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発明の名称 印刷装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−76056(P2007−76056A)
公開日 平成19年3月29日(2007.3.29)
出願番号 特願2005−264067(P2005−264067)
出願日 平成17年9月12日(2005.9.12)
代理人 【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
発明者 倉科 輝樹
要約 課題
プログラムの書き換えを行わずとも設計変更に対して省電力移行・復帰のシーケンスを容易に変更可能とする。

解決手段
印刷コントローラ3は、各デバイス部(A)〜(N)に各々対応した省電力制御ルーチンを省電力制御テーブルに設定された順序に従って順次実行することにより、各デバイス部(A)〜(N)の省電力モードへの移行及び省電力モードからの復帰を各々制御する。
特許請求の範囲
【請求項1】
印刷コントローラと、該印刷コントローラから出力されるデータに基づいて印刷を行う印刷エンジンとを備え、第1モードと該第1モードより電力消費を抑えた第2モードとの間で前記印刷コントローラ内の各デバイス部の電力モードを切替える印刷装置において、
前記各デバイス部を前記第2モードへ移行させる処理及び前記各デバイス部を前記第2モードから復帰させる処理を前記各デバイス部毎に各々定義した省電力制御ルーチンと、
前記各デバイス部を前記第2モードへ移行させる順序及び前記各デバイス部を前記第2モードから復帰させる順序を各々定めた省電力制御テーブルと、を備え、
前記印刷コントローラは、前記各デバイス部に各々対応した省電力制御ルーチンを前記省電力制御テーブルに設定された順序に従って順次実行することにより前記各デバイス部の前記第2モードへの移行及び前記第2モードからの復帰を各々制御する省電力制御手段を備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記省電力制御テーブルには、前記省電力制御ルーチンの実行順序を示す順序データと、該省電力制御ルーチンの実行をスキップする未搭載のデバイス部を示すスキップデータとが設定される、
請求項1記載の印刷装置。
【請求項3】
前記印刷コントローラは、前記各デバイス部の動作を制御するCPUを含み、
前記順序データは、前記CPUによる前記各デバイス部へのアクセス度に基づいて設定され、
前記CPUは、前記第2モードへの移行順序が前記各デバイス部よりも後に設定され、前記第2モードからの復帰順序が前記各デバイス部よりも前に設定される、
請求項2記載の印刷装置。
【請求項4】
前記印刷コントローラは、色変換処理及び二値化処理を実行可能な画像処理プロセッサをさらに含み、
前記画像処理プロセッサは、前記第2モードへの移行順序が前記CPUよりも前に設定され、前記第2モードからの復帰順序が前記CPUよりも後に設定される、
請求項3記載の印刷装置。
【請求項5】
前記省電力制御テーブルは、書き換え可能な不揮発性メモリに格納される、
請求項1乃至4のいずれか一項記載の印刷装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置にかかり、詳しくは、省電力設計を行う印刷装置に適用して好適な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷待機時に装置各部への電力供給を低減もしくは遮断することにより電力消費の低減を図る省電力モードを有した印刷装置が種々提案されている(例えば、特許文献1〜4参照)。この種の印刷装置は、長時間にわたって印刷が行われない場合に、ROMに格納された省電力制御プログラムに従って、印刷シーケンスの実行に必要なハードウエア資源をできる限り電力消費の少ないモード(省電力モード)に切替えることで電力消費の低減を図るようにしている。
【特許文献1】特開平8−101609号公報
【特許文献2】特開2005−111715号公報
【特許文献3】特開2005−124132号公報
【特許文献4】特開2004−287530号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、近年は、印刷装置においても複数のプロセッサが搭載されるようになっており、例えば、大判用紙への印刷を可能とする印刷装置(いわゆる大判プリンタ)等においては、取り扱う画像データ量が膨大であるため、装置全体の動作をコントロールするCPUに加えて、画像処理を専門に行うプロセッサ(DSP)を搭載したものが登場してきている。このため、印刷装置に搭載される各種プロセッサとハードウェアデバイスとの間での省電力移行・復帰の手順を策定する作業が困難化してきており、その省電力移行・復帰のシーケンスをROM上のプログラムに固定して記述する方法では、その後のハードウェア設計の変更がある場合に、それに容易に対応できないといった問題があった。これは、通常、ソフトウェア(ファームウェア)設計者とハードウェア設計者とが一般には異なるといった事にも起因して生じる問題でもあった。
【0004】
また、このように省電力移行・復帰のシーケンスをROM上に固定する方法では、複数の機種を同じシステムで構成する場合に各機種間で搭載するデバイスの種類が異なると、それら機種毎にROM上のプログラムを書き換えなければシーケンスの変更を行うことができず、機種毎に各々対応するプログラムを用意しなければならなかった。この問題は、搭載するプロセッサ数に関わらず生じる。
【0005】
本発明は、このような従来の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、プログラムの書き換えを行わずとも設計変更に対して省電力移行・復帰のシーケンスを容易に変更することのできる印刷装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の第1の態様では、印刷コントローラと、該印刷コントローラから出力されるデータに基づいて印刷を行う印刷エンジンとを備え、第1モードと該第1モードより電力消費を抑えた第2モードとの間で前記印刷コントローラ内の各デバイス部の電力モードを切替える印刷装置において、前記各デバイス部を前記第2モードへ移行させる処理及び前記各デバイス部を前記第2モードから復帰させる処理を前記各デバイス部毎に各々定義した省電力制御ルーチンと、前記各デバイス部を前記第2モードへ移行させる順序及び前記各デバイス部を前記第2モードから復帰させる順序を各々定めた省電力制御テーブルと、を備え、前記印刷コントローラは、前記各デバイス部に各々対応した省電力制御ルーチンを前記省電力制御テーブルに設定された順序に従って順次実行することにより前記各デバイス部の前記第2モードへの移行及び前記第2モードからの復帰を各々制御する省電力制御手段を備える、ことを要旨とする。
【0007】
この構成によれば、省電力制御手段は、省電力制御テーブルに設定された順序に従って各デバイス部毎に各々定義化された省電力制御ルーチンを順次呼び出して実行することにより省電力移行・復帰制御を行う。このため、搭載されるプロセッサやデバイス部の数・種類に関わらず、省電力移行・復帰の順序を任意の順序に容易に設定することができる。又、複数の機種間で搭載デバイスの種類が異なるなどの設計変更がある場合にも、省電力制御テーブルの設定を変更するのみで、プログラムの書き換えを行わずともシーケンスの変更を容易に行うことができる。
【0008】
上記構成の印刷装置においては、前記省電力制御テーブルには、前記省電力制御ルーチンの実行順序を示す順序データと、該省電力制御ルーチンの実行をスキップする未搭載のデバイス部を示すスキップデータとが設定されるといった態様を採用することができる。
【0009】
この構成によれば、省電力制御テーブルには、順序データとスキップデータとが記載されることで、実行しようとする省電力制御ルーチンに対応するデバイス部が未搭載である場合にも、それに係る処理(省電力移行・復帰処理)をスキップさせることができる。
【0010】
上記構成の印刷装置においては、前記印刷コントローラは、前記各デバイス部の動作を制御するCPUを含み、前記順序データは、前記CPUによる前記各デバイス部へのアクセス度に基づいて設定され、前記CPUは、前記第2モードへの移行順序が前記各デバイス部よりも後に設定され、前記第2モードからの復帰順序が前記各デバイス部よりも前に設定されるといった態様を採用することができる。
【0011】
この構成によれば、CPUによる各デバイス部へのアクセス度に基づいて、CPU及び各デバイス部の省電力移行・復帰順序を定めることができる。その際にはCPUの省電力移行順序を各デバイス部よりも後、省電力復帰順序を各デバイス部よりも前に設定することで、システム全体の省電力移行・復帰処理を最適化することができる。
【0012】
上記構成の印刷装置においては、前記印刷コントローラは、色変換処理及び二値化処理を実行可能な画像処理プロセッサをさらに含み、前記画像処理プロセッサは、前記第2モードへの移行順序が前記CPUよりも前に設定され、前記第2モードからの復帰順序が前記CPUよりも後に設定されるといった態様を採用することができる。
【0013】
この構成によれば、CPUに加えて画像処理プロセッサが搭載されている場合には、該画像処理プロセッサの省電力移行順序をCPUよりも前、省電力復帰順序をCPUよりも後に設定することで、システム全体の省電力移行・復帰処理を最適化することができる。
【0014】
上記構成の印刷装置においては、前記省電力制御テーブルは、書き換え可能な不揮発性メモリに格納されるといった態様を採用することができる。
この構成によれば、省電力制御テーブルを書き換え可能な不揮発性メモリに格納することで、その後の設計変更がある場合にも、それに対応した内容に任意に書き換えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を具体化した一実施の形態を図面に従って説明する。
図1は、本実施の形態に係るプリンタ1(印刷装置)の全体構成を示すブロック図である。このプリンタ1は、一例として大判用紙への印刷を可能とするインクジェットプリンタであり、ホストコンピュータ2に接続して使用される。
【0016】
プリンタ1は、ホストコンピュータ2からの印刷割り込みに応答して印刷データS1を受信し、それに所定の処理を施して画像形成を行うためのデータ(以下、画像形成データS2)を生成する印刷コントローラ3と、該印刷コントローラ3から供給されるデータに基づいて画像の印刷を行う印刷エンジン4とを有している。印刷エンジン4は、印刷ヘッド5や、図示しないキャリッジ機構に含まれるキャリッジ(CR)モータ、紙送り機構に含まれる紙送り(PF)モータ等の各種モータ群6等から構成される。
【0017】
印刷コントローラ3は、CPU11と画像処理ASIC(Application Specific Integrated Circuit )12(以下、単にASIC12という)とからなる制御回路13を有している。この制御回路13は、本実施の形態ではワンチップ上に形成されておりSOC(System On a Chip)を構成している。
【0018】
CPU11とASIC12とはCPUバス14を介して接続されている。なお、CPUバス14は制御回路13(SOC)の外部に構成されるバスという意味で「外部バス」としても表現され得る。このCPUバス14には、制御回路13の外部において、さらに、プログラムROM15、EEPROM(電気的消去可能な書き換え可能ROM)16、第1のSDRAM(シンクロナスDRAM)17、補助ASIC18が接続されている。
【0019】
プログラムROM15、EEPROM16及び第1のSDRAM17は、CPU11がCPUバス14を介してアクセスする外部メモリである。これら外部メモリとCPU11との間、補助ASIC18とCPU11との間、さらには、ASIC12とCPU11との間の各々CPUバス14を介したデータの授受はCPU11が内蔵するバスコントローラ11aにより制御される。
【0020】
プログラムROM15は不揮発性メモリ(例えばフラッシュメモリ等)により構成される。EEPROM16も不揮発性メモリである。プログラムROM15には、印刷シーケンスプログラム、印刷エンジン4を制御する印刷エンジン制御プログラム等の他、本実施の形態に係る省電力制御プログラム(後述する省電力移行及び復帰シーケンスプログラムや各デバイス部毎に用意された省電力制御ルーチン)等の各種制御プログラムやそれらのプログラムを実行するために必要なデータが格納される。EEPROM16には、後述する省電力制御テーブルT1(図2参照)等が格納される。
【0021】
第1のSDRAM17には、ホストコンピュータ2から受信した印刷データS1やCPU11が実行する種々のプログラムの一部、さらには、それらのプログラムを実行するために必要なデータ等が一時的に格納される。補助ASIC18は、給紙センサ等のメカセンサ21や、ユーザが操作するプリンタ1上の操作パネル22、さらには、前述した各種モータ群6を駆動するモータドライバ23等の動作をコントロールする。
【0022】
ASIC12には、第2のSDRAM24及び外付けの専用プロセッサにより構成される画像処理プロセッサとしてのDSP(Digital Signal Processor)25が接続されている。DSP25には、該DSP25がワークメモリとして使用する第3のSDRAM26が接続されている。
【0023】
第2のSDRAM24は、例えば、ダブルデータレートのシンクロナスDRAM(DDR−SDRAM)であり大容量且つ高速メモリである。第2のSDRAM24は、ASIC12に内蔵されるメモリコントローラ27とメモリバス28を介して接続されており、同SDRAM24へのアクセスは、メモリコントローラ27からメモリバス28を経由して行われる。この第2のSDRAM24には、ホストコンピュータ2から受信した印刷データS1や各種処理後のデータ(色変換や二値化処理後のデータ、或いはマイクロウィーブやノズル順変換処理後のデータ)を一時的に格納するための複数のバッファ領域が確保される。
【0024】
DSP25は、ASIC12に内蔵されるDSPコントローラ29とDSPバス30を介して接続されており、同DSP25へのアクセスは、DSPコントローラ29からDSPバス30を経由して行われる。
【0025】
DSP25は、RGB表色系の画像データ(RGB画像データ)をプリンタ1で使用するインクの色空間に対応したCMYK表色系の画像データ(CMYK画像データ)に変換する色変換処理を実行可能である。例えば、本実施の形態ではC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)、LC(ライトシアン)、LM(ライトマゼンタ)、LK(第1ライトブラック)、LLK(第2ライトブラック)の8色のカラーインクに対応したCMYK画像データに変換する。
【0026】
又、DSP25は、CMYK画像データの階調値を多値から二値(以下、二値化データ)に変換する二値化処理を実行可能である。この二値化データは、前述した8色のカラーインクのそれぞれに対して、例えば大、中、小の3種類のドットの吐出の有無を示す各色2ビットのデータである。
【0027】
本実施の形態では、このような色変換処理及び二値化処理をASIC12(SOC)内の専用ハードウェアではなく、外付けの専用プロセッサでプログラムにより実現することにより、それらの処理の変更に容易に対応できるようにしている。なお、DSP25は、画像データの解像度をより高い解像度に変換する解像度変換を必要に応じて行う。
【0028】
ASIC12は、ホストコンピュータ2から所定の通信路NET(シリアルやUSBやIEEE1394など)を介して印刷データS1を受信する。ASIC12は、この受信した印刷データS1をメモリコントローラ27及びメモリバス28を介して第2のSDRAM24に格納する。なお、受信した印刷データS1をCPU11により第1のSDRAM17に格納することもできる。
【0029】
第2のSDRAM24(又は第1のSDRAM17)に格納された印刷データS1は、CPU11により読み出されてその入力フォーマット(圧縮形式)が判断される。本実施の形態では、プリンタ1は3種類の入力フォーマットを受信可能である。
【0030】
第1に、RGB画像データ(各色8又は16ビット)をJPEG形式で圧縮したJPEG圧縮データである。第2に、CMYK画像データであって二値化済みのデータ(各色2ビット)からなるランレングス圧縮データである。第3に、CMYK画像データであって二値化前のデータ(各色8ビット)を直前のラスタと比較しその差分をとるRHV2方式の圧縮データ(以下、RHV2圧縮データ)である。CPU11は、これらの圧縮形式を印刷データS1に付加されているコマンドを解析することによって判断する。
【0031】
ASIC12は、CPU11により判断された圧縮形式に基づいてその圧縮形式に対応した解凍(復号化)処理を行う。そして、ASIC12は、この解凍したデータを、必要に応じてDSP25に受け渡し、色変換処理及び二値化処理を実行させる。さらに、ASIC12は、二値化済みのデータを印刷ヘッド5の走査パス毎に分解するマイクロウィーブ(MW)処理を行い、その後、印刷ヘッド5のノズル順にデータを並び替えるノズル順変換処理を行う。ASIC12は、こうした処理を行うことで画像形成データS2を生成し、生成した画像形成データS2をヘッドドライバ31に供給する。
【0032】
ヘッドドライバ31は、ASIC12から供給された画像形成データS2に基づいて、印刷ヘッド5を駆動するための印刷駆動信号S3を生成する。これにより、印刷駆動信号S3に基づいて印刷ヘッド5が駆動され、画像が印刷される。
【0033】
なお、印刷コントローラ3は、印刷エンジン4側に用意された電源基板32から、印刷ヘッド5や各種モータ群6を駆動するための42Vの電圧、図示しないパラレルインターフェースを駆動するための5Vの電圧、CPU11やASIC12等のロジック系或いは各種センサを駆動するための3.3V、1.5Vなどの電圧の供給を受ける。
【0034】
上記のように構成されたプリンタ1において、本実施の形態では、CPU11に内蔵されるバスコントローラ11a、ASIC12、ASIC12に内蔵されるメモリコントローラ27及びDSPコントローラ29、プログラムROM15、EEPROM16、第1〜第3のSDRAM17,24,26、補助ASIC18、モータドライバ23、ヘッドドライバ31のハードウェアデバイスがそれぞれデバイス部に相当する。
【0035】
次に、上記構成のプリンタ1の電力モードについて説明する。
本実施の形態のプリンタ1は3種類の電力モードを有する。
第1に、プリンタ1がホストコンピュータ2から印刷データS1を受け取り、その入力フォーマット(圧縮形式)に対応したコマンド解析や必要に応じた画像処理などを行って印刷を実行している状態(印刷状態)の時の電力モードである。この電力モードを「通常モード」と呼ぶ。
【0036】
第2に、印刷の行われていない状態(待機状態)の時の電力モードである。この電力モードを「待機モード」と呼ぶ。この待機モードでは通常モードよりも電力消費が抑えられる。
【0037】
第3に、待機状態が一定時間継続したときに制御される省電力状態の時の電力モードである。この電力モードを「省電力モード」と呼ぶ。この省電力モードでは待機モードよりも更に電力消費が抑えられ、前述の各デバイス部は、供給電源が遮断、もしくはクロックの供給が停止されるなどによって、それぞれの省電力モードになる。例えば、SDRAM17,24,26は各々パワーダウンモードになる。ROM15はスリープモードになる。CPU11も所定の省電力状態になる。なお、本実施の形態では、待機モードが第1モードに対応し、省電力モードが第2モードに対応する。
【0038】
CPU11は、これらの3種類の電力モードを切り替え制御する省電力制御手段としての機能を有する。CPU11は、プリンタ1がホストコンピュータ2から印刷データS1を受信すると、印刷コントローラ3内の対応する各デバイス部に各々必要な電力を供給して所定の処理を実行させることにより印刷を実行させる。即ち、対応する各デバイス部を通常モードに制御する。そして、印刷が終了すると各デバイス部を待機モードに制御し、この待機モードとなった後、一定時間内に印刷が行われない場合には、各デバイス部への電力の供給を低減もしくは遮断等することにより各デバイス部をそれぞれの省電力モードへと移行させる。その後、プリンタ1がホストコンピュータ2から印刷データS1を受信すると、再度各デバイス部を省電力モードから待機モード、さらには通常モードへと復帰させるといった切り替え制御を行う。
【0039】
CPU11は、このような各デバイス部の省電力モードへの移行及び省電力モードからの復帰を、EEPROM16に格納された省電力制御テーブルT1(図2)に基づいて、プログラムROM15に格納された制御プログラムを実行することにより制御する。制御プログラムは、省電力移行シーケンスプログラム(図3)と、省電力復帰シーケンスプログラム(図4)と、各デバイス部毎に各々定義化され、上記の各シーケンスプログラムに従って各デバイス部に各々対応した省電力移行及び復帰制御を行うための省電力制御ルーチン(省電力移行ルーチン及び省電力復帰ルーチン)とからなる。
【0040】
図2は、省電力制御テーブルT1を示す説明図である。この省電力制御テーブルT1には、各デバイス部の省電力モードへの移行順序を示す順序データD1と、各デバイス部の省電力モードからの復帰順序を示す順序データD2とが設定されている。本実施の形態においては、印刷コントローラ3内のCPU11(デバイス部(A))、ASIC12(デバイス部(B))、バスコントローラ11a(デバイス部(C))、メモリコントローラ27(デバイス部(D))、DSPコントローラ29(デバイス部(E))、プログラムROM15(デバイス部(F))、第1のSDRAM17(デバイス部(G))、EEPROM16(デバイス部(H))、第2のSDRAM24(デバイス部(I))、DSP25(デバイス部(J))、第3のSDRAM26(デバイス部(K))、補助ASIC18(デバイス部(L))、モータドライバ23(デバイス部(M))及びヘッドドライバ31(デバイス部(N))について設定されている。
【0041】
各デバイス部(A)〜(N)の移行順序及び復帰順序はCPU11のアクセス度に基づいて設定される。
具体的には、省電力モードへの移行時には、モータドライバ23(デバイス部(M))やヘッドドライバ31(デバイス部(N))は最も先に省電力モードに制御され、続いて、画像処理関連のデバイス部である第3のSDRAM26(デバイス部(K))、DSP25(デバイス部(J))、DSPコントローラ29(デバイス部(E))や、第2のSDRAM24(デバイス部(I))、メモリコントローラ27(デバイス部(D))らが省電力モードに制御される。続いて、CPUバス14上の補助ASIC18(デバイス部(L))、プログラムROM15(デバイス部(F))、EEPROM16(デバイス部(H))、第1のSDRAM17(デバイス部(G))、ASIC12(デバイス部(B))らが省電力モードに制御される。そして、CPU11内のバスコントローラ11a(デバイス部(C))が省電力モードに制御された後、最後にCPU11(デバイス部(A))が省電力モードに制御される。
【0042】
一方、省電力モードからの復帰時には、移行時とは逆の順序で各デバイス部(A)〜(N)が待機モードに復帰される。即ち、CPU11が最も先に待機モードに復帰され、モータドライバ23やヘッドドライバ31が最後に待機モードに復帰される。
【0043】
なお、ここで述べた移行順序及び復帰順序は一例であり、移行時においてCPU11が最後に省電力モードに移行され、復帰時においてCPU11が最初に待機モードに復帰される順序であれば、適宜変更することができる。即ち、省電力制御テーブルT1に設定する省電力移行・復帰の順序は各デバイス部(A)〜(N)の搭載種類や各種設計仕様等に応じてEEPROM16のデータを書き換えることにより任意に変更することができる。
【0044】
図3は、省電力移行シーケンスを示す処理フローチャートである。この省電力移行シーケンスは、待機モードからの割り込みルーチンとして実行される。なお、CPU11は、この省電力移行時に実行する各種制御プログラムやデータ(省電力制御テーブルT1)等を予めCPU11の図示しない内部メモリにそれぞれロードしておき、省電力移行時にはその内部メモリ内の情報にアクセスして制御を行う。
【0045】
CPU11は、まず、プリンタ1の待機状態において、該待機状態が一定時間継続されているか否かを判断する(ステップ100)。
ステップ100で待機状態が一定時間継続している(YES)と判断した場合、即ち、ホストコンピュータ2からの印刷データS1の受信が一定時間ない場合、CPU11は、省電力制御テーブルT1を参照して省電力移行順序を示す順序データD1が「1」に設定されているデバイス部を認識する(ステップ101)。
【0046】
次に、CPU11は、その実行順序が「1」のデバイス部に対応した省電力移行ルーチンを呼び出して実行することによりそのデバイス部を省電力モードに移行させる(ステップ102)。
【0047】
次に、CPU11は、各デバイス部の省電力移行ルーチンを全て実行したか否か、即ち、制御対象とする各デバイス部を全て省電力モードに移行させたか否かを判断する(ステップ103)。
【0048】
ステップ103で全て実行した(YES)と判断した場合、CPU11は、本ルーチンを終了する。一方、ステップ103で全て実行していない(NO)と判断した場合、CPU11は処理をステップ101に戻し、省電力制御テーブルT1を再度参照して実行順序が次に設定されているデバイス部を認識する。そして、前記同様、そのデバイス部に対応した省電力移行ルーチンを読み出して実行する。
【0049】
このようにして、CPU11は、制御対象とする各デバイス部(本実施の形態においては各デバイス部(A)〜(N))の省電力移行ルーチンを全て実行するまで、換言すれば、CPU11を最後に省電力モードに移行させるまでステップ101〜ステップ103を繰り返し行う。これにより、各デバイス部をそれぞれの省電力モードへと移行させる。
【0050】
図4は、省電力復帰シーケンスを示す処理フローチャートである。この省電力復帰シーケンスは、省電力モードからの割り込みルーチンとして実行される。なお、CPU11は、この省電力復帰時に実行する各種制御プログラムやデータ(省電力制御テーブルT1)等を予めCPU11の図示しない内部メモリにそれぞれロードしておき、省電力復帰時にはその内部メモリ内の情報にアクセスして制御を行う。
【0051】
CPU11は、まずプリンタ1の省電力状態において、ホストコンピュータ2から印刷データS1の受信が有るか否かを判断する(ステップ200)。
ステップ200で印刷データS1の受信あり(YES)と判断した場合は、CPU11は、省電力制御テーブルT1を参照して省電力復帰順序を示す順序データD2が「1」に設定されているデバイス部(本実施の形態においてはCPU11)を認識する(ステップ201)。
【0052】
次に、CPU11は、その実行順序が「1」のデバイス部(=CPU11)に対応した省電力復帰ルーチンを呼び出して実行することによりそのデバイス部を省電力モードから復帰させる(ステップ202)。
【0053】
次に、CPU11は、各デバイス部の省電力復帰ルーチンを全て実行したか否か、即ち制御対象とする各デバイス部を全て省電力モードから復帰させたか否かを判断する(ステップ203)。
【0054】
ステップ203で全て実行した(YES)と判断した場合、CPU11は、本ルーチンを終了する。一方、ステップ203で全て実行していない(NO)と判断した場合、CPU11は処理をステップ201に戻し、省電力制御テーブルT1を再度参照して実行順序が次に設定されているデバイス部を認識する。そして、そのデバイス部に対応した省電力復帰ルーチンを読み出して実行する。
【0055】
このようにして、CPU11は、制御対象とする各デバイス部(本実施の形態においては各デバイス部(A)〜(N))の省電力復帰ルーチンを全て実行するまで、ステップ201〜ステップ203を繰り返し行う。これにより、各デバイス部をそれぞれの省電力モードから復帰させる。
【0056】
以上記述したように、本実施の形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)CPU11は、省電力制御テーブルT1に設定された順序(省電力移行及び復帰順序)に従って各デバイス部(A)〜(N)毎に各々定義化された省電力制御ルーチン(省電力移行及び復帰ルーチン)を順次呼び出して実行する。このような構成では、省電力移行及び復帰のシーケンスプログラムを各々1つずつ備えるだけで、各デバイス部(A)〜(N)の移行及び復帰順序を省電力制御テーブルT1により任意に設定することができる。これにより、複数の機種間で搭載されるデバイス部が異なる等の設計変更がある場合にも、省電力制御テーブルT1の設定を書き換えるのみで、プログラムの書き換えを行わずともシーケンスの変更を容易に行うことができる。
【0057】
(2)各デバイス部(A)〜(N)の省電力移行・復帰の順序をCPU11によるアクセス度に基づいて設定し、該CPU11の省電力移行順序を各デバイス部よりも後に設定し、省電力復帰順序を各デバイス部よりも前に設定するようにした。こうすることで、システム全体の省電力移行・復帰処理を最適化することができる。
【0058】
(3)画像処理プロセッサとして搭載するDSP25の省電力移行順序をCPU11よりも前に設定し、省電力復帰順序をCPU11よりも後に設定するようにした。こうすることで、システム全体の省電力移行・復帰処理を最適化することができる。
【0059】
(4)省電力制御テーブルT1を書き換え可能な不揮発性メモリであるEEPROM16に格納するようにした。こうすることで、設計変更がある場合にも、その変更に対応した内容(順序)に任意に書き換えることができる。
【0060】
なお、上記実施の形態は、以下の変形例の態様で実施してもよい。
(変形例1)省電力制御テーブルT1に設定するデータとしては、必ずしも順序データD1,D2のみに限定されない。例えば、省電力制御テーブルT1に登録するデバイス部の種類を一定種類に固定した場合、機種に応じては未搭載のデバイス部が存在することが考えられる。その場合には、未搭載のデバイス部に対応するデータ欄にスキップデータとして例えば「0」を設定し、省電力制御テーブルT1からこのスキップデータを読み出した時には、そのデバイス部(未搭載)の省電力制御ルーチンをスキップするといったような態様を採用してもよい。
【0061】
(変形例2)省電力制御テーブルT1を格納する書き換え可能な不揮発性メモリとしてはEEPROM16に限定されない。
(変形例3)ホストコンピュータ2から印刷データS1を受信して印刷する態様に限定されない。メモリカードやCD-R,DVD-R等の可搬型記録媒体に記録された画像データを印刷データS1として入力して印刷を行う態様でもよい。デジタルカメラ等に保存された画像データを印刷データS1として入力する態様でもよい。
【0062】
(変形例4)DSP25を外付けプロセッサの態様としたが、ASIC12内に、専用のハードウェアとして備えてもよい。なお、印刷コントローラ3内のハードウェア構成の単位はその他任意に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】プリンタ(印刷装置)の全体構成を示すブロック図。
【図2】省電力制御テーブルを示す説明図。
【図3】省電力移行シーケンスを示す処理フローチャート。
【図4】省電力復帰シーケンスを示す処理フローチャート。
【符号の説明】
【0064】
T1:省電力制御テーブル、D1,D2:順序データ、1:プリンタ(印刷装置)、3:印刷コントローラ、4:印刷エンジン、11:CPU(省電力制御手段)、15:プログラムROM、16:EEPROM(書き換え可能な不揮発性メモリ)、25:DSP(画像処理プロセッサ)。




 

 


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