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発明の名称 印刷装置、印刷装置制御プログラム及び印刷装置制御方法、並びに印刷用データ生成装置、印刷用データ生成プログラム及び印刷用データ生成方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−8177(P2007−8177A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2006−287365(P2006−287365)
出願日 平成18年10月23日(2006.10.23)
代理人 【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
発明者 荒崎 真一
要約 課題
飛行曲がり現象が要因のバンディング現象による画質の劣化及びインクの吐出不良による画質の劣化を回避または低減できると共に、当該画質の劣化を回避または低減するため処理の実行範囲を制御することができる新規な印刷装置、印刷装置制御プログラム及び印刷装置制御方法、並びに印刷用データ生成装置、印刷用データ生成プログラム及び印刷用データ生成方法を提供する。

解決手段
印刷装置100を、画像データを取得する画像データ取得部10と、当該取得した画像データから画像特徴量を抽出する画像特徴量抽出部11と、画像特徴量に基づき、バンディング現象に関与するノズルに対してバンディング回避処理を伴うN値化処理を行うか否かを判定し、当該判定結果に基づきN値化処理を行うことで印刷用データを生成する印刷用データ生成部12と、印刷用データに基づき印刷処理を行う印刷部13とを含んだ構成となっている。
特許請求の範囲
【請求項1】
印刷に用いる媒体にドットを形成可能な複数のノズルを有する印刷ヘッドによって、前記媒体に画像を印刷する印刷装置であって、
バンディング現象による印刷画質の劣化を低減するための印刷処理を実行可能な印刷手段と、
前記各ノズルの特性を示すノズル情報及び前記画像の所定領域毎の特徴情報に基づき、前記劣化を低減するための印刷処理を制御する印刷制御手段と、を備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
印刷に用いる媒体にドットを形成可能な複数のノズルを有する印刷ヘッドによって、前記媒体に画像を印刷する印刷装置であって、
前記各ノズルの特性を示すノズル情報を記憶するノズル情報記憶手段と、
前記画像を構成するM値(M≧2)の画素値に対応した複数の画素データを有する画像データを取得する画像データ取得手段と、
前記画像データから所定の前記画素データを選択する画素データ選択手段と、
前記ノズル情報に基づき、前記選択した画素データがバンディング現象に関与しているか否かを判定するバンディング判定手段と、
前記バンディング判定手段において、前記画像データから、前記バンディング現象に関与すると判定された画素データの画素を含んで構成される所定領域の画像の特徴情報を抽出する特徴情報抽出手段と、
前記特徴情報に基づき、前記バンディング現象による印刷画質の劣化が目立つか否かを判定する劣化度判定手段と、
前記画像データの各画素値毎のドット形成内容に関する情報を有する印刷用データを生成する印刷用データ生成手段と、
前記印刷用データに基づき、前記印刷ヘッドによって前記画像を前記媒体に印刷する印刷手段と、を備え、
前記印刷用データ生成手段は、前記劣化度判定手段において前記印刷画質の劣化が目立つと判定された前記所定領域の画像の一部又は全部の画素データに対してのみ、バンディング現象による印刷画質の劣化を低減するための情報を含む前記ドット形成内容に関する情報の生成処理を行うことを特徴とする印刷装置。
【請求項3】
前記劣化度判定手段は、前記特徴情報の示す特徴量と所定閾値とを比較し、前記特徴量が前記所定閾値以上である場合に、前記バンディング現象による印刷画質の劣化が目立つと判定することを特徴とする請求項2記載の印刷装置。
【請求項4】
前記画像データを複数の画像データ領域に分割する領域分割手段を備え、
前記各画像データ領域の画像を、前記所定領域の画像とし、
前記特徴情報抽出手段は、前記所定領域の画像毎に前記特徴情報を抽出することを特徴とする請求項2又は請求項3記載の印刷装置。
【請求項5】
前記特徴情報は、前記所定領域の画像の濃度情報を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記特徴情報抽出手段は、前記印刷ヘッドに対応するインクの色毎に前記濃度情報を抽出することを特徴とする請求項5記載の印刷装置。
【請求項7】
前記印刷用データ生成手段は、前記劣化判定手段において前記印刷画質の劣化が目立つと判定され、且つ前記濃度情報の示す濃度値が所定濃度値以上となる前記所定領域の画像の一部又は全部の画素データに対してのみ、バンディング現象による印刷画質の劣化を低減するための情報を含む前記ドット形成内容に関する情報の生成処理を行うことを特徴とする請求項5又は請求項6記載の印刷装置。
【請求項8】
前記印刷用データ生成手段は、前記劣化判定手段において前記印刷画質の劣化が目立つと判定され、且つ前記濃度情報の示す濃度値が中間調の濃度範囲に含まれる前記所定領域の画像の一部又は全部の画素データに対してのみ、バンディング現象による印刷画質の劣化を低減するための情報を含む前記ドット形成内容に関する情報の生成処理を行うことを特徴とする請求項5又は請求項6記載の印刷装置。
【請求項9】
前記特徴情報は、前記所定領域の画像の周波数情報を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項10】
前記周波数情報は、前記所定領域の画像のエッジ情報を含むことを特徴とする請求項9記載の印刷装置。
【請求項11】
前記特徴情報抽出手段は、前記印刷ヘッドに対応するインクの色毎の前記周波数情報を抽出することを特徴とする請求項9又は請求項10記載の印刷装置。
【請求項12】
前記印刷用データ生成手段は、前記劣化判定手段において前記印刷画質の劣化が目立つと判定され、且つ前記周波数情報の示す周波数が所定周波数以下の前記所定領域の画像の一部又は全部の画素データに対してのみ、前記ドット形成内容に関する情報として、バンディング現象による印刷画質の劣化を低減するための情報含む情報の生成処理を行うことを特徴とする請求項9乃至請求項11のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項13】
前記ノズル情報は、前記各ノズルのインクの吐出不良の有無を示す情報を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項14】
前記ノズル情報は、前記各ノズルの前記ドットの実際の形成位置と当該ドットの理想の形成位置との位置ずれ量の情報を含むことを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項15】
前記ノズル情報は、前記各ノズルが実際に形成するドットの濃度値と、当該ドットの理想の濃度値とのずれ量の情報を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項14のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項16】
前記印刷ヘッドは、前記印刷媒体の装着領域よりも広い範囲に亘って前記ノズルが連続して配列されており1回の走査で印刷可能な印刷ヘッドであることを特徴とする請求項1乃至請求項15のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項17】
前記印刷ヘッドは、前記印刷媒体の紙送り方向に直交する方向に往復動しながら印刷を実行する印刷ヘッドであることを特徴とする請求項1乃至請求項15のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項18】
印刷に用いる媒体にドットを形成可能な複数のノズルを有する印刷ヘッドによって、前記媒体に画像を印刷する印刷装置を制御するのに使用する印刷装置制御プログラムであって、
バンディング現象による印刷画質の劣化を低減するための印刷処理を実行する印刷ステップと、
前記各ノズルの特性を示すノズル情報及び前記画像の所定領域毎の特徴情報に基づき、前記劣化を低減するための印刷処理を制御する印刷制御ステップとからなる処理をコンピュータに実行させるのに使用するプログラムを含むことを特徴とする印刷装置制御プログラム。
【請求項19】
印刷に用いる媒体にドットを形成可能な複数のノズルを有する印刷ヘッドによって、前記媒体に画像を印刷する印刷装置を制御するのに使用する印刷装置制御プログラムであって、
前記画像を構成するM値(M≧2)の画素値に対応した複数の画素データを有する画像データを取得する画像データ取得ステップと、
前記画像データから所定の前記画素データを選択する画素データ選択ステップと、
前記ノズル情報に基づき、前記選択した画素データがバンディング現象に関与しているか否かを判定するバンディング判定ステップと、
前記バンディング判定ステップにおいて、前記画像データから、前記バンディング現象に関与すると判定された画素データの画素を含んで構成される所定領域の画像の特徴情報を抽出する特徴情報抽出ステップと、
前記特徴情報に基づき、前記バンディング現象による印刷画質の劣化が目立つか否かを判定する劣化度判定ステップと、
前記画像データの各画素値毎のドット形成内容に関する情報を有する印刷用データを生成する印刷用データ生成ステップと、
前記印刷用データに基づき、前記印刷ヘッドによって前記画像を前記媒体に印刷する印刷ステップとからなる処理をコンピュータに実行させるのに使用するプログラムを含み、
前記印刷用データ生成ステップにおいては、前記劣化度判定ステップにおいて前記印刷画質の劣化が目立つと判定された前記所定領域の画像の一部又は全部の画素データに対してのみ、バンディング現象による印刷画質の劣化を低減するための情報を含む前記ドット形成内容に関する情報の生成処理を行うことを特徴とする印刷装置制御プログラム。
【請求項20】
印刷に用いる媒体にドットを形成可能な複数のノズルを有する印刷ヘッドによって、前記媒体に画像を印刷する印刷装置を制御するのに使用する印刷装置制御方法であって、
バンディング現象による印刷画質の劣化を低減するための印刷処理を実行する印刷ステップと、
前記各ノズルの特性を示すノズル情報及び前記画像の所定領域毎の特徴情報に基づき、前記劣化を低減するための印刷処理を制御する印刷制御ステップと、を含むことを特徴とする印刷装置制御方法。
【請求項21】
印刷に用いる媒体にドットを形成可能な複数のノズルを有する印刷ヘッドによって、前記媒体に画像を印刷する印刷装置を制御するのに使用する印刷装置制御方法であって、
前記画像を構成するM値(M≧2)の画素値に対応した複数の画素データを有する画像データを取得する画像データ取得ステップと、
前記画像データから所定の前記画素データを選択する画素データ選択ステップと、
前記ノズル情報に基づき、前記選択した画素データがバンディング現象に関与しているか否かを判定するバンディング判定ステップと、
前記バンディング判定ステップにおいて、前記画像データから、前記バンディング現象に関与すると判定された画素データの画素を含んで構成される所定領域の画像の特徴情報を抽出する特徴情報抽出ステップと、
前記特徴情報に基づき、前記バンディング現象による印刷画質の劣化が目立つか否かを判定する劣化度判定ステップと、
前記画像データの各画素値毎のドット形成内容に関する情報を有する印刷用データを生成する印刷用データ生成ステップと、
前記印刷用データに基づき、前記印刷ヘッドによって前記画像を前記媒体に印刷する印刷ステップと、を含み、
前記印刷用データ生成ステップにおいては、前記劣化度判定ステップにおいて前記印刷画質の劣化が目立つと判定された前記所定領域の画像の一部又は全部の画素データに対してのみ、バンディング現象による印刷画質の劣化を低減するための情報を含む前記ドット形成内容に関する情報の生成処理を行うことを特徴とする印刷装置制御方法。
【請求項22】
印刷に用いる媒体にドットを形成可能な複数のノズルを有する印刷ヘッドによって、前記媒体に画像を印刷する印刷装置において使用される前記印刷用データを生成する印刷用データ生成装置であって、
前記各ノズルの特性を示すノズル情報を記憶するノズル情報記憶手段と、
前記画像を構成するM値(M≧2)の画素値に対応した複数の画素データを有する画像データを取得する画像データ取得手段と、
前記画像データから所定の前記画素データを選択する画素データ選択手段と、
前記ノズル情報に基づき、前記選択した画素データがバンディング現象に関与しているか否かを判定するバンディング判定手段と、
前記バンディング判定手段において、前記画像データから、前記バンディング現象に関与すると判定された画素データの画素を含んで構成される所定領域の画像の特徴情報を抽出する特徴情報抽出手段と、
前記特徴情報に基づき、前記バンディング現象による印刷画質の劣化が目立つか否かを判定する劣化度判定手段と、
前記画像データの各画素値毎のドット形成内容に関する情報を有する印刷用データを生成する印刷用データ生成手段と、を備え、
前記印刷用データ生成手段は、前記劣化度判定手段において前記印刷画質の劣化が目立つと判定された前記所定領域の画像の一部又は全部の画素データに対してのみ、バンディング現象による印刷画質の劣化を低減するための情報を含む前記ドット形成内容に関する情報の生成処理を行うことを特徴とする印刷用データ生成装置。
【請求項23】
印刷に用いる媒体にドットを形成可能な複数のノズルを有する印刷ヘッドによって、前記媒体に画像を印刷する印刷装置において使用される前記印刷用データを生成するのに使用する印刷用データ生成プログラムであって、
前記画像を構成するM値(M≧2)の画素値に対応した複数の画素データを有する画像データを取得する画像データ取得ステップと、
前記画像データから所定の前記画素データを選択する画素データ選択ステップと、
前記ノズル情報に基づき、前記選択した画素データがバンディング現象に関与しているか否かを判定するバンディング判定ステップと、
前記バンディング判定ステップにおいて、前記画像データから、前記バンディング現象に関与すると判定された画素データの画素を含んで構成される所定領域の画像の特徴情報を抽出する特徴情報抽出ステップと、
前記特徴情報に基づき、前記バンディング現象による印刷画質の劣化が目立つか否かを判定する劣化度判定ステップと、
前記画像データの各画素値毎のドット形成内容に関する情報を有する印刷用データを生成する印刷用データ生成ステップとからなる処理をコンピュータに実行させるのに使用するプログラムを含み、
前記印刷用データ生成ステップにおいては、前記劣化度判定ステップにおいて前記印刷画質の劣化が目立つと判定された前記所定領域の画像の一部又は全部の画素データに対してのみ、バンディング現象による印刷画質の劣化を低減するための情報を含む前記ドット形成内容に関する情報の生成処理を行うことを特徴とする印刷用データ生成プログラム。
【請求項24】
印刷に用いる媒体にドットを形成可能な複数のノズルを有する印刷ヘッドによって、前記媒体に画像を印刷する印刷装置において使用される前記印刷用データを生成するのに使用する印刷用データ生成方法であって、
前記画像を構成するM値(M≧2)の画素値に対応した複数の画素データを有する画像データを取得する画像データ取得ステップと、
前記画像データから所定の前記画素データを選択する画素データ選択ステップと、
前記ノズル情報に基づき、前記選択した画素データがバンディング現象に関与しているか否かを判定するバンディング判定ステップと、
前記バンディング判定ステップにおいて、前記画像データから、前記バンディング現象に関与すると判定された画素データの画素を含んで構成される所定領域の画像の特徴情報を抽出する特徴情報抽出ステップと、
前記特徴情報に基づき、前記バンディング現象による印刷画質の劣化が目立つか否かを判定する劣化度判定ステップと、
前記画像データの各画素値毎のドット形成内容に関する情報を有する印刷用データを生成する印刷用データ生成ステップと、を含み、
前記印刷用データ生成ステップにおいては、前記劣化度判定ステップにおいて前記印刷画質の劣化が目立つと判定された前記所定領域の画像の一部又は全部の画素データに対してのみ、バンディング現象による印刷画質の劣化を低減するための情報を含む前記ドット形成内容に関する情報の生成処理を行うことを特徴とする印刷装置制御方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファクシミリ装置や複写機、OA機器用の印刷装置等に用いられる印刷装置および印刷装置制御プログラム並びに印刷装置制御方法に係り、特に、複数色の液体インクの微粒子を印刷用紙(記録材)上に吐出して所定の文字や画像を描画するようにした、いわゆるインクジェット方式の印刷処理を行うのに好適な印刷装置、印刷装置制御プログラム及び印刷装置制御方法、並びに印刷用データ生成装置、印刷用データ生成プログラム及び印刷用データ生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
以下は、印刷装置、特にインクジェット方式を採用したプリンタ(以下、「インクジェットプリンタ」と称す)について説明する。
インクジェットプリンタは、一般に安価でかつ高品質のカラー印刷物が容易に得られることから、パーソナルコンピュータやデジタルカメラなどの普及に伴い、オフィスのみならず一般ユーザにも広く普及してきている。
【0003】
このようなインクジェットプリンタは、一般に、インクカートリッジと印刷ヘッドとが一体的に備えられたキャリッジなどと称される移動体が、印刷媒体(用紙)上を、その紙送り方向に対し垂直な方向に往復しながらその印刷ヘッドのノズルから液体インクの粒子をドット状に吐出(噴射)することで、印刷媒体上に所定の文字や画像を描画して所望の印刷物を作成するようになっている。そして、このキャリッジに黒色(ブラック)を含めた4色(ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン)のインクカートリッジと各色ごとの印刷ヘッドを備えることで、モノクロ印刷のみならず、各色を組み合わせたフルカラー印刷も容易に行えるようになっている(さらに、これら各色に、ライトシアンやライトマゼンタなどを加えた6色や7色、あるいは8色のものも実用化されている)。
【0004】
また、このようにキャリッジ上の印刷ヘッドを紙送り方向に対し垂直な方向に往復させながら印刷を実行するようにしたタイプのインクジェットプリンタでは、1ページ全体をきれいに印刷するために印刷ヘッドを数十回から100回以上も往復動させる必要があるため、他の方式の印刷装置、例えば、複写機などのような電子写真技術を用いたレーザープリンタなどに比べて大幅に印刷時間がかかるといった欠点がある。
【0005】
これに対し、印刷用紙の幅と同じ(もしくは長い)寸法の長尺の印刷ヘッドを配置してキャリッジを使用しないタイプのインクジェットプリンタでは、印刷ヘッドを印刷用紙の幅方向に移動させる必要がなく、いわゆる1走査(1パス)での印刷が可能となるため、前記レーザープリンタと同様に高速な印刷が可能となる。また、印刷ヘッドを搭載するキャリッジやこれを移動させるための駆動系などが不要となるため、プリンタ筐体の小型・軽量化が可能となり、さらに静粛性も大幅に向上するといった利点も有している。なお、前者方式のインクジェットプリンタを一般に「マルチパス型プリンタ」、後者方式のインクジェットプリンタを一般に「ラインヘッド型プリンタ」または「シリアルプリンタ」と呼んでいる。
【0006】
ところで、このようなインクジェットプリンタに不可欠な印刷ヘッドは、直径が10〜70μm程度の微細なノズルを一定の間隔を隔てて1列、または印刷方向に複数列に配設してなるものであるため、製造誤差によって一部のノズルのインクの吐出方向が傾いてしまったり、ノズルの位置が理想位置とはずれた位置に配置されてしまい、そのノズルで形成されるドットの着弾位置が理想位置よりもずれてしまうといった、いわゆる「飛行曲がり現象」を発生してしまうことがある。また、ノズルのばらつき特性により、そのばらつきが大きいものとしては、インク量が理想量と比較して非常に多くなったり少なくなったりするものが存在する。
【0007】
この結果、その不良ノズルを用いて印刷された部分に、いわゆる「バンディング(スジ)現象」と称される印刷不良が発生して、印刷品質を著しく低下させてしまうことがある。すなわち、「飛行曲がり」現象が発生すると、隣り合うノズルにより吐出されたドット間距離が不均一となり、隣接ドット間の距離が正常時より長くなる部分には「白スジ(印刷用紙が白色の場合)」が発生し、隣接ドット間の距離が正常時より短くなる部分には、「濃いスジ」が発生する。また、インク量の値が理想とは外れている場合も、インク量が多いノズル部分に関しては、濃いスジ、インク量が少なくなる部分では白スジが発生する。
【0008】
特に、このようなバンディング現象は、前述したような「マルチパス型プリンタ」(シリアルプリンタ)の場合よりも、印刷ヘッドもしくは印刷媒体が固定(1パス印刷)である「ラインヘッド型プリンタ」の方に顕著に発生し易い(マルチパス型プリンタでは、印刷ヘッドを何回も往復させることを利用してバンディングを目立たなくする技術がある)。
【0009】
そのため、このような「バンディング現象」による一種の印刷不良を防止するために、印刷ヘッドの製造技術の向上や設計改良などといった、いわゆるハード的な部分での研究開発が鋭意進められているが、製造コスト、技術面などから100%「バンディング現象」が発生しない印刷ヘッドを提供するのは困難となっている。
そこで、現状では前記のようなハード的な部分での改良に加え、以下に示すような印刷制御といった、いわゆるソフト的な手法を用いてこのような「バンディング現象」を低減するような技術が併用されている。
【0010】
例えば、以下に示す特許文献1や特許文献2では、ノズルのばらつきやインクの不吐出に対処するために、印刷濃度が薄い部分にはシェーディング補正技術を用いてヘッドのばらつきの対処を行い、印刷濃度が濃い部分については他の色を用いて代用(例えば、ブラックで印刷する場合にはシアンまたはマゼンタなどを代用)してバンディングやばらつきが目立たないように設定している。
【0011】
また、以下に示す特許文献3においては、ベタ画像(すなわち下地が見えない程度に塗りつぶされた画像)に関しては不吐出ノズルの近傍画素の隣接ノズルの吐出量を増やし、ノズル全体でベタ画像を生成するという手法を取り入れている。
また、以下に示す特許文献4においては、各ノズルのばらつき量を誤差拡散にフィードバックして処理し、ノズルのインクの吐出量のばらつきを吸収してバンディング現象を回避している。
【特許文献1】特開2002−19101号公報
【特許文献2】特開2003−136702号公報
【特許文献3】特開2003−63043号公報
【特許文献4】特開平5−30361号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上記特許文献1〜特許文献4の従来技術においては、バンディング現象による画質劣化を低減するための処理を、処理対象となる箇所(バンディング発生箇所)の全てに実行するような制御を行うため、補正処理を行わなくても画質劣化(バンディング)が目立たないような箇所に対しても補正処理が行われることになり、このような箇所においては、かえって補正処理が要因による別の画質劣化が目立つようになってしまう恐れがある。
【0013】
そこで、本発明は、このような従来の技術の有する未解決の課題に着目してなされたものであって、飛行曲がり現象が要因のバンディング現象による画質の劣化を回避または低減できると共に、当該画質の劣化を回避または低減するための処理の実行範囲を制御することができる、新規な印刷装置、印刷装置制御プログラム及び印刷装置制御方法、並びに印刷用データ生成装置、印刷用データ生成プログラム及び印刷用データ生成方法を提供することを第1の目的としている。
【0014】
また、インクの吐出不良が要因のバンディング現象による画質の劣化を回避または低減できると共に、当該画質の劣化を回避または低減するための処理の実行範囲を制御することができる、新規な印刷装置、印刷装置制御プログラム及び印刷装置制御方法、並びに印刷用データ生成装置、印刷用データ生成プログラム及び印刷用データ生成方法を提供することを第2の目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
〔形態1〕 上記目的を達成するために、形態1の印刷装置は、
印刷に用いる媒体にドットを形成可能な複数のノズルを有する印刷ヘッドによって、前記媒体に画像を印刷する印刷装置であって、
バンディング現象による印刷画質の劣化を低減するための印刷処理を実行可能な印刷手段と、
前記各ノズルの特性を示すノズル情報及び前記画像の所定領域毎の特徴情報に基づき、前記劣化を低減するための印刷処理を制御する印刷制御手段と、を備えることを特徴としている。
【0016】
このような構成であれば、印刷手段によって、バンディング現象による印刷画質の劣化を低減するための印刷処理を実行可能であり、印刷制御手段によって、前記各ノズルの特性を示すノズル情報及び前記画像の特徴情報に基づき、前記劣化を低減するための印刷処理を制御することが可能である。
つまり、バンディングによる劣化を低減するための情報の生成処理(画素値の補正処理等)を行う限りは、画質は以前より改善されるものの、この補正処理によって、画像には必ず劣化(色の変化、粒状性の悪化等)が生じるので、バンディングが発生していても、それが目立たない箇所である場合、あるいは、補正処理を行うことでかえって劣化が増してしまうような箇所の場合は、できる限り補正処理を行わないように制御を行うことが可能である。
【0017】
従って、例えば、ドットの形成位置が理想位置からずれたノズルの「飛行曲り現象」によって発生する「バンディング現象」による「白スジ」や「濃いスジ」等の印刷画質の劣化を低減するための印刷処理を実行するときに、これらバンディング現象に対応する前記画像の所定領域の特徴情報に基づき、その実行の有無等の実行内容を制御することが可能であり、これにより、画質劣化を低減させる処理を必要な箇所(例えば、バンディングの目立ち易いところ)のみに実行することができるので、「バンディング現象」による「白スジ」や「濃いスジ」等の印刷画質の劣化を効果的に低減できると共に、当該画質劣化を低減させる処理によって生じる元の印刷画質への悪影響を最小限に留めることができるという効果が得られる。
【0018】
ここで、上記ドットとは、1または複数のノズルから吐出されたインクが印刷媒体に着弾して形成される1つの領域をいう。また、「ドット」は面積が「ゼロ」ではなく、一定の大きさ(面積)をもつことは勿論、大きさごとに複数種類存するものである。但し、インクを吐出して形成されたドットは必ずしも真円になるとは限らない。例えば、楕円形などの真円以外の形状でドットが形成された場合は、その平均的な径をドット径として扱ったり、ある量のインクを吐出して形成されたドットの面積と等しい面積を有する真円の等価ドットを想定し、該等価ドットの径をドット径として扱ったりすることもある。また、濃度の異なるドットの打ち分け方法としては、例えば、ドットの大きさが同じで濃度が異なるドットを打つ方法、濃度が同じで大きさの異なるドットを打つ方法、濃度が同じでインクの吐出量が異なるドットであり、重ね打ちにより濃度を異ならせる方法などが考えられる。また、1つのノズルから吐出された1つのインク滴が分離して着弾してしまった場合も1つのドットとするが、2つのノズルまたは1つのノズルから時間を前後して形成された2つ以上のドットがくっついてしまった場合は、2つのドットが形成されたものとする。以下、「印刷装置制御プログラム」に関する形態、「印刷装置制御方法」に関する形態、「印刷用データ生成装置」に関する形態、「印刷用データ生成プログラム」に関する形態、「印刷用データ生成方法」に関する形態、並びに「前記プログラムを記録した記録媒体」に関する形態、発明を実施するための最良の形態の欄などの記載において同じである。
【0019】
また、上記「ノズル情報」とは、印刷ヘッドの各ノズルがバンディング現象に関与しているか否かを示す情報や、各ノズルがバンディング現象に関与しているか否かを判断できる情報等のことである。例えば、実際に形成されるドットの理想形成位置からのずれ量、実際に形成されるドットのサイズと理想ドットサイズとずれ量、前記各ずれ量を制御しやすい情報である(例えば、バンディングに関与しているか否かを示すフラグに変換した形式など)。以下、「印刷装置制御プログラム」に関する形態、「印刷装置制御方法」に関する形態、「印刷用データ生成装置」に関する形態、「印刷用データ生成プログラム」に関する形態、「印刷用データ生成方法」に関する形態、並びに「前記プログラムを記録した記録媒体」に関する形態、発明を実施するための最良の形態の欄などの記載において同じである。
【0020】
また、上記「特徴情報」とは、画像データ等を解析して得られる個々の画像特有の情報であり、画像の色・濃度・輝度に係る情報、画像の周波数情報(画像のエッジに係る情報を含む)等のことである。以下、「印刷装置制御プログラム」に関する形態、「印刷装置制御方法」に関する形態、「印刷用データ生成装置」に関する形態、「印刷用データ生成プログラム」に関する形態、「印刷用データ生成方法」に関する形態、並びに「前記プログラムを記録した記録媒体」に関する形態、発明を実施するための最良の形態の欄などの記載において同じである。
【0021】
また、上記「悪影響」とは、印刷画質の劣化を低減するために、本来は形成する必要のない大ドット等を形成して混在させることによって生じる印刷画像の粒状性の悪化などがある。以下、「印刷装置制御プログラム」に関する形態、「印刷装置制御方法」に関する形態、「印刷用データ生成装置」に関する形態、「印刷用データ生成プログラム」に関する形態、「印刷用データ生成方法」に関する形態、並びに「前記プログラムを記録した記録媒体」に関する形態、発明を実施するための最良の形態の欄などの記載において同じである。
【0022】
また、上記「バンディング現象」とは、ドット形成位置が理想の形成位置からずれているノズルによる、いわゆる「飛行曲がり現象」によって、印刷結果に「白スジ」と共に「濃いスジ」が同時に発生する印刷不良のことをいうものとする。以下、「印刷装置制御プログラム」に関する形態、「印刷装置制御方法」に関する形態、「印刷用データ生成装置」に関する形態、「印刷用データ生成プログラム」に関する形態、「印刷用データ生成方法」に関する形態、並びに「前記プログラムを記録した記録媒体」に関する形態、発明を実施するための最良の形態の欄などの記載において同じである。
【0023】
また、上記「飛行曲がり現象」とは、前述したように単なる一部のノズルの不吐出現象とは異なり、インクは吐出するものの、その一部のノズルの吐出方向が傾くなどしてドットが理想位置よりずれて形成されてしまう現象をいう。以下、「印刷装置制御プログラム」に関する形態、「印刷装置制御方法」に関する形態、「印刷用データ生成装置」に関する形態、「印刷用データ生成プログラム」に関する形態、「印刷用データ生成方法」に関する形態、並びに「前記プログラムを記録した記録媒体」に関する形態、発明を実施するための最良の形態の欄などの記載において同じである。
【0024】
また、この「白スジ」とは、「飛行曲がり現象」によって隣接ドット間の距離が所定の距離よりも広くなる現象が連続的に発生して印刷媒体の下地の色がスジ状に目立ってしまう部分(領域)をいい、また、「濃いスジ」とは、同じく「飛行曲がり現象」によって隣接ドット間の距離が所定の距離よりも短くなる現象が連続的に発生して印刷媒体の下地の色が見えなくなったり、あるいはドット間の距離が短くなることによって相対的に濃く見えたり、さらにはずれて形成されたドットの一部が正常なドットと重なり合ってその重なり合った部分が濃いスジ状に目立ってしまう部分(領域)をいうものとする。また、白スジはインク量が少ないノズルが原因で発生する場合があり、一方、濃いスジはインク量が多いノズルが原因で発生する場合がある。以下、「印刷装置制御プログラム」に関する形態、「印刷装置制御方法」に関する形態、「印刷用データ生成装置」に関する形態、「印刷用データ生成プログラム」に関する形態、「印刷用データ生成方法」に関する形態、並びに「前記プログラムを記録した記録媒体」に関する形態、発明を実施するための最良の形態の欄などの記載において同じである。
【0025】
また、「印刷画質の劣化を低減させるための印刷処理」とは、例えば、ノズルのドット形成位置が理想位置からずれている結果生じる印刷画質の劣化を低減するための処理であり、例えば、上記バンディング現象に関与するノズル及びその近傍のノズルの少なくとも一方に対して、当該ノズルによってドットを形成しないようにしたり、当該ノズルに対応する画像部分に対してバンディングが目立たなくなるドットパターンでドットを形成する等の処理となる。但し、このドットの形成内容に関する印刷処理は、同じ画素値に対する、バンディング現象に関与しない正常なノズルに対する場合のドットの形成内容に関する処理とは内容が異なるものとなる。以下、形態13の「印刷装置制御プログラム」、形態24の「印刷装置制御方法」、並びに「前記プログラムを記録した記録媒体」に関する形態、発明を実施するための最良の形態の欄などの記載において同じである。
【0026】
〔形態2〕 また、上記目的を達成するために、形態2の印刷装置は、
印刷に用いる媒体にドットを形成可能な複数のノズルを有する印刷ヘッドによって、前記媒体に画像を印刷する印刷装置であって、
前記各ノズルの特性を示すノズル情報を記憶するノズル情報記憶手段と、
前記画像を構成するM値(M≧2)の画素値に対応した複数の画素データを有する画像データを取得する画像データ取得手段と、
前記画像データから所定の前記画素データを選択する画素データ選択手段と、
前記ノズル情報に基づき、前記選択した画素データがバンディング現象に関与しているか否かを判定するバンディング判定手段と、
前記バンディング判定手段において、前記画像データから、前記バンディング現象に関与すると判定された画素データの画素を含んで構成される所定領域の画像の特徴情報を抽出する特徴情報抽出手段と、
前記特徴情報に基づき、前記バンディング現象による印刷画質の劣化が目立つか否かを判定する劣化度判定手段と、
前記画像データの各画素値毎のドット形成内容に関する情報を有する印刷用データを生成する印刷用データ生成手段と、
前記印刷用データに基づき、前記印刷ヘッドによって前記画像を前記媒体に印刷する印刷手段と、を備え、
前記印刷用データ生成手段は、前記劣化度判定手段において前記印刷画質の劣化が目立つと判定された前記所定領域の画像の一部又は全部の画素データに対してのみ、バンディング現象による印刷画質の劣化を低減するための情報を含む前記ドット形成内容に関する情報の生成処理を行うことを特徴としている。
【0027】
このような構成であれば、ノズル情報記憶手段によって、前記各ノズルの特性を示すノズル情報を記憶することが可能であり、画像データ取得手段によって、前記画像を構成するM値(M≧2)の画素値を有する画像データを取得することが可能であり、画素データ選択手段によって、前記画像データから所定の画素データを選択することが可能であり、バンディング判定手段によって、前記ノズル情報に基づき、前記選択した画素データがバンディング現象に関与しているか否かを判定することが可能であり、特徴情報抽出手段によって、前記バンディング判定手段において、前記画像データから、前記バンディング現象に関与すると判定された画素データの画素を含んで構成される所定領域の画像の特徴情報を抽出することが可能であり、劣化度判定手段によって、前記特徴情報に基づき、前記バンディング現象による印刷画質の劣化が目立つか否かを判定することが可能であり、印刷用データ生成手段によって、前記画像データの}各画素値毎のドット形成内容に関する情報を有する印刷用データを生成することが可能であり、印刷手段によって、前記印刷用データに基づき、前記印刷ヘッドによって前記画像を前記媒体に印刷することが可能である。
【0028】
更に、前記印刷用データ生成手段は、前記劣化度判定手段において前記印刷画質の劣化が目立つと判定された前記所定領域の画像の一部又は全部の画素データに対してのみ、バンディング現象による印刷画質の劣化を低減するための情報を含む前記ドット形成内容に関する情報の生成処理を行うことが可能である。
つまり、バンディングによる劣化を低減するための印刷用データによる補正処理を行う限りは、画質は以前より改善されるものの、この補正処理によって、画像には必ず劣化(色の変化、粒状性の悪化等)が生じるので、バンディングが発生していても、それが目立たない箇所である場合、あるいは、補正処理を行うことでかえって劣化が増してしまうような箇所の場合は、できる限りバンディングによる劣化を低減するための印刷用データの生成処理を行わないように制御を行うことが望ましい。
【0029】
従って、例えば、ドットの形成位置が理想位置からずれたノズルの「飛行曲り現象」によって発生する「バンディング現象」による「白スジ」や「濃いスジ」等の印刷画質の劣化を低減するための情報を生成するときに、これらバンディング現象に対応する前記画像の所定領域の特徴情報に基づき、その生成の有無等の生成内容を制御することができるので、「バンディング現象」による「白スジ」や「濃いスジ」等の印刷画質の劣化を低減できると共に、当該画質劣化を低減させる印刷用データに基づく印刷処理によって生じる補正処理前の印刷画質への悪影響を最小限に留めることができるという効果が得られる。
【0030】
ここで、上記画像データ取得手段は、スキャナ手段などの光学的印刷結果読み取り手段などから入力された画像データを取得したり、LANやWAN等のネットワークを介して外部装置に記憶された画像データを受動的又は能動的に取得したり、印刷装置の有するCDドライブ、DVDドライブなどの駆動装置を介してCD−ROM、DVD−ROMなどの記録媒体から画像データを取得したり、印刷装置の有する記憶装置に記憶された画像データを取得したりなどする。つまり、前記取得には、少なくとも入力、獲得、受信および読出が含まれる。以下、「印刷装置制御プログラム」に関する形態、「印刷装置制御方法」に関する形態、「印刷用データ生成装置」に関する形態、「印刷用データ生成プログラム」に関する形態、「印刷用データ生成方法」に関する形態、並びに「前記プログラムを記録した記録媒体」に関する形態、発明を実施するための最良の形態の欄などの記載において同じである。
【0031】
また、上記「ノズル情報記憶手段」は、ノズル情報をあらゆる手段でかつあらゆる時期に記憶するものであり、ノズル情報をあらかじめ記憶してあるものであってもよいし、ノズル情報をあらかじめ記憶することなく、本印刷装置の動作時に外部からの入力等によってノズル情報を記憶するようになっていてもよい。例えば、工場出荷時などの本印刷装置が製品として売り出される前に、スキャナ手段などの光学的印刷結果読み取り手段などを利用して印刷ヘッドによる印刷結果からその印刷ヘッドを構成する各ノズルのドット形成位置のずれ量やインクの吐出状態等を検査してその検査結果を予め記憶したり、印刷装置の使用時に、前記工場出荷時と同様に印刷ヘッドを構成する各ノズルのドット形成位置のずれ量を検査してその検査結果を記憶したりするなど、製品の使用時においてノズル情報が記憶された状態にできるタイミングであればどのようなタイミングでも良い。また、印刷装置の使用後に、その印刷ヘッドの特性が変化した場合に対応するために定期的にあるいは所定の時期にスキャナ手段などの光学的印刷結果読み取り手段など利用してその印刷ヘッドによる印刷結果からその印刷ヘッドの印字位置ずれ量や各ノズルのインク吐出状態等を検査してその検査結果を工場出荷時などのデータと共に、あるいはそのデータに上書きして記憶したりするなどノズル情報を更新できるようにしても良い。以下、「印刷装置制御プログラム」に関する形態、「印刷装置制御方法」に関する形態、「印刷用データ生成装置」に関する形態、「印刷用データ生成プログラム」に関する形態、「印刷用データ生成方法」に関する形態、並びに「前記プログラムを記録した記録媒体」に関する形態、発明を実施するための最良の形態の欄などの記載において同じである。
【0032】
また、上記「バンディング現象に関与すると判定された画素データ」とは、例えば、選択した画素データに対応するドットが、「飛行曲がり現象」を発生するノズルによって形成される、当該ドットの形成位置が理想の形成位置からずれるような画素データ、または、インクの吐出量が不適切なノズルによってドットが形成され、当該ドットが理想のサイズと異なるような画素データなどである。以下、「印刷装置制御プログラム」に関する形態、「印刷装置制御方法」に関する形態、「印刷用データ生成装置」に関する形態、「印刷用データ生成プログラム」に関する形態、「印刷用データ生成方法」に関する形態、並びに「前記プログラムを記録した記録媒体」に関する形態、発明を実施するための最良の形態の欄などの記載において同じである。
【0033】
また、上記ノズルのドット形成内容に関する情報とは、画像データの各画素値に対する、ドットの有無(ノズルによりドットを形成する、形成しない)に関する情報と、形成する場合のドットのサイズ(例えば、大・中・小の3種類のいずれか)に関する情報等のノズルによってドットを形成する際に必要な情報から構成されるものであり、例えば、形成サイズが一種類しかない場合は、ドットの有無に関する情報だけで構成しても良い。以下、「印刷装置制御プログラム」に関する形態、「印刷装置制御方法」に関する形態、「印刷用データ生成装置」に関する形態、「印刷用データ生成プログラム」に関する形態、「印刷用データ生成方法」に関する形態、並びに「前記プログラムを記録した記録媒体」に関する形態、発明を実施するための最良の形態の欄などの記載において同じである。
【0034】
また、「印刷画質の劣化を低減させるための情報」とは、ノズルのドット形成位置が理想位置からずれている結果生じる印刷画質の劣化を低減するための情報であり、例えば、上記バンディング現象に関与するノズル及びその近傍のノズルの少なくとも一方に対して、当該ノズルによってドットを形成しないようにしたり、当該ノズルに対応する画像部分に対してバンディングが目立たなくなるドットパターンでドットを形成する等の上記ドットの形成内容に関する情報の一形態となる。但し、このドットの形成内容に関する情報は、同じ画素値に対する、バンディング現象に関与しない正常なノズルに対する場合のドットの形成内容に関する情報とは内容が異なるものとなる。以下、「印刷装置制御プログラム」に関する形態、「印刷装置制御方法」に関する形態、「印刷用データ生成装置」に関する形態、「印刷用データ生成プログラム」に関する形態、「印刷用データ生成方法」に関する形態、並びに「前記プログラムを記録した記録媒体」に関する形態、発明を実施するための最良の形態の欄などの記載において同じである。
【0035】
また、上記バンディング現象による印刷画質の劣化を低減するための情報を含む前記ドット形成内容に関する情報の生成処理としては、例えば、特願2004−292205号公報、特願2004−339909号公報、特願2004−359542号公報、特願2005−016490号公報、特願2005−035641号公報に記載された発明におけるバンディング現象による印刷画質の劣化を回避又は低減するための印刷用データの生成処理などがある。以下、「印刷装置制御プログラム」に関する形態、「印刷装置制御方法」に関する形態、「印刷用データ生成装置」に関する形態、「印刷用データ生成プログラム」に関する形態、「印刷用データ生成方法」に関する形態、並びに「前記プログラムを記録した記録媒体」に関する形態、発明を実施するための最良の形態の欄などの記載において同じである。
【0036】
〔形態3〕 更に、形態3の印刷装置は、形態2の印刷装置において、
前記劣化度判定手段は、前記特徴情報の示す特徴量と所定閾値とを比較し、前記特徴量が前記所定閾値以上である場合に、前記バンディング現象による印刷画質の劣化が目立つと判定することを特徴としている。
このような構成であれば、特徴量の性質などに応じて、例えば、実験等によって得られた閾値を設定することで、バンディング現象による印刷画質の劣化が目立つか否かを簡易に判定することができるという効果が得られる。
【0037】
〔形態4〕 更に、形態4の印刷装置は、形態2又は3の印刷装置において、
前記画像データを複数の画像データ領域に分割する領域分割手段を備え、
前記各画像データ領域の画像を、前記所定領域の画像とし、
前記特徴情報抽出手段は、前記所定領域の画像毎に前記特徴情報を抽出することを特徴としている。
このような構成であれば、予め画像データ領域を複数の画像データ領域に分割し、且つ各画像データ領域の画像を所定領域の画像とすることが可能となるので、各選択画素データ毎に所定領域を設定する必要がなく、各判定処理等を高速に行うことができるという効果が得られる。
【0038】
〔形態5〕 更に、形態5の印刷装置は、形態1乃至4のいずれか1の印刷装置において、
前記特徴情報は、前記所定領域の画像の濃度情報を含むことを特徴としている。
このような構成であれば、例えば、濃度が薄い(輝度が高い)領域においては、物理的に形成されるドット数が少ないので、一つのノズルのばらつきが目立ちにくくなり(他のドットの形成位置との距離が長くなるので、ずれの量が相対的に減少する)、更に、このような領域では印刷に用いる媒体(例えば、印刷用紙)との面積的な濃度差(輝度差)が少なくなり、ドットの形成位置にずれがあっても視覚的に目立たないので、濃度情報に基づき、バンディング現象による印刷画質の劣化を低減するための印刷処理又は情報の生成処理を、バンディングが目立たない部分には行わないように制御することで、適切な部分にのみ前記処理を行うようにでき、印刷画質の劣化を低減する処理が適切に施された印刷結果を得ることができるという効果が得られる。
【0039】
ここで、上記濃度情報は、輝度値、あるいは濃度値によって表現される画像の濃度に係る情報である。以下、「印刷装置制御プログラム」に関する形態、「印刷装置制御方法」に関する形態、「印刷用データ生成装置」に関する形態、「印刷用データ生成プログラム」に関する形態、「印刷用データ生成方法」に関する形態、並びに「前記プログラムを記録した記録媒体」に関する形態、発明を実施するための最良の形態の欄などの記載において同じである。
【0040】
〔形態6〕 更に、形態6の印刷装置は、形態5の印刷装置において、
前記特徴情報抽出手段は、前記印刷ヘッドに対応するインクの色毎に前記濃度情報を抽出することを特徴としている。
このような構成であれば、各色のインク毎に抽出される濃度情報に基づいて、バンディング現象による印刷画質の劣化を低減するための印刷処理又は情報の生成処理を制御することで、各色のインク毎に適切な制御を行うことができるので、印刷画質の劣化を低減する処理がより適切に施された印刷結果を得ることができるという効果が得られる。
【0041】
〔形態7〕 更に、形態7の印刷装置は、形態5又は6の印刷装置において、
前記印刷用データ生成手段は、前記劣化判定手段において前記印刷画質の劣化が目立つと判定され、且つ前記濃度情報の示す濃度値が所定濃度値以上となる前記所定領域の画像の一部又は全部の画素データに対してのみ、バンディング現象による印刷画質の劣化を低減するための情報を含む前記ドット形成内容に関する情報の生成処理を行うことを特徴としている。
【0042】
このような構成であれば、例えば、中間調の濃度範囲及び高濃度の濃度範囲の画素データに対して、バンディング現象による印刷画質の劣化を低減するための情報を含む前記ドット形成内容に関する情報の生成処理を行うようにし、一方、バンディング現象による印刷画質の劣化が目立ちにくい低濃度領域に対しては、印刷画質の劣化を低減するための情報の生成処理を行わないようにすることが可能となるので、印刷画質の劣化を低減する処理がより適切に施された印刷結果を得ることができるという効果が得られる。
【0043】
ここで、上記所定濃度以上の濃度値は、前述したように中間調及び高濃度の濃度範囲の濃度とすることが望ましいので、例えば、CMYKの場合、各色の最大濃度となる最大印字ドット数(印刷装置の種類などによって異なる)を100%とすると、黒(Bk)は、例えば、最大印字ドット数の25%以上となる濃度範囲の濃度値となり、シアン(Cy)及びマゼンタ(Mg)は、例えば、最大印字ドット数の30%以上となる濃度範囲の濃度値となり、黄(Ye)は、例えば、最大印字ドット数の60%以上となる濃度範囲の濃度値となる。以下、「印刷装置制御プログラム」に関する形態、「印刷装置制御方法」に関する形態、「印刷用データ生成装置」に関する形態、「印刷用データ生成プログラム」に関する形態、「印刷用データ生成方法」に関する形態、並びに「前記プログラムを記録した記録媒体」に関する形態、発明を実施するための最良の形態の欄などの記載において同じである。
【0044】
〔形態8〕 更に、形態8の印刷装置は、形態5又は6の印刷装置において、
前記印刷用データ生成手段は、前記劣化判定手段において前記印刷画質の劣化が目立つと判定され、且つ前記濃度情報の示す濃度値が中間調の濃度範囲に含まれる前記所定領域の画像の一部又は全部の画素データに対してのみ、バンディング現象による印刷画質の劣化を低減するための情報を含む前記ドット形成内容に関する情報の生成処理を行うことを特徴としている。
【0045】
このような構成であれば、例えば、中間調の範囲の画素データに対して、バンディング現象による印刷画質の劣化を低減するための情報を含む前記ドット形成内容に関する情報の生成処理を行うようにし、一方、バンディング現象による印刷画質の劣化が目立ちにくい中間調の範囲外の低濃度領域及び高濃度領域に対しては、印刷画質の劣化を低減するための情報の生成処理を行わないようにすることが可能となるので、印刷画質の劣化を低減する処理がより適切に施された印刷結果を得ることができるという効果が得られる。
【0046】
ここで、上記中間調の濃度範囲とは、インクの色事に異なり、例えば、CMYKの場合、各色の最大濃度となる最大印字ドット数(印刷装置の種類などによって異なる)を100%とすると、黒(Bk)は、例えば、最大印字ドット数の25%〜90%となる濃度範囲が中間調の濃度範囲となり、シアン(Cy)及びマゼンタ(Mg)は、例えば、最大印字ドット数の30%〜90%となる濃度範囲が中間調の濃度範囲となり、黄(Ye)は、例えば、最大印字ドット数の60%〜90%となる濃度範囲が中間調の濃度範囲となる。但し、中間調の濃度範囲は、上記インクの色に加え、ドットの発生率、印刷装置の機能、2値化の方法等に応じて濃度範囲を設定する必要がある。以下、「印刷装置制御プログラム」に関する形態、「印刷装置制御方法」に関する形態、「印刷用データ生成装置」に関する形態、「印刷用データ生成プログラム」に関する形態、「印刷用データ生成方法」に関する形態、並びに「前記プログラムを記録した記録媒体」に関する形態、発明を実施するための最良の形態の欄などの記載において同じである。
【0047】
〔形態9〕 更に、形態9の印刷装置は、形態1乃至4のいずれか1の印刷装置において、
前記特徴情報は、前記所定領域の画像の周波数情報を含むことを特徴としている。
このような構成であれば、例えば、所定領域の画像の周波数の低い部分においては、ノズルの特性のばらつきによるバンディングが視覚的に認識しやすく、一方、周波数が高い領域、即ち画像内容(輝度又は濃度)が頻繁に変化している領域においては、この画像自身の変化によってバンディングが視覚的にほとんど認識できなくなるので、このように視覚的に認識しにくくなる領域においては、バンディング現象による印刷画質の劣化を低減するための印刷処理又は情報の生成処理を行わないように制御することで、適切な部分にのみ前記処理を行うようにでき、印刷画質の劣化を低減する処理がより適切に施された印刷結果を得ることができるという効果が得られる。
【0048】
ここで、上記周波数情報は、HPF(ハイパスフィルタ)を用いて、フィルタリングした後の出力値の情報や、画像信号を、フーリエ変換(FT、FFTなど)、離散コサイン変換(DCT)、アダマール変換などによって周波数領域に変換した情報など、所定領域の画像の周波数の高低を判断できる情報である。以下、「印刷装置制御プログラム」に関する形態、「印刷装置制御方法」に関する形態、「印刷用データ生成装置」に関する形態、「印刷用データ生成プログラム」に関する形態、「印刷用データ生成方法」に関する形態、並びに「前記プログラムを記録した記録媒体」に関する形態、発明を実施するための最良の形態の欄などの記載において同じである。
【0049】
〔形態10〕 更に、形態10の印刷装置は、形態9の印刷装置において、
前記周波数情報は、前記所定領域の画像のエッジ情報を含むことを特徴としている。
このような構成であれば、エッジ抽出フィルタ等によって、周波数情報として、各所定領域のエッジ情報を簡易に抽出でき、このエッジ情報から各領域の画像の変化(周波数の高低等)を知ることができるので、このような情報に基づき、バンディング現象による印刷画質の劣化を低減するための印刷処理又は情報の生成処理を、バンディングの目立たない部分については行わないように制御することで、適切な部分にのみ前記処理を行うようにでき、印刷画質の劣化を低減する処理がより適切に施された印刷結果を得ることができるという効果が得られる。
【0050】
〔形態11〕 更に、形態11の印刷装置は、形態9又は10の印刷装置において、
前記特徴情報抽出手段は、前記印刷ヘッドに対応するインクの色毎の前記周波数情報を抽出することを特徴としている。
このような構成であれば、各色毎の周波数情報に基づいて、バンディング現象による印刷画質の劣化を低減するための印刷処理又は情報の生成処理を制御することで、各色毎に適切な制御を行うことができるので、印刷画質の劣化を低減する処理がより適切に施された印刷結果を得ることができるという効果が得られる。
【0051】
〔形態12〕 更に、形態12の印刷装置は、形態9乃至11のいずれか1の印刷装置において、
前記印刷用データ生成手段は、前記劣化判定手段において前記印刷画質の劣化が目立つと判定され、且つ前記周波数情報の示す周波数が所定周波数以下の前記所定領域の画像の一部又は全部の画素データに対してのみ、前記ドット形成内容に関する情報として、バンディング現象による印刷画質の劣化を低減するための情報含む情報を生成することを特徴としている。
【0052】
このような構成であれば、例えば、所定領域の画像の周波数の低い部分においては、ノズルの特性のばらつきによるバンディングが視覚的に認識しやすく、一方、周波数が高い領域、即ち画像内容(輝度又は濃度)が頻繁に変化している領域においては、この画像自身の変化によってバンディングが視覚的にほとんど認識できなくなるので、このように視覚的に認識しにくくなる領域をにおいては、バンディング現象による印刷画質の劣化を低減するための印刷処理又は情報の生成処理を行わないように制御することで、適切な部分にのみ前記処理を行うようにでき、印刷画質の劣化を低減する処理がより適切に施された印刷結果を得ることができるという効果が得られる。
【0053】
〔形態13〕 更に、形態13の印刷装置は、形態1乃至12のいずれか1の印刷装置において、
前記ノズル情報は、前記各ノズルのインクの吐出不良の有無を示す情報を含むことを特徴としている。
このような構成であれば、バンディングの発生要因となるインク吐出不良のノズルを簡易に識別することができ、これによって、バンディングの発生要因となるノズルに対応した画素データ及びその近傍の画素データの少なくとも一方に対してのみ、バンディング現象による印刷画質の劣化を低減するための印刷処理又は情報の生成処理を行うことが可能であり、バンディングとは無関係な部分の画質を低減処理によって変化させることなく、バンディング現象によって印刷結果に生じる画質劣化を低減することができるという効果が得られる。
【0054】
ここで、上記インクの吐出不良とは、インクが吐出できない、インクの吐出量が足りない、インクの吐出量が多すぎる、インクを理想の位置に吐出できないなどの、インクを理想通りに吐出できない状態のことである。なお、ノズルのインクの吐出不良の有無は、例えば、印刷装置に備え付けられたCCDセンサで検知することができるので、この検知結果に基づき、インクの吐出不良の有無を示す情報を生成することができる。以下、「印刷装置制御プログラム」に関する形態、「印刷装置制御方法」に関する形態、「印刷用データ生成装置」に関する形態、「印刷用データ生成プログラム」に関する形態、「印刷用データ生成方法」に関する形態、並びに「前記プログラムを記録した記録媒体」に関する形態、発明を実施するための最良の形態の欄などの記載において同じである。
【0055】
〔形態14〕 更に、形態14の印刷装置は、形態1乃至13のいずれか1の印刷装置において、
前記ノズル情報は、前記各ノズルの前記ドットの実際の形成位置と当該ドットの理想の形成位置との位置ずれ量の情報を含むことを特徴としている。
このような構成であれば、ドット形成位置が理想の形成位置からずれることによって発生する、いわゆる「飛行曲がり現象」の発生要因となるノズルを容易に識別することができるので、「飛行曲がり現象」が原因で発生する「バンディング現象」による「白スジ」や「濃いスジ」等の印刷画質の劣化を、適切な制御内容で低減できるという効果が得られる。
【0056】
〔形態15〕 更に、形態15の印刷装置は、形態1乃至14のいずれか1の印刷装置において、
前記ノズル情報は、前記各ノズルが実際に形成するドットの濃度値と、当該ドットの理想の濃度値とのずれ量の情報を含むことを特徴としている。
このような構成であれば、形成されるドットの濃度が理想の濃度からずれることによって発生する、いわゆる「濃度むら」等の発生要因となるノズルを容易に識別することができるので、「濃度むら」等が原因で発生する「バンディング現象」による「白スジ」や「濃いスジ」等の印刷画質の劣化を、適切な制御内容で低減できるという効果が得られる。
【0057】
〔形態16〕 更に、形態16の印刷装置は、形態1乃至15のいずれか1の印刷装置において、
前記印刷ヘッドは、前記印刷媒体の装着領域よりも広い範囲に亘って前記ノズルが連続して配列されており1回の走査で印刷可能な印刷ヘッドであることを特徴としている。
このような構成であれば、前述したように、いわゆる1走査(1パス)で印刷が終了するラインヘッド型の印刷ヘッドを用いた場合に特に発生し易いバンディング現象による「白スジ」や「濃いスジ」を目立たなくするのに効果的な印刷用データを生成することができるという効果が得られる。
【0058】
ここで、「1走査の印字」とは、各ノズルが印字対象とする紙送り方向(ヘッド移動方向)の1ラインについては、そのラインは担当するノズルのみで印字を行い、且つ担当ノズルが一度通過した時点で、そのラインの印字は終了することをいう。以下、「印刷装置制御プログラム」に関する形態、「印刷装置制御方法」に関する形態、「印刷用データ生成装置」に関する形態、「印刷用データ生成プログラム」に関する形態、「印刷用データ生成方法」に関する形態、並びに「前記プログラムを記録した記録媒体」に関する形態、発明を実施するための最良の形態の欄などの記載において同じである。
【0059】
〔形態17〕 更に、形態17の印刷装置は、形態1乃至15のいずれか1の印刷装置において、
前記印刷ヘッドは、前記印刷媒体の紙送り方向に直交する方向に往復動しながら印刷を実行する印刷ヘッドであることを特徴としている。
前述したバンディング現象は、ラインヘッド型の印刷ヘッドの場合に顕著にみられるが、マルチパス型の印刷ヘッドの場合でも発生する。従って、前記形態1乃至15のいずれか1の印刷方法をマルチパス型の印刷ヘッドの場合に適用すれば、マルチパス型の印刷ヘッドで発生したバンディング現象による「白スジ」や「濃いスジ」も目立たなくするのに適切な印刷処理又は印刷用データの生成処理を行うことができるという効果が得られる。
また、マルチパス型の印刷ヘッドの場合は、印刷ヘッドの走査を繰り返すなどの工夫を施すことで、前記のようなバンディング現象を回避することが可能であるが、前記の形態1乃至15のいずれか1の印刷装置を適用すれば、印刷ヘッドを同じ箇所を何度も走査させる必要がなくなるため、より高速な印刷を実現することも可能となる。
【0060】
〔形態18〕 一方、上記目的を達成するために、形態18の印刷装置制御プログラムは、
印刷に用いる媒体にドットを形成可能な複数のノズルを有する印刷ヘッドによって、前記媒体に画像を印刷する印刷装置を制御するのに使用する印刷装置制御プログラムであって、
バンディング現象による印刷画質の劣化を低減するための印刷処理を実行する印刷ステップと、
前記各ノズルの特性を示すノズル情報及び前記画像の所定領域毎の特徴情報に基づき、前記劣化を低減するための印刷処理を制御する印刷制御ステップとからなる処理をコンピュータに実行させるのに使用するプログラムを含むことを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態1の印刷装置と同等の作用および効果が得られる。
【0061】
また、インクジェットプリンタなどといった現在市場に出回っている殆どの印刷装置は中央処理装置(CPU)や記憶装置(RAM、ROM)、入出力装置などからなるコンピュータシステムを備えており、そのコンピュータシステムを用いてソフトウェアによって前記各手段を実現することができるため、専用のハードウェアを作成して前記各手段を実現する場合に比べて経済的かつ容易に実現することができる。
さらに、プログラムの一部を書き換えることによって機能改変や改良などによるバージョンアップも容易に行うことができる。以下、形態14の「印刷装置制御プログラム」、発明を実施するための最良の形態の欄などの記載において同じである。
【0062】
〔形態19〕 更に、上記目的を達成するために、形態19の印刷装置制御プログラムは、
印刷に用いる媒体にドットを形成可能な複数のノズルを有する印刷ヘッドによって、前記媒体に画像を印刷する印刷装置を制御するのに使用する印刷装置制御プログラムであって、
前記画像を構成するM値(M≧2)の画素値に対応した複数の画素データを有する画像データを取得する画像データ取得ステップと、
前記画像データから所定の前記画素データを選択する画素データ選択ステップと、
前記ノズル情報に基づき、前記選択した画素データがバンディング現象に関与しているか否かを判定するバンディング判定ステップと、
前記バンディング判定ステップにおいて、前記画像データから、前記バンディング現象に関与すると判定された画素データの画素を含んで構成される所定領域の画像の特徴情報を抽出する特徴情報抽出ステップと、
前記特徴情報に基づき、前記バンディング現象による印刷画質の劣化が目立つか否かを判定する劣化度判定ステップと、
前記画像データの各画素値毎のドット形成内容に関する情報を有する印刷用データを生成する印刷用データ生成ステップと、
前記印刷用データに基づき、前記印刷ヘッドによって前記画像を前記媒体に印刷する印刷ステップとからなる処理をコンピュータに実行させるのに使用するプログラムを含み、
前記印刷用データ生成ステップにおいては、前記劣化度判定ステップにおいて前記印刷画質の劣化が目立つと判定された前記所定領域の画像の一部又は全部の画素データに対してのみ、バンディング現象による印刷画質の劣化を低減するための情報を含む前記ドット形成内容に関する情報の生成処理を行うことを特徴としている。
【0063】
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態2の印刷装置と同等の作用および効果が得られる。
【0064】
〔形態20〕 更に、形態20の印刷装置制御プログラムは、形態19の印刷装置制御プログラムにおいて、
前記劣化度判定ステップにおいては、前記特徴情報の示す特徴量と所定閾値とを比較し、前記特徴量が前記所定閾値以上である場合に、前記バンディング現象による印刷画質の劣化が目立つと判定することを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態3の印刷装置と同等の作用および効果が得られる。
【0065】
〔形態21〕 更に、形態21の印刷装置制御プログラムは、形態19又は20の印刷装置制御プログラムにおいて、
前記画像データを複数の画像データ領域に分割する領域分割ステップをコンピュータに実行させるのに使用するプログラムを含み、
前記各画像データ領域の画像を、前記所定領域の画像とし、
前記特徴情報抽出ステップにおいては、前記所定領域の画像毎に前記特徴情報を抽出することを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態4の印刷装置と同等の作用および効果が得られる。
【0066】
〔形態22〕 更に、形態22の印刷装置制御プログラムは、形態18乃至21のいずれか1の印刷装置制御プログラムにおいて、
前記特徴情報は、前記所定領域の画像の濃度情報を含むことを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態5の印刷装置と同等の作用および効果が得られる。
【0067】
〔形態23〕 更に、形態23の印刷装置制御プログラムは、形態22の印刷装置制御プログラムにおいて、
前記特徴情報抽出ステップにおいては、前記印刷ヘッドに対応するインクの色毎に前記濃度情報を抽出することを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態6の印刷装置と同等の作用および効果が得られる。
【0068】
〔形態24〕 更に、形態24の印刷装置制御プログラムは、形態22又は23の印刷装置制御プログラムにおいて、
前記印刷用データ生成ステップにおいては、前記劣化判定ステップにおいて前記印刷画質の劣化が目立つと判定され、且つ前記濃度情報の示す濃度値が所定濃度値以上となる前記所定領域の画像の一部又は全部の画素データに対してのみ、バンディング現象による印刷画質の劣化を低減するための情報を含む前記ドット形成内容に関する情報の生成処理を行うことを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態7の印刷装置と同等の作用および効果が得られる。
【0069】
〔形態25〕 更に、形態25の印刷装置制御プログラムは、形態22又は23の印刷装置制御プログラムにおいて、
前記印刷用データ生成ステップにおいては、前記劣化判定ステップにおいて前記印刷画質の劣化が目立つと判定され、且つ前記濃度情報の示す濃度値が中間調の濃度範囲に含まれる前記所定領域の画像の一部又は全部の画素データに対してのみ、バンディング現象による印刷画質の劣化を低減するための情報を含む前記ドット形成内容に関する情報の生成処理を行うことを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態8の印刷装置と同等の作用および効果が得られる。
【0070】
〔形態26〕 更に、形態26の印刷装置制御プログラムは、形態18乃至21のいずれか1の印刷装置制御プログラムにおいて、
前記特徴情報は、前記所定領域の画像の周波数情報を含むことを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態9の印刷装置と同等の作用および効果が得られる。
【0071】
〔形態27〕 更に、形態27の印刷装置制御プログラムは、形態26の印刷装置制御プログラムにおいて、
前記周波数情報は、前記所定領域の画像のエッジ情報を含むことを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態10の印刷装置と同等の作用および効果が得られる。
【0072】
〔形態28〕 更に、形態28の印刷装置制御プログラムは、形態26又は27の印刷装置制御プログラムにおいて、
前記特徴情報抽出ステップにおいては、前記印刷ヘッドに対応するインクの色毎の前記周波数情報を抽出することを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態11の印刷装置と同等の作用および効果が得られる。
【0073】
〔形態29〕 更に、形態29の印刷装置制御プログラムは、形態26乃至28のいずれか1の印刷装置制御プログラムにおいて、
前記印刷用データ生成ステップにおいては、前記劣化判定ステップにおいて前記印刷画質の劣化が目立つと判定され、且つ前記周波数情報の示す周波数が所定周波数以下の前記所定領域の画像の一部又は全部の画素データに対してのみ、前記ドット形成内容に関する情報として、バンディング現象による印刷画質の劣化を低減するための情報含む情報を生成することを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態12の印刷装置と同等の作用および効果が得られる。
【0074】
〔形態30〕 更に、形態30の印刷装置制御プログラムは、形態18乃至29のいずれか1の印刷装置制御プログラムにおいて、
前記ノズル情報は、前記各ノズルのインクの吐出不良の有無を示す情報を含むことを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態13の印刷装置と同等の作用および効果が得られる。
【0075】
〔形態31〕 更に、形態31の印刷装置制御プログラムは、形態18乃至30のいずれか1の印刷装置制御プログラムにおいて、
前記ノズル情報は、前記各ノズルの前記ドットの実際の形成位置と当該ドットの理想の形成位置との位置ずれ量の情報を含むことを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態14の印刷装置と同等の作用および効果が得られる。
【0076】
〔形態32〕 更に、形態32の印刷装置制御プログラムは、形態18乃至31のいずれか1の印刷装置制御プログラムにおいて、
前記ノズル情報は、前記各ノズルが実際に形成するドットの濃度値と、当該ドットの理想の濃度値とのずれ量の情報を含むことを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態15の印刷装置と同等の作用および効果が得られる。
【0077】
〔形態33〕 一方、上記目的を達成するために、形態33の印刷装置制御プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、
形態18乃至形態32のいずれか1の印刷装置制御プログラムが記録されていることを特徴としている。
これによって、形態18乃至形態32のいずれか1の印刷装置制御プログラムと同様の作用及び効果が得られると共に、CD−ROMやDVD−ROM、MOなどの記録媒体を介して前記印刷プログラムを容易に授受することが可能となる。
【0078】
〔形態34〕 一方、上記目的を達成するために、形態34の印刷装置制御方法は、
印刷に用いる媒体にドットを形成可能な複数のノズルを有する印刷ヘッドによって、前記媒体に画像を印刷する印刷装置を制御するのに使用する印刷装置制御方法であって、
バンディング現象による印刷画質の劣化を低減するための印刷処理を実行する印刷ステップと、
前記各ノズルの特性を示すノズル情報及び前記画像の所定領域毎の特徴情報に基づき、前記劣化を低減するための印刷処理を制御する印刷制御ステップと、を含むことを特徴としている。
これによって、形態1の印刷装置と同等の作用効果が得られる。
【0079】
〔形態35〕 また、上記目的を達成するために、形態35の印刷装置制御方法は、
印刷に用いる媒体にドットを形成可能な複数のノズルを有する印刷ヘッドによって、前記媒体に画像を印刷する印刷装置を制御するのに使用する印刷装置制御方法であって、
前記画像を構成するM値(M≧2)の画素値に対応した複数の画素データを有する画像データを取得する画像データ取得ステップと、
前記画像データから所定の前記画素データを選択する画素データ選択ステップと、
前記ノズル情報に基づき、前記選択した画素データがバンディング現象に関与しているか否かを判定するバンディング判定ステップと、
前記バンディング判定ステップにおいて、前記画像データから、前記バンディング現象に関与すると判定された画素データの画素を含んで構成される所定領域の画像の特徴情報を抽出する特徴情報抽出ステップと、
前記特徴情報に基づき、前記バンディング現象による印刷画質の劣化が目立つか否かを判定する劣化度判定ステップと、
前記画像データの各画素値毎のドット形成内容に関する情報を有する印刷用データを生成する印刷用データ生成ステップと、
前記印刷用データに基づき、前記印刷ヘッドによって前記画像を前記媒体に印刷する印刷ステップと、を含み、
前記印刷用データ生成ステップにおいては、前記劣化度判定ステップにおいて前記印刷画質の劣化が目立つと判定された前記所定領域の画像の一部又は全部の画素データに対してのみ、バンディング現象による印刷画質の劣化を低減するための情報を含む前記ドット形成内容に関する情報の生成処理を行うことを特徴としている。
これによって、形態2の印刷装置と同等の作用効果が得られる。
【0080】
〔形態36〕 更に、形態36の印刷装置制御方法は、形態35の印刷装置制御方法において、
前記劣化度判定ステップにおいては、前記特徴情報の示す特徴量と所定閾値とを比較し、前記特徴量が前記所定閾値以上である場合に、前記バンディング現象による印刷画質の劣化が目立つと判定することを特徴としている。
これによって、形態3の印刷装置と同等の作用効果が得られる。
【0081】
〔形態37〕 更に、形態37の印刷装置制御方法は、形態35又は36の印刷装置制御方法において、
前記画像データを複数の画像データ領域に分割する領域分割ステップを含み、
前記各画像データ領域の画像を、前記所定領域の画像とし、
前記特徴情報抽出ステップにおいては、前記所定領域の画像毎に前記特徴情報を抽出することを特徴としている。
これによって、形態4の印刷装置と同等の作用効果が得られる。
【0082】
〔形態38〕 更に、形態38の印刷装置制御方法は、形態34乃至37のいずれか1の印刷装置制御方法において、
前記特徴情報は、前記所定領域の画像の濃度情報を含むことを特徴としている。
これによって、形態5の印刷装置と同等の作用効果が得られる。
【0083】
〔形態39〕 更に、形態39の印刷装置制御方法は、形態38の印刷装置制御方法において、
前記特徴情報抽出ステップにおいては、前記印刷ヘッドに対応するインクの色毎に前記濃度情報を抽出することを特徴としている。
これによって、形態6の印刷装置と同等の作用効果が得られる。
【0084】
〔形態40〕 更に、形態40の印刷装置制御方法は、形態38又は39の印刷装置制御方法において、
前記印刷用データ生成ステップにおいては、前記劣化判定ステップにおいて前記印刷画質の劣化が目立つと判定され、且つ前記濃度情報の示す濃度値が所定濃度値以上となる前記所定領域の画像の一部又は全部の画素データに対してのみ、バンディング現象による印刷画質の劣化を低減するための情報を含む前記ドット形成内容に関する情報の生成処理を行うことを特徴としている。
これによって、形態7の印刷装置と同等の作用効果が得られる。
【0085】
〔形態41〕 更に、形態41の印刷装置制御方法は、形態38又は39の印刷装置制御方法において、
前記印刷用データ生成ステップにおいては、前記劣化判定ステップにおいて前記印刷画質の劣化が目立つと判定され、且つ前記濃度情報の示す濃度値が中間調の濃度範囲に含まれる前記所定領域の画像の一部又は全部の画素データに対してのみ、バンディング現象による印刷画質の劣化を低減するための情報を含む前記ドット形成内容に関する情報の生成処理を行うことを特徴としている。
これによって、形態8の印刷装置と同等の作用効果が得られる。
【0086】
〔形態42〕 更に、形態42の印刷装置制御方法は、形態34乃至37のいずれか1の印刷装置制御方法において、
前記特徴情報は、前記所定領域の画像の周波数情報を含むことを特徴としている。
これによって、形態9の印刷装置と同等の作用効果が得られる。
【0087】
〔形態43〕 更に、形態43の印刷装置制御方法は、形態42の印刷装置制御方法において、
前記周波数情報は、前記所定領域の画像のエッジ情報を含むことを特徴としている。
これによって、形態10の印刷装置と同等の作用効果が得られる。
【0088】
〔形態44〕 更に、形態44の印刷装置制御方法は、形態42又は43の印刷装置制御方法において、
前記特徴情報抽出ステップにおいては、前記印刷ヘッドに対応するインクの色毎の前記周波数情報を抽出することを特徴としている。
これによって、形態11の印刷装置と同等の作用効果が得られる。
【0089】
〔形態45〕 更に、形態45の印刷装置制御方法は、形態42乃至44のいずれか1の印刷装置制御方法において、
前記印刷用データ生成ステップにおいては、前記劣化判定ステップにおいて前記印刷画質の劣化が目立つと判定され、且つ前記周波数情報の示す周波数が所定周波数以下の前記所定領域の画像の一部又は全部の画素データに対してのみ、前記ドット形成内容に関する情報として、バンディング現象による印刷画質の劣化を低減するための情報含む情報を生成することを特徴としている。
これによって、形態12の印刷装置と同等の作用効果が得られる。
【0090】
〔形態46〕 更に、形態46の印刷装置制御方法は、形態34乃至45のいずれか1の印刷装置制御方法において、
前記ノズル情報は、前記各ノズルのインクの吐出不良の有無を示す情報を含むことを特徴としている。
これによって、形態13の印刷装置と同等の作用効果が得られる。
【0091】
〔形態47〕 更に、形態47の印刷装置制御方法は、形態34乃至46のいずれか1の印刷装置制御方法において、
前記ノズル情報は、前記各ノズルの前記ドットの実際の形成位置と当該ドットの理想の形成位置との位置ずれ量の情報を含むことを特徴としている。
これによって、形態14の印刷装置と同等の作用効果が得られる。
【0092】
〔形態48〕 更に、形態48の印刷装置制御方法は、形態34乃至47のいずれか1の印刷装置制御方法において、
前記ノズル情報は、前記各ノズルが実際に形成するドットの濃度値と、当該ドットの理想の濃度値とのずれ量の情報を含むことを特徴としている。
これによって、形態15の印刷装置と同等の作用効果が得られる。
【0093】
〔形態49〕 一方、上記目的を達成するために、形態49の印刷用データ生成装置は、
印刷に用いる媒体にドットを形成可能な複数のノズルを有する印刷ヘッドによって、前記媒体に画像を印刷する印刷装置において使用される前記印刷用データを生成する印刷用データ生成装置であって、
前記各ノズルの特性を示すノズル情報を記憶するノズル情報記憶手段と、
前記画像を構成するM値(M≧2)の画素値に対応した複数の画素データを有する画像データを取得する画像データ取得手段と、
前記画像データから所定の前記画素データを選択する画素データ選択手段と、
前記ノズル情報に基づき、前記選択した画素データがバンディング現象に関与しているか否かを判定するバンディング判定手段と、
前記バンディング判定手段において、前記画像データから、前記バンディング現象に関与すると判定された画素データの画素を含んで構成される所定領域の画像の特徴情報を抽出する特徴情報抽出手段と、
前記特徴情報に基づき、前記バンディング現象による印刷画質の劣化が目立つか否かを判定する劣化度判定手段と、
前記画像データの各画素値毎のドット形成内容に関する情報を有する印刷用データを生成する印刷用データ生成手段と、を備え、
前記印刷用データ生成手段は、前記劣化度判定手段において前記印刷画質の劣化が目立つと判定された前記所定領域の画像の一部又は全部の画素データに対してのみ、バンディング現象による印刷画質の劣化を低減するための情報を含む前記ドット形成内容に関する情報の生成処理を行うことを特徴としている。
【0094】
すなわち、本形態は、前記印刷装置のような実際に印刷を実行するための印刷手段を含むのではなく、元のM値の画像データに基づいて印刷用データを生成するようにしたものである。
従って、形態2の印刷装置と同様の作用及び効果を得ることができると共に、例えば、本形態で生成した印刷用データを印刷装置に送るだけで、当該印刷装置で印刷処理を実行できる構成とすることが可能となるので、このような構成にすることで、専用の印刷装置を用意することなく、既存のインクジェット方式の印刷装置をそのまま利用することができる。
また、パソコンなどの汎用の情報処理装置を利用することができるため、パソコンなどの印刷指示装置とインクジェットプリンタとからなる既存の印刷システムをそのまま活用することができる。
【0095】
〔形態50〕 更に、形態50の印刷用データ生成装置は、形態49の印刷用データ生成装置において、
前記劣化度判定手段は、前記特徴情報の示す特徴量と所定閾値とを比較し、前記特徴量が前記所定閾値以上である場合に、前記バンディング現象による印刷画質の劣化が目立つと判定することを特徴としている。
これによって、形態3の印刷装置と同様の作用及び効果が得られる。
【0096】
〔形態51〕 更に、形態51の印刷用データ生成装置は、形態49又は50の印刷用データ生成装置において、
前記画像データを複数の画像データ領域に分割する領域分割手段を備え、
前記各画像データ領域の画像を、前記所定領域の画像とし、
前記特徴情報抽出手段は、前記所定領域の画像毎に前記特徴情報を抽出することを特徴としている。
これによって、形態4の印刷装置と同様の作用及び効果が得られる。
【0097】
〔形態52〕 更に、形態52の印刷用データ生成装置は、形態49乃至51のいずれか1の印刷用データ生成装置において、
前記特徴情報は、前記所定領域の画像の濃度情報を含むことを特徴としている。
これによって、形態5の印刷装置と同様の作用及び効果が得られる。
【0098】
〔形態53〕 更に、形態53の印刷用データ生成装置は、形態52の印刷用データ生成装置において、
前記特徴情報抽出手段は、前記印刷ヘッドに対応するインクの色毎に前記濃度情報を抽出することを特徴としている。
これによって、形態6の印刷装置と同様の作用及び効果が得られる。
【0099】
〔形態54〕 更に、形態54の印刷用データ生成装置は、形態52又は53の印刷用データ生成装置において、
前記印刷用データ生成手段は、前記劣化判定手段において前記印刷画質の劣化が目立つと判定され、且つ前記濃度情報の示す濃度値が所定濃度値以上となる前記所定領域の画像の一部又は全部の画素データに対してのみ、バンディング現象による印刷画質の劣化を低減するための情報を含む前記ドット形成内容に関する情報の生成処理を行うことを特徴としている。
これによって、形態7の印刷装置と同様の作用及び効果が得られる。
【0100】
〔形態55〕 更に、形態55の印刷用データ生成装置は、形態52又は53の印刷用データ生成装置において、
前記印刷用データ生成手段は、前記劣化判定手段において前記印刷画質の劣化が目立つと判定され、且つ前記濃度情報の示す濃度値が中間調の濃度範囲に含まれる前記所定領域の画像の一部又は全部の画素データに対してのみ、バンディング現象による印刷画質の劣化を低減するための情報を含む前記ドット形成内容に関する情報の生成処理を行うことを特徴としている。
これによって、形態8の印刷装置と同様の作用及び効果が得られる。
【0101】
〔形態56〕 更に、形態56の印刷用データ生成装置は、形態49乃至51のいずれか1の印刷用データ生成装置において、
前記特徴情報は、前記所定領域の画像の周波数情報を含むことを特徴としている。
これによって、形態9の印刷装置と同様の作用及び効果が得られる。
【0102】
〔形態57〕 更に、形態57の印刷用データ生成装置は、形態56の印刷用データ生成装置において、
前記周波数情報は、前記所定領域の画像のエッジ情報を含むことを特徴としている。
これによって、形態10の印刷装置と同様の作用及び効果が得られる。
【0103】
〔形態58〕 更に、形態58の印刷用データ生成装置は、形態56又は57の印刷用データ生成装置において、
前記特徴情報抽出手段は、前記画像データに基づき、前記画像の色を前記印刷ヘッドに対応するインクの色に応じて分解し、且つ前記画像の各所定領域に対する、各色毎の前記周波数情報を抽出することを特徴としている。
これによって、形態11の印刷装置と同様の作用及び効果が得られる。
【0104】
〔形態59〕 更に、形態59の印刷用データ生成装置は、形態56乃至58のいずれか1の印刷用データ生成装置において、
前記印刷用データ生成手段は、前記劣化判定手段において前記印刷画質の劣化が目立つと判定され、且つ前記周波数情報の示す周波数が所定周波数以下の前記所定領域の画像の一部又は全部の画素データに対してのみ、前記ドット形成内容に関する情報として、バンディング現象による印刷画質の劣化を低減するための情報含む情報を生成することを特徴としている。
これによって、形態12の印刷装置と同様の作用及び効果が得られる。
【0105】
〔形態60〕 更に、形態60の印刷用データ生成装置は、形態49乃至59のいずれか1の印刷用データ生成装置において、
前記ノズル情報は、前記各ノズルのインクの吐出不良の有無を示す情報を含むことを特徴としている。
これによって、形態13の印刷装置と同様の作用及び効果が得られる。
【0106】
〔形態61〕 更に、形態61の印刷用データ生成装置は、形態49乃至60のいずれか1の印刷用データ生成装置において、
前記ノズル情報は、前記各ノズルの前記ドットの実際の形成位置と当該ドットの理想の形成位置との位置ずれ量の情報を含むことを特徴としている。
これによって、形態14の印刷装置と同様の作用及び効果が得られる。
【0107】
〔形態62〕 更に、形態62の印刷用データ生成装置は、形態49乃至61のいずれか1の印刷用データ生成装置において、
前記ノズル情報は、前記各ノズルが実際に形成するドットの濃度値と、当該ドットの理想の濃度値とのずれ量の情報を含むことを特徴としている。
これによって、形態15の印刷装置と同様の作用及び効果が得られる。
【0108】
〔形態63〕 一方、上記目的を達成するために、形態63の印刷用データ生成プログラムは、
印刷に用いる媒体にドットを形成可能な複数のノズルを有する印刷ヘッドによって、前記媒体に画像を印刷する印刷装置において使用される前記印刷用データを生成するのに使用する印刷用データ生成プログラムであって、
前記画像を構成するM値(M≧2)の画素値に対応した複数の画素データを有する画像データを取得する画像データ取得ステップと、
前記画像データから所定の前記画素データを選択する画素データ選択ステップと、
前記ノズル情報に基づき、前記選択した画素データがバンディング現象に関与しているか否かを判定するバンディング判定ステップと、
前記バンディング判定ステップにおいて、前記画像データから、前記バンディング現象に関与すると判定された画素データの画素を含んで構成される所定領域の画像の特徴情報を抽出する特徴情報抽出ステップと、
前記特徴情報に基づき、前記バンディング現象による印刷画質の劣化が目立つか否かを判定する劣化度判定ステップと、
前記画像データの各画素値毎のドット形成内容に関する情報を有する印刷用データを生成する印刷用データ生成ステップとからなる処理をコンピュータに実行させるのに使用するプログラムを含み、
前記印刷用データ生成ステップにおいては、前記劣化度判定ステップにおいて前記印刷画質の劣化が目立つと判定された前記所定領域の画像の一部又は全部の画素データに対してのみ、バンディング現象による印刷画質の劣化を低減するための情報を含む前記ドット形成内容に関する情報の生成処理を行うことを特徴としている。
【0109】
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態49の印刷用データ生成装置と同等の作用および効果が得られる。
【0110】
〔形態64〕 更に、形態64の印刷用データ生成プログラムは、形態63の印刷用データ生成プログラムにおいて、
前記劣化度判定ステップにおいては、前記特徴情報の示す特徴量と所定閾値とを比較し、前記特徴量が前記所定閾値以上である場合に、前記バンディング現象による印刷画質の劣化が目立つと判定することを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態50の印刷用データ生成装置と同等の作用および効果が得られる。
【0111】
〔形態65〕 更に、形態65の印刷用データ生成プログラムは、形態63又は64の印刷用データ生成プログラムにおいて、
前記画像データを複数の画像データ領域に分割する領域分割ステップをコンピュータに実行させるのに使用するプログラムを含み、
前記各画像データ領域の画像を、前記所定領域の画像とし、
前記特徴情報抽出ステップにおいては、前記所定領域の画像毎に前記特徴情報を抽出することを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態51の印刷用データ生成装置と同等の作用および効果が得られる。
【0112】
〔形態66〕 更に、形態66の印刷用データ生成プログラムは、形態63乃至65のいずれか1の印刷用データ生成プログラムにおいて、
前記特徴情報は、前記所定領域の画像の濃度情報を含むことを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態52の印刷用データ生成装置と同等の作用および効果が得られる。
【0113】
〔形態67〕 更に、形態67の印刷用データ生成プログラムは、形態66の印刷用データ生成プログラムにおいて、
前記特徴情報抽出ステップにおいては、前記印刷ヘッドに対応するインクの色毎に前記濃度情報を抽出することを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態53の印刷用データ生成装置と同等の作用および効果が得られる。
【0114】
〔形態68〕 更に、形態68の印刷用データ生成プログラムは、形態66又は67の印刷用データ生成プログラムにおいて、
前記印刷用データ生成ステップにおいては、前記劣化判定ステップにおいて前記印刷画質の劣化が目立つと判定され、且つ前記濃度情報の示す濃度値が所定濃度値以上となる前記所定領域の画像の一部又は全部の画素データに対してのみ、バンディング現象による印刷画質の劣化を低減するための情報を含む前記ドット形成内容に関する情報の生成処理を行うことを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態54の印刷用データ生成装置と同等の作用および効果が得られる。
【0115】
〔形態69〕 更に、形態69の印刷用データ生成プログラムは、形態66又は67の印刷用データ生成プログラムにおいて、
前記印刷用データ生成ステップにおいては、前記劣化判定ステップにおいて前記印刷画質の劣化が目立つと判定され、且つ前記濃度情報の示す濃度値が中間調の濃度範囲に含まれる前記所定領域の画像の一部又は全部の画素データに対してのみ、バンディング現象による印刷画質の劣化を低減するための情報を含む前記ドット形成内容に関する情報の生成処理を行うことを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態55の印刷用データ生成装置と同等の作用および効果が得られる。
【0116】
〔形態70〕 更に、形態70の印刷用データ生成プログラムは、形態63乃至65のいずれか1の印刷用データ生成プログラムにおいて、
前記特徴情報は、前記所定領域の画像の周波数情報を含むことを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態56の印刷用データ生成装置と同等の作用および効果が得られる。
【0117】
〔形態71〕 更に、形態71の印刷用データ生成プログラムは、形態70の印刷用データ生成プログラムにおいて、
前記周波数情報は、前記所定領域の画像のエッジ情報を含むことを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態57の印刷用データ生成装置と同等の作用および効果が得られる。
【0118】
〔形態72〕 更に、形態72の印刷用データ生成プログラムは、形態70又は71の印刷用データ生成プログラムにおいて、
前記特徴情報抽出ステップにおいては、前記印刷ヘッドに対応するインクの色毎の前記周波数情報を抽出することを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態58の印刷用データ生成装置と同等の作用および効果が得られる。
【0119】
〔形態73〕 更に、形態73の印刷用データ生成プログラムは、形態70乃至72のいずれか1の印刷用データ生成プログラムにおいて、
前記印刷用データ生成ステップにおいては、前記劣化判定ステップにおいて前記印刷画質の劣化が目立つと判定され、且つ前記周波数情報の示す周波数が所定周波数以下の前記所定領域の画像の一部又は全部の画素データに対してのみ、前記ドット形成内容に関する情報として、バンディング現象による印刷画質の劣化を低減するための情報含む情報を生成することを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態59の印刷用データ生成装置と同等の作用および効果が得られる。
【0120】
〔形態74〕 更に、形態74の印刷用データ生成プログラムは、形態63乃至73のいずれか1の印刷用データ生成プログラムにおいて、
前記ノズル情報は、前記各ノズルのインクの吐出不良の有無を示す情報を含むことを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態60の印刷用データ生成装置と同等の作用および効果が得られる。
【0121】
〔形態75〕 更に、形態75の印刷用データ生成プログラムは、形態63乃至74のいずれか1の印刷用データ生成プログラムにおいて、
前記ノズル情報は、前記各ノズルの前記ドットの実際の形成位置と当該ドットの理想の形成位置との位置ずれ量の情報を含むことを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態61の印刷用データ生成装置と同等の作用および効果が得られる。
【0122】
〔形態76〕 更に、形態76の印刷用データ生成プログラムは、形態63乃至75のいずれか1の印刷用データ生成プログラムにおいて、
前記ノズル情報は、前記各ノズルが実際に形成するドットの濃度値と、当該ドットの理想の濃度値とのずれ量の情報を含むことを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態62の印刷用データ生成装置と同等の作用および効果が得られる。
【0123】
〔形態77〕 一方、上記目的を達成するために、形態77の印刷用データ生成プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、
形態63乃至形態76のいずれか1の印刷用データ生成プログラムが記録されていることを特徴としている。
これによって、形態63乃至形態76のいずれか1の印刷用データ生成プログラムと同様の作用及び効果が得られると共に、CD−ROMやDVD−ROM、FD(フレキシブルディスク)などの記録媒体を介して前記印刷プログラムを容易に授受することが可能となる。
【0124】
〔形態78〕 一方、上記目的を達成するために、形態78の印刷用データ生成方法は、
印刷に用いる媒体にドットを形成可能な複数のノズルを有する印刷ヘッドによって、前記媒体に画像を印刷する印刷装置において使用される前記印刷用データを生成するのに使用する印刷用データ生成方法であって、
前記画像を構成するM値(M≧2)の画素値に対応した複数の画素データを有する画像データを取得する画像データ取得ステップと、
前記画像データから所定の前記画素データを選択する画素データ選択ステップと、
前記ノズル情報に基づき、前記選択した画素データがバンディング現象に関与しているか否かを判定するバンディング判定ステップと、
前記バンディング判定ステップにおいて、前記画像データから、前記バンディング現象に関与すると判定された画素データの画素を含んで構成される所定領域の画像の特徴情報を抽出する特徴情報抽出ステップと、
前記特徴情報に基づき、前記バンディング現象による印刷画質の劣化が目立つか否かを判定する劣化度判定ステップと、
前記画像データの各画素値毎のドット形成内容に関する情報を有する印刷用データを生成する印刷用データ生成ステップと、を含み、
前記印刷用データ生成ステップにおいては、前記劣化度判定ステップにおいて前記印刷画質の劣化が目立つと判定された前記所定領域の画像の一部又は全部の画素データに対してのみ、バンディング現象による印刷画質の劣化を低減するための情報を含む前記ドット形成内容に関する情報の生成処理を行うことを特徴としている。
これによって、形態49の印刷用データ生成装置と同等の作用及び効果が得られる。
【0125】
〔形態79〕 更に、形態79の印刷用データ生成方法は、形態78の印刷用データ生成方法において、
前記劣化度判定ステップにおいては、前記特徴情報の示す特徴量と所定閾値とを比較し、前記特徴量が前記所定閾値以上である場合に、前記バンディング現象による印刷画質の劣化が目立つと判定することを特徴としている。
これによって、形態50の印刷用データ生成装置と同等の作用及び効果が得られる。
【0126】
〔形態80〕 更に、形態80の印刷用データ生成方法は、形態78又は79の印刷用データ生成方法において、
前記画像データを複数の画像データ領域に分割する領域分割ステップを含み、
前記各画像データ領域の画像を、前記所定領域の画像とし、
前記特徴情報抽出ステップにおいては、前記所定領域の画像毎に前記特徴情報を抽出することを特徴としている。
これによって、形態51の印刷用データ生成装置と同等の作用及び効果が得られる。
【0127】
〔形態81〕 更に、形態81の印刷用データ生成方法は、形態78乃至80のいずれか1の印刷用データ生成方法において、
前記特徴情報は、前記所定領域の画像の濃度情報を含むことを特徴としている。
これによって、形態52の印刷用データ生成装置と同等の作用及び効果が得られる。
【0128】
〔形態82〕 更に、形態82の印刷用データ生成方法は、形態81の印刷用データ生成方法において、
前記特徴情報抽出ステップにおいては、前記印刷ヘッドに対応するインクの色毎に前記濃度情報を抽出することを特徴としている。
これによって、形態53の印刷用データ生成装置と同等の作用及び効果が得られる。
【0129】
〔形態83〕 更に、形態83の印刷用データ生成方法は、形態81又は82の印刷用データ生成方法において、
前記印刷用データ生成ステップにおいては、前記劣化判定ステップにおいて前記印刷画質の劣化が目立つと判定され、且つ前記濃度情報の示す濃度値が所定濃度値以上となる前記所定領域の画像の一部又は全部の画素データに対してのみ、バンディング現象による印刷画質の劣化を低減するための情報を含む前記ドット形成内容に関する情報の生成処理を行うことを特徴としている。
これによって、形態54の印刷用データ生成装置と同等の作用及び効果が得られる。
【0130】
〔形態84〕 更に、形態84の印刷用データ生成方法は、形態81又は82の印刷用データ生成方法において、
前記印刷用データ生成ステップにおいては、前記劣化判定ステップにおいて前記印刷画質の劣化が目立つと判定され、且つ前記濃度情報の示す濃度値が中間調の濃度範囲に含まれる前記所定領域の画像の一部又は全部の画素データに対してのみ、バンディング現象による印刷画質の劣化を低減するための情報を含む前記ドット形成内容に関する情報の生成処理を行うことを特徴としている。
これによって、形態55の印刷用データ生成装置と同等の作用及び効果が得られる。
【0131】
〔形態85〕 更に、形態85の印刷用データ生成方法は、形態78乃至80のいずれか1の印刷用データ生成方法において、
前記特徴情報は、前記所定領域の画像の周波数情報を含むことを特徴としている。
これによって、形態56の印刷用データ生成装置と同等の作用及び効果が得られる。
【0132】
〔形態86〕 更に、形態86の印刷用データ生成方法は、形態85の印刷用データ生成方法において、
前記周波数情報は、前記所定領域の画像のエッジ情報を含むことを特徴としている。
これによって、形態57の印刷用データ生成装置と同等の作用及び効果が得られる。
【0133】
〔形態87〕 更に、形態87の印刷用データ生成方法は、形態85又は86の印刷用データ生成方法において、
前記特徴情報抽出ステップにおいては、前記印刷ヘッドに対応するインクの色毎の前記周波数情報を抽出することを特徴としている。
これによって、形態58の印刷用データ生成装置と同等の作用及び効果が得られる。
【0134】
〔形態88〕 更に、形態88の印刷用データ生成方法は、形態85乃至87のいずれか1の印刷用データ生成方法において、
前記印刷用データ生成ステップにおいては、前記劣化判定ステップにおいて前記印刷画質の劣化が目立つと判定され、且つ前記周波数情報の示す周波数が所定周波数以下の前記所定領域の画像の一部又は全部の画素データに対してのみ、前記ドット形成内容に関する情報として、バンディング現象による印刷画質の劣化を低減するための情報含む情報を生成することを特徴としている。
これによって、形態59の印刷用データ生成装置と同等の作用及び効果が得られる。
【0135】
〔形態89〕 更に、形態89の印刷用データ生成方法は、形態78乃至88のいずれか1の印刷用データ生成方法において、
前記ノズル情報は、前記各ノズルのインクの吐出不良の有無を示す情報を含むことを特徴としている。
これによって、形態60の印刷用データ生成装置と同等の作用及び効果が得られる。
【0136】
〔形態90〕 更に、形態90の印刷用データ生成方法は、形態78乃至89のいずれか1の印刷用データ生成方法において、
前記ノズル情報は、前記各ノズルの前記ドットの実際の形成位置と当該ドットの理想の形成位置との位置ずれ量の情報を含むことを特徴としている。
これによって、形態61の印刷用データ生成装置と同等の作用及び効果が得られる。
【0137】
〔形態91〕 更に、形態91の印刷用データ生成方法は、形態78乃至90のいずれか1の印刷用データ生成方法において、
前記ノズル情報は、前記各ノズルが実際に形成するドットの濃度値と、当該ドットの理想の濃度値とのずれ量の情報を含むことを特徴としている。
これによって、形態62の印刷用データ生成装置と同等の作用及び効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0138】
〔第1の実施の形態〕
以下、本発明の第1の実施の形態を図面に基づき説明する。図1〜図16は、本発明に係る印刷装置、印刷装置制御プログラム及び印刷装置制御方法、並びに印刷用データ生成装置、印刷用データ生成プログラム及び印刷用データ生成方法の第1の実施の形態を示す図である。
【0139】
まず、本発明に係る印刷装置100の構成を図1に基づき説明する。図1は、本発明に係る印刷装置100の構成を示すブロック図である。
印刷装置100は、ラインヘッド型の印刷装置であり、図1に示すように、外部装置や記憶装置等から所定画像を構成するM値(M≧2)の画像データを取得する画像データ取得部10と、画像データ取得部10で取得した画像データから画像特徴量を抽出する画像特徴量抽出部11と、後述する印刷ヘッド200の各ノズルの特性示すノズル情報及び前記抽出した画像特徴量に基づき、バンディング現象に関与するノズルに対して、バンディング回避処理を伴うN値化処理を行うか否かを判定し、当該判定結果及びN値化情報に基づき画像データをN値化することで、後述する印刷部13において、画像データの画像を印刷媒体S(ここでは、印刷用紙)に印刷するための印刷用データを生成する印刷用データ生成部12と、印刷用データに基づき画像データの画像を、インクジェット方式によって印刷用紙に印刷する印刷部13と、前記ノズル情報を記憶するノズル情報記憶部14とを含んだ構成となっている。
【0140】
画像データ取得部10は、例えば、1画素あたり各色(R、G、B)ごとの階調(輝度値)が8ビット(0〜255)で表現される多値の画像データを取得する機能を有しており、このような画像データを、外部装置及び自装置の入力装置等からの印刷指示に応じて、LANやWAN等のネットワークを介して外部装置から取得したり、自装置の備える図示しないCDドライブ、DVDドライブなどの駆動装置を介してCD−ROM、DVD−ROMなどの記録媒体から取得したり、自装置の有する後述する記憶装置70から取得したりすることが可能となっている。更に、多値のRGBデータを色変換処理して前記印刷ヘッド200の各インクに対応する多値のCMYK(4色の場合)データに変換する機能も同時に発揮するようになっている。
【0141】
画像特徴量抽出部11は、画像データ取得部10からのCMYK画像データから、当該CMYK画像データによって構成される画像の特徴を示す画像特徴量を抽出する機能を有しており、本実施の形態においては、選択画素データがバンディング現象に関与している場合に、当該選択画素データを中心とした所定領域の画像(以下、ブロック画像と称す)を構成する画素の各色毎に、ブロック画像の濃度値(又は輝度値)に係る特徴量を抽出するようになっている。そして、抽出した画像特徴量を記憶装置70に記憶すると共に、当該抽出した画像特徴量に対応するCMYK画像データを印刷用データ生成部12に伝送する。
印刷用データ生成部12は、処理内容判定部12aと、判定用情報記憶部12bと、N値化処理部12dと、N値化情報記憶部12eとを含んだ構成となっている。
【0142】
処理内容判定部12aは、画像特徴量抽出部11において抽出された各ブロック画像の画像特徴量と、判定用情報記憶部12bに記憶された判定用情報とに基づき、各ブロック画像に対して、バンディング回避処理を伴うN値化処理を行うか否かを判定する機能を有すると共に、バンディング回避処理を伴うN値化処理を行うと判定したときは、ノズル情報及び画像特徴量に基づき、当該N値化処理の処理内容(選択ブロックに対するバンディング回避処理の実行割合等)を決定する機能を有している。
判定用情報記憶部12bは、画像特徴量抽出部11において抽出された各ブロック画像の画像特徴量が、バンディング回避処理を伴うN値化処理を行う対象であるか否かを判定するための各種閾値等の情報を含む判定用情報を記憶するようになっている。
【0143】
N値化処理部12dは、画像特徴量抽出部11から伝送された画像データから所定の画素データを選択し、N値化情報記憶部12eから読み出したN値化情報に含まれる、ノズルのドット形成サイズに対応したN値化用閾値、各ドット形成サイズに対応したドット番号及び各ドット番号に対応したN値化後の画素値(例えば、濃度値)に基づき、上記選択した所定の画素データ(以下、選択画素データと称す)を、誤差拡散法を用いてN値化する機能を有している。つまり、選択画素データをN値化すると共に、当該画素データのN値化前の画素値とN値化後の画素値との差分を算出し、これを誤差として、選択画素データに対応する画素周辺のN値化処理が未処理の画素データ拡散する。
【0144】
更に、バンディング処理を伴うN値化処理を行う場合は、処理内容判定部12aの判定結果に基づき、例えば、飛行曲りを発生するノズルやインク不吐出のノズル等の異常ノズルに対応する画素列における大ドットの形成割合を決定すると共に、当該異常ノズルに対応する画素列の各画素毎にドットサイズを拡大する抽選処理を行い、この抽選に当選した画素について、前記大ドットの形成割合を考慮したN値化処理を行う。
上記したように、N値化及び誤差拡散処理を画像データの全画素データに施すことによって、印刷ヘッド200の各ノズルが形成可能なN種類のドット形成サイズに応じた画素値(濃度値又は輝度値)及びノズル番号情報からなるデータに変換する。以下、N値化及び誤差拡散処理後の第2画像データを、N値化画像データと称す。
【0145】
ここで、上記N値化処理とは、M値(M≧2)の(M種類の画素値(画素データ)を有する)画像データを、N値(M≧N≧2)の(N種類の数値を有する)データに変換する処理であって、例えば、2値化する場合は、変換元の画素値と閾値とを比較して、閾値以上なら数値「1」、閾値より小さければ数値「0」といったように、変換元の画素値を予め設定された2種類の数値のいずれか一方に変換する。従って、N値化であれば、M値の画素値をN種類の閾値と比較し、その比較結果に応じて予め設定されたN種類の数値のいずれか1つに変換することになる。
【0146】
また、誤差拡散法は、公知の誤差拡散法と同様の原理で誤差を拡散するもので、例えば、上記N値の画像データを、閾値「128」を境に、画素値が「128」より小さければ「0」、「128」以上なら「255」に変換する2値化処理の場合に、選択画素の画素値が「101」の場合、「101」は「0」に変換され、この変換後の「0」と変換前の「101」との差である「101」が誤差として、所定の拡散方式に従ってその周囲の未処理の複数の画素に対して拡散されることになる。例えば、選択画素の右隣の画素(例えば、画素値「101」)が通常の2値化処理のみでは選択画素と同じく閾値に満たないことから「0」に変換されてしまっていたのが、選択画素の誤差である例えば「27」を受け取ることによってその画素値が「128」となって閾値「128」以上となり、これによって「1」に変換されるようになる。
N値化情報記憶部12eは、前述したように、ノズルのドット形成サイズに対応したN値化用閾値、各ドット形成サイズに対応したドット番号及び各ドット番号に対応したN値化後の画素値(例えば、輝度値)などを含んでなるN値化情報を記憶するようになっている。
【0147】
ここで、図3は、本発明の印刷ヘッド200の構造を示す部分拡大底面図であり、図4は、その部分拡大側面図である。
図3に示すように、この印刷ヘッド200は、ブラック(K)インクを専用に吐出する複数個のノズルN(図では18個))が、ノズル配列方向に直線状に配列されたブラックノズルモジュール50と、同じくイエロー(Y)インクを専用に吐出する複数個のノズルNが、ノズル配列方向に直線状に配列されたイエローノズルモジュール52と、同じくマゼンタ(M)インクを専用に吐出する複数個のノズルNが、ノズル配列方向に直線状に配列されたマゼンタノズルモジュール54と、同じくシアン(M)インクを専用に吐出する複数個のノズルNが、ノズル配列方向に直線状に配列されたシアンノズルモジュール56といった4つのノズルモジュール50、52、54及び56を含んだ構成となっている。そして、これら4つのノズルモジュールにおける各同じ番号のノズルNが、図3に示すように、印刷方向(ノズル配列方向に対して垂直方向)において一直線上に並ぶようにノズルモジュール50、52、54及び56が一体的に配列して構成されている。従って、各ノズルモジュールを構成する複数のノズルNは、それぞれノズル配列方向に直線状に配列され、4つのノズルモジュールにおける各同じ番号のノズルNは、それぞれ印刷方向に直線状に配列される。
【0148】
また、このような構造をした印刷ヘッド200は、各ノズルN1、N2、N3…ごとにそれぞれ設けられた図示しないインクチャンバー内に供給されたインクをそれら各インクチャンバーごとに設けられた図示しないピエゾ素子(piezo actuator)などの圧電素子によって各ノズルN1、N2、N3…から吐出することで、白色の印刷用紙上に円形のドットを印字すると共に、さらに、この圧電素子に加える電圧を多段階に制御することによってインクチャンバーからのインクの吐出量を制御して各ノズルN1、N2、N3…ごとにサイズの異なるドットが印字可能となっている。また、時系列的に短時間で2段階でノズルに電圧を加え、印刷用紙上にて2つの吐出を組み合わせて1つのドットを構成する場合もある。この場合、ドットのサイズによって吐出速度が異なることを利用して、小さいドットにつづいて大きいドットを吐出することによって、紙面上でほぼ同位置にインクを着弾させて1つのさらに大きいドットを構成させることが可能である。 更に、図4は、これら4つのノズルモジュール50、52、54及び56のなかのブラックノズルモジュール50のうち、左から6番目のノズルN6が飛行曲がり現象を起こしており、そのノズルN6から印刷媒体S上にインクが斜め方向に吐出され、これによって印刷媒体S上に形成されたドットが、当該ノズルN6の隣りの正常なノズルN7から吐出され且つ印刷媒体S上に形成されたドットの近傍に形成されてしまう状態を示している。
【0149】
図1、図3に戻って、印刷部13は、印刷媒体(用紙)S又は印刷ヘッド200の一方、あるいは双方を移動させながら前記印刷ヘッド200に形成された前記ノズルモジュール50,52,54及び56からインクをそれぞれドット状に噴射して前記印刷媒体S上に多数のドットからなる所定の画像を形成するようにしたインクジェット方式のプリンタであり、前述した印刷ヘッド200の他に、この印刷ヘッド200を印刷媒体(用紙)S上をその幅方向に往復移動させる図示しない印刷ヘッド送り機構(マルチパス型の場合)、前記印刷媒体(用紙)Sを移動させるための図示しない紙送り機構、前記N値化データに基づいて印刷ヘッド200のインクの吐出を制御する図示しない印刷制御機構などから構成されている。
【0150】
ノズル情報記憶部14は、印刷部13の有する印刷ヘッド200の各ノズルNと、画像データにおける各画素データとの対応を示す情報、各ノズルNに対するインクの吐出不良の有無を示す情報、各ノズルNの飛行曲り量を示す情報などのノズルNの特性を示す情報を含んでなるノズル情報を記憶するようになっている。なお、印刷ヘッド200(各ノズルN)の特性は、製造段階である程度固定されてしまい、インク詰まりなどによる吐出不良を除けば製造後に変化することは比較的稀であると考えられている。従って、工場出荷時に検査してノズル情報記憶部14にノズル情報をあらかじめ記憶させておけば、改めて設定し直す必要がない場合がほとんどである。
【0151】
なお、この印刷装置100は、前記画像データ取得部10、画像特徴量抽出部11、印刷用データ生成部12、印刷部13などにおける上記各機能をソフトウェア上で実現するため、及び上記各機能の実現に必要なハードウェアを制御するソフトウェアを実行するためのコンピュータシステムを備えている。このコンピュータシステムのハードウェア構成は、図2に示すように、各種制御や演算処理を担う中央演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)60と、主記憶装置(Main Storage)を構成するRAM(Random Access Memory)62と、読み出し専用の記憶装置であるROM(Read Only Memory)64との間をPCI(Peripheral Component Interconnect)バスやISA(Industrial Standard Architecture)バス等からなる各種内外バス68で接続すると共に、このバス68に入出力インターフェース(I/F)66を介して、HDD等の外部記憶装置(Secondary Storage)70や、印刷部13やCRT、LCDモニター等の出力装置72、操作パネルやマウス、キーボード、スキャナなどの入力装置74、および図示しない印刷指示装置などと通信するためのネットワークケーブルLなどを接続したものである。
【0152】
そして、電源を投入すると、ROM64等に記憶されたBIOS等のシステムプログラムが、ROM64に予め記憶された各種専用のコンピュータプログラム、あるいは、CD−ROMやDVD−ROM、フレキシブルディスク(FD)等の記憶媒体を介して、またはインターネット等の通信ネットワークを介して記憶装置70にインストールされた各種専用のコンピュータプログラムを同じくRAM62にロードし、そのRAM62にロードされたプログラムに記述された命令に従ってCPU60が各種リソースを駆使して所定の制御および演算処理を行うことで前述したような各機能をソフトウェア上で実現するようになっている。
【0153】
更に、印刷装置100は、CPU60によって、ROM64の所定領域に格納されている所定のプログラムを起動させ、そのプログラムに従って、図5のフローチャートに示す印刷処理を実行するようになっている。なお、前述したようにドットを形成するための印刷ヘッド200は、一般に4色および6色などといった複数種類の色のドットをほぼ同時に形成できるようになっているが、本実施の形態では、上記したようにCMYKの4色のノズルモジュールから構成される印刷ヘッド200によって形成されたものとして説明する。
【0154】
図5は、印刷装置100における印刷処理を示すフローチャートである。
印刷処理は、CPU60によって実行されると、図5に示すように、まず、ステップS100に移行するようになっている。
ステップS100では、画像データ取得部10において、ネットワークケーブルLを介して接続された外部装置からの印刷指示情報が送られてくることにより、あるいは入力装置74を介して印刷指示情報が入力されたことにより、印刷指示があったか否かを判定し、印刷指示があったと判定された場合(Yes)はステップS102に移行し、そうでない場合(No)は印刷指示があるまで判定処理を繰り返す。
【0155】
ステップS102に移行した場合は、画像データ取得部10において、印刷指示に対応するM値の画像データを、上記したように、外部装置、CD−ROM、DVD−ROM等の記録媒体、HDD等の記憶装置70などから取得する処理を行い、これにより画像データを取得したか否かを判定し、取得したと判定された場合(Yes)は、ステップS104に移行し、そうでない場合(No)は、印刷指示元に対して印刷不可などの返答を行った後、当該印刷指示に対する印刷処理を放棄してステップS100に移行する。
【0156】
ステップS104に移行した場合は、画像データ取得部10において、ステップS102で取得したM値の画像データが、CMYKの色情報を有する画像データであるか否かを判定し、そうでない場合(No)はステップS106に移行し、そうである場合(Yes)は、ステップS102で取得した画像データをそのまま画像特徴量抽出部11に伝送してステップS106に移行する。
【0157】
ステップS106に移行した場合は、ステップS102で取得した画像データはCMYK以外の色情報を有する画像データであるので、画像データ取得部10において、当該画像データをCMYKの色情報を有するCMYK画像データに変換すると共に、当該CMYK画像データを画像特徴量抽出部11に伝送してステップS108に移行する。
ステップS108では、画像特徴量抽出部11において、画像データ取得部10から伝送されたCMYK画像データに対して画像特徴量抽出処理を実行して画像特徴量を抽出し、当該抽出した画像特徴量を印刷用データ生成部12に伝送してステップS110に移行する。
【0158】
ステップS110では、印刷用データ生成部12において、画像特徴量抽出部11から伝送された画像特徴量に基づき、印刷用データの生成処理を実行して印刷用データを生成しステップS112に移行する。
ステップS112では、印刷用データ生成部12において、ステップS110で生成した印刷用データを印刷部13に出力してステップS114に移行する。
ステップS114では、印刷部13において、印刷用データ生成部12からの印刷用データに基づき、印刷処理を実行してステップS100に移行する。
【0159】
次に、図6に基づき、ステップS108の画像特徴量抽出処理を詳細に説明する。
図6は、第1の実施の形態における印刷装置100の画像特徴量抽出部11における、画像特徴量抽出処理を示すフローチャートである。
画像特徴量抽出処理は、選択画素データがバンディング現象に関与するか否かを判定し、バンディング現象に関与する選択画素データを中心とし、当該選択画素データを含む周辺画素データからなるブロック画像の画素値に基づき、画像特徴量として、各画素データ毎に各ブロック画像の画素値(濃度値)の最大値及び最小値を検出すると共に、ブロック画像の画素値の平均値を算出する処理であって、ステップS108において実行されると、図6に示すように、まず、ステップS200に移行するようになっている。
【0160】
ステップS200では、画像特徴量抽出部11において、画像データ取得部10からCMYK画像データを取得したか否かを判定し、取得したと判定された場合(Yes)はステップS202に移行し、そうでない場合(No)は取得するまで判定処理を繰り返す。
ステップS202に移行した場合は、画像特徴量抽出部11において、CMYK画像データから、画像特徴量抽出処理が未処理の画素データを選択してステップS204に移行する。
【0161】
ステップS204では、画像特徴量抽出部11において、ノズル情報記憶部14から選択画素データに対応したノズルのノズル情報を取得してステップS206に移行する。
ステップS206では、画像特徴量抽出部11において、選択画素データに対応したノズルが、バンディングに関与しているか否かを判定し、関与していると判定された場合(Yes)は、ステップS208に移行し、そうでない場合(No)は、ステップS216に移行する。
【0162】
ステップS208では、画像特徴量抽出部11において、選択画素データを中心とし、当該選択画素データを含む当該選択画素データ周辺の複数の画素データからなるブロック画像を選択してステップS210に移行する。
ステップS210では、画像特徴量抽出部11において、ステップS208で選択したブロック画像を構成する画素データの画素値(濃度値)に基づき、画像の濃度特徴量を算出してステップS212に移行する。
ステップS212では、画像特徴量抽出部11において、ステップS210で算出した画像の濃度特徴量を濃度値情報として、各画素データと対応付けて記憶装置70の所定領域に記憶してステップS214に移行する。
【0163】
ステップS214では、画像特徴量抽出部11において、全画素データを選択したか否かを判定し、選択したと判定された場合(Yes)は、一連の処理を終了し元の処理に復帰し、そうでない場合(No)は、ステップS202に移行する。
一方、ステップS206においてバンディングに関与しないと判定されステップS216に移行した場合は、画像特徴量抽出部11において、バンディングに関与しないことを示す情報を濃度値情報として、選択画素データと対応付けて記憶装置70の所定領域に記憶してステップS214に移行する。
【0164】
次に、図7に基づき、ステップS110の印刷用データ生成処理を詳細に説明する。
図7は、第1の実施の形態における印刷装置100の印刷用データ生成部12における、印刷用データ生成処理を示すフローチャートである。
この印刷用データ生成処理は、画像特徴量抽出部11において抽出された各画素データに対応するブロック毎の画像特徴量(濃度値情報)と、判定用情報記憶部12bに記憶された判定用情報とに基づき、各画素データに対してバンディング回避処理を伴うN値化処理を行うか否かを判定し、行うと判定された画素データ(及び周辺の画素データ)に対してはバンディング回避処理を伴うN値化処理を行い、そうでない画素データに対しては通常のN値化処理を行うことで印刷用データを生成する処理であって、ステップS110において実行されると、図7に示すように、まず、ステップS300に移行するようになっている。
【0165】
ステップS300では、処理内容判定部12aにおいて、画像特徴量抽出部11から画像特徴量抽出後のCMYK画像データを取得したか否かを判定することで、画像特徴量抽出処理が完了したか否かを判定し、完了したと判定された場合(Yes)はステップS302に移行し、そうでない場合(No)は完了するまで判定処理を繰り返す。
ステップS302に移行した場合は、判定用情報記憶部12bから、判定用情報を読み出し、当該読み出した判定用情報をRAM62の所定領域に格納することで、当該判定用情報を取得してステップS304に移行する。
【0166】
ステップS304では、処理内容判定部12aにおいて、CMYK画像データから判定処理が未処理の画素データを選択してステップS306に移行する。なお、判定処理は、CMYK画像データの各画素データ毎且つ各色毎に行われる。
ステップS306では、処理内容判定部12aにおいて、選択画素データに対応する濃度値情報を記憶装置70から取得してステップS308に移行する。
【0167】
ステップS308では、処理内容判定部12aにおいて、濃度値情報に基づき、選択画素データがバンディングに関与しているか否かを判定し、関与していると判定された場合(Yes)は、ステップS310に移行し、そうでない場合(No)は、ステップS320に移行する。
ステップS310では、処理内容判定部12aにおいて、選択画素データに対応する画像特徴量情報である、画像の濃度特徴量と閾値thpとを比較してステップS312に移行する。
【0168】
ステップS312では、処理内容判定部12aにおいて、ステップS310の比較結果に基づき、選択画素データのブロック画像に対する濃度特徴量が閾値thpより大きいか否か(バンディング現象による画質劣化が目立つか否か)を判定し、大きい(目立つ)と判定された場合(Yes)は、ステップS314に移行し、そうでない場合(No)は、ステップS322に移行する。
【0169】
ステップS314に移行した場合は、処理内容判定部12aにおいて、選択画素データは、バンディング回避処理が必要と判定してステップS316に移行する。ここで、本実施の形態においては、バンディング回避処理が必要な場合に、画像特徴量(ここでは、濃度特徴量)に応じて、バンディング回避処理の実行割合も決定する。
ステップS316では、N値化処理部12dにおいて、選択画素データに対して、バンディング回避処理を伴うN値化処理を実行してステップS318に移行する。
ステップS318では、処理内容判定部12aにおいて、CMYK画像データにおける全画素データに対して判定処理及びN値化処理が終了したか否かを判定し、終了したと判定された場合(Yes)は、一連の処理を終了し元の処理に復帰し、そうでない場合(No)は、ステップS304に移行する。
【0170】
一方、ステップS312において濃度特徴量が閾値thp以下であるか、またはステップS308においてバンディングに関与しないと判定されステップS320に移行した場合は、処理内容判定部12aにおいて、選択画素データは、バンディング回避処理が不必要であると判定してステップS322に移行する。
ステップS322では、N値化処理部12dにおいて、N値化情報記憶部12eからN値化情報を取得し、当該取得したN値化情報に基づき、選択画素データに対して、通常のN値化処理を実行してステップS318に移行する。
【0171】
次に、図8に基づき、本実施の形態におけるステップS316のバンディング回避処理を伴うN値化処理を詳細に説明する。
図8は、第1の実施の形態における印刷装置100の印刷用データ生成部12における、バンディング回避処理を伴うN値化処理を示すフローチャートである。
このバンディング回避処理を伴うN値化処理は、処理内容判定部12aにおいて、バンディング回避処理が必要と判定された画素データに対して、バンディング回避処理を伴うN値化処理を実行する処理であって、ステップS316において実行されると、図8に示すように、まず、ステップS400に移行するようになっている。
【0172】
ステップS400では、N値化処理部12dにおいて、N値化情報記憶部12eから、N値化情報を読み出してステップS402に移行する。
ステップS402では、ステップS400で読み出したN値化情報及に基づき、選択画素データに対してN値化処理を実行してステップS404に移行する。
ステップS404では、ステップS402のN値化処理の結果、選択画素データのドットが形成されるか否かを判定し、形成されると判定された場合(Yes)はステップS406に移行し、そうでない場合(No)はステップS422に移行する。
【0173】
ステップS406に移行した場合は、選択画素データが、ドット拡大処理の抽選対象か否かを判定し、抽選対象の画素であると判定された場合(Yes)はステップS408に移行し、そうでない場合(No)はステップS422に移行する。本実施の形態においては、抽選対象の画素として、バンディングの発生要因となる異常ノズルとその左隣のノズルとに対応する画素を、ドット拡大処理の実行抽選対象として設定する。
【0174】
ステップS408に移行した場合は、処理内容判定部12aにおいて設定された実行割合を用いて、ドット拡大処理を行うか否かの抽選を行いステップS410に移行する。本実施の形態においては、実行割合に応じて所定の乱数を用いた抽選を行う。
ステップS410に移行した場合は、選択画素データが、ステップS408の抽選において、ドット拡大処理対象に当選したか否かを判定し、当選したと判定された場合(Yes)はステップS412に移行し、そうでない場合(No)はステップS422に移行する。
【0175】
ステップS412に移行した場合は、選択画素の近傍に既に処理が終了した「大」ドットが存在するか否かを判定し、存在すると判定された場合(Yes)はステップS414に移行し、そうでない場合(No)はステップS416に移行する。
ステップS414に移行した場合は、実行割合が50%以上か否かを判定し、50%以上であると判定された場合(Yes)はステップS416に移行し、そうでない場合(No)はステップS422に移行する。
【0176】
ステップS416に移行した場合は、選択画素データのドットに対して、ドット拡大処理を実行してステップS418に移行する。
ステップS418では、選択画素データの画素近傍の処理済み画素のドットに対して縮小処理または間引き処理を実行してステップS420に移行する。このドット縮小処理及び間引き処理は、近傍の処理済みのドットを、現在のサイズから一段階小さいサイズに変更する処理であり、近傍ドットが一番小さいサイズの場合は、そのドットを間引く処理となる。
【0177】
ステップS420では、選択画素の拡大変更およびその周辺画素の縮小処理または間引き処理に伴って発生した各ドットのドットサイズ変更による誤差を未処理画素に対して誤差拡散してステップS422に移行する。
ステップS422では、選択画素データに対するドットサイズを確定して、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
【0178】
次に、図9〜図16に基づき、本実施の形態の動作を説明する。
ここで、図9(a)は、いわゆる飛行曲がりを発生する異常ノズルがないブラックノズルモジュール50のみで形成されるドットパターンの一例を示した図であり、図9(b)は、ブラックノズルモジュール50のうち、ノズルN6が飛行曲がり現象を発生している場合に形成されるドットパターンの一例を示した図である。また、図10は、バンディング回避処理の施されたドットパターンの一例を示す図である。また、図11(a)は、ノズルN6が飛行曲がり現象を発生している場合に形成される、印刷密度の低いドットパターンの一例を示す図であり、(b)は、(a)のドットパターンに対してバンディング回避処理を施した一例を示す図である。また、図12は、CMYKの各インク色毎に設定された閾値thpの一例を示す図である。また、図13は、ブロック画像の代表濃度値とバンディング回避処理の実行割合との関係を示す図である。また、図14は、ドットサイズに対する、N値の情報、各N値に対する閾値の情報の一例を示す図である。また、図15は、N値化処理に用いる誤差拡散マトリックスの一例を示す図である。また、図16は、バンディング回避処理を伴うN値化処理におけるドット変更の過程を示す概念図である。
【0179】
図9(a)に示すように、飛行曲りを発生する異常ノズルがないブラックノズルモジュール50によって形成されるドットパターンは、前述したような、「白スジ」や「濃いスジ」といったようなノズル間隔のずれによって発生するバンディング現象が生じない。
一方、飛行曲りの発生するノズルを含んだブラックノズルモジュール50による印刷結果については、図9(b)に示すように、そのノズルN6によって形成されるドットがその右隣りの正常なノズルN7で形成されるドット側に、距離aだけずれてしまい、この結果、ノズルN6によって形成されるドットと、その左隣りのノズルN5によって形成されるドットとの間に「白スジ」が発生してしまっている。
【0180】
上記した「白スジ」は、いわゆる「べた塗り」の印刷物であって、しかも印刷用紙が白でインクがブラックなどのように極端に濃度が異なる組み合わせの場合に、より顕著に目立ってしまい、印刷物の品質を極端に悪化させてしまう。
一方、ブラックノズルモジュール50ではなく、他の色に対応したノズルモジュール52,54及び56を用いた場合は、上記したように飛行曲りによってノズルN6が距離aだけずれたことにより、ノズルN6とその右隣りのノズルN7とが距離aの分だけ両者間の距離が近くなるために、これらのノズルが形成するドットの密度が高くなり(ドットが重なる場合もある)、この部分が「濃いスジ」となって目立ってしまい、この場合も印刷物の品質を極端に悪化させてしまう。
【0181】
そのため、飛行曲がり現象に関与するノズル、すなわち、異常なノズルN6だけでなくその近傍のノズル(図の例ではノズルN5およびノズルN7)によって形成されるドットの大きさをもとのドットに比べて変更、または省略する(間引く)ようにN値化処理(データ変換)を行うことで、図10に示すように、その「白スジ」部分に大ドットが形成されてその「白スジ」が消滅するかまたは殆ど目立たなくなると共に、その修正部分の面積階調を他の正常な部分の面積階調と合わせてその修正部分が目立ってしまうのを確実に回避するようにした、バンディング回避処理をすることが望ましい。
【0182】
しかしながら、図11(a)に示すように、印刷密度(濃度)が低い箇所では、ドットがまばらに形成されるため、そのような箇所に対して図10に示すようなバンディング回避処理を行ってしまうと、図11(b)に示すように、まばらな所において、大ドットが形成されると共に、当該大ドット周辺のドットを小さくする又は間引く処理が行われるために、粒状性の悪化を招くこととなり、かえって画質が悪化してしまうといった問題が発生する恐れがある。
【0183】
そこで、本実施の形態に係る印刷装置100では、選択画素データに対応するノズル情報に基づき、バンディング現象に関与するか否かを判定し、当該判定結果に基づき画像データの画像からバンディングに関与する選択画素データの画素を含む所定画像領域を選択し、当該所定画像領域から抽出した濃度情報に基づいて、バンディング回避処理が必要か否かを判定し、且つ必要な場合に、濃度情報に基づきバンディング回避処理の実行割合を決定することで、バンディング回避処理を行わなくても良いときにはバンディング回避処理を行わないようにし、且つバンディング回避処理を行う必要があるときは、バンディングを回避するのに必要な割合だけバンディング回避処理を実行する印刷用データを生成することが可能である。
【0184】
まず、印刷装置100の画像データ取得部10において、例えば、印刷指示情報に対応する、RGBの色情報を有した画像データを、印刷指示情報の送信元である外部装置等から取得すると(ステップS102)、画像データ取得部10は、当該取得した画像データの色情報(RGB)をCMYKに色変換してなるCMYK画像データを生成し(ステップS104)、当該生成したCMYK画像データを画像特徴量抽出部11に伝送する(ステップS106)。
【0185】
一方、画像特徴量抽出部11は、画像データ取得部10からCMYK画像データを取得すると(ステップS200)、まず、取得したCMYK画像データから、各インク色毎に画像特徴量抽出処理が未処理の画素データを選択する(ステップS202)。次に、ノズル情報記憶部14から選択画素データに対応するノズルのノズル情報を取得し(ステップS202)、当該取得したノズル情報に基づき、選択画素データに対応するノズルに飛行曲りが発生しているか否か、及び対応するノズルがインクの吐出不良の状態であるか否かを判定する(ステップS204)。この判定により、飛行曲りが発生しておらず且つ吐出不良の状態でもない場合(バンディング現象に関与していないと判定された場合)は、バンディングに関与していないことを示す情報を濃度値情報として、選択画素データと対応付けて記憶装置70の所定領域に記憶する(ステップS216)。
【0186】
一方、選択画素データに対応するノズルが飛行曲りを発生又は吐出不良の状態であり、選択画素データがバンディング現象に関与していると判定されると(ステップS204の「Yes」の分岐)、選択画素データを中心とし、当該選択画素データを含む3画素×3画素の矩形領域からなるブロック画像を選択する(ステップS206)。そして、本実施の形態においては、濃度特徴量として、このブロック画像に対応する画素データの画素値(濃度値)に基づき、これらのうちから最大濃度値及び最小濃度値を検出すると共に、選択ブロック画像を構成する各画素データの濃度値の平均値である濃度平均値を算出する(ステップS208)。
【0187】
つまり、ここでは、1ブロックが3画素×3画素の9画素から構成されているので、この9画素の濃度値のうちから最大濃度値及び最小濃度値を検出し、更にこれら9画素の各濃度値の平均値を算出する。そして、これら最大濃度値、最小濃度値及び濃度平均値を濃度値情報として、選択画素データと対応付けて記憶装置70に記憶する(ステップS210)。
【0188】
本実施の形態においては、上記濃度値情報が画像特徴量となり、このような画像特徴量の抽出処理をCMYK画像データの全画素データに対して行うことによって画像特徴量抽出処理が完了し、画像特徴量抽出部11は、画像特徴量抽出処理の済んだCMYK画像データを印刷用データ生成部12に伝送する。
更に、印刷用データ生成部12においては、画像特徴量抽出部11からCMYK画像データを取得すると(ステップS300)、処理内容判定部12aにおいて、判定用情報記憶部12bから判定用情報を取得し(ステップS302)、次いで、CMYK画像データから、各インク色毎に判定処理が未処理の画素データを選択する(ステップS304)。ここで、本実施の形態において、判定用情報は、濃度値情報を用いた判定方法の情報、判定に用いる閾値thp等の判定処理に必要な情報等を含んでいる。
【0189】
そして、未処理画素データが選択されると、当該選択画素データに対応する濃度値情報を、記憶装置70から取得し、当該濃度値情報に基づき、選択画素データがバンディング現象に関与しているか否かを判定する(ステップS308)。なお、この判定は、バンディング現象に関与していないことを示す情報の有無によって行う。
選択画素データがバンディング現象に関与している場合は、上記取得した判定用情報に基づき、上記取得した濃度値情報に含まれる各濃度特徴量と閾値thpとを比較し(ステップS310)、当該比較結果に基づき選択画素データに対してバンディング回避処理が必要か否かを判定する(ステップS312)。
【0190】
本実施の形態においては、選択画素データを含むブロック画像にグラデーションなどの変化がある場合(差分dma2及び差分dmi2が共に所定閾値以上)は、この場合の濃度平均値では選択画素データを含む対象画像の濃度が正確に判断できないため、このような場合においては、濃度平均値を以降の判定処理に用いないようにするための判断処理を行う。
【0191】
具体的には、濃度値情報に含まれる最大濃度値と濃度平均値との差分の絶対値(以下、最大濃度値差分と称す)、及び最小濃度値と濃度平均値との差分の絶対値(以下、最小濃度値差分と称す)を算出し、最大濃度値差分dma1と閾値thpとを比較すると共に、最小濃度値差分dmi1と閾値thpとを比較する。
更に、最大濃度値差分dma1と閾値thpとの差分dma2と、最小濃度値差分dmi1と閾値thpとの差分dmi2とを算出し、これら算出した差分dma2及び差分dmi2が両者とも所定閾値以上であるか否かを判定することで、最大濃度値及び最小濃度値が、濃度平均値からかけ離れた値であるか否かを判定する。
【0192】
そして、この判定結果から、濃度平均値が以降の判定処理に使用可能か否かを判定する。つまり、差分dma2及び差分dmi2が所定閾値以上の場合、つまり、最大濃度値及び最小濃度値が、濃度平均値からかけ離れた値である場合は、濃度平均値は参考にならない値であると判断し、以降の判定処理においては濃度平均値を不使用とする判定を行う。
一方、選択ブロック画像にグラデーション等の変化がないとき(差分dma2及び差分dmi2が共に所定閾値未満)は、濃度平均値を以降の判定処理において使用することが可能であると判定する。
【0193】
従って、選択ブロック画像にグラデーション等の変化がなく、濃度平均値を判定処理に用いることができる場合は、濃度平均値と閾値thpとを比較し、一方、選択ブロック画像にグラデーション等の変化があり、濃度平均値を判定処理に用いることができない場合は、本実施の形態においては、最大濃度値と閾値thpとを比較する。
ここで、閾値thpは、図12に示すように、CMYKの各インク色毎に設定されており、ブラックインク(Bk)は「25」、シアンインク(Cy)及びマゼンタインク(Mg)は「30」、イエローインク(Ye)は「60」となっている。つまり、彩度が高いインクほどバンディングが目立ちにくいので閾値thpの値が大きくなるように設定されている。
【0194】
そして、濃度平均値又は最大濃度値が閾値thpよりも大きい場合は(ステップS312の「Yes」の分岐)、バンディング回避処理が必要であると判定される(ステップS314)。
つまり、選択画素データとその周辺の画素データとを用いて、当該選択画素データを中心としたブロック画像の濃度特徴を判断することで、当該選択画素データに対してバンディング回避処理が必要であるか否かを判定する。
【0195】
更に、本実施の形態においては、バンディング回避処理が必要である場合に、選択画素データに対応する濃度平均値又は最大濃度値に基づきバンディング回避処理の実行割合を決定する。ここで、バンディング回避処理の実行割合は、図13に示すように、濃度平均値又は最大濃度値が低いときは「0%」となり、これらの増加に伴って徐々に割合が増していき、ある濃度区間においては「100%」となり、この区間よりも更に大きくなると急激に低下して「0%」となるように決定される。つまり、バンディングが目立ちやすい濃度区間においては、バンディング回避処理が「100%」実行されるように決定される。このようにして、実行割合が決定されると、N値化処理部12dにおいて、当該決定割合に基づき、選択画素データに対してバンディング回避処理を伴うN値化処理を実行する(ステップS316)。
【0196】
一方、選択画素データに対応するノズルがバンディングに関与していないと判定された場合(ステップS308の「No」の分岐)、又は濃度平均値若しくは最大濃度値が閾値thp未満と判定された場合(ステップS312の「No」の分岐)は、バンディング回避処理が不要、又はバンディング回避処理を行わなくてもバンディングが目立たないので、バンディング回避処理は不必要と判定される(ステップS320)。
更に、上記バンディング回避処理を伴うN値化処理が実行されると、N値化処理部12dは、まずN値化情報記憶部12eからN値化情報を読み出す(ステップS400)。次いで、選択画素データに対して、前記読み出したN値化情報に基づき、N値化処理を実行する(ステップS402)。
【0197】
本実施の形態において、N値化処理は、選択画素データの元の画素値(濃度値又は輝度値)が8ビット「256」階調である場合、例えば、画素値が濃度値であれば、図14に示すように、元の画素値が「0」〜「42」未満のときは、その画素値を「0」にまとめてそのN値を「0」(ドットを形成しない)とし、元の画素値が「42」〜「126」未満のときは、その画素値を「84」にまとめてそのN値を小ドットに対して「1」(ドットを形成する)とし、さらに元の画素値が「126」〜「210」未満のときは、その画素値を「168」にまとめてそのN値を中ドットに対して「1」とし、元の画素値が「210」〜「255」(255以上でも良い)のときは、その画素値を「255」にまとめてそのN値を大ドットに対して「1」とするようになっている。
【0198】
なお、前記の例は画素値として濃度を採用した場合であり、画素値として輝度を採用する場合は、各サイズのドットに対して濃度とは反対の値をとることになる。
本実施の形態においては、上記N値化処理によって、インク吐出機構の性能にあわせ、CMYKの各色毎に画像の階調方向のデータを階調方向と面積階調とに変換する。図14に示すように、インク吐出機構の性能として、3種類のドットの形成サイズによって印刷が可能であるとすれば、ドットを形成しない状態を含めて各インクに対して、4階調が表現可能である。つまり、この4階調と面積階調とをあわせてフル階調を再現する。なお、ドットサイズが1種類のみに限定されている場合は、形成するか否かの2階調と面積階調とでフル階調を再現することになる。
【0199】
なお、このようにドットサイズを制御する技術的方法としては、例えば、印刷ヘッドにピエゾ素子(piezo actuator)を使用した方式の場合は、そのピエゾ素子に加える電圧を変えてインクの吐出量をコントロールすることで容易に実現可能となっている。
選択画素データに対して上記N値化処理を行うと、当該選択画素データのN値化処理前の濃度値と、N値化処理後の各ドットサイズに対応する濃度値との誤差を算出して、当該算出した誤差を、図15に示す誤差拡散マトリックスに基づき、選択画素データの画素周辺のN値化処理が未処理の画素に拡散する誤差拡散処理を行う。
【0200】
ここで、誤差拡散処理とは、従来公知のものそのものであり、例えば、N値化処理として2値化処理を例に挙げると、処理対象となる注目画素が8ビット(256階調)で表現可能でその階調が「101」であった場合、通常の2値化処理では、その階調は閾値(中間値)である「128」に満たないため、「0」すなわちドットを形成しない画素として処理されてしまい、「101」は、そのまま捨てられてしまう。これに対し、誤差拡散処理の場合は、その「101」が所定の誤差拡散マトリックスに従ってその周囲の未処理の画素に対して拡散されることになるため、例えば、選択画素の右隣の画素が通常の2値化処理のみでは選択画素と同じく閾値に満たないことから「ドットを形成しない」として処理されてしまっていたのが、選択画素の誤差を受け取ることによってその濃度値が閾値を超えて「ドットを形成する」というような取り扱いを受けることとなり、より元の画像データに近い2値化データを得ることが可能となる。
【0201】
つまり、上記したドット形成サイズ毎の濃度値は、誤差拡散処理において用いられるもので、元の画素データの濃度値と、N値化後の対応するドット形成サイズの濃度値との差分が誤差として周辺の未処理画素データに拡散されることになる。
なお、上記したN値化処理及び誤差拡散処理までが、選択画素データに対する通常のN値化処理となる。
【0202】
更に、選択画素データに対して上記N値化処理及び誤差拡散処理が終了すると、その画素データに対してバンディング回避処理が実行される。本実施の形態において、バンディング回避処理は、まず、選択画素データに対してドットが形成される場合(ステップS404の「Yes」の分岐)で、且つその画素データが抽選処理対象である場合に(ステップS406の「Yes」の分岐)、乱数を用いた抽選処理を行う(ステップS410)。ここでは、選択画素データがノズルN6に対応する画素データであるとし、更に、ノズルN6の含まれるブロック画像の濃度平均値が実行割合50%以上の範囲にあるとして抽選が行われたとする。
【0203】
上記抽選処理によって、選択画素データが、本実施の形態におけるバンディング回避処理であるドット拡大処理の実行対象として当選すると(ステップS410の「Yes」の分岐)、近傍の処理済みの画素データのドット(ここでは、選択画素データの真上のドットのみを対象とする)に「サイズ大」のドットが無い場合(ステップS412の「No」の分岐)に、選択画素データに対してドット拡大処理を実行する(ステップS416)。一方、選択画素データのドット近傍に「サイズ大」となる画素データがある場合は、実行割合が50%以上か否かを判定し(ステップS414)、ここでは実行割合が50%以上であるので、選択画素データのドット拡大処理を実行する(ステップS416)。つまり、この判定処理によって、実行割合が高い場合(ここでは、50%以上)には、積極的にドット拡大処理を行うようにしている。そして、ドット拡大処理によって、選択画素データのドットが拡大されると、更に、選択画素データのドット近傍の処理済みの画素データのドットサイズを縮小又は間引きする処理を行う(ステップS418)。なお、選択画素データが拡大処理の抽選に当選しなかったり、近傍のドットが大ドットで且つ実行割合が50%未満であるような場合は、選択画素データのドットサイズを現在のサイズに確定する(ステップS422)。
【0204】
以下、選択画素データのドットが、図16(a)に示すように、「小ドット」となる画素データであり、更に、当該画素データが抽選によってドット拡大処理の実行対象に当選した場合を説明する。図16(a)に示すように、選択画素データのドットの真上のドットは「中ドット」であるので、この場合は、図16(b)に示すように、ドット拡大処理が実行され、選択画素データのドットサイズが「小ドット」から「大ドット」に変更される。これによって、飛行曲がり現象によって発生する白スジ部分に大ドットが形成されるようになるため、白スジ部分を消滅するまたは殆ど目立たなくすることが可能となる。
【0205】
更に、拡大処理されたドットの真上のドットは「中サイズ」のドットであるので、図16(c)に示すように、これを「小ドット」へと一段階小さいドットサイズへと変更する。これによって、先に変更した選択画素部分の面積階調が元の面積階調、あるいは他の正常な部分の面積階調とほぼ同じとなるため、その補正箇所が他の部分より目立ってしまうといった不都合も効果的に回避することができる。
【0206】
上記のようなバンディング回避処理を伴うN値化処理を選択画素データに対して終了すると、再び、上記判定処理が未処理の画素データを選択して、上記バンディング回避処理の要否の判定処理及び実行割合の決定処理を行う。つまり、選択画素データに対応する各ブロック画像の濃度平均値又は最大濃度値が閾値thpより大きく、且つ選択画素データに対応するノズルがバンディングに関与している場合は、当該選択画素データ(及び周辺画素データ(例えば、2〜5画素程度))に対して、バンディング回避処理を伴うN値化処理を、濃度平均値又は最大濃度値の大きさに応じた割合だけ実行し、それ以外の画素データに対しては、例え、バンディングに関与するノズルに対応していてもバンディング回避処理を実行しないようにする。
【0207】
そして、CMYK画像データの全画素データに対して上記バンディング回避処理の要否の判定処理、実行割合の決定処理及びN値化処理が実行されると、この実行結果のN値化後のCMYK画像データが印刷用データとして、印刷部13に出力される(ステップS112)。
そして、印刷部13においては、印刷用データ生成部12から出力された印刷用データに基づき、印刷ヘッド200を用いて印刷媒体上にN値化処理後のCMYK画像データに応じたドットが形成(印刷)される(ステップS114)。
【0208】
このように、各選択画素データに対応するブロック画像の濃度値情報に基づいて、バンディングを解消するためのドット拡大処理(バンディング回避処理)を実行する割合を制御し、且つドット拡大処理を実行するに際して、濃度値情報に基づき選択ブロックに対するその実行割合を制御するようにしたので、ドット拡大処理によって生じる元の印刷画質への悪影響を最小限に抑え、処理対象画像の濃度値情報を考慮せずにバンディング回避処理を行った場合の印刷結果よりも画質を改善することが可能である。
【0209】
上記第1の実施の形態において、画像データ取得部10は、形態2又は49の画像データ取得手段に対応し、画像特徴量抽出部11における選択画素データがバンディング現象に関与しているか否かの判定処理は、形態2又は49のバンディング判定手段に対応し、画像特徴量抽出部11におけるバンディング現象に関与している選択画素データを中心とした所定画像領域から特徴量を抽出する処理は、形態2、6、11、49、53及び58のいずれか1の特徴情報抽出手段に対応し、印刷用データ生成部12におけるバンディング回避処理を伴うN値化処理を行うか否かの判定処理は、形態2、3、49及び50のいずれか1の劣化度判定手段に対応し、印刷用データ生成部12におけるN値化処理及び印刷用データの生成処理は、形態1の印刷制御手段、又は、形態2、7、8、49、54及び55のいずれか1の印刷用データ生成手段に対応し、印刷部20は、形態1又は形態2の印刷手段に対応する。
【0210】
また、上記第1の実施の形態において、ステップS102〜S106は、形態19、35、63及び78のいずれか1の画像データ取得ステップに対応し、ステップS108は、形態19、35、63及び78のいずれか1のバンディング判定ステップ、並びに形態19、23、35、39、63、67、78及び80のいずれか1の特徴情報抽出ステップに対応し、ステップS110は、形態19、20、35、36、63、64、78及び79のいずれか1の劣化度判定ステップ、並びに形態19、24、25、35、40、41、63、68、69、78、83及び84のいずれか1の印刷用データ生成ステップに対応し、ステップS114は、形態18、19、34及び35のいずれか1の印刷ステップに対応する。
【0211】
また、上記第1の実施の形態において、ステップS200〜S206,S216は、形態19、35、63及び78のいずれか1のバンディング判定ステップに対応し、ステップS208〜S212は、形態19、23、35、39、63、67、78及び80のいずれか1の特徴情報抽出ステップに対応し、ステップS300〜ステップS316,S320は、形態19、20、35、36、63、64、78及び79のいずれか1の劣化度判定ステップに対応し、ステップS316,S322は、形態19、24、25、35、40、41、63、68、69、78、83及び84のいずれか1の印刷用データ生成ステップに対応する。
【0212】
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明の第2の実施の形態を図面に基づき説明する。図17〜図22は、本発明に係る印刷装置、印刷装置制御プログラム及び印刷装置制御方法、並びに印刷用データ生成装置、印刷用データ生成プログラム及び印刷用データ生成方法の第2の実施の形態を示す図である。
【0213】
本実施の形態の印刷装置及びコンピュータシステムは、上記第1の実施の形態の図1、図2のものと同様のものとなる。更に、本実施の形態では、上記第1の実施の形態の図5における、画像特徴量抽出処理が図17のものに変更され、印刷用データ生成処理が図18、図19のものに変更されている。
そして、上記第1の実施の形態と異なるのは、画像特徴量として、画像の周波数特性(エッジ情報)を抽出し、当該抽出したエッジ情報に基づきバンディング回避処理の要否の判定処理、実行割合の決定処理及びN値化処理を行う点にある。以下、上記第1の実施の形態と異なる部分についてのみ説明し、上記第1の実施の形態と重複する部分については同じ符号を付し説明を省略する。
【0214】
画像特徴量抽出部11は、画像データ取得部10からのCMYK画像データから、当該CMYK画像データによって構成される画像の特徴を示す画像特徴量を抽出する機能を有しており、本実施の形態においては、CMYK画像データに対して公知のエッジ抽出フィルタによるフィルタリング処理を実行し、フィルタリング処理後の選択画素データのエッジ量や、当該エッジ量の絶対値をエッジ情報(画像の周波数に係る特徴量)として抽出すると共に、バンディング現象に関与している選択画素データを中心とした所定領域におけるエッジ量の絶対値の総和及びエッジ量の総和をエッジ情報として抽出するようになっている。そして、当該抽出したエッジ情報(画像特徴量)を各画素データに対応付けて記憶装置70に記憶すると共に、当該抽出した画像特徴量に対応するCMYK画像データを印刷用データ生成部12に伝送する。
【0215】
処理内容判定部12aは、画像特徴量抽出部11において抽出された画像特徴量(エッジ情報)と、判定用情報記憶部12bに記憶された判定用情報と、ノズル情報記憶部14に記憶されたノズル情報とに基づき、選択画素データを含む周辺画素データのエッジ量の絶対値の合計値、及び選択画素データを中心とした所定領域の画素データに対応したエッジ情報に基づき、選択画素データに対してバンディング回避処理を伴うN値化処理を行うか否かを判定する機能を有すると共に、バンディング回避処理を伴うN値化処理を行うと判定したときは、画像特徴量に基づき、当該N値化処理の処理内容(選択領域に対するバンディング回避処理の実行割合等)を決定する機能を有している。
【0216】
次に、図17に基づき、本実施の形態におけるステップS108の画像特徴量抽出処理を詳細に説明する。
図17は、第2の実施の形態における印刷装置100の画像特徴量抽出部11における、画像特徴量抽出処理を示すフローチャートである。
画像特徴量抽出処理は、画像特徴量として、エッジ抽出フィルタを用いて画像のエッジ情報を抽出する処理であって、ステップS108において実行されると、図17に示すように、まず、ステップS500に移行するようになっている。
【0217】
ステップS500では、画像特徴量抽出部11において、画像データ取得部10からCMYK画像データを取得したか否かを判定し、取得したと判定された場合(Yes)はステップS502に移行し、そうでない場合(No)は取得するまで判定処理を繰り返す。
ステップS502に移行した場合は、画像特徴量抽出部11において、CMYK画像データに基づき、各画素データのエッジ量を算出してステップS504に移行する。
【0218】
ステップS504では、画像特徴量抽出部11において、ステップS502で算出したエッジ量に基づき、エッジ量の絶対値を算出してステップS506に移行する。
ステップS506では、画像特徴量抽出部11において、エッジ量の総和値算出処理が未処理の画素データを選択してステップS508に移行する。
ステップS508では、画像特徴量抽出部11において、ノズル情報記憶部14から選択画素データに対応したノズルのノズル情報を取得してステップS510に移行する。
【0219】
ステップS510では、画像特徴量抽出部11において、選択画素データに対応したノズルが、バンディングに関与しているか否かを判定し、関与していると判定された場合(Yes)は、ステップS512に移行し、そうでない場合(No)は、ステップS522に移行する。
ステップS512では、選択画素データを中心に、当該選択画素データを含む所定領域の画素データを選択してステップS514に移行する。
【0220】
ステップS514では、選択領域を構成する各画素データに対応したエッジ量の絶対値の総和を算出してステップS516に移行する。
ステップS516では、選択領域を構成する各画素データに対応したエッジ量の総和を算出してステップS518に移行する。
ステップS518では、全ての画素データに対して、総和値の算出処理を終了したか否かを判定し、終了したと判定された場合(Yes)は、ステップS520に移行し、そうでない場合(No)は、ステップS506に移行する。
【0221】
ステップS520では、エッジ情報として、ステップS502で算出されたCMYK画像データの各画素データのエッジ量と、ステップS504で算出されたCMYK画像データの各画素データのエッジ量の絶対値と、ステップS514で算出された各選択領域のエッジ量の絶対値の総和値と、ステップS516で算出された各選択領域のエッジ量の総和値とを、各画素データと対応付けて、記憶装置70の所定領域に記憶し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
一方、ステップS510においてバンディングに関与しないと判定されステップS522に移行した場合は、画像特徴量抽出部11において、バンディングに関与しないことを示す情報をエッジ情報として、選択画素データと対応付けて記憶装置70の所定領域に記憶してステップS518に移行する。
【0222】
次に、図18に基づき、本実施の形態におけるステップS110の印刷用データ生成処理を詳細に説明する。
図18は、第2の実施の形態における印刷装置100の印刷用データ生成部12における、印刷用データ生成処理を示すフローチャートである。
この印刷用データ生成処理は、画像特徴量抽出部11において抽出された画像特徴量(エッジ情報)と、判定用情報記憶部12bに記憶された判定用情報とに基づき、エッジ部を含む所定領域の画像に対して、バンディング回避処理を伴うN値化処理を行うか否かを判定し、行うと判定された領域に対してはバンディング回避処理を伴うN値化処理を行い、そうでないブロックに対しては通常のN値化処理を行うことで印刷用データを生成する処理であって、ステップS110において実行されると、図18に示すように、まず、ステップS600に移行するようになっている。
【0223】
ステップS600では、処理内容判定部12aにおいて、画像特徴量抽出部11からCMYK画像データを取得したか否かを判定することで、画像特徴量抽出処理が完了したか否かを判定し、完了したと判定された場合(Yes)はステップS602に移行し、そうでない場合(No)は完了するまで判定処理を繰り返す。
ステップS602に移行した場合は、判定用情報記憶部12bから、判定用情報を読み出し、当該読み出した判定用情報をRAM62の所定領域に格納することで、当該判定用情報を取得してステップS604に移行する。
【0224】
ステップS604では、処理内容判定部12aにおいて、記憶装置70から、処理対象のCMYK画像データに対応したエッジ情報を読み出し、当該読み出したエッジ情報をRAM62の所定領域に格納することで、当該エッジ情報を取得してステップS606に移行する。
ステップS606では、処理内容判定部12aにおいて、CMYK画像データから、判定処理が未処理の画素データを選択してステップS608に移行する。なお、判定処理は、CMYK画像データの各所定領域毎且つ各色毎に行われる。
【0225】
ステップS608では、処理内容判定部12aにおいて、エッジ情報に基づき、選択画素データがバンディングに関与しているか否かを判定し、関与していると判定された場合(Yes)は、ステップS610に移行し、そうでない場合(No)は、ステップS614に移行する。
ステップS610では、処理内容判定部12aにおいて、選択画素データに対して、高周波領域判定処理を実行してステップS612に移行する。
【0226】
ステップS612では、処理内容判定部12aにおいて、ステップS610の判定結果に基づき、選択画素データが高周波領域に含まれるか否かを判定し、高周波領域に含まれると判定された場合(Yes)はステップS614に移行し、そうでない場合(No)はステップS620に移行する。
ステップS614に移行した場合は、処理内容判定部12aにおいて、バンディング回避処理が不必要であると判定してステップS616に移行する。
【0227】
ステップS616に移行した場合は、N値化処理部12dにおいて、選択画素データに対して通常のN値化処理を実行してステップS618に移行する。
ステップS618では、処理内容判定部12aにおいて、CMYK画像データにおける全ての画素データに対して判定処理及びN値化処理が終了したか否かを判定し、終了したと判定された場合(Yes)は、一連の処理を終了し元の処理に復帰し、そうでない場合(No)は、ステップS606に移行する。
【0228】
一方、ステップS612において選択画素データが高周波領域に含まれずステップS620に移行した場合は、処理内容判定部12aにおいて、選択領域に対してバンディング回避処理が必要と判定してステップS622に移行する。ここで、本実施の形態においては、バンディング回避処理が必要な場合に、画像特徴量に応じて、バンディング回避処理の実行割合も決定する。
ステップS622では、N値化処理部12dにおいて、選択領域に対して、バンディング回避処理を伴うN値化処理を実行してステップS618に移行する。
【0229】
次に、図19に基づき、ステップS610の高周波領域判定処理を詳細に説明する。
図19は、第2の実施の形態における処理内容判定部12aにおける、高周波領域判定処理を示すフローチャートである。
この高周波領域判定処理は、画像特徴量抽出部11において抽出された画像特徴量(エッジ情報)と、判定用情報記憶部12bに記憶された判定用情報とに基づき、選択画素データがエッジ部であるか否かを判定すると共に、選択画素データがエッジ部では無い場合に、当該選択画素データを中心とした所定領域の画像が高周波領域であるか否かを判定する処理であって、ステップS610において実行されると、図19に示すように、まず、ステップS700に移行するようになっている。
【0230】
ステップS700では、RAM62に格納されたエッジ情報から、選択画素データに対応するエッジ量の絶対値を取得してステップS702に移行する。
ステップS702に移行した場合は、ステップS700で取得したエッジ量の絶対値が閾値th1以上であるか否かを判定し、閾値th1以上であると判定された場合(Yes)は、ステップS704に移行し、そうでない場合(No)は、ステップS712に移行する。
ステップS704に移行した場合は、選択画素データを中心に、当該選択画素データを含む周辺の所定数の画素データを選択してステップS706に移行する。
【0231】
ステップS706では、ステップS704で選択した画素データのエッジ量の絶対値の合計値を算出してステップS708に移行する。
ステップS708では、ステップS706で算出した合計値が、閾値th2以上であるか否かを判定し、閾値th2以上であると判定された場合(Yes)は、ステップS710に移行し、そうでない場合(No)は、ステップS712に移行する。ここで、閾値th1と閾値th2との関係は、「th2≦(th1×3)」となる。
【0232】
ステップS710に移行した場合は、選択画素データを含む周辺画素は高周波領域であると判定し、一連の処理を終了し元の処理に復帰する。
一方、ステップS702で選択画素データに対する合計値が閾値th1以上ではなく、又はステップS708で前記合計値が閾値th2以上ではなくてステップS712に移行した場合は、RAM62に格納されたエッジ情報から、選択画素データを中心とした所定領域の、エッジ量の絶対値の総和値及びエッジ量の総和値を取得してステップS714に移行する。
【0233】
ステップS714では、ステップS712で取得した、エッジ量の絶対値の総和値は閾値th3より大きく、且つ、エッジ量の総和値は閾値th4未満か否かを判定し、閾値th3以上且つ閾値th4未満である場合(Yes)は、ステップS716に移行し、そうでない場合(No)はステップS718に移行する。ここで、閾値th3と閾値th4との関係は、「th3>th4、またはth3>(α×th4)」となる。なお、αは、濃度によって変化する値であり、「α>2」が成り立つ。
ステップS716に移行した場合は、選択画素データを含む所定領域は、高周波領域であると判定し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
一方、ステップS718に移行した場合は、選択画素データを含む所定領域は、高周波領域では無いと判定し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
【0234】
次に、図20〜図22に基づき、本実施の形態の動作を説明する。
ここで、図20は、エッジ抽出フィルタの一例を示す図である。また、図21(a)は、合計値算出対象画素の一例を示す図であり、(b)は、高周波領域判定用の総和値の算出処理を行う所定領域の一例を示す図である。また、図22は、所定領域画像のエッジ量の絶対値の総和とバンディング回避処理の実行割合との関係を示す図である。
本実施の形態における画像特徴量抽出処理は、画像特徴量抽出部11において、まず、取得したCMYK画像データから、各インク色毎に各画素データのエッジ量を算出する(ステップS502)。
【0235】
本実施の形態においては、CMYK画像データの各インク色に対応した画像データ毎に、エッジ抽出処理が未処理の画素データを選択し、図20に示すようなエッジ抽出フィルタを用いてフィルタリング処理を実行する。例えば、選択画素データの画素値をP(i,j)とし、矩形を形成するその周辺の8画素の画素値を、それぞれ、P(i−1,j−1)、P(i,j−1)、P(i+1,j−1)、P(i−1,j)、P(i+1,j)、P(i−1,j+1)、P(i,j+1)、P(i+1,j+1)で表すと、中心画素データのエッジ量G(i,j)は、図20のフィルタを用いて、下式(1)のように表すことができる。
【0236】
G(i,j)=1×P(i−1,j−1)+(−2)×P(i,j−1)+1×P(i+1,j−1)+(−2)×P(i−1,j)+3×P(i,j)+(−2)×P(i+1,j)+1×P(i−1,j+1)+(−2)×P(i,j+1)+1×P(i+1,j+1) ・・・(1)
【0237】
上式(1)に、上記3画素×3画素の領域の各画素データの濃度値を代入することによって、選択画素データがフィルタリングされ、選択画素データのエッジ量が算出される。そして、このような、フィルタリング処理をCMYK画像データの全画素データに対して行うことで各画素データに対するエッジ量が算出される(ステップS502)、更に、当該算出された各画素データに対するエッジ量に基づき、各画素データのエッジ量の絶対値を算出する(ステップS504)。
【0238】
エッジ量の絶対値の算出が終了すると、次に、CMYK画像データから、エッジ量の総和値の算出処理が未処理の画素データを選択し(ステップS506)、この選択画素データに対応するノズルのノズル情報をノズル情報記憶部14から取得する(ステップS508)。そして、当該取得したノズル情報に基づき、選択画素データに対応するノズルに飛行曲りが発生しているか否か、及び対応するノズルがインクの吐出不良の状態であるか否かを判定する(ステップS510)。この判定により、飛行曲りが発生しておらず且つ吐出不良の状態でもない場合(バンディング現象に関与していないと判定された場合(ステップS510の「No」の分岐))は、バンディングに関与していないことを示す情報をエッジ情報として、選択画素データと対応付けて記憶装置70の所定領域に記憶する(ステップS522)。
【0239】
一方、選択画素データに対応するノズルが飛行曲りを発生又は吐出不良の状態であり、選択画素データがバンディング現象に関与していると判定されると(ステップS510の「Yes」の分岐)、図21(b)に示すように、当該選択画素データ(注目画素)を中心とした5画素×5画素の矩形領域の画素データを選択する(ステップS512)。
矩形領域の画素データが選択されると、当該選択領域に含まれる画素データの各エッジ量の絶対値の総和を算出すると共に(ステップS514)、当該選択領域に含まれる画素データの各エッジ量の総和を算出する(ステップS516)。つまり、矩形領域に含まれる25画素の画素データにそれぞれ対応する、エッジ量の絶対値及びエッジ量をそれぞれ合計した値を算出する。
【0240】
そして、CMYK画像データの全画素データに対して、バンディング現象に関与しているか否かの判定、及び上記のようなバンディング現象に関与する選択画素データを中心とした5画素×5画素の矩形領域に対するエッジ量の絶対値の総和及びエッジ量の総和が算出されると(ステップS518の「Yes」の分岐)、バンディング現象に関与する選択画素データ及び当該選択画素データに係る各画素データに対するエッジ量、各画素データに対するエッジ量の絶対値、各画素データに対するエッジ量の絶対値の総和、及び各画素データに対するエッジ量の総和を、エッジ情報として、各画素データと対応付けて記憶装置70の所定領域に記憶する(ステップS520)。これにより、画像特徴量抽出処理が完了し、画像特徴量抽出部11は、画像特徴量抽出処理が済んだCMYK画像データを印刷用データ生成部12に伝送する。
【0241】
一方、印刷用データ生成部12は、画像特徴量抽出部11からCMYK画像データを取得することで、画像特徴量抽出処理が完了したと判定し(ステップS600の「Yes」の分岐)、まず、処理内容判定部12aにおいて、判定用情報記憶部12bから判定用情報を取得し(ステップS602)、次いで、記憶装置70から上記取得したCMYK画像データに対応したエッジ情報を取得する(ステップS604)。本実施の形態において、判定用情報は、判定処理方法の情報、高周波領域判定用の閾値th1〜th4などの画像の周波数情報(エッジ情報を含む)を用いた判定処理に必要な情報を含んでいる。
【0242】
更に、処理内容判定部12aは、判定用情報及びエッジ情報を取得すると、エッジ情報に基づき、CMYK画像データから、各インク色毎に判定処理が未処理の画素データを選択する(ステップS606)。そして、画素データを選択すると、当該選択画素データに対応するエッジ情報に基づき、当該選択画素データがバンディング現象に関与しているか否かを判定する(ステップS608)。この判定処理により、バンディング現象に関与していると判定された場合(ステップS608の「Yes」の分岐)は、当該選択画素データを含む所定画像領域に対して、高周波領域判定処理を実行する(ステップS610)。
【0243】
高周波領域判定処理が開始されると、まず、選択画素データに対応するエッジ情報から、選択画素データに対応するエッジ量の絶対値を取得し(ステップS700)、当該取得したエッジ量の絶対値が、閾値th1以下の場合(ステップS702の「No」の分岐)は、選択画素データはエッジ部では無い可能性が高く、従って、選択画素データは高周波領域に含まれない可能性が高いと判断する(ステップS702の「No」の分岐)。
【0244】
一方、選択画素データのエッジ量の絶対値が、閾値th1よりも大きい場合(ステップS702の「Yes」の分岐)に、本実施の形態においては、図21(a)に示すように、選択画素データを中心に、その両隣の画素データから構成される3画素のエッジ量の絶対値を、RAM62に格納されたエッジ情報から取得すると共に、これらの合計値を算出する(ステップS706)。そして、この合計値が、閾値th2以上の場合は(ステップS708の「Yes」の分岐)、選択画素データを含む3画素の領域は高周波領域(エッジ部)であると判断する(ステップS710)。
【0245】
また、上記算出した合計値が、閾値th2よりも小さい場合(ステップS708の「No」の分岐)は、更に、RAM62に格納されたエッジ情報から、選択画素データを中心とした所定画像領域(ここでは、図21(b)に示す5画素×5画素)に対応する、エッジ量の絶対値の総和値及びエッジ量の総和値を取得して、これら、エッジ量の絶対値の総和値と閾値th3とを比較し、更に、エッジ量の総和値と閾値th4とを比較する(ステップS714)。
【0246】
ここで、一般に、所定画像領域のエッジ量の絶対値の総和値が閾値th3より大きいときにはその領域は高周波領域であると判断され、このような高周波領域では画素値が細かく変化するためバンディングが目立ちにくいとされている。しかし、高周波領域であっても、グラデーションのように画素値が一方向になだらかに変化する領域においてはバンディングは目立ってしまう。
【0247】
従って、本実施の形態においては、エッジ量の絶対値の総和値だけでなく、エッジ量の総和値に対しても閾値th4と比較することで、選択領域がグラデーション画像か否かを判定し、グラデーション画像であると判定されたときは、高周波領域では無いと判定するようにしている。
つまり、エッジ量の絶対値の総和値が閾値th3より大きい、即ちエッジ量の絶対値の総和値が大きな値になるということは、同じ方向(同じ符号)のエッジ量を有する画素が多く含まれていることになるので、その領域の画素値が一方向に変化していることを示す十分な根拠となる。そして、このような変化はグラデーション画像に特有の変化である。
【0248】
一方、エッジ量の総和値が閾値th4未満、即ちエッジ量の総和値の絶対値が0に近ければちかいほど、方向の異なるエッジ量を有する画素が多く含まれていることになるので、画素値が細かく変化していることとなり、このような細かい変化をする領域は、高周波領域であると判断できると共に、グラデーション画像では無いと判断できる。
従って、上記比較により、エッジ量の絶対値の総和が閾値th3より大きく且つエッジ量の総和が閾値th4未満の場合(ステップS706の「Yes」の分岐)は、選択画素データを中心とした所定画像領域は、高周波領域であり且つグラデーション画像では無いと判断できる(ステップS716)。
【0249】
一方、上記比較により、エッジ量の絶対値の総和が閾値th3より大きく且つエッジ量の総和が閾値th4未満ではなかった場合(ステップS706の「No」の分岐)は、選択画素データを中心とした所定画像領域は、高周波領域では無いか、あるいは高周波領域ではあるがグラデーション画像であると判断できる(ステップS710)。
つまり、処理内容判定部12aにおいて、選択画素データを中心とした所定画像領域が高周波領域であると判定された場合(ステップS612の「Yes」の分岐)は、前述したように、画素値が細かく変化していることとなり、このような箇所は、バンディングが目立ちにくいので、バンディング回避処理は不必要であると判定し(ステップS614)、N値化処理部12dにおいて、通常のN値化処理を実行する(ステップS616)。
【0250】
一方、所定画像領域が高周波領域ではないと判定された場合(ステップS612の「No」の分岐)は、前述したように、このような箇所は、バンディングが目立ってしまうので、選択画素データに対して、バンディング回避処理が必要と判定され(ステップS620)、N値化処理部12dにおいて、バンディング回避処理を伴うN値化処理を実行する(ステップS622)。
【0251】
更に、本実施の形態においては、バンディング回避処理が必要と判定された場合に、図22に示す、選択画素データを中心とした所定画像領域のエッジ量の絶対値の総和値とバンディング回避処理の実行割合との関係に従って、当該所定画像領域のエッジ量の絶対値の総和に応じて、当該所定画像領域に対するバンディング回避処理の実行割合を決定する。従って、N値化処理部12dにおいては、上記第1の実施の形態と同様に、この実行割合に従ってバンディング回避処理を行うこととなる。
【0252】
一方、選択画素データに対応したノズルがバンディングに関与していないと判定された場合(ステップS608の「No」の分岐)は、バンディング回避処理をする必要が無いので、バンディング回避処理は不必要と判定される(ステップS614)。
ここで、通常のN値化処理及びバンディング回避処理を伴うN値化処理については、上記第1の実施の形態と同様となるので説明を省略する。
【0253】
そして、CMYK画像データの全画素データに対して上記バンディング回避処理の要否の判定処理、実行割合の決定処理及びN値化処理が実行されると、この実行結果のN値化後のCMYK画像データが印刷用データとして、印刷部13に出力される(ステップS112)。
そして、印刷部13においては、印刷用データ生成部12から出力された印刷用データに基づき、印刷ヘッド200を用いて印刷媒体上にN値化処理後のCMYK画像データに応じたドットが形成(印刷)される(ステップS114)。
【0254】
このように、画像のエッジ情報(周波数情報)に基づいて、バンディングを解消するためのドット拡大処理(バンディング回避処理)を実行する割合を制御し、且つドット拡大処理を実行するに際して、選択画素データを中心とした所定領域におけるエッジ量の絶対値の総和に基づき、その実行割合を制御するようにしたので、ドット拡大処理によって生じる元の印刷画質への悪影響を最小限に抑え、処理対象画像の周波数情報を考慮せずにバンディング回避処理を行うよりも印刷結果の画質を改善することが可能である。
【0255】
上記第2の実施の形態において、画像データ取得部10は、形態2又は49の画像データ取得手段に対応し、画像特徴量抽出部11における選択画素データがバンディング現象に関与しているか否かの判定処理は、形態2又は49のバンディング判定手段に対応し、画像特徴量抽出部11におけるバンディング現象に関与している選択画素データを中心とした所定画像領域から特徴量を抽出する処理は、形態2、6、11、49、53及び58のいずれか1の特徴情報抽出手段に対応し、印刷用データ生成部12におけるバンディング回避処理を伴うN値化処理を行うか否かの判定処理は、形態2、3、49及び50のいずれか1の劣化度判定手段に対応し、印刷用データ生成部12におけるN値化処理及び印刷用データの生成処理は、形態1の印刷制御手段、又は、形態2、12、49及び59のいずれか1の印刷用データ生成手段に対応し、印刷部20は、形態1又は形態2の印刷手段に対応する。
【0256】
また、上記第2の実施の形態において、ステップS102〜S106は、形態19、35、63及び78のいずれか1の画像データ取得ステップに対応し、ステップS108は、形態19、35、63及び78のいずれか1のバンディング判定ステップ、並びに形態19、28、35、44、63、72、78及び87のいずれか1の特徴情報抽出ステップに対応し、ステップS110は、形態19、20、35、36、63、64、78及び79のいずれか1の劣化度判定ステップ、並びに形態19、29、35、41、63、73、78及び88のいずれか1の印刷用データ生成ステップに対応し、ステップS114は、形態18、19、34及び35のいずれか1の印刷ステップに対応する。
【0257】
また、上記第2の実施の形態において、ステップS506〜S510,S522は、形態19、35、63及び78のいずれか1のバンディング判定ステップに対応し、ステップS500〜S502,S512〜S520は、形態19、23、35、39、63、67、78及び80のいずれか1の特徴情報抽出ステップに対応し、ステップS600〜ステップS614,S620は、形態19、20、35、36、63、64、78及び79のいずれか1の劣化度判定ステップに対応し、ステップS616,S622は、形態19、29、35、45、63、73、78及び88のいずれか1の印刷用データ生成ステップに対応する。
【0258】
なお、上記第2の実施の形態においては、バンディング回避処理の実行割合を、選択領域に対するエッジ量の絶対値の総和に応じて決定するようにしたが、これに限らず、図23(a)に示すように、単純に選択画素データのエッジ量に応じて決定するようにしても良い。ここで、図23(a)は、選択画素データのエッジ量とバンディング回避処理の実行割合との関係を示す図である。
【0259】
また、上記第1の実施の形態においては、濃度値情報に基づきバンディング回避処理の実行対象を決定するようにし、一方、上記第2の実施の形態においては、選択画素データを中心とした所定領域のエッジ量の絶対値の総和に基づきバンディング回避処理の実行対象を決定するようにしたが、これに限らず、上記第1の実施の形態における濃度情報と、上記第2の実施の形態におけるエッジ量の絶対値の総和とに基づき、図23(b)に示すように、選択領域の濃度値(濃度平均値又は最大濃度値)と、選択領域のエッジ量の絶対値の総和の大きさとからバンディング回避処理の実行対象を決定するようにしても良い。ここで、図23(b)は、選択画素データを中心とした所定領域におけるエッジ量の絶対値の総和と、濃度値と、バンディング回避処理の制御範囲との関係を示す図である。
【0260】
また、上記第1及び第2の実施の形態における印刷装置の特徴は、既存の印刷装置そのものには殆ど手を加えることなくその印刷ヘッドの特性に合わせて画像データから印刷用データを生成するようにしたため、印刷部13として特に専用のものを用意する必要はなく、従来から既存のインクジェット方式のプリンタをそのまま利用するができる。また、上記実施の形態における印刷装置100から印刷部13を分離すれば、その機能はPCなどの汎用の印刷指示端末(印刷用データ生成装置)のみで実現することも可能となる。
【0261】
また、本発明は飛行曲がり現象のみならず、インクの吐出方向は垂直(正常)であるもののノズルの形成内容が正規の位置よりもずれている結果、形成されるドットが飛行曲がり現象と同じ結果となる場合にも全く同様に適用できることは勿論である。
また、上記第1及び第2の実施の形態においては、バンディング回避処理として上記ドット拡大処理を例に説明したが、これに限らず、本発明においては、バンディング回避処理として、他のバンディング回避処理を用いても良い。
【0262】
また、上記第1及び第2の実施の形態においては、選択画素を中心とした所定領域の画像の特徴量を抽出する例を説明したが、これに限らず、画像の全領域を複数の画像ブロックに分割し、選択画素データを含む画像ブロックから特徴量を抽出したり、バンディング現象による画質の劣化が目立つ箇所付近の画像領域を複数の画像ブロックに分割し、当該画像ブロックから特徴量を抽出したりするなどしても良い。
【0263】
上記第1及び第2の実施の形態において、画像の全領域を複数の画像ブロックに分割して、特徴量を抽出する場合は、画像特徴量抽出部11における画像分割処理は、形態4又は51の領域分割手段に対応し、画像特徴量抽出部11における領域分割後の各領域画像から特徴量を抽出する処理は、形態4又は51の特徴情報抽出手段に対応する
また、上記第2の実施の形態においては、所定画像領域のエッジ量を求め、当該エッジ量に基づき、所定画像領域が高周波領域であるか否かを判断する例を説明したが、これに限らず、ハイパスフィルタ等を用いて判断したり、FT、FFT、DCT、アダマール変換等を用いて画像信号(画像空間)を周波数領域(周波数空間)に変換し、当該周波数領域の情報等から判断したりするなど、別の判断方法を用いても良い。
【0264】
以下、DCT(Discrete Cosine Transform)を用いて画像信号を周波数領域に変換し当該周波数領域の情報に基づき、所定画像領域が高周波領域か否かを判断する方法を説明する。
まず、所定画像領域の画像信号のコサインの周波数成分への周波数分解を行う。例えば、JPEGなどの画像処理の圧縮のために用いられる離散コサイン変換(DCT)は、画像を8×8の単位のブロック(所定画像領域)に区切り、ブロックごとにコサインの周波数成分に変換する。画像圧縮では、画像データは低周波成分が多いこと、及び周波数成分が高い領域は人間の視覚的な感度が低いことを利用して、周波数成分の再現精度を低下させることでデータ圧縮を行っている。また、DCTは、一般に広く使われている周波数への変換方式である。
【0265】
例えば、注目画素を中心とした8×8のブロックを所定画像領域とし、当該所定画像領域の各画素値をそれぞれP(0,0)〜P(7,7)と表記すると、DCT変換は、下式(2)によって表現される。
【0266】
【数1】


【0267】
ここで、上式(2)のD(u,v)が周波数に変換された変換係数となる。また、P(0,0)〜P(7,7)は、各画素の値そのものを指す。なお、P(0,0)〜P(7,7)に対しDCT変換して得られる、D(0,0)〜D(7,7)は、周波数成分に変換された変換係数を意味する。また、DCTでは、DCT逆変換を行うことによって、変換された係数から変換前の画素値に戻すことが可能である。
【0268】
周波数成分に変換された変換係数D(0,0)は、直流成分を意味しており、D(7,7)は縦横共に最も変化が高い周波数成分をあらわしていることになる。また、D(7,0)及びD(0,7)は、横あるいは縦方向には変化がなく、縦あるいは横方向には最も高い周波数成分が存在することを意味する。
ここで、DCT後の変換係数を用いて、所定画像領域(画像空間)が高周波領域であるか否かを判断するには、高い周波数成分を意味する係数の値が大きいか否かを判断する。例えば、縦横ともに周波数成分が高い領域においてはバンディングが目立ちにくいとして、下式(3)に示す比較係数DAを算出し、DAの値をあらかじめ設定した閾値と比較することによって、制御を行うか否かを設定する。
【0269】
DA=D(6,7)+D(7,6)+D(7,7)・・・・・・・・・・・・(3)
【0270】
ここで、閾値をthDとすると、DA<thDを満たす場合は、所定画像領域がバンディング回避処理を行う対象の範囲となるが、DA≧thDの場合は、バンディング回避処理を行う必要がないと判断される。
【0271】
また、上記第2の実施の形態のフィルタ出力の場合と同様に、閾値を複数設定することによって、バンディング回避処理を行う対象画素数を変化させても良い。
また、画像を構成する画素の解像度に応じて、算出する比較係数DAの計算式を変動させると、より適切に回避処理の有無を判断することが可能である。例えば、高解像度の画像の場合は、比較係数DAを下式(4)に従って算出すると、視覚的な高周波の領域をより的確に反映することが可能になる(簡単には、解像度が2倍になる場合は、下式(4)で算出することができる)。
【0272】
DA=D(5,7)+D(6,6)+D(6,7)+D(7,5)+D(7,6)+D(7,7)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(4)
【0273】
一方、解像度が低い場合には、比較係数DAを、D(7,7)として判定する必要がある。
また、上記第1及び第2の実施の形態における印刷装置100は、ラインヘッド型のインクジェットプリンタのみならず、マルチパス型のインクジェットプリンタにも適用可能であり、ラインヘッド型のインクジェットプリンタであれば、飛行曲がり現象などが発生していても白スジや濃いスジが殆ど目立たない高品質の印刷物を1パスで得ることが可能となり、また、マルチパス型のインクジェットプリンタであれば、往復動作回数を減らすことができるため、従来よりも高速印刷が可能となる。
【0274】
図24(A)〜(C)は、ラインヘッド型のインクジェットプリンタとマルチパス型のインクジェットプリンタとによるそれぞれの印刷方式を示したものである。
同図(A)に示すように、矩形状の印刷用紙Sに図示の画像を印刷する場合に、同図(B)に示すように、印刷用紙Sの幅方向を画像データのノズル配列方向、長手方向を画像データのノズル配列方向に対して垂直方向とした場合、ラインヘッド型のインクジェットプリンタでは、印刷ヘッド200がその印刷用紙Sの紙幅分の長さを有しており、この印刷ヘッド200を固定し、この印刷ヘッド200に対して前記印刷用紙Sをノズル配列方向に対して垂直方向に移動させることでいわゆる1パス(動作)で印刷を完了するようにしている。なお、いわゆるフラットベット式のスキャナのように印刷用紙Sを固定し、印刷ヘッド200側をそのノズル配列方向に対して垂直方向に移動させたり、あるいは両方をそれぞれ反対方向に移動させながら印刷を行うことも可能である。これに対し、マルチパス型のインクジェットプリンタは、同図(C)に示すように、印刷用紙Sの長手方向を画像データのノズル配列方向、幅方向を画像データのノズル配列方向に対して垂直方向とした場合、紙幅分の長さに比べてはるかに短い印刷ヘッド200をノズル配列方向に位置させ、これをノズル配列方向に対して垂直方向に何度も往復動させながら印刷用紙Sを所定のピッチずつノズル配列方向に移動させることで印刷を実行するようにしている。従って、後者のマルチパス型のインクジェットプリンタの場合は、前者のラインヘッド型のインクジェットプリンタに比べて印刷時間がかかるといった欠点がある反面、任意の箇所に印刷ヘッド200を繰り返し位置させることができることから前述したようなバンディング現象のうち特に白スジ現象の軽減については、ある程度の対応が可能となっている。
【0275】
また、上記第1及び第2の実施の形態ではインクをドット状に吐出して印刷を行うインクジェットプリンタを例に説明したが、本発明は、印字機構がライン状に並んだ形態の印刷ヘッドを用いた他の印刷装置、例えば熱転写プリンタまたは感熱式プリンタなどと称されるサーマルヘッドプリンタについても適用可能である。
また、図3では、印刷ヘッド200の各色ごとに設けられた各ノズルモジュール50、52,54,56は、その印刷ヘッド200の長手方向に直線状にノズルNが連続した形態となっているが、図25に示すように、これら各ノズルモジュール50、52,54,56をそれぞれ複数の短尺のノズルユニット50a、50b、…50nで構成し、これを印刷ヘッド200の移動方向の前後に配列するように構成しても良い。特に、このように各ノズルモジュール50、52,54,56ごとに複数の短尺のノズルユニット50a、50b、…50nで構成すれば、各ノズルユニット50a、50b、…50nの個々の長さを短くしたヘッドを用いて長尺のノズルモジュールを構成することが可能になるので、ノズルモジュールの製造の歩留まりを高くすることが可能になる。
【0276】
また、これまでは、複数のノズルを矩形状の印刷用紙の幅方向と同方向に直線状に配列し、当該幅方向を「ノズル配列方向」、前記矩形状の印刷用紙の長手方向を「ノズル配列方向に対して垂直方向」としたラインヘッド型の印刷ヘッド、前記長手方向と同方向に複数のノズルを配列し、当該長手方向を「ノズル配列方向」、矩形状の印刷用紙の幅方向を「ノズル配列方向に対して垂直方向」とした短尺のマルチパス型の印刷ヘッドなど、「ノズル配列方向」と「印字方向(紙搬送方向)」とが垂直又はほぼ垂直となる構成の印刷ヘッドについて説明してきたが、これに限らず、短尺のノズルモジュールを複数配列した印刷ヘッド、「ノズル配列方向」と「印字方向」とが垂直又はほぼ垂直とならない印刷ヘッドなど他の構成の印刷ヘッドもある。
【0277】
以下、図26及び図27に基づき、ラインヘッド型の印刷ヘッド及びマルチパス型の印刷ヘッドの構成例をいくつか説明する。ここで、図26(a)〜(d)は、ラインヘッド型プリンタの印刷ヘッドの構成例を示す図である。また、図27(a)〜(d)は、マルチパス型プリンタの印刷ヘッドの構成例を示す図である。
まず、ラインヘッド型の印刷ヘッドの構成例について説明する。
【0278】
図26(a)の構成例は、上記第1及び第2の実施の形態において用いた、複数のノズルを矩形状の印刷用紙Sの幅方向と同方向に直線状に配列し、当該幅方向を「ノズル配列方向」、印刷用紙Sの長手方向を「ノズル配列方向に対して垂直方向」とした長尺の(幅方向と同等の長さ又は幅方向よりも長い)印刷ヘッドである。この構成例の場合は、「ノズル配列方向に対して垂直方向」と「印字方向(紙搬送方向)」とが同方向となる。つまり、「ノズル配列方向」と「印字方向」とが垂直(又はほぼ垂直)となる。一方、図26(b)の構成例は、「ノズル配列方向」と印刷用紙Sの幅方向とが同方向ではなく、幅方向に対して斜め方向に複数のノズルが配列された構成の長尺の印刷ヘッドである。この構成例の場合は、「ノズル配列方向に対して垂直方向」と「印字方向」とが同方向とはならず、「各ノズルが連続して印刷する方向」が「印字方向」となる。つまり、「ノズル配列方向」と「印字方向(紙搬送方向)」とが垂直(又はほぼ垂直)とはならない。従って、印刷用紙Sの長手方向は、「各ノズルが連続して印刷する方向」となり、印刷用紙Sの幅方向は、「ノズル配列方向」ではなく、「各ノズルが連続して印刷する方向に対して垂直方向」となる。このように印字方向とは垂直方向となる幅方向に対してノズル配列方向を斜めにすれば、高解像度の画像を得ることができることが分かっている。
【0279】
また、図26(c)の構成例は、複数のノズルを矩形状の印刷用紙Sの幅方向と同方向に直線状に配列した短尺のノズルモジュールを、一直線ではなく幅方向に互い違いに複数配設した構成の印刷ヘッドである。この構成例は、単体のノズルモジュールを複数のノズルモジュールに分けた構成であり、図26(a)の構成例と同等の構成となるので、「ノズル配列方向」は印刷用紙Sの幅方向、「ノズル配列方向に対して垂直方向」は印刷用紙Sの長手方向且つ「印字方向」となる。一方、図26(d)の構成例は、図26(b)の構成例と同様に、印刷用紙Sの幅方向に対して斜め方向に複数のノズルが配列された構成の印刷ヘッドである。但し、図26(d)の構成例では、斜め方向に複数のノズルが配列された短尺のノズルモジュールを印刷用紙Sの幅方向に、当該幅方向に対して斜めの状態で複数配設した構成となっている。この構成例は、単体のノズルモジュールを複数のノズルモジュールに分けた構成であり、図26(b)の構成例と同等の構成となるので、印刷用紙Sの長手方向は、「各ノズルが連続して印刷する方向」となり、印刷用紙Sの幅方向は、「各ノズルが連続して印刷する方向に対して垂直方向」となる。
【0280】
次に、マルチパス型の印刷ヘッドの構成例について説明する。
図27(a)の構成例は、矩形状の印刷用紙Sの長手方向と同方向に複数のノズルを配列し、当該長手方向を「ノズル配列方向」、印刷用紙Sの幅方向を「ノズル配列方向に対して垂直方向」とした短尺の印刷ヘッドである。この構成例の場合は、「ノズル配列方向に対して垂直方向」と「印字方向(紙搬送方向)」とが同方向となる。つまり、「ノズル配列方向」と「印字方向」とが垂直(又はほぼ垂直)となる。また、印刷ヘッドの進行方向は、同図(a)に示すように、印刷ヘッドが印刷用紙Sの幅方向に対して往復動する。一方、図27(b)の構成例は、「ノズル配列方向」と印刷用紙Sの長手方向とが同方向ではなく、長手方向に対して斜め方向に複数のノズルが配列された構成の短尺の印刷ヘッドである。この構成例の場合は、「ノズル配列方向に対して垂直方向」と「印字方向」とが同方向とはならず、「各ノズルが連続して印刷する方向」が「印字方向」となる。つまり、「ノズル配列方向」と「印字方向(紙搬送方向)」とが垂直(又はほぼ垂直)とはならない。従って、印刷用紙Sの幅方向は、「ノズル配列方向」ではなく、「各ノズルが連続して印刷する方向」となり、印刷用紙Sの長手方向は、「各ノズルが連続して印刷する方向に対して垂直方向」となる。このように印字方向とは垂直方向となる長手方向に対してノズル配列方向を斜めにすれば、高解像度の画像を得ることができることが分かっている。
【0281】
また、図27(c)の構成例は、複数のノズルを矩形状の印刷用紙Sの長手方向と同方向に直線状に配列した短尺のノズルモジュールを、一直線ではなく幅方向に互い違いに複数配設した構成の短尺の印刷ヘッドである。この構成例は、単体のノズルモジュールを複数のノズルモジュールに分けた構成であり、図27(a)の構成例と同等の構成となるので、「ノズル配列方向」は印刷用紙Sの幅方向、「ノズル配列方向に対して垂直方向」は印刷用紙Sの長手方向且つ「印字方向」となる。一方、図27(d)の構成例は、図27(b)の構成例と同様に、印刷用紙Sの長手方向に対して斜め方向に複数のノズルが配列された構成の短尺の印刷ヘッドである。但し、図27(d)の構成例では、斜め方向に複数のノズルが配列されたより短尺のノズルモジュールを印刷用紙Sの長手方向に、当該長手方向に対して斜めの状態で複数配設した構成となっている。この構成例は、単体のノズルモジュールを複数のノズルモジュールに分けた構成であり、図27(b)の構成例と同等の構成となるので、印刷用紙Sの幅方向は、「各ノズルが連続して印刷する方向」となり、印刷用紙Sの長手方向は、「各ノズルが連続して印刷する方向に対して垂直方向」となる。
【0282】
上記説明した図26(a)及び(c)に示すラインヘッド型の印刷ヘッド及び上記説明した図27(a)及び(c)に示すマルチパス型の印刷ヘッドなどのように、「ノズル配列方向」と「印字方向」とが垂直となる構成の印刷ヘッドだけでなく、上記説明した図26(b)及び(d)に示すラインヘッド型の印刷ヘッド及び上記説明した図27(b)及び(d)に示すマルチパス型の印刷ヘッドなどのように、「ノズル配列方向」と「印字方向」とが垂直とならない構成の印刷ヘッドに対しても本発明を適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0283】
【図1】本発明に係る印刷装置100の構成を示すブロック図である。
【図2】コンピュータシステムのハードウェア構成を示す図である。
【図3】本発明の印刷ヘッド200の構造を示す部分拡大底面図である。
【図4】図4の部分拡大側面図である。
【図5】印刷装置100における印刷処理を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施の形態における印刷装置100の画像特徴量抽出部11における、画像特徴量抽出処理を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第1の実施の形態における印刷装置100の印刷用データ生成部12における、印刷用データ生成処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第1の実施の形態における印刷装置100の印刷用データ生成部12における、バンディング回避処理を伴うN値化処理を示すフローチャートである。
【図9】(a)は、いわゆる飛行曲がりを発生する異常ノズルがないブラックノズルモジュール50のみで形成されるドットパターンの一例を示した図であり、(b)は、ブラックノズルモジュール50のうち、ノズルN6が飛行曲がり現象を発生している場合に形成されるドットパターンの一例を示した図である。
【図10】バンディング回避処理の施されたドットパターンの一例を示す図である。
【図11】ノズルN6が飛行曲がり現象を発生している場合に形成される、印刷密度の低いドットパターンの一例を示す図であり、(b)は、(a)のドットパターンに対してバンディング回避処理を施した一例を示す図である。
【図12】CMYKの各インク色毎に設定された閾値thpの一例を示す図である。
【図13】ブロック画像の代表濃度値とバンディング回避処理の実行割合との関係を示す図である。
【図14】ドットサイズに対する、N値の情報、各N値に対する閾値の情報の一例を示す図である。
【図15】N値化処理に用いる誤差拡散マトリックスの一例を示す図である。
【図16】バンディング回避処理を伴うN値化処理におけるドット変更の過程を示す概念図である。
【図17】本発明の第2の実施の形態における印刷装置100の画像特徴量抽出部11における、画像特徴量抽出処理を示すフローチャートである。
【図18】本発明の第2の実施の形態における印刷装置100の印刷用データ生成部12における、印刷用データ生成処理を示すフローチャートである。
【図19】本発明の第2の実施の形態における処理内容判定部12aにおける、高周波領域判定処理を示すフローチャートである。
【図20】エッジ抽出フィルタの一例を示す図である。
【図21】(a)は、合計値算出対象画素の一例を示す図であり、(b)は、高周波領域判定処理を行う所定領域の一例を示す図である。
【図22】所定領域画像のエッジ量の絶対値の総和とバンディング回避処理の実行割合との関係を示す図である。
【図23】(a)は、選択画素データのエッジ量とバンディング回避処理の実行割合との関係を示す図であり、(b)は、選択画素データを中心とした所定領域におけるエッジ量の絶対値の総和と、濃度値と、バンディング回避処理の制御範囲との関係を示す図である。
【図24】(A)〜(C)は、マルチパス型のインクジェットプリンタとラインヘッド型のインクジェットプリンタとによる印刷方式の違いを示す説明図である。
【図25】印刷ヘッドの構造の他の例を示す概念図である。
【図26】(a)〜(d)は、ラインヘッド型プリンタの印刷ヘッドの構成例を示す図である。
【図27】(a)〜(d)は、マルチパス型プリンタの印刷ヘッドの構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0284】
100…印刷装置、200…印刷ヘッド、10…画像データ取得部、11…画像特徴量抽出部、12…印刷用データ生成部、12a…処理内容判定部、12b…判定用情報記憶部、12d…N値化処理部、12e…N値化情報記憶部、13…印刷部、14…ノズル情報記憶部、60…CPU、62…RAM、64…ROM、66…インターフェース、70…記憶装置、72…出力装置、74…入力装置、50…ブラックノズルモジュール、52…イエローノズルモジュール、54…マゼンタノズルモジュール、56…シアンノズルモジュール、S…印刷媒体(用紙)、L…ネットワークケーブル、N…ノズル




 

 


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