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発明の名称 インクタンクホルダおよびインクジェット記録ヘッドカートリッジ
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−1211(P2007−1211A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−185746(P2005−185746)
出願日 平成17年6月24日(2005.6.24)
代理人 【識別番号】100077481
【弁理士】
【氏名又は名称】谷 義一
発明者 北川 貴敏 / 畑佐 延幸
要約 課題
インク残量など、インクタンクの状態に関する報知をLEDなどの発光部によって行う構成において、ユーザの視認性や操作性を阻害し得る電気配線等を必要とせずに、ユーザが目視し易い位置での表示を行うようにする。

解決手段
光を出射することで情報を表示するための表示部(104B)を発光部(101)とから分離し、両者間の光接続を行う導光部(103)をインクタンクホルダ(150)に設ける。これにより、発光部と表示部とを個々に最適な位置へ配置することが可能となり、ユーザ視認性が良好な位置への表示部の配置の自由度を確保することができる。
特許請求の範囲
【請求項1】
インクジェット記録装置で用いられるインクを収納するためのインク収納部と、発光部と、前記発光部を駆動するための信号を前記インクジェット記録装置から受容する接点とを具えたインクタンクを着脱可能に保持するインクタンクホルダであって、前記発光部の光を受容し、光出射部に対して導光するための導光部を具えたことを特徴とするインクタンクホルダ。
【請求項2】
前記インクタンクは前記着脱の操作を受容する操作部を具え、前記光出射部は、前記インクタンクの装着状態において前記操作部の近傍に位置する部位に配置された前記導光部の端部であることを特徴とする請求項1に記載のインクタンクホルダ。
【請求項3】
前記インクタンクは前記着脱の操作を受容する操作部を具え、前記光出射部が前記操作部に設けられ、前記導光部は、前記操作部に設けられた前記光出射部に光を導く部分を有することを特徴とする請求項1に記載のインクタンクホルダ。
【請求項4】
前記光出射部は、目視可能な位置および前記インクジェット記録装置の受光部に対向可能な位置の少なくとも一方に対応した位置に配置されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のインクタンクホルダ。
【請求項5】
前記導光部は、前記出射部を含む複数の光出射部に導光が可能な分岐形状を有することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかにインクタンクホルダ。
【請求項6】
前記インクタンクは、インク非収納時には入射光を反射させて受光部に戻すことができるように形成されたプリズム状のインク残量検出用被検出部を具え、前記導光部は、前記インクタンクの装着状態において前記プリズム状被検出部の斜面部の1つに対向可能な位置に配置された光出射部に導光可能であることを特徴とする請求項5に記載のインクタンクホルダ。
【請求項7】
複数の前記インクタンクを着脱可能に保持することを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のインクタンクホルダ。
【請求項8】
請求項3に記載のインクタンクホルダに着脱可能で、前記導光部に結合して前記操作部に設けられた前記光出射部に光を導く部分を有することを特徴とするインクタンク。
【請求項9】
請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のインクタンクホルダと、インクを吐出するための記録ヘッドとを一体に具えたことを特徴とするインクジェット記録ヘッドカートリッジ。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット記録で用いられるインク残量など自らの状態に関する報知を、LEDなど表示器の発光によって行う構成を有するインクタンクを着脱可能に支持するためのインクタンクホルダ、該インクタンクホルダに着脱可能なインクタンク、および前記インクタンクホルダを有するインクジェット記録ヘッドカートリッジに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラの普及に伴って、パーソナルコンピュータ(PC)を介さずにデジタルカメラと記録装置としてのプリンタとを直接接続して印刷する用途(ノンPC記録)が増えつつある。さらにデジタルカメラに着脱可能に用いられる情報記憶媒体であるカードタイプの情報記憶媒体を直接プリンタに装着してデータ転送を行い、印刷を行う形態(ノンPC記録)も増えつつある。一般的にプリンタのインクタンク内のインク残量はPCを介してモニタ上で確認する手法が知られているが、上記ノンPC記録を行う場合においても、PCを介することなくインクタンク内のインク残量を把握したいという要望が高まっていた。つまりユーザが、インクタンク内のインク残量が少ないことが分かれば、例えば、記録を始める前に予め新しいインクタンクに交換し記録の途中でインク量不足のために記録が実質的にできなくなる事態を未然に防止できる。
【0003】
従来、このようなインクタンクの状態をユーザに報知する構成として、LEDなどの発光部を用いたものが知られている。特許文献1には、記録ヘッドと一体のインクタンクに2つのLEDが設けられ、これらが2段階のインク残量に応じてそれぞれ点灯することが記載されている。また、特許文献2にも同様に、インク残量に応じて点灯するランプをインクタンクに設けることが記載されている。同文献では、記録装置で用いる4つのインクタンクそれぞれに上記のランプを設けることも開示されている。
【0004】
一方、さらなる高画質化の要求から従来の4色(ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン)インクに、濃度の薄い淡色マゼンタ、淡色シアンといったインクが使われるようになってきており、さらにはレッド、ブルーインクといったいわゆる特色インクの使用も提案されてきている。このような場合、インクジェットプリンタに対しては7〜8個といったインクタンクを個別に搭載することになる。その際に、間違った装着位置へのインクタンクの搭載を防止する機構が必要となってくる。特許文献3には、インクタンクがキャリッジに搭載される際の、キャリッジの搭載部とインクタンク相互の係合の形状をインクタンクごとに異ならせ、これにより、インクタンクが誤った位置に装着されることを防止している構成が開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開平4−275156号公報
【特許文献2】特開2002−301829号公報
【特許文献3】特開2001−253087号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
インクタンクへのLED等の発光部の配設部位は、ホルダないしは記録装置(プリンタ)本体へのインクタンクの取り付け、あるいは発光部を駆動するための電気信号の授受を行うための電気的コンタクトの位置などとの関係を考慮して定められなければならない。従って、LED等の発光部と、上記取り付けを行うための操作部材と、電気的コンタクトとは相互に配置の自由度を制約することがあり、それらの部材が最適の位置に配置されるとは限らないことになる。
【0007】
例えば、上述の特許文献1には、プリンタ本体と電気的な通信を行うためのプリント回路基板(PC板)に表示用のLEDが取り付けられたインクカートリッジの構成が記載されている。しかしかかる構成では、ユーザが視認し易い位置へLEDを配置するためには、PC板も同時に配置する必要がある一方、PC板にはプリンタ本体と電気的な通信を行う電気的接続部も設ける必要があるので、これらの配置の自由度が制約されてしまう問題がある。電気的接続部分の好ましい配設位置とLEDの好ましい配設位置とをカバーするために大面積のPC板を設けることも考えられるが、その分コストが上昇してしまうことになる。また、特許文献1に記載の構成を各色について独立した複数のインクタンクを搭載可能なプリンタに適用すると、プリンタに対するインクタンクの装着構成が制限されるため、インクタンクの実質的な容積を小さくしなければならないか、あるいはプリンタを大型化する必要が生じる。
【0008】
一方、特許文献2に記載のインクタンクでは、インク警告ランプをユーザに認識させ易い場所に設ける旨の開示はあるが、インク警告ランプへ電力や信号を供給するための好ましい構成については開示されていない。その図6から図8からは、インクジェット記録装置とインク警告ランプとを結ぶ導線が設けられることが示唆され得るが、インク警告ランプの数量に見合った数の導線が必要となり、配線が錯綜しかつコストが高くなるだけでなく、配線やその接続部分によってランプの視認性を阻害する恐れがある。さらに、特許文献2の図6および図7には、インクタンクを搭載するキャリッジ上、インクタンクを固定するために操作される可動部材である固定レバーにインク警告ランプが設けられた構成が開示されているが、そのような場合は導線の配置がさらに複雑となり、かつコストも上昇し、しかもインクタンク着脱時の操作性を低下させてしまう恐れがある。
【0009】
これらの問題は、近年のプリンタの小型化や多機能化に伴ない、ユーザの目視に供し得る表示位置もインクタンク着脱時の操作部ないしはその近傍に限定することが好ましいことから一層顕著となる。
【0010】
また、表示はユーザの目視に供されるだけでなく、装置本体側が行う種々の制御のためにも供され得るものである。
【0011】
例えば、上述の特許文献2に記載されているようにインクタンクにランプが設けられている場合であっても、インク残量が少ないとして認識しているインクタンクを本体側制御部が特定する場合には、そのような認識に基づくランプの点灯などのために信号を送るべきインクタンクを特定しなければならない。インクタンクが間違った位置に装着されていた場合には、インクがなくなっていないインクタンクについてインク残量なしと間違って表示する可能性があるからである。従って、ランプ等表示器の発光制御では、その前提として、搭載されるインクタンクの搭載位置を特定しておくことが必要となる。そこでこのような場合、複数のインクタンクに対して個別にLEDなどの発光制御を行い、プリンタ内に固定された受光器の出力状態に基づいてインクタンクが搭載されている位置を特定するように構成できる。
【0012】
このように、インクタンクのLEDは、ユーザに状態を報知するために発光する機能だけでなく、所望の制御を行うために記録装置本体に設けた受光器に向けて発光する機能を利用することも考えられ、その観点からもLEDの配設位置の制約によって発光機能が活用されなくなることは好ましいことではない。
【0013】
本発明は、以上に鑑みてなされたもので、構成簡単かつ廉価にしてしかもユーザの操作性を損なうことなく、インクタンクの状態に関する報知を視認性良好に行い得るようにすることを目的とする。
【0014】
また、本発明の他の目的は、ユーザの視認性のみならず、発光機能を所望の制御に適切に供し得るようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
そのために、本発明は、インクジェット記録装置で用いられるインクを収納するためのインク収納部と、発光部と、前記発光部を駆動するための信号を前記インクジェット記録装置から受容する接点とを具えたインクタンクを着脱可能に保持するインクタンクホルダであって、前記発光部の光を受容し、光出射部に対して導光するための導光部を具えたことを特徴とする。
【0016】
ここで、前記インクタンクは前記着脱の操作を受容する操作部を具え、前記光出射部は、前記インクタンクの装着状態において前記操作部の近傍に位置する部位に配置された前記導光部の端部とすることができる。
【0017】
または、前記インクタンクは前記着脱の操作を受容する操作部を具え、前記光出射部が前記操作部に設けられ、前記導光部は、前記操作部に設けられた前記光出射部に光を導く部分を有するものとすることができる。
【0018】
また本発明インクタンクは、この形態のインクタンクホルダに着脱可能で、前記導光部に結合して前記操作部に設けられた前記光出射部に光を導く部分を有することを特徴とする。
【0019】
さらに、本発明は、上記インクタンクホルダと、インクを吐出するための記録ヘッドとを一体に具えたインクジェット記録ヘッドカートリッジに存する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、インクタンクに設けた発光部から表示部を分離し、両者間の光接続を行う導光部をインクタンクホルダに設けることで、視認性および操作性を阻害する電力供給用および信号授受用の配線等を必要とせず、発光部と表示部とを個々に最適な位置へ配置する構成を廉価に得ることが可能となる。また、それにより、ユーザ視認性が良好な位置への表示部の配置の自由度を確保することができ、ユーザはその発光状態を容易に目視することにより、インクタンクに係る所定の情報を認識することが可能となる。さらに、表示部および導光部の適切な配置により、発光機能を記録装置の所望の制御に適切に供し得るようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面を参照しつつ、次の流れに沿って本発明の実施形態を詳細に説明する。
1. 機械的構成
1.1 インクタンクおよびインクタンクホルダ
1.2 他の実施形態
1.3 インクタンク取り付け部
1.4 記録装置
2.制御系の構成
2.1 全体構成
2.2 接続部の構成
2.3 制御手順
3.その他
【0022】
1.機械的構成
1.1 インクタンクおよびタンクホルダの一実施形態(図1〜図6)
図1(a)、(b)および(c)は、それぞれ、本発明の第1の実施形態に係るインクタンクの側面図、正面図および底面図、図2はその側断面図である。なお、本説明において、インクタンクの正面とは、ユーザに向き合うことでその操作(着脱操作等)およびユーザへの情報提供(後述するLEDの発光)を可能とする面を言う。
【0023】
図1において、本実施形態のインクタンク1は正面側の下部に支持された支持部材3を有している。支持部材3はインクタンク1の外装と一体に、樹脂により形成されており、後述するタンクホルダへの装着操作等を行う際に被支持部を中心に変位可能な構成である。インクタンク1の背面側および正面側には、インクタンクホルダ側の係止部にそれぞれ係合可能な第1係合部5および第2係合部6(本例では支持部材3に一体化されている)が設けられ、これらの係合によってインクタンク1のタンクホルダへの装着状態が確保される。この装着時の動作については図15について後述する。
【0024】
インクタンク1の底面には、インクタンクホルダへの装着時に、後述する記録ヘッドのインク導入口と結合してインク供給を行うためのインク供給口7が設けられている。この底面と正面とが交わる部分にあって、支持部材3の支持部分の底面側には、本実施形態の主要部をなす基体が設けられている。基体の形状としてはチップ形状でも板状であっても良いが、以下では基板100として説明する。
【0025】
図2はインクタンク1の側断面図である。インクタンク1の内部は、支持部材としてのラッチレバー3および基板100が設けられる正面側に位置するインク収納室11と、背面側に位置してインク供給口7に連通する負圧発生部材収納室12とに分割されており、両者は連通口13を介して接続されている。インク収容室11にはインクがそのまま貯留される一方、負圧発生部材収納室12には、インクを含浸保持するスポンジ等の多孔質部材15が設けられている。この多孔質部材15は、記録ヘッドのインク吐出用のノズル部に形成されるメニスカスの保持力と平衡してインク吐出部からのインク漏れを防止するに十分で、かつ記録ヘッドのインク吐出動作が可能な範囲にある適切な負圧を発生するためのものである。この多孔質部材15は繊維部材で形成される毛管力発生部材であっても構わない。負圧発生部材収納室12の上面には、記録ヘッドへのインク供給に伴って増大する負圧を緩和し、これを好ましい所定範囲に維持すべく外気を導入するための大気連通部(不図示)が設けられている。
【0026】
なお、インクタンク1の内部構成は、このような多孔質部材の収納室とインクをそのまま貯留する収容室とに分かれた形態に限られない。例えば、多孔質部材がインクタンク内部空間の実質的に全体に充填されるものでもよい。また、負圧発生手段として多孔質部材を用いるのではなく、容積を拡張する方向に張力を発生するゴム等の弾性材料で形成した袋状部材内にインクをそのまま充填し、この袋状部材が発生する張力によって内部のインクに負圧を作用するようにしたものでもよい。さらには、インク収容空間の少なくとも一部を可撓性部材で構成し、その空間内にインクだけを収容しするとともに、可撓性部材にばね力を作用させることで負圧を発生させるようにしたものでもよい。
【0027】
インク収容室11の底部には、インクタンク1の装置への装着時において装置側に設けられたインク残量検出用センサ(後述)と対向可能な部位に、被検出部17が設けられている。本実施形態において、インク残量検出用センサは発光部および受光部を用いる光センサである。また、被検出部17は、透明もしくは半透明な材質からなり、収納するインクと実質的に屈折率が等しく、かつインク非収納時には適切に発光部からの光を反射させて受光部(後述)に戻すことができるように形状,角度等が定められた斜面部を有したプリズム状のものである。
【0028】
図3〜図6を用い、本実施形態の主要部の構成および機能について説明する。ここで、図3は図1に示したインクタンクを着脱自在に保持するインクタンクホルダの一実施形態を示す模式的側断面図、図4(a)および(b)は、それぞれ、第1の実施形態に係るインクタンクに取り付けられる制御基板の一例を示す側面図および正面図、図5(a)および(b)は、それぞれ、制御基板の他の例を示す側面図および正面図、図6(a)および(b)はインクタンクおよびインクタンクホルダの機能の概略を説明するための模式的側断面図である。
【0029】
本実施形態においては、記録ヘッド105’を備えた記録ヘッドユニット105(図14参照)に一体化されているインクジェット記録ヘッドカートリッジ形態のインクタンクホルダ(以下、タンクホルダまたは単にホルダとも言う)150の第1係止部155および第2係止部156に対し、インクタンク1の第1係合部5および第2係合部6がそれぞれ係合することで、インクタンク1がホルダ150に装着され、固定される。またこのとき、ホルダ150に設けられたコネクタ152と、基板100の外側に向かって位置する面に設けられた電極パッド102(図4(b))とが接触し、電気的接続が可能となる。また本実施形態においては、これと同時に、インクタンクホルダ150に設けてある導光部104の入射端104Aと、基板100に設けてある発光部101の光軸位置とが重なるように配される。これにより、発光部101が発光したときにこれを導光部104に受容して導光し、他端部104Bから光を出射させることでユーザおよび装置側受光部(後述)への表示を行うことが可能となる。
【0030】
ここで、導光部104としては、光透過性ないし導光性のある材料であればいかなるものであってもよく、例えばポリプロピレンやポリカーボネイトで形成されたものとすることができる。また、導光部側面から外部への光の透過を抑え、導光を効率良く行うための手段が付加されていてもよい。また、導光部104の端部104Bの形状を略半球状にし、あるいは光の好ましい散乱が生じるよう表面を粗くする処理を施し、端部104Bからの出射光を拡散させることで、ユーザの目視可能な角度(範囲)を広くすることもできる。さらに導光部としては、これを樹脂で形成する代わりに、コアとクラッドとからなる光ファイバを適用してもよいし、中実の部材とする代わりに、光を反射する内側面をもつ中空部材(ステンレスパイプなど)を採用してもよい。
【0031】
図4(a)および(b)に示すように、インクタンク1の内側に向かって位置する基板100の面には、LEDの発光を制御する制御素子103が設けられている。また、パッド102が配してある外側面には、インクタンクホルダ150の導光部104の入射位置に向けて可視光を発光するLEDなどの発光部101が設けられている。そして、コネクタ152よりパッド102を介して供給される電気信号により、制御素子103は発光部101の発光の制御を行う。なお、図4(a)および(b)は、制御素子103を基板100に実装した後に、保護用の封止剤でこれを被覆し、また、インクタンクが収納しているインクの色や細かなインク残量などの情報を記憶させておくメモリ素子を搭載する場合にも、これを同じ位置に実装して封止剤で被覆することができる。
【0032】
なお、発光部101の配設位置は図4(a)および(b)に示したものに限られず、インクタンク1がホルダ150に装着されたときに導光部104の入射位置に向けて光を照射することができれば、適宜の部位に設けることができる。例えば、図5(a)および(b)に示すように、基板100の一縁に切り欠きを設け、その切り欠き部分に発光部101が収納されるようにしてもよい。この配置は、基板100から発光部101が大きく突出することがないため、インクタンク着脱動作時に他部材と干渉する可能性を低減することができる。
【0033】
上述したように、インクタンク1の底面および正面をなす両面が交わる部分にあって、支持部材3の支持部分の下方には、基板100が配設されている。この配設部位において、インクタンク1には両面をつなぐ斜面が形成されている。従って、インクタンク1がインクタンクホルダ150に正しく装着されている状態(図6(a)および(b))において、発光部101が発光すると外に向かって投光され、タンクホルダ150に設けてある導光部104により受光および導光される。かかる構成としたことで、記録装置(ひいてはこれが接続されるコンピュータなどのホスト装置)およびユーザに対し、発光部101の配設部位によらず、導光部104の端部104Bを表示部として用いて、インクタンク1に係る所定の情報を直接提示することが可能となる。
【0034】
すなわち、図6(a)に示すように、インクタンクホルダ150を搭載するキャリッジの走査範囲の端部にあって導光部104の端部104Bから出射される光の軸の延長上に受光部210を配するとともに、その部位にキャリッジが位置したときに発光部101の発光を制御することで、記録装置側は受光部の受光内容からインクタンク1に係る所定の情報を認識することが可能となる。また、例えば走査範囲の中央にキャリッジを位置させて発光部101の発光を制御することで、図6(b)に示すように、ユーザは導光部104の端部104Bからの出射光を目視することにより、インクタンク1に係る所定の情報を認識することが可能となる。
【0035】
このように、発光部と表示部とを機能分離し、両者間の光接続を行う導光部104をインクタンクホルダ150に設けることで、視認性および操作性を阻害する電力供給用および信号授受用の配線等を必要とせず、発光部と表示部とを個々に最適な位置へ配置する構成を廉価に得ることが可能となる。それにより、ユーザ視認性が良好で、装置側でも好ましく受光を行い得る位置への表示部の配置の自由度を確保することができる。
【0036】
なお、インクタンク1に係る所定の情報とは、インクタンク1の装着状態の良否(すなわち装着が完全であるか否か)、装着位置の適否(インク色に対応して予め定められているホルダ上の装着位置に正しく装着されているか否か)、さらにはインク残量の有無(十分なインク量が残っているか否か)などであり、発光の有無や発光の状態(点滅など)によりそれらの情報の提示が可能となるのである。発光の制御およびそれに伴う情報提示の態様については、制御系の構成の説明の項において詳述する。
【0037】
1.2 インクタンクおよびタンクホルダの他の実施形態(図7〜図13)
以上述べた構成は例示であって、導光部を用いて記録装置およびユーザに対しインクタンク1に係る所定の情報を提示することが可能であれば、適宜の変形を行うことができる。この項ではそのいくつかの実施形態について説明する。
【0038】
例えば、発光部101により発光された光が導光部104に好ましく受容されるようにすること、さらに導光部104の端部104Bから出射される光が受光部210やユーザの視界に円滑に到達するようにする目的で、支持部材3の配設位置および形状を適切に定めることで、光軸が遮断されないようにすることが望ましい。しかし支持部材3を積極的に活用することも可能である。
【0039】
図7(a)および(b)はその2例を説明するためのインクタンクおよびインクタンクホルダの側面図である。まず、同図(a)は、導光部104の端部104Bから少なくとも一部の光を、支持部材3の特にユーザが操作する部分である操作部3Mに導き、そこから光の出射を行わせることで、ユーザ(または受光部210)に向かう方向にしたものである。また、同図(b)は、装着時において導光部104の端部104B’と対向または当接する端部をもつ導光部3Bをインクタンク1の支持部材3に設け、操作部3Mをこれと一体にすることで操作部3Mからの光の出射を行うようにしたものである。すなわち、これらの場合、操作部3Mがユーザの目視(または受光部210による受光)に供するための表示部として機能する。
【0040】
なお、これらの場合においては、操作部3Mおよび導光部3Bも光透過性部材で形成される。また、操作部の光出射面に光を好ましく拡散させるような構成が採用されていてもよい。さらに、特に図7(a)の場合において、導光部104の端部104Bから光をそのまま操作部3Mに導くのではなく、導光部104の端部から光を出射させ、操作部3Mを照射することで表示を行うようにしてもよい。
【0041】
いずれにしても、上述の実施形態と同様の効果が得られることに加え、本例ではユーザが操作する部分である操作部3Mが光を出射するため、例えばインクタンクの交換をユーザへ促す際には、ユーザに直感的に対象インクタンクを認識させるとともに、インクタンクの着脱操作箇所(操作部)をも直感的に認識させることが可能となる。
【0042】
次に、以上の構成においてはインクタンク1の底面および正面をなす両面が交わる部分にあって、支持部材3の斜面部分に基板100が配設されるものとした。しかし基板100の配設部位は適宜定められるものであり、またこれに伴って導光部の形状も適宜定め得るものである。
【0043】
図8および図9はその2例を説明するためのインクタンクおよびインクタンクホルダの側断面図である。まず図8の例は、制御基板100が支持部材3の下のインクタンク正面の部位に配されたものである。また、図9の例は、制御基板100がインクタンク1の底面の部位に配されたものである。これらの場合に対しても、インクタンク1がホルダ150に装着されたときに導光部104の光入射端104Aが発光部101と対向するように導光部104の形状を適切に定めることで、導光部104の端部104Bを表示部として用いてユーザの目視(または受光部210による受光)に供することができる。
【0044】
さらに、インクタンクホルダ150の導光部を適切に分岐させた構成することで複数の部位に導光させ、複数の制御に供することも可能である。
【0045】
図10はその実施形態を説明するためのインクタンクホルダの示す模式的側断面図、図11は本実施形態のインクタンクおよびインクタンクホルダの機能の概略を説明するための模式的側断面図である。
【0046】
図示の例において、インクタンク装着時に導光部104は発光部101から受光した光をユーザまたは受光部210に対向する端部104Bに導くための部分のほか、導光路を分岐させることで、インクタンク1に設けたプリズム状被検出部17の一方の斜面に対向する端部104Cに導くための部分を有している。すなわち本例は、インクタンク1の発光部101をインク残量検出用センサの発光部としても機能させるようにしている。
【0047】
上述のように、インク残量検出用センサは発光部および受光部を用いる光センサである。また、被検出部17は、透明もしくは半透明な材質からなり、収納するインクと実質的に屈折率が等しく、かつインク非収納時には適切に発光部からの光を反射させて受光部に戻すことができるように形状,角度等が定められた2つの斜面部を有したプリズム状のものである。本例においては、その斜面部の一方に導光部104の端部104Cを対向させることで、発光部101をインク残量検出用センサの発光部に兼用することができる。これにより、記録装置側には斜面部の他方に対向する受光部214Aのみを具えれば足りることになる。
【0048】
なお、本例の導光部の構成は、図8および図9の構成にも適用可能であることは勿論である。図12および図13はその適用例を示し、図12は制御基板100が支持部材3の下のインクタンク正面の部位に配されている場合に本例の構成を適用したもの、また図13は制御基板100がインクタンク1の底面の部位に配されている場合に本例の構成を適用したものである。
【0049】
1.3 インクタンク取り付け部(図14〜図16)
図14は図1〜図6に示した実施形態に係るインクタンクを着脱可能に保持する記録ヘッドユニットの一例を示す斜視図、図15(a)〜(c)はインクタンクを記録ヘッドユニットに装着する際の動作を説明するための図である。なお、これらの図は簡略化のために導光部104を省いて描いている。
【0050】
記録ヘッドユニット105は、概して、複数(図では4個)のインクタンクを着脱可能に保持するホルダ150と、底面側に配置される記録ヘッド105’(図14では不図示)とからなっている。そしてインクタンクをホルダ150に装着することで、ホルダ底部に位置する記録ヘッド側のインク導入口107とインクタンク側のインク供給口7とが結合し、両者間のインク連通路が形成される。
【0051】
記録ヘッド105’としては、ノズルを構成する液路内に電気熱変換素子を設け、これに記録信号となる電気パルスを与えることによりインクに熱エネルギを付与し、そのときのインクの相変化により生じる発泡(沸騰)時の圧力をインクの吐出に利用するものを用いることができる。そして、後述するキャリッジ203に設けられた信号伝達用の電気接点部(不図示)と記録ヘッドユニット105側の電気接点部157とのコンタクトが行われ、配線部158を介して記録ヘッド105’の電気熱変換素子駆動回路への記録信号の伝達が行われる。また、電気接点部157からはコネクタ152に至る配線部159も延設されている。
【0052】
インクタンク1を記録ヘッドユニット105に装着する場合には、ホルダ150の上方でインクタンク1を取り扱い(図15(a))、インクタンク背面側に設けられた突起状の第1係合部5を、ホルダ背面側に設けられた貫通孔状の第1係止部155に挿通した状態でホルダ底面上に載置する(図15(b))。この状態でインクタンク1の正面側上端を矢印Pに示すように押下すると、インクタンク1は第1係合部5および第1係止部155の係合部分を回動支点として矢印R方向に回動し、インクタンク正面側が下方に変位してゆく。この過程で、インクタンク正面側の支持部材3に設けられた第2係合部6の側面がホルダ正面側に設けられた第2係止部156に押されながら、支持部材3も矢印Q方向に変位してゆく。
【0053】
そして第2係合部6の上面が第2係止部156の下方に至ると、支持部材3は自身の弾性力によってQ’方向に変位し、第2係合部6が第2係止部156によって係止される。この状態(図15(c))では、第2係止部155が支持部材3を介してインクタンク1を水平方向に弾性的に付勢し、インクタンク1の背面がホルダ150の背面に当接する。また、インクタンク1上方への変位は、第1係合部5が係合した第1係止部155および第2係合部6が係合した第2係止部156によって抑制される。これがインクタンク1の装着完了状態であり、このときインク供給口7およびインク導入口107、またパッド102およびコネクタ152が接合した状態となる。
【0054】
「てこ」の作動にたとえると、図15(b)に示すような装着動作の過程では、第1係合部5および第1係止部155の係合部分が支点、インクタンク1の正面側が力点となる。インク供給口7およびインク導入口107の結合部分は作用点となって、これは力点と支点との間、好ましくは支点近くに位置する。従って、インク供給口7はインクタンク1の回動に伴って大きな力でインク導入口107に押し付けられる。両者の結合部分には通常、インク連通性の確保やインク漏洩の防止を目的としてフィルタ,吸収体,パッキンなど比較的可撓性に富む弾性部材が配設されている。
【0055】
従って、本例のような構成配置および装着動作を採用し、比較的大なる力をもってそれら部材を弾性変形させた状態とすることは、それらの配設目的に照らして好ましいことである。また、装着動作が完了すると、第1係合部5が係合した第1係止部155および第2係合部6が係合した第2係止部156によってインクタンク1の浮き上がりが阻止され、従ってそれら弾性部材の復元が抑制されるので、それらの部材は適切に弾性変形した状態に保持される。
【0056】
一方、接点としてのパッド102およびコネクタ152は金属など比較的剛性の高い導電部材であり、これらの間には良好な電気接続性が確保されるべきである。一方、過大な力をもってそれらを当接させることは、損傷防止や耐久性の観点から好ましくない。本例ではまず、支点から極力離れた部位、すなわちインクタンクの正面近傍にそれらを配置することで、当接力を好ましく小とする。
【0057】
本例の場合、インクタンク1の底面および正面をなす両面が交わる部分にあって、両面をつなぐ斜面に基板100を配置している。ここで、装着完了直前においてパッド102がコネクタ152に当接した状態での、この当接部分のみでの力の釣り合いを考えると、鉛直方向下方に作用する装着力に釣り合ってコネクタ152がパッド102に及ぼす反力(鉛直方向上向きの力)は、コネクタ152およびパッド102間の実際の当接圧(斜面に垂直な方向の力)の分力となる。従って、ユーザが装着完了位置に向けてインクタンクを押下するとき、基板およびコネクタ間の電気的接続を行わせるためのインクタンク装着力の増加分も少なく、ユーザの操作性を著しく低下させることもない。
【0058】
また、装着完了位置(第1係合部5と第1係止部155、および第2係合部6と第2係止部156が係合する位置)に向けてインクタンク1を押圧すると、その押圧力によって基板100の平面に平行な方向の分力(パッド102にコネクタ152上を摺動させる力)も生じる。よって、両者間での良好な電気接続性も確保された装着完了状態を得ることができる。また、この状態では電気的接続部分がインクタンク底面から高い部位に位置するので、漏洩インクが伝わってくる恐れも極めて少ない。
【0059】
すなわち、本例のような電気的接続部分の構成配置は、インクタンク装着力の大きさ、電気的接触状態の確保、および漏洩インクからの保護など、種々の点を勘案した適切なものと言い得るのである。
【0060】
本発明の第1実施形態または変形例に係るインクタンクの取り付け部分の構成は、図14に示したものに限られない。
【0061】
図16を用いてこれを説明する。同図(a)はインクタンクからインクの供給を受けて記録動作を実行する記録ヘッドユニットの他の構成例及びこれを組み込むキャリッジの斜視図、(b)は両者を結合した状態を示す斜視図である。
【0062】
この例に係る記録ヘッドユニット405は、インクタンク全体を固定保持する上例のようなホルダ150と異なり、図16(a)に示すように、インクタンク正面側に対応したホルダ部分、およびここに配設されていた第2係止部およびコネクタなどを有していない。その他は上例とほぼ同様であり、底面上にはインク供給口7に接続されるインク導入口107を、また背面側には第1係止部155を、さらにその裏面には信号伝達用の電気接点部(不図示)を有している。
【0063】
一方、シャフト417に沿って移動可能なキャリッジ415には、図16(b)に示すように、記録ヘッドユニット405を装着・固定するためのレバー419及び記録ヘッド側電気接点部と接続されている電気接点部418のほか、インクタンク正面側の構成に対応したホルダ部分が設けられている。すなわち、第2係止部156、コネクタ152およびコネクタへの配線部159はキャリッジ側に配設されている。
【0064】
かかる構成にあって、図16(b)に示すように記録ヘッドユニット405をキャリッジ415に装着した状態とすればインクタンクの取り付け部分の全体が構成される。つまり図15と同様の装着動作を経て、インク供給口7およびインク導入口107の接合並びにパッド102およびコネクタ152の接続が行われて装着動作が完了する。
【0065】
1.4 記録装置(図17〜図18)
図17は、以上説明したインクタンクを装着して記録を行うインクジェットプリンタ200の外観を示す図であり、図18は、図17に示す本体カバー201を開放した状態を示す斜視図である。
【0066】
図17に示すように、本実施形態のプリンタ200は、記録ヘッドおよびインクタンクを搭載したキャリッジが走査のための移動をして記録を行う機構などプリンタの主要部分が、本体カバー201およびその他のケース部分によって覆われているプリンタ本体と、その前後にそれぞれ設けられる排紙トレイ203と、自動給紙装置(ASF)202とを備えたものである。また、本体カバーを閉じた状態および開いた状態の両方で本プリンタの状態を表示するための表示器、電源スイッチおよびリセットスイッチを備えた操作部213が設けられている。
【0067】
本体カバー201を開放した状態では、図18に示すように、ユーザは、記録ヘッドユニット105およびインクタンク1K、1Y、1M、1C(以下では、これらのインクタンクを同一の符号「1」で示す場合もある)を搭載したキャリッジ205が移動する範囲およびその周辺を見ることができる。実際は、本体カバー201を開けると、キャリッジ205が自動的に同図に示すほぼ中央の位置(以下、「タンク交換位置」ともいう)へ移動するシーケンスが実行され、ユーザは、このタンク交換位置でそれぞれのインクタンクの交換操作などを行うことができる。
【0068】
本実施形態のプリンタは、記録ヘッドユニット105に各色のインクに対応したチップ形態の記録ヘッド(不図示)が設けられ、これら各色の記録ヘッドがキャリッジ205の移動によって用紙などの記録媒体に対して走査を行い、この走査の間に記録媒体にインクを吐出して記録を行うものである。すなわち、キャリッジ205は、その移動方向に延在するガイド軸207と摺動可能に係合するとともに、キャリッジモータおよびその駆動力伝達機構によって、上述の移動をすることができる。そして、K、Y、M、Cのインクに対応したそれぞれの記録ヘッドでは、フレキシブルケーブル206を介して本体側の制御回路から送られる吐出データに基づいてインク吐出が行われる。また、紙送りローラや排紙ローラなどの紙送り機構が設けられ、自動給紙装置202から給紙された記録媒体(不図示)を排紙トレイ203まで搬送することができる。また、キャリッジ205には、インクタンクホルダを一体に備えた記録ヘッドユニット105が着脱自在に装着され、一方、この記録ヘッドユニット105に対してそれぞれのインクタンク1がカートリッジの形態にて着脱自在に装着される。すなわち、キャリッジ205に記録ヘッドユニット105を装着し、さらに記録ヘッドユニット105にインクタンク1を装着することが可能であり、本実施形態ではインクタンク1は記録ヘッドユニット105を介してキャリッジ205に着脱可能である。
【0069】
記録動作では、記録ヘッドが上記の移動によって走査しその間にそれぞれの記録ヘッドから記録媒体にインクを吐出して記録ヘッドにおける吐出口に対応した幅の領域に記録を行うとともに、この走査と次の走査の間に、上記紙送り機構によって上記幅に応じた所定量の紙送りを行うことにより、記録媒体に対して順次記録を行ってゆく。また、上記のキャリッジ移動による記録ヘッドの移動範囲の端部には、各記録ヘッドについてその吐出口が配設された面を覆うキャップなどの吐出回復ユニットが設けられている。これにより、記録ヘッドは所定の時間間隔で回復ユニットが設けられた位置へ移動して、予備吐出などの回復処理を行う。
【0070】
各インクタンク1のタンクホルダ部を備えた記録ヘッドユニット105には、前述したように、各インクタンクに対応してコネクタが設けられており、それぞれのコネクタは装着されるインクタンク1に設けられている基板のパッドと接触する。これにより、それぞれの発光部(以下、LED)101について、図25〜図27にて後述されるシーケンスに従った点灯ないし点滅の制御が可能となる。
【0071】
具体的には、上記のタンク交換位置では、それぞれのインクタンク1についてインク残量が少なくなったとき、その該当するインクタンク1のLED101を点灯もしくは点滅させる。また、キャリッジの移動範囲において、上述の回復ユニットが設けられた位置と反対側の端部付近には、受光素子を有した受光部210が設けられている。これにより、キャリッジ205の移動に伴ってそれぞれのインクタンク1のLED101がこの受光部210を通過する際にLED101を発光させ、その光を受光したときのキャリッジ205の位置に基づいてキャリッジ205におけるそれぞれのインクタンク1の位置を検出することができる。さらに、LEDの点灯などの制御の他の例として、上記タンク交換位置で、インクタンク1が正しく装着されたときにそのタンクのLED101を点灯させる制御を行う。これらの制御は、記録ヘッドのインク吐出などの制御と同様、フレキシブルケーブル206を介して本体側の制御回路からそれぞれのインクタンクに対して制御データ(制御信号)が送られることによって実行される。
【0072】
2. 制御系の構成
2.1 全体構成(図19)
図19は、上述したインクジェットプリンタの制御系の構成例を示すブロック図であり、プリンタ本体におけるPCB(プリント配線基板)形態の制御回路とそれによって制御される、インクタンクのLEDの発光などに関する構成を主に示している。
【0073】
図19において、制御回路300は本プリンタに関するデータ処理および動作制御を実行する。具体的には、CPU301は、ROM303に格納されているプログラムに従い、図25〜図28にて後述される処理などを実行する。また、RAM302は、CPU301による処理実行の際に、ワークエリアとして用いられる。
【0074】
図19において模式的に示されるように、キャリッジ205に搭載された記録ヘッドユニット105は、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各インクを吐出するための複数の吐出口が形成されたそれぞれの記録ヘッド105K、105Y、105M、105Cを備えている。そして、記録ヘッドユニット105のホルダには、これらの記録ヘッドに対応してインクタンク1K、1Y、1M、1Cが着脱自在に搭載される。
【0075】
それぞれのインクタンク1には、前述したように、LED101、その表示制御回路、および、接触端子であるパッドなどが設けられた基板100が取り付けられている。そして、インクタンク1が記録ヘッドユニット105に正しく装着されたとき、上記基板100上のパッドが記録ヘッドユニット105においてインクタンク1にそれぞれ対応して設けられたコネクタと接触する。また、キャリッジ205に設けられたコネクタ(不図示)と本体側の制御回路300とはフレキシブルケーブル206を介して信号接続する。さらに、キャリッジ205に記録ヘッドユニット105が装着されることにより、キャリッジ205の上記コネクタと記録ヘッドユニット105の上記コネクタとが信号接続する。以上の接続構成により、本体側の制御回路300とそれぞれのインクタンク1との間で信号の授受を行うことが可能となる。これにより、制御回路300は、図25〜図27にて後述されるシーケンスに従った点灯ないし点滅の制御を行うことができる。
【0076】
記録ヘッド105K、105Y、105M、105Cにおけるそれぞれのインク吐出の制御についても、同様に、フレキシブルケーブル206、キャリッジ205のコネクタ、および記録ヘッドユニットのコネクタを介してそれぞれの記録ヘッドに設けられた駆動回路などが、本体側の制御回路300と信号接続し、これにより、制御回路300はそれぞれの記録ヘッドにおけるインク吐出などを制御することができる。
【0077】
キャリッジ205の移動範囲の一方の端部近傍に設けられる受光部210は、インクタンク1のLED101からの発光を受けて、それに応じた信号を制御回路300へ出力する。制御回路300は、後述のように、この信号に基づき、それぞれのインクタンク1のキャリッジ205における位置を判断することができる。また、キャリッジ205の移動経路に沿ってエンコーダスケール209が設けられるともに、キャリッジ205にはエンコーダセンサ211が設けられる。このセンサの検出信号はフレキシブルケーブル206を介して制御回路300に入力し、これにより、キャリッジ205の移動位置を知ることができる。この位置情報は、各記録ヘッド吐出制御に用いられるとともに、図25などにて後述される、インクタンク位置を検出する光認証処理において用いられる。さらに、キャリッジ205の移動範囲における所定の位置の近傍、すなわちインクタンクのプリズム状被検出部17に対向する部位に設けられる光センサ214は、発光素子と受光素子とを有し(但し、図7〜図13に示した実施形態では発光素子は不要となる)、キャリッジ205に搭載されるそれぞれのインクタンク1のインク残量に係る信号を制御回路300に出力する。そして、制御回路300は、この信号に基づき、インク残量を検出することができる。
【0078】
2.2 接続部の構成(図20〜図24)
図20は、フレキシブルケーブル206における、インクタンク1との信号接続のための信号配線の構成を、各インクタンクの基板100との関係で示す図である。
【0079】
図20に示すように、インクタンク1に対する信号配線は、4本の信号線からなり、また、4つのインクタンク1に共通の信号配線(所謂バス接続)である。すなわち、それぞれのインクタンク1に対する信号配線は、インクタンクにおけるLED101の発光およびその駆動などを行う機能素子群103の動作などの電力供給にかかる電源信号線「VDD」およびアース信号線「GND」と、後述されるように、制御回路300から、LED101の点灯、点滅などの処理に関する制御信号(制御データ)などを送るための信号線「DATA」およびそのクロック信号線「CLK」の4本の信号線から構成される。本実施例においては4本の信号線による説明を行うが、本発明はこれに限定されるものでなく例えばアース信号を別構成で達成することにより「GND」線を省略することも可能である。また「CLK」と「DATA」の信号線を共有して一本で構成することも可能である。
【0080】
一方、各インクタンク1の基板100には、これら4本の信号線の信号によって動作する制御部103およびそれによって動作するLED101が設けられている。
【0081】
図21はこれら制御部などが設けられた基板の詳細を示す回路図である。同図に示すように、制御部103は、入出力制御回路(I/O CTRL)103A、メモリーアレイ103BおよびLEDドライバ103Cを有して構成される。入出力制御回路103Aは、本体側の制御回路300からフレキシブルケーブル206を介して送られてくる制御データに応じて、LED101の表示駆動やメモリーアレイ103Bに対するデータの書き込みおよび読み出しを制御する。メモリーアレイ103Bは、本実施形態ではEEPROMの形態のものであり、インク残量、収納するインクの色情報の他、そのインクタンクの固有番号や製造ロット番号などの製造情報等のインクタンク個体情報を記憶することができる。なお、色情報はインクタンクの出荷時または製造時に、その収納しているインクの色に対応して、メモリーアレイ103Bの所定のアドレスに書き込まれる。例えばこの色情報は、図23、図24にて後述されるように、インクタンクの識別情報(個体情報)として用いられ、これにより、インクタンクを特定してメモリーアレイ103Bに対するデータの書き込みやメモリーアレイ103Bからデータの読み出しを行い、また、そのインクタンクのLED101の点灯、消灯を制御することが可能となる。メモリーアレイ103Bに書き込まれ、また、読み出されるデータには、例えば、インク残量のデータがある。本実施形態のインクタンクには、前述したようにその底部にプリズムが設けられ、インクの残量が少なくなったときはこのプリズムを介して光学的にその旨を検出することができる。本実施形態では、これに加え、制御回路300は、吐出データに基づいて記録ヘッドごとの吐出数をカウントし、それに基づいてインクタンクごとのインク残量を計算する。そして、この残量情報をそれぞれ対応するインクタンクのメモリーアレイ103Bに書き込み、また、読み出す処理を行う。これにより、メモリーアレイ103Bはその時点のインク残量の情報を保持することができ、この情報は、例えば、上記プリズムを用いたインク残量検出と併用したより精度の高い残量検出に用いられたり、装着されたインクタンクが新しいものか、あるいは一度用いられて再装着されたものであるかなどを判断するために用いられたりする。
【0082】
LEDドライバ103Cは、入出力制御回路103Aから出力される信号がオンのときLED101に電源電圧を印加するよう動作し、これにより、LED101を発光させる。従って、入出力制御回路103Aから出力される信号がオンの状態にあるとき、LED101は点灯状態となり、上記信号がオフの状態にあるとき、LED101は消灯状態となる。
【0083】
図22は、図21に示した基板100の構成の変形例を示す回路図である。この変形例が図21に示す例と異なる点は、LED101に対して電源電圧を印加する構成において、電源がインクタンクの基板100内部に設けられたVDD電源パターンから供給されるものである。制御部103は半導体基板上にまとめて作りこまれることが一般的であり、この半導体基板上の接続端子をLED接続端子のみとした構成である。接続端子数少なくすることで、半導体基板の占有面積に大きく影響するので、半導体基板のコストダウンにつながるものである。
【0084】
図23は、上述したメモリーアレイ103Bに対するデータの書き込みおよび読み出しの動作をそれぞれ説明するためのタイミングチャートであり、図24は、LED101の点灯および消灯の動作をそれぞれ説明するタイミングチャートである。
【0085】
図23に示すように、メモリーアレイ103Bへの書き込みでは、本体側の制御回路300からインクタンク1の制御部103における入出力制御回路103Aに対し、信号線DATA(図20)を介して「開始コード+色情報」、「制御コード」、「アドレスコード」、「データコード」の各データ信号が、クロック信号CLKに同期してこの順で送られてくる。「開始コード+色情報」は、その「開始コード」信号によって、一連のデータ信号の始まりを意味し、また、「色情報」信号によってこの一連のデータ信号の対象となっているインクタンクを特定する。なお、ここでのインクの「色」とはY、M、C等のインク色だけでなく濃度の異なるインクをも含むものである。
【0086】
「色情報」は、同図に示すように、インクの色「K」、「C」、「M」、「Y」に対応したコードを有しており、入出力制御回路103Aは、このコードが示す色情報とメモリーアレイ103Bに格納されている自身の色情報とを比較し一致しているときにのみ、それ以降のデータ信号を取り込む処理を行い、一致しないときは、それ以降のデータ信号の取り込みを無視する処理を行う。これにより、図20に示した共通の信号線「DATA」を介して、本体側からデータ信号をそれぞれのインクタンクに共通に送っても、それに上述の色情報を含めることによってインクタンクを特定することができ、書き込み、読み出し、LEDの点灯、消灯など、その後のデータ信号に基づく処理を、その特定したインクタンクに関してのみ行うことが可能となる。この結果、4つのインクタンクに対して共通の(1本の)データ信号線を介して送信されるデータによってデータの書き込みなどのほか、LEDの点灯、消灯の制御を行うことができ、これらの制御に要する信号線の数を本発明のように少なくすることが可能となる。なお、このような共通の(1本の)データ信号線を用いる構成は、インクタンクの数に限定されずに同じものとすることができることは、以上の説明からも明らかである。
【0087】
本実施形態の「制御コード」は、図23に示すように、後述するLEDの点灯、消灯制御に用いられる「OFF」、「ON」のコードと、メモリーアレイに対する読み出しおよび書き込みを示すそれぞれ「READ」および「WRITE」のコードを有している。本書き込み動作では、「WRITE」のコードがインクタンクを特定する上記「色情報」のコードの後に続くことになる。次の「アドレスコード」は、書き込み先であるメモリーアレイのアドレスを示し、最後の「データコード」は書き込む内容を表している。
【0088】
なお、「制御コード」が表す内容は上記の例に限られないことはもちろんであり、例えば、ベリファイコマンド、連続読み出しコマンドなどに関する制御コードを加えて用いることもできる。
【0089】
読み出しでは、上記の書き込みの場合とデータ信号の構成は同じであり、また、「開始コード+色情報」のコードは、上記の書き込みの場合と同様、総てのインクタンクの入出力制御回路103Aによって取り込まれ、それ以降のデータ信号は「色情報」が一致したインクタンクの入出力制御回路103Aだけが取り込む。異なる点は、アドレスコードによってアドレスを指定した後、最初のクロック(図23では13クロック目)の立ち上がりに同期して、読み出したデータの出力が行われる。複数のインクタンクのデータ信号端子が、このような共通の(1本の)データ信号線に接続されていても、読み出したデータが他の入力信号とぶつからないように入出力制御回路103Aが調停を行っているのである。
【0090】
LED101の点灯または消灯では、図24に示すように、上記と同様、先ず、「開始コード+色情報」のデータ信号が、本体側から信号線DATAを介して入出力制御回路103Aに送られてくる。上述したように、「色情報」によってインクタンクが特定され、その後に送られてくる「制御コード」に基づくLED101の点灯、消灯は特定されたインクタンクのみで行われる。点灯、消灯にかかる「制御コード」は、図23にて上述したように、「ON」または「OFF」のコードがあり、「ON」によってLED101の点灯が行われ、「OFF」によって消灯が行われる。すなわち、制御コードが「ON」のとき、入出力制御回路103Aは、図22にて前述したように、LEDドライバ103Cに対してオン信号を出力し、それ以降もその出力状態を維持する。逆に、制御コードが「OFF」のとき、入出力制御回路103Aは、LEDドライバ103Cに対してオフ信号を出力し、それ以降もその出力状態を維持する。なお、LED101の点灯または消灯の実際のタイミングは、図24に示す各データ信号についてクロックCLKの7クロック目以降に行われる。
【0091】
同図に示す例では、最初、同図の最左端のデータ信号にあるように、ブラックKのインクタンクが特定されて、インクKのタンクのLED101が点灯されている。次に、2番目のデータ信号の「色情報」はマゼンタインクMを指定するものであり、「制御コード」は点灯を指示するものであるから、インクKのタンクのLED101が点灯したまま、インクMのタンクのLED101も点灯する。そして、3番目のデータ信号は、インクKのタンクについて、「制御コード」が消灯を指示するものであるから、インクKのタンクについてのみそのLED101が消灯する。
【0092】
LEDの点滅制御は、上記の説明からも分かるように、本体側の制御回路300が、点灯と消灯の「制御コード」をそれぞれ含むデータ信号をそのインクタンクを特定して送ることによって可能となる。その場合に、その信号を送る周期を定めることによって、点滅の周期を制御することができる。
【0093】
2.3 制御手順(図25〜図31)
図25は、以上説明した本実施形態の構成に基づくインクタンクの着脱に関する制御手順を示すフローチャートであり、特に、本体側の制御回路300による各インクタンク1のLED101の点灯、消灯の制御を示すものである。
【0094】
図25に示す処理は、ユーザが本実施形態のプリンタの本体カバー201を開いたとき、所定のセンサによってこれを検知して起動される処理である。本処理が起動されると、先ず、ステップS101で、インクタンク着脱処理を実行する。
【0095】
図26は、このインクタンク着脱処理の詳細を示すフローチャートである。同図に示すように、着脱処理では、先ず、ステップS201で、キャリッジ205を移動するとともにそのとき搭載されているそれぞれのインクタンクについて状態情報(インクタンクの個体情報報)を取得する。取得される状態情報としてはそのときのインク残量などであり、これらがそのインクタンクの固有番号とともに、メモリーアレイ103Bから読み出される。そして、ステップS202で、キャリッジ205が図18にて説明したインクタンク交換位置に到達したか否かを判断する。
【0096】
キャリッジ205がインクタンク交換位置に到達したと判断すると、ステップS203でインクタンク装着確認制御を行う。
【0097】
図27は、この装着確認制御の詳細を示すフローチャートである。先ず、ステップS301で、キャリッジ205に搭載されるインクタンクの数を示すパラメータNを設定するとともに、このインクタンクの数に応じてLEDの発光を確認するためのフラグF(k)を初期化する。本実施形態では、Nとして、K、C、M、Yのインクタンクの数で4が設定される。これに従い、F(1)、k=1〜4、の4つのフラグが用意され、これらが総て初期化されてその内容が“0”とされる。
【0098】
次に、ステップS302で上記フラグのインクタンクの装着判定順序に関る変数Aを1に設定し、ステップS303で、A番目のインクタンクについて装着確認制御を行う。この制御は、ユーザがインクタンクを記録ヘッドユニット105のホルダ150に正しい位置に装着することにより、前述したホルダ150のコンタクト152とインクタンクのコンタクト102とが接触し、これにより、本体側の制御回路300が、前述したように、インクタンクの個体情報である色情報によってインクタンクを特定しつつ、その特定したタンクのメモリーアレイ103Bに格納されている色情報を順次読み出す動作である。また、上記特定するための色情報は、それまでに既に読み出されているものについては、用いないことはもちろんである。さらに、本制御では、この読み出した色情報が、本処理が起動された後、それまでに読み出された色情報と異なるものか否かの判断も行う。
【0099】
そして、ステップS304では、色情報を読み出すことができ、かつその色情報がそれまでに読み出されたものと異なるとき、その色情報のインクタンクがA番目のインクタンクとして装着されたと判断する。それ以外の場合は、A番目のインクタンクが装着されていないと判断する。尚、ここで説明するA番目というのは単にインクタンクの判定を行う順番を説明するものであり、インクタンクの装着位置を示す順番ではない。A番目のインクタンクが装着されていると判断したときは、ステップS305で、そのフラグF(A)、すなわち、用意された4つのフラグF(k)、k=1〜4のうち、k=Aに該当するフラグ(A)の内容を“1”とし、図24にて上述したようにして、該当する色情報のインクタンク1のLED101を点灯する。装着されていないと判断したときは、ステップS311で、そのフラグF(A)の内容を“0”とする。
【0100】
次に、ステップS306で、変数Aを1インクリメントし、ステップS307で、この変数AがステップS301で設定したN(本実施形態のプリンタの場合はN=4)より大きいか否かを判断する。ここで、変数AがN以下であると判断したときは、ステップS303以降の処理を繰り返す。また、変数AがNより大きいと判断したときは、4つのインクタンク総てについて装着確認制御が終了したとして、ステップS308で、本体カバー201が開放された状態か否かを、上記のセンサの出力に基づいて判断する。すなわち、本体カバーが閉じた状態であるときは、ユーザが、例えば、インクタンクのいくつかを未装着あるいは装着が不完全なままカバーを閉じた可能性があるとして、ステップS312で異常状態のステータスを図26の処理ルーチンへ返して本処理を終了する。
【0101】
ステップS308で、本体カバー201が開いた状態であると判断したときは、4つのフラグF(k)、k=1〜4、の総てについてその内容が“1”か否か、すなわち、総てのインクタンクについて、LED101の点灯がされたか否かを判断する。いずれかのインクタンクのLED101が点灯していないと判断したときは、ステップS302以降の処理を繰り返す。すなわち、ユーザが、LED101が点灯していないインクタンクについて、装着し、または装着動作をやり直し、そのインクタンクのLEDが点灯するまで、上記の処理を繰り返す。
【0102】
総てのインクタンクのLEDが点灯されたと判断したときは、ステップS310で正常終了動作を行い、本処理を終了し、処理は図26に示す処理ルーチンに戻る。図28(a)は、総てのインクタンクについて正しく装着され、それぞれのLEDが点灯した状態を示す図である。
【0103】
再び、図26を参照すると、ステップS203のインクタンク装着確認制御を上記のように実行した後、ステップS204で、その制御正常終了したか否か、すなわち、正常にインクタンクが装着されたか否かを判断する。装着が正常と判断したときは、ステップS205で操作部213の表示器(図17、図18)を、例えばグリーンに点灯し、ステップS206で正常終了して図25に示す処理ルーチンに戻る。また、装着が異常と判断したときは、ステップS207で操作部213の表示器を、例えば、オレンジで点滅し、ステップS208で異常終了して図25に示す処理ルーチンに戻る。記録装置を制御するホストPCが接続されている場合は、同時にPCモニタを通して装着異常表示を行うこともできる。
【0104】
図25において、ステップS101のインクタンク着脱処理を終了すると、ステップS102で、上記着脱処理が正常終了したか否かを判断する。異常終了であると判断したときは、ステップS108で、ユーザが本体カバー201を開けるのを待ち、カバー201が開けられたことによってステップS101の処理が起動され、図26にて説明した処理を繰り返す。
【0105】
ステップS102で、着脱処理が正常に終了したと判断したときは、ステップS103で、ユーザが本体カバー201を閉じるのを待ち、ステップS104でカバー201が閉じられたか否かを判断する。ここで、本体カバーが閉じられたと判断したときは、ステップS105の光認証処理に移行する。この際、図28(b)に示すように、本体カバー201が閉じられたことを検出すると、キャリッジ205は光認証のための位置へ移動するとともに、点灯されているそれぞれのインクタンクのLED101を消灯する。
【0106】
光認証処理は、正常に装着されたインクタンクそれぞれが正しい位置に装着されているか否かを判断する処理である。本実施形態では、インクタンクの装着位置について、例えば、インクタンクと装着位置の形状を他のインクのインクタンクが装着できないような形状とし、それぞれの色のインクタンクに対応して装着位置を定めるような構成をとらないことから、それぞれの色のインクタンクについて本来の位置でないところに誤って装着される可能性がある。このため、本光認証処理を行い、誤って装着されている場合は、ユーザにその旨を知らせるものである。これにより、特に、インクタンクの形状を色ごとに異ならせることなく、インクタンクの製造の効率化や低コスト化を図ることができる。
【0107】
図29(a)〜(d)および図30(a)〜(d)は、この光認証処理を説明する図である。
【0108】
図29(a)に示すように、先ず、受光部210に対して、図中左側から右側へ移動キャリッジ205を開始する。そして、最初に、イエローインクのインクタンク1Yが装着されるべき位置のインクタンクが受光部210に対向する位置で、インクタンク1YのLED101を発光させる(図24にて説明したように、実際は点灯し所定時間後消灯すること、以下、本認証処理では同様)。インクタンク本来の正しい位置に装着されているとき、受光部210はLED101の発光を受光することができ、制御回路300は、その装着位置にはインクタンク1Yが正しく装着されていると判断する。
【0109】
キャリッジ205を移動しつつ、同様にして、図29(b)に示すように、マゼンタインクのインクタンク1Mが装着されるべき位置のインクタンクが受光部210に対向する位置で、インクタンク1MのLED101を発光させる。同図に示す例は、インクタンク1Mが正しい位置に装着されていて受光部210はその発光を受光することを示している。順次、図29(b)〜(d)に示すように、判断する装着位置を変えながら発光を行って行く。これらの図は、正しい位置に装着されている例を示している。
【0110】
これに対し、図30(b)に示すように、マゼンタインクのインクタンク1Mが装着されるべき位置にシアンインクのインクタンク1Cが誤って装着されているときは、受光部210に対向しているインクタンク1CのLED101は発光せず、別の位置に搭載されているインクタンク1MのLED101が発光する。この結果、このタイミングでは、受光部210は受光できないことから、制御回路300は、その装着位置にはインクタンク1M以外のインクタンクが装着されていると判断する。これに対応して、図30(c)に示すように、シアンインクのインクタンク1Cが装着されるべき位置にマゼンタインクのインクタンク1Mが誤って装着されており、受光部210に対向しているインクタンク1MのLED101は発光せず、別の位置に搭載されているインクタンク1CのLED101が発光する。
【0111】
以上説明した光認証処理を行うことにより、制御回路300は本来の位置に装着されていないインクタンクを特定することができる。また、装着されるべき位置に正しいインクタンクが装着されていなかった場合には、その装着位置において、他の3色のインクタンクを順に発光させる制御を行うことによって、その装着位置に誤って何色のインクタンクが装着されてしまったかを特定することもできる。
【0112】
図25において、上述したステップS105の光認証処理の後、ステップS106でこの処理が正常終了したか否かを判断する。光認証が正常終了したと判断したときは、ステップS107で、操作部213の表示器を例えばグリーンに点灯して、本処理を終了する。一方、正常の終了でないと判断したときは、ステップS109で操作部213の表示器を例えばオレンジで点滅するとともに、ステップS110で、ステップS105で特定した、本来の正しい位置に装着されていないインクタンクのLED101を、例えば点滅あるいは点灯する。これにより、ステップS108で、ユーザが本体カバー201を開けたとき、本来の正しい位置に装着されていないインクタンクを知ることができ、正しい位置への再装着を促すことができる。
【0113】
図31は、本実施形態にかかる記録処理を示すフローチャートである。本処理では、先ず、ステップS401で、インク残量確認処理を行う。この処理は、これから記録しようとしているジョブについて、記録データからその記録量を求め、この量とそれぞれのインクタンクの残量とを比較して、上記ジョブの記録に十分な量があるか否かを確認する処理である。なお、この処理では、上記のインク残量は、制御回路300でそのときの残量としてカウントして求めたものを用いることができる。
【0114】
ステップS402では、上記の確認処理に基づいて記録に必要なインク量があるか否かを判断する。十分なインク量があるときは、ステップS403で記録動作を行い、ステップS404で操作部213の表示器をグリーンに点灯して正常終了を行う。一方、ステップS402で十分なインク量がないと判断したときは、ステップS405で、操作部213の表示器をオレンジに点滅するとともに、ステップS406で、インク残量が少ないインクタンク1のLED101を点滅または点灯させて、異常終了する。記録装置を制御するホストPCが接続されている場合は、同時にPCモニタを通してインク残量表示を行うこともできる。
【0115】
3.その他
以上の諸例では記録ヘッド部を一体にした記録ヘッドカートリッジの形態のインクタンクホルダについて構成について説明したが、インクタンクホルダはそのような構成に限られない。すなわち、インクタンクが装着されたときにインク連通状態を得て記録ヘッドに向けインクを供給可能な構成であれば、インクタンクホルダは記録ヘッドとは別体の構成であってもよい。
【0116】
また、インクタンクないしホルダの個数やインクの収納形態、およびインクタンクが取り付けられる記録ヘッドユニットないしはインクジェット記録装置の構成は上述のものに限られない。さらに、用いられるインクの色調についても、単色であっても複数色であってもよい。さらには、色材としてもインクのほか、記録媒体上での定着性や発色性あるいは耐久性などを向上するための処理液を収納するインクタンクであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】(a)、(b)および(c)は、それぞれ、本発明の第1の実施形態に係るインクタンクの側面図、正面図および底面図である。
【図2】本発明に適用可能なインクタンクの側断面図である。
【図3】図2のインクタンクを着脱可能に保持する本発明インクタンクホルダの第1の実施形態を示す模式的側面図である。
【図4】(a)および(b)は、それぞれ、図2のインクタンクに取り付けられる制御基板の一例を示す側面図および正面図である。
【図5】(a)および(b)は、それぞれ、図2のインクタンクに取り付けられる制御基板の変形例を示す側面図および正面図である。
【図6】(a)および(b)は第1の実施形態に係るインクタンクおよびインクタンクホルダの機能の概略を説明するための模式的側面図である。
【図7】(a)および(b)は第1の実施形態に係るインクタンクおよびインクタンクホルダの2変形例を示す模式的側面図である。
【図8】インクタンクおよびインクタンクホルダの他の実施形態を示す模式的側面図である。
【図9】インクタンクおよびインクタンクホルダの他の実施形態を示す模式的側面図である。
【図10】別の実施形態に係るインクタンクホルダの第1の実施形態を示す模式的側面図である。
【図11】図10の実施形態に係るインクタンクホルダの機能の概略を説明するための模式的側面図である。
【図12】図10の基本的な構成を図8の構成に適用した実施形態を示す模式的側面図である。
【図13】図10の基本的な構成を図9の構成に適用した実施形態を示す模式的側面図である。
【図14】図1〜図6に示した第1の実施形態に係るインクタンクを着脱可能に保持する記録ヘッドユニットの一例を示す斜視図である。
【図15】(a)〜(c)は、第1の実施形態に係るインクタンクを図14に示すホルダに着脱する際の動作を説明するための模式的側面図である。
【図16】(a)および(b)は、第1の実施形態に係るインクタンク取り付け部分の構成の他の例を示す斜視図である。
【図17】上記第1の実施形態のインクタンクを装着して記録を行うインクジェットプリンタの外観を示す図である。
【図18】図17に示す本体カバー201を取り外して示す斜視図である。
【図19】上記インクジェットプリンタの制御構成を示すブロック図である。
【図20】上記インクジェットプリンタのフレキシブルケーブルにおける、インクタンクとの信号接続のための信号配線の構成を、各インクタンクの基板との関係で示す図である。
【図21】制御部などが設けられた上記基板の詳細を示す回路図である。
【図22】図21に示した基板の構成の変形例を示す回路図である。
【図23】上記基板のメモリーアレイに対するデータの書き込みおよび読み出しの動作をそれぞれ説明するためのタイミングチャートである。
【図24】発光部(LED)の点灯および消灯の動作をそれぞれ説明するタイミングチャートである。
【図25】本発明の一実施形態に係るインクタンクの着脱に関する制御手順を示すフローチャートである。
【図26】図25におけるインクタンク着脱処理の詳細を示すフローチャートである。
【図27】図26における装着確認制御の詳細を示すフローチャートである。
【図28】(a)は、上記インクタンクの着脱に関する制御における、総てのインクタンクについて正しく装着され、それぞれのLEDが点灯した状態を示す図であり、(b)は、上記点灯の後、本体カバーが閉じられたことにより、キャリッジが光認証のための位置へ移動することを説明する図である。
【図29】(a)〜(d)は、この光認証処理を説明する図である。
【図30】(a)〜(d)は、同様に、光認証処理を説明する図である。
【図31】上記実施形態にかかる記録処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0118】
1、1K、1C、1M、1Y インクタンク
3 支持部材
5 第1係合部
6 第2係合部
7 インク供給口
100 基板
101 発光部(LED)
102,152 パッド(コンタクト端子)
103 制御素子(制御部)
103A 入出力回路
103B メモリーアレイ
103C LEDドライバ
104 導光部
104A,104B,104C 導光部端部
105 記録ヘッドユニット
105’,105K、105C、105M、105Y、605’ 記録ヘッド
107 インク導入口
150 インクタンクホルダ
152,652 コネクタ
155 第1係止部
156 第2係止部
157 電気接点部
158,159配線部
201 本体カバー
206 フレキシブルケーブル
209 エンコーダスケール
210 受光部
211 エンコーダセンサ
213 操作部
214 光センサ
301 CPU
302 RAM
303 ROM




 

 


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