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発明の名称 インクジェット式記録装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−1318(P2007−1318A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2006−281514(P2006−281514)
出願日 平成18年10月16日(2006.10.16)
代理人 【識別番号】100098073
【弁理士】
【氏名又は名称】津久井 照保
発明者 張 俊華
要約 課題
記録ヘッドをより高い周波数で駆動する。

解決手段
駆動信号発生回路は、第1駆動信号COM1と第2駆動信号COM2とを別個に発生する。第1駆動信号COM1は、ラージドットの記録時に用いる2つのミドルドット駆動パルスDP1,DP2と、これらの駆動パルスDP1,DP2の非発生期間に発生する第1微振動パルスVP1とから構成する。他の駆動パルス、即ち、スモールドット駆動パルスDP3は、第2駆動信号に含ませる。そして、第1駆動信号COM1が有する各パルスの発生期間とスモールドット駆動パルスDP3の発生期間とを少なくとも一部で重畳させる構成とする。また、第1スイッチと第2スイッチを制御し、第1駆動信号COM1と第2駆動信号COM2を構成する波形部PS1〜PS6を組み合わせて圧電振動子に供給する。
特許請求の範囲
【請求項1】
圧力室内のインクに圧力変動を生じさせ得る圧力発生素子及び圧力室に連通したノズル開口を有する記録ヘッドと、
駆動パルスを含んだ駆動信号を記録周期毎に繰り返し発生する駆動信号発生手段と、
前記駆動信号の圧力発生素子への供給を制御可能なスイッチ手段と、
スイッチ手段の作動を制御するスイッチ制御手段とを備え、
記録階調に応じて駆動パルスの圧力発生素子への供給を制御し、ノズル開口からのインク滴の吐出を制御可能なインクジェット式記録装置において、
前記駆動信号発生手段は、単位面積当たりの着弾インク量が最も多い記録階調で用いられ均等な間隔で発生される第1駆動パルス、及び、非記録の記録階調で用いられ第1駆動パルスの非発生期間で発生される微振動パルスを有する第1駆動信号と、他の記録階調で用いられる第2駆動パルスを有する一連の第2駆動信号とを発生し、前記第1駆動信号が有する各パルスの発生期間と第2駆動パルスの発生期間とを少なくとも一部で重畳させる構成とし、
前記スイッチ制御手段は、各駆動信号を選択的に圧力発生素子へ供給する構成としたことを特徴とするインクジェット式記録装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録階調に応じて駆動パルスの圧力発生素子への供給を制御することで、ノズル開口からのインク滴の吐出を制御可能なインクジェット式記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
記録の高速化と高画質化を両立すべく、ノズル開口から吐出されるインク量を変更可能としたインクジェット式記録装置(以下、記録装置と称する。)が知られている。
【0003】
この記録装置は、例えば、圧力室に連通したノズル開口、及び、圧力室内のインクに圧力変動を生じさせ得る圧電振動子等の圧力発生素子を有する記録ヘッドと、圧力発生素子に供給する駆動信号を発生可能な駆動信号発生回路とを備えている。上記の駆動信号は、複数の駆動パルスを1つの記録周期内に一連に接続した単一の信号とされ、記録データ(階調データ)に応じて駆動信号の必要部分を圧力発生素子に供給することで、ノズル開口から吐出されるインク量を変更している(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平10−81014号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、単一の駆動信号の必要部分を圧力発生素子に供給する従来の構成では、記録ヘッド本来の性能を十分に発揮させ難いという問題があった。即ち、1つの記録周期内に複数の駆動パルスを含ませた関係から、駆動可能な最大周波数よりも低い周波数で記録ヘッド(圧力発生素子)を駆動せざるを得なかった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、記録ヘッドをより高い周波数で駆動できるようにしたインクジェット式記録装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するために提案されたものであり、圧力室内のインクに圧力変動を生じさせ得る圧力発生素子及び圧力室に連通したノズル開口を有する記録ヘッドと、
駆動パルスを含んだ駆動信号を記録周期毎に繰り返し発生する駆動信号発生手段と、
前記駆動信号の圧力発生素子への供給を制御可能なスイッチ手段と、
スイッチ手段の作動を制御するスイッチ制御手段とを備え、
記録階調に応じて駆動パルスの圧力発生素子への供給を制御し、ノズル開口からのインク滴の吐出を制御可能なインクジェット式記録装置において、
前記駆動信号発生手段は、単位面積当たりの着弾インク量が最も多い記録階調で用いられ均等な間隔で発生される第1駆動パルス、及び、非記録の記録階調で用いられ第1駆動パルスの非発生期間で発生される微振動パルスを有する第1駆動信号と、他の記録階調で用いられる第2駆動パルスを有する一連の第2駆動信号とを発生し、前記第1駆動信号が有する各パルスの発生期間と第2駆動パルスの発生期間とを少なくとも一部で重畳させる構成とし、
前記スイッチ制御手段は、各駆動信号を選択的に圧力発生素子へ供給する構成としたことを特徴とする。
【0007】
上記構成によれば、単位面積当たりの着弾インク量が最も多い記録階調で用いられ均等な間隔で発生される第1駆動パルス、及び、非記録の記録階調で用いられ第1駆動パルスの非発生期間で発生される微振動パルスを有する第1駆動信号と、他の記録階調で用いられる第2駆動パルスを有する一連の第2駆動信号とを発生させると共に、第1駆動パルスの発生期間と第2駆動パルスの発生期間とを少なくとも一部で重畳させ、各駆動信号を選択的に圧力発生素子へ供給するように構成したので、第1駆動パルスの発生間隔を微振動パルスや第2駆動パルスに制約されることなく自由に設定できる。従って、第1駆動パルスの発生間隔を圧力発生素子の応答周波数に合わせて設定できる。その結果、記録ヘッドをより高い周波数で駆動することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明が適用されるインクジェット式プリンタの機能ブロック図である。
【0009】
例示したプリンタは、プリンタコントローラ1とプリントエンジン2とから構成されている。プリンタコントローラ1は、図示しないホストコンピュータ等からの印刷データ等を受信するインターフェース3(以下、外部I/F3と称する。)と、各種データの記憶等を行うRAM4と、各種データ処理のためのルーチン等を記憶したROM5と、CPU等からなる制御部6と、クロック信号(CK)を発生する発振回路7と、記録ヘッド8へ供給する駆動信号(COM1,COM2)を発生する駆動信号発生回路9と、記録データ及び駆動信号等をプリントエンジン2に送信するためのインターフェース10(以下、内部I/F10と称する。)とを備えている。
【0010】
外部I/F3は、例えばキャラクタコード、グラフィック関数、イメージデータのいずれか1つのデータ又は複数のデータからなる印刷データをホストコンピュータ等から受信する。また、外部I/F3は、ホストコンピュータに対してビジー信号(BUSY)やアクノレッジ信号(ACK)等を出力する。
【0011】
RAM4は、受信バッファ、中間バッファ、出力バッファ及びワークメモリ(図示せず)等として利用されるものである。受信バッファには、外部I/F3が受信したホストコンピュータからの印刷データが一時的に記憶される。中間バッファには、制御部6によって中間コードに変換された中間コードデータが記憶される。出力バッファには、記録データが展開される。また、ROM5は、制御部6によって実行される各種制御ルーチン、フォントデータ及びグラフィック関数、各種手続き等を記憶している。
【0012】
駆動信号発生回路9は、本発明の駆動信号発生手段に相当し、第1駆動信号COM1を発生可能な第1駆動信号発生部9A(第1駆動信号発生手段)と、第2駆動信号COM2を発生可能な第2駆動信号発生部9B(第2駆動信号発生手段)とを備える。そして、図3に示すように、第1駆動信号COM1は、2つのミドルドット駆動パルスDP1,DP2(本発明の第1駆動パルスの一種)及び1つの第1微振動パルスVP1(本発明の微振動パルスの一種)を有する一連の信号であり、記録周期T毎に繰り返し発生される。また、第2駆動信号COM2は、スモールドット駆動パルスDP3(本発明の第2駆動パルスの一種)を1記録周期T内に1つ有する一連の信号であり、記録周期T毎に繰り返し発生される。なお、これらの駆動信号COM1,COM2については、後で詳しく説明する。
【0013】
制御部6は、駆動信号発生回路9に対する信号発生の制御を行ったり、ホストコンピュータからの印刷データを記録データに展開したりする。そして、記録データへの展開時において、制御部6は、まず受信バッファ内の印刷データを読み出して中間コードに変換し、この中間コードデータを中間バッファに記憶する。次に、制御部6は、中間バッファから読み出した中間コードデータを解析し、ROM5内のフォントデータ及びグラフィック関数等を参照して中間コードデータをドット毎の記録データに展開する。
【0014】
本実施形態の記録データは、1ドットが2ビットの階調データによって構成される。この階調データは、例えば、非記録(印字内微振動)を示す階調データ[00]と、スモールドットによる記録を示す階調データ[01]と、ミドルドットによる記録を示す階調データ[10]と、ラージドットによる記録を示す階調データ[11]とから構成される。
従って、この構成では、各ドットを4階調で記録することができる。これら4種の記録階調に関し、単位面積当たりの着弾インク量は、ラージドットの記録階調が最も多く、ミドルドットの記録階調が2番目に多い。また、スモールドットの記録階調が3番目に多く、非記録の記録階調は0(pL)である。
【0015】
また、制御部6は、タイミング信号発生手段の一部を構成し、内部I/F10を通じて記録ヘッド8にラッチ信号(LAT)やチャンネル信号(CH−A,CH−B)を供給する。これらのラッチ信号やチャンネル信号に含まれるラッチパルスやチャンネルパルスは、駆動信号COM1,COM2を構成する複数の波形部や調整要素(PS1〜PS6,P0,P20)の供給開始タイミングを規定する。
【0016】
具体的には、図3に示すように、ラッチパルスLAT1は、振動子充電期間(期間t10,期間t20)で発生される調整要素P0,P20の供給開始タイミングを規定する。
また、第1チャンネル信号CH−Aにおける第1チャンネルパルスCH11は、第1駆動信号COM1の期間t11で発生される第1波形部PS1の供給開始タイミングを規定し、第2チャンネルパルスCH12は、期間t12で発生される第2波形部PS2の供給開始タイミングを規定する。また、第3チャンネルパルスCH13は、期間t13で発生される第3波形部PS3の供給開始タイミングを規定する。
同様に、第2チャンネル信号CH−Bにおける第1チャンネルパルスCH21は、第2駆動信号COM2の期間t21で発生される第4波形部PS4の供給開始タイミングを規定し、第2チャンネルパルスCH22は、期間t22で発生される第5波形部PS5の供給開始タイミングを規定する。また、第3チャンネルパルスCH23は、期間t23で発生される第6波形部PS6の供給開始タイミングを規定する。
【0017】
次に、プリントエンジン2について説明する。このプリントエンジン2は、図1に示すように、記録ヘッド8と、キャリッジ機構11と、紙送り機構12とを備えている。
【0018】
キャリッジ機構11は、記録ヘッド8が取り付けられたキャリッジと、このキャリッジをタイミングベルト等を介して走行させる駆動モータ(例えば、DCモータ)等からなり、記録ヘッド8を主走査方向に移動させる。紙送り機構12は、紙送りモータ及び紙送りローラ等からなり、記録紙(印刷記録媒体の一種)を順次送り出して副走査を行う。
【0019】
ここで、記録ヘッド8について詳しく説明する。まず、図2に基づいて記録ヘッド8の構造を説明する。例示した記録ヘッド8は、複数の圧電振動子21…、固定板22、及び、フレキシブルケーブル23等をユニット化した振動子ユニット24と、この振動子ユニット24を収納可能なケース25と、ケース25の先端面に接合された流路ユニット26とを備えている。
【0020】
ケース25は、先端と後端が共に開放された収納空部27を形成した合成樹脂製のブロック状部材であり、収納空部27内には振動子ユニット24が収納固定されている。
【0021】
圧電振動子21は、本発明における圧力発生素子の一種であり、縦方向に細長い櫛歯状に形成されている。この圧電振動子21は、圧電体と内部電極とを交互に積層して構成された積層型の圧電振動子であって、積層方向に直交する縦方向に伸縮可能な縦振動モードの圧電振動子である。そして、各圧電振動子21…の先端面が、流路ユニット26の島部28に接合されている。
なお、この圧電振動子21はコンデンサと同じように振る舞う。即ち、信号の供給が停止された場合において、圧電振動子21の電位(振動子電位)は、停止直前の電位で保持される。
【0022】
流路ユニット26は、流路形成基板29を間に挟んでノズルプレート30を流路形成基板29の一方の面側に配置し、弾性板31をノズルプレート30とは反対側となる他方の面側に配置して積層することで構成されている。
【0023】
ノズルプレート30は、複数(例えば、96個)のノズル開口32…を副走査方向に沿って開設した薄手の金属製板材(例えば、ステンレス板)によって構成してある。流路形成基板29は、共通インク室33、インク供給口34、圧力室35、及び、ノズル連通口36からなるインク流路が形成された板状部材である。本実施形態では、この流路形成基板29を、シリコンウェハーのエッチング処理によって作製している。弾性板31は、ステンレス製の支持板37上に樹脂フィルム38をラミネート加工した二重構造の複合板材であり、圧力室35に対応した部分の支持板37を環状に除去して島部28を形成している。
【0024】
この記録ヘッド8では、共通インク室33から圧力室35を通ってノズル開口32に至る一連のインク流路がノズル開口32毎に形成される。そして、圧電振動子21を充電したり放電したりすることで圧電振動子21が変形する。即ち、この縦振動モードの圧電振動子21は、充電によって振動子長手方向に収縮し、放電によって振動子長手方向に伸長する。従って、充電によって振動子電位を上昇させると、島部28が圧電振動子側に引っ張られ、島部周辺の樹脂フィルム38が変形して圧力室35が膨張する。また、放電によって振動子電位を下降させると、圧力室35が収縮する。
【0025】
このように、振動子電位に応じて圧力室35の容積が制御できるので、圧力室35内のインク圧力を可変でき、ノズル開口32からインク滴を吐出させることができる。例えば、基準容積の圧力室35を一旦膨張させた後に急激に収縮させることで、インク滴を吐出させることができる。
【0026】
次に、この記録ヘッド8の電気的構成について説明する。
【0027】
この記録ヘッド8は、図1に示すように、第1シフトレジスタ41及び第2シフトレジスタ42からなるシフトレジスタ回路と、第1ラッチ回路43と第2ラッチ回路44とからなるラッチ回路と、デコーダ45と、制御ロジック46と、第1レベルシフタ47及び第2レベルシフタ48とからなるレベルシフタ回路と、第1スイッチ49及び第2スイッチ50とからなるスイッチ回路と、圧電振動子21とを備えている。
そして、各シフトレジスタ41,42、各ラッチ回路43,44、各レベルシフタ47,48、各スイッチ49,50、及び、圧電振動子21は、それぞれノズル開口32に対応して複数設けられる。
【0028】
この記録ヘッド8は、プリンタコントローラ1からの記録データ(SI)に基づいてインク滴を吐出させる。本実施形態では、記録データの上位ビット群、記録データの下位ビット群の順に記録ヘッド8へ送られてくるので、まず、記録データの上位ビット群が第2シフトレジスタ42にセットされる。全ノズル開口32…について記録データの上位ビット群が第2シフトレジスタ42にセットされると、続いて記録データの下位ビット群が第2シフトレジスタ42にセットされる。この記録データの下位ビット群のセットに伴い、記録データの上位ビット群はシフトして第1シフトレジスタ41にセットされる。
【0029】
第1シフトレジスタ41には第1ラッチ回路43が電気的に接続され、第2シフトレジスタ42には第2ラッチ回路44が電気的に接続されている。そして、プリンタコントローラ1からのラッチパルス(LAT1)が各ラッチ回路43,44に入力されると、第1ラッチ回路43は記録データの上位ビット群をラッチし、第2ラッチ回路44は記録データの下位ビット群をラッチする。
【0030】
各ラッチ回路43,44でラッチされた記録データ(上位ビット群,下位ビット群)はそれぞれ、デコーダ45に入力される。このデコーダ45は、記録データの上位ビット群及び下位ビット群に基づいて翻訳を行い、駆動信号COM1,COM2を構成する各波形部PS1〜PS6や調整要素P0,P20を選択するための波形選択データを生成する。
【0031】
本実施形態において波形選択データは、各駆動信号COM1,COM2毎に生成される。即ち、第1駆動信号COM1に対応する第1波形選択データは、第1調整要素P0(期間t10)、第1波形部PS1(期間t11)、第2波形部PS2(期間t12)、及び、第3波形部PS3(期間t13)に対応する合計4ビットのデータによって構成されている。また、第2駆動信号COM2に対応する第2波形選択データは、第2調整要素P20(期間t20)、第4波形部PS4(期間t21)、第5波形部PS5(期間t22)、及び、第6波形部PS6(期間t23)に対応する合計4ビットのデータによって構成されている。
【0032】
このような動作をするデコーダ45は、波形選択データ生成手段として機能し、記録データ(階調データ)から波形選択データを駆動信号に対応した複数組生成する。
【0033】
また、デコーダ45には、制御ロジック46からのタイミング信号も入力されている。この制御ロジック46は、制御部6と共にタイミング信号発生手段として機能しており、ラッチ信号(LAT)やチャンネル信号(CH−A,CH−B)の入力に同期してタイミング信号(TYM−A,TYM−B)を発生する。
このタイミング信号も駆動信号COM1,COM2毎に生成される。即ち、制御ロジック46は、ラッチパルス(LAT1)と、第1駆動信号COM1用のチャンネルパルス(CH11〜CH13)とにより、第1タイミング信号(TYM−A)を生成し、ラッチパルスと、第2駆動信号COM2用のチャンネルパルス(CH21〜CH23)とにより、第2タイミング信号(TYM−B)を生成する。
【0034】
デコーダ45によって生成された各波形選択データは、タイミング信号によって規定されるタイミングで上位ビット側から順次各レベルシフタ47,48に入力される。即ち、第1タイミング信号TYM−Aに含まれる各タイミングパルスの発生タイミングに応じて、第1波形選択データが第1レベルシフタ47に入力される。また、第2タイミング信号TYM−Bに含まれる各タイミングパルスの発生タイミングに応じて、第2波形選択データが第2レベルシフタ48に入力される。
【0035】
これらのレベルシフタ47,48は、電圧増幅器として機能し、波形選択データが[1]の場合には、対応するスイッチ49,50を駆動できる電圧、例えば数十ボルト程度の電圧に昇圧された電気信号を出力する。即ち、第1波形選択データが[1]の場合には第1スイッチ49に電気信号が出力され、第2波形選択データが[1]の場合には第2スイッチ50に電気信号が出力される。
【0036】
第1スイッチ49の入力側には駆動信号発生回路9からの第1駆動信号COM1が供給されており、第2スイッチ50の入力側には第2駆動信号COM2が供給されている。また、各スイッチ49,50の出力側には圧電振動子21が導通されている。そして、これらの各スイッチ49,50は、発生される駆動信号の種類毎に設けられており、駆動信号発生回路9と圧電振動子21との間に介在して各駆動信号COM1,COM2を圧電振動子21へ選択的に供給する。このような動作をする第1スイッチ49及び第2スイッチ50は、第1スイッチ手段(本発明のスイッチ手段の一種)として機能する。
【0037】
上記の波形選択データは、各スイッチ49,50の作動を制御する。即ち、第1スイッチ49に入力された波形選択データが[1]である期間中は、この第1スイッチ49が導通状態になり、第1駆動信号COM1が圧電振動子21に供給される。同様に、第2スイッチ50に入力された波形選択データが[1]である期間中は、第2駆動信号COM2が圧電振動子21に供給される。そして、供給された駆動信号COM1,COM2に応じて圧電振動子21の振動子電位が変化する。一方、各スイッチ49,50に入力された波形選択データが共に[0]の期間中は、各レベルシフタ47,48からは各スイッチ49,50を作動させるための電気信号が出力されないので、圧電振動子21へは駆動信号が供給されない。要するに、波形選択データとして[1]が設定された期間の調整要素P0,P20、及び、波形部(第1波形部PS1〜第6波形部PS6)が選択的に圧電振動子21に供給される。
【0038】
このように、本実施形態では、デコーダ45、制御ロジック46、及び、各レベルシフタ47,48が本発明のスイッチ制御手段として機能し、記録データ(階調データ)に応じて各スイッチ49,50を制御する。
【0039】
次に、駆動信号発生回路9が発生する各駆動信号COM1,COM2と、これらの駆動信号COM1,COM2の圧電振動子21への供給制御について説明する。
【0040】
図3に例示した駆動信号は、上記したように、第1駆動信号COM1と、第2駆動信号COM2とからなる。そして、第1駆動信号COM1は、期間t10で発生される第1調整要素P0と、期間t11で発生される第1波形部PS1と、期間t12で発生される第2波形部PS2と、期間t13で発生される第3波形部PS3とからなる。また、第2駆動信号COM2は、期間t20で発生される第2調整要素P20と、期間t21で発生される第4波形部PS4と、期間t22で発生される第5波形部PS5と、期間t23で発生される第6波形部PS6とからなる。
【0041】
まず、第1駆動信号COM1について説明する。
【0042】
第1調整要素P0は、中間電位Vhmで一定な波形要素によって構成されている。この第1調整要素P0は、後述するように、記録周期Tの始期において振動子電位を中間電位Vhmに調整すべく圧電振動子21に供給される。
なお、中間電位Vhmは、基準電位の一種であり、各駆動パルスDP1〜DP3及び第1微振動パルスVP1の始終端電位でもある。
【0043】
第1波形部PS1は、第1定電位要素P1と、膨張要素P2と、膨張ホールド要素P3と、第1吐出要素P4と、制振ホールド要素P5と、膨張制振要素P6と、第2定電位要素P7とからなる。第1定電位要素P1は中間電位Vhmで一定な波形要素であり、膨張要素P2は中間電位Vhmから膨張電位Vh1までインク滴を吐出させない程度の比較的緩やかな一定勾配で電位を上昇させる波形要素であり、膨張ホールド要素P3は膨張電位Vh1で一定な波形要素である。第1吐出要素P4は膨張電位Vh1から収縮電位VLまで急勾配で電位を下降させる波形要素であり、制振ホールド要素P5は収縮電位VLで一定な波形要素である。膨張制振要素P6は収縮電位VLから中間電位Vhmまでインク滴を吐出させない程度の一定勾配で電位を上昇させる波形要素であり、第2定電位要素P7は中間電位Vhmで一定な波形要素である。
【0044】
第2波形部PS2は、第3定電位要素P8と、微振動膨張要素P9と、微振動ホールド要素P10と、微振動収縮要素P11と、第4定電位要素P12とからなる。第3定電位要素P8は中間電位Vhmで一定な波形要素であり、微振動膨張要素P9は中間電位Vhmから膨張電位Vh1までインク滴を吐出させない程度の比較的緩やかな一定勾配で電位を上昇させる波形要素である。微振動ホールド要素P10は膨張電位Vh1で一定な波形要素であり、微振動収縮要素P11は膨張電位Vh1から中間電位Vhmまでインク滴を吐出させない程度の比較的緩やかな一定勾配で電位を下降させる波形要素である。また、第4定電位要素P12は中間電位Vhmで一定な波形要素である。
【0045】
第3波形部PS3は、第5定電位要素P13と、膨張要素P14と、膨張ホールド要素P15と、第1吐出要素P16と、制振ホールド要素P17と、膨張制振要素P18とからなる。これらの各波形要素の内、膨張要素P14、膨張ホールド要素P15、第1吐出要素P16、制振ホールド要素P17及び膨張制振要素P18はそれぞれ、第1波形部PS1の膨張要素P2、膨張ホールド要素P3、第1吐出要素P4、制振ホールド要素P5及び膨張制振要素P6と同じ電位差及び時間幅に設定されている。また、第5定電位要素P13は、中間電位Vhmで一定な波形要素である。
【0046】
この第1駆動信号COM1では、第1波形部PS1の膨張要素P2、膨張ホールド要素P3、第1吐出要素P4、制振ホールド要素P5、及び、膨張制振要素P6が第1ミドルドット駆動パルスDP1を構成する。同様に、第3波形部PS3の膨張要素P14、膨張ホールド要素P15、第1吐出要素P16、制振ホールド要素P17、及び、膨張制振要素P18が第2ミドルドット駆動パルスDP2を構成する。これらのミドルドット駆動パルスDP1,DP2は何れも同じ波形形状であり、圧電振動子21に供給されると、ミドルドットに対応する量のインク滴がノズル開口32から吐出される。
【0047】
第1ミドルドット駆動パルスDP1を例に挙げて説明すると、膨張要素P2の供給により圧電振動子21は素子長手方向に収縮し、圧力室35は中間電位Vhm(基準電位)に対応する基準容積から膨張電位Vh1に対応する膨張容積まで膨張する。この膨張により、圧力室35内には共通インク室33側からインクが供給される。そして、この圧力室35の膨張状態は、膨張ホールド要素P3の供給期間中に亘って維持される。
【0048】
その後、第1吐出要素P4が供給されて圧電振動子21は伸長する。この圧電振動子21の伸長により、圧力室35は、膨張容積から収縮電位VLに対応する収縮容積まで急激に収縮される。この圧力室35の急激な収縮により圧力室35内のインクが加圧され、ノズル開口32から所定量のインク滴が吐出される。
圧力室35の収縮状態は、制振ホールド要素P5の供給期間に亘って維持される。この間に、インク滴の吐出によって減少した圧力室35内のインク圧力は、その固有振動によって再び上昇する。この上昇タイミングにあわせて膨張制振要素P6が供給される。この膨張制振要素P6の供給により、圧力室35が基準容積まで膨張復帰し、圧力室35内のインクの圧力変動を吸収する。
【0049】
また、この第1駆動信号COM1では、第2波形部PS2の微振動膨張要素P9、微振動ホールド要素P10、微振動収縮要素P11が第1微振動パルスVP1を構成する。この第1微振動パルスVP1が圧電振動子21に供給されると、メニスカス(ノズル開口32で露出しているインクの自由表面)がインク滴の吐出方向と圧力室35側とに微振動し、ノズル開口32付近のインク増粘を防止できる。
【0050】
即ち、微振動膨張要素P9の供給により圧電振動子21が収縮し、圧力室35は基準容積から膨張容積まで膨張して負圧化される。この負圧化によりメニスカスは圧力室35側に僅かに引き込まれる。その後、微振動ホールド要素P10が供給されて圧力室35は膨張状態で維持されるが、共通インク室33側からインクが供給されるので圧力室35内のインク圧力は上昇する。これにより、メニスカスはインク滴の吐出方向に移動する。そして、圧力室35内のインク圧力の変動は微振動ホールド要素P10の供給期間中に亘って持続し、この圧力変動に同期してメニスカスは移動する。続いて、微振動収縮要素P11が供給され、圧力室35は基準容積まで収縮する。この収縮に伴って圧力室35内のインクが加圧され、メニスカスはインク滴の吐出方向に移動する。その後は、圧力室35が基準容積で維持されるので、この維持期間に亘ってメニスカスは微振動する。
【0051】
また、この第1駆動信号COM1では、上記の第1調整要素P0、第1定電位要素P1、第2定電位要素P7、第3定電位要素P8、第4定電位要素P12、及び、第5定電位要素P13によって、第1ミドルドット駆動パルスDP1、第1微振動パルスVP1、及び、第2ミドルドット駆動パルスDP2を始終端電位(中間電位Vhm)で接続している。さらに、各定電位要素P1,P7,P8,P12,P13の時間幅の設定により、各ミドルドット駆動パルスDP1,DP2が記録周期Tを跨いで一定間隔で発生されるようにしている。即ち、第1調整要素P0の開始から第1定電位要素P1の終了までと、第2定電位要素P7の開始から第5定電位要素P13の終了までを同じ時間幅に設定している。
【0052】
このように、各ミドルドット駆動パルスDP1,DP2を、記録周期Tを跨いで一定間隔で発生させるようにすると、ミドルドット駆動パルスDP1,DP2を連続的に圧電振動子21に供給した際、即ち、ラージドットの記録階調(後述する)で記録を行う際に、供給開始時点におけるメニスカスの状態を一定にできる。これにより、インク滴の飛行が安定化でき、画質の向上が図れる。
【0053】
また、この第1駆動信号COM1において、第1微振動パルスVP1は、第1ミドルドット駆動パルスDP1の終了時から第2ミドルドット駆動パルスDP2の開始時までの期間内に発生させている。そして、この第1微振動パルスVP1の発生期間は、各ミドルドット駆動パルスDP1,DP2の発生間隔を最適化した上で、各パルスDP1,DP2の非発生期間内に定めている。このため、第1駆動信号COM1に第1微振動パルスVP1を含ませても、各ミドルドット駆動パルスDP1,DP2の発生間隔を記録ヘッド8(圧電振動子21)の応答可能な範囲で狭めることができる。その結果、ラージドットの記録階調において記録ヘッド8の性能を最大限に引き出すことができる。
【0054】
次に、第2駆動信号COM2について説明する。
【0055】
上記の第2調整要素P20は、第1調整要素P0と同様に中間電位Vhmで一定な波形要素によって構成されている。そして、この第2調整要素P20も、記録周期Tの始期において振動子電位を中間電位Vhmに調整するために、圧電振動子21に供給される。
なお、本実施形態では、記録周期Tの始期において、第2調整要素P20と第1調整要素P0の何れか一方を圧電振動子21へ供給する構成である。このため、第2調整要素P20の発生期間t20を、第1調整要素P0の発生期間t10と同じ時間幅に設定している。
【0056】
第4波形部PS4は、第6定電位要素P21によって構成されている。この第6定電位要素P21は、中間電位Vhmで一定な波形要素である。
【0057】
第5波形部PS5は、第7定電位要素P22と、引き込み要素P23と、引き込みホールド要素P24と、第2吐出要素P25と、吐出ホールド要素P26と、収縮制振要素P27と、第8定電位要素P28とからなる。第7定電位要素P22は、中間電位Vhmで一定な波形要素であり、極く短時間に亘って発生される。引き込み要素P23は中間電位Vhmから引き込み電位Vh2まで急激に電位を上昇させる波形要素であり、引き込みホールド要素P24は引き込み電位Vh2で一定な波形要素である。そして、第2吐出要素P25は引き込み電位Vh2から吐出電位Vh3まで急激に電位を下降させる波形要素であり、吐出ホールド要素P26は吐出電位Vh3で一定な波形要素である。また、収縮制振要素P27は、吐出電位Vh3から中間電位Vhmまで比較的緩やかな一定勾配で電位を下降させる波形要素であり、第8定電位要素P28は中間電位Vhmで一定な波形要素である。
【0058】
第6波形部PS6は、第9定電位要素P29からなる。この第9定電位要素P29は、中間電位Vhmで一定な波形要素であり、第8定電位要素P28の終了時から記録周期Tの終了時まで発生される。
【0059】
この第2駆動信号COM2では、第5波形部PS5の引き込み要素P23、引き込みホールド要素P24、第2吐出要素P25、吐出ホールド要素P26、及び、収縮制振要素P27がスモールドット駆動パルスDP3を構成する。そして、このスモールドット駆動パルスDP3が圧電振動子21に供給されると、スモールドットに対応する極く少量のインク滴がノズル開口32から吐出される。
【0060】
即ち、引き込み要素P23の供給により圧電振動子21は素子長手方向に急速に収縮し、中間電位Vhmに対応する基準容積から引き込み電位Vh2に対応する引き込み容積まで急速に膨張する。この膨張により、圧力室35内には比較的強い負圧が発生し、メニスカスが圧力室35側に大きく引き込まれる。そして、この圧力室35の膨張状態は、引き込みホールド要素P24の供給期間中に亘って維持される。この間にメニスカスの中心部分の移動方向が吐出方向に反転し、この中心部分が柱状に盛り上がった状態になる。
【0061】
その後、第2吐出要素P25が供給されて圧電振動子21は伸長する。この圧電振動子21の伸長により、圧力室35は、引き込み容積から吐出電位Vh3に対応する吐出容積まで急激に収縮される。そして、この圧力室35の急激な収縮により圧力室35内のインクが加圧されて柱状部分の成長が促され、この柱状部分が途中でちぎれてインク滴として吐出される。
【0062】
第2吐出要素P25に続いて、吐出ホールド要素P26が供給され、その後、収縮制振要素P27が供給される。収縮制振要素P27は、インク滴の吐出によって減少した圧力室35内のインク圧力を補うべく圧力室35を収縮させる。即ち、この収縮制振要素P27の供給により、圧力室35が基準容積まで収縮し、圧力室35内のインクの圧力変動を吸収する。
【0063】
そして、このスモールドット駆動パルスDP3を構成する各波形要素(P23〜P27)は、その発生期間がミドルドット駆動パルスDP1,DP2及び第1微振動パルスVP1を構成する各波形要素(P2〜P6,P9〜P11,P14〜P18)の発生期間に重なっている。即ち、スモールドット駆動パルスDP3の引き込み要素P23の発生期間は、第1ミドルドット駆動パルスDP1の制振ホールド要素P5及び膨張制振要素P6の発生期間と、第1微振動パルスVP1の微振動膨張要素P9の発生期間とに重なっている。また、引き込みホールド要素P24、第2吐出要素P25及び吐出ホールド要素P26の発生期間は、第1微振動パルスVP1の微振動ホールド要素P10及び微振動収縮要素P11の発生期間に重なっている。さらに、スモールドット駆動パルスDP3の収縮制振要素P27の発生期間は、第1微振動パルスVP1の微振動収縮要素P11の発生期間と、第2ミドルドット駆動パルスDP2の膨張要素P14の発生期間に重なっている。
【0064】
このように、各駆動パルスDP1〜DP3,第1微振動パルスVP1を各駆動信号COM1,COM2に分けて設け、時間的に重畳させて発生させると、限られた長さの記録周期Tであっても、駆動パルスDP1〜DP3や第1微振動パルスVP1を効率よく配置できる。その結果、記録ヘッド8の高周波駆動が実現できる。
【0065】
また、このスモールドット駆動パルスDP3の発生タイミングは、第1ミドルドット駆動パルスDP1と第2ミドルドット駆動パルスDP2との中間に設定している。詳しくは、スモールドット駆動パルスDP3における第2吐出要素P25の発生タイミングを、第1ミドルドット駆動パルスDP1における第1吐出要素P4の発生タイミングと第2ミドルドット駆動パルスDP2における第1吐出要素P16の発生タイミングの丁度中間に設定している。これは、画質の向上を図るためである。
【0066】
本実施形態では、ラージドットの記録時において第1ミドルドット駆動パルスDP1と第2ミドルドット駆動パルスDP2の両方を圧電振動子21に供給し、ミドルドットの記録時において第2ミドルドット駆動パルスDP2を圧電振動子21に供給する。さらに、スモールドットの記録時においてはスモールドット駆動パルスDP3を圧電振動子21に供給する。
【0067】
ここで、スモールドット駆動パルスDP3を、第1ミドルドット駆動パルスDP1と第2ミドルドット駆動パルスDP2の中間に発生させると、前回記録周期Tと今回記録周期Tとで記録階調が切り替わってもインク滴の吐出間隔を均等にできる。例えば、前回記録周期Tでスモールドットを、今回記録周期Tでラージドットをそれぞれ記録した場合の吐出間隔と、前回記録周期Tでラージドットを、今回記録周期Tでスモールドットをそれぞれ記録した場合の吐出間隔とを揃えることができる。
これにより、今回記録周期Tにおけるメニスカスの状態が一定となり、インク滴の吐出を安定化でき、ひいては画質の向上を図ることができる。
【0068】
次に、図3〜図7に基づいて、本実施形態における多階調の制御について説明する。この多階調の制御において、各スイッチ49,50は、スイッチ制御手段は(デコーダ45、制御ロジック46、及び、各レベルシフタ47,48。以下同様。)により制御される。そして、各スイッチ49,50は、選択された駆動信号COM1,COM2を圧電振動子21に供給する。即ち、第1駆動信号COM1と第2駆動信号COM2とは、同時に圧電振動子21に供給されない。これは、振動子電位を安定化させるためである。
【0069】
まず、非記録の場合について説明する。この場合、デコーダ45は、非記録の階調データ[00]の翻訳により、第1波形選択データ[0010]及び第2波形選択データ[1101]を生成する。そして、スイッチ制御手段は、生成された波形選択データに基づいて第1スイッチ49及び第2スイッチ50の動作を制御し、第1駆動信号COM1及び第2駆動信号COM2の圧電振動子21への供給を制御する。
【0070】
即ち、期間t10(t20)においては、第2調整要素P20を圧電振動子21に供給する。これにより、振動子電位は中間電位Vhmに調整される。ここで、第1調整要素P0と第2調整要素P20は、次に供給される波形部(波形要素)に応じて選択され、選択された要素が圧電振動子21に供給される。具体的には、次に供給される波形部が第1駆動信号COM1のものであれば第1調整要素P0が選択され、第2駆動信号COM2のものであれば第2調整要素P20が選択される。これは、各スイッチ49,50の作動回数を低減するためである。即ち、各スイッチ49,50の作動回数が低減すると、圧電振動子21に供給される駆動信号が安定化され、圧電振動子21の動作も安定化するためである。
【0071】
そして、期間t11において第1スイッチ49が切断状態に制御され、期間t21において第2スイッチ50が接続状態に制御される。これにより、期間t21で第4波形部PS4が圧電振動子21に供給される。即ち、図4に太線で示すように、第6定電位要素P21が圧電振動子21に供給される。この第6定電位要素P21の供給により、振動子電位は中間電位Vhmに維持される。
【0072】
続く期間t22においては第2スイッチ50が切断状態に制御され、期間t12において第1スイッチ49が接続状態に制御される。これにより、期間t12で第2波形部PS2が圧電振動子21に供給される。即ち、第1微振動パルスVP1が圧電振動子21に供給される。この第1微振動パルスVP1の供給により、インク滴を吐出させない程度の圧力変動が圧力室35内のインクに付与され、メニスカスが微振動する。その結果、ノズル開口32付近の増粘インクが分散され、インクの増粘が防止される。
【0073】
その後、期間t13において第1スイッチ49が切断状態に制御され、期間t23において第2スイッチ50が接続状態に制御される。これにより、期間t23で第6波形部PS6が圧電振動子21に供給される。即ち、第9定電位要素P29が圧電振動子21に供給される。この第9定電位要素P29の供給により、振動子電位は中間電位Vhmに維持される。
【0074】
そして、本実施形態では、非記録の記録階調において、第1駆動信号COM1を構成する一部の波形要素(第3定電位要素P8,微振動膨張要素P9,微振動ホールド要素P10,微振動収縮要素P11,第4定電位要素P12)と、第2駆動信号COM2を構成する一部の波形要素(第6定電位要素P21,第9定電位要素P29)とを組み合わせて圧電振動子21に供給している。即ち、波形要素の関係で第1駆動信号COM1を供給できない期間(期間t11,期間t13)において第2駆動信号COM2を供給することで、振動子電位を中間電位Vhmに維持している。
【0075】
これは、駆動信号COM1,COM2の圧電振動子21への非供給期間を可及的に短くするためである。
即ち、プリンタを高湿下で使用したり、圧電振動子21を長期間に亘って酷使する等によって圧電体の絶縁抵抗が低下した場合には、圧電振動子21における電荷の保持力が低下する虞がある。そして、電荷の保持力が低下すると、非供給期間における放電により振動子電位が徐々に下降してしまう。このため、非供給期間が長期に亘ると振動子電位の下降幅が大きくなり、次に駆動信号を供給した際に駆動信号の電位と振動子電位との電位差が大きくなってしまう。この場合、圧電振動子21の急激な変形が生じてインク滴が誤って吐出されてしまう。
そして、本実施形態のように、駆動信号COM1,COM2の非供給期間を可及的に短くすると、万一、電荷の保持力が低下したとしても、振動子電位の下降幅を少なくできるので、駆動信号COM1,COM2を支障なく供給することができる。
【0076】
次に、スモールドットを記録する場合について説明する。この場合、デコーダ45は、スモールドットの階調データ[01]の翻訳により、第1波形選択データ[0000]及び第2波形選択データ[1111]を生成する。そして、スイッチ制御手段は、生成された波形選択データに基づいて第1駆動信号COM1及び第2駆動信号COM2の圧電振動子21への供給を制御する。
【0077】
即ち、期間t10(t20)では、第2調整要素P20が圧電振動子21に供給され、振動子電位が中間電位Vhmに調整される。そして、期間t11〜期間t13において第1スイッチ49が切断状態に制御され、期間t21〜期間t23において第2スイッチ50が接続状態に制御される。これにより、図5に太線で示すように、期間t21で第4波形部PS4が、期間t22で第5波形部PS5が、期間t23で第6波形部PS6がそれぞれ圧電振動子21に供給される。即ち、スモールドット駆動パルスDP3が圧電振動子21に供給される。
その結果、スモールドット駆動パルスDP3による極く少量のインク滴がノズル開口32から吐出される。
【0078】
次に、ミドルドットを記録する場合について説明する。この場合、デコーダ45は、ミドルドットの階調データ[10]の翻訳により、第1波形選択データ[0001]及び第2波形選択データ[1100]を生成する。そして、スイッチ制御手段は、生成された波形選択データに基づいて第1駆動信号COM1及び第2駆動信号COM2の圧電振動子21への供給を制御する。
【0079】
即ち、期間t10(t20)では、第2調整要素P20が圧電振動子21に供給され、振動子電位が中間電位Vhmに調整される。期間t11では第1スイッチ49が切断状態とされ、期間t21において第2スイッチ50が接続状態とされる。これにより、図6に太線で示すように、第2駆動信号COM2の第2波形部PS4が圧電振動子21に供給され、第6定電位要素P21によって振動子電位が中間電位Vhmで維持される。
【0080】
続く期間t22では第2スイッチ50が切断状態に制御され、また、期間t12でも第1スイッチ49が切断状態に制御されるので、期間t22の開始時から期間t12の終了時まで、圧電振動子21には第1駆動信号COM1も第2駆動信号COM2も供給されない。その結果、図6に中太線で示すように、振動子電位は切断直前の電位である中間電位Vhmを維持する。この場合、先の期間t21で第6定電位要素P21が圧電振動子21に供給されているため、駆動信号の非供給期間は比較的短時間となる。
【0081】
そして、期間t13において第1スイッチ49が接続状態に制御され、また、期間t23では第2スイッチ50が切断状態に制御されるので、図6に太線で示すように、第1駆動信号COM1の第3波形部PS3が圧電振動子21に供給される。これにより、第2ミドルドット駆動パルスDP2が供給されて、ミドルドットに対応する少量のインク滴が吐出される。
【0082】
このように、ミドルドットの記録階調の場合にも、第1駆動信号COM1を構成する一部の波形要素(第5定電位要素P13,膨張要素P14,膨張ホールド要素P15,第1吐出要素P16,制振ホールド要素P17,膨張制振要素P18)と、第2駆動信号COM2を構成する一部の波形要素(第6定電位要素P21)とを組み合わせて圧電振動子21に供給し、駆動信号COM1,COM2の圧電振動子21への非供給期間を可及的に短くしている。これにより、万一、圧電振動子21における電荷の保持力が低下したとしても、駆動信号COM1,COM2を支障なく供給できる。
【0083】
次に、ラージドットを記録する場合について説明する。この場合、デコーダ45は、ラージドットの階調データ[11]の翻訳により、第1波形選択データ[1101]及び第2波形選択データ[0000]を生成する。そして、スイッチ制御手段は、生成された波形選択データに基づいて第1駆動信号COM1及び第2駆動信号COM2の圧電振動子21への供給を制御する。
【0084】
即ち、期間t10(t20)では、第1調整要素P0が圧電振動子21に供給され、振動子電位が中間電位Vhmに調整される。そして、期間t11,期間t13において第1スイッチ49が接続状態に制御される一方、期間t21〜期間t23では第2スイッチ50が切断状態に制御される。これにより、期間t11で第1波形部PS1が、期間t13で第3波形部PS3がそれぞれ圧電振動子21に供給される。即ち、図7に太線で示すように、第1ミドルドット駆動パルスDP1と第2ミドルドット駆動パルスDP2とが圧電振動子21に供給される。
その結果、ミドルドット駆動パルスによる少量のインク滴がノズル開口32から2回続けて吐出され、これらのインク滴によってラージドットが記録される。
【0085】
以上説明した様に、本実施形態では、第1駆動信号COM1に関し、単位面積当たりのインク量が最も多いラージドットの記録階調で使用するミドルドット駆動パルスDP1,DP2の発生間隔を最適化した上で、その非発生期間に第1微振動パルスVP1を発生させているので、ミドルドット駆動パルスDP1,DP2の発生間隔を記録ヘッド8(圧電振動子21)の応答周波数に基づいて定めることができ、記録ヘッド8の性能を十分に発揮させることができる。
【0086】
なお、このラージドットの記録階調は、単位面積当たりのインク量が最も多いため、記録紙上の所定領域を塗りつぶす所謂ベタ記録の際に設定される。そして、記録の高速化の観点では、このベタ記録時における記録を高速化することが重要である。これは、他の記録階調はベタ記録に用いられないので、他の記録階調における記録ヘッド8の駆動周波数は、ラージドット記録時の駆動周波数よりも低く設定できるためである。
【0087】
また、ミドルドット駆動パルスDP1,DP2及び第1微振動パルスVP1の発生期間と、スモールドット駆動パルスDP3の発生期間とが重畳しているので、複数の駆動パルスを一連に接続した場合よりも記録周期Tを短く設定することができる。この点でも、圧電振動子21の高周波駆動が可能となり、記録ヘッド8の性能を十分に発揮させることができる。
【0088】
さらに、第1駆動信号COM1を構成する波形要素の一部と、第2駆動信号COM2を構成する波形要素の一部とを組み合わせて圧電振動子21に供給しているので、各駆動信号には明示されていない新たなパターンでの駆動が可能である。例えば、圧電振動子21への駆動信号の非供給期間を可及的に短くすることができる。
【0089】
ところで、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて種々の変形が可能である。
【0090】
まず、微振動パルスに関し、上記の実施形態では、微振動膨張要素P9、微振動ホールド要素P10及び微振動収縮要素P11を有する第1微振動パルスVP1を例示したが、これに限定されない。例えば、微振動パルスを、接続要素と微振動収縮要素とを含む第2微振動パルスによって構成してもよい。
【0091】
図8に示す例は、第1駆動信号COM1´が、上記実施形態における第1駆動信号COM1と相違しており、第1微振動パルスVP1に代えて、接続要素P34と微振動収縮要素P37とを含む第2微振動パルスVP2を含ませている。なお、第2駆動信号COM2は上記実施形態と同じであるので、その説明を省略する。
【0092】
例示した第1駆動信号COM1´は、期間t10で発生される第1調整要素P0と、期間t11で発生される第7波形部PS7と、期間t12で発生される第8波形部PS8と、期間t13で発生される第9波形部PS9と、期間t14で発生される第10波形部PS10と、期間t15で発生される第11波形部PS11とからなる。
【0093】
各波形部PS7〜PS11について簡単に説明すると、第7波形部PS7は、第1定電位要素P1と、膨張要素P2と、前側膨張ホールド要素P31とからなる。また、第8波形部PS8は、後側膨張ホールド要素P32と、第1吐出要素P4と、制振ホールド要素P5と、膨張制振要素P6と、第2定電位要素P7とからなる。ここで、同じ符号を付した波形要素は、上記した実施形態と同じ波形要素である。また、前側膨張ホールド要素P31及び後側膨張ホールド要素P32は、膨張ホールド要素P3を期間t11と期間t12の境界で2分した波形要素である。このため、前側膨張ホールド要素P31と後側膨張ホールド要素P32の発生期間の和は、膨張ホールド要素P3の発生期間に等しい。
【0094】
第9波形部PS9は、前側接続定電位要素P33と、接続要素P34と、後側接続定電位要素P35とからなる。前側接続定電位要素P33は、中間電位Vhmで一定な波形要素であり、極く短時間に亘って発生される。接続要素P34は、中間電位Vhmから膨張電位Vh1まで急勾配で電位を下降させる波形要素である。後側接続定電位要素P35は、膨張電位Vh1で一定な波形要素であり、極く短時間に亘って発生される。
この第9波形部PS9は、終端電位と始端電位が互いに異なる2つの波形要素を接続する接続波形要素であり、圧電振動子21には供給されない。従って、接続要素P34の勾配は制御可能な最大限まで急勾配に設定できる。これにより、前後の波形要素同士を、極く短い時間間隔で発生させることができる。
【0095】
第10波形部PS10は、微振動ホールド要素P36と、微振動収縮要素P37と、第10定電位要素P38とからなる。微振動ホールド要素P36は膨張電位Vh1で一定な波形要素であり、微振動収縮要素P37は膨張電位Vh1から中間電位Vhmまでインク滴を吐出させない程度の比較的緩やかな一定勾配で電位を下降させる波形要素である。また、第10定電位要素P38は中間電位Vhmで一定な波形要素である。
【0096】
第11波形部PS11は、上記実施形態における第3波形部PS3と同じ波形要素によって構成されている。即ち、この第11波形部PS11は、第5定電位要素P13と、膨張要素P14と、膨張ホールド要素P15と、第1吐出要素P16と、制振ホールド要素P17と、膨張制振要素P18とからなる。
【0097】
この第1駆動信号COM1´では、第7波形部PS7及び第8波形部PS8の膨張要素P2、膨張ホールド要素P31,P32、第1吐出要素P4、制振ホールド要素P5、及び、膨張制振要素P6が第1ミドルドット駆動パルスDP1を構成する。同様に、第11波形部PS11の膨張要素P14、膨張ホールド要素P15、第1吐出要素P16、制振ホールド要素P17、及び、膨張制振要素P18が第2ミドルドット駆動パルスDP2を構成する。
また、第9波形部PS9及び第10波形部PS10の接続要素P34、後側接続定電位要素P35、微振動ホールド要素P36、及び、微振動収縮要素P37が第2微振動パルスVP2を構成する。そして、この第2微振動パルスVP2は、非記録の記録階調において、第1ミドルドット駆動パルスDP1の一部と共に用いられる。
【0098】
次に、これらの駆動信号COM1´,COM2を用いて行う多階調の制御について説明する。この例において、デコーダ45は、6ビットの第1波形選択データと4ビットの第2波形選択データを生成する。第1波形選択データは、上位ビット側から順に、第1調整要素P0(期間t10)、第7波形部PS7(期間t11)、第8波形部PS8(期間t12)、第9波形部PS9(期間t13)、第10波形部PS10(期間t14)、及び、第11波形部PS11(期間t15)に対応している。また、第2波形選択データは、上記実施形態と同様に構成されている。
【0099】
まず、非記録の場合について説明する。この場合、デコーダ45は、非記録の階調データ[00]の翻訳により、第1波形選択データ[110010]及び第2波形選択データ[0001]を生成する。これらの波形選択データに基づいて、スイッチ制御手段は、第1駆動信号COM1´及び第2駆動信号COM2の圧電振動子21への供給を制御する。
【0100】
これにより、期間t10(t20)では、第1調整要素P0が圧電振動子21に供給されて振動子電位が中間電位Vhmに調整される。また、期間t11,t14で第1スイッチ49が、期間t23で第2スイッチ50がそれぞれ接続状態に制御されるので、第7波形要素PS7と第10波形要素PS10と第6波形要素PS6とが圧電振動子21に供給される。即ち、ミドルドット駆動パルスDP1の一部と第2微振動パルスVP2の一部とが圧電振動子21に供給される。
その結果、第7波形部PS7の膨張要素P2と第10波形部PS10の微振動収縮要素P37とによって圧力室35内のインクに圧力変動が付与され、メニスカスが微振動する。
【0101】
そして、この構成では、第1ミドルドット駆動パルスDP1の膨張要素P2を微振動に用いているので、第2微振動パルスVP2には微振動収縮要素P37を含ませれば足りる。このため、第2微振動パルスVP2の発生期間を短くでき、第1駆動パルスDP1の発生終了時から第2駆動パルスDP2の発生開始時までが短時間であっても、第2微振動パルスVP2を支障なく含ませることができる。さらに、この構成では、圧電振動子21に供給されない接続波形要素(PS9)を第2微振動パルスVP2に含ませているので、この点でも第2微振動パルスVP2の発生期間を短くできる。
【0102】
また、他の記録階調、即ち、スモールドット、ミドルドット、及び、ラージドットの記録は、上記実施形態と同様に制御される。即ち、スモールドットの記録階調ではスモールドット駆動パルスDP3を供給し、ミドルドットの記録階調では第2ミドルドット駆動パルスDP2を供給し、ラージドットの記録階調では第1ミドルドット駆動パルスDP1と第2ミドルドット駆動パルスDP2を供給する。
【0103】
即ち、デコーダ45は、スモールドットの階調データ[01]の翻訳により、第1波形選択データ[000000]及び第2波形選択データ[1111]を生成する。これにより、第4波形部PS4、第5波形部PS5、及び、第6波形部PS6が圧電振動子21に供給され、スモールドットに対応する極く少量のインク滴が吐出される。また、ミドルドットの階調データ[10]の翻訳により、第1波形選択データ[000001]及び第2波形選択データ[1100]を生成する。これにより、第4波形部PS4、及び、第11波形部PS11が圧電振動子21に供給され、ミドルドットに対応する少量のインク滴が吐出される。さらに、ラージドットの階調データ[11]の翻訳により、第1波形選択データ[111001]及び第2波形選択データ[0000]を生成する。これにより、第7波形部PS7、第8波形部PS8、及び、第11波形部PS11が圧電振動子21に供給され、少量のインク滴がノズル開口32から2回続けて吐出されてラージドットが記録される。
【0104】
また、本発明におけるスイッチ手段に関し、上記実施形態では、発生される駆動信号の種類毎に設けられた第1スイッチ49及び第2スイッチ50により、各駆動信号COM1,COM2を圧電振動子21へ選択的に供給するようにしたものを例示したが、この構成に限定されるものではない。例えば、図9に示す切換スイッチ61により、各駆動信号COM1(COM1´),COM2を圧電振動子21へ選択的に供給してもよい。
【0105】
例示した切換スイッチ61は、第2スイッチ手段として機能し、各圧電振動子21…毎に設けられる。この切換スイッチ61は、発生される駆動信号の種類に対応して設けられた第1入力接点61a、第2入力接点61b及びオフ接点61cと、圧電振動子21に導通される出力端子61dとを有しており、各接点61a〜61cの1つが選択的に出力端子61dに導通される。そして、第1入力接点61aには第1駆動信号COM1の供給線が電気的に接続され、第2入力接点61bには第2駆動信号COM2の供給線が電気的に接続され、オフ接点61cは電気的に非接続とされている。
【0106】
この切換スイッチ61では、出力端子61dに導通する接点61a〜61cを切り換えることで、各駆動信号COM1,COM2を選択的に圧電振動子21へ供給できる。即ち、第1入力接点61aを導通させると第1駆動信号COM1を供給でき、第2入力接点61bを導通させると第2駆動信号COM2を供給できる。また、オフ接点61cを導通させると第1駆動信号COM1と第2駆動信号COM2の何れも供給されない。
【0107】
そして、この切換スイッチ61は、デコーダ62及びスイッチ制御回路63(本発明のスイッチ制御手段に相当)によって、動作が制御される。即ち、デコーダ62は、スイッチ切換データ生成手段として機能し、記録データ(階調データ)の翻訳により、第1入力接点61a([1])、第2入力接点61b([2])、オフ接点61c([0])の何れかを示すスイッチ切換データを生成する。そして、このスイッチ切換データを、制御ロジック46´からのタイミングに同期させてスイッチ制御回路63に出力する。これにより、上記した実施形態と同様に、各駆動信号COM1及びCOM2を選択的に圧電振動子21へ供給することができる。
【0108】
また、駆動信号に関し、上記実施形態では、1記録周期T内に2つのミドルドット駆動パルスDP1,DP2を有する第1駆動信号COM1を例示したが、これに限定されない。
例えば、第1駆動信号COM1(COM1´)は、1記録周期T内に1つのラージドット駆動パルス、即ち、ラージドットに対応する量のインク滴を吐出可能な駆動パルスを有する信号であってもよい。この場合、第2駆動信号COM2には、例えば、ミドルドット駆動パルス、及び、スモールドット駆動パルスからなる複合パルス(本発明の第2駆動パルスの一種)を含ませる。
【0109】
また、上記実施形態では、2種類の駆動信号COM1,COM2を例示したが、3種類以上の駆動信号を発生させても同様に実施できる。
【0110】
また、圧力発生素子に関し、上記実施形態では、所謂縦振動モードの圧電振動子21を用いた場合について説明したが、これに限らず所謂撓み振動モードの圧電振動子を用いても同様に実施できる。また、圧電振動子の他、静電アクチュエータを用いてもよい。
【0111】
なお、本発明は、プリンタに限らず、プロッタ、ファクシミリ装置、コピー機等、各種のインクジェット式記録装置にも適用可能である。
【0112】
以上説明したように、本発明によれば以下の効果を奏する。
即ち、単位面積当たりの着弾インク量が最も多い記録階調で用いられ均等な間隔で発生される第1駆動パルス、及び、非記録の記録階調で用いられ第1駆動パルスの非発生期間で発生される微振動パルスを有する第1駆動信号と、他の記録階調で用いられる第2駆動パルスを有する一連の第2駆動信号とを発生させると共に、第1駆動パルスの発生期間と第2駆動パルスの発生期間とを少なくとも一部で重畳させ、各駆動信号を選択的に圧力発生素子へ供給するように構成したので、第1駆動パルスの発生間隔を微振動パルスや第2駆動パルスに制約されることなく自由に設定できる。従って、第1駆動パルスの発生間隔を圧力発生素子の応答周波数に合わせて設定できる。その結果、記録ヘッドをより高い周波数で駆動することができる。
【0113】
また、非記録の記録階調にて微振動パルスの一部と第1駆動パルスの一部とを組み合わせて圧力発生素子に供給する構成とした場合には、第1駆動パルスの非発生期間が極く短くても、微振動パルスを第1駆動信号内に支障なく含ませることができる。
【0114】
また、微振動パルスを、圧力発生素子に供給されない接続要素とインク滴が吐出されない程度に圧力室を収縮させる微振動収縮要素とを含む第2微振動パルスによって構成した場合には、接続要素の電位勾配を急峻にできるので、第2微振動パルスの発生期間をより短くすることができる。
【0115】
また、スモールドット駆動パルスを、隣り合う第1駆動パルス同士の中間で発生させた場合には、インク滴の吐出間隔の偏りが防止でき、画質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】インクジェット式プリンタの機能ブロック図である。
【図2】縦振動モードの記録ヘッドの構成を説明する断面図である。
【図3】駆動信号発生回路が発生する駆動信号とこの駆動信号の供給制御を説明する図である。
【図4】非記録時における駆動信号の供給制御を説明する図である。
【図5】スモールドット記録時における駆動信号の供給制御を説明する図である。
【図6】ミドルドット記録時における駆動信号の供給制御を説明する図である。
【図7】ラージドット記録時における駆動信号の供給制御を説明する図である。
【図8】駆動信号発生回路が発生する他の駆動信号とこの駆動信号の供給制御を説明する図である。
【図9】スイッチ手段の他の例を説明するブロック図である。
【符号の説明】
【0117】
1…プリンタコントローラ,2…プリントエンジン,3…外部I/F,4…RAM,5…ROM,6…制御部,7…発振回路,8…記録ヘッド,9…駆動信号発生回路,10…内部I/F,11…キャリッジ機構,12…紙送り機構,21…圧電振動子,22…固定板,23…フレキシブルケーブル,24…振動子ユニット,25…ケース,26…流路ユニット,27…収納空部,28…島部,29…流路形成基板,30…ノズルプレート,31…振動板,32…ノズル開口,33…共通インク室,34…インク供給口,35…圧力室,36…ノズル連通口,37…支持板,38…樹脂フィルム,41…第1シフトレジスタ,42…第2シフトレジスタ,43…第1ラッチ回路,44…第2ラッチ回路,45…デコーダ,46,46´…制御ロジック,47…第1レベルシフタ,48…第2レベルシフタ,49…第1スイッチ,50…第2スイッチ,61…切換スイッチ,62…デコーダ,63…スイッチ制御回路




 

 


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