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印刷システム、印刷方法及びプログラム - セイコーエプソン株式会社
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発明の名称 印刷システム、印刷方法及びプログラム
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−15136(P2007−15136A)
公開日 平成19年1月25日(2007.1.25)
出願番号 特願2005−196309(P2005−196309)
出願日 平成17年7月5日(2005.7.5)
代理人 【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
発明者 石本 文治 / 佐藤 彰人
要約 課題
ドット数に応じた印刷方式で印刷されると、光沢バンディング及び濃淡バンディングを抑制することができる。

解決手段
キャリッジと共に移動方向に移動する各ノズルからインクを吐出して媒体にドットを形成するドット形成処理と、前記媒体を搬送方向に搬送する搬送処理とを交互に繰り返させて、前記移動方向に並ぶ複数のドットから構成されるドット列を前記搬送方向に複数並べて形成して印刷画像を前記媒体に印刷させて、ある数のノズルを用いて形成されるドット列の数に対する、別の数のノズルを用いて形成されるドット列の数の割合が所定割合である印刷方式で印刷させる印刷システムであって、前記割合がそれぞれ異なる複数の前記印刷方式を選択可能であり、前記コントローラは、前記媒体の所定の領域に形成するドット数に応じて、前記領域を印刷する際の前記印刷方式を決定する。
特許請求の範囲
【請求項1】
媒体を搬送方向に搬送する搬送ユニットと、
前記搬送方向に並ぶ複数のノズルを移動させるキャリッジと、
前記キャリッジと共に移動方向に移動する前記各ノズルからインクを吐出して媒体にドットを形成するドット形成処理と、前記媒体を搬送方向に搬送する搬送処理とを交互に繰り返させて、前記移動方向に並ぶ複数のドットから構成されるドット列を前記搬送方向に複数並べて形成して印刷画像を前記媒体に印刷させるコントローラであって、
ある数のノズルを用いて形成されるドット列の数に対する、別の数のノズルを用いて形成されるドット列の数の割合が所定割合である印刷方式で印刷させるコントローラと、
を備える印刷システムであって、
前記コントローラは、前記割合がそれぞれ異なる複数の前記印刷方式を選択可能であり、
前記コントローラは、前記媒体の所定の領域に形成するドット数に応じて、前記領域を印刷する際の前記印刷方式を決定する印刷システム。
【請求項2】
複数の前記印刷方式のそれぞれの前記搬送処理では、前記媒体を前記搬送方向に所定の搬送量で搬送することを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。
【請求項3】
所定の前記領域とは、前記媒体の印刷範囲が複数に分割された領域であることを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷システム。
【請求項4】
前記コントローラは、前記分割された領域が前記移動方向に沿って並ぶように、前記印刷範囲を分割することを特徴とする請求項3に記載の印刷システム。
【請求項5】
前記コントローラは、前記分割された領域が前記搬送方向に沿って並ぶように、前記印刷範囲を分割することを特徴とする請求項3又は4に記載の印刷システム。
【請求項6】
所定の前記領域は前記媒体の前記印刷範囲の全体の領域であることを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷システム。
【請求項7】
前記ドット形成処理の際にインクを吐出可能な前記ノズルの数がそれぞれの複数の前記印刷方式で異なることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の印刷システム。
【請求項8】
所定の前記領域のドット数が多いときは、前記コントローラは前記ドット形成処理の際にインクを吐出可能な前記ノズルの数が少ない前記印刷方式を選択することを特徴とする請求項7に記載の印刷システム。
【請求項9】
所定の前記領域のドット数が少ないときは、前記コントローラは前記ドット形成処理の際にインクを吐出可能な前記ノズルの数が多い前記印刷方式を選択することを特徴とする請求項7に記載の印刷システム。
【請求項10】
前記ドット形成処理の際にインクを吐出可能な前記ノズルの数が少ない前記印刷方式ほど、少ない数の前記ノズルを用いて形成される前記ドット列の数に対する、多い数の前記ノズルを用いて形成される前記ドット列の数の割合が少なくなることを特徴とする請求項8に記載の印刷システム。
【請求項11】
前記ドット形成処理の際にインクを吐出可能な前記ノズルの数が多い前記印刷方式ほど、少ない数の前記ノズルを用いて形成される前記ドット列の数に対する、多い数の前記ノズルを用いて形成される前記ドット列の数の割合が増えることを特徴とする請求項9に記載の印刷システム。
【請求項12】
前記インクは顔料インクであることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の印刷システム。
【請求項13】
媒体を搬送方向に搬送する搬送ユニットと、
前記搬送方向に並ぶ複数のノズルを移動させるキャリッジと、
前記キャリッジと共に移動方向に移動する前記各ノズルからインクを吐出して媒体にドットを形成するドット形成処理と、前記媒体を搬送方向に搬送する搬送処理とを交互に繰り返させて、前記移動方向に並ぶ複数のドットから構成されるドット列を前記搬送方向に複数並べて形成して印刷画像を前記媒体に印刷させるコントローラであって、
ある数のノズルを用いて形成されるドット列の数に対する、別の数のノズルを用いて形成されるドット列の数の割合が所定割合である印刷方式で印刷させるコントローラと、
を備える印刷システムであって、
前記コントローラは、前記割合がそれぞれ異なる複数の前記印刷方式を選択可能であり、
前記コントローラは、前記媒体の所定の領域に形成するドット数に応じて、前記領域を印刷する際の前記印刷方式を決定して、
複数の前記印刷方式のそれぞれの前記搬送処理では、前記媒体を前記搬送方向に所定の搬送量で搬送して、
所定の前記領域とは、前記媒体の印刷範囲が複数に分割された領域であり、
前記コントローラは、前記分割された領域が前記移動方向に沿って並ぶように、前記印刷範囲を分割して、
前記コントローラは、前記分割された領域が前記搬送方向に沿って並ぶように、前記印刷範囲を分割して、
所定の前記領域は前記媒体の前記印刷範囲の全体の領域であり、
前記ドット形成処理の際にインクを吐出可能な前記ノズルの数がそれぞれの複数の前記印刷方式で異なり、
所定の前記領域のドット数が多いときは、前記コントローラは前記ドット形成処理の際にインクを吐出可能な前記ノズルの数が少ない前記印刷方式を選択して、
所定の前記領域のドット数が少ないときは、前記コントローラは前記ドット形成処理の際にインクを吐出可能な前記ノズルの数が多い前記印刷方式を選択して、
前記ドット形成処理の際にインクを吐出可能な前記ノズルの数が少ない前記印刷方式ほど、少ない数の前記ノズルを用いて形成される前記ドット列の数に対する、多い数の前記ノズルを用いて形成される前記ドット列の数の割合が少なくなり、
前記ドット形成処理の際にインクを吐出可能な前記ノズルの数が多い前記印刷方式ほど、
少ない数の前記ノズルを用いて形成される前記ドット列の数に対する、多い数の前記ノズルを用いて形成される前記ドット列の数の割合が増えて、
前記インクは顔料インクである
ことを特徴とする印刷システム。
【請求項14】
複数のノズルからインクを吐出させて媒体にドットを形成するドット形成処理と、前記媒体を搬送方向に搬送する搬送処理とを交互に繰り返させて、移動方向に並ぶ複数のドットから構成されるドット列を前記搬送方向に複数並べて形成して印刷画像を前記媒体に印刷する印刷方法であって、
ある数のノズルを用いて形成されるドット列の数に対する、別の数のノズルを用いて形成されるドット列の数の割合がそれぞれ異なる複数の印刷方式の中から、前記媒体の所定の領域に形成するドット数に応じて前記印刷方式を選択し、
選択された前記印刷方式に基づいて、前記印刷領域に印刷を行う
ことを特徴とする印刷方法。
【請求項15】
プリンタに、
複数のノズルからインクを吐出させて媒体にドットを形成するドット形成処理と、前記媒体を搬送方向に搬送する搬送処理とを交互に繰り返させて、移動方向に並ぶ複数のドットから構成されるドット列を前記搬送方向に複数並べて形成して印刷画像を前記媒体に印刷させる機能と、
ある数のノズルを用いて形成されるドット列の数に対する、別の数のノズルを用いて形成されるドット列の数の割合がそれぞれ異なる複数の印刷方式の中から、前記媒体の所定の領域に形成するドット数に応じて前記印刷方式を選択する機能と、
選択された前記印刷方式に基づいて、前記印刷領域に印刷を行わせる機能と、
を実現させるためのプログラム。

発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷システム、印刷方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェットプリンタ等の印刷装置では、移動方向に移動するノズルからインクを吐出してドットを形成するドット形成処理と、紙などの媒体を搬送方向に搬送する搬送処理とを交互に繰り返し、移動方向に並ぶ複数のドットから構成されるラスタラインを搬送方向に連続して並べて、媒体に印刷画像を印刷している。
【0003】
印刷方式として、「インターレース印刷」、「オーバーラップ印刷」、「非一様なオーバーラップ印刷」(特許文献1参照)などが知られている。「非一様なオーバーラップ印刷」では、ラスタライン毎にノズルの使用個数が異なる。例えば、あるラスタラインのノズル使用個数が2個であるが、別のラスタラインのノズル使用個数は3個になる。
【特許文献1】特開2002‐11859号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ノズルで形成されるドットの位置が、ノズルの製造誤差に起因して、搬送方向にずれることがある。この結果、ドットがずれることでラスタラインの間に隙間が生じて、縞模様のバンディングが発生する。このような濃淡が生じるバンディングの原因としては、他に、搬送送り誤差や、印刷媒体の反りなどがある。
【0005】
非一様なオーバーラップ印刷によれば、ノズル使用個数の多いラスタラインにおいて、濃淡によるバンディングを抑制することができる。但し、非一様なオーバーラップ印刷によれば、ノズル使用個数の異なるラスタラインが混在する結果、光沢によるバンディングが発生する場合がある。
【0006】
本発明は、濃淡によるバンディングの発生と光沢によるバンディングの発生をともに抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明を達成するための主たる発明は、媒体を搬送方向に搬送する搬送ユニットと、前記搬送方向に並ぶ複数のノズルを移動させるキャリッジを備え、前記キャリッジと共に移動方向に移動する前記各ノズルからインクを吐出して媒体にドットを形成するドット形成処理と、前記媒体を搬送方向に搬送する搬送処理とを交互に繰り返させて、前記移動方向に並ぶ複数のドットから構成されるドット列を前記搬送方向に複数並べて形成して印刷画像を前記媒体に印刷させて、ある数のノズルを用いて形成されるドット列の数に対する、別の数のノズルを用いて形成されるドット列の数の割合が所定割合である印刷方式で印刷させる印刷システムに関する。そして、この印刷システムでは、前記割合がそれぞれ異なる複数の前記印刷方式を選択可能であり、前記媒体の所定の領域に形成するドット数に応じて、前記領域を印刷する際の前記印刷方式を決定する。
【0008】
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
===開示の概要===
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
【0010】
媒体を搬送方向に搬送する搬送ユニットと、
前記搬送方向に並ぶ複数のノズルを移動させるキャリッジと、
前記キャリッジと共に移動方向に移動する前記各ノズルからインクを吐出して媒体にドットを形成するドット形成処理と、前記媒体を搬送方向に搬送する搬送処理とを交互に繰り返させて、前記移動方向に並ぶ複数のドットから構成されるドット列を前記搬送方向に複数並べて形成して印刷画像を前記媒体に印刷させるコントローラであって、
ある数のノズルを用いて形成されるドット列の数に対する、別の数のノズルを用いて形成されるドット列の数の割合が所定割合である印刷方式で印刷させるコントローラと、
を備える印刷システムであって、
前記コントローラは、前記割合がそれぞれ異なる複数の前記印刷方式を選択可能であり、
前記コントローラは、前記媒体の所定の領域に形成するドット数に応じて、前記領域を印刷する際の前記印刷方式を決定する印刷システム。
このような印刷システムによれば、領域のドット数に応じて印刷方式を決定することができて、光沢バンディング及び濃淡バンディングを抑制することができる。
【0011】
かかる印刷システムであって、複数の前記印刷方式のそれぞれの前記搬送処理では、前記媒体を前記搬送方向に所定の搬送量で搬送する。
このような印刷システムによれば、印刷範囲の各領域を異なる印刷方式で印刷することができて、各領域の光沢バンディング及び濃淡バンディングを抑制することができる。
【0012】
かかる印刷システムであって、所定の前記領域とは、前記媒体の印刷範囲が複数に分割された領域である。
このような印刷システムによれば、印刷範囲が分割された各領域の光沢バンディング及び濃淡バンディングを抑制することができる。
【0013】
かかる印刷システムであって、前記分割された領域が前記移動方向に沿って並ぶように、前記印刷範囲を分割する。
このような印刷システムによれば、分割された領域に適した印刷方式を選択することができる。
【0014】
かかる印刷システムであって、前記分割された領域が前記搬送方向に沿って並ぶように、前記印刷範囲を分割する。
このような印刷システムによれば、分割された領域に適した印刷方式を選択することができる。
【0015】
かかる印刷システムであって、所定の前記領域は前記媒体の前記印刷範囲の全体の領域である。
このような印刷システムによれば、印刷範囲の全体の領域に適した印刷方式を選択することができる。
【0016】
かかる印刷システムであって、前記ドット形成処理の際にインクを吐出可能な前記ノズルの数がそれぞれの複数の前記印刷方式で異なる。
このような印刷システムによれば、インクを吐出可能なノズル数が異なる複数の印刷方式により光沢バンディング及び濃淡バンディングを抑制することができる。
【0017】
かかる印刷システムであって、所定の前記領域のドット数が多いときは、前記コントローラは前記ドット形成処理の際にインクを吐出可能な前記ノズルの数が少ない前記印刷方式を選択する。
このような印刷システムによれば、インク吐出可能なノズル数が少ない光沢バンディング抑制印刷方式で光沢バンディングを抑制することができる。
【0018】
かかる印刷システムであって、所定の前記領域のドット数が少ないときは、前記コントローラは前記ドット形成処理の際にインクを吐出可能な前記ノズルの数が多い前記印刷方式を選択する。
このような印刷システムによれば、インク吐出可能なノズル数が多い濃淡バンディング抑制印刷方式で濃淡バンディングを抑制することができる。
【0019】
かかる印刷システムであって、前記ドット形成処理の際にインクを吐出可能な前記ノズルの数が少ない前記印刷方式ほど、少ない数の前記ノズルを用いて形成される前記ドット列の数に対する、多い数の前記ノズルを用いて形成される前記ドット列の数の割合が少なくなる。
このような印刷システムによれば、光沢バンディング抑制印刷方式では少ないノズル数で形成されるドット列に対して多いノズル数で形成されるドット列の割合が少なく、光沢バンディングを抑制して印刷することができる。
【0020】
かかる印刷システムであって、前記ドット形成処理の際にインクを吐出可能な前記ノズルの数が多い前記印刷方式ほど、少ない数の前記ノズルを用いて形成される前記ドット列の数に対する、多い数の前記ノズルを用いて形成される前記ドット列の数の割合が増える。
このような印刷システムによれば、濃淡バンディング抑制印刷方式では少ないノズル数で形成されるドット列に対して多いノズル数で形成されるドット列の割合が多く、濃淡バンディングを抑制して印刷することができる。
【0021】
かかる印刷システムであって、前記インクは顔料インクである。
このような印刷システムによれば、顔料インクで印刷が行われるとドットの重なる順番で光沢バンディングが発生するが、光沢バンディング抑制印刷方式により光沢バンディングを抑制することができる。
【0022】
複数のノズルからインクを吐出させて媒体にドットを形成するドット形成処理と、前記媒体を搬送方向に搬送する搬送処理とを交互に繰り返させて、移動方向に並ぶ複数のドットから構成されるドット列を前記搬送方向に複数並べて形成して印刷画像を前記媒体に印刷する印刷方法であって、
ある数のノズルを用いて形成されるドット列の数に対する、別の数のノズルを用いて形成されるドット列の数の割合がそれぞれ異なる複数の印刷方式の中から、前記媒体の所定の領域に形成するドット数に応じて前記印刷方式を選択し、
選択された前記印刷方式に基づいて、前記印刷領域に印刷を行う
ことを特徴とする印刷方法。
このような印刷方式によれば、領域のドット数に応じて印刷方式を決定することができて、光沢バンディング及び濃淡バンディングを抑制することができる。
【0023】
かかるプログラムであって、プリンタに、
複数のノズルからインクを吐出させて媒体にドットを形成するドット形成処理と、前記媒体を搬送方向に搬送する搬送処理とを交互に繰り返させて、移動方向に並ぶ複数のドットから構成されるドット列を前記搬送方向に複数並べて形成して印刷画像を前記媒体に印刷させる機能と、
ある数のノズルを用いて形成されるドット列の数に対する、別の数のノズルを用いて形成されるドット列の数の割合がそれぞれ異なる複数の印刷方式の中から、前記媒体の所定の領域に形成するドット数に応じて前記印刷方式を選択する機能と、
選択された前記印刷方式に基づいて、前記印刷領域に印刷を行わせる機能と、
を実現させるためのプログラム。
このようなプログラムによれば、領域のドット数に応じて印刷方式を決定することができて、光沢バンディング及び濃淡バンディングを抑制することができる。
【0024】
===印刷システムの構成===
次に、印刷システム(コンピュータシステム)の実施形態について、図面を参照しながら説明する。ただし、以下の実施形態の記載には、コンピュータプログラム、及び、コンピュータプログラムを記録した記録媒体等に関する実施形態も含まれている。
【0025】
図1は、印刷システムの外観構成を示した説明図である。この印刷システム100は、プリンタ1と、コンピュータ110と、表示装置120と、入力装置130と、記録再生装置140とを備えている。プリンタ1は、紙、布、フィルム等の媒体に画像を印刷する印刷装置である。コンピュータ110は、プリンタ1と電気的に接続されており、プリンタ1に画像を印刷させるため、印刷させる画像に応じた印刷データをプリンタ1に出力する。表示装置120は、ディスプレイを有し、アプリケーションプログラムやプリンタドライバ等のユーザインタフェースを表示する。入力装置130は、例えばキーボード130Aやマウス130Bであり、表示装置120に表示されたユーザインタフェースに沿って、アプリケーションプログラムの操作やプリンタドライバの設定等に用いられる。記録再生装置140は、例えばフレキシブルディスクドライブ装置140AやCD−ROMドライブ装置140Bが用いられる。
【0026】
コンピュータ110にはプリンタドライバがインストールされている。プリンタドライバは、表示装置120にユーザインタフェースを表示させる機能を実現させるほか、アプリケーションプログラムから出力された画像データを印刷データに変換する機能を実現させるためのプログラムである。このプリンタドライバは、フレキシブルディスクFDやCD−ROMなどの記録媒体(コンピュータ読み取り可能な記録媒体)に記録されている。または、このプリンタドライバは、インターネットを介してコンピュータ110にダウンロードすることも可能である。なお、このプログラムは、各種の機能を実現するためのコードから構成されている。
【0027】
なお、「印刷装置」とは、狭義にはプリンタ1を意味するが、広義にはプリンタ1とコンピュータ110とのシステムを意味する。
【0028】
===プリンタドライバ===
<プリンタドライバについて>
図2は、プリンタドライバが行う基本的な処理の概略的な説明図である。既に説明された構成要素については、同じ符号を付しているので、説明を省略する。
【0029】
コンピュータ110では、コンピュータに搭載されたオペレーティングシステムの下、ビデオドライバ112やアプリケーションプログラム114やプリンタドライバ116などのコンピュータプログラムが動作している。ビデオドライバ112は、アプリケーションプログラム114やプリンタドライバ116からの表示命令に従って、例えばユーザインターフェース等を表示装置120に表示する機能を有する。アプリケーションプログラム114は、例えば、画像編集などを行う機能を有し、画像に関するデータ(画像データ)を作成する。ユーザは、アプリケーションプログラム114のユーザインターフェースを介して、アプリケーションプログラム114により編集した画像を印刷する指示を与えることができる。アプリケーションプログラム114は、印刷の指示を受けると、プリンタドライバ116に画像データを出力する。
【0030】
プリンタドライバ116は、アプリケーションプログラム114から画像データを受け取り、この画像データを印刷データに変換し、印刷データをプリンタに出力する。ここで、印刷データとは、プリンタ1が解釈できる形式のデータであって、各種のコマンドデータと画素データとを有するデータである。ここで、コマンドデータとは、プリンタに特定の動作の実行を指示するためのデータである。また、画素データとは、印刷される画像(印刷画像)を構成する画素に関するデータであり、例えば、ある画素に対応する紙上の位置に形成されるドットに関するデータ(ドットの色や大きさ等のデータ)である。
【0031】
プリンタドライバ116は、アプリケーションプログラム114から出力された画像データを印刷データに変換するため、解像度変換処理・色変換処理・ハーフトーン処理・ラスタライズ処理などを行う。以下に、プリンタドライバ116が行う各種の処理について説明する。
【0032】
解像度変換処理は、アプリケーションプログラム114から出力された画像データ(テキストデータ、イメージデータなど)を、紙に印刷する際の解像度に変換する処理である。例えば、紙に画像を印刷する際の解像度が720×720dpiに指定されている場合、アプリケーションプログラム114から受け取った画像データを720×720dpiの解像度の画像データに変換する。なお、解像度変換処理後の画像データは、RGB色空間により表される多階調(例えば256階調)のRGBデータである。以下、画像データを解像度変換処理したRGBデータをRGB画像データと呼ぶ。
【0033】
色変換処理は、RGBデータをCMYK色空間により表されるCMYKデータに変換する処理である。なお、CMYKデータは、プリンタが有するインクの色に対応したデータである。この色変換処理は、RGB画像データの階調値とCMYK画像データの階調値とを対応づけたテーブル(色変換ルックアップテーブルLUT)をプリンタドライバ116が参照することによって行われる。この色変換処理により、各画素についてのRGBデータが、インク色に対応するCMYKデータに変換される。なお、色変換処理後のデータは、CMYK色空間により表される256階調のCMYKデータである。以下、RGB画像データを色変換処理したCMYKデータをCMYK画像データと呼ぶ。
【0034】
ハーフトーン処理は、高階調数のデータを、プリンタが形成可能な階調数のデータに変換する処理である。例えば、ハーフトーン処理により、256階調を示すデータが、2階調を示す1ビットデータや4階調を示す2ビットデータに変換される。ハーフトーン処理では、ディザ法・γ補正・誤差拡散法などを利用して、プリンタがドットを分散して形成できるように画素データを作成する。プリンタドライバ116は、ハーフトーン処理を行うとき、ディザ法を行う場合にはディザテーブルを参照し、γ補正を行う場合にはガンマテーブルを参照し、誤差拡散法を行う場合は拡散された誤差を記憶するための誤差メモリを参照する。ハーフトーン処理されたデータは、前述のRGBデータと同等の解像度(例えば360×360dpi)を有している。ハーフトーン処理された画像データは、例えば、各画素につき1ビット又は2ビットの画素データから構成される。
【0035】
ラスタライズ処理は、マトリクス状の画像データを、プリンタに転送すべきデータ順に変更する処理である。ラスタライズ処理されたデータは、印刷データに含まれる画素データとして、プリンタに出力される。
【0036】
<プリンタドライバの設定について>
図3は、プリンタドライバのユーザインターフェースの説明図である。このプリンタドライバのユーザインターフェースは、ビデオドライバ112を介して、表示装置に表示される。ユーザーは、入力装置130を用いて、プリンタドライバの各種の設定を行うことができる。
【0037】
ユーザーは、この画面上から、印刷モードを選択することができる。例えば、ユーザーは、印刷モードとして、高速印刷モード又はファイン印刷モードを選択することができる。そして、プリンタドライバは、選択された印刷モードに応じた形式になるように、画像データを印刷データに変換する。
【0038】
また、ユーザーは、この画面上から、印刷の解像度(印刷するときのドットの間隔)を選択することができる。例えば、ユーザーは、この画面上から、印刷の解像度として720dpiや360dpiを選択することができる。そして、プリンタドライバは、選択された解像度に応じて解像度変換処理を行い、画像データを印刷データに変換する。
【0039】
また、ユーザーは、この画面上から、印刷に用いられる印刷用紙を選択することができる。例えば、ユーザーは、印刷用紙として、普通紙や光沢紙を選択することができる。紙の種類(紙種)が異なれば、インクの滲み方や乾き方も異なるため、印刷に適したインク量も異なる。そのため、プリンタドライバは、選択された紙種に応じて、画像データを印刷データに変換する。
【0040】
このように、プリンタドライバは、ユーザインターフェースを介して設定された条件に従って、画像データを印刷データに変換する。なお、ユーザーは、この画面上から、プリンタドライバの各種の設定を行うことができるほか、カートリッジ内のインクの残量を知ること等もできる。
【0041】
===プリンタの構成===
<インクジェットプリンタの構成について>
図4は、本実施形態のプリンタの全体構成のブロック図である。また、図5は、本実施形態のプリンタの全体構成の概略図である。また、図6は、本実施形態のプリンタの全体構成の横断面図である。以下、本実施形態のプリンタの基本的な構成について説明する。
【0042】
本実施形態のプリンタは、搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40、検出器群50、およびコントローラ60を有する。外部装置であるコンピュータ110から印刷データを受信したプリンタ1は、コントローラ60によって各ユニット(搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40)を制御する。コントローラ60は、コンピュータ110から受信した印刷データに基づいて、各ユニットを制御し、紙に画像を形成する。プリンタ1内の状況は検出器群50によって監視されており、検出器群50は、検出結果をコントローラ60に出力する。検出器群50から検出結果を受けたコントローラ60は、その検出結果に基づいて、各ユニットを制御する。
【0043】
搬送ユニット20は、媒体(例えば、紙Sなど)を印刷可能な位置に送り込み、印刷時に所定の方向(以下、搬送方向という)に所定の搬送量で紙を搬送させるためのものである。すなわち、搬送ユニット20は、紙を搬送する搬送機構(搬送手段)として機能する。搬送ユニット20は、給紙ローラ21と、搬送モータ22(PFモータとも言う)と、搬送ローラ23と、プラテン24と、排紙ローラ25とを有する。ただし、搬送ユニット20が搬送機構として機能するためには、必ずしもこれらの構成要素を全て必要とするわけではない。給紙ローラ21は、紙挿入口に挿入された紙をプリンタ内に自動的に給紙するためのローラである。給紙ローラ21は、D形の断面形状をしており、円周部分の長さは搬送ローラ23までの搬送距離よりも長く設定されているので、この円周部分を用いて紙を搬送ローラ23まで搬送できる。搬送モータ22は、紙を搬送方向に搬送するためのモータであり、DCモータにより構成される。搬送ローラ23は、給紙ローラ21によって給紙された紙Sを印刷可能な領域まで搬送するローラであり、搬送モータ22によって駆動される。プラテン24は、印刷中の紙Sを支持する。排紙ローラ25は、印刷が終了した紙Sをプリンタの外部に排出するローラである。この排紙ローラ25は、搬送ローラ23と同期して回転する。
【0044】
キャリッジユニット30は、ヘッドを所定の方向(以下、移動方向という)に移動(「走査」とも呼ばれる)させるためのものである。キャリッジユニット30は、キャリッジ31と、キャリッジモータ32(CRモータとも言う)とを有する。キャリッジ31は、移動方向に往復移動可能である。(これにより、ヘッドが移動方向に沿って移動する。)また、キャリッジ31は、インクを収容するインクカートリッジを着脱可能に保持している。キャリッジモータ32は、キャリッジ31を移動方向に移動させるためのモータであり、DCモータにより構成される。
【0045】
ヘッドユニット40は、紙にインクを吐出するためのものである。ヘッドユニット40は、ヘッド41を有する。ヘッド41は、インク吐出部であるノズルを複数有し、各ノズルから断続的にインクを吐出する。このヘッド41は、キャリッジ31に設けられている。そのため、キャリッジ31が移動方向に移動すると、ヘッド41も移動方向に移動する。そして、ヘッド41が移動方向に移動中にインクを断続的に吐出することによって、移動方向に沿ったドットライン(ラスタライン)が紙に形成される。
【0046】
検出器群50には、リニア式エンコーダ51、ロータリー式エンコーダ52、紙検出センサ53、および光学センサ54等が含まれる。リニア式エンコーダ51は、キャリッジ31の移動方向の位置を検出するためのものである。ロータリー式エンコーダ52は、搬送ローラ23の回転量を検出するためのものである。紙検出センサ53は、印刷される紙の先端の位置を検出するためのものである。この紙検出センサ53は、給紙ローラ21が搬送ローラ23に向かって紙を給紙する途中で、紙の先端の位置を検出できる位置に設けられている。なお、紙検出センサ53は、機械的な機構によって紙の先端を検出するメカニカルセンサである。詳しく言うと、紙検出センサ53は搬送方向に回転可能なレバーを有し、このレバーは紙の搬送経路内に突出するように配置されている。そのため、紙の先端がレバーに接触し、レバーが回転させられるので、紙検出センサ53は、このレバーの動きを検出することによって、紙の先端の位置を検出する。光学センサ54は、キャリッジ31に取付けられている。光学センサ54は、発光部から紙に照射された光の反射光を受光部が検出することにより、紙の有無を検出する。そして、光学センサ54は、キャリッジ31によって移動しながら紙の端部の位置を検出する。光学センサ54は、光学的に紙の端部を検出するため、機械的な紙検出センサ53よりも、検出精度が高い。
【0047】
コントローラ60は、プリンタの制御を行うための制御ユニット(制御手段)である。コントローラ60は、インターフェース部61と、CPU62と、メモリ63と、ユニット制御回路64とを有する。インターフェース部61は、外部装置であるコンピュータ110とプリンタ1との間でデータの送受信を行うためのものである。CPU62は、プリンタ全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリ63は、CPU62のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM等の記憶手段を有する。CPU62は、メモリ63に格納されているプログラムに従って、ユニット制御回路64を介して各ユニットを制御する。
【0048】
<印刷動作について>
図7は、印刷時の処理のフロー図である。以下に説明される各処理は、コントローラ60が、メモリ63内に格納されたプログラムに従って、各ユニットを制御することにより実行される。このプログラムは、各処理を実行するためのコードを有する。
【0049】
印刷命令受信(S001):まず、コントローラ60は、コンピュータ110からインターフェース部61を介して、印刷命令を受信する。この印刷命令は、コンピュータ110から送信される印刷データのヘッダに含まれている。そして、コントローラ60は、受信した印刷データに含まれる各種コマンドの内容を解析し、各ユニットを用いて、以下の給紙処理・搬送処理・インク吐出処理等を行う。
【0050】
給紙処理(S002):給紙処理とは、印刷すべき紙をプリンタ内に供給し、印刷開始位置(頭出し位置とも言う)に紙を位置決めする処理である。コントローラ60は、給紙ローラ21を回転させ、印刷すべき紙を搬送ローラ23まで送る。コントローラ60は、搬送ローラ23を回転させ、給紙ローラ21から送られてきた紙を印刷開始位置に位置決めする。紙が印刷開始位置に位置決めされたとき、ヘッド41の少なくとも一部のノズルは、紙と対向している。
【0051】
ドット形成処理(S003):ドット形成処理とは、移動方向に沿って移動するヘッドからインクを断続的に吐出させ、紙上にドットを形成する処理である。コントローラ60は、キャリッジモータ32を駆動し、キャリッジ31を移動方向に移動させる。そして、コントローラ60は、キャリッジ31が移動している間に、印刷データに基づいてヘッドからインクを吐出させる。ヘッドから吐出されたインク滴が紙上に着弾すれば、紙上にドットが形成される。移動するヘッドからインクが断続的に吐出されるので、紙上には移動方向に沿った複数のドットからなるドット列が形成される。
【0052】
搬送処理(S004):搬送処理とは、紙をヘッドに対して搬送方向に沿って相対的に移動させる処理である。コントローラ60は、搬送モータを駆動し、搬送ローラを回転させて紙を搬送方向に搬送する。この搬送処理により、ヘッド41は、先ほどのドット形成処理によって形成されたドットの位置とは異なる位置に、ドットを形成することが可能になる。
【0053】
排紙判断(S005):コントローラ60は、印刷中の紙の排紙の判断を行う。印刷中の紙に印刷すべきデータが残っていれば、排紙は行われない。そして、コントローラ60は、印刷すべきデータがなくなるまで、ドット形成処理と搬送処理とを交互に繰り返し、ドットから構成される画像を徐々に紙に印刷する。
【0054】
排紙処理(S006):印刷中の紙に印刷すべきデータがなくなれば、コントローラ60は、排紙ローラを回転させることにより、その紙を排紙する。なお、排紙を行うか否かの判断は、印刷データに含まれる排紙コマンドに基づいても良い。
【0055】
印刷終了判断(S007):次に、コントローラ60は、印刷を続行するか否かの判断を行う。次の紙に印刷を行うのであれば、印刷を続行し、次の紙の給紙処理を開始する。次の紙に印刷を行わないのであれば、印刷動作を終了する。
【0056】
<ノズルについて>
図8は、ヘッド41の下面におけるノズルの配列を示す説明図である。ヘッド41の下面には、ブラックインクノズル列Kと、シアンインクノズル列Cと、マゼンタインクノズル列Mと、イエローインクノズル列Yが形成されている。各ノズル列は、各色のインクを吐出するための吐出口であるノズルを複数個(本実施形態では180個)備えている。
【0057】
各ノズル列の複数のノズルは、搬送方向に沿って、一定の間隔(ノズルピッチ:k・D)でそれぞれ整列している。ここで、Dは、搬送方向における最小のドットピッチ(つまり、紙Sに形成されるドットの最高解像度での間隔)である。また、kは、1以上の整数である。例えば、ノズルピッチが180dpi(1/180インチ)であって、搬送方向のドットピッチが360dpi(1/360インチ)である場合、k=2である。
【0058】
各ノズル列のノズルは、下流側のノズルほど若い番号が付されている(♯1〜♯180)。つまり、ノズル♯1は、ノズル♯180よりも搬送方向の下流側に位置している。各ノズルには、各ノズルを駆動してインク滴を吐出させるための駆動素子としてピエゾ素子(不図示)が設けられている。また、光学センサ54は、紙搬送方向の位置に関して、一番上流側にあるノズル♯180とほぼ同じ位置にある。
【0059】
===参考例の印刷方式===
<参考例:インターレース印刷>
図9A及び図9Bは、インターレース印刷の説明図である。図9Aは、パス1〜パス3におけるノズルの位置とドットの形成の様子を示し、図9Bは、パス1〜4におけるノズルの位置とドットの形成の様子を示している。
【0060】
説明の都合上、4つあるノズル列のうちの一つのノズル列のみを示し、ノズル列のノズル数も少なくしている(ここでは20個)。図中の黒丸で示されるノズルは、インクを吐出可能なノズルである。一方、白丸で示されるノズルは、インクを吐出不可のノズルである。また、説明の便宜上、ノズル列が紙に対して移動しているように描かれているが、同図はノズル列と紙との相対的な位置を示すものであって、実際には紙が搬送方向に移動されている。また、説明の都合上、各ノズルは数ドット(図中の丸印)しか形成していないように示されているが、実際には、移動方向に移動するノズルから間欠的にインク滴が吐出されるので、移動方向に多数のドットが並ぶことになる。このドットの列をラスタラインともいう。黒丸で示されるドットは、最後のパスで形成されるドットであり、白丸で示されるドットは、それ以前のパスで形成されたドットである。なお、「パス」とは、移動するノズルからインクを吐出して、ドットを形成する処理(ドット形成処理)をいう。各パスは、紙を搬送方向に搬送する処理(搬送処理)と交互に行われる。n回目のパスのことを「パスn」などと呼ぶ。
【0061】
「インターレース印刷」とは、kが2以上であって、1回のパスで記録されるラスタラインの間に記録されないラスタラインが挟まれるような印刷方法を意味する。例えば、図9A及び図9Bにおける印刷方法では、1回のパスで形成されるラスタラインの間に、1本のラスタラインが挟まれている。
【0062】
このインターレース印刷では、紙が搬送方向に一定の搬送量Fで搬送される毎に、各ノズルが、その直前のパスで記録されたラスタラインに隣接するラスタラインを記録する。このように搬送量を一定にして記録を行うためには、(1)インクを吐出可能なノズル数N(整数)はkと互いに素の関係にあること、(2)搬送量FはN・Dに設定されること、が条件となる。
【0063】
同図では、ノズル列は搬送方向に沿って配列された20個のノズルを有する。ノズル列のノズルピッチkは2なので、インターレース印刷を行うための条件である「Nとkが互いに素の関係」を満たすため、全てのノズルは用いずに、19個のノズル(ノズル♯1〜ノズル♯19)を用いる。また、19個のノズルが用いられるため、紙は搬送量19・Dにて搬送される。その結果、180dpi(2・D)のノズルピッチのノズル列を用いて、360dpi(=D)のドット間隔にて紙にドットが形成される。なお、実際のノズル数は19個よりも多いので、実際の搬送量は19・Dよりも多くなる。
【0064】
<参考例:フルオーバーラップ印刷>
図10A及び図10Bは、フルオーバーラップ印刷の説明図である。図10Aは、パス1〜パス4におけるヘッドの位置とドットの形成の様子を示し、図10Bは、パス1〜パス5におけるヘッドの位置とドットの形成の様子を示している。
【0065】
「フルオーバーラップ印刷」とは、ラスタラインを複数のノズルで形成する印刷方法を意味する。例えば、図10A及び図10Bにおける印刷方法では、各ラスタラインは、2つのノズルで形成されている。
【0066】
フルオーバーラップ印刷では、紙が搬送方向に一定の搬送量Fで搬送される毎に、各ノズルが、数ドットおきに間欠的にドットを形成する。そして、他のパスにおいて、他のノズルが既に形成されている間欠的なドットを補完するように(ドットの間を埋めるように)ドットを形成することにより、1つのラスタラインが複数のノズルにより形成される。このようにM回のパスにて1つのラスタラインが形成される場合、「オーバーラップ数M」と定義する。
図10A及び図10Bでは、各ノズルは、1ドットおきに間欠的にドットが形成されるので、パス毎に奇数番目の画素又は偶数番目の画素にドットが形成される。そして、1つのラスタラインが2つのノズルにより形成されているので、オーバーラップ数M=2になる。
【0067】
オーバーラップ印刷において、搬送量を一定にして記録を行うためには、(1)N/Mが整数であること、(2)N/Mはkと互いに素の関係にあること、(3)搬送量Fが(N/M)・Dに設定されること、が条件となる。
図10A及び図10Bでは、ノズル列は搬送方向に沿って配列された20個のノズルを有する。しかし、ノズル列のノズルピッチkは2なので、オーバーラップ印刷を行うための条件である「N/Mとkが互いに素の関係」を満たすために、全てのノズルを用いることはできない。そこで、20個のノズルのうち、18個のノズルを用いてオーバーラップ印刷が行われる。また、18個のノズルが用いられるため、紙は搬送量9・Dにて搬送される。その結果、例えば、180dpi(2・D)のノズルピッチのノズル列を用いて、360dpi(=D)のドット間隔にて紙にドットが形成される。
【0068】
図10A及び図10Bでは、パス1では各ノズルが奇数画素にドットを形成し、パス2では各ノズルが偶数画素にドットを形成し、パス3では各ノズルが偶数画素にドットを形成し、パス4では各ノズルが奇数画素にドットを形成する。つまり、4回のパスでは、奇数画素−偶数画素−偶数画素−奇数画素の順にドットが形成される。なお、パス5以降のドットの形成順は、パス1からのドット形成順と同様である。
【0069】
<参考例:部分オーバーラップ印刷>
図11A及び図11Bは、部分オーバーラップ印刷の説明図である。図11Aは、パス1〜パス3におけるヘッドの位置とドットの形成の様子を示し、図11Bは、パス1〜パス4におけるドットの形成の様子を示している。
【0070】
部分オーバーラップ印刷では、インターレース印刷(図9A及び図9B参照)と比較して、使用可能なノズル数が冗長になるように設定される。そして、冗長なノズルが存在するため、一部のノズルでは、通常のノズルよりも、形成するドット数が半分に減らされている。以下の説明では、形成するドット数が半分に減らされているノズルのことを、「POLノズル」と呼ぶ。図11A及び図11Bにおいて、黒丸で示されるノズルは通常通りにインクを吐出するノズルであり、斜線でハッチングされたノズルはPOLノズルである。
【0071】
部分オーバーラップ印刷では、ノズル列の搬送方向上流側の端部に位置するノズル及びノズル列の搬送方向下流側の端部に位置するノズルの2つのノズルが、ノズル列の中央部に位置する1つのノズルと同じ機能を果たす。例えば、図11A及び図11Bでは、ノズル♯1やノズル♯20は、ノズル♯2〜ノズル♯19と比較して、半分のドットしか形成しない。つまり、ノズル♯1及びノズル♯20がPOLノズルである。但し、図11A及び図11Bにおいてインクを吐出可能なノズルの数は、図9A及び図9Bにおいてインクを吐出可能なノズルの数と比較して、多くなる。
【0072】
部分オーバーラップ印刷では、搬送方向上流側の端部に位置するPOLノズルが、間欠的にドットを形成する。そして、他のパスにおいて、搬送方向下流側の端部に位置するPOLノズルが、既に形成されている間欠的なドットを補完するように(ドットの間を埋めるように)、ドットを形成する。これにより、端部に位置する2つのPOLノズルが、中央部に位置する1つのノズルと同じ機能を果たす。例えば、図11A及び図11Bでは、あるパスでノズル♯20が1ドットおきにドットを形成した後、他のパスでノズル♯1がドットの間を埋めるようにドットを形成して、1つのラスタラインを完成させている。
【0073】
部分オーバーラップ印刷でも、前述のインターレース印刷と同様に、一定の搬送量Fの搬送動作が、各パスと交互に行われる。このように搬送量を一定にして印刷を行うためには、(1)延べノズル数N’がkと互いに素の関係にあること、(2)搬送量FがN’・Dに設定されること、が条件となる。ここで、「延べノズル数N’」は、中央部のノズルを「1」とカウントし、半分のドットしか形成しないPOLノズルを「0.5」としてカウントしたときの、合計ノズル数である。例えば、図11A及び図11Bでは、延べノズル数N’は「19」になる。
【0074】
<参考例:非一様なオーバーラップ印刷1>
上記の部分オーバーラップ印刷は、前述のインターレース印刷よりも使用可能なノズル数が冗長になるようにしたものである。但し、前述のフルオーバーラップに対して、使用可能なノズル数が冗長になるように設定しても良い。
【0075】
図12A及び図12Bは、非一様なオーバーラップ印刷の説明図である。図12Aは、パス1〜パス4におけるヘッドの位置とドットの形成の様子を示し、図12Bは、パス1〜パス5におけるドットの形成の様子を示している。
【0076】
ここでは、ノズル列の中央部に位置するノズル♯3〜ノズル♯18は、前述のフルオーバーラップ印刷の場合と同様に、ドットを形成する。一方、ノズル列の端部に位置するノズル(ノズル♯1、ノズル♯2、ノズル♯19及びノズル♯20)は、中央部に位置するノズルの半分のドットしか形成しない。つまり、ここでは、ノズル♯1、ノズル♯2、ノズル♯19及びノズル♯20がPOLノズルである。また、前述のフルオーバーラップ印刷の場合と同様に、全てのノズル(ノズル♯1〜ノズル♯20)からインクを吐出している。
【0077】
このように、フルオーバーラップ印刷において部分オーバーラップ印刷を行うためには、(1)N’/Mが整数であること、(2)N’/Mはkと互いに素の関係にあること、(3)搬送量Fが(N’/M)・Dに設定されること、が条件となる。なお、図12A及び図12Bでは、延べノズル数N’は「18」になる。
【0078】
なお、前述のフルオーバーラップ印刷によれば、どのラスタラインも2個のノズルで形成されていた。一方、この非一様なオーバーラップ印刷によれば、2個のノズルで形成されるラスタラインもあれば、3個のノズルで形成されるラスタラインもある。つまり、非一様なオーバーラップ印刷によれば、ラスタラインを形成するノズル数が、ラスタラインによって異なっている。
【0079】
<参考例:非一様なオーバーラップ印刷2>
図13A及び図13Bは、別の非一様なオーバーラップ印刷の説明図である。図13Aは、パス1〜パス4におけるヘッドの位置とドットの形成の様子を示し、図13Bは、パス1〜パス5におけるドットの形成の様子を示している。図13A及び図13Bの非一様なオーバーラップ印刷では、前述の図13A及び図13Bの非一様なオーバーラップ印刷と比べると、延べノズル数N’が減っている。
【0080】
ここでは、ノズル列の中央部に位置するノズル♯4〜ノズル♯14は、前述のフルオーバーラップ印刷の場合と同様に、ドットを形成する。一方、ノズル列の端部に位置するノズル(ノズル♯1〜ノズル♯3及びノズル♯15〜ノズル♯17)は、中央部に位置するノズルの半分のドットしか形成しない。つまり、ここでは、ノズル♯1〜ノズル♯3及びノズル♯15〜ノズル♯17がPOLノズルである。また、前述の非一様なオーバーラップ印刷の場合とは異なり、この非一様なオーバーラップ印刷では、17個のノズル(ノズル♯1〜ノズル♯17)からインクを吐出している。また、前述の非一様なオーバーラップ印刷では延べノズル数N’は「18」であったが、この非一様なオーバーラップ印刷では、延べノズル数N’は「14」になる。なお、延べノズル数N’が減ったので、搬送量Fも9・Dから7・D(=(14/2)・D)に減っている。
【0081】
図14は、図13Bの点線部のドット形成の様子の説明図である。図中の左側のノズルを示す丸印のうち、斜線によるハッチングがなされたノズルは、POLノズルであり、黒丸印のノズルと比べて半分のドットしか形成しない。図中の右側のドットを示す丸印の中には、そのドットを形成するノズルの番号が記入されている。
【0082】
この非一様なオーバーラップ印刷では、2番目、4番目、6番目及び7番目のラスタラインは、2個のノズルにより形成される。一方、1番目、3番目及び5番目のラスタラインは、3個のノズルにより形成される。このように、この非一様なオーバーラップ印刷でも、ラスタラインに応じて、そのラスタラインを形成するノズルの数が異なっている。
【0083】
例えば、2番目のラスタラインは、ノズル♯5とノズル♯12とによって形成される。4番目のラスタラインは、ノズル♯6とノズル♯13とによって形成される。6番目のラスタラインは、ノズル♯7とノズル♯14とによって形成される。7番目のラスタラインは、ノズル♯4とノズル♯11とによって形成される。ここで、ノズル#18はインクを吐出しない。一方、1番目のラスタラインは、ノズル♯15及びノズル♯1がPOLノズルとなり、ノズル♯15、ノズル♯8及びノズル♯1によって形成される。また、3番目のラスタラインは、ノズル♯16及びノズル♯2がPOLノズルとなり、ノズル♯16、ノズル♯9及びノズル♯2によって形成される。また、5番目のラスタラインは、ノズル♯17及びノズル♯3がPOLノズルとなり、ノズル♯17、ノズル♯10及びノズル♯3によって形成される。
【0084】
<参考例:非一様なオーバーラップ印刷3>
図15A及び図15Bは、更に別の非一様なオーバーラップ印刷の説明図である。図15Aは、パス1〜パス4におけるヘッドの位置とドットの形成の様子を示し、図15Bは、パス1〜パス5におけるドットの形成の様子を示している。図15A及び図15Bに示す非一様なオーバーラップ印刷では、図13A及び図13Bに示す非一様なオーバーラップ印刷よりも、インクを吐出可能なノズル数を増やし、POLノズルの数を増やしている。但し、図15A及び図15Bの非一様なオーバーラップ印刷は、図13A及び図13Bに示す非一様なオーバーラップ印刷と、延べノズル数N’が同じである。このため、搬送量も同じである。
【0085】
ここでは、ノズル列の中央部に位置するノズル♯5〜ノズル♯14は、前述のフルオーバーラップ印刷の場合と同様に、ドットを形成する。一方、ノズル列の端部に位置するノズル(ノズル♯1〜ノズル♯4及びノズル♯15〜ノズル♯18)は、中央部に位置するノズルの半分のドットしか形成しない。つまり、ここでは、ノズル♯1〜ノズル♯4及びノズル♯15〜ノズル♯18がPOLノズルである。また、前述の非一様なオーバーラップ印刷の場合とは異なり、18個のノズル(ノズル♯1〜ノズル♯18)からインクを吐出している。
【0086】
図16は、図15Bの点線部のドット形成の様子の説明図である。図16におけるノズルやドットの記載形式は、図14と同様なので、説明を省略する。
【0087】
この非一様なオーバーラップ印刷では、2番目、4番目及び6番目のラスタラインは、2個のノズルにより形成される。一方、1番目、3番目、5番目及び7番目のラスタラインは、3個のノズルにより形成される。
【0088】
例えば、2番目のラスタラインは、ノズル♯5とノズル♯12とによって形成される。4番目のラスタラインは、ノズル♯6とノズル♯13とによって形成される。6番目のラスタラインは、ノズル♯7とノズル♯14とによって形成される。一方、1番目のラスタラインは、ノズル♯15及びノズル♯1がPOLノズルとなり、ノズル♯15、ノズル♯8及びノズル♯1によって形成される。また、3番目のラスタラインは、ノズル♯16及びノズル♯2がPOLノズルとなり、ノズル♯16、ノズル♯9及びノズル♯2によって形成される。また、5番目のラスタラインは、ノズル♯17及びノズル♯3がPOLノズルとなり、ノズル♯17、ノズル♯10及びノズル♯3によって形成される。また、7番目のラスタラインは、ノズル♯18及びノズル♯4がPOLノズルとなり、ノズル♯18、ノズル♯11及びノズル♯4によって形成される。
【0089】
図16及び図14の「ラスタラインを形成するノズルの数」を比較して分かる通り、図16の非一様なオーバーラップ印刷では、図14の非一様なオーバーラップ印刷よりも、2個のノズルにより形成されるラスタラインの数は減り、3個のノズルにより形成されるラスタラインの数は増えている。
【0090】
<参考例:非一様なオーバーラップ印刷4>
図17A及び図17Bは、更に別の非一様なオーバーラップ印刷の説明図である。図17Aは、パス1〜パス4におけるヘッドの位置とドットの形成の様子を示し、図17Bは、パス1〜パス5におけるドットの形成の様子を示している。図17A及び図17Bに示す非一様なオーバーラップ印刷では、図13A及び図13Bに示す非一様なオーバーラップ印刷よりも、インクを吐出可能なノズル数を減らし、POLノズルの数を減らしている。但し、図17A及び図17Bの非一様なオーバーラップ印刷は、図13A及び図13Bに示す非一様なオーバーラップ印刷と、延べノズル数N’が同じである。このため、搬送量も同じである。
【0091】
ここでは、ノズル列の中央部に位置するノズル♯3〜ノズル♯14は、前述のフルオーバーラップ印刷の場合と同様に、ドットを形成する。一方、ノズル列の端部に位置するノズル(ノズル♯1、ノズル♯2及びノズル♯15、ノズル♯16)は、中央部に位置するノズルの半分のドットしか形成しない。つまり、ここでは、ノズル♯1、ノズル♯2及びノズル♯15、ノズル♯16がPOLノズルである。また、前述の非一様なオーバーラップ印刷の場合とは異なり、16個のノズル(ノズル♯1〜ノズル♯16)からインクを吐出している。
【0092】
図18は、図17Bの点線部のドット形成の様子の説明図である。図18におけるノズルやドットの記載形式は、図14と同様なので、説明を省略する。
【0093】
この非一様なオーバーラップ印刷では、2番目、4番目、5番目、6番目及び7番目のラスタラインは、2個のノズルにより形成される。一方、1番目及び3番目のラスタラインは、3個のノズルにより形成される。
【0094】
例えば、2番目のラスタラインは、ノズル♯5とノズル♯12とによって形成される。4番目のラスタラインは、ノズル♯6とノズル♯13とによって形成される。5番目のラスタラインは、ノズル♯3とノズル♯10とによって形成される。6番目のラスタラインは、ノズル♯7とノズル♯14とによって形成される。7番目のラスタラインは、ノズル♯4とノズル♯11とによって形成される。一方、1番目のラスタラインは、ノズル♯15及びノズル♯1がPOLノズルとなり、ノズル♯15、ノズル♯8及びノズル♯1によって形成される。また、3番目のラスタラインは、ノズル♯16及びノズル♯2がPOLノズルとなり、ノズル♯16、ノズル♯9及びノズル♯2によって形成される。
【0095】
図18及び図14の「ラスタラインを形成するノズルの数」を比較して分かる通り、図18の非一様なオーバーラップ印刷では、図14の非一様なオーバーラップ印刷よりも、2個のノズルにより形成されるラスタラインの数は増え、3個のノズルにより形成されるラスタラインの数は減っている。
【0096】
===非一様なオーバーラップ印刷で生じるバンディングについて===
<濃淡バンディングについて>
各ノズルで形成されるドットの位置は、ノズルの製造誤差に起因して、紙の搬送方向に多少ずれる場合がある。
図19Aは、インターレース印刷のときのドットの位置の説明図である。ここでは、説明の簡略化のため、ノズル数を6個(使用可能なノズル数は5個)にしている。
図中の右側には、ノズル♯1によって形成されるドットが上にずれている場合のドットの位置が示されている。ノズル♯1によって形成されるドットが上にずれた結果、ノズル♯1によって形成されるラスタラインと、ノズル♯4によって形成されるラインとの間に、隙間が生じている。このような隙間が生じると、印刷画像に濃淡が発生し、印刷画像に縞模様が生じる。この縞模様は、印刷画像の画質劣化部分として視認される。
ここでは、このような縞模様のことを「濃淡バンディング」と呼ぶ。なお、濃淡バンディングの原因はノズルの製造誤差のみでなく、紙の搬送方向の誤差や、印刷媒体の反りなどのいくつかの要因がある。
【0097】
図19Bは、フルオーバーラップ印刷のときのドットの位置の説明図である。ここでも、説明の簡略化のため、ノズル数を6個にしている。図中の右側には、ノズル♯1によって形成されるドットが上にずれている場合のドットの位置が示されている。
【0098】
インターレース印刷のようにラスタラインを形成するノズルの数が1つの場合、製造誤差などによりドットの位置がずれると、そのラスタラインの全てのドットの位置がずれて、濃淡バンディングが目立つことになる。しかし、ラスタラインを形成するノズルの数が2つ以上の場合(例えばフルオーバーラップ印刷の場合等)、製造誤差などによりあるノズルが形成するドットがずれても、全てのドットの位置がずれないので、濃淡バンディングが目立つのを抑制することができる。
つまり、濃淡バンディングは、ラスタラインを形成するノズルの数が増えると、抑制される。
【0099】
<光沢バンディングについて>
顔料インクを用いて印刷を行うと、溶液に溶けずに浮遊している色材は紙の表面に留まり発色する。但し、顔料インクは紙の表面に留まるので、ドットの重なり具合に応じて、表面の状態が変化する。そして、印刷画像を構成するドットの表面の状態の影響を受けて、印刷画像の光沢も変化する。
【0100】
フルオーバーラップ印刷では、ラスタラインを形成するノズルの数が、どのラスタラインでも同じ数である。また、どのラスタラインでも、まず1ドットおきにドットが形成され、その後、ドットの間を埋めるようにドットが形成される。このため、フルオーバーラップ印刷では、どのラスタラインでも、ラスタラインを形成するドットは同じ重なり方で形成される。従って、フルオーバーラップ印刷では、全てのラスタラインの表面の状態がほぼ同じ状態になるので、印刷画像の光沢は均質になる。
【0101】
一方、非一様なオーバーラップ印刷では、ラスタラインによって、ラスタラインを作成するために用いるノズル数が異なる。言い換えると、非一様なオーバーラップ印刷では、ラスタラインによって、ラスタラインを完成するのに必要なパス数が異なる。
【0102】
図20Aは、図14に示されている2番目のラスタラインのドットの重なり具合の説明図である。2番目のラスタラインでは、フルオーバーラップ印刷のラスタラインと同様に、パス2においてノズル♯12が1ドットおきにドットを形成し、その後、パス4においてノズル♯5が間を埋めるようにドットを形成する。
【0103】
一方、図20Bは、図14に示されている1番目のラスタラインのドットの重なり具合の説明図である。1番目のラスタラインは、2番目のラスタラインとは異なり、3個のノズルにより形成される。この1番目のラスタラインでは、パス1において、ノズル♯15(POLノズル)が、4画素に1画素の割合でドットを形成する。次に、パス3において、ノズル♯8が1ドットおきにドットを形成する。そして、パス5において、ノズル♯1(POLノズル)が、4画素に1画素の割合でドットを形成する。
【0104】
図20Aに示されている2番目のラスタラインのドットの重なり具合と、図20Bに示されている1番目のラスタラインのドットの重なる具合とを比較して理解できる通り、ドットの重なり具合が異なると、ラスタラインの表面の状態が異なることになる。このため、この2つのラスタラインは、異なる光沢になる。
【0105】
そして、非一様なオーバーラップ印刷では、ラスタラインによって、ラスタラインを作成するために用いるノズル数が異なるので、異なる光沢のラスタラインが混在する。
このように、ドットの打ち込み方が異なるラスタラインが混在している印刷画像では、光沢が均等な領域と光沢が不均等な領域の差が目立ってしまう。ここで、光沢が不均等として視認される領域を、「光沢バンディング」と呼ぶ。
【0106】
インターレース印刷及びフルオーバーラップ印刷のように、ラスタラインを形成するノズル数が全てのラスタラインにおいて同じである場合は、光沢バンディングは目立たない。しかし、非一様なオーバーラップ印刷のようにラスタラインを形成するノズル数がラスタライン毎で異なる場合は、光沢バンディングは目立ってしまう。
【0107】
また、非一様なオーバーラップ印刷において、POLノズルの数が多くなると、2個のノズルで形成されるラスタラインの本数に対して、3個のノズルで形成されるラスタラインが多くなるので、光沢の異なるラスタラインの混在が目立ち、光沢バンディングが目立ってしまう。一方、POLノズルの数が少ない場合、2個のノズルで形成されるラスタラインの本数に対して、3個のノズルで形成されるラスタラインが少なくなるので、光沢バンディングは目立たなくなる。
【0108】
===本実施形態(概要)===
上記の説明では、全ての画素にドットを形成する状態で説明していた。但し、印刷画像の濃度に応じて、単位面積あたりのドット数が異なっている。例えば、印刷画像のうち、濃度の濃い部分では、単位面積あたりのドット数が多くなる。一方、濃度の淡い部分では、単位面積あたりのドット数が少なくなる。
そして、非一様なオーバーラップ印刷では、濃淡バンディング及び光沢バンディングが発生するが、印刷画像を構成するドットの数に応じて、これらのバンディングの目立ち方が異なっている。
【0109】
<ドット数と濃淡バンディングの発生との関係>
単位面積あたりのドット数が多いとき、ドットが誤差などにより正常な位置からずれても、紙に打ち込まれるインク量が多いためインクが滲み、濃淡バンディングは目立たないようになる。一方、単位面積あたりのドット数が少ないとき、ドットが誤差などにより正常な位置からずれると、ドットの密集状況に偏りが生じて、濃淡バンディングが目立つようになる。
【0110】
<ドット数と光沢バンディングの発生との関係>
図20Aや図20Bのように、単位面積あたりのドット数が多いときに、ドットの重なり具合の違いの影響で、表面が異なる状態になり、光沢バンディングが発生する。一方、単位面積あたりのドット数が少ないとき、ドットが重なることが少なくなるので、光沢バンディングは発生しにくくなる。
【0111】
<まとめ>
図21には、単位面積あたりのドット数によって、濃淡バンディング及び光沢バンディングが目立つ程度が示されている。
単位面積あたりのドット数が少ないときには、濃淡バンディングは目立ち易くなるが、光沢バンディングは目立ちにくくなる。
単位面積あたりのドット数が多いときには、光沢バンディングは目立ち易くなるが、濃淡バンディングは目立ちにくくなる。
【0112】
つまり、単位面積あたりのドット数が少ないときは、濃淡バンディングは目立つようになり、光沢バンディングは目立たなくなる。そして、単位面積あたりのドット数の量が多いときは、光沢バンディングは目立つようになり、濃淡バンディングは目立たなくなる。このように、ドット数によって、目立つバンディングの種類が異なる。
そこで、本実施形態では、単位面積あたりのドット数に応じて、印刷方式を決定する。
【0113】
<単位面積あたりのドット数に応じた印刷方式>
図22には、単位面積あたりのドット数に応じて用いられる本実施形態の印刷方式が示されている。
図22に示すように、単位面積あたりのドット数が多いときには光沢バンディングが発生しやすくなる。そこで、本実施形態ではPOLノズル数を減らして、ドット列を形成するノズル数が少ないドット列を多くすることで、光沢の不均一を減らす印刷方式を使用する。
また、図22に示すように、単位面積あたりのドット数が少ないときには濃淡バンディングが発生しやすくなる。そこで、本実施形態ではPOLノズル数を増やして、ドット列を形成するノズル数が多いドット列を多くすることで、ドット列の間にできる隙間を減らす印刷方式を使用する。
【0114】
===本実施形態のプリンタドライバの処理について===
図23は、本実施形態のプリンタドライバ側とプリンタ側の動作を簡単に示す説明図である。本実施形態において、プリンタドライバ側では、256階調の画素データからなる画像データがハーフトーン処理され、2値データの画素データからなる画像データが生成される。ハーフトーン処理された画素データは各画素につき1ビットのデータから構成される。各画素データは0か1であり、画素データが0の画素にはドットが形成されず、画素データが1の画素にはドットが形成される。図23の左上の図には、画素が升目として描かれており、各升目の中には、その升目に相当する画素の画素データが示されている。なお、説明の簡略化のため、図中の画素数は、実際よりも極端に減らしてある。
【0115】
画像データがハーフトーン処理された後、プリンタドライバは、画像データを分割して、印刷範囲を複数の領域に分割する。図23の左上から2つ目の図に示すように、プリンタドライバ側では、画像データが、例えば、9個の領域に分割される。但し、プリンタドライバが媒体の印刷範囲を分割する数は、9個に限られるものではない。また、後述するように、印刷範囲を分割しないで、印刷範囲全体を所定の領域とすることもできる。
【0116】
ここでは、画像データを分割する際、プリンタドライバは、プログラムに従って画像データを分割している。例えば、プリンタドライバは、プログラムの設定に応じて、分割された領域が移動方向に沿って並ぶように画像データを縦に3つに分割している。また、プリンタドライバは、プログラムの設定に応じて、分割された領域が搬送方向に沿って並ぶように画像データを横に3つに分割している。分割する位置もプログラムの設定によって決められている。ここでは、移動方向及び搬送方向に3等分することにより、画像データが9等分されている。なお、図23では、印刷範囲の上方の3つの領域を、領域A、領域B、領域Cと呼ぶ。
【0117】
次に、プリンタドライバは、各領域の画素データが1の画素を数えて、各領域のドット数を求める。ある領域において画素データが1の画素が多い場合、その領域に対応する媒体上の位置に、ドットが多く形成されることを意味する。一方、ある領域において画素データが1の画素が少ない場合、その領域に対応する媒体上の位置に、ドットがあまり形成されないことを意味する。そこで、プリンタドライバは、画素データが1の画素が所定の閾値Xよりも多い場合、その領域に形成されるドットが多いと判断する。一方、画素データが1の画素が所定の閾値Yよりも少ない場合、プリンタドライバは、その領域に形成されるドットが少ないと判断する。図23では、領域Aではドット数が多いと判断され、領域Bではドット数は標準であると判断され、領域Cではドット数が少ないと判断される。
【0118】
<本実施形態の印刷方式のテーブル>
各領域のドット数が求められると、プリンタドライバは本実施形態の印刷方式のテーブルを参照する。
図24は、単位面積あたりのドット数に応じてプリンタドライバに選択される本実施形態の複数の印刷方式が示されているテーブルである。図に示されている通り、このテーブルには、単位面積あたりのドット数と印刷方式とが対応付けられている。なお、図の右側には、参考までに、それぞれの印刷方式で使用されるPOLノズルの数が示されている。
【0119】
単位面積あたりのドット数が標準のときには、標準の非一様なオーバーラップ印刷方式(以下、「標準印刷方式」という)が選択される。標準印刷方式とは、図13A及び図13Bに示す参考例の非一様なオーバーラップ印刷2と同様の印刷方式であり、17個のノズルからインクを吐出している。インクを吐出する17個のノズルのうち6個がPOLノズルである。
【0120】
また、単位面積のドット数が標準より多いときには、光沢バンディングを抑制できるような印刷方式(以下、「光沢バンディング抑制印刷方式」という)が選択される。光沢バンディング抑制印刷方式とは、図17A及び図17Bに示す参考例の非一様なオーバーラップ印刷4と同様の印刷方式であり、16個のノズルからインクを吐出している。インクを吐出する16個のノズルのうち4個がPOLノズルである。
【0121】
単位面積のドット数が少ないときには、濃淡バンディングを抑制できるような印刷方式(以下、「濃淡バンディング抑制印刷方式」という)が選択される。濃淡バンディング抑制印刷方式とは、図15A及び図15Bに示す参考例の非一様なオーバーラップ印刷3と同様の印刷方式であり、18個のノズルからインクを吐出している。インクを吐出する18個のうち8個がPOLノズルである。
【0122】
本実施形態では、単位面積あたりのドット数に応じて選択される印刷方式がプリンタドライバ側で予め設定されている。
【0123】
<POLノズルの数の決定>
前述のようにプリンタドライバは、各領域のドット数の量を求めて、印刷方式のテーブルを参照して、ドット数に応じて選択される印刷方式を各領域に決定する。
【0124】
図23の右上の図に示すように、ドット数が多い領域Aには、光沢バンディング抑制印刷方式が選択される。また、ドット数が標準の領域Bには、標準印刷方式が選択される。また、ドット数が少ない領域Cには、濃淡バンディング抑制印刷方式が選択される。このように、各領域に適した印刷方法が決定される。
【0125】
各領域の印刷方式が決定すると、ドット形成処理においてインクを吐出するノズル数と、POLノズルの数と、が決定する。
【0126】
<ラスタライズ処理>
各領域の印刷方式が決定すると、各画素がどのパスのどのノズルに対応付けられるかを決定できる。言い換えると、各領域の印刷方式が決定すると、各パスの各ノズルがどの画素に対応付けられているかを決定できる。このため、各領域の印刷方式が決定しているので、プリンタドライバは、各パスの各ノズルに対応する画素データを抽出し、各パスの各ノズルのインクの吐出状況を示すデータを作成することができる。
このように抽出されたデータは、印刷データに含まれて、プリンタ側に送信される。
【0127】
<本実施形態のプリンタの処理について>
プリンタドライバ側から送信される印刷データに基づいて、プリンタ側では各領域がそれぞれの印刷方式で印刷される。媒体上の領域A’には、画像データの領域Aの示す画像が印刷される。媒体上の領域B’には、画像データの領域Bの示す画像が印刷される。また、媒体上の領域C’には、画像データの領域Cの示す画像が印刷される。そして、媒体上の領域A’では光沢バンディング抑制印刷方式で印刷が行われ、領域B’では標準印刷方式で印刷が行われ、領域C’では濃淡バンディング抑制印刷方式で印刷が行われる。
【0128】
図25は、光沢バンディング抑制印刷方式、標準印刷方式及び濃淡バンディング抑制印刷方式におけるドット形成処理の様子の説明図である。図中の左側にはノズルを示す丸印があり、図中の右側にはドットを示す丸印があり、そのドットを形成するノズルの番号が記入されている。なお、説明の都合上、全ての画素にドットを形成する状態になっているが、画素データが0の画素にはドットは形成されない。特に、領域C’では、画素データが0の画素が多いので、本来ならばドットが形成されない画素が多いはずである。
【0129】
ここで、2番目、4番目及び6番目のラスタラインに着目すると、どの領域内においても、2個のノズルにより形成されている。つまり、これらのラスタラインはフルオーバーラップ印刷と同じように形成される。
【0130】
これに対し、5番目のラスタラインに着目すると、領域A’では光沢バンディング抑制印刷方式により2個のノズルで形成されるが、領域B’及び領域C’では標準印刷方式と濃淡バンディング抑制印刷方式により3個のノズルで形成される。具体的には、5番目のラスタラインを形成するとき、ノズル♯17は、領域A’ではインクを吐出しないが、領域B’及び領域C’では4画素に1画素の割合でインクを吐出している。また、ノズル♯3は、領域A’では2画素に1画素の割合でインクを吐出しているが、領域B’及び領域C’では4画素に1画素の割合でインクを吐出している。これにより、領域A’では、領域B’や領域C’よりも、3個のノズルにより形成されるラスタラインの数が少なくなる。
【0131】
また、7番目のラスタラインに着目すると、光沢バンディング抑制印刷方式と標準印刷方式では2個のノズルにより形成されるが、濃淡バンディング抑制印刷方式では3個のノズルで形成される。つまり、光沢バンディング抑制印刷方式と標準印刷方式より、濃淡バンディング抑制印刷方式のほうが、このラスタラインを形成するノズル数が多い。具体的には、7番目のラスタラインを形成するとき、ノズル#18は、領域A’及び領域B’ではインクを吐出しないが、領域C’では4画素に1画素の割合でインクを吐出しており、ノズル#4は、領域A’及び領域B’では2画素に1画素の割合でインクを吐出しているが、領域C’では、4画素に1画素の割合でインクを吐出している。これにより、領域C’では、領域A’や領域B’よりも、3個のノズルにより形成されるラスタラインの数が多くなる。
【0132】
図25に示すように、光沢バンディング抑制印刷方式では、ラスタ1及び3が3個のノズル数で形成されて、濃淡バンディング抑制印刷方式では、ラスタ1、3、5及び7が3個のノズル数で形成される。つまり、2個のノズルで形成されるラスタラインの数に対して、3個のノズルで形成されるラスタラインの数の割合が、光沢バンディング抑制印刷方式では少なく、濃淡バンディング抑制印刷方式では多い。
【0133】
図25に示すように、光沢バンディングが目立つようなドット数の多い領域Aに光沢バンディング抑制印刷方式が選択されることにより、領域A’は光沢バンディングが抑制されて印刷されることができる。一方、領域Aではドット数が多いので、光沢バンディング抑制印刷方式が選択されても、濃淡バンディングは目立ちにくい。
また、濃淡バンディングが目立つようなドット数が少ない領域Cに濃淡バンディング抑制印刷方式が選択されることにより、領域C’は濃淡バンディングが抑制されて印刷されることができる。一方、領域Cではドット数が少ないので、濃淡バンディング抑制印刷方式が選択されても、光沢バンディングは目立ちにくい。
【0134】
つまり、各領域のドット数に応じた印刷方式を選択することにより、各領域の光沢バンディング又は濃淡バンディングを抑制して印刷することができる。そして、各領域の光沢バンディング又は濃淡バンディングが抑制されることにより、印刷範囲全体の光沢バンディング及び濃淡バンディングを抑制することができる。
【0135】
本実施形態では、光沢バンディング抑制印刷方式(図17A及び図17B参照)、標準印刷方式(図13A及び図13B参照)及び濃淡バンディング抑制印刷方式(図15A及び図15B参照)のそれぞれの搬送量Fは、いずれも7・Dで共通である。これにより、各パスでの紙に対するヘッドの位置が、どの印刷方式でも共通になる。このため、同じパスの中で、印刷方式を切り替えることが可能になる。
【0136】
本実施形態では、9個に分割された媒体上の各領域(領域A’等)のドット数に応じた印刷方式にて、各領域の印刷が行われている。これにより、ドット数の多い濃い領域Aは光沢バンディング印刷方式で印刷されて、ドット数が標準の領域Bは標準印刷方式で印刷されて、ドット数が少ない淡い領域Cは濃淡バンディング印刷方式で印刷される。このため、各領域は適当な印刷方式で印刷されることができる。
【0137】
本実施形態では、コントローラは、キャリッジの移動方向に沿って並ぶように印刷範囲を分割して、各領域を形成している。これにより、移動方向に沿って濃淡が変化するような画像であっても、濃淡に応じて(ドット数に応じて)適切な印刷方式を選択することができ、各領域を適切に印刷することができる。
【0138】
本実施形態では、コントローラは紙の搬送方向に沿って並ぶように印刷範囲を分割して、各領域を形成している。これにより、搬送方向に沿って濃淡が変化するような画像であっても、濃淡に応じて(ドット数に応じて)適当な印刷方式を選択することができ、各領域を適切に印刷することができる。
【0139】
本実施形態では、光沢バンディング抑制印刷方式(図17A及び図17B参照)でインクを吐出可能なノズル数は16個であり、標準印刷方式(図13A及び図13B参照)でインクを吐出可能なノズル数は17個であり、濃淡バンディング抑制印刷方式(図15A及び図15B参照)でインクを吐出可能なノズル数は18個である。これにより、光沢バンディング抑制印刷方式のPOLノズルの数は4個となり、標準印刷方式のPOLノズルの数は6個となり、濃淡バンディング抑制印刷方式のPOLノズルの数は8個となる。このため、各印刷方式では、3個のノズルで形成されるラスタラインの数と、2個のノズルで形成されるラスタラインの数との割合が異なることになる。
【0140】
濃い領域(ドット数が多い領域)は、ドットが重なりやすいので、光沢の不均一が目立つようになる。本実施形態では、このような領域に対して、光沢バンディングを抑制することができる光沢バンディング抑制印刷方式により印刷が行われる。これにより、光沢バンディングを目立たなくすることができる。
【0141】
淡い領域(ドット数が少ない領域)は、ドットが重なりにくくなるので、濃淡バンディングが目立つようになる。本実施形態では、このような領域に対して、濃淡バンディングを抑制することができる濃淡バンディング抑制印刷方式により印刷が行われる。これにより、濃淡バンディングを目立たなくすることができる。
【0142】
本実施形態では、標準印刷方式と光沢バンディング抑制印刷方式とを比べると、光沢バンディング抑制印刷方式のほうがインクを吐出可能なノズル数が少ない。これにより、2個のノズルで形成されるラスタラインの数に対して、3個のノズルで形成されるラスタラインの数の割合が少なくなる(図25を参照)。このため、光沢バンディング抑制印刷方式では、3個のノズルで形成されるラスタラインが少なくなり、光沢バンディングを抑制することができる。
【0143】
本実施形態では、標準印刷方式と濃淡バンディング抑制印刷方式とを比べると、濃淡バンディング抑制印刷方式のほうがインクを吐出可能なノズル数が多い。これにより、2個のノズルで形成されるラスタラインの数に対して、3個のノズルで形成されるラスタラインの数の割合が多くなる(図25を参照)。このため、濃淡バンディング抑制印刷方式では、3個のノズル数で形成されるラスタラインが多くなり、濃淡バンディングを抑制することができる。
【0144】
本実施形態では、いずれの印刷方式でも顔料インクで印刷が行われている。通常、顔料インクを用いると、ドットの重なる順番によって光沢バンディングが発生しやすくなるが、本実施形態では、光沢バンディングを抑制して印刷することが可能である。
【0145】
前述の構成要素を全て含む印刷システムによれば、全ての効果を奏するので、望ましい。但し、必ずしも全ての構成要素を含む必要はない。要するに、ある領域のドット数に応じて印刷方式を選択することができ、光沢バンディング及び濃淡バンディングを抑制することができる構成であれば良い。
【0146】
===その他の実施の形態===
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更・改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。
【0147】
特に、本発明には、以下のような形態も含まれる。
【0148】
<領域の設定について>
前述の実施形態では、プリンタドライバは媒体の印刷範囲を複数の領域に分割している。しかし、媒体の印刷範囲を分割しないで、印刷範囲の全体を所定の領域とすることができる。
【0149】
図26は、別の実施形態のプリンタドライバ側とプリンタ側の動作を簡単に示す説明図である。図26では、上方の図の印刷範囲の全体を領域Dと呼び、下方の図の印刷範囲の全体を領域Eと呼ぶ。プリンタドライバは、領域D及び領域Eのドット数を求める。そして、プリンタドライバは、印刷方式のテーブルを参照して、ドット数に応じて選択される印刷方式を決定する。
【0150】
領域Dはドット数が多いため、光沢バンディング抑制印刷方式が選択される。また、領域Eはドット数が少ないため、濃淡バンディング抑制印刷方式が選択される。
そして、画像データのラスタライズ処理後、作成された印刷データがプリンタ側に送信される。プリンタ側では印刷範囲全体の領域が、選択された印刷方式で印刷される。このように、印刷範囲全体の領域が、光沢バンディング又は濃淡バンディングが抑制されて印刷されることもできる。
【0151】
本実施形態では、紙全体の領域(領域D’等)のドット数に応じた印刷方式にて、領域の印刷が行われている。これにより、ドット数の多い濃い領域Dは光沢バンディング印刷方式で印刷されて、ドット数が少ない淡い領域Eは濃淡バンディング印刷方式で印刷される。このため、紙ごとに適当な印刷方式で印刷することができる。
【0152】
なお、前述の実施形態では、分割された領域が移動方向に沿って並ぶように画像データが分割され、さらに、分割された領域が搬送方向に沿って並ぶようにも画像データが分割されている。つまり、前述の実施形態では、移動方向及び搬送方向のいずれの方向にも画像データを分割している。しかし、分割された領域がいずれか一方の方向にのみ並ぶように画像データを分割しても良い。つまり、移動方向のみに沿って並ぶように分割された領域でもよく、また搬送方向のみに沿って並ぶように分割された領域でも良い。
【0153】
<領域を分割する位置について>
前述の実施形態では、領域を分割する境界は全てのラスタラインにおいて同じ位置にあり、境界が直線となっていた。しかし、これに限られるものではない。領域の境界が直線となっている場合、領域にある全てのラスタラインの同じ位置にある境界で印刷方式を変えるため、印刷方式が変わる境界が目立つ可能性がある。そこで、ラスタライン毎に異なる位置で境界を設定しても良い。
【0154】
例えば、ラスタライン毎に境界を少しずつずらして、領域をぎざぎざに分割しても良い。このようにすれば、領域を分割する境界を直線にした場合と比較して、境界部分が目立ちにくくなる。
【0155】
また、ラスタライン毎に境界を不規則にずらして、領域をランダムに分割しても良い。このようにすれば、領域を分割する境界が不連続になるので、境界部分が視認しにくくなる。
【0156】
更に、画像のエッジを検出して、エッジを境界として設定して、エッジで分割しても良い。このようにすれば、印刷方式が変更された位置が目立ちにくくなるだけでなく、画像の濃度に応じた印刷方式で画像の各部分を印刷することができる。
【0157】
<ドットについて>
前述の実施形態では、形成されるドットの大きさは全て同じであった。しかし、これに限られるものではない。大ドット、中ドット、小ドットを選択的に形成可能であってもよい。この場合、ドットの大きさに応じて重み付けを行って、ドット数を計算するのが良い。そうすることで、ドットの大きさを考慮して計測されたドット数に応じて印刷方式を選択することができ、印刷画像に適した印刷方式を選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0158】
【図1】印刷システムの全体構成の説明図である。
【図2】プリンタドライバが行う基本的処理の説明図である。
【図3】プリンタドライバのユーザインターフェースの説明図である。
【図4】プリンタの全体構成のブロック図である。
【図5】プリンタの全体構成の概略図である。
【図6】プリンタの全体構成の横断面図である。
【図7】印刷時の処理のフロー図である。
【図8】ノズルの配列を示す説明図である。
【図9】図9A及び図9Bは、インターレース印刷の説明図である。
【図10】図10A及び図10Bは、フルオーバーラップ印刷の説明図である。
【図11】図11A及び図11Bは、部分オーバーラップ印刷の説明図である。
【図12】図12A及び図12Bは、非一様なオーバーラップ印刷の説明図である。
【図13】図13A及び図13Bは、別の非一様なオーバーラップ印刷の説明図である。
【図14】図13Bの点線部のドット形成の様子の説明図である。
【図15】図15A及び図15Bは、更に別の非一様なオーバーラップ印刷の説明図である。
【図16】図15Bの点線部のドット形成の様子の説明図である。
【図17】図17A及び図17Bは、更に別の非一様なオーバーラップ印刷の説明図である。
【図18】図17Bの点線部のドット形成の様子の説明図である。
【図19】図19Aは、インターレース印刷のときのドットの位置の説明図である。図19Bは、フルオーバーラップ印刷のときのドットの位置の説明図である。
【図20】図20Aは、図14に示されている2番目のラスタラインのドットの重なり具合の説明図である。図20Bは、図14に示されている1番目のラスタラインのドットの重なり具合の説明図である。
【図21】単位面積あたりのドット数によって、濃淡バンディング及び光沢バンディングが目立つ程度を示す図である。
【図22】単位面積あたりのドット数に応じて用いられる本実施形態の印刷方式を示す図である。
【図23】本実施形態のプリンタドライバ側とプリンタ側の動作を簡単に示す説明図である。
【図24】単位面積あたりのドット数に応じてプリンタドライバに選択される本実施形態の印刷方式を示す図である。
【図25】光沢バンディング抑制印刷方式、標準印刷方式及び濃淡バンディング抑制印刷方式におけるドット形成処理の様子の説明図である。
【図26】別の実施形態のプリンタドライバ側とプリンタ側の動作を簡単に示す説明図である。
【符号の説明】
【0159】
1 プリンタ、
20 搬送ユニット、21 給紙ローラ、22 搬送モータ、
23 搬送ローラ、24 プラテン、25 排紙ローラ、
30 キャリッジユニット、31 キャリッジ、32 キャリッジモータ、
40 ヘッドユニット、41 ヘッド、
50 検出器群、51 リニア式エンコーダ、52 ロータリー式エンコーダ、
53 紙検出センサ、54 光学センサ、
60 プリンタ側コントローラ、61 インターフェース部、
62 CPU、63 メモリ、64 ユニット制御回路、
90 インクカートリッジ、
100 システム、110 コンピュータ、112 ビデオドライバ、
114 アプリケーションプログラム、116 プリンタドライバ、
120 表示装置、
130 入力装置、130A キーボード、130B マウス、
140 記録再生装置、140A フレキシブルディスクドライブ装置、
140B CD−ROMドライブ装置、
D ドット、S 紙




 

 


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