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発明の名称 廃液排出装置及び液体噴射装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−76308(P2007−76308A)
公開日 平成19年3月29日(2007.3.29)
出願番号 特願2005−270206(P2005−270206)
出願日 平成17年9月16日(2005.9.16)
代理人 【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
発明者 原田 宏司 / 深澤 茂則
要約 課題
廃棄部への廃液の廃棄を円滑に行うことができる廃液排出装置及び液体噴射装置を提供する。

解決手段
記録ヘッドからインクが廃液として排出される際に、廃液を収容する廃液タンク25と、廃液を廃液タンク25へ誘導する排出路が形成され、排出路の出口35が廃液タンク25内に位置するように配設された排出チューブ33と、排出チューブ33における排出路の出口側端部33aを伴った状態で鉛直方向と交差する方向へ移動自在に配設された支持バー42と、支持バー42を排出チューブ33における排出路の出口35と廃液タンク25との相対的位置関係を変更するために移動させる駆動機構40とを備える。
特許請求の範囲
【請求項1】
液体を噴射する液体噴射ヘッドから前記液体が廃液として排出される際に当該廃液を収容する廃棄部と、
前記液体噴射ヘッドから排出される廃液を前記廃棄部へ誘導するための廃液排出路が形成され、当該廃液排出路の出口が前記廃棄部内に位置するように配設された排出路形成部材と、
当該排出路形成部材における前記廃液排出路の出口側端部を伴った状態で鉛直方向と交差する方向へ移動自在に配設された移動部材と、
当該移動部材を前記排出路形成部材における前記廃液排出路の出口と前記廃棄部との相対的位置関係を変更するために移動させる駆動手段と
を備えることを特徴とする廃液排出装置。
【請求項2】
前記駆動手段は、駆動源と、当該駆動源からの駆動力を前記移動部材に伝達する伝達機構とを有しており、当該伝達機構は、前記駆動源からの回転運動する駆動力を前記廃棄部内において前記移動部材を鉛直方向と交差する往復移動方向の少なくとも一方向に移動させる駆動力に変換する駆動力変換部材を有していることを特徴とする請求項1に記載の廃液排出装置。
【請求項3】
前記伝達機構は、前記移動部材を鉛直方向と交差する方向において前記駆動源からの駆動力が前記駆動力変換部材を介して前記移動部材に作用する方向とは反対方向に付勢する付勢部材を備えることを特徴とする請求項2に記載の廃液排出装置。
【請求項4】
前記駆動力変換部材は、前記駆動源からの駆動力により回転するカム体であって、当該カム体には、前記付勢部材により付勢された前記移動部材に摺接係合し、且つ当該カム体が回転した場合には前記移動部材を前記付勢部材の付勢力に抗する方向に押動するカム面が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の廃液排出装置。
【請求項5】
前記移動部材には、前記排出路形成部材における前記廃液排出路の出口側端部を係脱可能に支持する支持部が形成されており、当該支持部を介して前記排出路形成部材は前記移動部材に支持されていることを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の廃液排出装置。
【請求項6】
前記駆動源は、前記液体噴射ヘッドのノズル形成面がキャップにより封止された状態で前記キャップ内を減圧する吸引手段を駆動するためのモータに兼用されていることを特徴とする請求項2〜5のうちいずれか一項に記載の廃液排出装置。
【請求項7】
液体を噴射する液体噴射ヘッドと、当該液体噴射ヘッドのノズル形成面を封止するキャップと、前記ノズル形成面が前記キャップで封止された状態でキャップ内を減圧する吸引手段と、請求項1〜6のうちいずれか一項に記載の廃液排出装置とを備えたことを特徴とする液体噴射装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃液排出装置及び液体噴射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、液体噴射ヘッドからターゲットに対して液体を噴射させる液体噴射装置として、インクジェット式プリンタ(以下、単に「プリンタ」という。)が広く知られている。このようなプリンタにおいては、液体噴射ヘッドとしての記録ヘッドのノズルからインク溶媒が蒸発することによるインク粘度の上昇や固化、塵埃の付着、さらには気泡の混入等によりノズルに目詰まりを生じ、印刷不良を引き起こすという問題があった。
【0003】
そこで、これらの問題を解消するために、通常、プリンタは、記録ヘッドのノズルからノズル内のインク・気泡等を吸引するクリーニング機構を備えている。このクリーニング機構は、クリーニング時にノズル形成面を封止するキャップと、このキャップに排出チューブ(廃液排出路)を介して接続される廃インクタンク(廃棄部)と、吸引ポンプとを備える。排出チューブは、インク等をノズルから吸引すると共に廃インクタンクに排出するための流路を有しており、上流端となる一端がキャップの下面に接続され、下流端となる他端が吸引ポンプを介して廃インクタンク内に導入されている。そして、この廃インクタンク内には、例えば多孔質のパルプ材等からなる廃インク吸収体が収容されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
従って、記録ヘッドのノズル形成面をキャップで封止した状態で吸引ポンプを駆動すると、ノズル形成面とキャップとで形成される空間が負圧状態となり、ノズル内の増粘したインクや気泡等が廃インクとしてキャップ内に吐出される。そして、キャップ内に吐出された廃インクは、吸引ポンプのポンプ作用により排出チューブを介して廃インクタンクまで誘導され、廃インクタンク内において排出チューブの出口から排出されることにより、廃インク吸収体に吸収されるようになっている。
【特許文献1】特開平9−300656号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載の液体噴射装置では、排出チューブの先端(出口)が廃インクタンク内において移動しない構成になっている。そのため、排出チューブの先端(出口)から排出される廃インクは、その廃インクの増粘によって、廃インク吸収体の表面上における一箇所に集中して堆積してしまうことがあった。そして、このような場合には、廃インクタンク内へ排出された廃インクが拡散しないため、廃インク吸収体に十分浸透しないという問題が生じていた。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、廃棄部への廃液の廃棄を円滑に行うことができる廃液排出装置及び液体噴射装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の廃液排出装置は、液体を噴射する液体噴射ヘッドから前記液体が廃液として排出される際に当該廃液を収容する廃棄部と、前記液体噴射ヘッドから排出される廃液を前記廃棄部へ誘導するための廃液排出路が形成され、当該廃液排出路の出口が前記廃棄部内に位置するように配設された排出路形成部材と、当該排出路形成部材における前記廃液排出路の出口側端部を伴った状態で鉛直方向と交差する方向へ移動自在に配設された移動部材と、当該移動部材を前記排出路形成部材における前記廃液排出路の出口と前記廃棄部との相対的位置関係を変更するために移動させる駆動手段とを備える。
【0008】
この構成によれば、液体噴射ヘッドからの廃液を廃棄部に排出する際に、駆動手段により移動部材が移動されると、排出路形成部材における廃液排出路の出口と廃棄部との相対的位置関係が鉛直方向と交差する方向において変更される。このため、廃液排出路の出口から廃棄部へ排出された廃液は一箇所に堆積することなく廃棄部内に十分拡散する。したがって、廃液の廃棄部への廃棄を円滑に行うことができるようになる。なお、「排出路形成部材における廃液排出路の出口側端部を伴った状態」とは、出口側端部が移動部材に支持されている状態及び、出口側端部が移動部材に直接支持されてはいないが、移動部材が移動した際に移動部材が出口側端部と当接するような状態を含むものである。
【0009】
本発明の廃液排出装置において、前記駆動手段は、駆動源と、当該駆動源からの駆動力を前記移動部材に伝達する伝達機構とを有しており、当該伝達機構は、前記駆動源からの回転運動する駆動力を前記廃棄部内において前記移動部材を鉛直方向と交差する往復移動方向の少なくとも一方向に移動させる駆動力に変換する駆動力変換部材を有している。
【0010】
この構成によれば、駆動源からの回転運動する駆動力が伝達機構を介して移動部材に伝達される際、その駆動力は、駆動力変換部材の働きにより、移動部材を廃棄部内において鉛直方向と交差する往復移動方向の少なくとも一方向に移動させる力として作用するようになる。そのため、駆動源からの駆動力が回転運動力である場合にも、その回転運動力を例えば往復直線運動力に変換することも可能となり、設計自由度のある伝達機構を介して駆動力を移動部材に好適に伝達することができる。
【0011】
本発明の廃液排出装置において、前記伝達機構は、前記移動部材を鉛直方向と交差する方向において前記駆動源からの駆動力が前記駆動力変換部材を介して前記移動部材に作用する方向とは反対方向に付勢する付勢部材を備える。
【0012】
この構成によれば、付勢部材が移動部材を駆動源からの駆動力が作用する方向とは反対方向に付勢しているため、その駆動力に基づき移動部材を移動させた後において、当該移動部材を駆動源からの駆動力によることなく、付勢部材の付勢力により簡単に元の位置へ復帰移動させることができる。
【0013】
本発明の廃液排出装置において、前記駆動力変換部材は、前記駆動源からの駆動力により回転するカム体であって、当該カム体には、前記付勢部材により付勢された前記移動部材に摺接係合し、且つ当該カム体が回転した場合には前記移動部材を前記付勢部材の付勢力に抗する方向に押動するカム面が設けられている。
【0014】
この構成によれば、駆動力変換部材としてのカム体が駆動源からの駆動力により回転することにより、カム体のカム面と摺接係合する移動部材が付勢部材の付勢力に抗して鉛直方向と交差する方向に移動し、これに伴い排出路形成部材における廃液排出路の出口側端部が移動する。したがって、こうしたカム面を有するカム体にて駆動力変換部材を構成することにより、排出路形成部材における廃液排出路の出口側端部を移動させる構成を容易に実現できる。
【0015】
本発明の廃液排出装置における前記移動部材には、前記排出路形成部材における前記廃液排出路の出口側端部を係脱可能に支持する支持部が形成されており、当該支持部を介して前記排出路形成部材は前記移動部材に支持されている。
【0016】
この構成によれば、移動部材の移動に伴い排出路形成部材における廃液排出路の出口側端部が移動する際に、出口側端部が移動部材の支持部に支持されているため、安定して廃液を廃液排出路の出口から排出することができる。また、排出路形成部材における廃液排出路の出口側端部を支持部に対して係脱可能としたため、排出路形成部材の交換作業及び支持部への設置作業を容易に行うことができる。
【0017】
本発明の廃液排出装置において、前記駆動源は、前記液体噴射ヘッドのノズル形成面がキャップにより封止された状態で前記キャップ内を減圧する吸引手段を駆動するためのモータに兼用されている。
【0018】
この構成によれば、移動部材を移動させるための駆動力を発生する駆動源が液体噴射ヘッドのノズル形成面を封止するキャップ内を減圧する吸引手段を駆動するためのモータに兼用されているため、液体噴射装置の装置構成を簡単かつコンパクトにできる廃液排出装置として構成できる。
【0019】
本発明の液体噴射装置は、液体を噴射する液体噴射ヘッドと、当該液体噴射ヘッドのノズル形成面を封止するキャップと、前記ノズル形成面が前記キャップで封止された状態でキャップ内を減圧する吸引手段と、上記廃液排出装置とを備えた。
【0020】
この構成によれば、液体噴射ヘッドから排出される廃液の廃棄部への廃棄を円滑に行うことができる液体噴射装置とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明を、オンキャリッジタイプのプリンタに具体化した一実施形態を図1〜図4に従って説明する。
図1に示すように、本実施形態の液体噴射装置としてのプリンタ10は、略箱状をなす本体ケース11を有しており、この本体ケース11内の下部には、その長手方向(図1に示す主走査方向X)に沿ってプラテン12が架設されている。プラテン12は、紙Pを支持する支持台であり、紙送り機構13が有する紙送りモータ14の駆動力に基づき、紙Pを主走査方向Xと直交する副操作方向Yに沿って給送するようになっている。なお、以下の説明において前後方向及び左右方向を示す場合は、紙Pが給送される副操作方向Yの手前側を前方とし、その前方側から後方側を見た場合の左右方向を左右方向として説明するものとする。
【0022】
本体ケース11内においてプラテン12の上方にはガイド軸15が架設され、このガイド軸15にはキャリッジ16が移動可能に挿通支持されている。また、本体ケース11の内面においてガイド軸15の両端部と対応する位置には、駆動プーリ17及び従動プーリ18が回転自在に支持されている。駆動プーリ17にはキャリッジモータ19が連結されており、これら一対のプーリ17,18間には、キャリッジ16を固定支持したタイミングベルト21が掛装されている。従って、キャリッジ16は、ガイド軸15にガイドされながら、キャリッジモータ19の駆動によりタイミングベルト21を介して主走査方向Xに移動可能となっている。
【0023】
図1に示すように、キャリッジ16の下面側には、液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド22が設けられている。この記録ヘッド22の下面側には、複数の噴射ノズル(図示略)が形成されると共に、記録ヘッド22内には図示しない圧電素子が各ノズルと個別対応するように配設されている。そして、各圧電素子が駆動制御されることにより、記録ヘッド22の下方に至った紙Pに向けて、各ノズルからインク(液体)が噴射されるようになっている。また、キャリッジ16上には記録ヘッド22に対してインクを供給するためのインクカートリッジ23,24が着脱可能に搭載されている。
【0024】
図1、図2に示すように、本体ケース11内においてプラテン12の下方には、廃液タンク(廃棄部)25がプラテン12と平行に延びるように設けられている。この廃液タンク25には、例えば多孔質のパルプ材等からなる吸収部材26が収容されている。また、プラテン12の左端部には孔27が上下に貫通するように形成されている。したがって、周知のフラッシング時には、図2において左側に二点鎖線で示す位置にキャリッジ16が移動配置され、その位置でノズルから吐出されたインクは、孔27を通って廃液タンク25内の吸収部材26上に排出されて吸収部材26に吸収されるようになっている。
【0025】
一方、プリンタ10の右端部、すなわち紙Pが至らない非印刷領域には、クリーニング機構30が設けられている。クリーニング機構30は、ノズル内に残存したインクを吸引して、ノズルの目詰まりを解消するための機構であって、記録ヘッド22を封止するキャップ31と、吸引ポンプ32と、この吸引ポンプ32を経由してキャップ31と廃液タンク25との間を接続する合成樹脂製の排出チューブ(排出路形成部材)33を備えている。
【0026】
キャップ31は、上側が開口した略箱体形状に形成されており、その底壁に形成された吸引孔(図示略)に対して上記排出チューブ33が接続されている。排出チューブ33は、その内部がインクの排出路(廃液排出路)34となっており(図4参照)、上記吸引孔には排出チューブ33における排出路34の入口側端部が接続されている。排出チューブ33における排出路34の出口側端部33aは、その排出路34の出口35が廃液タンク25内に位置するように、クリーニング機構30側から廃液タンク25の右側壁25aを跨いで廃液タンク25内まで導入されている。
【0027】
また、キャップ31は、図示しない公知の昇降手段により上下動可能となっており、上昇すると記録ヘッド22に当接して、記録ヘッド22のノズル(ノズル形成面22a)を封止するようになっている。したがって、クリーニング時には、図2において右側に二点鎖線で示す位置にキャリッジ16が移動配置され、その位置でノズルから吐出されたインクは、排出チューブ33を介して廃液タンク25内の吸収部材26上に排出されて、吸収部材26に吸収されるようになっている。
【0028】
次に、排出チューブ33の出口側端部33aを前後方向に揺動させるための駆動機構40(駆動手段)について、主に図3、図4を参照して説明する。なお、本実施形態ではクリーニング機構30を駆動するためのモータ41が、駆動機構40を駆動するための駆動源として兼用されている。
【0029】
図3、図4に示すように、駆動機構40は、駆動源としてのモータ41と、モータ41からの駆動力を支持バー(移動部材)42に伝達する伝達機構43とを含んで構成され、その駆動時には排出チューブ33の出口側端部33aを支持する支持バー42を往復移動させるようになっている。支持バー42は、前後方向に沿うように配設される細長い棒状部材であって、その前端部42aが廃液タンク25の前壁25b上に載置されると共に、その後端部42bが廃液タンク25の後壁25c上に延設されたばね受け部44を貫通する支持孔44aに貫挿されている。
【0030】
支持バー42の長手方向略中央には、上方に開口した側面視略C字形状をなすフック部45(支持部)が設けられており、このフック部45に排出チューブ33の出口側端部33aが上方から掛け止めされている。なお、上方に開口したフック部45の形状により、排出チューブ33の出口側端部33aはフック部45に対して係脱可能となっている。また、支持バー42においてフック部45よりも後方側には鍔状をなすばね係止部46が形成されている。
【0031】
伝達機構43は、駆動歯車48と、従動歯車49と、カム体51(駆動力変換部材)と、付勢ばね52(付勢部材)とを含んで構成されている。駆動歯車48は、モータ41の出力軸53に固着されている。従動歯車49は、駆動歯車48よりも大径の歯車であって、吸引ポンプ32の回転軸54に固着されており、駆動歯車48と噛合っている。したがって、モータ41が駆動されて駆動歯車48が回転すると、モータ41からの回転運動する駆動力が駆動歯車48と従動歯車49を介して吸引ポンプ32に伝達されるようになっている。
【0032】
カム体51は、従動歯車49が固着された吸引ポンプ32の回転軸54に対して従動歯車49よりも後方側に位置するように固着されている。なお、これら従動歯車49及びカム体51を固着する回転軸54の回転軸線Lは、支持バー42の長手方向(前後方向)の延長線上にはない。また、カム体51は、円柱体をその中心軸と斜めに交差する平面で切断した形状をなしており、図4に示すように、支持バー42側となる後端側には上記回転軸54の回転軸線Lに対して斜めに交差するように斜面状をなすカム面55が形成されている。
【0033】
一方、付勢ばね52は、廃液タンク25における後壁25c上のばね受け部44と支持バー42のばね係止部46との間に蓄圧状態で配設され、常に支持バー42をカム体51側へ付勢している。この付勢ばね52の付勢力により、支持バー42は、その前端42c(係合部)がカム体51のカム面55に圧接するようになっている。そして、本実施形態では、上記した廃液タンク25と、排出チューブ33と、支持バー42と、駆動機構40とによって、廃液排出装置20が構成されている。
【0034】
次に、上述したプリンタ10の作用について、特に、廃液排出装置20における駆動機構40のクリーニング動作時の作用に着目して以下説明する。
さて、クリーニング動作が開始されると、まず、キャリッジ16が本体ケース11内の右端側で記録ヘッド22がクリーニング機構30のキャップ31と上下方向で対向する位置まで移動されると共に、昇降手段(図示略)の駆動に基づきキャップ31が上昇させられる。これにより、キャリッジ16の記録ヘッド22のノズル形成面22aがキャップ31により封止される。
【0035】
次に、吸引ポンプ32のモータ41が駆動を開始する。このとき、吸引ポンプ32のモータ41が駆動されて駆動歯車48が回転すると、従動歯車49とカム体51とが駆動歯車48に連れ回って回転する。すると、付勢ばね52によりカム体51側へ付勢された支持バー42の前端42cが回転軸線Lを中心に回転するカム体51のカム面55に摺接係合するため、図4において破線で示すように、振幅Wの移動範囲内で支持バー42が前後方向に往復移動する。
【0036】
その結果、支持バー42のフック部45に掛け止めされた排出チューブ33の出口側端部33aが、廃液タンク25上で前後方向(図3、図4において矢印で示す方向)に首振りをするように揺動するため、排出路34の出口35と廃液タンク25とが鉛直方向の距離を保ったまま水平方向での相対的位置関係が変更される。すなわち、本実施形態では、カム体51によって、モータ41からの回転運動する駆動力(回転運動力)を支持バー42が廃液タンク25の上方で水平方向に移動する力(往復直線運動力)に変換するようになっている。
【0037】
一方、モータ41が駆動されると、その駆動力により吸引ポンプ32の回転軸54が回転するため、吸引ポンプ32によってキャップ31内に負圧が発生して記録ヘッド22のノズル内のインクが吸引される。そして、前後方向に揺動する排出チューブ33の出口側端部33aにおける排出路34の出口35からインクが適度なインク圧を保って廃液タンク25内の吸収部材26上に排出される。このとき、排出チューブ33の出口側端部33aは前後方向に揺動しているため、排出路34の出口35から下方に落下排出されるインクが一箇所に偏ることなく吸収部材26の表面上にまんべんなく均等に排出されることになる。
【0038】
以上説明した実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、記録ヘッド22から廃液タンク25へインクを排出する際に、駆動機構40の駆動力により支持バー42が水平方向(鉛直方向と交差する方向)に移動すると、支持バー42に支持された排出チューブ33の出口側端部33aが水平方向に揺動し、排出路34の出口35と廃液タンク25との相対的位置関係が変更される。このため、廃液タンク25へ排出されたインクは一箇所に堆積することなく廃液タンク25内に十分拡散して、インクの廃液タンク25への廃棄を円滑に行うことができる。
【0039】
(2)上記実施形態では、駆動力変換部材としてのカム体51のカム面55に、カム面55側に付勢された支持バー42の前端42c(係合部)が圧接するようになっている。そして、モータ41の駆動時には、回転するカム体51のカム面55に支持バー42の前端42cが摺接係合し、カム体51が、モータ41からの回転運動する駆動力を支持バー42が廃液タンク25に対して水平方向に往復移動する力に変換するようになっている。このように、カム体51のカム面55に支持バー42の前端42cを圧接させるという簡易な構成によって、排出チューブ33の出口側端部33aを水平方向に移動させて排出路34の出口35と廃液タンク25との相対的位置関係を変更させる構成を容易に実現できる。
【0040】
(3)上記実施形態では、支持バー42のばね係止部46と廃液タンク25の後壁25c上のばね受け部44との間に付勢ばね52が蓄圧状態で設けられ、この付勢ばね52によって支持バー42の前端42cがカム面55に圧接するように支持バー42がカム体51側に付勢されるようになっている。このため、支持バー42に支持された排出チューブ33の出口側端部33aを、モータ41からの駆動力で後方側に移動させた後において、モータ41からの駆動力によることなく、付勢ばね52の付勢力により簡単に、前方側の元の位置へ復帰移動させることができる。
【0041】
(4)上記実施形態では、排出チューブ33の出口側端部33aが、支持バー42上に形成されたフック部45に支持された状態で、支持バー42の移動に伴って水平方向に移動する構成とされている。このため、支持バー42の移動に伴い排出路34の出口35を廃液タンク25に対して相対移動させる際の排出チューブ33の出口側端部33aの姿勢を安定化することができる。また、排出チューブ33の出口側端部33aを支持バー42のフック部45に対して係脱可能に支持する構成であるため、排出チューブ33の交換作業及びフック部45への設置作業を容易に行うことができる。
【0042】
(5)上記実施形態では、クリーニング機構30を駆動するためのモータ41が、駆動機構40を駆動するための駆動源として兼用されているため、プリンタ10の装置構成を簡単かつコンパクトにできる。
【0043】
なお、上記実施形態は以下のような別の実施形態(別例)に変更してもよい。
・ 上記実施形態において、駆動源としてのモータ41は、吸引ポンプ32を駆動するためのモータとは別個に設けてもよい。または、モータ41を、プリンタ10内の他の機構を駆動するためのモータ、例えばノズル形成面22aを封止するキャップを昇降動作するために駆動されるモータと兼用される構成としてもよい。
【0044】
・ 上記実施形態において、支持バー42に形成されるフック部45は設けなくてもよい。この場合、支持バー42上に接着テープや接着剤又は紐等の固着手段により排出チューブ33を固着させてもよい。
【0045】
・ 上記実施形態において、駆動力変換部材としてのカム体51は、モータ41の回転運動する駆動力を、支持バー42が廃液タンク25に対して鉛直方向と交差する方向で相対移動する運動(移動)力に変換するものであれば、後端側に斜面状のカム面55を備えたものに限定されない。例えば、円柱体状をなすカム体51の外周面に螺旋状のカム溝を形成する一方、このカム溝と摺動可能に係合する突起を支持バー42側に形成し、モータ41の回転駆動に伴いカム体51が回転すると、支持バー42側の突起がカム体51側のカム溝内を摺動することで、モータ41の回転運動が支持バー42の往復直線運動に変換する構成としてもよい。また、この構成であれば、支持バー42とカム体51とが常に係合しているため付勢部材としての付勢ばね52を用いなくてもよく、部材点数を削減できる。
【0046】
・ 上記実施形態において、支持バー42を、排出チューブ33を支持する部材としてではなく、単に、移動部材として構成してもよい。この場合、例えば、図5に示すように、上記実施形態の駆動機構40における伝達機構43を廃液タンク25の前壁25bと本体ケース11の前壁11aとの間に配置し、支持バー42の略中央から後端42dまでが廃液タンク25上に位置するように配置する。またこの場合、ばね受け部44は廃液タンク25の前壁25b上に延設されており、支持バー42の中央部42eはばね受け部44に形成された貫通孔(図示略)内に貫挿されている。
【0047】
この構成によれば、モータ41の回転駆動に伴い、上記実施形態と同様の作用により支持バー42が前後方向に往復移動する。そして、往動時には支持バー42の後端42dが排出チューブ33の出口側端部33aに当接する一方、復動時には支持バー42の後端42dが排出チューブ33の出口側端部33aから離間するようになる。したがって、可撓性を有する排出チューブ33の出口側端部33aが往復移動する支持バー42の後端42dとの当接・離間を繰り返して前後方向に揺動することにより、上記効果(1)と同様の効果を奏することができる。
【0048】
・ 上記実施形態において、支持バー42を付勢ばね52により常に後方へ付勢して、支持バー42の後方側に配置されたカム体が回転駆動されることによって、支持バー42が前後に揺動する構成としてもよい。
【0049】
・ 上記実施形態では、インクカートリッジ23,24がキャリッジ16に搭載されたオンキャリッジタイプのインクジェット式プリンタに具体化したが、これに限らず、オフキャリッジタイプのインクジェット式プリンタに具体化してもよい。
【0050】
・ 上記実施形態においては、液体噴射装置として、インクを吐出するプリンタ10について説明したが、その他の液体噴射装置であってもよい。例えば、ファックス、コピア等を含む印刷装置や、液晶ディスプレイ、ELディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材や色材などの液体を噴射する液体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとしての試料噴射装置であってもよい。また、液体もインクに限られず、他の液体に応用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本実施形態における液体噴射装置としてのプリンタの斜視図。
【図2】プリンタの概略正断面図。
【図3】駆動機構を示す平断面図。
【図4】駆動機構を示す側断面図であって、図2におけるA−A線矢視図。
【図5】別の実施形態における駆動機構を示す平断面図。
【符号の説明】
【0052】
10…液体噴射装置としてのインクジェット式プリンタ、20…廃液排出装置、22…液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド、22a…ノズル形成面、25…廃棄部としての廃液タンク、30…クリーニング機構、31…キャップ、32…吸引手段としての吸引ポンプ、33…排出路形成部材としての排出チューブ、33a…出口側端部、34…廃液排出路、35…出口、40…駆動手段としての駆動機構、41…駆動源としてのモータ、42…移動部材としての支持バー、42c…係合部、43…伝達機構、51…駆動力変換部材としてのカム体、52…付勢部材としての付勢ばね、55…カム面。




 

 


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