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ワイピング装置及び液体噴射装置 - セイコーエプソン株式会社
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発明の名称 ワイピング装置及び液体噴射装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−83616(P2007−83616A)
公開日 平成19年4月5日(2007.4.5)
出願番号 特願2005−276454(P2005−276454)
出願日 平成17年9月22日(2005.9.22)
代理人 【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
発明者 武田 勝弘
要約 課題
ワイパ部材の清掃効果を高めつつ、該ワイパ部材を円滑に移動させることが可能なワイピング装置及び液体噴射装置を提供する。

解決手段
ワイピング装置26は、ノズル20からインクを噴射する記録ヘッド19を有する液体噴射装置としてのインクジェット式プリンタに備えられている。ワイピング装置26は、記録ヘッド19のノズル形成面19aを払拭するワイパ部材34と、該ワイパ部材34に常に摺接して、該ワイパ部材の右側面34bに付着したインクを払拭するクリーニング部材35とを備えている。そして、クリーニング部材35には、該クリーニング部材35におけるワイパ部材34との摺接部35aに、該ワイパ部材34に対する摺動抵抗を低減するスリットが設けられている。
特許請求の範囲
【請求項1】
ノズルから液体を噴射する液体噴射ヘッドを有する液体噴射装置に備えられ、前記液体噴射ヘッドのノズル形成面を払拭するワイパ部材と、該ワイパ部材に常に摺接して、該ワイパ部材に付着した液体を払拭するクリーニング部材とを備えたワイピング装置において、
前記クリーニング部材には、該クリーニング部材における前記ワイパ部材との摺接部に、該ワイパ部材に対する摺動抵抗を低減する摺動抵抗低減手段が設けられていることを特徴とするワイピング装置。
【請求項2】
前記摺接部は、前記ワイパ部材における液体の付着面に対して交差する方向に延びる板状をなしていることを特徴とする請求項1に記載のワイピング装置。
【請求項3】
前記摺動抵抗低減手段は、前記摺接部に、前記ワイパ部材に対して近接または離間する方向に延びるように形成されたスリットにより構成されたことを特徴とする請求項2に記載のワイピング装置。
【請求項4】
前記摺動抵抗低減手段は、前記摺接部に、前記ワイパ部材に対して近づくにつれて先細となるように形成したテーパ部により構成されたことを特徴とする請求項2または請求項3に記載のワイピング装置。
【請求項5】
前記摺動抵抗低減手段は、前記摺接部に、該摺接部をロール状に丸めて形成したロール部により構成されたことを特徴とする請求項2〜請求項4のうちいずれか一項に記載のワイピング装置。
【請求項6】
ノズルから液体を噴射する液体噴射ヘッドと、請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載のワイピング装置とを備えたことを特徴とする液体噴射装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばインクジェット式プリンタ等の液体噴射装置及びこれに備えられるワイピング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ターゲットに対して液体を噴射する液体噴射装置として、インクジェット式プリンタ(以下、「プリンタ」という。)が知られている。この種のプリンタは、その記録ヘッド(液体噴射ヘッド)のノズル形成面に複数のノズルが形成されており、該各ノズルからインク(液体)を噴射するようになっている。ところで、各ノズルから噴射されたインクは、その噴射時における記録用紙(ターゲット)からの跳ね返り等によってノズル形成面に付着することがある。そして、このノズル形成面に付着したインクは、ノズルからのインク噴射方向のずれやノズルの目詰まりの原因となる。
【0003】
そこで、プリンタには、記録ヘッドのノズル形成面を払拭して清掃するためのワイピング装置が設けられている。このようなワイピング装置は、通常、エラストマ等よりなる板状のワイパ部材とクリーニング部材とを備えている。この場合、ワイパ部材は、撓みながらノズル形成面を摺動して該ノズル形成面に付着したインクを払拭して除去する(ワイピング動作する)ようになっており、クリーニング部材は、ワイパ部材と相対移動することで、ワイパ部材に付着したインクを掻き取る(清掃動作する)ようになっている。
【0004】
ところで、上記のようなワイピング装置は、繰り返し清掃動作することによって、クリーニング部材にインクが堆積してしまい、ワイパ部材によるワイピング動作の効果が低下するばかりでなく、クリーニング部材に堆積したインクによって、逆にワイパ部材が汚染されてしまうという問題があった。
【0005】
このため、従来から、クリーニング部材におけるワイパ部材と当接する面にリブ部を形成するとともに、クリーニング部材の下端に庇部を形成したワイピング装置が提案されている(例えば、特許文献1)。この特許文献1のワイピング装置では、リブ部によってクリーニング部材のワイパ部材との当接開始時における接触範囲を制限するとともに、庇部によってワイパ部材から掻き取ったインクの堆積許容領域を制限するようにしている。
【0006】
しかしながら、特許文献1のワイピング装置では、堆積許容領域が狭く、堆積したインクにより該堆積許容領域が飽和し易いため、クリーニング部材による清掃効果が低下するという問題があった。
【0007】
こうした問題に対しては、ワイピング装置を次のように構成することが考えられる。すなわち、板状のワイパ部材を、その払拭部が、記録ヘッドのノズル形成面に摺接しない初期位置と、該ノズル形成面に摺接する上方位置との間で移動するように構成する。さらに、スポンジ等の吸収体よりなるクリーニング部材を、断面クランク状をなす板状とし、その基端部がインク吸収材に固定されるとともに、その先端部がワイパ部材に当接されるように構成する。
【0008】
このように構成されたワイピング装置では、ワイパ部材が上下方向に移動する際に、該ワイパ部材に付着したインクが、クリーニング部材の先端部で掻き取られて該クリーニング部材に一旦吸収された後、インク吸収材に吸収される。このため、クリーニング部材がワイパ部材から掻き取って吸収したインクで飽和し難くなり、クリーニング部材による清掃効果の低下を抑制することができる。
【特許文献1】特開2001−105612号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、このワイピング装置では、クリーニング部材によるワイパ部材の清掃効果をさらに高めようとした場合には、クリーニング部材の先端部をワイパ部材に押し付けながら接触させるように構成することが考えられる。しかしながら、このように構成した場合、クリーニング部材の先端部のワイパ部材に対する摺動抵抗が大きくなり、該ワイパ部材の上下方向への移動が妨げられるおそれがあるという問題があった。
【0010】
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、ワイパ部材の清掃効果を高めつつ、該ワイパ部材を円滑に移動させることが可能なワイピング装置及び液体噴射装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明のワイピング装置は、ノズルから液体を噴射する液体噴射ヘッドを有する液体噴射装置に備えられ、前記液体噴射ヘッドのノズル形成面を払拭するワイパ部材と、該ワイパ部材に常に摺接して、該ワイパ部材に付着した液体を払拭するクリーニング部材とを備え、前記クリーニング部材には、該クリーニング部材における前記ワイパ部材との摺接部に、該ワイパ部材に対する摺動抵抗を低減する摺動抵抗低減手段が設けられている。
【0012】
この発明によれば、クリーニング部材の摺接部のワイパ部材に対する摺動抵抗が摺動抵抗低減手段により低減されるため、ワイパ部材の清掃効果を高めつつ、該ワイパ部材を円滑に移動させることが可能となる。
【0013】
本発明のワイピング装置は、前記摺接部が、前記ワイパ部材における液体の付着面に対して交差する方向に延びる板状をなしている。
この発明によれば、ワイパ部材に付着した液体をクリーニング部材の摺接部によって掻き取るように好適に払拭することが可能となる。
【0014】
本発明のワイピング装置は、前記摺動抵抗低減手段が、前記摺接部に、前記ワイパ部材に対して近接または離間する方向に延びるように形成されたスリットにより構成された。
この発明によれば、クリーニング部材の摺接部が、ワイパ部材に対して摺動する際に、ワイパ部材から受ける反力により座屈し易くなるため、該摺接部のワイパ部材に対する摺動抵抗が低減されるようになる。
【0015】
本発明のワイピング装置は、前記摺動抵抗低減手段が、前記摺接部に、前記ワイパ部材に対して近づくにつれて先細となるように形成したテーパ部により構成された。
この発明によれば、摺接部におけるワイパ部材との接触面積が小さくなるため、該摺接部のワイパ部材に対する摺動抵抗が低減されるようになる。
【0016】
本発明のワイピング装置は、前記摺動抵抗低減手段が、前記摺接部に、該摺接部をロール状に丸めて形成したロール部により構成された。
この発明によれば、摺接部にロール部を形成することで、該摺接部が弾力性を持つようになる。このため、摺接部が、ワイパ部材に対して摺動する際に、ワイパ部材から受ける反力を、その弾力性で吸収するようになり、該摺接部のワイパ部材に対する摺動抵抗が低減されるようになる。
【0017】
本発明の液体噴射装置は、ノズルから液体を噴射する液体噴射ヘッドと、上記構成のワイピング装置とを備えた。
この発明によれば、クリーニング部材の摺接部のワイパ部材に対する摺動抵抗が低減されるため、ワイパ部材の清掃効果を高めつつ、該ワイパ部材を円滑に移動させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の液体噴射装置をインクジェット式プリンタに具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において、「前後方向」、「上下方向」及び「左右方向」をいう場合は、特に説明がない限り、図1を基準とした場合の「前後方向」、「上下方向」及び「左右方向」と一致するものとする。
【0019】
図1に示すように、液体噴射装置としてのインクジェット式プリンタ11は、フレーム12を備えており、該フレーム12内には、プラテン13が架設されている。プラテン13上には、紙送りモータ14を有する紙送り機構によりターゲットとしての記録用紙Pが給送されるようになっている。また、フレーム12には、プラテン13の長手方向と平行に、棒状のガイド部材15が架設されている。
【0020】
ガイド部材15には、キャリッジ16が、該ガイド部材15の軸線方向に往復移動可能に挿通支持されている。キャリッジ16は、フレーム12に設けられたタイミングベルト17を介してキャリッジモータ18に連結されている。そして、キャリッジ16は、キャリッジモータ18の駆動により、ガイド部材15に沿って往復移動されるようになっている。
【0021】
キャリッジ16の下面には、液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド19が搭載されている。記録ヘッド19の下面はノズル形成面19aになっており、該ノズル形成面19aには複数(本実施形態では4つ)のノズル20が設けられている(図5参照)。キャリッジ16における記録ヘッド19の上側には、液体貯留手段としてのインクカートリッジ21が着脱可能に搭載されている。インクカートリッジ21内には、顔料を含む複数色(本実施形態では4色)の液体としてのインクがそれぞれ記録ヘッド19に供給可能に収容されている。
【0022】
そして、記録ヘッド19に備えられた図示しない圧電素子の駆動により、インクカートリッジ21から記録ヘッド19へと各インクが供給され、該各インクが各ノズル20からプラテン13上に給送された記録用紙Pにそれぞれ噴射されて印刷が行われるようになっている。また、フレーム12内の右端部に位置する非印刷領域には、非印刷時に記録ヘッド19のクリーニング等のメンテナンスを行うためのメンテナンスユニット22が設けられている。メンテナンスユニット22は、略有底四角箱状をなすケース23と、該ケース23の上端開口のうちほぼ前側半分を覆う板状の蓋体24とを備えている。
【0023】
図2に示すように、ケース23内における後方側に位置する収容室23a内には、キャッピング装置25と該キャッピング装置25の左側に位置するワイピング装置26とが設けられている。さらに、ケース23内における前方側には、キャッピング装置25及びワイピング装置26を駆動する駆動装置27が設けられている。なお、ケース23内における前方側には、駆動装置27により駆動されるチューブポンプ28が設けられている。
【0024】
駆動装置27は、正逆回転可能な駆動モータ29と、該駆動モータ29の駆動力をキャッピング装置25、ワイピング装置26、及びチューブポンプ28に伝達駆動する複数の歯車30と、該各歯車30の回転にともなって回転される円筒カム31とを備えている。
【0025】
キャッピング装置25は、有底四角箱状をなすキャップ32と、該キャップ32を駆動モータ29の駆動により各歯車30を介して昇降駆動する昇降機構(図示略)とを備えている。そして、キャッピング装置25は、キャリッジ16を非印刷領域に移動させた場合に、キャップ32を昇降機構により上昇させることで、記録ヘッド19のノズル形成面19a(各ノズル20)をキャップ32により封止するようになっている(図6参照)。
【0026】
キャップ32の底壁には、該キャップ32の内外を連通する連通孔(図示略)が形成されている。キャップ32の底面における連通孔には、排出チューブ(図示略)の一端が接続されており、該排出チューブの他端は、フレーム12内のプラテン13の下側に配設された廃インクタンク33内に挿入されている(図1参照)。なお、この排出チューブの中間部は、チューブポンプ28内に組み込まれている。
【0027】
そして、記録ヘッド19のノズル形成面19a(各ノズル20)をキャップ32により封止した状態でチューブポンプ28を駆動することで、各ノズル20内の増粘したインクが気泡等とともに吸引され、これらがキャップ32及び排出チューブを介して廃インクタンク33内に排出される、いわゆるヘッドクリーニングが行われるようになっている。
【0028】
図2及び図3に示すように、ワイピング装置26は、上下方向に延びる略四角板状のワイパ部材34と、クランク状に屈曲した板状のクリーニング部材35とを備えている。
ワイパ部材34は、エラストマ等の可撓性材料からなっており、その上端における右端縁全体には、凸条34aが右方向に向かって突出形成されている。また、ワイパ部材34は、その下端部において板状の支持部材36に連結支持されている。支持部材36の前面下端部には、アーム36aが前方に向かって突設されており、該アーム36aの右面先端には、円柱状のピン36bが右方向に向かって突設されている。
【0029】
ピン36bは、円筒カム31の螺旋状をなすカム溝(図示略)内に該カム溝に沿って摺動可能に挿入されており、該ピン36bが円筒カム31の駆動にともなってカム溝に沿って摺動することにより、支持部材36が昇降、すなわちワイパ部材34が昇降するようになっている。この場合、ワイパ部材34は、記録ヘッド19と接触可能な上方位置(図6に示す状態)と記録ヘッド19と接触不可能な下方位置(図5に示す状態)との間で昇降するようになっている。
【0030】
クリーニング部材35は、ポリビニルアルコールを原料とする多孔質の吸収体よりなり、ワイパ部材34の右側に配置されている。クリーニング部材35は、左右方向に延びるとともにワイパ部材34の右側面34b(付着面)に常に摺接する摺接部35aと、該摺接部35aの右端から垂下した連結部35bと、該連結部35bの下端から右方向へ延びるベース部35cとを備えている。そして、ベース部35cは、その下面において、収容室23a内の底面上に敷設されたインク吸収材37の上面と面接触している。なお、ワイパ部材34の前後方向の幅とクリーニング部材35(摺接部35a)の幅とは、ほぼ同じになっている。
【0031】
また、収容室23a内には、クリーニング部材35を覆うように密着して支持する支持金具38が設けられている。この支持金具38は、クリーニング部材35とほぼ同様のクランク状の板材からなっており、摺接部35aの上面の右側半分と、連結部35bの右面全体と、ベース部35cの上面全体とを覆っている。連結部35bからベース部35cにかけてのほぼ中央部には、四角形状をなす貫通孔39が形成されている。
【0032】
図4に示すように、クリーニング部材35の摺接部35aには、左右方向に延びる摺動抵抗低減手段としての複数(本実施形態では7つ)のスリット40が、互いに等間隔かつ平行になるように並設されている。そして、各スリット40は、摺接部35aの前後方向の幅一杯にわたって設けられているとともに、ワイパ部材34の右側面34bに対して直交するように延びている。なお、摺接部35aの左端面35dは、その全体がワイパ部材34の右側面34bに常に摺接しており、摺接部35aの上下方向の厚みは、ワイパ部材34の上下方向の高さよりも小さくなっている。
【0033】
次に、ワイピング装置26の作用について説明する。
さて、記録ヘッド19のヘッドクリーニングを行う場合には、図5に示すように、まずキャリッジ16を右方向に移動させて、該キャリッジ16をキャッピング装置25の真上で停止させる(図6に示す状態)。このとき、ワイパ部材34が下方位置にあるため、該ワイパ部材34と記録ヘッド19とが接触することなく、キャリッジ16が該ワイパ部材34の上方を越えて移動される。
【0034】
引き続き、駆動モータ29を正回転させてキャップ32を上昇させ、記録ヘッド19のノズル形成面19a(各ノズル20)をキャップ32により封止した状態でチューブポンプ28を駆動することによりヘッドクリーニングを行う。このとき、駆動モータ29の正回転により、ワイパ部材34は、キャップ32が上昇するよりも先に、上方位置に上昇される。
【0035】
そして、ヘッドクリーニングが終了すると、駆動モータ29を逆回転させてキャップ32を下降させることにより、該キャップ32を記録ヘッド19のノズル形成面19aから離間させる。このとき、キャップ32のみが下降した時点で駆動モータ29の逆回転を止め、ワイパ部材34が上方位置にある状態を維持する。この状態で、キャリッジ16を左方向に移動させると、ワイパ部材34が左方向に湾曲するように撓みながら(弾性変形しながら)、記録ヘッド19のノズル形成面19a上を摺動する。
【0036】
このとき、ワイパ部材34自身の弾性力により、特に該ワイパ部材34の凸条34aがノズル形成面19a上に押し付けられるため、該ノズル形成面19a上に付着したインクが該凸条34aにより掻き取られるように払拭される。このノズル形成面19a上から掻き取られたインクは、ワイパ部材34の右側面34b(付着面)に付着する。そして、キャリッジ16をさらに左方向に移動させると、記録ヘッド19とワイパ部材34とが離間し、ワイパ部材34が、自身の弾性復元力により、撓んで湾曲した状態から元の直立状態に戻る。
【0037】
これにより、ワイパ部材34の右側面34bに付着したインクは、重力により下方に流れ落ち、その一部がクリーニング部材35の摺接部35aに吸収される。この摺接部35aに吸収されたインクは、その量にもよるが、連結部35b及びベース部35cを伝ってインク吸収材37に吸収保持される。その後、駆動モータ29を再び逆回転させると、ワイパ部材34が下降して下方位置に移動される。
【0038】
このとき、摺接部35aの左端面35dがワイパ部材34の右側面34b上を摺動するため、この摺動により、ワイパ部材34の右側面34b上に付着しているインクは、摺接部35aの左端面35dにより掻き取られるように払拭されて清掃される。このワイパ部材34の右側面34b上から掻き取られたインクは、摺接部35aの左端面35dからだけでなく、摺接部35aの各スリット40からも吸収される。このように、ヘッドクリーニングを行うたびに、ワイパ部材34が上下に昇降されることで、クリーニング部材35により該ワイパ部材34の清掃が行われる。
【0039】
また、クリーニング部材35は、右方向(ワイパ部材34側と反対の方向)側への組み付け位置のバラツキが発生しても、摺接部35aの左端面35dとワイパ部材34の右側面34bとが離間して清掃効果が低下しないように、かつ清掃効果を高めるために、通常よりも左方向(ワイパ部材34側の方向)側にずらした位置に組み付けられる。このため、特にクリーニング部材35の左方向(ワイパ部材34側の方向)側への組み付け位置のバラツキが発生した場合には、摺接部35aの左端面35dがワイパ部材34の右側面34bに、通常よりも強く押し付けられるようになる。
【0040】
しかしながら、この場合、摺接部35aは、各スリット40の作用により、通常よりも座屈し易くなっているため、該摺接部35aの座屈により、該摺接部35a(左端面35d)のワイパ部材34(右側面34b)に対する押圧力が低減される。この結果、摺接部35a(左端面35d)のワイパ部材34(右側面34b)に対する摺動抵抗が低減され、ひいてはワイパ部材34を上下に昇降させる際の駆動モータ29へかかる負荷が低減される。
【0041】
以上、詳述した実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)摺接部35aには、各スリット40がワイパ部材34の右側面34bに対して直交するように延設されているため、該摺接部35aは、該ワイパ部材34から受ける反力により座屈し易くなっている。このため、クリーニング部材35のワイパ部材34に対する清掃効果を高めるために、摺接部35aの左端面35dがワイパ部材34の右側面34bに強く押し付けられるようにクリーニング部材35を組み付けても、該摺接部35a(左端面35d)のワイパ部材34(右側面34b)に対する摺動抵抗を低減することができる。したがって、ワイパ部材34の清掃効果を高めつつ、該ワイパ部材34を円滑に昇降させることができる。この結果、ワイパ部材34を上下に昇降させる際の駆動モータ29へかかる負荷も合わせて低減することができる。
【0042】
(2)摺接部35aが、ワイパ部材34の右側面34b(インクの付着面)に対して直交する方向に延びる板状をなしているため、ワイパ部材34の右側面34bに付着したインクを掻き取るように好適に払拭することができる。
(変更例)
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
【0043】
・図7(a)に示すように、摺接部35aの下面にテーパ部50を設けるか、あるいは図7(b)に示すように、摺接部35aの上面及び下面の両方にテーパ部50を設けて、摺接部35aをワイパ部材34の右側面34bに近づくにつれて先細の形状となるように構成してもよい。このようにすれば、摺接部35aにおけるワイパ部材34の右側面34bとの接触面積が小さくなるため、該摺接部35aのワイパ部材34に対する摺動抵抗を低減することができる。
【0044】
・図8(a)、(b)に示すように、摺接部35aを、該摺接部35a全体をロール状に丸めて形成したロール部51により構成してもよい。この場合、摺接部35aの丸め方としては、図8(a)に示すように、多重巻き(例えば3重巻き)に丸めてもよいし、図8(b)に示すように、1重巻きに1周分だけ丸めてもよい。あるいは、図8(c)に示すように、摺接部35aを、該摺接部35aにおけるワイパ部材34側の半分だけ、半周分丸めて形成したロール部51により構成してもよい。このように、摺接部35aにロール部51を形成することで、該摺接部35aに弾力性を持たせることができる。このため、摺接部35aが、ワイパ部材34に対して摺動する際に、ワイパ部材34から受ける反力を、その弾力性で吸収するようになり、該摺接部35aのワイパ部材34に対する摺動抵抗を低減することができる。
【0045】
・本実施形態では、摺接部35aに設けるスリット40の数を7つとしたが、該スリット40の数は、1つ以上であればよい。
・摺接部35aの形状は、必ずしも板状である必要はない。
【0046】
・上記実施形態では、液体噴射装置をインクジェット式プリンタ11として具体化したが、例えば、液晶ディスプレイ等のカラーフィルタの製造や、有機ELディスプレイ等の画素形成に利用される液体噴射装置であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】実施形態のインクジェット式プリンタの斜視図。
【図2】同プリンタのメンテナンスユニットの斜視図。
【図3】同メンテナンスユニットのワイピング装置の斜視図。
【図4】同ワイピング装置の要部平面図。
【図5】同ワイピング装置のワイパ部材が下方位置にある状態を示す正面図。
【図6】同ワイピング装置のワイパ部材が上方位置にある状態を示す正面図。
【図7】(a)、(b)はともに変更例のワイピング装置の要部拡大図。
【図8】(a)、(b)、(c)はともに変更例のワイピング装置の要部拡大図。
【符号の説明】
【0048】
11…液体噴射装置としてのインクジェット式プリンタ、19…液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド、19a…ノズル形成面、20…ノズル、26…ワイピング装置、34…ワイパ部材、34b…付着面としてのワイパ部材の右側面、35…クリーニング部材、35a…摺接部、40…摺動抵抗低減手段としてのスリット、50…摺動抵抗低減手段としてのテーパ部、51…摺動抵抗低減手段としてのロール部。




 

 


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