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発明の名称 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−8044(P2007−8044A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−192578(P2005−192578)
出願日 平成17年6月30日(2005.6.30)
代理人 【識別番号】100101236
【弁理士】
【氏名又は名称】栗原 浩之
発明者 島田 勝人 / 矢崎 士郎
要約 課題
圧電素子の変位を阻害することなく個別リード電極と共通リード電極との間でのショートを防止することができる液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供する。

解決手段
個別リード電極90及び共通リード電極91が、密着層92と密着層92上に設けられる金属層93とで構成され、保護基板30の圧電素子保持部31内の圧電素子300よりも外側の領域では、共通リード電極91の密着層92の露出した表面が、圧力発生室12を有する流路形成基板10と保護基板30とを接合する接着層35から連続する保護層36によって覆われているようにする。
特許請求の範囲
【請求項1】
液体を噴射するノズル開口に連通する複数の圧力発生室を有する流路形成基板と、該流路形成基板の一方面側に各圧力発生室に対応して設けられる圧電素子と、前記圧電素子の個別電極から引き出される個別リード電極と前記圧電素子の共通電極から引き出されて前記個別リード電極の間の領域に延設される共通リード電極と、前記流路形成基板の前記圧電素子側の面に接着剤からなる接着層を介して接合され当該圧電素子を保護するための圧電素子保持部を有する保護基板とを有し、
前記個別リード電極及び前記共通リード電極が、密着層と該密着層上に設けられる金属層とで構成され、前記圧電素子保持部内の前記圧電素子よりも外側の領域では、前記共通リード電極の前記密着層の露出した表面が、前記接着層から連続する保護層によって覆われていることを特徴とする液体噴射ヘッド。
【請求項2】
請求項1において、前記保護層が、前記接着層を介して前記流路形成基板と前記保護基板とを接合する際に、前記接着層から前記共通リード電極の端面に伝わって形成されたものであることを特徴とする液体噴射ヘッド。
【請求項3】
請求項1又は2において、前記共通リード電極の前記密着層がその上に設けられた金属層の幅よりも狭い幅を有し、且つ前記個別リード電極の前記密着層がその上に設けられた金属層の幅よりも広い幅を有することを特徴とする液体噴射ヘッド。
【請求項4】
請求項1〜3の何れかにおいて、前記共通リード電極の前記金属層の幅が、前記密着層側ほど狭くなっており、当該金属層の端面が内側に向かって傾斜する傾斜面となっていることを特徴とする液体噴射ヘッド。
【請求項5】
請求項1〜4の何れかにおいて、前記接着剤が、エポキシ系あるいはウレタン系の接着剤であることを特徴とする液体噴射ヘッド。
【請求項6】
請求項1〜5の何れかの液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体噴射ヘッド及び液体噴射装置に関し、特に、インク滴を吐出するノズル開口と連通する圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板の表面に圧電素子を形成して、圧電素子の変位によりインク滴を吐出させるインクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インク滴を吐出するノズル開口と連通する圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板を圧電素子により変形させて圧力発生室のインクを加圧してノズル開口からインク滴を吐出させるインクジェット式記録ヘッドには、圧電素子の軸方向に伸長、収縮する縦振動モードの圧電アクチュエータを使用したものと、たわみ振動モードの圧電アクチュエータを使用したものの2種類が実用化されている。
【0003】
そして、たわみ振動モードのアクチュエータを使用したものとしては、例えば、振動板の表面全体に亙って成膜技術により均一な圧電材料層を形成し、この圧電材料層をリソグラフィ法により圧力発生室に対応する形状に切り分けて各圧力発生室毎に独立するように圧電素子を形成したものがある。
【0004】
また、このたわみ振動モードのアクチュエータに使用される圧電素子は、共通電極である下電極と、下電極上に形成された圧電体層と、圧電体層上に形成された個別電極である上電極とで構成されている。
【0005】
このような従来のインクジェット式記録ヘッドでは、下電極が複数の圧電素子に共通して設けられているため、多数の圧電素子を同時に駆動して多数のインク滴を一度に吐出させると、電圧降下が発生して圧電素子の変位量が不安定となり、インク吐出特性が低下するという問題がある。
【0006】
このような問題を解決するために、圧電素子の個別電極である上電極から引き出された個別リード電極の間に、共通電極である下電極から引き出される共通リード電極を、所定数の圧電素子毎に設けるようにしたものがある(例えば、特許文献1)。
【0007】
しかしながら、このような構造では、個別リード電極と共通リード電極との間隔が極めて狭くなってしまうため、両リード電極に微小電流が流れ、電気的にショートしてしまうという問題がある。また、これらリード電極としては、例えば、金(Au)等の金属層とその下側に設けられる密着層とで構成されたものがあり、このようなリード電極では、密着層がエレクトロマイグレーションを起こしてショートが発生してしまうという問題がある。
【0008】
また、圧電素子の端面と共に圧電素子から引き出されるリード電極(個別リード電極)の端面を、接合基板を接着する接着剤からなる接着層で覆うようにした構造がある(例えば、特許文献2)。そして、上記の問題は、このようにリード電極の端面及び圧電素子の端面を接着層で覆うことによって解消することはできる。しかしながら、リード電極の端面と共に圧電素子の端面を接着層によって覆うようにすると、接着層によって圧電素子の変位が阻害されてしまい。所望のインク吐出特性が得られないという弊害がある。
【0009】
なお、このような問題は、インク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッドだけではなく、勿論、インク以外の液滴を吐出する他の液体噴射ヘッドにおいても、同様に存在する。
【0010】
【特許文献1】特開2003−127358号公報(特許請求の範囲、第3図等)
【特許文献2】特開2003−341056号公報(特許請求の範囲、第2図等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、このような事情に鑑み、圧電素子の変位を阻害することなく個別リード電極と共通リード電極との間でのショートを防止することができる液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、液体を噴射するノズル開口に連通する複数の圧力発生室を有する流路形成基板と、該流路形成基板の一方面側に各圧力発生室に対応して設けられる圧電素子と、前記圧電素子の個別電極から引き出される個別リード電極と前記圧電素子の共通電極から引き出されて前記個別リード電極の間の領域に延設される共通リード電極と、前記流路形成基板の前記圧電素子側の面に接着剤からなる接着層を介して接合され当該圧電素子を保護するための圧電素子保持部を有する保護基板とを有し、
前記個別リード電極及び前記共通リード電極が、密着層と該密着層上に設けられる金属層とで構成され、前記圧電素子保持部内の前記圧電素子よりも外側の領域では、前記共通リード電極の前記密着層の露出した表面が、前記接着層から連続する保護層によって覆われていることを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる第1の態様では、共通リード電極と個別リード電極とが近接して配置されていても、密着層がエレクトロマイグレーションを起こして両リード電極がショートしてしまうのを防止することができる。また、個別リード電極及び圧電素子の端面には保護層が形成されていないため、圧電素子の変位を妨げることもない。
【0013】
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記保護層が、前記接着層を介して前記流路形成基板と前記保護基板とを接合する際に、前記接着層から前記共通リード電極の端面に伝わって形成されたものであることを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる第2の態様では、保護層を比較的容易に形成することができ、且つ前記共通リード電極の密着層が保護層によって確実に覆われた状態となる。
【0014】
本発明の第3の態様は、第1又は2の態様において、前記共通リード電極の前記密着層がその上に設けられた金属層の幅よりも狭い幅を有し、且つ前記個別リード電極の前記密着層がその上に設けられた金属層の幅よりも広い幅を有することを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる第3の態様では、共通リード電極の端面に、共通リード電極の内側に窪んだ凹部が形成されることになり、保護基板を接合するための接着剤がこの凹部を伝って共通リード電極の端面に引き込まれやすくなる。その結果、保護層は、共通リード電極の端面のみに形成され、個別リード電極の端面には殆ど形成されない。
【0015】
本発明の第4の態様は、第1〜3の何れかの態様において、前記共通リード電極の前記金属層の幅が、前記密着層側ほど狭くなっており、当該金属層の端面が内側に向かって傾斜する傾斜面となっていることを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる第4の態様では、共通リード電極の端面に、共通リード電極の内側に窪んだ凹部が実質的に形成されることになり、保護基板を接合するための接着剤がこの凹部を伝って共通リード電極の端面に引き込まれやすくなる。その結果、保護層は、共通リード電極の端面のみに形成され、個別リード電極の端面には殆ど形成されない。
【0016】
本発明の第5の態様は、第1〜4の何れかの態様において、前記接着剤が、エポキシ系あるいはウレタン系の接着剤であることを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる第5の態様では、共通リード電極の端面に、接着剤が良好に伝わるため、密着層が保護層によって確実に覆われる。
【0017】
本発明の第6の態様は、第1〜5の何れかの態様の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置にある。
かかる第6の態様では、ヘッドの信頼性、耐久性を向上した液体噴射装置を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係るインクジェット式記録ヘッドを示す分解斜視図であり、図2は、図1の平面図及び断面図である。図示するように、流路形成基板10は、本実施形態では面方位(110)のシリコン単結晶基板からなり、その一方の面には予め熱酸化によって二酸化シリコンからなる厚さ0.5〜2μmの弾性膜50が形成されている。流路形成基板10には、複数の圧力発生室12がその幅方向に並設されている。また、流路形成基板10の圧力発生室12の長手方向外側の領域には、後述する保護基板のリザーバ部と連通して各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバの一部を構成する連通部13が形成され、連通部13と各圧力発生室12とが、各圧力発生室12毎に設けられたインク供給路14を介して連通されている。
【0019】
また、流路形成基板10の開口面側には、圧力発生室12をエッチングにより形成する際のマスクとして用いられた絶縁膜51を介して、各圧力発生室12のインク供給路14とは反対側の端部近傍に連通するノズル開口21が穿設されたノズルプレート20が接着剤や熱溶着フィルム等によって固着されている。
【0020】
一方、このような流路形成基板10の開口面とは反対側には、上述したように、厚さが例えば約1.0μmの弾性膜50が形成され、この弾性膜50上には、厚さが例えば、約0.4μmの絶縁体膜55が形成されている。さらに、この絶縁体膜55上には、厚さが例えば、約0.2μmの下電極膜60と、厚さが例えば、約1.0μmの圧電体層70と、厚さが例えば、約0.05μmの上電極膜80とが積層形成されて、圧電素子300を構成している。本実施形態では、上電極膜80が圧電体層70と共にパターニングされて各圧電素子300の個別電極となっており、下電極膜60が圧電素子300の並設方向に亘って連続的に設けられ、複数の圧電素子300に共通する共通電極となっている。
【0021】
また、各圧電素子300の個別電極である上電極膜80には、個別リード電極90がそれぞれ接続されている。これらの個別リード電極90は、本実施形態では、その一端が圧電素子300の長手方向に沿って連通部13近傍まで延設されており、後述する保護基板30上に搭載された駆動IC110に接続配線120を介して電気的に接続されている。
【0022】
一方、各圧電素子300の共通電極である下電極膜60には、所定の割合、例えば、10個の圧電素子300に対して一本の割合で共通リード電極91が接続されている。この共通リード電極91は、個別リード電極90の間の領域に形成され、個別リード電極と同様、その一端は連通部13近傍まで延設されて駆動IC110と電気的に接続されている。なお、本実施形態では、共通リード電極91の他端部は、圧力発生室12を画成する隔壁11上まで延設されており、共通リード電極91の幅は、この隔壁11の幅よりも狭い幅で形成されている。
【0023】
このような圧電素子300が形成された流路形成基板10には、圧電素子300に対向する領域にその運動を阻害しない程度の空間を確保可能な圧電素子保持部31を有する保護基板30が接合されている。圧電素子300は、この圧電素子保持部31内に形成されているため、外部環境の影響を殆ど受けない状態で保護されている。なお、圧電素子保持部は、密封されていてもよいし、密封されていなくてもよい。
【0024】
ここで、この保護基板30は、例えば、エポキシ系あるいはウレタン系の接着剤からなる接着層35を介して流路形成基板10に接合されており、共通リード電極91の端面には、この接着層35から連続する保護層36が形成されている。
【0025】
個別リード電極90及び共通リード電極91は、例えば、チタンタングステン(TiW)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、ニッケルクロム(NiCr)合金等の密着性金属からなる密着層92と、この密着層92上に形成され、例えば、金(Au)からなる金属層93とで構成されている。そして、図3に示すように、圧電素子保持部31内の圧電素子300よりも外側の領域では、共通リード電極91を構成する密着層92の露出した表面、すなわち、金属層93が形成されていない領域が、保護層36によって覆われている。なお、保護層36は、圧電素子保持部31内の圧電素子300よりも外側の領域に形成されていればよいが、下電極膜60上の共通リード電極91の端面まで連続的に形成されていてもよいし、圧電素子保持部31の外側の領域の共通リード電極91の端面まで連続的に形成されていてもよい。
【0026】
また、本実施形態に係る個別リード電極90は、密着層92の幅が金属層93の幅よりも広くなるように形成されている。一方、共通リード電極91は、密着層92の幅が金属層93の幅よりも狭くなるように形成されており、共通リード電極91の端面には、絶縁体膜55と金属層93との間に、共通リード電極91の内側に窪んだ凹部91aが形成されている。
【0027】
このため、流路形成基板10と保護基板30とを接着剤からなる接着層35を介して接着する際、共通リード電極91の端面には、上記凹部91aを伝って接着層35から未硬化の接着剤が引き込まれて保護層36が形成されるが、個別リード電極90の端面には凹部が存在しないため、接着剤は殆ど引き込まれることがなく保護層は実質的に形成されない。
【0028】
そして、本実施形態の構成では、このように共通リード電極91の密着層92が保護層36によって覆われているため、隣接する共通リード電極91と個別リード電極90の間でのエレクトロマイグレーションによるショートを防止することができる。エレクトロマイグレーションは、特に、密着層92で生じやすいため、この密着層92の露出した表面を保護層36によって覆うことで、共通リード電極91と個別リード電極90とがショートするのを防止することができる。
【0029】
なお、勿論、この保護層36は、共通リード電極91の密着層92が露出した表面だけでなく、金属層93の表面まで連続的に覆うように形成されていてもよいことは言うまでもない。
【0030】
また、上述したように、保護層36は、共通リード電極91の端面のみ形成され、個別リード電極90の端面には実質的に形成されていないため、保護層36によって圧電素子300の変位を妨げることもない。すなわち、個別リード電極90は、圧電素子300から引き出されているため、個別リード電極90の端面に接着剤が引き込まれて保護層が形成されると、圧電素子300の端面まで連続的に保護層が形成されてしまい圧電素子300の変位を妨げる虞があるが、本発明では共通リード電極91の端面のみに保護層36を形成するようにしているため、このような問題が生じることはない。
【0031】
したがって、本発明の構成によれば、良好なインク吐出特性を維持しつつ、例えば、導通不良等の発生も確実に防止することができる。
【0032】
なお、圧電素子保持部31を有する保護基板30には、さらに、流路形成基板10の連通部13に対応する領域にリザーバ部32が設けられている。このリザーバ部32は、本実施形態では、保護基板30を厚さ方向に貫通して圧力発生室12の並設方向に沿って設けられており、上述したように流路形成基板10の連通部13と連通されて各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバ100を構成している。
【0033】
また、保護基板30の圧電素子保持部31とリザーバ部32との間の領域には、保護基板30を厚さ方向に貫通する貫通孔33が設けられ、この貫通孔33内に上述した個別リード電極及び共通リード電極の先端部が露出されている。そして、これら個別リード電極90及び共通リード電極91は、この貫通孔33内に延設される接続配線120を介して保護基板30上に実装された駆動IC110と接続されている。なお、この貫通孔33内には、有機絶縁材料、例えば、本実施形態では、ポッティング材である封止材130が充填されている。
【0034】
保護基板30の材料としては、例えば、ガラス、セラミックス材料、金属、樹脂等が挙げられるが、流路形成基板10の熱膨張率と略同一の材料で形成されていることがより好ましく、本実施形態では、流路形成基板10と同一材料のシリコン単結晶基板を用いて形成した。
【0035】
また、保護基板30上には、封止膜41及び固定板42とからなるコンプライアンス基板40が接合されている。封止膜41は、剛性が低く可撓性を有する材料(例えば、厚さが6μmのポリフェニレンサルファイド(PPS)フィルム)からなり、この封止膜41によってリザーバ部32の一方面が封止されている。また、固定板42は、金属等の硬質の材料(例えば、厚さが30μmのステンレス鋼(SUS)等)で形成される。この固定板42のリザーバ100に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部43となっているため、リザーバ100の一方面は可撓性を有する封止膜41のみで封止されている。
【0036】
このような本実施形態のインクジェット式記録ヘッドでは、図示しない外部インク供給手段からインクを取り込み、リザーバ100からノズル開口21に至るまで内部をインクで満たした後、駆動IC110からの記録信号に従い、圧力発生室12に対応するそれぞれの下電極膜60と上電極膜80との間に電圧を印加し、弾性膜50、絶縁体膜55、下電極膜60及び圧電体層70をたわみ変形させることにより、各圧力発生室12内の圧力が高まりノズル開口21からインク滴が吐出する。
【0037】
(実施形態2)
図4は、実施形態2に係るインクジェット式記録ヘッドの要部を示す断面図である。
本実施形態は、共通リード電極91及び個別リード電極90を構成する各金属層93の幅を、その厚さ方向で変化させるようにした例である。すなわち、本実施形態では、図4に示すように、共通リード電極91を構成する金属層93の幅が、密着層92側ほど広くなるように形成され、金属層93の端面が外側に向かって傾斜する傾斜面となっている以外は、実施形態1と同様である。なお、このように端面が傾斜面である金属層93は、エッチング液、エッチング時間等を調整することによって形成することができる。
【0038】
また、金属層93の端面が傾斜面となっている場合、共通リード電極91の密着層92の幅は、金属層93の下端側の幅(最大幅)よりも狭くなるようにすればよい。これにより、共通リード電極91の端面には実質的な窪みである凹部91aが形成される。また、個別リード電極90を構成する金属層93の端面も、共通リード電極91の金属層93と同様に傾斜面となっていてもよい。ただし、個別リード電極90は、密着層92の幅が金属層93の下端側の幅(最大幅)よりも広くなるようにする必要がある。すなわち、個別リード電極90の端面には、内側に窪んだ凹部が形成されないようにする必要がある。
【0039】
そして、このような構成とすることで、個別リード電極90の端面には接着剤が回り込みにくくなり、その結果、個別リード電極90が接続する圧電素子300の側面に保護層36が形成されてこの保護層36で圧電素子300の変位が阻害されることがない。一方、共通リード電極91の端面には接着剤がさらに伝わりやすくなるため、保護層36を共通リード電極91の端面のみに良好に形成することができる。
【0040】
また、本実施形態では、共通リード電極91の金属層93は、密着層92側の端部の幅が広くなるように形成されているが、これに限定されず、例えば、図5に示すように、密着層92側の幅が狭くなるように形成されていてもよい。また、このような構成とする場合、密着層92の幅は、金属層93の上端側の幅(最大幅)よりも狭くなるように形成されていればよく、金属層93の密着層92側の端部の幅よりも広く形成されていてもよい。何れにしても、共通リード電極91の端面には、実質的な凹部91aが形成されるため、流路形成基板10と保護基板30とを接着層35を介して接合する際に、共通リード電極91の端面には保護層36が良好に形成される。
【0041】
(他の実施形態)
以上、本発明の各実施形態を説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。また、上述した実施形態のインクジェット式記録ヘッドは、インクカートリッジ等と連通するインク流路を具備する記録ヘッドユニットの一部を構成して、インクジェット式記録装置に搭載される。図6は、そのインクジェット式記録装置の一例を示す概略図である。図6に示すように、インクジェット式記録ヘッドを有する記録ヘッドユニット1A及び1Bは、インク供給手段を構成するカートリッジ2A及び2Bが着脱可能に設けられ、この記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられている。この記録ヘッドユニット1A及び1Bは、例えば、それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物を吐出するものとしている。そして、駆動モータ6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ローラなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シートSがプラテン8上を搬送されるようになっている。
【0042】
また、上述した実施形態においては、本発明の液体噴射ヘッドの一例としてインクジェット式記録ヘッドを説明したが、液体噴射ヘッドの基本的構成は上述したものに限定されるものではない。本発明は、広く液体噴射ヘッドの全般を対象としたものであり、インク以外の液体を噴射するものにも勿論適用することができる。その他の液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンタ等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレー、FED(面発光ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】実施形態1に係る記録ヘッドの分解斜視図である。
【図2】実施形態1に係る記録ヘッドの平面図及び断面図である。
【図3】実施形態1に係る記録ヘッドの要部を示す平面図及び断面図である。
【図4】実施形態2に係る記録ヘッドの要部を示す断面図である。
【図5】実施形態2に係る記録ヘッドの変形例を示す断面図である。
【図6】一実施形態に係る記録装置の概略図である。
【符号の説明】
【0044】
10 流路形成基板、 12 圧力発生室、 20 ノズルプレート、 21 ノズル開口、 30 保護基板、 31 圧電素子保持部、 32 リザーバ部、 33 貫通孔、 35 接着剤、 40 コンプライアンス基板、 50 弾性膜、 55 絶縁体膜、 60 下電極膜、 70 圧電体膜、 80 上電極膜、 90 個別リード電極、 91 共通リード電極、 100 リザーバ、 110 駆動IC、 120 接続配線、 130 封止材、 300 圧電素子




 

 


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