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発明の名称 液滴吐出ヘッドの製造方法及び液滴吐出装置の製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−7940(P2007−7940A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−189845(P2005−189845)
出願日 平成17年6月29日(2005.6.29)
代理人 【識別番号】100085198
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 久夫
発明者 山崎 成二
要約 課題
吐出室等の加工精度が高く、また歩留まりの高い液滴吐出ヘッドの製造方法等を提供する。

解決手段
所定の加工が施されたガラス基板2aにシリコン基板1aを陽極接合した後に、該シリコン基板1aを薄板化する工程と、該薄板化されたシリコン基板1aの片面に窒化シリコン膜51を形成した後に、該窒化シリコン膜51の一部を除去して複数の開口部を形成する工程と、薄板化されたシリコン基板1aの窒化シリコン膜51上及び複数の開口部にTEOS膜52を形成する工程と、複数の開口部のうち、一部の開口部に形成されたTEOS膜52を除去する工程と、TEOS膜52が除去された開口部からシリコン基板1aをエッチングする工程と、残りのTEOS膜52を除去し、複数の開口部からさらにエッチングを行う工程とを有するものである。
特許請求の範囲
【請求項1】
所定の加工が施されたガラス基板にシリコン基板を陽極接合した後に、該シリコン基板を薄板化する工程と、
該薄板化されたシリコン基板の片面に第1のエッチングマスクを形成した後に、該第1のエッチングマスクの一部を除去して複数の開口部を形成する工程と、
前記薄板化されたシリコン基板の第1のエッチングマスク上及び複数の開口部に第2のエッチングマスクを形成する工程と、
前記複数の開口部のうち、一部の開口部に形成された第2のエッチングマスクを除去する工程と、
前記第2のエッチングマスクが除去された開口部から前記シリコン基板をエッチングする工程と、
残りの第2のエッチングマスクを除去し、前記複数の開口部からさらにエッチングを行う工程と
を有することを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
【請求項2】
前記第1のエッチングマスクが窒化シリコンからなり、前記第2のエッチングマスクがTEOSからなることを特徴とする請求項1記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
【請求項3】
液滴を溜めておくための吐出室となる凹部を前記シリコン基板に形成するために、前記第1のエッチングマスクの一部を除去する工程において、前記吐出室となる凹部の部分に開口部を形成し、一部の開口部に形成された第2のエッチングマスクを除去する工程において、前記吐出室となる凹部の部分の第2のエッチングマスクを除去することを特徴とする請求項1又は2記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
【請求項4】
前記吐出室に液滴を供給するためのリザーバとなる凹部を前記シリコン基板に形成するために、前記第1のエッチングマスクの一部を除去する工程において、前記リザーバとなる凹部の部分に開口部を形成し、一部の開口部に形成された第2のエッチングマスクを除去する工程において、前記リザーバとなる凹部の部分の第2のエッチングマスクを残すことを特徴とする請求項3記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
【請求項5】
前記ガラス基板にシリコン基板を陽極接合する前に、前記ガラス基板に電極を形成するための電極用凹部を形成して、該電極用凹部内に電極を形成する工程を有し、該電極を露出させるための電極取出し部を前記シリコン基板に形成するために、前記第1のエッチングマスクの一部を除去する工程において、該電極取出し部となる部分に開口部を形成し、一部の開口部に形成された第2のエッチングマスクを除去する工程において、前記電極取出し部となる部分の第2のエッチングマスクを除去することを特徴とする請求項3又は4記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
【請求項6】
前記ガラス基板に前記シリコン基板を陽極接合する前に、前記ガラス基板に大気開放穴を設け、該大気開放穴は、前記ガラス基板に前記シリコン基板を陽極接合した後に、電極用凹部内を大気開放することを特徴とする請求項5記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
【請求項7】
前記第2のエッチングマスクを形成した後に、前記大気開放穴を封止することを特徴とする請求項6記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
【請求項8】
前記大気開放穴を、液滴吐出ヘッドのチップごとに設けることを特徴とする請求項6又は7記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
【請求項9】
前記複数の開口部からさらにエッチングを行う工程の後に、前記大気開放穴の部分を液滴吐出ヘッドのチップとなる部分からダイシングにより切断することを特徴とする請求項8記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
【請求項10】
前記第1のエッチングマスク及び前記第2のエッチングマスクを、プラズマCVDによって形成することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
【請求項11】
前記プラズマCVDを、500℃以下の条件で行うことを特徴とする請求項10記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドの製造方法を適用して液滴吐出装置を製造することを特徴とする液滴吐出装置の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、液滴吐出ヘッドの製造方法及び液滴吐出装置の製造方法に関し、特に加工精度及び歩留まりの高い液滴吐出ヘッドの製造方法及びこの液滴吐出ヘッドの製造方法を適用した液滴吐出装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のインクジェットヘッドの製造方法では、シリコンからなるキャビティ基板と個別電極等の形成された電極ガラス基板を接合してからキャビティ基板を薄板化し、その後キャビティ基板に吐出室となる凹部等をエッチングにより形成していた。このインクジェットヘッドの製造方法では、吐出室となる凹部等を形成するときのエッチングマスクとしてプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)によるTEOS(Tetraethylorthosilicate Tetraethoxysilane、珪酸エチル)膜を用いていた。このTEOS膜は、シリコンをアルカリエッチングする際のエッチングマスクとして広く用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また従来のシリコン薄膜の形成方法では、TEOS膜又は窒化シリコン(SiN)膜をエッチングマスクとして、シリコンからなるキャビティ基板をエッチングするようにしていた(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2004−82572号公報(第2頁、図4、図5)
【特許文献2】特開2000−323450号公報(第2頁、図4、図5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし従来のインクジェットヘッドの製造方法では(例えば、特許文献1参照)、TEOSからなるエッチングマスクをプラズマCVDによって形成しているものの、TEOS膜は窒化シリコン膜に比べて選択比(アルカリ性水溶液に対するエッチングマスクの耐性の度合い)が低いため、TEOS膜を厚く形成する必要があり、コストが増大してしまうという問題点があった。またTEOS膜からなるエッチングマスクでは、シリコンをエッチングする際のサイドエッチング(シリコンが横方向にエッチングされる現象)量が多くなり、吐出室の幅の精度が低下したり、吐出室の間の隔壁に欠損が生じるという問題点があった。
【0005】
また従来のシリコン薄膜の形成方法では(例えば、特許文献2参照)、エッチングマスクとして窒化シリコンのみを用いた場合、ハーフエッチング(エッチングマスクの一部を薄くする工程)を行うことが困難なため、吐出室とリザーバを異なる深さに形成することが難しいという問題点があった。また、ハーフエッチングを行わずに、吐出室とリザーバを同じ深さに形成すると、面積の大きいリザーバの底面が振動板(吐出室の底面)と同程度の厚みとなり、リザーバの底面が割れる等して歩留まりが低下するという問題点があった。
【0006】
本発明は、吐出室等の加工精度が高く、また歩留まりの高い液滴吐出ヘッドの製造方法及びこの液滴吐出ヘッドの製造方法を適用した液滴吐出装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法は、所定の加工が施されたガラス基板にシリコン基板を陽極接合した後に、該シリコン基板を薄板化する工程と、該薄板化されたシリコン基板の片面に第1のエッチングマスクを形成した後に、該第1のエッチングマスクの一部を除去して複数の開口部を形成する工程と、薄板化されたシリコン基板の第1のエッチングマスク上及び複数の開口部に第2のエッチングマスクを形成する工程と、複数の開口部のうち、一部の開口部に形成された第2のエッチングマスクを除去する工程と、第2のエッチングマスクが除去された開口部からシリコン基板をエッチングする工程と、残りの第2のエッチングマスクを除去し、複数の開口部からさらにエッチングを行う工程とを有するものである。
第2のエッチングマスクが除去された開口部からシリコン基板をエッチングするため、例えば第1のエッチングマスクに選択比の高い窒化シリコンを用いることで、この部分のエッチングを高精度に行うことができる。またこの後に、残りの第2のエッチングマスクを除去し、複数の開口部からさらにエッチングを行うことにより、ハーフエッチングを行うことなく底壁の厚みの違う凹部を形成することが可能となる。
さらに、ガラス基板にシリコン基板を陽極接合した後に、シリコン基板を薄板化するため、シリコン基板のハンドリングが容易となり、シリコン基板が割れたり欠けたりするのを防止することができる。またこれにより、シリコン基板の大口径化が可能となり、1枚のシリコン基板から多数の液滴吐出ヘッドのチップを製造できるため、生産性を向上させることができる。
【0008】
また本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法は、上記の第1のエッチングマスクが窒化シリコンからなり、第2のエッチングマスクがTEOSからなるものである。
第1のエッチングマスクを選択比の高い窒化シリコンで形成することにより、第2のエッチングマスクが除去された開口部からシリコン基板をエッチングする際に、精度の高いエッチングを行うことができる。また第2のエッチングマスクをTEOSから形成することにより、ハーフエッチングを行うことなく容易に深さの異なる凹部を形成することが可能となる。
【0009】
また本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法は、液滴を溜めておくための吐出室となる凹部を前記シリコン基板に形成するために、第1のエッチングマスクの一部を除去する工程において、吐出室となる凹部の部分に開口部を形成し、一部の開口部に形成された第2のエッチングマスクを除去する工程において、吐出室となる凹部の部分の第2のエッチングマスクを除去するものである。
第1のエッチングマスク及び第2のエッチングマスクが除去された部分からエッチングを行うことにより、精度の高い吐出室を形成することが可能となる。
【0010】
また本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法は、吐出室に液滴を供給するためのリザーバとなる凹部をシリコン基板に形成するために、第1のエッチングマスクの一部を除去する工程において、リザーバとなる凹部の部分に開口部を形成し、一部の開口部に形成された第2のエッチングマスクを除去する工程において、リザーバとなる凹部の部分の第2のエッチングマスクを残すものである。
初めのシリコン基板のエッチングの際にリザーバとなる凹部の部分の第2のエッチングマスクを残して、その後、第2のエッチングマスクを除去してエッチングを行うことにより、ハーフエッチングを行うことなく深さの浅いリザーバを形成することが可能となる。
【0011】
また本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法は、ガラス基板にシリコン基板を陽極接合する前に、ガラス基板に電極を形成するための電極用凹部を形成して、該電極用凹部内に電極を形成する工程を有し、該電極を露出させるための電極取出し部をシリコン基板に形成するために、第1のエッチングマスクの一部を除去する工程において、該電極取出し部となる部分に開口部を形成し、一部の開口部に形成された第2のエッチングマスクを除去する工程において、電極取出し部となる部分の第2のエッチングマスクを除去するものである。
吐出室となる凹部と同時に電極取出し部となる部分を形成することにより、製造工程を簡略化することができ、製造時間を短縮することが可能となる。
【0012】
また本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法は、ガラス基板にシリコン基板を陽極接合する前に、ガラス基板に大気開放穴を設け、該大気開放穴は、ガラス基板にシリコン基板を陽極接合した後に、電極用凹部内を大気開放するものである。
ガラス基板に大気開放穴を設けることにより、シリコン基板に吐出室となる凹部等を形成したときに、電極用凹部内が高圧となってシリコン基板の薄膜化された部分が割れるのを防止することができる。
【0013】
また本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法は、第2のエッチングマスクを形成した後に、大気開放穴を封止するものである。
第2のエッチングマスクを形成した後に大気開放穴を封止することにより、これ以降の工程で電極用凹部内にエッチング液等が浸入するのを防止することができる。
【0014】
また本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法は、大気開放穴を、液滴吐出ヘッドのチップごとに設けるものである。
大気開放穴を液滴吐出ヘッドのチップごとに設けることにより、シリコン基板の薄膜化された部分が割れるのを効果的に防止することができる。
【0015】
また本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法は、複数の開口部からさらにエッチングを行う工程の後に、大気開放穴の部分を液滴吐出ヘッドのチップとなる部分からダイシングにより切断するものである。
大気開放穴の部分を液滴吐出ヘッドのチップとなる部分からダイシングにより切断することにより、液滴吐出ヘッドのチップを小型化することが可能となる。
【0016】
また本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法は、第1のエッチングマスク及び第2のエッチングマスクを、プラズマCVDによって形成するものである。
第1のエッチングマスク及び第2のエッチングマスクをプラズマCVDによって形成することにより、熱CVD等に比べて第1のエッチングマスク及び第2のエッチングマスクを低温で形成することができる。
【0017】
また本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法は、プラズマCVDを、500℃以下の条件で行うものである。
プラズマCVDを500℃以下の条件で行うことにより、ガラス基板が溶けるのを防止することができる。またシリコン基板にボロンドープ層を形成する場合に、ボロンがドライブイン(拡散)して振動板の加工精度が低下するのを防止することができる。
【0018】
本発明に係る液滴吐出装置の製造方法は、上記のいずれかの液滴吐出ヘッドの製造方法を適用して液滴吐出装置を製造するものである。
上記のいずれかの液滴吐出ヘッドの製造方法を適用して液滴吐出装置を製造することにより、吐出室等の加工精度が高く、吐出性能等の高い液滴吐出装置を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
実施形態1.
図1は、本発明の実施形態1に係る液滴吐出ヘッドを示した分解斜視図である。本実施形態1に係る液滴吐出ヘッドは、静電駆動方式のものであり、ノズル基板3に対して垂直方向に液滴を吐出するフェイスイジェクトタイプのものであるとする。なお吐出方式は、ノズル基板3に平行に液滴を吐出するサイドイジェクトタイプのものであってもよい。また図1では、ノズル基板3にノズル20が2列設けられており、吐出室5及び電極11も2列設けられているものを示しているが、これらは1列若しくは3列以上設けるようにしてもよい。
【0020】
本実施形態1の液滴吐出ヘッドは、主にキャビティ基板1、電極基板2及びノズル基板3が接合されることにより構成されている。キャビティ基板1は、例えば厚さが50μmの単結晶シリコンからなり、以下に示す所定の加工が施されている。なお図1では、キャビティ基板1として(110)面方位の単結晶シリコンを使用している。キャビティ基板1には、単結晶シリコンを異方性ウェットエッチングすることにより、底壁が振動板4となっている複数の吐出室5及び吐出室5に液滴を供給するためのリザーバ7が形成されている。
またキャビティ基板1の電極基板2側には、振動板4と電極11の短絡及び絶縁膜破壊を防止するための絶縁膜が形成されている(図1において図示せず)。この絶縁膜は、例えばTEOS(Tetraethylorthosilicate Tetraethoxysilane、珪酸エチル)膜をCVD(Chemical Vapor Deposition)によって、厚さ0.1μmで形成することができる。
【0021】
電極基板2は、例えば厚さが1mmのホウ珪酸系耐熱硬質ガラスからなり、キャビティ基板1の振動板4側に接合されている。この電極基板2には、キャビティ基板1の振動板4及び吐出室5の位置に合わせて、例えば深さが0.2μmの電極用凹部10aがエッチングにより形成されている。この電極用凹部10aの内部には電極11が形成されており、リード部12及び端子部13に繋がっている。なお電極用凹部10aは、少なくともリード部12の部分まで形成されているものとする。電極11、リード部12及び端子部13は、酸化錫をドープしたITO(Indium Tin Oxide、インジウム錫酸化物)等からなり、電極用凹部10aの内部に例えばスパッタにより厚さ0.1μmで形成されている。
【0022】
複数の電極11はその長手方向がほぼ平行になるように設けられており、電極基板2の電極11の長手方向に垂直な方向にずらした位置に等電位接点15が設けられている。この等電位接点15は、例えば電極11と同じITO等から形成されており、キャビティ基板1に形成された接点用凹部10bから伸びた状態で形成されている。なお等電位接点15については、後に説明する。
また電極基板2には、リザーバ7に液滴を供給するためのインク供給口17が設けられている。
【0023】
ノズル基板3は、例えば厚さ180μmのシリコン基板からなり、キャビティ基板1の電極基板2が接合された面の反対側の面に接合されている。ノズル基板3には、吐出室5と連通するノズル20が形成されており、キャビティ基板1の接合された面の反対側の面から液滴を吐出するようになっている。またノズル基板3のキャビティ基板1の接合された面には、吐出室5とリザーバ7を連通するためのオリフィス21が設けられている。なおオリフィス21は、キャビティ基板1に設けるようにしてもよい。
【0024】
図2は、図1に示す液滴吐出ヘッドの縦断面図である。なお図2(a)は吐出室5の長手方向の縦断面図であり、図2(b)は接点用凹部10b(等電位接点15)の長手方向の縦断面図である。また図2では、図1の液滴吐出ヘッドの右半分のみを示している。
まず、図2(a)を用いて本実施形態1の液滴吐出ヘッドの動作について説明する。吐出室5は、ノズル20から吐出するための液滴を溜めており、吐出室5の底壁である振動板4を撓ませることにより吐出室5内の圧力を高め、ノズル20から液滴を吐出させる。 なお、振動板4を撓ませるために、電極11と繋がった端子部13と、キャビティ基板1に発振回路23(図2(a)において模式的に図示)を接続し、電極11と振動板4の間に電位差を生じさせるようにしている。また振動板4と電極11の間のギャップは、封止材22によって封止されている。
【0025】
本実施形態1の液滴吐出ヘッドの振動板4は、ボロン・ドープ層4aと絶縁膜4bとから構成されている。このボロン・ドープ層4aは、ボロンを高濃度(約5×1019atoms/cm3以上)にドープして形成されており、例えばアルカリ性水溶液で単結晶シリコンをエッチングしたときに、エッチング速度が極端に遅くなるいわゆるエッチングストップ層となっている。ボロン・ドープ層4aがエッチングストップ層として機能するため、振動板4の厚み及び吐出室5の容積を高精度で形成することができる。なお絶縁膜4bは、上述のようにTEOS膜等から構成されている。
【0026】
また図2(b)に示すように、絶縁膜4bの等電位接点15に対応する部分は除去されており、この部分は開口部となっている。この開口部には、ITO等からなる等電位接点15が形成されており、キャビティ基板1のボロン・ドープ層4aと接続されている。なお、上記のように等電位接点15の延長線上にも接点用凹部10bが形成されており、その内部にはITO等からなる配線が形成されている。また等電位接点15は、例えばこの接点用凹部10bの先端からキャビティ基板1に乗り上げる形で形成されている(図1参照)。
なお本実施形態1では、図1に示すように等電位接点15の形状を線状にしているが、等電位接点15の形状はこれ以外の形状でもよい。
【0027】
図3は、電極基板2となるガラス基板2aをシリコン基板1a(キャビティ基板1となる基板)の接合される側から見た図である。図3は、ウェハ状のガラス基板2aがダイシング(後述)によって切断される前の、個々の液滴吐出ヘッドとなる部分の周辺を示している。なお本実施形態1に係る液滴吐出ヘッドの製造方法については後に詳述する。
図3に示すように本実施形態1では、大気開放穴30及び等電位接点15が個々の液滴吐出ヘッドとなる部分(チップ)ごとに設けられている。大気開放穴30は、ガラス基板2aを貫通するように形成されており、凹部31を介してすべての電極用凹部10aと連通している。この大気開放穴30は、ギャップ(電極用凹部10aの部分)を大気開放することにより、陽極接合の際に発生する酸素等の気体によってギャップ内が加圧されシリコン基板1aの薄膜化された部分が割れるのを防止する機能を有する。なお大気開放穴30とギャップ(電極用凹部10aの部分)は、製造工程の途中で封止材22によって空間的に分離される。
また等電位接点15は、陽極接合のときにキャビティ基板1と電極11を等電位にする機能を有している。この等電位接点15と複数の電極11は、図3に示すように凹部31の内部に設けられたITO等の配線32を介して電気的に接続されている。なお、等電位接点15は、1つの液滴吐出ヘッドとなる部分に2つ以上設けてもよい。
【0028】
ここで上述のように、等電位接点15の部分には接点用凹部10bを形成しないようにする。そして、例えば接点用凹部10bの先端部からガラス基板2aの表面に乗り上げる形でITO等からなる等電位接点15を形成する。なお等電位接点15は、電極11と同時に形成するのが望ましく、この場合、等電位接点15は0.1μm(電極11と同じ厚さ)だけガラス基板2aから突出した状態となる。この等電位接点15は、キャビティ基板1に形成された絶縁膜4bの開口部の部分でボロン・ドープ層4aと接続される(図2(b)参照)。
なお図3に示すダイシングライン1及びダイシングライン2は、シリコン基板1aとガラス基板2aを接合した接合基板(後述)から液滴吐出ヘッドのチップを切り出す際に切断される部分である。このダイシングライン1に沿って接合基板を切断することにより、大気開放穴30の部分を液滴吐出ヘッドのチップから切り落とす。これにより、液滴吐出ヘッドの小型化が可能となる。またダイシングライン2に沿って接合基板を切断することにより、等電位接点15と電極11を接続する配線33を切り落とし、キャビティ基板1と電極11の電気的接続を断つようにする。これにより、ダイシングによって個々の液滴吐出ヘッドが切り出された後に、液滴吐出ヘッドの駆動が可能となる。
【0029】
図4から図8は、本発明の実施形態1に係る液滴吐出ヘッドの製造工程を示す縦断面図である。なお図4から図8では、図1及び図2に示す液滴吐出ヘッドを製造する工程を示している。また図4から図8は、主に吐出室5の長手方向の縦断面(図2(a)の断面)を示しているが、接点用凹部10bの長手方向の縦断面(図2(b)の断面)を示す場合はそれを明示する。さらに図4から図8は、個々の液滴吐出ヘッドのチップとなる部分の周辺部を示している。
以下、図4から図8を用いて本発明の静電アクチュエータの製造方法を用いた液滴吐出ヘッドの製造方法について説明する。
【0030】
まず、例えばホウ珪酸系耐熱硬質ガラスからなるガラス基板2aを両面研磨して厚さを1mmにしてから(図4(a))、ガラス基板2aの片面にスパッタによって例えば厚さ0.1μmのクロム膜40を成膜する(図4(b))。
次に、クロム膜40の表面に電極用凹部10a、接点用凹部10b、凹部31を作り込むためのレジストパターニングを施し(図3参照)、硝酸第2セリウムアンモニウム水溶液と過塩素酸水溶液の混合液を用いて電極用凹部10a、接点用凹部10b、凹部31の部分のクロム膜40を除去する(図4(c))。なお図4(c)では、電極用凹部10aとなる部分のクロム膜40が除去された状態を示している。
【0031】
そして、クロム膜40をエッチングマスクとしてフッ化アンモニウム水溶液を用いてガラス基板2aをエッチングし、電極用凹部10a、接点用凹部10b、凹部31を形成する(図4(d))。なお図4(d)において、接点用凹部10b、凹部31は図示していない。その後、例えば有機剥離液を用いて図4(c)の工程で形成したレジストを剥離する。
それから、硝酸第2セリウムアンモニウム水溶液と過塩素酸水溶液の混合液を用いてガラス基板2aの表面に形成されたクロム膜40をすべて除去する(図4(e))。
次に、ガラス基板2aの電極用凹部10a等が形成されている面の全体に酸化錫をドープしたITOを例えば厚さ0.1μmでスパッタし、ITO膜41を成膜する(図4(f))。
【0032】
その後、ITO膜41の表面にレジストを電極11(リード部12及び端子部13を含む)、配線32、等電位接点15の形状(図3参照)にパターニングした後、ITO膜41を硝酸と塩酸の混合液を用いてエッチングして電極11(リード部12及び端子部13を含む)、配線32、等電位電極15を形成する(図5(g)、図5(g’))。なお図5(g’)は、接点用凹部10bの長手方向の縦断面(図2(b)の断面)を示している。この際、上記のように電極11は電極用凹部10a内に、配線32は凹部31内に形成する。また等電位接点15はガラス基板2aに乗り上げる形に形成する。
そして、ガラス基板2aにサンドブラストや切削加工等によって大気開放穴30及びインク供給口17となる貫通孔を形成する(図5(h))。なお大気開放穴30は、図3に示すように凹部31を介して電極用凹部10aと連通するようにする。
これにより、図3に示すようなガラス基板2aが完成する。
【0033】
次に、例えば面方位が(110)で酸素濃度の低いシリコン基板1aの片面を鏡面研磨し、厚さが220μmのシリコン基板1aを作製し、吐出室5等が形成される面の反対面にボロン・ドープ層4aを形成する(図5(i))。具体的には、シリコン基板1aをB23を主成分とする固体の拡散源に対向させて石英ボートにセットし、この石英ボートを例えば縦型炉に入れる。そして縦型炉の内部を、温度が1050℃の窒素雰囲気にして7時間保持し、シリコン基板1aにボロンを拡散させて、ボロン・ドープ層50を形成する。このとき、シリコン基板1aの投入温度を800℃とし、温度を1050℃まで上げた後に、シリコン基板1aの取出し時の温度も800℃とする。これにより、シリコン基板1aの酸素欠陥の成長速度が早い600℃から800℃の領域を素早く通過させることができ、酸素欠陥の成長を抑制することができる。
【0034】
なお上記のボロン拡散の工程において、ボロンドープ層4aの表面にSiB6膜(図示せず)が形成されるが、温度が600℃の酸素及び水蒸気雰囲気中で1時間30分程度酸化することで、フッ酸水溶液でエッチング可能なB23とSiO2に化学変化させることができる。このようにSiB6膜をB23とSiO2に化学変化させた後に、緩衝フッ酸溶液によってB23とSiO2をエッチングして除去する。
【0035】
そして、例えばプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)によって厚さ0.1μmのTEOSからなる絶縁膜4bをシリコン基板1aのボロン・ドープ層4a側の面に形成する(図5(j))。このときの絶縁膜4bの成膜条件は、例えば、温度360℃、高周波出力250W、圧力66.7Pa(0.5Torr)、TEOS流量100cm3/分(100sccm)、酸素流量1000cm3/分(1000sccm)である。
それから、ボロン・ドープ層4aの形成された側の面に、等電位接点15を形成するための開口部50の形状にレジストをパターニングする。そしてシリコン基板1aをエッチングすることにより開口部50の部分の絶縁膜4bを除去する(図5(j’))。なお図5(j’)は、接点用凹部10bの長手方向の縦断面(図2(b)の断面)を示している。
【0036】
次に、図5(j’)に示されるシリコン基板1aと図5(h)までの加工が施されたガラス基板2aを陽極接合により接合して接合基板を形成する(図6(k)、図6(k’))。この陽極接合は、例えばシリコン基板1aとガラス基板2aを360℃に加熱した後に、シリコン基板1aとガラス基板2aの間に800Vの電圧を印加して行う。なお、陽極接合の際にITO等の損傷を防止するため例えば10mA以上の電流が流れないようにするのが望ましい。この陽極接合の際に、開口部50において等電位接点15がキャビティ基板1のボロン・ドープ層4aと接続されるようにする(図6(k’)参照)。なお図6(k’)は、接点用凹部10bの長手方向の縦断面(図2(b)の断面)を示している。 図6(k)、図6(k’)に示す陽極接合の際には、シリコン基板1aとガラス基板2aの界面でガラスが電気分解されて酸素が発生したり、加熱によってシリコン基板1a及びガラス基板2aの表面からガスが発生するが、ギャップ(電極用凹部10aの部分)が予め大気開放穴30により大気開放されているため、酸素等の気体がギャップ内に溜まることがない。このため、ギャップ内の圧力が高くなるのを防止することができる(図3参照)。
【0037】
シリコン基板1aとガラス基板2aを陽極接合した後に、例えば研削加工によってシリコン基板1aを厚さが60μmになるまで薄板化する。そして、例えば32重量%の水酸化カリウム水溶液を用いてシリコン基板1aを10μmエッチングし、研削加工の際に発生した加工変質層を除去する(図6(l))。これにより、シリコン基板1aの厚さは50μmとなる。なお図6(l)のシリコン基板1aの薄板化の工程は、すべてエッチングによって行うようにしてもよい。なお図6(l)の研削及びエッチングの工程では、大気開放穴30からエッチング液等が浸入しないように、保護治具やテープ等によって大気開放穴30を閉塞するようにする。
【0038】
それから、シリコン基板1aの表面全体にプラズマCVDによって厚さ0.1μmの窒化シリコン膜51を形成する(図6(m))。このプラズマCVDによる窒化シリコン膜51の成膜条件は、例えば、温度500℃以下、圧力1.3kPa以下(10Torr以下)、ガス流量比NH3/SiH4が15以上である。この窒化シリコン膜51は、後の水酸化カリウム水溶液によるエッチングの際の第1のエッチングマスクとなる。
【0039】
そしてこの窒化シリコン膜51に、吐出室5となる凹部5a、リザーバ7となる凹部7a及び電極取出し部を形成するためのレジストをパターニングし、例えばRIE(Reactive Ion Etching、反応性イオンエッチング)によって吐出室5となる凹部5aの部分5a’、リザーバ7となる凹部7aの部分7a’及び電極取出し部の部分の窒化シリコン膜51をエッチング除去し、窒化シリコン膜51に複数の開口部を形成する(図6(n))。なおここで電極取出し部とは、端子部13が露出している部分をいうものとする(図2(b)参照)。それから、窒化シリコン膜51に形成されたレジストを剥離する。
なお図6(n)のレジストをパターニングする工程では、図6(l)の工程と同様に、大気開放穴30からエッチング液等が浸入しないように、保護治具やテープ等によって大気開放穴30を閉塞するようにする。
【0040】
次にプラズマCVDによって、窒化シリコン膜51上及び吐出室5となる凹部5aの部分5a’、リザーバ7となる凹部7aの部分7a’及び電極取出し部の部分に形成された開口部に、TEOS膜52を厚さ0.2μmで成膜する。このTEOS膜52の成膜条件は、例えば、温度360℃、高周波出力700W、圧力33.3Pa(0.25Torr)、TEOS流量100cm3/min(100sccm)、酸素流量1000cm3/min(1000sccm)である。このTEOS膜52は、後の水酸化カリウム水溶液によるエッチングの際の第2のエッチングマスクとなる。
それから、大気開放穴30に例えばエポキシ系接着剤を流し込み、大気開放穴30を封止する(図6(o))。これによりギャップが密封状態となるため、これ以降の製造工程においてエッチング液等の液体がギャップ内に浸入するのを防止することができる。
【0041】
そして、TEOS膜52にレジストをパターニングし、吐出室5となる凹部5aの部分5a’及び電極取出し部の部分の開口部に形成されたTEOS膜52をフッ酸水溶液等でエッチングして除去する(図7(p))。なおこの際、リザーバ7となる凹部7aの部分7a’の開口部に形成されたTEOS膜52はエッチングせずに残すようにする。
その後、シリコン基板1aを35重量%の水酸化カリウム水溶液で、吐出室5となる凹部5aの部分5a’及び電極取出し部を形成する部分の厚さが10μmになるまでエッチングして薄板化する(図7(q))。なおこのときリザーバ7となる凹部7aの部分7a’は、TEOS膜52を残すことによりエッチングを遅らせている。また図7(q)におけるエッチングでは、下層のエッチングマスクが窒化シリコン膜51となっており、実質的なエッチングマスクが窒化シリコン膜51となるため、吐出室5となる凹部5aの部分5a’のエッチングを高精度に行うことができる。
【0042】
それから、例えばフッ酸水溶液を用いて残りのTEOS膜52をすべて除去する(図7(r))。
次に、シリコン基板1aを3重量%の水酸化カリウム水溶液でエッチングを行い、吐出室5となる凹部5aとなる部分5a’及び電極取出し部を形成する部分において、ボロンドープ層4aによるエッチングストップが十分効くまでエッチングを続ける(図7(s))。この図7(s)の工程では、吐出室5となる凹部5aの部分5a’、リザーバ7となる凹部7aの部分7a’及び電極取出し部の部分に形成された開口部からエッチングが行われるが、リザーバ7となる凹部7aの部分7a’は図7(p)の工程においてTEOS膜52を残しエッチングを遅らせているため、この部分のシリコンを厚く残すことができる(図7(s)参照)。
ここでエッチングストップとは、エッチングされるシリコン基板1aの表面から気泡が発生しなくなった状態をいうものとし、実際には気泡が発生しなくなるまでエッチングを行う。これにより吐出室5となる凹部5a、リザーバ7となる凹部7a及び電極取出し部の部分が形成されることとなる。
上記のように、2種類の濃度の異なる水酸化カリウム水溶液を使用してエッチングを行うことにより、吐出室5の底壁である振動板4の面荒れを0.05μm以下に抑えることができ、液滴吐出ヘッド10の吐出性能を安定化することができる。なおここでは、振動板4の厚さを0.8μmとしている。
【0043】
それから、熱燐酸水溶液を用いてシリコン基板1aに形成されている窒化シリコン膜51をすべて除去する(図7(t))。
その後、RIE(Reactive Ion Etching)によってシリコン基板1aの電極取出し部の部分を除去する(図7(u))。このRIEはドライエッチングの一種であり、例えば出力200W、圧力40Pa(0.3Torr)、CF4流量30cm3/分(30sccm)の条件で、シリコンマスクを用いて30分行う。この際、ギャップの内部が大気解放される。
【0044】
そして、エポキシ系樹脂等の封止材22を電極取出し部の端部に沿って流し込み、振動板4と電極11の間のギャップ(電極用凹部10aの部分)を封止する(図8(v))。これによって振動板4と電極11の間のギャップは、再び密封されることとなる。また封止材22の形成される位置は、図3におけるダイシングライン2の左側であるため、封止材22によって振動板4と電極11の間のギャップ(電極用凹部10aの部分)と大気開放穴30は空間的に分離されることとなる。
【0045】
それから、シリコン基板1aにエポキシ系接着剤等を用いてノズル基板3を接着する(図8(w))。
最後に、図3に示すダイシングライン1及びダイシングライン2に沿ってダイシングを行って個々のチップに分割することにより複数の液滴吐出ヘッドが完成する(図8(x))。この工程では、上記のようにダイシングライン1に沿ってダイシングを行うことにより、大気開放穴30は液滴吐出ヘッドのチップから切断される。またダイシングライン2に沿ってダイシングを行うことにより、等電位接点15と電極11の電気的接続が断たれる(図3参照)。なおこのダイシングの工程において、等電位接点15も切断するようにしてもよい。
【0046】
本実施形態1では、窒化シリコン膜51及びTEOS膜52が除去された開口部からシリコン基板1aをエッチングするため、吐出室5となる凹部5aのエッチングを高精度に行うことができる。またこの後に、残りのTEOS膜52を除去し、複数の開口部からさらにエッチングを行うことにより、ハーフエッチングを行うことなく底壁の厚みの違う凹部を形成することが可能となる。
さらに、ガラス基板2aにシリコン基板1aを陽極接合した後に、シリコン基板1aを薄板化するため、シリコン基板1aのハンドリングが容易となり、シリコン基板1aが割れたり欠けたりするのを防止することができる。またこれにより、シリコン基板1aの大口径化が可能となり、1枚のシリコン基板1aから多数の液滴吐出ヘッドのチップを製造できるため、生産性を向上させることができる。
またガラス基板2aに大気開放穴30を設けることにより、シリコン基板1aに吐出室5となる凹部5a等を形成したときに、ギャップ(電極用凹部10aの部分)内が高圧となってシリコン基板1aの薄膜化された部分が割れるのを防止することができる。
【0047】
実施形態2.
図9は、本発明の実施形態2に係る液滴吐出装置の例を示した図である。図9に示される液滴吐出装置100は、一般的なインクジェットプリンタであり、実施形態1に示される液滴吐出ヘッドの製造方法で得られた液滴吐出ヘッドを備えている。実施形態1に示される液滴吐出ヘッドの製造方法で得られた液滴吐出ヘッドは、吐出室5の加工精度が高い液滴吐出ヘッドであるため、本実施形態2に係る液滴吐出装置100は、印字性能等の高いものである。なお図9に示すような液滴吐出装置100は、周知の製造方法を用いて製造することができる。
【0048】
本発明の実施形態1に示される液滴吐出ヘッドの製造方法で得られた液滴吐出ヘッドは、図9に示すようなインクジェットプリンタの他に、有機EL表示装置の製造や、液晶表示装置のカラーフィルタの製造、DNAデバイスの製造等にも使用することができる。
【0049】
なお本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法及び液滴吐出装置の製造方法は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の思想の範囲内において変更することができる。例えば、エッチングマスクとして窒化シリコン膜51やTEOS膜52以外のものを用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の実施形態1に係る液滴吐出ヘッドを示した分解斜視図。
【図2】図1に示す液滴吐出ヘッドの縦断面図。
【図3】電極基板となるガラス基板をシリコン基板の接合される側から見た図。
【図4】本発明の実施形態1に係る液滴吐出ヘッドの製造工程を示す縦断面図。
【図5】図4の続きの製造工程を示す縦断面図。
【図6】図5の続きの製造工程を示す縦断面図。
【図7】図6の続きの製造工程を示す縦断面図。
【図8】図7の続きの製造工程を示す縦断面図。
【図9】本発明の実施形態2に係る液滴吐出装置の例を示した図。
【符号の説明】
【0051】
1 キャビティ基板、2 電極基板、3 ノズル基板、4 振動板、5 吐出室、7 リザーバ、10a 電極用凹部、10b 接点用凹部、11 電極、12 リード部、13 端子部、15 等電位接点、17 インク供給口、20 ノズル、21 オリフィス、22 封止材、23 発振回路、30 大気開放穴、100 液滴吐出装置。




 

 


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