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発明の名称 印刷装置、印刷装置制御プログラム及び印刷装置制御方法、並びに印刷用データ生成装置、印刷用データ生成プログラム及び印刷用データ生成方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−8176(P2007−8176A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2006−287364(P2006−287364)
出願日 平成18年10月23日(2006.10.23)
代理人 【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
発明者 ▲高▼橋 透
要約 課題
飛行曲がり現象によるバンディング現象を解消または殆ど目立たなくすることができる新規な印刷装置、印刷装置制御プログラム及び印刷装置制御方法、並びに印刷用データ生成装置、印刷用データ生成プログラム及び印刷用データ生成方法を提供する。

解決手段
印刷装置100を、第1画像データを取得する第1画像データ取得部10と、各ノズルNの特性を示すノズル情報に基づき、前記取得した第1画像データの各画素データに対して、ノズルを使用するか否かが設定されたノズル設定情報テーブルを生成するノズル情報設定部11と、ノズル設定情報テーブルを記憶するノズル設定情報テーブル記憶部13と、第1画像データにおけるノズル不使用と設定された画素データの画素値を最低濃度値に変更すると共に、変更前の画素値を周辺画素に分配してなる第2画像データを生成する第2画像データ生成部14とを含んだ構成とした。
特許請求の範囲
【請求項1】
印刷に用いる媒体に、サイズの異なる2種類以上のドットを形成可能なノズルを有する印刷ヘッドによって、前記媒体に画像を印刷するようにした印刷装置であって、
M(M≧3)値の画素値に対応する複数の画素データを有する第1画像データを取得する第1画像データ取得手段と、
前記ノズルの特性を示すノズル情報を記憶するノズル情報記憶手段と、
前記ノズル情報に基づき、前記第1画像データの各画素データに対して、当該各画素データに対応したノズルを使用するか否かを設定するノズル使用情報設定手段と、
前記第1画像データにおける、前記ノズル使用情報設定手段によって不使用と設定した画素データの画素値を最低濃度値に変更すると共に、当該変更前の元の画素値を、当該画素値の近傍に位置する未処理画素の画素値に分配してなる第2画像データを生成する第2画像データ生成手段と、
前記第2画像データにおける画素データのM(M≧3)値の画素値を、N(M>N≧2)値に変換する処理であるN値化処理を行って、第3画像データを生成するN値化処理手段と、
前記第3画像データに対応する前記ノズルのドット形成内容に関する情報を規定した印刷用データを生成する印刷用データ生成手段と、
前記印刷用データに基づき、前記印刷ヘッドによって前記画像を前記媒体に印刷する印刷手段と、を備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記ノズル情報は、前記ノズルのインクの吐出不良の有無を示す情報を含み、
前記ノズル使用情報設定手段は、前記インクの吐出不良を有するノズルに対応した画素データの全てに対して、当該ノズルを不使用と設定することを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
【請求項3】
前記ノズル情報は、前記ノズルの前記ドットの実際の形成位置と当該ドットの理想の形成位置との位置ずれ量の情報を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の印刷装置。
【請求項4】
前記ノズル使用情報設定手段は、前記位置ずれ量が所定量より大きいノズルに対応する画素データの一部に対して当該ノズルを不使用と設定することを特徴とする請求項3記載の印刷装置。
【請求項5】
前記第2画像データ生成手段は、前記元の画素値を分配する処理において、前記変更前の元の画素値を、当該画素値の画素画像近傍に位置する画素画像の画素値にランダムな割合で分配することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記ノズル使用情報設定手段は、前記第1画像データにおける各画素データに対して、当該各画素データに対応するノズルを使用するか否かを設定した情報からなるノズル設定情報テーブルを生成するようになっており、
前記N値化処理手段は、前記ノズル設定情報テーブルに基づき前記第2画像データをN値化してなる前記第3画像データを生成することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記ノズル使用情報設定手段は、前記第1画像データにおける各画素データに対して、当該各画素データに対応するノズルを使用するか否かを設定した情報からなるノズル設定情報テーブルを生成するようになっており、
前記印刷用データ生成手段は、前記ノズル設定情報テーブルに基づき前記第3画像データを補正してなる前記印刷用データを生成することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項8】
前記ノズル使用情報設定手段は、前記第1画像データにおける各画素データに対して、当該各画素データに対応するノズルを使用するか否かを設定した情報からなるノズル設定情報テーブルを生成するようになっており、
前記印刷手段は、前記印刷用データ及び前記ノズル設定情報テーブルに基づき、前記印刷ヘッドによって前記画像を前記媒体に印刷することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項9】
前記印刷ヘッドは、前記媒体の装着領域と同等の範囲又は前記装着領域よりも広い範囲に亘って前記ノズルが連続して配列された印刷ヘッドであることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項10】
前記印刷ヘッドは、前記媒体の紙送り方向に直交する方向に移動しながら印刷を実行する印刷ヘッドであることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項11】
印刷に用いる媒体に、サイズの異なる2種類以上のドットを形成可能なノズルを有する印刷ヘッドによって、前記媒体に画像を印刷するようにした印刷装置を制御するのに使用する印刷装置制御プログラムであって、
M(M≧3)値の画素値に対応する複数の画素データを有する第1画像データを取得する第1画像データ取得ステップと、
前記ノズルの特性を示すノズル情報が記憶されたノズル情報記憶手段の記憶内容に基づき、前記第1画像データにおける各画素データに対して、当該各画素データに対応したノズルを使用するか否かを設定するノズル使用情報設定ステップと、
前記第1画像データにおける、前記ノズル使用情報設定ステップにおいて不使用と設定した画素データの画素値を最低濃度値に変更すると共に、当該変更前の元の画素値を、当該画素値の近傍に位置する未処理画素の画素値に分配してなる第2画像データを生成する第2画像データ生成ステップと、
前記第2画像データにおける画素データのM(M≧3)値の画素値を、N(M>N≧2)値に変換する処理であるN値化処理を行って、第3画像データを生成するN値化処理ステップと、
前記第3画像データに対応する前記ノズルのドット形成内容に関する情報を規定した印刷用データを生成する印刷用データ生成ステップと、
前記印刷用データに基づき、前記印刷ヘッドによって前記画像を前記媒体に印刷する印刷ステップとからなる処理をコンピュータに実行させるのに使用するプログラムを含むことを特徴とする印刷装置制御プログラム。
【請求項12】
印刷に用いる媒体に、サイズの異なる2種類以上のドットを形成可能なノズルを有する印刷ヘッドによって、前記媒体に画像を印刷するようにした印刷装置を制御するのに使用する印刷装置制御方法であって、
M(M≧3)値の画素値に対応する複数の画素データを有する第1画像データを取得する第1画像データ取得ステップと、
前記ノズルの特性を示すノズル情報が記憶されたノズル情報記憶手段の記憶内容に基づき、前記第1画像データにおける各画素データに対して、当該各画素データに対応したノズルを使用するか否かを設定するノズル使用情報設定ステップと、
前記第1画像データにおける、前記ノズル使用情報設定ステップにおいて不使用と設定した画素データの画素値を最低濃度値に変更すると共に、当該変更前の元の画素値を、当該画素値の近傍に位置する未処理画素の画素値に分配してなる第2画像データを生成する第2画像データ生成ステップと、
前記第2画像データにおける画素データのM(M≧3)値の画素値を、N(M>N≧2)値に変換する処理であるN値化処理を行って、第3画像データを生成するN値化処理ステップと、
前記第3画像データに対応する前記ノズルのドット形成内容に関する情報を規定した印刷用データを生成する印刷用データ生成ステップと、
前記印刷用データに基づき、前記印刷ヘッドによって前記画像を前記媒体に印刷する印刷ステップと、を含むことを特徴とする印刷装置制御方法。
【請求項13】
印刷に用いる媒体に、サイズの異なる2種類以上のドットを形成可能なノズルを有する印刷ヘッドによって、前記媒体に画像を印刷するようにした印刷装置において使用される印刷用データを生成する印刷用データ生成装置であって、
M(M≧3)値の画素値に対応する複数の画素データを有する第1画像データを取得する第1画像データ取得手段と、
前記ノズルの特性を示すノズル情報を記憶するノズル情報記憶手段と、
前記ノズル情報に基づき、前記第1画像データにおける各画素データに対して、当該各画素データに対応したノズルを使用するか否かを設定するノズル使用情報設定手段と、
前記第1画像データにおける、前記ノズル使用情報設定手段によって不使用と設定した画素データの画素値を最低濃度値に変更すると共に、当該変更前の元の画素値を、当該画素値の近傍に位置する未処理画素の画素値に分配してなる第2画像データを生成する第2画像データ生成手段と、
前記第2画像データにおける画素データのM(M≧3)値の画素値を、N(M>N≧2)値に変換する処理であるN値化処理を行って、第3画像データを生成するN値化処理手段と、
前記第3画像データに対応する前記ノズルのドット形成内容に関する情報を規定した印刷用データを生成する印刷用データ生成手段と、を備えることを特徴とする印刷用データ生成装置。
【請求項14】
印刷に用いる媒体に、サイズの異なる2種類以上のドットを形成可能なノズルを有する印刷ヘッドによって、前記媒体に画像を印刷するようにした印刷装置において使用される印刷用データを生成するのに使用する印刷用データ生成プログラムであって、
M(M≧3)値の画素値に対応する複数の画素データを有する第1画像データを取得する第1画像データ取得ステップと、
前記ノズルの特性を示すノズル情報に基づき、前記第1画像データにおける各画素データに対して、当該各画素データに対応したノズルを使用するか否かを設定するノズル使用情報設定ステップと、
前記第1画像データにおける、前記ノズル使用情報設定ステップにおいて不使用と設定した画素データの画素値を最低濃度値に変更すると共に、当該変更前の元の画素値を、当該画素値の近傍に位置する未処理画素の画素値に分配してなる第2画像データを生成する第2画像データ生成ステップと、
前記第2画像データにおける画素データのM(M≧3)値の画素値を、N(M>N≧2)値に変換する処理であるN値化処理を行って、第3画像データを生成するN値化処理ステップと、
前記第3画像データに対応する前記ノズルのドット形成内容に関する情報を規定した印刷用データを生成する印刷用データ生成ステップとからなる処理をコンピュータに実行させるのに使用するプログラムを含むことを特徴とする印刷用データ生成プログラム。
【請求項15】
印刷に用いる媒体に、サイズの異なる2種類以上のドットを形成可能なノズルを有する印刷ヘッドによって、前記媒体に画像を印刷するようにした印刷装置において使用される印刷用データを生成する印刷用データ生成方法であって、
M(M≧3)値の画素値に対応する複数の画素データを有する第1画像データを取得する第1画像データ取得ステップと、
前記ノズルの特性を示すノズル情報に基づき、前記第1画像データにおける各画素データに対して、当該各画素データに対応したノズルを使用するか否かを設定するノズル使用情報設定ステップと、
前記第1画像データにおける、前記ノズル使用情報設定ステップにおいて不使用と設定した画素データの画素値を最低濃度値に変更すると共に、当該変更前の元の画素値を、当該画素値の近傍に位置する未処理画素の画素値に分配してなる第2画像データを生成する第2画像データ生成ステップと、
前記第2画像データにおける画素データのM(M≧3)値の画素値を、N(M>N≧2)値に変換する処理であるN値化処理を行って、第3画像データを生成するN値化処理ステップと、
前記第3画像データに対応する前記ノズルのドット形成内容に関する情報を規定した印刷用データを生成する印刷用データ生成ステップと、を含むことを特徴とする印刷用データ生成方法。
【請求項16】
サイズの異なる2種類以上のドットを印刷に用いる媒体に形成可能なノズルを有する印刷ヘッドを有し、前記ノズルを不使用にする設定のされた画素データの画素値を用いて補正された画像データから生成される印刷用データに基づき、前記媒体に画像を印刷する印刷装置において使用されるノズル設定情報テーブルを生成するノズル設定情報テーブル生成方法であって、
M(M≧3)値の画素値に対応する複数の画素データを有する第1画像データを取得する画像データ取得ステップと、
前記ノズルの特性を示すノズル情報に基づき、前記画像データ取得ステップで取得した画像データの各画素データに対して、当該各画素データに対応したノズルを使用するか否かを設定するノズル使用情報設定ステップと、
前記ノズル使用情報設定ステップの設定情報に基づき、前記画像データの各画素データに対して、当該各画素データに対応したノズルを使用するか否かが設定されたノズル設定情報テーブルを生成するノズル設定情報テーブル生成ステップと、を含むことを特徴とするノズル設定情報テーブル生成方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファクシミリ装置や複写機、OA機器用の印刷装置等に用いられる印刷装置および印刷装置制御プログラム並びに印刷装置制御方法に係り、特に、複数色の液体インクの微粒子を印刷用紙(記録材)上に吐出して所定の文字や画像を描画するようにした、いわゆるインクジェット方式の印刷装置、印刷装置制御プログラム及び印刷装置制御方法、並びに印刷用データ生成装置、印刷用データ生成プログラム及び印刷用データ生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
以下は、印刷装置、特にインクジェット方式を採用したプリンタ(以下、「インクジェットプリンタ」と称す)について説明する。
インクジェットプリンタは、一般に安価でかつ高品質のカラー印刷物が容易に得られることから、パーソナルコンピュータやデジタルカメラなどの普及に伴い、オフィスのみならず一般ユーザにも広く普及してきている。
【0003】
このようなインクジェットプリンタは、一般に、インクカートリッジと印刷ヘッドとが一体的に備えられたキャリッジなどと称される移動体が、印刷に用いる媒体(例えば、印刷用紙など)上を、その紙送り方向に対し垂直な方向に往復しながらその印刷ヘッドのノズルから液体インクの粒子をドット状に吐出(噴射)することで、前記媒体上に所定の文字や画像を描画して所望の印刷物を作成するようになっている。そして、このキャリッジに黒色(ブラック)を含めた4色(ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン)のインクカートリッジと各色ごとの印刷ヘッドを備えることで、モノクロ印刷のみならず、各色を組み合わせたフルカラー印刷も容易に行えるようになっている(さらに、これら各色に、ライトシアンやライトマゼンタなどを加えた6色や7色、あるいは8色のものも実用化されている)。
【0004】
また、このようにキャリッジ上の印刷ヘッドを紙送り方向に対し垂直な方向に往復させながら印刷を実行するようにしたタイプのインクジェットプリンタでは、1ページ全体をきれいに印刷するために印刷ヘッドを数十回から100回以上も往復動させる必要があるため、他の方式の印刷装置、例えば、複写機などのような電子写真技術を用いたレーザープリンタなどに比べて大幅に印刷時間がかかるといった欠点がある。
【0005】
これに対し、印刷用紙の幅と同じ(もしくは長い)寸法の長尺の印刷ヘッドを配置してキャリッジを使用しないタイプのインクジェットプリンタでは、印刷ヘッドを印刷用紙の幅方向に移動させる必要がなく、いわゆる1走査(1パス)での印刷が可能となるため、前記レーザープリンタと同様に高速な印刷が可能となる。また、印刷ヘッドを搭載するキャリッジやこれを移動させるための駆動系などが不要となるため、プリンタ筐体の小型・軽量化が可能となり、さらに静粛性も大幅に向上するといった利点も有している。なお、前者方式のインクジェットプリンタを一般に「マルチパス型プリンタ」、後者方式のインクジェットプリンタを一般に「ラインヘッド型プリンタ」または「シリアルプリンタ」と呼んでいる。
【0006】
ところで、このようなインクジェットプリンタに不可欠な印刷ヘッドは、直径が10〜70μm程度の微細なノズルを一定の間隔を隔てて1列、または印刷方向に複数列に配設してなるものであるため、製造誤差によって一部のノズルのインクの吐出方向が傾いてしまったり、ノズルの位置が理想位置とはずれた位置に配置されてしまい、そのノズルで形成されるドットの着弾位置が理想位置よりもずれてしまうといった、いわゆる「飛行曲がり現象」を発生してしまうことがある。また、ノズルのばらつき特性により、そのばらつきが大きいものとしては、インク量が理想量と比較して非常に多くなったり少なくなったりするものが存在する。
【0007】
この結果、その不良ノズルを用いて印刷された部分に、いわゆる「バンディング(スジ)現象」と称される印刷不良が発生して、印刷品質を著しく低下させてしまうことがある。すなわち、「飛行曲がり」現象が発生すると、隣り合うノズルにより吐出されたドット間距離が不均一となり、隣接ドット間の距離が正常時より長くなる部分には「白スジ(印刷用紙が白色の場合)」が発生し、隣接ドット間の距離が正常時より短くなる部分には、「濃いスジ」が発生する。また、インク量の値が理想とは外れている場合も、インク量が多いノズル部分に関しては、濃いスジ、インク量が少なくなる部分では白スジが発生する。
【0008】
特に、このようなバンディング現象は、前述したような「マルチパス型プリンタ」(シリアルプリンタ)の場合よりも、印刷ヘッドもしくは印刷に用いる媒体が固定(1パス印刷)である「ラインヘッド型プリンタ」の方に顕著に発生し易い(マルチパス型プリンタでは、印刷ヘッドを何回も往復させることを利用してバンディングを目立たなくする技術がある)。
【0009】
そのため、このような「バンディング現象」による一種の印刷不良を防止するために、印刷ヘッドの製造技術の向上や設計改良などといった、いわゆるハード的な部分での研究開発が鋭意進められているが、製造コスト、技術面などから100%「バンディング現象」が発生しない印刷ヘッドを提供するのは困難となっている。
そこで、現状では前記のようなハード的な部分での改良に加え、以下に示すような印刷制御といった、いわゆるソフト的な手法を用いてこのような「バンディング現象」を低減するような技術が併用されている。
【0010】
例えば、以下に示す特許文献1や特許文献2では、ノズルのばらつきやインクの不吐出に対処するために、濃度が薄い部分にはシェーディング補正技術を用いてヘッドのばらつきの対処を行い、濃度が濃い部分については他の色を用いて代用(例えば、ブラックで印刷する場合にはシアンまたはマゼンタなどを代用)してバンディングやばらつきが目立たないように設定している。
【0011】
また、以下に示す特許文献3においては、ベタ画像(すなわち線画像に対して、比較的大面積の画像部であり、インクで密に被覆される領域であるが、エッジ効果などによって完全に被覆されない場合もある。)に関しては不吐出ノズルの近傍画素の隣接ノズルの吐出量を増やし、ノズル全体でベタ画像を生成するという手法を取り入れている。
また、以下に示す特許文献4においては、各ノズルのばらつき量を誤差拡散にフィードバックして処理し、ノズルから吐出されるインクの吐出量のばらつきを吸収してバンディング現象を回避している。
【0012】
また、以下に示す特許文献5においては、インクの吐出状態に異常が生じたノズル(N)がある場合に、その異常ノズル(N)に対応する記録データを、その異常ノズル(N)の近傍に位置する近傍ノズル(N−1),(N+1)に対応する記録データに付加することにより、その異常ノズル(N)に対応する記録データを補償し、バンディング現象を回避している。
【特許文献1】特開2002−19101号公報
【特許文献2】特開2003−136702号公報
【特許文献3】特開2003−63043号公報
【特許文献4】特開平5−30361号公報
【特許文献5】特開2004−58284号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、上記特許文献1及び上記特許文献2の従来技術などのように他の色を用いてバンディング現象やばらつきを低減する手法では、処理を施した部分の色相が変わってしまうことから、カラー写真画像印刷のように高画質・高品質が要求される印刷には適さない。
また、濃度が濃い部分について、不吐出ノズルの情報を左右に振り分けるなどによって「白スジ現象」を回避する方法は、これを前述した「飛行曲がり現象」に適用した場合には、白スジは低減可能であるが、濃度が濃い部分には依然としてバンディングが残ってしまうという問題がある。
【0014】
また、上記特許文献3の従来技術などのような方法では、印刷物がベタ画像であれば問題ないが、中間階調の印刷物である場合は、この方法を利用することができない。また、細い線などは他の色を用いて埋める方法はごく僅かな使用であれば問題ないが、他の色が連続して発生するような画像においては、前者と同様に画像の一部の色相が変化してしまうといった問題が残る。
【0015】
また、上記特許文献4の従来技術などのような方法では、ドットの形成内容がずれるという問題に対しては、適切なフィードバックを行う処理が複雑となり、解決が困難であるという問題がある。
また、上記特許文献5の従来技術などのような方法では、2値化後の後処理において、周辺のノズルで異なるサイズのドットを形成する際、ドットにγ特性がある場合には、その部分の面積階調が崩れる危険性があるという問題がある。
【0016】
そこで、本発明は、このような従来の技術の有する未解決の課題に着目してなされたものであって、印刷画質の劣化を解消または殆ど目立たなくすることができる新規な印刷装置、印刷装置制御プログラム及び印刷装置制御方法、並びに印刷用データ生成装置、印刷用データ生成プログラム及び印刷用データ生成方法を提供することを第1の目的としている。
【0017】
また、飛行曲がり現象が要因のバンディング現象による印刷画質の劣化を解消または殆ど目立たなくすることができる新規な印刷装置、印刷装置制御プログラム及び印刷装置制御方法、並びに印刷用データ生成装置、印刷用データ生成プログラム及び印刷用データ生成方法を提供することを第2の目的としている。
また、インクの吐出不良による印刷画質の劣化を解消または殆ど目立たなくすることができる新規な印刷装置、印刷装置制御プログラム及び印刷装置制御方法、並びに印刷用データ生成装置、印刷用データ生成プログラム及び印刷用データ生成方法を提供することを第3の目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0018】
〔形態1〕 上記第1〜第3の目的を達成するために、形態1の印刷装置は、
印刷に用いる媒体に、サイズの異なる2種類以上のドットを形成可能なノズルを有する印刷ヘッドによって、前記媒体に画像を印刷するようにした印刷装置であって、
M(M≧3)値の画素値に対応する複数の画素データを有する第1画像データを取得する第1画像データ取得手段と、
前記ノズルの特性を示すノズル情報を記憶するノズル情報記憶手段と、
前記ノズル情報に基づき、前記第1画像データの各画素データに対して、当該各画素データに対応したノズルを使用するか否かを設定するノズル使用情報設定手段と、
前記第1画像データにおける、前記ノズル使用情報設定手段によって不使用と設定した画素データの画素値を最低濃度値に変更すると共に、当該変更前の元の画素値を、当該画素値の近傍に位置する未処理画素の画素値に分配してなる第2画像データを生成する第2画像データ生成手段と、
前記第2画像データにおける画素データのM(M≧3)値の画素値を、N(M>N≧2)値に変換する処理であるN値化処理を行って、第3画像データを生成するN値化処理手段と、
前記第3画像データに対応する前記ノズルのドット形成内容に関する情報を規定した印刷用データを生成する印刷用データ生成手段と、
前記印刷用データに基づき、前記印刷ヘッドによって前記画像を前記媒体に印刷する印刷手段と、を備えることを特徴としている。
【0019】
このような構成であれば、画像データ取得手段によって、M(M≧3)値の画素値にそれぞれ対応する複数の画素データを含んでなる第1画像データを取得することが可能であり、ノズル情報記憶手段によって、ノズルの特性を示すノズル情報を記憶することが可能であり、ノズル使用情報設定手段によって、ノズル情報に基づき、前記第1画像データの各画素データに対して、当該各画素データに対応したノズルを使用するか否かを設定することが可能であり、第2画像データ生成手段によって、第1画像データにおける、前記ノズル使用情報設定手段によって不使用と設定した画素データの画素値を最低濃度値に変更すると共に、当該変更前の元の画素値を、当該画素値の近傍に位置する未処理画素の画素値に分配してなる第2画像データを生成することが可能であり、N値化処理手段によって、第2画像データにおける画素データのM(M≧3)値の画素値を、N(M>N≧2)値に変換する処理であるN値化処理を行って、第3画像データを生成することが可能であり、印刷用データ生成手段によって、前記第3画像データに対応する前記ノズルのドット形成内容に関する情報を規定した印刷用データを生成することが可能であり、印刷手段によって、印刷用データに基づき、前記印刷ヘッドによって前記画像を前記印刷媒体上に印刷することが可能である。
【0020】
従って、ノズル情報に基づき、例えば、ノズルにおけるインクの吐出不良や、ドットの形成位置が理想位置からずれたノズルの「飛行曲り現象」などによって発生する、ノズルの特性を起因とした「バンディング現象」に係る画素データに対して、その画素データに対応するノズルを、当該画素データの一部又は全部に対して不使用と設定してその画素データの画素値を最低濃度値にできると共に、元の画素値を周辺の画素データに分配することができ、これによって、誤差拡散法を用いたN値化処理後において、不使用と設定された部分の画素データは、N値化処理方法に応じて、比較的小さなドットが形成されるか、又はドットが形成されないようになり、更に、不使用と設定された部分の画素データが失った分の画素値は、その周辺の画素データによって補償されるので、元の面積階調を維持した状態で「白スジ」や「濃いスジ」等の印刷画質の劣化を低減することができるという効果が得られる。
【0021】
ここで、上記ドットとは、1または複数のノズルから吐出されたインクが印刷媒体に着弾して形成される1つの領域をいう。また、「ドット」は面積が「ゼロ」ではなく、一定の大きさ(面積)をもつことは勿論、大きさごとに複数種類存するものである。但し、インクを吐出して形成されたドットは必ずしも真円になるとは限らない。例えば、楕円形などの真円以外の形状でドットが形成された場合は、その平均的な径をドット径として扱ったり、ある量のインクを吐出して形成されたドットの面積と等しい面積を有する真円の等価ドットを想定し、該等価ドットの径をドット径として扱ったりすることもある。また、濃度の異なるドットの打ち分け方法としては、例えば、ドットの大きさが同じで濃度が異なるドットを打つ方法、濃度が同じで大きさの異なるドットを打つ方法、濃度が同じでインクの吐出量が異なるドットであり、重ね打ちにより濃度を異ならせる方法などが考えられる。また、1つのノズルから吐出された1つのインク滴が分離して着弾してしまった場合も1つのドットとするが、2つのノズルまたは1つのノズルから時間を前後して形成された2つ以上のドットがくっついてしまった場合は、2つのドットが形成されたものとする。以下、「印刷装置制御プログラム」に関する形態、「印刷装置制御方法」に関する形態、「印刷用データ生成装置」に関する形態、「印刷用データ生成プログラム」に関する形態、「印刷用データ生成方法」に関する形態、並びに「前記プログラムを記録した記録媒体」に関する形態、発明を実施するための最良の形態の欄などの記載において同じである。
【0022】
また、上記第1画像データ取得手段は、スキャナ手段などの光学的印刷結果読み取り手段などから入力された画像データを取得したり、LANやWAN等のネットワークを介して外部装置に記憶された画像データを受動的又は能動的に取得したり、印刷装置の有するCDドライブ、DVDドライブなどの駆動装置を介してCD−ROM、DVD−ROMなどの記録媒体から画像データを取得したり、印刷装置の有する記憶装置に記憶された画像データを取得したりなどする。つまり、前記取得には、少なくとも入力、獲得、受信および読出が含まれる。以下、「印刷装置制御プログラム」に関する形態、「印刷装置制御方法」に関する形態、「印刷用データ生成装置」に関する形態、「印刷用データ生成プログラム」に関する形態、「印刷用データ生成方法」に関する形態、並びに「前記プログラムを記録した記録媒体」に関する形態、発明を実施するための最良の形態の欄などの記載において同じである。
【0023】
また、上記ノズル情報記憶手段は、ノズル情報をあらゆる手段でかつあらゆる時期に記憶するものであり、ノズル量情報をあらかじめ記憶してあるものであってもよいし、ノズル情報をあらかじめ記憶することなく、本印刷装置の動作時に外部からの入力等によってノズル情報を記憶するようになっていてもよい。例えば、工場出荷時などの本印刷装置が製品として売り出される前に、スキャナ手段などの光学的印刷結果読み取り手段などを利用して印刷ヘッドによる印刷結果からその印刷ヘッドを構成するノズルのドット形成位置のずれ量やインクの吐出状態などのノズル情報を検査してその検査結果を予め記憶したり、印刷装置の使用時に、前記工場出荷時と同様に印刷ヘッドを構成するノズルのドット形成位置のずれ量やインクの吐出状態などを検査してその検査結果を記憶したりするなど、製品の使用時に記憶された状態にできるタイミングであればどようなタイミングでも良い。また、印刷装置の使用後に、その印刷ヘッドの特性が変化した場合に対応するために定期的にあるいは所定の時期にスキャナ手段などの光学的印刷結果読み取り手段などを利用してその印刷ヘッドによる印刷結果からその印刷ヘッドのドット形成位置のずれ量やインクの吐出状態などを検査してその検査結果を工場出荷時などのデータと共に、あるいはそのデータに上書きして記憶したりするなどノズル情報を更新できるようにしても良い。以下、「印刷装置制御プログラム」に関する形態、「印刷装置制御方法」に関する形態、「印刷用データ生成装置」に関する形態、「印刷用データ生成プログラム」に関する形態、「印刷用データ生成方法」に関する形態、並びに「前記プログラムを記録した記録媒体」に関する形態、発明を実施するための最良の形態の欄などの記載において同じである。
【0024】
また、上記インクの吐出不良とは、インクが吐出できない、インクの吐出量が足りない、インクの吐出量が多すぎる、インクを理想の位置に吐出できないなどの、インクを理想通りに吐出できない状態のことである。
また、最低濃度値とは、画像の階調値の範囲において濃度が最低となる値であり、例えば、画像の階調が8ビット(0〜255)で表現される場合に、画素値が輝度値であれば例えば「255」となり、一方、濃度値であれば「0」となる。
【0025】
また、上記ノズルのドット形成内容に関する情報とは、画像データの各画素値に対する、ドットの有無(ノズルによりドットを形成する、形成しない)に関する情報と、形成する場合のドットのサイズ(例えば、大・中・小の3種類のいずれか)に関する情報等のノズルによってドットを形成する際に必要な情報から構成されるものであり、例えば、形成サイズが一種類しかない場合は、ドットの有無に関する情報だけで構成しても良い。
【0026】
また、上記「バンディング現象」とは、前述したように、ドット形成位置が理想の形成位置からずれているノズルによる、いわゆる「飛行曲がり現象」が原因で、印刷結果に「白スジ」と共に「濃いスジ」が同時に発生する印刷不良、ノズルのインク不吐出などのインクの吐出不良が原因で、印刷結果に「白スジ」や「濃いスジ」が発生する印刷不良などがある。以下、「印刷装置制御プログラム」に関する形態、「印刷装置制御方法」に関する形態、「印刷用データ生成装置」に関する形態、「印刷用データ生成プログラム」に関する形態、「印刷用データ生成方法」に関する形態、並びに「前記プログラムを記録した記録媒体」に関する形態、発明を実施するための最良の形態の欄などの記載において同じである。
【0027】
また、この「白スジ」とは、例えば、「飛行曲がり現象」によって隣接ドット間の距離が所定の距離よりも広くなる現象が連続的に発生して印刷媒体の下地の色がスジ状に目立ってしまう部分(領域)をいい、また、「濃いスジ」とは、同じく「飛行曲がり現象」によって隣接ドット間の距離が所定の距離よりも短くなる現象が連続的に発生して印刷媒体の下地の色が見えなくなったり、あるいはドット間の距離が短くなることによって相対的に濃く見えたり、さらにはずれて形成されたドットの一部が正常なドットと重なり合ってその重なり合った部分が濃いスジ状に目立ってしまう部分(領域)をいうものとする。また、白スジはインク量が少ないノズルが原因で発生する場合があり、一方、濃いスジはインク量が多いノズルが原因で発生する場合がある。以下、「印刷装置制御プログラム」に関する形態、「印刷装置制御方法」に関する形態、「印刷用データ生成装置」に関する形態、「印刷用データ生成プログラム」に関する形態、「印刷用データ生成方法」に関する形態、並びに「前記プログラムを記録した記録媒体」に関する形態、発明を実施するための最良の形態の欄などの記載において同じである。
【0028】
また、上記誤差拡散法とは、N値化処理の一手法である公知の誤差拡散法と同様のもので、例えば、上記M値の画像データに対して、閾値「128」を境に、画素値が「128」より小さければ「0」、「128」以上なら「255」に変換する2値化処理を行う場合に、選択画素の画素値が「101」の場合、「101」は「0」に変換され、この変換後の「0」と変換前の「101」との差「101」を誤差として、所定の拡散方式に従って選択画素の周辺の2値化が未処理の画素に対して拡散する。
【0029】
〔形態2〕 更に、形態2の印刷装置は、形態1の印刷装置において、
前記ノズル情報は、前記ノズルのインクの吐出不良の有無を示す情報を含み、
前記ノズル使用情報設定手段は、前記インクの吐出不良を有するノズルに対応した画素データの全てに対して、当該ノズルを不使用と設定することを特徴としている。
このような構成であれば、インクが吐出できない、インクの吐出量が足りない、インクの吐出量が多すぎるなどのインクの吐出不良を有するノズルを容易に識別することができ、且つこのようなノズルに対応する全ての画素データに対して、当該ノズルを不使用とする設定を行うことができるので、例えば、インクを吐出することができないノズルに対応した画素データの画素値を周辺の画素によって補償しないようなことが生じるのを防ぐことができ、元の面積階調を維持した状態で、「インクの吐出不良」が発生要因の「バンディング現象」による「白スジ」や「濃いスジ」等の印刷画質の劣化を低減できるという効果が得られる。
【0030】
ここで、ノズルのインクの吐出不良の有無は、例えば、印刷装置に備え付けられたCCDセンサで検知することができるので、この検知結果に基づき、インクの吐出不良の有無を示す情報を生成することができる。以下、「印刷装置制御プログラム」に関する形態、「印刷装置制御方法」に関する形態、「印刷用データ生成装置」に関する形態、「印刷用データ生成プログラム」に関する形態、「印刷用データ生成方法」に関する形態、並びに「前記プログラムを記録した記録媒体」に関する形態、発明を実施するための最良の形態の欄などの記載において同じである。
【0031】
〔形態3〕 更に、形態3の印刷装置は、形態1又は2の印刷装置において、
前記ノズル情報は、前記ノズルの前記ドットの実際の形成位置と当該ドットの理想の形成位置との位置ずれ量の情報を含むことを特徴としている。
このような構成であれば、ドット形成位置が理想の形成位置からずれることよって発生する、いわゆる「飛行曲がり現象」の発生要因となるノズルを容易に識別することができると共に、飛行曲り量の大きさを把握することができるので、このようなノズルに対応した画素データに対して、当該ノズルを使用するか否かを適切に設定できると共に、不使用と設定する画素データの数を飛行曲り量の大きさに応じて可変にできるので、「飛行曲がり現象」が原因で発生する「バンディング現象」を回避するのに適切なノズルの使用/不使用設定を行うことで、「飛行曲がり現象」が発生要因の「バンディング現象」による「白スジ」や「濃いスジ」等の印刷画質の劣化を、適切に低減できるという効果が得られる。
【0032】
〔形態4〕 更に、形態4の印刷装置は、形態3の印刷装置において、
前記ノズル使用情報設定手段は、前記位置ずれ量が所定量より大きいノズルに対応する画素データの一部に対して当該ノズルを不使用と設定することを特徴としている。
このような構成であれば、飛行曲り量が所定量より大きいノズルに対応した画素データに対して、当該ノズルを不使用と設定可能でき、当該不使用と設定した画素データの濃度を周辺の画素に拡散することができるので、「飛行曲がり現象」が発生要因の「バンディング現象」による「白スジ」や「濃いスジ」等の印刷画質の劣化を、適切に低減できるという効果が得られる。
【0033】
ここで、上記「位置ずれ量が所定量より大きいノズルに対応する画素データの一部」を特定する方法は、例えば、印字解像度に応じて、位置ずれ量が所定量より大きいノズルを不使用と設定する確率を決定し、この確率に基づき位置ずれ量が所定量より大きいノズルに対応する画素データの一部を決定する方法などがある。例えば、印字解像度が低い場合は、位置ずれ量が所定量より大きいノズルを不使用と設定する確率を減らし(例えば、10%)、印字解像度が高い場合は、位置ずれ量が所定量より大きいノズルを不使用と設定する確率を増やす(例えば、30%)。以下、「印刷装置制御プログラム」に関する形態、「印刷装置制御方法」に関する形態、「印刷用データ生成装置」に関する形態、「印刷用データ生成プログラム」に関する形態、「印刷用データ生成方法」に関する形態、並びに「前記プログラムを記録した記録媒体」に関する形態、発明を実施するための最良の形態の欄などの記載において同じである。
【0034】
〔形態5〕 更に、形態5の印刷装置は、形態1乃至4のいずれか1の印刷装置において、
前記第2画像データ生成手段は、前記元の画素値を分配する処理において、前記変更前の元の画素値を、当該画素値の画素画像近傍に位置する画素画像の画素値にランダムな割合で分配することを特徴としている。
このような構成であれば、元の画素値を分配する際に、ランダムな分配割合で画素値を分配することができるので、同じ分配割合で規則的に分配するよりもバンディングを目立たなくすることが可能となり、印刷結果の画質を向上することができるという効果が得られる。
【0035】
ここで、上記「ランダムな割合」は、例えば、乱数発生器や乱数発生プログラム等によって乱数を発生させ、当該発生させた乱数を用いて分配する割合を算出することで求めることができる。例えば、乱数の数値範囲を複数に分割し、当該分割された各数値範囲に対してそれぞれ異なる割合の算出方法(例えば、それぞれ異なる拡散割合の誤差拡散マトリクス等)が登録された割合算出テーブルを予め用意し、当該テーブルから前記発生させた乱数に対応する割合の算出方法を選択して、当該選択した方法を用いて分配する割合を算出する方法などがある。このように、ランダムで割合を決定することによって、同じ画像処理を行う際に、処理を行う毎に異なる分配結果となる(但し、同じ乱数値が連続して発生した場合は同じ結果となる場合がある)。逆に、非ランダムの場合は、同じ画像処理を行う際に、処理を行う毎に毎回同じ分配結果となる。以下、「印刷装置制御プログラム」に関する形態、「印刷装置制御方法」に関する形態、「印刷用データ生成装置」に関する形態、「印刷用データ生成プログラム」に関する形態、「印刷用データ生成方法」に関する形態、並びに「前記プログラムを記録した記録媒体」に関する形態、発明を実施するための最良の形態の欄などの記載において同じである。
【0036】
〔形態6〕 更に、形態6の印刷装置は、形態1乃至5のいずれか1の印刷装置において、
前記ノズル使用情報設定手段は、前記第1画像データにおける各画素データに対して、当該各画素データに対応するノズルを使用するか否かを設定した情報からなるノズル設定情報テーブルを生成するようになっており、
前記N値化処理手段は、前記ノズル設定情報テーブルに基づき前記第2画像データをN値化してなる前記第3画像データを生成することを特徴としている。
【0037】
このような構成であれば、例えば、誤差拡散法を用いたN値化処理を行った場合に、当該誤差拡散法によって、ノズルを不使用と設定した画素値(最低濃度値)に周辺画素からの誤差が拡散されることにより、その画素値が変化してドットが形成されるようになってしまうような場合に、ノズル設定情報テーブルに基づいて、不使用と設定されている画素データに対しては、ドットを形成するような状態になっていても、ドットを形成しないように第3画像データを生成することができる。従って、この第3画像データから印刷用データを生成することで、ドットを形成したくない箇所に、確実にドットを形成しないようにすることができるので、バンディング現象による画質の劣化をより低減できるという効果が得られる。
【0038】
〔形態7〕 更に、形態7の印刷装置は、形態1乃至5のいずれか1の印刷装置において、
前記ノズル使用情報設定手段は、前記第1画像データにおける各画素データに対して、当該各画素データに対応するノズルを使用するか否かを設定した情報からなるノズル設定情報テーブルを生成するようになっており、
前記印刷用データ生成手段は、前記ノズル設定情報テーブルに基づき前記第3画像データを補正してなる前記印刷用データを生成することを特徴としている。
【0039】
このような構成であれば、例えば、誤差拡散法を用いたN値化処理を行った場合に、当該誤差拡散法によって第3画像データを生成する際に、ノズルを不使用と設定した画素値(最低濃度値)に周辺画素からの誤差が拡散されることにより、その画素値が変化してドットが形成されるようになってしまうような場合に、ノズル設定情報テーブルに基づいて、不使用と設定されている画素データに対しては、ドットを形成するような状態になっていても、ドットを形成しないように第3画像データを補正して印刷用データを生成することができる。従って、ドットを形成したくない箇所に、確実にドットを形成しないようにすることができるので、バンディング現象による画質の劣化をより低減できるという効果が得られる。
【0040】
〔形態8〕 更に、形態8の印刷装置は、形態1乃至5のいずれか1の印刷装置において、
前記ノズル使用情報設定手段は、前記第1画像データにおける各画素データに対して、当該各画素データに対応するノズルを使用するか否かを設定した情報からなるノズル設定情報テーブルを生成するようになっており、
前記印刷手段は、前記印刷用データ及び前記ノズル設定情報テーブルに基づき、前記印刷ヘッドによって前記画像を前記印刷媒体上に印刷することを特徴としている。
【0041】
このような構成であれば、例えば、誤差拡散法を用いたN値化処理を行った場合に、当該誤差拡散法によって、ノズルを不使用と設定した画素値(最低濃度値)に周辺画素からの誤差が拡散されることにより、その画素値が変化してドットが形成されるようになってしまうような場合に、ノズル設定情報テーブルに基づいて、不使用と設定されている画素データに対しては、ドットを形成するような状態になっていても、ドットを形成しないように印刷ヘッドを制御して印刷を行うことができる。従って、ドットを形成したくない箇所に、確実にドットを形成しないようにすることができるので、バンディング現象による画質の劣化をより低減できるという効果が得られる。
【0042】
〔形態9〕 更に、形態9の印刷装置は、形態1乃至8のいずれか1の印刷装置において、
前記印刷ヘッドは、前記媒体の装着領域と同等の範囲又は前記装着領域よりも広い範囲に亘って前記ノズルが連続して配列された印刷ヘッドであることを特徴としている。
このような構成であれば、前述したように、いわゆる1パスで印刷が終了するラインヘッド型の印刷ヘッドを用いた場合に特に発生し易いバンディング現象による「白スジ」や「濃いスジ」を目立たなくするのに効果的な印刷用データを生成することができるという効果が得られる。
【0043】
〔形態10〕 更に、形態10の印刷装置は、形態1乃至8のいずれか1の印刷装置において、
前記印刷ヘッドは、前記媒体の紙送り方向に直交する方向に移動しながら印刷を実行する印刷ヘッドであることを特徴としている。
前述したバンディング現象は、ラインヘッド型の印刷ヘッドの場合に顕著にみられるが、マルチパス型の印刷ヘッドの場合でも発生する。従って、前記形態1乃至9のいずれか1の印刷方法をマルチパス型の印刷ヘッドの場合に適用すれば、マルチパス型の印刷ヘッドで発生したバンディング現象による「白スジ」や「濃いスジ」も目立たなくするのに効果的な印刷用データを生成することができるという効果が得られる。
また、マルチパス型の印刷ヘッドの場合は、印刷ヘッドの走査を繰り返すなどの工夫を施すことで、前記のようなバンディング現象を回避することが可能であるが、前記の形態1乃至8のいずれか1の印刷装置を適用すれば、印刷ヘッドを同じ箇所を何度も走査させる必要がなくなるため、より高速な印刷を実現することも可能となる。
【0044】
〔形態11〕 一方、上記第1〜第3の目的を達成するために、形態11の印刷装置制御プログラムは、
印刷に用いる媒体に、サイズの異なる2種類以上のドットを形成可能なノズルを有する印刷ヘッドによって、前記媒体に画像を印刷するようにした印刷装置を制御するのに使用する印刷装置制御プログラムであって、
M(M≧3)値の画素値に対応する複数の画素データを有する第1画像データを取得する第1画像データ取得ステップと、
前記ノズルの特性を示すノズル情報が記憶されたノズル情報記憶手段の記憶内容に基づき、前記第1画像データにおける各画素データに対して、当該各画素データに対応したノズルを使用するか否かを設定するノズル使用情報設定ステップと、
前記第1画像データにおける、前記ノズル使用情報設定ステップにおいて不使用と設定した画素データの画素値を最低濃度値に変更すると共に、当該変更前の元の画素値を、当該画素値の近傍に位置する未処理画素の画素値に分配してなる第2画像データを生成する第2画像データ生成ステップと、
前記第2画像データにおける画素データのM(M≧3)値の画素値を、N(M>N≧2)値に変換する処理であるN値化処理を行って、第3画像データを生成するN値化処理ステップと、
前記第3画像データに対応する前記ノズルのドット形成内容に関する情報を規定した印刷用データを生成する印刷用データ生成ステップと、
前記印刷用データに基づき、前記印刷ヘッドによって前記画像を前記媒体に印刷する印刷ステップとからなる処理をコンピュータに実行させるのに使用するプログラムを含むことを特徴としている。
【0045】
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態1の印刷装置と同等の作用および効果が得られる。
また、インクジェットプリンタなどといった現在市場に出回っている殆どの印刷装置は中央処理装置(CPU)や記憶装置(RAM、ROM)、入出力装置などからなるコンピュータシステムを備えており、そのコンピュータシステムを用いてソフトウェアによって前記各手段を実現することができるため、専用のハードウェアを作成して前記各手段を実現する場合に比べて経済的かつ容易に実現することができる。
さらに、プログラムの一部を書き換えることによって機能改変や改良などによるバージョンアップも容易に行うことができる。
【0046】
〔形態12〕 更に、形態12の印刷装置制御プログラムは、形態11の印刷装置制御プログラムにおいて、
前記ノズル情報は、前記ノズルのインクの吐出不良の有無を示す情報を含み、
前記ノズル使用情報設定ステップにおいては、前記インクの吐出不良を有するノズルに対応した画素データの全てに対して、当該ノズルを不使用と設定することを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態2の印刷装置と同等の作用および効果が得られる。
【0047】
〔形態13〕 更に、形態13の印刷装置制御プログラムは、形態11又は12の印刷装置制御プログラムにおいて、
前記ノズル情報は、前記ノズルの前記ドットの実際の形成位置と当該ドットの理想の形成位置との位置ずれ量の情報を含むことを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態3の印刷装置と同等の作用および効果が得られる。
【0048】
〔形態14〕 更に、形態14の印刷装置制御プログラムは、形態13の印刷装置制御プログラムにおいて、
前記ノズル使用情報設定ステップにおいては、前記位置ずれ量が所定量より大きいノズルに対応する画素データの一部に対して当該ノズルを不使用と設定することを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態4の印刷装置と同等の作用および効果が得られる。
【0049】
〔形態15〕 更に、形態15の印刷装置制御プログラムは、形態11乃至14のいずれか1の印刷装置制御プログラムにおいて、
前記第2画像データ生成ステップにおいては、前記元の画素値を分配する処理において、前記変更前の元の画素値を、当該画素値の画素画像近傍に位置する画素画像の画素値にランダムな割合で分配することを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態5の印刷装置と同等の作用および効果が得られる。
【0050】
〔形態16〕 更に、形態16の印刷装置制御プログラムは、形態11乃至15のいずれか1の印刷装置制御プログラムにおいて、
前記ノズル使用情報設定ステップにおいては、前記第1画像データにおける各画素データに対して、当該各画素データに対応するノズルを使用するか否かを設定した情報からなるノズル設定情報テーブルを生成するようになっており、
前記N値化処理ステップにおいては、前記ノズル設定情報テーブルに基づき前記第2画像データをN値化してなる前記第3画像データを生成することを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態6の印刷装置と同等の作用および効果が得られる。
【0051】
〔形態17〕 更に、形態17の印刷装置制御プログラムは、形態11乃至15のいずれか1の印刷装置制御プログラムにおいて、
前記ノズル使用情報設定ステップにおいては、前記第1画像データにおける各画素データに対して、当該各画素データに対応するノズルを使用するか否かを設定した情報からなるノズル設定情報テーブルを生成するようになっており、
前記印刷用データ生成ステップにおいては、前記ノズル設定情報テーブルに基づき前記第3画像データを補正してなる前記印刷用データを生成することを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態7の印刷装置と同等の作用および効果が得られる。
【0052】
〔形態18〕 更に、形態18の印刷装置制御プログラムは、形態11乃至15のいずれか1の印刷装置制御プログラムにおいて、
前記ノズル使用情報設定ステップにおいては、前記第1画像データにおける各画素データに対して、当該各画素データに対応するノズルを使用するか否かを設定した情報からなるノズル設定情報テーブルを生成するようになっており、
前記印刷ステップにおいては、前記印刷用データ及び前記ノズル設定情報テーブルに基づき、前記印刷ヘッドによって前記画像を前記印刷媒体上に印刷することを特徴としている。
前記誤差拡散ステップにおいては、インクの吐出不良を有するノズル及びその近傍のノ このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態8の印刷装置と同等の作用および効果が得られる。
【0053】
〔形態19〕 一方、上記第1〜第3の目的を達成するために、形態19の印刷装置制御プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、
形態11乃至形態18のいずれか1の印刷装置制御プログラムが記録されていることを特徴としている。
これによって、形態11乃至形態18のいずれか1の印刷装置制御プログラムと同様の作用及び効果が得られると共に、CD−ROMやDVD−ROM、MOなどの記録媒体を介して前記印刷プログラムを容易に授受することが可能となる。
【0054】
〔形態20〕 一方、上記第1〜第3の目的を達成するために、形態20の印刷装置制御方法は、
印刷に用いる媒体に、サイズの異なる2種類以上のドットを形成可能なノズルを有する印刷ヘッドによって、前記媒体に画像を印刷するようにした印刷装置を制御するのに使用する印刷装置制御方法であって、
M(M≧3)値の画素値に対応する複数の画素データを有する第1画像データを取得する第1画像データ取得ステップと、
前記ノズルの特性を示すノズル情報が記憶されたノズル情報記憶手段の記憶内容に基づき、前記第1画像データにおける各画素データに対して、当該各画素データに対応したノズルを使用するか否かを設定するノズル使用情報設定ステップと、
前記第1画像データにおける、前記ノズル使用情報設定ステップにおいて不使用と設定した画素データの画素値を最低濃度値に変更すると共に、当該変更前の元の画素値を、当該画素値の近傍に位置する未処理画素の画素値に分配してなる第2画像データを生成する第2画像データ生成ステップと、
前記第2画像データにおける画素データのM(M≧3)値の画素値を、N(M>N≧2)値に変換する処理であるN値化処理を行って、第3画像データを生成するN値化処理ステップと、
前記第3画像データに対応する前記ノズルのドット形成内容に関する情報を規定した印刷用データを生成する印刷用データ生成ステップと、
前記印刷用データに基づき、前記印刷ヘッドによって前記画像を前記媒体に印刷する印刷ステップと、を含むことを特徴としている。
これによって、形態1の印刷装置と同等の作用効果が得られる。
【0055】
〔形態21〕 更に、形態21の印刷装置制御方法は、形態20の印刷装置制御方法において、
前記ノズル情報は、前記ノズルのインクの吐出不良の有無を示す情報を含み、
前記ノズル使用情報設定ステップにおいては、前記インクの吐出不良を有するノズルに対応した画素データの全てに対して、当該ノズルを不使用と設定することを特徴としている。
これによって、形態2の印刷装置と同等の作用効果が得られる。
【0056】
〔形態22〕 更に、形態22の印刷装置制御方法は、形態20又は21の印刷装置制御方法において、
前記ノズル情報は、前記ノズルの前記ドットの実際の形成位置と当該ドットの理想の形成位置との位置ずれ量の情報を含むことを特徴としている。
これによって、形態3の印刷装置と同等の作用効果が得られる。
【0057】
〔形態23〕 更に、形態23の印刷装置制御方法は、形態22の印刷装置制御方法において、
前記ノズル使用情報設定ステップにおいては、前記位置ずれ量が所定量より大きいノズルに対応する画素データの一部に対して当該ノズルを不使用と設定することを特徴としている。
これによって、形態4の印刷装置と同等の作用効果が得られる。
【0058】
〔形態24〕 更に、形態24の印刷装置制御方法は、形態20乃至23のいずれか1の印刷装置制御方法において、
前記第2画像データ生成ステップにおいては、前記元の画素値を分配する処理において、前記変更前の元の画素値を、当該画素値の画素画像近傍に位置する画素画像の画素値にランダムな割合で分配することを特徴としている。
これによって、形態5の印刷装置と同等の作用効果が得られる。
【0059】
〔形態24〕 更に、形態24の印刷装置制御方法は、形態20乃至24のいずれか1の印刷装置制御方法において、
前記ノズル使用情報設定ステップにおいては、前記第1画像データにおける各画素データに対して、当該各画素データに対応するノズルを使用するか否かを設定した情報からなるノズル設定情報テーブルを生成するようになっており、
前記N値化処理ステップにおいては、前記ノズル設定情報テーブルに基づき前記第2画像データをN値化してなる前記第3画像データを生成することを特徴としている。
これによって、形態6の印刷装置と同等の作用効果が得られる。
【0060】
〔形態25〕 更に、形態25の印刷装置制御方法は、形態20乃至24のいずれか1の印刷装置制御方法において、
前記ノズル使用情報設定ステップにおいては、前記第1画像データにおける各画素データに対して、当該各画素データに対応するノズルを使用するか否かを設定した情報からなるノズル設定情報テーブルを生成するようになっており、
前記印刷用データ生成ステップにおいては、前記ノズル設定情報テーブルに基づき前記第3画像データを補正してなる前記印刷用データを生成することを特徴としている。
これによって、形態7の印刷装置と同等の作用効果が得られる。
【0061】
〔形態26〕 更に、形態26の印刷装置制御方法は、形態20乃至24のいずれか1の印刷装置制御方法において、
前記ノズル使用情報設定ステップにおいては、前記第1画像データにおける各画素データに対して、当該各画素データに対応するノズルを使用するか否かを設定した情報からなるノズル設定情報テーブルを生成するようになっており、
前記印刷ステップにおいては、前記印刷用データ及び前記ノズル設定情報テーブルに基づき、前記印刷ヘッドによって前記画像を前記印刷媒体上に印刷することを特徴としている。
これによって、形態8の印刷装置と同等の作用効果が得られる。
【0062】
〔形態27〕 一方、上記第1〜第3の目的を達成するために、形態27の印刷用データ生成装置は、
印刷に用いる媒体に、サイズの異なる2種類以上のドットを形成可能なノズルを有する印刷ヘッドによって、前記媒体に画像を印刷するようにした印刷装置において使用される印刷用データを生成する印刷用データ生成装置であって、
M(M≧3)値の画素値に対応する複数の画素データを有する第1画像データを取得する第1画像データ取得手段と、
前記ノズルの特性を示すノズル情報を記憶するノズル情報記憶手段と、
前記ノズル情報に基づき、前記第1画像データにおける各画素データに対して、当該各画素データに対応したノズルを使用するか否かを設定するノズル使用情報設定手段と、
前記第1画像データにおける、前記ノズル使用情報設定手段によって不使用と設定した画素データの画素値を最低濃度値に変更すると共に、当該変更前の元の画素値を、当該画素値の近傍に位置する未処理画素の画素値に分配してなる第2画像データを生成する第2画像データ生成手段と、
前記第2画像データにおける画素データのM(M≧3)値の画素値を、N(M>N≧2)値に変換する処理であるN値化処理を行って、第3画像データを生成するN値化処理手段と、
前記第3画像データに対応する前記ノズルのドット形成内容に関する情報を規定した印刷用データを生成する印刷用データ生成手段と、を備えることを特徴としている。
【0063】
すなわち、本形態は、前記印刷装置のような実際に印刷を実行するための印刷手段を含むのではなく、元のM値の画像データに基づいて印刷ヘッドの特性に応じた印刷用データを生成するようにしたものである。
従って、形態1の印刷装置と同様の作用及び効果を得ることができると共に、例えば、本形態で生成した印刷用データを印刷装置に送るだけで当該印刷装置で印刷処理を実行できる構成とすることが可能であり、このような構成にすることで、専用の印刷装置を用意することなく、既存のインクジェット方式の印刷装置をそのまま利用することができる。
また、パソコンなどの汎用の情報処理装置を利用することができるため、パソコンなどの印刷指示装置とインクジェットプリンタとからなる既存の印刷システムをそのまま活用することができる。
【0064】
〔形態28〕 更に、形態28の印刷用データ生成装置は、形態27の印刷用データ生成装置において、
前記ノズル情報は、前記ノズルのインクの吐出不良の有無を示す情報を含み、
前記ノズル使用情報設定手段は、前記インクの吐出不良を有するノズルに対応した画素データの全てに対して、当該ノズルを不使用と設定することを特徴としている。
これによって、形態2の印刷装置と同様の作用及び効果が得られる。
【0065】
〔形態29〕 更に、形態29の印刷用データ生成装置は、形態27又は28の印刷用データ生成装置において、
前記ノズル情報は、前記ノズルの前記ドットの実際の形成位置と当該ドットの理想の形成位置との位置ずれ量の情報を含むことを特徴としている。
これによって、形態3の印刷装置と同様の作用及び効果が得られる。
【0066】
〔形態30〕 更に、形態30の印刷用データ生成装置は、形態29の印刷用データ生成装置において、
前記ノズル使用情報設定手段は、前記位置ずれ量が所定量より大きいノズルに対応する画素データの一部に対して当該ノズルを不使用と設定することを特徴としている。
これによって、形態4の印刷装置と同様の作用及び効果が得られる。
【0067】
〔形態31〕 更に、形態31の印刷用データ生成装置は、形態27乃至30のいずれか1の印刷用データ生成装置において、
前記第2画像データ生成手段は、前記元の画素値を分配する処理において、前記変更前の元の画素値を、当該画素値の画素画像近傍に位置する画素画像の画素値にランダムな割合で分配することを特徴としている。
これによって、形態5の印刷装置と同様の作用及び効果が得られる。
【0068】
〔形態32〕 更に、形態32の印刷用データ生成装置は、形態27乃至31のいずれか1の印刷用データ生成装置において、
前記ノズル使用情報設定手段は、前記第1画像データにおける各画素データに対して、当該各画素データに対応するノズルを使用するか否かを設定した情報からなるノズル設定情報テーブルを生成するようになっており、
前記N値化処理手段は、前記ノズル設定情報テーブルに基づき前記第2画像データをN値化してなる前記第3画像データを生成することを特徴としている。
これによって、形態6の印刷装置と同様の作用及び効果が得られる。
【0069】
〔形態33〕 更に、形態33の印刷用データ生成装置は、形態27乃至31のいずれか1の印刷用データ生成装置において、
前記ノズル使用情報設定手段は、前記第1画像データにおける各画素データに対して、当該各画素データに対応するノズルを使用するか否かを設定した情報からなるノズル設定情報テーブルを生成するようになっており、
前記印刷用データ生成手段は、前記ノズル設定情報テーブルに基づき前記第2画像データを補正してなる前記印刷用データを生成することを特徴としている。
これによって、形態7の印刷装置と同様の作用及び効果が得られる。
【0070】
〔形態34〕 更に、形態34の印刷用データ生成装置は、形態27乃至31のいずれか1の印刷用データ生成装置において、
前記ノズル使用情報設定手段は、前記第1画像データにおける各画素データに対して、当該各画素データに対応するノズルを使用するか否かを設定した情報からなるノズル設定情報テーブルを生成するようになっており、
前記印刷手段は、前記印刷用データ及び前記ノズル設定情報テーブルに基づき、前記印刷ヘッドによって前記画像を前記印刷媒体上に印刷することを特徴としている。
これによって、形態8の印刷装置と同様の作用及び効果が得られる。
【0071】
〔形態35〕 一方、上記第1〜第3の目的を達成するために、形態35の印刷用データ生成プログラムは、
印刷に用いる媒体に、サイズの異なる2種類以上のドットを形成可能なノズルを有する印刷ヘッドによって、前記媒体に画像を印刷するようにした印刷装置において使用される印刷用データを生成するのに使用する印刷用データ生成プログラムであって、
M(M≧3)値の画素値に対応する複数の画素データを有する第1画像データを取得する第1画像データ取得ステップと、
前記ノズルの特性を示すノズル情報に基づき、前記第1画像データにおける各画素データに対して、当該各画素データに対応したノズルを使用するか否かを設定するノズル使用情報設定ステップと、
前記第1画像データにおける、前記ノズル使用情報設定ステップにおいて不使用と設定した画素データの画素値を最低濃度値に変更すると共に、当該変更前の元の画素値を、当該画素値の近傍に位置する未処理画素の画素値に分配してなる第2画像データを生成する第2画像データ生成ステップと、
前記第2画像データにおける画素データのM(M≧3)値の画素値を、N(M>N≧2)値に変換する処理であるN値化処理を行って、第3画像データを生成するN値化処理ステップと、
前記第3画像データに対応する前記ノズルのドット形成内容に関する情報を規定した印刷用データを生成する印刷用データ生成ステップとからなる処理をコンピュータに実行させるのに使用するプログラムを含むことを特徴としている。
【0072】
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態27の印刷用データ生成装置と同等の作用および効果が得られる。
【0073】
〔形態36〕 更に、形態36の印刷用データ生成プログラムは、形態35の印刷用データ生成プログラムにおいて、
前記ノズル情報は、前記ノズルのインクの吐出不良の有無を示す情報を含み、
前記ノズル使用情報設定ステップにおいては、前記インクの吐出不良を有するノズルに対応した画素データの全てに対して、当該ノズルを不使用と設定することを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態28の印刷用データ生成装置と同等の作用および効果が得られる。
【0074】
〔形態37〕 更に、形態37の印刷用データ生成プログラムは、形態35又は36の印刷用データ生成プログラムにおいて、
前記ノズル情報は、前記ノズルの前記ドットの実際の形成位置と当該ドットの理想の形成位置との位置ずれ量の情報を含むことを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態29の印刷用データ生成装置と同等の作用および効果が得られる。
【0075】
〔形態38〕 更に、形態38の印刷用データ生成プログラムは、形態37の印刷用データ生成プログラムにおいて、
前記ノズル使用情報設定ステップにおいては、前記位置ずれ量が所定量より大きいノズルに対応する画素データの一部に対して当該ノズルを不使用と設定することを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態30の印刷用データ生成装置と同等の作用および効果が得られる。
【0076】
〔形態39〕 更に、形態39の印刷用データ生成プログラムは、形態35乃至38のいずれか1の印刷用データ生成プログラムにおいて、
前記第2画像データ生成ステップにおいては、前記元の画素値を分配する処理において、前記変更前の元の画素値を、当該画素値の画素画像近傍に位置する画素画像の画素値にランダムな割合で分配することを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態31の印刷用データ生成装置と同等の作用および効果が得られる。
【0077】
〔形態40〕 更に、形態40の印刷用データ生成プログラムは、形態35乃至39のいずれか1の印刷用データ生成プログラムにおいて、
前記ノズル使用情報設定ステップにおいては、前記第1画像データにおける各画素データに対して、当該各画素データに対応するノズルを使用するか否かを設定した情報からなるノズル設定情報テーブルを生成するようになっており、
前記N値化処理ステップにおいては、前記ノズル設定情報テーブルに基づき前記第2画像データをN値化してなる前記第3画像データを生成することを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態32の印刷用データ生成装置と同等の作用および効果が得られる。
【0078】
〔形態41〕 更に、形態41の印刷用データ生成プログラムは、形態35乃至39のいずれか1の印刷用データ生成プログラムにおいて、
前記ノズル使用情報設定ステップにおいては、前記第1画像データにおける各画素データに対して、当該各画素データに対応するノズルを使用するか否かを設定した情報からなるノズル設定情報テーブルを生成するようになっており、
前記印刷用データ生成手段は、前記ノズル設定情報テーブルに基づき前記第3画像データを補正してなる前記印刷用データを生成することを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態26の印刷用データ生成装置と同等の作用および効果が得られる。
【0079】
〔形態42〕 一方、上記第1〜第3の目的を達成するために、形態42の印刷用データ生成プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、
形態35乃至形態41のいずれか1の印刷用データ生成プログラムが記録されていることを特徴としている。
これによって、形態35乃至形態41のいずれか1の印刷用データ生成プログラムと同様の作用及び効果が得られると共に、CD−ROMやDVD−ROM、FD(フレキシブルディスク)などの記録媒体を介して前記印刷プログラムを容易に授受することが可能となる。
【0080】
〔形態43〕 一方、上記第1〜第3の目的を達成するために、形態43の印刷用データ生成方法は、
印刷に用いる媒体に、サイズの異なる2種類以上のドットを形成可能なノズルを有する印刷ヘッドによって、前記媒体に画像を印刷するようにした印刷装置において使用される印刷用データを生成する印刷用データ生成方法であって、
M(M≧3)値の画素値に対応する複数の画素データを有する第1画像データを取得する第1画像データ取得ステップと、
前記ノズルの特性を示すノズル情報に基づき、前記第1画像データにおける各画素データに対して、当該各画素データに対応したノズルを使用するか否かを設定するノズル使用情報設定ステップと、
前記第1画像データにおける、前記ノズル使用情報設定ステップにおいて不使用と設定した画素データの画素値を最低濃度値に変更すると共に、当該変更前の元の画素値を、当該画素値の近傍に位置する未処理画素の画素値に分配してなる第2画像データを生成する第2画像データ生成ステップと、
前記第2画像データにおける画素データのM(M≧3)値の画素値を、N(M>N≧2)値に変換する処理であるN値化処理を行って、第3画像データを生成するN値化処理ステップと、
前記第3画像データに対応する前記ノズルのドット形成内容に関する情報を規定した印刷用データを生成する印刷用データ生成ステップと、を含むことを特徴としている。
これによって、形態27の印刷用データ生成装置と同等の作用及び効果が得られる。
【0081】
〔形態44〕 更に、形態44の印刷用データ生成方法は、形態43の印刷用データ生成方法において、
前記ノズル情報は、前記ノズルのインクの吐出不良の有無を示す情報を含み、
前記ノズル使用情報設定ステップにおいては、前記インクの吐出不良を有するノズルに対応した画素データの全てに対して、当該ノズルを不使用と設定することを特徴としている。
これによって、形態28の印刷用データ生成装置と同等の作用及び効果が得られる。
【0082】
〔形態45〕 更に、形態45の印刷用データ生成方法は、形態43又は44の印刷用データ生成方法において、
前記ノズル情報は、前記ノズルの前記ドットの実際の形成位置と当該ドットの理想の形成位置との位置ずれ量の情報を含むことを特徴としている。
これによって、形態29の印刷用データ生成装置と同等の作用及び効果が得られる。
【0083】
〔形態46〕 更に、形態46の印刷用データ生成方法は、形態45の印刷用データ生成方法において、
前記ノズル使用情報設定ステップにおいては、前記位置ずれ量が所定量より大きいノズルに対応する画素データの一部に対して当該ノズルを不使用と設定することを特徴としている。
これによって、形態30の印刷用データ生成装置と同等の作用及び効果が得られる。
【0084】
〔形態47〕 更に、形態47の印刷用データ生成方法は、形態43乃至46のいずれか1の印刷用データ生成方法において、
前記第2画像データ生成手段は、前記元の画素値を分配する処理において、前記変更前の元の画素値を、当該画素値の画素画像近傍に位置する画素画像の画素値にランダムな割合で分配することを特徴としている。
これによって、形態31の印刷用データ生成装置と同等の作用及び効果が得られる。
【0085】
〔形態48〕 更に、形態48の印刷用データ生成方法は、形態43乃至47のいずれか1の印刷用データ生成方法において、
前記ノズル使用情報設定ステップにおいては、前記第1画像データにおける各画素データに対して、当該各画素データに対応するノズルを使用するか否かを設定した情報からなるノズル設定情報テーブルを生成するようになっており、
前記N値化処理ステップにおいては、前記ノズル設定情報テーブルに基づき前記第2画像データをN値化してなる前記第3画像データを生成することを特徴としている。
これによって、形態32の印刷用データ生成装置と同等の作用及び効果が得られる。
【0086】
〔形態49〕 更に、形態49の印刷用データ生成方法は、形態43乃至47のいずれか1の印刷用データ生成方法において、
前記ノズル使用情報設定ステップにおいては、前記第1画像データにおける各画素データに対して、当該各画素データに対応するノズルを使用するか否かを設定した情報からなるノズル設定情報テーブルを生成するようになっており、
前記印刷用データ生成ステップにおいては、前記ノズル設定情報テーブルに基づき前記第2画像データを補正してなる前記印刷用データを生成することを特徴としている。
これによって、形態33の印刷用データ生成装置と同等の作用及び効果が得られる。
【0087】
〔形態50〕 一方、上記第1〜第3の目的を達成するために、形態50のノズル設定情報テーブル生成方法は、
サイズの異なる2種類以上のドットを印刷に用いる媒体に形成可能なノズルを有する印刷ヘッドを有し、前記ノズルを不使用にする設定のされた画素データの画素値を用いて補正された画像データから生成される印刷用データに基づき、前記媒体に画像を印刷する印刷装置において使用されるノズル設定情報テーブルを生成するノズル設定情報テーブル生成方法であって、
M(M≧3)値の画素値に対応する複数の画素データを有する第1画像データを取得する画像データ取得ステップと、
前記ノズルの特性を示すノズル情報に基づき、前記画像データ取得ステップで取得した画像データの各画素データに対して、当該各画素データに対応したノズルを使用するか否かを設定するノズル使用情報設定ステップと、
前記ノズル使用情報設定ステップの設定情報に基づき、前記画像データの各画素データに対して、当該各画素データに対応したノズルを使用するか否かが設定されたノズル設定情報テーブルを生成するノズル設定情報テーブル生成ステップと、を含むことを特徴としている。
【0088】
従って、例えば、ノズルにおけるインクの吐出不良や、ドットの形成位置が理想位置からずれたノズルの「飛行曲り現象」などによって発生する、ノズルの特性を起因とした「バンディング現象」に係る画素データに対して、その画素データに対応するノズルを、当該画素データの一部又は全部に対して不使用と設定したノズル設定情報テーブルを生成することができるので、このテーブルを用いて画像データを補正したり、印刷処理を制御したりすることによって、バンディング現象によって生じる「白スジ」や「濃いスジ」等の印刷画質の劣化を適切に低減することができるという効果が得られる。
【0089】
〔形態51〕 更に、形態51のノズル設定情報テーブル生成方法は、形態50のノズル設定情報テーブル生成方法において、
前記ノズル情報は、前記ノズルのインクの吐出不良の有無を示す情報を含み、
前記ノズル設定情報生成ステップにおいては、前記インクの吐出不良を有するノズルに対応した画素データの全てに対して、当該ノズルを不使用と設定することを特徴としている。
【0090】
従って、インクが吐出できない、インクの吐出量が足りない、インクの吐出量が多すぎるなどのインクの吐出不良を有するノズルに対応する全ての画素データに対して、当該ノズルを不使用と設定したノズル設定情報テーブルを生成することができるので、例えば、ノズルを使用すると設定した画素データがインクを吐出することができないノズルに対応しているような場合に、その画素値がその画素近傍の他の画素に補償されなくなるようなことが生じるのを防ぐことができるという効果が得られる。
【0091】
〔形態52〕 更に、形態52のノズル設定情報テーブル生成方法は、形態50又は51のノズル設定情報テーブル生成方法において、
前記ノズル情報は、前記ノズルの前記ドットの実際の形成位置と当該ドットの理想の形成位置との位置ずれ量の情報を含むことを特徴としている。
従って、ドット形成位置が理想の形成位置からずれることよって発生する、いわゆる「飛行曲がり現象」の発生要因となるノズルに対応した画素データに対して、当該ノズルを使用するか否かを適切に設定したノズル設定情報テーブルを生成できると共に、ノズル設定情報テーブルにおいて不使用と設定する画素データの数を飛行曲り量の大きさに応じて可変にしたりすることができるので、「飛行曲がり現象」が原因で発生する「バンディング現象」を回避するのに適切なノズル設定情報テーブルを生成できるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0092】
〔第1の実施の形態〕
以下、本発明の第1の実施の形態を図面に基づき説明する。図1〜図18は、本発明に係る印刷装置、印刷装置制御プログラム及び印刷装置制御方法、並びに印刷用データ生成装置、印刷用データ生成プログラム及び印刷用データ生成方法の第1の実施の形態を示す図である。
【0093】
まず、本発明に係る印刷装置100の構成を図1に基づき説明する。図1は、本発明に係る印刷装置100の構成を示すブロック図である。
印刷装置100は、ラインヘッド型の印刷装置であり、図1に示すように、外部装置又は記憶媒体等からM値(M≧3)の第1画像データを取得する第1画像データ取得部10と、後述するノズル情報記憶部12に記憶されたノズル情報に基づき、第1画像データ取得部10から取得した第1画像データの各画素データに対して、ノズルを使用するか否かが設定されたノズル設定情報テーブルを生成するノズル情報設定部11と、後述する印刷ヘッド200における各ノズルNの特性を示すノズル情報を記憶するノズル情報記憶部12と、ノズル情報設定部11で生成されたノズル設定情報テーブルを記憶するノズル設定情報テーブル記憶部13と、ノズル情報設定部11で生成されたノズル設定情報テーブルに基づき、第1画像データにおける各画素データのうちノズル不使用と設定された画素データの画素値を最低濃度値に変更すると共に、変更前の画素値を周辺画素に分配してなる第2画像データを生成する第2画像データ生成部14とを含んだ構成となっている。
【0094】
第1画像データ取得部10は、例えば、1画素あたり各色(R、G、B)ごとの階調(輝度値)が8ビット(0〜255)で表現されるM値(この場合は、256≧M≧3)の画像データを取得する機能を有しており、このような画像データを、LANやWAN等のネットワークを介して外部装置から取得したり、自装置の備える図示しないCDドライブ、DVDドライブなどの駆動装置を介してCD−ROM、DVD−ROMなどの記録媒体から取得したり、自装置の有する後述する記憶装置70から取得したりするようになっている。更に、このM値のRGBデータを色変換処理して前記印刷ヘッド200の各インクに対応するM値のCMYK(4色の場合)データに変換する機能も同時に発揮するようになっている。
【0095】
ノズル情報設定部11は、CMYKデータに変換された第1画像データ(以下、CMYK画像データと称す)を構成する各画素データに対して、ノズル情報記憶部12に記憶されたノズル情報に基づき、各画素データに対応するノズルを使用するか否かを設定し、当該設定結果からノズル設定情報テーブルを生成して、当該生成したノズル設定情報テーブルをCMYK画像データと共に第2画像データ生成部14に伝送するようになっている。更に、ノズル設定情報テーブルを、ノズル設定情報テーブル記憶部13に記憶するようになっている。
【0096】
ノズル情報記憶部12は、印刷部18の有する印刷ヘッド200の各ノズルNと、画像データにおける各画素データとの対応を示す情報、各ノズルNに対するインクの吐出不良の有無を示す情報、各ノズルNの飛行曲り量を示す情報などのノズルNの特性を示す情報を含んでなるノズル情報を記憶するようになっている。
従って、ノズル情報設定部11は、ノズルのインク不吐出の状態や、飛行曲がり量の大きさなどに応じて、第1画像データの各画素データに対してノズルを使用するか否かを設定する。
ノズル設定情報テーブル記憶部13は、ノズル情報設定部11において生成されたノズル設定情報テーブルを記憶するようになっている。
【0097】
ここで、ノズル設定情報テーブルは、第1画像データの各画素データに対して、当該各画素データに対応したノズルNを使用するか否かが設定されたテーブルである。
第2画像データ生成部14は、ノズル情報設定部11から第1画像データ及びノズル設定情報テーブルを取得し、当該取得したノズル設定情報テーブルに基づき、第1画像データにおける、ノズル不使用と設定された画素データの画素値を、最低濃度値(画素値が濃度値であれば「0」、画素値が輝度値であれば「最大輝度値(例えば、255など)」)に変更すると共に、変更前の元の画素値を、不使用と設定された画素の周辺の画素に分配することで、第1画像データから第2画像データを生成するようになっている。更に、生成した第2画像データをN値化処理部15に伝送するようになっている。
【0098】
更に、印刷装置100は、図1に示すように、N値化情報記憶部16に記憶されたN値化情報に基づき、第2画像データ生成部14において生成された第2画像データに対してN(M>N≧2)値化処理を施すN値化処理部15と、N値化処理後の第2画像データに基づき、後述する印刷部18において、第2画像データの画像を印刷媒体(例えば、印刷用紙)に印刷するための印刷用データを生成する印刷用データ生成部17と、印刷用データに基づき第2画像データの画像を、インクジェット方式によって印刷媒体に印刷する印刷部18とを含んだ構成となっている。
【0099】
N値化処理部15は、第2画像データ生成部14から取得した第2画像データから所定の画素データを選択し、N値化情報記憶部16から読み出したN値化情報に含まれる、ノズルのドット形成サイズに対応したN値化用閾値、各ドット形成サイズに対応したドット番号及び各ドット番号に対応したN値化後の画素値(例えば、輝度値)に基づき、上記選択した所定の画素データ(以下、選択画素データと称す)を、誤差拡散法を用いてN値化するようになっている。つまり、選択画素データをN値化すると共に、当該画素データのN値化前の画素値とN値化後の画素値との差分を算出し、これを誤差として、選択画素データに対応する画素周辺のN値化処理が未処理の画素データ拡散する。
【0100】
上記したように、N値化及び誤差拡散処理を第2画像データの全画素データに施すことによって、印刷ヘッド200の各ノズルが形成可能なN種類のドット形成サイズに応じた輝度値及びノズル番号情報からなるデータに変換する。以下、N値化及び誤差拡散処理後の第2画像データを、N値化画像データと称す。
ここで、N値化とは、M値(M≧3)の(M種類の画素値(画素データ)を有する)画像データを、N値(M>N≧2)の(N種類の数値を有する)データに変換する処理であって、例えば、2値化する場合は、変換元の画素値と閾値とを比較して、閾値以上なら数値「1」、閾値より小さければ数値「0」といったように、変換元の画素値を予め設定された2種類の数値のいずれか一方に変換する。従って、N値化であれば、M値の画素値をN種類の閾値と比較し、その比較結果に応じて予め設定されたN種類の数値のいずれか1つに変換することになる。
【0101】
また、誤差拡散法は、公知の誤差拡散法と同様の原理で誤差を拡散するもので、例えば、上記N値の画像データを、閾値「128」を境に、画素値が「128」より小さければ「0」、「128」以上なら「255」に変換する2値化処理の場合に、選択画素の画素値が「101」の場合、「101」は「0」に変換され、この変換後の「0」と変換前の「101」との差「101」が誤差として、所定の拡散方式に従ってその周囲の未処理の複数の画素に対して拡散されることになる。例えば、選択画素の右隣の画素(例えば、画素値「101」)が通常の2値化処理のみでは選択画素と同じく閾値に満たないことから「0」に変換されてしまっていたのが、選択画素の誤差である例えば「27」を受け取ることによってその画素値が「128」となって閾値「128」以上となり、これによって「1」に変換されるようになる。
【0102】
N値化情報記憶部16は、前述したように、ノズルのドット形成サイズに対応したN値化用閾値、各ドット形成サイズに対応したドット番号及び各ドット番号に対応したN値化後の画素値(例えば、輝度値)などを含んでなるN値化情報を記憶するようになっている。
印刷用データ生成部17は、ノズル番号情報(0〜7)から成るN値化画像データを印刷用データとして印刷部18に出力するようになっている他、ユーザの設定に応じて、ノズル設定情報テーブル記憶部13に記憶されたノズル設定情報テーブルに基づき、N値化画像データのうち、テーブルにおいてノズル不使用と設定され、且つドットを形成するドット番号が設定されている箇所を、ノズル番号0(ドットを形成しない)に補正した印刷用データを生成するようになっている。
【0103】
ここで、図3は、本発明の印刷ヘッド200の構造を示す部分拡大底面図であり、図4は、その部分拡大側面図である。
図3に示すように、この印刷ヘッド200は、ブラック(K)インクを専用に吐出する複数個のノズルN(図では18個))が、ノズル配列方向に直線状に配列されたブラックノズルモジュール50と、同じくイエロー(Y)インクを専用に吐出する複数個のノズルNが、ノズル配列方向に直線状に配列されたイエローノズルモジュール52と、同じくマゼンタ(M)インクを専用に吐出する複数個のノズルNが、ノズル配列方向に直線状に配列されたマゼンタノズルモジュール54と、同じくシアン(M)インクを専用に吐出する複数個のノズルNが、ノズル配列方向に直線状に配列されたシアンノズルモジュール56といった4つのノズルモジュール50、52、54及び56を含んだ構成となっている。そして、これら4つのノズルモジュールにおける各同じ番号のノズルNが、図3に示すように、印刷方向(ノズル配列方向に対して垂直方向)において一直線上に並ぶようにノズルモジュール50、52、54及び56が一体的に配列して構成されている。従って、各ノズルモジュールを構成する複数のノズルNは、それぞれノズル配列方向に直線状に配列され、4つのノズルモジュールにおける各同じ番号のノズルNは、それぞれ印刷方向に直線状に配列される。
【0104】
更に、図4は、これら4つのノズルモジュール50、52、54及び56のなかのブラックノズルモジュール50のうち、左から6番目のノズルN6が飛行曲がり現象を起こしており、そのノズルN6から印刷媒体S上にインクが斜め方向に吐出され、これによって印刷媒体S上に形成されたドットが、当該ノズルN6の隣りの正常なノズルN7から吐出され且つ印刷媒体S上に形成されたドットの近傍に形成されてしまう状態を示している。
【0105】
図1に戻って、印刷部18は、図4に示す印刷媒体S又は印刷ヘッド200の一方、あるいは双方を移動させながら前記印刷ヘッド200に形成された前記ノズルモジュール50,52,54及び56からインクをそれぞれドット状に噴射して前記印刷媒体S上に多数のドットからなる画像を形成するようにしたインクジェット方式のプリンタであり、前述した印刷ヘッド200の他に、この印刷ヘッド200を印刷媒体S上をその幅方向に往復移動させる図示しない印刷ヘッド送り機構(マルチパス型の場合)、前記印刷媒体(用紙)Sを移動させるための図示しない紙送り機構、前記印刷用データに基づいて印刷ヘッド200のインクの吐出を制御する図示しない印刷制御機構などから構成されている。
【0106】
なお、この印刷装置100は、前記第1第1画像データ取得部10、ノズル情報設定部11、第2画像データ生成部14、N値化処理部15、印刷用データ生成部16、印刷部18などにおける上記各機能をソフトウェア上で実現するため、及び上記各機能の実現に必要なハードウェアを制御するソフトウェアを実行するためのコンピュータシステムを備えている。このコンピュータシステムのハードウェア構成は、図2に示すように、各種制御や演算処理を担う中央演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)60と、主記憶装置(Main Storage)を構成するRAM(Random Access Memory)62と、読み出し専用の記憶装置であるROM(Read Only Memory)64との間をPCI(Peripheral Component Interconnect)バスやISA(Industrial Standard Architecture)バス等からなる各種内外バス68で接続すると共に、このバス68に入出力インターフェース(I/F)66を介して、HDD等の外部記憶装置(Secondary Storage)70や、印刷部20やCRT、LCDモニター等の出力装置72、操作パネルやマウス、キーボード、スキャナなどの入力装置74、および図示しない印刷指示装置などと通信するためのネットワークケーブルLなどを接続したものである。
【0107】
そして、電源を投入すると、ROM64等に記憶されたBIOS等のシステムプログラムが、ROM64に予め記憶された各種専用のコンピュータプログラム、あるいは、CD−ROMやDVD−ROM、フレキシブルディスク(FD)等の記憶媒体を介して、またはインターネット等の通信ネットワークを介して記憶装置70にインストールされた各種専用のコンピュータプログラムを同じくRAM62にロードし、そのRAM62にロードされたプログラムに記述された命令に従ってCPU60が各種リソースを駆使して所定の制御および演算処理を行うことで前述したような各機能をソフトウェア上で実現するようになっている。
【0108】
更に、印刷装置100は、CPU60によって、ROM64の所定領域に格納されている所定のプログラムを起動させ、そのプログラムに従って、図5のフローチャートに示す印刷処理を実行するようになっている。なお、前述したようにドットを形成するための印刷ヘッド200は、一般に4色および6色などといった複数種類の色のドットをほぼ同時に形成できるようになっているが、以下の例では説明を判り易くするためにいずれのドットもいずれか1色(単色)の印刷ヘッド200によって形成されたものとして説明する(モノクロ画像)。
【0109】
図5は、印刷装置100における印刷処理を示すフローチャートである。
印刷処理は、CPU60によって実行されると、図5に示すように、まず、ステップS100に移行するようになっている。
ステップS100では、第1画像データ取得部10において、ネットワークケーブルLを介して接続された外部装置からの印刷指示情報が送られてくることにより、あるいは入力装置74を介して印刷指示情報が入力されたことにより、印刷指示があったか否かを判定し、印刷指示があったと判定された場合(Yes)はステップS102に移行し、そうでない場合(No)は印刷指示があるまで判定処理を繰り返す。
【0110】
ステップS102に移行した場合は、第1画像データ取得部10において、印刷指示に対応する第1画像データを、上記したように、外部装置、CD−ROM、DVD−ROM等の記録媒体、HDD等の記憶装置70などから取得する処理を行い、これにより第1画像データを取得したか否かを判定し、取得したと判定された場合(Yes)はステップS104に移行し、そうでない場合(No)は、印刷指示元に対して印刷不可などの返答を行った後、当該印刷指示に対する印刷処理を放棄してステップS100に移行する。ここで、第1画像データは、複数のM値の画素データがマトリクス状に配列され構成されたデータであり、その行方向は、印刷ヘッド200のノズル配列方向と一致し、その列方向は印刷ヘッド200の印刷方向と一致する。
【0111】
ステップS104に移行した場合は、第1画像データ取得部10において、ステップS102で取得したM値の画像データが、CMYK以外の色情報を有する画像データであった場合に、当該画像データをCMYKの色情報を有するCMYK画像データに変換すると共に、当該CMYK画像データをノズル情報設定部11に伝送してステップS106に移行する。つまり、CMYK以外の色情報を有する画像データは、CMYK変換してから伝送し、一方、CMYKの画像データはそのまま伝送する。
【0112】
ステップS106では、ノズル情報設定部11において、第1画像データ取得部10からCMYK画像データを取得すると、ノズル情報設定処理を実行してノズル設定情報テーブルを生成し、当該生成したノズル設定情報テーブルと共にCMYK画像データを第2画像データ生成部14に伝送してステップS108に移行する。
ステップS108では、第2画像データ生成部14において、ノズル情報設定部11からCMYK画像データ及びノズル設定情報テーブルを取得すると、第2画像データ精製処理を実行して第2画像データを生成し、当該生成した第2画像データをN値化処理部15に伝送してステップS110に移行する。
【0113】
ステップS110では、N値化処理部15において、第2画像データ生成部14から第2画像データを取得すると、当該取得した第2画像データに対してN値化処理を実行してN値化画像データを生成し、当該生成したN値化画像データを印刷用データ生成部17に伝送してステップS112に移行する。
ステップS112では、印刷用データ生成部17において、N値化処理部15からN値化画像データを取得すると、N値化画像データから印刷用データを生成してステップS114に移行する。ここで、印刷用データ生成部17は、ユーザからの補正指示又は補正設定などに応じて、N値化処理後の第2画像データを補正した印刷用データを生成する機能を有している。
【0114】
ステップS114では、印刷用データ生成部17において、ステップS112で生成した印刷用データを印刷部18に出力してステップS116に移行する。
ステップS116では、印刷部18において、印刷用データ生成部17からの印刷用データに基づき、印刷処理を実行してステップS100に移行する。
【0115】
次に、図6に基づき、ステップS106のノズル情報設定処理を詳細に説明する。
図6は、印刷装置100における、ノズル情報設定処理を示すフローチャートである。
このノズル情報設定処理は、ノズル情報に基づき、第1画像データの各画素データに対して当該各画素データに対応したノズルを使用するか否かを設定したノズル設定情報テーブルを生成する処理であって、ステップS106において実行されると、図6に示すように、まず、ステップS200に移行するようになっている。
【0116】
ステップS200では、ノズル情報記憶部12からノズル情報を読み出し、当該読み出したノズル情報をRAM62の所定領域に記憶することで当該ノズル情報を取得してステップS202に移行する。
ステップS202では、ステップS200で取得したノズル情報から第1画像データに対応する未設定のノズル番号を選択してステップS204に移行する。
【0117】
ステップS204では、ステップS202で選択したノズル番号に対応する吐出・不吐出情報に基づき、当該選択ノズルはインク不吐出のノズルか否かを判定し、インク不吐出ノズルである場合(Yes)はステップS206に移行し、そうでない場合(No)はステップS214に移行する。
ステップS206に移行した場合は、選択ノズルに対応する全画素データに対して、当該選択ノズルを不使用とすると設定してステップS208に移行する。
【0118】
ステップS208では、全てのノズルに対して設定処理を終了したか否かを判定し、終了したと判定された場合(Yes)はステップS210に移行し、そうでない場合(No)はステップS202に移行する。
一方、ステップS214に移行した場合は、ノズル情報に含まれる相対吐出精度情報(相対飛行曲がり情報)に基づき、選択ノズルに飛行曲がりが発生しているか否かを判定し、飛行曲がりが発生していると判定された場合(Yes)はステップS216に移行し、そうでない場合(No)はステップS218に移行する。本実施の形態においては、飛行曲がり量に対する使用ノズル及び不使用ノズルの設定割合が設定されたデータテーブルに基づき、各画素データに対してノズルを使用するか否かを設定する。
【0119】
ステップS216に移行した場合は、飛行曲がりが発生しているノズルの飛行曲がり量に基づき、当該ノズルに対応する画素データに対して、当該ノズルを使用するか否かを設定してステップS208に移行する。
一方、ステップS218に移行した場合は、選択ノズルに対応する全ての画素データに対して、当該選択ノズルを使用すると設定してステップS220に移行する。
【0120】
また、ステップS208において、全てのノズルに対して上記設定処理が終了しステップS210に移行した場合は、上記設定結果に基づきノズル設定情報テーブルを生成してステップS212に移行する。
ステップS212では、ノズル設定情報テーブル記憶部13に、ステップS210で生成したノズル設定情報テーブルを記憶し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
【0121】
次に、図7に基づき、ステップS108の第2画像データ生成処理を詳細に説明する。
図7は、印刷装置100における、第2画像データ生成処理を示すフローチャートである。
この第2画像データ生成処理は、ノズル情報設定部11において生成されたノズル設定情報テーブルに基づき、第1画像データにおけるノズル不使用と設定された画素データの画素値を最低濃度値に変更すると共に、当該画素データの変更前の元の画素値を、この画素の近傍に位置する所定の画素の画素値に分配してなる第2画像データを生成する処理であって、ステップS108において実行されると、図7に示すように、まず、ステップS300に移行するようになっている。
【0122】
ステップS300では、ノズル情報設定部11から第1画像データ及びノズル設定情報テーブルを取得したか否かを判定し、取得したと判定された場合(Yes)はステップS302に移行し、そうでない場合(No)は取得するまで判定処理を続行する。
ステップS302に移行した場合は、第1画像データにおける未処理画素データを選択してステップS304に移行する。
【0123】
ステップS304では、ノズル設定情報テーブルに基づき、ステップS302で選択した画素データに対してノズル不使用と設定されているか否かを判定し、不使用と設定されていると判定された場合(Yes)はステップS306に移行し、そうでない場合(No)はステップS308に移行する。
ステップS306に移行した場合は、選択画素データの画素値を最低濃度値(最大輝度値)に変更すると共に、変更前の元の画素値を選択画素近傍の画素の画素値に分配してステップS308に移行する。ここで、画素値の分配は、例えば、選択画素の上下左右に位置する画素の画素値に対して、選択画素データの元の画素値をランダムな割合で分配するなどして行う。
【0124】
ステップS308では、第1画像データにおける全ての画素データに対して上記処理を終了したか否かを判定し、終了したと判定された場合(Yes)はステップS310に移行し、そうでない場合(No)はステップS302に移行する。
ステップS310に移行した場合は、上記した画素値の変更及び分配処理によって生成された第2画像データを、N値化処理部15に伝送し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
【0125】
次に、図8〜図18に基づき、本実施の形態の動作を説明する。
ここで、図8は、いわゆる異常ノズルがないブラックノズルモジュール50のみで形成されるドットパターンの一例を示した図であり、図9は、ブラックノズルモジュール50のうち、ノズルN6が飛行曲がり現象を発生している場合に形成されるドットパターンの一例を示した図である。また、図10(a)は、各ノズルに対するインクの吐出不良(図では、インク不吐出)の有無を示す図であり、(b)は、各ノズルに対する相対吐出精度情報(飛行曲り量情報)を示す図である。また、図11(a)は、相対飛行曲がり量xに対する吐出・不吐出(使用・不使用)の設定情報テーブルを示す図であり、(b)は、吐出・不吐出(使用・不使用)を設定する場合の設定情報の一例を示す図である。また、図12は、図10の設定情報テーブルに基づいてノズルの吐出・不吐出(使用・不使用)を設定する一例を示す図であり、図13は、特別な飛行曲がり状態発生時に対するノズルの吐出・不吐出(使用・不使用)を設定する一例を示す図である。また、図14は、ノズル設定情報テーブルの一例を示す図である。また、図15は、ドットサイズに対する、N値の情報、各N値に対する閾値の情報の一例を示す図である。また、図16は、N値化処理に用いる誤差拡散マトリクスの一例を示す図である。また、図17は、1/2の割合でランダムにノズルを不吐出(不使用)に設定した場合のドットパターンの一例を示す図であり、図18は、特別な飛行曲がりに対し、関連するノズルに対して2/3の割合でノズルを不吐出(不使用)とする設定をした場合のドットパターンの一例を示す図である。
【0126】
図8に示すように、異常ノズルがないブラックノズルモジュール50によって形成されるドットパターンは、前述したような、「白スジ」や「濃いスジ」といったようなノズル間隔のずれによって発生するバンディング現象が生じない。
一方、飛行曲りの発生するノズルを含んだブラックノズルモジュール50による印刷結果については、図9に示すように、そのノズルN6によって形成されるドットがその右隣りの正常なノズルN7で形成されるドット側に、距離aだけずれてしまい、この結果、ノズルN6によって形成されるドットと、その左隣りのノズルN5によって形成されるドットとの間に「白スジ」が発生してしまっている。
【0127】
一方、ブラックノズルモジュール50ではなく、他の色に対応したノズルモジュール52,54及び56を用いた場合は、上記したように飛行曲りによってノズルN6が距離aだけずれたことにより、ノズルN6とその右隣りのノズルN7とが距離aの分だけ両者間の距離が近くなるために、これらのノズルが形成するドットの密度が高くなり(ドットが重なる場合もある)、この部分が「濃いスジ」となって目立ってしまい、印刷物の品質を極端に悪化させてしまう。
上記した「白スジ」は、いわゆる「べた塗り」の印刷物であって、しかも印刷用紙が白でインクがブラックなどのように極端に濃度が異なる組み合わせの場合に、より顕著に目立ってしまい、印刷物の品質を極端に悪化させてしまう。
【0128】
従って、本発明の第1の実施の形態に係る印刷装置100では、第1画像データにおける、飛行曲がりの原因となるノズルや吐出不良を有するノズル、すなわち、異常ノズルに対応する画素データの一部又は全部に対してノズルを不使用とする設定をし、当該不使用とした画素データの画素値を最低濃度値に変更すると共に、変更前の画素値をその画素近傍の所定画素の画素値に分配した第2画像データを生成し、当該生成した第2画像データから印刷用データを生成し、当該生成した印刷用データに基づき印刷を行うことで、飛行曲がりや吐出不良によって印刷結果に発生する「白スジ」又は「濃いスジ」を目立たなくすることが可能である。
【0129】
まず、印刷装置100は、第1画像データ取得部10において、外部装置等から印刷指示情報を受信すると(ステップS100)、当該印刷指示情報に対応するM値の画像データを、印刷指示情報の送信元である外部装置等から取得し(ステップS102)、当該取得した画像データの色情報がCMYK以外である場合にM値のCMYK画像データに変換する一方、CMYK画像データをノズル情報設定部11に伝送する(ステップS104)。一方、ノズル情報設定部11は、第1画像データ取得部10からCMYK画像データを取得すると、ノズル情報設定処理を実行する(ステップS106)。
【0130】
ノズル情報設定処理が開始されると、まず、ノズル情報設定部11において、ノズル情報記憶部12からノズル情報を取得する(ステップS200)。ここで、ノズル情報には、図10(a)に示すように、各ノズルに対するインクの吐出不良の有無を示す情報のテーブルと、各ノズルの相対飛行曲がり量(吐出精度)を示す情報のテーブルとが含まれており、第1画像データに対応したノズルの中から、ノズルの使用・不使用が未設定のノズルを選択して(ステップS202)、当該選択ノズルに対応する上記した図10(a)の吐出不良の有無を示す情報から、当該選択ノズルがインクの吐出不良(ここでは、不吐出)を有するか否かを判定する(ステップS204)。
【0131】
ここで、選択ノズルがインクの吐出不良を有している場合(ステップS204の「Yes」の分岐)は、選択ノズルに対応する画素データの全てに対して、当該選択ノズルを不使用とする設定を行う(ステップS206)。
一方、選択ノズルにインクの吐出不良が無い場合(ステップS204の「No」の分岐)は、ノズル情報における図10(b)に示す各ノズルに対する相対飛行曲がり量を示す情報テーブルに基づき、選択ノズルによって飛行曲がりが発生するか否かを判定する(ステップS214)。本実施の形態において、選択ノズルによって飛行曲がりが発生するか否かは、図10(b)に示す選択ノズルに対する相対飛行曲がり量xが、「−3<x≦+3」の範囲にある場合に、選択ノズルによって飛行曲がりが発生しないと判定され(ステップS214の「No」の分岐)、それ以外の範囲にある場合は飛行曲がりが発生したと判定される(ステップS214の「Yes」の分岐)。ここで、図10(b)に示す相対飛行曲がり量は、印刷ヘッド200における各ノズルモジュールの並び方向に対して、選択ノズルのドット形成位置が、その理想位置に対して左側にずれているときは符号が「−」となり、一方、理想位置に対して右側にずれているときは「+」となる。
【0132】
更に、上記判定処理において飛行曲がりが発生すると判定された選択ノズルについては、図11(a)に示す相対飛行曲がり量xに対する使用・不使用の設定情報テーブルに設定された内容に基づき、選択ノズルに対する相対飛行曲がり量xが、「x≦−6」又は「x≧+6」の範囲にある場合は、選択ノズルに対応する全ての列画素に対して選択ノズルを不吐出(不使用)と設定する(ステップS206)。また、選択ノズルに対する相対飛行曲がり量xが、「−6<x≦−3」又は「+3<x≦+6」の範囲にある場合は、図11(b)に示す選択ノズルに対する吐出・不吐出(使用・不使用)設定時の設定情報に基づいた割合で、選択ノズルに対応した各画素データに対して当該選択ノズルを使用するか否かを設定する(ステップS216)。
【0133】
つまり、図11(b)に示すように、選択ノズルに対する相対飛行曲がり量xが、「−6<x≦−5」又は「+5<x≦+6」の範囲にあるときは、選択ノズルに対応する画素列のうち「1/4」を吐出(ノズル使用)と設定し、残りの「3/4」を不吐出(ノズル不使用)と設定する。また、選択ノズルに対する相対飛行曲がり量xが、「−5<x≦−4」又は「+4<x≦+5」の範囲にあるときは、選択ノズルに対応する画素列のうち「1/2」を吐出(ノズル使用)と設定し、残りの「1/2」を不吐出(ノズル不使用)と設定する。また、選択ノズルに対する相対飛行曲がり量xが、「−4<x≦−3」又は「+3<x≦+4」の範囲にあるときは、選択ノズルに対応する画素列のうち「3/4」を吐出(ノズル使用)と設定し、残りの「1/4」を不吐出(ノズル不使用)と設定する。
【0134】
例えば、選択ノズルに対する相対飛行曲がり量xが「−4<x≦−3」の範囲にあり、且つ選択ノズルに列番号「1」の画素データが対応している場合は、図11(b)の設定情報に基づき、図12に示すように、選択ノズルに対応する列「1」の画素データのうち、その「3/4」に対してインクを吐出(ノズルを使用)するように「0」を設定し、残りの「1/4」に対してインクを不吐出(ノズル不使用)とするように「1」を設定する。ここで、図12にも示すように、各画素データに対して設定する数値「0」がインクを吐出する(使用する)設定であることを示し、一方、各画素データに設定する数値「1」がインクを不吐出とする(不使用とする)設定であることを示す。
【0135】
また、上記同様に、選択ノズルに対する相対飛行曲がり量xが「ー6<x≦ー5」の範囲にあり、且つ選択ノズルに列番号「721」の画素データが対応している場合は、図11(b)の設定情報に基づき、図12に示すように、選択ノズルに対応する列「721」の画素データのうち、その「1/4」に対してインクを吐出(ノズルを使用)するように「0」を設定し、残りの「3/4」に対してインクを不吐出(ノズル不使用)とするように「1」を設定する。また、同様に、選択ノズルに対する相対飛行曲がり量xが「+4<x≦+5」の範囲にあり、且つ選択ノズルに列番号「1438」の画素データが対応している場合は、図11(b)の設定情報に基づき、図12に示すように、選択ノズルに対応する列「1438」の画素データのうち、その「1/2」に対してインクを吐出(ノズルを使用)するように「0」を設定し、残りの「1/2」に対してインクを不吐出(ノズル不使用)とするように「1」を設定する。
【0136】
また、本実施の形態においては、隣接する2つのノズルの左方が「+」方向に飛行曲がりを生じ、右方のノズルが「−」方向に飛行曲がりを生じているような場合に、それぞれのノズルに対応する列画素に対して、1/3を不吐出(不使用)と設定し、残り2/3を吐出(使用)と設定する。
例えば、図13に示すように、隣接する2つのノズルのうち左方のノズルの相対飛行曲がり量が「+4<x≦+5」の範囲にある場合に、通常ならば、図11(b)に示すように、選択ノズルに対応する画素列のうち「1/2」を吐出(ノズル使用)と設定し、残りの「1/2」を不吐出(ノズル不使用)と設定するところを、選択ノズルの右方に隣接するノズルの相対飛行曲がり量が「−4<x≦−5」の範囲にあるので、この場合は、双方のノズル共に対応する画素データのうち「1/3」を不吐出に設定し、残り「2/3」を吐出に設定する。
【0137】
なお、本実施の形態において、図11(b)などに示す、上記した選択ノズルの相対飛行曲がり量xの範囲に設定された当該選択ノズルの「吐出・不吐出(使用・不使用)」の設定割合を用いた設定処理においては、その設定割合となるようにランダムな位置の画素データに対してノズルの使用・不使用を設定することで行われる。
そして、ノズル情報設定部11は、上記したような、選択ノズルの「吐出・不吐出(使用・不使用)」の設定処理を、第1画像データの印刷に使用する全てのノズルに対して設定し終えると、当該設定情報に基づき、図14に示すようなノズル設定情報テーブルを生成して(ステップS210)、当該生成したノズル設定情報テーブルを、第1画像データと共に第2画像データ生成部14に伝送し、更に、当該生成したノズル設定情報テーブルをノズル設定情報テーブル記憶部13に記憶する(ステップS212)。
【0138】
ここで、ノズルが物理的にインクを吐出できないような吐出不良の状態のときには、図14の列番号「720」に示すように、吐出不良のノズルに対応する列の画素データ全てに対して不吐出「1」が設定される。
一方、第2画像データ生成部14は、ノズル情報設定部11から、ノズル設定情報テーブル及び第1画像データを取得すると(ステップS300の「Yes」の分岐)、当該取得した第1画像データから、画素値の変更及び分配処理が未処理の画素データを選択し(ステップS302)、上記取得したノズル設定情報テーブルに基づき、当該選択画素データに対してノズルが不吐出(不使用)となっているか否かを判定する(ステップS304)。
【0139】
ここで、ノズル設定情報テーブルにおいて、選択画素データに対してノズルが不吐出「1」と設定されている場合(ステップS304の「Yes」の分岐)は、例えば、当該選択画素データの画素値(輝度値)が「60」であった場合に、この輝度値「60」を、第1画像データの最大輝度値である「255」に変更すると共に、変更前の輝度値「60」を当該選択画素データの画素近傍に位置する画素の画素値に分配する(ステップS306)。本実施の形態において、この分配処理は、選択画素の上下左右に隣接する画素で、且つノズルが吐出(ノズル使用)と設定されている画素に対して、ランダムな割合で分配する。例えば、選択画素の上下左右に隣接する画素の輝度値が、それぞれ上「40」、下「30」、左「160」、右「200」である場合に、選択画素データの輝度値「60−255=−195」を、例えば、上の輝度値に「ー5」、下の輝度値に「−5」、左の輝度値に「−60」、右の輝度値に「−125」とランダムな割合で分配する。従って、選択画素の上の画素の画素値は「40−5=35」となり、下の画素の画素値は「30ー5=25」となり、左の画素の画素値は「160−60=100」となり、右の画素の画素値は「200−125=75」となる。ここで、例えば、選択画素の上の画素も不吐出(ノズル不使用)と設定されているような場合は、上の画素に分配していた「−5」を他の3つの画素のいずれかに分配することになる。
【0140】
このようにして、不吐出(ノズル不使用)と設定された画素データの画素値を最大輝度値に設定し、且つ元の画素値を選択画素近傍の画素の画素値に分配する処理を、第1画像データの全ての不吐出(ノズル不使用)設定された画素データに対して終了すると(ステップS308の「Yes」の分岐)、画素値の変更及び分配処理後の第1画像データを第2画像データとして、N値化処理部15に伝送する(ステップS310)。
【0141】
N値化処理部15は、第2画像データ生成部14から第2画像データを取得すると、N値化情報記憶部16からN値化情報を読み出すと共に、当該読み出したN値化情報に基づき、第2画像データの各画素データに対してN値化処理を施してN値化画像データを生成する(ステップS110)。
つまり、N値化処理部15は、N値化情報を取得すると、第2画像データから、N値化処理が未処理の画素データを選択し、当該M値の選択画素データの値を、上記取得したN値化情報に基づきN値に変換する。
【0142】
本実施の形態において、上記N値化処理は、選択画素データの元の画素値(輝度(または濃度))が8ビット「256」階調である場合、図15に示すように、元の画素値が「0」〜「32」未満のときは、その画素値を「0」にまとめてそのN値をドット番号に対応する「7」とし、元の画素値が「32」〜「64」未満のときは、その画素値を「36」にまとめてそのN値をドット番号に対応する「6」とし、さらに元の画素値が「64」〜「96」未満のときは、その画素値を「73」にまとめてそのN値をドット番号に対応する「5」とするようになっている。さらに、同様にして元の画素値が「96」〜「128」未満のときは、その画素値を「109」にまとめてそのN値をドット番号に対応する「4」とし、元の画素値が「128」〜「159」未満のときは、その画素値を「146」にまとめてそのN値をドット番号に対応する「3」とし、さらに元の画素値が「159」〜「191」未満のときは、その画素値を「182」にまとめてそのN値をドット番号に対応する「2」とし、さらに、元の画素値が「191」〜「223」未満のときは、その画素値を「219」にまとめてそのN値を「1」とし、元の画素値が「223」〜「255」のときは、その画素値を「255」にまとめてそのN値をドット番号に対応する「0」とするようになっている。
【0143】
なお、上記の例は画素値として輝度を採用した場合であり、画素値として濃度を採用する場合は、図のかっこ内に示すように各輝度の反対の値(「255」から各輝度値を引いた値)をとることになる。
更に、N値化処理部15は、選択画素データをN値化すると、当該選択画素データの変換前の輝度値と、変換後のドット番号に対応する輝度値との誤差を算出して、当該算出した誤差を選択画素データの画素周辺のN値化処理が未処理の画素に拡散する。この誤差を拡散する処理は、図16に示すような誤差拡散マトリクスに基づき行われる。
【0144】
従って、上記N値化処理及び誤差拡散処理によって、選択画素データがN値に変換されると共に、当該選択画素データの周辺にあるN値化が未処理の画素データの画素値がN値化により発生した誤差の反映されたものへと更新される。以降は、このように更新された未処理の画素データに対して、上記N値化及び上記誤差拡散処理を順次行っていく。
そして、上記したN値化処理及び誤差拡散処理を、第2画像データの全画素データに対して行い、当該N値化処理後のN値化画像データを印刷用データ生成部17に伝送する。
【0145】
印刷用データ生成部17は、N値化処理部15からN値化画像データを取得すると、補正処理を行う設定がされているときは、ノズル設定情報テーブル記憶部13に記憶されたノズル設定情報テーブルに基づき、当該取得したN値化画像データを補正した印刷用デーを生成するが、本実施の形態においては、補正処理を行う設定がされていないこととし、当該N値化画像データを印刷用データとして(ステップS112)、当該印刷用データを印刷部18に出力する(ステップS114)。なお、補正処理の設定に対する、N値化画像データの補正処理については、第1の実施の形態の変形例として〔第2の実施の形態〕において説明する。
【0146】
一方、印刷部18は、印刷用データ生成部17から出力された印刷用データを取得し、当該取得した印刷用データに基づき、ブラックノズルモジュール50を用いて印刷媒体上に、各ドット番号に対応したサイズのドットを形成(印刷)する(ステップS116)。
なお、このようにドットサイズを制御する技術的方法としては、例えば、印刷ヘッドにピエゾ素子(piezo actuator)を使用した方式の場合は、そのピエゾ素子に加える電圧を変えてインクの吐出量をコントロールすることで容易に実現可能となっている。
【0147】
上記したように、ノズルの飛行曲り現象やノズルのインク吐出不良が原因でバンディング現象が発生する箇所の画素データに対して、上記図11(a)及び(b)に示すように、予め設定された飛行曲り量に応じたノズルの吐出・不吐出(使用・不使用)の設定割合情報に応じて、飛行曲りの発生しているノズルに対応した画素データに対して、当該ノズルの吐出・不吐出(使用・不使用)を設定することによって、視覚的に白スジ又は濃いスジと認識される現象を図9に示すドットパターンの形成結果よりも目立たなくすることができる。
【0148】
具体的には、例えば、図17(a)に示すように、飛行曲りによって、ノズルのドット形成位置が理想位置より右にずれ、このノズルの列画素のドットが、隣のノズルの列画素のドットと重なってしまっているような場合に、ノズル情報設定部11においては、このノズルの相対飛行曲り量xが、「+4<x≦+5」の範囲にあるとすると、当該ノズルに対応する列画素に対して、図11(b)に示す設定情報に応じて、その「1/2」がインク不吐出(ノズル不使用)と設定され、残りの「1/2」がインク吐出(ノズル使用)と設定される。このように設定された内容で、第2画像データ生成部14において、第2画像データを生成すると、そのN値化処理後の印刷用データの印刷結果は、図17(b)に示すように、上記設定によって飛行曲りを発生しているノズルに対応した列画素の1/2に対してドットが形成されないため、飛行曲りが原因で生じる「濃いスジ」が緩和されて、バンディングが目立たなくなっている。
【0149】
また、例えば、図18(a)に示すように、隣接する2つのノズルが、飛行曲りによって、左方のノズルはドット形成位置が右にずれ、右方のノズルはドット形成位置が左にずれていて、双方のドットが重なってしまっているような場合に、ノズル情報設定部11においては、左方のノズルの相対飛行曲り量xが、「+4<x≦+5」の範囲にあり、且つ右方の相対飛行曲り量xが「−5<x≦−4」の範囲にあるとすると、この場合は例外処理として、双方のノズルにそれぞれ対応した列画素に対して、各ノズル共、1/3を不吐出と設定し、残りの2/3を吐出と設定する。このように設定された内容で、第2画像データ生成部14において、第2画像データを生成すると、そのN値化処理後の印刷用データの印刷結果は、図18(b)に示すように、上記設定によって飛行曲りを発生しているノズルに対応した列画素の1/3に対してドットが形成されないため、飛行曲りが原因で生じる「濃いスジ」が緩和されて、バンディングが目立たなくなっている。
【0150】
なお、図18(a)の例において、飛行曲りを発生している双方のノズル共に、図11(b)に示す設定情報に応じて、これら隣接するノズルに対応する列画素の1/2以上に対して不吐出と設定してしまうと、その不吐出とした分の階調を周辺の画素で補いきれない状況が生じてしまう恐れがある。そのため、本実施の形態においては、このように隣接する2つのノズルの双方に飛行曲りが生じているような場合に、例外として不吐出と設定する数に制限を与えている。
【0151】
更に、図19〜図22に基づき、本発明の効果について実施例を挙げてより具体的に説明する。
ここで、図19は、実施例で用いたグラデーション画像である。また、図20は、実施例で用いた誤差拡散マトリクスであり、図21は、図19のグラデーション画像を、本発明に係る手法を用いずに図20に示す誤差拡散マトリクスを用いて単純に4値化した結果を示す図である。図22は、図19のグラデーション画像を、本発明に係る手法を用いて4値化した結果を示す図である。なお、前記「誤差拡散マトリクス」とは、N値化処理において上記M値の画素データをN値に変換した際に、変換後のN値と変換前のM値との差分(誤差)を、その画素データの周辺にあるN値化処理が未処理の画素データに拡散(分配)する(これを、一般に誤差拡散法という)際に、当該拡散元の画素データに対する拡散対象の画素データの位置(拡散方向)を示す情報(相対位置情報など)、拡散対象の各画素データに対する拡散割合の情報等を収めたマトリックスであり、マトリックスの形状、マトリックスのサイズ(拡散対象の数)、拡散割合等がそれぞれ異なる様々な種類の誤差拡散マトリクスが存在する。
【0152】
まず、従来の手法による4値化後の画像について説明する。
従来の手法によるグラデーション画像の4値化後の画像は、図21に示すようになる。この図21に示す4値化後のグラデーション画像における、画像部分21a〜21cに着目してみると、画像部分21aにおいては、印刷時のドットの種類(ドットには複数種類のサイズがある)がスムーズに切り替えられず、ドット種類の切り替え遅延が起きるため、特に丸で囲んだ部分においては、右下方向に流れ込むようにドットが形成されてしまっている。また、画像部分21b(中間調部分)においては、21aと同様の理由から、この部分を形成する複数種のドットが均一に混ざり合っていないため、画質の低下が生じている。また、画像部分21cにおいては、21a及び21bと同様の理由から、特に、丸で囲んだ部分においては、右下方向にドットが流れ込む、いわゆるドットの尾引き現象が生じてしまっている。
【0153】
上記した拡大画像部分21a〜21cにおいて生じている各現象は、いずれもグラデーション画像の画質を劣化させるものである。
一方、図16に示す本発明の手法を用いて、図19に示すグラデーション画像に対して4値化及び誤差拡散処理を行った結果は、図22に示すようになる。図22に示す4値化後のグラデーション画像における、画像部分23a〜23cに着目してみると、画像部分23aにおいては、上記従来手法よりもドット種類の切り替え遅延が改善され、シャドウ部のドット種類の分散性が向上しており、上記図21の画像部分21aよりも画質が向上している。また、画像部分23bにおいては、上記従来手法よりも複数種のドットが均一に混ざり合っており、上記図21の画像部分21bよりも画質が向上している。また、画像部分23cにおいては、上記従来手法よりもハイライト部のドットの尾引き現象が改善されており、上記図21の画像部分21cよりも画質が向上している。
【0154】
上記第1の実施の形態において、第1画像データ取得部10は、形態1又は21の画像データ取得手段に対応し、ノズル情報記憶部12は、形態1、9、16及び22のいずれか1のノズル情報記憶手段に対応し、ノズル情報設定部11及びノズル設定情報記憶部13は、形態1、3、22及び24のいずれか1のノズル使用情報設定手段に対応し、第2画像データ生成部14は、形態1、4、22、25及び37のいずれか1の第2画像データ生成手段に対応し、N値化処理部15及びN値化情報記憶部16は、形態1又は22のN値化処理手段に対応し、印刷用データ生成部17は、形態1、5及び22のいずれか1の印刷用データ生成手段に対応し、印刷部18は、形態1又は6の印刷手段に対応する。
【0155】
上記第1の実施の形態において、ステップS102,S104は、形態9、16及び28のいずれか1の第1画像データ取得ステップに対応し、ステップS106は、形態9、11、16、18、28、30、32、34、36及び39のいずれか1のノズル使用情報設定ステップに対応し、ステップS108は、形態9、12、16、19、28、31及び34のいずれか1の第2画像データ生成ステップに対応し、ステップS110は、形態9、16、28及び34のいずれか1のN値化処理ステップに対応し、ステップS112は、形態9、13、16、20、28及び34のいずれか1の印刷用データ生成ステップに対応し、テップS116は、形態9、14、16及び20のいずれか1の印刷ステップに対応する。
【0156】
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明の第2の実施の形態を図面に基づき説明する。図23及び図24は、本発明に係る印刷装置、印刷装置制御プログラム及び印刷装置制御方法、並びに印刷用データ生成装置、印刷用データ生成プログラム及び印刷用データ生成方法の第2の実施の形態を示す図である。
本実施の形態の印刷装置、並びにコンピュータシステムの構成は上記第1の実施の形態の図1、図2と同様のものとなる。本実施の形態では、上記第1の実施の形態の図5におけるステップS112で行われる印刷用データ生成処理において、図23に示すN値化画像データの補正処理を行うようになっている。
【0157】
この図23のN値化画像データの補正処理は、ノズル情報設定部11においてインクを不吐出(ノズル不使用)に設定し、且つその画素値を最低濃度値に変更した画素データの画素値が、N値化処理部15における誤差拡散処理によって、周辺画素からの誤差を受け取り、ドットを形成する画素値へと変化してしまった場合に、印刷用データ生成部17において、ノズル設定情報テーブル記憶部13に記憶されたノズル設定情報テーブルに基づき、N値化画像データを補正する処理である。つまり、N値化画像データにおいて、インク不吐出と設定されていながら、ドットを形成する状態となっている画素データを、ドットを形成しない状態に変更する処理となる。
【0158】
以下、上記第1の実施の形態と異なる部分についてのみ説明し、上記第1の実施の形態と重複する部分については説明を省略する。
図23に基づき、本実施の形態におけるステップS112の印刷用データ生成処理を詳細に説明する。
図23は、印刷装置100の印刷用データ生成部17における印刷用データ生成処理を示すフローチャートである。
【0159】
この印刷用データ生成処理は、ステップS112において実行されると、図23に示すように、まず、ステップS400に移行するようになっている。
ステップS400では、N値化処理部15からN値化画像データを取得したか否かを判定し、取得したと判定された場合(Yes)はステップS402に移行し、そうでない場合(No)は取得するまで判定処理を続行する。
【0160】
ステップS402に移行した場合は、補正を行う指示(補正設定)があるか否かを判定し、あると判定された場合(Yes)はステップS404に移行し、そうでない場合(No)は、一連の処理を終了し元の処理に復帰する。つまり、補正指示が無い場合は、上記第1の実施の形態と同様となる。
ステップS404に移行した場合は、ノズル設定情報テーブル記憶部13からノズル設定情報テーブルを読み出し、当該読み出したノズル設定情報テーブルをRAM62の所定領域に記憶することで当該ノズル設定情報テーブルを取得してステップS406に移行する。
【0161】
ステップS406では、N値化画像データから、補正処理が未処理の画素データを選択してステップS408に移行する。
ステップS408では、ノズル設定情報テーブルに基づき、選択画素データに対して不吐出(不使用)と設定されているか否かを判定し、不吐出(不使用)に設定されていると判定された場合(Yes)はステップS410に移行し、そうでない場合(No)はステップS412に移行する。
【0162】
ステップS410に移行した場合は、選択画素データの値は「0」か否かを判定し、「0」であると判定された場合(Yes)はステップS414に移行し、そうでない場合(No)はステップS412に移行する。つまり、画素データの値がノズル番号「0」(ドットなし)になっているか否かを判定する。
ステップS412に移行した場合は、選択画素データの値を「0」に変更してステップS414に移行する。
一方、ステップS414に移行した場合は、全ての画素データに対して処理が終了したか否かを判定し、終了したと判定された場合(Yes)は一連の処理を終了して元の処理に復帰し、そうでない場合(No)はステップS406に移行する。
【0163】
次に、図24に基づき、本実施の形態の動作を説明する。ここで、図24(a)は、不吐出設定による理想のドット形成パターンを示す図であり、(b)は、誤差拡散によって不吐出部分にドットが形成された一例を示す図である。
【0164】
本実施の形態における印刷用データ生成処理は、印刷用データ生成部17において、N値化処理部15からN値化画像データを取得することによって開始され(ステップS400の「Yes」の分岐)、まず補正処理を行う設定がされているか否かを判定する(ステップS402)。この判定によって、ユーザなどから補正指示があり、補正指示を行う設定がされているような場合は(ステップS402の「Yes」の分岐)、ノズル設定情報テーブル記憶部13から、ノズル設定情報テーブルを読み出してRAM62の所定領域に記憶し(ステップS404)、更に、N値化画像データから補正処理が未処理の画素データを選択する(ステップS406)。印刷用データ生成部17は、画素データを選択すると、次いで、上記取得したノズル設定情報テーブルに基づき、選択画素データに対して、当該選択画素データに対応するノズルを不吐出(不使用)とする設定がされているか否かを判定する(ステップS408)。つまり、選択画素データに対し、ノズル設定情報テーブルにおいて「1」と設定されている場合は不吐出と設定されており、一方、「0」と設定されている場合は吐出と設定されていることになる。
【0165】
ここで、選択画素データに対して不吐出と設定されている場合(ステップS408の「Yes」の分岐)は、更に、選択画素データの値が、ノズル番号における「ドットなし」に対応した「0」であるか否かを判定する(ステップS410)。つまり、不吐出と設定されているにも係わらず、選択画素データの値が「0」以外である場合は(ステップS410の「No」の分岐)、当該選択画素データに対してドットが形成されることになるので、ドットを形成しないようにするために、選択画素データの値を「0」に変更する(ステップS412)。
【0166】
具体的には、誤差拡散処理によって周辺画素から誤差を受け取った画素の画素値が変化することによって、不吐出と設定されているにも係わらず、例えば、図24(b)に示すように、本来はドットを形成しないはずの所に、ドットAが形成されてしまうような場合に、このドットAを形成する画素データの値を「0」に変更することで、同図(a)に示すように、ドットAが形成されないようになるので、これにより、目的とするドットパターンを形成することが可能となる。
そして、N値化画像データの全画素データに対して、上記判定処理及び補正処理を行うことで(ステップS414の「Yes」の分岐)、印刷用データが生成される。
【0167】
なお、本実施の形態においては、不吐出と設定されているにも係わらず、誤差拡散処理の影響によってドットが形成されるようになってしまった画素データに対して、当該画素データのドットが形成されないようにするために、ノズル設定情報テーブルに基づいて、N値化画像データを補正してなる印刷用データを生成して対処するようにしたが、これに限らず、印刷部18において、ノズル設定情報テーブルを参照しながらドットを形成することで、不吐出と設定された画素データに対しては、その値が「0」以外となっていてもドットを形成しないよう制御を行うことができるので、これによって、不吐出と設定された画素データのドットを確実に形成しないようにすることが可能である。
【0168】
上記第2の実施の形態において、第1画像データ取得部10は、形態1又は21の画像データ取得手段に対応し、ノズル情報記憶部12は、形態1、9、16及び22のいずれか1のノズル情報記憶手段に対応し、ノズル情報設定部11及びノズル設定情報記憶部13は、形態1、3、5、6、22、24、26及び27のいずれか1のノズル使用情報設定手段に対応し、第2画像データ生成部14は、形態1、4、22及び25のいずれか1の第2画像データ生成手段に対応し、N値化処理部15及びN値化情報記憶部16は、形態1又は22のN値化処理手段に対応し、印刷用データ生成部17は、形態1、5、22及び26のいずれか1の印刷用データ生成手段に対応し、印刷部18は、形態1又は6の印刷手段に対応する。
【0169】
上記第2の実施の形態において、ステップS102,S104は、形態9、16、28及び36のいずれか1の第1画像データ取得ステップに対応し、ステップS106は、形態9、11、13、14、16、18、20、21、28、30、32、34、36、38及び39のいずれか1のノズル使用情報設定ステップに対応し、ステップS108は、形態9、12、16、19、28、31及び34のいずれか1の第2画像データ生成ステップに対応し、ステップS110は、形態9、16、28及び34のいずれか1のN値化処理ステップに対応し、ステップS112は、形態9、13、16、20、28及び34のいずれか1の印刷用データ生成ステップに対応し、テップS116は、形態9、14、16及び20のいずれか1の印刷ステップに対応する。
【0170】
なお、上記第1及び第2の実施の形態における印刷装置の特徴は、既存の印刷装置そのものには殆ど手を加えることなくその印刷ヘッドの特性に合わせて画像データから印刷用データを生成するようにしたため、印刷部18として特に専用のものを用意する必要はなく、従来から既存のインクジェット方式のプリンタをそのまま利用することができる。また、上記実施の形態における印刷装置100から印刷部12を分離すれば、その機能はPCなどの汎用の印刷指示端末(印刷用データ生成装置)のみで実現することも可能となる。
【0171】
また、上記第1及び第2の実施の形態における印刷装置100を、既存のインクジェット方式のプリンタと、その他の装置、端末、機器等と通信可能に接続したネットワークシステムとして実現するようにしてもよい。この場合、第1画像データ取得部10、ノズル情報設定部11、ノズル情報記憶部12、ノズル設定情報テーブル記憶部13、第2画像データ生成部14、N値化処理部15、N値化情報記憶部16及び印刷用データ生成部17は、その他の装置、端末、機器等のいずれに属していてもよい。
また、本発明は飛行曲がり現象のみならず、インクの吐出方向は垂直(正常)であるもののノズルの形成内容が正規の位置よりもずれている結果、形成されるドットが飛行曲がり現象と同じ結果となる場合にも全く同様に適用できることは勿論である。
【0172】
また、上記第1及び第2の実施の形態における印刷装置100は、ラインヘッド型のインクジェットプリンタのみならず、マルチパス型のインクジェットプリンタにも適用可能であり、ラインヘッド型のインクジェットプリンタであれば、飛行曲がり現象などが発生していても白スジや濃いスジが殆ど目立たない高品質の印刷物を1パスで得ることが可能となり、また、マルチパス型のインクジェットプリンタであれば、往復動作回数を減らすことができるため、従来よりも高速印刷が可能となる。
【0173】
図25(A)〜(C)は、ラインヘッド型のインクジェットプリンタとマルチパス型のインクジェットプリンタとによるそれぞれの印刷方式を示したものである。
同図(A)に示すように、矩形状の印刷用紙Sの幅方向を画像データの主走査方向、長手方向を画像データの副走査方向とした場合、ラインヘッド型のインクジェットプリンタでは、同図(B)に示すように、印刷ヘッド200がその印刷用紙Sの紙幅分の長さを有しており、この印刷ヘッド200を固定し、この印刷ヘッド200に対して前記印刷用紙Sを副走査方向に移動させることでいわゆる1走査(1パス動作)で印刷を完了するようにしている。なお、いわゆるフラットヘッド式のスキャナのように印刷用紙Sを固定し、印刷ヘッド200側をその副走査方向に移動させたり、あるいは両方をそれぞれ反対方向に移動させながら印刷を行うことも可能である。これに対し、マルチパス型のインクジェットプリンタは、同図(C)に示すように、紙幅分の長さに比べてはるかに短い印刷ヘッド200を主走査方向と直交する方向に位置させ、これを主走査方向に何度も往復動させながら印刷用紙Sを所定のピッチずつ副走査方向に移動させることで印刷を実行するようにしている。従って、後者のマルチパス型のインクジェットプリンタの場合は、前者のラインヘッド型のインクジェットプリンタに比べて印刷時間がかかるといった欠点がある反面、任意の箇所に印刷ヘッド200を繰り返し位置させることができることから前述したようなバンディング現象のうち特に白スジ現象の軽減については、ある程度の対応が可能となっている。
【0174】
また、上記第1及び第2の実施の形態ではインクをドット状に吐出して印刷を行うインクジェットプリンタを例に説明したが、本発明は、印字機構がライン状に並んだ形態の印字ヘッドを用いた他の印刷装置、例えば熱転写プリンタまたは感熱式プリンタなどと称されるサーマルヘッドプリンタについても適用可能である。
また、図3では、印刷ヘッド200の各色ごとに設けられた各ノズルモジュール50、52,54,56は、その印刷ヘッド200の長手方向に直線状にノズルNが連続した形態となっているが、図26に示すように、これら各ノズルモジュール50、52,54,56をそれぞれ複数の短尺のノズルユニット50a、50b、…50nで構成し、これを印字ヘッド200の移動方向の前後に配列するように構成しても良い。特に、このように各ノズルモジュール50、52,54,56ごとに複数の短尺のノズルユニット50a、50b、…50nで構成すれば、各ノズルユニット50a、50b、…50nの実際のドット間の距離(ピッチ)を狭くすることなく、実質的にドット間の距離をより短くすることが可能となるため、高解像度画像に対して容易に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0175】
【図1】本発明に係る印刷装置100の構成を示すブロック図である。
【図2】コンピュータシステムのハードウェア構成を示す図である。
【図3】本発明の印刷ヘッド200の構造を示す部分拡大底面図である。
【図4】図4の部分拡大側面図である。
【図5】印刷装置100における印刷処理を示すフローチャートである。
【図6】印刷装置100における、ノズル情報設定処理を示すフローチャートである。
【図7】印刷装置100における、第2画像データ生成処理を示すフローチャートである。
【図8】飛行曲がりを発生する異常ノズルがないブラックノズルモジュール50のみで形成されるドットパターンの一例を示した図である。
【図9】ブラックノズルモジュール50のうち、ノズルN6が飛行曲がり現象を発生している場合に形成されるドットパターンの一例を示した図である。
【図10】(a)は、各ノズルに対するインクの吐出不良(図では、インク不吐出)の有無を示す図であり、(b)は、各ノズルに対する相対吐出精度情報(飛行曲り量情報)を示す図であ。
【図11】(a)は、相対飛行曲がり量xに対する吐出・不吐出(使用・不使用)の設定情報テーブルを示す図であり、(b)は、吐出・不吐出(使用・不使用)を設定する場合の設定情報の一例を示す図である。
【図12】図10の設定情報テーブルに基づいてノズルの吐出・不吐出(使用・不使用)を設定する一例を示す図である。
【図13】特別な飛行曲がり状態発生時に対するノズルの吐出・不吐出(使用・不使用)を設定する一例を示す図である。
【図14】ノズル設定情報テーブルの一例を示す図である。
【図15】ドットサイズに対する、N値の情報、各N値に対する閾値の情報の一例を示す図である。
【図16】N値化処理に用いる誤差拡散マトリクスの一例を示す図である。
【図17】1/2の割合でランダムにノズルを不吐出(不使用)に設定した場合のドットパターンの一例を示す図である。
【図18】特別な飛行曲がりに対し、関連するノズルに対して2/3の割合でノズルを不吐出(不使用)とする設定をした場合のドットパターンの一例を示す図である。
【図19】本実施例で用いたグラデーション画像である。
【図20】実施例で用いた誤差拡散マトリクスである。
【図21】図19のグラデーション画像を、本発明に係る手法を用いずに図20に示す誤差拡散マトリクスを用いて単純に4値化した結果を示す図である。
【図22】図19のグラデーション画像を、本発明に係る手法を用いて4値化した結果を示す図である。
【図23】印刷装置100の印刷用データ生成部17における印刷用データ生成処理を示すフローチャートである。
【図24】(a)は、不吐出設定による理想のドット形成パターンを示す図であり、(b)は、誤差拡散によって不吐出部分にドットが形成された一例を示す図である。
【図25】(A)〜(C)は、マルチパス型のインクジェットプリンタとラインヘッド型のインクジェットプリンタとによる印刷方式の違いを示す説明図である。
【図26】印刷ヘッドの構造の他の例を示す概念図である。
【符号の説明】
【0176】
100…印刷装置、200…印刷ヘッド、10…第1画像データ取得部、11…ノズル情報設定部、12…ノズル情報記憶部、13…ノズル設定情報テーブル記憶部、14…第2画像データ生成部、15…N値化処理部、16…N値化情報記憶部、17…印刷用データ生成部、18…印刷部、60…CPU、62…RAM、64…ROM、66…インターフェース、70…記憶装置、72…出力装置、74…入力装置、50…ブラックノズルモジュール、52…イエローノズルモジュール、54…マゼンタノズルモジュール、56…シアンノズルモジュール、P,S…印刷媒体(用紙)、L…ネットワークケーブル、N…ノズル




 

 


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