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発明の名称 ラインヘッドモジュール、露光装置、及び画像形成装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−76083(P2007−76083A)
公開日 平成19年3月29日(2007.3.29)
出願番号 特願2005−264871(P2005−264871)
出願日 平成17年9月13日(2005.9.13)
代理人 【識別番号】100095728
【弁理士】
【氏名又は名称】上柳 雅誉
発明者 松本 友孝
要約 課題
ラインヘッドから出射される光の利用効率を向上させる。

解決手段
基板上に複数の光源が所定パターンで配列されたラインヘッドと、該ラインヘッドに対向配置され、屈折率が1.5より大きい透明材料により形成される第1の透明部材と、該第1の透明部材を挟んでラインヘッドに対向配置され、複数の光源から出射された光源光が第1の透明部材を介して入射されると共に該入射された集光する集光光学系とを備える。
特許請求の範囲
【請求項1】
基板上に複数の光源が所定パターンで配列されたラインヘッドと、
該ラインヘッドに対向配置され、屈折率が1.5より大きい透明材料により形成される第1の透明部材と、
該第1の透明部材を挟んで前記ラインヘッドに対向配置され、前記複数の光源から出射された光源光が前記第1の透明部材を介して入射されると共に該入射された光を集光する集光光学系と
を備えることを特徴とするラインヘッドモジュール。
【請求項2】
前記集光光学系は、前記ラインヘッドにおける前記光源の配列方向に沿って、複数の屈折率分布型レンズを所定パターンで配列することにより構成されていることを特徴とする請求項1に記載のラインヘッドモジュール。
【請求項3】
前記第1の透明部材の厚みは、前記ラインヘッドと前記集光光学系との間の距離が、前記集光光学系の空気中での像面距離以上となる厚みに選定されてなることを特徴とする請求項1又は2に記載のラインヘッドモジュール。
【請求項4】
前記ラインヘッドと前記集光光学系との間に、前記第1の透明部材に加えて、屈折率が1より大きく且つ前記集光光学系の屈折率の最大値以下である第2の透明部材が設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のラインヘッドモジュール。
【請求項5】
前記ラインヘッドにおいて、前記光源は有機EL素子により形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のラインヘッドモジュール。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載のラインヘッドモジュールと、
前記集光光学系によって集光された光により露光される感光体と
を備えることを特徴とする露光装置。
【請求項7】
請求項6に記載の露光装置を具備してなることを特徴とする画像形成装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラインヘッドモジュール、このラインヘッドモジュールを備えた露光装置、及びこの露光装置を備えた画像形成装置の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のラインヘッドモジュールでは、特許文献1に開示されているように、例えば、ラインヘッドから出射される光をレンズアレイにより集光して、感光体上に結像させる。このようなラインヘッドモジュールにおいて、ラインヘッドには、例えば有機EL(Electro-Luminescence)素子が光源として含まれる。そして、ラインヘッドから出射された光は空気層を介してレンズアレイに入射される。レンズアレイは、光入射面に対して所定範囲内の角度で入射する光を集光可能なように構成される。
【0003】
【特許文献1】特開平5−289477号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したようなラインヘッドによれば、有機EL素子から発光された光は指向性の低い光である上、この光が空気層に入射されると、有機EL素子における光出射面を構成する材料と空気層との屈折率差に起因して、光束が広がってしまうことがある。よって、空気層を介してラインヘッドから出射される光のうち、レンズアレイの光入射面に対して、該レンズアレイによって集光可能な範囲内の角度で入射する光は限られる。従って、ラインヘッドから出射された光について、レンズアレイによって集光可能な光量が少なくなることにより、光利用効率が著しく低下する、という問題点が生じる。
【0005】
このような問題点を解決するためには、例えば、レンズアレイを他の光学系に変更したり、光源である有機EL素子の発光強度を大きくすればよいようにも思われる。しかしながら、前者のように光学系の構成を変更すると、かえってその構成が複雑となり、ラインヘッドモジュールの製造コストが増加する恐れがあり、後者によれば、有機EL素子の寿命が短くなるという新たな問題点が生じる。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑み成されたものであり、ラインヘッドから出射される光の利用効率を向上させることが可能なラインヘッドモジュール、及びそのようなラインヘッドモジュールを備えた露光装置、並びに該露光装置を備えた画像形成装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のラインヘッドモジュールは上記課題を解決するために、基板上に複数の光源が所定パターンで配列されたラインヘッドと、該ラインヘッドに対向配置され、屈折率が1.5より大きい透明材料により形成される第1の透明部材と、該第1の透明部材を挟んで前記ラインヘッドに対向配置され、前記複数の光源から出射された光源光が前記第1の透明部材を介して入射されると共に該入射された光を集光する集光光学系とを備える。
【0008】
本発明のラインヘッドモジュールによれば、その動作時には、ラインヘッドにおいて、例えば1列或いは2列などのライン状の、所定パターンで配列された光源から出射される光を夫々、オン・オフ制御することによって、多様な画像形成を行うことができる。
【0009】
ラインヘッドでは、複数の光源の光は、例えばガラス基板等の透明材料により形成される基板を介して出射され、第1の透明部材に入射される。第1の透明部材は、空気の屈折率(=1.0)より大きく、更に、ガラスの屈折率(=1.5)よりも大きい透明材料により形成される。よって、ラインヘッドから出射されて、第1の透明部材に入射される光の屈折角は、前述した従来技術の如くにラインヘッドから出射されて空気に入射される光の屈折角と比較して顕著に小さくなる。
【0010】
ここで、例えば第1の透明部材を、屈折率が、空気の屈折率(=1.0)より大きく且つガラスの屈折率(=1.5)以下の値である透明材料により形成した場合にも、第1の透明部材に入射される光の屈折角は、空気に入射される光の屈折角と比較して小さくなる。しかしながら、この場合においても、ラインヘッドから出射される光の利用効率が次のように低下する恐れがある。
【0011】
即ち、ラインヘッドにおいて、各光源から指向性の低い光が出射される場合には、このように指向性の低い光の光束は広がったものとなる。そして、ラインヘッドにおいて、各光源の光が、例えばガラスにより形成される基板を介して出射されるとすれば、第1の透明部材をガラスにより形成したとしても、ラインヘッドから出射されて第1の透明部材に入射される光は屈折せずに、即ち直進して、第1の透明部材を通過する。
【0012】
ここで、集光光学系は、光の入射面に対して垂直をなす方向から入射する光、或いは該垂直方向に対して所定範囲内の角度をなす方向から入射する光を集光可能なように形成されている。特に、集光光学系が後述するようなセルフォック・レンズ・アレイ(登録商標)により形成される場合には、経験的に、集光光学系の光の入射面に対して垂直方向付近から光を入射させることにより、集光可能な光量を増加させることができる。よって、ラインヘッドから出射されて、集光光学系の光の入射面に対する方向とは異なる方向、或いは集光光学系の光の入射面に対して、集光可能な範囲外の角度をなす方向に進行する光を、利用することができなくなり、集光光学系の光の入射面に入射する光量が少なくなる恐れがある。
【0013】
これに対して、本発明のラインヘッドモジュールにおいては、第1の透明部材にラインヘッドから入射される光の屈折角は、第1の透明部材がガラスにより形成される場合よりも、更に小さくすることができる。即ち、ラインヘッドから出射されて第1の透明部材に入射される光の進行方向を、集光光学系の光の入射面に対して垂直をなす方向に、より近付けることが可能となる。
【0014】
従って、ラインヘッドから出射される光のうち、集光光学系の光の入射面に入射される光量を増加させることが可能となる。これにより、集光光学系によって集光可能な光量を増やすことができるため、ラインヘッドから出射される光の利用効率を向上させることが可能となる。
【0015】
但し、第1の透明部材は、ラインヘッドより光が入射される入射面において全反射による光の損失が大きくならない程度の屈折率を有する透明材料により形成されるのがよい。加えて、このように屈折率の高い透明材料は比較的高価であるため、上述のような利益を享受できる程度であって、ラインヘッドモジュールを低コストで製造することができるような透明材料により、第1の透明部材を形成するのが好ましい。
【0016】
尚、本発明のラインヘッドモジュールでは、前記屈折率は、2.5以下であってもよい。このように構成すれば、第1の透明部材を比較的入手し易い透明材料により形成することが可能となり、ラインヘッドモジュールを低コストで製造することができる。即ち、この場合には、第1の透明部材は、屈折率が1.5より大きく且つ2.5以下である透明材料により形成されるのが好ましい。また、屈折率が2.5以下であれば、第1の透明部材における、ラインヘッドより光が入射される入射面を反射界面とする、反射による光の損失が過度に大きくならないので実践上有利である。
【0017】
本発明のラインヘッドモジュールの他の態様では、前記集光光学系は、前記ラインヘッドにおける前記光源の配列方向に沿って、複数の屈折率分布型レンズを所定パターンで配列することにより構成されている。
【0018】
この態様によれば、「屈折率分布型レンズ」とは、同心円状に屈折率が分布している構成を有するレンズを意味し、このようなレンズとして例えば「セルフォック(登録商標)レンズ」がある。そして、集光光学系は、ラインヘッドの光源の配列方向に沿って、複数の屈折率分布型レンズを例えばアレイ状に配列させることにより形成される。よって、この態様では、集光光学系を、例えばセルフォック・レンズ・アレイ(登録商標)により形成することが可能であるため、集光光学系を簡易な構成で且つ低コストで形成すると共に、集光光学系によって正立等倍実像を得ることができる。
【0019】
本発明のラインヘッドモジュールの他の態様では、前記第1の透明部材の厚みは、前記ラインヘッドと前記集光光学系との間の距離が、前記集光光学系の空気中での像面距離以上となる厚みに選定されてなる。
【0020】
この態様によれば、ラインヘッドと集光光学系との間の距離を、集光光学系の像面距離と同等かそれよりも大きくするので、ラインヘッドから出射された光のうち、集光光学系によって集光された光を、結像させて実像を得ることが可能となる。尚、本願発明に係る「像面距離」とは、集光光学系の光出射側端面から結像面までの距離を示したものである。
【0021】
本発明のラインヘッドモジュールの他の態様では、前記ラインヘッドと前記集光光学系との間に、前記第1の透明部材に加えて、屈折率が1より大きく且つ前記集光光学系の屈折率の最大値以下である第2の透明部材が設けられている。
【0022】
この態様によれば、例えば第2の透明部材を接着材とすることにより、第1の透明部材を、ラインヘッド及び集光光学系のいずれか一方或いは両方に対して固定することが可能となる。即ち、この場合には、集光光学系には、複数の光源から出射された光源光が、第1の透明部材及び第2の透明部材をこの順に介して入射されるか、第2の透明部材及び第1の透明部材をこの順に介して入射されるか、第2の透明部材、第1の透明部材及び第2の透明部材をこの順に介して入射される。これらのうち特にラインヘッドから出射された光が、第2の透明部材を介して、第1の透明部材に入射されるように、第2の透明部材はラインヘッドと第1の透明部材との間に配置されるのが好ましい。これにより、ラインヘッドから第2の透明部材に入射される光の光束が、屈折により広がるのを防止することができる。その結果、第2の透明部材における光の損失が大きくなるのを防止することが可能となる。
【0023】
尚、集光光学系の屈折率の最大値は、例えば1.5であり、この場合、第2の透明部材の屈折率は、1より大きく且つ1.5以下ということになる。
【0024】
本発明のラインヘッドモジュールの他の態様では、前記ラインヘッドにおいて、前記光源は有機EL素子により形成されている。
【0025】
この態様によれば、ラインヘッドにおいて、有機EL素子から夫々構成された各光源からは指向性の低く、そのため光束が広がった光が出射される。このようにラインヘッドから光束が広がった光が出射される場合においても、ラインヘッドから出射される光の利用効率を向上させることが可能となるので、非常に有利である。
【0026】
本発明の露光装置は上記課題を解決するために、上述した本発明のラインヘッドモジュール(但し、その各種態様も含む)と、前記集光光学系によって集光された光により露光される感光体とを備える。
【0027】
本発明の露光装置によれば、上述した本発明のラインヘッドモジュールを備えるので、ラインヘッドから出射された光の利用効率を向上させて、高品質な画像形成を行うことが可能となる。
【0028】
本発明の画像形成装置は上記課題を解決するために、上述した本発明の露光装置を具備してなる。
【0029】
本発明の画像形成装置は、上述した本発明の露光装置を具備してなるので、高品質な画像形成を行うことが可能なプリンタ、コピー、スキャナやファクシミリなどの各種画像形成装置を実現できる。
【0030】
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施の形態から明らかにされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下の実施形態では、有機EL素子を光源とするラインヘッドを備えたラインヘッドモジュールを例に挙げて説明する。
【0032】
<1:ラインヘッドモジュールの構成>
先ず、図1及び図2を参照して、本実施形態に係るラインヘッドモジュールの全体構成について説明する。図1は、本実施形態に係るラインヘッドモジュールの構成を示す断面図であって、図2は、ラインヘッドモジュールにおける、集光光学系とラインヘッドとの配置関係を表す斜視図である。
【0033】
尚、図2では、ラインヘッドモジュールの外観を示すと共に、その内部における集光光学系とラインヘッドとの配置関係を明確に示すために、これら集光光学系及びラインヘッド間に挟持される第1の透明部材については図示を省略してある。また、図1及び図2では、各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、該各部材の縮尺を異ならしめてある。この点については、後述する図3以降の各図についても同様である。
【0034】
図1に示すように、本実施形態では、ラインヘッドモジュール101は、例えば支持部材90により一体的に支持された、ラインヘッド1と、集光光学系60とを備える。ラインヘッド1は、その構成について詳細は後述するが、図2に示すように、基板上に例えば基板の長手方向に沿ってライン状に配列された複数の光源72を含み、その外周面における側面にて支持部材90に支持される。尚、図2では、ラインヘッド1における複数の光源72の配置について概略的に表してある。
【0035】
また、図1及び図2において、集光光学系60は、各図中、支持部材90の上端部におけるスリット状の開口部に配置され、支持部材90によって支持される。集光光学系60は、ラインヘッド1における複数の光源72の配列方向に沿って、例えば複数の屈折率分布型レンズ60aを千鳥状に2列に配列することにより構成される。このような集光光学系60は、例えば、セルフォック(登録商標)レンズを配列させたセルフォック・レンズ・アレイ(登録商標)により形成することができる。この場合、各屈折率分布型レンズ60aは、円柱状のレンズであって、ラインヘッド1における任意の一の光源72から出射される光は、2以上の屈折率分布型レンズ60aによって集光される。この際、集光光学系60は、光の入射面に対して垂直をなす方向から入射する光、或いは該垂直方向に対して所定範囲内の角度をなす方向から入射する光を集光可能なように形成されている。特に、集光光学系60が、セルフォック・レンズ・アレイ(登録商標)により形成される場合には、経験的に、集光光学系60の光の入射面に対して垂直方向付近から光を入射させることにより、集光可能な光量を増加させることができる。
【0036】
よって、本実施形態では、集光光学系60を簡易な構成で且つ低コストで形成することが可能となる。そして、集光光学系60では、入射される光を集光して結像させるによって正立等倍実像を得ることが可能となる。尚、集光光学系60は、当該集光光学系60に入射される光を集光可能な光学系として、各種レンズに加え更にミラー等の光学素子により形成することができる。また、集光光学系60は、ラインヘッド1の各光源72と一対一で対応し、対応する光源72からの光を夫々集光するように構成されてもよい。
【0037】
そして、本実施形態では、図1に示すように、ラインヘッドモジュール101において、ラインヘッド1と集光光学系60との間には、第1の透明部材80が設けられる。図1においては、支持部材90内における、ラインヘッド1と集光光学系60との間の空間に第1の透明部材80が充填されて、形成されている。第1の透明部材80は屈折率が1.5より大きい透明材料に形成される。好ましくは、第1の透明部材80は屈折率が1.5より大きく、且つ2.5以下の透明材料により形成される。このように構成すれば、第1の透明部材80を、比較的入手し易い透明材料により形成することが可能となり、ラインヘッドモジュール101を低コストで製造することができる。
【0038】
よって、ラインヘッドモジュール101においては、ラインヘッド1の複数の光源72から出射された光は、第1の透明部材80を介して集光光学系60に入射され、集光光学系60によって集光される。従って、本実施形態では、その動作時には、光源72のオン・オフを画像信号に応じて制御することにより、ラインヘッド1から出射される光によって多様な画像形成を行うことができる。
【0039】
尚、図1では、第1の透明部材80を単一の層により形成する構成を示してあるが、第1の透明部材80は夫々屈折率が1.5以上の透明部材により形成される複数層として形成してもよい。
【0040】
次に、ラインヘッド1の構成について、より詳細に図3から図5を参照して説明する。図3は、基板上に平面的に見たラインヘッドの構成を模式的に示す平面図であり、図4は、各光源の駆動に係る構成を示す図であり、更に図5は、各光源を含むラインヘッドの構成を示す断面図である。
【0041】
先ず、図3において、ラインヘッド1は、同図中の左右方向を長手方向とする短冊状の素子基板10上に、該素子基板10の長手方向に、複数の光源72がライン状に配列されることにより構成されている。図3では、複数の光源72を、素子基板10の長手方向に延びる辺に沿って一列に配列した構成を示してある。尚、本実施形態では、素子基板10上に、該素子基板10の一辺に沿って、複数の光源72を2列以上に、例えばアレイ状に配列して形成するようにしてもよい。
【0042】
そして、素子基板10上において、複数の光源72の周辺部には、これらの光源72を駆動するためのデータ線13、接地配線19等の配線と共に、ライン走査回路14が設けられている。素子基板10上において、各光源72には、データ線13及びライン走査回路14からの信号は、画素回路15を介して供給される。尚、各光源72を駆動するための構成としては、図3及び図4に示すものに限定されず、例えば、素子基板10に外付けして設けられた外部回路より、各光源72を駆動するための各種信号を供給するように、素子基板10上には各種配線や端子を設け、ライン走査回路14を設けない構成としてもよい。
【0043】
より具体的には、図4に示すように、各画素回路15は、ライン走査回路14より例えば線順次に供給されるライン走査信号S1、・・・、Sn、及びデータ線13を介して図3及び図4に図示しない外部回路より供給されるデータ信号により駆動状態が制御されるトランジスタTR1及びTR2が含まれる。そして、画素回路15の一方のトランジスタTR2を介して、ライン走査信号Si(i=1、・・・、n)に基づくタイミングで、データ信号に応じた電流が光源72に供給されることにより、光源72は駆動される。
【0044】
本実施形態では、光源72は有機EL素子により形成されており、電圧プログラム方式、電流プログラム方式等の各種方式で駆動される。そして、有機EL素子72の陽極はトランジスタTR2のドレインに電気的に接続されると共に、陰極は接地配線19に電気的に接続される。また、トランジスタTR2のソースは、該ソースに、画素回路15の他方のトランジスタTR1を介して、トランジスタTR2のゲートに供給されるデータ信号に応じた電流を供給するための電源線に電気的に接続される。
【0045】
ここで、図5には、画素回路15及び光源72を含むラインヘッド1の断面部分の構成を示してある。
【0046】
図5において、例えば透明樹脂やガラス基板等の透明部材により構成される素子基板10上には、トランジスタTR2が形成されている。より具体的には、素子基板10上には、トランジスタTR2の半導体層3が形成され、半導体層3上には、半導体層3を埋め込んで、トランジスタTR2のゲート絶縁層2が形成されている。更には、ゲート絶縁層2上に、トランジスタTR2のゲート電極3aが形成されている。
【0047】
また、トランジスタTR2のゲート電極3aを埋め込んで、ゲート絶縁層2上には層間絶縁層41が形成されている。層間絶縁層41上には、電源線17及びトランジスタTR2のドレイン電極42が形成されている。電源線17及びドレイン電極42の各々を構成する導電膜は、層間絶縁層41及びゲート絶縁層2を貫通して形成されたコンタクトホールの内壁に沿って半導体層3の表面に至るように連続的に形成されている。
【0048】
層間絶縁層41上には、電源線17及びドレイン電極42を埋め込んで、平坦化層45が形成されている。平坦化層45上には、第1バンク層46が形成され、更に第1バンク層46上に第2バンク層47が形成されている。
【0049】
そして、平坦化層45上に、陽極34が形成されている。陽極34は、平坦化層45を貫通して形成されたコンタクトホールを介してドレイン電極42の表面に至るように形成されると共に、第1バンク層46及び第2バンク層47によって規定される領域に、その表面が露出するように、平坦化層45のコンタクトホール内からコンタクトホール外に連続的に形成されている。
【0050】
第1及び第2バンク層46及び47より露出した陽極34の表面上には、有機EL層50が形成される。有機EL層50は、その具体的な構成については図示を省略するが、例えば、発光層、或いは発光層に加えて正孔注入層又は正孔輸送層等を含む。即ち、第1バンク層46及び第2バンク層47によって、有機EL層50の形成領域が規定される。
【0051】
また、陰極49が、各陽極34と対向配置され、有機EL層50よりも上層側に、陽極34との間で有機EL層50を挟持するように、形成される。有機EL素子72は、陽極34及び陰極49と、陽極34及び陰極49間に挟持される有機EL層50を含む。そして、陰極34上には、図5中に図示しない、接着層及び接着層によって、素子基板10と対向配置されて陰極34に接着される封止基板が形成される。尚、封止基板は、素子基板10と同様の透明部材、或いは金属材料等の遮光材料により形成される。
【0052】
本実施形態では、陰極49を例えば金属材料により形成し、且つ陽極34及び陽極34より下層に配置された各部材を、有機EL層50における発光を透過させることが可能なように透明材料により形成することにより、素子基板10側から有機EL層50における発光を出射させるボトムエミッション型として、ラインヘッド1を形成してもよい。或いは、これとは逆に、封止基板側から有機EL層50における発光を出射させることが可能なように構成することにより、ラインヘッド1をトップエミッション型として構成するようにしてもよい。
【0053】
尚、本実施形態では、ラインヘッド1における各光源72は、有機EL素子により形成される構成に限定されず、無機EL素子やLED(Light Emitting Diode)により形成されてもよい。そして、ラインヘッド1における各画素回路15の構成も、図4及び図5に示す構成に限定されず、TFT等の各種トランジスタやTFD等のダイオードにより、光源72の種類や駆動方式に併せた構成とすることができる。
【0054】
<2:ラインヘッドモジュールにおける画像形成>
次に、図1から図5に加えて、図6を参照して、ラインヘッドモジュール101における画像形成について、より詳細に説明する。図6(a)は、ラインヘッドから出射され、第1の透明部材に入射される光のようすを模式的に示す図であり、図6(b)は、ラインヘッドがボトムエミッション型として形成される場合の、素子基板及び第1の透明部材の界面における光のようすを模式的に示す図である。尚、図6(a)中において、ラインヘッド1の詳細な構成については図示を省略すると共に、図1に示すラインヘッドモジュール101について、第1の透明部材80において、各光源72から出射され、集光光学系60に入射される光の光路が形成される一部付近を拡大して示してある。また、図6(b)中には、図1に示すラインヘッドモジュール101について、素子基板10及び第1の透明部材80の界面付近の一部を拡大して示すと共に、ハッチングについては図示を省略してある。
【0055】
図6(a)において、ラインヘッドモジュール101における画像形成時、同図中白抜きの矢印で示されるように各光源72から発光された光が、ラインヘッド1から出射される。そして、ラインヘッド1から出射された光は、第1の透明部材80に入射される。
【0056】
既に説明したように、第1の透明部材80は、空気の屈折率(=1.0)より大きく、且つガラスの屈折率(=1.5)よりも大きい透明材料により形成される。ここで、図6(a)中には、ラインヘッド1から出射され、第1の透明部材80に入射された光の光線の一例を矢印Op0によって示してある。また、同図中において、仮に第1の透明部材80がガラスにより形成される場合、第1の透明部材80に入射された光の光線の一例を矢印Op1によって示すと共に、仮に第1の透明部材80が設けられず、ラインヘッド1及び集光光学系60の間に空気層が介在する場合に、この空気層に入射された光の光線の一例を矢印Op2によって示してある。更に、図6(a)において、矢印Op0によって示される光線が、ラインヘッド1及び第1の透明部材80の界面に入射した一点に交わる法線(図中一点鎖線にて示す)に対して、矢印Op0がなす角、即ち屈折角をθ0とし、これと同様に、矢印Op1及び矢印Op2によって夫々示される光の屈折角についても、夫々θ1及びθ2として示してある。
【0057】
本実施形態では、矢印Op0によって示されるように、ラインヘッド1から出射されて第1の透明部材80に入射される光の屈折角θ0は、矢印Op2によって示される、空気層に入射される光の屈折角θ2と比較して小さくなる。また、もし仮に、第1の透明部材80をガラスにより形成する場合も、矢印Op1によって示されるように、ラインヘッド1から出射されて第1の透明部材80に入射される光の屈折角θ1は、空気層に入射される光の屈折角θ2と比較して小さくなる。
【0058】
ここで、第1の透明部材80がガラスにより形成されると共に、例えばボトムエミッション型として構成されたラインヘッド1において、素子基板10がガラスにより形成される場合に、有機EL素子72から発光され、素子基板10を介して第1の透明部材80に入射される光の光線の一例を、図6(b)では、図6(a)と同様に、矢印Op1によって示してある。図6(b)に示されるように、この場合、ラインヘッド1から出射されて第1の透明部材80に入射される光は屈折せずに、第1の透明部材80を通過する。
【0059】
ラインヘッド1において、各有機EL素子72から発光される光は、指向性が低く、その光束は広がったものとなる。また、既に説明したように、集光光学系60が、例えばセルフォック・レンズ・アレイ(登録商標)により形成される場合には、経験的に、集光光学系60の光の入射面に対して垂直方向付近から光を入射させることにより、集光可能な光量を増加させることができる。
【0060】
よって、第1の透明部材80がガラスにより形成される場合には、ラインヘッド1から出射されて、集光光学系60の光の入射面に対する方向とは異なる方向、或いは集光光学系60の光の入射面に対して、集光可能な範囲外の角度をなす方向に進行する光を、利用することができなくなり、集光光学系60の光の入射面に入射する光量が少なくなる恐れがある。
【0061】
これに対して本実施形態では、図6(a)において、矢印Op0によって示されるように、ラインヘッド1から出射されて第1の透明部材80に入射される光の屈折角θ0を、矢印Op1によって示される光の屈折角θ1と比較して、更に小さくすることができる。即ち、図6(a)中に示す、ラインヘッド1及び第1の透明部材80の界面に対して90°をなす法線に沿う方向に、ラインヘッド1から出射されて第1の透明部材80に入射される光の進行方向を近付けることが可能となる。その結果、ラインヘッド1から出射されて第1の透明部材80を介して集光光学系60に入射される光の進行方向を、集光光学系60の光の入射面に対して垂直をなす方向に、より近付けることが可能となる。よって、ラインヘッド1から出射される光のうち、集光光学系60の光の入射面に入射される光量を増加させると共に、集光光学系60によって集光可能な光量を増やすことができる。
【0062】
ここで、本実施形態では、第1の透明部材80の厚みd0は、ラインヘッド1と集光光学系60との間の距離が、集光光学系60を形成する各レンズ60aの像面距離と同等かそれよりも大きくなる値として、形成されるのが好ましい。尚、「像面距離」とは、集光光学系の光出射側端面から結像面までの距離を示したものであり、ここでは集光光学系を通過した光が空気中を通過する場合を仮定した距離としている。これにより、ラインヘッド1から出射されて第1の透明部材80を介して集光光学系60に入射されて、集光光学系60によって集光された光を、結像させて正立等倍実像を得ることが可能となる。
【0063】
ここで、実際的には、ラインヘッド1と集光光学系60との間には、第1の透明部材80に加えて、第1の透明部材80をラインヘッド1及び集光光学系60の両方或いはいずれか一方に対して固定するため、第2の透明部材が設けられるのが好ましい。図7には、第2の透明部材が設置される構成について、図6(a)に対応する断面の構成を示す断面図である。
【0064】
第2の透明部材85は、例えばガラスを含む、屈折率が1より大きく且つ1.5以下である、接着材を兼ねる透明材料により形成される。図7に示すように、例えば、第2の透明部材85は、ラインヘッド1と第1の透明部材80との間に、両者を接着させるように配置される。この場合、図7中、白抜きの矢印で示されるように、各光源72から発光された光はラインヘッド1から出射して、第2の透明部材85を介して、第1の透明部材80に入射される。尚、図7中、ラインヘッド1から出射され、第1及び第2の透明部材80及び85に入射される光の光線の一例を、図6(a)と同様に、矢印Op0によって示してある。
【0065】
よって、図6(b)を参照して説明したように、例えばラインヘッド1から各光源72の光が素子基板10を介して出射される場合に特に効果的に、ラインヘッド1から第2の透明部材85に入射される光の光束が、屈折により広がるのを防止することができる。その結果、第2の透明部材85における光の損失が大きくなるのを防止することが可能となる。
【0066】
ここで、図7に示す構成を有するラインヘッドモジュール101における、集光光学系60に入射される光量と、第1の透明部材80の屈折率との関係に係るシュミレーション結果を、図8に表してある。図8は、第1の透明部材80の屈折率を横軸にとり、集光光学系60における入射エネルギーを縦軸にとって表したグラフである。尚、集光光学系60における光量と入射エネルギーとの関係は、集光光学系60に入射される光量が増加すると、入射エネルギーも大きくなる。入射エネルギーは、ラインヘッド1から出射された光が全て集光光学系60に入射される場合を100[%]として表されることを前提とする。
【0067】
図7に示すように、第1の透明部材80の屈折率が1.0、即ち第1の透明部材80が設けられず、空気層とした場合においては、入射エネルギーはわずか6[%]に留まり、ラインヘッド1から出射された光の利用効率は低下する。また、第1の透明部材80の屈折率が1.5、即ち第1の透明部材80をたとえガラスにより形成する場合であっても、入射エネルギーは15[%]と低い値となる。これに対して、本実施形態では、第1の透明部材80の屈折率を1.5より大きい値とすることが可能であり、図7より、第1の透明部材80を構成する透明材料の屈折率を変化させることにより、入射エネルギーを15[%]よりも大きい値とし、光の利用効率をより効果的に改善することが可能となる。その結果、本実施形態では、ラインヘッドモジュール101によって高品質な画像形成を行うことが可能となる。
【0068】
但し、本実施形態では、第1の透明部材80は、ラインヘッド1より光が入射される入射面において全反射による光の損失が大きくならない程度の屈折率を有する透明材料により形成されるのがよい。
【0069】
<3:露光装置>
次に、図9を参照して、本実施形態のラインヘッドモジュールを備える露光装置について説明する。図9は、露光装置の構成を概略的に示す、図式的断面図である。
【0070】
図9において、露光装置200は、上述したラインヘッドモジュール101と、このラインヘッドモジュール101からの光によって露光される、本発明に係る「感光体」の一例である感光ドラム1002とを含んでなる。より具体的には、ラインヘッドモジュール101において、集光光学系60によって集光された光を、感光ドラム1002の外周面に結像させることにより、露光する。感光ドラム1002は、図9中矢印R0で示される方向に回転されることにより、その外周面全域に亘って、ラインヘッドモジュール101によって露光することが可能なように構成されている。
【0071】
<4:画像形成装置>
次に、図10を参照して、図9に示す露光装置を備えた画像形成装置の一例であるプリンタについて説明する。図10は、プリンタの主要構成を示す図式的断面図である。尚、以下では、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)用の4種の露光装置を備えたカラープリンタを例に挙げて説明する。
【0072】
図10において、プリンタは、YMCK用の4つの画像形成ユニット1001Y、1001M、1001C及び1001Kを備え、これらのユニット1001Y、1001M、1001C及び1001Kには夫々、感光ドラム1002及びラインヘッドモジュール101を含む露光装置と、感光ドラムの周辺に配置されたクリーナ1011、帯電器1012、現像器1013、転写ローラ1014が含まれる。尚、4種のユニット1001Y、1001M、1001C及び1001Kに夫々設けられた転写ローラ1014は、ローラ1021、1022等の回転により循環駆動される転写ベルト1020の駆動方向に沿って、回転する。また、各ユニット1001Y、1001M、1001C及び1001Kにおける感光ドラム1002も、転写ベルト1020の駆動と同期して、図10中の矢印方向に夫々回転駆動される。
【0073】
クリーナ1011により、感光ドラム1002の表面に残ったトナーが除去された後、帯電器1012によってコロナ放電等により感光ドラム1002の外周面が帯電される。続いて、ラインヘッドモジュール101による露光により、感光ドラム1002の外周面に静電潜像が形成される。続いて、Y、M、C、Kのうち、4種のユニット1001Y、1001M、1001C及び1001Kに夫々対応する色のトナーを用いることで、現像器1013による現像が行われ、感光ドラム1002の表面には、トナー付着による可視像たるトナー画像の形成が行われる。
【0074】
他方、転写ベルト1020は、ローラ1021、1022等により回動されている。そして、各感光ドラム1002に対向する転写位置にて、転写ローラ1014で裏側から押された状態で、感光ドラム1002上のトナー画像が転写ベルト1020上に転写される。この転写されたトナー画像は、搬送装置1030により、図10中の矢印方向に搬送されるプリント用の紙1050上に更に転写される。続いて、紙1050上に転写されたトナー像は、定着器1040によって加熱加圧されることによって定着される。定着器1040は、熱源を有する定着ローラ140とこれに圧接される加圧ローラ240とから構成されている。そして、排出トレー上に画像形成済みの紙1050が排出される。
【0075】
この他にも、本実施形態に係るラインヘッドモジュール101は、例えばサイクル方式等のプリンタ、或いはコピー、ファクシミリ等の画像形成装置に適用することができる。
【0076】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨、あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うラインヘッドモジュール、及びそのようなラインヘッドモジュールを備えた露光装置、並びに該露光装置を備えた各種画像形成装置もまた、本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本実施形態に係るラインヘッドモジュールの構成を示す断面図である。
【図2】ラインヘッドモジュールにおける、集光光学系とラインヘッドとの配置関係を表す斜視図である。
【図3】基板上に平面的に見たラインヘッドの構成を模式的に示す平面図である。
【図4】ラインヘッドにおける各光源の駆動に係る構成を示す図である。
【図5】各光源を含むラインヘッドの構成を示す断面図である。
【図6】図6(a)は、ラインヘッドより第1の透明部材に入射される光のようすを模式的に示す図であり、図6(b)は、ラインヘッドの素子基板及び第1の透明部材の界面における光のようすを模式的に示す図である。
【図7】第2の透明部材が設置される構成について、図6(a)に対応する断面の構成を示す断面図である。
【図8】ラインヘッドモジュールにおける、集光光学系に入射される光量と、第1の透明部材の屈折率との関係に係るシュミレーション結果を示す図である。
【図9】露光装置の構成を概略的に示す、図式的断面図である。
【図10】プリンタの主要構成を示す図式的断面図である。
【符号の説明】
【0078】
1…ラインヘッド、72…光源、60…集光光学系、80…第1の透明部材、101…ラインヘッドモジュール




 

 


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