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記録紙幅検出方法、インクジェット式記録装置、記録紙幅検出制御プログラム - セイコーエプソン株式会社
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発明の名称 記録紙幅検出方法、インクジェット式記録装置、記録紙幅検出制御プログラム
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−15396(P2007−15396A)
公開日 平成19年1月25日(2007.1.25)
出願番号 特願2006−279743(P2006−279743)
出願日 平成18年10月13日(2006.10.13)
代理人 【識別番号】100095452
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 博樹
発明者 児玉 秀俊 / 奥田 泰康
要約 課題
キャリッジに搭載され、記録紙の主走査方向の紙端を検出する記録紙検出センサの検出感度の低下によって生じる記録紙の紙幅の検出誤差を少なくする。

解決手段
記録紙検出センサ64で被検出部を検出した際の電圧値が、所定の電圧値より高い場合には、記録紙検出センサ64の検出感度が高い状態であると判定し、記録紙検出しきい値を高い電圧値(記録紙検出しきい値S1)に設定する。所定の電圧値より低い場合には、記録紙検出センサ64の検出感度が低い状態であると判定し、記録紙検出しきい値を低い電圧値(記録紙検出しきい値S3)に設定する。記録紙検出しきい値をS1〜S3の間で推移させることによって、記録紙検出センサ64の検出遅れによる紙端検出誤差Dを一定にすることができ、記録紙検出センサ64の検出感度が低下することによる誤差が生じない。
特許請求の範囲
【請求項1】
記録紙にインクを吐出する記録ヘッドを搭載し、主走査方向に往復動可能に軸支されたキャリッジと、副走査方向に搬送される前記記録紙の前記記録ヘッドによる記録実行領域近傍を前記記録紙の記録面と反対側の面から支持し、前記記録ヘッドのヘッド面と前記記録紙の記録面との間の距離を規定するプラテンと、発光部と受光部とを有し、該発光部から発した光の反射光を前記受光部にて受光し、受光した光量に応じた検出電圧を出力可能な光反射型センサから成り、前記記録紙と前記プラテンとの境界を検出可能に前記キャリッジに搭載された記録紙検出センサとを備えたインクジェット式記録装置において、前記記録紙の前記主走査方向の紙幅を検出する記録紙幅検出方法であって、
前記プラテンの前記記録紙を支持する面に形成された被検出部を前記記録紙検出センサにて検出し、前記被検出部を検出した際の検出信号から前記記録紙検出センサの検出感度を判定し、判定した検出感度に対応した前記記録紙検出センサの検出電圧の記録紙検出しきい値を設定する記録紙検出しきい値設定工程と、
前記記録紙の前記主走査方向の一端側の紙端が紙端位置規制部に当接した状態で、前記記録紙の前記主走査方向の他端側の紙端を前記記録紙検出しきい値で検出する紙端検出工程と、
紙幅検出の基準となるキャリッジ停止位置から前記主走査方向の他端側の紙端を検出するまでの間の前記キャリッジの移動量から、前記記録紙の前記主走査方向の一端側の紙端と、他端側の紙端との間隔を演算して前記記録紙の前記主走査方向の紙幅を算出する記録紙幅演算工程とを有し、
前記記録紙検出しきい値設定工程は、前記記録紙検出センサの検出遅れによる前記記録紙の紙端検出誤差が、一定の誤差量になる如く、前記被検出部を検出した際の検出信号から判定した前記記録紙検出センサの検出感度に対応させて前記記録紙検出しきい値を設定する、ことを特徴とした記録紙幅検出方法。
【請求項2】
記録紙にインクを吐出する記録ヘッドを搭載し、主走査方向に往復動可能に軸支されたキャリッジと、副走査方向に搬送される前記記録紙の前記記録ヘッドによる記録実行領域近傍を前記記録紙の記録面と反対側の面から支持し、前記記録ヘッドのヘッド面と前記記録紙の記録面との間の距離を規定するプラテンと、発光部と受光部とを有し、該発光部から発した光の反射光を前記受光部にて受光し、受光した光量に応じた検出電圧を出力可能な光反射型センサから成り、前記記録紙と前記プラテンとの境界を検出可能に前記キャリッジに搭載された記録紙検出センサとを備えたインクジェット式記録装置において、前記記録紙の前記主走査方向の紙幅を検出する記録紙幅検出方法であって、
前記プラテンの前記記録紙を支持する面に形成された被検出部を前記記録紙検出センサにて検出し、前記被検出部を検出した際の検出信号から前記記録紙検出センサの検出感度を判定し、判定した検出感度に対応した前記記録紙検出センサの検出電圧の記録紙検出しきい値を設定する記録紙検出しきい値設定工程と、
前記記録紙の前記主走査方向の一端側の紙端が紙端位置規制部に当接した状態で、前記記録紙の前記主走査方向の他端側の紙端を前記記録紙検出しきい値で検出する紙端検出工程と、
紙幅検出の基準となるキャリッジ停止位置から前記主走査方向の他端側の紙端を検出するまでの間の前記キャリッジの移動量から、前記記録紙の前記主走査方向の一端側の紙端と、他端側の紙端との間隔を演算して前記記録紙の前記主走査方向の紙幅を算出する記録紙幅演算工程とを有し、
前記記録紙検出しきい値設定工程は、前記キャリッジを前記主走査方向へ移動させながら前記記録紙検出センサで前記被検出部を検出する際の検出時間が、前記記録紙検出センサの検出電圧が一定の電圧まで降下する前に前記記録紙検出センサが前記被検出部から離れる時間に設定されている、ことを特徴とした記録紙幅検出方法。
【請求項3】
記録紙にインクを吐出する記録ヘッドを搭載し、主走査方向に往復動可能に軸支されたキャリッジと、副走査方向に搬送される前記記録紙の前記記録ヘッドによる記録実行領域近傍を前記記録紙の記録面と反対側の面から支持し、前記記録ヘッドのヘッド面と前記記録紙の記録面との間の距離を規定するプラテンと、発光部と受光部とを有し、該発光部から発した光の反射光を前記受光部にて受光し、受光した光量に応じた検出電圧を出力可能な光反射型センサから成り、前記記録紙と前記プラテンとの境界を検出可能に前記キャリッジに搭載された記録紙検出センサと、前記記録紙の前記主走査方向の一端側の紙端が紙端位置規制部に当接した状態で、前記記録紙の前記主走査方向の他端側の紙端を前記記録紙検出しきい値で検出し、紙幅検出の基準となるキャリッジ停止位置から前記主走査方向の他端側の紙端を検出するまでの間の前記キャリッジの移動量から、前記記録紙の前記主走査方向の一端側の紙端と、他端側の紙端との間隔を演算して前記記録紙の前記主走査方向の紙幅を算出する記録紙幅検出手段を有する記録制御部とを備えたインクジェット式記録装置であって、
前記プラテンは、前記記録紙を支持する面に形成され、前記記録紙検出センサにて検出可能な被検出部を有し、
前記記録制御部は、前記記録紙検出センサの検出感度を判定する基準となる前記被検出部を前記記録紙検出センサにて検出し、前記被検出部を検出した際の検出信号から前記記録紙検出センサの検出感度を判定し、判定した検出感度に対応した前記記録紙検出センサの検出電圧の記録紙検出しきい値を設定し、設定した記録紙検出しきい値で前記記録紙の前記主走査方向の他端側の紙端を検出し、
前記記録紙検出センサの検出遅れによる前記記録紙の紙端検出誤差が、一定の誤差量になる如く、前記被検出部を検出した際の検出信号から判定した前記記録紙検出センサの検出感度に対応させて前記記録紙検出しきい値を設定する、ことを特徴としたインクジェット式記録装置。
【請求項4】
記録紙にインクを吐出する記録ヘッドを搭載し、主走査方向に往復動可能に軸支されたキャリッジと、副走査方向に搬送される前記記録紙の前記記録ヘッドによる記録実行領域近傍を前記記録紙の記録面と反対側の面から支持し、前記記録ヘッドのヘッド面と前記記録紙の記録面との間の距離を規定するプラテンと、発光部と受光部とを有し、該発光部から発した光の反射光を前記受光部にて受光し、受光した光量に応じた検出電圧を出力可能な光反射型センサから成り、前記記録紙と前記プラテンとの境界を検出可能に前記キャリッジに搭載された記録紙検出センサと、前記記録紙の前記主走査方向の一端側の紙端が紙端位置規制部に当接した状態で、前記記録紙の前記主走査方向の他端側の紙端を前記記録紙検出しきい値で検出し、紙幅検出の基準となるキャリッジ停止位置から前記主走査方向の他端側の紙端を検出するまでの間の前記キャリッジの移動量から、前記記録紙の前記主走査方向の一端側の紙端と、他端側の紙端との間隔を演算して前記記録紙の前記主走査方向の紙幅を算出する記録紙幅検出手段を有する記録制御部とを備えたインクジェット式記録装置であって、
前記プラテンは、前記記録紙を支持する面に形成され、前記記録紙検出センサにて検出可能な被検出部を有し、
前記記録制御部は、前記記録紙検出センサの検出感度を判定する基準となる前記被検出部を前記記録紙検出センサにて検出し、前記被検出部を検出した際の検出信号から前記記録紙検出センサの検出感度を判定し、判定した検出感度に対応した前記記録紙検出センサの検出電圧の記録紙検出しきい値を設定し、設定した記録紙検出しきい値で前記記録紙の前記主走査方向の他端側の紙端を検出し、
前記キャリッジを前記主走査方向へ移動させながら前記記録紙検出センサで前記被検出部を検出する際の検出時間が、前記記録紙検出センサの検出電圧が一定の電圧まで降下する前に前記記録紙検出センサが前記被検出部から離れる時間に設定されている、ことを特徴としたインクジェット式記録装置。
【請求項5】
請求項3又は4において、前記記録紙検出センサは、発光ダイオードから成る前記発光部と、フォトトランジスタから成る前記受光部とを有する反射型フォトインタラプタである、ことを特徴としたインクジェット式記録装置。
【請求項6】
記録紙にインクを吐出する記録ヘッドを搭載し、主走査方向に往復動可能に軸支されたキャリッジと、副走査方向に搬送される前記記録紙の前記記録ヘッドによる記録実行領域近傍を前記記録紙の記録面と反対側の面から支持し、前記記録ヘッドのヘッド面と前記記録紙の記録面との間の距離を規定するプラテンと、発光部と受光部とを有し、該発光部から発した光の反射光を前記受光部にて受光し、受光した光量に応じた検出電圧を出力可能な光反射型センサから成り、前記記録紙と前記プラテンとの境界を検出可能に前記キャリッジに搭載された記録紙検出センサとを備えたインクジェット式記録装置において、前記記録紙の前記主走査方向の紙幅を検出する制御をコンピュータに実行させる記録紙幅検出制御プログラムであって、
前記プラテンの前記記録紙を支持する面に形成された被検出部を前記記録紙検出センサにて検出する手順と、
前記被検出部を検出した際の検出信号から前記記録紙検出センサの検出感度を判定する手順と、
判定した検出感度に対応した前記記録紙検出センサの検出電圧の記録紙検出しきい値を設定する手順と、
前記記録紙の前記主走査方向の一端側の紙端が紙端位置規制部に当接した状態で、前記記録紙の前記主走査方向の他端側の紙端を前記記録紙検出しきい値で検出する手順と、
紙幅検出の基準となるキャリッジの停止位置から前記主走査方向の他端側の紙端を検出するまでの間の前記キャリッジの移動量から、前記記録紙の前記主走査方向の一端側の紙端と、他端側の紙端との間隔を演算して前記記録紙の前記主走査方向の紙幅を算出する手順とを有し、
前記記録紙検出しきい値を設定する手順は、前記記録紙検出センサの検出遅れによる前記記録紙の紙端検出誤差が、一定の誤差量になる如く、前記被検出部を検出した際の検出信号から判定した前記記録紙検出センサの検出感度に対応させて前記記録紙検出しきい値を設定する、ことを特徴とした記録紙幅検出制御プログラム。
【請求項7】
記録紙にインクを吐出する記録ヘッドを搭載し、主走査方向に往復動可能に軸支されたキャリッジと、副走査方向に搬送される前記記録紙の前記記録ヘッドによる記録実行領域近傍を前記記録紙の記録面と反対側の面から支持し、前記記録ヘッドのヘッド面と前記記録紙の記録面との間の距離を規定するプラテンと、発光部と受光部とを有し、該発光部から発した光の反射光を前記受光部にて受光し、受光した光量に応じた検出電圧を出力可能な光反射型センサから成り、前記記録紙と前記プラテンとの境界を検出可能に前記キャリッジに搭載された記録紙検出センサとを備えたインクジェット式記録装置において、前記記録紙の前記主走査方向の紙幅を検出する制御をコンピュータに実行させる記録紙幅検出制御プログラムであって、
前記プラテンの前記記録紙を支持する面に形成された被検出部を前記記録紙検出センサにて検出する手順と、
前記被検出部を検出した際の検出信号から前記記録紙検出センサの検出感度を判定する手順と、
判定した検出感度に対応した前記記録紙検出センサの検出電圧の記録紙検出しきい値を設定する手順と、
前記記録紙の前記主走査方向の一端側の紙端が紙端位置規制部に当接した状態で、前記記録紙の前記主走査方向の他端側の紙端を前記記録紙検出しきい値で検出する手順と、
紙幅検出の基準となるキャリッジの停止位置から前記主走査方向の他端側の紙端を検出するまでの間の前記キャリッジの移動量から、前記記録紙の前記主走査方向の一端側の紙端と、他端側の紙端との間隔を演算して前記記録紙の前記主走査方向の紙幅を算出する手順とを有し、
前記記録紙検出しきい値を設定する手順は、前記キャリッジを前記主走査方向へ移動させながら前記記録紙検出センサで前記被検出部を検出する際の検出時間が、前記記録紙検出センサの検出電圧が一定の電圧まで降下する前に前記記録紙検出センサが前記被検出部から離れる時間に設定されている、ことを特徴とした記録紙幅検出制御プログラム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本願発明は、記録紙にインクを吐出する記録ヘッドを搭載し、主走査方向に往復動可能に軸支されたキャリッジに配設されたフォトインタラプタ等の反射式センサによって、記録紙の紙幅を検出可能な構成を成すインクジェット式記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
記録ヘッドを搭載したキャリッジが往復動する主走査方向の記録紙の紙幅(以下、単に紙幅とする)を検出する記録紙幅検出手段を備えたインクジェット式記録装置としては、キャリッジにフォトインタラプタ等の反射式センサを搭載しており、記録紙上のキャリッジを往復動させた際に、その反射式センサによって記録紙とプラテンとの境界を識別して記録紙の主走査方向の紙端を検出することによって、記録紙の紙幅を検出する構成を成すものが公知である。また、一般的なインクジェット式記録装置において、記録紙は、その紙幅に関係なく一端側の紙端が基準端側、いわゆる0桁側に形成された主走査方向の紙端位置規制部に当接した状態で副走査方向に搬送される。したがって、記録紙の主走査方向の一端側の紙端は、紙幅に関係なく、常に同じ位置に規定されることになるので、記録紙の他端側の紙端を検出し、紙端位置規制部に当接している一端側の紙端と、その他端側の紙端との距離を求めることによって、記録紙の紙幅を検出することができる。
【特許文献1】特開平07−179248号公報
【特許文献2】特開平03−138254号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、一般的にフォトインタラプタ等の反射型センサは、発光部と受光部とを有し、発光部から発した光が、検出する対象物に当たって反射し、反射した光を受光部にて受光し、その受光量に応じて出力電圧が変化する構成を成している。
このような反射型センサ等による記録紙検出センサは、一般的に経年変化等によって発光部及び受光部の性能が低下することによって、検出感度が低下してしまう。そして、前述したように、記録紙の主走査方向の他端側の紙端を検出する際に、その検出感度の低下によって、検出する紙端位置に誤差が生じてしまい、それによって、記録紙の紙幅検出精度が低下してしまうことになる。そのため、記録紙にインクを吐出して記録を実行する際に、紙幅方向の余白幅に誤差が生じたり、実際の紙幅を超える領域にインクを吐出してプラテンを汚してしまったりする虞があった。
【0004】
本願発明は、このような状況に鑑み成されたものであり、その課題は、キャリッジに搭載され、記録紙の主走査方向の紙端を検出する記録紙検出センサの検出感度の低下によって生じる記録紙の紙幅の検出誤差を少なくすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を達成するため、本発明の第1の態様は、記録紙にインクを吐出する記録ヘッドを搭載し、主走査方向に往復動可能に軸支されたキャリッジと、副走査方向に搬送される前記記録紙の前記記録ヘッドによる記録実行領域近傍を前記記録紙の記録面と反対側の面から支持し、前記記録ヘッドのヘッド面と前記記録紙の記録面との間の距離を規定するプラテンと、発光部と受光部とを有し、該発光部から発した光の反射光を前記受光部にて受光し、受光した光量に応じた検出電圧を出力可能な光反射型センサから成り、前記記録紙と前記プラテンとの境界を検出可能に前記キャリッジに搭載された記録紙検出センサとを備えたインクジェット式記録装置において、前記記録紙の前記主走査方向の紙幅を検出する記録紙幅検出方法であって、前記プラテンの前記記録紙を支持する面に形成された被検出部を前記記録紙検出センサにて検出し、前記被検出部を検出した際の検出信号から前記記録紙検出センサの検出感度を判定し、判定した検出感度に対応した前記記録紙検出センサの検出電圧の記録紙検出しきい値を設定する記録紙検出しきい値設定工程と、前記記録紙の前記主走査方向の一端側の紙端が紙端位置規制部に当接した状態で、前記記録紙の前記主走査方向の他端側の紙端を前記記録紙検出しきい値で検出する紙端検出工程と、紙幅検出の基準となるキャリッジ停止位置から前記主走査方向の他端側の紙端を検出するまでの間の前記キャリッジの移動量から、前記記録紙の前記主走査方向の一端側の紙端と、他端側の紙端との間隔を演算して前記記録紙の前記主走査方向の紙幅を算出する記録紙幅演算工程とを有する、ことを特徴とした記録紙幅検出方法である。
【0006】
発光部と受光部とを有し、発光部から発した光の反射光を受光部にて受光し、受光した光量に応じた検出電圧を出力可能な光反射型センサにて記録紙の紙端を検出するには、記録紙を検出している状態の出力電圧、つまり記録紙の表面の反射率による受光部の受光量における出力電圧と、プラテン表面を検出している状態の出力電圧、つまりプラテン表面の反射率による受光部の受光量における出力電圧との差から、記録紙の紙端を検出する。
【0007】
誤検出の可能性を考慮し、基本的には、記録紙を検出している状態の出力電圧とプラテン表面を検出している状態の出力電圧との略中間の電圧をしきい値とし、しきい値の電圧より高い電圧ならプラテンを検出している状態、つまり記録紙を検出していない状態であると判定し、しきい値の電圧より低い電圧なら記録紙を検出していると判定する。したがって、記録紙の紙端が記録紙検出センサの検出部に到達した時点から、そのしきい値まで電圧が低下するまでには、受光部の応答遅延によって記録紙検出センサの検出遅れが生じることになり、その遅れによって、記録紙の紙端を検出する際に誤差が生じる。
【0008】
記録紙検出センサの検出遅れが一定であるならば、その分だけ紙端位置を補正することで、正確な記録紙の紙端の検出が可能である。しかし、前述したように反射型センサは、経年変化によって、検出感度が低下する傾向があり、それによって、記録紙の紙端を検出する際の記録紙検出センサの検出遅れが大きくなっていく。そして、このように、経年変化によって記録紙検出センサの検出遅れが大きくなっていくことによって、記録紙検出センサによる記録紙の紙端検出誤差が大きくなっていくので、記録紙にインクを吐出して記録を実行する際に、紙幅方向の余白幅に誤差が生じたり、実際の紙幅を超える領域にインクを吐出してプラテンを汚してしまったりすることになる。
【0009】
そこで、まず、プラテンの記録紙を支持する面に形成された被検出部を記録紙検出センサにて検出し、この被検出部を検出した際の検出信号から記録紙検出センサの検出感度を判定する。つまり、プラテン上に形成されている不変の被検出部を記録紙検出センサで検出することによって、その検出電圧から記録紙検出センサの検出感度を知ることができる。
【0010】
つづいて、判定した検出感度に対応した記録紙検出センサの検出電圧の記録紙検出しきい値を設定する。これによって、検出感度が高い状態の場合と、経年変化によって検出感度が低下した状態の場合との記録紙検出センサの検出遅れ時間が同じになるように、それぞれの記録紙検出しきい値を設定することができる。つまり、記録紙検出しきい値を、記録紙を検出している状態の出力電圧とプラテン表面を検出している状態の出力電圧との中間とせずに、検出感度が高い場合には、記録紙を検出している状態の出力電圧寄りに記録紙検出しきい値を設定し、検出感度が低い場合には、プラテン表面を検出している状態の出力電圧寄りに記録紙検出しきい値を設定することによって、検出感度が高い状態の場合と、経年変化によって検出感度が低下した状態の場合とで、記録紙検出センサの検出遅れ時間が同じになるようにすることができるものである。
【0011】
このように、記録紙検出センサの検出感度に合わせて記録紙検出しきい値を設定することによって、記録紙検出センサの検出感度が変化しても記録紙検出センサの遅れによる記録紙の紙端を検出する際の誤差を略一定にすることが可能になる。そして、その誤差の分だけ記録紙の紙端位置を補正することによって、記録紙検出センサの検出感度の影響を少なくすることができるので、高い精度で記録紙の紙端の検出を行うことが可能になる。
【0012】
これにより、本発明の第1の態様に記載の記録紙幅検出方法によれば、記録紙検出センサの検出感度の影響を少なくすることができ、高い精度で記録紙の紙端の検出を行うことが可能になるので、記録紙検出センサの検出感度の低下によって生じる記録紙の紙幅の検出誤差を少なくすることができるという作用効果が得られる。
【0013】
本発明の第2の態様は、前述した第1の態様において、前記記録紙検出しきい値設定工程は、前記記録紙検出しきい値を、前記記録ヘッドからインクが吐出されて記録面の反射率が最も低下すると想定される記録実行状態の前記記録紙を検出する際の前記記録紙検出センサの出力電圧より高い電圧に設定する、ことを特徴とした記録紙幅検出方法である。
【0014】
記録紙検出センサが記録ヘッドより副走査方向下流側に配設されている等、インクが吐出されて記録実行済みの記録紙の記録面を検出する場合には、未記録の白い状態の記録面と比較して光の反射率が低下することになる。したがって、記録紙検出しきい値を未記録の記録面を検出している状態の検出電圧に近い値に設定すると、記録紙を検出している状態であるにもかかわらず、検出電圧が記録紙検出しきい値まで達しない虞が生じる。よって、その場合には、記録紙を検出しても未検出と判定してしまい、記録紙を検出することができなくなってしまう可能性がある。
【0015】
そこで、インクが吐出されて記録面の反射率が最も低下すると想定される記録紙を検出する際の記録紙検出センサの出力電圧より、記録紙検出しきい値を高い電圧に設定することによって、記録紙を検出している状態であるにもかかわらず、検出電圧が記録紙検出しきい値まで達しない虞をなくすことができる。
【0016】
これにより、本発明の第2の態様に記載の記録紙幅検出方法によれば、前述した第1の態様に記載の発明による作用効果に加えて、インクが吐出されて記録実行済みの記録紙の記録面を検出する場合において、記録紙を検出している状態であるにもかかわらず、検出電圧が記録紙検出しきい値まで達しない虞をなくすことができるので、確実に記録紙の紙端を検出することができるという作用効果が得られる。尚、インクが吐出されて記録面の反射率が最も低下すると想定される記録紙を検出する際の記録紙検出センサの出力電圧と、記録紙検出しきい値との間に、一定の電圧幅を持たせる、つまり一定のマージンを持たせることで、より確実に記録紙の紙端を検出することができるのは言うまでもないことである。
【0017】
本発明の第3の態様は、前述した第1の態様又は第2の態様において、記録紙検出しきい値設定工程は、前記記録紙検出センサの検出遅れによる前記記録紙の紙端検出誤差が、一定の誤差量になる如く、前記被検出部を検出した際の検出信号から判定した前記記録紙検出センサの検出感度に対応させて前記記録紙検出しきい値を設定する、ことを特徴とした記録紙幅検出方法である。
【0018】
このように、記録紙検出センサの検出遅れによる記録紙の紙端検出誤差が、一定の誤差量になる如く、記録紙検出しきい値を設定するので、その一定の誤差量の分だけ記録紙の紙端位置を補正することによって、記録紙検出センサの検出感度の影響を受けない記録紙の紙端検出が可能になる。
【0019】
これにより、本発明の第3の態様に記載の記録紙幅検出方法によれば、前述した第1の態様又は第2の態様に記載の発明による作用効果に加えて、記録紙検出センサの検出遅れによる記録紙の紙端検出誤差が、一定の誤差量になる如く、記録紙検出しきい値を設定することによって、記録紙検出センサの検出感度の影響を受けない記録紙の紙端検出が可能になるので、より正確に記録紙の紙端を検出することができるという作用効果が得られる。
【0020】
本発明の第4の態様は、記録紙にインクを吐出する記録ヘッドを搭載し、主走査方向に往復動可能に軸支されたキャリッジと、副走査方向に搬送される前記記録紙の前記記録ヘッドによる記録実行領域近傍を前記記録紙の記録面と反対側の面から支持し、前記記録ヘッドのヘッド面と前記記録紙の記録面との間の距離を規定するプラテンと、発光部と受光部とを有し、該発光部から発した光の反射光を前記受光部にて受光し、受光した光量に応じた検出電圧を出力可能な光反射型センサから成り、前記記録紙と前記プラテンとの境界を検出可能に前記キャリッジに搭載された記録紙検出センサと、前記記録紙の前記主走査方向の一端側の紙端が紙端位置規制部に当接した状態で、前記記録紙の前記主走査方向の他端側の紙端を前記記録紙検出しきい値で検出し、紙幅検出の基準となるキャリッジ停止位置から前記主走査方向の他端側の紙端を検出するまでの間の前記キャリッジの移動量から、前記記録紙の前記主走査方向の一端側の紙端と、他端側の紙端との間隔を演算して前記記録紙の前記主走査方向の紙幅を算出する記録紙幅検出手段を有する記録制御部とを備えたインクジェット式記録装置であって、前記プラテンは、前記記録紙を支持する面に形成され、前記記録紙検出センサにて検出可能な被検出部を有し、前記記録制御部は、前記記録紙検出センサの検出感度を判定する基準となる前記被検出部を前記記録紙検出センサにて検出し、前記被検出部を検出した際の検出信号から前記記録紙検出センサの検出感度を判定し、判定した検出感度に対応した前記記録紙検出センサの検出電圧の記録紙検出しきい値を設定し、設定した記録紙検出しきい値で前記記録紙の前記主走査方向の他端側の紙端を検出する、ことを特徴としたインクジェット式記録装置である。
【0021】
本発明の第4の態様に記載のインクジェット式記録装置によれば、インクジェット式記録装置において、前述した第1の態様に記載の発明と同様の作用効果を得ることができる。
【0022】
本発明の第5の態様は、前述した第4の態様において、前記記録紙検出センサは、前記記録ヘッドより前記副走査方向下流側に配設されており、前記記録制御部は、前記記録ヘッドからインクを吐出されて記録実行済みの前記記録紙の前記主走査方向の紙端を検出する際に、前記記録紙検出しきい値を、前記記録ヘッドからインクが吐出されて記録面の反射率が最も低下すると想定される記録実行状態の前記記録紙を検出する際の前記記録紙検出センサの出力電圧より高い電圧に設定する、ことを特徴としたインクジェット式記録装置である。
【0023】
本発明の第5の態様に記載のインクジェット式記録装置によれば、インクジェット式記録装置において、前述した第2の態様に記載の発明と同様の作用効果を得ることができる。
【0024】
本発明の第6の態様は、前述した第4の態様又は第5の態様において、前記記録制御部は、前記記録紙検出センサの検出遅れによる前記記録紙の紙端検出誤差が、一定の誤差量になる如く、前記被検出部を検出した際の検出信号から判定した前記記録紙検出センサの検出感度に対応させて前記記録紙検出しきい値を設定する、ことを特徴としたインクジェット式記録装置である。
【0025】
本発明の第6の態様に記載のインクジェット式記録装置によれば、インクジェット式記録装置において、前述した第3の態様に記載の発明と同様の作用効果を得ることができる。
【0026】
本発明の第7の態様は、前述した第4〜第6の態様のいずれかにおいて、前記プラテンの前記記録紙を支持する面に前記副走査方向に平行に形成された複数のリブの一部を前記被検出部としている、ことを特徴としたインクジェット式記録装置である。
【0027】
プラテンの記録紙を支持する面に副走査方向に平行に形成された複数のリブは、記録面にインクを吐出された記録紙が、いわゆるコックリング現象によって波打ち変形した際に、記録紙の浮き上がりを抑えるためのものである。そして、この複数のリブの一部を被検出部とする、つまりコックリング現象による記録紙の浮き上がりを抑えるための既存のリブを被検出部として利用することによって、別途被検出部を設ける必要がなくなる。
【0028】
これにより、本発明の第7の態様に記載のインクジェット式記録装置によれば、前述した第4〜第6の態様のいずれかに記載の発明による作用効果に加えて、既存のリブを被検出部として利用することによって、別途被検出部を設ける必要がなくなるので、インクジェット式記録装置において、既存のプラテンをそのまま利用することができ、本願発明による新たな製造コストが発生しないという作用効果が得られる。
【0029】
本発明の第8の態様は、前述した第4〜第7の態様のいずれかにおいて、前記記録紙検出センサは、発光ダイオードから成る前記発光部と、フォトトランジスタから成る前記受光部とを有する反射型フォトインタラプタである、ことを特徴としたインクジェット式記録装置である。
【0030】
このように、一般的広く知られた反射型フォトインタラプタを記録紙検出センサとしたインクジェット式記録装置においても本願発明の実施は可能であり、前述した第4〜第7の態様のいずれかに記載の発明による作用効果を得ることができるものである。
【0031】
本発明の第9の態様は、記録紙にインクを吐出する記録ヘッドを搭載し、主走査方向に往復動可能に軸支されたキャリッジと、副走査方向に搬送される前記記録紙の前記記録ヘッドによる記録実行領域近傍を前記記録紙の記録面と反対側の面から支持し、前記記録ヘッドのヘッド面と前記記録紙の記録面との間の距離を規定するプラテンと、発光部と受光部とを有し、該発光部から発した光の反射光を前記受光部にて受光し、受光した光量に応じた検出電圧を出力可能な光反射型センサから成り、前記記録紙と前記プラテンとの境界を検出可能に前記キャリッジに搭載された記録紙検出センサとを備えたインクジェット式記録装置において、前記記録紙の前記主走査方向の紙幅を検出する制御をコンピュータに実行させる記録紙幅検出制御プログラムであって、前記プラテンの前記記録紙を支持する面に形成された被検出部を前記記録紙検出センサにて検出する手順と、前記被検出部を検出した際の検出信号から前記記録紙検出センサの検出感度を判定する手順と、判定した検出感度に対応した前記記録紙検出センサの検出電圧の記録紙検出しきい値を設定する手順と、前記記録紙の前記主走査方向の一端側の紙端が紙端位置規制部に当接した状態で、前記記録紙の前記主走査方向の他端側の紙端を前記記録紙検出しきい値で検出する手順と、紙幅検出の基準となるキャリッジの停止位置から前記主走査方向の他端側の紙端を検出するまでの間の前記キャリッジの移動量から、前記記録紙の前記主走査方向の一端側の紙端と、他端側の紙端との間隔を演算して前記記録紙の前記主走査方向の紙幅を算出する手順とを有する、ことを特徴とした記録紙幅検出制御プログラムである。
【0032】
本発明の第9の態様に記載の記録紙幅検出制御プログラムによれば、前述した第1の態様に記載の発明と同様の作用効果を得ることができるとともに、この記録紙幅検出制御プログラムを実行することができる任意のインクジェット式記録装置に、前述した第1の態様に記載の発明と同様の作用効果をもたらすことができる。
【0033】
本発明の第10の態様は、前述した第9の態様において、前記記録紙検出しきい値を設定する手順は、前記記録紙検出しきい値を、前記記録ヘッドからインクが吐出されて記録面の反射率が最も低下すると想定される記録実行状態の前記記録紙を検出する際の前記記録紙検出センサの出力電圧より高い電圧に設定する、ことを特徴とした記録紙幅検出制御プログラムである。
【0034】
本発明の第10の態様に記載の記録紙幅検出制御プログラムによれば、前述した第2の態様に記載の発明と同様の作用効果を得ることができるとともに、この記録紙幅検出制御プログラムを実行することができる任意のインクジェット式記録装置に、前述した第2の態様に記載の発明と同様の作用効果をもたらすことができる。
【0035】
本発明の第11の態様は、前述した第9の態様又は第10の態様において、前記記録紙検出しきい値を設定する手順は、前記記録紙検出センサの検出遅れによる前記記録紙の紙端検出誤差が、一定の誤差量になる如く、前記被検出部を検出した際の検出信号から判定した前記記録紙検出センサの検出感度に対応させて前記記録紙検出しきい値を設定する、ことを特徴とした記録紙幅検出制御プログラムである。
【0036】
本発明の第11の態様に記載の記録紙幅検出制御プログラムによれば、前述した第3の態様に記載の発明と同様の作用効果を得ることができるとともに、この記録紙幅検出制御プログラムを実行することができる任意のインクジェット式記録装置に、前述した第3の態様に記載の発明と同様の作用効果をもたらすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、本願発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。まず、本願発明に係るインクジェット式記録装置の概略構成について説明する。図1は、本願発明に係るインクジェット式記録装置の一実施の形態を示した斜視図であり、図2は、要部側面図である。
【0038】
インクジェット式記録装置50には、記録紙Pの記録面上を主走査方向Xに往復動しながら記録面にインクを吐出して記録を実行する記録実行手段として、キャリッジガイド軸61とサブキャリッジガイド軸61Sとで、主走査方向Xに往復動可能に軸支されたキャリッジ62が配設されている。キャリッジ62には、記録紙Pにインクを吐出する記録ヘッド63が搭載されている。記録ヘッド63と対向して、記録ヘッド63のヘッド面と記録紙Pとの間隔を規定するプラテン53が設けられている。そして、キャリッジ62を主走査方向Xに往復動させながら記録ヘッド63のヘッド面から記録紙Pにインクを吐出する動作と、記録紙Pを副走査方向Yに所定の搬送量で搬送する動作とを交互に繰り返すことで記録紙Pに記録が行われる。
【0039】
また、キャリッジ62には、プラテン53上の記録紙Pを検出可能な記録紙検出センサ64が記録紙Pの記録面に対向する位置に搭載されている。記録紙検出センサ64は、記録ヘッド63の副走査方向Yの上流側に配設されており、キャリッジ62を主走査方向Xに往復動させる際に、記録ヘッド63の記録実行領域より副走査方向Yの上流側の記録紙Pを検出することが可能なセンサである。この記録紙検出センサ64は、発光ダイオードから成る発光部と、フォトトランジスタから成る受光部とを有し、発光部から発した光が検出対象の記録紙P又はプラテン53に当たって反射し、反射した光を受光部にて受光し、その受光量に応じて出力電圧が変化する構成を成す反射型フォトインタラプタである。
【0040】
また、インクジェット式記録装置50は、多数の記録紙Pを積重可能な給紙トレイ70を備えている。給紙トレイ70の副走査方向Yの下流側には、給紙ローラ71が配設されている。給紙トレイ70には、ホッパー72と分離パッド73とが配設されている。給紙トレイ70に積重された記録紙Pは、ホッパー72によって給紙ローラ71に押しつけられ、給紙ローラ71の給紙方向への駆動回転と、分離パッド73の摩擦抵抗によって、給紙トレイ70に積重された記録紙Pの最上位の記録紙Pのみが分離されて自動給紙される構成を成している。
【0041】
さらに、インクジェット式記録装置50には、自動給紙された記録紙Pを副走査方向Yに間欠的に搬送する搬送駆動ローラ51と搬送従動ローラ52とが配設されている。搬送駆動ローラ51は、回転駆動力源により回転制御され、搬送駆動ローラ51の回転により、記録紙Pは副走査方向Yに搬送される。搬送従動ローラ52は複数設けられており、それぞれ個々に搬送駆動ローラ51に付勢され、記録紙Pが搬送駆動ローラ51の回転により搬送される際に、その付勢力によって記録紙Pに接した状態で記録紙Pの搬送に従動して回転する。
【0042】
さらに、インクジェット式記録装置50には、記録実行後の記録紙Pを排出する排紙駆動ローラ54と排紙従動ローラ55とが配設されている。排紙駆動ローラ54は、回転駆動力源により回転制御され、排紙駆動ローラ54の回転により、記録実行後の記録紙Pは副走査方向Yに排出される。排紙従動ローラ55は、周囲に複数の歯を有し、各歯の先端が記録紙Pの記録面に点接触するように鋭角的に尖っている歯付きローラとなっている。排紙従動ローラ55は、それぞれ個々に排紙駆動ローラ54に、前述の搬送従動ローラ52の付勢力よりも弱い付勢力で付勢され、記録紙Pが排紙駆動ローラ54の回転により排出される際に、その付勢力によって記録紙Pに接した状態で記録紙Pの排出に従動して回転する。そして、記録実行後の記録紙Pは、排紙駆動ローラ54及び排紙従動ローラ55により副走査方向Yの下流側に排出される。排紙駆動ローラ54及び排紙従動ローラ55の下流側には、記録実行済みの記録紙Pが排出される排紙トレイ81が配設されている。
【0043】
さらに、インクジェット式記録装置50は、図示していない記録制御部を備えている。記録制御部は、コンピュータ制御によるインクジェット式記録装置50の制御機能を有している。記録制御部は、インクジェット式記録装置50の各種状態情報を入力し、その各種状態情報に基づいて、各駆動系を駆動制御する。インクジェット式記録装置50は、記録制御部の制御によって、給紙トレイ70に積重された記録紙Pを給紙し、記録ヘッド63からインクを吐出しつつキャリッジ62を主走査方向Xへ往復動させる動作と、所定の搬送量で記録紙Pを副走査方向Yへ搬送する動作とを交互に繰り返して、記録紙Pの記録面に記録を実行して排出する。
【0044】
そして、記録制御部は、本願発明に係る記録紙幅検出手段を有しており、つづいて、記録紙幅検出手段における記録紙幅検出制御手順について説明する。図3は、本願発明に係るインクジェット式記録装置50の要部平面図である。
【0045】
インクジェット式記録装置50は、記録紙Pを給紙トレイ70にセットする際には、記録紙Pの主走査方向Xの一端側の紙端PS1を給紙トレイ70のガイド部72に当接させた状態でセットされる。そのため、記録紙Pの紙端PS1は、記録紙Pの紙幅に関係なく、必ずガイド部72に当接した状態で、その紙端位置を規制される状態となる。したがって、記録紙Pの紙幅を検出するには、記録紙Pの主走査方向Xの他端側の紙端PS2だけを記録紙検出センサ64で検出すれば良い。つまり、キャリッジ62を破線で示した基準位置から符号X1で示した方向に移動させ、紙端PS2を検出するまでのキャリッジ62の移動量を、キャリッジ62を駆動しているステッピング・モータ等の駆動源の制御量から求めることによって、紙端PS1から紙端PS2までの長さ、つまり記録紙Pの紙幅を算出することができる。
【0046】
図4は、記録紙Pの紙端PS2を検出する際の記録紙検出センサ64の出力電圧と記録紙Pとの関係を模式的に示したグラフであり、記録紙検出しきい値を符号Sで示した電圧としたものである。
【0047】
当該グラフの縦軸は、記録紙検出センサ64の出力電圧である。符号Lで示した電圧は、記録紙Pを検出している状態の出力電圧(以下、記録紙検出電圧Lとする)であり、符号Hで示した電圧は、記録紙Pを検出していない状態、つまりプラテン53を検出している状態の出力電圧(以下、プラテン検出電圧Hとする)である。また、符号Sで示した電圧は、記録紙Pを検出する際のしきい値電圧(以下、記録紙検出しきい値Sとする)である。
【0048】
符号Aで示した記録紙検出センサ64の出力電圧のグラフは、記録紙Pを検出している状態からプラテン53を検出した場合、つまり記録紙Pの紙端PS2を通過した時点で、記録紙検出電圧Lからプラテン検出電圧Hに変化するまでを示したものである。記録紙検出センサ64の出力電圧は、その応答性能によって、図示の如く一定の検出遅れが生じる。したがって、記録紙Pの紙端PS2を通過してから、記録紙検出電圧Lが記録紙検出しきい値Sに到達するまで、記録紙検出センサ64の検出遅れによる符号Dで示した分の紙端検出誤差が生じることになり、その分記録紙Pの紙端PS2の位置がずれることになる。
【0049】
この符号Dで示した分の紙端検出誤差が一定であれば、その分だけ紙端PS2の位置を補正すれば正確な紙端PS2を検出することが可能である。しかし、記録紙検出センサ64は、個々の特性のばらつきに加え、前述したように、経年変化によって検出感度が徐々に低下していく特性を有している。符号Aで示したグラフは、記録紙検出センサ64の検出感度が最も良い状態、つまり新品のときの出力電圧特性を示しており、符号Cで示したグラフは、記録紙検出センサ64の検出感度が最も低下した状態、つまり長期間経過して古くなったときの出力電圧特性を示しており、符号Bで示したグラフは、その中間の状態を示している。
【0050】
つまり、符号Aで示した記録紙検出センサ64の検出感度が最も良い状態と、符号Cで示した記録紙検出センサ64の検出感度が最も低下した状態とにおいて、同じ記録紙検出しきい値Sで記録紙Pの紙端PS2を検出すると、前述の紙端検出誤差Dに加えて、符号Eで示した分の誤差が生じることになる。したがって、経年変化によって記録紙検出センサ64の検出感度が低下するにともなって、記録紙Pの紙端PS2の検出精度が低下することになる。
【0051】
図5は、プラテン53に形成されているリブRを検出する際の記録紙検出センサ64の出力電圧と記録紙Pとの関係を模式的に示したグラフである。
【0052】
符号A、B、及びCで示したグラフは、図4に示したグラフと同様に、符号Aで示したグラフは、記録紙検出センサ64の検出感度が最も良い状態、符号Cで示したグラフは、記録紙検出センサ64の検出感度が最も低下した状態、符号Bで示したグラフは、その中間の状態をそれぞれ示している。まず、被検出部としてプラテン53に形成されているリブRの一部を、キャリッジ62の主走査動作によって検出する。すると、記録紙検出センサ64の検出感度の違いによって、リブRを検出した際の電圧波形が異なることになる。当該実施の形態においては、リブRは主走査方向Xの幅が狭いので、記録紙検出センサ64による検出時間が短い。そのため、キャリッジ62の主走査動作の間において記録紙検出センサ64は、その検出電圧が一定の電圧まで降下する前にリブRから離れるので、その時点から記録紙検出センサ64の検出電圧が上昇することになる。
【0053】
したがって、キャリッジ62の主走査動作によってリブRを検出した際の検出電圧の最も低い電圧値は、記録紙検出センサ64の検出感度によって、電圧値V1、V2、及びV3に示したように異なる電圧値となる。よって、キャリッジ62の主走査動作によってリブRを検出することにより、記録紙検出センサ64の検出感度を判定することができる。尚、当該実施の形態においては、被検出部にリブRを利用しているが、別途、記録紙検出センサ64にて検出可能な被検出部をプラテン53上に設けても良く、そのような態様においても本願発明の実施は可能である。
【0054】
図6は、記録紙Pの紙端PS2を検出する際の記録紙検出センサ64の出力電圧と記録紙Pとの関係を模式的に示したグラフであり、記録紙検出しきい値を符号S1〜符号S3で示した電圧としたものである。
【0055】
記録紙検出しきい値S1、S2、及びS3は、それぞれ図5に示した電圧値V1、V2、及びV3に対応した記録紙検出しきい値である。キャリッジ62の主走査動作によって記録紙検出センサ64でリブRを検出した際の電圧値が、所定の電圧値より高い電圧値(電圧値V1)である場合には、記録紙検出センサ64の検出感度が高い状態であると判定し、記録紙検出しきい値を高い電圧値(記録紙検出しきい値S1)に設定する。それによって、記録紙検出電圧Lと記録紙検出しきい値との間の電圧差が大きくなるので、記録紙検出しきい値を記録紙検出電圧Lとプラテン検出電圧Hと間の略中間の電圧値とした場合と比較して、記録紙検出電圧Lから記録紙検出しきい値S1に到達するまでの時間が長くなることになる。
【0056】
一方、キャリッジ62の主走査動作によって記録紙検出センサ64でリブRを検出した際の電圧値が、所定の電圧値より低い電圧値(電圧値V3)である場合には、記録紙検出センサ64の検出感度が低い状態であると判定し、記録紙検出しきい値を低い電圧値(記録紙検出しきい値S3)に設定する。それによって、記録紙検出電圧Lと記録紙検出しきい値との間の電圧差が小さくなるので、記録紙検出しきい値を記録紙検出電圧Lとプラテン検出電圧Hと間の略中間の電圧値とした場合と比較して、記録紙検出電圧Lから記録紙検出しきい値S1に到達するまでの時間が短くなることになる。また、キャリッジ62の主走査動作によって記録紙検出センサ64でリブRを検出した際の電圧値が中間の電圧値V2である場合には、記録紙検出しきい値S1と記録紙検出しきい値S3との間の略中間の記録紙検出しきい値S2に設定される。
【0057】
このように、記録紙検出センサ64の検出感度に対応させて、記録紙検出センサ64の検出感度が高い場合には、記録紙検出しきい値を高く設定し、記録紙検出センサ64の検出感度が低い場合には、記録紙検出しきい値を低く設定する。そして、それによって、記録紙Pの紙端PS2が記録紙検出センサ64を通過した時点から、記録紙検出センサ64の出力電圧が記録紙検出しきい値に到達して、紙端PS2が検出するまでの記録紙検出センサ64の検出遅れによる紙端検出誤差Dを一定にすることができる。
【0058】
つまり、キャリッジ62の主走査動作によって記録紙検出センサ64でリブRを検出した際の電圧値は、V1〜V3の間で経年変化とともに推移していくことになり、その電圧値に対応して記録紙検出しきい値をS1〜S3の間で推移させることによって、記録紙検出センサ64の検出遅れによる紙端検出誤差Dを一定にすることができる。したがって、図4の符号Eで示したような記録紙検出センサ64の検出感度が低下することによる誤差が生じない。
【0059】
このようにして、記録紙検出センサ64の検出感度の低下によって生じる記録紙Pの紙幅の検出誤差を少なくすることができる。
【0060】
また、他の実施の形態としては、記録紙検出センサ64が記録ヘッド63より副走査方向Yの下流側に配設されているものが挙げられる。このようなインクジェット式記録装置50においては、記録ヘッド63からインクを吐出された後の記録紙Pの記録面を記録紙検出センサ64で検出することになる。そのため、記録紙Pの記録面の反射率は、インクが吐出されていることによって低下するので、その記録面の検出電圧は、未記録状態の記録面を検出した場合の記録紙検出電圧Lより高くなる。
【0061】
図7は、本願発明に係るインクジェット式記録装置50の他の実施の形態において、記録紙Pの紙端PS2を検出する際の記録紙検出センサ64の出力電圧と記録紙Pとの関係を模式的に示したグラフであり、記録紙検出しきい値を符号S1〜符号S3で示した電圧としたものである。
【0062】
符号Fで示した電圧値は、インクが吐出された記録面における記録面検出電圧Lの最高電圧値である(以下、記録済み記録面検出電圧Fとする)。つまり、インクが吐出されて最も反射率が低くなった状態の記録面を検出した場合の電圧値である。そのため、記録紙検出センサ64の検出感度が低い状態である場合の記録紙検出しきい値S3は、記録済み記録面検出電圧Fより低い電圧値となってしまい、記録紙検出しきい値S3によって記録紙Pを検出できない虞が生じることになる。
【0063】
したがって、記録紙検出しきい値S3を記録済み記録面検出電圧Fより高くする必要がある。理想的には、図6に示したように、記録紙検出センサ64の検出感度の変動範囲内において、記録紙検出センサ64の検出遅れによる紙端検出誤差Dが一定であることが望ましい。しかし、当該実施の形態のように、記録済みの記録面の紙端PS2を記録紙検出センサ64で検出する場合には、記録紙検出センサ64の検出感度の変動範囲内において、図4の符号Eで示したような記録紙検出センサ64の検出感度が低下することによる誤差を可能な範囲において許容せざるを得ない場合もある。
【0064】
図8は、本願発明に係るインクジェット式記録装置50の他の実施の形態において、記録紙Pの紙端PS2を検出する際の記録紙検出センサ64の出力電圧と記録紙Pとの関係を模式的に示したグラフであり、記録紙検出しきい値を符号S1、符号S4、及び符号S5で示した電圧としたものである。
【0065】
記録紙検出センサ64の検出感度が最も低下した状態における記録紙検出しきい値S3において記録紙Pを検出できない虞をなくすために、記録紙検出しきい値S3を、インクが吐出されて最も反射率が低くなった状態の記録面を検出した場合の電圧値としての記録済み記録面検出電圧Fに、一定のマージン電圧Gを加えた電圧値(記録紙検出しきい値S5)に設定する。また、符号Bで示した記録紙検出センサ64の検出感度が略中間の検出感度である場合には、記録紙検出しきい値は、記録紙検出しきい値S1と記録紙検出しきい値S5と間の中間の記録紙検出しきい値S4となる。すると、記録紙検出しきい値をS1〜S5の間で推移させることによって、記録紙検出センサ64の検出遅れによる紙端検出誤差D以外に、記録紙検出センサ64の検出感度の低下による誤差Eが生じることになるが、その誤差量は、図4に示した記録紙検出しきい値を一定の値にした場合に生じる誤差Eと比較して十分小さいものであり、記録画質等への影響は無視できる程度のものである。
【0066】
このようにして、記録紙検出センサ64が記録ヘッド63より副走査方向Yの下流側に配設されているインクジェット式記録装置50において、記録紙検出センサ64の検出感度の低下による誤差Eが生じるものの、その誤差量Eは、記録画質等への影響が無視できる程度に十分小さいものとすることができる。したがって、記録紙検出センサ64の検出感度の低下による紙端PS2の検出精度の低下を少なくすることができる。
【0067】
尚、本願発明は上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本願発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
【0068】
本願発明によれば、キャリッジに搭載され、記録紙の主走査方向の紙端を検出する記録紙検出センサの検出感度の低下によって生じる記録紙の紙幅の検出誤差を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本願発明に係るインクジェット式記録装置の一実施の形態を示した斜視図である。
【図2】本願発明に係るインクジェット式記録装置の一実施の形態を示した要部側面図である。
【図3】本願発明に係るインクジェット式記録装置の要部平面図である。
【図4】記録紙の紙端を検出する際の記録紙検出センサの出力電圧と記録紙との関係を模式的に示したグラフであり、記録紙検出しきい値を符号で示した電圧としたものである。
【図5】プラテンに形成されているリブを検出する際の記録紙検出センサの出力電圧と記録紙との関係を模式的に示したグラフである。
【図6】記録紙の紙端を検出する際の記録紙検出センサの出力電圧と記録紙との関係を模式的に示したグラフであり、記録紙検出センサの検出感度に対応して記録紙検出しきい値を設定したものである。
【図7】記録紙の紙端を検出する際の記録紙検出センサの出力電圧と記録済みの記録紙との関係を模式的に示したグラフであり、記録紙検出センサの検出感度に対応して記録紙検出しきい値を設定したものである。
【図8】図7において、検出感度が最も低下した場合でも記録紙の紙端を検出可能に記録紙検出センサの検出感度に対応して記録紙検出しきい値を設定したものである。
【符号の説明】
【0070】
50 インクジェット式記録装置、51 搬送駆動ローラ、52 搬送従動ローラ、53 プラテン、54 排紙駆動ローラ、55 排紙従動ローラ、56 排紙フレーム、57 孔、61 キャリッジガイド軸、61S サブキャリッジガイド軸、62 キャリッジ、63 記録ヘッド、64 記録紙検出センサ、70 給紙トレイ、71 給紙ローラ、72 ホッパー、73 分離パッド、81 排紙トレイ、H プラテン検出電圧、L 記録紙検出電圧、P 記録紙、S 記録紙検出しきい値、X 主走査方向、Y 副走査方向




 

 


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