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インクジェット記録装置 - キヤノン株式会社
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発明の名称 インクジェット記録装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−7923(P2007−7923A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−189484(P2005−189484)
出願日 平成17年6月29日(2005.6.29)
代理人 【識別番号】100066061
【弁理士】
【氏名又は名称】丹羽 宏之
発明者 石田 靖
要約 課題
記録ヘッドのキャリッジへの装着時におけるカートリッジの落下を防止するとともに記録装置全体を大きくして本体開口部を確保したり原稿読み取り部を大きく上方に開放しないような装置高さを低くしたロープロファイルを実現しながら簡単な構成でかつ使い勝手の良い着脱可能な記録手段を備えたインクジェット記録装置を提供することである。

解決手段
記録媒体に沿って移動可能なキャリッジに着脱可能に搭載された記録手段からインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置において記録手段にラフガイド突起部を設け、ラフガイド突起を前記キャリッジに設けたガイド溝に係合させる構成であり前記キャリッジに設けられたガイド部に案内するために記録略上方に配置された被読取対象物から文字や画像を読み取る画像読取手段を上方に開放し記録ヘッドを一旦セット可能なポケット部とガイド溝を前記キャリッジ前部に設けることでヘッドの姿勢が保持されるように構成する。
特許請求の範囲
【請求項1】
インクを吐出して記録を行う着脱可能な記録ヘッドと、前記記録ヘッドを搭載して記録媒体に沿って移動可能なキャリッジと、前記記録ヘッドに設けたラフガイド突起部と、前記キャリッジに設けたガイド溝と、前記ガイド溝に案内するガイド部を有する記録ヘッドガイド部材と、前記記録略上方に配置された被読取対象物から文字や画像を読み取る画像読取手段とを有するインクジェット記録装置において、
前記キャリッジの記録ヘッド挿入方向手前部に前記記録ヘッドガイド部材を設け、前記記録ヘッドガイド部材に記録ヘッドを一旦セット可能なポケット部を設けるとともに、前記記録ヘッドに設けた前記ラフガイド突起を、前記ヘッドガイド部材に設けたガイド部に係合させて前記キャリッジに設けた前記ガイド溝へ案内させることを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項2】
前記画像読取手段は開放時に記録部が露出するように上方に開放されるように構成されると共に、前記ポケット部が操作者から視認可能なような形状を有していることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
【請求項3】
前記ヘッドガイド部材は、最大記録範囲を記録するための前記キャリッジの立ち上げ位置において、前記記録ヘッドを前記キャリッジに装着するように案内部を配設することを特徴とする請求項1または2の記載のインクジェット記録装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像記録装置に関し、詳しくは記録媒体に沿って移動可能なキャリッジに着脱可能に搭載された記録手段からインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パーソナルコンピュータやデジタルカメラなどの普及によって画像情報を手軽に扱えるようになり、その出力用に手軽な記録装置の需要が高まっている。記録装置で用いられる記録方式の中に、比較的小型、安価かつ高精細な記録を可能とする方式として知られるインクジェット記録方式がある。
【0003】
インクジェット記録方式を用いた記録装置において、数十個から数百個のインク吐出口を有するインクジェットヘッド(カートリッジ)を装着したキャリッジ(CR)は、キャリッジ駆動モータの駆動力を伝達する駆動ベルトの一部と連結されて移動可能に構成されている。
【0004】
これにより、インクジェットカートリッジは、吐出面に対向するよう配置されたプラテンに沿って移動でき、この移動の間にこのプラテン上に給送される被記録媒体の全幅にわたって往復運動(走査)し記録を行うことができる。被記録媒体は、キャリッジの上記走査毎に用紙搬送手段により、吐出口のピッチに応じて定められる距離を搬送される。以上の走査および被記録媒体の搬送を繰り返すことにより、被記録媒体全面に記録がなされる。
【0005】
キャリッジに着脱可能に搭載された記録手段(記録ヘッド)を有するインクジェット記録装置においては、記録手段としてのヘッドカートリッジ内のインクを使い切った時あるいは該記録手段が故障した時に、新しい記録ヘッドと交換することにより簡単に記録可能状態に復帰できるようにしたものがある。また、近年の高機能化が進んだインクジェット記録装置においては、常備型の記録ヘッド(ヘッドカートリッジ等)をフォトカートリッジ等のオプションヘッドと交換することにより、写真調のフォト画像等の出力(記録)を可能に構成したインクジェット記録装置も普及してきている。
【0006】
従来のキャリッジ構成においては、記録ヘッドと記録装置本体との電気的な結合を行うために、記録ヘッド側にレジストを行っていない導体露出部を有する基板(ヘッド基板)もしくはFPCを設け、記録ヘッドを搭載するためのキャリッジには該記録ヘッドの導体露出部と電気的な結合を行うための圧接コネクタを設ける場合が多い。この圧接コネクタは、通常、金属にメッキを施し、該金属の弾性変形を用いて記録ヘッドの導体露出部に圧接されるものである。さらに、前記圧接コネクタはキャリッジ上に搭載された基板(キャリッジ基板)に半田付けされており、さらに、該キャリッジ上の基板はFFCもしくはFPCなどを介して装置本体側の回路基板(制御回路)との電気的に結合されている。
【0007】
しかしながら、上記の従来技術においては、記録手段とキャリッジとの電気的な接点の数によっては、記録手段をキャリッジに押し付けるためには大きな力が必要になる。その結果として、記録手段をキャリッジに装着する際に必要なの操作力が非常に大きくなってしまう。このため、記録手段を装着する固定部材の変形を防止するために、その固定部材の機構部に高い剛性をもった特別な材料を使用したり、固定部材の操作力を低減するために複雑なリンク機構を用いたりする必要があった。
【0008】
このような問題を解決するため、記録装置前面から記録ヘッドを挿入し、移動可能なキャリッジに固定できる手段を備えたインクジェット記録装置が知られている。
【特許文献1】特開2004−90343号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし上記従来の構成では、記録ヘッドの交換は記録装置本体の上方向からインクジェットヘッドまたはインクタンクを投入する必要がある。また、前記記録ヘッドの固定部材は回動可能な操作部が備えられており、ユーザは前記操作部を回動させることでセットを行う。このような場合は、本体上部のカバーを開けて記録ヘッドが通過可能な空間や、前記操作部が回動する空間を十分に広く確保する必要があった。
【0010】
さらに近年では、インクジェット記録装置とフラットベッドスキャナを組あわせて、PCからの記録のみならず原稿の複写等が可能なインクジェット複合機(マルチファンクションプリンタ)等の装置も普及しており、このような複合機においては、記録装置上部には原稿読み取り部が備えられているため、装置奥深くまでカートリッジを挟持したままキャリッジへ装着をする必要があり、ユーザ操作が煩雑であるといった問題があった。また、従来の方法で操作性を向上させるためには、記録装置全体を大きくして本体開口部を確保したり、原稿読み取り部を大きく上方に開放する必要があった。
【0011】
そこで別の従来例として、ユーザが前面からカートリッジを挟持して記録装置のキャリッジ内へ挿入するよう構成したものがある。しかしながら、前記構成ではキャリアに確実に装着するまでカートリッジを掴んでいる必要があり、ユーザが装着操作方法を誤ってしまうとカートリッジを落下する恐れがあった。また、記録装置のキャリッジからの着脱時においても、ユーザが確実にカートリッジを挟持していないとカートリッジを落下させてしまう。記録手段としての記録ヘッドのインク吐出部は非常に繊細で目詰まりや破損が起こりやすいため、落下によって破壊はもちろんのこと、ゴミ等が付着した場合でも使用不可能となってしまうことがある。したがって、ユーザの本体へのカートリッジ着脱操作時におけるカートリッジの落下を防止することが重要な課題となっている。
【0012】
また、インクジェット複合機は記録部の上方に原稿読み取り部、その手前に操作部を配置することが多く、その場合前面からカートリッジを挿入しようとすると操作部が邪魔で覗き込むようにしてカートリッジを着脱しなくてはならないといった問題があった。
【0013】
本発明は上述した従来の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、記録ヘッドのキャリッジへの装着時におけるカートリッジの落下を防止するとともに、カートリッジ着脱時の操作性を向上する構成を備えたインクジェット記録装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は上記目的を達成するため、記録媒体に沿って移動可能なキャリッジに着脱可能に搭載された記録手段からインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置において、記録手段にラフガイド突起部を設け、ラフガイド突起を前記キャリッジに設けたガイド溝に係合させる構成であり、前記キャリッジに設けられたガイド部に案内するために、記録略上方に配置された被読取対象物から文字や画像を読み取る画像読取手段を上方に開放し、記録ヘッドを一旦セット可能なポケット部とガイド溝を前記キャリッジ前部に設けることにより、ユーザが記録手段をセットしやすい構成とすることで、ヘッドの落下によるノズル吐出部の破壊やノズル部へのごみ等の付着を防止して、簡単かつ安価な構成で使い勝手に優れた着脱可能な記録ヘッドを用いるインクジェット記録装置を提供することである。
【0015】
なお、さらに説明すれば、本発明の第一の発明について下記のように示す。
【0016】
(1)インクを吐出して記録を行う着脱可能な記録ヘッドと、前記記録ヘッドを搭載して記録媒体に沿って移動可能なキャリッジと、前記記録ヘッドに設けたラフガイド突起部と、前記キャリッジに設けたガイド溝と、前記ガイド溝に案内するガイド部を有する記録ヘッドガイド部材と、前記記録略上方に配置された被読取対象物から文字や画像を読み取る画像読取手段とを有するインクジェット記録装置において、
前記キャリッジの記録ヘッド挿入方向手前部に前記記録ヘッドガイド部材を設け、前記記録ヘッドガイド部材に記録ヘッドを一旦セット可能なポケット部を設けるとともに、前記記録ヘッドに設けた前記ラフガイド突起を、前記ヘッドガイド部材に設けたガイド部に係合させて前記キャリッジに設けた前記ガイド溝へ案内させることを特徴とするインクジェット記録装置。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、記録ヘッドの装置への着脱操作において、キャリッジへの挿入や抜出時に記録装置から落下してインク吐出部を破損したり、ゴミ等が付着して目詰まりをおこして使用不可能となることを防止することができる。またさらには、記録装置全体を必要以上に大きくして本体開口部を確保したり、記録ヘッドが通過可能な空間を必要最小限にすることが可能になるため原稿読み取り部を必要以上に大きく上方に開放する必要がなくなる。装置高さを低くしたロープロファイルを実現しながら、簡単かつ安価な構成で使い勝手に優れた着脱可能な記録ヘッドを用いるインクジェット記録装置を提供することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、各図面を通して同一符号は同一又は対応した部分を示すものである。
【実施例】
【0019】
図1は本発明の実施の形態に係るシート搬送装置を備えた記録部Aの構成を示す模式的斜視図であり、インクを吐出して被記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置である場合を示す。
【0020】
図2は記録部Aの上方に読み取り部B、操作部Cを回動可能に取り付けたインクジェット複合機である場合を示す。
【0021】
本実施例に係る記録装置は、大きく分けて、読み取り部B、操作部C、給紙部37、被記録媒体搬送部(用紙搬送部)、記録部ヘッド200、記録ヘッド(記録手段)メンテナンス部36から構成されている。読み取り部、あるいはホスト装置(不図示)から記録データが送られ、制御基板上の記録装置制御部(不図示)にてデータを格納し、同制御部から記録動作開始指令が出されて記録動作が開始する。
【0022】
記録が開始すると、先ず給紙動作が行われる。給紙部はメインASF(Automatic Sheet Feeder) であり、この給紙部37は、圧板41上に複数枚積載された被記録媒体(被記録シート)から記録動作ごとに1枚ずつの記録シートを引き出して被記録媒体搬送部(用紙搬送部)に送る自動給紙部で構成されている。給紙動作開始で図示しないASFモータが回転し、その動力はギア列を経て圧板41を保持しているカムを回転させる。ASFモータの回転によってカムが外れると、圧板41は不図示の圧板ばねの作用により給紙ローラ39に向けて付勢される。同時に、給紙ローラ39が被記録媒体(用紙)を搬送する方向に回転するため、積載された被記録媒体の一番上の一枚の搬送が開始される。その際、給紙ローラ39と記録シートとの間の摩擦力、並びに記録シート同士の摩擦力の条件により、複数枚の記録シートが同時に送り出されてしまうことがある。
【0023】
その場合には、給紙ローラ39に圧接されかつ記録シート搬送方向と逆方向に所定の戻り回転トルクを有する図示しない分離ローラが作用し、この分離ローラは最も給紙ローラ39側にある記録シート以外の記録シートを元の圧板上へ押し戻す働きをする。また、ASF給紙動作終了時には、カムの動作により分離ローラは給紙ローラ39との圧接状態から解除され、所定の距離離間されるが、その際に確実に圧板上の所定位置まで記録シートを押し戻すために、図示しない戻し爪が回転してその役割を果たす。以上のような動作により、記録シートを1枚だけ用紙搬送部へ搬送する。
【0024】
給紙部37から搬送された被記録媒体としての記録シートは、用紙搬送部(被記録媒体搬送部)たる搬送ローラ(紙送りローラ)21とピンチローラ22のニップ部に向けて搬送される。ピンチローラ22の中心は、搬送ローラ21の中心に対して、図示しない排紙ローラに近づく方向の若干のオフセットを持って取り付けられているので、記録シートが挿入される接線方向角度は水平より若干傾いている。よって、用紙先端が的確にニップ部にガイドされるように、ピンチローラホルダ23と図示しないガイド部材(通紙ガイド)により形成される通紙経路で角度を付けて用紙を搬送するようにしている。
【0025】
給紙部37によって搬送(送給、給紙)される用紙(記録シート)は、停止状態の搬送ローラ21のニップ部に突き当てられる。この時、所定の通紙経路長よりもやや長い距離分をASF37で搬送することにより、給紙ローラ39と搬送ローラ21の間で用紙のループが形成される。このループが真っ直ぐに戻ろうとする力で用紙先端が搬送ローラ21のニップ部に押圧されることにより、用紙先端が搬送ローラ21に倣って平行になり、いわゆるレジストレーション取り動作が完了する。レジストレーション取り動作が完了した後、記録シートが正方向(排紙ローラに向けて進行していく方向)に移動する方向に、図示しないLFモータ(搬送モータ)の回転(正方向の回転)を開始する。
【0026】
その後、給紙ローラ39は駆動力を切断され、記録シートと連れ回りするようになる。この時点で、記録シートは搬送ローラ21とピンチローラ22のみで搬送されるようになる。記録シートは所定改行量毎に正方向に前進し、プラテン29に設けられたリブに沿って進行する。
【0027】
用紙先端は漸次排紙ローラ及び拍車列32のニップ部に掛かるが、排紙ローラの周速は搬送ローラ21の周速とほぼ等しく設定され、かつ搬送ローラ21から排紙ローラはギア列で接続されているので、排紙ローラは搬送ローラ21と同期して回転することになり、そのため、記録シートは弛んだり引っ張られたりすることなく搬送される。
【0028】
記録部は、主に記録手段としての記録ヘッド200と、記録ヘッド200を搭載して記録シート搬送方向と交叉(通常直交)する方向に走査(移動)するキャリッジ100とから成る。キャリッジ100は、シャーシ10に固定されたガイドレール14とシャーシ10の一部であるサポートレール15とによって案内支持され、キャリッジモータ17とアイドラプーリ20との間に張架されたキャリッジベルト16を介して図示しないキャリッジモータの駆動力を伝達することにより、往復移動(走査)される。
【0029】
記録ヘッド200の内部には複数のインク流路が形成されており、インク流路はプラテン29と対向する面(吐出口面)に配された吐出口まで連通している。吐出口列を形成する複数の吐出口のそれぞれの内部にはインク吐出用のアクチュエータ(エネルギー発生手段)が配されている。このアクチュエータとしては、例えば、電気熱変換体(発熱素子)による液体の膜沸騰圧力を利用したものや、ピエゾ素子等の電気機械変換体(電気−圧力変換素子)などが用いられる。
【0030】
記録装置として上記のような記録ヘッド200を用いるインクジェット記録装置においては、記録ヘッド200に、フレキシブルフラットケーブル73を介してヘッドドライバ(不図示)の信号を伝達することで、記録データに応じてインク滴を吐出することが可能である。また、シャーシ10に張架されたコードストリップ18をキャリッジ100に搭載されたCR(キャリッジ100)エンコーダによって読み取ることで、適切なタイミングで被記録シートに向けてインク滴を吐出することができる。このようにして、1ライン分の記録が終了すると、前記用紙搬送部(被記録媒体搬送部)により必要量だけ記録シートを搬送(紙送り)する。この動作を繰り返して実施することにより、記録シート全面にわたる記録動作が可能となる。以上が記録装置の概略である。
【0031】
一方、図2に示すように操作部Cを装置手前に設けた読取部Bは装置奥部に回動中心5を有し、回動可能に構成されている。読取部Bを装置後方に回動することにより、記録ヘッドの交換に要する空間が開放される。2は原稿を光学的に読み取る読取部、3は読取部2の上に置かれた原稿等を押さえる圧板である。
【0032】
図3(a),(b)は記録手段としての記録ヘッドの斜視図であり、本実施の形態においては、記録手段(記録ヘッド)とインク貯留部(インクタンク)を一体化した交換可能なインクジェットカートリッジ(ヘッドカートリッジ)を用いている。なお、前記記録ヘッドは通常のカラー記録の場合は、記録手段収容部に記録手段としての黒カートリッジ200Aが装着され、記録手段収容部に記録手段としての3色カラーカートリッジ200B(シアン、マゼンタ、イエロー)が使用される。また、写真調のフォトカラーで記録する場合には、前記黒カートリッジの代わりにオプションヘッドとしての不図示のフォトカートリッジ(黒、淡シアン、淡マゼンタ)を用いるとい言ったことも可能である。
【0033】
ヘッドカートリッジ200A、200B及びオプションヘッドとしてのフォトカートリッジは、ほぼ同じ形状寸法を有している。本実施の形態に係る記録ヘッドの代表的形状である200Aを図3に示す。図3に示すように、ヘッドカートリッジ本体部200Aの両側面の下部には位置決め溝202が形成され、該両側面の該位置決め溝202より前方のコンタクト面側の位置にはラフガイド突起203が形成されている。
【0034】
図4は図1中のキャリッジ100に図3の黒カートリッジヘッド200Aならびにカラーカートリッジ200Bが装着された状態を示す模式的斜視図である。図1及び図4において、キャリッジ100はキャリッジモータ及びキャリッジベルト16等から成る駆動機構により駆動され、前記ガイドレール14に沿って往復動するものであり、このキャリッジ100には両側の側壁103及び中壁104が設けられている。前記キャリッジ100の前記側壁103Lと前記中壁104との間には記録手段としてのヘッドカートリッジの収容部(記録手段収容部)が形成され、前記側壁103Rと前記中壁104との間にもヘッドカートリッジの収容部(記録手段収容部)が形成されている。図1および図4中には、キャリッジ100に常備ヘッドとしての黒カートリッジ200A及び3色カラーカートリッジ200Bが装着された状態が示されている。
【0035】
図5はキャリッジ100ユニットのみを示す斜視図である。図5において、キャリッジ100の中壁104の両面の下部と両側壁103R,Lの内面の下部とのそれぞれには肉厚部が設けられており、これらの肉厚部には、記録手段としての各ヘッドカートリッジ200Aおよび200Bの前記位置決め溝202が係合する位置決め突起101が設けられている。また、キャリッジ100の両側壁103および中壁104の比較的下部には、各ヘッドカートリッジ200A、200Bを装着する際に該ヘッドカートリッジを正しい挿入方向に導くように、該ヘッドカートリッジ200A、200Bに設けられた前記ラフガイド突起203を案内するためのガイド溝105が形成されている。また、キャリッジ100には、各ヘッドカートリッジ200A、200Bに設けられた不図示の配線板と接触して電気的接続を取るためのコネクタ120と、各ヘッドカートリッジ200A、200Bの導入及び固定を簡単に行うために圧縮ばね(ヘッドセットばね111)にて下方へ押圧されるヘッドセットカム110が設けられている。
【0036】
次に、記録手段としてのヘッドカートリッジ200B(200Aも同じ)をキャリッジ100に着脱する際の動作について説明する。図6は装着時の状態を示す模式的斜視図であり、図7は記録手段模式的縦断面図である。図8〜図11は記録手段装着途中の状態を示す模式図であり、図12は記録ヘッド200Bがロック固定状態にある時の状態を示す模式的縦断面図であり、図13は模式的斜視図である。
【0037】
先ず、ユーザは原稿読み取り部Bを上方に開放する。原稿読み取り部Bの開閉を検知する図示しないセンサにより、キャリッジ100がカートリッジ交換位置まで移動するように構成されている。カートリッジ交換位置の手前にはヘッドガイド13が設けられており、原稿読み取り部Bを上方に開放した状態でキャリッジ100、ヘッドガイド13をユーザは視認可能なように構成されている(図2)。
【0038】
ユーザはカートリッジ本体部200Bを挟持して、ヘッドカートリッジ200Bのラフガイド突起203をヘッドガイド部材13のポケット部13bにセットする(図6、7)。ポケットはヘッドカートリッジ200Bの外周よりわずかに大きく、上方に開いた形になっているためにヘッドカートリッジ200BをD方向にセットするイメージをユーザに想起することができる。またそのときラフガイド突起203はガイド溝内13aに接触するように設定されている。
【0039】
ラフガイド突起203とヘッドガイド部材13のガイド溝内13aとの係合により、ヘッドカートリッジ200B(ヘッドカートリッジ200Aも同じ)は一定の姿勢を保ちながら矢印E方向(装置奥方向)へと案内される。ヘッドガイド部材13の手前側は図8に示するように切り欠き13cが設けられていて、ヘッドカートリッジ200Bを奥に押す際に指が入るようになっている。
【0040】
そして、図9に示すように、ヘッドカートリッジのラフガイド突起203は、ヘッドガイド部材13のガイド溝13aと略同じ高さに構成されたキャリッジ100上のガイド溝105に当接するようになる。このとき、キャリッジ100のガイド溝105がヘッドガイド部材13のガイド溝13aが同じ高さに構成されていることで、ラフガイド突起203がキャリッジ100に干渉したり衝突したりすることはなく、ヘッドカートリッジ200Bの装着動作が阻害されるようなことはない。またこの状態では、ユーザが手を離しても姿勢が保持されるように構成されている。このときヘッドカートリッジのインク吐出部201を備えるフェイス面のコンタクト面の両脇がヘッドガイド部材13に当接するように構成されている。
【0041】
さらに引き続いて、ヘッドカートリッジ200Bを矢印E方向へ押し込んでいくと、キャリッジ100のガイド溝105から下に落ち込むように構成されている(図11)。
【0042】
ここでヘッドカートリッジ200BをF方向に回動することによってヘッドセット状態(図12)に位置決め固定されるように構成されている。
【0043】
なお、ヘッドカートリッジ200B(200Aも同じ)の横方向へのズレは前記キャリッジ100の両側壁103と、前記中壁104によって規制されるので、前記ラフガイド突起203と前記ガイド溝105との係合が外れることはなく、記録手段(ヘッドカートリッジ)200を挿入する際の案内機能を十分に発揮することができる。
【0044】
このようにしてヘッドカートリッジ200はキャリッジ100に対し安定した状態で装着される。この装着状態では、ヘッドカートリッジ200とコネクタ120の電気的接続も完了する。
【0045】
なお、図12のヘッドカートリッジ200Bが固定された状態では、前記ラフガイド突起203はガイド溝105の拡開部(広いスペース)の中に位置し、移動可能な状態になっており、そのためヘッドカートリッジ200B(200A)を所定位置に固定する動作の妨げとなることはない。
【0046】
一方、ヘッドカートリッジ200B(200A)をキャリッジ100から取り出す場合には、前述の挿入時とは逆に、ヘッドカートリッジ本体200Bを引き出すように操作すればよい。
【0047】
すなわち、まずヘッドカートリッジ200Bを図12中の矢印Gの方向に押下げる。ヘッドカートリッジ200Bを矢印Gの方向に押下げると、ヘッドカートリッジ200B(200A、)のヘッドセットカム110による固定が解除され、図11のような状態となる。図11の状態から、ヘッド手掛凸部205を矢印H方向に引きずり出すと、ヘッドカートリッジ200Bの該位置決め溝202及びキャリッジ100上の位置決め突起101を中心として時計方向に回動して、最終的には図10のようなラフガイド突起203がキャリッジ100のガイド溝105に係合する位置へ回動案内される。
【0048】
前記ヘッド200Bの着脱においてヘッドを時計方向に回動させる場合、インクの吐出部201を備えるフェイス面や、カートリッジそのものが干渉して破壊等を生じないように、ヘッドカートリッジが回動するのに十分な空間が形成されている。
【0049】
その後引き続いて、カートリッジ本体部200Bを矢印H方向に引きずり出すことでラフガイド突起203がキャリッジ100のガイド溝部105に沿って本体排紙方向の手前へ抜出される。このとき、ラフガイド突起部203がキャリッジ100上のガイド溝105の先端まで進出すると、本体前面に設けられたヘッドガイド部13のガイド溝部13aとキャリッジ100のガイド溝105部が略同じ高さに構成されるとともに、その微小な段差にテーパをつけているため、ラフガイド突起203がヘッドガイド部材13のガイド溝部13aに干渉したり衝突したりすることはない。ヘッドカートリッジ200Bはヘッドガイド部材13のポケット部13bまで進出し、ヘッドカートリッジ200Bのインクの出部201を備えるフェイス面のコンタクト面から遠い後方部がヘッドガイド部材13に当接するように構成されている。これにより、簡単かつ安価な構成で使い勝手に優れた着脱可能な記録手段としてのヘッドカートリッジ200を用いるインクジェット記録装置が提供される。
【0050】
また、本構成における記録装置においては記録可能な最大用紙サイズがLTRである。したがって本構成における記録装置においてはヘッドガイド部材13は、記録範囲に対してメンテナンスユニット36と反対側であって、かつ最大記録範囲であるLTRのいわゆるふち無し印字の際のキャリッジ100の加速開始位置に配設することで装置全体の幅を広げることなく構成すことが可能である。さらにまた、本構成における記録装置においてはヘッドガイド部材13は、記録範囲に対してメンテナンスユニット36と反対側のキャリッジ100加速開始位置であることから、ヘッドカートリッジ200の予備吐を受け止める予備吐口を構成することも可能である。
【0051】
以上図1〜図13で説明した一形態としてのインクジェット記録装置のキャリッジ100及び記録手段(ヘッドカートリッジ)200によれば、ユーザが特に意識しなくても記録手段の着脱動作による生じえる落下を防止した着脱操作を行うことができるので、簡単な構成で使い勝手の良い着脱可能な記録手段を備えたインクジェット記録装置が提供される。
【0052】
なお、図1〜図13の実施例では、キャリッジ100に2個の記録手段(記録ヘッド、ヘッドカートリッジ)200A、200Bを装着する場合を例に挙げて説明したが、本発明は、記録ヘッドの数に関わりなく自由に実施できるものであり、1個の記録ヘッドを用いるインクジェット記録装置の他、異なる色のインクを使用する複数の記録ヘッドを用いるカラー記録用のインクジェット記録装置、あるいは同一色彩で異なる濃度のインクを使用する複数の記録ヘッドを用いる階調記録用のインクジェット記録装置、さらには、これらを組み合わせたインクジェット記録装置の場合にも、同様に適用することができ、同様の効果を達成し得るものである。
【0053】
さらに、本発明は、記録手段(記録ヘッド200)とインク貯留部(インクタンク)を一体化した交換可能なインクジェットカートリッジ(ヘッドカートリッジ)を用いる構成、記録手段とインク貯留部を別体にし、その間をインク供給用のチューブ等で接続する構成など、記録手段とインク貯留部の配置構成がどのような場合にも同様に適用することができ、同様の効果が得られるものである。
【0054】
なお、本発明は、インクジェット記録装置の場合、例えば、ピエゾ素子等の電気機械変換体等を用いるインクジェット記録ヘッド200を使用するものにも適用できるが、中でも、熱エネルギーを利用してインクを吐出する方式のインクジェット記録ヘッド200を使用するインクジェット記録装置において優れた効果をもたらすものである。かかる方式によれば、記録(プリント)の高密度化、高精細化が達成できるからである。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置の全体構成を示す模式的斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るインクジェット複合機の全体構成を示す模式的斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る記録手段としての記録ヘッドを示す模式的斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るキャリッジ部の記録ヘッドを搭載した状態を示す模式的斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るキャリッジ部の記録ヘッド装着前の状態を示す模式的斜視図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る記録ヘッド装着開始時におけるの状態を示す模式的斜視図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る記録ヘッド装着開始時におけるの状態を示す模式的断面図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る記録ヘッド装着動作中の状態を示す模式的斜視図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る記録ヘッド装着動作中の状態を示す模式的断面図である。
【図10】本発明の一実施形態に係る記録ヘッド装着動作中の状態を示す模式的断面図である。
【図11】本発明の一実施形態に係る記録ヘッド装着動作中の状態を示す模式的断面図である。
【図12】本発明の一実施形態に係る記録ヘッド装着完了の状態を示す模式的断面図である。
【図13】本発明の一実施形態に係る記録ヘッド装着完了の状態を示す模式的斜視図である。
【符号の説明】
【0056】
1 記録装置本体(記録ユニット本体)
2 読取部
3 圧板
4 回動中心
10 シャーシ
13 ヘッドガイド部材
13a ヘッドガイド部材ガイド溝
13b ヘッドガイドポケット部
13c ヘッドガイド切り欠き
14 ガイドレール
15 サポートレール
16 キャリッジベルト
17 キャリッジモータ
21 搬送ローラ(LFローラ、紙送りローラ)
22 ピンチローラ
23 ピンチローラホルダ
29 プラテン
32 拍車列(回転体)
36 メンテナンスユニット(吐出回復装置)
37 メインASF(自動給紙部)
39 給紙ローラ
41 圧板
100 キャリッジ
101 キャリッジ位置決め突起
103 キャリッジ外壁
104 キャリッジ内壁
105 キャリッジガイド溝
110 ヘッドセットカム
111 ヘッドセットばね
120 コネクタ
200A 記録ヘッド(黒カートリッジ)
200B 記録ヘッド(カラーカートリッジ)
201 ノズル部
202 位置決め溝
203 ラフガイド突起
204 ヘッド押圧部
205 ヘッド手掛部a
206 ヘッド手掛部b




 

 


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