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インクカートリッジおよび記録装置 - キヤノン株式会社
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発明の名称 インクカートリッジおよび記録装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−1065(P2007−1065A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−181621(P2005−181621)
出願日 平成17年6月22日(2005.6.22)
代理人 【識別番号】100077481
【弁理士】
【氏名又は名称】谷 義一
発明者 京嶌 真行
要約 課題
記録装置本体との通信を無線電波で非接触に行う構成において、インクカートリッジが装置に適切に搭載されたかを検出することができ、さらに、装着済みのインクカートリッジに対して、個別通信を効率的に行うことができる記録装置を提供する。

解決手段
インクカートリッジは、一対の電極と、電極が通電しているか否かを検出する手段と、検出手段と記録装置からの通信コマンドとの組合せに応じて、通信モジュールの内部処理を有効または無効にする選択手段を有する。
特許請求の範囲
【請求項1】
記録媒体に対してインクを吐出することにより記録を行う記録装置に着脱可能に装着されるインクカートリッジにおいて、
インクカートリッジの種類情報を含む情報を保持可能な情報保持手段と、
前記情報を前記記録装置と無線通信する通信手段と、
前記記録装置への装着時に導通する一対の電極と、
該一対の電極の導通の有無を検出する手段と、
前記記録装置から前記種類情報および通信許可の有無に係るコードが送信されてきたとき、前記検出手段による検出結果に応じて、前記情報保持手段に対する情報アクセスの可否を制御する制御手段と、
を有することを特徴とするインクカートリッジ。
【請求項2】
前記制御手段は、前記一対の電極の通電が有る場合に前記情報のアクセスの可否を決定する手段と、前記一対の電極の通電が無い場合に前記情報のアクセスの可否を決定する手段とを組合せた前記コードに応じて、前記情報保持手段に対する情報アクセスの可否を制御することを特徴とする請求項1に記載のインクカートリッジ。
【請求項3】
前記保持手段に保持される情報には、前記種類情報としての前記インクカートリッジに収納されたインク色に係る情報のほか、前記インクカートリッジに収納されているインクの残量の情報が含まれることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のインクカートリッジ。
【請求項4】
インクが収納されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のインクカートリッジ。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のインクカートリッジを用い、該インクカートリッジから供給されるインクを記録媒体に対して吐出することにより記録を行う記録装置であって、
前記インクカートリッジを着脱可能に装着するとともに、当該装着時に前記一対の電極間を導通させる手段を有する装着手段と、
前記インクカートリッジに具えられた通信手段と前記情報を無線通信する通信手段と、
当該無線通信を行うにあたり、前記カートリッジの種類情報および通信許可コードを送信する手段と、
前記インクカートリッジから前記アクセスを許容する旨の返信があった場合に前記インクカートリッジの前記情報保持手段に対する情報のアクセスを実行する手段と、
を具えたことを特徴とする記録装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録装置に着脱可能に搭載されるインクカートリッジおよび記録装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、インクを使用して記録を行う記録装置において、記録装置に着脱可能にインクカートリッジが搭載されるものが知られている。例えば、インクジェット記録装置では、記録データに応じて駆動信号を圧電振動子や発熱手段等の圧力発生手段に供給して圧力発生室内のインクを加圧し、ノズルからインク滴を吐出させる記録ヘッドと、記録ヘッドにインクを供給する着脱可能なインクカートリッジとを具えている。
【0003】
そして、記録品質は、記録ヘッドの解像度の他、インクの粘度や、記録媒体上での滲み具合等のさまざまな要因により左右される。したがって、記録品質の向上を図るために、インク特性の改善や、記録ヘッドに伝える駆動信号の改善や、ノズルの目詰まりを防止するための予備吐出の周期、キャッピング状態での予備吐出等のメンテナンス条件の改善等が図られている。
【0004】
これらの改善を行うために、インク残量、インクカートリッジに収納されたインクの情報、インクカートリッジの使用状態等のデータを格納させた半導体記憶チップをインクカートリッジに設け、記録装置が半導体記憶チップの接点を介して、これらのデータを読み出して適否の改善を施すことで好適な記録を実現している。
【0005】
例えば、特許文献1では、半導体記憶チップを、インクカートリッジを構成する容器の上面またはその上面に形成した凹部に基板を介して取り付け、記録装置から読出すことができるようにしたインクカートリッジが開示されている。このような、半導体チップ形態の記憶手段を有するインクカートリッジでは、インクカートリッジの搭載により、記憶手段の電気的接続が行われるため、記憶機能を発揮する他、インクカートリッジの搭載が適正に行われたか否かを検出することができる。このような検出を行うことで、記録装置が記録動作を開始した後に記録されない色材が存在することに気がついたり、記録不良がインクカートリッジの不完全な搭載に起因していることに気がつかなかったりといような不都合を防止することができる。
【0006】
一方、特許文献2では、インクカートリッジと記録装置との情報通信を無線電波で非接触に実行する構成が開示されている。記憶手段を電気的に接続する場合には、接続手段における接点が露出していることから、接点がインクに触れることによる接点の劣化や、静電気による記憶素子の劣化を生じやすくなるが、無線電波で情報通信を行うことにより、これらの問題点を解決することができる。
【0007】
【特許文献1】特開平03−67657号公報
【特許文献2】特開平11−320914号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、無線電波の場合は、非接触に情報通信を実行することから、インクカートリッジが適切に搭載されていなくても、記録装置とインクカートリッジは情報通信を行うことができる。したがって、このような構成では、記録装置にインクカートリッジが適切に搭載されたかを検出することは困難である。
【0009】
さらに、いわゆるRFID(Radio Frequency IDentification、無線周波数識別)などと呼ばれる無線通信方式においては、リーダ/ライタ装置からのアクセスに対し複数のICモジュールの応答の衝突を避けるため、個々のICモジュールに固有のID番号を割り当て、ID番号に応じて応答タイミングをずらしたり、応答周波数を変えるなどのアンチコリジョン技術が採用されている。アンチコリジョン技術では同時にアクセスすることが可能なICモジュールの数に応じて複数種の方式が提案されている。
【0010】
インクカートリッジの物流管理等には比較的多数のインクカートリッジに同時アクセスできる読み書き構成が望ましい。一方、インクジェット記録装置のように所定のインク種に応じて各々一つのインクカートリッジが搭載される構成においては、まずインク種を分類用IDとしてICモジュール内部に記憶された固有IDの問い合わせを行い、インク種IDの一致するICモジュールが固有IDを返信し、インク種ID、固有IDを含む通信を行うことで効率的な個別通信を行うことができる。
【0011】
しかしながら、アンチコリジョン技術を採用した無線通信方式による通信であっても、2以上のインクカートリッジのデータ通信が衝突することがあるといった問題がある。例えば、インクカートリッジの交換時に、使用済カートリッジが通信可能範囲に置かれていた場合には、記録装置から固有IDによるインク種を分類するIDの問い合わせに対し、装着されたインクカートリッジと使用済みのインクカートリッジの双方が返信し、応答が衝突する場合がある。
【0012】
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、記録装置とインクカートリッジとの情報通信を無線電波で非接触に実行する場合において、インクカートリッジが記録装置に適切に搭載されたか否かを正確に判断することができ、さらに、装着済みのインクカートリッジに対して、個別通信を効率的に行うことのできるインクカートリッジおよび記録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
そのために本発明では、記録媒体に対してインクを吐出することにより記録を行う記録装置に着脱可能に装着されるインクカートリッジにおいて、インクカートリッジの種類情報を含む情報を保持可能な情報保持手段と、前記情報を前記記録装置と無線通信する通信手段と、前記記録装置への装着時に導通する一対の電極と、該一対の電極の導通の有無を検出する手段と、前記記録装置から前記種類情報および通信許可の有無に係るコードが送信されてきたとき、前記検出手段による検出結果に応じて、前記情報保持手段に対する情報アクセスの可否を制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、かかるインクカートリッジを用い、該インクカートリッジから供給されるインクを記録媒体に対して吐出することにより記録を行う記録装置であって、前記インクカートリッジを着脱可能に装着するとともに、当該装着時に前記一対の電極間を導通させる手段を有する装着手段と、前記インクカートリッジに具えられた通信手段と前記情報を無線通信する通信手段と、当該無線通信を行うにあたり、前記カートリッジの種類情報および通信許可コードを送信する手段と、前記インクカートリッジから前記アクセスを許容する旨の返信があった場合に前記インクカートリッジの前記情報保持手段に対する情報のアクセスを実行する手段と、を具えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
以上の構成によれば、一対の電極の通電の有無を検出し、その結果に応じて以後の情報アクセスの可否を制御することができる。
【0016】
この結果、記録装置とインクカートリッジとの通信を無線電波で非接触に実行する場合であっても、インクカートリッジが記録装置に適切に搭載されたか否かを正確に判断することができるとともに、装着済みのインクカートリッジに対して、個別通信を効率的に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に図面を参照して本発明における実施形態を詳細に説明する。
【0018】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置200の外観を示す図であり、本体カバー201を開放した状態を示す斜視図である。図1に示すように、本実施形態の記録装置200は、記録ヘッドおよびブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の4色それぞれのインクカートリッジ1K、1C、1M、1Yを搭載し、走査をすることにより記録を行うキャリッジ205等の記録装置の主要部分が、本体カバー201およびケース部分によって覆われている記録装置本体と、その前後にそれぞれ設けられる排紙トレイ203と、自動給紙装置(ASF)202と、を具えたものである。また、記録装置200は、本体カバーを閉じた状態および開いた状態の両方で、本記録装置の状態を表示するための表示器、電源スイッチおよびリセットスイッチを備えた操作パネル213を具える。
【0019】
本体カバー201を開放した状態では、ユーザは、記録ヘッドおよびインクカートリッジを搭載したキャリッジ205が移動する範囲およびその周辺を見ることができる。本体カバー201を開けると、キャリッジ205が自動的に同図に示すほぼ中央の位置(以下、「インクカートリッジ交換位置」という。)へ移動するシーケンスが実行され、ユーザは、このインクカートリッジ交換位置でそれぞれのインクカートリッジの交換操作などを行うことができる。
【0020】
図2は、上述したインクジェット記録装置の制御構成を示すブロック図であり、記録装置本体におけるPCB(記録配線基板)形態の制御回路300とそれによって制御される構成を主に示している。
【0021】
図2において、制御回路300は本記録装置に関するデータ処理および動作制御を実行する。具体的には、CPU301は、ROM303に格納されているプログラムに従い、記録に関する処理や図9について後述する処理などを実行する。また、RAM302は、CPU301による処理実行の際に、ワークエリアとして用いられる。
【0022】
図2において示されるように、キャリッジ205に搭載された記録ヘッドユニット405は、K、C、M、Yの各インクを吐出するための複数の吐出口が形成されたそれぞれの記録ヘッド(不図示)を具えている。そして、記録ヘッドユニット405のインクカートリッジホルダ220には、これらの記録ヘッドに対応してインクカートリッジ1K、1C、1M、1Yが着脱自在に搭載される。
【0023】
キャリッジ205に設けられたコネクタ(不図示)と本体側の制御回路300とはフレキシブルケーブル206を介して信号接続する。さらに、キャリッジ205に記録ヘッドユニット405が装着されることにより、キャリッジ205上のコネクタと記録ヘッドユニット405のコネクタとが信号接続する。記録ヘッドにおけるそれぞれのインク吐出の制御についても、同様に、フレキシブルケーブル206、キャリッジ205のコネクタ、および記録ヘッドユニットのコネクタを介してそれぞれの記録ヘッドに設けられた駆動回路などが、本体側の制御回路300と信号接続し、これにより、制御回路300はそれぞれの記録ヘッドにおけるインク吐出などの制御を行うことができる。
【0024】
また、キャリッジ205の移動経路に沿ってエンコーダスケール209が設けられるとともに、キャリッジ205にはエンコーダセンサ211が設けられる。このセンサの検出信号はフレキシブルケーブル206を介して制御回路300に入力し、これにより、キャリッジ205の移動位置を知ることができる。この位置情報は、各記録ヘッド吐出制御に用いられる。さらに、キャリッジ205の移動範囲における所定の位置の近傍に設けられる発光/受光部214は、発光素子と受光素子とを有し、キャリッジ205に搭載されるそれぞれのインクカートリッジ1のインク残量に係る信号を制御回路300に出力する。そして、制御回路300は、この信号に基づき、インク残量を検出することができる。
【0025】
本実施形態の記録装置は、記録ヘッドユニット405に各色のインクが供給され、記録ヘッドユニット405がキャリッジ205の移動によって用紙などの記録媒体に対して走査を行い、この走査の間に記録媒体にインクを吐出して記録を行うものである。すなわち、キャリッジ205は、その移動方向に延在するガイド軸207と摺動可能に係合するとともに、キャリッジモータおよびその駆動力伝達機構によって、上述の移動をすることができる。そして、K、C、M、Yのインクに対応したそれぞれの記録ヘッドでは、フレキシブルケーブル206を介して本体側の制御回路300から送られる吐出データに基づいてインク吐出が行われる。
【0026】
また、紙送りローラや排紙ローラなどの紙送り機構が設けられ、自動給紙装置202から給紙された記録媒体(不図示)を排紙トレイ203まで搬送することができる。記録ヘッドが上記の移動によって走査しその間にそれぞれの記録ヘッドから記録媒体にインクを吐出して記録ヘッドにおける吐出口に対応した幅の領域に記録を行うとともに、この走査と次の走査の間に、上記紙送り機構によって上記幅に応じた所定量の紙送りを行うことにより、記録媒体に対して順次記録を行っていく。
【0027】
図3は、記録ヘッドユニット405および、インクカートリッジ1をキャリッジに搭載した状態を示す側断面図である。記録ヘッドユニット405に設けられた第1係止部455および、インクカートリッジホルダ220に設けられた第2係止部256に対し、インクカートリッジ1の第1係合部5および第2係合部6がそれぞれ係合することで、インクカートリッジ1がヘッドユニット405およびインクカートリッジホルダ220に装着され、固定される。
【0028】
このとき、インクカートリッジホルダ220に設けられた接続部材222がインクカートリッジ1に設けられたICモジュール100の電極(後述)に接触する。同時に、インク供給口7およびインク導入口407の接合が行われて装着動作が完了する。
【0029】
さらに、インクカートリッジホルダ220の下面にはインクカートリッジに設けられたICモジュールとの無線通信手段である通信ユニット215が装着されている。通信ユニット215は、キャリッジと一体に構成される必要はなく、キャリッジホームポジションやタンク交換ポジションなどにおいてICモジュールの近傍に位置することになる本体部材等に固定して構成されていてもよい。
【0030】
図4は、実施形態1に係るインクカートリッジに含まれるICモジュール100を示す平面図である。ICモジュールはPETフィルムやPENフィルム等で形成されたベースシート101上に、回路チップ130、および銅箔やアルミ箔等で形成されたアンテナ140が実装され、更にカバーシートでラミネートされている。
【0031】
図5は、図4に示す回路チップ130を示した図である。回路チップ130は、アンテナ140に接続するRF回路138を介して、電源回路137、入出力回路136、制御回路135、およびフラッシュメモリ等で構成された記憶回路134を有している。
【0032】
RF回路138は、アンテナ140に電磁誘導により発生した交流信号を検波して入力する回路であり、検波により取り出した電力成分を電源回路137に、信号成分を入出力回路136に出力する。また、入出力回路136からの信号を受取り、これを変調して交流信号とし、アンテナ140を介して、記録装置本体に送信する機能も有する。
【0033】
アンテナ140、RF回路138、および電源回路137は、電磁誘導により電力を発生し、入出力回路136は、電源回路137から供給される電力により、所定の情報を無線電波として送受信し、制御回路135は、記憶回路134に対する読み書き動作を始めとする内部動作制御を行う。
【0034】
記憶回路134には、インクカートリッジの製品種別の識別データ、プリンタ本体の製品種別の識別データ、インクカートリッジの固有IDデータ、製造年月日および使用期限、インクの残量等の情報が格納されている。
【0035】
一方、図1に示すように、カバーシート上には開口部が設けられ、回路チップ130に接続された電極110Aおよび電極110Bが開口部から露出するように形成されている。電極110Aは、回路チップ130内部で電源に接続されており、電極110Bは回路チップ130の制御回路135に接続され、かつ所定の抵抗素子を介して接地されている。電極110Aおよび電極110Bが接続されていないとき電極110Bは接地電位であり、両電極が接続されると電極110Bは電源電位となり、制御回路135は電極110Bの電位から、両電極の接続、または非接続の状態を検出することができる。
【0036】
図6は、本実施形態に係るインクカートリッジ1を示す側断面図である。インクカートリッジ1の内部は、インク収納室11と、インク供給口7に連通する負圧発生部材収納室12とに分割されており、両者は連通口13を介して接続されている。インク収納室11にはインク10がそのまま貯留される一方、負圧発生部材収納室12には、インクを含浸保持するスポンジや繊維集合体等のインク吸収体15が設けられている。インク吸収体15は、記録ヘッドのインク吐出用のノズル部に形成されるメニスカスの保持力と平衡してインク吐出部からのインク漏れを防止するに十分で、かつ記録ヘッドのインク吐出動作が可能な範囲にある適切な負圧を発生するためのものである。インク収納室11のインク10が負圧発生部材収納室12を介してインク供給口7から記録ヘッドに供給される。
【0037】
なお、インクカートリッジ1の内部構成は、このようなインク吸収体の収納室とインクをそのまま貯留する収納室とに分かれた形態に限られない。例えば、インク吸収体がインクカートリッジ内部空間の実質的に全体に充填されるものでもよい。また、負圧発生手段としてインク吸収体を用いるのではなく、容積を拡張する方向に張力を発生するゴム等の弾性材料で形成した袋状部材内にインクをそのまま充填し、この袋状部材が発生する張力によって内部のインクに負圧を作用するようにしたものでもよい。さらには、インク収容空間の少なくとも一部を可撓性部材で構成し、その空間内にインクだけを収容するとともに、可撓性部材にばね力を作用させることで負圧を発生させるようにしたものでもよい。
【0038】
インク収納室11の底部には、インクカートリッジ1の装置への装着時において本体装置側に設けられたインク残量検出用センサと対向可能な部位に、被検出部17が設けられている。本実施形態において、インク残量検出用センサは発光部および受光部を有する光センサである。また、被検出部17は、透明もしくは半透明な材質からなり、インク充填時には適切に発光部からの光を反射させて受光部に戻すことができ、インク収納室11が空になった状態では受光部に光が戻らないように形状、角度等が定められた斜面部を有したプリズム状のものである。
【0039】
支持部材3はインクカートリッジ1の外装と一体に、樹脂により形成されており、後述するインクカートリッジホルダへの装着操作等を行う際に被支持部を中心に変位可能な構成である。インクカートリッジ1の左右外側壁には、後述するインクカートリッジホルダの係止部にそれぞれ係合可能な第1係合部5および第2係合部6(本図では支持部材3に一体化されている)が設けられ、これらの係合によってインクカートリッジ1は、インクカートリッジホルダに装着保持される。
【0040】
支持部材3の支持部分近傍のインクカートリッジ底面には、本実施形態の主要部をなすICモジュール100が設けられている。ICモジュール100の電極露出面が、インクカートリッジ1の外側に向かって位置するように固定される。
【0041】
図7は、本実施形態のICモジュールに対するアクセスデータのデータ構成の例を示す図である。図7(a)は、固有IDの読み込みに関するデータ構成を示し、記録装置からICモジュールの回路チップ130に「開始コード+色コード」、「制御コード」、「通信許可コード」のデータが送られてくる。「開始コード+色コード」の「開始コード」のデータは、一連のデータ信号の始まり意味し、「色コード」のデータにより、一連のデータの対象となっているインクの色を特定する。「色コード」は、K、C、M、Yの色に対応したコードを有しており、回路チップ130の制御回路135において、このコードが示す色情報と記憶回路134に格納されている色情報とを比較する。これらの色情報が一致している場合には、その後のデータを読み込み、一致していない場合には、その後のデータの取り込みを無視する処理を行う。この処理により、装置側からデータ信号をそれぞれのインクカートリッジに送っても、データ信号に色情報を含めていることから、インクの色を特定することができ、その後の処理を、データにより特定したインクの色に関してのみ行うことができる。
【0042】
なお、インクの色とは、K、C、Y、Mのインク色に限らず、濃度の異なるインク等の他の色のインクも含まれる。
【0043】
「通信許可コード」は、2ビットのデータからなり、第1ビットは電極110Aおよび110B間が接続している場合に、固有IDの読み込みを有効にするか無効にするかを、第2ビットは電極110Aと110Bが接続されていない場合に、固有IDの読み込みを有効にするか無効にするかを、それぞれ指定するためのコードである。これにより、記録装置からデータ信号をそれぞれのインクカートリッジに送っても、通信対象となるインクカートリッジを限定することができる。
【0044】
図8は、「通信許可コード」の組合せに従って定められる情報のアクセス(読出しや書込み)の内容の例を示す図である。組合せAのコマンドを送った場合、制御回路135は、電極110Aおよび110B間の接続の検出の有無に関わらず、以後のデータを読み込む処理を行わない。組合せBのコマンドを送った場合、制御回路135は、電極110Aおよび110B間が接続されていることを検出したときにのみ、以後のデータを読み込む処理を行い、接続されていないことを検出した場合には、以後のデータを読み込む処理を行わない。組合せCのコマンドを送った場合、制御回路135は、電極110Aおよび110B間が接続されていないことを検出したときにのみ、以後のデータを読み込む処理を行い、接続されていることを検出したときには、以後のデータを読み込む処理を行わない。組合せDのコマンドを送った場合、制御回路135は、電極110Aおよび110B間の接続の検出の有無に関わらず、以後のデータを読み込む処理を行う。
【0045】
これにより、例えば、組合せBのコマンドを送った場合、装着済みのインクカートリッジの固有のデータIDのみの読み込みを行うことができ、インクカートリッジが搭載されたか否かを検出することができる。また、組合せCのコマンドを送った場合、物流時の商品管理などインクカートリッジが接続されていないときの用途に使用することができる。
【0046】
以上のように、「色コード」が一致したインクカートリッジであって、「通信許可コード」により通信許可であった場合に、「制御コード(INVENTORY)」により、次のステップに進むことができるため、例えば、「通信許可コード」が組合せBのコマンドを用いた場合には、通信可能領域に同一色のインクカートリッジがある場合であっても、装着済みインクカートリッジのみが固有のIDを返信することとなる。
【0047】
図7(b)は、記憶回路への書き込みデータ構成の例を示す図である。図7(b)に示すように「開始コード+色コード」、「制御コード(WRITE)」、「固有IDコード」、「アドレスコード」、「データコード」のデータが送られてくる。固有ID読み込みコマンドによって取得された固有IDがコマンド内に含まれるので、固有ID読み込みコマンドとの組み合わせにより、例えば装着済みインクカートリッジに対してのみ書き込みを行うことができる。
【0048】
書き込み動作では、コマンドは総てのインクカートリッジのICモジュールによって取り込まれ、「色コード」、が一致したインクカートリッジの制御回路135だけが「制御コード(WRITE)」のコマンドを受け取る。更に「制御コード(WRITE)」はあらかじめ所定ビットの固有IDを伴うコマンドであると決めておくことにより、「固有IDコード」が一致するインクカートリッジの制御回路135のみが以降の処理を続ける。次の「アドレスコード」は、書き込み先であるメモリアレイのアドレスを示し、最後の「データコード」は書き込む内容を表している。
【0049】
なお、「制御コード(WRITE)」が表す内容は上記の例に限られないことはもちろんであり、例えば、連続書き込みコマンド、ベリファイコマンドなどに関する制御コードを加えて用いることもできる。また、書き込みコマンドには「固有IDコード」を伴わない、すなわちアクセス可能なすべてのICモジュールに共通して書き込みができるコード(例えばWRITE−ALL)が別に用意されていてもかまわない。
【0050】
図7(c)は、記憶回路からの読み出しデータ構成を示す図である。上記の書き込みの場合とデータ信号の構成は同じであり、「色コード」、「固有ID」が一致したインクカートリッジの制御回路135だけが「制御コード(READ)」に応じた内部処理を行う。すなわち、アドレスコードによって指定されたデータを読み、読み出したデータの返信が行われる。
【0051】
なお、図2で示した本体制御回路300のRAM302のワークエリアには、各インクカートリッジのICモジュールの情報に関する最新取得情報、および更新フラグが保持され、以上のようなコマンドによる問い合わせや、前述したインク残量検出などにともなう情報更新が必要なイベントが発生すると更新フラグをセットする。CPU301は更新フラグを監視し、必要に応じて更新処理を行い、更新処理が完了すると更新フラグをリセットする。
【0052】
上述のような構成において、以下に本実施形態のインクカートリッジのデータ処理の流れを具体的に説明する。本実施形態のインクカートリッジは、生産工程の最終段階で図4に示す回路チップ130に製品種別の識別データなどの各種情報が格納される。
【0053】
図9は、インクカートリッジの搭載が適正に行われているか否かを検出する処理を示す図である。本処理は、記録装置のカバーを開いたとき、所定のセンサによってこれを検知して起動される処理である。本処理が起動されるとキャリッジがインクカートリッジ交換位置に移動する。
【0054】
ユーザが記録装置のカバーを開け、キャリッジがインクカートリッジ交換位置に移動した後、記録装置200にインクカートリッジを装着する(S901)。このとき、通信ユニット215は複数の搭載インクカートリッジに対して、それぞれ装着済みカートリッジを対象とした固有ID取得コマンドを発行する(S902)。上述した装着過程において、インクカートリッジが無線通信可能な領域に入ると、ICモジュールの電源回路から電源が回路チップ内に供給され、動作可能状態となる。ICモジュールは受信した固有ID取得コマンドに対し、電極110Aおよび110B間が未接続であることを検出し、以降の処理を停止する。インクカートリッジ1がキャリッジ205に適切に搭載されると、接続部材222が電極110Aおよび110B間を導通させるので、ICモジュールは装着済みであることを検出し、固有IDを返信する(S903)。記録装置本体は返信の有無により当該インク種のインクカートリッジの搭載状態を知ることができる。
【0055】
同様に、使用済みインクカートリッジを取り外す際にも、装着済みインクカートリッジを対象とした固有ID取得コマンドに対する返信がなくなった時点で記録装置はインクカートリッジが取り外されたことを確実に認識することができる。
【0056】
例えば、装着済みとして固有IDが取得できたインク種に対しては、RAM302の更新フラグのひとつである交換フラグを参照し、交換フラグがセットされていない、すなわち継続して搭載されたままである場合には、何もしないで、次のインクカートリッジにスキップする。
【0057】
搭載済みとして固有IDが取得できなかったインク種については、インクカートリッジが「存在しない」と認識され、交換フラグをセットする(S904)。次にインクカートリッジが装着済みとして固有IDが取得できた時には、交換フラグがセットされていることから、インクカートリッジが新たに装着されたと認識し(S905)、所定の記憶情報を取得した後(S906)、インク残量等の情報を表示し(S907)交換フラグをリセット(S908)する。また、この際、固有IDと対応づけてインク残量等の情報を記録装置側において保持することができる。
【0058】
本体カバーを閉じた時点で(S909)、交換フラグを参照し(S910)、複数のインクカートリッジがすべて搭載済みであると判断されたときは、所定の記録準備シーケンスを経た後、記録待機状態となる(S911)。
【0059】
このとき、未搭載と判断されたインクカートリッジが存在するとインクカートリッジ100の装着エラーを表示する(S912)。更にホストコンピュータに返信することもできる。ユーザはエラー表示に従い、ふたたびカバーオープン操作に戻る。
【0060】
上述の無線通信はプリンタ本体200にインクカートリッジ1が適切に装着されているかの確認だけではなく、プリンタ本体200とインクカートリッジ1との各種のデータ通信にも利用されるので、簡単な構造で複数の機能を実現している。
【0061】
一方、物流時のインクカートリッジ管理においては非搭載(電極非接続)状態のインクカートリッジに対象を限定した「通信許可コード」を用いる。この場合、専用の外部読み書き装置を用いてICモジュールとの通信が行われるが、店頭など、商品としてのインクカートリッジと、デモ用本体に搭載されているインクカートリッジが比較的近い位置に置かれているような場合、商品のみを対象とした通信を行うことが可能になる。
【0062】
本実施形態ではインクカートリッジ1が記憶回路134により所定の情報を更新自在に記憶しており、記録装置200等がインクカートリッジ1の記憶回路134から所定の情報を読み出すとともに書き込むことを例示した。しかし、インクカートリッジ1の情報記憶媒体を所定の情報を固定的に記憶しているROM(Read Only Memory)とし、プリンタ本体200および無線通信装置215がインクカートリッジ1から所定の情報を読み出すのみとすることも可能である。
【0063】
さらに、本実施形態ではインクカートリッジ1が情報記憶媒体としてフラッシュメモリを有していることを例示したが、これをEEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、FeRAM(Ferroelectric RAM),バッテリが接続されたRAM(Random Access Memory)、ROM、等とすることも可能である。
【0064】
また、本実施形態ではインクカートリッジ1が、アンテナ140とRF回路138、電源回路137からなる電力発生手段を有しており、電磁誘導により電力を発生することを例示したが、例えば、マイクロ波の電界エネルギーを利用する方式であってもよく、また、ICモジュール100にバッテリを搭載することも可能である。
【0065】
さらに、記録装置側が当初読込んだインク残量から、記録に従って消費されたインク量を減算し、これに基づいてインクカートリッジの記憶回路134の内容を更新するようにしてもよい。
【0066】
(実施形態2)
図10は、本発明の他の実施形態に係るインクジェット記録装置600を示す斜視図であり、本体底部に備えられた本体カバー601を開け、インクカートリッジ収納室を開放した状態を示す。インクカートリッジ収納室にはインクカートリッジ(701K、701C、701M、701Y)が着脱可能に搭載されており、搭載に伴って連通したインク供給チューブ(不図示)を介して記録ヘッド(不図示)にインクを供給する。本実施形態の記録装置は、インクカートリッジを本体に据え付けるのでキャリッジを小さく形成することができ、本体サイズを小さくできるとともに、キャリッジ駆動のためのモータも駆動能力の小さいもので済むという利点がある。
【0067】
図11は、本実施形態のインクカートリッジ701を示す斜視図である。インクカートリッジ側底面にインク供給のためのインク供給口707、およびICモジュール100が備えられている。インクカートリッジ701は、中空のカートリッジ本体の内部に多孔体は充填されておらず、インクが直接収容されており、インク供給口707は柔軟なシール部材705で密閉されている。本体へのインクカートリッジ装着によって、本体側に形成された中空針状のインク導入部材(不図示)にインク供給口707が嵌合してインク供給が可能になる。同時に、本体側に形成された接続部材(不図示)にICモジュールの電極110A、110Bが接触して、両電極が導通状態になる。また、プリンタ本体の中空針状部材近傍には通信ユニット(不図示)が配置されている。
【0068】
本体カバー601を閉じた時点で、複数のインクカートリッジのすべてが搭載済みであるときは、インク残量等の情報を読み出し、所定の記録準備シーケンスを経た後、記録待機状態となる。
【0069】
特に、記録装置本体の針状部材がインクカートリッジ701の内部まで充分に移動した状態で、接続部材が電極110A、110Bを導通させる。このため、記録装置本体およびインクカートリッジ701に形状の誤差およびガタなどが存在しても、インクが確実に供給される位置までインクカートリッジ701を装着すべき旨をユーザに報知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の一実施形態にかかるインクジェット記録装置を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかるインクジェット記録装置の制御構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかるインクカートリッジを記録ヘッドおよびホルダに装着した状態を示す側断面図である。
【図4】本発明の一実施形態にかかるインクカートリッジに具えられたICモジュールを示す平面図である。
【図5】本発明の一実施形態にかかるインクカートリッジに具えられたICモジュールを示すブロック図である。
【図6】本発明の一実施形態にかかるインクカートリッジの側断面図である。
【図7】(a)〜(c)は、本発明の一実施形態にかかるインクカートリッジに具えられたICモジュールのデータ構成を示す図である。
【図8】本発明の一実施形態にかかる通信許可コードの例を示す図である。
【図9】本発明の一実施形態にかかる制御手順を示すフローチャートである。
【図10】本発明の他の実施形態にかかるインクジェット記録装置を示す斜視図である。
【図11】本発明の他の実施形態にかかるインクカートリッジを示す斜視図である。
【符号の説明】
【0071】
1K、1C、1M、1Y インクカートリッジ
3 ラッチレバー
5 第1係合部
6 第2係合部
7 インク供給口
10 インク
11 インク収納室
12 負圧発生部材収容室
13 連通口
15 インク吸収体
17 被検出部
100 ICモジュール
101 ベースシート
110A、110B 電極
130 回路チップ
140 アンテナ
134 記憶回路
135 制御回路
136 入出力回路
137 電源回路
138 RF回路
200、600 インクジェット記録装置
201、601 本体カバー
202、602 自動給紙装置
203 排紙トレイ
205 キャリッジ
206 フレキシブルケーブル
207 ガイド軸
209 エンコーダスケール
211 エンコーダセンサ
213、613 操作パネル
214 発光/受光部
215 通信ユニット
220 インクカートリッジホルダ
222 接続部材
256 第2係止部
300 制御回路
301 CPU
302 RAM
303 ROM
405 記録ヘッドユニット
407 インク導入口
455 第1係止部
701K、701C、701M、701Y インクカートリッジ




 

 


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