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発明の名称 画像印刷装置の調整方法および製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−76029(P2007−76029A)
公開日 平成19年3月29日(2007.3.29)
出願番号 特願2005−263452(P2005−263452)
出願日 平成17年9月12日(2005.9.12)
代理人 【識別番号】100095728
【弁理士】
【氏名又は名称】上柳 雅誉
発明者 五味 二夫
要約 課題
集束性レンズアレイの物体距離と像面距離の少なくとも一方を調整して、実際に得られる印刷品質を確実に向上させることが可能な画像印刷装置の調整方法を提供する。

解決手段
電子写真方式を利用しており、発光パネル10からの光を集束性レンズアレイ40で感光体ドラム110に結像する画像印刷装置1を調整する方法で、画像印刷装置1により顕像を形成する工程と、集束性レンズアレイ40と感光体ドラム110の間隔ならびに発光パネル10と集束性レンズアレイ40の間隔の少なくとも一方を変位させる工程とを繰り返す。そして、繰り返す工程で得られた顕像の品質の評価に基づいて、集束性レンズアレイ40と感光体ドラム110の間隔ならびに発光パネル10と集束性レンズアレイ40の間隔の少なくとも一方を調整する。
特許請求の範囲
【請求項1】
像担持体と、
前記像担持体を帯電する帯電器と、
与えられた電気エネルギにより発光特性または光の透過特性が変化する複数の電気光学素子が配列された電気光学パネルと、
前記電気光学パネルから進行する光を透過させて前記電気光学パネル上の像に対する正立像を前記像担持体に結像可能な屈折率分布型レンズが複数配列されて、複数の前記屈折率分布型レンズで得られた像が1つの連続した像を構成するようにして、前記像担持体の帯電された面に潜像を形成する集束性レンズアレイと、
前記潜像にトナーを付着させることにより前記像担持体に顕像を形成する現像器と、
前記像担持体から前記顕像を他の物体に転写する転写器とを備える画像印刷装置の調整方法であって、
前記画像印刷装置により顕像を形成する工程と、
前記集束性レンズアレイと前記像担持体の間隔ならびに前記電気光学パネルと前記集束性レンズアレイの間隔の少なくとも一方を変位させる工程と、
前記顕像を形成する工程と前記変位させる工程を繰り返す工程と、
前記繰り返す工程で得られた顕像の品質の評価に基づいて、前記集束性レンズアレイと前記像担持体の間隔ならびに前記電気光学パネルと前記集束性レンズアレイの間隔の少なくとも一方を調整する工程とを有する画像印刷装置の調整方法。
【請求項2】
像担持体と、
前記像担持体を帯電する帯電器と、
与えられた電気エネルギにより発光特性または光の透過特性が変化する複数の電気光学素子が配列された電気光学パネルと、
前記電気光学パネルから進行する光を透過させて前記電気光学パネル上の像に対する正立像を前記像担持体に結像可能な屈折率分布型レンズが複数配列されて、複数の前記屈折率分布型レンズで得られた像が1つの連続した像を構成するようにして、前記像担持体の帯電された面に潜像を形成する集束性レンズアレイと、
前記潜像にトナーを付着させることにより前記像担持体に顕像を形成する現像器と、
前記像担持体から前記顕像を他の物体に転写する転写器とを備える画像印刷装置の製造方法であって、
少なくとも顕像の印刷が可能なように前記画像印刷装置を組み立てる工程と、
前記画像印刷装置により顕像を形成する工程と、
前記集束性レンズアレイと前記像担持体の間隔ならびに前記電気光学パネルと前記集束性レンズアレイの間隔の少なくとも一方を変位させる工程と、
前記顕像を形成する工程と前記変位させる工程を繰り返す工程と、
前記繰り返す工程で得られた顕像の品質の評価に基づいて、前記集束性レンズアレイと前記像担持体の間隔ならびに前記電気光学パネルと前記集束性レンズアレイの間隔の少なくとも一方を調整する工程とを有する画像印刷装置の製造方法。
【請求項3】
像担持体と、
前記像担持体を帯電する帯電器と、
与えられた電気エネルギにより発光特性または光の透過特性が変化する複数の電気光学素子が配列された電気光学パネルと、
前記電気光学パネルから進行する光を透過させて前記電気光学パネル上の像に対する正立像を前記像担持体に結像可能な屈折率分布型レンズが複数配列されて、複数の前記屈折率分布型レンズで得られた像が1つの連続した像を構成するようにして、前記像担持体の帯電された面に潜像を形成する集束性レンズアレイと、
前記潜像にトナーを付着させることにより前記像担持体に顕像を形成する現像器と、
前記像担持体から前記顕像を他の物体に転写する転写器とを備える画像印刷装置の製造方法であって、
前記画像印刷装置と同型の第2の像担持体と第2の現像器と第2の転写器を備える第2の画像印刷装置に、前記電気光学パネルおよび前記集束性レンズアレイを配置する工程と、
前記第2の画像印刷装置により顕像を形成する工程と、
前記集束性レンズアレイと前記第2の像担持体の間隔ならびに前記電気光学パネルと前記集束性レンズアレイの間隔の少なくとも一方を変位させる工程と、
前記顕像を形成する工程と前記変位させる工程を繰り返す工程と、
前記繰り返す工程で得られた前記顕像の品質に基づいて、前記集束性レンズアレイと前記第2の像担持体の間隔ならびに前記電気光学パネルと前記集束性レンズアレイの間隔の少なくとも一方を調整する工程と、
前記電気光学パネルと前記集束性レンズアレイの間隔を維持するように、前記画像印刷装置に前記電気光学パネルと前記集束性レンズアレイを配置する工程とを有する画像印刷装置の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式の画像印刷装置、特に、発光素子またはライトバルブ素子のような電気光学素子が配列された電気光学パネルで潜像を書き込む画像印刷装置の調整方法および製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像印刷装置の像担持体(例えば感光体ドラム)に静電潜像を書き込むために、例えばエレクトロルミネセント素子(以下、「EL素子」と呼ぶ)のアレイパネルまたは液晶パネルのような電気光学パネルを使用する技術が開発されている。このような技術では、一般的に、電気光学パネルと像担持体の間に集束性レンズアレイが配置される(例えば、特許文献1〜特許文献4)。集束性レンズアレイとしては、例えば日本板硝子株式会社から入手可能なSLA(セルフォック・レンズ・アレイ)がある(セルフォック\SELFOCは日本板硝子株式会社の登録商標)。
【0003】
このような画像印刷装置では、電気光学パネルと集束性レンズアレイとの距離(物体距離)および集束性レンズアレイと像担持体の感光面との距離(像面距離)が、感光面における像の解像度、ひいては印刷品質に大きな影響を与える。そのため、集束性レンズアレイの物体距離および像面距離を調整する技術が提案されている。例えば特許文献1〜3の各々には、像面距離を調整する機構が開示されている。一般的にこれらの調整方法では、測定された距離が設計値に一致するように距離を調整したり、すでに固定された像面距離の測定値に測定された物体距離が一致するように物体距離を調整したりする。また、特許文献4には、所定の物体距離が得られるように、露光器と集束性レンズアレイを基準位置に配置する技術が開示されている。
【0004】
特許文献5には、像面距離を調整する機構と物体距離を調整する機構が開示されている。また、特許文献5では、集束性レンズアレイを通した発光素子の像をカメラで撮影し、発光素子にカメラのピントが合って発光素子の撮影像が明瞭になるように、発光素子に相対する集束性レンズアレイの位置を調整する方法が開示されている。
【0005】
【特許文献1】特許第3178623号
【特許文献2】特許第2944090号
【特許文献3】特許第2620639号
【特許文献4】特許第2625702号
【特許文献5】特開平1−301269号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、測定された距離が所定値に一致するように距離を調整する方法については、誤差のない距離の測定は非常に困難である。また、集束性レンズアレイには製造バラツキがあるため、物体距離または像面距離を所定値に一致させることが必ずしも実際の集束性レンズアレイを用いた場合の解像度の向上にはつながらない。
【0007】
さらには、集束性レンズアレイの物体距離の理想値つまり設計値と、像面距離の理想値つまり設計値は、互いに等しいことが一般的であるが、おそらくは製造のバラツキにより、これらが相違することがありうる。また、電気光学パネルの発光波長もしくは透過波長の特性またはパネル内の層の屈折によっては、物体距離と像面距離を等しくすることが必ずしも解像度の向上につながらないことがある。
【0008】
特許文献5の調整方法では、集束性レンズを通した発光素子にカメラのピントが合ったとしても、この後には、発光パネルと集束性レンズアレイを、像担持体に組み合わせる工程が必要である。この工程での取り付けのバラツキや、像担持体に対する集束性レンズアレイの位置合わせジグの製造バラツキがあるために、高い解像度を得ることができるとは限らない。
【0009】
そこで、本発明は、集束性レンズアレイの物体距離と像面距離の少なくとも一方を調整して、実際に得られる印刷品質を確実に向上させることが可能な画像印刷装置の調整方法および製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る画像印刷装置の調整方法は、像担持体と、前記像担持体を帯電する帯電器と、与えられた電気エネルギにより発光特性または光の透過特性が変化する複数の電気光学素子が配列された電気光学パネルと、前記電気光学パネルから進行する光を透過させて前記電気光学パネル上の像に対する正立像を前記像担持体に結像可能な屈折率分布型レンズが複数配列されて、複数の前記屈折率分布型レンズで得られた像が1つの連続した像を構成するようにして、前記像担持体の帯電された面に潜像を形成する集束性レンズアレイと、前記潜像にトナーを付着させることにより前記像担持体に顕像を形成する現像器と、前記像担持体から前記顕像を他の物体に転写する転写器とを備える画像印刷装置の調整方法であって、前記画像印刷装置により顕像を形成する工程と、前記集束性レンズアレイと前記像担持体の間隔ならびに前記電気光学パネルと前記集束性レンズアレイの間隔の少なくとも一方を変位させる工程と、前記顕像を形成する工程と前記変位させる工程を繰り返す工程と、前記繰り返す工程で得られた顕像の品質の評価に基づいて、前記集束性レンズアレイと前記像担持体の間隔ならびに前記電気光学パネルと前記集束性レンズアレイの間隔の少なくとも一方を調整する工程とを有する。
【0011】
この調整方法によれば、実際に形成される顕像の品質に基づいて、集束性レンズアレイと像担持体の間隔ならびに電気光学パネルと集束性レンズアレイの間隔の少なくとも一方を調整するので、調整の精度を高めることが可能であり、また実際に得られる印刷品質を確実に向上させることが可能である。
【0012】
本発明に係る画像印刷装置の製造方法は、像担持体と、前記像担持体を帯電する帯電器と、与えられた電気エネルギにより発光特性または光の透過特性が変化する複数の電気光学素子が配列された電気光学パネルと、前記電気光学パネルから進行する光を透過させて前記電気光学パネル上の像に対する正立像を前記像担持体に結像可能な屈折率分布型レンズが複数配列されて、複数の前記屈折率分布型レンズで得られた像が1つの連続した像を構成するようにして、前記像担持体の帯電された面に潜像を形成する集束性レンズアレイと、前記潜像にトナーを付着させることにより前記像担持体に顕像を形成する現像器と、前記像担持体から前記顕像を他の物体に転写する転写器とを備える画像印刷装置の製造方法であって、少なくとも顕像の印刷が可能なように前記画像印刷装置を組み立てる工程と、前記画像印刷装置により顕像を形成する工程と、前記集束性レンズアレイと前記像担持体の間隔ならびに前記電気光学パネルと前記集束性レンズアレイの間隔の少なくとも一方を変位させる工程と、前記顕像を形成する工程と前記変位させる工程を繰り返す工程と、前記繰り返す工程で得られた顕像の品質の評価に基づいて、前記集束性レンズアレイと前記像担持体の間隔ならびに前記電気光学パネルと前記集束性レンズアレイの間隔の少なくとも一方を調整する工程とを有する。
【0013】
この製造方法によれば、実際に形成される顕像の品質に基づいて、集束性レンズアレイと像担持体の間隔ならびに電気光学パネルと集束性レンズアレイの間隔の少なくとも一方を調整するので、調整の精度を高めることが可能であり、また実際に得られる印刷品質を確実に向上させることが可能である。
【0014】
本発明に係る画像印刷装置の他の製造方法は、像担持体と、前記像担持体を帯電する帯電器と、与えられた電気エネルギにより発光特性または光の透過特性が変化する複数の電気光学素子が配列された電気光学パネルと、前記電気光学パネルから進行する光を透過させて前記電気光学パネル上の像に対する正立像を前記像担持体に結像可能な屈折率分布型レンズが複数配列されて、複数の前記屈折率分布型レンズで得られた像が1つの連続した像を構成するようにして、前記像担持体の帯電された面に潜像を形成する集束性レンズアレイと、前記潜像にトナーを付着させることにより前記像担持体に顕像を形成する現像器と、前記像担持体から前記顕像を他の物体に転写する転写器とを備える画像印刷装置の製造方法であって、前記画像印刷装置と同型の第2の像担持体と第2の現像器と第2の転写器を備える第2の画像印刷装置に、前記電気光学パネルおよび前記集束性レンズアレイを配置する工程と、前記第2の画像印刷装置により顕像を形成する工程と、前記集束性レンズアレイと前記第2の像担持体の間隔ならびに前記電気光学パネルと前記集束性レンズアレイの間隔の少なくとも一方を変位させる工程と、前記顕像を形成する工程と前記変位させる工程を繰り返す工程と、前記繰り返す工程で得られた前記顕像の品質に基づいて、前記集束性レンズアレイと前記第2の像担持体の間隔ならびに前記電気光学パネルと前記集束性レンズアレイの間隔の少なくとも一方を調整する工程と、前記電気光学パネルと前記集束性レンズアレイの間隔を維持するように、前記画像印刷装置に前記電気光学パネルと前記集束性レンズアレイを配置する工程とを有する。
【0015】
この第2の画像印刷装置を使用する「製造方法」は、製造対象の画像印刷装置の最初の製造のための方法でもよいし、製造後の修理方法すなわち再生産方法でもよい。この製造方法によれば、第2の画像印刷装置すなわち調整用の画像印刷装置で実際に形成される顕像の品質に基づいて、集束性レンズアレイと第2の像担持体の間隔ならびに電気光学パネルと集束性レンズアレイの間隔の少なくとも一方を調整する。この後に、製造対象の画像印刷装置に、電気光学パネルおよび集束性レンズアレイを配置する。第2の画像印刷装置は製造対象の画像印刷装置と同型であるので、第2の画像印刷装置での第2の像担持体の位置は、製造対象の画像印刷装置での像担持体の位置とほぼ同じであり、第2の画像印刷装置で集束性レンズアレイと第2の像担持体の間隔を調整した場合には、製造対象の画像印刷装置での集束性レンズアレイと像担持体の間隔も好ましい状態である。また、製造対象の画像印刷装置に電気光学パネルと集束性レンズアレイを配置する工程では、電気光学パネルと集束性レンズアレイの間隔を維持するので、第2の画像印刷装置で電気光学パネルと集束性レンズアレイの間隔を調整した場合には、製造対象の画像印刷装置でも電気光学パネルと集束性レンズアレイの間隔は好ましい状態である。従って、調整の精度を高めることが可能であり、また実際に得られる印刷品質を確実に向上させることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、添付の図面を参照しながら本発明に係る様々な実施の形態を説明する。これらの図面においては、各部の寸法の比率は実際のものとは適宜に異ならせてある。
【0017】
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る画像印刷装置1の概略を示す正面図であり、図2は図1のII−II線矢視断面図である。図に例示された画像印刷装置1は、電子写真方式を利用しており、像担持体(例えば図2に示すように感光体ドラム110)を有する。感光体ドラム110は、画像印刷装置の筐体に固定された軸受13により支持されている軸12を中心として回転する。
【0018】
また、画像印刷装置1は、感光体ドラム110に潜像を書き込むためのライン型の光ヘッドとしての発光パネル(電気光学パネル)10と、発光パネル20に重ねられた集束性レンズアレイ40を有する。発光パネル10では、複数の有機EL素子(電気光学素子)が同一平面上に配列されている。集束性レンズアレイ40は、EL素子アレイが設けられた発光パネル10と感光体ドラム110の間に配置されている。発光パネル10の有機EL素子アレイからの光は、集束性レンズアレイ40の複数の屈折率分布型レンズを透過し、感光体ドラム110に到達し、帯電器で帯電された感光体ドラム110の表面に潜像を形成する。
【0019】
図1には示されていないが、画像印刷装置の全体構成の欄で後述するように、画像印刷装置1には、電子写真方式の印刷を実現するための各種の部品が設けられている。これらの部品としては、感光体ドラム110を帯電する帯電器、発光パネル10から発せられて集束性レンズアレイ40を透過した光により形成された潜像にトナーを付着させることにより感光体ドラム110に顕像を形成する現像器、感光体ドラム110から顕像を他の物体、例えば紙のシートまたは中間転写ベルトに転写する転写器、紙のシートに顕像を定着させる定着器がある。
【0020】
図3に示すように、集束性レンズアレイ40は、複数の屈折率分布型レンズ42を有する。屈折率分布型レンズ42の各々は、中心軸すなわち光軸での屈折率が低く、中心軸から離れるほど屈折率が高くなるように形成されたグレーデッドインデックス光ファイバであり、発光パネル10から進行する光を透過させて発光パネル10上の像に対する正立像を感光体ドラム110に結像可能である。これらの複数の屈折率分布型レンズ42で得られた像は感光体ドラム110上で1つの連続した像を構成する。集束性レンズアレイ40の具体例には、例えば日本板硝子株式会社から入手可能なSLA(セルフォック・レンズ・アレイ)がある
【0021】
図4はこの画像印刷装置における集束性レンズアレイ40と発光パネル10を示す平面図である。図4に示すように、屈折率分布型レンズ42は、二列かつ千鳥状のパターンで配列されており、集束性レンズアレイ40の筐体に固定されている。これらの屈折率分布型レンズ42は、発光パネル10のEL素子が設けられた領域に重なっている。屈折率分布型レンズ42の配列パターンは図示の形態に限定されず、単列または三列以上でもよいし他の適切なパターンで配列されていてもよい。
【0022】
図1および図2に示すように、集束性レンズアレイ40はレンズアレイ支持体44に包囲された状態でレンズアレイ支持体44に支持されている。また発光パネル10はフレーム22の底部に固定されている。図1では省略するが、フレーム22は、底部から感光体ドラム110側に向けて延びる側壁を有する。集束性レンズアレイ40はレンズアレイ支持体44とともに、発光パネル10の側壁に挟まれており、発光パネル10から集束性レンズアレイ40までの光路に外部の光が入ることが側壁により防止されている。
【0023】
このような集束性レンズアレイ40の設計上の光学寸法として、共役距離TC(物体・像面間距離)、物体距離L0および像面距離L1がある。物体距離L0は、集束性レンズアレイ40の光の入射面と発光パネル10(より正確には発光パネル10の発光位置)の間の距離であり、像面距離L1は、集束性レンズアレイ40の光の出射面と感光体ドラム110の感光面の間の距離である。共役距離TCは、発光パネル10(より正確には発光パネル10の発光位置)と感光体ドラム110の感光面の間の距離である。
【0024】
これらの光学寸法の設計上の理想値の関係を集束性レンズアレイの長さZを用いて表すと、式(1)および式(2)の通りである。
TC=L0+Z+L1 ...(1)
L0=L1 ...(2)
【0025】
これらの光学寸法TC,L0,L1は設計上定まっており、設計上は像面距離L1および物体距離L0は等しい。しかし、集束性レンズアレイには製造バラツキがあるため、この実施の形態には、個別の集束性レンズアレイごとに物体距離L0を調整する調整機構および像面距離L1を調整する調整機構が設けられている。これらの調整機構としては、この実施の形態では調整ネジ52,54が用いられている。但し、ネジに限らず、ギアやカム等の他の公知の機構を用いてもよい。これらの調整ネジ52,54は、感光体ドラム110の両端の軸受13の付近に設けられている。
【0026】
像面距離L1の調整機構としての第1の調整ネジ52は、レンズアレイ支持体44に形成されたメネジに嵌め合わせられている。第1の調整ネジ52の先端面は、球の一部のような湾曲面として形成されており、この面は、軸受13に固定された突き当て板14に接触する。図示しないが、レンズアレイ支持体44は、バネまたはその他の適切な弾性体から形成された押し付け部材により、感光体ドラム110側に押し付けられており、これにより第1の調整ネジ52の球状の先端面は常に突き当て板14に接触する。従って、第1の調整ネジ52を回転させれば、集束性レンズアレイ40に相対して感光体ドラム110が移動し、像面距離L1が変位する。
【0027】
物体距離L0の調整機構としての第2の調整ネジ54は、フレーム22に形成されたメネジに嵌め合わせられている。第2の調整ネジ52の一方の先端面も、球の一部のような湾曲面として形成されており、この面は、レンズアレイ支持体44に固定された突き当て板46に接触する。また、図示しないが、発光パネル10が固定されたフレーム22も、バネまたはその他の適切な弾性体から形成された押し付け部材により、集束性レンズアレイ40側に押し付けられており、これにより第2の調整ネジ54の球状の先端面は常に突き当て板46に接触する。従って、第2の調整ネジ54を回転させれば、発光パネル10に相対して集束性レンズアレイ40が移動し、物体距離L0が変位する。
【0028】
次に、本発明の第1の実施の形態に係る画像印刷装置の調整方法を説明する。まず、感光体ドラム110の回転軸線と、集束性レンズアレイ40と、発光パネル10が互いに平行になるように、調整ネジ52,54を回転させる。
【0029】
次に、実際に顕像を形成する。具体的には、図5に示す印刷評価パターンP1〜P9を例えば紙などのシートに印刷する。9つの印刷評価パターンP1〜P9の各々は、他のパターンとは異なる階調を有し、数mmの幅を有するバーである。印刷評価パターンP1は白ではなく、印刷評価パターンP1〜P9のうち最も明るい顕像である。印刷評価パターンP9は印刷評価パターンP1〜P9のうち最も暗い顕像であり、印刷評価パターンP5は印刷評価パターンP1〜P9のうち中間の明るさの顕像である。図示しないが印刷評価パターンP2〜P4は、印刷評価パターンP1とP5の間の明るさを有し、印刷評価パターンP6〜P8は、印刷評価パターンP5とP9の間の明るさを有する。
【0030】
図6は、図5に示す印刷評価パターンP1〜P9を構成する印刷評価パターンブロックを示す。図6の印刷評価パターンブロックPb1〜Pb9の各々は9つの有機EL素子の集合に対応する。発光パネル10で発光した有機EL素子は、感光体ドラム110で潜像のドットを形成し、このドットにトナーが付着して顕像のドットが形成される。従って、9つの有機EL素子のうち発光する有機EL素子の個数が異なることにより、印刷される顕像のドット数も異なるので、図示の9つの印刷評価パターンブロックPb1〜Pb9が実現される。図5の印刷評価パターンP1〜P9の各々は、同じ印刷評価パターンブロックの集合である。例えば、最も明るい印刷評価パターンP1は多数の印刷評価パターンブロックPb1の集合であり、最も暗い印刷評価パターンP9は多数の印刷評価パターンブロックPb9の集合である。
【0031】
図6の例では、縦が3、横が3の9個の有機EL素子により9つの印刷評価パターンブロックPb1〜Pb9が得られるので、9階調の印刷評価パターンが実現される。但し、他の数の有機EL素子により印刷評価パターンブロックを得てもよい。例えば、縦が4、横が4の16個の有機EL素子により得られる印刷評価パターンブロックを使用すれば、16階調の印刷評価パターンが実現できる。
【0032】
次に、実際に印刷した印刷評価パターンP1〜P9の各々の濃度を測定し、測定結果から図7に例示するグラフ中に測定結果をプロットする。例えば、図7の線Bはこのときの測定結果を示すと仮定する。
【0033】
さらに、像面距離L1(集束性レンズアレイ40と感光体ドラム110の間隔)ならびに物体距離L0(前記電気光学パネルと前記集束性レンズアレイの間隔)の少なくとも一方を一定量変位させる。上記の説明より明らかなように、像面距離L1を一定量変位させるには、すべての第1の調整ネジ52を一定の回転角度で回転させればよいし、物体距離L0を一定量変位させるには、すべての第2の調整ネジ54を一定の回転角度で回転させればよい。調整機構の操作すなわち調整ネジ52,54の回転は、手動で行ってもよいし、図示しないモータで行ってもよい。
【0034】
この後、上記と同様に、別のシートに印刷評価パターンP1〜P9を印刷し、今回印刷した印刷評価パターンP1〜P9の各々の濃度を測定し、測定結果から図7に例示するグラフ中に測定結果をプロットする。例えば、図7の線Cはこのときの測定結果を示すと仮定する。さらに、像面距離L1と物体距離L0の少なくとも一方を一定量変位させ、別のシートに印刷評価パターンP1〜P9を印刷し、今回印刷した印刷評価パターンP1〜P9の各々の濃度を測定し、測定結果から図7に例示するグラフ中に測定結果をプロットすることを繰り返す。
【0035】
図7において、線Aは、印刷評価パターンP1〜P9に対する理想的な印刷濃度を示す。印刷評価パターンP1〜P9の各々は、その符号の添え字(例えばP5なら5)に比例する個数の顕像のドットを有するので、線Aで
示される理想的な印刷濃度も印刷評価パターンP1〜P9の符号の添え字に比例する。しかし、実際の印刷においては、図8に示すように、像面距離L1と物体距離L0の少なくとも一方が不適切であれば、ピントずれにより感光体ドラム110上の潜像の各ドットひいては最終的に得られる顕像の各ドットの面積が大きくなる。従って、実際に印刷した印刷評価パターンP1〜P9の濃度の測定結果は、線B,Cのように、線Aで示す理想濃度よりも高い。
【0036】
以上から明らかなように、上記の複数回の印刷濃度測定結果のうち、理想的な線Aに最も近い線に対応する測定結果がより好ましい。例えば、線Cの測定結果は線Bの測定結果よりも良好である。この観点から印刷濃度測定結果を評価し、最適な像面距離L1と物体距離L0を選択する。但し、距離L1,L0は測定する必要がないので、距離L1,L0を選択する代わりに、調整ネジ52,54を回転すべき角度を選択すればよい。そして、この選択に基づいて、調整ネジ52,54の少なくとも一方を回転させて、像面距離L1と物体距離L0の少なくとも一方を調整する。このように調整した後に、調整ネジ52,54とは別の固定機構により、軸受13、レンズアレイ支持体44およびフレーム22を固定して、像面距離L1と物体距離L0を維持させてもよい。
【0037】
この実施の形態では、顕像の品質の評価の指標として、図5に例示する印刷評価パターンP1〜P9を使用するが、他の指標を使用してもよい。例えば、発光パネル10内の一つまたはいくつかの有機EL素子のみを発光させて得られた顕像のドットのサイズにより、顕像の品質を評価してもよい。上述した通り、実際の印刷においては、像面距離L1と物体距離L0の少なくとも一方が不適切であれば、ピントずれにより感光体ドラム110上の潜像の各ドットひいては最終的に得られる顕像の各ドットの面積が大きくなる。例えば、図9において、ドットD1,D2は、異なる像面距離L1(または物体距離L0)で、別々のシート上に印刷された顕像のドットである(図9はドットを拡大して示す)。ドットD2よりも直径が小さいドットD1の方が好ましい。この観点から顕像のドットサイズ測定結果を評価し、最適な像面距離L1と物体距離L0を選択する。そして、この選択に基づいて、調整ネジ52,54の少なくとも一方を回転させて、像面距離L1と物体距離L0の少なくとも一方を調整する。
【0038】
以上のように、この実施の形態に係る調整方法によれば、実際に形成される顕像の品質に基づいて、集束性レンズアレイと像担持体の間隔ならびに電気光学パネルと集束性レンズアレイの間隔の少なくとも一方を調整するので、個別の集束性レンズアレイ40ごとに調整の精度を高めることが可能であり、また実際に得られる印刷品質を確実に向上させることが可能である。
【0039】
以上、画像印刷装置1が完成した状態での画像印刷装置1の調整方法を述べたが、製造プロセスの段階(但し少なくとも紙のシートに顕像を形成することができる状態)でこの調整方法を利用して画像印刷装置1を製造してもよい。つまり、少なくとも顕像の印刷が可能なように画像印刷装置1を組み立てる工程の後に、この調整方法を実施して、集束性レンズアレイと像担持体の間隔ならびに電気光学パネルと集束性レンズアレイの間隔の少なくとも一方を調整し、さらに画像印刷装置1の製造のその後の工程を進めてもよい。
【0040】
<第2の実施の形態>
次に本発明の第2の実施の形態を説明する。第2の実施の形態は画像印刷装置の製造方法に関する。この製造方法では、製造対象の画像印刷装置とは異なる画像印刷装置を使用して、集束性レンズアレイ40と発光パネル10に関する像面距離L1と物体距離L0の少なくとも一方を適正化した後に、製造対象の画像印刷装置に集束性レンズアレイ40と発光パネル10を組み込む。第2の実施の形態による製造対象の画像印刷装置は、図1から図4を参照して説明した第1の実施の形態の画像形成装置1と同じ構成を有する。
【0041】
第2の実施の形態に係る画像印刷装置の製造方法では、図10(A)に示すように、まず製造対象の画像印刷装置1と同型の第2の画像印刷装置1Aを準備する。第2の画像印刷装置1Aは、製造対象の画像印刷装置1の調整のために使用される。この目的のため、第2の画像印刷装置1Aには、第2の画像印刷装置1A専用の集束性レンズアレイ40および発光パネル10を設けない。但し、第2の画像印刷装置1Aには、電子写真方式の印刷を実現するための各種の部品、例えば第2の感光体ドラム110Aが設けられている。第2の感光体ドラム110Aのほかに、電子写真方式の印刷を実現するための部品としては、図示しないが、感光体ドラム110Aを帯電する第2の帯電器、発光パネル10から発せられて集束性レンズアレイ40を透過した光により形成された潜像にトナーを付着させることにより感光体ドラム110Aに顕像を形成する第2の現像器、感光体ドラム110Aから顕像を他の物体、例えば紙のシートまたは中間転写ベルトに転写する第2の転写器、紙のシートに顕像を定着させる第2の定着器がある。
【0042】
また、フレーム22に支持された発光パネル10、レンズアレイ支持体44に支持された集束性レンズアレイ40、および調整ネジ52,54を準備し、図10(B)に示すように、これらを第2の画像印刷装置1Aに配置する。これらを配置すべき位置は、製造対象の画像印刷装置1におけるこれらの配置位置に相当する。従って、第1の調整ネジ52は、レンズアレイ支持体44に形成されたメネジに嵌め合わせられる。第1の調整ネジ52の先端面は、第2の感光体ドラム110Aの軸受13Aに固定された突き当て板14Aに接触する。図示しないが、レンズアレイ支持体44は、バネまたはその他の適切な弾性体から形成された押し付け部材により、感光体ドラム110A側に押し付けられ、これにより第1の調整ネジ52の球状の先端面は常に突き当て板14Aに接触する。従って、第1の調整ネジ52を回転させれば、集束性レンズアレイ40に相対して感光体ドラム110Aが移動し、第2の感光体ドラム110Aに関する像面距離L11(集束性レンズアレイ40の光の出射面と感光体ドラム110Aの感光面の間の距離)が変位する。
【0043】
第2の調整ネジ54は、フレーム22に形成されたメネジに嵌め合わせられる。第2の調整ネジ52の先端面は、レンズアレイ支持体44に固定された突き当て板46に接触する。また、図示しないが、発光パネル10が固定されたフレーム22も、バネまたはその他の適切な弾性体から形成された押し付け部材により、集束性レンズアレイ40側に押し付けられており、これにより第2の調整ネジ54の球状の先端面は常に突き当て板46に接触する。従って、第2の調整ネジ54を回転させれば、発光パネル10に相対して集束性レンズアレイ40が移動し、物体距離L0が変位する。第1の実施の形態に関して上述した通り、物体距離L0を調整する調整機構および像面距離L11を調整する調整機構としては、調整ネジ52,54に限らず、ギアやカム等の他の公知の機構を用いてもよい。
【0044】
図10(B)に示すように、調整ネジ52,54をセットした状態で、第2の感光体ドラム110Aの回転軸線と、集束性レンズアレイ40と、発光パネル10が互いに平行になるように、調整ネジ52,54を回転させる。
【0045】
次に、第1の実施の形態に関して上述した調整方法と同様に、実際に顕像を形成すなわち印刷する。印刷する顕像は、図5に例示する印刷評価パターンP1〜P9でもよいし、図9に示すドットでもよい。そして、実際に印刷した印刷評価パターンP1〜P9の各々の濃度またはドットの直径といった測定対象を測定する。
【0046】
この後、像面距離L11と物体距離L0の少なくとも一方を一定量変位させ、別のシートに顕像を印刷し、今回印刷した顕像の測定対象を測定することを繰り返す。この繰り返しの後、測定結果を評価し、最適な像面距離L11と物体距離L0を選択する。但し、距離L11,L0は測定する必要がないので、距離L11,L0を選択する代わりに、調整ネジ52,54を回転すべき角度を選択すればよい。そして、この選択に基づいて、調整ネジ52,54の少なくとも一方を回転させて、像面距離L11と物体距離L0の少なくとも一方を調整する。
【0047】
さらに、発光パネル10と集束性レンズアレイ40の間隔(物体距離L0)を維持するように、製造対象の画像印刷装置1に発光パネル10と集束性レンズアレイ40を移し替える。つまり、レンズアレイ支持体44を第2の感光体ドラム110A側に押し付ける押し付け部材およびフレーム22を集束性レンズアレイ40側に押し付ける押し付け部材を解除し、発光パネル10と集束性レンズアレイ40を有する光学部材セット60を図10(B)の第2の画像印刷装置1Aから取り外して、図10(A)に示す状態にする。さらに、この光学部材セット60を図1に示すように製造対象の画像印刷装置1に配置する。この光学部材セット60は、発光パネル10と集束性レンズアレイ40のほか、発光パネル10を支持するフレーム22、突き当て板46が固定されていて集束性レンズアレイ40を支持するレンズアレイ支持体44、レンズアレイ支持体44に嵌め合わせられた第1の調整ネジ52、フレーム22に嵌め合わせられた第2の調整ネジ54を有する。光学部材セット60を移動する間、調整ネジ52,54は回転させない。
【0048】
光学部材セット60を移動する間、図10(A)に示すように、集束性レンズアレイ40と発光パネル10(より正確には突き当て板46と第2の調整ネジ54)は離れていてもよい。第2の調整ネジ54を回転させなければ、発光パネル10からの第2の調整ネジ54の突出長さが第2の感光体ドラム110Aでの状態に維持される。従って、突き当て板46から第2の調整ネジ54を一時的に離しても、製造対象の画像印刷装置1にて、物体距離L0の基準となる第2の調整ネジ54の先端に突き当て板46が接触するように、発光パネル10と集束性レンズアレイ40を組み込めば、第2の画像印刷装置1Aで実現された物体距離L0が画像印刷装置1でも実現される。結果的に、光学部材セット60の移動の間、第2の調整ネジ54により物体距離L0が維持される。
【0049】
このように光学部材セット60を製造対象の画像印刷装置1に配置した場合、画像印刷装置1での感光体ドラム110と集束性レンズアレイ40の間隔(像面距離L1)は、第2の画像印刷装置1Aでの第2の感光体ドラム110Aと集束性レンズアレイ40の間隔(像面距離L11)とほぼ同じになる。第2の画像印刷装置1Aは製造対象の画像印刷装置1と同型であるので、第2の画像印刷装置1Aでの第2の感光体ドラム110Aおよび突き当て板14Aの位置は、製造対象の画像印刷装置1での感光体ドラム110および突き当て板14の位置とほぼ同じであるためである。製造対象の画像印刷装置1にて、像面距離の基準となる第1の調整ネジ52の先端に突き当て板14が接触するように、集束性レンズアレイ40を組み込めば、第2の画像印刷装置1Aで実現された像面距離L11とほぼ等しい像面距離L1が画像印刷装置1で実現される。
【0050】
例えば軸受13,13Aの製造誤差により、第2の画像印刷装置1Aでの像面距離L11と、製造対象の画像印刷装置1での像面距離L1が異なることもある。それでも、別種の調整装置(例えば特許文献5のような発光素子にカメラのピントが合うように集束性レンズアレイの位置を調整する装置)から製造対象の画像印刷装置に集束性レンズアレイを移し替える技術に比べると、この実施の形態では製造対象の画像印刷装置1と同型の調整用の第2の画像印刷装置1Aから画像印刷装置1に集束性レンズアレイ40を移動するため、像面距離L11,L1の相違はかなり小さいはずである。
【0051】
このようにして画像印刷装置1に光学部材セット60を組み込んだ後に、調整ネジ52,54とは別の固定機構により、軸受13、レンズアレイ支持体44およびフレーム22を固定して、像面距離L1と物体距離L0を維持させてもよい。
【0052】
以上のように、この実施の形態に係る製造方法によれば、第2の画像印刷装置すなわち調整用の画像印刷装置1Aで実際に形成される顕像の品質に基づいて、集束性レンズアレイ40と第2の感光体ドラム110Aの間隔ならびに発光パネル10と集束性レンズアレイ40の間隔の少なくとも一方を調整する。この後に、製造対象の画像印刷装置1に、発光パネル10および集束性レンズアレイ40を配置する。第2の画像印刷装置1Aは製造対象の画像印刷装置1と同型であるので、第2の画像印刷装置1Aでの第2の感光体ドラム110Aの位置は、製造対象の画像印刷装置1での感光体ドラム110の位置とほぼ同じであり、第2の画像印刷装置1Aで集束性レンズアレイ40と第2の感光体ドラム110Aの間隔を調整した場合には、製造対象の画像印刷装置1での集束性レンズアレイ40と感光体ドラム110の間隔も好ましい状態である。また、製造対象の画像印刷装置1に発光パネル10と集束性レンズアレイ40を配置する工程では、第2の調整ネジ54が発光パネル10と集束性レンズアレイ40の間隔を維持するので、第2の画像印刷装置1Aで発光パネル10と集束性レンズアレイ40の間隔を調整した場合には、製造対象の画像印刷装置1でも発光パネル10と集束性レンズアレイ40の間隔は好ましい状態である。従って、調整の精度を高めることが可能であり、また実際に得られる印刷品質を確実に向上させることが可能である。
【0053】
この実施の形態に係る製造方法は、画像印刷装置1の最初の製造のための方法でもよいし、製造後の修理方法すなわち再生産方法でもよい。
【0054】
<画像印刷装置の全体構成>
上述したように、本発明に係る画像印刷装置1は、電子写真方式を利用した画像印刷装置における像担持体に潜像を書き込むためのライン型の光ヘッドとして用いることが可能である。画像印刷装置の例としては、プリンタ、複写機の印刷部分およびファクシミリの印刷部分がある。
【0055】
図15は、画像印刷装置1の全体構成の一例を示す縦断面図である。この画像印刷装置は、ベルト中間転写体方式を利用したタンデム型のフルカラー画像印刷装置である。
【0056】
この画像印刷装置では、同様な構成の4個の有機ELアレイ露光ヘッド10K,10C,10M,10Yが、同様な構成である4個の感光体ドラム(像担持体)110K,110C,110M,110Yの露光位置にそれぞれ配置されている。有機ELアレイ露光ヘッド10K,10C,10M,10Yは上述した画像印刷装置10,10A,10Bのいずれかである。
【0057】
図15に示すように、この画像印刷装置には、駆動ローラ121と従動ローラ122が設けられており、これらのローラ121,122には無端の中間転写ベルト120が巻回されて、矢印に示すようにローラ121,122の周囲を回転させられる。図示しないが、中間転写ベルト120に張力を与えるテンションローラなどの張力付与手段を設けてもよい。
【0058】
この中間転写ベルト120の周囲には、互いに所定間隔をおいて4個の外周面に感光層を有する感光体ドラム110K,110C,110M,110Yが配置される。添え字K,C,M,Yはそれぞれ黒、シアン、マゼンタ、イエローの顕像を形成するために使用されることを意味している。他の部材についても同様である。感光体ドラム110K,110C,110M,110Yは、中間転写ベルト120の駆動と同期して回転駆動される。
【0059】
各感光体ドラム110(K,C,M,Y)の周囲には、コロナ帯電器111(K,C,M,Y)と、有機ELアレイ露光ヘッド10(K,C,M,Y)と、現像器114(K,C,M,Y)が配置されている。コロナ帯電器111(K,C,M,Y)は、対応する感光体ドラム110(K,C,M,Y)の外周面を一様に帯電させる。有機ELアレイ露光ヘッド10(K,C,M,Y)は、上記の発光パネル10であり、感光体ドラムの帯電させられた外周面に静電潜像を書き込む。有機ELアレイ露光ヘッド10(K,C,M,Y)と感光体ドラム110(K,C,M,Y)の間には、集束性レンズアレイ40が設けられるが、図15では集束性レンズアレイ40の図示を省略する。各有機ELアレイ露光ヘッド10(K,C,M,Y)は、上記の複数のEL素子の配列方向が感光体ドラム110(K,C,M,Y)の母線(主走査方向)に沿うように設置される。静電潜像の書き込みは、複数のEL素子により光を感光体ドラムに照射することにより行う。現像器114(K,C,M,Y)は、静電潜像に現像剤としてのトナーを付着させることにより感光体ドラムに顕像すなわち可視像を形成する。
【0060】
このような4色の単色顕像形成ステーションにより形成された黒、シアン、マゼンタ、イエローの各顕像は、中間転写ベルト120上に順次一次転写されることにより、中間転写ベルト120上で重ね合わされて、この結果フルカラーの顕像が得られる。中間転写ベルト120の内側には、4つの一次転写コロトロン(転写器)112(K,C,M,Y)が配置されている。一次転写コロトロン112(K,C,M,Y)は、感光体ドラム110(K,C,M,Y)の近傍にそれぞれ配置されており、感光体ドラム110(K,C,M,Y)から顕像を静電的に吸引することにより、感光体ドラムと一次転写コロトロンの間を通過する中間転写ベルト120に顕像を転写する。
【0061】
最終的に画像を形成する対象としてのシート102は、ピックアップローラ103によって、給紙カセット101から1枚ずつ給送されて、駆動ローラ121に接した中間転写ベルト120と二次転写ローラ126の間のニップに送られる。中間転写ベルト120上のフルカラーの顕像は、二次転写ローラ126によってシート102の片面に一括して二次転写され、定着部である定着ローラ対127を通ることでシート102上に定着される。この後、シート102は、排紙ローラ対128によって、装置上部に形成された排紙カセット上へ排出される。
【0062】
このタイプの画像印刷装置については、感光体ドラム110(K,C,M,Y)と有機ELアレイ露光ヘッド10(K,C,M,Y)の組の各々について、上記の調整方法または製造方法では、印刷された顕像を評価し、像面距離L1および物体距離L0の少なくとも一方を調整する。
【0063】
次に、本発明に係る画像印刷装置の他の実施の形態について説明する。
図16は、画像印刷装置1の全体構成の他の例の縦断面図である。この画像印刷装置は、ベルト中間転写体方式を利用したロータリ現像式のフルカラー画像印刷装置である。図16に示す画像印刷装置において、感光体ドラム(像担持体)165の周囲には、コロナ帯電器168、ロータリ式の現像ユニット161、有機ELアレイ露光ヘッド167、中間転写ベルト169が設けられている。
【0064】
コロナ帯電器168は、感光体ドラム165の外周面を一様に帯電させる。有機ELアレイ露光ヘッド167は、感光体ドラム165の帯電させられた外周面に静電潜像を書き込む。有機ELアレイ露光ヘッド167は、上述した発光パネル10であり、複数のEL素子の配列方向が感光体ドラム165の母線(主走査方向)に沿うように設置される。静電潜像の書き込みは、上記の複数のEL素子により光を感光体ドラムに照射することにより行う。有機ELアレイ露光ヘッド167と感光体ドラム165の間には、集束性レンズアレイ40が設けられるが、図16では集束性レンズアレイ40の図示を省略する。
【0065】
現像ユニット161は、4つの現像器163Y,163C,163M,163Kが90°の角間隔をおいて配置されたドラムであり、軸161aを中心にして反時計回りに回転可能である。現像器163Y,163C,163M,163Kは、それぞれイエロー、シアン、マゼンタ、黒のトナーを感光体ドラム165に供給して、静電潜像に現像剤としてのトナーを付着させることにより感光体ドラム165に顕像すなわち可視像を形成する。
【0066】
無端の中間転写ベルト169は、駆動ローラ170a、従動ローラ170b、一次転写ローラ166およびテンションローラに巻回されて、これらのローラの周囲を矢印に示す向きに回転させられる。一次転写ローラ166は、感光体ドラム165から顕像を静電的に吸引することにより、感光体ドラムと一次転写ローラ166の間を通過する中間転写ベルト169に顕像を転写する。
【0067】
具体的には、感光体ドラム165の最初の1回転で、露光ヘッド167によりイエロー(Y)像のための静電潜像が書き込まれて現像器163Yにより同色の顕像が形成され、さらに中間転写ベルト169に転写される。また、次の1回転で、露光ヘッド167によりシアン(C)像のための静電潜像が書き込まれて現像器163Cにより同色の顕像が形成され、イエローの顕像に重なり合うように中間転写ベルト169に転写される。そして、このようにして感光体ドラム9が4回転する間に、イエロー、シアン、マゼンタ、黒の顕像が中間転写ベルト169に順次重ね合わせられ、この結果フルカラーの顕像が転写ベルト169上に形成される。最終的に画像を形成する対象としてのシートの両面に画像を形成する場合には、中間転写ベルト169に表面と裏面の同色の顕像を転写し、次に中間転写ベルト169に表面と裏面の次の色の顕像を転写する形式で、フルカラーの顕像を中間転写ベルト169上で得る。
【0068】
画像印刷装置には、シートが通過させられるシート搬送路174が設けられている。シートは、給紙カセット178から、ピックアップローラ179によって1枚ずつ取り出され、搬送ローラによってシート搬送路174を進行させられ、駆動ローラ170aに接した中間転写ベルト169と二次転写ローラ171の間のニップを通過する。二次転写ローラ171は、中間転写ベルト169からフルカラーの顕像を一括して静電的に吸引することにより、シートの片面に顕像を転写する。二次転写ローラ171は、図示しないクラッチにより中間転写ベルト169に接近および離間させられるようになっている。そして、シートにフルカラーの顕像を転写する時に二次転写ローラ171は中間転写ベルト169に当接させられ、中間転写ベルト169に顕像を重ねている間は二次転写ローラ171から離される。
【0069】
上記のようにして画像が転写されたシートは定着器172に搬送され、定着器172の加熱ローラ172aと加圧ローラ172bの間を通過させられることにより、シート上の顕像が定着する。定着処理後のシートは、排紙ローラ対176に引き込まれて矢印Fの向きに進行する。両面印刷の場合には、シートの大部分が排紙ローラ対176を通過した後、排紙ローラ対176が逆方向に回転させられ、矢印Gで示すように両面印刷用搬送路175に導入される。そして、二次転写ローラ171により顕像がシートの他面に転写され、再度定着器172で定着処理が行われた後、排紙ローラ対176でシートが排出される。
【0070】
このタイプの画像印刷装置については、感光体ドラム165と露光ヘッド167について、上記の調整方法または製造方法では、印刷された顕像を評価し、像面距離L1および物体距離L0の少なくとも一方を調整する。顕像の評価は、1色の印刷された顕像の評価でもよいし、複数色の印刷された顕像の評価でもよい。
【0071】
以上、画像印刷装置1の全体構成を例示したが、他の電子写真方式の画像印刷装置にも本発明に係る画像印刷装置1を応用することが可能であり、そのような画像印刷装置は本発明の範囲内にある。例えば、中間転写ベルトを使用せずに感光体ドラムから直接シートに顕像を転写するタイプの画像印刷装置や、モノクロの画像を形成する画像印刷装置でもよいし、感光体ドラムの代わりに感光体ベルトを使用する画像印刷装置でもよい。
【0072】
<変形例>
また、上記の電気光学装置では、発光素子を有する発光パネルに集束性レンズアレイ40が取り付けられているが、多数のライトバルブ画素を有するライトバルブパネルに集束性レンズアレイを取り付けてもよい。ライトバルブ画素は、与えられる電気的エネルギにより光の透過率が変化する画素であり、例えば液晶の画素、エレクトロケミカルディスプレイの画素、電気泳動ディスプレイの画素、分散粒子配向型ディスプレイの画素が含まれる。これらは、いずれも別個の光源からの光の透過量を調整する。発光パネル10の代わりに、例えば液晶パネルのようなライトバルブパネルをマイクロレンズアレイに取り付けて、別個の光源からの光がライトバルブパネルと集束性レンズアレイを透過するようにすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像印刷装置の概略を示す正面図である。
【図2】図1のII−II線矢視断面図である。
【図3】図1の画像印刷装置で使用される集束性レンズアレイの概略を示す斜視図である。
【図4】図1の画像印刷装置における集束性レンズアレイと発光パネルを示す平面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る画像印刷装置の調整方法および製造方法で印刷品質の評価指標として使用されうる印刷評価パターンを示す図である。
【図6】図5に示す印刷評価パターンを構成する印刷評価パターンブロックを示す。
【図7】実際に印刷された印刷評価パターンの各々の濃度の測定結果を示すグラフである。
【図8】集束性レンズアレイの像面距離または物体距離と、印刷されるドットの面積の関係を示すグラフである。
【図9】本発明の実施の形態に係る画像印刷装置の調整方法および製造方法で印刷品質の評価指標として使用されうるシート上に印刷されたドットの拡大図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係る画像印刷装置の製造方法の工程を示す図である。
【図11】本発明に係る画像印刷装置の全体構成の一例を示す縦断面図である。
【図12】本発明に係る画像印刷装置の全体構成の他の一例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0074】
1 画像印刷装置、10 発光パネル(電気光学パネル)、22 フレーム、40 集束性レンズアレイ、44 レンズアレイ支持体、110 感光体ドラム(像担持体)、TC 共役距離、L0 物体距離、L1,L11 像面距離、52 第1の調整ネジ、54 第2の調整ネジ、1A 第2の画像印刷装置、110A 第2の感光体ドラム。




 

 


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