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発明の名称 印刷装置の制御方法およびプログラム
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−7976(P2007−7976A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−191124(P2005−191124)
出願日 平成17年6月30日(2005.6.30)
代理人 【識別番号】100095728
【弁理士】
【氏名又は名称】上柳 雅誉
発明者 江尻 圭吾
要約 課題
各色のインクができるだけ均等に消費されるように制御をする印刷装置の制御方法およびプログラムを提供する。

解決手段
印刷装置1を制御する印刷ドライバ66は、アプリケーション65が作成した複数の領域を有する印刷画像を、印刷装置1が備える4色のインクによって印刷するための印刷色を指定する。そして、複数の領域のうち、印刷色に代わる領域色を割り当て可能な指定領域を指定する。次に、印刷装置1のインク残量を把握し、指定領域に割り当てる領域色として、4色のインクの残量に応じて、残量の少ないインクの色ほどより低い優先度で指定する。このようにして指定された領域色によって指定領域を印刷させることを特徴とする。
特許請求の範囲
【請求項1】
複数の色のうち少なくとも一の色をそれぞれ割り当てられた複数の領域を有する画像を、インクカートリッジに収容されている複数色のインクを用いて印刷する印刷装置の制御方法であって、
前記複数の領域のうち、前記一の色に代わる他の色を割り当て可能な指定領域を指定する領域指定ステップと、
前記指定領域に割り当てる前記他の色として、前記複数色のインクの残量に応じて、残量の少ないインクの色ほどより低い優先度で指定する色指定ステップと、
前記色指定ステップで指定された前記他の色によって前記指定領域を印刷させる印刷ステップと、を有することを特徴とする印刷装置の制御方法。
【請求項2】
請求項1に記載の印刷装置の制御方法において、
前記領域指定ステップおよび前記色指定ステップは、設定画面を操作することにより、前記指定領域および前記他の色の指定が可能なステップであることを特徴とする印刷装置の制御方法。
【請求項3】
請求項2に記載の印刷装置の制御方法において、
前記複数色のインクの残量に関する情報を取得する取得ステップをさらに有することを特徴とする印刷装置の制御方法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の印刷装置の制御方法において、
前記色指定ステップは、前記一の色を構成している前記複数のインクのうち、前記残量の少ないインクの配合割合を減少させた色を前記他の色として指定するステップであることを特徴とする印刷装置の制御方法。
【請求項5】
請求項4に記載の印刷装置の制御方法において、
前記色指定ステップにおける前記他の色は、前記残量の少ないインクの残量が少なくなるに従って、前記残量の少ないインクの配合割合をより減少させて指定されることを特徴とする印刷装置の制御方法。
【請求項6】
請求項4または5に記載の印刷装置の制御方法において、
前記色指定ステップは、配合割合を減少させた前記残量の少ないインク以外のインクを増量して、前記他の色の濃度を調整する調整ステップを含んでいることを特徴とする印刷装置の制御方法。
【請求項7】
請求項4から6のいずれか一項に記載の印刷装置の制御方法において、
前記色指定ステップは、配合割合を減少させる前記インクとして、前記複数色のインクの中から残量の最も少ないインクを選択するステップであることを特徴とする印刷装置の制御方法。
【請求項8】
複数の色のうち少なくとも一の色をそれぞれ割り当てられた複数の領域を有する画像を、インクカートリッジに収容されている複数色のインクを用いて印刷するためのプログラムであって、
前記複数の領域のうち、前記一の色に代わる他の色を割り当て可能な指定領域を領域指定部が指定する領域指定ステップと、
前記指定領域に割り当てる前記他の色として、前記複数色のインクの残量に応じて、残量の少ないインクの色ほどより低い優先度で色指定部が指定する色指定ステップと、
前記色指定ステップで指定された前記他の色によって前記指定領域の印刷を印刷指示部が指示する印刷指示ステップと、を実行する印刷ドライバとしてコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置が備える複数色のインクの消費を制御するための印刷装置の制御方法およびこの制御方法をコンピュータに実行させるプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インクを液滴状態でヘッドから吐出して、被印刷物へ印刷を行うインクジェット方式の印刷装置では、ヘッドへ供給するインクを貯留している着脱式インクカートリッジ内の各色のインク量情報を、インクカートリッジの記憶部に記憶している。インクカートリッジの記憶部には、インク量情報をはじめとしてインクに関する諸情報が記憶されている。印刷装置は、記憶部からインク量情報を読み取り、印刷装置が実行した印刷によるインクの消費量を、読み取ったインク量情報から減算して、インク量情報を更新する。更新したインク量情報は、インクカートリッジの記憶部へ上書きされる(たとえば特許文献1)。
【0003】
印刷装置は、各色のインクに関する情報の中から最新のインク量情報と、印刷装置が有するインクカートリッジ内のインク量が空に近いことを示す閾値情報と、を比較して、インクカートリッジ内のインク量が空に近いか否かを判定する。インク量が閾値に達すると、印刷装置は、インク量が空に近くなったことを表示し、ユーザーに警告を発する。
【0004】
【特許文献1】特開2001−199081号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の技術では、使用される機会の少ないインクは、使用されないまま有効期限が切れてしまい無駄になるという問題があった。また、複数色のインクを有する一体型インクカートリッジにおいては、一色でもインクが無くなれば他のインクが十分に残っていても、インクカートリッジを交換しなければならない。それに伴い、十分残量のある当該他のインクが無駄に廃棄されるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するために、各色のインクができるだけ均等に消費されるように制御をする印刷装置の制御方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の印刷装置の制御方法は、複数の色のうち少なくとも一の色をそれぞれ割り当てられた複数の領域を有する画像を、インクカートリッジに収容されている複数色のインクを用いて印刷する印刷装置の制御方法であり、複数の領域のうち、一の色に代わる他の色を割り当て可能な指定領域を指定する領域指定ステップと、指定領域に割り当てる他の色として、複数色のインクの残量に応じて、残量の少ないインクの色ほどより低い優先度で指定する色指定ステップと、色指定ステップで指定された他の色によって指定領域を印刷させる印刷ステップと、を有することを特徴とする。
【0008】
この印刷装置の制御方法によれば、画像を印刷装置で印刷する際に、画像の色として指定された一の色に代えて他の色によって印刷しても良い領域を指定領域として指定する。この指定領域以外では、指定された一の色を用いて印刷が実行される。指定領域を印刷する他の色は、インクカートリッジに収容されている各色のインクの残量を加味して指定される。即ち、残量の少ないインクの色ほど他の色として指定される優先度を低くし、使用される頻度を少なくする。他の色によって指定領域を印刷する方法により、インクカートリッジに収容されている各インクは、特定のインクが極端に早く消費されることなく、均一に近い状態で消費されるようになる。
【0009】
この場合、領域指定ステップおよび色指定ステップは、設定画面を操作することにより、指定領域および他の色の指定が可能なステップであることが好ましい。
【0010】
この方法によれば、領域指定および色指定の各ステップは、設定画面から操作可能である。画像を設定画面で確認しながら指定領域および他の色を指定できるため、事前に印刷結果を確認でき、指定ミスを防止可能であると共に、指定操作が容易である。
【0011】
この印刷装置の制御方法は、複数色のインクの残量に関する情報を取得する取得ステップをさらに有することが好ましい。
【0012】
この方法によれば、取得ステップの実行により、印刷装置のインク残量の情報が把握可能である。このインク残量の情報に基づいて、指定領域を印刷する他の色の設定が、インク残量をできるだけ均一にするように実行可能である。
【0013】
また、色指定ステップは、一の色を構成している複数のインクのうち、残量の少ないインクの配合割合を減少させた色を他の色として指定するステップであることが好ましい。
【0014】
この方法によれば、本来画像の色として設定された一の色は、インクカートリッジの複数色のインクを適切に配合して構成可能であり、指定領域を印刷する他の色として、一の色を構成する複数色のインクから残量の少ないインクの配合割合を減少させた色を指定する。一の色に代えて他の色によって指定領域を印刷することにより、残量の少ないインクの消費量を抑制することが可能である。
【0015】
この場合、色指定ステップにおける他の色は、残量の少ないインクの残量が少なくなるに従って、残量の少ないインクの配合割合をより減少させて指定されることが好ましい。
【0016】
この方法によれば、他の色は、残量の少ないインクの配合割合を減少させて指定されるが、さらに、減少させる割合もインクの残量の減少程度に対応した指定を考慮する。つまり、インクの残量が少なくなるに従って、当該インクの配合割合もしだいに減少させる。こうすれば、残量の少ないインクの消費量をきめ細かく制御することが可能で、各インクがより均一に近い状態で消費されることになる。
【0017】
さらに、色指定ステップは、配合割合を減少させた残量の少ないインク以外のインクを増量して、他の色の濃度を調整する調整ステップを含んでいることが好ましい。
【0018】
この方法によれば、残量の少ないインクの使用を減少させた他の色の濃度が、一の色に比べて薄くなって見難くなることを防ぐため、使用を減少させたインク以外のインクを増量する。この方法により、他の色の濃度が低下することを抑えられ、一の色による印刷と比較して遜色のない見やすい印刷が可能である。
【0019】
そして、色指定ステップは、配合割合を減少させるインクとして、複数色のインクの中から残量の最も少ないインクを選択するステップであることが好ましい。
【0020】
この方法によれば、残量の最も少ないインクを選択して、その特定のインクの消費量を重点的に抑制するため、インクの残量の均一化がより効率的に実行可能である。
【0021】
本発明のプログラムは、複数の色のうち少なくとも一の色をそれぞれ割り当てられた複数の領域を有する画像を、インクカートリッジに収容されている複数色のインクを用いて印刷するためのプログラムであり、複数の領域のうち、一の色に代わる他の色を割り当て可能な指定領域を領域指定部が指定する領域指定ステップと、指定領域に割り当てる他の色として、複数色のインクの残量に応じて、残量の少ないインクの色ほどより低い優先度で色指定部が指定する色指定ステップと、色指定ステップで指定された他の色によって指定領域の印刷を印刷指示部が指示する印刷指示ステップと、を実行する印刷ドライバとしてコンピュータを機能させることを特徴とする。
【0022】
このプログラムによれば、領域の指定および領域色の指定を実行する印刷ドライバとしてコンピュータを機能させる。まず、画像を印刷装置で印刷する際に、画像の色として指定された一の色に代えて他の色によって印刷しても良い領域を、領域指定部が指定領域として指定する。この指定領域以外では、指定された一の色を用いて印刷が実行される。指定領域を印刷する他の色は、インクカートリッジに収容されている各色のインクの残量を加味して色指定部によって指定される。即ち、残量の少ないインクの色ほど他の色として指定される優先度を低くし、使用される頻度を少なくする。印刷指示部の指示により、他の色によって指定領域を印刷する方法により、インクカートリッジに収容されている各インクは、特定のインクが極端に早く消費されることなく、均一に近い状態で消費されるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明を具体化した実施形態について図面に従って説明する。実施形態では、4色のインクを収容するインクカートリッジを備えた、インクジェット方式の印刷装置を例にして、その制御方法について説明する。始めに印刷装置の構成について説明する。
(実施形態)
【0024】
図1は、印刷装置の外観を示す斜視図である。印刷装置1は、基部2と、基部2の一端部に位置する片持部3と、片持部3を介して片持ち支持されている記録部4とから構成されている。そして、基部2と記録部4との間には、用紙が挿入される用紙搬送路5が設けられている。用紙搬送路5は、片持部3以外の3方向が、正面開口5a、背面開口5b、側面開口5cとして連通している。また、記録部4の基部2側と反対側には、開閉自在なカバー6と、カバー6で覆われている開口部7と、片持部3の背面開口5b側に備えられ、用紙搬送路5の用紙押さえおよび用紙押さえ開放のためのレバー8が備えられている。レバー8が用紙を開放している場合には、ユーザーは手動で用紙を抜き差し可能である。そして、記録部4内には、開口部7からの脱着が可能なインクカートリッジ10が収容され、片持部3には、印刷装置1に対して電源のONおよびOFF、用紙の給排等の操作をする操作部62と、印刷装置1の状態をLED(Light Emitting Diode)の点燈によって表示する表示部63とが設けられている。
【0025】
図2は、インクカートリッジの外観をそれぞれ示す側面図、正面図および底面図である。インクカートリッジ10は、印刷用のシアン色、マゼンダ色、イエロ色のインクをそれぞれ収容するシアン色タンク11aと、マゼンダ色タンク11bと、イエロ色タンク11cと、クロ色タンク11dと、廃液タンク11eと、を順に連結して一体化した略直方体の収容部11を備え、インクカートリッジ10を印刷装置1からとりだすためのタブ16が、収容部11の一面に設けられている。また、各インクタンクは、タブ16が設けられている面と反対側の面に、インクを印刷装置1へ供給するためのインク供給口12をそれぞれ備え、廃液タンク11eは、廃液を受け入れるための廃液受入口13を備えている。
【0026】
さらに、廃液タンク11eの一側面には、インクカートリッジ10に関する情報を記憶するカートリッジ記憶部15が設けられている。カートリッジ記憶部15は、書き換え可能な不揮発性のメモリであるフラッシュROMであり、各色のインクの残量等が記憶されている。
【0027】
図3は、印刷装置のインク供給系統の構成を示す断面図であり、図4は、印刷装置の概構成を示す模式図である。両図を参照して印刷装置1のインクに関する部分の説明をする。印刷装置1の記録部4は、インクカートリッジ10を装着するカートリッジホルダ31と、カートリッジホルダ31からヘッド20へインクを供給するためのインク供給チューブ32と、ヘッド20を保持するキャリッジ25と、キャリッジ25の移動をガイドするガイド軸26と、キャリッジ25に設けられているスライド溝40と係合するガイドプレート28と、を内蔵している。ヘッド20は、用紙9へインクを吐出して印刷を実行する。
【0028】
ガイド軸26とガイドプレート28とは、記録部4の側面開口5c(図1参照)側から片持部3の方向へ延在しており、このため、キャリッジ25は、ガイド軸26、ガイドプレート28に沿って移動可能である。キャリッジ25の移動は、ガイドプレート28と平行に配置され、両端を回転自在のプーリー42で張設されているリング状のタイミングベルト41によって行われる。片持部3側のプーリー42は、図示していないモータと連動しており、プーリー42の回転によってタイミングベルト41が回転し、タイミングベルト41と連結しているキャリッジ25が移動する。
【0029】
カートリッジホルダ31からは、さらに、廃液をインクカートリッジ10へ受け入れるための廃液チューブ33が設けられており、片持部3の下部に設置されているポンプ34、キャッピング部35と連通している。キャッピング部35は、ヘッド20の機能を維持するためのメンテナンス装置である。ヘッド20がキャッピング部35の直上へ移動して来ると、キャッピング部35はカム機構によって上昇し、ヘッド20と密着する。そして、ポンプ34の吸引作用によりヘッド20からインクを強制的に吸引する。この吸引作用によって、インク乾燥によるヘッド20の詰まり、異物の付着等を防ぐことができる。このメンテナンスをクリーニングと称する。
【0030】
また、印刷の途中において、キャッピング部35の位置で、ヘッドから一斉にインクを吐出して、インク吐出の少ないヘッド部が、詰まりなどの異常をきたさないようにする。このメンテナンスをフラッシングと称する。クリーニング、フラッシングは、所定量の印刷がなされた時点で定期的に行われ、常に、正常なインク吐出のできる状態が維持される。
【0031】
ここで、インクカートリッジ10を装着するカートリッジホルダ31について説明する。カートリッジホルダ31は、インクカートリッジ10を装着する内側部分に、インクカートリッジ10と対応してインク供給口12からインクを受け入れる4つのインク受入部18と、廃液受入口13へ廃液を供給する廃液供給部17と、カートリッジ記憶部15と導通してデータの授受を行うホルダ基板部14と、を備えている。
【0032】
カートリッジホルダ31へインクカートリッジ10が装着されると、インク供給口12とインク受入部18とが接続され、インク毎にインク供給チューブ32a、32b、32c、32dを通してヘッド20へインクが供給される。
【0033】
次に、用紙9を搬送する機構について説明する。印刷装置1の背面開口5bから正面開口5aに至る用紙搬送路5の下面は、板状部材のプラテン21で主に構成され、さらに用紙9の搬送の上流側である背面開口5b方向から、用紙9を感知するBOF(Bottom Of Feed)レバー27と、用紙送りローラ24と、用紙搬送サブローラ30と、が配置されている。プラテン21と対向する用紙搬送路5の上面は、背面開口5b方向から、用紙ガイド22と、用紙送りローラ24に対峙する用紙搬送メインローラ23と、キャリッジ25と、用紙搬送サブローラ30に対峙するTOF(Top Of Feed)レバー29と、が配置されている。TOFレバー29は、BOFレバー27と同様、用紙9を感知するためのものである。そして、プラテン21の下方には、制御部36が配置されている。
【0034】
印刷装置1では、図3に示すように用紙搬送路5の上下方向が離れている状態の時、用紙9を挿入することができる。用紙搬送路5に用紙9を挿入して、レバー8を上げると、プラテン21が上昇して用紙を押さえ込む。この時、BOFレバー27は用紙9によって押し下げられ、TOFレバー29は押し上げられて、それぞれ用紙9が挿入されたことを感知する。用紙9は、用紙搬送メインローラ23と用紙送りローラ24とで挟まれ、図示していないモータで駆動される用紙搬送メインローラ23の回転によって、背面開口5b方向へ一旦送られる。用紙9がTOFレバー29から離れると、その位置が用紙9の先端であると認識して、その後の用紙9送りを制御する基準となる。用紙9が、BOFレバー27あるいはTOFレバー29のどちらかにかかっていない状態で挿入されると、両レバーで用紙9が感知される位置まで、用紙を移動させてから、用紙先端の認識を行う。
【0035】
このように用紙搬送路5の3方向が開口している構成であるため、特に、綴じられた用紙の中の一枚に、綴じたまま印刷することなど、特殊な状態での印刷が可能である。さらに、定型紙給材装置やロール紙給材装置を取り付けての自動給紙も可能である。
【0036】
次に、図5を基にキャリッジ25に取り付けられたヘッド20の構成およびヘッド20による用紙9への印刷について説明する。図5(a)は、ヘッドを用紙の側から見た正面図である。ヘッド20は、インクを吐出する128個のノズル45を有する。そして、128個のノズル45は、それぞれ64個のノズル45を有するA列、B列の2つのノズル列からなる。A列、B列の2つのノズル列は、用紙搬送方向に沿って延在している。A列に属するノズル45のうち、32個のノズル45からなるノズル群20aは、クロ色のインクを吐出し、残りの32個のノズル45からなるノズル群20bは、マゼンダ色のインクを吐出する。同様に、B列のノズル45のノズル群20cおよび20dは、それぞれイエロ色とシアン色を吐出する。この構成のヘッド20では、A列およびB列が用紙9の搬送方向と同じ方向に配置されており、印刷時に32個のノズル45で印刷した幅ずつ用紙送りが行われ、4色カラーの印刷が行える。
【0037】
図5(b)は、ヘッドから用紙へ吐出されたインク滴を示す拡大図である。用紙9へインクを吐出してカラー印刷した部分を拡大すると、シアンのインク滴C、マゼンダのインク滴M、イエロのインク滴Y、がそれぞれ円形状に吐出されている。絵の具を混ぜ合わせて異なる色が作り出されるように、各インク滴が吐出されている数の割合によって、目視では異なった色に見える。シアンとマゼンダのインク滴が吐出されている部分は、紫に見え、シアンとイエロのインク滴が吐出されている部分は、緑に見える。また、インク滴の密度によって色の濃淡を表現可能である。図5(b)に示すインク滴が多くインク滴の密度の高いP側は、濃い色に見え、インク滴が少なくインク滴の密度が低いQ側は、薄い色に見える。このようにインク滴を吐出することにより、さまざまな仕様のカラー印刷が可能である。
【0038】
印刷装置1のノズル45からインクを吐出する機構は、既に知られている静電アクチュエータ方式を用いており、顔料系、染料系等のインクの種類に適した吐出パターンや、吐出量を細かく設定することが可能である。従って、インクを幅広く選定でき、多用途の印刷に対応できるものである。なお、インクを吐出する機構は、静電アクチュエータ方式以外に、ピエゾ素子や電気熱変換素子を用いた方式を採用しても良い。
【0039】
次に、印刷装置1の制御系統について説明する。図6は、印刷装置の制御部の構成を主に示すブロック図である。印刷装置1は、ホストコンピュータ(コンピュータ)50に接続されている。ホストコンピュータ50は、印刷装置1で印刷する文書等を作成するためのアプリケーション65と、アプリケーション65が作成した印刷画像(画像)を、印刷装置1の備えるインク等に合致するように変換した印刷データにして、印刷装置1へ送信する印刷ドライバ66と、を有する。印刷ドライバ66は、図7のフローチャートの説明に合わせて後述する領域指定部67と、色指定部68と、印刷指示部69と、を有する。
【0040】
印刷装置1の制御部36は、印刷ドライバ66から送信される印刷データを受信する受信部52と、カートリッジ記憶部15との間でインク残量の読み出しおよび書き込みを実行するための読出/書込部55と、印刷の実行によって消費されるインク残量を演算するインク演算部53と、印刷装置1への印刷指示および印刷ドライバ66へのインク残量送信の指示をする実行部54と、実行部54の指示によりインク残量を印刷ドライバ66へ送信する送信部51とを有する。
【0041】
これら送信部51、受信部52、インク演算部53、実行部54および読出/書込部55は、CPU(Central Processing Unit)がプログラムに基づいてそれぞれの機能を実行する。
【0042】
また、制御部36は、CPUが実行するためのプログラムを記憶しているフラッシュROM57と、ホストコンピュータ50から送られて来る印刷データなどを一時的に記憶しておくRAM(Random Access Memory)56とを有する。さらに、印刷のための制御を行う機構制御部58を有し、機構制御部58は、用紙9へインクを吐出して印刷を行うヘッド20を制御する印刷制御部59と、用紙9の搬送を制御する用紙搬送部60と、ヘッド20のメンテナンスのためにヘッド20からインクを排出制御するためのインク排出部61とを制御する。また、表示部63は、実行部54により制御される。
【0043】
制御部36を構成する送信部51、受信部52、インク演算部53、実行部54、読出/書込部55、RAM56、フラッシュROM57、機構制御部58と、カートリッジ記憶部15と、ホストコンピュータ50と、操作部62とがバス64を介して相互に接続されている。
【0044】
次に、インクカートリッジ10についてさらに詳細な説明をする。インクカートリッジ10は、印刷装置1に装着されて、インクカートリッジ10が内蔵しているインクを印刷装置1のヘッド20へ供給する。カートリッジ記憶部15は、インクカートリッジが内蔵するインクの残量情報を、値として記憶するインク残量メモリ部と、インクの体積を閾値として記憶するニアエンド閾値メモリ部とを有する。閾値は、インクの残量が残り少ない空の状態に近いことを表す値である。
【0045】
インクカートリッジ10が印刷装置1のカートリッジホルダ31に装着されると、カートリッジ記憶部15とカートリッジホルダ31のホルダ基板部14とが電気的に導通する。そして、制御部36の読出/書込部55によって、インク残量メモリ部からインクカートリッジ10が内蔵するインクの残量値が取り込まれ、ニアエンド閾値メモリ部からニアエンド閾値が取り込まれる。実行部54は、残量値とニアエンド閾値とを比較して、インクカートリッジ10内のインクが空に近い状態かどうかを判断可能である。インク残量メモリ部に記憶されている残量値は、ヘッド20からインクが吐出されるとインク演算部53によって、都度、残量が演算され更新される。更新された残量値は、カートリッジ記憶部15へ読出/書込部55によって書き込まれる。このように、インクカートリッジ10の4色のインクの残量が個々に管理されている。
【0046】
インクカートリッジ10に内蔵のインクが空に近いことを表すニアエンド閾値と、インクの残量値とを、インクカートリッジ10に持たせることにより、制御部36は、カートリッジ記憶部15からのデータ取り込み、データ比較、および残量値の更新などの汎用的な処理のための能力を持つだけでよい。従って、制御部36は、インクカートリッジ10の新規追加、仕様変更等によるバージョンアップが不要で、印刷装置1の装置維持面でユーザーの負担が少ない構成である。
【0047】
また、フラッシュROM57の構成は、電源投入時の初期化やファームウエアを書き換えるために必要な最小限のプログラムの集合体であるブート領域と、印刷装置1を制御するCPUがインク演算部53、実行部54等として機能するためのファームウエアを記憶しているファームウエア領域と、印刷する文字のフォント等を保存するCGデータ領域とから成っている。ブート領域に記憶されている必要最小限のプログラムは、電源投入時の初期化プログラムと、ファームウエア等の書き換えのためのメモリ書き換えプログラム等であり、これらはブートプログラムと呼ばれる。ファームウエア領域には、ブートプログラムによって書き込まれた標準のファームウエアが格納されていて、標準のファームウエアに加えて、さらにカスタム仕様のファームウエアや、サンプルとして試用してみるためのファームウエア等の追加も可能である。
【0048】
以上のような構成の印刷装置1において、インクカートリッジ10が収容する4色のインクを制御する方法について説明する。この制御方法は、4色のインクの内いずれか1色がなくなったために、残量の多いインクまでもインクカートリッジ10と共に廃棄することを回避するものである。具体的な制御は、印刷装置1と接続されているホストコンピュータ50に搭載されている印刷ドライバ66によってなされる。
【0049】
図7は、印刷ドライバによる領域および領域色の指定方法を示すフローチャートを含むブロック図である。また、図8は、印刷ドライバが制御する設定画面を示す模式図である。設定画面70は、領域の指定部71と、インク残量表示部72と、領域色の指定部80と、を有する。
【0050】
印刷ドライバ66は、まず、図7に示すステップS1において、アプリケーション65によって作成された印刷画像(画像)を受信する。印刷画像は、それぞれ指定された印刷色(一の色)を割り当てられた複数の領域を有している。印刷画像は、印刷ドライバ66によって、4色のインクを備える印刷装置1で印刷するための印刷データに変換される。印刷画像の受信後、ステップS2へ進む。
【0051】
ステップS2において、印刷画像を印刷するために、4色のインクによる印刷色の指定を色指定部68が領域毎に行う。印刷画像を受信すると、印刷ドライバ66の色指定部68は、受信した印刷画像の色を印刷装置1のインクカートリッジ10が備える4色のインクで表すために、印刷画像の色と印刷ドライバ66が有する図示されていない色テーブルとを照らし合わせる。色テーブルには、4色のインクにより各種の色を構成するための配合割合が設定されており、印刷画像の色に該当する4色のインクの配合割合を指定することが可能である。このようにして印刷色が4色のインクによって指定される。
【0052】
この場合、通常、印刷画像のクロ色は、灰色を含めてクロのインクによって表される。クロ色以外の色は、マゼンダ、シアン、イエロの3色のインクを配合して表される。なお、マゼンダ、シアン、イエロの3色のインクを等分に配合してクロ色を表すことも可能である。印刷色の設定後、ステップS3へ進む。
【0053】
ステップS3において、印刷装置1の送信部51からインクカートリッジ10が内蔵する4色のインクの残量を、色指定部68が受信する。各インクの残量は、図8に示すインク残量表示部72にグラフィック表示される。インク残量表示部72によれば、各色のインク残量の比較が容易にでき、C表示のシアン色インクの残量が最も少なくなっていることを、把握可能である。これにより、4色のインクをできる限り均一に消費するためには、まず、シアンの使用を抑制しなければならないことが明確になる。このステップS3は、取得ステップに該当する。インク残量の受信後、ステップS4へ進む。
【0054】
ステップS4において、領域色(他の色)で印刷する指定領域を、領域指定部67が指定する。領域色とは、本来指定領域に印刷されるべき印刷色とは異なる色であり、具体的には、ステップS3で把握した残量の少ないインクの使用を抑制した色である。印刷色に代えて領域色を使用することにより、残量の少ないインクの使用を抑制可能である。領域指定部67は、印刷画像を構成する各領域の中から、印刷色と異なる領域色で印刷しても良い領域を指定領域として選択した入力情報に基づいて、指定領域を指定する。入力情報は、設定画面に表示される領域の指定部71をオペレータが操作することにより入力される。
【0055】
図8に示す領域の指定部71は、規定のA4、A5サイズやロール紙などの用紙9に印刷する印刷画像を、領域に分割指定するためのものである。領域は、いわゆる始点と終点を指定して設定する始点終点方法や、GUI(Graphic User Interface)によって四角、丸などの図形を描いて領域を指定する方法などにより設定される。図8では、領域色による印刷が可能な指定領域として、第1領域73、第2領域74、第3領域75、第4領域76の4つの領域を指定している。指定領域を設定しない領域不設定77の部分には、印刷色が自動的に指定される。指定領域の指定後、ステップS5へ進む。
【0056】
ステップS5において、指定領域を印刷する領域色を指定する。領域色の指定は、最初に、設定画面70に表示される領域色の指定部80をオペレータが操作して、インク基本配合割合を指定する。領域色の指定部80は、インク基本配合割合を指定するための配合表示部81、83を有する。この領域色の指定部80には、領域の指定部71において指定された4つの指定領域が表示されている。
【0057】
インク基本配合割合の指定は、第1領域73の場合、配合表示部81に表示されているシアン、マゼンダ、イエロの各インクの配合パーセント(%)欄へ、オペレータによって数値で入力される。配合パーセントは、本来第1領域73に印刷する色である印刷色を構成しているシアン、マゼンダ、イエロそれぞれの図5(b)に示すようなインク滴の数に対して、どのくらいの割合までインク滴の数を減少させても良いかを示す。この場合、印刷色において配合割合の極めて少ないイエロは、領域色においても減少させる必要がないとして100%の指定をし、シアンとマゼンダは、印刷色において配合割合が多いため、領域色では、それぞれ50%まで減少させることを可能とする指定である。これは、シアン、マゼンダを主体とする紫系の印刷色に対して、領域色を指定する場合の一例である。
【0058】
つまり、配合表示部81のシアン50%とは、印刷色におけるシアンのインク滴の数に対して、領域色では、シアンのインク滴の数を最小50%にまで減少させても良いことを表している。同様に、配合表示部81のマゼンダ50%とは、印刷色におけるマゼンダのインク滴の数に対して、領域色では、マゼンダのインク滴の数を最小50%にまで減少させても良いことを表している。
【0059】
第2領域74を印刷する領域色の配合割合は、マゼンダ80%、シアン30%、イエロ50%の指定であり、シアンおよびイエロの使用量が多い緑系の印刷色を基にして領域色を指定する場合の一例である。
【0060】
第3領域75を印刷する領域色の配合割合は、シアン、マゼンダ、イエロの各インクとも100%指定であり、いずれのインクも印刷色に対して配合割合を減少させない指定である。つまり、領域不設定77と同じく印刷色で印刷するように指定されたことになる。ステップS4において、第3領域75を領域不設定77と同様な不設定にしなかったが、領域色を指定する段階で、領域色ではなく印刷色によって印刷するように指定したい場合に有効である。
【0061】
また、印刷色がクロであり、クロのインクの残量が無い場合において、各インクとも100%指定すれば、クロのインクを使用せずにシアン、マゼンダ、イエロを等量配合して、印刷色のクロに相当する領域色によって第3領域75の印刷が可能である。各インクを100%指定しなければ、クロ以外の領域色を指定でき、残量の少ないシアンの配合割合を減少させる指定をすれば、クロに代えて橙系の色を領域色として指定可能である。そして、残る第4領域76を印刷する領域色の配合割合も、第1領域73および第2領域74に準じて指定することが可能である。
【0062】
そして、最終的には、後述する図9に示すフローチャートに沿って、色指定部68が領域色を演算して指定する。フローチャートでは、色指定部68が配合表示部81に入力された数値およびインク残量を基にして、配合を減らすインクの選択、配合割合の演算、インク濃度の調整を実行して第1領域73の領域色を指定する。他の指定領域についても、同様に領域色が指定される。領域色の指定後、ステップS6へ進む。
【0063】
ステップS6において、印刷データを印刷装置1の受信部52へ印刷指示部69が送信して印刷指示をする。この印刷指示によって、印刷装置1に印刷を実行させる。印刷データには、指定領域の指定および指定領域を印刷する領域色の情報などの印刷に関する諸情報が含まれている。以上でフローが終了する。
【0064】
なお、このフローチャートにおいて、ステップS4が領域指定ステップに該当し、ステップS5が色指定ステップに該当し、ステップS6が印刷ステップに該当する。
【0065】
次に、ステップS5における色指定部68が実行する領域色を演算して指定する方法について、詳細に説明する。図9は、領域色の指定方法を示すフローチャートである。フローチャートでは、第1領域73を例にして説明する。最初に、ステップS10において、領域色のインク配合割合が入力されたか否かを判断する。領域色の指定部80の配合表示部81へ、シアン、マゼンダ、イエロの各インクの配合パーセントが入力された、と色指定部68が判断すればステップS11へ進み、一方、入力されなければ入力されるまでS10で待機する。
【0066】
配合割合が入力されると、ステップS11において、インク残量の情報から最も残量の少ないインクを選択する。インク残量の情報は、ステップS3において取得した情報である。この選択では、配合割合を減少させるインクとして、最も残量の少ないシアンのインクを選択することにより、シアンのインクの消費が重点的に抑制され、各インクの残量をできるだけ均一にすることが効率的に行える。選択後、ステップS12へ進む。
【0067】
ステップS12において、選択したインクの残量に応じて、選択したインクの配合割合を演算する。選択したシアンのインク基本配合割合は、配合表示部81において、印刷色における配合割合に対して最小50%にまで減少させることが可能と指定されている。最小の50%にまで減少させるのは、シアンのインクの残量が、満量状態の所定パーセント以下になっている場合である。例えば、所定パーセントが20%と設定されていて、インク残量表示部72のシアンのインク残量が満量の35%であれば、シアンのインクの配合割合は、最小の50%にまで減少されない。色指定部68は、所定パーセント20%より15%ほど残量の多い分に相当するだけ、シアンのインクの配合割合を変更する演算を行う。その結果、例えば、シアンのインクの配合割合が60%と指定される。
【0068】
このように、最小の配合割合を基準にして、インクの残量が所定パーセントより多い場合には、残量に応じて配合割合を演算し、配合割合を増やす指定をする。即ち、インクの残量が減少するに従って、選択したインクの配合割合を、指定した最小の配合割合まで徐々に減少させる制御方法である。演算後、ステップS13へ進む。
【0069】
ステップS13において、選択したインクの減少分を補うため、減少分を補充する他のインクを選択する。第1領域73においては、選択したシアン以外のマゼンダ、イエロの両インクを選択する。なお、ここでは、最も残量の多いインクのみの選択、または、インク種類が多い場合、残量の多い順に所定数のインクの選択であっても良い。選択後、ステップS14へ進む。
【0070】
ステップS14において、印刷色の濃度と同程度の濃度を確保するように、補充する他のインクの補充割合を演算する。このステップS14は、調整ステップに該当する。ステップS12で選択したシアンのインクの配合割合を減少させただけでは、印刷色と比較すると薄い印刷になって見難くなるため、ステップS13で選択した他のインクをシアンのインクの減少分だけ補充する。演算は、他のインクであるマゼンダとイエロのインクの補充割合を調整して、領域色の濃度を確保するために行われる。
【0071】
ステップS12での演算により、シアンのインクの配合割合は、60%に指定され印刷色より40%減少している。この40%の減少分を、配合表示部81においてマゼンダ50%、イエロ100%まで減少可能と入力されているが、ステップS11で配合割合を減少させる対象になっていない、これら両色によって補充する。補充する割合は、それぞれのパーセント値の割合である50%および100%に準じて、マゼンダ1に対してイエロ2の割合で40%分を補充する。こうすれば、印刷色を基に指定される領域色において、配合割合の極めて少ないイエロの使用を、配合割合の多いマゼンダより実質増やすことになり、インク消費量のバランスをとることが可能である。他の指定領域においても同様な演算がなされて補充するインクの割合が指定される。以上で、色指定部68による領域色の指定方法のフローが終了する。
【0072】
以下に、実施形態における印刷装置1の制御方法の効果をまとめて記載する。
【0073】
(1)アプリケーションが作成した印刷画像の印刷色と異なる領域色を指定して、印刷画像の内の指定領域を領域色で印刷することにより、印刷色だけで印刷をすることによって生じる特定のインクが突出して消費されることを、抑制可能である。
【0074】
(2)領域色として、印刷色を構成するインクの中から、残量の最も少ないインクを選択して、その配合割合を減少させた色を指定する。領域色によって指定領域の印刷を行うことによって、残量の最も少ないインクの消費が抑制されるため、各インクの残量の均一化が効率的に実行可能である。
【0075】
(3)設定画面70では、印刷画像を確認しながら領域および領域色を指定できるため、事前に印刷結果を画面上で確認可能である。従って、指定内容を確認しながら指定操作ができ、指定ミスを防止可能であると共に、指定操作が容易である。
【0076】
(4)ステップS3の取得ステップの実行により、最新のインク残量の情報が取得できる。このインク残量の情報に基づけば、インク残量をできるだけ均一にするための領域色の設定が、実行可能となる。
【0077】
(5)領域色において配合割合を減少させる残量の最も少ないインクは、そのインクの残量が少ないほど配合割合もしだいに減少させる設定である。こうすれば、残量の少ないインクの消費量をよりきめ細かく制御して、各インクがより均一に近い状態で消費されるようにすることが可能である。
【0078】
(6)ステップS14において、残量の少ないインクの配合割合を減らした領域色に対して、その減少分を残量の多いインクによって補充することにより、印刷色に比較して領域色の濃度が低下することを回避可能である。このようなインクの配合調整により、領域色で印刷された指定領域は、印刷色によって印刷した場合と比較して、印刷濃度がほぼ同等の遜色のないものとなる。
【0079】
(7)多量の印刷をするレシート印刷、クーポン印刷等の場合であっても、ロゴマーク、バーコード等を指定領域として領域色で印刷することにより、各色のインクの消費量に極端な差異が生じ難くなり、どのインクの終了時期もほぼ同じとすることが可能である。従って、特定のインクが早くなくなって、頻繁にインクカートリッジ10を交換することを回避可能である。
また、本発明は上記に記載した実施形態に限定されるものではなく、次のような変形例が挙げられる。
【0080】
(変形例1)領域色は、領域色を構成する各色のインクの中から残量の最も少ないインクを選択し、そのインクのみ配合割合を減少させる指定を行っているが、各色のインクをそれぞれの残量に応じて、その配合割合を減少させる指定であっても良い。この場合でも、残量の少ないインクほど配合割合が少なく、インク消費が抑制されるため、最も残量の少ないインクのみ配合割合を減少させる場合とほぼ同様の効果が得られる。
【0081】
(変形例2)ステップS12におけるインク残量に応じた配合割合の演算を行わず、配合表示部81,83に入力された数値をそのまま用いて、領域色を指定しても良い。また、ステップS14での濃度調整を行わない選択が可能な選択ボタンを、設定画面70に設けて、例えばキャラクタ、マークなどのイメージに関する指定領域に対しては、濃度調整をしない選択を可能にしても良い。インク残量を加味した複雑な演算が不要であり、ホストコンピュータ50の負荷軽減が図れる。
【0082】
(変形例3)領域色は、印刷色を基にしたインクの配合割合の指定ではなく、印刷色に関係なく特定の一色、または複数色の指定であっても良い。この方法によれば、設定画面70を操作して指定する領域色が、より簡単な操作により指定可能である。
【産業上の利用可能性】
【0083】
アプリケーションで作成した印刷画像を印刷装置1で印刷する一般的な印刷時において、都度行う用紙設定、余白設定などのページ設定を行うドライバの中に、設定画面70を組み入れることにより、指定領域および領域色を指定してインクの消費調整が行える印刷ドライバとして、このドライバを提供することが可能である。また、POS(Point Of Sales)端末等によるレシート印刷において、特に色指定不要なトップロゴ、ボトムロゴ、イベント宣伝ロゴ部などを指定領域に指定して、領域色で印刷する設定が可能である。クーポン印刷においても、両端マーク、バーコードおよび二次元コードなどを指定領域に指定して、領域色で印刷する設定が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】印刷装置の外観を示す斜視図。
【図2】(a)インクカートリッジの外観を示す側面図。(b)インクカートリッジの外観を示す正面図。(c)インクカートリッジの外観を示す底面図。
【図3】印刷装置のインク供給系統の構成を示す断面図。
【図4】印刷装置の概構成を示す模式図。
【図5】(a)ヘッドを用紙の側から見た正面図。(b)ヘッドから用紙へ吐出されたインクを示す拡大図。
【図6】印刷装置の制御部の構成を主に示すブロック図。
【図7】印刷ドライバによる指定領域および領域色の指定方法を示すフローチャートを含むブロック図。
【図8】印刷ドライバが制御する設定画面を示す模式図。
【図9】領域色の指定方法を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0085】
1…印刷装置、9…用紙、10…インクカートリッジ、11…収容部、15…カートリッジ記憶部、20…ヘッド、25…キャリッジ、31…カートリッジホルダ、32…インク供給チューブ、35…キャッピング部、36…制御部、45…ノズル、50…ホストコンピュータ、51…送信部、52…受信部、53…インク演算部、54…実行部、55…読出/書込部、56…RAM、57…フラッシュROM、58…機構制御部、59…印刷制御部、65…アプリケーション、66…印刷ドライバ、70…設定画面、71…領域の指定部、72…インク残量表示部、73…第1領域、74…第2領域、75…第3領域、76…第4領域、77…領域不設定、80…領域色の指定部、81、83…配合表示部。




 

 


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