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発明の名称 位置検出装置およびこの位置検出装置を備える液体吐出装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−76027(P2007−76027A)
公開日 平成19年3月29日(2007.3.29)
出願番号 特願2005−263444(P2005−263444)
出願日 平成17年9月12日(2005.9.12)
代理人 【識別番号】100095728
【弁理士】
【氏名又は名称】上柳 雅誉
発明者 中田 聡 / 五十嵐 人志
要約 課題
スケールの透光部を透過する光の回折を防止し、受光部での誤検出を防止可能な位置検出装置およびこの位置検出装置を備える液体吐出装置を提供すること。

解決手段
発光部61と受光部63の間に配置され、光を透過させる透明部材52に設けられ、さらに発光部61から出射される光を通過させる第1透光部54aおよび発光部61からの光を遮光する第1遮光部54bとが交互に形成されている第1ラインパターン54を備え、さらに発光部61と受光部63の間に配置され、光を透過させる透明部材52に設けられ、第1ラインパターン54よりも受光部63側に設けられていると共に、第1透光部54aを通過した光を通過させる第2透光部55aおよびこの光を遮光する第2遮光部55bとが交互に形成されている第2ラインパターン55と、を備えている。
特許請求の範囲
【請求項1】
光を出射する発光部と、
上記発光部から出射される光を受光し、受光する光量に応じた電気信号を出力する受光部と、
上記発光部と上記受光部の間に配置され、かつ光を透過させる透明部材に設けられると共に、上記発光部から出射される光を通過させる第1透光部および上記発光部からの光を遮光する第1遮光部とが交互に形成されている第1ラインパターンと、
上記発光部と上記受光部の間に配置され、光を透過させる透明部材に設けられ、かつ上記第1ラインパターンよりも上記受光部側に設けられていると共に、上記第1透光部を通過した光を通過させる第2透光部およびこの光を遮光する第2遮光部とが交互に形成されている第2ラインパターンと、
を具備することを特徴とする位置検出装置。
【請求項2】
前記第1ラインパターンの前記第1透光部と前記第1遮光部が交互に繰り返されるマスクピッチと、前記第2ラインパターンの前記第2透光部と前記第2遮光部が交互に繰り返されるマスクピッチとは、同一であることを特徴とする請求項1記載の位置検出装置。
【請求項3】
前記透明部材のうち、前記発光部側の面には前記第1ラインパターンが設けられると共に、前記受光部側の面には前記第2ラインパターンが設けられる、
ことを特徴とする請求項1または2記載の位置検出装置。
【請求項4】
前記透明部材は、細長形状に設けられていると共に、この透明部材の厚み方向に沿う直線上に、前記第1ラインパターンの前記第1透光部と前記第1遮光部との間の境界、および前記第2ラインパターンの前記第2透光部と前記第2遮光部との間の境界が存在し、かつ前記発光部から前記受光部に向かう光の進行方向に沿って前記第1透光部および前記第2透光部が重ねられる配置となっている、
ことを特徴とする請求項3記載の位置検出装置。
【請求項5】
前記第1ラインパターンと、前記第2ラインパターンとは、それぞれ別個の前記透明部材に設けられている、
ことを特徴とする請求項1または2記載の位置検出装置。
【請求項6】
前記受光部は、複数の受光素子を備えると共に、
前記第1透光部と前記第1遮光部とが交互に繰り返されるマスクピッチは、上記受光素子の偶数個分の寸法に対応している、
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の位置検出装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の位置検出装置を備えると共に、印刷対象物に液体を吐出させる液体吐出部とを備えることを特徴とする液体吐出装置。
【請求項8】
前記液体は、顔料系インクであると共に、前記液体吐出部は、この顔料系インクを吐出することを特徴とする請求項7記載の液体吐出装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置検出装置およびこの位置検出装置を備える液体吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェットプリンタにおいては、キャリッジおよび紙等の印刷対象物が、モータによって駆動される。かかる駆動に際して、位置制御および速度制御を行うべく、一般にエンコーダが用いられている。エンコーダは、フォトセンサとスケールとを備えている。これらのうち、フォトセンサは、発光素子と受光素子とを備えている。また、スケールは、発光素子で発せられる光を透過する透光部と、発光素子で発せられる光を遮る遮光部とを有していて、これら透光部と遮光部とが一定ピッチで繰り返されている。
【0003】
かかるエンコーダにおいて、近年、インクミストの付着が問題となっている。すなわち、近年の高精細な印刷を行うプリンタは、微小なインク滴(インクミスト)を印刷ヘッドから吐出可能としている。このインクミストは、微小であるが故に、プリンタの内部で容易に飛散する。そのため、使用するにつれて、インクミストの固化体がスケール等に堆積していく。
【0004】
かかる不具合を防止するための構成として、特許文献1および特許文献2に開示されている構成がある。これらのうち、特許文献1には、ベルトとスケールの間に仕切り部材を配置していて、スケールに対するインクミストの付着を防止する構成を採用している。また、特許文献2には、インクミストが付着して受光素子から出力される出力信号のDuty比が低下した場合でも、出力信号のDuty比が50%となるように補正するための構成が開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開2005−81691号公報(要約および段落番号0032、図3等参照)
【特許文献2】特開2004−202963号公報(要約、段落番号0034〜0040、図3〜図5他参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の特許文献1においては、仕切り部材を配置することにより、インクミストの流れを制限し、スケールにインクミストが付着するのを防止している。しかしながら、インクミストがスケールの透光部に付着すると、該透光部を透過する光を回折させる等の不具合を生じさせる場合がある。このような不具合を防止するための手段は、特許文献1には、何等開示されていない。
【0007】
また、特許文献2には、信号補正のための構成は開示されているが、特許文献1同様、透光部を透過する光の回折を防止するための有効な手段は、何等開示されていない。
【0008】
本発明は上記の事情にもとづきなされたもので、その目的とするところは、スケールの透光部を透過する光の回折を防止し、受光部における誤検出を防止することが可能な位置検出装置およびこの位置検出装置を備える液体吐出装置を提供しよう、とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、光を出射する発光部と、発光部から出射される光を受光し、受光する光量に応じた電気信号を出力する受光部と、発光部と受光部の間に配置され、かつ光を透過させる透明部材に設けられると共に、発光部から出射される光を通過させる第1透光部および発光部からの光を遮光する第1遮光部とが交互に形成されている第1ラインパターンと、発光部と受光部の間に配置され、光を透過させる透明部材に設けられ、かつ第1ラインパターンよりも受光部側に設けられていると共に、第1透光部を通過した光を通過させる第2透光部およびこの光を遮光する第2遮光部とが交互に形成されている第2ラインパターンと、を具備するものである。
【0010】
このように構成した場合には、発光部から出射される光は、第1ラインパターンに到達するが、その際に、第1透光部に到達した光のみが受光部側に向かって通過し(出射され)、第1遮光部に到達した光は遮光され、受光部には到達しない。さらに、透明部材を通過した光は、次に第2ラインパターンに到達するが、その際に、第2透光部に到達した光のみが受光部側に向かって通過し(出射され)、第2遮光部に到達した光は遮光される。このため、発光部で生じた光のうち、第1透光部および第2透光部の両方を通過した光のみが、受光部で受光される。
【0011】
このようにすれば、第1透光部は通過するものの、進行方向が所定の方向とはずれている光を、第2遮光部で遮光することができ、一定の進行方向の光のみを、受光部で受光させることができる。それにより、受光部においては、余分な拡散光/回折光等の受光を抑えることができる。そのため、受光部は、一定の進行方向の光に対応する電気信号を出力することができ、該一定方向に対応する光の検出精度を向上させることができる。すなわち、受光部における検出感度を向上させることが可能となり、誤検出を防止可能となる。
【0012】
また、他の発明は、上述の発明に加えて更に、第1ラインパターンの第1透光部と第1遮光部が交互に繰り返されるマスクピッチと、第2ラインパターンの第2透光部と第2遮光部が交互に繰り返されるマスクピッチとは、同一としたものである。
【0013】
このように構成した場合には、第1ラインパターンと第2ラインパターンとが同一ピッチであるので、第1透光部/第2透光部を通過した光は、全て進行方向が一様に揃えられる。そのため、受光部においては、余分な拡散光/回折光等の受光を抑えることができ、受光部における検出感度を、一層向上させることが可能となる。
【0014】
さらに、他の発明は、上述の各発明に加えて更に、透明部材のうち、発光部側の面には第1ラインパターンが設けられると共に、受光部側の面には第2ラインパターンが設けられるものである。
【0015】
このように構成した場合には、1つの透明部材の両面に、第1ラインパターンと第2ラインパターンとが設けられる状態となる。このため、2つのラインパターンが設けられる構成でありながらも、厚さ方向に寸法が増大するのを抑えることが可能となる。また、1つの透明部材のみを設ける構成のため、2つの透明部材を設ける場合等と比較して、透明部材の表面からの光の反射による影響を低減することが可能となる。
【0016】
また、他の発明は、上述の発明に加えて更に、透明部材は、細長形状に設けられていると共に、この透明部材の厚み方向に沿う直線上に、第1ラインパターンの第1透光部と第1遮光部との間の境界、および第2ラインパターンの第2透光部と第2遮光部との間の境界が存在し、かつ発光部から受光部に向かう光の進行方向に沿って第1透光部および第2透光部が重ねられる配置となっているものである。
【0017】
このように構成した場合には、第1透光部と第2透光部/第1遮光部と第2遮光部とは、透明部材の厚み方向に視線が向かうように平面視する場合、完全に重なる状態となる。そのため、透明部材を通過した後に出射される光は、厚み方向に沿った平行光に近づき、受光部においては、光の拡散/回折等の影響を、一層小さくすることが可能となる。
【0018】
さらに、他の発明は、上述の各発明に加えて更に、第1ラインパターンと、第2ラインパターンとは、それぞれ別個の透明部材に設けられているものである。このように構成した場合には、同様のラインパターンが形成されている2つの透明部材の位置合わせを行うだけで、光の検出感度を向上させることができる位置検出装置を簡易に実現できる。また、1つの透明部材の両面にラインパターンを形成する場合と比較して、ラインパターンの位置ずれの修正が容易となる。
【0019】
また、他の発明は、上述の各発明に加えて更に、受光部は、複数の受光素子を備えると共に、第1透光部と第1遮光部とが交互に繰り返されるマスクピッチは、受光素子の偶数個分の寸法に対応しているものである。このように構成した場合には、第1透光部/第2透光部に対応する受光素子と、第1遮光部/第2遮光部に対応する受光素子とが存在する。このため、これらの受光素子の間で、位相が180度ずれた信号を出力可能となり、これらの比較によって、精度の高いエンコーダ信号を得ることが可能となる。
【0020】
さらに、他の発明は、上述の各発明に係る位置検出装置を備えると共に、印刷対象物に液体を吐出させる液体吐出部とを備えるものである。
【0021】
このように構成した場合には、第1透光部は通過するものの、進行方向が所定の方向とはずれている光を、第2遮光部で遮光することができ、一定の進行方向の光のみを、受光部で受光させることができる。それにより、受光部においては、余分な拡散光/回折光等の受光を抑えることができる。そのため、受光部は、一定の進行方向の光に対応する電気信号を出力することができ、該一定方向に対応する光の検出精度を向上させることができる。すなわち、受光部における検出感度を向上させることが可能となる。また、液体吐出部からの、印刷対象物に対する液体の吐出を、精度良く行うことが可能となり、印刷精度を向上させることが可能となる。
【0022】
また、他の発明は、上述の発明に加えて更に、液体は、顔料系インクであると共に、液体吐出部は、この顔料系インクを吐出するものである。
【0023】
このように構成した場合には、余分な拡散光/回折光等の受光を抑えることにより、透明部材の表面に付着した場合に、光の回折を生じさせ易い顔料系インクを用いても、光の進行方向を一定方向に揃えることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の一実施の形態に係る位置検出装置およびこの位置検出装置を用いたプリンタ10について、図1から図10に基づいて説明する。なお、本実施の形態のプリンタ10は、インクジェット式のプリンタであるが、かかるインクジェット式プリンタは、インクを吐出して印刷可能な装置であれば、いかなる吐出方法を採用した装置でも良い。
【0025】
また、以下の説明においては、下方側とは、プリンタ10が設置される側を指し、上方側とは、設置される側から離間する側を指す。また、後述するキャリッジ31が移動する方向を主走査方向、主走査方向に直交する方向であって印刷対象物Pが搬送される方向を副走査方向とする。また、印刷対象物Pが供給される側を給紙側(後端側)、印刷対象物Pが排出される側を排紙側(手前側)として説明する。
【0026】
図1に示すように、プリンタ10は、筐体部20と、キャリッジ駆動機構30と、用紙搬送機構40と、位置検出装置として機能させることが可能なリニアエンコーダ50と、同じく位置検出装置として機能させることが可能なロータリエンコーダ70と、制御部80と、を主要な構成要素としている。
【0027】
これらのうち、筐体部20は、設置面に設置されるシャーシ21、このシャーシ21から上方に向かい立設されている支持フレーム22を具備している。また、キャリッジ駆動機構30は、キャリッジ31と、キャリッジモータ(CRモータ32)と、ベルト33と、歯車プーリ34、従動プーリ35およびキャリッジ軸36を備えている。これらのうち、キャリッジ31には、各色のインクカートリッジ37を搭載可能としている。また、図2に示すように、キャリッジ31の下面には、インク滴を吐出可能な印刷ヘッド38が設けられている。また、ベルト33は、無端ベルトであり、その一部がキャリッジ31の背面に固定されている。このベルト33は、歯車プーリ34と従動プーリ35とによって張設されている
【0028】
上述の印刷ヘッド38には、各インクに対応づけられた不図示のノズル列が設けられていて、このノズル列を構成するノズルには、不図示のピエゾ素子が配置されている。このピエゾ素子の作動により、インク通路の端部にあるノズルからインク滴を吐出することが可能となっている。なお、印刷ヘッド38は、ピエゾ素子を用いたピエゾ駆動方式に限られず、例えばインクをヒータで加熱し、発生する泡の力を利用するヒータ方式、磁歪素子を用いる磁歪方式、ミストを電界で制御するミスト方式等を採用しても良い。また、カートリッジ37に充填されるインクは、染料系インク/顔料系インク等、いずれの種類のインクを搭載しても良い。
【0029】
図3に示すように、用紙搬送機構40は、印刷対象物P等を搬送するためのPFモータ41(図2参照)、および普通紙等の給紙に対応する給紙ローラ42を具備している。また、給紙ローラ42よりも排紙側には、印刷対象物Pを搬送/挟持するためのPFローラ対43が設けられている。また、PFローラ対43の排紙側には、プラテン44および上述の印刷ヘッド38が上下に対向する様に配設されている。プラテン44は、PFローラ対43によって印刷ヘッド38の下へ搬送されてくる印刷対象物Pを、下方側から支持する。また、プラテン44よりも排紙側には、上述のPFローラ対43と同様の、排紙ローラ対45が設けられている。この排紙ローラ対45のうち、排紙駆動ローラ45aには、PF駆動ローラ43aと共に、PFモータ41からの駆動力が伝達される。
【0030】
また、図4等に示すように、リニアエンコーダ50は、位置検出装置として機能させることが可能であり、リニアスケール51と、フォトセンサ60とを備えている。リニアスケール51は、例えば長尺かつフィルム状の透明部材52により構成されている。かかる透明部材52の材質としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)があるが、その他の透明材質を種々適用可能である。このリニアスケール51は、直線状に設けられていると共に、その両端部分には、図5に示すような細長の係止孔53が設けられている。この係止孔53には、支持フレーム22に固定されている係止爪22aが差し込まれ、該係止爪22aによってリニアスケール51は、張設状態で支持される。
【0031】
なお、説明の便宜上、以下の説明においては、透明部材52のうち、後述する発光部61側の面を表面52a、受光部側の面を裏面52bとする。
【0032】
また、図4に示すように、リニアスケール51には、第1ラインパターン54と、第2ラインパターン55とが形成されている。これらラインパターン54,55は、一定の間隔毎に、光を透過させる第1透光部54aおよび第2透光部55aと、光の透過を遮断する第1遮光部54bおよび第2遮光部55bとを有している。これらのうち、遮光部54b,55bは、一定幅の黒色かつ光を透過させない程度の厚みを有する黒色の印刷が、透明部材52の表面に施されることにより、形成される部分である。また、透光部54a,54bは、黒色の印刷が施されない部分であり、後述する発光部61で発せられる光を透過可能としている。
【0033】
なお、以下の説明においては、第1透光部54aと第2透光部55aとを総称する場合には、単に透光部54a,55aとする。また、第1遮光部54bと第2遮光部55bとを総称する場合には、単に遮光部54b,55bとする。
【0034】
ここで、本実施の形態では、透光部54a,55aと遮光部54b,55bとは、同一の幅寸法、すなわち同一ピッチで形成されている。しかしながら、透光部54aと遮光部54b/透光部55aと遮光部55bとが交互に繰り返されるピッチ(以下、マスクピッチMと呼ぶ。)を変更するように構成しても良い。マスクピッチMを変更する場合の例としては、遮光部54b,55bの幅寸法を、透光部54a,55aの幅寸法よりも大きくする構成が挙げられる。
【0035】
図4に示すように、これら第1ラインパターン54と、第2ラインパターン55とは、同一ピッチで形成されている。また、リニアスケール51の厚み方向に沿って、2つの透光部54a,55aが配置されると共に、同じく2つの遮光部54b,55bが配置されている。しかも、第1ラインパターン54の透光部54a/遮光部54bの境界を通る直線Lは、第2ラインパターン55の透光部55a/遮光部55bの境界を通過する。
【0036】
なお、上述のように、PET等を材質とする透明部材52は、通常は薄いフィルム状であり、その厚さ寸法は、透光部54a,55aと遮光部54b,55bの幅寸法に対して、さほど大きくはない。しかしながら、透明部材52の厚み寸法を一定以上の厚みに設定する場合、透明部材52の内部を斜めに進行する光が、受光部側に出射されるのを良好に防止可能となる(図10参照)。
【0037】
また、フォトセンサ60は、光の投受光方式のセンサであり、発光部61と、コリメータレンズ62と、受光部63とを有している。これら発光部61と受光部63とはリニアスケール51を挟んで、互いに対向する状態で配置されている。また、コリメータレンズ62と受光部63との間には、両者に非接触状態で上述のリニアスケール51が配置されている。ここで、発光部61は、例えば発光ダイオードといった不図示の発光素子を備え、この発光素子で生じる光は、リニアスケール51に向かって出射される。
【0038】
また、受光部63は、基板64と、この基板64上に設けられる第1受光素子列65および第2受光素子列66とを有していて、これら第1受光素子列65においては、複数の受光素子65a,65bが一列に配列され、同じく第2受光素子列66においても、複数の受光素子66a,66bが配列されている。受光素子65a〜66bは、例えばフォトトランジスタ、フォトダイオード、フォトIC等のような、受光した光を、その光量に応じた電気信号に変換可能な受光素子を備えている。これらの受光素子65a〜66bは、透光部54a,55aと遮光部54b,55bとで構成されるラインパターン54,55の1ピッチ当たり、2つ設けられている。また、本実施の形態では、第1受光素子列65と第2受光素子列66とは、1/4ピッチずつ、ずらされた配置となっている。すなわち、第1受光素子列65と第2受光素子列66の位相差が90度となっている。
【0039】
なお、本実施の形態のように、透光部54a,55aと遮光部54b,55bとの幅寸法が等しい場合、透光部54a,55a/遮光部54b,55bのそれぞれに、1つの受光素子65a〜66bが対応する配置関係となっている。
【0040】
また、図6に示すように、複数の受光素子65a〜66bは、信号増幅回路67に接続されていて、この信号増幅回路67によって、受光素子65a〜66bから出力される光量に応じたアナログ波形の信号を、増幅した後に、第1コンパレータ68aおよび第2コンパレータ68bに向けて出力する。また、第1コンパレータ68aおよび第2コンパレータ68bは、信号増幅回路67を経由してそれぞれの受光素子列65,66から出力されるアナログ信号に基づいて、パルス波形のデジタル信号を出力する。
【0041】
ここで、第1コンパレータ68aの+側の端子には、第1受光素子列65の受光素子65aが接続されると共に、−側の端子には同じ第1受光素子列65の受光素子65bが接続される。また、第2コンパレータ68bにおいても、第2受光素子列66の受光素子66a,66bが同様に接続される。そして、例えば、+側の端子に入力されるアナログ信号のレベルが、−側の端子に入力されるアナログ信号のレベルよりも高い場合、ハイレベルの信号を出力し、逆の場合には、ローレベルの信号を出力する。それにより、透光部54a,55a/遮光部54b,55bの検出に対応する、図7に示すようなパルス信号(ENC−A,ENC−B)を出力することが可能となっている。
【0042】
なお、第1受光素子列65に対応する第1コンパレータ68aからは、パルスENC−Aが出力されると共に、1/4ピッチだけずれた配置の第2受光素子列66に対応する第2コンパレータ68bからは、90度だけ位相がずれているパルスENC−Bが出力される。
【0043】
また、上述のような構成を採用せずに、1つの受光素子列650が存在する、図8に示す構成を採用しても良い。この場合には、受光素子650aが第1コンパレータ68aの+側または−側のいずれかの端子に接続されると共に、受光素子650bが第2コンパレータ68bの+側または−側のいずれかの端子に接続される。
【0044】
また、ロータリエンコーダ70は、図9に示すように、PFモータ41によって回転させられる円盤状のスケール71を具備すると共に、上述のリニアエンコーダ50と同様のフォトセンサ72を具備している。このロータリエンコーダ70においては、スケール71が円盤状である以外は、リニアエンコーダ50と同様の構成となっているため、その詳細についての説明は省略する。
【0045】
また、制御部80は、リニアエンコーダ50またはロータリエンコーダ70から出力されるエンコーダ信号、コンピュータ90からの印刷信号等、各出力信号が入力される。より詳細には、制御部80は、CPU、ROM、RAM、ASIC、DCユニット、ドライバ等を備えている。そして、CRモータ32、印刷ヘッド38、PFモータ41等の駆動制御を司ることを可能としている。
【0046】
以上のような構成を用いて、プリンタ10を作動させた際に、リニアエンコーダ50において行われる動作について、以下に説明する。
【0047】
リニアエンコーダ50が作動し、発光部61から光が出射されると、発光部61は、リニアスケール51に向けて光を出射する。出射された光は、コリメータレンズ62に入射されるが、コリメータレンズ62を通過した光は、一定の平行光となるように加工されるものの、完全な平行光ではない。また、受光素子列65,66の端部側に位置する受光素子65a〜66bにおいては、コリメータレンズ62を通過後、リニアスケール51の厚み方向に対し斜めを為す状態で、光が透光部54a,55aに入射される。
【0048】
ここで、図4および図10に示すように、透明部材52には、第1ラインパターン54と第2ラインパターン55とが設けられている。このため、第1ラインパターン54の第1透光部54aから入り込んだ光は、透明部材52の内部を透過し、透明部材52の受光部63側の裏面52bに到達する。ところで、透明部材52の裏面52bにも、第1ラインパターン55が設けられている。そのため、透明部材52の内部を斜めに進行してきた光が、裏面から出射されるのを低減させることができる。
【0049】
なお、図10に示すように、遮光部54b,55bのA点とB点とを結ぶ直線Pが、受光素子65a〜66bのいずれかの表面のうち透明部材52側の地点に到達することが望ましい。このためには、透明部材52の厚み寸法を、透光部54a,55a/遮光部54b,55bの厚み寸法よりも十分に大きく取れば、斜めに進行する光を確実に遮光することが可能となる。
【0050】
このようにして、裏面52bのうち、第2透光部55aからは、直進性の高い光が出射され、受光部63の存在する位置に応じて受光素子65a〜66bのいずれかに光が入射される。なお、受光素子65a〜66bに光が入射されると、入射された光の光量に応じてアナログ信号を出力し、第1コンパレータ68a/第2コンパレータ68bを経た後に、デジタル信号であるパルスENC−A、パルスENC−Bをそれぞれ出力することが可能となる。
【0051】
かかるパルスENC−A、パルスENC−Bが、制御部80に入力され、キャリッジ3の位置検出を行いながら、PFモータ41を1ピッチ分だけ順次駆動させつつ、CRモータ32を制御駆動する。この動作と共に、該パルスENC−A、パルスENC−Bに基づいて印刷信号PTSを生成し、印刷ヘッド38からのインク滴の吐出を制御する。このようにして、印刷対象物Pに対する印刷が実行される。
【0052】
このような構成のプリンタ10によれば、発光部61から出射される光は、第1ラインパターン54に到達するが、その際に、第1透光部54aに到達した光のみが受光部63側に向かって通過し(出射され)、第1遮光部54bに到達した光は遮光され、受光部63には到達しない。さらに、透明部材52を通過した光は、続いて第2ラインパターン55に到達するが、その際に、第2透光部55aに到達した光のみが受光部63側に向かって通過し(出射され)、第2遮光部55bに到達した光は遮光される。このため、発光部61で生じた光のうち透光部54aおよび透光部55aの両方を通過した光のみが、受光部63で受光される。
【0053】
このようにすれば、第1透光部54aは通過するものの、進行方向が所定の方向とはずれている光を、第2遮光部55bで遮光することができ、一定の進行方向の光のみを、受光部63で受光させることができる。それにより、受光部63においては、余分な拡散光/回折光等の受光を抑えることができる(特に、顔料系インクを用いる場合、その効果が顕著)。そのため、受光部63は、一定の進行方向の光に対応する電気信号を出力することができ、該一定方向に対応する光の検出精度を向上させることができる。すなわち、受光部63における検出感度を向上させることが可能となり、誤検出を防止可能となる。
【0054】
また、第1ラインパターン54のマスクピッチMと、第2ラインパターン55のマスクピッチMとは、同一である。このため、第1透光部54a/第2透光部55aの両方を通過した光は、全て進行方向が一様に揃えられる。そのため、受光部63においては、余分な拡散光/回折光等の受光を一層抑えることができ、受光部63における検出感度を、一層向上させることが可能となる。
【0055】
さらに、透明部材52のうち、表面52aには第1ラインパターン54が設けられると共に、裏面52bには第2ラインパターン55が設けられている。このため、1つの透明部材52の両面に、第1ラインパターン54と第2ラインパターン55とが設けられる状態となる。このため、2つのラインパターン54,55が設けられる構成でありながらも、厚さ方向に寸法が増大するのを抑えることが可能となる。また、1つの透明部材52のみを設ける構成のため、2つの透明部材52を設ける場合等と比較すると、表面52a等からの光の反射による影響を低減することが可能となる。
【0056】
また、透明部材52は、細長形状であり、しかも、この透明部材52の厚み方向に沿う直線上に、第1ラインパターン54と第2ラインパターン55の、透光部54a,55aと遮光部54b,55bとの間の境界線が存在する。しかも、リニアスケール51を平面視する場合、第1透光部54aと第2透光部55a/第1遮光部54bと第2遮光部55bとは、透明部材52の厚み方向に視線が向かうように平面視すると、完全に重なる状態となる。そのため、透明部材52を通過した後に出射される光は、厚み方向に沿った平行光に近づき、受光部63においては、光の拡散/回折等の影響を、一層小さくすることが可能となる。
【0057】
また、受光部63は、複数の受光素子65a〜66bを備えると共に、マスクピッチMは、受光素子65a,65bまたは受光素子66a,66bの2個分の寸法に対応している。このため、第1透光部54a/第2透光部55aには、いずれかの受光素子65a〜66bが対応し、さらに第1遮光部54b/第2遮光部55bにも、いずれかの受光素子65a〜66bが対応する。このため、これらの受光素子65a〜66bの間で、位相が180度ずれた信号を出力可能となり、これらの比較によって、精度の高いエンコーダ信号を得ることが可能となる。
【0058】
さらに、上述のようにして、余分な拡散光/回折光等の受光を抑え、受光素子65a〜6bにおける検出感度を高めることにより、印刷対象物Pに対するインク滴の吐出を、精度良く行うことが可能となり、印刷精度を向上させることが可能となる。
【0059】
以上、本発明の一実施の形態について述べたが、本発明は、種々変形可能である。以下、それについて述べる。
【0060】
上述の実施の形態では、1つの透明部材52に、第1ラインパターン54および第2ラインパターン55を設ける場合について説明している。しかしながら、透明部材52の表面52aまたは裏面52bのいずれかのみにラインパターンを形成した、2つのラインパターンを、重ねて用いることにより、2つのラインパターンを具備する位置検出装置を実現しても良い。
【0061】
このように、2つのラインパターンが別個の透明部材52に設けられる場合には、同様のラインパターンが形成されている2つの透明部材52,52の位置合わせを行うだけで、光の検出感度を向上させることができる位置検出装置を簡易に実現できる。また、1つの透明部材52の両面にラインパターンを形成する場合と比較して、ラインパターンの位置ずれの修正が容易となる。
【0062】
また、第1ラインパターンおよび第2ラインパターンの2つを具備する透明部材(スケール板)を複数重ねたり、表面52aまたは裏面52bのいずれかのみにラインパターンが設けられている透明部材52を、3つ以上重ねる構成を採用しても良い。
【0063】
また、上述の実施の形態においては、液体吐出装置としてのプリンタ10、および位置検出装置が設けられるプリンタ10について説明したが、液体吐出装置は、プリンタ10には限られず、また位置検出装置が設けられる装置も、プリンタ10には限られない。位置検出装置が設けられる液体吐出装置としては、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体加工装置、表面加工装置、三次元造形装置、液体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置等のインクジェット技術を応用した各種の液体吐出装置に応用可能である。なお、これらの液体吐出装置で吐出される液体は、それぞれの装置に応じて変更され、例えば金属材料、有機材料、磁性材料、導電性材料、配線材料、成膜材料、各種加工液等がある。
【0064】
また、上述の実施の形態では、透明部材52の表面52aまたは裏面52bの両面またはいずれか片面のみに、ラインパターン54,55が設けられている構成について述べている。しかしながら、透明部材52の厚み寸法における内部に、ラインパターンが設けられていても良い。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の一実施の形態に係るプリンタの構成を示す斜視図である。
【図2】プリンタの構成を示す概略図である。
【図3】プリンタの紙送りに関する部分の一側断面図である。
【図4】リニアエンコーダの透明部材とフォトセンサの関係を示す模式図である。
【図5】図1のリニアスケールの取り付け状態を示す部分的な斜視図である。
【図6】リニアエンコーダの回路構成を示す図である。
【図7】エンコーダの出力パルスを示す図である。
【図8】透明部材とフォトセンサの関係の変形例を示す模式図である。
【図9】ロータリエンコーダの概略構成を示す図である。
【図10】リニアスケールにおける光の進行状態を示す図である。
【符号の説明】
【0066】
10…プリンタ、20…筐体部、30…キャリッジ機構、31…キャリッジ、32…キャリッジモータ、40…用紙搬送機構、41…PFモータ、50…リニアエンコーダ(位置検出装置に対応)、51…リニアスケール、52…透明部材、54…第1ラインパターン、54a…第1透光部、54b…第1遮光部、55…第2ラインパターン、55a…第2透光部、55b…第2遮光部、60…フォトセンサ、61…発光部、63…受光部、65…第1受光素子列、66…第2受光素子列、65a,65b,66a,66b…受光素子、68a…第1コンパレータ、68b…第2コンパレータ、70…ロータリエンコーダ、80…制御部




 

 


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