米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 繊維;紙;印刷 -> キヤノン株式会社

発明の名称 液体収納容器用のモジュール、液体収納容器、記録装置、および制御方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−1145(P2007−1145A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−183981(P2005−183981)
出願日 平成17年6月23日(2005.6.23)
代理人 【識別番号】100077481
【弁理士】
【氏名又は名称】谷 義一
発明者 畑佐 延幸 / 渡邉 顕二郎 / 林崎 公之 / 山崎 竜彦 / 立野 徹也
要約 課題
ノイズの影響を信号に与えることなく、LEDなどの表示部を発光制御することができる液体収納容器用のモジュール、液体収納容器、記録装置、および制御方法を提供すること。

解決手段
インクタンクは、プリンタからデータ信号402,403を入力し、それらのデータ信号402,403に基づいて、インクタンクに備わるLEDを駆動制御する。そのLEDの駆動制御は、データ信号402,403の入力期間とは異なる休止期間404に行なう。
特許請求の範囲
【請求項1】
記録装置に液体を供給する液体収納容器に搭載される液体収納容器用のモジュールであって、
前記記録装置から信号の入力が可能な信号接続部と、
発光可能な発光部と、
前記発光部を駆動するための発光駆動部と、
前記信号接続部からの入力信号に基づいて、前記発光駆動部を介して前記発光部を駆動制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記信号接続部から信号を入力する期間とは異なる期間に、前記発光駆動部を介して前記発光部を駆動制御することを特徴とする液体収納容器用のモジュール。
【請求項2】
前記液体容器に関する情報を保持する情報保持部をさらに含み、
前記制御部は、前記入出力部からの入力信号に基づいて、前記発光駆動部を介して前記発光部を駆動制御する駆動処理と、前記情報保持部に対する情報の書き込みまたは読み出しの少なくとも一方の処理を制御する情報処理と、を行なう
ことを特徴とする請求項1に記載の液体収納容器用のモジュール。
【請求項3】
前記制御部は、前記入力信号に応答する信号を前記信号接続部から出力する処理を行い、かつ前記信号接続部から信号を入力および出力する期間とは異なる期間に、前記駆動処理を行うことを特徴とする請求項2に記載の液体収納容器用のモジュール。
【請求項4】
前記制御部は、前記信号接続部から信号を入力する期間と、前記信号接続部から信号を出力する期間と、の間に設けられた信号入出力の休止期間に、前記駆動処理を行うことを特徴とする請求項2に記載の液体収納容器用のモジュール。
【請求項5】
前記入力信号は、液体収納容器の固体情報と制御コードとを組み合わせた信号を含み、
前記情報保持部は、前記モジュールが搭載される前記液体収納容器の固体情報を保持し、
前記制御部は、前記入力信号に含まれる前記固体情報が前記情報保持部に保持されている前記固体情報と対応するものであるときに、前記入力信号に含まれる前記固体情報と組み合わせられる前記制御コードに基づいて、前記駆動処理および前記情報処理の少なくとも一方を行う
ことを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の液体収納容器用のモジュール。
【請求項6】
前記入力信号は通信開始コードを含み、
前記信号入出力部は、前記記録装置からクロック信号を入力するクロック入力部を含み、
前記制御部は、前記通信開始コードが入力されたときを基点として前記クロック信号に基づいて設定される期間に、前記発光駆動部を介して前記発光部を駆動制御する
ことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の液体収納容器用のモジュール。
【請求項7】
記録装置に液体を供給する液体収納容器において、
前記記録装置から信号の入力が可能な信号接続部と、
発光可能な発光部と、
前記発光部を駆動するための発光駆動部と、
前記信号接続部からの入力信号に基づいて、前記発光駆動部を介して前記発光部を駆動制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記信号接続部から信号を入力する期間とは異なる期間に、前記発光駆動部を介して前記発光部を駆動制御することを特徴とする液体収納容器。
【請求項8】
前記液体容器に関する情報を保持する情報保持部をさらに含み、
前記制御部は、前記入出力部からの入力信号に基づいて、前記発光駆動部を介して前記発光部を駆動制御する駆動処理と、前記情報保持部に対する情報の書き込みまたは読み出しの少なくとも一方の処理を制御する情報処理と、を行なう
ことを特徴とする請求項7に記載の液体収納容器。
【請求項9】
前記制御部は、前記入力信号に応答する信号を前記信号接続部から出力する処理を行い、かつ前記信号接続部から信号を入力および出力する期間とは異なる期間に、前記駆動処理を行うことを特徴とする請求項8に記載の液体収納容器。
【請求項10】
前記制御部は、前記信号接続部から信号を入力する期間と、前記信号接続部から信号を出力する期間と、の間に設けられた信号入出力の休止期間に、前記駆動処理を行うことを特徴とする請求項8に記載の液体収納容器。
【請求項11】
前記入力信号は、液体収納容器の固体情報と制御コードとを組み合わせた信号を含み、
前記情報保持部は、前記モジュールが搭載される前記液体収納容器の固体情報を保持し、
前記制御部は、前記入力信号に含まれる前記固体情報が前記情報保持部に保持されている前記固体情報と対応するものであるときに、前記入力信号に含まれる前記固体情報と組み合わせられる前記制御コードに基づいて、前記駆動処理および前記情報処理の少なくとも一方を行う
ことを特徴とする請求項8から10のいずれかに記載の液体収納容器。
【請求項12】
前記入力信号は通信開始コードを含み、
前記信号入出力部は、前記記録装置からクロック信号を入力するクロック入力部を含み、
前記制御部は、前記通信開始コードが入力されたときを基点として前記クロック信号に基づいて設定される期間に、前記発光駆動部を介して前記発光部を駆動制御する
ことを特徴とする請求項7から11のいずれかに記載の液体収納容器。
【請求項13】
前記液体を内部に収納したことを特徴とする請求項7から12のいずれかに記載の液体収納容器。
【請求項14】
液体収納容器から供給される液体を用いて画像を記録する記録装置において、
前記液体収納容器として、請求項7から13のいずれかに記載の液体収納容器の搭載が可能であり、
前記液体収納容器の信号接続部に前記入力信号を供給可能な記録装置側信号接続部を備える
ことを特徴とする記録装置。
【請求項15】
前記入力信号を生成する制御回路を備えることを特徴とする請求項14に記載の記録装置。
【請求項16】
前記液体収納容器として、請求項7から13のいずれかに記載の液体収納容器を複数搭載可能であり、
前記記録装置側信号接続部は、前記複数の液体収納容器の信号接続部のそれぞれに対して共通に接続される
ことを特徴とする請求項14または15に記載の記録装置。
【請求項17】
記録装置に液体を供給する液体収納容器の発光部を制御するための制御方法であって、
前記記録装置から前記液体収納容器に入力する信号に基づいて、発光駆動部を介して前記発光部を駆動制御し、
前記発光駆動部を介しての前記発光部の駆動制御は、前記記録装置から前記液体収納容器に信号を入力する期間とは異なる期間に行う
ことを特徴とする制御方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体収納容器用のモジュール、液体収納容器、記録装置、および制御方法に関するものであり、詳しくは、LEDなどの発光部を備えて種々の情報を光学的に報知可能な液体収納容器に関連するものである。
【背景技術】
【0002】
近年デジタルカメラの普及に伴い、PC(パーソナルコンピュータ)を介さずに、デジタルカメラと記録装置としてのプリンタとを直接接続して記録する用途(ノンPC記録)が増えつつある。さらに、デジタルカメラの情報記憶媒体であるカードタイプの情報記憶媒体を直接プリンタに装着することにより、データ転送を行って記録する形態も増えつつある。
【0003】
一般的に、プリンタのインクタンク内のインク残量を知る方法としては、例えば、特許文献1に記載されている方法がある。この方法の場合には、インクタンクに設けられた記憶素子(ROM)にインク残量に関するデータを記憶し、その記憶素子にプリンタがアクセスしてインク残量に関するデータを取得し、PCを介して、そのデータをモニター上に表示する。
【0004】
しかし、PCを用いないノンPC記録を行う場合にも、PCを介することなく、インクタンク内のインク残量を把握したいという要望が高まっている。ユーザは、インクタンク内のインク残量が少ないことが分かれば、例えば、記録を始める前に予め新しいインクタンクに交換することにより、記録の途中でインク量不足のために記録が実質的にできなくなる事態を未然に防止することできる。
【0005】
従来、このようなインクタンクの状態をユーザに報知するための構成としては、LEDなどの表示素子を用いたものが知られている。例えば、特許文献2には、記録ヘッドと一体のインクタンクに2つのLEDが設けられ、これらが2段階的のインク残量に応じて点灯する構成が記載されている。
【0006】
また、特許文献3にも同様に、インク残量に応じて点灯するランプをインクタンクに設ける構成が記載されている。同文献では、記録装置において用いられる4つのインクタンクのそれぞれに、特許文献2におけるようなランプを設けることも記載されている。
【0007】
【特許文献1】特開平7−76104号公報
【特許文献2】特開平4−275156号公報
【特許文献3】特開2002−301829号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1には、インクタンクに設けられた記憶素子(ROM)にアクセスするタイミングがタイミングチャートとして開示されている。しかしインクタンクには、LEDなどの発光手段が搭載していない。また特許文献2および3には、インクタンクやカートリッジに、LED、およびEEPROMなどの各種記録素子を搭載する構成が開示されている。しかし、LEDの発光および消灯のタイミングを含む制御方法に関しての記載はない。
【0009】
一般的に、LEDを発光させるには、入力信号がオンのときに、LEDを駆動するためのドライバがLEDに電源電圧を印加するように動作(ON動作)する。またLEDを消灯させるときには、ドライバがLEDへの電源電圧の印加を止めるように動作(OFF動作)。このようにLEDを発光、消灯させるための電源電圧のON、OFF動作時には、半導体基板上に設けられた制御回路やメモリなどを駆動するための電流と比べて、より大きい電流がLEDへの回路に突入する。そのため、その比較的大きな突入電流によってノイズが発生するおそれがある。
【0010】
インクタンクに搭載したLEDやEEPROMの制御は、インクタンク側の電気接点と、そのインクタンクを搭載するキャリッジ側の電気接点と、の接続によって形成される信号線を介して行われる。例えば、プリンタからインクタンク上のEEPROMなどに対して、インクタンクに収納されるインクの色に対応する識別子と、LEDの点灯などを制御するための信号と、を送ることにより、その識別子に対応するインクタンクのLEDを発光制御する。
【0011】
しかしながら、それらの信号を送る信号線に、LEDの回路に突入する比較的大きな電流によってノイズが混入した場合には、識別子や制御信号などの送受信が乱れ、結果として正確な信号をインクタンクに送信できなくなるおそれがある。正確な信号を送信できなかった場合には、LEDの点灯、消灯、EEPROMなどの書き込み、読み出しを正常に行なうことができず、結果として、ユーザに正確な情報や記録結果物を提供できなくなるおそれがある。
【0012】
本発明は、このような問題を解消するためになされたものであり、その目的とするところは、ノイズの影響を信号に与えることなく、LEDなどの表示部を発光制御することができる液体収納容器用のモジュール、液体収納容器、記録装置、および制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の液体収納容器用のモジュールは、記録装置に液体を供給する液体収納容器に搭載される液体収納容器用のモジュールであって、前記記録装置から信号の入力が可能な信号接続部と、発光可能な発光部と、前記発光部を駆動するための発光駆動部と、前記信号接続部からの入力信号に基づいて、前記発光駆動部を介して前記発光部を駆動制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記信号接続部から信号を入力する期間とは異なる期間に、前記発光駆動部を介して前記発光部を駆動制御することを特徴とする。
【0014】
本発明の液体収納容器は、記録装置に液体を供給する液体収納容器において、前記記録装置から信号の入力が可能な信号接続部と、発光可能な発光部と、前記発光部を駆動するための発光駆動部と、前記信号接続部からの入力信号に基づいて、前記発光駆動部を介して前記発光部を駆動制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記信号接続部から信号を入力する期間とは異なる期間に、前記発光駆動部を介して前記発光部を駆動制御することを特徴とする。
【0015】
本発明の記録装置は、液体収納容器から供給される液体を用いて画像を記録する記録装置において、前記液体収納容器として、上記の液体収納容器の搭載が可能であり、前記液体収納容器の信号接続部に前記入力信号を供給可能な記録装置側信号接続部を備えることを特徴とする。
【0016】
本発明の制御方法は、記録装置に液体を供給する液体収納容器の発光部を制御するための制御方法であって、前記記録装置から前記液体収納容器に入力する信号に基づいて、発光駆動部を介して前記発光部を駆動制御し、前記発光駆動部を介しての前記発光部の駆動制御は、前記記録装置から前記液体収納容器に信号を入力する期間とは異なる期間に行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、記録装置から液体収納容器に信号を入力する期間とは異なる期間に、発光駆動部を介して、液体収納容器に備わる発光部を駆動制御することにより、ノイズの影響を信号に与えることなく表示部を発光制御することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
[記録装置の構成例(図10、図11)]
図10は、後述するようなインクタンクを装着して記録を行うインクジェットプリンタ(インクジェット記録装置)200の外観斜視図であり、図11は、図10に示す本体カバー201を取り外して示す斜視図である。
図10に示すように、本実施形態のプリンタ200は、プリンタ本体と、その前後にそれぞれ設けられる排紙トレイ203および自動給紙装置(ASF)202と、を備えている。プリンタ本体においては、プリンタの主要部分が本体カバー201およびその他のケース部分によって覆われている。そのプリンタの主要部分は、記録ヘッドおよびインクタンクを搭載したキャリッジが記録走査のために移動する機構を含む。213は、本体カバー201を閉じた状態および開いた状態の両方において操作可能な操作部213であり、本プリンタの状態を表示するための表示器、電源スイッチ、およびリセットスイッチを備えている。
【0020】
図11のように本体カバー201を取り外した状態では、使用者は、記録ヘッド105とインクタンク1K(Bk)、1Y、1M、1C(以下では、これらのインクタンクを同一の符号「1」で示す場合もある)を搭載したキャリッジ205が移動する範囲、および、その周辺を見ることができる。インクタンク1K(Bk)、1Y、1M、1Cは、それぞれブラックK(Bk)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)のインクを収容するためのタンクである。本体カバー201を開けたときには、キャリッジ205が自動的に同図に示すようなほぼ中央の位置(以下、「タンク交換位置」ともいう)へ移動するシーケンスが実行される。使用者は、このタンク交換位置において、それぞれのインクタンク1の交換操作などを行うことができる。
【0021】
記録ヘッド105には、各色のインクに対応したチップ形態の記録ヘッド部(不図示)が設けられており、この記録ヘッド105は、キャリッジ205と共に矢印Xの主走査方向に移動しつつ、各記録ヘッド部のノズルからインクを吐出することによって、用紙などの記録媒体に対して記録を行う。そのためキャリッジ205は、主走査方向に延在するガイド軸207によって摺動可能にガイドされ、キャリッジモータおよびその駆動力伝達機構によって、主走査方向に往復移動される。各インク色に対応する各記録ヘッド部は、フレキシブルケーブル206を介してプリンタ本体側の制御回路から送られる吐出データに基づいて、インク吐出をする。自動給紙装置202から給紙された記録媒体(不図示)は、紙送りローラや排紙ローラなどを含む紙送り機構によって排紙トレイ203まで搬送される。また、キャリッジ205には、タンクホルダ部を一体に備えた記録ヘッド105が着脱自在に装着され、その記録ヘッド105のタンクホルダ部に対して、それぞれのインクタンク1が個別的に着脱自在に装着される。
【0022】
記録動作時には、記録ヘッド105が主走査方向に移動しつつ、ノズルを形成する吐出口からインクを吐出することによって、ノズル列の幅に対応する記録媒体上の領域に画像を記録する。そして、このような記録走査と次の記録走査との間において、紙送り機構によって、記録媒体を矢印Yの副走査方向(主走査方向と交差する方向)に所定量搬送する。このような記録走査と記録媒体の搬送動作とを繰り返すことによって、記録媒体上に順次画像を記録する。キャリッジの移動に伴う記録ヘッドの移動範囲の端部には、各記録ヘッド部における吐出口の形成面を覆うキャップなどを含む吐出回復ユニットが設けられている。回復ユニットが設けられた位置に、記録ヘッドを所定の時間間隔で移動させることにより、各記録ヘッド部から画像の記録に寄与しないインクを吐出(予備吐出)などの回復処理を行って、インクの吐出状態を良好に維持することができる。
【0023】
記録ヘッド105には、各インクタンク1(1K、1Y、1M、1C)用の各タンクホルダ部、および各インクタンクに対応する各コネクタ152(図13参照)が設けられている。それぞれのコネクタ152は、対応するタンクホルダ部にインクタンク1が装着されたときに、そのインクタンク1に設けられている基板のパッド(コンタクト)102と接触する。インクタンク1には、後述するシーケンスにしたがって点灯、消灯、および点滅制御可能なLED101が備えられている。
【0024】
具体的には、図11のようにキャリッジがタンク交換位置に移動した状態において、少なくとも1つのインクタンク1内のインク残量が少なくなったとき、そのインクタンク1に備わるLED101を点灯もしくは点滅させる。また、キャリッジの移動範囲において、回復ユニットが設けられた位置と反対側の端部付近には、受光素子を有する第1受光部210(図12参照)が設けられている。キャリッジ205の移動に伴って、それぞれのインクタンク1のLED101が受光部210の位置を通過する際に、それらのLED101を順次発光させる。それらの光は第1受光部210によって受光され、それらの受光時におけるキャリッジ205の移動位置に基づいて、キャリッジ205上における各インクタンク1の装着位置を検出することができる。さらに、LED101の点灯などの制御の他の例としては、タンク交換位置においてインクタンク1が正しく装着されたときに、そのインクタンク1のLED101を点灯させることもできる。これらのLED101に関する制御は、記録ヘッドに対するインク吐出などの制御と同様に、フレキシブルケーブル206を介して、プリンタ本体側の制御回路からそれぞれのインクタンクに対して制御データ(制御信号)を送ることによって実行できる。
【0025】
[具体的な制御構成(図12)]
図12は、上述したインクジェットプリンタの制御系の概略構成を説明するためのブロック図である。図12においては、主に、プリンタ本体側のPCB(記録配線基板)形態の制御回路300と、それによって制御されるインクタンク1側のLED101と、に関する構成を示している。
【0026】
制御回路300は、本プリンタに関するデータ処理および動作制御を実行する。具体的には、ROM303に格納されているプログラムにしたがって、CPU301が後述する図5〜図8のような処理を実行する。RAM302は、CPU301による処理実行の際に、ワークエリアとして用いられる。
【0027】
図12において模式的に示されるように、キャリッジ205に搭載される記録ヘッド105は、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各インクを吐出するための記録ヘッド部105K、105Y、105M、105Cが備えられている。各記録ヘッド部には、対応するインクを吐出するための複数の吐出口が列状に形成されている。記録ヘッド105のタンクホルダ部には、各記録ヘッド部に対応するインクタンク1(1K、1Y、1M、1C)が着脱自在に搭載される。
【0028】
それぞれのインクタンク1には基板100が取り付けられており、その基板100には、前述したように、LED101、その表示制御回路、接触端子であるパッドなどが設けられている。また、記録ヘッド105のタンクホルダ部には、インクタンク1に対応するコネクタが設けられている。記録ヘッド105に対してインクタンク1が正しく装着されたときは、インクタンク1の基板100上のパッド(コンタクト端子)102が記録ヘッド105側のコネクタ152(図13参照)と接触する。また、キャリッジ205に設けられたコネクタ152とプリンタ本体側の制御回路300側のコネクタ110(図1参照)は、フレキシブルケーブル206を介して信号接続される。さらに、キャリッジ205に記録ヘッド105が装着されることにより、キャリッジ205側のコネクタと記録ヘッド105側のコネクタ152とが接続される。このような接続構成により、プリンタ本体側の制御回路300と、それぞれのインクタンク1との間において、信号の授受を行うことが可能となる。この結果、制御回路300は、後述する図6〜図8のシーケンスにしたがって、各インクタンクのLEDを点灯、消灯、および点滅制御することができる。
【0029】
記録ヘッド105のヘッド部105K、105Y、105M、105Cのそれぞれにおけるインク吐出の制御についても同様に、フレキシブルケーブル206、キャリッジ205側のコネクタ、および記録ヘッド105側のコネクタを介して、実行することができる。すなわち、プリンタ本体側の制御回路300に、それぞれの記録ヘッドに設けられた駆動回路などを接続することにより、制御回路300は、それぞれの記録ヘッドにおけるインク吐出などの制御を行うことができる。
【0030】
キャリッジ205の移動範囲の一方の端部近傍に設けられる第1受光部210は、インクタンク1のLED101からの発光を受けて、それに応じた信号を制御回路300へ出力する。その信号に基づいて、制御回路300は、キャリッジ205上におけるそれぞれのインクタンク1の位置を判断することができる。またプリンタ本体には、キャリッジ205の移動経路に沿って延在するエンコーダスケール209が設けられ、またキャリッジ205にはエンコーダセンサ211が設けられている。制御回路300は、フレキシブルケーブル206を介して、このエンコーダセンサ211の検出信号を入力することにより、キャリッジ205の移動位置を知ることができる。このキャリッジ205に関する位置情報は、各記録ヘッドのインク吐出制御に用いられると共に、後述するようにインクタンクの位置を検出する認証処理においても用いられる。さらに、キャリッジ205の移動範囲における所定の位置の近傍に設けられる第2発光/受光部214は、発光素子と受光素子とを有し、キャリッジ205に搭載される各インクタンク1のインク残量に関する情報を取得して、それに対応する信号を制御回路300に出力する。制御回路300は、この信号に基づいて各インクタンク1のインク残量を検出することができる。
【0031】
[接続部の構成例(図13)]
図13は、制御回路300と各インクタンク1の基板110との間の信号配線の説明図である。
図13に示すように、インクタンク1に対する信号配線は、4本の信号線からなり、かつ4つのインクタンク1のそれぞれに対して共通である。すなわち、それぞれのインクタンク1に対する信号配線は、電源信号線「VDD」、アース信号線「GND」、信号線「DATA」、およびクロック信号線「CLK」の4本の信号線から構成される。電源信号線「VDD」およびアース信号線「GND」は、インクタンク1のLED101を発光制御する制御素子群(制御部)103に対して電力を供給する。信号線「DATA」は、後述するように、制御回路300から、LED101を点灯、消灯、および点滅させるための制御信号(制御データ)などを送るための信号線である。クロック信号線「CLK」は、クロック信号を送るための信号線である。
【0032】
各インクタンク1(1K、1Y、1M、1C)の基板100には、これら4本の信号線の信号によって動作する制御部103、その制御部103によって制御されるLED101が設けられている。このような信号配線構造は、インクタンク1に設ける接続端子の数を最も少なくする構造の1つである。このような信号配線構造により、タイミングチャートを用いて後述するように、LED101を含む報知手段の制御、およびインクタンク1のインク残量を含む情報の取得や更新をすることができる。図13において、102は、インクタンク1側のパッドによって構成されたコンタクト端子であり、152は、インクタンク1が装着される記録ヘッドのタンクホルダ部側のコンタクトである。
【0033】
[報知制御部付近の構成(図1、図2)]
図1は、本発明を適用可能な報知制御部などが設けられた基板を示す回路図である。本実施形態においては、カートリッジをインクタンク、記録材をインク、報知手段を発光ダイオード(LED)として説明する。同図に示すように、インクタンク上の基板100A〜100D内にある制御部103は、メモリアレイ103B(記憶素子)と、LEDドライバ103C(駆動部)と、それらのメモリアレイ103BとLEDドライバ103Cをコントロールする入出力制御回路(I/O CTRL)103A(調停部)と、を有する。入出力制御回路103Aには、プリンタ本体側の制御回路300からフレキシブルケーブル206を介して制御データが送られる。入出力制御回路103Aは、その制御データに応じて、LED101の報知駆動、およびメモリアレイ103Bに対するデータの書き込みおよび読み出しを制御する。なお、図1はブロック図のため、フレキシブルケーブル206を介して送られてくる制御データは、実際には、直接インクタンク上の基板100A〜100Dに送り込まれるのではなく、キャリッジ基板等を介して送り込まれる。本図において、110はプリンタ本体側の制御信号用のコネクタである。
【0034】
メモリアレイ103Bは、本実施形態ではEEPROMの形態であり、インクタンク内のインク残量、およびインクタンクに収納するインクの色情報の他、そのインクタンクの固有番号や製造ロット番号などの製造情報等を記憶することができる。色情報は、インクタンクの出荷時または製造時に、インクの色に対応して、メモリアレイ103Bの所定のアドレスに書き込まれる。この色情報は、図3および図4を用いて後述するように、インクタンクの識別情報として用いられる。すなわち、その色情報を用いてインクタンクを特定することにより、メモリアレイ103Bに対するデータの書き込みや、メモリアレイ103Bからのデータの読み出しを行い、また、そのインクタンクに搭載されるLED101の点灯、消灯を制御することが可能となる。メモリアレイ103Bに書き込まれ、また読み出されるデータとしては、例えば、インク残量のデータがある。
【0035】
従来のインクタンクとしては、その底部にプリズムを設けて、インクの残量が少なくなったときに、このプリズムを介して光学的にその旨を検出できる構成のものがある。本実施形態では、このような構成のインクタンクにも適用することができる。
【0036】
制御回路300は、それぞれの記録ヘッドからインクを吐出させるための吐出データに基づいて、記録ヘッド毎のインク滴の吐出数をカウントし、そのカウント値から、それぞれの記録ヘッド毎に対応するインクタンク毎のインク残量を計算する。このインク残量情報は、対応するインクタンクのメモリアレイ103Bに書き込み、または読み出される。これにより、メモリアレイ103Bはインク残量の情報を保持することができ、その情報は、例えば、上述したようにプリズムを用いたインク残量の光学的な検出方法と併用して、より精度の高いインク残量検出に用いたり、装着されたインクタンクが新しいものか、あるいは一度用いられて再装着されたものであるか、などを判断するために用いることができる。
【0037】
LEDドライバ103Cは、入出力制御回路103Aから出力される信号がオンのときに、LED101に電源電圧を印加するよう動作して、LED101を発光させる。したがって、入出力制御回路103Aから出力される信号がオンの状態にあるときは、LED101が点灯状態を維持し、また、その信号がオフの状態にあるときは、LED101が消灯状態を維持する。
【0038】
114は、LED101に通電する電流を決定する制限抵抗器である。この制限抵抗器114は、半導体基板として構成する基板120内に作り込んでもよいし、あるいは、インクタンク上の基板100A〜100Dに実装してもよい。
【0039】
図2は、図1に示した基板100A〜100Dの構成の変形例を示す回路図である。図1の例とは、LED101に対して電源電圧を印加する構成が異なり、この図2の例においては、LED101の電源がインクタンクの基板100内部に設けられたVDD電源パターンから供給される。制御部103を半導体基板120上にまとめて作り込んだ場合に、図1における半導体基板120上の接続端子113、115は、図2のようにLED接続端子113のみとすることができる。このように接続端子の数が1つ少なくなるだけでも、半導体基板120の占有面積に大きく影響し、結果的に、半導体基板120のコストダウンを図ることができる。
【0040】
[報知制御部のメモリ制御タイミングチャート(図3)]
図3は、メモリアレイ103Bに対するデータの書き込みおよび読み出しの動作のそれぞれを説明するためのタイミングチャートである。
図3に示すように、メモリアレイ103Bに対してデータを書き込むときには、プリンタ本体側の制御回路300からインクタンク1の制御部103の入出力回路103Aに対して、信号線(DATA)を介して、「開始コード+色情報」、「制御データ」、「アドレスコード」、「データコード」の各データ信号がクロック信号CLKに同期して、この順で送られてくる。「開始コード+色情報」において、「開始コード」信号は一連のデータ信号の始まりを意味し、また、「色情報」信号は、その一連のデータ信号の対象となっているインクタンクを特定するための信号である。
【0041】
「色情報」は、図3に示すように、インクの色「BK(ブラック)」、「C(シアン)」、「M(マゼンタ)」、「Y(イエロー)」に対応したコード”000”,”100”,”010”,”110”を有している。各インクタンク毎において、入出力回路103Aは、このコードが示す色情報と、メモリアレイ103Bに格納されているインクタンク自身の固有の色情報(そのインクタンクが収容するインクの色に対応する色情報)と、を比較する。そして、各インクタンク毎の入出力回路193Aは、それらの色情報が一致しているときにのみ、それ以降のデータ信号を取り込むための処理を行い、それらが一致しないときには、それ以降のデータ信号の取り込みを停止するための処理を行う。このように、各インクタンクに共通の信号線「DATA」を通してプリンタ本体側から各インクタンクに対して共通に送り、そのデータ信号に色情報を含めることにより、そのデータ信号と各インクタンクとを対応付けることができる。つまり、データ信号に含まれている色情報と、各インクタンク毎の固有の色情報と、を比較することにより、データ信号の対象となっているインクタンクを特定することができる。
【0042】
したがって、色情報を用いて特定されたインクタンクに関して、それに対応するデータ信号に基づいて、メモリアレイ103Bに対するデータの書き込み、読み出し、LED101の点灯、消灯などの処理を行うことが可能となる。この結果、4つのインクタンクに対して共通のデータ信号線(例えば、1本の信号線)によって、各インクタンク毎のデータの書き込み、読み出し、LEDの点灯、消灯の制御などを行うことができ、これらの制御に要する信号線の数を少なくすることができる。このような共通のデータ信号線を用いる構成がインクタンクの数に限定されずに採用できることは、以上の説明からも明らかである。
【0043】
本実施形態の「制御コード」は、図3に示すように、LEDの点灯、消灯制御に用いられる「OFF」および「ON」のコード”000”,”100”と、メモリアレイに対するデータの読み出しおよび書き込みを示す「READ」および「WRITE」のコード”010”,”110”と、を含む。書き込み動作では、「WRITE」のコードが「色情報」のコードの後に続くことになる。その後に続く「アドレスコード」は、書き込み先であるメモリアレイのアドレスを示し、最後の「データコード」は書き込む内容を表している。
【0044】
なお、「制御コード」が表す内容が上記の例に限られないことはもちろんであり、例えば、ベリファイコマンド、連続読み出しコマンドなどに関する制御コードを加えて用いることもできる。
【0045】
メモリアレイ103Bからデータを読み出す場合、データ信号の構成は、上述したようなデータの書き込みの場合と同じである。すなわち、「開始コード+色情報」のコードは、データの書き込みの場合と同様に、全てのインクタンクの入出力回路103Aによって取り込まれ、それ以降のデータ信号は、「色情報」が一致した特定のインクタンクの入出力回路103Aだけが取り込む。但し、データの読み出しの場合には、アドレスコードによってメモリアレイ103Bのアドレスが指定された後、最初のクロック(図3の例では、13クロック目)の立ち上がりに同期して、メモリアレイ103Bから読み出したデータの出力が行われる。前述したように、複数のインクタンクのデータ信号端子が共通のデータ信号線に接続されていても、各インクタンクにおける入出力回路103Aは、読み出したデータが他の入力信号とぶつからないように調停を行う。
【0046】
[報知制御部のLED制御タイミングチャート(図4、5)]
図4は、LED101の点灯および消灯の動作を説明するためのタイミングチャートである。
LED101を点灯または消灯させるときには、図4に示すように、先ず、「開始コード+色情報」のデータ信号402がプリンタ本体側から信号線DATAを介して入出力回路103Aに送られる。上述したように、「色情報」によってインクタンクが特定され、その後に送られてくる「制御コード」のデータ信号403に基づいて、特定されたインクタンクにおけるLED101のみが点灯または消灯される。
【0047】
LED101を点灯または消灯させる「制御コード」のデータ信号403は、図3にて上述したように、「ON」または「OFF」のコードであり、「ON」のコードによってLED101が点灯され、「OFF」のコードによってLED101が消灯される。図4において、101Bk,102C,101M,101Yは、Bk,C,M,Yのインクを収容するインクタンクに備わるLED101であり、データ信号402,403に基づいて点灯または消灯された状態を表している。図4中の左側におけるLED101Bk〜101Yは、LED101Bkが点灯した状態、同図中の右側におけるLED101Bk〜101Yは、その後にLED101Bkが消灯した状態を表す。
【0048】
「制御コード」が「ON」のときは、図2にて前述したように、入出力回路103AがLEDドライバ103Cに対してオン信号を出力するため、その瞬間にノイズが発生しやすい。そのノイズが信号線に混入した場合、「開始コード+色情報」のデータ信号402や「制御コード」のデータ信号403などを送信している最中であれば、それらの信号が0から1へ、また逆に1から0へ化けるおそれがある。データ信号402,403などのデータは、1ビットでも化けてしまえば別の命令に置き換わってしまうため、その命令にしたがう動作は予期しないものとなってしまう。このことは「OFF」のコードによってLED101を消灯せる場合も同様である。
【0049】
本実施形態においては、このような事情を考慮して、「制御コード」のデータ信号403に続く期間に「休止期間」404が設けられている。そして、入出力回路103AがLEDドライバ103Cに対してオン信号を出力するタイミングは、この「休止期間」404に設定する。すなわち、「制御コード」が「ON」のときには、この「休止期間」404においてLEDドライバ103Cにオン信号を出力し、その期間以降においてもその出力状態を維持する。一方、制御コードが「OFF」のときは、入出力回路103Aは、この「休止期間」404においてLEDドライバ103Cにオフ信号を出力し、その期間以降においてもその出力状態を維持する。
【0050】
このように、「休止期間」404においてLED101を点灯および消灯などの動作を行った後は、図4に示すように、その動作を行なったインクタンクからプリンタ本体に対して「色情報」のデータ405が返信される。図4におけるデータ405は、LED101Bkを点灯させたときに、そのLED101Bkを備えるBkインク用のインクタンクから返信されるデータであり、インク色「BK」に対応する「色情報」のコード”000”である。
【0051】
ここで仮に、LEDドライバ103Cに対するオン信号以外の要因により発生したノイズなどによって、「開始コード+色情報」や「制御コード」のデータ信号402,403が化けたときには、LED101の発光または消灯の動作が正常に行われない場合がある。このような場合には、「色情報」のデータ405が入出力回路103Aからプリンタ本体に送信されない。したがってプリンタ本体は、LED101の発光または消灯の動作が正常に行なわれたか否かを判断することができる。「色情報」のデータ405がプリンタ本体に送信されなかった場合には、プリンタ本体から再度「開始コード+色情報」や「制御コード」のデータ信号402,403を送信することにより、リカバリーすることができる。
【0052】
図4の例の場合には、まず、同図中の最左端のデータ信号402によってブラック(Bk)インク用のインクタンクが特定され、その後のデータ信号403に基づいて、そのインクタンクのLED101Bkが点灯される。LED101Bkの実際の点灯動作は、「休止期間」404内の9クロック目において、そのLED101Bkに対してLEDドライバ103Cが所定の電圧を印加することによって行なわれる。その後の「色情報」のデータ信号405は、ブラック(Bk)インク用のインクタンクの入出力回路103Aから、プリンタ本体に送信される。プリンタ本体は、そのデータ信号405を受信することにより、LED101Bkの点灯動作が行われたことを認識することができる。その後のデータ信号402によってブラック(Bk)インク用のインクタンクが特定され、その後のデータ信号403に基づいて、そのインクタンクのLED101Bkが消灯される。LED101Bkの実際の消灯動作は、「休止期間」404内の29クロック目において、そのLED101Bkに対する電圧の印加を止めることによって行なわれる。
【0053】
このように、データ信号を送受信しない「休止期間」404において、LED101の点灯および消灯動作を行うことにより、そのLED101に対する駆動電圧を印加および解除に伴ってノイズが発生したとしても、そのノイズがデータ信号に悪影響を及ぼすことはない。
【0054】
図5は、図4とは異なる動作(LED101の点灯動作および消灯動作)を説明するタイミングチャートである。本例においては、図4において説明した「色情報」のデータ信号405の返信動作を除いた。
【0055】
図5に示す例の場合には、まず、同図中の最左端のデータ信号402によってブラック(Bk)インク用のインクタンクが特定され、その後のデータ信号403に基づいて、そのインクタンクのLED101Bkが点灯される。LED101Bkの実際の点灯動作は、「休止期間」404内の9クロック目において、そのLED101Bkに対してLEDドライバ103Cが所定の電圧を印加することによって行なわれる。その後のデータ信号402の「色情報」はマゼンタ(M)インク用のインクタンクを特定し、その後のデータ信号403の「制御コード」は点灯を指示するものである。したがって、LED101Bkの点灯が維持されたまま、LED101Mが点灯される。そのLED101Mの実際の点灯動作は、「休止期間」404内の19クロック目において、そのLED101Mに対してLEDドライバ103Cが所定の電圧を印加することによって行なわれる。その後のデータ信号402の「色情報」はブラック(Bk)インク用のインクタンクを特定し、その後のデータ信号403の「制御コード」は消灯を指示するものである。したがって、LED101Mの点灯が維持されたまま、LED101Bkが消灯される。そのLED101Bkの実際の消灯動作は、「休止期間」404内の29クロック目において、そのLED101Bkに対してLEDドライバ103Cが電圧の印加を止めることによって行なわれる。
【0056】
このように本例においては、図4にて説明した「色情報」のデータ信号405の返信動作を削除、つまりインクタンクの入出力回路103Aからプリンタ本体への「色情報」のデータ405の返信動作を除いた。これにより、一連の動作に必要なクロック数を少なくすることができる。本例は、動作の信頼性よりも、LEDの点灯/消灯動作の周期を短くする方を優先させる場合に有効である。
【0057】
以上の説明からも分かるように、プリンタ本体側の制御回路300がインクタンクに対して、特定のインクタンクのLEDの点灯と消灯を指示する「制御コード」を含むデータ信号を送ることにより、LEDを点滅制御することが可能である。その場合には、そのようなデータ信号を送る周期に応じて、LEDの点滅の周期を制御することができる。
【0058】
[制御手順(図6〜図9)]
図6は、インクタンクの着脱時における制御手順を説明するためのフローチャートであり、特に、プリンタ本体側の制御回路300による各インクタンクのLED101(101Bk,102C,101M,101Y)の点灯、消灯の制御手順を示す。
【0059】
図6に示すインクタンクの照合処理は、使用者がプリンタの本体カバー201(図10,11参照)を開いたときの処理であり、本体カバー201が開かれたことを所定のセンサが検知したときに起動される。本処理が起動されると、先ずは、ステップS101においてインクタンク着脱処理を実行する。
【0060】
図7は、このインクタンク着脱処理を説明するためのフローチャートである。
この図7の着脱処理では、先ず、ステップS201において、キャリッジ205を主走査方向に移動させる共に、そのキャリッジ205に搭載されているインクタンクから、それらに関しての状態情報を取得する。その状態情報は、そのときにおけるインク残量などに関する情報であり、これらの情報がインクタンクの固有番号と共に、メモリアレイ103Bから読み出される。そしてステップS202において、キャリッジ205が図11にて説明したインクタンク交換位置に到達したか否かを判断する。
【0061】
キャリッジ205がインクタンク交換位置に到達したときには、ステップS203においてインクタンク装着確認制御を行う。
【0062】
図8は、このステップS203の装着確認制御を説明するためのフローチャートである。この装着確認制御においては、先ず、ステップS301にて、キャリッジ205に搭載されるインクタンクの数を示すパラメータNを設定すると共に、このインクタンクの数に応じてLEDの発光を確認するためのフラグF(k)を初期化する。本実施形態では、Nとして、インクタンク1B、C、M、Yの総数の4が設定される。これにしたがって、フラグF(k)として、それらのインクタンク1B、1C、1M、1Yに対応するF(1),F(2),F(3),F(4)の4つが用意され、これらが全て初期化されて、その内容が“0”とされる。
【0063】
次に、ステップS302にて、それぞれのインクタンクが正しい位置に装着されているか否かを判定するための判定順序に関する変数Aを1に設定する。ステップS303にては、そのA番目(1番目)のインクタンク、つまりフラグF(1)に対応するインクタンク1Bについて装着確認制御を行う。使用者がインクタンク1Bを記録ヘッド105に装着したときには、前述したように、タンクホルダ部側の不図示のコンタクト152(図1参照)とインクタンク側のコンタクト102(図1参照)とが接触する。ステップS303の装着確認制御において、プリンタ本体側の制御回路300は、前述したように、色情報によって1番目のインクタンク1Bを特定しつつ、そのインクタンク1Bのメモリアレイ103Bに格納されている色情報を読み出す。
【0064】
そしてステップS304では、そのインクタンク1Bから色情報を読み出すことができ、かつ、その色情報がそれまでに読み出されたものと異なるときには、そのインクタンク1Bが装着されていると判断する。それ以外の場合は、インクタンク1Bが装着されていないと判断する。1番目のインクタンク1Bが装着されていると判断したときは、ステップS305にて、それに対応するフラグF(1)の内容を“1”とする。そして、前述したように制御コードを「ON」とし、その制御コードとインクタンク1Bに対応する色情報とによって、そのインクタンク1BのLED101Bkを点灯させる。そのインクタンク1Bが装着されていないと判断したときは、ステップS311にて、そのフラグF(1)の内容を“0”とする。
【0065】
次に、ステップS306にて変数Aを1つだけインクリメントし、ステップS307において、この変数AがステップS301にて設定したN(本例の場合は4)よりも大きいか否かを判断する。変数Aが未満のときには、ステップS303以降の処理を同様に繰り返す。したがって、2番目,3番目,4番目のインクタンク、つまりフラグF(2),F(3),F(4)に対応するインクタンク1C、1M、1Yについて装着確認制御を順次行うことになる。
【0066】
このような装着確認制御において、インクタンクを特定するための色情報として、それまでに既に読み出されているものを用いないことは勿論である。さらに本制御では、このようにインクタンクから色情報を読み出したときに、その色情報が、本処理が起動されてからそれまでに読み出された色情報と異なるものであるか否かの判断も行う。
【0067】
変数AがN(本例の場合は4)に達したときには、全てのインクタンクについての装着確認制御が終了したと判断し、その後ステップS308においては、本体カバー201が開放された状態か否かを前述のセンサの出力に基づいて判断する。本体カバー201が閉じた状態であるときは、例えば、使用者がインクタンクのいくつかを未装着、あるいは装着が不完全なまま、本体カバー201を閉じた可能性がある。この場合には、ステップS312にて、異常状態のステータスを図7の処理ルーチンへ返して本処理を終了する。
【0068】
ステップS308にて、本体カバー201が開いた状態であると判断したときは、4つのフラグF(1),F(2),F(3),F(4)の全ての内容が“1”であるか否かを判断する。すなわち、全てのインクタンクが装着されていて、それらのLED101の点灯がされたか否かを判断する。いずれかのインクタンクのLED101が点灯していないと判断したときは、ステップS302以降の処理を繰り返す。LED101が点灯していないインクタンクについては、使用者が装着、または装着動作をやり直して再装着し、そのインクタンクのLEDが点灯するまで上述した処理を繰り返す。このステップS309において、いずれかのインクタンクのLEDが点灯していないと判断したときには、既に点灯しているLEDを点滅制御してよい。これにより、使用者に対して、未装着あるいは装着が完全ではない(タンクホルダ部側のコンタクトとインクタンク側のコンタクトとが接触してない)インクタンクがあることに関しての注意を喚起させることができる。
【0069】
全てのインクタンクのLEDが点灯されたと判断したときは、ステップS310にて本処理を正常に終了して、図7の処理ルーチンに戻る。
【0070】
再び、図7を参照すると、ステップS203における図8のインクタンク装着確認制御を上記のように実行した後、ステップS204にて、その制御が正常に終了したか否か、すなわち全てのインクタンクが装着されたか否かを判断する。全てのインクタンクが装着されているときには、ステップS205にて、操作部213の表示器(図10、図11)を例えばグリーンの色に点灯させ、ステップS206にて正常に終了して図6の処理ルーチンに戻る。一方、全てのインクタンクが装着されていないときには、ステップS207にて、操作部213の表示器を例えばオレンジの色で点滅させ、ステップS208にて異常終了して図6の処理ルーチンに戻る。プリンタに対して、それを制御するPC(パーソナルコンピュータ)形態のホスト装置が接続されている場合には、同時に、そのホスト装置のモニターを通してインク残量を表示することもできる。
【0071】
図6において、ステップS101における図7のインクタンク着脱処理を上記のように終了した後は、ステップS102にて、その着脱処理が正常に終了したか否かを判断する。それが異常終了であると判断したときには、ステップS108にて、使用者が本体カバー201を開けるのを待ち、そのカバー201が開けられたときに、ステップS101の処理を起動して図7にて説明した処理を繰り返す。
【0072】
ステップS102にて、着脱処理が正常に終了したと判断したときには、ステップS103において使用者が本体カバー201を閉じるのを待ち、ステップS104にてカバー201が閉じられたか否かを判断する。本体カバー201が閉じられたときには、ステップS105の光照合処理に移行する。本体カバー201が閉じられたことを検出したときには、キャリッジ205を光照合処理のための位置へ移動させると共に、点灯されている各インクタンクのLED101を消灯させる。
【0073】
光照合処理は、正常に装着されたインクタンクの位置が正しい装着位置であるか否かを判断するための処理である。例えば、インクタンクの形状と、それが本来装着されるべき装着位置の形状と、を対応付けることにより、予め、異なるインクを収容する各インクタンク毎の専用の装着位置を設定して、あるインクのインクタンクを他のインクのインクタンクの装着位置に装着できないようにすることができる。しかし本実施形態においては、このような構成を採用していないため、インクタンクは、それが装着されるべき本来の装着位置に装着されずに、他のインクのインクタンクの装着位置に誤って装着される可能性がある。
【0074】
そこで光照合処理においては、インクタンクが誤った位置に装着されている場合に、その旨を使用者に知らせる。これにより、インクタンクの形状をインク色毎に異ならせる必要がなくなり、その分、インクタンクの製造の効率化や低コスト化を図ることができる。
【0075】
光照合処理においては、キャリッジ205を主走査方向に移動させつつ、例えば、インクタンク1Yが装着されるべきタンクホルダ部の位置が第1受光部210(図12参照)と対向するタイミングにて、インクタンク1Yを特定して、そのLED101Yを発光させる。インクタンク1Yが装着されるべきタンクホルダ部に、インクタンク1Yが正しく装着されている場合には、第1受光部210がLED101Yの発光を受光することができ、これにより制御回路300は、インクタンク1Yが正しい位置に装着されていると判断する。一方、第1受光部210がLED101Yの発光を受光できないときは、インクタンク1Yが正しい位置に装着されていないと判断する。
【0076】
同様に、他のインクタンク1B,1M,1Cのそれぞれについて、それらが正しい位置に装着されているか否かを確認する。
【0077】
このような光照合処理の後は、ステップS106にて、その処理が正常に終了したか否か、つまり全てのインクタンクが正常な位置に装着されているか否かを判断する。その処理が正常に終了して、全てのインクタンクが正常な位置に装着されていることが確認できたときには、ステップS107にて、操作部213の表示器を例えばグリーン色に点灯させて、本処理を終了する。一方、その処理が正常に終了せずに、インクタンクが正常な位置に装着されていないときには、ステップS109にて、操作部213の表示器を例えばオレンジ色に点滅させる。さらにステップS110において、ステップS105にて特定した装着位置が不良のインクタンクのLED101、つまり本来の正しい位置に装着されていないインクタンクのLED101を例えば点滅あるいは点灯させる。これにより、ステップS108において使用者が本体カバー201を開けたときに、本来の正しい位置に装着されていないインクタンクを認識させて、正しい位置への再装着を促すことができる。
【0078】
図9は、本実施形態における記録処理を説明するためのフローチャートである。本処理では、先ず、ステップS401においてインク残量の確認処理を行う。この確認処理は、これから記録しようとしているジョブについて、その記録データから記録量(インクの消費量に対応)を求め、この記録量と各インクタンクのインク残量とを比較して、ジョブの記録に充分な量のインクが各インクタンク内にあるか否かを確認する処理である。この処理において、各インクタンク内のインク残量は、前述したように、制御回路300がインク滴の吐出数のカウント値から計算したインク残量を用いることができる。
【0079】
ステップS402では、このような確認処理に基づいて、記録に必要なインク量が各インクタンク内にあるか否かを判断する。充分なインク量があるときには、ステップS403にて記録動作を行ってから、ステップS404にて、操作部213の表示器をグリーンに点灯させて処理を正常に終了する。一方、ステップS402において充分なインク量がないと判断したときには、ステップS405にて操作部213の表示器をオレンジに点滅させる。そして、ステップS406において、インク残量が少ないインクタンクのLED101を点滅または点灯させて、処理を異常終了する。
【0080】
制御回路300は、このような図6から図9の処理などにおいても前述したようにインクタンクのLEDの発光を制御することができる。すなわち、「色情報」と「制御コード」とを組み合わせた信号によって、インクタンクを特定して、その特定したインクタンクのLEDを発光、消灯、および点滅制御させることができる。また、このようにLEDを発光および消灯させるときのタイミングは、前述したように「休止期間」に設定される。このように、データ信号を送受信しない「休止期間」においてLEDの点灯および消灯動作を行うことにより、その動作に伴ってノイズが発生したとしても、そのノイズがデータ信号に悪影響を及ぼすことはない。
【0081】
(他の実施形態)
本発明は、プリンタ(記録装置)からの信号に基づいて、LED(発光部)を制御するための機能部分をインクタンク(液体収納容器)用のモジュールとして構成することができる。そのモジュールは、例えば、LED101および半導体基板120によって構成することができ、またコンタクト102を含めてもよい。要は、インクタンクに組み込まれることにより、プリンタから信号を入力する時期と異なる時期に、その入力信号に基づいて、LEDドライバ(駆動部)103Cを介してLED101を駆動制御することができればよい。
【0082】
また、インクタンクに備えたLEDなどの発光部によって、インク残量やインクタンクの装着状態などの他、種々の情報を光学的に報知することができる。
【0083】
またインクタンクは、種々の処理液を収納して、それをプリンタに供給するものであってもよい。その処理液としては、例えば、インク中の色材を不溶化または凝集させるもの、記録面の耐水性などを向上させるものなどである。本発明は、このような種々の液体を収納する液体収納容器としても広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の実施形態のインクタンクに備わる回路基板の構成例を説明するための回路図である。
【図2】本発明の実施形態のインクタンクに備わる回路基板の他の構成例を説明するための回路図である。
【図3】図1および図2の回路基板上のメモリアレイに対するデータの書き込みおよび読み出しの動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図4】図1および図2の回路基板上のLEDの点灯および消灯の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図5】図1および図2の回路基板上のLEDの点灯および消灯の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図6】本発明の実施形態におけるインクタンクの認証処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】図6におけるインクタンク着脱処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】図7におけるインクタンク装着確認制御を説明するためのフローチャートである。
【図9】本発明の実施形態における記録処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】本発明を適用可能なインクジェットプリンタの外観斜視図である。
【図11】図10のインクジェットプリンタの本体カバーを開いたときに斜視図である。
【図12】図10のインクジェットプリンタにおける制御系の概略のブロック構成図である。
【図13】図10のインクジェットプリンタのインクタンクに対する信号配線の説明図である。
【符号の説明】
【0085】
1(1K、1C、1M、1Y) インクタンク
100(100A,100B,100C,100D) 回路基板
101(101Bk,101C,101M,101Y) LED(発光素子)
103 制御部
103A 入出力制御回路(調停部)
103B メモリアレイ(記憶素子)
103C LEDドライバ(駆動部)
105 記録ヘッド
105K、105C、105M、105Y 記録ヘッド部
200 プリンタ(記録装置)
205 キャリッジ
206 フレキシブルケーブル
300 制御回路
301 CPU
302 RAM
303 ROM
404 休止期間




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013