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発明の名称 画像処理装置、画像処理方法およびプログラム
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−15336(P2007−15336A)
公開日 平成19年1月25日(2007.1.25)
出願番号 特願2005−201784(P2005−201784)
出願日 平成17年7月11日(2005.7.11)
代理人 【識別番号】100098084
【弁理士】
【氏名又は名称】川▲崎▼ 研二
発明者 谷 宇
要約 課題
補正対象となる画素以外の画素の影響を考慮した補正を行う画像処理装置を提供すること。

解決手段
本発明は、画素毎の入力画素値を含む画像データを記憶する画像記憶手段と、処理対象となる画素列を特定する画素列特定手段と、補正対象となる自画素を特定する自画素特定手段であって、前記画素列の一端から他端まで所定の回数往復するよう自画素を特定する自画素特定手段と、前記自画素以外の画素である参照画素を、前記自画素と前記参照画素との位置関係に基づいて特定する参照画素特定手段と、前記自画素および前記参照画素の入力画素値から前記自画素の出力画素値を決定する濃度補正テーブルを記憶したテーブル記憶手段と、前記自画素に対し、前記濃度補正テーブルを用いて仮補正値を算出する仮補正値算出手段と、前記画素列に属する画素の各々に対し、所定の回数算出された仮補正値を平均する平均値算出手段とを有する画像処理装置を提供する。
特許請求の範囲
【請求項1】
マトリクス状に配置された複数の画素の画素毎の入力画素値を含む画像データのうち、処理対象となる画素列を特定する画素列特定手段と、
前記画素列特定手段により特定された画素列に属する画素のうち、補正対象となる自画素を特定する自画素特定手段であって、前記画素列の一端から他端まで所定の回数往復するよう自画素を特定する自画素特定手段と、
前記画素列に属する画素のうち、前記自画素特定手段により特定された自画素以外の画素である参照画素を、前記自画素と前記参照画素との位置関係に基づいて特定する参照画素特定手段と、
前記自画素の入力画素値と、前記参照画素の入力画素値とから、前記自画素の出力画素値を決定する濃度補正テーブルを記憶したテーブル記憶手段と、
前記自画素に対し、前記テーブル記憶手段に記憶された濃度補正テーブルを用いて仮補正値を算出する仮補正値算出手段と、
前記画素列に属する画素の各々に対し、所定の回数算出された仮補正値を平均する平均値算出手段と、
前記平均値算出手段により算出された平均値を各画素の補正値として出力する出力手段と
を有する画像処理装置。
【請求項2】
前記自画素特定手段により特定された自画素が処理の起点となった画素であり、当該自画素に対する仮補正値の算出回数が1回目である場合、前記仮補正値算出手段は、参照画素の入力画素値としてあらかじめ決められた値を用いることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記自画素特定手段により特定された自画素が前記画素列の端部に位置する画素であり、当該自画素に対する仮補正値の算出回数が2回目以降である場合、前記仮補正値算出手段は、参照画素の入力画素値として当該自画素において前回算出された仮補正値の値を用いることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
マトリクス状に配置された複数の画素の画素毎の入力画素値を含む画像データのうち、処理対象となる画素列を特定する画素列特定ステップと、
前記画素列に属する画素のうち、補正対象となる自画素を特定する自画素特定ステップであって、前記画素列の一端から他端まで所定の回数往復するよう自画素を特定する自画素特定ステップと、
前記画素列に属する画素のうち、前記自画素以外の画素である参照画素を、前記自画素と前記参照画素との位置関係に基づいて特定する参照画素特定ステップと、
前記自画素の入力画素値と、前記参照画素の入力画素値とから、前記自画素の出力画素値を決定する濃度補正テーブルを用いて仮補正値を算出する仮補正値算出ステップと、
前記画素列に属する画素の各々に対し、所定の回数算出された仮補正値を平均する平均値算出ステップと、
前記平均値を各画素の補正値として出力する出力ステップと
を有する画像処理方法。
【請求項5】
コンピュータ装置に、
マトリクス状に配置された複数の画素の画素毎の入力画素値を含む画像データのうち、処理対象となる画素列を特定する画素列特定ステップと、
前記画素列に属する画素のうち、補正対象となる自画素を特定する自画素特定ステップであって、前記画素列の一端から他端まで所定の回数往復するよう自画素を特定する自画素特定ステップと、
前記画素列に属する画素のうち、前記自画素以外の画素である参照画素を、前記自画素と前記参照画素との位置関係に基づいて特定する参照画素特定ステップと、
前記自画素の入力画素値と、前記参照画素の入力画素値とから、前記自画素の出力画素値を決定する濃度補正テーブルを用いて仮補正値を算出する仮補正値算出ステップと、
前記画素列に属する画素の各々に対し、所定の回数算出された仮補正値を平均する平均値算出ステップと、
前記平均値を各画素の補正値として出力する出力ステップと
を実行させるプログラム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドットマトリクスを出力する装置において濃度むらを補正する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェットプリンタ等、液滴吐出機構を有する画像形成装置は、印刷の高速化のためにインクを吐出するノズルを複数有している。ここで、理想的にはすべてのノズルが均一な間隔で一列に配列されていることが望ましい。しかし、現実には製造技術上の問題からノズルの間隔には一定のばらつきが存在する。また、ノズルから吐出されるインクの量にばらつきが生じる場合もある。このような印刷ヘッドを用いて印刷を行うと、ヘッドから吐出されたインクは、ノズル間隔のばらつきに起因して着弾位置や大きさにばらつきが発生する。すなわち、用紙上に形成される画像(ドット)は、ノズルのばらつきを反映したものとなってしまう。特にラインヘッド型インクジェットプリンタのような用紙送り方向のみの1パス型の画像形成装置においては、このようなノズルのばらつきはいわゆるバンディング現象を引き起こす原因となる。
【0003】
ノズルのばらつきに起因するバンディング現象を抑制する技術として、画像処理によりノズルのばらつきを補償する技術がある(例えば特許文献1〜3参照)。特許文献1には、ノズルのばらつきに起因する印刷濃度のむらを、補正テーブルにより補償する技術が開示されている。すなわち、いわゆるベタパターンを印刷したときの印刷濃度に基づいて得られた補正係数をあらかじめ画像形成装置に記憶しておき、印刷時には画素の階調値に補正係数を乗じることにより濃度むらを補正するものである。特許文献2には、特許文献1に記載の技術に加え、階調特性を直線状に補正する技術が開示されている。特許文献3には、複数の補正テーブルを用いて濃度むらを補正する技術が開示されている。
【特許文献1】特開平1−129667号公報
【特許文献2】特開平3−162977号公報
【特許文献3】特開平5−57965号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1〜3に記載された補正テーブルはいずれも、補正対象となるノズルの特性のみに着目したものであって、隣接するノズルの影響を考慮したものではなかった。そのため、隣接ノズルの影響により正確な濃度補正を行うことができず、印刷画像の画質が悪化してしまうという問題があった。ここで、隣接するノズルの影響とは、以下で説明するような問題をいう。
【0005】
図20は、補正テーブル作成の際の隣接ノズルの影響を説明する図である。図20は、隣接する2つのノズル(ノズル2403および2404)により用紙(記録材)上に形成される2つのドット(ドット2401および2402)を示している。例えば、ドット2401および2402が階調値120の出力データにより形成されたドットであり、補正前には、ドット2401の濃度が110、ドット2402の濃度が130と測定されたとする。この場合、ドット2401は濃度が120になるように(濃くなるように)、ドット2402は濃度が120になるように(薄くなるように)補正される。ところが、ドット2401の濃度が110と測定されるのは、「ドット2402の濃度が130である」という事実に影響されている。図20では、ドット2402が一部ドット2401と重なりを生じており、この重なりによりドット2401の濃度が110と測定される。しかし、実際にノズル2403から吐出されるインクの量は、濃度110に相当する量よりは少ない。そのため、濃度110を120にする補正を行っても、ドット2401の濃度は意図したものにはならない。これは、隣接ノズルの影響を考慮せず、補正対象のノズル単体の特性にしか着目していないことが原因である。さらに、これ以外にもノズルの取り付け位置の誤差なども隣接ノズルに影響を与える原因となる。
【0006】
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、隣接ノズルにより形成された画素等、補正対象となる画素以外の画素の影響を考慮した補正を行うことができる画像処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するため、本発明は、マトリクス状に配置された複数の画素の画素毎の入力画素値を含む画像データのうち、処理対象となる画素列を特定する画素列特定手段と、前記画素列特定手段により特定された画素列に属する画素のうち、補正対象となる自画素を特定する自画素特定手段であって、前記画素列の一端から他端まで所定の回数往復するよう自画素を特定する自画素特定手段と、前記画素列に属する画素のうち、前記自画素特定手段により特定された自画素以外の画素である参照画素を、前記自画素と前記参照画素との位置関係に基づいて特定する参照画素特定手段と、前記自画素の入力画素値と、前記参照画素の入力画素値とから、前記自画素の出力画素値を決定する濃度補正テーブルを記憶したテーブル記憶手段と、前記自画素に対し、前記テーブル記憶手段に記憶された濃度補正テーブルを用いて仮補正値を算出する仮補正値算出手段と、前記画素列に属する画素の各々に対し、所定の回数算出された仮補正値を平均する平均値算出手段と、前記平均値算出手段により算出された平均値を各画素の補正値として出力する出力手段とを有する画像処理装置を提供する。この画像処理装置によれば、自画素以外の画素の影響を考慮した補正処理を行うことができる。
【0008】
好ましい態様において、この画像処理装置は、前記自画素特定手段により特定された自画素が処理の起点となった画素であり、当該自画素に対する仮補正値の算出回数が1回目である場合、前記仮補正値算出手段は、参照画素の入力画素値としてあらかじめ決められた値を用いてもよい。
【0009】
別の好ましい態様において、この画像処理装置は、前記自画素特定手段により特定された自画素が前記画素列の端部に位置する画素であり、当該自画素に対する仮補正値の算出回数が2回目以降である場合、前記仮補正値算出手段は、参照画素の入力画素値として当該自画素において前回算出された仮補正値の値を用いてもよい。
【0010】
また、本発明は、マトリクス状に配置された複数の画素の画素毎の入力画素値を含む画像データのうち、処理対象となる画素列を特定する画素列特定ステップと、前記画素列に属する画素のうち、補正対象となる自画素を特定する自画素特定ステップであって、前記画素列の一端から他端まで所定の回数往復するよう自画素を特定する自画素特定ステップと、前記画素列に属する画素のうち、前記自画素以外の画素である参照画素を、前記自画素と前記参照画素との位置関係に基づいて特定する参照画素特定ステップと、前記自画素の入力画素値と、前記参照画素の入力画素値とから、前記自画素の出力画素値を決定する濃度補正テーブルを用いて仮補正値を算出する仮補正値算出ステップと、前記画素列に属する画素の各々に対し、所定の回数算出された仮補正値を平均する平均値算出ステップと、前記平均値を各画素の補正値として出力する出力ステップとを有する画像処理方法を提供する。この画像処理方法によれば、自画素以外の画素の影響を考慮した補正処理を行うことができる。
さらに、本発明は、コンピュータ装置に上記の画像処理方法を実行させるプログラムを提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
<1.画像形成システム>
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成システム1の機能構成を示すブロック図である。画像形成システム1は、画像形成装置200およびPC(Personal Computer)100から構成される。画像形成装置200は、制御データに従ってインクの吐出を行い用紙(記録材)上に画像を形成する装置である。PC100は、画像形成装置200を制御するコンピュータ装置である。PC100は、ワードプロセッサ、画像加工ソフト等のアプリケーション108と、画像形成装置200を制御するためのデバイスドライバ109とを有する。アプリケーション108は、ユーザの指示入力などに応じて画像データをデバイスドライバ109に引き渡す。デバイスドライバ109は、処理対象の画像データ(RGB(赤、緑、青)カラー多値)を、CMYK(シアン、マゼンタ、イエロー、黒)の色毎にノズルからのインクの吐出を指示する制御データに変換し、制御データを画像形成装置200に出力する機能を有する。
【0012】
デバイスドライバ109は、詳細には以下の機能を有する。解像度変換部101は、入力されたカラー多値の画像データを、画像形成装置200で処理可能な解像度に解像度変換する。色空間変換部102は、RGB形式の画像データをCMYK形式の画像データに変換する。濃度補正部103は、濃度補正テーブルTB1を用いて画像データに濃度補正処理を行う。ここで、濃度補正テーブルTB1は画像形成装置200に記憶されている濃度補正テーブルTB1を読み出してPC100に記憶したものである。濃度補正テーブルTB1の詳細は後述する。量子化部104は、多値CMYKデータを2値CMYKデータに変換する2値化処理を行う。ラスタライズ部105は、2値CMYKデータから制御データを生成する。画像形成装置200の画像形成部250は、制御データに従ってCMYK各色のインクを吐出する。こうして、画像形成システム1は用紙(記録材)上に画像を形成する。
【0013】
図2は、画像形成装置200のハードウェア構成を示すブロック図である。本実施形態において、画像形成装置200はラインヘッド型インクジェットプリンタである。CPU(Central Processing Unit)210は、ROM(Read Only Memory)220に記憶されている印刷処理プログラムを読み出して実行する。ROM220は、画像形成装置200に固有の濃度補正テーブルTB1を記憶している(濃度補正テーブルTB1の詳細は後述する)。また、ROM220は、書き換え可能なEEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)であることが望ましい。RAM(Random Access Memory)230は、CPU210がプログラムを実行する際の作業エリアとして機能する。I/F240は、PC100等の他の機器との間でデータや制御信号の送受信を行うためのインターフェースである。RAM230はまた、I/F240を介して受信したデータを記憶する。画像形成部250は、CPU210の制御下で、ノズル制御データに従って用紙上に画像形成を行う。以上の各構成要素は、バス260で相互に接続されている。CPU210がアプリケーション108およびデバイスドライバ109を実行することにより、画像形成装置200は、図1に示される各機能構成要素に相当する機能を具備する。
【0014】
画像形成部250は、図2に示されるように、さらに以下で説明する構成を有している。ラインヘッド251は、インクを吐出するノズル(図示略)を複数(z個)有する印刷ヘッドである。ノズルは、圧電体により液滴を吐出するピエゾ式のもの、加熱により吐出する加熱式のもの等、いかなる構造のノズルでもよい。ラインヘッド251は、画像形成装置200が印刷可能な用紙の最大幅以上の大きさを有している。インクタンク252はノズルにインクを供給するものであって、CMYKの色毎に設けられている。本実施形態において、画像形成装置200は4色のインクを用いて画像形成を行うが、6色、7色、あるいはそれ以上の色数のインクを用いる構成としてもよい。ページバッファ257は、画像1ページ分のノズル制御データを記憶するメモリである。ヘッド駆動回路253は、制御部254の制御下で、ラインヘッド251に搭載された複数のノズルのうち、指定されたノズルからインクの液滴を吐出させるための制御信号をラインヘッド251に出力する。このように、指定されたノズルから、用紙に対しインクの液滴が吐出される。ノズルから吐出されたインクの液滴は、用紙上にドットを形成する。以下、説明の便宜上、ノズルからインクの液滴を吐出することを「ドットのオン」、ノズルからインクの液滴を吐出しないことを「ドットのオフ」と表現する。例えば「ドットのオン/オフを指定するデータ」とは、指定されたノズルについてインクの液滴を吐出するか吐出しないかを指定するデータを意味する。また、「ドット」とはノズルから吐出されるインク滴により用紙上に形成される画像を意味する。
【0015】
ラインヘッド251は用紙幅以上のサイズを有しているので、1ライン分のドットを形成することができる。モータ255は用紙を所定方向に移動(紙送り)させるモータである。モータ駆動回路256は、制御部254の制御下でモータ255に駆動信号を出力する。モータ255が用紙を1ライン分移動させると、次のラインの描画が行われる。画像形成装置200は、このようにして1方向の走査(用紙の紙送り)のみで1枚の用紙に画像形成を行うことができる。
【0016】
図3は、PC100のハードウェア構成を示すブロック図である。CPU110は、PC100の各構成要素を制御する制御部である。CPU110は、HDD(Hard Disk Drive)150に記憶されている制御データ生成プログラム(デバイスドライバ)を読み出して実行する。RAM130は、CPU110がプログラムを実行する際の作業エリアとして機能する。ROM120は、PC100の起動に必要なプログラム等を記憶している。I/F140は、画像形成装置200等の他の機器との間でデータや制御信号の送受信を行うためのインターフェースである。HDD150は、各種データやプログラムを記憶する記憶装置である。また、HDD150は、画像形成装置200から読み出した濃度補正テーブルTB1を記憶する。キーボード160およびディスプレイ170は、ユーザがPC100に対し操作入力を行うためのユーザインターフェースである。以上の各構成要素は、バス190で相互に接続されている。CPU210が印刷処理プログラムを実行することにより、PC100は、図1に示される各機能構成要素に相当する機能を具備する。なお、図示は省略したが、PC100と画像形成装置200とは、I/F140およびI/F240を介して、有線あるいは無線で接続されている。
【0017】
図4は、画像形成システム1の動作を示すフローチャートである。画像形成装置200の図示せぬ電源が投入されると、CPU210は、ROM220から印刷処理プログラムを読み出して実行する。印刷処理プログラムを実行すると、CPU210は、制御データの入力待ち状態となる。PC100において、アプリケーション108から印刷指示が入力されると、CPU110は、HDD150から画像形成装置200のデバイスドライバ109を読み出して実行する。まず、CPU110は処理対象の画像データをHDD150から読み出し、RAM130に記憶する(ステップS100)。本実施形態において、入力画像データはRGBカラー多値の画像データである。また、画像形成装置200はCMYK4色のインクにより画像形成を行うインクジェットプリンタである。したがって、画像形成装置200は、RGBからCMYKへと画像データの色空間を変換する必要がある。また、入力される画像データは画素ごとに階調値を有しているが、画像形成装置200のノズルから吐出されるインクは、あるサイズのドットについてドットのオン/オフ(ドットを打つ/打たない)の2階調のみで中間階調を表現することができない。また、画像形成装置200が形成することのできるドットのサイズはS、M、Lの3種類である。このため画像形成装置200においては、画像データの1画素に、aドット×aドットのドットマトリクスを対応させ、ドットマトリクスに描画されるドットの数で階調表現を行っている。したがって、入力画像データをドットのオン/オフを指定するデータに変換する必要がある。このために、以下で説明するように、画像データの解像度を、ノズルの数に相当する解像度に変換する処理、および、多階調の画像データをドットのオン/オフを指定する2階調のデータに変換する処理を行う必要がある。
【0018】
続いてCPU110は、入力画像データの解像度を判断する。CPU110は入力画像データの解像度が画像形成装置200で処理可能な解像度と異なる場合には、入力画像データを、画像形成装置200が処理可能な解像度とする解像度変換処理を行う(ステップS110)。CPU110は、解像度変換後の画像データをRAM130に記憶する。続いてCPU110は、解像度変換後の画像データを画像形成装置200の色空間に適合させるため、RGB形式の画像データをCMYK形式の画像データに変換する(ステップS120)。CPU110は色変換後の画像データをRAM130に記憶する。続いてCPU110は、色変換後の画像データに対して濃度補正処理を行う(ステップS130)。濃度補正処理の詳細については後述する。
【0019】
続いてCPU110は、濃度補正後の画像データに対してディザマトリクス法、誤差拡散法等による2値化(量子化)処理を行う(ステップS140)。CPU110は、濃度補正後の画像データをRAM130に記憶する。CPU21は、濃度補正後の画像データから、制御データを生成するラスタライズ処理を行う(ステップS150)。CPU110は、生成された制御データを画像形成装置200に出力する。画像形成装置200の画像形成部250は、制御データに従って用紙上に画像形成を行う。画像形成装置200は、このようにして濃度が補正された画像を用紙に形成する。
【0020】
<2.濃度補正テーブルの生成>
続いて、濃度補正テーブルTB1の生成方法について説明する。ここでは、黒(K)インクを例に取り説明するが、濃度補正テーブルは各色について作成される。
図5は、本実施形態に係る濃度補正テーブル生成システム2の機能構成を示すブロック図である。濃度補正テーブル生成システム2は、画像形成装置200、PC300、およびスキャナ400から構成される。図示は省略したが、PC300と画像形成装置200、PC300とスキャナ400はそれぞれ、有線あるいは無線で接続されている。PC300は、濃度補正テーブル生成のためのテストパターン301を記憶している。画像形成装置200の画像形成部250は、テストパターン301に従って画像Dを出力する。スキャナ400は画像Dを読み取り、スキャン画像を生成する。スキャナ400は、生成したスキャン画像をPC300に出力する。PC300は、受信したスキャン画像をスキャン画像304として記憶する。PC300の濃度測定部303は、スキャナ400から出力されたスキャン画像304の濃度を計算する。濃度補正テーブル生成部302は、濃度測定部303による濃度測定結果に基づいて濃度補正テーブルを生成する。画像形成装置200は、PC300が生成した濃度補正テーブルを濃度補正テーブルTB1として記憶する。
【0021】
図6は、PC300のハードウェア構成を示す図である。PC300のハードウェア構成は基本的にPC100と同一であるので詳細な説明を省略し、PC100との相違点のみ説明する。HDD350は、濃度補正テーブル生成のためのテストパターン301を記憶している。また、HDD350は、濃度補正テーブル生成のための濃度補正テーブル生成プログラムを記憶している。
【0022】
図7は、濃度補正テーブル生成処理の概要を示すフローチャートである。ユーザがキーボード360を操作する等の方法によりテストパターンの生成を指示すると、PC300のCPU310は、HDD350から濃度補正テーブル生成プログラムを読み出して実行する。CPU310はまず、テストパターンを生成する(ステップS200)。すなわち、CPU310は、HDD350からテストパターン301を読み出す。CPU310は、読み出したテストパターン301のデータをI/F340を介して画像形成装置200に出力する。
【0023】
図8および図9は、テストパターン301(の一部)を例示する図である。図8は、8つのノズル(順番にノズル#00〜#07と記す)から出力するテストパターンの基本パターンを示す。図中の上下方向にノズルが並んでおり、図中の左右方向が紙送り方向である。本発明は、補正対象となる自画素の画素値(輝度)と、自画素以外の画素である参照画素の画素値とから自画素の出力画素値(補正値)を決定する方法に関するものである。ここで、本実施形態においては、参照画素が、自画素を形成するノズルに隣接するノズルにより形成される画素である態様について説明する。テストパターン301は、このような補正処理を行うための濃度補正テーブルを生成するためのテストパターンである。
【0024】
図8に示される基本パターンにおいて、ノズル#00、#02、#04、#06の4つのノズルについては、単一の輝度(図8の例では、輝度0)のパターンとなっている。なお、輝度とは、画素の明るさを意味する。画素の出力値を示す点では階調と同義であるが、輝度が最大値であるときは階調は最小値となり、輝度が最小値であるときは階調は最大値となる関係にある。ノズル#01、#03、#05、#07の4つのノズルについては、図中左から順に輝度0、51、102、153、204、255というように複数の異なる輝度のパターンを組み合わせたものになっている。図8において、ノズル#01を補正対象のノズル(以下、「自ノズル」という)とすると、自ノズルに隣接するノズル(以下、「隣接ノズル」という)は、ノズル#00である。すなわち、図8に示されるように、基本パターンは、ある輝度に固定された隣接ノズルにより形成されたパターンと、複数の輝度に変化させた自ノズルにより形成されたパターンから構成される。
【0025】
図9(a)〜(f)は、本実施形態において使用される6つの基本パターンを示す図である。図9(a)の基本パターンは、図8に示される基本パターンと同一のものである。図9(a)〜(f)はそれぞれ、隣接ノズルの輝度が異なっている。すなわち、図9(a)〜(f)の基本パターンにおいて、隣接ノズルの輝度はそれぞれ、0、51、102、153、204、255となっている。すなわち、図9(a)〜(f)の6つの基本パターンを使用することにより、自ノズル6階調×隣接ノズル6階調の36通りの組み合わせについて補正データを作成することができる。すなわち、自ノズルc階調×隣接ノズルc階調のc2通りの組み合わせについて補正データを作成するには、c個の基本パターンが必要である。
【0026】
図8および図9において、ある輝度で出力される領域の最小単位を「単位パターン」という。例えば、図8の基本パターンにおいて、ノズル#01のパターンは、6つの単位パターンから構成される。
【0027】
図10は、単位パターンにおける階調表現を説明する図である。図10(a)は、画像形成装置200の1つのノズルが形成可能なドットのサイズを示している。画像形成装置200は、Sサイズ(濃度40%)、Mサイズ(濃度70%)、Lサイズ(濃度100%)の3種類のサイズのドットを打ち分けることができる。図10(b)は、単位パターンにおいて、濃度0%、20%、40%、60%、80%、100%(256階調の場合、輝度255、204、153、102、51、0に相当する)の階調表現を行う方法を示している。図10(b)に示されるように、単位パターンは6つのドットから構成される。濃度0%の階調表現をする場合、いずれのドットにもドット形成は行われない。濃度20%の階調表現をする場合、1ドットおきにSサイズ(濃度40%)のドットが形成される。6ドット分平均すると濃度は20%となる。濃度40%の階調表現をする場合、すべてのドットにMサイズのドットが形成される。以下同様に、各階調について、単位パターンについて平均すると所望の濃度となるようにドットが配置される。
【0028】
なお、以上の説明では単位パターンの大きさを6ドット分として説明したが、単位パターンのサイズはこれに限定されるものではない。例えば、単位パターンの大きさを50ドットとして測定精度の向上を図ってもよい。また、単位パターン内のどの位置にドットを打つかは、2値化処理により決定してもよい。
【0029】
再び図5および図7を参照して説明する。テストパターン301のデータを受信すると、画像形成装置200は、受信したデータに従って用紙上にテストパターンを印刷する(ステップS210)。このテストパターンは濃度補正テーブルを生成するためのものであるので、テストパターンの印刷の際には濃度補正処理は行われない。したがって、テストパターンは、ノズルの物理的特性に起因する印刷むらを含んだ状態で印刷される。
【0030】
続いてスキャナ400は、印刷されたテストパターンの画像Dを読み取る(ステップS220)。以降の処理でノズル毎の輝度値を測定するため、画像読み取りの際には印刷解像度より高い解像度で読み取りを行う。例えば、720dpi(dot per inch)の解像度で印刷した場合、2880dpiの解像度で読み取りを行う。この場合、印刷ドット1つに対し4点の濃度データを取得することができる。スキャナ400は、読み取った画像DのデータをPC300に出力する。PC300のCPU310は、入力された画像データをスキャン画像304としてHDD350に記憶する。
【0031】
続いてCPU310は、スキャン画像304における濃度データと、各ノズルとの対応付けを行う。対応付けは例えば、濃度があらかじめ決められたしきい値を下回ったデータに相当する位置をテストパターンの端部と特定することにより行われる。CPU310は、このようにしてテストパターンの例えば左隅に相当するデータを特定する。CPU310は、特定した左隅から縦4点×横4点=16点分の濃度データを、テストパターンの左隅の画素(ノズル)に対応する濃度データとして特定する。
【0032】
続いてCPU310は、スキャン画像304に基づいて濃度補正テーブルの生成を行う(ステップS230)。ここではまず、図8のノズル#01およびノズル#02を例にとって濃度補正テーブル生成処理の詳細を説明する。図8において、点線で示した領域はノズル#01の印刷範囲である。CPU310は、スキャン画像304から、単位パターンの平均輝度を算出する。以下の説明においてスキャン画像304における座標(x,y)の輝度をC(x,y)と表記する。xの正方向は図8において右方向であり、yの正方向は図8において下方向である。
【0033】
ここで、単位パターンの左上隅の座標を(x1,y1)とする。上述のとおり単位パターンは縦1ドット×横6ドットのドットから構成される。また、本実施形態では印刷解像度の4倍(1ドットにつき縦4点×横4点)の解像度で読み取りを行っている。したがって、単位パターンは縦4点×横24点のピッチで読み取られている。すなわち、単位パターン左下隅の座標は(x1,y1+3)、右上隅の座標は(x1+23,y1)、右下隅の座標は(x1+23,y1+3)となる。平均濃度Pは、次式(1)で算出される。
P=ΣC(x,y)/mD …(1)
ここで、mDは単位パターンに含まれる濃度データの数(本実施形態においては4×24=96)を示す。また、本実施形態ではx=x1〜x1+23、y=y1〜y1+3であるので、この範囲でC(x,y)が足し合わされる。
【0034】
図11は、ノズル#01の濃度補正テーブルの生成方法を説明する図である。図11(a)および(b)に示される基本パターンは、図9(a)および(b)に示される基本パターンと同一のものである。すなわち、図11(a)は隣接ノズル輝度が0の基本パターンを示し、図11(b)は隣接ノズル輝度が51の基本パターンを示している。CPU310はまず、隣接ノズル輝度が0の場合(図11(a))について、各単位パターンの平均輝度Pを算出する。本実施形態においては、入力輝度0、51、102、153、204、255の単位パターンに対して、平均輝度が20、28、37、52、80、89であると算出される。次にCPU310は、隣接ノズル輝度が51の場合(図11(b))について、各単位パターンの平均輝度Pを算出する。本実施形態においては、各単位パターンに対して、平均輝度が27、34、54、74、83、116であると算出される。以下同様にして、隣接ノズル輝度が102、153、204、255の基本パターンについて各単位パターンの平均輝度を算出する。CPU310は、算出した平均輝度をRAM330に記憶する。
【0035】
図12は、ノズル#02の濃度補正テーブルの生成方法を説明する図である。図12(a)および(b)に示される基本パターンも、図9(a)および(b)に示される基本パターンと同一のものである。CPU310はまず、隣接ノズル輝度が0の場合(図12(a))について、各単位パターンの平均輝度Pを算出する。なお、ノズル#00、#02、#04、#06においては、自ノズルの輝度が固定され隣接ノズルの輝度が変化する関係になっている点に注意が必要である。すなわち、図9の例では奇数番目のノズルは隣接ノズルの輝度が固定で自ノズルの輝度が変化しているが、偶数番目のノズルは自ノズルの輝度が固定で隣接ノズルの輝度が変化する関係になっている。CPU310はまず、自ノズル輝度が0の場合(図12(a))について、各単位パターンの平均輝度Pを算出する。本実施形態においては、隣接ノズルの入力輝度が0、51、102、153、204、255である単位パターンに対して、平均輝度が19、26、29、41、55、77であると算出される。次にCPU310は、自ノズル輝度が51の場合(図12(b))について、各単位パターンの平均輝度Pを算出する。本実施形態においては、各単位パターンに対して、平均輝度が25、31、40、56、74、97であると算出される。以下同様にして、自ノズル輝度が102、153、204、255の基本パターンについて各単位パターンの平均輝度を算出する。CPU310は、算出した平均輝度をRAM330に記憶する。
【0036】
CPU310は、以上で説明したのと同様にしてノズル#00〜#07のすべてのノズルについて各単位パターンの平均輝度Pを算出し、RAM330に記憶する。CPU310は、RAM330に記憶された平均輝度を組み合わせ、濃度補正テーブルを生成する。CPU310は、生成した濃度補正テーブルを濃度補正テーブルTB1としてをRAM330に記憶する。CPU310は、濃度補正テーブルの更新を要求するテーブル更新要求および濃度補正テーブルTB1を画像形成装置200に送信する。画像形成装置200のCPU210は、テーブル更新要求を受信すると、受信した濃度補正テーブルTB1をROM220に記憶する。こうして、画像形成装置200は、自身のノズルに特有の濃度むらを補正するための濃度補正テーブルTB1を記憶する。
【0037】
図13は、ノズル#00〜#02の3つのノズルについて、上述の方法により作成した濃度補正テーブルTB1を例示する図である。濃度補正テーブルTB1は、ノズル毎の濃度補正テーブルを含む。すなわち、ノズル#00〜#07の8つのノズルが存在する場合、濃度補正テーブルTB1は8つの濃度補正テーブルから構成される。ここで、テーブルの横方向は自ノズルの入力輝度を、縦方向は隣接ノズルの入力輝度を示す。自ノズルと隣接ノズルの交点の値が出力輝度(平均輝度)を示している。例えば、ノズル#00に対して、自ノズルの入力輝度が51で、隣接ノズルの入力輝度が102の場合、出力輝度は45となる。
【0038】
ここで、各ノズルにおける最高輝度(図13の例では自ノズル輝度255かつ隣接ノズル輝度255)のうち、輝度が最も低いものをMaxMinと表す。図13の例では、ノズル#01の輝度241が最も低いのでMaxMin=241である。同様に、各ノズルにおける最低輝度(図13の例では自ノズル輝度0かつ隣接ノズル輝度0)のうち、輝度が最も高いものをMinMaxと表す。図13の例では、ノズル#01の輝度23が最も高いのでMinMax=23である。全てのノズルが出力できる輝度はこの範囲に制限されることになる。すなわち、この場合、全てのノズルが出力できる出力輝度範囲は23〜241である。
同様にして、シアン、イエロー、マゼンタ各色について濃度補正テーブルが作成される。
【0039】
<3.濃度補正処理>
次に、上述のようにして生成された濃度補正テーブルTB1を用いた濃度補正処理について説明する。ここで説明する濃度補正処理は、図4のステップS130における濃度補正処理の詳細である。また、以下では黒インクに関する処理についてのみ説明するが、シアン・イエロー・マゼンタ各色についても同様に濃度補正処理が行われる。
本実施形態における濃度補正処理の概要は次のとおりである。まず、マトリクス状に配置された複数の画素を有する画像データに対し、処理対象となる画素列が特定される。続いて、特定された画素列の一端から他端まで1画素ずつ順に補正処理を行い仮補正値を算出する。画素列に対する仮補正値の算出は、所定回数の往復で行われる。最後に、画素毎に所定の回数算出された仮補正値の平均が算出され、真の補正値とされる。
【0040】
図14は、本実施形態に係る濃度補正処理の詳細を示すフローチャートである。本実施形態においては、画像形成装置200がノズル#00〜#179の180個のノズルを有する場合について説明する。処理はノズル#00により形成された画素から開始され、ノズル#179により形成された画素まで順番に行われる。PC100のCPU110はまず、全てのノズルが出力できる出力輝度範囲を算出する(ステップS301)。すなわち、濃度補正テーブルTB1から、MaxMinおよびMinMaxを算出する。なお、以下では図面が煩雑になるのを避けるため、ノズル#00〜#02の3つのノズルについて例として説明を行う。ノズル#00〜#02の濃度補正テーブルは、図13に示されるものである。したがって、MaxMin=241、MinMax=23である。
【0041】
次に、CPU110は、処理対象となる画素である自画素を特定する位置パラメータxおよびyを初期化する(ステップS302)。xは画像幅方向の位置(すなわちライン番号)を、yは画像高さ方向の位置(すなわちノズル番号)を示すパラメータである。また、CPU110は、yの増分を指定するパラメータΔyも初期化する。さらに、CPU110は、一連の処理の回数(往復の回数)を示すループカウンタの値を0に初期化する。本実施形態において、CPU110は、x=0、y=0、Δy=1にそれぞれ初期化する。加えて、CPU110は、画素列の端点において参照画素(隣接ノズル)の輝度の初期値を示すパラメータCEの値を初期化する(本実施形態においては、CE=128)。
【0042】
続いてCPU110は、要求出力輝度を算出する(ステップS303)。要求出力輝度とは、出力輝度の目標値のようなものである。本実施形態において、入力画像は256階調(0〜255)の輝度で表現されている。しかし、前述のように画像形成装置200が出力可能な輝度はMinMax〜MaxMinの範囲に制限される(本実施形態では、23〜241)。そこで、入力画像の輝度が出力輝度範囲に収まるように、入力画像の輝度を要求出力輝度に変換する必要がある。CPU110は、次式(2)に従って入力画像の輝度Iを要求出力輝度Creqに変換する。
req=(MaxMin−MinMax)/Cmax×I+MinMax …(2)
ここで、Cmaxは最大輝度(本実施形態ではCmax=255)を示す。
【0043】
いま、入力画像として輝度128のベタ画像を入力したとすると、(2)式にMaxMin=241、MinMax=23、Cmax=255、I=128を代入してCreq=132が得られる(小数点以下四捨五入)。本実施形態において、入力画像はベタ画像なので、すべての画素で要求出力輝度は132となる。
【0044】
図15は、出力輝度範囲および要求出力輝度を視覚的に説明する図である。図15中の破線は、(2)式を示す直線である。
【0045】
再び図14を参照して説明する。続いてCPU110は、y番目のノズルの濃度補正テーブルを取得する(ステップS304)。この処理は例えば、以下のように行われる。CPU110は、濃度補正テーブルの送信を要求するテーブル送信要求を画像形成装置200に送信する。テーブル送信要求を受信すると、画像形成装置200のCPU210は、RAM230から濃度補正テーブルTB1を読み出す。CPU210は、読み出した濃度補正テーブルTB1を含むテーブル送信応答を、テーブル送信要求の送信元であるPC100に送信する。PC100のCPU110は、テーブル送信応答を受信すると、受信したテーブル送信応答から濃度補正テーブルTB1を抽出する。CPU110は、抽出した濃度補正テーブルTB1をHDD150に記憶する。CPU110は、HDD150に記憶された濃度補正テーブルTB1の中からy番目のノズルの濃度補正テーブルを抽出する。CPU110は、抽出した濃度補正テーブルをRAM130に記憶する。
【0046】
なお、画像形成装置200からPC100への濃度補正テーブルTB1の読出しは、例えば、PC100にプリンタドライバをインストールしたときなど、図14に示されるフローに先立って行われてもよい。なお、PC100は、一度濃度補正テーブルTB1を記憶しておけば、そこからy番目のノズルに対する濃度補正テーブルを読み出せばよい。
【0047】
続いて、CPU110は、自ノズルが、一連の処理の起点となったノズルであるか、すなわち、y=0かつループカウンタが0であるか判断する(ステップS305)。自ノズルが起点となったノズルである場合(ステップS305:YES)、CPU110は、RAM130に記憶されたパラメータCEの値を隣接ノズルの輝度とする(ステップS307)。これは、自ノズルが端部に位置する場合は隣接ノズルが存在しないため、隣接ノズルの輝度の初期値を仮想的に与えるものである。CPU110は、隣接ノズルの輝度と要求出力輝度を用いて濃度補正テーブルから仮補正値を算出する(ステップS308)。仮補正値の算出方法は後述する。CPU110は、算出した仮補正値をRAM130に記憶する。
【0048】
一方、自ノズルが一連の処理の起点となったノズルでない場合(ステップS305:NO)、CPU110は、RAM130からy−1番目のノズルの仮補正値を隣接ノズルの輝度として読み出す(ステップS306)。CPU110は、隣接ノズルの輝度と要求出力輝度を用いて濃度補正テーブルから仮補正値を算出する(ステップS308)。仮補正値の算出方法は後述する。CPU110は、算出した仮補正値をRAM130に記憶する。
【0049】
ステップS308における仮補正値の算出は、以下のように行われる。
図16は、図13に示されるノズル#00の濃度補正テーブルをグラフ化した図である。図16に示されるように、濃度補正テーブルは、隣接ノズルの輝度ごとの「自ノズル入出力特性」を示すものと考えられる。前述のように、自ノズルが処理の起点となったノズルであるノズル#00である場合、隣接ノズルの入力輝度はあらかじめ決められた値(本実施形態では128)が用いられる。
【0050】
本実施形態において、濃度補正テーブルは、隣接ノズルが0、51、102、153、204、255の6つの値についてのデータを記録したものである。したがって、隣接ノズルの入力輝度がこれらの値以外の値である場合は、補間により値を算出する必要がある。いま、隣接ノズルの入力輝度が128であるので、入力輝度が102と153のときのデータを用いて線形補間を行う。具体的には次のとおりである。
【0051】
図17は、近似直線を用いた補間方法を示す図である。CPU110はまず、濃度補正テーブルから補間に用いる4点のデータを特定する。隣接ノズルの輝度が128であるので、隣接ノズルの輝度がその前後の102と153であるデータが用いられる。CPU110は、隣接ノズルの輝度が102の直線と153の直線のうち、輝度が128である点を囲む4点を特定する。本実施形態においては、図13に示されるノズル#00の濃度補正テーブルのうち太線で囲まれた4点のデータが用いられる。これらの4つのデータが、図17(a)におけるD(m,n)、D(m+1,n)、D(m,n+1)、D(m+1,n+1)に相当する。この場合、D(m,n)=98、D(m+1,n)=133、D(m,n+1)=124、D(m+1,n+1)=161である。ここで、記号D(m,n)は、自ノズルの階調番号がm、参照ノズルの階調番号がnであるときの濃度データを意味する。階調番号とは、例えば図13のような濃度補正テーブルを用いる場合、0、51、102、153、204、255の輝度に対して順番にm=1、2、…、6というように付す番号を意味する。
【0052】
続いて、CPU110は、隣接ノズルの輝度FNから、線形補間により補間値D1およびD2の値を算出する(図17(b))。この場合、FN=128、D1=111、D2=147である。続いて、CPU110は、補間値D1およびD2を結ぶ直線の式を求める。CPU110は、この直線の式に要求輝度DOを代入し、仮補正値FOを算出する(図17(c))。この場合、DO=132であるので、FO=233と算出される。図16において点線は、補間により求めた隣接ノズル輝度が128の近似入出力特性を示している。
【0053】
なお、近似直線を用いた補間方法に代えて、近似平面を用いた補間を採用してもよい。
図18は、近似平面を用いた補間方法を説明する図である。CPU110は、D(m,n)、D(m+1,n)、D(m,n+1)の3点を含む平面の式と、D(m+1,n)、D(m,n+1)、D(m+1,n+1)の3点を含む平面の式を求める。次に、CPU110は、この2平面の交線の式を求める。CPU110は、この直線の式に要求輝度DOを代入し、仮補正値FOを算出する。
【0054】
以上で説明したように、ノズル#00に対して隣接ノズル輝度としてあらかじめ決められた値(128)と、補間により求めた隣接ノズル輝度が128の近似入出力特性を用いることにより、要求出力輝度132に対して必要な入力輝度、すなわち仮補正値を求めることができる。
【0055】
再び図14を参照して説明する。自ノズルの仮補正値を算出すると、CPU110は、ノズル番号を更新する(ステップS309)。具体的には、y=y+Δyとしてノズル番号yを更新する。次に、CPU110は、先ほど処理したノズルが端部に位置するノズルであったか判断する(ステップS310)。先ほど処理したノズルが端部に位置するノズルで無かった場合(ステップS310:NO)、CPU110は、上述のステップS304〜S309の処理を繰り返し実行する。本実施形態において、ノズル#00についてステップS304〜S309の処理が完了すると、続いてノズル#01についてステップS304〜S309の処理が行われる。
【0056】
ノズル#01に対するステップS304〜S309の処理も、基本的にはノズル#00に対するステップS304〜S309の処理と同様に行われる。ノズル#00に対する処理と異なる点は次のとおりである。いま、自ノズルはノズル#01なので、ステップS305における判断結果はNOとなる。この場合処理はステップS306に進む。ステップS306において、CPU110は、RAM130からy−1番目のノズル、すなわちノズル#00の仮補正値を隣接ノズルの輝度として読み出す。以下ステップS308〜S312の処理はノズル#00の場合と同様である。ノズル#02以降のノズルについても、同様の処理が行われる。
【0057】
一方、先ほど処理したノズルが端部に位置するノズルであった場合(ステップS310:YES)、CPU110は、同一画素に対する処理が所定回数行われたか判断する(ステップS311)。具体的には、CPU110は、ループカウンタの値が所定のしきい値を超えたか判断する。
【0058】
同一画素に対する処理が所定回数行われていない場合(ステップS311:NO)、CPU110は処理方向を反転する(ステップS312)。すなわち、CPU110はΔyの符号を反転させる。Δy=1だった場合はΔy=−1とされ、Δy=−1だった場合はΔy=1とされる。また、CPU110は、先ほど算出した端部の仮補正値を、パラメータCEとしてRAM130に記憶する。さらに、CPU110は、ループカウンタの値を1増加させる。以上の処理が行われた後、処理はステップS304に戻る。ここで、ノズル列(画素列)の左から右に処理が進行する場合、自ノズルの左に位置するノズルが隣接ノズルとされる。また、ノズル列の右から左に処理が進行する場合、自ノズルの右に位置するノズルが隣接ノズルとされる。
【0059】
同一画素に対する処理が所定回数行われた場合(ステップS311:YES)、CPU110は、各ノズルについて、ステップS308において算出した仮補正値の平均値を算出する(ステップS313)。CPU110は、算出した平均値を真の補正値としてRAM130に記憶する。
【0060】
続いてCPU110は、xの値を更新し、ノズル番号を0に戻す。CPU110は、すべての画素について処理が完了したか判断する。すべての画素について処理が完了していない場合、CPU110は、ステップS304〜S313の処理を繰り返し実行する。すべての画素について処理が完了した場合、CPU110は、濃度補正処理を完了する。
【0061】
図19は、以上で説明した濃度補正処理の概念を示す図である。ノズル#00〜#179の180個のノズルに対し、ノズル#00を起点としてノズル#179まで順番に仮補正値の算出が行われる。仮補正値の算出には隣接ノズルの輝度が必要であるが、端部のノズルには隣接ノズルが存在しない。そこで、ノズル#00に対しては、隣接ノズルの輝度として、あらかじめ決められた初期値が与えられる。終点であるノズル#179まで処理が完了すると、今度は逆にノズル#179からノズル#00まで順番に仮補正値の算出が行われる。今度は、ノズル#179の隣接ノズルの輝度として、先ほど算出したノズル#179の仮補正値が用いられる。ノズル#00まで仮補正値の算出が完了すると1往復分の処理が完了する。2往復目の処理を行う際は、ノズル#00における隣接ノズル輝度として、先ほど算出したノズル#00の仮補正値が用いられる。以下、所定の回数往復するように仮補正値の算出が行われる。例えば、a往復するように仮補正値の算出を行うと、1つのノズル(画素)につき2a個の仮補正値が算出される。最後に、2a個の仮補正値の平均値が算出され、真の補正値とされる。処理の起点のノズル(画素)に対しては、隣接ノズルの輝度としてあらかじめ決められた値が用いられるため、1方向のみの処理では処理方向によって補正結果が異なってしまうおそれがあるが、本実施形態のようにノズル列に対して所定の回数往復するように処理を行えば、このような問題を解決することができる。
【0062】
以上で説明したように、本実施形態によれば、隣接ノズルの影響を考慮した補正テーブルを生成することができる。また、本実施形態に係る画像形成システムによれば、隣接ノズルの影響を考慮した補正テーブルを用いることにより、ノズルの物理的特性のばらつきを補償することができる。これにより、より高画質な画像を得ることができる。
【0063】
なお、本実施形態の説明に用いた補正テーブル(図13)は、あくまで例示であり、補正テーブルの内容はこれに限定されるものではない。図13に示される例では、濃度補正テーブルTB1は、自ノズルおよび隣接ノズルについて、6つの輝度(階調値)のデータを含んでいるが、輝度の数は6つに限定されるものではない。補間の精度を向上させるためには多くの階調値のデータを用いることが望ましく、メモリ容量を節約するためには少ない階調値のデータを用いることが望ましい。
【0064】
また、本実施形態においては、画像形成装置200がラインヘッド型のプリンタである態様について説明したが、いわゆる2パス型のプリンタ等、ラインヘッド型以外のプリンタであってもよい。また、本実施形態においては、画像形成装置200が4色のインクを用いて画像形成を行うプリンタである態様について説明したが、画像形成装置200が用いるインクの数は4色に限定されない。画像形成装置200は、6色、7色、あるいはそれ以上のインクを用いて画像形成を行ってもよい。
【0065】
また、本実施形態においては、図4に示される画像処理をPC100が行う態様について説明したが、図4のステップS100〜S150の処理の一部または全部を画像形成装置200が行う構成としてもよい。図4のステップS100〜S150の処理の全部を画像形成装置200が行う場合、画像形成装置200は、メモリカードからデータを読み取るためのメモリカードインターフェースを有することが望ましい。この場合、ユーザは、デジタルカメラ等の撮像装置により画像が記録されたメモリカードを、画像形成装置200のメモリカードインターフェースに挿入する。画像形成装置200は、挿入されたメモリカードから画像を読み取って図4の処理を行う。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】一実施形態に係る画像形成システム1の機能構成を示す図である。
【図2】画像形成装置200のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】PC100のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4】画像形成システム1の動作を示すフローチャートである。
【図5】濃度補正テーブル生成システム2の機能構成を示すブロック図である。
【図6】PC300のハードウェア構成を示す図である。
【図7】濃度補正テーブル生成処理の概要を示すフローチャートである。
【図8】テストパターン301(の一部)を例示する図である。
【図9】テストパターン301(の一部)を例示する図である。
【図10】単位パターンにおける階調表現を説明する図である。
【図11】ノズル#01の濃度補正テーブルの生成方法を説明する図である。
【図12】ノズル#02の濃度補正テーブルの生成方法を説明する図である。
【図13】濃度補正テーブルTB1を例示する図である。
【図14】濃度補正処理の詳細を示すフローチャートである。
【図15】出力輝度範囲および要求出力輝度を視覚的に説明する図である。
【図16】ノズル#00の濃度補正テーブルをグラフ化した図である。
【図17】近似直線を用いた補間方法を示す図である。
【図18】近似平面を用いた補間方法を説明する図である。
【図19】濃度補正処理の概念を示す図である。
【図20】補正テーブル作成の際の隣接ノズルの影響を説明する図である。
【符号の説明】
【0067】
TB1…濃度補正テーブル、1…画像形成システム、2…濃度補正テーブル生成システム、100…PC、101…解像度変換部、102…色空間変換部、103…濃度補正部、104…量子化部、105…ラスタライズ部、108…アプリケーション、109…デバイスドライバ、110…CPU、120…ROM、130…RAM、140…I/F、150…HDD、160…キーボード、170…ディスプレイ、190…バス、200…画像形成装置、210…CPU、220…ROM、230…RAM、240…I/F、250…画像形成部、251…ラインヘッド、253…ヘッド駆動回路、254…制御部、255…モータ、256…モータ駆動回路、257…ページバッファ、290…バス、300…PC、301…テストパターン、302…濃度補正テーブル生成部、303…濃度測定部、304…スキャン画像、310…CPU、330…RAM、340…I/F、350…HDD、360…キーボード、400…スキャナ、2401…ドット、2403…ノズル




 

 


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