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発明の名称 画像印刷装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−76028(P2007−76028A)
公開日 平成19年3月29日(2007.3.29)
出願番号 特願2005−263451(P2005−263451)
出願日 平成17年9月12日(2005.9.12)
代理人 【識別番号】100095728
【弁理士】
【氏名又は名称】上柳 雅誉
発明者 五味 二夫
要約 課題
集束性レンズアレイの物体距離と像面距離の両方を必要に応じて簡単に調整することが可能でありながら、構造が簡単で装置の小型化に寄与することが可能な画像印刷装置を提供する。

解決手段
電子写真方式を利用した画像印刷装置に、集束性レンズアレイ40と感光体ドラム110の間隔ならびに発光パネル10と集束性レンズアレイ40の間隔を同時に調整可能な調整機構50が設けられている。調整機構50の一例では、カム56と、カム56に追従して移動すると同時に感光体ドラム110を移動させる第1のカムフォロワ62と、カム56に追従して移動すると同時に発光パネル10を移動させる第2のカムフォロワ64が設けられている。
特許請求の範囲
【請求項1】
像担持体と、
前記像担持体を帯電する帯電器と、
与えられた電気エネルギにより発光特性または光の透過特性が変化する複数の電気光学素子が配列された電気光学パネルと、
前記電気光学パネルから進行する光を透過させて前記電気光学パネル上の像に対する正立像を前記像担持体に結像可能な屈折率分布型レンズが複数配列されて、複数の前記屈折率分布型レンズで得られた像が1つの連続した像を構成するようにして、前記像担持体の帯電された面に潜像を形成する集束性レンズアレイと、
前記潜像にトナーを付着させることにより前記像担持体に顕像を形成する現像器と、
前記像担持体から前記顕像を他の物体に転写する転写器と、
前記集束性レンズアレイと前記像担持体の間隔ならびに前記電気光学パネルと前記集束性レンズアレイの間隔を同時に調整可能な調整機構とを備える画像印刷装置。
【請求項2】
前記調整機構は、前記集束性レンズアレイを支持するレンズアレイ支持体と、
前記レンズアレイ支持体に回転可能に取り付けられたカムと、
前記カムに追従して移動すると同時に前記像担持体を移動させる第1のカムフォロワと、
前記カムに追従して移動すると同時に前記電気光学パネルを移動させる第2のカムフォロワとを有することを特徴とする請求項1に記載の画像印刷装置。
【請求項3】
前記調整機構はネジ部材を有し、このネジ部材は、
前記像担持体を移動させる第1のネジ部と、
前記電気光学パネルを移動させる第2のネジ部とを有しており、
前記第1のネジ部と前記第2のネジ部は、互いに同軸に配置されているとともに、
前記第1のネジ部と前記第2のネジ部の一方は右ネジ、他方は左ネジであることを特徴とする請求項1に記載の画像印刷装置。
【請求項4】
前記調整機構を作動させたときに、集束性レンズアレイと前記像担持体の間隔の変位と、前記電気光学パネルと前記集束性レンズアレイの間隔の変位が異なることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像印刷装置。
【請求項5】
像担持体と、
前記像担持体を帯電する帯電器と、
与えられた電気エネルギにより発光特性または光の透過特性が変化する複数の電気光学素子が配列された電気光学パネルと、
前記電気光学パネルから進行する光を透過させて前記電気光学パネル上の像に対する正立像を前記像担持体に結像可能な屈折率分布型レンズが複数配列されて、複数の前記屈折率分布型レンズで得られた像が1つの連続した像を構成するようにして、前記像担持体の帯電された面に潜像を形成する集束性レンズアレイと、
前記潜像にトナーを付着させることにより前記像担持体に顕像を形成する現像器と、
前記像担持体から前記顕像を他の物体に転写する転写器と、
前記集束性レンズアレイを支持するレンズアレイ支持体と、
前記レンズアレイ支持体に回転可能に取り付けられたカムと、
前記カムに接触しているとともに、前記像担持体に対する相対位置が不変の第1のカムフォロワと、
前記カムに接触しているとともに、前記電気光学パネルに対する相対位置が不変の第2のカムフォロワとを備える画像印刷装置。
【請求項6】
像担持体と、
前記像担持体を帯電する帯電器と、
与えられた電気エネルギにより発光特性または光の透過特性が変化する複数の電気光学素子が配列された電気光学パネルと、
前記電気光学パネルから進行する光を透過させて前記電気光学パネル上の像に対する正立像を前記像担持体に結像可能な屈折率分布型レンズが複数配列されて、複数の前記屈折率分布型レンズで得られた像が1つの連続した像を構成するようにして、前記像担持体の帯電された面に潜像を形成する集束性レンズアレイと、
前記潜像にトナーを付着させることにより前記像担持体に顕像を形成する現像器と、
前記像担持体から前記顕像を他の物体に転写する転写器と、
前記集束性レンズアレイを支持するレンズアレイ支持体と、
前記像担持体に対する相対位置が不変の像担持体側移動部と、
前記電気光学パネルに対する相対位置が不変の電気光学パネル側移動部と、
前記レンズアレイ支持体に支持されているとともに、両端がそれぞれ前記像担持体側移動部と前記電気光学パネル側移動部に連結されたネジ部材とを備え、
前記ネジ部材の少なくとも一端は、前記像担持体側移動部と前記電気光学パネル側移動部の少なくとも一方にネジにより嵌め合わせられており、前記ネジ部材の回転により前記像担持体側移動部と前記電気光学パネル側移動部の少なくとも一方を前記ネジ部材の軸線方向に移動させる画像印刷装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式の画像印刷装置、特に、発光素子またはライトバルブ素子のような電気光学素子が配列された電気光学パネルで潜像を書き込む画像印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像印刷装置の像担持体(例えば感光体ドラム)に静電潜像を書き込むために、例えばエレクトロルミネセント素子(以下、「EL素子」と呼ぶ)のアレイパネルまたは液晶パネルのような電気光学パネルを使用する技術が開発されている。このような技術では、一般的に、電気光学パネルと像担持体の間に集束性レンズアレイが配置される(例えば、特許文献1〜特許文献4)。集束性レンズアレイとしては、例えば日本板硝子株式会社から入手可能なSLA(セルフォック・レンズ・アレイ)がある(セルフォック\SELFOCは日本板硝子株式会社の登録商標)。
【0003】
このような画像印刷装置では、電気光学パネルと集束性レンズアレイとの距離(物体距離)および集束性レンズアレイと像担持体の感光面との距離(像面距離)が、感光面における像の解像度、ひいては印刷品質に大きな影響を与える。しかし、集束性レンズアレイには製造バラツキがあるため、個別の集束性レンズアレイに合わせて物体距離および像面距離を調整することが普通であり、そのための技術が提案されている。例えば特許文献1〜3の各々には、像面距離を調整する機構が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特許第3178623号
【特許文献2】特許第2944090号
【特許文献3】特許第2620639号
【特許文献4】特許第2625702号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、物体距離と像面距離をそれぞれ調節する複数の機構を画像印刷装置に設けると、その構造が複雑になり小型化が難しい。また、複数の機構のそれぞれの操作が煩雑になる。
【0006】
物体距離と像面距離の一方(例えば像担持体側の像面距離)のみを調整することも考えられるが、この場合には、像の解像度がいくぶん劣ることになる。
【0007】
そこで、本発明は、集束性レンズアレイの物体距離と像面距離の両方を必要に応じて簡単に調整することが可能でありながら、構造が簡単で装置の小型化に寄与することが可能な画像印刷装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る画像印刷装置の一つの態様は、像担持体と、前記像担持体を帯電する帯電器と、与えられた電気エネルギにより発光特性または光の透過特性が変化する複数の電気光学素子が配列された電気光学パネルと、前記電気光学パネルから進行する光を透過させて前記電気光学パネル上の像に対する正立像を前記像担持体に結像可能な屈折率分布型レンズが複数配列されて、複数の前記屈折率分布型レンズで得られた像が1つの連続した像を構成するようにして、前記像担持体の帯電された面に潜像を形成する集束性レンズアレイと、前記潜像にトナーを付着させることにより前記像担持体に顕像を形成する現像器と、前記像担持体から前記顕像を他の物体に転写する転写器と、前記集束性レンズアレイと前記像担持体の間隔ならびに前記電気光学パネルと前記集束性レンズアレイの間隔を同時に調整可能な調整機構とを備える。
【0009】
ここで、「電気光学素子」とは、与えられた電気的なエネルギにより光学的特性(発光特性または光の透過特性)が変化する素子を意味する。電気的なエネルギにより光学的特性が変化する素子としては、電気的なエネルギを光学的エネルギに変換する発光素子(例えばエレクトロルミネセント発光素子、プラズマディスプレイ素子)および電気的エネルギにより光の透過率が変化するライトバルブ画素(例えば液晶の画素、電気泳動ディスプレイの画素)がある。「電気光学パネル」は、電気光学素子のアレイが設けられたパネルである。「像担持体」とは、感光体ドラムまたは感光体ベルトである。
【0010】
この構成によれば、調整機構により、集束性レンズアレイと前記像担持体の間隔ならびに前記電気光学パネルと前記集束性レンズアレイの間隔を同時に調整可能である。従って、構造が簡単で装置を小型化することが可能であり、操作も簡単である。
【0011】
前記調整機構は、前記集束性レンズアレイを支持するレンズアレイ支持体と、前記レンズアレイ支持体に回転可能に取り付けられたカムと、前記カムに追従して移動すると同時に前記像担持体を移動させる第1のカムフォロワと、前記カムに追従して移動すると同時に前記電気光学パネルを移動させる第2のカムフォロワとを有するものでよい。この調整機構では、カムの回転に伴い、第1のカムフォロワが像担持体を伴って移動し、第2のカムフォロワが電気光学パネルを伴って移動する。この調整機構によれば、構造が簡単で装置を小型化することが可能であり、操作も簡単である。
【0012】
他方、前記調整機構はネジ部材を有し、このネジ部材は、前記像担持体を移動させる第1のネジ部と、前記電気光学パネルを移動させる第2のネジ部とを有しており、前記第1のネジ部と前記第2のネジ部は、互いに同軸に配置されているとともに、前記第1のネジ部と前記第2のネジ部の一方は右ネジ、他方は左ネジであってもよい。この調整機構では、ネジ部材の回転に伴い、第1のネジ部が像担持体を移動させ、第2のカムフォロワが電気光学パネルを移動させる。この調整機構によれば、構造が簡単で装置を小型化することが可能であり、操作も簡単である。ここで、「ネジ部」はオネジでもメネジでもよい。
【0013】
前記調整機構を作動させたときに、集束性レンズアレイと前記像担持体の間隔の変位と、前記電気光学パネルと前記集束性レンズアレイの間隔の変位が異なってもよい。集束性レンズアレイの物体距離の理想値つまり設計値と、像面距離の理想値つまり設計値は、互いに等しいことが一般的であるが、おそらくは製造のバラツキにより、これらが相違することがありうる。また、電気光学パネルの発光波長もしくは透過波長の特性またはパネル内の層の屈折によっては、物体距離と像面距離を等しくすることが必ずしも解像度の向上につながらないことがある。これらの場合には、集束性レンズアレイに相対する像担持体の変位と電気光学パネルの変位を異ならせることが良好な結果をもたらす。
【0014】
本発明に係る画像印刷装置の他の一つの態様は、像担持体と、前記像担持体を帯電する帯電器と、与えられた電気エネルギにより発光特性または光の透過特性が変化する複数の電気光学素子が配列された電気光学パネルと、前記電気光学パネルから進行する光を透過させて前記電気光学パネル上の像に対する正立像を前記像担持体に結像可能な屈折率分布型レンズが複数配列されて、複数の前記屈折率分布型レンズで得られた像が1つの連続した像を構成するようにして、前記像担持体の帯電された面に潜像を形成する集束性レンズアレイと、前記潜像にトナーを付着させることにより前記像担持体に顕像を形成する現像器と、前記像担持体から前記顕像を他の物体に転写する転写器と、前記集束性レンズアレイを支持するレンズアレイ支持体と、前記レンズアレイ支持体に回転可能に取り付けられたカムと、前記カムに接触しているとともに、前記像担持体に対する相対位置が不変の第1のカムフォロワと、前記カムに接触しているとともに、前記電気光学パネルに対する相対位置が不変の第2のカムフォロワとを備える。
【0015】
この構成によれば、カムの回転に伴い、第1のカムフォロワが像担持体を伴って移動し、第2のカムフォロワが電気光学パネルを伴って移動することが可能であり、集束性レンズアレイと前記像担持体の間隔ならびに前記電気光学パネルと前記集束性レンズアレイの間隔を同時に調整可能である。従って、構造が簡単で装置を小型化することが可能であり、操作も簡単である。また、カムの形状を選択することにより、カムの回転に伴う第1のカムフォロワひいては像担持体の変位と、第2のカムフォロワひいては電気光学パネルの変位を一致させることもできるし、異ならせることもでき、さらには、像担持体と電気光学パネルの一方が静止している間に他方が移動するようにすることも可能である。
【0016】
本発明に係る画像印刷装置の他の一つの態様は、像担持体と、前記像担持体を帯電する帯電器と、与えられた電気エネルギにより発光特性または光の透過特性が変化する複数の電気光学素子が配列された電気光学パネルと、前記電気光学パネルから進行する光を透過させて前記電気光学パネル上の像に対する正立像を前記像担持体に結像可能な屈折率分布型レンズが複数配列されて、複数の前記屈折率分布型レンズで得られた像が1つの連続した像を構成するようにして、前記像担持体の帯電された面に潜像を形成する集束性レンズアレイと、前記潜像にトナーを付着させることにより前記像担持体に顕像を形成する現像器と、前記像担持体から前記顕像を他の物体に転写する転写器と、前記集束性レンズアレイを支持するレンズアレイ支持体と、前記像担持体に対する相対位置が不変の像担持体側移動部と、前記電気光学パネルに対する相対位置が不変の電気光学パネル側移動部と、前記レンズアレイ支持体に支持されているとともに、両端がそれぞれ前記像担持体側移動部と前記電気光学パネル側移動部に連結されたネジ部材とを備え、前記ネジ部材の少なくとも一端は、前記像担持体側移動部と前記電気光学パネル側移動部の少なくとも一方にネジにより嵌め合わせられており、前記ネジ部材の回転により前記像担持体側移動部と前記電気光学パネル側移動部の少なくとも一方を前記ネジ部材の軸線方向に移動させる。
【0017】
ここで「連結」とは、オネジがメネジに嵌め合わせられた状態と、単に穴に物体が挿入された状態の両方を含む。この構成によれば、ネジ部材の回転に伴い、像担持体と電気光学パネル像担持体の少なくとも一方をネジ部材の軸線方向に移動させることが可能であり、必要に応じて両方をネジ部材の軸線方向に同時に移動させることが可能である。この機構は、構造が簡単で装置を小型化することが可能であり、操作も簡単である。また、ネジ部材の形状を選択することにより、ネジ部材の回転に伴う像担持体の変位と、電気光学パネルの変位を一致させることもできるし、異ならせることもでき、さらには、像担持体と電気光学パネルの一方が静止している間に他方が移動するようにすることも可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、添付の図面を参照しながら本発明に係る様々な実施の形態を説明する。これらの図面においては、各部の寸法の比率は実際のものとは適宜に異ならせてある。
【0019】
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る画像印刷装置1の概略を示す正面図であり、図2は図1のII−II線矢視断面図である。図に例示された画像印刷装置1は、電子写真方式を利用しており、像担持体(例えば図2に示すように感光体ドラム110)を有する。感光体ドラム110は、画像印刷装置の筐体に固定された軸受13により支持されている軸12を中心として回転する。
【0020】
また、画像印刷装置1は、感光体ドラム110に潜像を書き込むためのライン型の光ヘッドとしての発光パネル(電気光学パネル)10と、発光パネル20に重ねられた集束性レンズアレイ40を有する。発光パネル10では、複数の有機EL素子(電気光学素子)が同一平面上に配列されている。集束性レンズアレイ40は、EL素子アレイが設けられた発光パネル10と感光体ドラム110の間に配置されている。発光パネル10の有機EL素子アレイからの光は、集束性レンズアレイ40の複数の屈折率分布型レンズを透過し、感光体ドラム110に到達する。
【0021】
図3に示すように、集束性レンズアレイ40は、複数の屈折率分布型レンズ42を有する。屈折率分布型レンズ42の各々は、中心軸すなわち光軸での屈折率が低く、中心軸から離れるほど屈折率が高くなるように形成されたグレーデッドインデックス光ファイバであり、発光パネル10から進行する光を透過させて発光パネル10上の像に対する正立像を感光体ドラム110に結像可能である。これらの複数の屈折率分布型レンズ42で得られた像は感光体ドラム110上で1つの連続した像を構成する。集束性レンズアレイ40の具体例には、例えば日本板硝子株式会社から入手可能なSLA(セルフォック・レンズ・アレイ)がある
【0022】
図4はこの画像印刷装置における集束性レンズアレイ40と発光パネル10を示す平面図である。図4に示すように、屈折率分布型レンズ42は、二列かつ千鳥状のパターンで配列されており、集束性レンズアレイ40の筐体に固定されている。これらの屈折率分布型レンズ42は、発光パネル10のEL素子が設けられた領域に重なっている。屈折率分布型レンズ42の配列パターンは図示の形態に限定されず、単列または三列以上でもよいし他の適切なパターンで配列されていてもよい。
【0023】
図1および図2に示すように、集束性レンズアレイ40はレンズアレイ支持体44に包囲された状態でレンズアレイ支持体44に支持されている。また発光パネル10はフレーム22の底部に固定されている。図1では省略するが、フレーム22は、底部から感光体ドラム110側に向けて延びる側壁を有する。集束性レンズアレイ40はレンズアレイ支持体44とともに、発光パネル10の側壁に挟まれており、発光パネル10から集束性レンズアレイ40までの光路に外部の光が入ることが側壁により防止されている。
【0024】
このような集束性レンズアレイ40の設計上の光学寸法として、共役距離TC(物体・像面間距離)、物体距離L0および像面距離L1がある。物体距離L0は、集束性レンズアレイ40の光の入射面と発光パネル10(より正確には発光パネル10の発光位置)の間の距離であり、像面距離L1は、集束性レンズアレイ40の光の出射面と感光体ドラム110の感光面の間の距離である。共役距離TCは、発光パネル10(より正確には発光パネル10の発光位置)と感光体ドラム110の感光面の間の距離である。
これらの光学寸法の設計上の理想値の関係を集束性レンズアレイの長さZを用いて表すと、式(1)および式(2)の通りである。
TC=L0+Z+L1 ...(1)
L0=L1 ...(2)
【0025】
これらの光学寸法TC,L0,L1は設計上定まっており、設計上は像面距離L1および物体距離L0は等しい。しかし、集束性レンズアレイには製造バラツキがあるため、この実施の形態では、個別の集束性レンズアレイに合わせて物体距離L0および像面距離L1を調整する調整機構50を有する。図1に示すように、感光体ドラム110の両端の軸受13の付近に二つの調整機構50が設けられている。
【0026】
各調整機構50は、第1のピン52と第2のピン54を有しており、これらのピンはレンズアレイ支持体44に支持されている。第1のピン52の一方の先端面は、球の一部のような湾曲面として形成されており、この面は、軸受13に固定された突き当て板14に接触する。第2のピン52の一方の先端面も、球の一部のような湾曲面として形成されており、この面は、フレーム22の底部に固定された突き当て板24に接触する。図示しないが、レンズアレイ支持体44は、バネまたはその他の適切な弾性体から形成された押し付け部材により、感光体ドラム110側に押し付けられており、これにより第1のピン52の球状の先端面は常に突き当て板14に接触する。また、図示しないが、発光パネル10が固定されたフレーム22も、バネまたはその他の適切な弾性体から形成された押し付け部材により、集束性レンズアレイ40側に押し付けられており、これにより第2のピン54の球状の先端面は常に突き当て板24に接触する。調整機構50の他の詳細は、図5およびそれ以降の図を参照して説明する。
【0027】
図5は、図1の部分Vを拡大した図であり、右側の調整機構50の詳細を示し、図6は図5の側面図である。図1の左側の調整機構50も右側の調整機構50と同じ構造である。調整機構50の各々は、レンズアレイ支持体44に回転可能に取り付けられたカム56と、カム56に接触する二つのカムフォロワ62,64を有する。カム56は板カムであり、その回転中心となる軸58の一端はレンズアレイ支持体44に取り付けられている。軸58の他端には、人間の指で操作される円板状のダイアル60が固定されており、作業者はダイアル60とともにカム56を回転させるように操作することが可能である。
【0028】
図6に示すように、カム56の輪郭は楕円形であり、その外周面には第1のカムフォロワ62と第2のカムフォロワ64が接触している。第1のカムフォロワ62は、カム56の回転に追従して、図の上下方向に移動し、第2のカムフォロワ64は、カム56の回転に追従して、第1のカムフォロワ62とは逆向きに図の上下方向に移動する。図示しないが、カムフォロワ62,64が図の上下方向に移動可能になるようにガイドを設けると好ましい。
【0029】
第1のカムフォロワ62には、感光体ドラム110側の第1のピン52が取り付けられており、第2のカムフォロワ64には発光パネル10側の第2のピン54が取り付けられている。上述の通り、感光体ドラム110の軸受13に固定された突き当て板14に第1のピン52の球状の先端面は常に接触し、発光パネル10が固定されたフレーム22に固定された突き当て板24に第2のピン54の球状の先端面は常に接触する(図1参照)。従って、第1のカムフォロワ62は感光体ドラム110に対する相対位置が不変であり、カム56の回転に追従して、図の上下方向に移動すると同時に感光体ドラム110を上下方向に移動させる。同様に、第2のピン54は発光パネル10に対する相対位置が不変であり、カム56の回転に追従して、図の上下方向に移動すると同時に発光パネル10を感光体ドラム110とは逆向きに上下方向に移動させる。
【0030】
カムフォロワ62,64は、楕円形の輪郭のカム56の回転中心軸線を挟む対称の位置に配置されているので、カム56の回転に伴うカムフォロワ62,64の変位は互いに等しい。図6に、カム56の回転に伴う第1のカムフォロワ62の最大変位ΔL1mと、第2のカムフォロワ64の最大変位ΔL0mを示す。図6から明らかなように、ΔL1m=ΔL0m>0である。このように、カム56の回転に伴う第1のカムフォロワ62ひいては感光体ドラム110の変位は、カム56の回転に伴う第2のカムフォロワ64ひいては発光パネル10の変位に等しい。従って、調整機構50を作動させたとき(カム56を回転させたとき)に、集束性レンズアレイ40と感光体ドラム110の間隔の変位と、発光パネル10と集束性レンズアレイ40の間隔の変位は等しい。
【0031】
図示しないが、調整機構50には、カム56をレンズアレイ支持体44に固定する機構が設けられている。これにより、作業者は所望の回転角度でカム56をレンズアレイ支持体44に固定して、集束性レンズアレイ40と感光体ドラム110の間隔と、発光パネル10と集束性レンズアレイ40の間隔を固定することができる。
【0032】
この構成によれば、調整機構50により、集束性レンズアレイ40と感光体ドラム110の間隔ならびに発光パネル10と集束性レンズアレイ40の間隔を同時に調整可能である。従って、構造が簡単で画像印刷装置1を小型化することが可能であり、操作も簡単である。
【0033】
図7は、第1の実施の形態の変形例の調整機構50Aを示す。調整機構50Aは、調整機構50のカム56とは異なるカム56Aを有する。カム56Aは、図8に示す半楕円66と半円68が結合した形状の輪郭を有する。半円68は円をその直径で切断した形状であり、半楕円66は、その元の円の直径と等しい長さの短軸を有する楕円を短軸で切断した形状である。カム56Aにおいて、半円68の直径と半楕円66の短軸は接しており、半円68の元の円の中心および半楕円66の元の楕円の中心を通るように軸58が配置されている。このカム56Aでは、中心の軸58から外周面までの距離が、半楕円66に相当する部分では変化するが、半円68に相当する部分では一定である。
【0034】
図7に示すように、カム56Aのうち半楕円66に相当する部分に第1のカムフォロワ62が接触し、半円68に相当する部分に第2のカムフォロワ64が接触する角度範囲でカム56Aを回転させた場合、第1のカムフォロワ62が変位するのに対して、第2のカムフォロワ64は変位しない。図7に、カム56Aの回転に伴う第1のカムフォロワ62の最大変位ΔL1maと、第2のカムフォロワ64の最大変位ΔL0maを示す。図7から明らかなように、ΔL1ma>0であるが、ΔL0ma=0である。このように、カム56Aの回転に伴い第1のカムフォロワ62ひいては感光体ドラム110は変位するが、第2のカムフォロワ64ひいては発光パネル10は変位しない。従って、調整機構50を作動させたとき(カム56Aを回転させたとき)に、発光パネル10と集束性レンズアレイ40の間隔を固定したまま、集束性レンズアレイ40と感光体ドラム110の間隔を変位させることができる。図示しないが逆に、カム56Aのうち半円68に相当する部分に第1のカムフォロワ62が接触し、半楕円66に相当する部分に第2のカムフォロワ64が接触する角度範囲でカム56Aを回転させた場合、カム56Aの回転に伴って、第1のカムフォロワ62が変位せず集束性レンズアレイ40と感光体ドラム110の間隔が固定のまま、第2のカムフォロワ64が変位して集束性レンズアレイ40と発光パネル10の間隔を変位させることができる。
【0035】
図9は、第1の実施の形態の他の変形例の調整機構50Bを示す。調整機構50Bは、さらに他の形状のカム56Bを有する。カム56Bは、図10に示す半楕円70と半楕円72が結合した形状の輪郭を有する。半楕円70は楕円をその短軸で切断した形状であり、半楕円72は、半楕円70の元の楕円の短軸と等しい長さの短軸と、半楕円70の元の楕円の長軸より短い長軸を有する楕円を短軸で切断した形状である。カム56Bにおいて、半楕円70の短軸と半楕円72の短軸は接しており、半楕円70の元の円の中心および半楕円72の元の円の中心を通るように軸58が配置されている。このカム56Bでは、中心の軸58から外周面までの距離が、半楕円70に相当する部分では大きく変化するが、半楕円72に相当する部分では小さく変化する。
【0036】
図9に示すように、カム56Bのうち半楕円70に相当する部分に第1のカムフォロワ62が接触し、半楕円72に相当する部分に第2のカムフォロワ64が接触する角度範囲でカム56Bを回転させた場合、第1のカムフォロワ62が大きく変位するのに対して、第2のカムフォロワ64は小さく変位する。図9に、カム56Bの回転に伴う第1のカムフォロワ62の最大変位ΔL1mbと、第2のカムフォロワ64の最大変位ΔL0mbを示す。図9から明らかなように、ΔL1mb>ΔL0mb>0である。このように、カム56Bの回転に伴い第1のカムフォロワ62ひいては感光体ドラム110は大きく変位するが、第2のカムフォロワ64ひいては発光パネル10は小さく変位する。従って、調整機構50を作動させたとき(カム56Bを回転させたとき)に、発光パネル10と集束性レンズアレイ40の間隔を少し変位させ、集束性レンズアレイ40と感光体ドラム110の間隔を大きく変位させることができる。図示しないが逆に、カム56Bのうち半楕円72に相当する部分に第1のカムフォロワ62が接触し、半楕円70に相当する部分に第2のカムフォロワ64が接触する角度範囲でカム56Bを回転させた場合、カム56Bの回転に伴って、第1のカムフォロワ62が小さく変位し集束性レンズアレイ40と感光体ドラム110の間隔がわずかに変位し、第2のカムフォロワ64が大きく変位して集束性レンズアレイ40と発光パネル10の間隔を大きく変位させることができる。
【0037】
上記の通り、集束性レンズアレイ40の物体距離L0の理想値つまり設計値と、像面距離L1の理想値つまり設計値は、互いに等しいことが一般的であるが、おそらくは製造のバラツキにより、これらが相違することがありうる。また、発光パネル10の発光波長もしくは透過波長の特性またはパネル内の層の屈折によっては、物体距離L0と像面距離L1を等しくすることが必ずしも解像度の向上につながらないことがある。これらの場合には、集束性レンズアレイ40に相対する感光体ドラム110の変位と発光パネル10の変位を異ならせることが良好な結果をもたらす。
【0038】
以上のように、第1の実施の形態および変形例のいずれの調整機構も、構造が簡単で画像印刷装置1を小型化することが可能であり、操作も簡単である。また、カムの形状を選択して交換することにより、第1の実施の形態を上記のいずれかの変形例に修正することも可能であるし、逆も可能であるし、図7および図8の変形例を図9および図10の変形例に修正することも可能である。よって、カムの回転に伴う第1のカムフォロワ62ひいては感光体ドラム110の変位と、第2のカムフォロワ64ひいては発光パネル10の変位を一致させることもできるし、異ならせることもでき、さらには、感光体ドラム110と発光パネル10の一方が静止している間に他方が移動するようにすることも可能である。上述の例示した輪郭のカムのほかに他の輪郭のカムを準備しておいてもよい。
【0039】
このように多種類のカムを準備したとしても、カムの選択のためにあまり混乱することは少ないと考えられる。集束性レンズアレイ40の製造誤差による光学寸法(TC,L0,L1)の実際の値は、一般に一つのロットではほぼ同じであるので、あるロットのうちの一つの集束性レンズアレイ40に使用するカムを決定すれば、同じロットの他の集束性レンズアレイ40にも同じカムを使用してもよいことが多いと考えられるためである。
【0040】
以上のように、第1の実施の形態では、板カムが使用されているが、直進カム、平面溝カム、またはその他の適切なカムを使用してもよく、このような変形は本発明の範囲内である。
【0041】
<第2の実施の形態>
次に本発明の第2の実施の形態を説明する。第2の実施の形態では、第1の実施の形態と比較して調整機構の詳細が異なる。図1から図4に示す構成は、第2の実施の形態の画像印刷装置にも同様に使用されている。
【0042】
図11は、図1の部分Vを拡大した図であり、第2の実施の形態に係る調整機構の詳細を示す。但し、第2の実施の形態に係る調整機構を示すために、図11では符号50ではなく符号80を使用する。第2の実施の形態では、図1の左側の調整機構(図1では符号50で示す)も右側の調整機構80と同じ構造である。
【0043】
第2の実施の形態の調整機構80の各々にも、図1に示すように、第1のピン52と第2のピン54がレンズアレイ支持体44に支持されており、第1のピン52の一方の先端面は、球の一部のような湾曲面として形成されており、この面は、軸受13に固定された突き当て板14に接触する。第2のピン52の一方の先端面も、球の一部のような湾曲面として形成されており、この面は、フレーム22の底部に固定された突き当て板24に接触する。図示しないが、レンズアレイ支持体44は、バネまたはその他の適切な弾性体から形成された押し付け部材により、感光体ドラム110側に押し付けられており、これにより第1のピン52の球状の先端面は常に突き当て板14に接触する。また、図示しないが、発光パネル10が固定されたフレーム22も、バネまたはその他の適切な弾性体から形成された押し付け部材により、集束性レンズアレイ40側に押し付けられており、これにより第2のピン54の球状の先端面は常に突き当て板24に接触する。
【0044】
図11に示すように、調整機構80の各々は、レンズアレイ支持体44に支持されたネジ部材82を有する。ネジ部材82は、その中央に円板状のダイアル84を有しており、ダイアル84には第1のネジ部86と第2のネジ部88が固定されている。ネジ部86,88はオネジである。第1のネジ部86と第2のネジ部88は、ダイアル84に同軸に配置されており、ダイアル84と一体成形されている。
【0045】
ダイアル84は、レンズアレイ支持体44の端面から突出する凸壁44a,44bの間に配置されており、これによりネジ部材82はレンズアレイ支持体44に相対して定位置に支持されている。ダイアル84は人間の指で操作される。従って、作業者はダイアル84とともにネジ部材82をその中心軸を中心に回転させるように操作することが可能である。
【0046】
第1のネジ部86と第2のネジ部88の一方は右ネジ、他方は左ネジである。図示の例では、第1のネジ部86は右ネジであり、第2のネジ部88は左ネジである。第1のネジ部86は、第1のシース(像担持体側移動部)90に形成されたメネジに嵌め合わせられており、第2のネジ部88は、第2のシース(電気光学パネル側移動部)92に形成されたメネジに嵌め合わせられている。シース90,92がネジ部材82と一緒に回転しないように、図示しない回り止めが調整機構80に設けられている。従って、第1のシース90は、ネジ部材82の回転に追従して、図の上下方向に移動し、第2のシース92は、ネジ部材82の回転に追従して、第1のシース90とは逆向きに図の上下方向に移動する。
【0047】
第1のシース90には、感光体ドラム110側の第1のピン52が取り付けられており、第2のシース92には発光パネル10側の第2のピン54が取り付けられている。上述の通り、感光体ドラム110の軸受13に固定された突き当て板14に第1のピン52の先端面は常に接触し、発光パネル10が固定されたフレーム22に固定された突き当て板24に第2のピン54の先端面は常に接触する(図1参照)。従って、第1のシース90は感光体ドラム110に対する相対位置が不変であり、ネジ部材82の回転に追従して、図の上下方向に移動すると同時に感光体ドラム110を上下方向に移動させる。同様に、第2のピン54は発光パネル10に対する相対位置が不変であり、ネジ部材82の回転に追従して、図の上下方向に移動すると同時に発光パネル10を感光体ドラム110とは逆向きに上下方向に移動させる。
【0048】
ネジ部材82において、第1のネジ部86のリードは第2のネジ部88のリードと等しいので、ネジ部材82の回転に伴う第1のシース90ひいては感光体ドラム110の変位は、ネジ部材82の回転に伴う第2のシース92ひいては発光パネル10の変位に等しい。すなわち、調整機構80を作動させたとき(ネジ部材82を回転させたとき)に、集束性レンズアレイ40と感光体ドラム110の間隔の変位と、発光パネル10と集束性レンズアレイ40の間隔の変位は等しい。作業者は所望の回転角度でネジ部材82の回転を停止して、集束性レンズアレイ40と感光体ドラム110の間隔と、発光パネル10と集束性レンズアレイ40の間隔を固定することができる。
【0049】
この構成によれば、調整機構80により、集束性レンズアレイ40と感光体ドラム110の間隔ならびに発光パネル10と集束性レンズアレイ40の間隔を同時に調整可能である。従って、構造が簡単で画像印刷装置1を小型化することが可能であり、操作も簡単である。
【0050】
図12は、第2の実施の形態の変形例の調整機構80Aを示す。調整機構80Aは、調整機構80のネジ部材82とは異なるネジ部材82Aを有する。ネジ部材82Aは、その中央に円板状のダイアル84を有しており、ダイアル84にはネジ部86と直線状の丸棒部88Aが固定されている。ネジ部86はオネジである。ネジ部86と丸棒部88Aは、ダイアル84に同軸に配置されており、ダイアル84と一体成形されている。
【0051】
ネジ部材82Aのネジ部86は、第1のシース90に形成されたメネジに嵌め合わせられる一方、丸棒部88Aは、第2のシース(電気光学パネル側移動部)92Aに形成された貫通しない丸穴に挿入されている。第2のシース92Aには発光パネル10側の第2のピン54が取り付けられている。第2のシース92Aの穴には、メネジが形成されていてもよいしメネジが形成されていなくてもよい。発光パネル10が固定されたフレーム22が、図示しない押し付け部材により、集束性レンズアレイ40側に押し付けられていることにより、第2のシース92Aの穴の底面は、丸棒部88Aの端面に常に接触する。この変形として、ネジ部材82Aの代わりにネジ部材82を使用して、第2のシース92Aに形成された丸穴は第2のネジ部88の外径よりも大きくし、その丸穴にはメネジを形成しないようにして、第2のシース92Aの穴の底面は第2のネジ部88の端面に常に接触するもよい。
【0052】
この構成では、ネジ部材82Aの回転に伴い第1のシース90ひいては感光体ドラム110は変位するが、第2のシース92Aひいては発光パネル10は変位しない。従って、調整機構80を作動させたとき(ネジ部材82Aを回転させたとき)に、発光パネル10と集束性レンズアレイ40の間隔を固定したまま、集束性レンズアレイ40と感光体ドラム110の間隔を変位させることができる。
【0053】
図示しないが逆に、ネジ部材のうち第1のシース側を第1のシースに形成された穴にネジの嵌め合わせをせずに単に挿入し、ネジ部材のうち第2のシース側のネジ部を第2のシースに形成されたメネジに嵌め合わせてもよい。この場合には、ネジ部材82Aを回転させると、ネジ部材82Aの回転に伴って、第1のシース90が変位せず集束性レンズアレイ40と感光体ドラム110の間隔が固定のまま、第2のシース92が変位して集束性レンズアレイ40と発光パネル10の間隔を変位させることができる。
【0054】
図13は、第2の実施の形態の他の変形例の調整機構80Bを示す。図13の調整機構80Bは、基本的には、上述した図11の調整機構80と同じであり、ネジ部材(符号82B)で示す第1のネジ部86と第2のネジ部(符号88Bで示す)の一方は右ネジ、他方は左ネジであるが、第2のネジ部88Bは、第1のネジ部86のリードよりも小さいリードを有する。第2のネジ部88Bが嵌め合わせられる第2のシース(符号92Bで示す)のメネジのリードも、第1のネジ部86が嵌め合わせられる第1のシース90のメネジのリードよりも小さい。
【0055】
従って、ネジ部材82Bを回転させた場合、第1のシース90ひいては感光体ドラム110は大きく変位するが、第2のシース92ひいては発光パネル10は小さく変位する。従って、調整機構80を作動させたとき(ネジ部材82Bを回転させたとき)に、発光パネル10と集束性レンズアレイ40の間隔を少し変位させ、集束性レンズアレイ40と感光体ドラム110の間隔を大きく変位させることができる。
【0056】
図示しないが逆に、第2のネジ部88Bと第2のシース92Bのメネジのリードを第1のネジ部86と第1のシース90のメネジのリードよりも大きくすれば、ネジ部材82Bの回転に伴って、第1のシース90が小さく変位し集束性レンズアレイ40と感光体ドラム110の間隔がわずかに変位し、第2のシース92が大きく変位して集束性レンズアレイ40と発光パネル10の間隔を大きく変位させることができる。
【0057】
上記の通り、集束性レンズアレイ40の物体距離L0の理想値つまり設計値と、像面距離L1の理想値つまり設計値は、互いに等しいことが一般的であるが、おそらくは製造のバラツキにより、これらが相違することがありうる。また、発光パネル10の発光波長もしくは透過波長の特性またはパネル内の層の屈折によっては、物体距離L0と像面距離L1を等しくすることが必ずしも解像度の向上につながらないことがある。これらの場合には、集束性レンズアレイ40に相対する感光体ドラム110の変位と発光パネル10の変位を異ならせることが良好な結果をもたらす。
【0058】
以上のように、第2の実施の形態および変形例のいずれの調整機構も、構造が簡単で画像印刷装置1を小型化することが可能であり、操作も簡単である。また、ネジ部材の形状を選択して、ネジ部材およびシース(例えば第2のシース92,92A,92B)を交換することにより、第2の実施の形態を上記のいずれかの変形例に修正することも可能であるし、逆も可能であるし、図12の変形例を図13の変形例に修正することも可能である。よって、ネジ部材の回転に伴う第1のシースひいては感光体ドラム110の変位と、第2のシースひいては発光パネル10の変位を一致させることもできるし、異ならせることもでき、さらには、感光体ドラム110と発光パネル10の一方が静止している間に他方が移動するようにすることも可能である。
【0059】
このように複数種類のネジ部材を準備したとしても、ネジ部材の選択のためにあまり混乱することは少ないと考えられる。集束性レンズアレイ40の製造誤差による光学寸法(TC,L0,L1)の実際の値は、一般に一つのロットではほぼ同じであるので、あるロットのうちの一つの集束性レンズアレイ40に使用するネジ部材を決定すれば、同じロットの他の集束性レンズアレイ40にも同じネジ部材を使用してもよいことが多いと考えられるためである。
【0060】
以上のように、第2の実施の形態では、ネジ部材のネジ部にオネジが使用されているが、図14に示すように、ネジ部材のネジ部にメネジを使用してもよく、このような変形は本発明の範囲内である。図14に示す調整機構80Cにおいて、ネジ部材82Cは、その中央に円板状のダイアル84を有しており、ダイアル84にはシース94,96が一体成形されている。シース94,96にはメネジが形成されており、これらのメネジは、ダイアル84に同軸に配置されている。ネジ部材82Cは、レンズアレイ支持体44の端面から突出する凸壁44c,44dこれによりレンズアレイ支持体44に相対して定位置に支持されている。
【0061】
シース94,96のメネジの一方は右ネジ、他方は左ネジである。図示の例では、シース96のメネジは右ネジであり、シース94のメネジは左ネジである。シース94のメネジには、感光体ドラム110側の第1のピン52の端部に形成されたオネジ(像担持体側移動部)52aが嵌め合わせられており、シース96のメネジには、発光パネル10側の第2のピン54の端部に形成されたオネジ(電気光学パネル側移動部)54aが嵌め合わせられている。ピン52,54がネジ部材82Cと一緒に回転しないように、図示しない回り止めが調整機構80Cに設けられている。従って、第1のピン52は、ネジ部材82Cの回転に追従して、図の上下方向に移動し、第2のピン54は、ネジ部材82の回転に追従して、第1のピン52とは逆向きに図の上下方向に移動する。
【0062】
この構成によれば、調整機構80Cにより、集束性レンズアレイ40と感光体ドラム110の間隔ならびに発光パネル10と集束性レンズアレイ40の間隔を同時に調整可能である。従って、構造が簡単で画像印刷装置1を小型化することが可能であり、操作も簡単である。また、ネジ部材82Cおよびピンを他のものに交換することにより、ネジ部材の回転に伴う第1のピンひいては感光体ドラム110の変位と、第2のピンひいては発光パネル10の変位を一致させることもできるし、異ならせることもでき、さらには、感光体ドラム110と発光パネル10の一方が静止している間に他方が移動するようにすることも可能である。
【0063】
<画像印刷装置の全体構成>
上述したように、本発明に係る画像印刷装置1は、電子写真方式を利用した画像印刷装置における像担持体に潜像を書き込むためのライン型の光ヘッドとして用いることが可能である。画像印刷装置の例としては、プリンタ、複写機の印刷部分およびファクシミリの印刷部分がある。
【0064】
図15は、画像印刷装置1の全体構成の一例を示す縦断面図である。この画像印刷装置は、ベルト中間転写体方式を利用したタンデム型のフルカラー画像印刷装置である。
【0065】
この画像印刷装置では、同様な構成の4個の有機ELアレイ露光ヘッド10K,10C,10M,10Yが、同様な構成である4個の感光体ドラム(像担持体)110K,110C,110M,110Yの露光位置にそれぞれ配置されている。有機ELアレイ露光ヘッド10K,10C,10M,10Yは上述した画像印刷装置10,10A,10Bのいずれかである。
【0066】
図15に示すように、この画像印刷装置には、駆動ローラ121と従動ローラ122が設けられており、これらのローラ121,122には無端の中間転写ベルト120が巻回されて、矢印に示すようにローラ121,122の周囲を回転させられる。図示しないが、中間転写ベルト120に張力を与えるテンションローラなどの張力付与手段を設けてもよい。
【0067】
この中間転写ベルト120の周囲には、互いに所定間隔をおいて4個の外周面に感光層を有する感光体ドラム110K,110C,110M,110Yが配置される。添え字K,C,M,Yはそれぞれ黒、シアン、マゼンタ、イエローの顕像を形成するために使用されることを意味している。他の部材についても同様である。感光体ドラム110K,110C,110M,110Yは、中間転写ベルト120の駆動と同期して回転駆動される。
【0068】
各感光体ドラム110(K,C,M,Y)の周囲には、コロナ帯電器111(K,C,M,Y)と、有機ELアレイ露光ヘッド10(K,C,M,Y)と、現像器114(K,C,M,Y)が配置されている。コロナ帯電器111(K,C,M,Y)は、対応する感光体ドラム110(K,C,M,Y)の外周面を一様に帯電させる。有機ELアレイ露光ヘッド10(K,C,M,Y)は、上記の発光パネル10であり、感光体ドラムの帯電させられた外周面に静電潜像を書き込む。有機ELアレイ露光ヘッド10(K,C,M,Y)と感光体ドラム110(K,C,M,Y)の間には、集束性レンズアレイ40が設けられるが、図15では集束性レンズアレイ40の図示を省略する。各有機ELアレイ露光ヘッド10(K,C,M,Y)は、上記の複数のEL素子の配列方向が感光体ドラム110(K,C,M,Y)の母線(主走査方向)に沿うように設置される。静電潜像の書き込みは、複数のEL素子により光を感光体ドラムに照射することにより行う。現像器114(K,C,M,Y)は、静電潜像に現像剤としてのトナーを付着させることにより感光体ドラムに顕像すなわち可視像を形成する。
【0069】
このような4色の単色顕像形成ステーションにより形成された黒、シアン、マゼンタ、イエローの各顕像は、中間転写ベルト120上に順次一次転写されることにより、中間転写ベルト120上で重ね合わされて、この結果フルカラーの顕像が得られる。中間転写ベルト120の内側には、4つの一次転写コロトロン(転写器)112(K,C,M,Y)が配置されている。一次転写コロトロン112(K,C,M,Y)は、感光体ドラム110(K,C,M,Y)の近傍にそれぞれ配置されており、感光体ドラム110(K,C,M,Y)から顕像を静電的に吸引することにより、感光体ドラムと一次転写コロトロンの間を通過する中間転写ベルト120に顕像を転写する。
【0070】
最終的に画像を形成する対象としてのシート102は、ピックアップローラ103によって、給紙カセット101から1枚ずつ給送されて、駆動ローラ121に接した中間転写ベルト120と二次転写ローラ126の間のニップに送られる。中間転写ベルト120上のフルカラーの顕像は、二次転写ローラ126によってシート102の片面に一括して二次転写され、定着部である定着ローラ対127を通ることでシート102上に定着される。この後、シート102は、排紙ローラ対128によって、装置上部に形成された排紙カセット上へ排出される。
【0071】
次に、本発明に係る画像印刷装置の他の実施の形態について説明する。
図16は、画像印刷装置1の全体構成の他の例の縦断面図である。この画像印刷装置は、ベルト中間転写体方式を利用したロータリ現像式のフルカラー画像印刷装置である。図16に示す画像印刷装置において、感光体ドラム(像担持体)165の周囲には、コロナ帯電器168、ロータリ式の現像ユニット161、有機ELアレイ露光ヘッド167、中間転写ベルト169が設けられている。
【0072】
コロナ帯電器168は、感光体ドラム165の外周面を一様に帯電させる。有機ELアレイ露光ヘッド167は、感光体ドラム165の帯電させられた外周面に静電潜像を書き込む。有機ELアレイ露光ヘッド167は、上述した発光パネル10であり、複数のEL素子の配列方向が感光体ドラム165の母線(主走査方向)に沿うように設置される。静電潜像の書き込みは、上記の複数のEL素子により光を感光体ドラムに照射することにより行う。有機ELアレイ露光ヘッド167と感光体ドラム165の間には、集束性レンズアレイ40が設けられるが、図16では集束性レンズアレイ40の図示を省略する。
【0073】
現像ユニット161は、4つの現像器163Y,163C,163M,163Kが90°の角間隔をおいて配置されたドラムであり、軸161aを中心にして反時計回りに回転可能である。現像器163Y,163C,163M,163Kは、それぞれイエロー、シアン、マゼンタ、黒のトナーを感光体ドラム165に供給して、静電潜像に現像剤としてのトナーを付着させることにより感光体ドラム165に顕像すなわち可視像を形成する。
【0074】
無端の中間転写ベルト169は、駆動ローラ170a、従動ローラ170b、一次転写ローラ166およびテンションローラに巻回されて、これらのローラの周囲を矢印に示す向きに回転させられる。一次転写ローラ166は、感光体ドラム165から顕像を静電的に吸引することにより、感光体ドラムと一次転写ローラ166の間を通過する中間転写ベルト169に顕像を転写する。
【0075】
具体的には、感光体ドラム165の最初の1回転で、露光ヘッド167によりイエロー(Y)像のための静電潜像が書き込まれて現像器163Yにより同色の顕像が形成され、さらに中間転写ベルト169に転写される。また、次の1回転で、露光ヘッド167によりシアン(C)像のための静電潜像が書き込まれて現像器163Cにより同色の顕像が形成され、イエローの顕像に重なり合うように中間転写ベルト169に転写される。そして、このようにして感光体ドラム9が4回転する間に、イエロー、シアン、マゼンタ、黒の顕像が中間転写ベルト169に順次重ね合わせられ、この結果フルカラーの顕像が転写ベルト169上に形成される。最終的に画像を形成する対象としてのシートの両面に画像を形成する場合には、中間転写ベルト169に表面と裏面の同色の顕像を転写し、次に中間転写ベルト169に表面と裏面の次の色の顕像を転写する形式で、フルカラーの顕像を中間転写ベルト169上で得る。
【0076】
画像印刷装置には、シートが通過させられるシート搬送路174が設けられている。シートは、給紙カセット178から、ピックアップローラ179によって1枚ずつ取り出され、搬送ローラによってシート搬送路174を進行させられ、駆動ローラ170aに接した中間転写ベルト169と二次転写ローラ171の間のニップを通過する。二次転写ローラ171は、中間転写ベルト169からフルカラーの顕像を一括して静電的に吸引することにより、シートの片面に顕像を転写する。二次転写ローラ171は、図示しないクラッチにより中間転写ベルト169に接近および離間させられるようになっている。そして、シートにフルカラーの顕像を転写する時に二次転写ローラ171は中間転写ベルト169に当接させられ、中間転写ベルト169に顕像を重ねている間は二次転写ローラ171から離される。
【0077】
上記のようにして画像が転写されたシートは定着器172に搬送され、定着器172の加熱ローラ172aと加圧ローラ172bの間を通過させられることにより、シート上の顕像が定着する。定着処理後のシートは、排紙ローラ対176に引き込まれて矢印Fの向きに進行する。両面印刷の場合には、シートの大部分が排紙ローラ対176を通過した後、排紙ローラ対176が逆方向に回転させられ、矢印Gで示すように両面印刷用搬送路175に導入される。そして、二次転写ローラ171により顕像がシートの他面に転写され、再度定着器172で定着処理が行われた後、排紙ローラ対176でシートが排出される。
【0078】
以上、画像印刷装置1の全体構成を例示したが、他の電子写真方式の画像印刷装置にも本発明に係る画像印刷装置1を応用することが可能であり、そのような画像印刷装置は本発明の範囲内にある。例えば、中間転写ベルトを使用せずに感光体ドラムから直接シートに顕像を転写するタイプの画像印刷装置や、モノクロの画像を形成する画像印刷装置でもよいし、感光体ドラムの代わりに感光体ベルトを使用する画像印刷装置でもよい。
【0079】
<変形例>
また、上記の電気光学装置では、発光素子を有する発光パネルに集束性レンズアレイ40が取り付けられているが、多数のライトバルブ画素を有するライトバルブパネルに集束性レンズアレイを取り付けてもよい。ライトバルブ画素は、与えられる電気的エネルギにより光の透過率が変化する画素であり、例えば液晶の画素、エレクトロケミカルディスプレイの画素、電気泳動ディスプレイの画素、分散粒子配向型ディスプレイの画素が含まれる。これらは、いずれも別個の光源からの光の透過量を調整する。発光パネル10の代わりに、例えば液晶パネルのようなライトバルブパネルをマイクロレンズアレイに取り付けて、別個の光源からの光がライトバルブパネルと集束性レンズアレイを透過するようにすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像印刷装置の概略を示す正面図である。
【図2】図1のII−II線矢視断面図である。
【図3】図1の画像印刷装置で使用される集束性レンズアレイの概略を示す斜視図である。
【図4】図1の画像印刷装置における集束性レンズアレイと発光パネルを示す平面図である。
【図5】図1の部分Vを拡大して、第1の実施の形態に係る調整機構の詳細を示す正面図である。
【図6】図5の側面図である。
【図7】第1の実施の形態の変形例の調整機構を示す側面図である。
【図8】図7の調整機構のカムの構成を示す側面図である。
【図9】第1の実施の形態の他の変形例の調整機構を示す側面図である。
【図10】図9の調整機構のカムの構成を示す側面図である。
【図11】第2の実施の形態に係る調整機構の詳細を示す正面図である。
【図12】第2の実施の形態の変形例の調整機構を示す正面図である。
【図13】第2の実施の形態の他の変形例の調整機構を示す正面図である。
【図14】第2の実施の形態のさらに他の変形例の調整機構を示す正面図である。
【図15】本発明に係る画像印刷装置の全体構成の一例を示す縦断面図である。
【図16】本発明に係る画像印刷装置の全体構成の他の一例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0081】
1 画像印刷装置、10 発光パネル(電気光学パネル)、110 感光体ドラム(像担持体)、40 集束性レンズアレイ、44 レンズアレイ支持体、22 フレーム、50,50A,50B,80A,80B,80C 調整機構、52 第1のピン、54 第2のピン、56,56A,56B カム、62 第1のカムフォロワ、64 第2のカムフォロワ、82,82A,82B,82C ネジ部材、86 第1のネジ部、88,88B 第2のネジ部、90 第1のシース(像担持体側移動部)、92,92A、92B 第2のシース(電気光学パネル側移動部)、52a オネジ(像担持体側移動部)、54a オネジ(電気光学パネル側移動部)。




 

 


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