給するインクタンク4が一体または着脱自在に設けられている。インクタンク4は、記録ヘッド5とチューブなどを介して別体で備えられていてもよい。
【0032】
本例では記録ヘッド5のインク吐出口は下方に向けられており、搬送される記録用紙6の一面と対向している。記録ヘッド5は記録用紙6の搬送方向と交差する方向に水平移動しながらインク吐出を行って印字する。これはいわゆるシリアルスキャン方式と呼ばれるものであるが、記録ヘッド5はラインタイプと呼ばれる、記録用紙の幅方向に一括印字を行なう構成であってもよい。
【0033】
また、所定の位置で記録ヘッド5のインク吐出口と対向し、かつ記録用紙6の下側となる位置には、記録ヘッド5のインク吐出口をキャップし該インク吐出口から強制的にインクを吸引して正常な吐出状態に回復させる回復装置7が設置されている。この回復装置7で吸引されたインクは廃液として、記録装置底部に収納された廃インク吸収体1に排出される。このとき、廃インク吸収体1の収納部に対して、廃インク吸収体1に対するインク拡散速度が相対的に小さい第1の液体に由来する廃液を導入するための第1の廃液導入部2と、廃インク吸収体1に対するインク拡散速度が相対的に大きい第2の液体に由来する廃液を導入するための第2の廃液導入部3とが設けられている。そして、第1の液体に由来する廃液の導入部2の廃インク吸収体1への導入端は、第2の廃液導入部3の廃インク吸収体1への導入端よりも高い位置にある。この第1と第2の廃液導入部2,3の廃インク吸収体1への導入位置については、図1〜3,6,7などに示されるような前述した各種形態が挙げられる。
【0034】
(本発明にとって好ましいインク又は色材等の事例)
画像特性のうち、ブリード抑制性能を向上させるという利点を備えるが、単純混合するとインク吸収体端部表面に下面から上昇して形成される障壁(色材析出部)を形成してしまうものがある。これは、第1の液体に由来する廃液とされる第1のインクがブラックインクであることや、第2の液体に由来する廃液とされる第2のインクがカラーインクである構成(下記具体構成例等)或いは、これらの組み合わせをとった場合である。この第1のインクは、色材として、親水性を有する基を直接若しくは他の原子団を介して結合している自己分散顔料(カーボンブラック等)を用い、更に複数の水溶性有機溶剤として少なくとも1種類がこの顔料の分散安定性を低下させる特性を有する貧溶媒である水溶性有機溶剤を用いたものである。上記のような第1のインクを記録媒体に付与した場合、水分が蒸発するにつれ顔料に対する貧溶媒の比率が高まるため、記録媒体の上層部で顔料同士が凝集し始める。その結果、単体としても周辺に他のインクがあってもブリードを抑制できる効果がある。更に第1のインクの色材としては、顔料表面に結合させる親水性を有する基の顔料表面に対し高密度とした顔料を色材として使用する場合上記利点と障壁形成が共により顕著になることである。この場合は、色材構造による立体障害の影響により、従来の自己分散顔料に比べてインク中の溶剤が顔料と溶媒和しにくくなり、わずかな水分蒸発で顔料の分散安定性が低下する傾向を示す。その結果、ブリードをより緩和させる効果がある。尚、本発明に記載の貧溶媒とは、「判定しようとする溶媒50質量%程度を含み、且つインクに用いる色材を分散状態で含む顔料分散液を、60℃で、48時間保存したときの当該液体中の粒子径が、判定しようとする溶媒を含まない、若しくは少量含み、且つ当該インクに用いる水不溶性色材を分散状態で含む顔料分散液の粒径と比較して大きい」という特性を示す溶媒である。また、第1のインクのより具体的な特性として、水の蒸発に伴い増粘や粒径が増大するインク、より具体的には、液体から水分が40%蒸発した時に、蒸発前後での平均粒径が25%以上変化してしまうインクであることが挙げられる。
【0035】
ここで、第2のインク単体もしくは上記具体例にとっても有効なカラーインクについて説明する。カラーインクとして好ましいのは、カラーインク中にブラックインクの貧溶媒となる溶剤を含有するものが好ましく、更にカラーインクとブラックインクとを接触させた時にブラックインクが上記障壁を構成するのに十分な量含有されている場合より上記作用は顕著である。このようなカラーインクを用いることで、無論ブリード抑制性能が向上する。また、このようなカラーインクを用いることで、カラーインクとブラックインク(ここでは一般的な色材であっても良い)とを接触させた場合に、該ブラックインクが、該ブラックインク及びカラーインクの廃インク吸収体中への拡散又は移動を阻害する障壁を確実に形成する。
【0036】
また、第1のインクがブラックインク(ここでは一般的な色材であっても良い)で、第2のインクがカラーインクである場合、カラーインクが、端部にベンゼン環(疎水部が大半出あれば、一部が親水部を輸していても良い)を有する構造をもつ色材を少なくとも色材として有するインクであると上記障壁形成がより顕著になる。このように、端部にベンゼン環を有する構造をもつ色材は、一般的に顔料へ吸着しやすい性質を持つことから、顔料の分散安定性を阻害し、カラーインクとブラックインクとを接触させた場合に、該ブラックインク及びカラーインクの廃インク吸収体中への拡散又は移動を阻害する障壁を構成しやすくなるため、本発明における課題が顕著に発生し、その課題を解決してなされる効果も顕著となる。
【0037】
具体的には、カラーインク用の好ましく用いられる色材として以下の色材が挙げられる。
【0038】
【化1】


【0039】
(上記式(1)中、R1は、水素原子、アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、シクロヘキシル基、モノ又はジアルキルアミノアルキル基、シアノ低級アルキル基を、Yは、塩素原子、ヒドロキシル基、アミノ基、モノ又はジアルキルアミノ基(アルキル基上にスルホ基、カルボキシル基、及びヒドロキシル基からなる群から選択される置換基を有していてもよい)をR2、R3、R4、R5、R6は、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、カルボキシル基(但し、R2、R3、R4、R5、R6のすべてが水素原子である場合を除く。)で表される。)
前記式(1)で表される化合物の具体例としては、遊離酸の形で下記の構造となる例示化合物が挙げられ、特にM7の例示化合物が好ましく用いられる。
【0040】
【化2】


【0041】
【化3】


【0042】
(上記式(2)中、l=0〜2、m=1〜3、n=1〜3、但し、l+m+n=3〜4、置換基の置換位置は、4もしくは4’位を表し、Mはアルカリ金属又はアンモニウムであり、R1、R2は、それぞれ独立に水素原子、スルホ基、カルボキシル基(但し、R1、R2は、同時に水素原子となる場合を除く。)を表し、Yは、塩素原子、ヒドロキシル基、アミノ基、モノ又はジアルキルアミノ基を表す。)
上記式(2)で示す着色剤は4−スルホフタル酸誘導体又は、4−スルホフタル酸誘導体と(無水)フタル酸誘導体を金属化合物の存在下に反応させる事で得られるフタロシアニン化合物を原料に用い、スルホン基をクロロスルホン基に変換した後、有機アミン存在下にアミノ化剤を反応させたフタロシアニン化合物、すなわち、上記式(2)中の4及び4’位置(上記式(2)中のR2、R3、R6、R7、R10、R11、R14、R15)に限定して無置換スルファモイル基(−SO2NH2)と置換スルファモイル基(下記式(3))を導入したフタロシアニン化合物であるという特徴を持ち、かかる化合物を着色剤として用いたインクが極めて耐環境ガス性が優れている事を見出した。
【0043】
【化4】


【0044】
上記式(3)で表される化合物の具体例としては、遊離酸の形で下記の構造となる例示化合物が挙げられ、特にC1の例示化合物が好ましく用いられる。
【0045】
【化5】


【0046】
上記のような特性を有する第1のインク及び、第2のインクを用いることで、ブリード抑制性能を従来のインクに比べ格段に向上させることが可能となる。しかしながら、上記の各々の廃液を廃インク吸収体の隣接させた部分に滴下させた場合、廃インク吸収体中への拡散又は移動を阻害する障壁を構成してしまうと言う、従来では起きなかった現象を引き起こしてしまった。
【0047】
また、第1のインクが顔料を色材に有するブラックインクとして、第2のインクが染料を色材に有するブラックインクとする、本発明の好ましい一態様がある。この場合の、好ましい染料を色材に有するブラックインクは、上記カラーインクの場合と同様であるが、好ましく用いられる色材として以下の色材が挙げられる。
【0048】
【化6】


【0049】
(上記式(4)中、R1、R2は、水素原子;ヒドロキシル基;アミノ基;カルボキシル基;スルホ基;炭素数1〜4のアルキル基;炭素数1〜4のアルコキシ基を表し、R3、R4は、水素原子;炭素数1〜4のアルキル基;炭素数1〜4のアルコキシ基;ヒドロキシル基;ヒドロキシル基もしくは炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されても良い炭素数1〜4のアルキル基;ヒドロキシル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、スルホ基もしくはカルボキシル基で置換されてもよい炭素数1〜4のアルコキシ基;アルキル基もしくはアシル基によって置換されているアミノ基であり、nは0又は1である)。
【0050】
【化7】


【0051】
(上記式(5)中、R5、R6、R7、R8は、水素原子;ヒドロキシル基;アミノ基;カルボキシル基;スルホ基;炭素数1〜4のアルキル基;炭素数1〜4のアルコキシ基;ヒドロキシル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、スルホ基もしくはカルボキシル基で置換されているアルコキシ基;カルボキシル基又はスルホ基でさらに置換されてもよい炭素数1〜4のアルコキシ基;フェニル基、アルキル基、又はアシル基によって置換されているアミノ基であり、nは0又は1である)。
【0052】
以下に、上記式(4)で示される染料の具体例として例示化合物Bk1〜Bk3、上記式(5)で示される染料の具体例として例示化合物Bk4〜Bk6を遊離酸の形で示すが、本発明で使用する色材は、これらに限定されるものではない。又、下記に挙げるような色材を同時に2種類以上用いてもよく、例示化合物Bk3と例示化合物Bk4を同時に用いるものが特に好ましい。
【0053】
【化8】


【実施例】
【0054】
次に、実施例及び比較例をあげて、本発明を具体的に説明する。本発明は、その要旨を超えない限り、下記実施例により限定されるものではない。
【0055】
(使用インク)
(ブラックインク用顔料分散体の作製)
5.5gの水に5gの濃塩酸を溶かした溶液に、5℃に冷却した状態で4−アミノ−1,2−ベンゼンジカルボン酸1.5gを加えた。次に、この溶液の入った容器をアイスバスに入れて液を撹拌することにより溶液を常に10℃以下に保った状態とし、これに5℃の水9gに亜硝酸ナトリウム1.8gを溶かした溶液を加えた。この溶液を更に15分間撹拌後、比表面積が220m2/gでDBP吸油量が105mL/100gであるカーボンブラック6gを撹拌下で加えた。その後、更に15分間撹拌した。得られたスラリーをろ紙(商品名:標準用濾紙No.2;アドバンテック製)でろ過した後、粒子を十分に水洗し、110℃のオーブンで乾燥させ、自己分散型カーボンブラックを調製した。更に、上記で得られた自己分散型カーボンブラックに水を加えて顔料濃度が10質量%となるように分散させ、分散液を調製した。上記の方法により、カーボンブラック粒子表面に−C63−(COONa)2基が導入されてなる自己分散型カーボンブラックが水中に分散された状態の顔料分散液を得た。
【0056】
(カラーインク用染料の作製)
(シアン染料)
シアン染料は、C.I.ダイレクトブルー199を用いた。
【0057】
(マゼンタ染料)
キシレン中に下記化合物α、炭酸ナトリウム、ベンゾイル酢酸エチルエステルを反応させ、反応物を濾過、洗浄した。これをN,N−ジメチルホルムアミド中で、メタアミノアセトアニリド、酢酸銅、炭酸ナトリウムを順次仕込み反応させ、反応物を濾過、洗浄した。更にこれを、発煙硫酸中でスルホン化し、濾過、洗浄を行い、これを水酸化ナトリウム存在下、シアヌルクロライドと縮合反応を行った。
【0058】
この反応液中にアンスラニル酸を添加し、水酸化ナトリウム存在下、縮合反応を行った。これを濾過、洗浄し、下記マゼンタ染料を得た。
【0059】
化合物(α)
【0060】
【化9】


【0061】
マゼンタ染料
(イエロー染料)
イエロー染料は、C.I.ダイレクトイエロー132を用いた。
【0062】
(インク組成)
下記表1に示す組成のブラックインク及びカラーインクを作成した。
【0063】
【表1】


【0064】
(廃インク吸収体への相対的拡散速度の判定方法)
インクジェット記録装置の廃インク吸収体に使用する廃インク吸収体と同材質のものを使用し、幅5mm×長さ150mm×厚さ5mmの大きさとする。50ccビーカーへ測定しようとする液体を10ml用意し、この中へ上記の大きさにした廃インク吸収体を入れる。5分間放置した後に、ビーカーから廃インク吸収体を取り出し、それぞれの液体の移動した距離を測定し、拡散速度を算出する。この方法によって簡便に廃インク吸収体への相対的な拡散速度を判定することができる。このとき、インクが固液分離を起す場合には、例えば顔料などの色材成分を含む移動距離により判断する。また、複数種のインクが使用される場合、廃インク吸収体への拡散速度に段階的な差が生じることがあるが、この場合には廃インク吸収体への拡散速度が最も小さいインクを第1の廃液とし、それ以外のインクは相対的に拡散速度が速い第2の廃液とする。
【0065】
(インクジェット記録装置)
インクジェット記録装置として、製品名:PIXUS550i(キヤノン製)を改造し、図1および図3のような廃インク吸収体を収納できるようにし、更に、廃液を廃インク吸収体に導入するチューブを、第1の廃液側、第2の廃液側にそれぞれ設け、第1と第2の液体に由来する廃液の廃インク吸収体への導入位置を自由に調節できるような改造機を作成した。
【0066】
尚、上記改造機で使用した廃インク吸収体は、パルプを材料とした繊維状体に構成されたものを使用した。
【0067】
また、第1と第2の液体に由来する廃液の廃インク吸収体への導入口第2の液体に由来する廃液の廃インク吸収体への導入口の距離に関しては、該距離の最短距離を5cmから20cmの範囲とすることで、吸収体全体に廃液を吸収することが可能であった。尚、下記の実施例及び比較例、更には参考例においては、上記最短距離を5cm、10cm、20cmとした時の評価結果を記した物である。
【0068】
<実施例1>
ブラックインクとカラーインクを用いて、両者のインクの廃インク吸収体への拡散速度を前述した方法によって求めた。ビーカーにそれぞれのインクを10ml採取し、廃インク吸収体を入れ、5分後に廃インク吸収体を取り出し、廃インク吸収体を移動したインクの距離を求めると、ブラックインクが1.0cm/min、カラーインクが1.5cm/minであった。この結果より、前記ブラックインクに由来する第1の廃液、前記カラーインクに由来する廃液を第2の廃液とした。
【0069】
上記第1の廃液を導入する位置を図1(a)の廃液導入部2で示すように吸収体上部に設置し、上記第2の廃液を導入する位置を同図の廃液導入部3で示すように吸収体下部に設置して廃液を上記廃インク吸収体に吸収させた。
【0070】
<実施例2>
実施例1で用いたブラックインクに由来する第1の廃液を導入する位置を図2(a)の廃液導入部2で示すように吸収体上部に設置し、実施例1で用いたカラーインクに由来する第2の廃液を導入する位置を同図の廃インク導入部3で示すように吸収体下部に設置して廃インクを吸収させた。
【0071】
<実施例3>
実施例1で用いたブラックインクに由来する第1の廃液を導入する位置を図3(a)の廃インク導入部2で示すように吸収体上部に設置し、実施例1で用いたカラーインクに由来する第2の廃液を導入する位置を同図の廃インク導入部3で示すように吸収体下部に設置して廃インクを吸収させた。
【0072】
<比較例1>
実施例1で用いたカラーインクに由来する第2の廃液を導入する位置を図2(a)の廃インク導入部2で示すように吸収体上部に設置し、実施例1で用いたブラックインクに由来する第1の廃液を導入する位置を同図の廃インク導入部3で示すように吸収体下部に設置して廃インクを吸収させた。
【0073】
<比較例2>
実施例1で用いたブラックインクに由来する第1の廃液及び実施例1で用いたカラーインクに由来する第2の廃液を図5の廃液導入部2,3で示すように、両者の廃液を廃インク吸収体上部から吸収させた。
【0074】
(評価結果)
(廃インク吸収性能評価)
数行に渡り、マゼンタ100%dutyベタ部に、ブラックインクでアルファベットをAからZまで記載した印字パターンを、キヤノンPPC用紙に5枚印字させて、その後、吸引動作を行い、ブラックインク及びカラーインクを廃インク吸収体に導入させるということを、随時インクタンクを交換しながら、2000枚印字させるまで連続で行った。その結果を以下の基準で評価した。その結果を表2に示す。
【0075】
○:廃インク吸収体が十分廃インクを吸収し、溢れが見られない。
【0076】
△:廃インク吸収体での廃インクの吸収が遅く、溢れが起こりそうである。
【0077】
×:廃インクが廃インク吸収体に吸収しきれず、溢れが見られる。
【0078】
【表2】


【0079】
尚、廃インク吸収体の吸収性評価の結果、実施例3の形態が、廃インク吸収体中での拡散が最も進行した。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】廃インク吸収体の同一面に、第1と第2の廃インク導入部を設置していることを示す断面図である。
【図2】廃インク吸収体に対して、第1と第2の廃インク導入部を反対面に設置していることを示す断面図である。
【図3】第1と第2の廃インク導入部を、廃インク吸収体の左右に隔てて設置していることを示す断面図である。
【図4】本発明の廃インク吸収体を用いたインクジェット記録装置の模式図である。
【図5】第1と第2の廃インク導入部の両方を廃インク吸収体上部に設置していることを示す断面図である。
【図6】本発明に係る廃インク吸収体の多層構成における形状および廃インク導入部を示す図である。
【図7】図1(b)の形態で開口部を持たせたものを示す図である。
【符号の説明】
【0081】
1 廃インク吸収体
2 第1の液体に由来する廃液の導入部
3 第2の液体に由来する廃液の導入部




 

 


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