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インク供給方法および記録装置 - キヤノン株式会社
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発明の名称 インク供給方法および記録装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−1209(P2007−1209A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−185744(P2005−185744)
出願日 平成17年6月24日(2005.6.24)
代理人 【識別番号】100077481
【弁理士】
【氏名又は名称】谷 義一
発明者 谷口 卓 / 水谷 道也
要約 課題
気液分離部材を用いてのインク供給を繰り返した場合に、その気液分離部材が受けるダメージを軽減して、信頼性を向上させることができるインク供給方法および記録装置を提供すること。

解決手段
気液分離部材33を通してサブタンク3内の空気を吸引することにより、インク供給口11からサブタンク3内にインクを供給する供給方式において、サブタンク3内の空気の単位時間当たりの吸引量を複数設定する。
特許請求の範囲
【請求項1】
気体の通過は許容しかつ液体の通過は阻止する気液分離部材を通して、インク容器内の空気を吸引することにより、インク供給口を通して前記インク容器内にインクを供給するインク供給方法において、
前記インク容器内の空気の単位時間当たりの吸引量を複数設定することを特徴とするインク供給方法。
【請求項2】
前記インク容器にインクを供給する度に、前記単位時間当たりの吸引量を設定することを特徴とする請求項1に記載のインク供給方法。
【請求項3】
前記インク容器に対するインクの供給回数に応じて、前記単位時間当たりの吸引量を異ならせることを特徴とする請求項1または2に記載のインク供給方法。
【請求項4】
前記インク容器に対するインクの供給回数に応じて、前記複数の単位時間当たりの吸引量を所定の順序で設定することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のインク供給方法。
【請求項5】
前記インク容器に対するインクの供給回数に応じて、前記複数の単位時間当たりの吸引量をランダムに設定することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のインク供給方法。
【請求項6】
前記複数の単位時間当たりの吸引量は、前記気液分離部材を通して最後に排気される消泡点の位置を異ならせるものであることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のインク供給方法。
【請求項7】
メインタンクからサブタンクに補充されたインクを用いて画像を記録可能な記録装置において、
気体の通過は許容しかつ液体の通過は阻止する気液分離部材を通して、サブタンク内の空気を吸引する吸引手段と、
前記吸引手段による前記サブタンク内の空気の吸引に応じて、インク供給口を通して、前記メインタンク内のインクを前記サブタンク内に補充するインク補充手段と、
前記吸引手段による単位時間当たりの空気の吸引量を複数設定する設定手段と、
を備えることを特徴とする記録装置。
【請求項8】
前記気液分離部材は、前記サブタンクの内部と、前記サブタンクに形成されて前記吸引手段に接続される排気路と、の境界部に配備され、
前記複数の単位時間当たりの吸引量は、前記気液分離部材を通して最後に排気される消泡点の位置を異ならせるものである
ことを特徴とする請求項7に記載の記録装置。
【請求項9】
前記サブタンク、および該サブタンクから供給されるインクを吐出可能なインクジェット記録ヘッドの搭載が可能なキャリッジと、
前記キャリッジを主走査方向に移動させる移動手段と、
前記主走査方向と交差する副走査方向に記録媒体を搬送させる搬送手段と、
を備え、
前記キャリッジが所定のホームポジションに移動したときに、該キャリッジに搭載された前記サブタンクに対して、前記吸引手段と前記インク補充手段とが接続される
ことを特徴とする請求項7または8に記載の記録装置。
【請求項10】
前記気液分離部材は多孔質膜であることを特徴とする請求項7から9のいずれかに記載の記録装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、インク容器にインクを供給するためのインク供給方法、および、そのインク供給方法を用いる記録装置に関するものであり、さらに詳しくは、気体の通過は許容しかつ液体の通過は阻止する気液分離部材を用いてインクを供給するインク供給方法、および記録装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のインクジェット記録装置としては、図9に示すように、記録ヘッド1がガイド軸8によりガイドされながら、記録媒体上を矢印Xの主走査方向に移動しながら記録を行うシリアルスキャン方式の記録装置がある。記録ヘッド1に対するインクの供給方式としては、同図に示すようないわゆるヘッドカートリッジ方式がある。この方式においては、インクを吐出可能なノズルが形成された記録ヘッド1と、その記録ヘッド1に供給するためのインクを収容するメインタンク4と、がヘッドカートリッジ1bを構成する。そして、そのヘッドカートリッジ1bを搭載したキャリッジ1aがガイド軸8に沿って主走査方向に移動することによって、記録走査を行なう。
【0003】
また、記録ヘッド1に対するインクの供給方式としては、図10に示すようなタンクカートリッジ方式もある。この方式においては、キャリッジ1a上に記録ヘッド1が搭載され、その記録ヘッド1に供給するインクを収容するタンクカートリッジ1cは、記録装置本体側に配備される。そして、記録ヘッド1とタンクカートリッジ1cとの間を接続するフレキシブルなインク供給チューブ1dを通して、タンクカートリッジ1cから記録ヘッド1にインクを供給する。
【0004】
しかしながら前者のヘッドカートリッジ方式においては、キャリッジ1a上に、インクタンク4を含むヘッドカートリッジ1bを搭載するため、キャリッジ1aの積載重量が大きくなる。そのため、キャリッジ1aの高速移動の妨げになる。また、キャリッジ1aの積載重量を小さくするために、ヘッドカートリッジ1bを小型化した場合には、インクタンク4の容量が小さくなって、記録可能な記録媒体の枚数が少なくなってしまう。また、後者のタンクカートリッジ方式の場合は、記録装置本体側のインクカートリッジ1cと、キャリッジ1a側の記録ヘッド1と、をインク供給チューブ1dによって接続するため、インクの供給機構が複雑化して、記録装置の小型化が難しくなるという不具合があった。
【0005】
一方、このようなインクの供給方式の不具合を解消するための供給方式としては、いわゆるピットイン方式が考えられている。この供給方式は、前述したようなシリアルスキャンタイプの記録装置において、記録ヘッドと比較的小容量のサブタンクをキャリッジ上に搭載し、比較的大容量のメインタンクを記録装置本体側に配備する。サブタンクは、記録ヘッドに供給するインクを収容するものであり、キャリッジと共に所定のホームポジションに移動したときに、メインタンクからインクが補充される。すなわち、キャリッジがホームポジションに移動したときに、サブタンク側のインク供給部とメインタンク側のジョイントとが結合して、インクの補充経路が形成され、そして負圧発生装置によってサブタンク内を減圧することにより、メインタンクからサブタンクにインクを補充する。
【0006】
このようなピットイン方式は、キャリッジ上に搭載するサブタンクが小容量であるため、キャリッジの搭載重量を小さくすることができて、記録ヘッドを高速で記録走査させることができる。また、ホームポジションにおいてメインタンクからサブタンクにインクを補充するため、記録媒体の記録枚数も多くすることができる。さらに、図10のタンクカートリッジ方式のように、キャリッジとタンクとをインク供給チューブによって接続する必要もなく、装置の構成を簡素化することができる。
【0007】
このようなピットイン方式のインクジェット記録装置においては、メインタンクからサブタンクへのインクの補充機構として、キャリッジがホームポジションに移動したときに、サブタンク内に補充可能なインク量をセンサによって検知して、インクの供給系を制御する方法がある(特許文献1参照)。しかし、このようなセンサを用いてのインク補充量の制御は複雑であり、装置の高価格化を招いてしまう。
【0008】
このような観点から、サブタンクに気液分離部材を備えて、インク補充量の制御を簡素化したピットイン方式のインクジェット記録装置が提案されている(特許文献2参照)。
【0009】
図5に、このようなピットイン方式のインクジェット記録装置における記録ヘッドの概略断面図、図6は、図5のVI−VI線に沿う断面図である。
【0010】
本例の記録ヘッドには、サブタンク3とインクジェット記録素子38とが組み込まれており、シリアルスキャンタイプのインクジェット記録装置のキャリッジに搭載される。サブタンク3のインク貯留部R内にはインク吸収部材37が配備され、インク貯留部構成部材35には、排気路36とインク貯留部Rの境界に位置する気液分離部材33が取り付けられている。気液分離部材33は、気体は透過するがインクなどの液体は遮断する部材であり、例えば、厚さ数十μm程度のPTFEなどによって形成される多孔質膜である。インク貯留部Rは図4のように3つに分かれており、それぞれに異なる色のインクが収容される。インクジェット記録素子38には、それらのインクを吐出する可能なインク吐出口が形成されている。
【0011】
3つのインク貯留部Rと、それらに共通の排気路36と、の境界に、1枚の気液分離部材33が位置している。その気液分離部材33は、インク貯留部構成部材35の外周に形成されたリブ35Aの内側に熱溶着されている。3つのインク貯留部Rは互いに分断されており、それらの上部と、1つの排気路36との間に、1枚の気液分離部材33が介在されている。34は排気路構成部材である。
【0012】
メインタンクからサブタンク3にインクを補充するときには、キャリッジがホームポジションに移動する。メインタンクには、各インク貯留部R内に補充すべき各インクが収容されている。そして図5のように、ダミーキャップ6によってインクジェット記録素子38のインク吐出口が密閉され、各インク貯留部R毎のインク供給口11と、それらに対応するメインタンク側の各ジョイント10と、が接続される。また、記録装置本体側の吸気キャップ22とサブタンク3側の通気口15とが接続される。そして、記録装置に備わる負圧発生装置が作動して、各インク貯留部R内の空気が気液分離部材33、排気路36、通気口15、および吸気キャップ22を通して排出される。これに伴い、各インク貯留部R内が減圧され、メインタンクから各インク貯留部R内に、各ジョイント10、各インク供給口11、および各インク供給路12を通して対応する色のインクが補充される。インク貯留部R内がインクによって満たされて、インクの液面レベルが気液分離部材33に達したときに、その気液分離部材33がインクの補充を自動的に止めることになる。そのため、それぞれのインク貯留部R内には、特別なインク補充量の制御を要することなく、それぞれが満タンになるまで自動的にインクを供給することができる。
【0013】
したがって、それぞれのインク貯留部Rの合計の内容積以上に負圧発生装置の吸気量を設定することにより、各インク貯留部R内のインク残量の如何に拘わらず、各インク貯留部R内の空気が気液分離部材33を通して排出され、その代わりに、インクが満タン状態となるまで補充されることになる。このように、インクを満タン状態に補充するには、一定量以上の空気を吸い出せば完結するため、空気の吸出し制御を行う必要はなく、充分なマージンもって負圧発生装置を設計することができる。
【0014】
【特許文献1】特開平08−112913号公報
【特許文献2】特開2004−181952号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
前述したピットイン方式においては、図6のように、サブタンク3内が3つのインク貯留部R分かれており、また組み立て性を向上させるために、1枚の気液分離部材33は、各インク貯留部Rを互いに分断するように、インク貯留部構成部材35の外周に形成されたリブ35Aの内側に溶着されている。そのため、インク吸収部材37と気液分離部材33との間のインク貯留部Rには、インク吸収部材37が位置しないインク吸収部材非配置領域16が存在する。
【0016】
図7および図8は、このようなピットイン方式によってインクを補充したときに、インク貯留部R内が満タン状態となる直前の状態の説明図である。
【0017】
インク貯留部R内の空気が気液分離部材33を通して通気口15から排出されると、そのインク貯留部R内には、インクがインク吸収部材37の重力方向の下方から上方に徐々に充填されていく。インクがインク吸収部材非配置領域16に到達すると、その領域16にはインク吸収部材37が存在しないため、その領域16に対してはインクが瞬間的に充填される。そして、図7および図8中の部分17Rのように、気液分離部材33における所定のポイントにおいてインクが最後に充填される。
【0018】
このようにインクが最後に充填される部分17Rは、水撃という非常に高い圧力が気液分離部材33に作用する消泡点である。インク貯留部Rに対するインクの補充を繰り返した場合には、消泡点17Rに生じる強い圧力によって、その消泡点17Rの位置における気液分離部材33の気液分離能力が低下するおそれがある。そのため、消泡点17Rは気液分離部材33のダメージポイントでもある。気液分離部材33の気液分離能力が低下した場合には、インクが気液分離部材33から排気路36側に徐々に染み出るおそれがある。このような消泡点17Rの位置は、インク貯留部Rの形状により若干の差があるものの、インク貯留部R内に位置する気液分離部材33の通気面18のほぼ中央の位置となる。
【0019】
また、気液分離部材33の気液分離能力が低下した場合には、排気路36側に多量のインクが漏れて気液分離部材33の通気性が低下して、インクの補充が正常にできなくなるおそれがある。また、吸気口15からインクが外部に漏れた場合には、インクジェット記録装置内を汚したり、記録時に記録媒体を汚したりするおそれがある。
【0020】
本発明の目的は、気液分離部材を用いてのインク供給を繰り返した場合に、その気液分離部材が受けるダメージを軽減して、信頼性を向上させることができるインク供給方法および記録装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明のインク供給方法は、気体の通過は許容しかつ液体の通過は阻止する気液分離部材を通して、インク容器内の空気を吸引することにより、インク供給口を通して前記インク容器内にインクを供給するインク供給方法において、前記インク容器内の空気の単位時間当たりの吸引量を複数設定することを特徴とする。
【0022】
本発明の記録装置は、メインタンクからサブタンクに補充されたインクを用いて画像を記録可能な記録装置において、気体の通過は許容しかつ液体の通過は阻止する気液分離部材を通して、サブタンク内の空気を吸引する吸引手段と、前記吸引手段による前記サブタンク内の空気の吸引に応じて、インク供給口を通して、前記メインタンク内のインクを前記サブタンク内に補充するインク補充手段と、前記吸引手段による単位時間当たりの空気の吸引量を複数設定する設定手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、気液分離部材を通してインク容器内の空気を吸引することにより、インク容器内にインクを供給する供給方式において、インク容器内の空気の単位時間当たりの吸引量を複数設定することにより、インク容器内におけるインクの流れを異ならせて、その流れが一定であるときに気液分離部材が集中的に受けるダメージを分散することができる。この結果、気液分離部材を用いてのインク供給を繰り返した場合に、その気液分離部材が集中的に受けるダメージを軽減して、気液分離部材の耐久性および信頼性、ひいては記録装置の信頼性を向上させることができる。
【0024】
より具体的には、気液分離部材に生じるダメージポイントとしての消泡点を分散することにより、気液分離部材の耐久性を向上させて、その気液分離部材からのインクの漏れを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0026】
図3は、本実施形態におけるピットイン方式のインクジェット記録装置の要部の斜視図である。紙送りローラ21により搬送される記録紙(記録媒体)20に記録を行うために、シリアルスキャンタイプのインクジェット記録装置のキャリッジ1a上に記録ヘッドが搭載されている。その記録ヘッドは、図1および図2のように、前述した図5および図6と同様に構成されており、サブタンク(インク容器)3とインクジェット記録素子38とが組み込まれている。キャリッジ1aは、ガイド軸8にガイドされ、かつリードスクリュー9に係合しており、リードスクリュー9が回転することにより、ガイド軸8に沿って矢印Xの主走査方向に移動する。
【0027】
サブタンク3に補充するためのインクを収容するメインタンク4は、記録装置本体側における所定のホームポジション23に配備されている。このメインタンク4には、サブタンク3のインク供給口11と結合するジョイント10が設けられている。またホームポジション23には、インクジェット記録素子38のインク吐出口を密閉、保護するためのダミーキャップ6と、インクジェット記録素子38のインク吐出口から画像の記録に寄与しないインクを吸引するための吸引キャップ5と、が備えられている。これらのキャップ6,5は、インクジェット記録素子38がホームポジション23に移動したときに、矢印Z方向に沿って上方に移動することによってインク吐出口をキャッピングする。これらのキャップ6,5の内部は吸気回復ポンプ19に連通している。またホームポジション23には、サブタンク3の通気口15から吸気するための吸気キャップ22が備えられ、その内部は負圧発生装置7に連通している。
【0028】
図4は、このような記録装置における制御系の要部のブロック構成図である。図4において、CPU100は、本記録装置の動作の制御処理やデータ処理等を実行する。ROM101は、それらの処理手順等のプログラムが格納され、またRAM102は、それらの処理を実行するためのワークエリアなどとして用いられる。記録ヘッドの記録素子38は、ヘッドドライバ38Aによって駆動される。記録素子38は、電気熱変換体(ヒーター)やピエゾ素子などを用いてインクを吐出するものである。電気熱変換体を用いた場合には、その発熱によってインクを発泡させ、その発泡エネルギーを利用してインク吐出口からインクを吐出させることができる。また、この場合には、CPU100が電気熱変換体の駆動データ(画像データ)および駆動制御信号(ヒートパルス信号)をヘッドドライバ38Aに供給することにより、記録素子38が駆動される。画像データは、パーソナルコンピュータ形態などのホスト装置200から送られる。
【0029】
CPU100は、キャリッジ1aを主走査方向に駆動するためのキャリッジモータ103をモータドライバ103Aを介して制御し、また記録紙20を図3中矢印Yの副走査方向に搬送するためのP.Fモータ104をモータドライバ104Aを介して制御する。さらにCPU100は、後述するように、負圧発生装置7と吸気回復ポンプ19を制御する。
【0030】
前述したように、本実施形態の記録ヘッド(図1および図2参照)は、図5および図6のものと同様であるため、その構成の説明は省略する。
【0031】
次に、基本的な動作について説明する。
【0032】
非記録動作時において、記録ヘッドは、吸引キャップ5、吸気キャップ22、ダミーキャップ6、メインタンク4と接続可能なホームポジション23に待機している。ホスト装置200から記録装置に記録信号が送られると、記録動作に先立って、インク補充動作と回復動作を行なう。
【0033】
インク補充動作は、基本的には前述した図5および図6の場合と同様である。まず、ダミーキャップ6がインクジェット記録素子38の吐出口を密閉し、メインタンク4のジョイント10とサブタンク3のインク供給口11とが接続される。そして、吸気キャップ22とサブタンク3の通気口15とが接続されてから、負圧発生装置7が作動してサブタンク3内を減圧することにより、前述した図5および図6の場合と同様に、メインタンク4からサブタンク3にインクが補充される。負圧発生装置7にはリミットバルブ24が設置されており、気液分離部材33に高い負圧が作用しないように、負圧発生装置7が発生する負圧を所定以下に抑制される。
【0034】
本実施形態におけるインク補充動作は、このような基本的なインク補充動作だけではなく、後述するような特徴的な動作を伴う。
【0035】
その後の回復動作は、記録ヘッドのインク吐出性能を良好に維持するための動作であり、サブタンク3内の減圧時に記録ヘッドのノズル内のインクがサブタンク3側に逆流すること、または増粘インクがノズルに目詰まりすること、などによる記録ヘッドのインク吐出性能の低下を回避する。具体的には、サブタンク3の通気口15とインク供給口11を開放し、インクジェット記録素子38に吸引キャップ5を接続して、吸気回復ポンプ19を作動させることにより、画像の記録に寄与しないインクをノズル内から吸引キャップ5内に吸引排出させる。さらに、このようなインクの吸引排出後に、インクジェット記録素子38のインク吐出口面(インク吐出口が形成される面)に付着したインクの拭き取り(ワイピング)、および予備吐出を行なう。この予備吐出は、画像の記録に寄与しないインクを吐出させる動作であり、ワイピングによりノズル内に押し込まれた混色インクを除去することができる。
【0036】
このような回復動作後に、記録信号に基づく記録動作を開始する。
【0037】
図1および図2は、記録ヘッドのインク貯留部R内にインクを充填して、それが満タン状態となる直前の状態の説明図である。
【0038】
本実施形態においては、記録装置および記録ヘッドの設計パラメータは、以下のように設定されている。各インク貯留部Rに充填される最大インク量は0.44cm、各インク貯留部R内における気液分離部材33の通気面18の面積は0.14cmである。また、インク補充時における負圧発生装置7の吸引量、つまり1回のインク補充動作における吸引量は2cm、その吸引速度、つまり単位時間当たりの吸引量は0.13cm/secである。また、インク供給路12の内径は0.36mm、その長さ15.6mmである。また、気液分離部材33としてPTFE製の厚さ数十μmの多孔質膜を使用し、その通気性能は0.000013cm/pa/secである。負圧発生装置7としてシリンジポンプを使用し、その負圧発生装置7に備わるリミットバルブ24は80kpaでリークする構成となっており、気液分離部材33に作用する負圧を0.2atmに抑えて、それに過剰な負圧が作用しないようする。
【0039】
本実施形態においては、負圧発生装置7の吸引速度を可変できる構成となっており、複数の異なる吸引速度によってインク補充を行うことができる。上記の吸引速度の0.13cm/secは、インク補充時に負圧発生装置7が空気を吸引する平均の吸引速度である。前述した図7および図8のようなインク補充動作では、負圧発生装置の吸引速度は、例えば0.13cm/secなどに固定されていた。
【0040】
以下、本実施形態における特徴的なインク補充動作について説明する。
【0041】
ホスト装置200からインクジェット記録装置に記録信号が送られたとき、サブタンク3内のインク残量が所定量以下の場合にはインクの補充動作を開始する。サブタンク3がホームポジション23に位置していない場合には、リードスクリュー9が回転し、キャリッジ1aと共にサブタンク3がホームポジション23に移動してから、インクの補充動作を行う。インクジェット記録装置内には、CPU100の制御下において、インクの補充回数をカウントするための図示しないカウンタ、および所定回数毎(本例の場合は、10回毎)に負圧発生装置7の吸引速度を変更するための制御部が備えられている。
【0042】
本例においては、インク補充動作時における負圧発生装置7の吸引速度を2段階に制御して、下記の第1および第2の吸引条件を設定する。
【0043】
(第1吸引条件)
インク補充動作の回数が10回までは、負圧発生装置7の吸引量は2cmのまま、その吸引速度を0.13cm/secとする。負圧発生装置7の吸引量は、各インク貯留部Rに充填される最大インク量の合計よりも多い2cmのままであるため、前述したように、インク補充動作は確実に実施することができる。そのインク補充動作時において、最後にインクが充填される消泡点17Rは、図1および図2に示すように通気面18の略中央に集中する。記録動作と関連して、このような第1吸引条件によるインク補充動作を10回繰り返したことがカウンタを用いて検知されたときは、その後の11回目のインク補充動作は、第2吸引条件によって実施する。
【0044】
(第2吸引条件)
インク補充動作の回数が11回目から20回目までは、負圧発生装置7の吸引量は2cmのまま、その吸引速度を第1吸引条件よりも早い0.4cm/secとする。このインク補充動作において最後にインクが充填される消泡点は、観察の結果、図1および図2中の17Aのように、第1吸引条件のときの消泡点17Rからずれることが分かった。また、消泡点17Aのバラツキは、消泡点17Rのバラツキよりもバラツキの分布が大きいことも観察できた。図1および図2における消泡点17Rおよび17Aは、それぞれの消泡点分布の中心を示している。負圧発生装置7の吸引速度を速くすることによって、当然ながら、サブタンク3に補充されるインクの流速も速くなる。インクの充填速度はインク貯留部R内の場所によって違いがあり、インクの流速が異なることにより、このようなインク貯留部R内の場所による充填速度の違いも変化が生じる。その結果、上述したように吸引速度を変えることによって、消泡点の位置がずれることになる。
【0045】
以降、インク補充動作が10回繰り返される毎に、第1吸引条件と第2吸引条件を交互に設定する。例えば、21回目から30回目までは第1吸引条件、それが31回目から40回目までは第2吸引条件を設定することになる。このような第1、第2吸引条件を交互に繰り返して設定して、インク補充を行なう。
【0046】
このように、吸引条件を変化させて、水撃が作用する消泡点を分散させることにより、気液分離部材33が受けるダメージを小さく抑えて、その耐久性を向上させることができる。気液分離部材33の耐久試験を行った結果、本例のように2つの吸引条件に基づいてインク補充を繰り返すことによって、従来のように1つの吸引条件に基づいてインク補充を繰り返した場合よりも、気液分離部材33の耐久性が約1.5倍向上することが確認できた。
【0047】
(他の実施形態)
上述した例では、インク補充を10回行なう毎に、2つの吸引条件を交互に設定した。しかし、吸引条件の変更形態はこれに限られず任意であり、インク補充を1回行なう毎に吸引条件を変更してもよく、また吸引条件をランダムに変更するようにしてもよい。設定可能な吸引条件は2種類のみに特定されず任意であり、それを3つ以上とすることにより、さらに消泡点を分散させて、気液分離膜33の耐久性をさらに向上させることができる。また1回の補充動作時において、吸引条件を変化させてもよい。
【0048】
また最適な吸引条件は、気液分離部材33の形態、インクの種類、インクタンク内のインク貯留部Rの形状などに応じて異なるため、それらに応じて設定する。例えば、吸引速度の値、設定可能な吸引速度の数、吸引速度を変える順序などは、インクジェット記録装置のシステム構成や設計目標などに応じて選択することができる。また上述した例ではインクの供給回数に応じて吸引条件を設定したが、本発明はこれに限られるものではなく、例えばインク供給を行った後の経過時間によって次回の吸引条件を設定してもよい。要は、インク補充時に、負圧発生装置の吸引速度つまり単位時間当たりの吸引量を変化させることにより、インクタンクにおけるインクの流れを異ならせて、その流れが一定であるときに気液分離部材が集中的に受けるダメージを分散することができればよい。例えば、前述したように、インクタンクに対するインクの供給速度を変化させることにより、気液分離部材のダメージポイントである消泡点を分散させて、その耐久性を向上させることができればよい。
【0049】
また、インクの補充対象のインクタンクは、上述したようなサブタンクのみに特定されず任意であり、要は、気液分離部材を通して内部を吸引することによって、インクが補充できるものであればよい。したがってインクタンクは、前述したように記録素子と共に記録ヘッドを構成に特定されず、記録ヘッドと別体のものであってもよく、またインクジェット記録方式以外の種々の記録装置において用いられるものであってもよい。
【0050】
またインクタンクの構成は、上述した例のようにインク吸収部材を備える構成の他、インク吸収部材を備えない構成、それを内部の一部分に備える構成等任意である。要は、インク吸収部材非配置領域を積極的に形成するか否かに拘わらず、気液分離部材が集中的に受けるダメージ、より具体的には、気液分離部材に生じるダメージポイントとしての消泡点を分散できればよい。また気液分離部材は、必ずしもインクタンクに備える必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の一実施形態におけるサブタンクの断面図である。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図である。
【図3】図1のサブタンクを用いるピットイン方式のインクジェット記録装置の要部の斜視図である。
【図4】図3のインクジェット記録装置の制御系の概略ブロック図である。
【図5】従来のピットイン方式のインクジェット記録装置に用いられるサブタンクの断面図である。
【図6】図5のVI−VI線に沿う断面図である。
【図7】図5のサブタンクのインク供給状態を説明するための断面図である。
【図8】図7のVIII−VIII線に沿う断面図である。
【図9】従来のヘッドカートリッジ方式のインクジェット記録装置の要部の斜視図である。
【図10】従来のタンクカートリッジ方式のインクジェット記録装置の概略斜視図である。
【符号の説明】
【0052】
3 サブタンク(インク容器)
4 メインタンク
5 吸引キャップ
6 ダミーキャップ
7 負圧発生装置
10 ジョイント
11 インク供給口
12 インク供給路
15 通気口
16 インク吸収部材非配置領域
17A,17R 消泡点
18 通気面
19 吸気回復ポンプ
20 記録紙(記録媒体)
22 吸気キャップ
23 ホームポジション
24 リミットバルブ
33 気液分離部材
36 排気路
37 インク吸収部材
38 インクジェット記録素子




 

 


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