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発明の名称 液滴吐出ヘッドの製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−15129(P2007−15129A)
公開日 平成19年1月25日(2007.1.25)
出願番号 特願2005−196096(P2005−196096)
出願日 平成17年7月5日(2005.7.5)
代理人 【識別番号】100107836
【弁理士】
【氏名又は名称】西 和哉
発明者 松尾 剛秀
要約 課題
エッチングによって生じる不良を防止することで歩留まりを向上させ、かつ高精度なものを製造できる、液滴吐出ヘッドの製造方法を提供する。

解決手段
複数のキャビティ12とキャビティ12間をそれぞれ連通させる連通部13とが形成された流路形成基板10と、連通部13に連通するリザーバ部31が形成されたリザーバ形成基板30と、を備えた液滴吐出ヘッド1の製造方法である。流路形成基板10の前駆体となる流路側基板と、リザーバ形成基板30とを貼り合わせた後、リザーバ形成基板30側を支持基板に保持する。そして、流路側基板及びリザーバ形成基板30を支持体に保持したまま、流路側基板に対してドライエッチングによるパターニングを行うことで、連通部13を形成する。そして、流路側基板にキャビティ12を形成し、リザーバ形成基板30から支持基板を剥離する。
特許請求の範囲
【請求項1】
複数のキャビティと該キャビティ間をそれぞれ連通させる連通部とが形成された流路形成基板と、前記連通部に連通するリザーバ部が形成されたリザーバ形成基板と、を備えた液滴吐出ヘッドの製造方法において、
前記流路形成基板の前駆体となる流路側基板と、前記リザーバ形成基板とを貼り合わせた後、該リザーバ形成基板側を支持基板に保持する工程と、
前記流路側基板及び前記リザーバ形成基板を前記支持体に保持したまま、前記流路側基板に対してドライエッチングによるパターニングを行うことで、連通部を形成する工程と、
前記流路側基板にキャビティを形成する工程と、
前記リザーバ形成基板から前記支持基板を剥離する工程と、
を備えることを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
【請求項2】
前記流路側基板に対してドライエッチングによるパターニング工程で、前記連通部と前記キャビティとを同時に形成することを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
【請求項3】
前記リザーバ形成基板側を支持体に貼り付けた後、前記流路側基板にドライエッチングを行う工程の前に、前記流路側基板を薄型加工する工程を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
【請求項4】
前記支持基板は、基板と剥離層と樹脂層とが順に積層された構成からなるものとすることを特徴とする請求項1〜3に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
【請求項5】
前記支持基板を構成する前記基板をガラスからなるものとすることを特徴とする請求項4に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、液滴吐出ヘッドの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液滴吐出法は、液滴吐出ヘッドから、微小なインク滴をドット状に吐出することにより、基板上に微細な配線パターンを形成でき、例えば半導体装置の配線形成等に用いられている。
一般に、液滴吐出ヘッドは、ノズル開口に連通するキャビティと該キャビティ間を連続させる連通部とを備えた流路形成基板と、該流路形成基板の一方の面側に設けられた圧電素子と、前記流路形成基板の前記圧電素子側に接合されて、前記圧電素子を駆動するための駆動回路部を備えたリザーバ形成基板と、を備えたものである。
【0003】
近年、半導体装置の小型化が進んだことにより、このような半導体装置を構成するための微細なパターンを形成できる液滴吐出ヘッドの提供が望まれている。また、液滴吐出ヘッドは、例えばキャビティ及び連通部を高密度に配置した状態に形成することで、液滴吐出ヘッドの描画能力が向上し、微細なパターン形成が可能となる。
このような液滴吐出ヘッドの製造方法の一例として、接合基板(リザーバ形成基板)に貫通孔を形成し、該貫通孔を介して導電性ワイヤにより、駆動回路部と圧電素子とを接続し、キャビティを高密度に配列した液滴吐出ヘッドが知られている(例えば、特許文献1参照)。上記特許文献1では、ウエットエッチングを用いることで、基板(流路側基板)に前記キャビティや連通部を形成することで流路形成基板を製造しているが、流路側基板と前記流路側基板とを接着した状態で、ウエットエッチングを行うことで、前記流路側基板にキャビティ及び連通部を形成する液滴吐出ヘッドの製造方法も考えられる。
【特許文献1】特開2003−246065号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したように流路側基板と接合基板(キャビティ形成基板)とを接着した状態で、前記流路側基板に対してウエットエッチングを行う際には、マスクやストッパ膜を用いることで、接合基板の裏側にエッチャント液が周り込むことによるダメージを防止する必要がある。
このとき、マスクならびにストッパ膜に欠陥があると、該欠陥部分からエッチャント液が入り込み不良が生じ、液滴吐出ヘッドの歩留まりを低下させるおそれがある。そして、エッチングによる不良の発生を軽減するためには、ウエットエッチングの前にマスク及びストッパ膜の欠陥を補修する工程が必要となり、製造工程が煩雑となってしまう。
また、上述したように液滴吐出ヘッドは、微細パターンの形成に対応すべく、ウエットエッチングに代わって、より高い加工精度でキャビティや連通部が形成された流路形成基板を備えたものが望まれている。
【0005】
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、エッチングによって生じる不良を防止することで歩留まりを向上させ、かつ高精度なものを製造できる、液滴吐出ヘッドの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の液滴吐出ヘッドの製造方法は、複数のキャビティと該キャビティ間をそれぞれ連通させる連通部とが形成された流路形成基板と、前記連通部に連通するリザーバ部が形成されたリザーバ形成基板と、を備えた液滴吐出ヘッドの製造方法において、前記流路形成基板の前駆体となる流路側基板と、前記リザーバ形成基板とを貼り合わせた後、該リザーバ形成基板側を支持基板に保持する工程と、前記流路側基板及び前記リザーバ形成基板を前記支持体に保持したまま、前記流路側基板に対してドライエッチングによるパターニングを行うことで、連通部を形成する工程と、前記流路側基板にキャビティを形成する工程と、前記リザーバ形成基板から前記支持基板を剥離する工程と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明の液滴吐出ヘッドの製造方法によれば、流路形成基板の前駆体となる流路側基板とリザーバ形成基板とを貼り合わせた後、該リザーバ形成基板側を支持体に保持しているので、前記流路側基板及び前記リザーバ形成基板は、前記支持体により高い剛性を有した状態となる。よって、高い剛性を有した流路側基板に対しドライエッチングによるパターニングを良好に行うことができ、連通部を形成することができる。そして、例えば同様のドライエッチングによってキャビティが形成でき、連通部及びキャビティが形成された流路形成基板が形成できる。
また、ドライエッチングを用いることで連通部の微細加工が可能となり、したがって該連通部により連通されたキャビティは高密度に配置された状態で加工されることとなる。さらにウエットエッチングのようにエッチング液がリザーバ形成基板の裏面側に回り込むことによる不良の発生を防止し、液滴吐出ヘッドにおける歩留まりを向上できる。
【0008】
また、前記流路側基板に対してドライエッチングによるパターニング工程で、前記連通部と前記キャビティとを同時に形成することが好ましい。
このようにすれば、流路側基板に対してドライエッチングを行った際に、連通部とキャビティとを同時に形成することが可能となる。よって、液滴吐出ヘッドを製造する工程を簡略化することができる。
【0009】
また、前記液滴吐出ヘッドの製造方法においては、前記リザーバ形成基板側を支持体に貼り付けた後、前記流路側基板にドライエッチングを行う工程の前に、前記流路側基板を薄型加工する工程を備えたことが好ましい。
薄い流路側基板は、割れ等が生じやすいことから、その取り扱いが難しくなってしまう。一方、例えばリザーバ形成基板に厚みのある流路側基板を貼り合わせると、流路側基板は割れにくくなり、その取り扱いが容易となるが、該流路側基板をエッチングする量が増加してドライエッチング工程に時間がかかる。
そこで、本発明を採用すれば、ドライエッチング前の流路側基板に対し、例えば研磨等の薄型加工を行うので、厚みのある流路側基板であってもドライエッチング工程に時間がかかることがない。このように、液滴吐出ヘッドを製造する際に、厚みのある流路側基板を扱うことが可能となり、搬送時における流路側基板の割れを防止し、その取り扱いが容易なものとなる。
【0010】
また、前記液滴吐出ヘッドの製造方法においては、前記支持基板は、基板と剥離層と樹脂層とが順に積層された構成からなるものとすることが好ましい。
このようにすれば、リザーバ形成基板と支持体とを貼り付けた際に、リザーバ形成基板と支持体との間における凹凸部分を樹脂層が埋め込んで吸収し、前記リザーバ形成基板と前記支持体とを前記樹脂層を介して密着させることで強固な接合が可能となる。また、前記接着層は剥離層を含んでいるので、剥離層を除去することで前記リザーバ形成基板から前記基板を剥離することができる。
このとき、前記支持基板を構成する前記基板をガラスからなるものとすることが好ましい。
このようにすれば、ガラスを用いることで支持基板のコストを抑えることができ、流路形成基板の加工コストを低減することができる。また、光を透過するガラスを用いることで、例えば光エネルギにより剥離が生じる材料を用いることで、支持基板に光を照射することで、基板をリザーバ形成基板から容易に剥離することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
なお、以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。水平面内における所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれに直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。
【0012】
(液滴吐出ヘッド)
図1は、本実施形態における液滴吐出ヘッドの製造方法を用いることで形成された液滴吐出ヘッドを示す分解斜視図であり、図2は、液滴吐出ヘッドを下側から見た斜視構成図の一部破断図、図3は、図1の平面図及び断面図である。なお、図中符号1は、液滴吐出ヘッドである。
【0013】
本実施形態の液滴吐出ヘッド1は、機能液を液滴上にしてノズルから吐出するものである。図1に示すように、液滴吐出ヘッド1は、液滴が吐出されるノズル開口15を備えたノズルプレート20と、ノズルプレート20の上面に接続されてインク流路14を備える流路形成基板10と、該流路形成基板10の上面に接続されて圧電素子300の駆動によって変位する弾性板50と、弾性板50の上面に接続されてリザーバ部31が形成されるリザーバ形成基板30と、リザーバ形成基板30上に設けられた前記圧電素子300を駆動するための駆動回路部110とを備えて構成されている。
【0014】
前記流路形成基板10は、後述するように、シリコン単結晶基板からなる前駆体としての流路側基板から形成されたもので、この流路形成基板10の上面側(+Z方向)には予め熱酸化により形成した二酸化シリコンからなる、厚さ1〜2μmの弾性膜50が形成されている。
【0015】
一方、流路形成基板10には、図2に示すように、シリコン単結晶基板に後述する製造方法としてのドライエッチングによるパターニング工程によって、複数の平面視略櫛歯状の開口領域が区画形成されており、これらの開口領域のうち、X方向に延びて形成された部分が、ノズルプレート20と弾性板50とにより囲まれることで圧力発生室(キャビティ)12を形成している。そして、液滴吐出ヘッド1の動作時には圧力発生室12に機能液を収容し、圧力発生室12に印加される圧力によってノズル開口15から機能液を吐出するようになっている。なお、櫛歯状の開口領域は、ドライエッチングによるパターニングによって形成されているので、微細かつ高精度なものとなっている。
【0016】
また、複数の隔壁11により区画された圧力発生室12がX方向に2列並設され、上記平面視略櫛歯状の開口領域のうち、図示Y方向に延びて形成された部分が、各圧力発生室12を連通させる連通部13を形成している。この連通部13は、図1に示されるように、リザーバ形成基板30のリザーバ部31に連通し、共通のインク室として機能するリザーバ100の一部を構成している。ここで、リザーバ100とは、圧力発生室12に供給する機能液(インク)を予備的に保持する空間である。
【0017】
また、各圧力発生室12の一端部には、前記連通部13の一部であるインク供給路14が設けられていて、連通部13によって各圧力発生室12が連通されるようになっている。各圧力発生室12の一端に連通する各インク供給路14は、圧力発生室12より浅く形成されており、圧力発生室12に流入するインクの流路抵抗を一定に保持している。
【0018】
ここで、上記流路形成基板10の厚さは、圧力発生室12を配列密度に合わせて最適な厚さを選択すればよく、例えば、180dpi程度の配列密度であれば、流路形成基板10の厚さは、220μm程度であればよいが、圧力発生室12を200dpi以上と比較的高密度に配列する場合には、流路形成基板10の厚さを100μm以下と比較的薄くするのが好ましい。これは、隣接する圧力発生室12間の隔壁11の剛性を保ちつつ、配列密度を高くできるからである。また、インク滴吐出圧力をインクに与える圧力発生室12の大きさ、及びインク滴を吐出するノズル開口15の大きさは、吐出するインク滴の量、吐出スピード、吐出周波数に応じて定められている。
【0019】
図1、図2に示すように、ノズルプレート20は、流路形成基板10における−Z側に設けられていて、このノズルプレート20と流路形成基板10とは、例えば接着剤や熱溶着フィルム等を介して固定されている。なお、前記ノズルプレート20は、厚さが例えば、0.1〜1mmで、線膨張係数が300℃以下で、例えば2.5〜4.5[×10−6/℃]であるガラスセラミックス、又は不錆鋼などからなる。
【0020】
前記ノズルプレート20は、一方の面で流路形成基板10の一面を全面的に覆い、シリコン単結晶基板を衝撃や外力から保護する補強板の役目も果たす。また、ノズルプレート20は、流路形成基板10と熱膨張係数が略同一の材料で形成するようにしてもよい。この場合には、流路形成基板10とノズルプレート20との熱による変形が略同一となるため、熱硬化性の接着剤等を用いて容易に接合することができる。
【0021】
ノズルプレート20に設けられた複数のノズル開口15はY方向に配列されており、本実施形態では、ノズルプレート20上の複数の領域に配列された一群のノズル開口15を、それぞれ第1ノズル開口群15A、第2ノズル開口群15B、第3ノズル開口群15C、及び第4ノズル開口群15Dと称する。
【0022】
図2に示したように、第1ノズル開口群15Aと第2ノズル開口群15BとはX軸方向に関して互いに対向するように配置されている。第3ノズル開口群15Cは第1ノズル開口群15Aの+Y側に設けられており、第4ノズル開口群15Dは第2ノズル開口群15Bの+Y側に設けられている。これら第3ノズル開口群15Cと第4ノズル開口群15DとはX軸方向に関して互いに対向するように配置されている。
なお、図2では各ノズル開口群15A〜15Dのそれぞれは6個のノズル開口15によって構成されているように示されているが、実際には各ノズル開口群は、例えば720個程度のノズル開口15によって構成されるものである。
【0023】
各圧力発生室12とノズル開口15とは、対応するように設けられている。すなわち、圧力発生室12は、第1〜第4ノズル開口群15A〜15Dのそれぞれを構成する複数のノズル開口15に対応するように、Y軸方向に複数並んで設けられている。そして、第1ノズル開口群15Aに対応して複数形成された圧力発生室12が第1圧力発生室群12Aを構成し、第2ノズル開口群15Bに対応して複数形成された圧力発生室12が第2圧力発生室群12Bを構成し、第3ノズル開口群15Cに対応して複数形成された圧力発生室12が第3圧力発生室群12Cを構成し、第4ノズル開口群15Dに対応して複数形成された圧力発生室12が第4圧力発生室群12Dを構成している。
第1圧力発生室群12Aと第2圧力発生室群12BとはX軸方向に関して互いに対向するように配置されており、それらの間には隔壁10Kが形成されている。同様に、第3圧力発生室群12Cと第4圧力発生室群12Dとの間にも隔壁10Kが形成されており、それらはX軸方向に関して互いに対向するように配置されている。
【0024】
第1圧力発生室群12Aを形成する複数の圧力発生室12の基板中央部側(−X側)の端部は上述した隔壁10Kによって閉塞されているが、基板外縁部側(+X側)の端部は互いに接続するように集合され、リザーバ100と接続されている。図3に示す機能液の経路をみると、インク導入口44より導入されたインクは、インク導入路34を経てリザーバ100に流れ込み、供給路14を経て、第1圧力発生室群12Aを構成する複数の圧力発生室12のそれぞれに供給されるようになっている。
【0025】
また、第2、第3、第4圧力発生室群12B、12C、12Dのそれぞれを構成する圧力発生室12のそれぞれにも、上述と同様のリザーバ100が接続されており、それぞれ供給路14を介して連通された圧力発生室群12B〜12Dに供給される機能液の一時貯留部を構成している。
【0026】
一方、図3に示すように、流路形成基板10に形成されている弾性膜50上には、例えば約0.2μmの厚みの下電極膜60と、約1μmの厚みの圧電体層70と、約0.1μmの厚みの上電極膜80とが積層形成されて、圧電素子300が構成されている。ここで、圧電素子300とは、下電極膜60、圧電体層70、及び上電極膜80を含む部分をいう。一般的には、圧電素子300の何れか一方の電極を共通電極とし、他方の電極及び圧電体層70を各圧力発生室12毎にパターニングして構成する。そして、ここではパターニングされた何れか一方の電極及び圧電体層70から構成され、両電極への電圧の印加により歪みが生じる部分を圧電体能動部という。本実施形態では、下電極膜60は圧電素子300の共通電極とし、上電極膜80を圧電素子300の個別電極としているが、駆動回路や配線の都合でこれを逆にしても支障はない。何れの場合においても、各圧力発生室毎に圧電体能動部が形成されていることになる。
そして、圧電素子300は、複数のノズル開口15及び圧力発生室12のそれぞれに対応するように複数設けられている。
【0027】
また、このような圧電素子300には、駆動回路110と接続させるための、例えば、金(Au)等からなるリード電極90が引き出し配線として形成されている。すなわち、各リード電極90は、上電極膜80の各圧力発生室12の列間側の端部近傍から弾性膜50上までそれぞれ延設されている。なお、詳しくは後述するが、各リード電極90は、リザーバ形成基板30の貫通孔33に対向する領域まで延設されており、その端部近傍と駆動回路110とが、貫通孔33を介して延設される接続配線120によって電気的に接続されている。
【0028】
このような圧電素子300が形成された流路形成基板10上には、リザーバ100の一部を構成するリザーバ部31が形成されたリザーバ形成基板30が接合されている。このリザーバ部31は、リザーバ形成基板30の厚さ方向(図1中のZ方向)に貫通し、圧力発生室12の幅方向(図1中のY方向)に亘って形成されており、上述のように流路形成基板10の連通部13と連通することで、各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバ100を構成している。
【0029】
また、リザーバ形成基板30の圧電素子300に対向する領域には、圧電素子300の動作を阻害しない程度の空間を確保した状態で、その空間を密封可能な圧電素子保持部32が圧力発生室12に対応してそれぞれ設けられ、各圧電素子保持部32内に圧電素子300が密封されている。なお、本実施形態では、圧電素子保持部32が圧電素子300の列毎に設けられているが、勿論、この圧電素子保持部32は、圧電素子300毎に独立して設けるようにしてもよい。
【0030】
また、リザーバ形成基板30の略中央部、すなわち、圧力発生室12の列間に対向する領域には、リザーバ形成基板30を厚さ方向に貫通する貫通孔33が設けられている。そして、上述したように、各圧電素子300から延設されるリード電極90が、この貫通孔33に対向する領域まで延設され、その端部近傍が露出している。
【0031】
また、リザーバ形成基板30の貫通孔33の両側、すなわち、圧力発生室12の各列に対応する部分には、各圧電素子300を駆動するための、例えば、回路基板、あるいは半導体集積回路(IC)等の駆動回路110がそれぞれ実装されている。例えば、本実施形態では、貫通孔33の両側に実装された各駆動回路110は、それぞれの駆動回路110に対向する領域に設けられた圧電素子300を駆動するためのものである。そして、各駆動回路110と各圧電素子300から延設されたリード電極90とが、貫通孔33を介して延設された、例えば導電性ワイヤからなる接続配線120によってそれぞれ電気的に接続されている(図3(b)参照)。
【0032】
リザーバ形成基板30上には、封止膜41及び固定板42とからなるコンプライアンス基板40が接合されている。ここで、封止膜41は、剛性が低く可撓性を有する材料(例えば、厚さが6μmのポリフェニレンサルファイド(PPS)フィルム)からなり、この封止膜41によってリザーバ部31の一方面が封止されている。また、固定板42は、金属等の硬質の材料(例えば、厚さが30μmのステンレス鋼(SUS)等)で形成される。この固定板42のリザーバ100に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部43となっているため、リザーバ100の一方面は可撓性を有する封止膜41のみで封止され、内部圧力の変化によって変形可能な可撓部35となっている。また、このリザーバ100の長手方向略中央部外側のコンプライアンス基板40上には、リザーバ100にインクを供給するためのインク導入口44が形成されている。さらに、リザーバ形成基板30には、インク導入口44とリザーバ100の側壁とを連通するインク導入路34が設けられている。
また、液滴吐出ヘッド1は、図示しない外部インク供給手段と接続したインク導入口44からインクを取り込み、リザーバ100からノズル開口15に至るまで内部をインクで満たした後、駆動回路110からの記録信号に従い、圧力発生室12に対応するそれぞれの下電極膜60と上電極膜80との間に電圧を印加し、弾性膜50、下電極膜60及び圧電体層70をたわみ変形させることにより、各圧力発生室12内の圧力が高まりノズル開口15からインク滴が吐出できる。
【0033】
(液滴吐出ヘッドの製造方法)
ここで、上述した液滴吐出ヘッド1を製造する方法の、一実施形態について図4〜図6を参照にして説明する。なお、図4〜図6に示される製造工程は、図3(b)に示した液滴吐出ヘッド1の断面に対応するものである。
まず、流路形成基板10の前駆体となる流路側基板には、予め圧電素子300が形成されている。ここで、本発明の製造工程を説明するに際して、前記流路側基板に圧電素子300を形成する工程について説明する。
【0034】
ここで、流路側基板の厚みが薄いと、割れ等が生じやすいことから、その取り扱いが難しくなってしまう。一方、例えば厚みのある流路側基板を用いることで割れにくくなって、その取り扱いが容易となるが、該流路側基板をエッチングする量が増加して、後述するドライエッチング工程に時間がかかってしまう。
そこで、本実施形態では、後述するように、ドライエッチング前に流路側基板に対して、例えば研磨等の薄型加工を行っているので、厚い流路側基板を用いることが可能となって、液滴吐出ヘッドを製造する際の流路側基板の取り扱いが容易になり、さらには厚みのある流路側基板に対しドライエッチングを良好に行うことができるようにしている。
【0035】
まず、シリコン単結晶基板から構成された流路側基板の一方の面上に、約1100℃の拡散炉で熱酸化して二酸化シリコンからなる弾性膜50を形成する。次に、スパッタリングで下電極膜60を弾性膜50の全面に形成後、白金(Pt)からなる下電極膜60をパターニングして全体パターンを形成する。
そして、金属有機物を触媒に溶解・分散したいわゆるゾルを塗布乾燥してゲル化し、さらに高温で焼成することで金属酸化物からなる圧電体層70を得る、いわゆるゾル−ゲル法を用いて形成することにより、結晶が配向している圧電体層70とした。圧電体層70の材料としては、チタン酸ジルコン酸鉛系の材料が液滴吐出ヘッドに使用する場合には好適である。なお、このように薄膜工程で製造された圧電体層の厚さは、一般的に0.2〜5μmである。
次に、白金をスパッタリングすることで、上電極膜80を成膜した後、圧電体層70及び上電極膜80のみをエッチングして圧電素子300のパターニングを行う。ここで、本実施形態では、例えば金(Au)等からなるリード電極90を流路形成基板10の全面に亘って形成すると共に、各圧電素子300毎にパターニングする。このようにして、流路側基板10a上に圧電素子300が形成される。
以下、上述した方法によって形成された圧電素子300が形成された流路側基板10aを用いてヘッドを製造する工程について説明する。
【0036】
まず、図4(a)に示すように、上記流路側基板10aと、リザーバ形成基板30とを貼り合わせた後、該リザーバ形成基板30側を支持基板に保持する工程を行う。
ここで、リザーバ形成基板30には、前述した貫通孔33及び圧電素子保持部32とが、予めドライエッチングやウエットエッチングによってパターニングされることで形成されている。また、リザーバ形成基板30としては、流路側基板10aの熱膨張率と略同一の材料、例えば、ガラス、セラミック材料等を用いることが好ましく、本実施形態では、流路側基板10aと同一材料のシリコン単結晶基板が用いられている。
【0037】
具体的には、リザーバ形成基板30と流路側基板10aとを接着剤等によって貼り合わせる。このとき、リザーバ形成基板30は、各リード電極90が貫通孔33内に所定量突出した状態で流路形成基板10に接合されるようにしている。
【0038】
支持基板400は、基板400aと剥離層400bと樹脂層400cとが順に積層されて構成されている。基板400aの構成材料として透過部材であるガラスを用いるのは、リザーバ形成基板30から支持基板400を剥離する際に、支持基板400の裏面に照射される剥離エネルギーを有する光を、剥離層400bに確実に到達させるためである。
また、ガラスを用いることで支持基板400のコストを抑えることができ、流路側基板10aの加工コストを低減することができる。さらに、光を透過するガラスを用いることで、基板400aに光を照射するだけで、基板400aをリザーバ形成基板30から容易に剥離することが可能となっている。
【0039】
支持基板400の平面形状は、前記流路側基板10aとリザーバ形成基板30とが張り合わされた接合体200に応じて定められていて、本例では、前記接合体200に比べて、支持基板400の外径の方が大きくなっている。このように、接合体200に対して支持基板400の外径が大きいことで、リザーバ形成基板30と支持基板400との貼り合わせ時において、両者の中心位置がわずかにずれた場合でも、支持基板400から接合体200の縁部がはみ出ないようにするためである。このように、本例では、接合体200の縁部のはみ出しを防止することで、接合体200の搬送時に、例えば接合体200の縁が他の物体と接触して破損するなどの不具合の発生を防止できる。
【0040】
なお、上記支持基板400の裏面の外周部に、例えばAl等の導電膜や、ポリシリコンなどからなる半導体膜を設けることで、このような膜を帯電させることにより、静電気力を利用して、支持基板400における静電吸着を可能としてもよい。このような静電吸着技術は、搬送の安定化、加工基板の大サイズ化、パーティクルの低減化などを図りやすいという利点を有している。このように、支持基板400の静電吸着を可能とすることで、例えば静電吸着が必要となる、エッチング装置によるエッチング工程が可能となる。
【0041】
また、樹脂層400cは、例えば、熱硬化性接着剤が用いられる。また、樹脂層400cとしては、耐ドライエッチング性の高い材料からなるのが望ましい。これは、後述するドライエッチング処理の工程において、該樹脂層400cによってエッチングの進行を止めることができ、流路側基板10aにおけるエッチングの終了点を容易に把握することが可能となる。さらに、樹脂層400cは、熱伝導性の高い材料からなるのが望ましい。このようにすれば、後述するドライエッチング処理の工程において、流路側基板10a及びリザーバ形成基板30全体の熱伝導性を向上させ、エッチング特性を安定させることができる。
【0042】
樹脂層400cの配置方法としては、各種印刷法の他に、インクジェット法、粉末ジェット法、スキージング法、スピンコート法、スプレーコート法、ロールコート法等の塗布法の種々の公知技術が用いられる。なお、樹脂層400cは、リザーバ基板30から基板400aが剥離された後、溶剤等により溶解されて除去されることで、支持基板400が剥離されることとなる。
【0043】
剥離層400bは、レーザ光等の照射光により当該層内や界面において剥離(「層内剥離」又は「界面剥離」ともいう)が生じる材料からなる。即ち、一定の強度の光を照射することにより、構成物質を構成する原子又は分子における原子間又は分子間の結合力が消失し又は減少し、アブレーション(ablation)等を生じ、剥離を起こすものである。また、照射光の照射により、剥離層400bに含有されていた成分が気体となって放出され分離に至る場合と、剥離層400bが光を吸収して気体になり、その蒸気が放出されて分離に至る場合とがある。
【0044】
剥離層400bの組成としては、例えば、非晶質シリコン(a−Si)が採用され、また、当該非晶質シリコン中に水素(H)が含有されていてもよい。水素が含有されていると、光の照射により、水素が放出されることにより剥離層400bに内圧が発生し、これが剥離を促進するので好ましい。この場合の水素の含有量は、2at%程度以上であることが好ましく、2〜20%at%であることが更に好ましい。水素の含有量は、成膜条件、例えば、CVD法を用いる場合には、そのガス組成、ガス圧力、ガス雰囲気、ガス流量、ガス温度、基板温度、投入するパワー等の条件を適宜設定することによって調整する。この他の剥離層材料としては、酸化ケイ素もしくはケイ酸化合物、窒化ケイ素、窒化アルミ、窒化チタン等の窒化セラミックス、有機高分子材料(光の照射によりこれらの原子間結合が切断されるもの)、金属、例えば、Al、Li、Ti、Mn、In、Sn、Y、La、Ce、Nd、Pr、GdもしくはSm、又はこれらのうち少なくとも一種を含む合金が挙げられる。
【0045】
剥離層400bの形成方法は、均一な厚みで剥離層400bを形成可能な方法であればよく、剥離層400bの組成や厚み等の諸条件に応じて適宜選択することが可能である。例えば、CVD(MOCCVD、低圧CVD、ECR−CVD含む)法、蒸着、分子線蒸着(MB)、スパッタリング法、イオンドーピング法、PVD法等の各種気相成膜法、電気めっき、浸漬めっき(ディッピング)、無電解めっき法等の各種めっき法、ラングミュア・プロジェット(LB)法、スピンコート法、スプレーコート法、ロールコート法等の塗布法、各種印刷法、転写法、インクジェット法、粉末ジェット法等に適用できる。これらのうち2種以上の方法を組み合わせてもよい。
【0046】
特に剥離層400bの組成が非晶質シリコン(a−Si)の場合には、CVD法、特に低圧CVDやプラズマCVDにより成膜するのが好ましい。また、剥離層400bをゾル−ゲル法によりセラミックを用いて成膜する場合や有機高分子材料で構成する場合には、塗布法、特にスピンコートにより成膜するのが好ましい。
このような樹脂層400c、及び剥離層400bを有した支持基板400を用いている。
【0047】
図4(b)に示すように、前記リザーバ形成基板30側を支持基板400に保持する。
接合体200を上下反転させた上で、リザーバ形成基板30側に前述した支持基板400を保持する。すなわち、支持基板400に、予め前述した剥離層400bを形成しておき、前述した樹脂層400cを介して接合体200に接合する。ここで、リザーバ形成基板30には、上述したように貫通孔33及び圧電素子保持部32とが予め形成されていることから、リザーバ形成基板30と支持体400との間に凹凸部分が生じている。このとき、リザーバ形成基板30と支持体400との間における凹凸部分を樹脂層400cが埋め込むことで吸収し、前記リザーバ形成基板30と前記支持体400とが前記樹脂層400cを介して密着し強固に接合することができる。
【0048】
このように、流路側基板10aとリザーバ形成基板30とを貼り合わせた後、該リザーバ形成基板30側を支持体400に保持しているので、前記流路側基板10a及び前記リザーバ形成基板30は、前記支持体400により高い剛性を有した状態となる。具体的には、リザーバ形成基板30の凹凸部分に樹脂層400cが埋め込まれることで、流路側基板10a及びリザーバ形成基板30の剛性が向上している。
【0049】
ここで、前記流路側基板10aにドライエッチングを行う工程の前に、前記流路側基板10aを薄型加工する工程を行う。
具体的には、支持基板400に保持された接合体200の流路側基板10aに対して、バックグラインドを行い薄型加工する。このバックグラインドとしては、例えば研削処理、あるいは研磨処理等の薄型加工が施される。
ここで、バックグラインド処理された流路側基板10aの表面は、破砕層が形成される。この破砕層は、流路側基板10aに割れ等を生じさせるおそれがあることから、図4(c)に示すように、例えばフッ酸等を用いたウエットエッチングを行うことにより除去しておくことが望ましい。
このようにして、薄型加工が施された流路側基板10aが得られる。
【0050】
本発明では、ドライエッチング前に、厚みのある流路形成基板10aに対しバックグラインドを行っているので、リザーバ形成基板30に厚みのある流路側基板10aを貼り付けているので、流路側形成基板10aにおける取り扱いが容易となり、さらには後述するドライエッチング工程を薄厚化された流路側基板10aに対して良好に行うことができる。
【0051】
続いて、前記接合体200を前記支持体400に保持したまま、前記流路側基板10aに対してドライエッチングによるパターニングを行うことで、連通部13を形成する工程を行う。なお、本実施形態では、前記流路側基板10aへのドライエッチングによるパターニング工程時に、同時に圧力発生室12の形成を行っている。よって、液滴吐出ヘッド1を製造する工程の簡略化を図ることができる。
【0052】
具体的に、ドライエッチングによるパターニング工程としては、図5(a)に示すようにして、流路側基板10aの前面にレジストRを塗布した後、フォトリソグラフィ法を用いることで、所望の形状のマスクMを形成する。
そして、マスクMを介してドライエッチングを行うことにより、流路側基板10aに連通部13及び圧力発生室12を形成する。このようなエッチング法としては、Si高速エッチング法(例えば、特開2002−93776号公報に記載されている。)やボッシュプロセス法(例えば、米国特許5501893号明細書に記載されている。)を用いることができる。
【0053】
これらのエッチング方法によれば、20μm/分以上の高速なエッチングが可能であり、連通部13及び圧力発生室12を迅速に形成することができ、工数を節約して効率的に形成することが可能となる。
ドライエッチングを行っている間、上述したように流路側基板10aは、支持基板400に支持されることで高い剛性を有しているので、ドライエッチングによる衝撃や振動による流路側基板10aの割れやエッチング加工が不良になることがなくなって、連通部13及び圧力発生室12が良好に形成された流路形成基板10aを得ることができる。
【0054】
このドライエッチングによるパターニング工程は、マスクの形状及びエッチング工程を複数回繰り返すことが好ましく、このようにすれば、図1に示した形状を有する連通部13及び圧力発生室12を確実に形成できる。また、連通部13を形成する際に、このドライエッチングでは、リザーバ形成基板30のリザーバ部31内に埋め込まれている樹脂層400cがエッチストッパーとして機能し、エッチングは流路側基板10aを貫通したところで停止する。
なお、前記連通部13の一部であるインク供給路14は、圧力発生室12に比べて、エッチング量が少ないが、例えば該インク供給路14に対応する位置に別途マスクを設けたり、エッチング時間を調節することにより形成できる。
【0055】
本実施形態では、流路形成基板10を形成するに際し、ウエットエッチングに比べ加工精度の高いドライエッチングによるパターニングを行っているので、微細な形状の連通部13及び圧力発生室12の加工が可能となる。よって、連通部13が微細な状態に加工されることにより、該連通部13により連通される圧力発生室12を高密度に配置された状態に形成することができる。
また、ドライエッチングを用いたことにより、ウエットエッチングのようにエッチング液がリザーバ形成基板30の裏面側に回り込んで、不良を発生することを防止し、液滴吐出ヘッド1における歩留まりが向上する。
このようにして、流路側基板10aに圧力発生室(キャビティ)12及び連通部13を形成することにより、流路形成基板10が形成されることとなる。
流路形成基板10を形成した後、上記のドライエッチング工程に用いられたマスクMを、例えばOプラズマを用いることで除去する。
【0056】
続いて、前記リザーバ形成基板30から前記支持基板400を剥離する工程を行う。上述したように、支持基板400は、剥離層400bを備えている。そこで、基板400a側から、例えばレーザ光等の照射光を照射する。このとき、ガラスから構成された基板400aを光が透過し、剥離層400bに剥離を生じさせ、図6(a)に示すように、リザーバ形成基板30から基板400aが剥離される。
その後、リザーバ形成基板30に密着している樹脂層400bを溶剤などを用いて溶解することで、図6(b)に示すように、支持基板400は前記リザーバ形成基板30から完全に剥離された状態となる。
【0057】
続いて、図6(c)に示すように、流路形成基板10のリザーバ形成基板30とは反対側の面にノズル開口15が穿設されたノズルプレート20を接合すると共に、リザーバ形成基板30上に封止膜41及び固定板42とからなるコンプライアンス基板40を接合する。
さらに、貫通孔33の両側のリザーバ形成基板30上に圧電素子300を駆動させる駆動回路110をそれぞれ実装する。そして、例えば、ワイヤボンディング等によって接続配線120を形成して、各駆動回路110と各リード電極90とを電気的に接続する。
これにより、液滴吐出ヘッド1が製造される。
【0058】
本実施形態の液滴吐出ヘッド1の製造方法によれば、流路形成基板10の前駆体となる流路側基板10aとリザーバ形成基板30とを貼り合わせた後、該リザーバ形成基板側30を支持体400に保持して、高い剛性を有した流路側基板10aに対しドライエッチングによるパターニングを行うことで、連通部13及び圧力発生室12を良好に形成できる。
また、ドライエッチングを用いることで連通部13の微細加工が可能となり、したがって該連通部13により連通される圧力発生室12は高密度に配置されることとなる。さらに、流路形成基板10を形成するに際し、ウエットエッチングを用いないので、エッチング液の回り込みによる不良の発生を防止して液滴吐出ヘッド1の歩留まりを向上できる。
【0059】
以上、添付図面を参照しながら本発明についての好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。例えば、本実施形態では、連通部13を形成する際のドライエッチング工程において、同時に圧力発生室12を形成したが、本発明はこれに限定されることなく、例えば圧力発生室を別のエッチング工程で形成するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本実施形態の液滴吐出ヘッドの分解斜視図である。
【図2】液滴吐出ヘッドを下側から見た斜視図である。
【図3】(a)は液滴吐出ヘッドの平面図、(b)は(a)の側断面図である。
【図4】液滴吐出ヘッドの製造工程を説明する図である。
【図5】図4に続く液滴吐出ヘッドの製造工程を説明する図である。
【図6】図5に続く液滴吐出ヘッドの製造工程を説明する図である。
【符号の説明】
【0061】
1…液滴吐出ヘッド、10…流路形成基板、10a…流路側基板、12…圧力発生室(キャビティ)、13…連通部、30…リザーバ形成基板、31…リザーバ部、400…支持基板、400a…基板、400b…剥離層、400c…樹脂層





 

 


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