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発明の名称 インクジェット記録方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−21925(P2007−21925A)
公開日 平成19年2月1日(2007.2.1)
出願番号 特願2005−208147(P2005−208147)
出願日 平成17年7月19日(2005.7.19)
代理人 【識別番号】100095728
【弁理士】
【氏名又は名称】上柳 雅誉
発明者 大西 弘幸
要約 課題
CDやDVD等の光記録媒体に、耐水性、耐擦性及び光沢感に優れた印刷画像を形成し得るインクジェット記録方法を提供すること。

解決手段
本発明のインクジェット記録方法は、透光性基板上に少なくとも光記録層を有する光記録媒体の被印刷領域に、色材を含む有色インクと、色材を含まない透明インクとを、インクジェット記録方式により付着させるインクジェット記録方法であって、上記透明インクは、カチオン性樹脂及びカチオン性界面活性剤からなる群より選ばれる1種以上のカチオン性物質を含有することを特徴とする。また、上記透明インクには、可視光領域に吸収波長を持たず且つ特定光源下で可視光領域の発光を示す発光物質を含有させることもでき、光記録媒体の偽造防止に効果的である。
特許請求の範囲
【請求項1】
透光性基板上に少なくとも光記録層を有する光記録媒体の被印刷領域に、色材を含む有色インクと、色材を含まない透明インクとを、インクジェット記録方式により付着させるインクジェット記録方法であって、
上記透明インクは、カチオン性樹脂及びカチオン性界面活性剤からなる群より選ばれる1種以上のカチオン性物質を含有するインクジェット記録方法。
【請求項2】
上記透明インクは、可視光領域に吸収波長を持たず且つ特定光源下で可視光領域の発光を示す発光物質を含有する請求項1記載のインクジェット記録方法。
【請求項3】
上記透明インクは、少なくとも、上記被印刷領域における上記有色インクの付着部又は付着予定部に付着される請求項1又は2記載のインクジェット記録方法。
【請求項4】
上記有色インクの単位面積当たりの付着量が最も多い高デューティー部への上記透明インクの付着量を最小とし、上記有色インクの単位面積当たりの付着量が最も少ない低デューティー部への上記透明インクの付着量を最大とし、高デューティー部と低デューティー部との中間部への上記透明インクの付着量は、上記有色インクの単位面積当たりの付着量に応じて適宜変化させる請求項3記載のインクジェット記録方法。
【請求項5】
上記被印刷領域は、水溶性ポリマーを20重量%以上含有する水溶性樹脂層からなる請求項1〜4の何れかに記載のインクジェット記録方法。
【請求項6】
上記被印刷領域は、顔料を30重量%以上及びバインダーを含有する多孔質顔料層からなる請求項1〜4の何れかに記載のインクジェット記録方法。
【請求項7】
上記被印刷領域は、表面がマット調のインク受容層からなる請求項1〜4の何れかに記載のインクジェット記録方法。
【請求項8】
上記被印刷領域は、表面が光沢調のインク受容層からなる請求項1〜4の何れかに記載のインクジェット記録方法。
【請求項9】
請求項1〜8の何れかに記載のインクジェット記録方法により作製された印刷物。

発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザー光を用いて情報の記録再生が行われるCDやDVD等の光記録媒体に、耐水性、耐擦性及び光沢感に優れた印刷画像を形成するインクジェット記録方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光記録媒体は、コンピュータ用情報の他、音声データ、画像データなどの各種情報の保存手段であり、情報の記録及び再生が可能な追記型(CD−R)、情報の記録後にその消去が可能な書換型(CD−RW)が開発され、汎用されている。近年は、取り扱う情報量の増大に伴い、CD−RやCD−RWに比べて大容量の光記録媒体であるDVD−R(追記型)やDVD−RW(書換型)なども普及し始めている。これらの光記録媒体は、データの入っていない光記録媒体を購入したのち利用者がデータを記録するため、データ記録後は、光記録媒体の表面に記録内容を表示する必要がある。
【0003】
光記録媒体の表面に文字や画像を表示させる方法としては、油性ペン等を用いて表面に直接手書きする方法や、プリント可能なラベルを表面に貼付する方法等があるが、手書きでは商業的な用途に利用できず、ラベル貼付ではラベルの剥離による装置の故障等が懸念される。そこで、光記録媒体の光入射面と反対側に印刷が可能なインク受容層を設け、インクジェットプリンタ等を用いて該インク受容層に文字や画像を印刷する方法が実用化され、この方法に対応した光記録媒体がプリンタブルCD−R、プリンタブルDVD−R等と称して市販されている。
【0004】
プリンタブル光記録媒体としては、例えば、透明基板上に記録層、金属反射層、1層又は2層以上の保護層を順次積層してなり、表面に露出している保護層が吸水性及び/又は吸油性を有する有機フィラー及び/又は無機フィラーを含有するUV硬化樹脂からなり、該保護層表面を印刷可能に構成した光記録媒体(特許文献1参照)、あるいは、透明基板上に光吸収層、光反射層、保護層及び/又は印刷受容層を順次積層し、最外層の保護層又は印刷受容層がポリビニルアセタール樹脂と、水分散性樹脂及び/又は水溶性樹脂とを含む光記録媒体(特許文献2参照)がある。
【0005】
しかし、従来のプリンタブル光記録媒体は、印刷画像の耐水性及び耐擦性に乏しく、水が付着したり湿気に晒されることによって印刷画像が滲んだり、僅かな摩擦によって印刷画像が剥がれ落ちたりするという問題があった。また、印刷画像の光沢感も十分とは言い難く、その改善が望まれていた。
【0006】
【特許文献1】特開平7−169100号公報
【特許文献2】特開平8−161769号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明の目的は、CDやDVD等の光記録媒体に、耐水性、耐擦性及び光沢感に優れた印刷画像を形成し得るインクジェット記録方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、透光性基板上に少なくとも光記録層を有する光記録媒体の被印刷領域に、色材を含む有色インクと、色材を含まない透明インクとを、インクジェット記録方式により付着させるインクジェット記録方法であって、上記透明インクは、カチオン性樹脂及びカチオン性界面活性剤からなる群より選ばれる1種以上のカチオン性物質を含有するインクジェット記録方法を提供することにより、上記目的を達成したものである。
【0009】
本発明のインクジェット記録方法によれば、通常用いられる有色インクと共に、特定のカチオン性物質を含有する透明インクを用いることにより、CDやDVD等の光記録媒体上に、耐水性、耐擦性及び光沢感に優れた印刷画像を形成することができる。
また、「可視光領域に吸収波長を持たず且つ特定光源下で可視光領域の発光を示す発光物質」を含有する上記透明インクを用いて、光記録媒体に対してインクジェット記録を行った場合、該光記録媒体における該透明インクの付着部が特定光源下で発光するため、その光記録媒体が真正物であるか偽造物であるかの判定が容易になり、光記録媒体の偽造防止に効果的である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明のインクジェット記録方法では、色材を含む有色インクと、色材を含まない透明インクとを用いる。先ず、これらのインクについて説明する。
【0011】
本発明に係る有色インクは、色材を含み、更に、主溶媒としての水を含有し、必要に応じ、顔料分散剤、界面活性剤、水溶性有機溶剤等が添加され調製される。
【0012】
有色インクに用いられる色材としては、水性のインクジェット記録用インクに使用可能なものであればよく、染料及び顔料の何れであってもよく、両者を併用することもできる。色材の含有量は、印字濃度と吐出安定性とのバランスの観点から、インクの全重量に対して、好ましくは1〜30重量%、更に好ましくは3〜10重量%である。
【0013】
上記染料(色材)としては、例えば、酸性染料、塩基性染料、直接染料、食用色素、反応性染料等を用いることができる。具体的には、例えば、アシッドイエロー23、25;ダイレクトイエロー12、26、86、130;ベーシックイエロー9、11;アシッドレッド27、28、52、254、289;リアクティブレッド180;ダイレクトレッド9、13、17、23、227;ベーシックレッド3;アシッドブルー8、254;ベーシックブルー9;ダイレクトブルー78、86、199;アシッドブラック52、172、208;フードブラック2、ダイレクトブラック19、22、28、154;プロセスリアクティブブラック31等が挙げられる。
【0014】
上記顔料(色材)としては、例えば、アゾ顔料(例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等を含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック等の有機顔料;カーボンブラック(例えば、ファーネスブラック、サーマルランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等)、金属酸化物、金属硫化物、金属塩化物等の無機顔料;シリカ、炭酸カルシウム、タルク等の体質顔料等を用いることができる。具体的には、例えば、C.I.ピグメントイエロー74、93、109、110、128、138、150、151、154、155、180、185;C.I.ピグメントレッド122、202、209;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.ピグメントブルー15:3、15:4、60;C.I.ピグメントグリーン7(フタロシアニングリーン)、10(グリーンゴールド)、36、37;C.I.ピグメントブラウン3、5、25、26;C.I.ピグメントオレンジ1、2、5、7、13、14、15、16、34、36、38等が挙げられる。
【0015】
尚、色材として顔料を用いる場合には、顔料と共に顔料分散剤を併用することにより、インク中での顔料の分散安定性を更に高めることができる。顔料分散剤としては、例えば、ポリビニルアルコール類;ポリビニルピロリドン類;ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリルニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体等のアクリル系樹脂;スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体等のスチレン−アクリル樹脂;スチレン−マレイン酸共重合体;スチレン−無水マレイン酸共重合体;ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体;ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体;酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体等の酢酸ビニル系共重合体、あるいは、これらの塩;にかわ、ゼラチン、ガゼイン、アルブミン等のタンパク質類;アラビアゴム、トラガントゴム等の天然ゴム類;サボニン等のグルコシド類;アルギン酸及びアルギン酸プロピレングリコールエステル、アルギン酸トリエタノールアミン、アルギン酸アンモニウム等のアルギン酸誘導体;メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース等のセルロース誘導体等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0016】
また、有色インクに用いられる界面活性剤としては、被記録媒体(光記録媒体)に対する浸透性を高め得るものとして、両性界面活性剤及び非イオン界面活性剤が挙げられる。両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシンその他イミダゾリン誘導体などがある。非イオン界面活性剤としては、アセチレングリコール系界面活性剤、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルなどのエーテル系、ポリオキシエチレンオレイン酸、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレートなどのエステル系、その他フッ素アルキルエステル、パーフルオロアルキルカルボン酸塩などの含フッ素系界面活性剤などがある。これらの界面活性剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。界面活性剤の含有量は、インクの全量に対して好ましくは0.1〜5重量%である。
【0017】
上記の界面活性剤の中でもアセチレングリコール系界面活性剤は、画質、吐出安定性などの面から特に好ましく、その例としては2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3オールなどが挙げられる。市販のアセチレングリコール系界面活性剤としては、サーフィノール82、104、440、465、485、またはTG(いずれもAir Products and Chemicals.Inc.より入手可能)、オルフィンSTG、オルフィンE1010(商品名)(以上、日信化学社製)などが好ましく用いられる。また、シリコーン系界面活性剤も本発明で好ましく用いることができる。市販のシリコーン系界面活性剤としては、BYK347、348(以上、ビックケミージャパン製)などが挙げられる。
【0018】
また、有色インクに用いられる水溶性有機溶剤としては、インクに含まれる各種成分の溶解性や吐出安定性の向上等に有効なものが好ましく、このような有効性を有するものとして、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1、3−プロピレングリコール、イソプロピレングリコール、イソブチレングリコール、1、4−ブタンジオール、1、3−ブタンジオール、1、5−ペンタンジオール、1、6−ヘキサンジオール、グリセリン、チオジグリコール、メソエリスリトール、ペンタエリスリトール、2−ピロリドン、エタノール、メタノール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノールなどの炭素数1から4のアルキルアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテルなどのグリコールエーテル類、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルスルホキシド、ソルビット、ソルビタン、アセチン、ジアセチン、トリアセチン、スルホラン等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。水溶性有機溶剤の含有量は、インクの全量に対して好ましくは1〜30重量%である。
【0019】
本発明に係る有色インクに含有可能な他の成分としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のpH調整剤、グルコース等の糖類(目詰まり防止剤)、防腐剤・防かび剤、粘度調整剤、消泡剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等が挙げられる。
【0020】
本発明に係る有色インクは、光記録媒体への良好な濡れ性と吐出安定性の観点から、表面張力が20〜45mN/mの範囲にあることが好ましく、また、pHが6.5〜10の範囲にあることが好ましく、また、液温20℃における粘度が2〜10mPaの範囲にあることが好ましく、このような物性値を満たすように、上述した各種成分の含有量を調製することが好ましい。
【0021】
一方、本発明に係る透明インクは、色材を含まず、カチオン性樹脂及びカチオン性界面活性剤からなる群より選ばれる1種以上のカチオン性物質と、主溶媒としての水とを必須成分として含んでいる。
【0022】
上記カチオン性樹脂としては、例えば、ポリアミン系縮合物、ジシアンジアミド系化合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド、アクリルアミド系化合物等が挙げられる。市販のカチオン性樹脂としては、例えば、センカFシリーズ、パピオゲンシリーズ、ユニセンスシリーズ(以上、センカ株式会社製)、PASシリーズ、PAAシリーズ、DANFIXシリーズ、POLYFLOCシリーズ(以上、日東紡製)、スミレーズレジンシリーズ(以上、住化ケムテックス製)、ハイモロックシリーズ、ハイマックスシリーズ(以上、ハイモ製)、サンフィックスシリーズ(以上、三洋化成製)等が好ましく用いられる。カチオン性樹脂を分散質とする樹脂エマルションを用いることもでき、市販の該樹脂エマルションとしては、例えば、スーパーフレックスシリーズ(以上、第一工業製薬製)、モビニールシリーズ(以上、ヘキスト合成製)等が挙げられる。
【0023】
上記カチオン性界面活性剤としては、例えば、モノアルキルアンモニウムクロライド、ジアルキルアンモニウムクロライド、EO付加型アンモニウムクロライド、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム等が挙げられる。市販のカチオン性界面活性剤としては、例えば、旭電化工業製のアデカミンシリーズが好ましく用いられる。
【0024】
上記カチオン性物質の含有量は、透明インクを用いることにより得られる効果と吐出安定性とのバランスの観点から、インクの全重量に対して、好ましくは0.1〜5重量%である。
【0025】
本発明に係る透明インクには、必要に応じ、上述した有色インク中に含有可能な各種成分(色材を除く)、例えば、界面活性剤、水溶性有機溶剤、pH調整剤等を含有させることができる。
【0026】
また、本発明に係る透明インクには、「可視光領域に吸収波長を持たず且つ特定光源下で可視光領域の発光を示す発光物質」を含有させることができる。この発光物質は、通常の自然光や照明灯の下では発光しないか、あるいは発光しても視認できない程度であるが、紫外線等の特定光源の下では視認可能な発光を示す物質である。斯かる発光物質を含有する透明インクを用いて光記録媒体に対してインクジェット記録を行なうことにより、該透明インクの付着部が特定光源下で発光するため、その光記録媒体が真正物であるか偽造物であるかの判定が容易になり、光記録媒体の偽造防止に効果的である。但し、このような透明インクの付与による偽造防止効果を得るためには、インクジェット記録対象物である光記録媒体自体に発光物質が含まれていないことが前提となる。
【0027】
上記発光物質としては、例えば、紫外線下で可視光領域の発光を示す発光物質(蛍光増白剤)として、ピレン誘導体、クマリン誘導体、アミノクマリン誘導体、カーポスチリル誘導体、ジベンゾオキサゾリル誘導体、チアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、イミダゾリン誘導体、ピラゾリン誘導体、ベンジジン誘導体、スチルベン誘導体、ジスチルベン誘導体、ジスルホン酸誘導体、ナフタルイミド誘導体、ジスチリルビフェニル誘導体等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。市販の発光物質としては、日本化薬製の蛍光染料であるKayaphor HBC、STCや、日成化成製の蛍光染料であるホワイトシリーズ、Nichion Whiteシリーズ、住友化学製のWhitexシリーズ等が好ましく用いられる。
【0028】
上記発光物質の含有量は、発光強度及びインクの吐出安定性の観点から、インクの全重量に対して、好ましくは0.1〜10重量%である。
【0029】
本発明に係る透明インクの表面張力、pH及び液温20℃における粘度は、それぞれ上述した有色インクと同様の範囲にあることが好ましい。
【0030】
本発明のインクジェット記録方法は、上述した有色インク及び透明インクを用いて、CDやDVD等の光記録媒体の被印刷領域に、インクジェット記録方式により所望の画像を印刷する。本発明の実施には、公知の光記録媒体対応型インクジェット記録装置が好ましく用いられ、市販のインクジェット記録装置としては、例えばセイコーエプソン製のPM−870C、950、980、G800等が好ましく用いられる。インクジェット記録方式(記録ヘッドの吐出方式)には、ピエゾ素子などの圧電素子を利用した電気−機械変換方式や、ヒータなどの電気−熱変換素子を利用した電気−熱変換方式など、種々の方式があるが、本発明は、何れのインクジェット記録方式にも適用することができる。
【0031】
本発明のインクジェット記録方法においては、有色インク及び透明インクの何れを先に被印刷領域に付着させてもよいし、両インクを同時に付着させてもよい。また、何れか一方のインクを先に付着させる場合、一方のインクを付着させてから他方のインクを付着させるまでの時間は特に制限されるものではないが、数秒程度とすることが好ましい。
【0032】
透明インクによる効果を最大限に引き出す観点から、透明インクは、少なくとも、被印刷領域における有色インクの付着部又は付着予定部に付着させることが好ましい。このように、有色インクを被印刷領域に付着させた後にその付着部に透明インクを付着させる(透明インクを有色インクの付着部に付着させる)か、又は有色インクがこれから付着される箇所に有色インクに先立って若しくは有色インクと同時に透明インクを付着させる(透明インクを有色インクの付着予定部に付着させる)かして、有色インクドットと透明インクドットとが重なるようにすることにより、印刷画像の耐水性、耐擦性及び光沢感について良好な結果を安定して得ることが可能となる。
【0033】
透明インクの被印刷領域における付着量は、有色インクの付着量に応じて適宜調整することが好ましい。透明インクの付着(吐出)制御方法としては、例えば、有色インクの単位面積当たりの付着量が最も多い高デューティー部への透明インクの付着量を最小とし、有色インクの単位面積当たりの付着量が最も少ない低デューティー部(被印刷領域に有色インクが付着されない非印刷部が存在する場合はその非印刷部)への透明インクの付着量を最大とし、高デューティー部と低デューティー部との中間部への透明インクの付着量は、有色インクの単位面積当たりの付着量に応じて適宜変化させるという方法が考えられる。該中間部への透明インクの付着量は、有色インクの付着量に反比例させることが好ましい。この制御方法によれば、両インク由来の成分を被印刷領域全体に亘って均一に付着させることが可能となるため、光沢感のばらつきを効果的に抑制することができると共に、光記録媒体の重量バランスが維持され、光記録媒体の情報記録再生時に面ブレや偏心が発生せず、読み取りエラーの発生を効果的に防止することができる。
【0034】
透明インクの被印刷領域における付着量は、上記のように有色インクとの相対的な関係によって定められることが好ましいが、所定の効果が確実に得られるようにするためには、被印刷領域に対し固形分換算で5mg/inch2以上とすることが好ましい。但し、透明インクの付着量が多すぎると乾燥しにくくなることから、付着量の上限は20mg/inch2程度とすることが好ましい。
【0035】
本発明における上述の有色インク及び透明インクの付着(吐出)制御は、斯かる制御構成に対応するプログラムコードから構成されたプリンタドライバを作製し、このプリンタドライバをインクジェット記録装置に接続又は内蔵されたコンピュータにインストールし、こうしてプリンタドライバがインストールされたインクジェット記録装置を使用することにより、実施することができる。
【0036】
以下、本発明のインクジェット記録方法の適用対象である光記録媒体について説明する。
図1は、本発明の適用可能な光記録媒体の一例の断面模式図である。図1に示す光記録媒体は、いわゆるCD−R型の光ディスクであり、中心にクランプ孔を有するドーナツ型円盤状の透光性基板1上に、スパイラル状にトラッキング用の案内溝1aが形成され、該案内溝1a上に、光記録層2、光反射層3、保護層4及びインク受容層5が順次積層されて構成されており、透光性基板1側からレーザー光を照射して情報の記録再生を行う方式に対応している。インク受容層5は、インクジェット記録が行われる層であり、この表面が光記録媒体の被印刷領域となる。
【0037】
透光性基板1は、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂等のプラスチックあるいはガラス等から形成される。
【0038】
光記録層2は色素を含有する薄膜、Te等の金属からなる無機系化合物薄膜、FeTbCoからなる光磁気記録合金薄膜、GeSbTe、AgInSbTe、SnSbSe等の相変化記録合金薄膜等から形成される。
【0039】
光反射層3は、Au,Ag,Cu,Ni,Pt等の金属や合金材料を蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等することにより形成される。
【0040】
保護層4は、光記録層2及び光反射層3を物理的・化学的に保護する層であり、紫外線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等から形成される。
【0041】
インク受容層5は、インクジェット記録可能に構成された層であり、具体的には、(1)水溶性ポリマーを20重量%以上、好ましくは70〜98重量%含有する水溶性樹脂層、又は(2)顔料を30重量%以上、好ましくは50〜85重量%、及びバインダーを含有する多孔質顔料層からなる。
【0042】
上記(1)の水溶性ポリマーとしては、ゼラチン類、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、セルロール誘導体、アクリル誘導体等が用いられる。
【0043】
上記(2)の顔料としては、シリカ、アルミナ等が用いられる。また、顔料の一次粒子径は、好ましくは5〜50nmである。
また、上記(2)のバインダーとしては、ポリビニルアルコール及びその変性物、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリル共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が用いられる。バインダーの含有量は、インク受容層中の顔料に対して好ましくは15〜40重量%である。
【0044】
上記(1)及び(2)のインク受容層には、それぞれ、必要に応じ、カチオン化剤、硬膜剤、界面活性剤、増粘剤、消泡剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤等の各種添加剤が含有される。
【0045】
また、インク受容層5は、その表面が、光沢感の高い光沢調であってもよいし、マット(艶消し)調であってもよい。本発明のインクジェット記録方法によれば、被印刷領域の表面が光沢調である場合はもとより、被印刷領域の表面がマット調であっても、そのマット調の被印刷領域に良好な光沢感を付与することができる。尚、通常、マット調の表面は、JIS−Z8741で規定する20度光沢度が10%以下の範囲にあり、光沢調の表面は、該20度光沢度が10%を超える。
【0046】
本発明のインクジェット記録方法は、上記のインク受容層を有する光記録媒体(プリンタブル光記録媒体)に特に有効であるが、本発明の適用対象は、図1に示す如き構成の光記録媒体に限定されるものではなく、透光性基板上に少なくとも光記録層を有する光記録媒体、即ち、レーザー光を用いて情報の記録再生が行われる光記録媒体全般に対して、本発明を適用することができる。勿論、本発明は、CD−R型の光ディスクの他、CD型の再生専用光ディスク(CD−ROM)、書き換え可能なCD−RW型の光ディスク、DVD型の再生専用光ディスクであるDVD−R、追記可能なDVD−RAM,−RW等の光ディスク等にも適用可能である。
【実施例】
【0047】
以下に、本発明の実施例及び本発明の効果を示す試験例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は、斯かる実施例により何等制限されるものではない。
【0048】
以下の組成の透明インクA及びBをそれぞれ調製した。
【0049】
<透明インクAの組成>
・カチオン性樹脂 3.0重量%
(スミレーズレジン1001、住化ケムテックス製)
・グリセリン 10.0重量%
・界面活性剤(オルフィンSTG、日信化学製) 3.0重量%
・イオン交換水 バランス
【0050】
<透明インクBの組成>
・カチオン性樹脂 3.0重量%
(スミレーズレジン1001、住化ケムテックス製)
・グリセリン 10.0重量%
・界面活性剤(オルフィンSTG、日信化学製) 3.0重量%
・蛍光染料(Kayaphor HBC、日本化薬製) 3.0重量%
・イオン交換水 バランス
【0051】
〔実施例1〜3〕
セイコーエプソン製のカラーインクジェットプリンタPM−980Cにおいて、該プリンタに標準搭載されているダークイエローインクを上記透明インクAに置換し、シアン、マゼンタ、イエロー、ライトシアン、ライトマゼンタ、ブラックの6種類の有色インクと、1種類の透明インクとを備えたインクジェットプリンタを用意した。そして、このインクジェットプリンタを用いて、下記の3種類のインクジェットプリンタ対応型DVD−R(マット調媒体1、マット調媒体2、光沢調媒体)の被印刷領域にそれぞれ画像を印刷し、印刷物を作製した。印刷は、有色インクを被印刷領域に付着させた後、透明インクを有色インクの付着部に重ねて付着させることにより行った。有色インクの付着量は、固形分換算で5mg/inch2とし、透明インクの付着量は、固形分換算で10mg/inch2とした。印刷画像は、高精細カラーデジタル標準画像[(ISO/JIS-SCID)、画像名称「ポートレート」(サンプル番号1、画像の評価認識番号N1)]とした。
・マット調媒体1:DVD−R47HCPWC、TDK製
・マット調媒体2:DR47WPC、日立マクセル製
・光沢調媒体:DR47PH、日立マクセル製
【0052】
〔実施例4〜6〕
実施例1〜3において、透明インクAに代えて上記透明インクBを使用した以外は実施例1〜3と同様にして3種類の上記DVD−Rにそれぞれ画像を印刷し、印刷物を作製した。
【0053】
〔比較例1〜3〕
実施例1〜3において、透明インクを使用しなかった以外は実施例1〜3と同様にして3種類の上記DVD−Rにそれぞれ画像を印刷し、印刷物を作製した。
【0054】
以上のようにして作製された印刷物について、耐水性、耐擦性、光沢感をそれぞれ下記の方法により評価した。これらの評価結果を下記表1に示す。
【0055】
また、実施例4〜6(蛍光染料を含む透明インクBを使用した実施例)で得られた印刷物の印刷面に対して、380nmにピークを有するブラックライトを照射したところ、透明インクに含まれていた蛍光染料の発光を目視で容易に確認することができた(3種類の上記DVD−Rの何れにも、元々、蛍光染料は含まれていない)。この結果から、実施例4〜6のインクジェット記録方法は、光記録媒体の偽造防止手段として有効であることが確認できた。
【0056】
(耐水性の評価方法)
印刷物を室温25℃、相対湿度50%の環境下に24時間放置後、0.3ccの水滴を印刷文字上に滴下し、更に同じ環境下で24時間放置した後、印刷文字を目視で観察し、インクの滲みが見られないものをA(耐水性良好)、文字は滲んでいるが判読可能なものをB、滲みがひどく文字を判読できないものをCとした。
【0057】
(耐擦性の評価方法)
印刷物の印刷面を指の腹で擦った後、その状態を目視で観察し、印刷画像から色材の脱落がないものをA(耐擦性良好)、若干の色材の脱落が確認されるものをB、色材の脱落が明確であるものをCとした。
【0058】
(光沢感の評価方法)
印刷物の印刷面を目視で観察し、銀塩写真の光沢面と比較して光沢感に遜色のないものをA(光沢性良好)、銀塩写真の光沢面と比較して部分的に光沢感に劣る箇所もあるが、概ね良好な光沢感を有するものをB、全体的にマット(艶消し)調であるか、あるいは光沢ムラが見られるものをCとした。
【0059】
【表1】


【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明のインクジェット記録方法が適用される光記録媒体の一例の断面模式図である。
【符号の説明】
【0061】
1…透光性基板、2…光記録層、3…光反射層、4…保護層、5…インク受容層





 

 


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