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発明の名称 液体吐出装置、コンピュータプログラム、及び、表示方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−7961(P2007−7961A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−190472(P2005−190472)
出願日 平成17年6月29日(2005.6.29)
代理人 【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
発明者 泉尾 誠治
要約 課題
液体の吐出検査を実行した際の結果を表示する。

解決手段
液体を吐出するためのノズルと、前記ノズルから液体が吐出されたか否かを検知するための液体吐出検知部と、前記液体吐出検知部による検知結果に基づく情報を表示するための表示部と、前記情報に応じた画面を前記表示部に表示させるためのコントローラと、を有する。
特許請求の範囲
【請求項1】
(a)液体を吐出するためのノズルと、
(b)前記ノズルから液体が吐出されたか否かを検知するための液体吐出検知部と、
(c)前記液体吐出検知部による検知結果に基づく情報を表示するための表示部と、
(d)前記情報に応じた画面を前記表示部に表示させるためのコントローラと、
(e)を有することを特徴とする液体吐出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の液体吐出装置において、
前記ノズルは複数設けられており、
前記情報は液体が吐出されなかったと検知された前記ノズルの数であり、前記画面は液体が吐出されなかったと検知された前記ノズルの数を示すための画面であることを特徴とする液体吐出装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の液体吐出装置において、
前記液体は、複数色のインクであり、
前記ノズルは、前記インクの色毎に複数設けられており、
前記情報は、液体が吐出されなかったと検知された前記ノズルの数と、当該ノズルから吐出されるべきインクの色とであり、
前記画面は、液体が吐出されなかったと検知された前記ノズルの数と吐出されるべきインクの色とを対応付けて示すための画面であることを特徴とする液体吐出装置。
【請求項4】
請求項1に記載の液体吐出装置において、
前記ノズルは複数設けられており、
前記情報は、液体が吐出されなかったと検知された前記ノズルの位置であり、前記画面は、液体が吐出されなかったと検知された前記ノズルの位置を示すための画面であることを特徴とする液体吐出装置。
【請求項5】
請求項1に記載の液体吐出装置において、
前記コントローラは、複数種類のモードにて前記ノズルから液体を吐出させることにより媒体に画像を形成させることが可能であり、
前記情報は、液体が吐出されない前記ノズルが検知された状態にて前記媒体に形成される前記画像の状態を示す情報であり、
前記画面は、前記モードの種類と、液体が吐出されない前記ノズルが検知された状態にて当該モードにより形成される前記画像の状態とを対応付けて示すための画面であることを特徴とする液体吐出装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の液体吐出装置において、
前記液体吐出検知部による検知のタイミングに応じて、前記表示部に表示される前記画面が異なることを特徴とする液体吐出装置。
【請求項7】
請求項6に記載の液体吐出装置において、
前記画像は、画像を形成するための画像形成データに基づいて形成され、
前記検知のタイミングが、形成しようとする画像の前記画像形成データを取得した後の場合には、前記画像形成データに応じた情報を前記表示部に表示すことを特徴とする液体吐出装置。
【請求項8】
請求項7に記載の液体吐出装置において、
前記画像形成データに応じた情報は、液体が吐出されない前記ノズルが検知された状態にて前記媒体に形成される前記画像のイメージであることを特徴とする液体吐出装置。
【請求項9】
(a)液体を吐出するためのノズルと、
(b)前記ノズルから液体が吐出されたか否かを検知するための液体吐出検知部と、
(c)前記液体吐出検知部による検知結果に基づく情報を表示するための表示部と、
(d)前記情報に応じた画面を前記表示部に表示させるためのコントローラと、を有し、
(e)前記液体吐出検知部による検知のタイミングに応じて、前記表示部に表示される前記画面が異なり、
(f)前記画像は、画像を形成するための画像形成データに基づいて形成され、
前記検知のタイミングが、形成しようとする画像の前記画像形成データを取得した後の場合には、前記画像形成データに応じた情報を前記表示部に表示し、
(g)前記画像形成データに応じた情報は、液体が吐出されない前記ノズルが検知された状態にて前記媒体に形成される前記画像のイメージであることを特徴とする液体吐出装置。
【請求項10】
液体を吐出するためのノズルと、
前記ノズルから液体が吐出されたか否かを検知するための液体吐出検知部と、
前記液体吐出検知部による検知結果に基づく情報を表示するための表示部と、を有する液体吐出装置に、
前記情報に応じた画面を前記表示部に表示させる機能を実現させるためのコンピュータプログラム。
【請求項11】
液体を吐出するためのノズルから液体が吐出されたか否かを検知するステップと、
検知結果に基づく情報を表示するための表示部に、前記情報に応じた画面を表示させるステップと、
を有することを特徴とする表示方法。

発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体を吐出するノズルを有する液体吐出装置、コンピュータプログラム、及び、表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ノズルから液体が吐出されたか否かを検知する機能を有する液体吐出装置としては、例えば液体としてのインクをノズルから吐出するインクジェットプリンタ(以下、プリンタという)が知られている。プリンタは、インクを媒体に向けて吐出して媒体上にドットを形成することにより画像を形成する。そして、ノズルの目詰まり等によりインクが吐出されない場合には、画像に白いスジが入ったり、実際とは異なる色の画像が形成されてしまう。このため、すべてのノズルを用いて所定のパターンを印刷し、ユーザーは印刷した画像を見て、インクを吐出しないノズルが存在するか否かを判断している(例えば、特許文献1参照)。そして、ユーザーは必要があると判断した場合にはノズルをクリーニングしている。
【特許文献1】特開2002−361988号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記のようなプリンタでは、ノズルからインクが吐出されているかを印刷されたパターンをユーザーが見て判断するため、例えば、インクが吐出されなかったノズルの数や、そのノズルから吐出されるべきインクの色、また、インクを吐出しないノズルを有するままで印刷した際にどのような画像が印刷されるか、など詳細な情報をユーザーは知ることができず、クリーニングをするか否かの判断が難しいという課題があった。
【0004】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、液体の吐出検査を実行した際の結果を表示する液体吐出装置、コンピュータプログラム、及び、表示方法を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
主たる発明は、(a)液体を吐出するためのノズルと、(b)前記ノズルから液体が吐出されたか否かを検知するための液体吐出検知部と、(c)前記液体吐出検知部による検知結果に基づく情報を表示するための表示部と、(d)前記情報に応じた画面を前記表示部に表示させるためのコントローラと、(e)を有することを特徴とする液体吐出装置である。
【0006】
本発明の他の特徴は、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本明細書の記載、及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。
【0008】
(a)液体を吐出するためのノズルと、(b)前記ノズルから液体が吐出されたか否かを検知するための液体吐出検知部と、(c)前記液体吐出検知部による検知結果に基づく情報を表示するための表示部と、(d)前記情報に応じた画面を前記表示部に表示させるためのコントローラと、(e)を有することを特徴とする液体吐出装置。
このような液体吐出装置によれば、液体吐出検知部にて、ノズルから液体が吐出されたか否かを検知し、その結果に基づく情報に応じた画面が表示部に表示されるので、ユーザーはノズルから液体が吐出されたか否かの検知結果を、前記画面を見ることにより認識することが可能である。
【0009】
かかる液体吐出装置において、前記ノズルは複数設けられており、前記情報は液体が吐出されなかったと検知された前記ノズルの数であり、前記画面は液体が吐出されなかったと検知された前記ノズルの数を示すための画面であることを特徴とする。
このような液体吐出装置によれば、ユーザーは表示部の画面を見ることにより、液体が吐出されなかったと検知されたノズルの数を認識することが可能である。
【0010】
かかる液体吐出装置において、前記液体は、複数色のインクであり、前記ノズルは、前記インクの色毎に複数設けられており、前記情報は、液体が吐出されなかったと検知された前記ノズルの数と、当該ノズルから吐出されるべきインクの色とであり、前記画面は、液体が吐出されなかったと検知された前記ノズルの数と吐出されるべきインクの色とを対応付けて示すための画面であることとしてもよい。
このような液体吐出装置によれば、ユーザーは表示部の画面を見ることにより、液体が吐出されなかったと検知されたノズルの数と吐出されるべきインクの色とを対応付けて認識することが可能である。
【0011】
かかる液体吐出装置において、前記ノズルは複数設けられており、前記情報は、液体が吐出されなかったと検知された前記ノズルの位置であり、前記画面は、液体が吐出されなかったと検知された前記ノズルの位置を示すための画面であることとしてもよい。
このような液体吐出装置によれば、ユーザーは表示部の画面を見ることにより、液体が吐出されなかったと検知されたノズルの位置を認識することが可能である。
【0012】
かかる液体吐出装置において、前記コントローラは、複数種類のモードにて前記ノズルから液体を吐出させることにより媒体に画像を形成させることが可能であり、前記情報は、液体が吐出されない前記ノズルが検知された状態にて前記媒体に形成される前記画像の状態を示す情報であり、前記画面は、前記モードの種類と、液体が吐出されない前記ノズルが検知された状態にて当該モードにより形成される前記画像の状態とを対応付けて示すための画面であることとしてもよい。
このような液体吐出装置によれば、ユーザーは表示部の画面を見ることにより、ノズルから液体を吐出させることにより媒体に画像を形成させることが可能な複数種類のモードと、液体が吐出されないノズルが検知された状態にて各モードにより形成される画像の状態とを対応付けた情報を取得することが可能である。このため、所望のモードにて形成される画像の状態を、実際に液体を吐出させて媒体上に画像を形成する以前に認識することが可能である。
【0013】
かかる液体吐出装置において、前記液体吐出検知部による検知のタイミングに応じて、前記表示部に表示される前記画面が異なることが望ましい。
液体吐出検知部による検知のタイミングにより、ユーザーが知りたい情報、及び、ユーザーに報知可能な情報が異なる場合があるが、上記液体吐出装置によれば、検知のタイミングに応じて適切な情報を画面に表示すること、及び、適切な情報を取得することが可能である。
【0014】
かかる液体吐出装置において、前記画像は、画像を形成するための画像形成データに基づいて形成され、前記検知のタイミングが、形成しようとする画像の前記画像形成データを取得した後の場合には、前記画像形成データに応じた情報を前記表示部に表示すことが望ましい。
このような液体吐出装置によれば、画面に表示されるのは、取得した、画像を形成するための画像形成データに応じた情報なので、まさに形成しようとしている画像に応じた情報を取得することが可能である。
【0015】
かかる液体吐出装置において、前記画像形成データに応じた情報は、液体が吐出されない前記ノズルが検知された状態にて前記媒体に形成される前記画像のイメージであることが望ましい。
このような液体吐出装置によれば、ユーザーは表示部の画面を見ることにより、画像を実際に形成することなく、液体が吐出されないノズルが検知された状態にて媒体に形成される画像のイメージを認識することが可能である。このため、液体が吐出されないノズルが検知された状態にて画像を形成するべきか否かを、明確に、且つ容易に判断することが可能である。
【0016】
また、(a)液体を吐出するためのノズルと、(b)前記ノズルから液体が吐出されたか否かを検知するための液体吐出検知部と、(c)前記液体吐出検知部による検知結果に基づく情報を表示するための表示部と、(d)前記情報に応じた画面を前記表示部に表示させるためのコントローラと、を有し、(e)前記液体吐出検知部による検知のタイミングに応じて、前記表示部に表示される前記画面が異なり、(f)前記画像は、画像を形成するための画像形成データに基づいて形成され、前記検知のタイミングが、形成しようとする画像の前記画像形成データを取得した後の場合には、前記画像形成データに応じた情報を前記表示部に表示し、(g)前記画像データに応じた情報は、液体が吐出されない前記ノズルが検知された状態にて前記媒体に形成される前記画像のイメージであることを特徴とする液体吐出装置である。
このような液体吐出装置によれば、液体の吐出検査を実行した際の結果を表示部に表示することが可能である。
【0017】
また、液体を吐出するためのノズルと、前記ノズルから液体が吐出されたか否かを検知するための液体吐出検知部と、前記液体吐出検知部による検知結果に基づく情報を表示するための表示部と、を有する液体吐出装置に、前記情報に応じた画面を前記表示部に表示させる機能を実現させるためのコンピュータプログラムも実現可能である。
【0018】
また、液体を吐出するためのノズルから液体が吐出されたか否かを検知するステップと、検知結果に基づく情報を表示するための表示部に、前記情報に応じた画面を表示させるステップと、を有することを特徴とする表示方法も実現可能である。
【0019】
===液体吐出装置の概要===
本発明にかかる液体吐出装置の一実施例として、インクジェットプリンタ1と、このインクジェットプリンタ1に接続されたコンピュータ110と、を有する印刷システムを例にとり、その概要について説明する。ここでは、液体吐出装置を、印刷システムとしているが、インクジェットプリンタ単体でも液体吐出装置を構成しうる。
【0020】
<印刷システム>
図1は、印刷システム100の構成を説明する図である。印刷システムとは、プリンタと、このプリンタの動作を制御する印刷制御装置とを少なくとも含むシステムのことである。本実施形態の印刷システム100は、液体としてのインクを吐出して媒体に画像を形成することにより印刷するインクジェットプリンタ(以下、プリンタという)1と、コンピュータ110と、報知部としての表示装置120と、入力装置130と、記録再生装置140とを有している。 プリンタ1は、紙、布、フィルム、OHP用紙等の媒体に画像を印刷する。コンピュータ110は、プリンタ1と通信可能に接続されている。そして、プリンタ1に画像を印刷させるため、コンピュータ110は、その画像に応じた印刷データをプリンタ1に出力する。このコンピュータ110には、アプリケーションプログラムやプリンタドライバ等のコンピュータプログラムがインストールされている。
【0021】
<プリンタドライバ>
図2は、プリンタドライバが行う基本的な処理の概略的な説明図である。
コンピュータ110では、当該コンピュータ110に搭載されたオペレーティングシステムの下、ビデオドライバ102やアプリケーションプログラム104、プリンタドライバ111などのコンピュータプログラムが動作している。ビデオドライバ102は、アプリケーションプログラム104やプリンタドライバ111からの表示命令に従って、例えばユーザーインターフェース等を表示装置120に表示する機能を有する。アプリケーションプログラム104は、例えば、画像編集などを行う機能を有し、画像に関するデータ(画像データ)を作成する。ユーザーは、アプリケーションプログラム104のユーザーインターフェースを介して、アプリケーションプログラム104により編集した画像を印刷する指示を与えることができる。アプリケーションプログラム104は、印刷の指示を受けると、プリンタドライバ111に画像データを出力する。
【0022】
プリンタドライバ111は、アプリケーションプログラム104から画像データを受け取り、この画像データを印刷データに変換し、印刷データをインクジェットプリンタ1に出力する。ここで、印刷データとは、インクジェットプリンタ1が解釈できる形式のデータであって、各種のコマンドデータと画素データとを有するデータである。また、コマンドデータとは、インクジェットプリンタ1に特定の動作の実行を指示するためのデータである。また、画素データとは、印刷される画像(印刷画像)を構成する画素に関するデータであり、例えば、ある画素に対応する媒体S上の位置に形成されるドットに関するデータ(ドットの色や大きさ等のデータ)である。
【0023】
プリンタドライバ111は、アプリケーションプログラム104から出力された画像データを印刷データに変換するために、解像度変換処理部112と、色変換処理部114と、ハーフトーン処理部116と、ラスタライズ処理部118とを備えている。
【0024】
解像度変換処理部112は、アプリケーションプログラム104から出力された画像データ(テキストデータ、イメージデータなど)を、媒体としての用紙Sに印刷する際の解像度に変換する解像度変換処理を行う。解像度変換処理とは、例えば、紙に画像を印刷する際の解像度が720×720dpiに指定されている場合、アプリケーションプログラム104から受け取った画像データを720×720dpiの解像度の画像データに変換する。なお、解像度変換処理後の画像データは、RGB色空間により表される多階調(例えば256階調)のRGBデータである。以下、画像データを解像度変換処理したRGBデータをRGB画像データと呼ぶ。
【0025】
色変換処理部114は、RGBデータをCMYK色空間により表されるCMYKデータに変換する色変換処理を行う。色変換処理は、RGBデータの階調値とCMYKデータの階調値とを対応づけたテーブル(色変換ルックアップテーブルLUT)をプリンタドライバが参照することによって行われる。なお、CMYKデータは、インクジェットプリンタ1が有するインクの色に対応したデータである。この色変換処理により、各画素についてのRGBデータが、インク色に対応するCMYKデータに変換される。以下、RGB画像データを色変換処理したCMYKデータをCMYK画像データと呼ぶ。
【0026】
ハーフトーン処理部116は、高階調数のデータを、インクジェットプリンタ1が形成可能な階調数のデータに変換するハーフトーン処理を行う。ハーフトーン処理とは、例えば、256階調を示すデータが、2階調を示す1ビットデータや4階調を示す2ビットデータに変換する処理のことである。
【0027】
ラスタライズ処理部118は、マトリクス状の画像データを、インクジェットプリンタ1に転送すべきデータ順に変更するラスタライズ処理を行う。これによりラスタライズ処理されたデータが、インクジェットプリンタ1に出力される。
【0028】
<プリンタドライバによる設定>
図3は、プリンタドライバ111のユーザーインターフェースの説明図である。このプリンタドライバ111のユーザーインターフェースは、ビデオドライバ102を介して、表示装置に表示される。ユーザーは、入力装置130を用いて、プリンタドライバ111の各種の設定を行うことができる。
【0029】
ユーザーは、この画面上から、印刷の解像度(印刷するときのドットの間隔)、印刷する媒体の種類及びサイズ、印刷モードなど各種印刷条件を選択することができる。プリンタドライバ111は、選択された印刷条件に応じて上述したデータ変換処理を行い、画像データを印刷データに変換する。
【0030】
<プリンタ>
図4は、プリンタ1の全体構成のブロック図である。また、図5Aは、プリンタ1の全体構成の概略図である。また、図5Bは、プリンタ1の全体構成の縦断面図である。以下、本実施形態のプリンタの基本的な構成について説明する。
【0031】
プリンタ1は、搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40、検出器群50、及び制御部60を有する。外部装置であるコンピュータ110から印刷データを受信したプリンタ1は、制御部60によって各ユニット(搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40)を制御する。制御部60は、コンピュータ110から受信した印刷データに基づいて、各ユニットを制御し、用紙に画像を印刷する。プリンタ1内の状況は検出器群50によって監視されており、検出器群50は、検出結果を制御部60に出力する。制御部60は、検出器群50から出力された検出結果に基づいて、各ユニットを制御する。
【0032】
搬送ユニット20は、紙等の媒体を所定方向(以下、搬送方向という)に搬送するものである。この搬送ユニット20は、給紙ローラ21と、搬送モータ22(PFモータとも言う)と、搬送ローラ23と、プラテン24と、排紙ローラ25とを有する。給紙ローラ21は、紙挿入口に挿入された用紙をプリンタ内に給紙するためのローラである。搬送ローラ23は、給紙ローラ21によって給紙された用紙Sを印刷可能な領域まで搬送するローラである。プラテン24は、印刷中の用紙Sを支持する。排紙ローラ25は、用紙Sをプリンタ1の外部に排出するローラであり、印刷可能な領域に対して搬送方向下流側に設けられている。この排紙ローラ25は、搬送ローラ23と同期して回転する。
【0033】
キャリッジユニット30は、ヘッド41を所定の移動方向に移動させるためのものである。キャリッジユニット30は、キャリッジ31と、キャリッジモータ32(CRモータともいう)と、を有する。キャリッジ31は、移動方向に設けられたガイド部46に沿って往復移動可能である。また、キャリッジ31は、インクを収容するインクカートリッジを着脱可能に保持している。キャリッジモータ32は、キャリッジ31を移動方向に移動させるためのモータである。
【0034】
ヘッドユニット40は、用紙にインクを吐出するためのものである。ヘッドユニット40は、ヘッド41を有する。ヘッド41は、複数のノズルを有し、各ノズルから断続的にインクを吐出する。このヘッド41は、キャリッジ31に設けられている。そのため、キャリッジ31が移動方向に移動すると、ヘッド41も移動方向に移動する。そして、ヘッド41が移動方向に移動中に滴状のインク(以下、インク滴という)を断続的に吐出することによって、移動方向に沿ったドット列(ラスタライン)が媒体の一例としての用紙に形成される。
【0035】
図6は、ヘッド41の下面におけるノズルの配列を示す説明図である。ヘッド41の下面には、ブラックインクノズル列411(K)と、シアンインクノズル列411(C)と、マゼンタインクノズル列411(M)と、イエローインクノズル列411(Y)が形成されている。各ノズル列は、各色のインクを吐出するための吐出口であるノズルを複数個備えている。各ノズル列の複数のノズルは、搬送方向に沿って、一定の間隔(ノズルピッチ:k・D)でそれぞれ整列している。ここで、Dは、搬送方向における最小のドットピッチ(つまり、用紙Sに形成されるドットの最高解像度での間隔)である。また、kは、1以上の整数である。例えば、ノズルピッチが180dpi(1/180インチ)であって、搬送方向のドットピッチが720dpi(1/720インチ)である場合、k=4である。各ノズル列のノズルは、下流側のノズルほど小さい数の番号が付されている(♯1〜♯180)。各ノズルには、それぞれインクチャンバー(不図示)とピエゾ素子(不図示)が設けられており、ピエゾ素子の駆動によってインクチャンバーが伸縮・膨張されて、ノズルからインク滴が吐出される。
【0036】
検出器群50には、リニア式エンコーダ51、ロータリー式エンコーダ52、紙検出センサ53、光学センサ54、及び、ヘッド41に設けられた各ノズルからのインクの吐出の有無を検知するための液体吐出検知部としてのインク吐出検知部70等が含まれる。リニア式エンコーダ51は、キャリッジ31の移動方向の位置を検出するためのものである。ロータリー式エンコーダ52は、搬送ローラ23の回転量を検出するためのものである。紙検出センサ53は、印刷される用紙の先端の位置を検出するためのものである。光学センサ54は、キャリッジ31に取付けられている。光学センサ54は、発光部から用紙に照射された光の反射光を受光部が検出することにより、用紙の有無を検出する。インク吐出検知部70については後述する。
【0037】
制御部60は、プリンタの制御を行うための制御部である。制御部60は、インターフェース部61と、CPU62と、メモリ63と、ユニット制御回路64とを有する。インターフェース部61は、外部装置であるコンピュータ110とプリンタ1との間でデータの送受信を行うためのものである。CPU62は、プリンタ全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリ63は、CPU62のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM等の記憶素子を有する。CPU62は、メモリ63に格納されているプログラムに従って、ユニット制御回路64を介して各ユニットを制御する。
【0038】
===印刷方法===
<印刷動作について>
図7は、印刷時の処理のフロー図である。以下に説明される各処理は、制御部60が、メモリ63内に格納されたプログラムに従って、各ユニットを制御することにより実行される。このプログラムは、各処理を実行するためのコードを有する。
【0039】
印刷命令受信(S001):まず、制御部60は、コンピュータ110からインターフェース部61を介して、印刷命令を受信する。この印刷命令は、コンピュータ110から送信される印刷データのヘッダに印刷条件等の情報と共に含まれている。そして、制御部60は、受信した印刷データに含まれる各種コマンドの内容を解析し、各ユニットを用いて、以下の給紙処理・搬送処理・ドット形成処理等を行う。
【0040】
給紙処理(S002):給紙処理とは、印刷すべき用紙をプリンタ内に供給し、印刷開始位置(頭出し位置とも言う)に用紙を位置決めする処理である。制御部60は、給紙ローラ21や搬送ローラ23を回転させ、用紙を印刷開始位置に位置決めする。
【0041】
ドット形成処理(S003):ドット形成処理とは、移動方向に沿って移動するヘッド41からインクを断続的に吐出させ、用紙上にドットを形成する処理である。制御部60は、キャリッジモータ32を駆動し、キャリッジ31を移動方向に移動させ、キャリッジ31の移動中に、印刷データに含まれる単位領域毎のデータ(以下、単位領域データという)に基づいてヘッド41からインクを吐出させる。ヘッド41から吐出されたインク滴が用紙上に着弾すれば、用紙上にドットが形成される。移動するヘッド41からインクが断続的に吐出されるので、用紙上には移動方向に沿った複数のドットからなるドット列(ラスタライン)が形成される。ここで、「単位領域」とは、用紙等の媒体上に仮想的に定められた矩形状の領域を指し、印刷解像度に応じて大きさや形が定められる。例えば、印刷解像度が720dpi(移動方向)×720dpi(搬送方向)の場合、単位領域は、約35.28μm×35.28μm(≒1/720インチ×1/720インチ)の大きさの正方形状の領域になる。理想的にインク滴が吐出されると、この単位領域の中心位置にインク滴が着弾し、その後インク滴が広がって、単位領域にドットが形成される。
【0042】
搬送処理(S004):搬送処理とは、用紙をヘッド41に対して搬送方向に沿って相対的に移動させる処理である。制御部60は、搬送ローラ23を回転させて用紙を搬送方向に搬送する。この搬送処理により、ヘッド41は、先ほどのドット形成処理によって形成されたドットの位置とは異なる位置に、次のドット形成処理時にドットを形成することが可能になる。
【0043】
排紙判断(S005):制御部60は、印刷中の用紙の排出(排紙)の判断を行う。印刷中の用紙に印刷すべきデータが残っていれば、排紙は行われない。そして、制御部60は、印刷すべきデータがなくなるまで、ドット形成処理と搬送処理とを交互に繰り返し、ドットにて構成される画像を徐々に用紙に印刷する。
【0044】
排紙処理(S006):印刷中の用紙に印刷すべきデータがなくなれば、制御部60は、排紙ローラを回転させることにより、その用紙を排紙する。なお、排紙を行うか否かの判断は、印刷データに含まれる排紙コマンドに基づいても良い。
【0045】
印刷終了判断(S007):次に、制御部60は、印刷を続行するか否かの判断を行う。次の用紙に印刷を行うのであれば、印刷を続行し、次の用紙の給紙処理を開始する。次の用紙に印刷を行わないのであれば、印刷動作を終了する。
【0046】
===液体吐出検知部===
<液体吐出検知部の概要>
図8は、液体吐出検知部の構成を説明するための図であり、図9は、液体吐出検知部の検知原理を説明するための説明図である。
【0047】
液体吐出検知部としてのインク吐出検知部70は、図8に示すように、移動するヘッド41と所定の位置にて対向可能に配設された感知部71と、この感知部71に接続された検知回路80とを備えている。感知部71は、導電性を有し吸水性に富みマット状をなす発泡部材71aと、発泡部材71a内に緊張状態にて設けられ金属等の導電性を有する線材71bとを有している。また、感知部71は、発泡部材71aがヘッド41のノズルが設けられている部位と対面し、線材71bが、ヘッド41が有するノズル列と平行になるように配置されている。そして、キャリッジ31が移動したときに、感知部71は、ヘッド41との間に間隔Dを隔てて、ヘッド41と非接触状態にて対向し得るように配設されている。ヘッド41と感知部71との間の間隔Dは、例えば、1mm程度に設定される。
【0048】
また、感知部71の線材71bには、保護抵抗R1を介して、電源(不図示)が接続されていて、この電源から例えば、100V(ボルト)などの高い電圧が印加される。
【0049】
一方、検知回路80は、感知部71に発生する電流を検出するように構成されている。本実施形態では、この検知回路80は、コンデンサCと、入力抵抗R2と、帰還抵抗R3と、オペアンプAmpとを備えた検出回路により構成されている。コンデンサCは、感知部71に電流変動が発生したときに、この電流変動を電気信号として入力抵抗R2を介してオペアンプAmpに入力する役割を果たす。また、オペアンプAmpは、コンデンサCを通じて入力された信号を増幅して出力する増幅回路としての役割を果たす。オペアンプAmpからの出力信号は、例えば、A/D変換部によりアナログ信号からデジタル信号へとA/D変換されて、例えばデジタルデータなど、適宜な形態で制御部60に向けて出力される。
【0050】
インクの吐出状況、すなわち、インクが吐出されたか否かを検知する場合には、感知部71に、電源からの供給電圧により、例えば100V(ボルト)などの非常に高い電圧が印加されている。これにより、ヘッド41と感知部71との間には、非常に強い電界が形成される。
【0051】
制御部60は、ヘッド41の各ノズル♯1〜♯180からそれぞれ個別に感知部71に向けてインクを吐出する動作を実行させる。図9は、ヘッド41の、あるノズルから感知部71に向けてインクが吐出される様子を説明したものである。ここでは、ヘッド41の各ノズル♯1〜♯180からそれぞれインク滴Ipが、1滴分だけ吐出される。このとき、ヘッド41と感知部71との強い電界内において、ノズル♯1〜♯180から吐出されたインク滴Ipは帯電されている。
【0052】
ノズル♯1〜♯180から吐出され、帯電されたインク滴Ipが、感知部71に接触すると、感知部71の電位が変動する。感知部71の電位が変動した場合には、検知回路80に入力される電流に変動が生じ、この電流変動が電気信号として入力抵抗R2を介してオペアンプAmpに入力される。そして、オペアンプAmpに入力された信号は増幅されて、制御部60等に向けて出力される。
【0053】
一方、ノズル♯1〜♯180からインク滴Ipが正常に吐出されなかった場合には、帯電されたインク滴Ipが所定のタイミングにて感知部71に接触しないため、検知回路80においては、電流の変動が検出されない。このため、制御部60等に向けて信号が出力さないため、インクを吐出する動作が実行されたノズルからインクが正常に吐出されなかったことが検知される。
【0054】
すなわち、制御部60は、検知回路80による信号の出力タイミング、及び、検知回路80から出力される信号の有無に基づいてインクが吐出されたか否かを判定する。このようなインクの吐出状況を検知する処理を、以下では「インク吐出検査」という。
【0055】
<感知部の設置位置>
図10は、本実施形態の感知部71の設置位置を説明するための図である。本実施形態の感知部71は、同図に示すように、ノズル♯1〜♯180からインクが吐出されて印刷が行われる印刷エリアApから外れたエリアAn(以下、非印刷エリアという)に設置される。この非印刷エリアAnには、感知部71の他に、ノズルの目詰まり等を解消するための、ノズル♯1〜♯180のクリーニング機構として、ノズル♯1〜♯180に付着しているインクを拭き取るワイピング装置36と、ノズル♯1〜♯180からインクを吸い出すポンプ装置35とが設けられている。ポンプ装置35は、ポンプ機構によりインクを吸引する際に、ノズルが設けられているヘッド41の下面41aを覆うキャップ部を有しており、キャップ部は、印刷が行われないときにヘッド41の下面41aを覆い、ノズル内のインクの乾燥を抑える機能も有している。
【0056】
本実施形態では、感知部71は、非印刷エリアAnの中でも印刷エリアApに近い位置、即ち、同図に示すように、印刷エリアApと、ワイピング装置36及びポンプ装置35との間に設けられる。これによって、キャリッジ31が印刷エリアApから非印刷エリアAnへと移動する際には、必ず感知部71の上方を通過するようになっている。すなわち、キャリッジ31が非印刷エリアAnに移動する非印刷時には、いつでもインク吐出検査を実行することができるように構成されている。
【0057】
<感知部>
図11は、本実施形態の感知部71の平面図であり、図12は、インク回収部を説明するための図である。
【0058】
本実施形態の感知部71は、図11に示すように、長方形状に成形された基板72上に設けられている。この基板72は、プリント配線基板である。感知部71の線材71bは、基板72の搬送方向における上流側に形成された開口部74に、基板72の長さ方向、即ちここでは搬送方向に沿って緊張状態で掛け渡され、発泡部材71aは線材71bを内包し開口部74の全域を覆うように設けられている。線材71bの両端部は、それぞれ開口部74の縁部に固定部材76により固定されている。
【0059】
ヘッド41のノズル♯1〜♯180から吐出されたインク滴Ipは、感知部71の発泡部材71aに接触したのちに、発泡部材71a内を下方に浸透し、図12に示すように、感知部71を抜けて下方に設けられたインク回収部90内の吸収体92に回収される。このインク回収部90は、例えば、プラテン24等に断面凹形等に形成された溝部などとして設けられていても良い。
【0060】
本実施形態では、基板72には、検知回路80を構成する保護抵抗R1やコンデンサC、入力抵抗R2、帰還抵抗R3、オペアンプAmpなどを構成する回路素子82、83、84が一体的に実装されている。
【0061】
<インク吐出検査のタイミング>
インク吐出検査が実行されるタイミングとしては、次のようなタイミングがある。
【0062】
(1)印刷処理中
印刷処理中に適宜なタイミングでインク吐出検査を実行する。例えば、「双方向印刷」の場合には、移動方向が変更される際に、キャリッジ31が感知部71上へと移動してノズル♯1〜♯180のインク吐出検査を実行する。これにより、印刷処理中に途中でノズルのからインクが吐出されない状況が発生して、印刷画像に不具合が生じるのを回避することができる。
【0063】
(2)電源投入時
電源投入時にインク吐出検査を実行する。電源投入時は、しばらくの間ノズルからインクが吐出されていない状態が続いていた可能性があり、このような場合には、ノズル内のインクが乾燥しノズルからインクが吐出されない畏れがある。また、これからまさに印刷を行うためにプリンタ1の電源を投入する場合もあるので、プリンタ1のイニシャライズ処理時における処理の1つとしてノズル♯1〜♯180のインク吐出検査を実行する。このようなタイミングでインク吐出検査を実行することで、ノズル♯1〜♯180からインクを吐出させて良好な画像を印刷することが可能となる。
【0064】
(3)給紙時
用紙Sを印刷すべく所定の位置に送り込む動作、即ち給紙時にインク吐出検査を実行する。このタイミングでは、画像を印刷するために用紙Sを給紙したときに、インクが正常に吐出される否かを検知することが可能であり、用紙Sを給紙する都度、インク吐出検査を実行しても良く、また、適宜な間隔で所定の数の用紙に印刷するごとにインク吐出検査を実行しても良い。
【0065】
(4)印刷データの取得時
プリンタ1が、パーソナルコンピュータなどの接続されたコンピュータ110から印刷データを受け取ったタイミングにて、インク吐出検査を実行する。すなわち、コンピュータ110から印刷データを受け取り、これから印刷を実行しようとするときに、インクが正常に吐出されるか否かをチェックするものである。このようなタイミングでインク吐出検査を実行することで、ノズル♯1〜♯180からインクを吐出させて良好な画像を印刷することが可能となる。
【0066】
なお、本発明におけるインク吐出検査が実行されるのは、必ずしも前述した(1)〜(4)のタイミングである必要はなく、これら(1)〜(4)以外のタイミングにてインク吐出検査が実行されても良い。
【0067】
<インク吐出検査>
図13は、インク吐出検査を説明するためのフローチャートである。
インク吐出検査を実行する際には、制御部60は、まずメモリ内の所定の領域に割り付けられたカウンタをクリアし「N=0」とする(S202)。次に、カウンタの値Nに「1」を加えた後に(S204)、第1ノズルにてインク滴を1滴吐出させる動作を実行する(S206)。このとき、制御部60は検知回路80の出力を監視しており、所定時間内にて検知回路80からインクが吐出されたことを示す信号が検知されたか否かを判定する(S208)。
【0068】
そして、インクが吐出されたことを示す信号が検知された場合には、カウンタ値Nが180に到達したか否かが判定され(S210)、カウンタ値Nが180に満たない場合には、カウンタの値に「1」を加えた後に(S204)、次のノズル(ここでは第2ノズル)にてインク滴を1滴吐出させる動作を実行させ(S206)、検知回路80からインクが吐出されたことを示す信号が検知されたか否かを判定する(S208)。このように、インクを吐出させる動作を実行させるノズルを順次変更しながら検知回路80からの出力を監視する処理を繰り返す。
【0069】
一方、所定時間内にて検知回路80からインクが吐出されたことを示す信号が検知されなかった場合には、このときのカウンタ値Nをメモリ63の不吐出ノズル記憶領域として設定された領域にインクの色毎に記憶する(S212)。その後、カウンタの値Nが180に到達したか否かが判定され(S210)、カウンタの値Nが180に満たない場合には、カウンタの値に「1」を加えた後に(S204)、次のノズルにてインク滴を1滴吐出させる動作を実行させ(S206)、検知回路80からインクが吐出されたことを示す信号が検知されたか否かを判定する処理(S208)を繰り返す。
【0070】
すなわち、インク滴を吐出させるための動作は、ノズルを順次変更しつつ周期的に実行され、あるノズルにてインク滴を吐出させる動作をさせたときから、次のノズルにてインク滴を吐出させる動作をさせる前までの時間(前記所定時間)内に、制御部60が検知回路80からの信号を検知したか否かにて、前記あるノズルにてインクが吐出されたか否かが判定される。このようにして、ブラックインクノズル列411(K)、シアンインクノズル列411(C)、マゼンダインクノズル列411(M)、イエローインクノズル列411(Y)に対し順次インク吐出検査を実施する。
【0071】
そして、制御部60は、不吐出ノズル記憶領域に記憶されている情報を取得することにより、インクが吐出されなかったと検知されたノズルの番号、インクの色、インクが吐出されなかったノズルの総数などの情報を取得することが可能である。
【0072】
インク吐出検査の結果は、制御部60とコンピュータ110との間で受け渡され、コンピュータ110の処理により、検知結果に基づく情報に応じた画面が表示装置120に表示される。図14は、検知結果に基づく情報に応じた画面を表示装置に表示する処理を示すフローチャートである。制御部60は、上述したインク吐出検査を実行する(S302)。インク吐出検査を終了すると、コンピュータ110は、メモリ63に記憶されている、インクが吐出されなかったノズルの情報を取得し(S304)、取得した情報に基づいて、インク吐出検査による検知結果に基づく情報を表示装置120に表示する(S306)。本実施形態においては、情報に応じた画面を表示部に表示するためのコントローラは、制御部60とコンピュータ110を含んでいる。
【0073】
===検知結果の表示画面例===
インク吐出検査による検知結果に基づく情報は、ユーザーの要求やインク吐出検査のタイミング等に応じて様々な画面にて表示することが可能である。以下に、インク吐出検査による検知結果に基づく情報を表示するための種々の画面の例を説明する。
【0074】
<第1表示例>
図15は、検知結果に基づく情報を表示するための画面の第1表示例を示す図である。第1表示例では、検知結果に基づく情報として、インクが吐出されていないとして検知されたノズル(以下、不吐出ノズルという)の総数を表示している。また、第1表示例の画面153には、ノズルのクリーニングを実行させるための「クリーニング」ボタン151と、この画面表示を消すための「終了」ボタン152とが配置されている。そして、第1表示例の画面153に表示されている、検知されたノズルの総数を確認したユーザーが、必要に応じて「クリーニング」ボタン151をクリックすることにより、ノズルのクリーニングが実行されるように構成されている。
【0075】
<第2表示例>
図16は、検知結果に基づく情報を表示するための画面の第2表示例を示す図である。第2表示例では、検知結果に基づく情報として、インクの色毎に不吐出ノズルの数を表示している。また、第2表示例の画面154にも、「クリーニング」ボタン151と、「終了」ボタン152とが配置されている。そして、第2表示例の画面に表示されている、インクの色毎に検知されたノズルの数を確認したユーザーが、必要に応じて「クリーニング」ボタン151をクリックすることにより、ノズルのクリーニングが実行されるように構成されている。この場合には、第1表示例の画面153と異なり、ユーザーはインクの色毎にインクが吐出されていないノズルの数を確認できるため、印刷しようとする画像に応じてノズルをクリーニングすることが可能である。例えば、ブラックインクのみを用いてテキスト印刷しようとしているときには、ブラックインクノズル列に不吐出ノズルが存在しなければ、クリーニングを実行する必要はない。このため、無用なクリーニングが実行されないため、インクや時間の浪費を防止することが可能である。ここで、検知結果として表示するインクの色はブラック、マゼンタ、シアン、イエローの4色に限るものではない。また、図16ではインクの色毎の不吐出ノズルの数を表示したが、必ずしも色毎でなくても良く、例えば、ブラックインクと、ブラック以外の色のインクとに分けて不吐出ノズルの数を表示しても良い。さらに、本実施形態では用いていないが、例えば、ライトマゼンタや、ライトシアンといった淡い色のインクと濃い色のインクとブラックとに分けて不吐出ノズルの数を表示しても良い。
【0076】
<第3表示例>
図17は、検知結果に基づく情報を表示するための画面の第3表示例を示す図である。第3表示例では、検知結果に基づく情報として、不吐出ノズルから吐出されるべきインクの色、不吐出ノズルの数、不吐出ノズルの位置を表示している。第3表示例の画面155にも、「クリーニング」ボタン151と、「終了」ボタン152とが配置されている。そして、第3表示例の画面155に表示されている、不吐出ノズルから吐出されるべきインクの色、不吐出ノズルの数、不吐出ノズルの位置を確認したユーザーが、必要に応じて「クリーニング」ボタン151をクリックすることにより、ノズルのクリーニングが実行されるように構成されている。この場合には、第1表示例、及び、第2表示例と異なり、複数検出された不吐出ノズルがどの位置に存在するかを、ユーザーは確認することが可能である。例えば、複数検知された不吐出ノズルが、ノズル列の離れた位置に存在するのか、隣接して存在するのかを確認することが可能である。この場合には、不吐出ノズルの総数としては少ないため、ドラフト印刷モードやテキスト印刷モードの場合には、画像への影響が小さいように思われるが、不吐出ノズルが単一のノズル列にて例えば隣接して3個存在する場合には、ドラフト印刷モードやテキスト印刷モードの場合であっても、画像に影響する可能性がある。このため、第3表示例の画面155にて、不吐出ノズルの位置をユーザーが確認することにより、ノズルのクリーニングを実行する否かを、より適切に判断することが可能である。ここで、ドラフト印刷モードとは、コンピュータにより作成したドキュメント等の印刷物のレイアウトや、文字サイズ等が妥当であるか否かを確認するために、実際の印刷より解像度を低くすると共に、インクの使用量を抑えて高速にて、試しに印刷するような印刷モードを指している。
【0077】
<第4表示例>
図18は、検知結果に基づく情報を表示するための画面の第4表示例を示す図である。第4表示例では、検知結果に基づく情報として、インクが吐出されないノズルが検知された状態にて印刷される画像の評価を、印刷モード毎に記号により表示している。図18に示した第4表示例の画面156は、その一例として、不吐出ノズルとして検知されたノズルの数が少なかった場合を示している。すなわち、ドラフト印刷モードの印刷に対応させて、ほぼ画像に影響なく印刷されるため、良好な画像が印刷されることを示す「○」が示され、テキスト印刷モードに対応させて、目立たない程度のスジが現れることを示す「△」が示され、写真印刷モードに対応させて、画像が綺麗に印刷されないことを示す「×」が示されている。第4表示例の画面156には、例えば「画像の×印が付いている印刷モードにて印刷する場合には、ノズルをクリーニングすることをお勧めします。」という表示をしたり、「×」の代わりに、「ノズルをクリーニングすることをお勧めします。」という表示をしてもよい。第4表示例の画面156にも、「クリーニング」ボタン151と、「終了」ボタン152とが配置されている。そして、第4表示例の画面156に表示されている、インクが吐出されないノズルが検知された状態にて印刷される画像の評価を確認したユーザーが、必要に応じて「クリーニング」ボタン151をクリックすることにより、ノズルのクリーニングが実行されるように構成されている。第4表示例の場合には、ユーザーは不吐出ノズルの有無だけでなく、これから印刷しようとする画像への影響の度合いを知ることが可能である。すなわち、表示される画像の評価は、画像を印刷する前にノズルをクリーニングするか否かの判断の目安となり、ユーザーはクリーニングするか否かを容易に判断することが可能である。
【0078】
<第5表示例>
図19は、検知結果に基づく情報を表示するための画面の第5表示例を示す図である。第5表示例では、検知結果に基づく情報として、インクが吐出されないノズルが検知された状態にて印刷される画像の評価を、印刷モード毎にコメントにて表示している。図19Aは、不吐出ノズルが数個検知された際の画面の第5表示例を示した図、図19Bは、不吐出ノズルが十数個程度検知された際の画面の第5表示例を示した図、図19Cは、不吐出ノズルが全体の1/3程度検知された際の画面の第5表示例を示した図である。
【0079】
不吐出ノズルが数個検知された際の画面157には、図19Aに示すように、テキスト印刷モードに対応させて、目立たない程度のスジが発生するが、画像への影響は小さいことを示すコメントを示し、写真印刷モードに対応させて、所々に黄色いスジが発生することを示すと共に、ノズルのクリーニングを促すコメントを表示する。不吐出ノズルが十数個程度検知された際の画面158には、図19Bに示すように、テキスト印刷モードに対応させて、所々に黄色いスジが発生することを示すコメントを示し、写真印刷モードに対応させて、複数のスジが発生することを示すと共に、ノズルのクリーニングを促すコメントを表示する。不吐出ノズルが例えば全体の1/3程度検知された際の画面159には、図19Cに示すように、テキスト印刷モードに対応させて、所々印刷されないことを示すと共にノズルのクリーニングを促すコメントを表示し、写真印刷モードに対応させて、画像が綺麗に印刷されないことを示すと共に、ノズルのクリーニングを促すコメントを表示する。ここで、不吐出ノズルが全体の1/3程度検知される場合としたが、このような状態は、例えば、落下などによりプリンタが大きな衝撃を受けた場合などの多数のノズルからインクが吐出されなくなる場合を指しており、全体の1/3程度に限るものではない。
【0080】
第5表示例によれば、検知結果に基づく情報として、インクが吐出されないノズルが検知された状態にて印刷される画像の評価が、印刷モード毎にコメントにて表示されるので、ユーザーは、インクが吐出されないノズルが検知された状態にて印刷される画像をイメージすることが可能である。このため、ユーザーはクリーニングするか否かを容易に判断することが可能である。また、不吐出ノズルによる画像への影響が発生する可能性がある際には、ノズルのクリーニングを促すコメントを表示することとしているので、不良画像が印刷されることを防止し、インクや紙などの浪費や、印刷時間の浪費も抑えることが可能である。
【0081】
第5表示例の各画面157,158,159にも、「クリーニング」ボタン151と、「終了」ボタン152とがそれぞれ配置されている。そして、第5表示例の画面に表示されている、インクが吐出されないノズルが検知された状態にて印刷される画像の評価をコメントから認識したユーザーが、必要に応じて「クリーニング」ボタン151をクリックすることにより、ノズルのクリーニングが実行されるように構成されている。
【0082】
ここで、上述した第1表示例から第5表示例が、印刷処理の途中にて実行されたインク吐出検査による検知結果を表示する場合には、上記「クリーニング」ボタン151、「終了」ボタン152の他に「印刷」ボタンを画面に配置し、ユーザーが「印刷」ボタンをクリックすることにより、印刷処理を継続することとしても良い。
【0083】
===印刷データに基づく画面の表示例===
上述した第1表示例から第5表示例の画面153〜159は、インク吐出検査がどのようなタイミングにて行われたとしても、表示することが可能な画面である。すなわち、前述したインク吐出検査を実行するタイミング、(1)印刷処理中、(2)電源投入時、(3)給紙時(4)印刷データの取得時、のいずれのタイミングにおいても表示可能な画面である。以下には、制御部60又はコンピュータ110が画像形成データとしての印刷データを取得した後に表示可能となる画面について説明する。すなわち、前述したタイミングでは(1)印刷処理中、(3)給紙時(4)印刷データの取得時、のタイミングにて表示可能となる画面の表示例について説明する。
【0084】
図20は、検知結果と印刷モードとに基づく情報に応じた画面を表示装置に表示する処理を示すフローチャートである。制御部60は、上述したインク吐出検査を実行する(S402)。インク吐出検査を終了すると、コンピュータ110は、メモリ63に記憶されている、インクが吐出されなかったノズルの情報を取得し(S404)する。コンピュータ110は印刷データから印刷モードを示す情報を取得する(S406)。取得した、インクが吐出されなかったノズル情報と印刷モードを示す情報とに基づいて、インク吐出検査による検知結果に基づく情報を表示装置120に表示する(S408)。
【0085】
<第6表示例>
第6表示例では、検知結果に基づく情報として、インクが吐出されないノズルが検知された状態にて印刷される画像の評価を、取得している印刷データに対応したコメントにて表示している。
【0086】
図21は、ドラフト印刷モードの印刷データを取得した後に実行される検知結果に基づく情報を表示するための画面を示す図である。図21Aは、十数個以下の不吐出ノズルが検知された際におけるドラフト印刷モードに対応付けられた画面を示す図、図21Bは、不吐出ノズルが全体の1/3程度検知された際におけるドラフト印刷モードに対応付けられた画面を示した図である。
【0087】
十数個以下の不吐出ノズルが検知された際におけるドラフト印刷モードに対応付けられた画面160には、図21Aに示すように、不吐出ノズルを検知したが、画像への影響は小さいことを示すコメントが示され、印刷を実行、又は、継続させるための「印刷」ボタン150と、この画面を消すための「終了」ボタン152とが配置されている。不吐出ノズルが例えば全体の1/3程度検知された際の画面161には、図21Bに示すように、印刷されない部分あることを示すコメントが示され、「印刷」ボタン150、及び、「終了」ボタン152の他に、ノズルをクリーニングするための「クリーニング」ボタン151が配置されている。
【0088】
図22は、テキスト印刷モードの印刷データを取得した後に実行される検知結果に基づく情報を表示するための画面を示す図である。図22Aは、不吐出ノズルが数個検知された際におけるテキスト印刷モードに対応付けられた画面を示す図、図22Bは、不吐出ノズルが十数個程度検知された際におけるテキスト印刷モードに対応付けられた画面を示した図、図22Cは、不吐出ノズルが全体の1/3程度検知された際におけるテキスト印刷モードに対応付けられた画面を示した図である。
【0089】
不吐出ノズルが数個検知された際におけるテキスト印刷モードに対応付けられた画面162には、図22Aに示すように、目立たない程度のスジが発生するが、画像への影響は小さいことを示すコメントが示され、「印刷」ボタン150と、「クリーニング」ボタン151と、「終了」ボタン152とが配置されている。不吐出ノズルが十数個程度検知された際におけるテキスト印刷モードに対応付けられた画面163には、図22Bに示すように、画像の所々にスジが現れる可能性があることを示すコメントが示され、「印刷」ボタン150と、「クリーニング」ボタン151と、「終了」ボタン152とが配置されている。不吐出ノズルが全体の1/3程度検知された際におけるテキスト印刷モードに対応付けられた画面164には、図22Cに示すように、印刷されない部分があることを示すコメントと共に、ノズルのクリーニングを促すコメントが示され、「印刷」ボタン150と、「クリーニング」ボタン151と、「終了」ボタン152とが配置されている。
【0090】
図23は、写真印刷モードの印刷データを取得した後に実行される検知結果に基づく情報を表示するための画面を示す図である。図23Aは、不吐出ノズルが数個検知された際における写真印刷モードに対応付けられた画面を示す図、図23Bは、不吐出ノズルが十数個程度検知された際における写真印刷モードに対応付けられた画面を示した図、図23Cは、不吐出ノズルが全体の1/3程度検知された際における写真印刷モードに対応付けられた画面を示した図である。
【0091】
不吐出ノズルが数個検知された際における写真印刷モードに対応付けられた画面165には、図23Aに示すように、所々に黄色いスジが発生することを示すと共に、ノズルのクリーニングを促すコメントが示され、「印刷」ボタン150と、「クリーニング」ボタン151と、「終了」ボタン152とが配置されている。不吐出ノズルが十数個程度検知された際における写真印刷モードに対応付けられた画面166には、図23Bに示すように、複数のスジが発生することを示すと共に、ノズルのクリーニングを促すコメントが示され、「印刷」ボタン150と、「クリーニング」ボタン151と、「終了」ボタン152とが配置されている。不吐出ノズルが全体の1/3程度検知された際における写真印刷モードに対応付けられた画面167には、図23Cに示すように、画像が綺麗に印刷されないことを示すと共に、ノズルのクリーニングを促すコメントが示され、「印刷」ボタン150と、「クリーニング」ボタン151と、「終了」ボタン152とが配置されている。
【0092】
第6表示例の画面165,166、167が表示される際は、プリンタ1が、いずれかの印刷モードにて印刷中か、印刷するための印刷データを既に取得しているタイミングなので、ユーザーが画面に示されたコメントを基に判断し、「印刷」ボタン150をクリックすると、印刷処理が実行され、「クリーニング」ボタン151をクリックすると、ノズルをクリーニングした後に印刷処理が実行され、「終了」ボタン152をクリックすると待機状態になるように構成されている。
【0093】
第6表示例の画面165、166、167によれば、まさに印刷しようとしている印刷モードに対応した情報のみが表示されるので、ユーザーが異なる印刷モードに対応したコメントに基づいて誤った処理を実行させることはない。このため、不吐出ノズルが存在するままで誤って画像を印刷したり、不要なノズルのクリーニングを実行することはない。このためインクや紙などの浪費を抑えることが可能である。また、無用な印刷やクリーニングに時間が費やされることはないのでスループットを向上させることが可能である。
【0094】
<第7表示例>
第6表示例では、検知結果に基づく情報として、インクが吐出されないノズルが検知された状態にて印刷される画像の評価を、取得している印刷データに対応したコメントにて表示した例について説明したが、第7表示例では、印刷される画像の評価を印刷データに基づいて印刷される画像のイメージにて画面に表示する例について説明する。
【0095】
図24Aは、ドラフト印刷モードの印刷データを取得した後に実行される検知結果に基づく情報を表示するための画面の第7表示例示す図、図24Bは、テキスト印刷モードの印刷データを取得した後に実行される検知結果に基づく情報を表示するための画面の第7表示例示す図、図24Cは、写真印刷モードの印刷データを取得した後に実行される検知結果に基づく情報を表示するための画面の第7表示例示す図である。
【0096】
ドラフト印刷モードにて印刷するための印刷データを取得していた際の第7表示例の画面168には、図24Aに示すように、インクが吐出されないノズルが検知された状態にて、印刷データに基づいてドラフト印刷モードにて印刷される画像のイメージ186aが示され、「印刷」ボタン150と、「クリーニング」ボタン151と、「終了」ボタン152とが配置されている。テキスト印刷モードにて印刷するための印刷データを取得していた際の第7表示例の画面169には、図24Bに示すように、インクが吐出されないノズルが検知された状態にて、印刷データに基づいてテキスト印刷モードにて印刷される画像のイメージ169aが示され、「印刷」ボタン150と、「クリーニング」ボタン151と、「終了」ボタン152とが配置されている。写真印刷モードにて印刷するための印刷データを取得していた際の第7表示例の画面170には、図24Cに示すように、インクが吐出されないノズルが検知された状態にて、印刷データに基づいて写真印刷モードにて印刷される画像のイメージ170aが示され、「印刷」ボタン150と、「クリーニング」ボタン151と、「終了」ボタン152とが配置されている。このとき第7表示例の画面に示される画像のイメージ168a、169a、170aは、印刷データに基づいて印刷される画像を縮小した画像であっても、また、印刷データに基づいて印刷される画像の一部であっても良い。
【0097】
第7表示例の画面168、169、170によれば、インク吐出検査にて不吐出ノズルが検知された状態のまま画像を印刷した際に、印刷される画像への影響が、まさに印刷しようとしている画像のイメージ168a、169a、170aにて示されるので、ユーザーは、明確に印刷される画像への不吐出ノズルの影響を認識することが可能である。このため、より適切にクリーニングを実行するか否かを判断すること、及び、印刷処理を実行又は継続させるか否かを判断することが可能である。このため、インクや紙などの浪費をより確実に抑えることが可能である。また、さらに適切に、無用な印刷やクリーニングに時間が費やされることを排除して、短時間に印刷処理を終了させることが可能である。
【0098】
このような印刷システム100によれば、インク吐出検知部70にて、ノズルからインクが吐出されたか否かを検知し、その結果に基づく情報に応じた画面が表示装置120に表示されるので、ユーザーはノズルからインクが吐出されたか否かの検知結果を、前記画面を見ることにより認識することが可能である。
【0099】
また、インク吐出検知部70によるインク吐出検査のタイミングに応じた画面を表示装置120に表示することが可能なので、ユーザーに適切な情報を画面に表示することが可能である。特に、印刷データを取得した直後にインク吐出検査をする際には、印刷データに基づいた情報を表示装置120に表示するので、より適切な情報をユーザーは取得することが可能である。
【0100】
===その他の実施の形態===
上記の実施形態は、主として印刷システムについて記載されているが、その中には、プリンタ1、液体吐出装置、表示方法等の開示が含まれていることは言うまでもない。すなわち、上記実施形態においては、液体吐出装置をインクジェットプリンタ1を有する印刷システムとして説明したが、インクジェットプリンタ1が、例えば検知結果を報知可能な報知部と、インクを吐出しているか否かを検知する際の条件等の情報を入力可能な情報入力部等を有していれば、プリンタ単体であっても実現可能である。例えば、報知部は、プリンタに設けられた液晶ディスプレイであり、情報入力部は、プリンタに設けられた入力ボタンやタッチパネルなどであり、コントローラはプリンタ1の制御部が相当する。
【0101】
また、本実施形態において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部又は全部をソフトウェアによって置き換えてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアによって置き換えてもよい。
【0102】
また、液体吐出装置(インクジェットプリンタ1)側にて行っていた処理の一部をホストコンピュータ110側にて行ってよく、また液体吐出装置(インクジェットプリンタ1)とホストコンピュータ110の間に専用の処理装置を介設して、この処理装置にて処理の一部を行わせるようにしてもよい。
【0103】
また、一実施形態としての印刷システム等を説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
【0104】
<プリンタについて>
前述の実施形態では、液体を吐出する装置としてプリンタ1が説明されていたが、これに限られるものではない。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、液体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の記録装置に、本実施形態と同様の技術を適用しても良い。また、これらの方法や製造方法も応用範囲の範疇である。
【0105】
<液体について>
上記実施の形態では、液体としてインクが使用された場合を例にして説明したが、本発明に係る液体吐出装置にあっては、インクに限らず、その他の液体、例えば、金属材料、有機材料(例えば高分子材料)、磁性材料、導電性材料、配線材料、成膜材料、電子インク、各種加工液、遺伝子溶液といった各種液体がインクの代わりに用いられても良い。
【0106】
<ノズルについて>
上記実施形態では、圧電素子を用いてインクを吐出していた。しかし、インクを吐出する方式は、これに限られるものではない。例えば、熱によりノズル内に気泡を発生させる方式など、他の方式を用いてもよい。
【0107】
<インクについて>
上記実施形態は、プリンタ1のノズルから染料インク又は顔料インクをノズルから吐出していた。しかし、ノズルから吐出するインクは、このようなインクに限られるものではない。
【0108】
<印刷に用いるインク色について>
前述の実施形態では、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色のインクを用紙S上に吐出してドットを形成する多色印刷を例に説明したが、インク色はこれに限るものではない。例えばこれらインク色に加えて、ライトシアン(薄いシアン、LC)及びライトマゼンタ(薄いマゼンタ、LM)等のインクを用いても良い。
また、逆に、上記4つのインク色のいずれか一つだけを用いて単色印刷を行っても良い。<インクを吐出するキャリッジ移動方向について>
前述の実施形態では、キャリッジ31の往方向の移動時にのみインクを吐出する単方向印刷を例に説明したが、これに限るものではなく、キャリッジ31の往復たる双方向移動時にインクを吐出する所謂双方向印刷を行っても良い。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】印刷システムの構成を説明するための図である。
【図2】プリンタドライバが行う基本的な処理の概略的な説明図である。
【図3】プリンタドライバのユーザーインターフェースの説明図である。
【図4】プリンタの全体構成のブロック図である。
【図5】図5Aは、プリンタの全体構成の概略図である。また、図5Bは、プリンタの全体構成の縦断面図である。
【図6】ヘッドの下面におけるノズルの配列を示す説明図である。
【図7】印刷時の処理のフロー図である。
【図8】液体吐出検知部の構成を説明するための図である。
【図9】液体吐出検知部の検知原理を説明するための説明図である。
【図10】本実施形態の感知部の設置位置を説明するための図である。
【図11】本実施形態の感知部の平面図である。
【図12】インク回収部を説明するための図である。
【図13】インク吐出検査を説明するためのフローチャートである。
【図14】検知結果に基づく情報に応じた画面を表示装置に表示する処理を示すフローチャートである。
【図15】検知結果に基づく情報を表示するための画面の第1表示例を示す図である。
【図16】検知結果に基づく情報を表示するための画面の第2表示例を示す図である。
【図17】検知結果に基づく情報を表示するための画面の第3表示例を示す図である。
【図18】検知結果に基づく情報を表示するための画面の第4表示例を示す図である。
【図19】図19Aは、不吐出ノズルが数個検知された際の画面の第5表示例を示した図、図19Bは、不吐出ノズルが十数個程度検知された際の画面の第5表示例を示した図、図19Cは、不吐出ノズルが全体の1/3程度検知された際の画面の第5表示例を示した図である。
【図20】検知結果と印刷モードとに基づく情報に応じた画面を表示装置に表示する処理を示すフローチャートである。
【図21】図21Aは、十数個以下の不吐出ノズルが検知された際におけるドラフト印刷モードに対応付けられた画面を示す図、図21Bは、不吐出ノズルが全体の1/3程度検知された際におけるドラフト印刷モードに対応付けられた画面を示した図である。
【図22】図22Aは、不吐出ノズルが数個検知された際におけるテキスト印刷モードに対応付けられた画面を示す図、図22Bは、不吐出ノズルが十数個程度検知された際におけるテキスト印刷モードに対応付けられた画面を示した図、図22Cは、不吐出ノズルが全体の1/3程度検知された際におけるテキスト印刷モードに対応付けられた画面を示した図である。
【図23】図23Aは、不吐出ノズルが数個検知された際における写真印刷モードに対応付けられた画面を示す図、図23Bは、不吐出ノズルが十数個程度検知された際における写真印刷モードに対応付けられた画面を示した図、図23Cは、不吐出ノズルが全体の1/3程度検知された際における写真印刷モードに対応付けられた画面を示した図である。
【図24】図24Aは、ドラフト印刷モードの印刷データを取得した後に実行される検知結果に基づく情報を表示するための画面の第7表示例示す図、図24Bは、テキスト印刷モードの印刷データを取得した後に実行される検知結果に基づく情報を表示するための画面の第7表示例示す図、図24Cは、写真印刷モードの印刷データを取得した後に実行される検知結果に基づく情報を表示するための画面の第7表示例示す図である。
【符号の説明】
【0110】
1 プリンタ(インクジェットプリンタ)、20 搬送ユニット、21 給紙ローラ、
22 搬送モータ、23 搬送ローラ、24 プラテン、25 排紙ローラ、
30 キャリッジユニット、31 キャリッジ、32 キャリッジモータ、
40 ヘッドユニット、41 ヘッド、41a ヘッドの下面、50 検出器群、
51 リニア式エンコーダ、52 ロータリー式エンコーダ、53 紙検出センサ、
54 光学センサ、60 制御部、61 インターフェース部、
62 CPU、 63 メモリ、64 ユニット制御回路,70 インク吐出検知部、
71 感知部、71a 発泡部材、71b 線材、72 基板、74 開口部、
76 固定部材、80 検知回路、82,83,84 回路素子、
90 インク回収部、92 吸収体、100 印刷システム、110 コンピュータ、
111 プリンタドライバ、112 解像度変換処理部、114 色変換処理部、
116 ハーフトーン処理部、118 ラスタライズ処理部、120 表示装置、
130 入力装置、140 記録再生装置、150 「印刷」ボタン、
151 「クリーニング」ボタン、152 「終了」ボタン、
153 第1表示例の画面、154 第2表示例の画面、
155 第3表示例の画面、156 第4表示例の画面、
157 第5表示例の画面(不吐出ノズルが数個検知された場合)、
158 第5表示例の画面(不吐出ノズルが十数個程度検知された場合)、
159 第5表示例の画面(不吐出ノズルが全体の1/3程度検知された場合)、
160 第6表示例の画面(ドラフト印刷モード、十数個以下の不吐出ノズルが検知された場合)、
161 第6表示例の画面(ドラフト印刷モード、不吐出ノズルが全体の1/3程度検知された場合)、
162 第6表示例の画面(テキスト印刷モード、不吐出ノズルが数個検知された場合)、
163 第6表示例の画面(テキスト印刷モード、不吐出ノズルが十数個程度検知された場合)、
164 第6表示例の画面(テキスト印刷モード、不吐出ノズルが全体の1/3程度検知された場合)、
165 第6表示例の画面(写真印刷モード、不吐出ノズルが数個検知された場合)、
166 第6表示例の画面(写真印刷モード、不吐出ノズルが十数個程度検知された場合)、
167 第6表示例の画面(写真印刷モード、不吐出ノズルが全体の1/3程度検知された場合)、
168 第7表示例の画面(ドラフト印刷モード)、168a 画像のイメージ、
169 第7表示例の画面(テキスト印刷モード)、169a 画像のイメージ、
170 第7表示例の画面(ドラフト写真モード)、170a 画像のイメージ、
411 ノズル列、411(K) ブラックインクノズル列、
411(M)マゼンタインクノズル列、411(C) シアンインクノズル列、
411(Y) イエローインクノズル列、 Ap 印刷エリア、
An 非印刷エリア、Ip インク滴、R1 保護抵抗、 R2 入力抵抗、
R3 帰還抵抗、Amp オペアンプ、S 用紙




 

 


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