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発明の名称 液体吐出装置、コンピュータプログラム、及び、ノズルのクリーニング方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−7960(P2007−7960A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−190471(P2005−190471)
出願日 平成17年6月29日(2005.6.29)
代理人 【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
発明者 泉尾 誠治
要約 課題
液体が吐出されないノズルが検出された際にインクの浪費を抑える。

解決手段
ノズルから液体が吐出されたか否かを検知するための液体吐出検知部にて液体が吐出されていないノズルが検知された際に、ノズルをクリーニングするか否かを、予め設定された情報に基づいて決定する。
特許請求の範囲
【請求項1】
(a)液体を吐出するためのノズルと、
(b)前記ノズルから液体が吐出されたか否かを検知するための液体吐出検知部と、
(c)前記ノズルをクリーニングするためのクリーニング機構と、
(d)前記液体吐出検知部にて液体が吐出されていない前記ノズルが検知された際に、前記クリーニング機構により前記ノズルをクリーニングするか否かを、予め設定された情報に基づいて決定するためのコントローラと、
(e)を有することを特徴とする液体吐出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の液体吐出装置において、
前記情報は、液体が吐出されていない前記ノズルが検知された後に前記ノズルをクリーニングすることを許容するか否かを示す情報であることを特徴とする液体吐出装置。
【請求項3】
請求項2に記載の液体吐出装置において、
前記情報が、前記クリーニングすることを許容しないことを示す情報の場合には、液体が吐出されていない前記ノズルが検知された後に、前記クリーニング機構により前記ノズルをクリーニングしないことを特徴とする液体吐出装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の液体吐出装置において、
報知すべき事象が生じた際に、当該事象を報知するための報知部を有し、
前記情報が、前記クリーニングすることを許容しないことを示す情報の場合には、液体が吐出されていない前記ノズルが検知された後に、前記ノズルから液体が吐出されていない事象を前記報知部にて報知することを特徴とする液体吐出装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の液体吐出装置において、
前記情報を入力するための情報入力部を有し、
ユーザーが前記情報入力部から前記情報を入力することにより、前記情報が設定されることを特徴とする液体吐出装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の液体吐出装置において、
前記ノズルから液体が吐出されたか否かは、前記液体吐出検知部による検知結果と、所定の条件に対し予め設定された所定のしきい値と、に基づいて判定されることを特徴とする液体吐出装置。
【請求項7】
請求項6に記載の液体吐出装置において、
前記しきい値は、任意に設定可能であることを特徴とする液体吐出装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の液体吐出装置において、
前記ノズルをクリーニングした直後に、前記ノズルから液体が吐出されたか否かを検知し、液体が吐出されていない前記ノズルが検知された際には、前記設定された情報にかかわらず前記ノズルをクリーニングすることを特徴とする液体吐出装置。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の液体吐出装置において、
前記クリーニング機構は、複数種類のクリーニング方法にて前記ノズルをクリーニング可能であり、
液体が吐出されていない前記ノズルが検知された際に実行されるクリーニングは、前記液体吐出検知部の検知結果に応じて、前記複数種類のクリーニング方法のうちの、任意のクリーニング方法に設定可能であることを特徴とする液体吐出装置。
【請求項10】
請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の液体吐出装置において、
前記液体は、インクであることを特徴とする液体吐出装置。
【請求項11】
(a)液体を吐出するためのノズルと、
(b)前記ノズルから液体が吐出されたか否かを検知するための液体吐出検知部と、
(c)前記ノズルをクリーニングするためのクリーニング機構と、
(d)前記液体吐出検知部にて液体が吐出されていない前記ノズルが検知された際に、前記クリーニング機構により前記ノズルをクリーニングするか否かを、予め設定された情報に基づいて決定するためのコントローラと、を有し、
(e)前記情報は、液体が吐出されていない前記ノズルが検知された後に前記ノズルをクリーニングすることを許容するか否かを示す情報であり、
(f)前記情報が、前記クリーニングすることを許容しないことを示す情報の場合には、液体が吐出されていない前記ノズルが検知された後に、前記クリーニング機構により前記ノズルをクリーニングしないこととし、
(g)報知すべき事象が生じた際に、当該事象を報知するための報知部を有し、
前記情報が、前記クリーニングすることを許容しないことを示す情報の場合には、液体が吐出されていない前記ノズルが検知された後に、前記ノズルから液体が吐出されていない事象を前記報知部にて報知し、
(h)前記情報を入力するための情報入力部を有し、
ユーザーが前記情報入力部から前記情報を入力することにより、前記情報が設定され、
(i)前記ノズルから液体が吐出されたか否かは、前記液体吐出検知部による検知結果と、所定の条件に対し予め設定された所定のしきい値と、に基づいて判定され、
(j)前記しきい値は、任意に設定可能であり、
(k)前記ノズルをクリーニングした直後に、前記ノズルから液体が吐出されたか否かを検知し、液体が吐出されていない前記ノズルが検知された際には、前記設定された情報にかかわらず前記ノズルをクリーニングし、
(l)前記クリーニング機構は、複数種類のクリーニング方法にて前記ノズルをクリーニング可能であり、
液体が吐出されていない前記ノズルが検知された際に実行されるクリーニングは、前記液体吐出検知部の検知結果に応じて、前記複数種類のクリーニング方法のうちの、任意のクリーニング方法に設定可能であり、
(m)前記液体は、インクであることを特徴とする液体吐出装置。
【請求項12】
液体を吐出するためのノズルと、
前記ノズルから液体が吐出されたか否かを検知するための液体吐出検知部と、
前記ノズルをクリーニングするためのクリーニング機構と、を有する液体吐出装置に、
前記液体吐出検知部にて液体が吐出されていない前記ノズルが検知された際に、前記クリーニング機構により前記ノズルをクリーニングするか否かを、予め設定された情報に基づいて決定する機能を実現させるためのコンピュータプログラム。
【請求項13】
液体を吐出するためのノズルから液体が吐出されたか否かを検知するステップと、
液体が吐出されていない前記ノズルが検知された際に、前記ノズルをクリーニングするか否かを、予め設定された情報に基づいて決定するステップと、
を有することを特徴とするノズルのクリーニング方法。

発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノズルから液体が吐出されたか否かを検知する機能を有する液体吐出装置、コンピュータプログラム、及び、ノズルのクリーニング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ノズルから液体が吐出されたか否かを検知する機能を有する液体吐出装置としては、例えば液体としてのインクをノズルから吐出するインクジェットプリンタ(以下、プリンタという)が知られている。プリンタは、インクを媒体に向けて吐出して媒体上のドットを形成することにより画像を形成する。このため、ノズルの目詰まり等によりインクが吐出されない場合には、画像に白いスジが入ったり、実際とは異なる色の画像が形成されてしまう。このため、所定のパターンをすべてのノズルを用いて印刷し、印刷した画像を装置に備えたセンサにて読み取らせてインクが吐出されないノズルを検出している(例えば、特許文献1参照)。そして、インクが吐出されないノズルが検出された場合には、装置が備えるクリーニング機構によりノズルをクリーニングして目詰まりを解消しているものがある。
【特許文献1】特開2003−291318号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記のようなプリンタでは、インクが吐出されないノズルが検出されると必ずノズルのクリーニング動作が実行されてしまう。ノズルのクリーニングは、例えばノズルから強制的にインクを吐出させるフラッシングや、ノズル内のインクを吸引する方法などがある。このとき、1つのノズルに対してクリーニングを実行することは構造上できないため複数のノズルを一度にクリーニングすることになる。このため、インクを吐出しているノズルもクリーニングされることになり、インクを浪費することになる。また、ドラフト印刷のように目詰まりしたノズルがあったとしても、画像として支承がない場合もあるが、上記のようなプリンタでは、インクが吐出されないノズルが検出されるとクリーニングが実行されてしまうため、本来必要としない場合であってもクリーニングが実行されインクが浪費されると共に、クリーニングに費やす時間は印刷できなくなるという課題があった。
【0004】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、液体が吐出されないノズルが検出された際にクリーニングによる液体の浪費を抑えることが可能な液体吐出装置、コンピュータプログラム、及び、ノズルのクリーニング方法を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
主たる発明は、(a)液体を吐出するためのノズルと、(b)前記ノズルから液体が吐出されたか否かを検知するための液体吐出検知部と、(c)前記ノズルをクリーニングするためのクリーニング機構と、(d)前記液体吐出検知部にて液体が吐出されていない前記ノズルが検知された際に、前記クリーニング機構により前記ノズルをクリーニングするか否かを、予め設定された情報に基づいて決定するためのコントローラと、(e)を有することを特徴とする液体吐出装置である。
【0006】
本発明の他の特徴は、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本明細書の記載、及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。
【0008】
(a)液体を吐出するためのノズルと、(b)前記ノズルから液体が吐出されたか否かを検知するための液体吐出検知部と、(c)前記ノズルをクリーニングするためのクリーニング機構と、(d)前記液体吐出検知部にて液体が吐出されていない前記ノズルが検知された際に、前記クリーニング機構により前記ノズルをクリーニングするか否かを、予め設定された情報に基づいて決定するためのコントローラと、(e)を有することを特徴とする液体吐出装置。
【0009】
このような液体吐出装置によれば、予め設定された情報に基づいてノズルをクリーニングするか否かが決定されるので、クリーニングしないように設定されている場合には、クリーニングは実行されない。すなわち、液体が吐出されていないノズルが検知された場合であっても、設定に応じて、ノズルがクリーニングされる場合と、されない場合とがある。このため、必ずしもノズルがクリーニングされるわけではないので、クリーニングによる液体の浪費、及びクリーニングに費やされる時間の浪費を防止することが可能である。
【0010】
かかる液体吐出装置において、前記情報は、液体が吐出されていない前記ノズルが検知された後に前記ノズルをクリーニングすることを許容するか否かを示す情報であることが望ましい。
このような液体吐出装置によれば、液体が吐出されていないノズルが検知された後にノズルをクリーニングすることを許容するか否かを示す情報が予め設定されているので、液体が吐出されていないノズルが検知された際にクリーニングを実行するか否かを、ユーザー等が希望するように予め設定しておくことが可能である。
【0011】
かかる液体吐出装置において、前記情報が、前記クリーニングすることを許容しないことを示す情報の場合には、液体が吐出されていない前記ノズルが検知された後に、前記クリーニング機構により前記ノズルをクリーニングしないことが望ましい。
このような液体吐出装置によれば、クリーニングすることを許容しないことを示す情報が設定されている場合には、液体が吐出されていないノズルが検知された後に、ノズルをクリーニングしないので、クリーニングすることを許容しないことを示す情報を設定しておくことにより、無用なクリーニングが実行されることを防止することが可能である。
【0012】
かかる液体吐出装置において、報知すべき事象が生じた際に、当該事象を報知するための報知部を有し、前記情報が、前記クリーニングすることを許容しないことを示す情報の場合には、液体が吐出されていない前記ノズルが検知された後に、前記ノズルから液体が吐出されていない事象を前記報知部にて報知することが望ましい。
このような液体吐出装置によれば、クリーニングすることを許容しないことを示す情報が設定されている場合には、液体が吐出されていないノズルが検知された後に、ノズルから液体が吐出されていない事象が報知部に報知されるので、ユーザーは液体を吐出しないノズルが存在することを認識することができる。このため、液体を吐出しないノズルが検知された場合には、必要に応じてクリーニングを実行させることが可能である。
【0013】
かかる液体吐出装置において、前記情報を入力するための情報入力部を有し、ユーザーが前記情報入力部から前記情報を入力することにより、前記情報が設定されることが望ましい。
このような液体吐出装置によれば、液体が吐出されていないノズルが検知された後にノズルをクリーニングすることを許容するか否かを示す情報は、ユーザーにより情報入力部から入力されるので、液体が吐出されていないノズルが検知された後にノズルのクリーニングを実行するか否かを、ユーザーは希望に応じて設定及び変更することが可能である。また、情報を情報入力部から入力することにより設定されるので、ユーザーは情報を容易に設定することが可能である。
【0014】
かかる液体吐出装置において、前記ノズルから液体が吐出されたか否かは、前記液体吐出検知部による検知結果と、所定の条件に対し予め設定された所定のしきい値と、に基づいて判定されることが望ましい。
このような液体吐出装置によれば、液体吐出検知部による検知結果と、予め設定しておく所定の条件に対するしきい値とにて、ノズルから液体が吐出されたか否かが判定されるので、設定する条件やしきい値に応じて、検出されるレベルを違えた設定とすることが可能である。例えば、液体を吐出しないと検知されたノズルが許容される程度に存在している場合であっても、液体が吐出されないノズルは存在しないこととすることが可能である。このため、液体を吐出しないと検知されたノズルが許容される程度に存在している場合であっても、クリーニングを実行しないような設定とすることが可能である。
【0015】
かかる液体吐出装置において、前記しきい値は、任意に設定可能であることが望ましい。
このような液体吐出装置によれば、設定するしきい値を任意に設定可能なので、よりユーザーの希望に沿った、クリーニングを許容するか否かの設定が可能である。例えば、液体を吐出しないと検知されたノズルが許容される程度に存在する際にあっては、クリーニングを実行しないように設定することが可能であるが、その許容されるレベルについても自由度を持った設定をすることが可能である。
【0016】
かかる液体吐出装置において、前記ノズルをクリーニングした直後に、前記ノズルから液体が吐出されたか否かを検知し、液体が吐出されていない前記ノズルが検知された際には、前記設定された情報にかかわらず前記ノズルをクリーニングすることが望ましい。
クリーニングは液体を吐出しなかったノズルから液体を吐出させるために実行するので、クリーニング後はすべてのノズルから液体が吐出されるべきである。このため、上記の液体吐出装置によれば、一度クリーニングした直後に、液体が吐出されていないノズルが検知された際に、再度クリーニングが実行されるので、確実に液体を吐出しなかったノズルから液体が吐出されるように復帰させることが可能である。
【0017】
かかる液体吐出装置において、前記クリーニング機構は、複数種類のクリーニング方法にて前記ノズルをクリーニング可能であり、液体が吐出されていない前記ノズルが検知された際に実行されるクリーニングは、前記液体吐出検知部の検知結果に応じて、前記複数種類のクリーニング方法のうちの、任意のクリーニング方法に設定可能であることが望ましい。
このような液体吐出装置によれば、液体吐出検知部の検知結果に応じて複数種類のクリーニング方法のうちの、任意のクリーニング方法に設定可能なので、液体を吐出しないノズルの発生状況に応じてクリーニング方法が設定されることになる。このため、液体を吐出しないノズルの発生状況に応じた適切なクリーニングを実行することが可能である。
【0018】
かかる液体吐出装置において、前記液体は、インクであることを特徴とする。
このような液体吐出装置によれば、液体吐出検知のクリーニングによるインクの浪費を防止することが可能である。
【0019】
また、(a)液体を吐出するためのノズルと、(b)前記ノズルから液体が吐出されたか否かを検知するための液体吐出検知部と、(c)前記ノズルをクリーニングするためのクリーニング機構と、(d)前記液体吐出検知部にて液体が吐出されていない前記ノズルが検知された際に、前記クリーニング機構により前記ノズルをクリーニングするか否かを、予め設定された情報に基づいて決定するためのコントローラと、を有し、(e)前記情報は、液体が吐出されていない前記ノズルが検知された後に前記ノズルをクリーニングすることを許容するか否かを示す情報であり、(f)前記情報が、前記クリーニングすることを許容しないことを示す情報の場合には、液体が吐出されていない前記ノズルが検知された後に、前記クリーニング機構により前記ノズルをクリーニングしないこととし、(g)報知すべき事象が生じた際に、当該事象を報知するための報知部を有し、前記情報が、前記クリーニングすることを許容しないことを示す情報の場合には、液体が吐出されていない前記ノズルが検知された後に、前記ノズルから液体が吐出されていない事象を前記報知部にて報知し、(h)前記情報を入力するための情報入力部を有し、ユーザーが前記情報入力部から前記情報を入力することにより、前記情報が設定され、(i)前記ノズルから液体が吐出されたか否かは、前記液体吐出検知部による検知結果と、所定の条件に対し予め設定された所定のしきい値と、に基づいて判定され、(j)前記しきい値は、任意に設定可能であり、(k)前記ノズルをクリーニングした直後に、前記ノズルから液体が吐出されたか否かを検知し、液体が吐出されていない前記ノズルが検知された際には、前記設定された情報にかかわらず前記ノズルをクリーニングし、(l)前記クリーニング機構は、複数種類のクリーニング方法にて前記ノズルをクリーニング可能であり、液体が吐出されていない前記ノズルが検知された際に実行されるクリーニングは、前記液体吐出検知部の検知結果に応じて、前記複数種類のクリーニング方法のうちの、任意のクリーニング方法に設定可能であり、(m)前記液体は、インクであることを特徴とする液体吐出装置である。
このような液体吐出装置によれば、既述のほぼ全ての効果を奏するため、本発明の目的がより有効に達成される。
【0020】
また、液体を吐出するためのノズルと、前記ノズルから液体が吐出されたか否かを検知するための液体吐出検知部と、前記ノズルをクリーニングするためのクリーニング機構と、を有する液体吐出装置に、前記液体吐出検知部にて液体が吐出されていない前記ノズルが検知された際に、前記クリーニング機構により前記ノズルをクリーニングするか否かを、予め設定された情報に基づいて決定する機能を実現させるためのコンピュータプログラムも実現可能である。
【0021】
また、液体を吐出するためのノズルから液体が吐出されたか否かを検知するステップと、液体が吐出されていない前記ノズルが検知された際に、前記ノズルをクリーニングするか否かを、予め設定された情報に基づいて決定するステップと、を有することを特徴とするノズルのクリーニング方法も実現可能である。
【0022】
===液体吐出装置の概要===
本発明にかかる液体吐出装置の一実施例として、インクジェットプリンタ(以下、プリンタという)1と、このプリンタ1に接続されたコンピュータ110と、を有する印刷システムを例にとり、その概要について説明する。ここでは、液体吐出装置を、印刷システムとしているが、インクジェットプリンタ単体でも液体吐出装置を構成しうる。
【0023】
<印刷システム>
図1は、印刷システム100の構成を説明する図である。印刷システムとは、プリンタと、このプリンタの動作を制御する印刷制御装置とを少なくとも含むシステムのことである。本実施形態の印刷システム100は、液体としてのインクを吐出して媒体に画像を形成することにより印刷するインクジェットプリンタ(以下、プリンタという)1と、コンピュータ110と、報知部としての表示装置120と、入力装置130と、記録再生装置140とを有している。 プリンタ1は、紙、布、フィルム、OHP用紙等の媒体に画像を印刷する。コンピュータ110は、プリンタ1と通信可能に接続されている。そして、プリンタ1に画像を印刷させるため、コンピュータ110は、その画像に応じた印刷データをプリンタ1に出力する。このコンピュータ110には、アプリケーションプログラムやプリンタドライバ等のコンピュータプログラムがインストールされている。
【0024】
<プリンタドライバ>
図2は、プリンタドライバが行う基本的な処理の概略的な説明図である。
コンピュータ110では、当該コンピュータ110に搭載されたオペレーティングシステムの下、ビデオドライバ102やアプリケーションプログラム104、プリンタドライバ111などのコンピュータプログラムが動作している。ビデオドライバ102は、アプリケーションプログラム104やプリンタドライバ111からの表示命令に従って、例えばユーザーインターフェース等を表示装置120に表示する機能を有する。アプリケーションプログラム104は、例えば、画像編集などを行う機能を有し、画像に関するデータ(画像データ)を作成する。ユーザーは、アプリケーションプログラム104のユーザーインターフェースを介して、アプリケーションプログラム104により編集した画像を印刷する指示を与えることができる。アプリケーションプログラム104は、印刷の指示を受けると、プリンタドライバ111に画像データを出力する。
【0025】
プリンタドライバ111は、アプリケーションプログラム104から画像データを受け取り、この画像データを印刷データに変換し、印刷データをインクジェットプリンタ1に出力する。ここで、印刷データとは、インクジェットプリンタ1が解釈できる形式のデータであって、各種のコマンドデータと画素データとを有するデータである。また、コマンドデータとは、インクジェットプリンタ1に特定の動作の実行を指示するためのデータである。また、画素データとは、印刷される画像(印刷画像)を構成する画素に関するデータであり、例えば、ある画素に対応する媒体S上の位置に形成されるドットに関するデータ(ドットの色や大きさ等のデータ)である。
【0026】
プリンタドライバ111は、アプリケーションプログラム104から出力された画像データを印刷データに変換するために、解像度変換処理部112と、色変換処理部114と、ハーフトーン処理部116と、ラスタライズ処理部118とを備えている。
【0027】
解像度変換処理部112は、アプリケーションプログラム104から出力された画像データ(テキストデータ、イメージデータなど)を、媒体としての用紙Sに印刷する際の解像度に変換する解像度変換処理を行う。解像度変換処理とは、例えば、紙に画像を印刷する際の解像度が720×720dpiに指定されている場合、アプリケーションプログラム104から受け取った画像データを720×720dpiの解像度の画像データに変換する。なお、解像度変換処理後の画像データは、RGB色空間により表される多階調(例えば256階調)のRGBデータである。以下、画像データを解像度変換処理したRGBデータをRGB画像データと呼ぶ。
【0028】
色変換処理部114は、RGBデータをCMYK色空間により表されるCMYKデータに変換する色変換処理を行う。色変換処理は、RGBデータの階調値とCMYKデータの階調値とを対応づけたテーブル(色変換ルックアップテーブルLUT)をプリンタドライバが参照することによって行われる。なお、CMYKデータは、インクジェットプリンタ1が有するインクの色に対応したデータである。この色変換処理により、各画素についてのRGBデータが、インク色に対応するCMYKデータに変換される。以下、RGB画像データを色変換処理したCMYKデータをCMYK画像データと呼ぶ。
【0029】
ハーフトーン処理部116は、高階調数のデータを、インクジェットプリンタ1が形成可能な階調数のデータに変換するハーフトーン処理を行う。ハーフトーン処理とは、例えば、256階調を示すデータが、2階調を示す1ビットデータや4階調を示す2ビットデータに変換する処理のことである。
【0030】
ラスタライズ処理部118は、マトリクス状の画像データを、インクジェットプリンタ1に転送すべきデータ順に変更するラスタライズ処理を行う。これによりラスタライズ処理されたデータが、インクジェットプリンタ1に出力される。
【0031】
<プリンタドライバによる設定>
図3は、プリンタドライバ111のユーザーインターフェースの説明図である。このプリンタドライバ111のユーザーインターフェースは、ビデオドライバ102を介して、表示装置に表示される。ユーザーは、入力装置130を用いて、プリンタドライバ111の各種の設定を行うことができる。
【0032】
ユーザーは、この画面上から、印刷の解像度(印刷するときのドットの間隔)、印刷する媒体の種類及びサイズ、印刷モードなど各種印刷条件を選択することができる。プリンタドライバ111は、選択された印刷条件に応じて上述したデータ変換処理を行い、画像データを印刷データに変換する。
【0033】
また、この画面に設定されているユーティリティ画面上から、各ノズルからインクが吐出されているか否かを検知するために実行されるインク吐出検知処理に関する設定をすることができる。インク吐出検知処理については後述する。
【0034】
<プリンタ>
図4は、プリンタ1の全体構成のブロック図である。また、図5Aは、プリンタ1の全体構成の概略図である。また、図5Bは、プリンタ1の全体構成の縦断面図である。以下、本実施形態のプリンタの基本的な構成について説明する。
【0035】
プリンタ1は、搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40、検出器群50、及びコントローラ60を有する。外部装置であるコンピュータ110から印刷データを受信したプリンタ1は、コントローラ60によって各ユニット(搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40)を制御する。コントローラ60は、コンピュータ110から受信した印刷データに基づいて、各ユニットを制御し、用紙に画像を印刷する。プリンタ1内の状況は検出器群50によって監視されており、検出器群50は、検出結果をコントローラ60に出力する。コントローラ60は、検出器群50から出力された検出結果に基づいて、各ユニットを制御する。
【0036】
搬送ユニット20は、紙等の媒体を所定方向(以下、搬送方向という)に搬送するものである。この搬送ユニット20は、給紙ローラ21と、搬送モータ22(PFモータとも言う)と、搬送ローラ23と、プラテン24と、排紙ローラ25とを有する。給紙ローラ21は、紙挿入口に挿入された用紙をプリンタ内に給紙するためのローラである。搬送ローラ23は、給紙ローラ21によって給紙された用紙Sを印刷可能な領域まで搬送するローラである。プラテン24は、印刷中の用紙Sを支持する。排紙ローラ25は、用紙Sをプリンタ1の外部に排出するローラであり、印刷可能な領域に対して搬送方向下流側に設けられている。この排紙ローラ25は、搬送ローラ23と同期して回転する。
【0037】
キャリッジユニット30は、ヘッド41を所定の移動方向に移動させるためのものである。キャリッジユニット30は、キャリッジ31と、キャリッジモータ32(CRモータともいう)と、を有する。キャリッジ31は、移動方向に設けられたガイド部46に沿って往復移動可能である。また、キャリッジ31は、インクを収容するインクカートリッジを着脱可能に保持している。キャリッジモータ32は、キャリッジ31を移動方向に移動させるためのモータである。
【0038】
ヘッドユニット40は、用紙にインクを吐出するためのものである。ヘッドユニット40は、ヘッド41を有する。ヘッド41は、複数のノズルを有し、各ノズルから断続的にインクを吐出する。このヘッド41は、キャリッジ31に設けられている。そのため、キャリッジ31が移動方向に移動すると、ヘッド41も移動方向に移動する。そして、ヘッド41が移動方向に移動中に滴状のインク(以下、インク滴という)を断続的に吐出することによって、移動方向に沿ったドット列(ラスタライン)が媒体の一例としての用紙に形成される。
【0039】
図6は、ヘッド41の下面におけるノズルの配列を示す説明図である。ヘッド41の下面には、ブラックインクノズル列411(K)と、シアンインクノズル列411(C)と、マゼンタインクノズル列411(M)と、イエローインクノズル列411(Y)が形成されている。各ノズル列は、各色のインクを吐出するための吐出口であるノズルを複数個備えている。各ノズル列の複数のノズルは、搬送方向に沿って、一定の間隔(ノズルピッチ:k・D)でそれぞれ整列している。ここで、Dは、搬送方向における最小のドットピッチ(つまり、用紙Sに形成されるドットの最高解像度での間隔)である。また、kは、1以上の整数である。例えば、ノズルピッチが180dpi(1/180インチ)であって、搬送方向のドットピッチが720dpi(1/720インチ)である場合、k=4である。各ノズル列のノズルは、下流側のノズルほど小さい数の番号が付されている(♯1〜♯180)。各ノズルには、それぞれインクチャンバー(不図示)とピエゾ素子(不図示)が設けられており、ピエゾ素子の駆動によってインクチャンバーが伸縮・膨張されて、ノズルからインク滴が吐出される。
【0040】
検出器群50には、リニア式エンコーダ51、ロータリー式エンコーダ52、紙検出センサ53、光学センサ54、及び、ヘッド41に設けられた各ノズルからのインクの吐出の有無を検知するための液体吐出検知部としてのインク吐出検知部70等が含まれる。リニア式エンコーダ51は、キャリッジ31の移動方向の位置を検出するためのものである。ロータリー式エンコーダ52は、搬送ローラ23の回転量を検出するためのものである。紙検出センサ53は、印刷される用紙の先端の位置を検出するためのものである。光学センサ54は、キャリッジ31に取付けられている。光学センサ54は、発光部から用紙に照射された光の反射光を受光部が検出することにより、用紙の有無を検出する。インク吐出検知部70については後述する。
【0041】
コントローラ60は、プリンタの制御を行うための制御部である。コントローラ60は、インターフェース部61と、CPU62と、メモリ63と、ユニット制御回路64とを有する。インターフェース部61は、外部装置であるコンピュータ110とプリンタ1との間でデータの送受信を行うためのものである。CPU62は、プリンタ全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリ63は、CPU62のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM等の記憶素子を有する。CPU62は、メモリ63に格納されているプログラムに従って、ユニット制御回路64を介して各ユニットを制御する。
【0042】
===印刷方法===
<印刷動作について>
図7は、印刷時の処理のフロー図である。以下に説明される各処理は、コントローラ60が、メモリ63内に格納されたプログラムに従って、各ユニットを制御することにより実行される。このプログラムは、各処理を実行するためのコードを有する。
【0043】
印刷命令受信(S001):まず、コントローラ60は、コンピュータ110からインターフェース部61を介して、印刷命令を受信する。この印刷命令は、コンピュータ110から送信される印刷データのヘッダに印刷条件等の情報と共に含まれている。そして、コントローラ60は、受信した印刷データに含まれる各種コマンドの内容を解析し、各ユニットを用いて、以下の給紙処理・搬送処理・ドット形成処理等を行う。
【0044】
給紙処理(S002):給紙処理とは、印刷すべき用紙をプリンタ内に供給し、印刷開始位置(頭出し位置とも言う)に用紙を位置決めする処理である。コントローラ60は、給紙ローラ21や搬送ローラ23を回転させ、用紙を印刷開始位置に位置決めする。
【0045】
ドット形成処理(S003):ドット形成処理とは、移動方向に沿って移動するヘッド41からインクを断続的に吐出させ、用紙上にドットを形成する処理である。コントローラ60は、キャリッジモータ32を駆動し、キャリッジ31を移動方向に移動させ、キャリッジ31の移動中に、印刷データに含まれる単位領域毎のデータ(以下、単位領域データという)に基づいてヘッド41からインクを吐出させる。ヘッド41から吐出されたインク滴が用紙上に着弾すれば、用紙上にドットが形成される。移動するヘッド41からインクが断続的に吐出されるので、用紙上には移動方向に沿った複数のドットからなるドット列(ラスタライン)が形成される。ここで、「単位領域」とは、用紙等の媒体上に仮想的に定められた矩形状の領域を指し、印刷解像度に応じて大きさや形が定められる。例えば、印刷解像度が720dpi(移動方向)×720dpi(搬送方向)の場合、単位領域は、約35.28μm×35.28μm(≒1/720インチ×1/720インチ)の大きさの正方形状の領域になる。理想的にインク滴が吐出されると、この単位領域の中心位置にインク滴が着弾し、その後インク滴が広がって、単位領域にドットが形成される。
【0046】
搬送処理(S004):搬送処理とは、用紙をヘッド41に対して搬送方向に沿って相対的に移動させる処理である。コントローラ60は、搬送ローラ23を回転させて用紙を搬送方向に搬送する。この搬送処理により、ヘッド41は、先ほどのドット形成処理によって形成されたドットの位置とは異なる位置に、次のドット形成処理時にドットを形成することが可能になる。
【0047】
排紙判断(S005):コントローラ60は、印刷中の用紙の排出(排紙)の判断を行う。印刷中の用紙に印刷すべきデータが残っていれば、排紙は行われない。そして、コントローラ60は、印刷すべきデータがなくなるまで、ドット形成処理と搬送処理とを交互に繰り返し、ドットにて構成される画像を徐々に用紙に印刷する。
【0048】
排紙処理(S006):印刷中の用紙に印刷すべきデータがなくなれば、コントローラ60は、排紙ローラを回転させることにより、その用紙を排紙する。なお、排紙を行うか否かの判断は、印刷データに含まれる排紙コマンドに基づいても良い。
【0049】
印刷終了判断(S007):次に、コントローラ60は、印刷を続行するか否かの判断を行う。次の用紙に印刷を行うのであれば、印刷を続行し、次の用紙の給紙処理を開始する。次の用紙に印刷を行わないのであれば、印刷動作を終了する。
【0050】
===液体吐出検知部===
<液体吐出検知部の概要>
図8は、液体吐出検知部の構成を説明するための図であり、図9は、液体吐出検知部の検知原理を説明するための説明図である。
【0051】
液体吐出検知部としてのインク吐出検知部70は、図8に示すように、移動するヘッド41と所定の位置にて対向可能に配設された感知部71と、この感知部71に接続された検知回路80とを備えている。感知部71は、導電性を有し吸水性に富みマット状をなす発泡部材71aと、発泡部材71a内に緊張状態にて設けられ金属等の導電性を有する線材71bとを有している。また、感知部71は、発泡部材71aがヘッド41のノズルが設けられている部位と対面し、線材71bが、ヘッド41が有するノズル列と平行になるように配置されている。そして、キャリッジ31が移動したときに、感知部71は、ヘッド41との間に間隔Dを隔てて、ヘッド41と非接触状態にて対向し得るように配設されている。ヘッド41と感知部71との間の間隔Dは、例えば、1mm程度に設定される。
【0052】
また、感知部71の線材71bには、保護抵抗R1を介して、電源(不図示)が接続されていて、この電源から例えば、100V(ボルト)などの高い電圧が印加される。
【0053】
一方、検知回路80は、感知部71に発生する電流を検出するように構成されている。本実施形態では、この検知回路80は、コンデンサCと、入力抵抗R2と、帰還抵抗R3と、オペアンプAmpとを備えた検出回路により構成されている。コンデンサCは、感知部71に電流変動が発生したときに、この電流変動を電気信号として入力抵抗R2を介してオペアンプAmpに入力する役割を果たす。また、オペアンプAmpは、コンデンサCを通じて入力された信号を増幅して出力する増幅回路としての役割を果たす。オペアンプAmpからの出力信号は、例えば、A/D変換部によりアナログ信号からデジタル信号へとA/D変換されて、例えばデジタルデータなど、適宜な形態でコントローラ60に向けて出力される。
【0054】
インクの吐出状況、すなわち、インクが吐出されたか否かを検知する場合には、感知部71に、電源からの供給電圧により、例えば100V(ボルト)などの非常に高い電圧が印加されている。これにより、ヘッド41と感知部71との間には、非常に強い電界が形成される。
【0055】
コントローラ60は、ヘッド41の各ノズル♯1〜♯180からそれぞれ個別に感知部71に向けてインクを吐出する動作を実行させる。図9は、ヘッド41の、あるノズルから感知部71に向けてインクが吐出される様子を説明したものである。ここでは、ヘッド41の各ノズル♯1〜♯180からそれぞれインク滴Ipが、1滴分だけ吐出される。このとき、ヘッド41と感知部71との強い電界内において、ノズル♯1〜♯180から吐出されたインク滴Ipは帯電されている。
【0056】
ノズル♯1〜♯180から吐出され、帯電されたインク滴Ipが、感知部71に接触すると、感知部71の電位が変動する。感知部71の電位が変動した場合には、検知回路80に入力される電流に変動が生じ、この電流変動が電気信号として入力抵抗R2を介してオペアンプAmpに入力される。そして、オペアンプAmpに入力された信号は増幅されて、コントローラ60等に向けて出力される。
【0057】
一方、ノズル♯1〜♯180からインク滴Ipが正常に吐出されなかった場合には、帯電されたインク滴Ipが所定のタイミングにて感知部71に接触しないため、検知回路80においては、電流の変動が検出されない。このため、コントローラ60等に向けて信号が出力さないため、インクを吐出する動作が実行されたノズルからインクが正常に吐出されなかったことが検知される。
【0058】
すなわち、コントローラ60は、検知回路80による信号の出力タイミング、及び、検知回路80から出力される信号の有無に基づいてインクが吐出されたか否かを判定する。
【0059】
<感知部の設置位置>
図10は、本実施形態の感知部71の設置位置を説明するための図である。本実施形態の感知部71は、同図に示すように、ノズル♯1〜♯180からインクが吐出されて印刷が行われる印刷エリアApから外れたエリアAn(以下、非印刷エリアという)に設置される。この非印刷エリアAnには、感知部71の他に、ノズルの目詰まり等を解消するための、ノズル♯1〜♯180のクリーニング機構として、ノズル♯1〜♯180に付着しているインクを拭き取るワイピング装置36と、ノズル♯1〜♯180からインクを吸い出すポンプ装置35とが設けられている。ポンプ装置35は、ポンプ機構によりインクを吸引する際に、ノズルが設けられているヘッド41の下面41aを覆うキャップ部を有しており、キャップ部は、印刷が行われないときにヘッド41の下面41aを覆い、ノズル内のインクの乾燥を抑える機能も有している。
【0060】
本実施形態では、感知部71は、非印刷エリアAnの中でも印刷エリアApに近い位置、即ち、同図に示すように、印刷エリアApと、ワイピング装置36及びポンプ装置35との間に設けられる。これによって、キャリッジ31が印刷エリアApから非印刷エリアAnへと移動する際には、必ず感知部71の上方を通過するようになっている。すなわち、キャリッジ31が非印刷エリアAnに移動する非印刷時には、いつでもインクの吐出状態を検知することができるように構成されている。
【0061】
<感知部>
図11は、本実施形態の感知部71の平面図であり、図12は、インク回収部を説明するための図である。
【0062】
本実施形態の感知部71は、図11に示すように、長方形状に成形された基板72上に設けられている。この基板72は、プリント配線基板である。感知部71の線材71bは、基板72の搬送方向における上流側に形成された開口部74に、基板72の長さ方向、即ちここでは搬送方向に沿って緊張状態で掛け渡され、発泡部材71aは線材71bを内包し開口部74の全域を覆うように設けられている。線材71bの両端部は、それぞれ開口部74の縁部に固定部材76により固定されている。
【0063】
ヘッド41のノズル♯1〜♯180から吐出されたインク滴Ipは、感知部71の発泡部材71aに接触したのちに、発泡部材71a内を下方に浸透し、図12に示すように、感知部71を抜けて下方に設けられたインク回収部90内の吸収体92に回収される。このインク回収部90は、例えば、プラテン24等に断面凹形等に形成された溝部などとして設けられていても良い。
【0064】
本実施形態では、基板72には、検知回路80を構成する保護抵抗R1やコンデンサC、入力抵抗R2、帰還抵抗R3、オペアンプAmpなどを構成する回路素子82、83、84が一体的に実装されている。
【0065】
<インク吐出検知処理のタイミング>
液体吐出検知処理としてのインク吐出検知処理が実行されるタイミングとしては、次のようなタイミングがある。ここで、インク吐出検知処理とは、各ノズルにおけるインクの吐出状況を検知し、設定された条件に応じてクリーニング、又は検知結果を報知する一連の処理を指す。
【0066】
(1)印刷処理中
印刷処理中に適宜なタイミングでインク吐出検知処理を実行する。例えば、「双方向印刷」の場合には、移動方向が変更される際に、キャリッジ31が感知部71上へと移動してノズル♯1〜♯180のインク吐出検知処理を実行する。これにより、印刷処理中に途中でノズルのからインクが吐出されない状況が発生して、印刷画像に不具合が生じるのを回避することができる。
【0067】
(2)電源投入時
電源投入時にインク吐出検知処理を実行する。電源投入時は、しばらくの間ノズルからインクが吐出されていない状態が続いていた可能性があり、このような場合には、ノズル内のインクが乾燥しノズルからインクが吐出されない畏れがある。また、これからまさに印刷を行うためにプリンタ1の電源を投入する場合もあるので、プリンタ1のイニシャライズ処理時における処理の1つとしてノズル♯1〜♯180のインク吐出検知処理を実行する。このようなタイミングでインク吐出検知処理を実行することで、ノズル♯1〜♯180からインクを吐出させて良好な画像を印刷することが可能となる。
【0068】
(3)給紙時
用紙Sを印刷すべく所定の位置に送り込む動作、即ち給紙時にインク吐出検知処理を実行する。このタイミングでは、画像を印刷するために用紙Sを給紙したときに、インクが正常に吐出される否かを検知することが可能であり、用紙Sを給紙する都度、インク吐出検知処理を実行しても良く、また、適宜な間隔で所定の数の用紙に印刷するごとにインク吐出検知処理を実行しても良い。
【0069】
(4)印刷データの取得時
プリンタ1が、パーソナルコンピュータなどの接続されたコンピュータ110から印刷データを受け取ったタイミングにて、インク吐出検知処理を実行する。すなわち、コンピュータ110から印刷データを受け取り、これから印刷を実行しようとするときに、インクが正常に吐出されるか否かをチェックするものである。このようなタイミングでインク吐出検知処理を実行することで、ノズル♯1〜♯180からインクを吐出させて良好な画像を印刷することが可能となる。
【0070】
なお、本発明におけるインク吐出検知処理が実行されるのは、必ずしも前述した(1)〜(4)のタイミングである必要はなく、これら(1)〜(4)以外のタイミングにてインク吐出検知処理が実行されても良い。
【0071】
<インク吐出検知処理>
本実施形態の液体吐出装置としての印刷システム100は、インクの吐出状況を検知することにより、インクを吐出していないノズルが検知された場合に、検知結果に応じてノズルのクリーニングすることを許容するか否かを、情報として、ユーザーが予め設定しておくことが可能である。すなわち、ユーザーは、コンピュータ110により表示された情報入力部としての入力画面から、インクが吐出していないとして検知されたノズルの数、インクの色、等の条件を指定して、条件を満たした際に、クリーニングを実行することを許容するか、または、クリーニングを実行することを許容せずに検知した結果を表示装置120に表示することを求めるかを、予め設定しておくことが可能である。
【0072】
図13は、インク吐出検知処理における条件を設定するための画面の一例を説明するための図である。
【0073】
インク吐出検知処理における条件の設定は、プリンタドライバ111のユーザーインターフェース画面に設定されているユーティリティ画面94にて行う。ユーティリティ画面94には、例えば、インク吐出検出処理にて、インクを吐出していないノズルが検知された際に、そのままクリーニングを実行するか、または、ユーザーに報知するかを選択するための処理選択部95と、クリーニングを実行するか、または、ユーザーに報知するかを選択するかを選択する際に基準となる条件を設定するための条件設定部96とが設けられている。すなわち、インクの吐出状況を検知した際に、インクを吐出していないノズルが検出されたとしても、クリーニングも、ユーザーへの報知もいずれも実行されないように設定することも可能ある。これは、たとえインクを吐出していないノズルが存在したとしても、画像には影響が小さい、または、影響があっても構わないと、ユーザーが考える場合に、ユーザーが上記の条件を、ユーザーが許容するレベルの所望の値に設定することにより実現される。ここでは、インクを吐出していないノズルが検出された際に、そのままクリーニングを実行するか、または、ユーザーに報知するかの判断の基準を、印刷モードに対応付けて、インクを吐出しないと検知されたノズルの数をしきい値として設定することが可能である。
【0074】
具体的には、処理選択部95としては、設定されたしきい値に達した際に、「ノズルをクリーニングする」、「検知結果を報知する」の2つの項目に各々ラジオボタン95aが対応付けられており、ユーザーは、いずれかのラジオボタン95aをクリックすることにより、対応付けられた処理を選択することが可能である。
【0075】
条件設定部96としては、印刷モード、インク色、など条件として設定すべき項目を選択するためのダイアログボックス96aと、選択された項目に対応する条件の分類毎にしきい値を設定するためのしきい値入力ボックス96bとが配置されている。
【0076】
ここでは、しきい値に達した際に「ノズルをクリーニングする」に対応付けられたラジオボタン95aをユーザーがクリックし、条件として設定すべき項目としてダイアログボックス96aから印刷モードを選択したことにより、「ドラフトモード」「はやいモード」「きれいモード」の3つの分類に対応付けられたしきい値入力ボックス96bが配置された画面が表示装置120に表示される。ユーザーは、分類に対応付けられたしきい値入力ボックス96bに所望の値を入力する。例えば、「ドラフトモード」に対応付けられたしきい値入力ボックス96bには「10」が入力され、「はやいモード」に対応付けられたしきい値入力ボックス96bには「3」が入力され、「きれいモード」に対応付けられたしきい値入力ボックス96bには「1」が入力されたとする。この場合には、印刷データに含まれる印刷モードを示すコードが「ドラフトモード」を示すコードであった際には、インクを吐出しなかったノズルが9個以下であれば、ノズルをクリーニングせずに印刷処理を実行するか、待機状態となる。また、印刷データに含まれる印刷モードを示すコードが「はやいモード」を示すコードであった際には、インクを吐出しなかったノズルが2個以下であれば、ノズルをクリーニングせずに印刷処理を実行するか、待機状態となる。さらに、印刷データに含まれる印刷モードを示すコードが「きれいモード」を示すコードあった際には、インクを吐出しなかったノズルが1個でもあれば、ノズルをクリーニングするように設定される。
【0077】
上記のように設定された印刷システムにて実行されるインク吐出検知処理について説明する。図14は、インク吐出検知処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【0078】
本実施形態では、4色分のノズル列411(K)、411(C)、411(M)、411(Y)を同時に感知部71と対向させることは可能であるが、いずれのノズル列のいずれのノズルからインクが吐出されなかったかを検知するために、各ノズル列411(K)、411(C)、411(M)、411(Y)の各ノズルについて個別にインクの吐出状況を検知する。ここでは、ブラックインクノズル列411(K)→シアンインクノズル列411(C)→マゼンダインクノズル列411(M)→イエローインクノズル列411(Y)の順にインクの吐出状況を検知する。
【0079】
まず、ブラックインクノズル列411(K)からイエローインクノズル列411(Y)まで順次インクの吐出状況を検知する(S202)。各色のノズル列に対するインクの吐出状況を検知する方法は同じであり、インクの吐出状況を検知する方法については後で詳しく説明する。
【0080】
コントローラ60は、予めユーザーにより設定されている条件をメモリから取得し(S204)、検知結果が設定されている条件を満たしているか否かを判定する(S206)。このとき、検知結果が設定されている条件を満たさない場合、すなわち、インクを吐出しないと検知されたノズルの数が、しきい値より小さい場合には、待機状態となるか、または印刷処理を実行する(S220)。このとき、検知処理を実行したタイミングが、電源投入時であれば待機状態となり、印刷処理中、給紙時、印刷データの取得時等、印刷処理を実行しようとしている際に検知処理を実行した場合には、印刷処理を実行することになる。
【0081】
一方、検知結果が設定されている条件を満たす場合、すなわち、インクを吐出しないと検知されたノズルの数がしきい値以上であった場合には、ユーザーにより予め設定されているクリーニングについての情報を取得する(S208)。取得した情報が、インクの吐出状況を検知した結果に基づいて、クリーニングすることを許容する旨の情報であった場合には(S210)、ノズルをクリーニングする(S212)。このとき実行されるクリーニングは、フラッシング、ワイピング、吸引などのクリーニング方法のうち、インクを吐出しなかったとして検知されるノズルの数に対応付けられて設定されていてもよい。例えば、ユーティリティ画面94の処理選択部95から、ユーザーが、しきい値に達した際に、「ノズルをクリーニングする」に対応付けられたラジオボタン95aをクリックして、クリーニング方法を設定するためのクリーニング方法設定画面97が表示され、このクリーニング方法設定画面97からユーザーが設定したクリーニング方法に基づいて、ノズルがクリーニングされてもよい。
【0082】
図15は、クリーニング方法設定画面の一例を示す図である。図示するように、例えば、検知されるノズルの数とクリーニング方法をと設定するためのダイアログボックス97a、97bとがそれぞれ対応付けられている。ユーザーは、検知されるノズルの数と、クリーニング方法とを対応付けて設定する。この例では、検知されたノズルの数が1〜5個の場合にはフラッシングが実行され、6〜20個の場合にはワイピングが実行され、21個以上の場合には吸引が実行されるように設定されている。
【0083】
そして、ノズルをクリーニングした後には、再びインクの吐出状況を検知する(S216)。インクの吐出状況を検知した結果が、インクを吐出しないと検知されたノズルの数がしきい値より小さい場合には(S218)、待機状態となるか、または印刷処理を実行する(S220)。また、2回目にインクの吐出状況を検知した結果、インクを吐出しないと検知されたノズルの数がしきい値以上であった場合には(S218)、さらにノズルをクリーニングする(S212)。このように、一度クリーニングした後には、インクを吐出しないと検知されたノズルの数がしきい値より小さくなるまで、インクの吐出状況を検知し(S216)、その後ノズルをクリーニング(S212)することが繰り返されることになる。
【0084】
一方、取得した情報が、インクの吐出状況を検知した際にインクを吐出していないノズルが検知された場合でもノズルをクリーニングすることを許容しない旨を示す情報であった場合には、ノズルをクリーニングすることなく、検知結果を表示装置120に報知する(S216)。
【0085】
図16は、検知結果をユーザー等に報知するための画面の一例を示す図である。図示するように、検知結果表示画面98には、例えば、いずれの色のノズルが何個検知されたかという、色別のノズル検知数の表示と、ユーザーがクリックすることによりクリーニング処理を実行させるための「クリーニング」ボタン98a、及び、この検知結果表示画面を閉じてインク吐出検知処理を終了させるための「終了」ボタン98bとが配置されている。ユーザーは、表示された検知結果を参照し、必要に応じて「クリーニング」ボタン98aをクリックすることにより、任意にノズルをクリーニングさせることが可能である。
【0086】
そして、「クリーニング」ボタン98aがクリックされると(S222)、ノズルがクリーニングされる(S212)。ノズルをクリーニングした後には、再びインクの吐出状況を検知する(S216)。インクの吐出状況を検知した結果、インクを吐出しないと検知されたノズルの数がしきい値より小さい場合には(S218)、待機状態となるか、または印刷処理を実行する(S220)。また、2回目にインクの吐出状況を検知した結果、インクを吐出しないと検知されたノズルの数がしきい値以上であった場合には(S218)、インクの吐出状況を検知した後のクリーニングが許容されているか否かにかかわらず、さらにノズルをクリーニングする(S212)。すなわち、この場合にも、一度クリーニングした後には、インクを吐出しないと検知されたノズルの数がしきい値より小さくなるまで、インクの吐出状況を検知し(S216)、その後ノズルをクリーニング(S212)することが繰り返される。
【0087】
<インクの吐出状況を検知する方法>
図17は、インクの吐出状況を検知する方法を説明するためのフローチャートである。
【0088】
インクの吐出状況を検知する際には、コントローラ60は、まずメモリ内の所定の領域に割り付けられたカウンタをクリアし「N=0」とする(S302)。次に、カウンタの値Nに「1」を加えた後に(S304)、第1ノズルにてインク滴を1滴吐出させる動作を実行する(S306)。このとき、コントローラ60は検知回路80の出力を監視しており、所定時間内にて検知回路80からインクが吐出されたことを示す信号が検知されたか否かを判定する(S308)。
【0089】
そして、インクが吐出されたことを示す信号が検知された場合には、カウンタ値Nが180に到達したか否かが判定され(S310)、カウンタ値Nが180に満たない場合には、カウンタの値に「1」を加えた後に(S304)、次のノズル(ここでは第2ノズル)にてインク滴を1滴吐出させる動作を実行させ(S306)、検知回路80からインクが吐出されたことを示す信号が検知されたか否かを判定する(S308)。このように、インクを吐出させる動作を実行させるノズルを順次変更しながら検知回路80からの出力を監視する処理を繰り返す。また、カウンタ値Nが180に達していた場合には、設定条件を取得する処理を実行する(図14、S204)。
【0090】
一方、所定時間内にて検知回路80からインクが吐出されたことを示す信号が検知されなかった場合には、このときのカウンタ値Nをメモリ63の不吐出ノズル記憶領域として設定された領域にインクの色毎に記憶する(S312)。その後、カウンタの値Nが180に到達したか否かが判定され(S310)、カウンタの値Nが180に満たない場合には、カウンタの値に「1」を加えた後に(S304)、次のノズルにてインク滴を1滴吐出させる動作を実行させ(S306)、検知回路80からインクが吐出されたことを示す信号が検知されたか否かを判定する処理(S308)を繰り返す。また、カウンタ値Nが180に達していた場合には、設定条件を取得する処理を実行する(図14、S204)。すなわち、インク滴を吐出させるための動作は、ノズルを順次変更しつつ周期的に実行され、あるノズルにてインク滴を吐出させる動作をさせたときから、次のノズルにてインク滴を吐出させる動作をさせる前までの時間(前記所定時間)内に、コントローラ60が検知回路80からの信号を検知したか否かにて、前記あるノズルにてインクが吐出されたか否かが判定される。このようにして、ブラックインクノズル列411(K)、シアンインクノズル列411(C)、マゼンダインクノズル列411(M)、イエローインクノズル列411(Y)に対し順次インク吐出検知を実施する。
【0091】
すなわち、コントローラ60は、不吐出ノズル記憶領域に記憶されている情報を取得することにより、インクが吐出されなかったと検知されたノズルの番号、インクの色、インクが吐出されなかったノズルの総数などの情報を取得することが可能である。
【0092】
本実施形態の印刷システム100によれば、インクの吐出状況を検知してインクが吐出されていないと検知された際に、予め設定された、クリーニングすることを許容するか否かを示す情報に基づいてノズルをクリーニングするか否かが決定される。このため、インクが吐出されていないと検知された際に、ノズルをクリーニングするか否かを、ユーザー等が希望するように予め設定しておくことが可能である。このとき、ユーザーによりノズルをクリーニングしないように設定されている場合には、ユーザーが希望しない無用なクリーニングが実行されることはない。このため、無用なクリーニングによるインクの浪費を防止することが可能である。また、無用なクリーニングは実行されないので時間の浪費も防止することが可能である。
【0093】
また、クリーニングすることを許容しないことを示す情報が設定されている場合には、インクが吐出されていないノズルが検知された後に、ノズルからインクが吐出されていない事象が表示装置120に報知されるので、ユーザーはインクを吐出していないノズルが存在することを認識することができる。さらに、検知結果を報知するための検知結果表示画面98には、インクの色別に検知されたノズルの数を表示することとしたので、ユーザーはより詳しい情報を取得することが可能であり、クリーニングする必要があるか否かを適切に判断することが可能である。また、検知結果表示画面98には、ユーザーがクリックすることによりノズルをクリーニングするための「クリーニング」ボタン98aを備えているので、ユーザーは、表示された検知結果を参照し、必要に応じて「クリーニング」ボタン98aをクリックすることにより、任意にノズルをクリーニングさせることが可能である。
【0094】
また、インクが吐出されていないノズルが検知された後にノズルをクリーニングすることを許容するか否かを示す情報は、ユーザーによりコンピュータ110の入力画面から入力されるので、インクが吐出されていないノズルが検知された後にノズルのクリーニングを実行するか否かを、ユーザーは希望に応じて設定及び変更することが可能である。また、クリーニングすることを許容するか否かを示す情報をコンピュータ110の入力画面から入力することとしたので、ユーザーは情報を容易に設定することが可能である。
【0095】
さらに、インク吐出検知部70による検知結果と、予め設定しておく所定の条件に対するしきい値とにて、ノズルからインクが吐出されたか否かが判定されるので、設定する条件やしきい値に応じて、検出されるレベルを違えた設定とすることが可能である。例えば、インクを吐出していないと検知されたノズルが許容される程度に存在している場合であっても、インクが吐出されないノズルは存在しない場合と同様に印刷処理を実行するように設定することが可能である。このため、インクを吐出しないと検知されたノズルが許容される程度に存在している場合であっても、ノズルをクリーニングしないような設定とすることが可能である。さらに、設定するしきい値を任意に設定可能としたので、よりユーザーの希望に沿ったクリーニングの設定が可能である。すなわち、インクを吐出しないと検知されたノズルの許容されるレベルについても自由度を持った設定をすることが可能である。
【0096】
また、ノズルをクリーニングした直後に、インクの吐出状況を検知し、インクが吐出されていないノズルが検知された際には、設定された情報にかかわらずノズルをクリーニングすることとしたので、一度クリーニングした後には、ユーザーが許容しない数より多くのノズルからインクが吐出されない状態となることを防止することが可能である。特に、クリーニングはインクを吐出しなかったノズルからインクを吐出させるために実行するので、クリーニング後にインクを吐出しないノズルの数は設定された数より小さくなるべきである。このため、設定された条件に基づいてノズルのクリーニングを繰り返すことにより、クリーニングの信頼性を向上させることが可能である。このとき、インクが吐出されないと検知されたノズルのしきい値を「1」に設定することにより、インクを吐出しなかったすべてのノズルから確実にインクが吐出されるように復帰させることが可能である。
【0097】
さらに、インクが吐出されていないノズルが検知された際に実行されるクリーニングは、インク吐出検知部70の検知結果に応じて複数種類のクリーニング方法のうちの、任意のクリーニング方法に設定することを可能としたので、インクを吐出しないノズルの発生状況に応じたクリーニング方法を設定することが可能である。このため、インクを吐出しないノズルの発生状況に応じて適切にクリーニングすることが可能である。
【0098】
図18は、ユーザーがインク吐出検知処理を実行する指令を入力したときに、表示装置120に表示される画面の一例を示す図である。図18Aは、インクの吐出状況を検知するノズルチェックが実行され、インクを吐出していないノズルが検知された際にノズルをクリーニングするように設定されている際に表示される画面の一例を示す図、図18Bは、図18Aの画面にて実行ボタンをクリックした際に表示される画面の一例を示す図、図18Cは、ノズルチェックが実行され、インクを吐出していないノズルが検知された際に自動でノズルをクリーニングしないように設定されている際に表示される画面の一例を示す図である。
【0099】
ユーザーがインクの吐出状況を検知する所謂ノズルチェックを実行する指令を入力したときには、ノズルチェックを実行して、インクが吐出されていないノズルが検知したときに自動的にクリーニングを実行するか否か確認するためのクリーニング確認画面150を表示装置120に表示してもよい。そして、プリンタ1に、インクが吐出されていないノズルが検知したときにノズルをクリーニングすることを許容する情報が設定されていた場合には、図18Aに示すように、ノズルチェック後に自動でノズルをクリーニングすることを報知する。このとき、クリーニング確認画面150には、ノズルチェックを実行させるための「実行」ボタン150aが配置されており、ノズルチェック後に自動でクリーニングすることをユーザーが認める場合には、ユーザーが「実行」ボタン150aをクリックすることにより、ノズルチェックが開始される。このとき、ユーザーが「実行」ボタン150aをクリックしたことにより、図18Bに示すような条件設定画面151が表示され、条件設定画面151に配置された条件入力ボックス151aにユーザーが所定の値を入力した後に、条件設定画面151に配置された「実行」ボタン151bをクリックすることにより、ノズルチェックが開始されることとしてもよい。
【0100】
一方、クリーニング確認画面150及び条件設定画面151には、ノズルチェックを取りやめるための「終了」ボタン150b、151cが配置されており、ノズルチェック後に自動でクリーニングすることをユーザーが認めない場合には、ユーザーが「終了」ボタン150b、151cをクリックすることによりクリーニング確認画面150または条件設定画面151が閉じて待機状態に戻る。
【0101】
また、プリンタ1に、インクが吐出されていないノズルが検知したときにノズルをクリーニングすることを許容しない情報が設定されていた場合には、図18Cに示すように、ノズルチェックのみを実行することを、ノズルチェック実行画面152により報知する。この場合には、ノズルチェック実行画面152に配置された「実行」ボタン152aをクリックすることにより、ノズルチェックが開始され、「終了」ボタン152bをクリックすることによりノズルチェック実行画面152が閉じて待機状態に戻る。
【0102】
===その他の実施の形態===
上記の実施形態は、主として印刷システムについて記載されているが、その中には、プリンタ1、液体吐出装置、ノズルのクリーニング方法等の開示が含まれていることは言うまでもない。すなわち、上記実施形態においては、液体吐出装置を、インクジェットプリンタ1を有する印刷システムとして説明したが、インクジェットプリンタ1が、例えば検知結果を報知可能な報知部と、インクを吐出しているか否かを検知する際の条件等の情報を入力可能な情報入力部等を有していれば、プリンタ単体であっても実現可能である。例えば、報知部は、プリンタに設けられた液晶ディスプレイであり、情報入力部は、プリンタに設けられた入力ボタンやタッチパネルなどが相当する。
【0103】
また、本実施形態において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部又は全部をソフトウェアによって置き換えてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアによって置き換えてもよい。
【0104】
また、液体吐出装置(インクジェットプリンタ1)側にて行っていた処理の一部をホストコンピュータ110側にて行ってよく、また液体吐出装置(インクジェットプリンタ1)とホストコンピュータ110の間に専用の処理装置を介設して、この処理装置にて処理の一部を行わせるようにしてもよい。
【0105】
また、一実施形態としての印刷システム等を説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
【0106】
<プリンタについて>
前述の実施形態では、液体を吐出する装置としてプリンタ1が説明されていたが、これに限られるものではない。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、液体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の記録装置に、本実施形態と同様の技術を適用しても良い。また、これらの方法や製造方法も応用範囲の範疇である。
【0107】
<液体について>
上記実施の形態では、液体としてインクが使用された場合を例にして説明したが、本発明に係る液体吐出装置にあっては、インクに限らず、その他の液体、例えば、金属材料、有機材料(例えば高分子材料)、磁性材料、導電性材料、配線材料、成膜材料、電子インク、各種加工液、遺伝子溶液といった各種液体がインクの代わりに用いられても良い。
【0108】
<ノズルについて>
上記実施形態では、圧電素子を用いてインクを吐出していた。しかし、インクを吐出する方式は、これに限られるものではない。例えば、熱によりノズル内に気泡を発生させる方式など、他の方式を用いてもよい。
【0109】
<インクについて>
上記実施形態は、プリンタ1のノズルから染料インク又は顔料インクをノズルから吐出していた。しかし、ノズルから吐出するインクは、このようなインクに限られるものではない。
【0110】
<印刷に用いるインク色について>
前述の実施形態では、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色のインクを用紙S上に吐出してドットを形成する多色印刷を例に説明したが、インク色はこれに限るものではない。例えばこれらインク色に加えて、ライトシアン(薄いシアン、LC)及びライトマゼンタ(薄いマゼンタ、LM)等のインクを用いても良い。
また、逆に、上記4つのインク色のいずれか一つだけを用いて単色印刷を行っても良い。<インクを吐出するキャリッジ移動方向について>
前述の実施形態では、キャリッジ31の往方向の移動時にのみインクを吐出する単方向印刷を例に説明したが、これに限るものではなく、キャリッジ31の往復たる双方向移動時にインクを吐出する所謂双方向印刷を行っても良い。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】印刷システムの構成を説明するための図である。
【図2】プリンタドライバが行う基本的な処理の概略的な説明図である。
【図3】プリンタドライバのユーザーインターフェースの説明図である。
【図4】プリンタの全体構成のブロック図である。
【図5】図5Aは、プリンタの全体構成の概略図である。また、図5Bは、プリンタの全体構成の縦断面図である。
【図6】ヘッドの下面におけるノズルの配列を示す説明図である。
【図7】印刷時の処理のフロー図である。
【図8】液体吐出検知部の構成を説明するための図である。
【図9】液体吐出検知部の検知原理を説明するための説明図である。
【図10】本実施形態の感知部の設置位置を説明するための図である。
【図11】本実施形態の感知部の平面図である。
【図12】インク回収部を説明するための図である。
【図13】インク吐出検知処理における条件を設定するための画面の一例を説明するための図である。
【図14】インク吐出検知処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【図15】クリーニング方法設定画面の一例を示す図である。
【図16】検知結果をユーザー等に報知するための画面の一例を示す図である。
【図17】インクの吐出状況を検知する方法を説明するためのフローチャートである。
【図18】図18Aは、クリーニング確認画面の一例を示す図である。図18Bは、条件設定画面の一例を示す図である。図18Cは、ノズルチェック実行画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0112】
1 プリンタ(インクジェットプリンタ)、20 搬送ユニット、21 給紙ローラ、
22 搬送モータ、23 搬送ローラ、24 プラテン、25 排紙ローラ、
30 キャリッジユニット、31 キャリッジ、32 キャリッジモータ、
40 ヘッドユニット、41 ヘッド、41a ヘッドの下面、50 検出器群、
51 リニア式エンコーダ、52 ロータリー式エンコーダ、53 紙検出センサ、
54 光学センサ、60 コントローラ、61 インターフェース部、
62 CPU、 63 メモリ、64 ユニット制御回路,70 インク吐出検知部、
71 感知部、71a 発泡部材、71b 線材、72 基板、74 開口部、
76 固定部材、80 検知回路、82,83,84 回路素子、
90 インク回収部、92 吸収体、94 ユーティリティ画面、
95 処理選択部、95a ラジオボタン、
96 条件設定部、96a ダイアログボックス、96b しきい値入力ボックス、
97 方法設定画面、97a ダイアログボックス、98 検知結果表示画面、
98a 「クリーニング」ボタン、98b 「終了」ボタン、100 印刷システム、
110 コンピュータ、111 プリンタドライバ、112 解像度変換処理部、
114 色変換処理部、116 ハーフトーン処理部、118 ラスタライズ処理部、
120 表示装置、130 入力装置、140 記録再生装置、
150 クリーニング確認画面、150a「実行」ボタン、150b 「終了」ボタン、
151 条件設定画面、151a 入力ボックス、151b 「実行」ボタン、
151c 「終了」ボタン、152 ノズルチェック実行画面、
152a 「実行」ボタン、152b 「終了」ボタン、411 ノズル列、
411(K) ブラックインクノズル列、411(M)マゼンタインクノズル列、
411(C) シアンインクノズル列、411(Y) イエローインクノズル列、
Ap 印刷エリア、An 非印刷エリア、Ip インク滴、R1 保護抵抗、
R2 入力抵抗、R3 帰還抵抗、Amp オペアンプ




 

 


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