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発明の名称 静電アクチュエータの製造方法、液滴吐出ヘッドの製造方法及び液滴吐出装置の製造方法並びにデバイスの製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−8013(P2007−8013A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−191936(P2005−191936)
出願日 平成17年6月30日(2005.6.30)
代理人 【識別番号】100085198
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 久夫
発明者 坂下 友樹
要約 課題
ガラス基板表面に存在するガラス片等の異物をほぼ完全に除去することができ、歩留まりの高い静電アクチュエータの製造方法を提供する。

解決手段
ガラス基板2aの表面に電極11を形成する工程と、ガラス基板2aの電極11が形成されていない部分に穴部17を形成する工程と、電極11及び穴部17が形成されたガラス基板2aを電解水を洗浄液として超音波洗浄する工程と、電解水を洗浄液として超音波洗浄されたガラス基板2aをシリコン基板1aと陽極接合する工程とを有するものである。
特許請求の範囲
【請求項1】
ガラス基板の表面に電極を形成する工程と、
前記ガラス基板の電極が形成されていない部分に穴部を形成する工程と、
前記電極及び前記穴部が形成されたガラス基板を電解水を洗浄液として超音波洗浄する工程と、
前記電解水を洗浄液として超音波洗浄されたガラス基板をシリコン基板と陽極接合する工程と
を有することを特徴とする静電アクチュエータの製造方法。
【請求項2】
前記ガラス基板をシリコン基板と陽極接合する工程の前に、前記電解水を洗浄液として超音波洗浄されたガラス基板を、超純水を用いて超音波洗浄する工程を有することを特徴とする請求項1記載の静電アクチュエータの製造方法。
【請求項3】
前記ガラス基板をシリコン基板と陽極接合する工程の前に、前記超純水を用いて超音波洗浄されたガラス基板に、酸素プラズマによるアッシングを行う工程を有することを特徴とする請求項2記載の静電アクチュエータの製造方法。
【請求項4】
前記ガラス基板をシリコン基板と陽極接合する工程の前に、前記酸素プラズマによるアッシングが行われたガラス基板を、再び電解水を洗浄液として超音波洗浄する工程を有することを特徴とする請求項3記載の静電アクチュエータの製造方法。
【請求項5】
前記ガラス基板をシリコン基板と陽極接合する工程の前に、再び電解水を洗浄液として超音波洗浄されたガラス基板を、さらに超純水を用いて超音波洗浄する工程を有することを特徴とする請求項4記載の静電アクチュエータの製造方法。
【請求項6】
ガラス基板の表面に電極を形成する工程と、
前記ガラス基板の電極が形成されていない部分に穴部を形成する工程と、
前記電極及び前記穴部が形成されたガラス基板に酸素プラズマによるアッシングを行う工程と、
前記酸素プラズマによるアッシングが行われたガラス基板を、電解水を洗浄液として超音波洗浄する工程と、
前記電解水を洗浄液として超音波洗浄されたガラス基板をシリコン基板と陽極接合する工程と
を有することを特徴とする静電アクチュエータの製造方法。
【請求項7】
前記ガラス基板をシリコン基板と陽極接合する工程の前に、前記電解水を洗浄液として超音波洗浄されたガラス基板を、超純水を用いて超音波洗浄する工程を有することを特徴とする請求項6記載の静電アクチュエータの製造方法。
【請求項8】
前記電極を、ITOによって形成することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の静電アクチュエータの製造方法。
【請求項9】
前記穴部を、サンドブラスト法を用いて形成することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の静電アクチュエータの製造方法。
【請求項10】
前記超音波洗浄の洗浄液として、pHが11〜12の強アルカリ性電解水を用いることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の静電アクチュエータの製造方法。
【請求項11】
前記ガラス基板をシリコン基板と陽極接合する工程の後に、前記シリコン基板をエッチング加工することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の静電アクチュエータの製造方法。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれかに記載の静電アクチュエータの製造方法を適用して液滴吐出ヘッドを製造することを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
【請求項13】
請求項12記載の液滴吐出ヘッドの製造方法を適用して液滴吐出装置を製造することを特徴とする液滴吐出装置の製造方法。
【請求項14】
請求項1〜11のいずれかに記載の静電アクチュエータの製造方法を適用してデバイスを製造することを特徴とするデバイスの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電アクチュエータの製造方法、液滴吐出ヘッドの製造方法及び液滴吐出装置の製造方法並びにデバイスの製造方法に関し、特にガラス基板からガラス片等の異物を充分に除去することができ、歩留まりの高い静電アクチュエータの製造方法及びこの静電アクチュエータの製造方法を用いた液滴吐出ヘッドの製造方法、デバイスの製造方法並びに液滴吐出装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の静電駆動方式のインクジェットヘッド(液滴吐出ヘッド)の製造工程では、ガラス基板上にITO等からなる個別電極を形成した後、サンドブラスト法(微粒子を吹き付て穴等を形成する方法)によってインク供給穴を形成していた。その後、ガラス基板とシリコン基板を陽極接合し、シリコン基板表面に形成された酸化シリコン膜をフォトリソグラフィーによってパターニングしてから、シリコン基板に吐出室となる凹部等を形成していた。
【0003】
このような静電駆動方式のインクジェットヘッドの製造工程において、陽極接合する際のガラス基板にインク供給穴形成時に発生したガラス片、大気中の異物、インク供給穴を形成する際に用いられる有機膜等からなるドライフィルムのカスなどが存在すると、陽極接合後のエッチング工程において吐出室となる凹部等が形成されたときに、吐出室の底面を形成する振動板がガラス片等によって欠損を引き起こすという問題点があった。またガラス基板とシリコン基板の接合部分にガラス片等の異物が挟まった場合には、振動板と電極の間のギャップに液体等が浸入して駆動不良を引き起こすという問題点があった。
このようなことを防止するために、陽極接合の前にガラス基板上及びシリコン基板上に存在するガラス片等の異物をほぼ完全に除去する必要がある。
【0004】
このため従来のインクジェットヘッドの製造方法では、シリコン基板表面に付着した金属を除去するために、SC−2洗浄(塩酸と過酸化水素水の混合液による洗浄)を行ってから熱処理、加工等を行って、歩留まりを向上させるようにしていた(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−276208号公報(第1頁、図5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし従来のインクジェットヘッドの製造方法では(例えば、特許文献1参照)、シリコン基板表面に付着した金属を除去するためにSC−2洗浄を行っているものの、ガラス基板表面に付着したガラス片等の異物の除去は充分に行われていなかった。
またガラス基板の加工時に使用されるドライフィルムの除去は、従来の一般的な洗浄方法では困難であるという問題点があった。
さらにスクラブ洗浄等の物理的洗浄を行った場合においても、ガラス基板表面からガラス片等の異物を完全に除去することは困難であるという問題点もあった。
【0006】
本発明は、ガラス基板表面に存在するガラス片等の異物をほぼ完全に除去することができ、歩留まりの高い静電アクチュエータの製造方法及びこの静電アクチュエータの製造方法を用いた歩留まりの高い液滴吐出ヘッドの製造方法、液滴吐出装置の製造方法並びにデバイスの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る静電アクチュエータの製造方法は、ガラス基板の表面に電極を形成する工程と、ガラス基板の電極が形成されていない部分に穴部を形成する工程と、電極及び穴部が形成されたガラス基板を電解水を洗浄液として超音波洗浄する工程と、電解水を洗浄液として超音波洗浄されたガラス基板をシリコン基板と陽極接合する工程とを有するものである。
電極及び穴部が形成されたガラス基板を電解水を洗浄液として超音波洗浄することにより、穴部を形成する際に生じたガラス片等の異物をガラス基板から充分に除去することができるため、ガラス基板とシリコン基板を陽極接合する際にガラス基板及びシリコン基板に欠損が生じることを防止することができる。
また電解水を洗浄液として超音波洗浄することにより、ガラス基板及びガラス片等の異物を同じ電荷に帯電させることができるため、ガラス片等の異物が再付着するのを防止することができる。
【0008】
また本発明に係る静電アクチュエータの製造方法は、ガラス基板をシリコン基板と陽極接合する工程の前に、電解水を洗浄液として超音波洗浄されたガラス基板を、超純水を用いて超音波洗浄する工程を有するものである。
ガラス基板を電解水を洗浄液として超音波洗浄した後に、超純水を用いて超音波洗浄を行うことにより、ガラス基板から電解水をほぼ完全に除去することができ、振動板等のアクチュエータ部が駆動不良を起こすのを防止することができる。
【0009】
また本発明に係る静電アクチュエータの製造方法は、ガラス基板をシリコン基板と陽極接合する工程の前に、超純水を用いて超音波洗浄されたガラス基板に、酸素プラズマによるアッシングを行う工程を有するものである。
ガラス基板を超純水を用いて超音波洗浄した後に、酸素(O2)プラズマによるアッシングを行うことで、穴部の形成の際に用いられるドライフィルムのカス等を除去することができ、ガラス基板とシリコン基板を陽極接合する際にガラス基板及びシリコン基板に欠損が生じることを防止することが可能となる。
【0010】
また本発明に係る静電アクチュエータの製造方法は、ガラス基板をシリコン基板と陽極接合する工程の前に、酸素プラズマによるアッシングが行われたガラス基板を、再び電解水を洗浄液として超音波洗浄する工程を有するものである。
ガラス基板に酸素プラズマによるアッシングを行った後に、再び電解水を洗浄液として超音波洗浄することにより、アッシング工程におけるガラス基板の搬送時等に付着した大気中の異物などを除去することができる。
【0011】
また本発明に係る静電アクチュエータの製造方法は、ガラス基板をシリコン基板と陽極接合する工程の前に、再び電解水を洗浄液として超音波洗浄されたガラス基板を、さらに超純水を用いて超音波洗浄する工程を有するものである。
ガラス基板を再び電解水を洗浄液として超音波洗浄した後に、さらに超純水を用いて超音波洗浄することにより、ガラス基板から電解水をほぼ完全に除去することができ、振動板等のアクチュエータ部が駆動不良を起こすのを防止することができる。
【0012】
また本発明に係る静電アクチュエータの製造方法は、ガラス基板の表面に電極を形成する工程と、ガラス基板の電極が形成されていない部分に穴部を形成する工程と、電極及び穴部が形成されたガラス基板に酸素プラズマによるアッシングを行う工程と、酸素プラズマによるアッシングが行われたガラス基板を、電解水を洗浄液として超音波洗浄する工程と、電解水を洗浄液として超音波洗浄されたガラス基板をシリコン基板と陽極接合する工程とを有するものである。
電極及び穴部が形成されたガラス基板に酸素プラズマによるアッシングを行うことにより、穴部の形成の際に用いられるドライフィルムのカス等を除去することができ、ガラス基板とシリコン基板を陽極接合する際にガラス基板及びシリコン基板に欠損が生じることを防止することが可能となる。
またガラス基板を電解水を洗浄液として超音波洗浄することにより、穴部を形成する際に生じたガラス片等の異物をガラス基板から充分に除去することができるため、ガラス基板とシリコン基板を陽極接合する際にガラス基板及びシリコン基板に欠損が生じることを防止することができる。
さらに電解水を洗浄液として超音波洗浄することにより、ガラス基板及びガラス片等の異物を同じ電荷に帯電させることができるため、ガラス片等の異物が再付着するのを防止することができる。
【0013】
また本発明に係る静電アクチュエータの製造方法は、ガラス基板をシリコン基板と陽極接合する工程の前に、電解水を洗浄液として超音波洗浄されたガラス基板を、超純水を用いて超音波洗浄する工程を有するものである。
ガラス基板を電解水を洗浄液として超音波洗浄した後に、超純水を用いて超音波洗浄を行うことにより、ガラス基板から電解水をほぼ完全に除去することができ、振動板等のアクチュエータ部が駆動不良を起こすのを防止することができる。
【0014】
また本発明に係る静電アクチュエータの製造方法は、上記の電極を、ITOによって形成するものである。
電極をITO(Indium Tin Oxide)によって形成することにより、静電アクチュエータのアクチュエータ部を容易に形成することができる。なお静電アクチュエータの一種である静電駆動方式の液滴吐出ヘッドでは、一般的に電極をITOで形成することが多い。
【0015】
また本発明に係る静電アクチュエータの製造方法は、上記の穴部を、サンドブラスト法を用いて形成するものである。
例えば静電駆動方式の液滴吐出ヘッドにおいて、液滴を供給するための穴部をサンドブラスト法を用いて形成することにより、容易に穴部を形成することができる。なおこのサンドブラスト法を用いて穴部を形成する際に発生するガラス片を、電解水を洗浄液とした超音波洗浄で除去すれば、ガラス片をほぼ完全に除去することができる。
【0016】
また本発明に係る静電アクチュエータの製造方法は、超音波洗浄の洗浄液として、pHが11〜12の強アルカリ性電解水を用いるものである。
超音波洗浄の洗浄液としてpHが11〜12の強アルカリ性電解水を用いることにより、例えば電極をITOで形成している場合に、酸に弱いITOがダメージを受けるのを防止することができる。
また、ガラス基板及びガラス片等の異物を負電荷に帯電させることができるため、ガラス基板とガラス片等の異物が反発し、ガラス片等の異物が再付着するのを防止することができる。
【0017】
また本発明に係る静電アクチュエータの製造方法は、ガラス基板をシリコン基板と陽極接合する工程の後に、シリコン基板をエッチング加工するものである。
ガラス基板をシリコン基板と陽極接合した後にシリコン基板をエッチング加工すれば、シリコン基板のハンドリングが容易となり、歩留まりを向上させることができる。
なお上記のように、ガラス基板とシリコン基板を陽極接合する前に電解水を洗浄液としてガラス基板を超音波洗浄することにより、ガラス基板及びシリコン基板が欠損するのを効果的に防止することができる。
【0018】
本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法は、上記のいずれかの静電アクチュエータの製造方法を適用して液滴吐出ヘッドを製造するものである。
上記のいずれかの静電アクチュエータの製造方法を適用して液滴吐出ヘッドを製造することにより、歩留まりを向上させることができ、また駆動安定性の高い液滴吐出ヘッドを得ることができる。
【0019】
本発明に係る液滴吐出装置の製造方法は、上記の液滴吐出ヘッドの製造方法を適用して液滴吐出装置を製造するものである。
上記の液滴吐出ヘッドの製造方法を適用して液滴吐出装置を製造することにより、歩留まりを向上させることができ、また安定性の高い液滴吐出装置を得ることができる。
【0020】
本発明に係るデバイスの製造方法は、上記のいずれかの静電アクチュエータの製造方法を適用してデバイスを製造するものである。
上記のいずれかの静電アクチュエータの製造方法を適用してデバイスを製造することにより、歩留まりを向上させることができ、また駆動安定性の高いデバイスを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
実施形態1.
図1は、本発明の実施形態1に係る液滴吐出ヘッドを示した分解斜視図である。本実施形態1に係る液滴吐出ヘッドは、静電駆動方式のものであり、ノズル基板3に対して垂直方向に液滴を吐出するフェイスイジェクトタイプのものであるとする。なお吐出方式は、ノズル基板3に平行に液滴を吐出するサイドイジェクトタイプのものであってもよい。また図1では、ノズル基板3にノズル20が2列設けられており、吐出室5及び電極11も2列設けられているものを示しているが、これらは1列若しくは3列以上設けるようにしてもよい。
本実施形態1では、静電アクチュエータの例として静電駆動方式の液滴吐出ヘッドを採り上げて説明する。
【0022】
本実施形態1の液滴吐出ヘッドは、主にキャビティ基板1、電極基板2及びノズル基板3が接合されることにより構成されている。キャビティ基板1は、例えば厚さが50μmの単結晶シリコンからなり、以下に示す所定の加工が施されている。なお図1では、キャビティ基板1として(110)面方位の単結晶シリコンを使用している。キャビティ基板1には、単結晶シリコンを異方性ウェットエッチングすることにより、底壁が振動板4となっている複数の吐出室5及び各ノズル20から吐出する液滴を溜めておくためのリザーバ7が形成されている。
またキャビティ基板1の電極基板2側には、振動板4と電極11の短絡及び絶縁膜破壊を防止するための絶縁膜が形成されている(図1において図示せず)。この絶縁膜は、例えばTEOS(Tetraethylorthosilicate Tetraethoxysilane、珪酸エチル)膜をCVD(Chemical Vapor Deposition)によって、厚さ0.1μmで形成することができる。
【0023】
電極基板2は、例えば厚さが1mmのホウ珪酸ガラスからなり、キャビティ基板1の振動板4側に接合されている。この電極基板2には、キャビティ基板1の振動板4及び吐出室5の位置に合わせて、例えば深さが0.2μmの電極用凹部10aがエッチングにより形成されている。この電極用凹部10aの内部には電極11が形成されており、リード部12及び端子部13に繋がっている。なお電極用凹部10aは、少なくともリード部12の部分まで形成されているものとする。電極11、リード部12及び端子部13は、酸化錫をドープしたITO(Indium Tin Oxide、インジウム錫酸化物)等からなり、電極用凹部10aの内部に例えばスパッタにより厚さ0.1μmで形成されている。
【0024】
複数の電極11はその長手方向がほぼ平行になるように設けられており、電極基板2の電極11の長手方向に垂直な方向にずらした位置に等電位接点15が設けられている。この等電位接点15は、例えば電極11と同じITO等から形成されており、キャビティ基板1に形成された接点用凹部10bから伸びた状態で形成されている。なお等電位接点15については、後に説明する。
また電極基板2の電極11が形成されていない部分には、リザーバ7に液滴を供給するための穴部17が設けられている。
【0025】
ノズル基板3は、例えば厚さ180μmのシリコン基板からなり、キャビティ基板1の電極基板2が接合された面の反対側の面に接合されている。ノズル基板3には、吐出室5と連通するノズル20が形成されており、キャビティ基板1の接合された面の反対側の面から液滴を吐出するようになっている。またノズル基板3のキャビティ基板1の接合された面には、吐出室5とリザーバ7を連通するためのオリフィス21が設けられている。なおオリフィス21は、キャビティ基板1に設けるようにしてもよい。
【0026】
図2は、図1に示す液滴吐出ヘッドの縦断面図である。なお図2(a)は吐出室5の長手方向の縦断面図であり、図2(b)は接点用凹部10b(等電位接点15)の長手方向の縦断面図である。また図2では、図1の液滴吐出ヘッドの右半分のみを示している。
まず、図2(a)を用いて本実施形態1の液滴吐出ヘッドの動作について説明する。吐出室5は、ノズル20から吐出するための液滴を溜めており、吐出室5の底壁である振動板4を撓ませることにより吐出室5内の圧力を高め、ノズル20から液滴を吐出させる。 なお、振動板4を撓ませるために、電極11と繋がった端子部13と、キャビティ基板1に発振回路23(図2(a)において模式的に図示)を接続し、電極11と振動板4の間に電位差を生じさせるようにしている。このように、2つのものに電位差を生じさせて静電気力によって駆動を行う機構は、一般的に静電アクチュエータと呼ばれている。
【0027】
本実施形態1の液滴吐出ヘッドの振動板4は、ボロン・ドープ層4aと絶縁膜4bとから構成されている。このボロン・ドープ層4aは、ボロンを高濃度(約5×1019atoms/cm3以上)にドープして形成されており、例えばアルカリ性水溶液で単結晶シリコンをエッチングしたときに、エッチング速度が極端に遅くなるいわゆるエッチングストップ層となっている。ボロン・ドープ層4aがエッチングストップ層として機能するため、振動板4の厚み及び吐出室5の容積を高精度で形成することができる。なお絶縁膜4bは、上述のようにTEOS膜等から構成されている。
なお振動板4と電極11の間のギャップは、封止材22によって封止されている。
【0028】
また図2(b)に示すように、絶縁膜4bの等電位接点15に対応する部分は除去されており、この部分は開口部となっている。この開口部には、ITO等からなる等電位接点15が形成されており、キャビティ基板1のボロン・ドープ層4aと接続されている。なお、上記のように等電位接点15の延長線上にも接点用凹部10bが形成されており、その内部にはITO等からなる配線が形成されている。また等電位接点15は、例えばこの接点用凹部10bの先端からキャビティ基板1に乗り上げる形で形成されている(図1参照)。
なお本実施形態1では、図1に示すように等電位接点15の形状を線状にしているが、等電位接点15の形状はこれ以外の形状でもよい。
【0029】
図3は、電極基板2となるガラス基板2aをシリコン基板1a(キャビティ基板1となる基板)の接合される側から見た図である。図3は、ウェハ状のガラス基板2aがダイシング(後述)によって切断される前の、個々の液滴吐出ヘッドとなる部分の周辺を示している。なお本実施形態1に係る液滴吐出ヘッドの製造方法については後に詳述する。
等電位接点15は、陽極接合のときにキャビティ基板1と電極11を等電位にする機能を有する。この等電位接点15と複数の電極11は、図3に示すように凹部31の内部に設けられたITO等の配線32を介して電気的に接続されている。なお、等電位接点15は、1つの液滴吐出ヘッドとなる部分に2つ以上設けてもよい。
【0030】
ここで上述のように、等電位接点15の部分には接点用凹部10bを形成しないようにする。そして、例えば接点用凹部10bの先端部からガラス基板2aの表面に乗り上げる形でITO等からなる等電位接点15を形成する。なお等電位接点15は、電極11と同時に形成するのが望ましく、この場合、等電位接点15は0.1μm(電極11と同じ厚さ)だけガラス基板2aから突出した状態となる。この等電位接点15は、キャビティ基板1に形成された絶縁膜4bの開口部の部分でボロン・ドープ層4aと接続される(図2(b)参照)。
なお図3に示すダイシングライン1及びダイシングライン2は、シリコン基板1aとガラス基板2aを接合した接合基板(後述)から液滴吐出ヘッドのチップを切り出す際に切断される部分である。ダイシイングライン2に沿って接合基板を切断することにより、等電位接点15と電極11を接続する配線32を切り落とし、キャビティ基板1と電極11の電気的接続を断つようにする。これにより、ダイシングによって個々の液滴吐出ヘッドが切り出された後に、液滴吐出ヘッドの駆動が可能となる。
【0031】
図4及び図5は、本発明の実施形態1に係る液滴吐出ヘッドの製造工程を示す縦断面図である。なお図4及び図5は、図1及び図2に示す液滴吐出ヘッドを製造する工程を示しており、特に図3に示すガラス基板2aを製造する工程を示している。また図4及び図5は、主に吐出室5の長手方向の縦断面(図2(a)の断面)を示しているが、接点用凹部10bの長手方向の縦断面(図2(b)の断面)を示す場合はそれを明示する。さらに図4及び図5は、個々の液滴吐出ヘッドのチップとなる部分の周辺部を示している。
以下、図4から図8を用いて本発明の静電アクチュエータの製造方法を用いた液滴吐出ヘッドの製造方法について説明する。
【0032】
まず、例えばホウ珪酸系耐熱硬質ガラスからなるガラス基板2aを両面研磨して厚さを1mmにしてから(図4(a))、ガラス基板2aの片面にスパッタによって例えば厚さ0.1μmのクロム膜40を成膜する(図4(b))。
次に、クロム膜40の表面に電極用凹部10a、接点用凹部10b、凹部31を作り込むためのレジストパターニングを施し(図3参照)、硝酸第2セリウムアンモニウム水溶液と過塩素酸水溶液の混合液を用いて電極用凹部10a、接点用凹部10b、凹部31の部分のクロム膜40を除去する(図4(c))。なお図4(c)では、電極用凹部10aとなる部分のクロム膜40が除去された状態を示している。
【0033】
そして、クロム膜40をエッチングマスクとしてフッ化アンモニウム水溶液を用いてガラス基板2aをエッチングし、電極用凹部10a、接点用凹部10b、凹部31を形成する(図4(d))。なお図4(d)において、接点用凹部10b、凹部31は図示していない。その後、例えば有機剥離液を用いて図4(c)の工程で形成したレジストを剥離する。
それから、硝酸第2セリウムアンモニウム水溶液と過塩素酸水溶液の混合液を用いてガラス基板2aの表面に形成されたクロム膜40をすべて除去する(図4(e))。
次に、ガラス基板2aの電極用凹部10a等が形成されている面の全体に酸化錫をドープしたITOを例えば厚さ0.1μmでスパッタし、ITO膜41を成膜する(図4(f))。
【0034】
その後、ITO膜41の表面にレジストを電極11(リード部12及び端子部13を含む)、配線32、等電位接点15の形状(図3参照)にパターニングした後、ITO膜41を硝酸と塩酸の混合液を用いてエッチングして電極11(リード部12及び端子部13を含む)、配線32、等電位接点15を形成する(図5(g)、図5(g’))。なお図5(g’)は、接点用凹部10bの長手方向の縦断面(図2(b)の断面)を示している。この際、上記のように電極11は電極用凹部10a内に、配線32は凹部31内に形成する。また等電位接点15はガラス基板2aに乗り上げる形に形成する。
そしてガラス基板2aの電極11が形成されていない部分に、サンドブラスト法を用いてリザーバ7に液滴を供給するための穴部17を形成する(図5(h))。なお穴部17は、ドリル加工によって形成してもよいが、本実施形態1ではサンドブラスト法によって形成するものとする。
これにより、図3に示すようなガラス基板2aが完成する。
【0035】
図6は、ガラス基板2aの洗浄工程の流れを示すフローチャートである。本実施形態1に係る液滴吐出ヘッドの製造方法では、図5(h)の工程においてサンドブラスト法で穴部17が形成されたガラス基板2aに対して洗浄を行う。この洗浄工程について、図6を用いて説明する。
まず、図5(h)までの処理が行われたガラス基板2aに対して電解水を洗浄液として超音波洗浄を行う(図6(A))。このとき洗浄液として使用する電解水は、例えば電解質として水酸化ナトリウム(NaOH)を主成分とするものを用いることができ、電解質含有量は、例えば0.40%程度である。また本実施形態1では、この洗浄液としてpHが11〜12の強アルカリ性電解水を用いる。
これにより、サンドブラスト法により穴部17を形成する際に生じたガラス片等の異物をガラス基板2aからほぼ完全に除去することができる。また強アルカリ性の電解水を洗浄液として超音波洗浄することにより、ガラス基板2a及びガラス片等の異物を負(マイナス)電荷に帯電させることができるため、ガラス片等の異物が再付着するのを防止することができる。
【0036】
次に、ガラス基板2aを超純水を用いて超音波洗浄(リンス)する(図6(B))。なお超純水とは、ppb(μg/l)オーダーの濃度で不純物を含有している水のことをいい、比抵抗は10〜18.3MΩcm程度である。
これにより、図6(A)の洗浄工程で電極11等に付着した電解質をほぼ完全に除去することができ、電解質の堆積によって振動板4等のアクチュエータ部が駆動不良を起こすのを防止することができる。
【0037】
それから、ガラス基板2aに対して酸素(O2)プラズマによるアッシングを行う(図6(C))。このO2プラズマアッシングは、薬液等を使用しないドライ洗浄であって、サンドブラスト法による穴部17の形成の際に保護膜として用いられるドライフィルムのカスを除去することを主な目的としている。なおドライフィルムは、一般的に樹脂等の有機膜からなる場合が多い。
これにより、ガラス基板2aとシリコン基板1a(後述)を陽極接合する際に、ドライフィルムのカスによってガラス基板2a及びシリコン基板1aに欠損が生じることを防止することができる。
【0038】
そして、再びガラス基板2aに対して電解水を洗浄液として超音波洗浄を行う(図6(D))。このとき洗浄液として使用する電解水は、図6(A)の工程と同様にpHが11〜12の強アルカリ性電解水を用いる。
図6(D)の電解水を用いた超音波洗浄の工程は、主に図6(C)のO2アッシング工程におけるガラス基板2aの搬送時に付着した大気中の異物などを除去することを目的としている。
【0039】
最後に、再びガラス基板2aを超純水を用いて超音波洗浄(リンス)する(図6(E))。
これにより、図6(D)の洗浄工程で電極11等に付着した電解質をほぼ完全に除去することができ、電解質の堆積によって振動板4等のアクチュエータ部が駆動不良を起こすのを防止することができる。
【0040】
図6に示すガラス基板2aの洗浄工程を行うことにより、液滴吐出ヘッドの製造における歩留まりを飛躍的に向上させることができる。図6に示すガラス基板2aの洗浄工程を行わなかった場合の液滴吐出ヘッドの歩留まりが8%程度であったのに対して、図6の示すガラス基板2aの洗浄工程を行った場合の液滴吐出ヘッドの歩留まりは38%程度であった。
なお本実施形態1では、図6(A)から図6(E)の5つの洗浄工程を行っているが、例えば図6(A)及び図6(B)の工程を省略して図6(C)から図6(E)の洗浄工程のみを行うようにしてもよい。この場合、洗浄効果は上記のものよりも多少劣るが、洗浄工程を簡略化することができる。
【0041】
図7及び図8は、本発明の実施形態1に係る液滴吐出ヘッドの製造工程を示す縦断面図である。なお図7及び図8は、図1及び図2に示す液滴吐出ヘッドを製造する工程を示しており、特にキャビティ基板1となるシリコン基板1aを製造する工程及びシリコン基板1aとガラス基板2aを接合してから液滴吐出ヘッドを製造する工程を示している。また図7及び図8は、主に吐出室5の長手方向の縦断面(図2(a)の断面)を示しているが、接点用凹部10bの長手方向の縦断面(図2(b)の断面)を示す場合はそれを明示する。さらに図7及び図8は、個々の液滴吐出ヘッドのチップとなる部分の周辺部を示している。
【0042】
まず、例えば面方位が(110)で酸素濃度の低いシリコン基板1aの片面を鏡面研磨し、厚さが220μmのシリコン基板1aを作製し、吐出室5等が形成される面の反対面にボロンドープ層4aを形成する(図7(a))。具体的には、シリコン基板1aをB23を主成分とする固体の拡散源に対向させて石英ボートにセットし、この石英ボートを例えば縦型炉に入れる。そして縦型炉の内部を、温度が1050℃の窒素雰囲気にして7時間保持し、シリコン基板1aにボロンを拡散させて、ボロンドープ層50を形成する。このとき、シリコン基板1aの投入温度を800℃とし、温度を1050℃まで上げた後に、シリコン基板1aの取出し時の温度も800℃とする。これにより、シリコン基板1aの酸素欠陥の成長速度が早い600℃から800℃の領域を素早く通過させることができ、酸素欠陥の成長を抑制することができる。
【0043】
なお上記のボロン拡散の工程において、ボロンドープ層4aの表面にSiB2膜(図示せず)が形成されるが、温度が600℃の酸素及び水蒸気雰囲気中で1時間30分程度酸化することで、フッ酸水溶液でエッチング可能なB23とSiO2に化学変化させることができる。このようにSiB2膜をB23とSiO2に化学変化させた後に、緩衝フッ酸溶液によってB23とSiO2をエッチングして除去する。
【0044】
そして、例えばプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)によって厚さ0.1μmのTEOSからなる絶縁膜4bをシリコン基板1aのボロンドープ層4a側の面に形成する(図7(b))。このときの絶縁膜4bの成膜条件は、例えば、温度360℃、高周波出力250W、圧力66.7Pa(0.5Torr)、TEOS流量100cm3/分(100sccm)、酸素流量1000cm3/分(1000sccm)である。
それから、ボロンドープ層4aの形成された側の面に、等電位接点15を形成するための開口部50の形状にレジストをパターニングする。そしてシリコン基板1aをエッチングすることにより開口部50の部分の絶縁膜4bを除去する(図7(b’))。なお図7(b’)は、接点用凹部10bの長手方向の縦断面(図2(b)の断面)を示している。
【0045】
次に、図7(b’)に示されるシリコン基板1aと図6に示す洗浄工程が終了したガラス基板2aを陽極接合により接合して接合基板を形成する(図7(c)、図7(c’))。この陽極接合は、例えばシリコン基板1aとガラス基板2aを360℃に加熱した後に、シリコン基板1aとガラス基板2aの間に800Vの電圧を印加して行う。なお、陽極接合の際にITO等の損傷を防止するため例えば10mA以上の電流が流れないようにするのが望ましい。この陽極接合の際に、開口部50において等電位接点15がキャビティ基板1のボロンドープ層4aと接続されるようにする(図7(c’)参照)。なお図7(c’)は、接点用凹部10bの長手方向の縦断面(図2(b)の断面)を示している。
なおこの陽極接合の際に、電極用凹部10aと凹部31は連通した状態で密閉されることとなる。
【0046】
シリコン基板1aとガラス基板2aを陽極接合した後に、例えば研削加工によってシリコン基板1aを厚さが60μmになるまで薄板化する。そして、例えば32重量%の水酸化カリウム水溶液を用いてシリコン基板1aを10μmエッチングし、研削加工の際に発生した加工変質層を除去する(図7(d))。これにより、シリコン基板1aの厚さは50μmとなる。なお図7(d)のシリコン基板1aの薄板化の工程は、すべてエッチングによって行うようにしてもよい。
それから、シリコン基板1aの表面全体にプラズマCVDによって厚さ1.5μmのTEOS膜51を形成する(図8(e))。このプラズマCVDによるTEOS膜51の成膜条件は、例えば、温度360℃、高周波出力700W、圧力33.3Pa(0.25Torr)、TEOS流量100cm3/分(100sccm)、酸素流量1000cm3/分(1000sccm)である。このTEOS膜51は、後の水酸化カリウム水溶液によるエッチングの際のエッチングマスクとなる。
【0047】
そしてこのTEOS膜51に、吐出室5となる凹部5a、リザーバ7となる凹部7a及び電極取出し部を形成するためのレジストをシリコン基板1aにパターニングし、例えば緩衝フッ酸溶液によって吐出室5となる凹部5aの部分、リザーバ7となる凹部7aの部分及び電極取出し部の部分のTEOS膜51をエッチング除去する。なおここで電極取出し部とは、端子部13が露出している部分をいうものとする(図2(b)参照)。
その後、シリコン基板1aを35重量%の水酸化カリウム水溶液で、吐出室5となる凹部5aの部分及び電極取出し部を形成する部分の厚さが10μmになるまでエッチングして薄板化する。なおこのときリザーバ7となる凹部7aの部分は、TEOS膜51をハーフエッチングすることによりエッチングを遅らせている。
さらに、シリコン基板1aを3重量%の水酸化カリウム水溶液でエッチングを行い、吐出室5となる凹部5aとなる部分及び電極取出し部を形成する部分において、ボロンドープ層4aによるエッチングストップが十分効くまでエッチングを続ける(図8(f))。
【0048】
ここでエッチングストップとは、エッチングされるシリコン基板1aの表面から気泡が発生しなくなった状態をいうものとし、実際には気泡が発生しなくなるまでエッチングを行う。これにより吐出室5となる凹部5a、リザーバ7となる凹部7a及び電極取出し部の部分が形成されることとなる。
上記のように、2種類の濃度の異なる水酸化カリウム水溶液を使用してエッチングを行うことにより、吐出室5の底壁である振動板4の面荒れを0.05μm以下に抑えることができ、液滴吐出ヘッド10の吐出性能を安定化することができる。なおここでは、振動板4の厚さを0.8μmとしている。
【0049】
それから、フッ酸水溶液を用いてシリコン基板1aに形成されているTEOS膜51をすべて除去する。
その後、RIE(Reactive Ion Etching)によってシリコン基板1aの電極取出し部の部分を除去する(図8(g))。このRIEはドライエッチングの一種であり、例えば出力200W、圧力40Pa(0.3Torr)、CF4流量30cm3/分(30sccm)の条件で、シリコンマスクを用いて30分行う。この際、ギャップの内部が大気解放される。
【0050】
そして、エポキシ系樹脂等の封止材22を電極取出し部の端部に沿って流し込み、振動板4と電極11の間のギャップ(電極用凹部10a)を封止する(図8(h))。これによって振動板4と電極11の間のギャップは、再び密封されることとなる。
それから、シリコン基板1aにエポキシ系接着剤等を用いてノズル基板3を接着する(図8(i))。
最後に、図3に示すダイシングライン1及びダイシングライン2に沿ってダイシングを行って個々のチップに分割することにより複数の液滴吐出ヘッドが完成する(図8(j))。この工程では、ダイシングライン2に沿ってダイシングを行うことにより、等電位接点15と電極11の電気的接続が断たれる(図3参照)。なおこのダイシングの工程において、等電位接点15も切断するようにしてもよい。
【0051】
本実施形態1では、電極11及び穴部17が形成されたガラス基板2aを電解水を洗浄液として超音波洗浄することにより、穴部17を形成する際に生じたガラス片等の異物をガラス基板2aからほぼ完全に除去することができるため、ガラス基板2aとシリコン基板1aを陽極接合する際に振動板4等に欠損が生じることを防止することができる。
また強アルカリ性電解水を洗浄液として超音波洗浄することにより、ガラス基板2a及びガラス片等の異物を負電荷に帯電させることができるため、ガラス片等の異物が再付着するのを防止することができる。
さらにガラス基板2aに対して超純水を用いて超音波洗浄を行うことにより、ガラス基板2aから強アルカリ性電解水をほぼ完全に除去することができ、振動板4等のアクチュエータ部が駆動不良を起こすのを防止することができる。
また酸素(O2)プラズマによるアッシングを行うことで、穴部17の形成の際に用いられるドライフィルムのカスを除去することができ、ガラス基板2aとシリコン基板1aを陽極接合する際にガラス基板2a及びシリコン基板1aに欠損が生じることを防止することが可能となる。
【0052】
実施形態2.
図9は、本発明の実施形態2に係る液滴吐出装置の例を示した図である。図9に示される液滴吐出装置100は、一般的なインクジェットプリンタであり、実施形態1に示される液滴吐出ヘッドの製造方法で得られた液滴吐出ヘッドを備えている。実施形態1に示される液滴吐出ヘッドの製造方法で得られた液滴吐出ヘッドは、駆動安定性の高い液滴吐出ヘッドであるため、本実施形態2に係る液滴吐出装置100は、安定性の高いものである。なお図9に示すような液滴吐出装置100は、周知の製造方法を用いて製造することができるが、実施形態1に係る液滴吐出ヘッドの製造方法は歩留まりが高いため、液滴吐出装置の製造についても歩留まりが高くなる。
【0053】
本発明の実施形態1に示される液滴吐出ヘッドの製造方法で得られた液滴吐出ヘッドは、図9に示すようなインクジェットプリンタの他に、有機EL表示装置の製造や、液晶表示装置のカラーフィルタの製造、DNAデバイスの製造等にも使用することができる。
また本発明の実施形態1に係る静電アクチュエータの製造方法は、液滴吐出ヘッドの製造だけでなく、マイクロポンプ、静電容量型圧力センサ、光MEMSデバイスなどの他のデバイスの製造にも用いることができる。このようなデバイスについては、例えば特開2004−245753号公報等を参照されたい。
【0054】
なお本発明に係る静電アクチュエータの製造方法、液滴吐出ヘッドの製造方法及び液滴吐出装置の製造方法並びにデバイスの製造方法は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の思想の範囲内において変更することができる。例えば図6に示す洗浄工程は、すべて行う必要はなく、途中まで行うようにしてもよい。また穴部17は、必ずしも液滴を供給するためのものでなくてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の実施形態1に係る液滴吐出ヘッドを示した分解斜視図。
【図2】図1に示す液滴吐出ヘッドの縦断面図。
【図3】電極基板となるガラス基板をシリコン基板の接合される側から見た図。
【図4】本発明の実施形態1に係る液滴吐出ヘッドの製造工程を示す縦断面図。
【図5】図4の続きの製造工程を示す縦断面図。
【図6】ガラス基板の洗浄工程の流れを示すフローチャート。
【図7】本発明の実施形態1に係る液滴吐出ヘッドの製造工程を示す縦断面図。
【図8】図7の続きの製造工程を示す縦断面図。
【図9】本発明の実施形態2に係る液滴吐出装置の例を示した図。
【符号の説明】
【0056】
1 キャビティ基板、2 電極基板、3 ノズル基板、4 振動板、5 吐出室、7 リザーバ、10a 電極用凹部、10b 接点用凹部、11 電極、12 リード部、13 端子部、15 等電位接点、17 穴部、20 ノズル、21 オリフィス、22 封止材、23 発振回路、100 液滴吐出装置。




 

 


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