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印刷装置、及び、印刷方法 - セイコーエプソン株式会社
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発明の名称 印刷装置、及び、印刷方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−21780(P2007−21780A)
公開日 平成19年2月1日(2007.2.1)
出願番号 特願2005−203474(P2005−203474)
出願日 平成17年7月12日(2005.7.12)
代理人 【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
発明者 星山 由子 / 布川 博一
要約 課題
濃度ムラを抑制することができる印刷装置を提供すること。

解決手段
本発明における印刷装置は、指定し得る最小階調値及び最大階調値によって定められる所定範囲内において指定された印刷階調値を補正するための補正部を備える。また、インクを吐出するための動作を行う素子を有し、形成すべきドットのサイズに応じた駆動信号が前記素子に印加されることによって、インクを吐出するヘッドを備える。また、前記補正部によって補正された補正後印刷階調値が前記所定範囲を超えたときに、前記補正後印刷階調値が前記所定範囲内にある場合に形成し得るドットとは異なるサイズのドットを形成するための駆動信号を生成する駆動信号生成部を備える。
特許請求の範囲
【請求項1】
(a)インクを吐出するため動作を行う素子を有し、形成すべきドットのサイズに応じた駆動信号が前記素子に印加されることによって、インクを吐出するヘッドと、
(b)指定し得る最小階調値及び最大階調値によって定められる所定範囲内において指定された印刷階調値を補正するための補正部と、
(c)前記補正部によって補正された補正後印刷階調値が前記所定範囲を超えたときに、前記補正後印刷階調値が前記所定範囲内にある場合に形成し得るドットとは異なるサイズのドットを形成するための駆動信号を生成する駆動信号生成部と、
を備える印刷装置。
【請求項2】
請求項1に記載の印刷装置であって、
前記駆動信号生成部は、
前記素子を動作させる波形部を複数有する原駆動信号を生成する原駆動信号生成部と、
前記原駆動生成部と前記素子との間に配置され、前記原駆動信号から前記素子に印加される駆動信号を生成するためのスイッチと、
前記補正後印刷階調値に基づいて、前記スイッチの動作を制御するスイッチコントローラと、
を備える印刷装置。
【請求項3】
請求項2に記載の印刷装置であって、
前記駆動信号生成部は、
前記スイッチの動作を定めるためのスイッチ動作情報を記憶したスイッチ動作情報記憶部を、さらに備え、
前記スイッチコントローラは、
前記補正後印刷階調値に基づいて、対応するスイッチ動作情報を選択する選択部を備える、印刷装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の印刷装置であって、
前記駆動信号生成部は、
前記補正後印刷階調値が前記所定範囲内のとき、第1のドット、該第1のドットよりも大きい第2のドット、及び、該第2のドットよりも大きい第3のドットを形成するための駆動信号を生成し、
前記補正後印刷階調値が前記所定範囲を超えたとき、前記第3のドットよりも大きいドット、又は、前記第1のドットよりも小さなドットを形成するための駆動信号を生成する、印刷装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の印刷装置であって、
前記指定し得る最小階調値は0であり、前記指定し得る最大階調値は255である、印刷装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の印刷装置であって、
前記ヘッドは、
所定方向に移動している最中に、前記駆動信号が前記素子へ印加されることによって、前記インクを吐出するものであり、
前記補正部は、
前記所定方向に並ぶ複数の単位領域によって構成されて前記所定方向と交差する他の所定方向に並ぶ列領域ごとに用意された補正用データに基づき、前記印刷階調値を補正する、印刷装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載の印刷装置であって、
前記補正部は、
補正用プログラムを格納したメモリと、
前記補正用プログラムによって動作するCPUと、
を有する、印刷装置。
【請求項8】
(a)インクを吐出するための動作を行う素子を有し、所定方向に移動している最中に、形成すべきドットのサイズに応じた駆動信号が前記素子に印加されることによって、インクを吐出するヘッドと、
(b)指定し得る最小階調値である0及び最大階調値である255によって定められる範囲内において指定された印刷階調値を補正するための補正部であって、
補正用プログラムを格納したメモリと、前記補正用プログラムによって動作するCPUと、を有し、
前記所定方向に並ぶ複数の単位領域によって構成されて前記所定方向と交差する他の所定方向に並ぶ列領域ごとに用意された補正用データに基づき、前記印刷階調値を補正する補正部と、
(c)前記補正部によって補正された補正後印刷階調値が前記範囲を超えたときに、前記補正後印刷階調値が前記範囲内にある場合に形成し得るドットとは異なるサイズのドットを形成するための駆動信号を生成する駆動信号生成部であって、
前記素子を動作させる波形部を複数有する原駆動信号を生成する原駆動信号生成部と、
前記原駆動生成部と前記素子との間に配置され、前記原駆動信号から前記素子に印加される駆動信号を生成するためのスイッチと、
前記スイッチの動作を定めるためのスイッチ動作情報を記憶したスイッチ動作情報記憶部と、
前記補正後印刷階調値に基づいて、対応するスイッチ動作情報を選択する選択部を備え、前記スイッチの動作を制御するスイッチコントローラと、を有し、
前記補正後印刷階調値が前記範囲内のとき、第1のドット、該第1のドットよりも大きい第2のドット、及び、該第2のドットよりも大きい第3のドットを形成するための駆動信号を生成し、前記補正後印刷階調値が前記範囲を超えたとき、前記第3のドットよりも大きなドット、又は、前記第1のドットよりも小さなドットを形成するための駆動信号を生成する、駆動信号生成部と、
を備える印刷装置。
【請求項9】
指定し得る最小階調値及び最大階調値によって定められる所定範囲内において指定された印刷階調値を補正するステップと、
前記補正がなされた補正後印刷階調値が前記所定範囲を超えたときに、前記補正後印刷階調値が前記所定範囲内にある場合に形成し得るドットとは異なるサイズのドットを形成するための駆動信号を生成するステップと、
形成すべきドットのサイズに応じた駆動信号を素子に印加して、インクを吐出するステップと、
を含む印刷方法。

発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置、及び、印刷方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ヘッドからインクを吐出させて印刷を行う、所謂インクジェット方式の印刷装置としては、例えば、プリンタ、プロッタ、ファクシミリがある。この種の印刷装置には、ヘッドが有する素子の動作を駆動信号によって制御し、階調毎に量を異ならせてインクを吐出させるものがある(例えば、特許文献1を参照。)。この装置では、ドットの非形成、小ドット、中ドット、及び、大ドットからなる4階調で制御を行う。このため、4種類の駆動信号を生成し、素子に印加している。
【0003】
また、CCDセンサにより画像をサンプリングして、デジタル化したデータをインクジェットプリンタで出力する印刷装置がある(例えば、特許文献2を参照)。そして、濃度ムラを補正するため、CCDセンサの利得ムラの特性を係数として保存し、かつ、ヘッドの濃度ムラの特性を係数として保存し、これら係数を考慮して2値化処理を行っている。
【特許文献1】特開平10−193587号公報
【特許文献2】特開平2−54676号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した印刷装置において、ノズルの加工精度のばらつきによって、インク吐出量の異常や、ノズルから吐出されたインクの飛行方向が紙送り方向に着弾ズレを起こすことがある。そして、ある領域においては濃度が高く、ある領域については濃度が低く見えるようにドットが形成され、濃度ムラを発生させることがあった。このようなとき、濃度ムラを発生させる特定の領域について、所定の印刷階調値の範囲内で印刷階調値の補正を行って濃度ムラを抑制することも考えられるが、発生する着弾ズレ等の影響が大きいときは濃度ムラを抑制しきれないことがあった。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、所定の印刷階調値の範囲内で補正を行っても生ずる濃度ムラを抑制することができる印刷装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するための主たる発明は、
(a)インクを吐出するため動作を行う素子を有し、形成すべきドットのサイズに応じた駆動信号が前記素子に印加されることによって、インクを吐出するヘッドと、
(b)指定し得る最小階調値及び最大階調値によって定められる所定範囲内において指定された印刷階調値を補正するための補正部と、
(c)前記補正部によって補正された補正後印刷階調値が前記所定範囲を超えたときに、前記補正後印刷階調値が前記所定範囲内にある場合に形成し得るドットとは異なるサイズのドットを形成するための駆動信号を生成する駆動信号生成部と、
を備える印刷装置である。
【0007】
本発明の他の特徴は、本明細書、及び添付図面の記載により、明らかにする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
===開示の概要===
本明細書の記載、及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかになる。
【0009】
インクを吐出するため動作を行う素子を有し、形成すべきドットのサイズに応じた駆動信号が前記素子に印加されることによって、インクを吐出するヘッドと、指定し得る最小階調値及び最大階調値によって定められる所定範囲内において指定された印刷階調値を補正するための補正部と、前記補正部によって補正された補正後印刷階調値が前記所定範囲を超えたときに、前記補正後印刷階調値が前記所定範囲内にある場合に形成し得るドットとは異なるサイズのドットを形成するための駆動信号を生成する駆動信号生成部と、を備える印刷装置。
このような印刷装置によれば、印刷階調値の補正によって階調が印刷階調値の範囲外となったときに、該範囲外の印刷階調値に対応するサイズのドットを発生することができ、濃度ムラを抑制することができる。
【0010】
かかる印刷装置において、前記駆動信号生成部は、前記素子を動作させる波形部を複数有する原駆動信号を生成する原駆動信号生成部と、前記原駆動生成部と前記素子との間に配置され、前記原駆動信号から前記素子に印加される駆動信号を生成するためのスイッチと、前記補正後印刷階調値に基づいて、前記スイッチの動作を制御するスイッチコントローラと、を備えることが好ましい。
このような印刷装置によれば、原駆動信号生成部、スイッチ、及び、スイッチコントローラを用いて駆動信号生成部を構成することができる。
【0011】
また、かかる印刷装置において、前記駆動信号生成部は、前記スイッチの動作を定めるためのスイッチ動作情報を記憶したスイッチ動作情報記憶部を、さらに備え、前記スイッチコントローラは、前記補正後印刷階調値に基づいて、対応するスイッチ動作情報を選択する選択部を備えることが好ましい。
このような印刷装置によれば、補正後印刷階調値に基づいて、スイッチ動作情報を選択することができる。
【0012】
また、かかる印刷装置において、前記駆動信号生成部は、前記補正後印刷階調値が前記所定範囲内のとき、第1のドット、該第1のドットよりも大きい第2のドット、及び、該第2のドットよりも大きい第3のドットを形成するための駆動信号を生成し、前記補正後印刷階調値が前記所定範囲を超えたとき、前記第3のドットよりも大きいドット、又は、前記第1のドットよりも小さなドットを形成するための駆動信号を生成することが好ましい。
このような印刷装置によれば、補正後印刷階調値が所定範囲を超えたときに、第3のドットよりも大きいドット、又は、第1のドットよりも小さなドットを形成して、濃度ムラを抑制することができる。
【0013】
また、かかる印刷装置において、前記指定し得る最小階調値は0であり、前記指定し得る最大階調値は255であることが好ましい。
このような印刷装置によれば、指定しうる最小階調値を0とし、指定しうる最大階調値を255として所定範囲を定めることができる。
【0014】
また、かかる印刷装置において、前記ヘッドは、所定方向に移動している最中に、前記駆動信号が前記素子へ印加されることによって、前記インクを吐出するものであり、前記補正部は、前記所定方向に並ぶ複数の単位領域によって構成されて前記所定方向と交差する他の所定方向に並ぶ列領域ごとに用意された補正用データに基づき、前記印刷階調値を補正することが好ましい。
このような印刷装置によれば、列領域ごとに用意された補正用データに基づいて、印刷階調値を補正して濃度ムラを抑制することができる。
【0015】
また、かかる印刷装置において、前記補正部は、補正用プログラムを格納したメモリと、前記補正用プログラムによって動作するCPUと、を有することが好ましい。
このような印刷装置によれば、補正用プログラムをCPUで実行することにより補正部を実現することができる。
【0016】
また、以下の構成を有する印刷装置を実現することもできる。すなわち、インクを吐出するための動作を行う素子を有し、所定方向に移動している最中に、形成すべきドットのサイズに応じた駆動信号が前記素子に印加されることによって、インクを吐出するヘッドと、指定し得る最小階調値である0及び最大階調値である255によって定められる範囲内において指定された印刷階調値を補正するための補正部であって、補正用プログラムを格納したメモリと、前記補正用プログラムによって動作するCPUと、を有し、 前記所定方向に並ぶ複数の単位領域によって構成されて前記所定方向と交差する他の所定方向に並ぶ列領域ごとに用意された補正用データに基づき、前記印刷階調値を補正する補正部と、前記補正部によって補正された補正後印刷階調値が前記範囲を超えたときに、前記補正後印刷階調値が前記範囲内にある場合に形成し得るドットとは異なるサイズのドットを形成するための駆動信号を生成する駆動信号生成部であって、前記素子を動作させる波形部を複数有する原駆動信号を生成する原駆動信号生成部と、前記原駆動生成部と前記素子との間に配置され、前記原駆動信号から前記素子に印加される駆動信号を生成するためのスイッチと、前記スイッチの動作を定めるためのスイッチ動作情報を記憶したスイッチ動作情報記憶部と、前記補正後印刷階調値に基づいて、対応するスイッチ動作情報を選択する選択部を備え、 前記スイッチの動作を制御するスイッチコントローラと、を有し、 前記補正後印刷階調値が前記範囲内のとき、第1のドット、該第1のドットよりも大きい第2のドット、及び、該第2のドットよりも大きい第3のドットを形成するための駆動信号を生成し、前記補正後印刷階調値が前記範囲を超えたとき、前記第3のドットよりも大きなドット、又は、前記第1のドットよりも小さなドットを形成するための駆動信号を生成する、駆動信号生成部と、を備える印刷装置を実現することもできる。
このような印刷装置によれば、既述のほぼ全ての効果を奏するため、本発明の目的が最も有効に達成される。
【0017】
また、指定し得る最小階調値及び最大階調値によって定められる所定範囲内において指定された印刷階調値を補正するステップと、前記補正がなされた補正後印刷階調値が前記所定範囲を超えたときに、前記補正後印刷階調値が前記所定範囲内にある場合に形成し得るドットとは異なるサイズのドットを形成するための駆動信号を生成するステップと、形成すべきドットのサイズに応じた駆動信号を素子に印加して、インクを吐出するステップと、を含む印刷方法を実現することもできる。
このような印刷方法によれば、印刷階調値の補正によって階調が印刷階調値の範囲外となったときに、該範囲外の印刷階調値に対応するサイズのドットを発生することができ、濃度ムラを抑制することができる。
【0018】
===印刷装置100の構成===
<全体構成について>
まず、本実施形態における印刷装置100について図1を参照しつつ説明する。例示した印刷装置100は、印刷装置本体としてのプリンタ1と、印刷制御装置としてのコンピュータ110とを含んでいる。ここで、印刷装置本体は、実際にインクを吐出して画像を形成するものである。また、印刷制御装置は、印刷装置本体へ印刷データ等を出力するものである。
【0019】
具体的には、この印刷装置100は、プリンタ1と、コンピュータ110と、表示装置120と、入力装置130と、記録再生装置140とを有している。プリンタ1は、用紙、布、フィルム等の媒体に画像を印刷する。なお、以下の説明では、代表的な媒体である用紙S(図3Aを参照。)を例に挙げて説明する。コンピュータ110は、プリンタ1と通信可能に接続されている。そして、プリンタ1に画像を印刷させるため、コンピュータ110は、その画像に応じた印刷データをプリンタ1に出力する。このコンピュータ110には、アプリケーションプログラムやプリンタドライバ等のコンピュータプログラムがインストールされている。表示装置120は、ディスプレイを有している。この表示装置120は、例えば、コンピュータプログラムのユーザーインタフェースを表示するためのものである。入力装置130は、例えば、キーボード131やマウス132である。記録再生装置140は、例えば、フレキシブルディスクドライブ装置141やCD−ROMドライブ装置142である。
【0020】
===コンピュータ110===
<コンピュータ110の構成について>
図2は、コンピュータ110、及びプリンタ1の構成を説明するブロック図である。まず、コンピュータ110の構成について簡単に説明する。このコンピュータ110は、前述した記録再生装置140と、ホスト側コントローラ111とを有している。記録再生装置140は、ホスト側コントローラ111と通信可能に接続されており、例えばコンピュータ110の筐体に取り付けられている。ホスト側コントローラ111は、コンピュータ110における各種の制御を行うものであり、前述した表示装置120や入力装置130も通信可能に接続されている。このホスト側コントローラ111は、インタフェース部112と、CPU113と、メモリ114とを有する。インタフェース部112は、プリンタ1との間に介在し、データの受け渡しを行う。CPU113は、コンピュータ110の全体的な制御を行うための演算処理装置である。メモリ114は、CPU113が使用するコンピュータプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM、ROM、磁気ディスク装置等によって構成される。このメモリ114に格納されるコンピュータプログラムとしては、前述したように、アプリケーションプログラムやプリンタドライバがある。そして、CPU113は、メモリ114に格納されているコンピュータプログラムに従って各種の制御を行う。尚、ホスト側コントローラ111は、CPU113がメモリ114に格納されているプリンタドライバ(すなわち、補正用プログラム。)を実行することにより補正部として動作する(後述する)。
【0021】
印刷データは、プリンタ1が解釈できる形式のデータであって、各種のコマンドデータと、ドット形成データSI(図6を参照。)とを有する。コマンドデータとは、プリンタ1に特定の動作を実行させるためのデータである。このコマンドデータには、例えば、給紙を指示するコマンドデータ、搬送量を示すコマンドデータ、排紙を指示するコマンドデータがある。また、ドット形成データSIは、印刷される画像のドットに関するデータである。ここで、ドットは、用紙S上に仮想的に定められた方眼状の升目(以下、単位領域ともいう。)に対応して形成される。そして、ドット形成データSIは、4階調を示す2ビットの階調データで構成される。このドット形成データSIには、階調データ[00](ドット無しに対応する階調データ)と、階調データ[01](小ドットの形成に対応する階調データ)と、階調データ[10](中ドットの形成に対応する階調データ)と、階調データ[11](大ドット又は後述する特大ドットの形成に対応する階調データ)とがある。なお、階調データ[11]に関しては、後述する選択信号Sslct(図14を参照。)によって大ドットか特大ドットかが選択される。
【0022】
===プリンタ1===
<プリンタ1の構成について>
次に、プリンタ1の構成について説明する。ここで、図3Aは、本実施形態のプリンタ1の構成を示す図である。図3Bは、本実施形態のプリンタ1の構成を説明する側面図である。なお、以下の説明では、図2も参照する。このプリンタ1は、図2に示すように、用紙搬送機構20、キャリッジ移動機構30、ヘッドユニット40、原駆動信号生成回路50、検出器群60、及び、プリンタ側コントローラ70を有する。そして、原駆動信号生成回路50とプリンタ側コントローラ70は共通のコントローラ基板CTRに実装されている。また、ヘッドユニット40は、ヘッド制御部HCと、ヘッド41とを有している。このプリンタ1では、プリンタ側コントローラ70によって制御対象部、すなわち用紙搬送機構20、キャリッジ移動機構30、ヘッドユニット40(ヘッド制御部HC,ヘッド41)、及び原駆動信号生成回路50が制御される。すなわち、プリンタ側コントローラ70は、コンピュータ110から受け取った印刷データに基づいて制御対象部を制御し、用紙Sに画像を印刷させる。このとき、検出器群60の各検出器は、プリンタ1内の各部の状態を検出しており、検出結果をプリンタ側コントローラ70に出力する。各検出器からの検出結果を受けたプリンタ側コントローラ70は、その検出結果に基づいて制御対象部を制御する。
【0023】
そして、このプリンタ1では、原駆動信号生成回路50、プリンタ側コントローラ70、及び、ヘッド制御部HCが駆動信号生成部に相当し、ヘッド41が有するピエゾ素子PZT(図4A,図4Bを参照。)に印加される駆動信号を生成する。なお、駆動信号生成部を構成する各部や、生成される駆動信号については、後で詳しく説明する。
【0024】
<用紙搬送機構20について>
用紙搬送機構20は、媒体を搬送させる媒体搬送部に相当する。この用紙搬送機構20は、媒体としての用紙Sを印刷可能な位置に送り込んだり、この用紙Sを搬送方向に所定の搬送量で搬送させたりするものである。この搬送方向は、次に説明するキャリッジ移動方向と交差する方向(他の所定方向に相当する。)である。そして、図3A及び図3Bに示すように、用紙搬送機構20は、給紙ローラ21と、搬送モータ22と、搬送ローラ23と、プラテン24と、排紙ローラ25とを有する。給紙ローラ21は、紙挿入口に挿入された用紙Sをプリンタ1内に自動的に送るためのローラであり、この例ではD形の断面形状をしている。搬送モータ22は、用紙Sを搬送方向に搬送させるためのモータであり、その動作は、プリンタ側コントローラ70によって制御される。搬送ローラ23は、給紙ローラ21によって送られてきた用紙Sを印刷可能な領域まで搬送するためのローラである。プラテン24は、用紙Sを裏面側から支持するための部材である。排紙ローラ25は、印刷が終了した用紙Sを搬送するためのローラである。
【0025】
<キャリッジ移動機構30について>
キャリッジ移動機構30は、ヘッドユニット40が取り付けられたキャリッジCRをキャリッジ移動方向に移動させるためのものである。キャリッジ移動方向には、一端側から他端側への移動方向と、他端側から一端側への移動方向が含まれている。なお、ヘッドユニット40はヘッド41を有する。このため、キャリッジ移動方向は、ヘッド41が移動するヘッド移動方向(所定方向)に相当する。また、キャリッジ移動機構30は、ヘッド41を所定方向に移動させるヘッド移動部に相当する。このキャリッジ移動機構30は、キャリッジモータ31と、ガイド軸32と、タイミングベルト33と、駆動プーリー34と、アイドラプーリー35とを有する。キャリッジモータ31は、キャリッジCRを移動させるための駆動源に相当する。このキャリッジモータ31の動作は、プリンタ側コントローラ70によって制御される。そして、キャリッジモータ31の回転軸には、駆動プーリー34が取り付けられている。この駆動プーリー34は、キャリッジ移動方向の一端側に配置されている。駆動プーリー34とは反対側のキャリッジ移動方向の他端側には、アイドラプーリー35が配置されている。タイミングベルト33は、その端部がキャリッジCRに固定された環状の部材であり、駆動プーリー34とアイドラプーリー35とに架け渡されている。ガイド軸32は、キャリッジCRを移動可能な状態で支持する。このガイド軸32は、キャリッジ移動方向に沿って取り付けられている。従って、キャリッジモータ31が動作すると、キャリッジCRはこのガイド軸32に沿ってキャリッジ移動方向に移動する。これに伴い、ヘッド41もヘッド移動方向に移動する。
【0026】
キャリッジCRには、インクを貯留するインクカートリッジIC(図3Aを参照。)が装着される。このインクカートリッジICは、インク貯留容器に相当するものである。本実施形態のインクカートリッジICは、ブラックインクを貯留したブラックインクカートリッジICkと、複数のカラーインクを貯留したカラーインクカートリッジICcとを有している。
【0027】
<ヘッドユニット40について>
ヘッドユニット40は、インクを用紙Sに向けて吐出させるためのものである。このヘッドユニット40は、ヘッド41とヘッド制御部HCとを有している。ここで、図4は、ヘッド41の構造を説明するための断面図である。図5は、ノズル列の配置を説明する図である。なお、便宜上、ここではヘッド41について説明し、ヘッド制御部HCについては後で説明することにする。
【0028】
<ヘッド41について>
ヘッド41は、ケース411と、流路ユニット412と、ピエゾ素子PZTとを有する。ここでは、説明の簡単のために1つのノズルNzからインクを吐出するのに必要な部分について説明する。
【0029】
流路ユニット412は、流路形成板412aと、流路形成板412aの一方の表面に接合された弾性板412bと、流路形成板412aの他方の面に接合されたノズルプレート412cとを有する。この流路形成板412aには、圧力室412dとなる溝部、ノズル連通口412eとなる貫通口、共通インク室412fとなる貫通口、インク供給路412gとなる溝部が形成されている。
【0030】
ケース411には、接着用基板413が固定されている。この接着用基板413は、矩形状の板であり、さらに一方の表面にピエゾ素子PZTが接着されている。ピエゾ素子PZTの先端にはアイランド部412jが接合され、このアイランド部412jの周囲には、弾性膜412iによる弾性領域が形成されている。
【0031】
ピエゾ素子PZTは、対向する電極間に電位差を与えることにより変形する。この例では、素子の長手方向に伸縮する。この伸縮量は、ピエゾ素子PZTの電位に応じて定まる。そして、ピエゾ素子PZTの電位は、印加された駆動信号(図20A,図20Bに実線で示す部分。)によって定められる。従って、ピエゾ素子PZTは、印加された駆動信号の電位に応じて伸縮する。
【0032】
そして、ピエゾ素子PZTが伸縮すると、アイランド部412jは圧力室412d側に押されたり、反対方向に引かれたりする。このとき、アイランド部周辺の弾性膜412iが変形するので、ノズルNzからインクを効率よく吐出させることができる。このようなピエゾ素子PZTは、駆動信号によって充放電され、インクを吐出するための動作を行う素子に相当する。そして、ピエゾ素子PZTをヘッド41に用いると、印加される駆動パルスPS1〜PS4の形状に応じて、吐出されるインクの量や速度を様々に制御できる。
【0033】
また、前述したノズルプレート412cは、このヘッド41の用紙対向面に設けられている。そして、このノズルプレート412cには、複数のノズルNzからなるノズル列が、インクの種類に応じた複数設けられている。前述したように、このプリンタ1では4種類のインクを吐出させることができるので、ノズル列も4つ設けられている。図5に示す例では、図の左側からブラックインクノズル列Nk,シアンインクノズル列Nc,マゼンタインクノズル列Nm,イエローインクノズル列Nyが設けられている。それぞれのノズル列は、搬送方向に沿って、キャリッジ方向に並んだ状態で形成されている。
【0034】
<ヘッド制御部HCについて>
次に、ヘッド制御部HCについて説明する。ここで、図6は、ヘッド制御部HCの構成を説明するためのブロック図である。前述したように、ヘッド制御部HCは、駆動信号生成部の一部を構成するものである。本実施形態におけるヘッド制御部HCは、シフトレジスタ81と、ラッチ回路82と、制御ロジック83と、デコーダ84と、ゲート回路85と、ヘッド側スイッチ86とを有する。そして、制御ロジック83を除いた各部、すなわち、シフトレジスタ81、ラッチ回路82、デコーダ84、ゲート回路85、ヘッド側スイッチ86は、それぞれピエゾ素子PZT毎、つまりノズルNz毎に設けられる。また、このヘッド制御部HCは、インクの種類毎に設けられる。前述したように、このプリンタ1では、4種類のインクを吐出させることができるので、図6に記載されたブロックが4つ設けられる。以下、ヘッド制御部HCを構成する各部分について説明する。
【0035】
シフトレジスタ81は、プリンタ側コントローラ70からのドット形成データSIがセットされるものである。ラッチ回路82は、シフトレジスタ81にセットされたドット形成データSIをラッチするものである。
【0036】
制御ロジック83は、スイッチ動作情報記憶部に相当し、ヘッド側スイッチ86の動作を定めるためのスイッチ動作情報(q0〜q3、及びq3’)を記憶する。そして、記憶したスイッチ動作情報を、ラッチ信号LATやチェンジ信号CH(図7を参照。)で規定されるタイミングで切り替えながら出力する。つまり、時系列的に出力する。この制御ロジック83は、スイッチ動作情報を、ドット形成データSIの種類毎にそれぞれの階調について記憶している。なお、制御ロジック83に記憶されるスイッチ動作情報については、後で説明する。
【0037】
デコーダ84は、制御ロジック83から出力される階調毎のスイッチ動作情報を、ラッチ回路82でラッチされたドット形成データSIに応じて選択する。即ち、このデコーダ84は、ドット形成データSIが示す階調値に基づいて、対応するスイッチ動作情報を選択する選択部に相当する。さらに、デコーダ84は、選択信号Sslctに基づいてスイッチ動作情報を選択し、選択したスイッチ動作情報を、ゲート回路85を通じてヘッド側スイッチ86に出力する。このように、ヘッド側スイッチ86に印加されるスイッチ動作情報は、デコーダ84によって選択されたものである。従って、デコーダ84は、制御ロジック83から同時に出力される複数種類の選択前スイッチ動作情報から、ドット形成データSIに対応したものを選択後スイッチ動作情報として出力するものといえる。
【0038】
ゲート回路85は、デコーダ84からのスイッチ動作情報とプリンタ側コントローラ70からのN−チャージ信号N_CHGを、ヘッド側スイッチ86に印加するためのものである。ここで、N−チャージ信号N_CHGとは、原駆動信号COM(図7を参照。)を、そのブロックに属する全てのピエゾ素子PZTに印加させるための強制印加信号であり、ピエゾ素子PZTの電位を調整するために用いられる。そして、このN−チャージ信号N_CHGは、Lレベルで有効な信号となっている。従って、このゲート回路85は、N−チャージ信号N_CHGがHレベルのとき、その出力レベルがデコーダ84からのスイッチ動作情報に依存して変化する。一方、N−チャージ信号N_CHGがLレベルのとき、その出力レベルは、デコーダ84からのスイッチ動作情報に拘わらずHレベルとなる。
【0039】
ヘッド側スイッチ86は、ゲート回路85を介して入力されたスイッチ動作情報やN−チャージ信号N_CHGによって動作するスイッチである。このヘッド側スイッチ86は、原駆動信号COMの供給線とピエゾ素子PZTとの間に配置され、オン状態では原駆動信号COMをピエゾ素子PZTに印加し、オフ状態では原駆動信号COMを遮断する。なお、原駆動信号COMの供給線は、原駆動信号生成回路50に接続されている。このため、ヘッド側スイッチ86は、原駆動信号生成回路50とピエゾ素子PZTとの間に配置されているといえる。そして、N−チャージ信号N_CHGがHレベルのとき、ヘッド側スイッチ86は、デコーダ84で選択されたスイッチ動作情報によってオン・オフし、原駆動信号COMにおける必要部分(すなわち、駆動信号)をピエゾ素子PZTに印加する。このため、ヘッド側スイッチ86は、ピエゾ素子PZTに印加される駆動信号を原駆動信号COMから生成するためのスイッチに相当する。
【0040】
また、このヘッド側スイッチ86の動作を制御する部分、具体的には、シフトレジスタ81、ラッチ回路82、及び、デコーダ84は、スイッチコントローラに相当する。そして、このスイッチコントローラは、ドット形成データSI(階調データ)と選択前スイッチ動作情報とから、選択後スイッチ動作情報を生成する。なお、シフトレジスタ81、ラッチ回路82、制御ロジック83、及び、デコーダ84については、後で説明する。
【0041】
<原駆動信号生成回路50について>
原駆動信号生成回路50は、原駆動信号COMを生成するものであり、原駆動信号生成部に相当する。ここで、原駆動信号COMとは、先の説明から判るように、ピエゾ素子PZTを駆動するための駆動信号の基となっている信号である。
【0042】
図7に示すように、原駆動信号COMは、繰り返し周期T毎に繰り返し生成される。この繰り返し周期Tは、4つの期間T1〜T4に分けることができる。そして、原駆動信号COMは、最初の期間T1で生成される第1区間信号SS1と、2番目の期間T2で生成される第2区間信号SS2と、3番目の期間T3で生成される第3区間信号SS3と、4番目の期間T4で生成される第4区間信号SS4とを有する。そして、第1区間信号SS1は駆動パルスPS1を有している。また、第2区間信号SS2は駆動パルスPS2を、第3区間信号SS3は駆動パルスPS3を、第4区間信号SS4は駆動パルスPS4を有している。これらの駆動パルスPS1〜PS4はピエゾ素子PZTを動作させるための波形部に相当し、その形状はピエゾ素子PZTに行わせる動作に基づいて定められている。
【0043】
駆動パルスPS1、駆動パルスPS3、及び、駆動パルスPS4は、ノズルNzからインクを吐出させる際に用いられる波形部である。これらの中で、駆動パルスPS1、及び、駆動パルスPS4は、何れも同じ波形をしている。これらの駆動パルスPS1,PS4のうち1つの駆動パルスがピエゾ素子PZTに印加されると、中ドットに対応する量のインクがノズルNzから吐出される。そして、このインクが用紙Sに着弾すると、用紙Sの単位領域には、中ドットが形成される。また、これらの駆動パルスPS1及びPS4の両者の駆動パルスがピエゾ素子PZTに印加されると、ノズルNzからは大ドットに対応する量のインクが吐出され、用紙Sには大ドットが形成される。
【0044】
便宜上、駆動パルスPS1、及び、駆動パルスPS4のことを中ドットパルスともいう。さらに、駆動パルスPS1のことを第1中ドットパルスと、駆動パルスPS4のことを第2中ドットパルスともいう。
【0045】
駆動パルスPS3は、小ドットの形成時にピエゾ素子PZTへ印加される駆動信号である。すなわち、この駆動パルスPS3がピエゾ素子PZTへ印加されると、ノズルNzからは小ドットに対応する量のインクが吐出される。そして、このインクが用紙Sに着弾すると小ドットが形成される。便宜上、この駆動パルスPS3のことを小ドットパルスともいう。
【0046】
一方、駆動パルスPS2は、メニスカス(ノズル部分で露出しているインクの自由表面)を微振動させるためのパルスである。すなわち、この駆動パルスPS2がピエゾ素子PZTに印加されると、インクが吐出されない程度の圧力変動が圧力室412d内のインクに生じる。これにより、ノズルNz内でメニスカスが変位し、ノズルNz付近のインクが攪拌される。便宜上、この駆動パルスPS2のことを、微振動パルスともいう。
【0047】
このような原駆動信号COMは、プリンタ側コントローラ70からの駆動信号生成情報に基づき、原駆動信号生成回路50から出力される。以下、原駆動信号生成回路50による原駆動信号COMの生成動作について説明する。図8は、原駆動信号COMの生成動作を説明するための概念図である。
【0048】
プリンタ側コントローラ70は、原駆動信号COMを生成するためのパラメータに基づき、更新周期τ毎の出力電圧を求める。そして、原駆動信号COMを生成する場合、プリンタ側コントローラ70は、出力電圧に対応するDAC値(例えば、出力電圧を10ビットのデジタル値で表した情報)を求め、求めたDAC値を前述した駆動信号生成情報として、更新周期τ毎に原駆動信号生成回路50へ出力する。図8の例では、クロックで規定されるタイミングt(n)で電圧V1に対応するDAC値が出力される。これにより、更新周期τ(n)にて、原駆動信号生成回路50の出力は電圧V1となる。そして、更新周期τ(n+4)までは、電圧V1に対応するDAC値が順次出力されるので、原駆動信号生成回路50からは電圧V1が出力され続ける。また、タイミングt(n+5)では、電圧V2に対応するDAC値が出力される。これにより、更新周期τ(n+5)にて、原駆動信号生成回路50の出力は電圧V1から電圧V2へ降下する。同様に、タイミングt(n+6)では、電圧V3に対応するDAC値が出力される。これにより、更新周期τ(n+6)にて、原駆動信号生成回路50の出力は電圧V2から電圧V3へ降下する。以下同様にしてDAC値が出力されるため、原駆動信号生成回路50から出力される電圧は、次第に降下する。そして、更新周期τ(n+10)にて、原駆動信号生成回路50の出力は電圧V4になる。なお、この原駆動信号生成回路50において、非出力側の端子は接地されている。このため、出力側の端子は出力電圧に対応する電位となっている。
【0049】
<検出器群60について>
検出器群60は、プリンタ1の状況を監視するためのものである。図3A,図3Bに示すように、この検出器群60には、リニア式エンコーダ61、ロータリー式エンコーダ62、紙検出器63、及び紙幅検出器64が含まれている。リニア式エンコーダ61は、キャリッジCRのキャリッジ移動方向の位置を検出するためのものである。ロータリー式エンコーダ62は、搬送ローラ23の回転量を検出するためのものである。紙検出器63は、印刷される用紙Sを検出するためのものである。紙幅検出器64は、印刷される用紙Sの幅を検出するためのものである。
【0050】
<プリンタ側コントローラ70について>
プリンタ側コントローラ70は、プリンタ1が有する各部を制御するものである。例えば、プリンタ側コントローラ70は、所定の搬送量で用紙Sを搬送させる動作と、キャリッジCR(ヘッド41)を移動させながら断続的にインクを吐出させる動作とを交互に行わせることで、用紙Sに画像を印刷させている。このため、プリンタ側コントローラ70は、搬送モータ22の回転量を制御することによって用紙Sの搬送を制御する。また、プリンタ側コントローラ70は、キャリッジモータ31の回転を制御することによってキャリッジCRの移動を制御する。さらに、ドット形成データSIをヘッド制御部HCへ出力することで、インクを吐出させるための制御を行う。このドット形成データSIは、前述した様に、ピエゾ素子PZTに印加される駆動信号を、原駆動信号COMから生成する際に用いられるものである。加えて、プリンタ側コントローラ70は、電圧指定情報としてのDAC値を原駆動信号生成回路50へ出力する制御も行っている。このように、プリンタ側コントローラ70は、原駆動信号COMを生成するための制御と、ピエゾ素子PZTに印加される駆動信号を、原駆動信号COMから生成するための制御とを行っている。このため、プリンタ側コントローラ70は、原駆動信号生成回路50、ヘッド側スイッチ86、及び、ヘッド制御部HCとともに、駆動信号生成部を構成しているといえる。
【0051】
このプリンタ側コントローラ70は、図2に示すように、インタフェース部71と、CPU72と、メモリ73と、制御ユニット74とを有する。インタフェース部71は、外部装置であるコンピュータ110との間でデータの受け渡しを行う。CPU72は、プリンタ1の全体的な制御を行うための演算処理装置である。メモリ73は、CPU72のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM、ROM等の記憶素子によって構成される。そして、CPU72は、メモリ73に記憶されているコンピュータプログラムに従って各制御対象部を制御する。例えば、CPU72は、制御ユニット74を介して用紙搬送機構20やキャリッジ移動機構30を制御する。例えば、搬送モータ22やキャリッジモータ31に対する制御信号を出力する。また、CPU72は、ヘッド41の動作を制御するためのヘッド制御信号(例えば、クロックCLK,ドット形成データSI,ラッチ信号LAT,チェンジ信号CH,N−チャージ信号N_CHG、選択信号Sslctが相当する。図6を参照。)をヘッド制御部HCへ出力したり、原駆動信号COMを生成させるためのDAC値を原駆動信号生成回路50へ出力したりする。
【0052】
<印刷動作について>
例示した印刷装置100にて画像を用紙Sへ印刷する際には、印刷データを生成するための処理と、印刷データに基づいて用紙Sに印刷するための処理とが行われる。そして、印刷データを生成するための処理は、印刷装置100が有するコンピュータ110で行われる。即ち、ホスト側コントローラ111が有するCPU113は、メモリ114に記憶されたコンピュータプログラムに従って動作し、この処理を実行する。従って、このコンピュータプログラムは、各処理を実行するためのコードを有する。また、用紙Sに印刷するための処理は、印刷装置100が有するプリンタ1で行われる。即ち、プリンタ側コントローラ70が有するCPU72は、メモリ73に記憶されたコンピュータプログラムに従って動作し、この処理を実行する。従って、このコンピュータプログラムは、各処理を実行するためのコードを有する。
【0053】
<印刷データを生成するための処理について>
まず、印刷データを生成するための処理について説明する。ここで、図9は、印刷データを生成するための処理を説明するためのフローチャートである。図9に示すように、印刷データを生成するための処理では、解像度変換処理(S901)、色変換処理(S902)、階調値補正処理(S903)、ハーフトーン処理(S904)、ラスタライズ処理(S905)が行われる。
【0054】
解像度変換処理(S901)は、画像データ(テキストデータ、イメージデータなど)を、用紙Sに画像を印刷する際の解像度(印刷するときのドットの間隔であり、印刷解像度ともいう。)に変換する処理である。
色変換処理(S902)は、RGB画像データの各RGB画素データを、CMYK色空間により表される多段階(例えば256段階)の階調値を有するデータに変換する処理である。この色変換処理は、RGBの階調値とCMYKの階調値とを対応づけたテーブル(色変換ルックアップテーブル)を参照することによって行われる。
階調値補正処理(S903)は、各画素データの階調値(補正前印刷階調値に相当する。)を、その画素データの属する列領域の補正値(補正用データに相当する、後述する。)を用いて補正し、補正後の階調値(補正後印刷階調値に相当する。)を取得する処理である。なお、階調値補正処理については、後で説明する。
ハーフトーン処理(S904)は、多段階の階調値を有するCMYK画素データから、プリンタ1で表現可能な少段階の階調データに変換する処理である。すなわち、多段階の階調値を有するCMYK画素データからドット形成データSIを得るための処理である。このハーフトーン処理により、例えば、256段階の階調値を示すCMYK画素データから、4段階の階調値を示す2ビットのドット形成データSIが得られる。
ラスタライズ処理(S905)は、ハーフトーン処理で得られたドット形成データSIを、プリンタ1に転送すべきデータ順に変更する処理である。ラスタライズ処理されたドット形成データSIは、前述したコマンドデータとともに、印刷データとしてプリンタ1へ出力される。
【0055】
<用紙Sに印刷するための処理について>
次に、用紙Sに印刷すべくプリンタ1にて行われる処理について説明する。ここで、図10は、印刷時に行われる処理を説明するフローチャートである。
【0056】
図10に示すように、用紙Sに印刷するための処理では、印刷命令の受信動作(S1001)、給紙動作(S1002)、ドット形成動作(S1003)、搬送動作(S1004)、排紙判断(S1005)、排紙処理(S1006)、及び、印刷終了判断(S1007)が行われる。
印刷命令の受信動作(S1001)では、プリンタ側コントローラ70は、インタフェース部71を介して、コンピュータ110からの印刷コマンドを受信する。この印刷コマンドは、コンピュータ110から送信される印刷データに含まれている。
給紙動作(S1002)は、印刷対象となる用紙Sを移動させ、印刷開始位置(所謂、頭出し位置)に位置決めする動作である。この給紙動作において、プリンタ側コントローラ70は、給紙ローラ21を回転させ、印刷すべき用紙Sを搬送ローラ23まで送る。続いて、プリンタ側コントローラ70は、搬送ローラ23を回転させ、給紙ローラ21から送られてきた用紙Sを印刷開始位置に位置決めする。
ドット形成動作(S1003)は、キャリッジ移動方向に沿って移動するヘッド41からインクを断続的に吐出させ、用紙Sにドットを形成する動作である。プリンタ側コントローラ70は、キャリッジモータ31を駆動し、キャリッジCRをキャリッジ移動方向に移動させる。また、プリンタ側コントローラ70は、キャリッジCRが移動している間に、ヘッド制御信号に基づいてヘッド41(ノズルNz)からインクを吐出させる。そして、ヘッド41から吐出されたインクが用紙S上に着弾すれば、前述したように、用紙S上にドットが形成される。なお、ドット形成動作については後で詳しく説明する。
搬送動作(S1004)は、用紙Sをヘッド41に対して搬送方向に沿って相対的に移動させる動作である。プリンタ側コントローラ70は、搬送ローラ23を回転させて用紙Sを搬送方向に搬送する。この搬送動作により、ヘッド41は、先程のドット形成動作によって形成されたドットの位置とは異なる位置にドットを形成することができる。
排紙判断(S1005)は、印刷中の用紙Sを排出するか否かを判断する処理である。この判断は、印刷データの有無に基づいて行われる。すなわち、プリンタ側コントローラ70は、印刷中の用紙Sに対する印刷データの有無を判断し、印刷データが残っていれば排紙しないと判断する。この場合、プリンタ側コントローラ70は、印刷データがなくなるまでドット形成動作と搬送動作とを交互に繰り返し、ドットから構成される画像を徐々に用紙Sに印刷する。
排紙処理(S1006)は、用紙Sを排出させる処理である。この処理において、プリンタ側コントローラ70は、印刷データがなければ排紙すると判断し、排紙ローラ25を回転させることで、印刷された用紙Sを外部に排出する。なお、排紙を行うか否かの判断は、印刷データに含まれる排紙コマンドに基づいて行っても良い。
印刷終了判断は、印刷を続行するか否かの判断である。この判断において、プリンタ側コントローラ70(S1007)は、印刷データの有無を判断する。そして、次の用紙Sに印刷を行うのであれば、次の用紙Sについての給紙動作を行う。一方、次の用紙Sに印刷を行わないのであれば、印刷動作を終了する。
【0057】
このように、画像の印刷は、ドット形成動作(S1003)と搬送動作(S1004)とを繰り返し行うことでなされる。ドット形成動作では、ヘッド移動方向(所定方向)に沿って移動するヘッド41(ノズルNz)からインクを断続的に吐出させている。ヘッド41から吐出されたインクが用紙Sの表面に着弾すると、用紙S上にはドットが形成される。そして、ヘッド41が移動している最中にインクが断続的に吐出されるため、ドットは、用紙S上において、ヘッド移動方向に沿って並んだ状態で複数形成される。つまり、用紙S上には、ヘッド移動方向に沿った複数のドットからなるドット列(以下、ラスタラインともいう。)が形成される。そして、ドット形成動作と搬送動作とが繰り返し行われるので、このラスタラインは、搬送方向(他の所定方向)に隣接して複数形成される。従って、用紙Sに印刷された画像は、搬送方向に隣接した複数のラスタラインによって構成されているといえる。
【0058】
===補正値による画像補正===
<列領域毎の補正値について>
ところで、この種のプリンタでは、印刷画像の品質向上が求められている。このような要求に応えるため、このプリンタ1では、ラスタラインが形成される列領域毎に補正値を設定し、プリンタドライバ(補正用プログラム)により、ラスタラインを構成する各画素の階調値を、この補正値に基づいて補正している。具体的には、ホスト側コントローラ111のCPU113が、メモリ114に記憶されたプリンタドライバ(補正用プログラム)を実行することによって行われている。
【0059】
ここで、「列領域」とは、ヘッド41の移動方向に並ぶ複数の単位領域によって構成される領域をいう。例えば印刷解像度が720dpi×720dpiの場合、列領域は、搬送方向に35.28μm(≒1/720インチ)の幅の帯状の領域になる。ヘッド移動方向へ移動するノズルNzから理想的な状態でインクが吐出されると、この列領域に適合した位置にドットが形成され、ラスタラインが形成される。
【0060】
このような階調値の補正は、例えば、インクの着弾ズレ等によって生ずる濃度ムラを抑制するために行われる。以下、この濃度ムラについて説明する。図11Aは、各列領域(単位領域)に対して理想的な位置にドットが形成された状態の説明図である。この状態では、搬送方向の着弾ズレおよびノズル不良によるドットの大きさ不良が発生していないため、各単位領域に対して正確にドットが形成され、一定の濃度を有するように印字がなされている。従って、ラスタラインも列領域に対して正確に形成される。
【0061】
図11Bは、ノズルの加工精度等によるばらつきの影響の説明図である。ここでは、ノズルから吐出されたインクの飛行方向のばらつきにより、2番目の列領域に形成されたラスタラインが、3番目の列領域側(搬送方向上流側)によって形成されている。また、5番目の列領域に向かって吐出されたインクの量が基準よりも少なく、5番目の列領域に形成されるドットが小さくなっている。本来であれば、同じ濃度の画像片が各列領域に形成されるべきであるにもかかわらず、加工精度のばらつきのため、列領域に応じて画像片に濃淡が発生する。たとえば、2番目の列領域の画像片は比較的淡くなり、3番目の列領域の画像片は比較的濃くなる。また、5番目の列領域の画像片は、比較的淡くなる。そして、このようなラスタラインからなる印刷画像を巨視的に見ると、キャリッジの移動方向に沿う縞状の濃度ムラが視認される。この濃度ムラは、印刷画像の画質を低下させる原因となる。
【0062】
図11Cは、上述のような濃度不良が発生したときに行われる階調値の補正についての説明図である。この階調値の補正では、濃く視認されやすい列領域に対しては、淡く画像片が形成されるように、その列領域に対応する画素の画素データ(256階調のCMYK画素データ)の階調値を補正する。また、淡く視認されやすい列領域に対しては、濃く画像片が形成されるように、その列領域に対応する画素の画素データの階調値を補正する。たとえば、2番目の列領域についてドットの生成率が高くなり、3番目の列領域についてドットの生成率が低くなり、5番目の列領域についてドットの生成率が高くなるように、各列領域に対応する画素の画素データの階調値が補正される。これにより、各列領域のラスタラインのドット生成率が変更され、列領域の画像片の濃度が補正されて、印刷画像全体の濃度ムラが抑制される。
【0063】
ところで、図11Bにおいて、3番目の列領域に形成される画像片の濃度が濃くなる理由は、3番目の列領域にラスタラインを形成するノズルの影響によるものではなく、隣接する2番目の列領域にラスタラインを形成するノズルの影響によるものである。このため、3番目の列領域にラスタラインを形成するノズルが別の列領域にラスタラインを形成する場合、その列領域に形成される画像片が濃くなるとは限らない。つまり、同じノズルにより形成された画像片であっても、隣接する画像片を形成するノズルが異なれば、濃度が異なる場合がある。このような場合、単にノズルに対応付けた補正値では、濃度ムラを抑制することができない。そこで、本実施形態では、列領域毎に設定される補正値に基づいて、画素データの階調値を補正している。
【0064】
この補正値は、例えば、プリンタ側コントローラ70のメモリ73に記憶されている。また、プリンタドライバ等と共に付属のCD−ROM等の記憶媒体に記憶されていてもよい。そして、プリンタ1の製造工場では、プリンタ1毎に補正値を設定して出荷する。この設定工程では、例えば、対象となるプリンタ1に補正用パターンを印刷させる。次に、この補正用パターンをスキャナで読み取って濃度データを得る。その後、得られた濃度データに基づいて補正用パターンにおける各列領域の濃度を取得し、各列領域の濃度に基づいて各列領域に対応する補正値を取得する。取得した補正値は、前述したように、プリンタ側コントローラ70のメモリ73に記憶されたり、付属のCD−ROMに記憶されたりする。この補正値は、個々のプリンタにおける濃度ムラの特性が反映されたものになる。補正前の階調値と補正後の階調値は、本実施形態において、例えば、図12に示すような対応関係を有している。ここで、図12は、或る列領域における階調値補正処理のための説明図であり、この列領域に属する画素の画素データの階調値S_inを補正する様子を示している。なお、補正後の階調値はS_outである。この図に示す列領域は、濃度が淡く印刷される傾向があるため補正後の階調値が補正前の階調値よりも高くなるように設定されている。そして、0〜255の範囲内の補正前階調値は、0〜255の範囲内の階調値に補正されるように対応づけられている。そして、この対応関係は列領域毎に定められる。さらに、インクの色毎にも定められる。
【0065】
そして、このプリンタ1を購入したユーザーがプリンタドライバをコンピュータにインストールすると、プリンタドライバは、この対応関係を示す補正値を用いて各画素データの階調値を補正し、補正された階調値で画像が印刷される。
【0066】
===濃度補正について===
<濃度補正における課題>
このような補正を行う印刷装置100では、前述した補正値による補正を行った結果、画素データの階調値が指定可能な範囲を超えてしまう可能性がある。仮に、ドットを形成する場合に指定し得る最小階調値が1であり、最大階調値が255であるとする。この場合、前述した補正によって、最大階調値が255を超えてしまう可能性がある。
【0067】
ここで、図13Aは、白スジが発生したときの説明図である。図13Bは、その場合における補正前階調値と、補正後階調値の関係を説明する図である。
例えば、インクの着弾ズレ等の影響がきわめて大きく、0〜255の階調の範囲内では補正しきれない状況も発生しうる。例えば図13Aに示すように、大ドットを100%の形成率で形成したとしても、着弾ズレの影響から白スジが発生してしまうなどのケースである。
この場合、図13Bに示すように、補正後の階調値は0〜255の範囲内には収まらず、255を超えている。このようなとき、補正前の階調値と同じ階調値の範囲(0〜255)で補正を行ったとしても、最大の階調値を超えた範囲については補正しきれない。つまり、補正後の階調値が最大255に制限されている(図13Bに点線で示す。)ので、100%の形成率で大ドットを形成するしかなく、白スジが発生してしまう。
【0068】
このような事情に鑑み、本実施形態の印刷装置100では、図13Bに示すように、指定し得る最大階調値である255を超える補正を許容している。そして、補正後の階調値が255を超えた場合には、大ドットに代えて特大ドットを用い、白スジ等の濃度ムラを抑制している。言い換えれば、補正後の階調値が指定可能な範囲を超えたときに、補正後の階調値が指定可能な範囲内にある場合に形成し得るドットとは異なるサイズのドット(範囲外の階調値に対応するサイズのドット)を形成するようにしている。要するに、異なるサイズのドットを形成するための駆動信号を生成して、ピエゾ素子PZTに印加するようにしている。これにより、従来の装置では補正しきれなかった濃度ムラを改善できる。
【0069】
このように、本実施形態のプリンタ1では、補正後の階調値が255を超えた場合に、特大ドットの形成を行うようにしている。このため、スイッチ動作情報q0〜q3,q3’、これらのスイッチ動作情報q0〜q3,q3’を選択するデコーダ84、このデコーダ84で用いられる選択信号Sslct、及び、選択信号Sslct等を設定するハーフトーン処理(S904)に特徴を有する。以下、これらの特徴部分について説明する。
【0070】
<デコーダ84について>
まず、デコーダ84の構成について説明する。ここで、図14は、デコーダ84の構成を説明するための図である。
【0071】
デコーダ84は、スイッチ動作情報q0〜q3,q3’の中から、ラッチされたドット形成データSIに対応するものを選択して出力する。このデコーダ84は、7つのアンド回路831〜837と、1つのオア回路848を有している。アンド回路831〜835は、入力端子が3つ、出力端子が1つのものであり、スイッチ動作情報q0〜q3,q3’の1つのスイッチ動作情報と、ドット形成データSIの上位ビットのデータと、ドット形成データSIの下位ビットのデータとが入力される。そして、各アンド回路831〜835は、ドット形成データSIの上位ビットのデータと下位ビットのデータ入力の仕方が異なっている。
【0072】
すなわち、第1アンド回路841には、ドット無しのスイッチ動作情報q0と、ドット形成データSIの上位ビットの反転データと、下位ビットの反転データとが入力されている。このため、ドット形成データSIがデータ[00]の場合において、第1アンド回路841からの出力は、ドット無しのスイッチ動作情報q0に従った内容になる。そして、第2アンド回路842には、小ドットのスイッチ動作情報q1と、ドット形成データSIの上位ビットの反転データと、下位ビットのデータとが入力されている。このため、ドット形成データSIがデータ[01]の場合において、第2アンド回路842からの出力は、小ドット(第1のドット)のスイッチ動作情報q1に従った内容になる。また、第3アンド回路843には、中ドット(第1のドットよりも大きい第2のドット)のスイッチ動作情報q2と、ドット形成データSIの上位ビットのデータと、下位ビットの反転データとが入力されている。このため、ドット形成データSIがデータ[10]の場合において、第3アンド回路843からの出力は、中ドットのスイッチ動作情報q2に従った内容になる。また、第4アンド回路844には、大ドット(第2のドットよりも大きい第3のドット)のスイッチ動作情報q3と、ドット形成データSIの上位ビットのデータと、下位ビットのデータとが入力されている。このため、ドット形成データSIがデータ[11]の場合において、第4アンド回路844からの出力は、大ドットのスイッチ動作情報q3に従った内容になる。第5アンド回路845には、特大ドット(第3のドットよりも大きいドット)のスイッチ動作情報q3’と、ドット形成データSIの上位ビットのデータと、下位ビットのデータとが入力されている。このため、ドット形成データSIがデータ[11]の場合において、第5アンド回路845からの出力は、特大ドットのスイッチ動作情報q3’に従った内容になる。
【0073】
これらの第4アンド回路844からの出力と第5アンド回路845からの出力は、第6アンド回路846と、第7アンド回路847とによって、何れか一方が選択される。すなわち、これらの第6アンド回路846と第7アンド回路847は、特定選択部2001を構成している。この特定選択部2001は、同じドット形成データSI(本実施形態では[11])に割り当てられた複数のスイッチ動作情報を、選択信号Sslctに基づいて選択するものである。第6アンド回路846と第7アンド回路847は、入力端子が2つ、出力端子が1つのものである。そして、第6アンド回路846の一方の入力端子には、第4アンド回路844からの出力が入力され、他方の入力端子には選択信号Sslctの反転信号が入力される。また、第7アンド回路847の一方の入力端子には、第5アンド回路845からの出力が入力され、他方の入力端子には選択信号Sslctが入力される。このため、選択信号SslctがLレベルの場合、第6アンド回路846の出力は第4アンド回路844の出力と同じになり、第7アンド回路847の出力はLレベルを維持する。反対に、選択信号SslctがHレベルの場合、第6アンド回路846の出力はLレベルを維持し、第7アンド回路847の出力は第5アンド回路845の出力と同じになる。要するに、選択信号Sslctのレベルに応じ、大ドットのスイッチ動作情報q3と特大ドットのスイッチ動作情報q3’の何れか一方が有効になる。
【0074】
この選択信号Sslctは、選択ビットの内容に応じたレベルの信号である。この選択ビットは、大ドットと特大ドットのいずれか一方を選択させるための情報であり、補正後の階調値に応じて、ハーフトーン処理(S904)で定められる。そして、選択信号Slctは、選択ビットが[1]の場合にHレベルの信号とされ、選択ビットが[0]の場合にLレベルの信号とされる。なお、選択ビットの設定処理については後で説明する。
【0075】
オア回路848は入力端子が5つ、出力端子が1つのものである。そして、5つの入力端子のそれぞれには、第1アンド回路841、第2アンド回路842、第3アンド回路843、第6アンド回路846、及び、第7アンド回路847の出力が入力される。このオア回路848からは、スイッチ動作情報q0〜q3,q3’のうち、ラッチされたドット形成データSI、及び、選択信号Sslctに対応するものが出力される。
【0076】
なお、ドット形成データSI、スイッチ動作情報q0〜q3,q3’、及び、選択信号Sslctによる原駆動信号COMのピエゾ素子PZTへの印加制御については後で説明する。
【0077】
<ハーフトーン処理について>
前述したドット形成データSI、及び、選択信号Sslctは、ハーフトーン処理(S904)で生成される。ここで、ハーフトーン処理について詳細に説明する。図15は、ディザ法によるハーフトーン処理のフローチャートであり、当該フローチャートに従って、以下のステップが実行される。
【0078】
まず、ステップS1500において、CMYK画像データを取得する。このCMYK画像データは、C,M,Y,Kの各インク色につき上述の補正後の印刷階調値で表される画像データから構成される。すなわち、CMYK画像データは、シアン(C)に関するC画像データ、マゼンダ(M)に関するM画像データ、イエロ(Y)に関するY画像データ、及びブラック(K)に関する画像データを備えている。そして、これらC,M,Y,K画像データは、それぞれに、各インク色の階調値を示すC,M,Y,K画素データから構成されている。
【0079】
なお、以下の説明は、C,M,Y,K画像データの何れについても当てはまるため、これらを代表してK画像データについて説明する。
【0080】
次に、K画像データ中の全てのK画素データを対象として、ステップS1501からステップS1513までの処理を、処理対象のK画素データを順次変えながら実行して、K画素データ毎に、「ドット形成なし」、「小ドットの形成」、「中ドットの形成」、「大ドットの形成」、「特大ドットの形成」のいずれかを示す3ビットデータに変換する。本実施形態において、このデータのことを便宜上、ドット識別データと呼ぶ。このドット識別データにおける最上位ビットは、選択信号Sslctの基となる選択ビットであり、下位2ビットは階調データである。前述したように、選択ビットは、大ドットを形成するか特大ドットを形成するかを選択する役割を果たす。このため、ドット識別データは、「ドット形成なし」のときは[000]が割り当てられ、「小ドットの形成」のときは[001]が割り当てられ、「中ドットの形成」のときは[010]が割り当てられる。また、「大ドットの形成」のときは[011]が割り当てられ、「特大ドットの形成」のときは[111]が割り当てられる。要するに、大ドットと特大ドットにおけるドット識別データは、下位2ビットの階調データが[11]で共通となっている。そして、上位1ビットの選択ビットが異なっており、その内容が[0]の場合に大ドットが選択され、その内容が[1]の場合に特大ドットが選択される。
【0081】
まず、ステップS1501では、補正後の階調値が255を超えているか否かについて判定する。ここで、補正後の階調値が255を超えている状態とは、大ドットの生成率が100%であっても、ドットの大きさが足りない状態を意味する。よって、大ドットの代わりに特大ドットを形成するように、ドット識別データを「111」に設定する(S1512)。尚、図15のドット識別データの設定ステップ(S1308からS1312まで)において、ドット識別データ中の選択ビットと階調データとを区別できるように、これらのデータを、それぞれ分けて記載してある。
【0082】
一方、補正後の階調値が255以下の場合、ステップS1502に移行する。このステップS1502では、処理対象のK画素データの階調値に応じて、次のようにして大ドットのレベルデータLVLを設定する。図16は、大、中、小の各ドットにおけるレベルデータの決定に利用される生成率テーブルを示す図である。図の横軸は階調値(0〜255)、左側の縦軸はドットの生成率(%)、右側の縦軸はレベルデータ(0〜255)である。ここで、「ドットの生成率」とは、一定の階調値に応じて一様な領域が再現されるときに、その領域内の画素のうちでドットが形成される画素の割合を意味する。図16中の細い実線で示されるプロファイルSDが小ドットの生成率を示しており、また、太い実線で示されるプロファイルMDが中ドットの生成率を、点線で示されるプロファイルLDが大ドットの生成率をそれぞれ示している。また、レベルデータとは、ドットの生成率を値0〜255の256段階に変換したデータをいう。
【0083】
ステップS1502では、大ドット用のプロファイルLDから階調値に応じたレベルデータLVLを読み取る。例えば、図16に示した通り、処理対象のK画素データの階調値がgrであれば、レベルデータLVLはプロファイルLDを用いて1dと求められる。実際には、このプロファイルLDは、1次元のテーブルの形態でコンピュータ1100内のROM等のメモリ(不図示)に記憶されており、プリンタドライバは、このテーブルを参照してレベルデータを求めている。
【0084】
次に、ステップS1503では、以上のようにして設定されたレベルデータLVLが閾値THLより大きいか否かを判定する。ここでは、ディザ法によるドットのオン・オフ判定を行う。閾値THLは、所謂ディザマトリクスの各画素ブロックに対して異なる値が設定されている。本実施形態では16×16の正方形の画素ブロックに、0〜254までの値が現れるマトリックスを用いている。
【0085】
図17は、ディザ法によるドットのオン・オフ判定の様子を示す図である。図示の都合上、図17には、一部のK画素データについてのみ示している。まず、図示するように、各K画素データのレベルデータLVLを、当該K画素データに対応するディザマトリクス上の画素ブロックの閾値THLと比較する。そして、前記レベルデータLVLの方が前記閾値THLよりも大きい場合にはドットをオンにし、レベルデータLVLの方が小さい場合にはドットをオフにする。図中で網掛けを施した画素データが、ドットをオンにするK画素データである。すなわち、ステップS1503において、レベルデータLVLが閾値THLよりも大きい場合には、ステップS1511に進み、それ以外の場合にはステップS1504に進む。ここで、ステップS1511に進んだ場合には、プリンタドライバは、当該処理対象のK画素データに対して、大ドットを示すドット識別データ「011」を対応付けて記録し、ステップS1513に進む。そして、当該ステップS1513において、全てのK画素データについて処理を終了したか否かを判定し、終了している場合には、ハーフトーン処理を終了し、終了していない場合には、処理対象を未処理のK画素データに移して、ステップS1501に戻る。
【0086】
一方、ステップS1504に進んだ場合には、プリンタドライバは、中ドットのレベルデータLVMを設定する。中ドットのレベルデータLVMは、前記階調値に基づいて、前述の生成率テーブルにより設定される。設定方法は、大ドットのレベルデータLVLの設定と同じである。すなわち、図16に示す例では、レベルデータLVMは、2dとして求められる。
【0087】
そして、ステップS1505において、中ドットのレベルデータLVMと閾値THMの大小関係が比較されて、中ドットのオン・オフの判定が行われる。オン・オフの判定方法は、大ドットの場合と同じであるが、判定に用いる閾値THMを次に示す通り大ドットの場合の閾値THLとは異なる値としている。すなわち、大ドットと中ドットで同じディザマトリクスを用いてオン・オフの判定を行った場合、ドットがオンになりやすい画素ブロックが両者で一致する。つまり、大ドットがオフとなるときには中ドットもオフになる可能性が高くなる。その結果、中ドットの生成率は所望の生成率よりも低くなる虞が生じる。このような現象を回避するため、本実施形態では、両者でディザマトリクスを変えている。つまり、オンになりやすくなる画素ブロックを、大ドットと中ドットとで変えることで、それぞれが適切に形成されることを確保している。
【0088】
図18Aは、大ドットの判定に用いられるディザマトリクスを示す図である。図18Bは、中ドットの判定に用いられるディザマトリクスを示す図である。この実施形態では、大ドットについては、図18Aの第1のディザマトリクスTMを用い、中ドットについてはこの各閾値を搬送方向の中央を中心として対称に移動した図18Bの第2のディザマトリクスUMを用いている。本実施形態では先に述べたように16×16のマトリクスを用いているが、図18には図示の都合上4×4のマトリクスで示している。なお、大ドットと中ドットで全く異なるディザマトリクスを用いるようにしても良い。
【0089】
そして、ステップS1504において、中ドットのレベルデータLVMが、中ドットの閾値THMよりも大きい場合には、中ドットをオンにすべきと判定して、ステップS1510に進み、それ以外の場合にはステップS1506に進む。ここで、ステップS1510に進んだ場合には、プリンタドライバは、当該処理対象のK画素データに対して、中ドットを示すドット識別データ「010」を対応付けて記録し、ステップS1513に進む。そして、当該ステップS1513において、全てのK画素データについて処理を終了したか否かを判定し、終了している場合には、ハーフトーン処理を終了し、終了していない場合には、処理対象を未処理のK画素データに移して、ステップS1501に戻る。
【0090】
一方、ステップS1506に進んだ場合には、大ドットや中ドットのレベルデータの設定と同様にして、小ドットのレベルデータLVSを設定する。なお、小ドット用のディザマトリクスは、前述のように小ドットの生成率の低下を防ぐべく中ドットや大ドット用のものと異なるものとするのが好ましい。
【0091】
そして、ステップS1507において、プリンタドライバは、レベルデータLVSが、小ドットの閾値THSよりも大きい場合には、ステップS1509に進み、それ以外の場合にはステップS1508に進む。ここで、ステップS1509に進んだ場合には、当該処理対象のK画素データに対して、小ドットを示すドット識別データ「001」を対応付けて記録し、ステップS1513に進む。そして、当該ステップS1513において、全てのK画素データについて処理を終了したか否かを判定し、終了していない場合には、処理対象を未処理のK画素データに移して、ステップS1501に戻る。一方、終了している場合には、K画像データに関するハーフトーン処理を終了し、他の色の画像データについて同様にハーフトーン処理を実行する。
【0092】
一方、ステップS1508に進んだ場合には、プリンタドライバは、当該処理対象のK画素データに対して、ドット無しを示すドット識別データ「000」を対応付けて記録し、ステップS1513に進む。そして、当該ステップS1513において、全てのK画素データについて処理を終了したか否かを判定し、終了していない場合には、処理対象を未処理のK画素データに移して、ステップS1501に戻る。一方、終了している場合には、K画像データについてのハーフトーン処理を終了し、他の色の画像データについて同様にハーフトーン処理を実行する。
【0093】
<原駆動信号COMのピエゾ素子PZTへの印加について>
前述したハーフトーン処理で設定されたドット識別データは、ラスタライズ処理(S905)でデータ順が変更され、前述した印刷データとしてプリンタ1に送られる。そして、プリンタ1では、この印刷データに基づいて、用紙Sに印刷するための処理が行われる。前述したドット識別データは、この処理におけるドット形成動作(S1003)で用いられる。すなわち、原駆動信号COMのピエゾ素子PZTへの印加時に用いられる。
【0094】
ここで、原駆動信号COMのピエゾ素子PZTへの印加について説明する。まず、原駆動信号COMにおけるピエゾ素子PZTへ印加される部分を規定するスイッチ動作情報について説明する。ここで、図19Aは、ドット無し乃至大ドットを形成する場合のスイッチ動作情報を説明する図である。図19Bは、特大ドットを形成する場合のスイッチ動作情報を説明する図である。図19Aに示すように、スイッチ動作情報は、階調データ[00](ドットなしの階調データ)に対応するスイッチ動作情報q0が[0100]で構成され、階調データ[01](小ドットの階調データ)に対応するスイッチ動作情報q1が[0010]で構成されている。また、階調データ[10](中ドットの階調データ)に対応するスイッチ動作情報q2が[1000]で構成され、階調データ[11](大ドットの階調データ)に対応するスイッチ動作情報q3が[1001]で構成されている。さらに、階調データ「11」(特大ドットの階調データ)には、さらにデータ[1011]で構成されるスイッチ動作情報q3’も対応している。なお、これらのスイッチ動作情報は、制御ロジック83に記憶されているが、その内容はプリンタ側コントローラ70から転送される。このスイッチ動作情報は、前述したドット形成データSIとセットになって、繰り返し周期T毎に更新される。図19Aおよび図19Bのスイッチ動作情報におけるT1,T2,T3,T4のそれぞれは、図7における繰り返し周期T内のT1,T2,T3,T4の各期間にそれぞれ対応している。例えば、T1の期間においては、スイッチ動作情報q0を構成する[0100]のうちの先頭の0、スイッチ動作情報q1を構成する[0010]のうちの先頭の0、スイッチ動作情報q2を構成する[1000]のうちの先頭の1、スイッチ動作情報q3を構成する[1001]のうちの先頭の1、及び、スイッチ動作情報q3’を構成する[1011]のうちの先頭の1が、それぞれ、制御ロジック83からデコーダ84へ送られる。
【0095】
このスイッチ動作情報はデコーダ84にて選択される。すなわち、デコーダ84は、ラッチ回路82からの階調データが[00]の場合にスイッチ動作情報q0を選択し、階調データが[01]の場合にスイッチ動作情報q1を選択する。同様に、階調データ[10]の場合にスイッチ動作情報q2を選択し、階調データ[11]の場合にスイッチ動作情報q3或いはq3’を選択する。これらの中で、階調データ[00],[01],[10]の場合は、選択信号Sslctの内容に拘わらずスイッチ動作情報q0,q1,q2が選択される。また、階調データ[11]の場合は、前述したように、選択信号Sslctの内容に応じて、スイッチ動作情報q3かスイッチ動作情報q3’の何れかが選択される。
【0096】
次に、選択されたスイッチ動作情報による原駆動信号COMのピエゾ素子PZTへの印加を説明する。選択されたスイッチ動作情報は、ヘッド側スイッチ86に出力される。これにより、図20A,図20Bに示すように、原駆動信号COMを構成する区間信号SS1〜SS4が、選択的にピエゾ素子PZTに印加される。
【0097】
スイッチ動作情報q0の場合、期間T2で生成される第2区間信号SS2がピエゾ素子PZTに印加される。つまり、この第2区間信号SS2が駆動信号に相当する。これにより、駆動パルスPS2(微振動パルス)がピエゾ素子PZTに印加され、メニスカスが微振動される。スイッチ動作情報q1の場合、期間T3で生成される第3区間信号SS3が駆動信号としてピエゾ素子PZTに印加される。これにより、駆動パルスPS3(小ドットパルス)がピエゾ素子PZTに印加され、小ドットの形成に必要な量のインクがノズルNzから吐出される。また、スイッチ動作情報q2の場合、期間T1で生成される第1区間信号SS1が駆動信号としてピエゾ素子PZTに印加される。これにより、駆動パルスPS1(第1中ドットパルス)がピエゾ素子PZTに印加され、中ドットの形成に必要な量のインクがノズルNzから吐出される。
【0098】
スイッチ動作情報q3の場合、期間T1で生成される第1区間信号SS1及び期間T4で生成される第4区間信号SS4が駆動信号としてピエゾ素子PZTに印加される。これにより、駆動パルスPS1(第1中ドットパルス)と駆動パルスPS4(第2中ドットパルス)とがピエゾ素子PZTに印加される。そして、大ドットを形成するために必要な量のインクがノズルNzから吐出される。また、スイッチ情報q3’の場合、期間T1で生成される第1区間信号SS1、期間T3で生成される第3区間信号SS3、及び、期間T4で生成される第4区間信号SS4がピエゾ素子PZTに印加される。これにより、駆動パルスPS1、駆動パルスPS3、及び、駆動パルスPS4がピエゾ素子PZTに印加される。そして、特大ドットを形成するために必要な量のインクがノズルNzから吐出される。
【0099】
このように、本実施形態では、補正後の階調値が指定しうる最大値である255を超えた場合に、特大ドットを用いたドット形成が行われるので、高品位な画像を印刷することができる。
【0100】
ところで、この第1実施形態は、大ドットでは補正しきれない濃度ムラについて、特大ドットを使用するプリンタ1について説明した。このプリンタ1では、大ドットでは埋めきれず白スジが発生した場合に、特大ドットで代替的に印字して白スジを抑制することができるという利点がある。しかし、この構成に限定されるものではない。以下、他の実施形態について説明する。
【0101】
===第2実施形態について===
次に第2実施形態について説明する。第1実施形態では、大ドットでは埋めきらず発生した白スジを特大ドットで代替的に印刷し濃度ムラを調整することとしていたが、第2実施形態では、極小ドットを吐出可能にし、小ドットを極小ドットで代替的に印字可能とする。そして、所定範囲内にない階調を表現して濃度ムラを抑制することができる。
このとき、原駆動信号は、各区間信号の組み合わせにおいて、極小ドット、小ドット、中ドット、大ドットを形成可能な信号で構成される。そして、補正後の印刷階調値が、小ドットでは表現できない階調値である0よりも大きく1よりも小さい範囲の値となったとき、小ドットの代わりに極小ドット(第1のドットよりも小さいドット)が形成される。小ドットと極小ドットの選択には上述の選択ビットおよび選択信号が使用される。
【0102】
===その他の実施形態について===
上記の各実施形態は、主としてプリンタ1について記載されているが、その中には、印刷装置、印刷方法等の開示が含まれている。また、実施形態としてのプリンタ1について説明をしたが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
【0103】
<駆動信号について>
前述した各実施形態は、共通の原駆動信号COMを使用し、駆動パルス(波形部)の選択パターンを異ならせることで、異なる駆動信号を生成していた。この点に関し、原駆動信号生成回路50を複数設けて、複数種類の原駆動信号COMを生成するようにしてもよい。
【0104】
<印刷階調値の補正部について>
上記の実施形態では、印刷階調値の補正部は、メモリ114内のプリンタドライバをCPU113が実行することによって実現されたが、プリンタドライバをプリンタ1内のROMに格納し、複写機能等を有する複合型プリンタ内に構成することもできる。そして、プリンタ側のCPU72にROM内のプリンタドライバを実行させて、印刷階調値の補正部を実現させることとしてもよい。
【0105】
<印刷装置について>
前述の実施形態では、専ら印刷を行う単機能のプリンタ1を例に挙げて説明したが、印刷装置はこの実施形態に限定されるものではない。例えば、プロッタやファクシミリ装置とコンピュータ110とのセットであってもよい。この場合には、プロッタやファクシミリ装置が印刷装置本体に相当する。
加えて、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、液体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の印刷装置に、本実施形態と同様の技術を適用しても良い。また、これらの方法や製造方法も応用範囲の範疇である。
【0106】
<ヘッド41が有する素子について>
前述した各実施形態では、ヘッド41が有する素子、すなわち、インクを吐出させるための動作を行う素子として、ピエゾ素子PZTを例示したが、ピエゾ素子PZTに限定されるものではない。例えば、静電アクチュエータ、磁歪素子、発熱素子もヘッド41が有する素子になりうる。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】印刷装置の構成を説明する図である。
【図2】コンピュータ、及びプリンタの構成を説明するブロック図である。
【図3】図3Aは、本実施形態のプリンタの構成を示す図である。図3Bは、本実施形態のプリンタの構成を説明する側面図である。
【図4】ヘッドの構造を説明するための断面図である。
【図5】ノズル列の配置を説明する図である。
【図6】ヘッド制御部の構成を説明するためのブロック図である。
【図7】原駆動信号を説明する図である。
【図8】原駆動信号の生成動作を説明するための概念図である。
【図9】印刷データを生成するための処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】印刷時に行われる処理を説明するフローチャートである。
【図11】図11Aは、理想的にドットが形成されたときの様子の説明図である。図11Bは、ノズルの加工精度のばらつきの影響の説明図である。図11Cは、本実施形態の印刷方法によりドットが形成されたときの様子の説明図である。
【図12】或る列領域における階調値補正処理のための説明図である。
【図13】図13Aは、白スジが発生したときの説明図である。図13Bは、図13Aの場合における補正前階調値と、補正後階調値の関係を説明する図である。
【図14】図14は、デコーダの構成を説明するための図である。
【図15】ハーフトーン処理のフローチャートである。
【図16】ドットの生成率テーブルを示す図である。
【図17】ディザ法によるドットのオン・オフ判定の様子を示す図である。
【図18】図18Aは、大ドットの判定に用いられるディザマトリクスを示す図である。図18Bは、中ドットの判定に用いられるディザマトリクスを示す図である。
【図19】図19Aは、ドット無し乃至大ドットを形成する場合のスイッチ動作情報を説明する図である。図19Bは、特大ドットを形成する場合のスイッチ動作情報を説明する図である。
【図20】図20Aは、ドット無し乃至大ドットを形成する場合の駆動信号を説明する図である。図20Bは、特大ドットを形成する場合の駆動信号を説明する図である。
【符号の説明】
【0108】
1 プリンタ,20 用紙搬送機構,21 給紙ローラ,22 搬送モータ,
23 搬送ローラ,24 プラテン,25 排紙ローラ,
30 キャリッジ移動機構,31 キャリッジモータ,32 ガイド軸,
33 タイミングベルト,34 駆動プーリー,35 アイドラプーリー,
40 ヘッドユニット,41 ヘッド,
50 原駆動信号生成回路,60 検出器群,61 リニア式エンコーダ,
62 ロータリー式エンコーダ,63 紙検出器,64 紙幅検出器,
70 プリンタ側コントローラ,71 インタフェース部,72 CPU,
73 メモリ,74 制御ユニット,81 シフトレジスタ,
82 ラッチ回路,83 制御ロジック,84 デコーダ,85 ゲート回路,
86 ヘッド側スイッチ,
100 印刷装置,110 コンピュータ,111 ホスト側コントローラ,
112 インタフェース部,113 CPU,114 メモリ,
120 表示装置,130 入力装置,131 キーボード,132 マウス,
140 記録再生装置,141 フレキシブルディスクドライブ装置,
142 CD−ROMドライブ装置,
S 用紙,SI ドット形成データ,HC ヘッド制御部,PZT ピエゾ素子,
CR キャリッジ,IC インクカートリッジ,
ICk ブラックインクカートリッジ,ICc カラーインクカートリッジ,
Nz ノズル,Nk ブラックインクノズル列,Nc シアンインクノズル列,
Nm マゼンタインクノズル列,Ny イエローインクノズル列,
LAT ラッチ信号,CH チェンジ信号,q0〜q3’ スイッチ動作情報,
N_CHG N−チャージ信号,COM 原駆動信号,
SS1 第1区間信号,SS2 第2区間信号,SS3 第3区間信号,
SS4 第4区間信号,PS1〜PS4 駆動パルス




 

 


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