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モータ制御装置、記録装置 - セイコーエプソン株式会社
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発明の名称 モータ制御装置、記録装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−1315(P2007−1315A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2006−253305(P2006−253305)
出願日 平成18年9月19日(2006.9.19)
代理人 【識別番号】100095452
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 博樹
発明者 吉海江 和也
要約 課題
負荷変動に影響されないで、且つ、停止位置の変更を行うことなく、駆動対象を目標停止位置に正確に停止させることができるモータ制御手段を得る。

解決手段
駆動対象の移動位置に対応してモータの目標速度Vが設定された目標速度テーブルを参照することにより、モータの目標速度Vが決定される。通常、モータ制御装置は基準開始位置としてのアドレスn=5から、基準終了位置としてのアドレスn=n+5まで目標速度Vを読み出す。駆動対象の負荷変動が生じると、読み出し範囲(参照範囲)を上限にシフトさせ、これによって目標速度Vを変更し、駆動対象を目標停止位置に正確に停止させる。
特許請求の範囲
【請求項1】
駆動対象を駆動するモータに対し、前記駆動対象の移動位置に対応して予め定められた目標速度に制御する減速制御を行うことにより、前記駆動対象を予め定められた目標停止位置に停止させるモータ制御装置であって、 前記駆動対象の停止位置を停止位置情報として記憶する停止位置情報記憶手段と、 前記停止位置情報に基づいて前記目標速度を設定する速度設定手段と、を有し、 前記速度設定手段によって前記駆動対象の移動位置に対応する前記目標速度を変更することにより、前記目標停止位置はそのままで前記駆動対象の停止位置を変化させることを特徴とするモータ制御装置。
【請求項2】
請求項1において、前記駆動対象の移動位置に対応して前記モータの速度が設定された目標速度テーブルを有し、前記目標速度が前記目標速度テーブルによって決定され、 前記目標速度テーブルのテーブル長が、前記減速制御を開始する位置から前記目標停止位置までの距離に対応したテーブル長よりも長いテーブル長を有し、 前記速度設定手段が、前記停止位置情報に基づいて前記目標速度テーブルの参照範囲をシフトさせることにより、前記目標速度を変更することを特徴とするモータ制御装置。
【請求項3】
請求項1において、前記速度設定手段が、予め定められた計算式に基づいて前記駆動対象の移動位置に対応した前記目標速度を決定し、且つ、前記停止位置が前記目標停止位置からずれた場合には、前記停止位置情報を前記計算式に代入することにより、前記目標速度を変更することを特徴とするモータ制御装置。
【請求項4】
請求項1において、前記速度設定手段が、複数の前記目標速度テーブルを有し、 前記停止位置が前記目標停止位置からずれた場合には、前記停止位置に対応する前記目標速度テーブルを選択することにより、前記目標速度を変更することを特徴とするモータ制御装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項において、前記速度設定手段が、前記駆動対象の停止位置と前記目標停止位置とのずれ量に対する閾値を有し、前記ずれ量が前記閾値を超えた場合には、前記目標速度を変更しないことを特徴とするモータ制御装置。
【請求項6】
被記録材に記録を行う記録ヘッドを有し、主走査方向に往復動する様に設けられるキャリッジと、 前記記録ヘッドへ被記録材を搬送する搬送ローラと、 前記記録ヘッドに記録の行われた被記録材を排紙する排紙ローラと、を有する記録装置であって、 前記キャリッジを駆動するモータ及び/又は前記搬送ローラを駆動するモータが、請求項1から5のいずれか1項に記載された前記モータ制御装置によって制御される様構成されたことを特徴とする記録装置。
【請求項7】
請求項6において、前記停止位置情報を、記録動作終了毎に更新することを特徴とする記録装置。
【請求項8】
請求項6または7において、所定条件を検出することにより、前記駆動対象を駆動して前記停止位置情報を更新するメジャーメントモードを備えていることを特徴とする記録装置。
【請求項9】
請求項8において、前記メジャーメントモードを、前記記録装置の電源ON動作時に実行することを特徴とする記録装置。
【請求項10】
請求項8において、前記メジャーメントモードを、記録データ受信時であって記録動作開始前に実行することを特徴とする記録装置。
【請求項11】
請求項8において、前記メジャーメントモードを、前記キャリッジに搭載されたインクカートリッジの交換検出時に実行することを特徴とする記録装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動対象を駆動するモータを、前記駆動対象の移動位置に対応して予め定められた目標速度に制御して減速制御を行うことにより、前記駆動対象を予め定められた目標停止位置に停止させるモータ制御装置に関する。また、本発明は、該モータ制御装置を備えた、被記録材に記録を行う記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
以下、記録装置の一つとしてのインク・ジェット・プリンタ(以下「プリンタ」と言う)を例に説明する。プリンタは印刷用紙にインクを吐出する記録ヘッドを、主走査方向に往復動可能に設けられるキャリッジに備えている。記録ヘッドの上流側には印刷用紙を搬送する搬送ローラが設けられ、該搬送ローラにより、印刷用紙が一定ピッチで記録ヘッド下へ搬送される。
【0003】
この様なプリンタにおいてキャリッジ及び搬送ローラはモータによって駆動される(例えば、特許文献1、2参照)。モータを制御するモータ制御装置は、速度の目標値と実際の速度との偏差を減算器により求め、この偏差に基づいてPID制御を行う。PID制御は、例えば、予め定められた目標速度テーブルに基づき、該目標速度テーブルによって描かれる減速曲線に沿ってモータを減速させる様、モータの駆動電流を操作する。この様なPID制御においては、比例項(P)、積分項(I)および微分項(D)それぞれの係数(ゲイン)を調整することにより、最適な制御を行う。
【特許文献1】特開平09−058081号公報
【特許文献2】特開昭60−071283号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、プリンタにおいて、例えばキャリッジを定速走行から減速走行へと移行させ、減速区間をPID制御によって制御することによって目標停止位置に停止させる際には、キャリッジの動的負荷の変動により、キャリッジの停止位置が目標停止位置よりも前後にずれることがある。この様にキャリッジの停止位置が目標停止位置の前後にずれると、例えば、キャリッジが次に主走査を行う際に、定速区間に入る為の加速区間を確保できなくなり、もって印刷品質に影響を及ぼしたり、また、この様な加速区間を確保する為の予備動作を必要とし、もってスループットが低下するといった不具合を招く。
【0005】
つまり、キャリッジの動的負荷は、温度変化や経年変化、摺動部の摩耗、グリスの消耗等によって経時的に変化するものであると共に、部品精度、組み立て精度等によって個体差が存在する。従ってこの様な要因により、キャリッジの停止位置が目標停止位置から前後にずれ、これによって前述の様な不具合を招いていた。特に、近年プリンタにはスループット向上の要請が強く、減速曲線を厳しく設定する必要が生じ、より一層目標停止位置に停止させることが困難な状況となっている。尚、この様な問題は、キャリッジのみならず、印刷用紙を搬送する搬送ローラについても同様に発生する。
【0006】
一方、この様な問題を解決すべく、目標停止位置そのものを前後にシフトさせる手段を用いることも考え得る。しかしこの場合、例えば印刷用紙を搬送する搬送ローラにおいては、紙送り量をその都度最適な値に変更しなければならず、これにより、紙送り量の累積値を用いて種々の処理を行う印刷制御プログラム(例えば、プリンタドライバ)において整合性が取りづらく、また、処理が煩雑化する。他方、PID制御においてより適切な制御を行うべく、制御結果を学習し、その結果から最適なゲインに自動的に調整するオートチューニング手段を用いることも考え得る。しかしこの場合、CPUへの負担が大きくシステムとして複雑化する傾向があるとともに、ゲインが大きくなると、発振が大きく制御量が不安定になるという弊害も生じる。
【0007】
そこで本発明はこの様な状況に鑑みなされたものであり、その課題は、負荷変動に影響されないで、且つ、停止位置の変更を行うことなく、駆動対象を目標停止位置に正確に停止させることができるモータ制御手段を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本願請求項1記載のモータ制御装置は、駆動対象を駆動するモータに対し、前記駆動対象の移動位置に対応して予め定められた目標速度に制御する減速制御を行うことにより、前記駆動対象を予め定められた目標停止位置に停止させるモータ制御装置であって、前記駆動対象の停止位置を停止位置情報として記憶する停止位置情報記憶手段と、前記停止位置情報に基づいて前記目標速度を設定する速度設定手段と、を有し、前記速度設定手段によって前記駆動対象の移動位置に対応する前記目標速度を変更することにより、前記目標停止位置はそのままで前記駆動対象の停止位置を変化させることを特徴とする。
【0009】
本願請求項1記載の発明によれば、負荷変動に影響されないで、且つ、停止位置を変更することなく、駆動対象を目標停止位置に正確に停止させることができる。即ち、モータ制御装置は、駆動対象を減速制御した結果、当該駆動対象が停止した位置を停止位置情報として記憶する停止位置情報記憶手段と、前記停止位置情報に基づいて前記目標速度を設定する速度設定手段とを有している。そして、前記停止位置情報に基づいて、前記駆動対象の移動位置に対応する前記目標速度を変更する。前記駆動対象の移動位置に対応する前記目標速度を変更すると、これによって前記駆動対象の停止位置が変化するので、従って以上により、前記駆動対象を、目標停止位置に正確に停止させることができるとともに、目標停止位置を変更する必要が無いので、上位の制御手段に影響を与えることが無い。
【0010】
本願請求項2記載のモータ制御装置は、請求項1において、前記駆動対象の移動位置に対応して前記モータの速度が設定された目標速度テーブルを有し、前記目標速度が前記目標速度テーブルによって決定され、前記目標速度テーブルのテーブル長が、前記減速制御を開始する位置から前記目標停止位置までの距離に対応したテーブル長よりも長いテーブル長を有し、前記速度設定手段が、前記停止位置情報に基づいて前記目標速度テーブルの参照範囲をシフトさせることにより、前記目標速度を変更することを特徴とする。
【0011】
本願請求項2記載の発明によれば、極めて簡単に前記目標速度を変更することができる。即ち、前記目標速度は、目標速度テーブルによって予め設定されている。目標速度テーブルは、前記駆動対象の移動位置に対応して前記モータの速度がそれぞれ設定されたものであり、例えば、位置P、P、P、・・・P・・・、P(位置Pは減速開始位置、位置Pは目標停止位置)に対して、速度V、V、V、・・・V・・・、V(V>V>V)が設定されたものを言う。
【0012】
ここで、速度Vは、減速開始位置Pから目標停止位置Pまでの距離に対応したテーブル長(V〜V)を有するものであるが、本発明においてはこの長さを延長し、例えば、V、V、V、・・・V・・・、Vn+kとする。そして、前記速度設定手段は、前記停止位置情報に基づいて延長された目標速度テーブルの参照範囲をシフトさせる。例えば、当初の参照範囲がV〜Vであった場合に、前記駆動対象の停止位置が目標停止位置よりもオーバーした際には、目標速度テーブルの参照範囲を、前記オーバー量に対応して予め設定されたシフト量だけ、例えば、V〜Vn+3という様にシフトさせる。すると、これに伴って減速開始位置Pから目標停止位置Pに対応する個々の前記目標速度が変更される。 従って以上により、目標停止位置を変更することなく、前記駆動対象の停止位置を簡単に変化させることができる。
【0013】
本願請求項3記載のモータ制御装置は、請求項1において、前記速度設定手段が、予め定められた計算式に基づいて前記駆動対象の移動位置に対応した前記目標速度を決定し、且つ、前記停止位置が前記目標停止位置からずれた場合には、前記停止位置情報を前記計算式に代入することにより、前記目標速度を変更することを特徴とする。 本願請求項3記載の発明によれば、前記速度設定手段が、予め定められた計算式に、前記駆動対象の停止位置と目標停止位置とのずれ量に対応して予め定められたパラメータを代入することにより、前記目標速度を変更するので、前述した本願請求項2記載の発明と同様に、前記駆動対象の停止位置を簡単に変化させることができる。
【0014】
本願請求項4記載のモータ制御装置は、請求項1において、前記速度設定手段が、複数の前記目標速度テーブルを有し、前記停止位置が前記目標停止位置からずれた場合には、前記停止位置に対応する前記目標速度テーブルを選択することにより、前記目標速度を変更することを特徴とする。 本願請求項4記載の発明によれば、前記速度設定手段が、複数の前記目標速度テーブルを有し、前記停止位置が前記目標停止位置からずれた場合には、前記停止位置に対応する前記目標速度テーブルを選択することにより、前記目標速度を変更するので、前述した本願請求項2記載の発明と同様に、前記駆動対象の停止位置を簡単に変化させることができる。
【0015】
本願請求項5記載のモータ制御装置は、請求項1から4のいずれか1項において、前記速度設定手段が、前記駆動対象の停止位置と前記目標停止位置とのずれ量に対する閾値を有し、前記ずれ量が前記閾値を超えた場合には、前記目標速度を変更しないことを特徴とする。 本願請求項5記載の発明によれば、前記速度設定手段が、前記駆動対象の停止位置と前記目標停止位置とのずれ量に対する閾値を有し、前記ずれ量が前記閾値を超えた場合には、前記目標速度を変更しないので、例えば、前記駆動対象の移動動作中にユーザが当該駆動対象を強制的に停止させた等の異常発生時でも、前記目標速度は変更されず、もって後の制御において前記駆動対象を目標停止位置に正確に停止させることができる。
【0016】
本願請求項6記載の記録装置は、被記録材に記録を行う記録ヘッドを有し、主走査方向に往復動する様に設けられるキャリッジと、前記記録ヘッドへ被記録材を搬送する搬送ローラと、前記記録ヘッドに記録の行われた被記録材を排紙する排紙ローラと、を有する記録装置であって、前記キャリッジを駆動するモータ及び/又は前記搬送ローラを駆動するモータが、請求項1から5のいずれか1項に記載された前記モータ制御装置によって制御される様に構成されたことを特徴とする。 本願請求項6記載の発明によれば、記録装置においてキャリッジ或いは搬送ローラを駆動するモータが、請求項1から5のいずれか1項に記載された前記モータ制御装置によって制御されるので、もって前述した本願請求項1から5のいずれか1項に記載の発明と同様な作用効果を得ることができる。
【0017】
本願請求項7記載の記録装置は、請求項6において、前記停止位置情報を、記録動作終了毎に更新することを特徴とする。 本願請求項7記載の発明によれば、記録装置は、前記停止位置情報を、記録動作終了毎に更新するので、これによって常に最新の前記停止位置情報が得られ、もって前記駆動対象を目標停止位置に常に正確に停止させることができる。
【0018】
本願請求項8記載の記録装置は、請求項6または7において、所定条件を検出することにより、前記駆動対象を駆動して前記停止位置情報を更新するメジャーメントモードを備えていることを特徴とする。 例えば、記録動作終了毎に前記停止位置情報を更新する様に構成された場合には、前回の記録動作から今回の記録動作までに相当の時間が経過していると、前記駆動対象の駆動負荷が変動している虞があり、これによって前記駆動対象を目標停止位置に正確に停止させることができない虞がある。しかし、本願請求項8記載の発明においては、記録装置は、所定条件を検出することにより、前記駆動対象を駆動して前記停止位置情報を更新するメジャーメントモードを備えているので、例えば電源ON時に前記メジャーメントモードを実行することにより、前記駆動負荷の変動に関わらず、前記駆動対象を目標停止位置に正確に停止させることができる。
【0019】
本願請求項9記載の記録装置は、請求項8において、前記メジャーメントモードを、前記記録装置の電源ON動作時に実行することを特徴とする。 本願請求項9記載の発明によれば、記録装置は、前記メジャーメントモードを、前記記録装置の電源ON動作時に実行するので、前述した本願請求項8記載の発明と作用効果と同様な作用効果を得ることができる。
【0020】
本願請求項10記載の記録装置は、請求項8において、前記メジャーメントモードを、記録データ受信時であって記録動作開始前に実行することを特徴とする。 本願請求項10記載の発明によれば、記録装置は、前記メジャーメントモードを、記録データ受信時であって記録動作開始前に実行するので、後に実行する記録動作においては最新の前記停止位置情報が反映され、もって前記駆動対象をより確実に目標停止位置に停止させることができる。
【0021】
本願請求項11記載の記録装置は、請求項8において、前記メジャーメントモードを、前記キャリッジに搭載されたインクカートリッジの交換検出時に実行することを特徴とする。 本願請求項11記載の発明によれば、記録装置は、前記メジャーメントモードをインクカートリッジの交換検出時に実行するので、キャリッジの駆動負荷が変動し易いインクカートリッジ交換作業後に前記メジャーメントモードを実行することにより、後に実行する記録動作においては最新の前記停止位置情報が反映され、もって前記駆動対象をより確実に目標停止位置に停止させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面を参照しつつ本発明の一実施形態について説明する。 図1は、本発明に係る「記録装置」としてのインク・ジェット・プリンタの概略構成を示す斜視図である。このインク・ジェット・プリンタ(以下、単に「プリンタ」という。)60には、給紙挿入口61が設けられ、この給紙挿入口61に、「被記録材」としての印刷用紙50がセットされる。セットされた印刷用紙50は、給紙モータ63により回転駆動される給紙ローラ64によって、紙送りローラ65に給送される。紙送りローラ65は、紙送りモータ(以下「PFモータ」という。)1によって回転駆動され、給送された印刷用紙50を従動ローラ66との間で挟圧搬送して、副走査方向に送り出す。キャリッジ3は、ガイド軸32に案内されて、印刷用紙の幅方向(主走査方向)に往復移動しながら、PFローラ65によって搬送される印刷用紙に記録(印刷)を行う。
【0023】
印刷された印刷用紙は、排紙ローラ68に向けて搬送される。排紙ローラ68は、PFモータ1により歯車輪列67a、67bおよび67cを介して回転駆動され、搬送された印刷用紙50を従動ローラ69との間で搬送して、排出口62に送り出す。そして、最終的に、印刷された印刷用紙50は、排出口62からプリンタ60の外部に排出される。
【0024】
図2は、図1に示すキャリッジ3およびこのキャリッジ3を駆動するキャリッジ駆動装置の部分を詳細に示す斜視図である。キャリッジ3には、インクカートリッジ34が搭載されるとともに、印刷用紙50に対向する部分には、記録ヘッド9が取り付けられている。記録ヘッド9の印刷用紙50に対向する面には、図示しない複数のノズルからなるノズル列が形成されており、このノズル列から、インクカートリッジ34内のインクが印刷用紙50に向けて吐出されて、印刷(記録)が行われる。
【0025】
キャリッジ3の駆動源であるキャリッジ・モータ(以下「CRモータ」という。)4は、本実施の形態ではDCモータにより構成されている。このCRモータ4のモータ出力軸には、駆動プーリ(モータ・ピニオン)30が取り付けられ、この駆動プーリ30と従動プーリ33との間には、タイミング・ベルト31が巻回されている。このタイミング・ベルト31によって、CRモータ4の駆動力がキャリッジ3に伝達され、キャリッジ3は主走査方向に往復移動するようになっている。キャリッジ3の位置および移動速度は、所定の間隔にスリットが形成された符号板12を含むリニア式エンコーダ11(後述する図3参照)によって検出される。
【0026】
なお、キャリッジ3の非印刷領域には、非印刷時に記録ヘッド9のノズルを封止するためのキャッピング装置35と、ノズルからインクを吸い出すポンプ・ユニット36とが設けられている。
【0027】
図3は、プリンタ60の制御装置100の構成を示すブロック図である。この制御装置100は、CPU16、「モータ制御装置」としてのDCユニット(以下「DCU」という。)6、タイマIC17、インタフェース部(以下「IF」という。)19、ASIC20、PROM21、RAM22、EEPROM23、紙送りモータ・ドライバ2、ヘッド・ドライバ10、CRモータ・ドライバ5、およびポンプ・モータ・ドライバ8を備えている。
【0028】
制御装置100のDCU6には、搬送される印刷用紙50の始端および終端を検出する紙検出センサ15からの検出信号と、搬送される印刷用紙50の実際の位置(現在位置)を検出するエンコーダ13からの検出信号とが与えられる。また、DCU6には、リニア式エンコーダ11から出力信号(たとえば、符号版12のスリットの前端を検出する立ち上がり信号と、後端を検出する立ち下がり信号)が与えられる。
【0029】
CPU16は、プリンタ60の全体の制御を行い、タイマIC17は、CPU16に対して周期的な割込信号を発生する。IF19は、ホスト・コンピュータ18との間でデータの送受信を行い、ASIC20は、ホスト・コンピュータ18からIF19を介して送られてくる印字データに基づいて印字解像度や記録ヘッド9の駆動波形等を制御するものである。
【0030】
RAM22は、ASIC20およびCPU16の作業領域やプログラム格納領域として用いられる。PROM21およびEEPROM23には、ASIC20、CPU16、およびDCU6のプログラムおよび処理に必要なデータが格納されている。
【0031】
紙送りモータ・ドライバ2は、DCU6の制御の下、PFモータ1を駆動制御して、紙送りを行う。ポンプ・モータ・ドライバ8は、CPU16の制御の下、ポンプ・モータ7を制御する。ヘッド・ドライバ10は、DCU6の制御の下、記録ヘッド9を駆動制御して、IF19から与えられる印字データに基づいて記録ヘッド9からインクを吐出させる。CRモータ・ドライバ5は、DCU6の制御の下、CRモータ4を駆動制御して、キャリッジ3を移動または停止させる。
【0032】
本発明は、このうちCRモータ4の制御に関するものであるので、以下では、このCRモータ4の制御の部分について詳述する。図4は、DCU6におけるCRモータ4の駆動制御を行う部分を示すブロック図である。
【0033】
DCU6は、位置演算部6a、減算器6b、「速度設定手段」としての目標速度演算部6c、速度演算部6d、減算器6e、比例要素6f、積分要素6g、微分要素6h、加算器6i、D/Aコンバータ6j、タイマ6k、加速制御部6m、及び「停止位置情報記憶手段」としての図示しない内部メモリを備えている。
【0034】
タイマ6kおよび加速制御部6mは、加速区間における加速制御を行う一方、位置演算部6a、減算器6b、目標速度演算部6c、速度演算部6d、減算器6e、比例要素6f、積分要素6g、微分要素6h、および加算器6iは、定速区間および減速区間におけるPID制御を行う。加速制御部6mまたは加算器6iの出力、すなわちCRモータ4の駆動電流の値(デジタル値)は、D/Aコンバータ6jに送られてアナログ値に変換される。このアナログ値は、CRモータ・ドライバ5に与えられ、CRモータ・ドライバ5は、与えられたアナログ値を有する電流をCRモータ4に通電する。これにより、CRモータ4が回転する。
【0035】
DCU6において、位置演算部6aは、リニア式エンコーダ11からの出力信号に基づいて、CRモータ4によって走行するキャリッジ3の現在位置を演算する。減算器6bは、目標停止位置と、位置演算部6aが演算した現在位置との位置偏差を演算する。ここで、「目標停止位置」とは、現在の主走査におけるキャリッジ3の停止位置をいい、CPU16から与えられる。
【0036】
目標速度演算部6cは、減算器6bの出力である位置偏差に基づいてCRモータ4の目標速度を演算する。この演算は、たとえばリニア式エンコーダ11から出力信号が与えられるごとに実行される。
【0037】
速度演算部6dは、リニア式エンコーダ11の出力信号に基づいてCRモータ4の実際の速度を演算する。減算器6eは、目標速度と、速度演算部6dによって演算されたCRモータ4の実際の速度との速度偏差を演算する。比例要素6fは、速度偏差に定数Gpを乗算し、乗算結果を出力する。積分要素6gは速度偏差に定数Giを乗じたものを積算する。微分要素6hは、現在の速度偏差と、1つ前の速度偏差との差に定数Gdを乗算し、乗算結果を出力する。これら比例要素6f、積分要素6g、および微分要素6hの出力は、加算器6iにおいて加算される。そして、加算結果、すなわちCRモータ4の駆動電流は、前述したように、D/Aコンバータ6jに送られてアナログ電流に変換され、このアナログ電流に基づいてCRモータ・ドライバ5はCRモータ4を駆動制御する。
【0038】
図5(A)は、キャリッジ3の減速区間における目標速度Vとキャリッジ3の絶対位置Xとの間の関係を示すグラフであり、図5(B)は図5(A)の部分拡大図である。ここで、キャリッジ3の「絶対位置」とは、キャリッジ3の待機位置(ホーム・ポジション:図示せず)を基準とした、キャリッジ3の位置(移動位置)をいう。
【0039】
図5(A)に示す様に、キャリッジ3は、定速度Vによる定速走行(図5の左から右に走行する)から減速開始位置Pで減速走行へ移行し、最終的に目標停止位置Pで停止する動作をとる。
【0040】
ここで、減速開始位置Pから目標停止位置P間に至る減速曲線Tは、PROM21もしくはEEPROM23またはDCU6内の内部メモリ(図示略)にあらかじめ記憶された目標速度テーブルに従って決定される。
【0041】
図6は、減速曲線Tを表す目標速度テーブルを示している。目標速度テーブルには、テーブルの欄が上から下に向かうほど(アドレスが0からnに向かうほど)、その絶対値として小さな値を有する目標速度が格納されている。各目標速度の値は、減速開始位置Pから目標停止位置Pに至るキャリッジ3の各位置毎(例えば、リニア式エンコーダ11のステップ毎)に対応して設定されていて、それらを結ぶと図5(A)に示す減速開始位置Pから目標停止位置Pに向かう減速曲線Tとなる。
【0042】
キャリッジ3の絶対位置Xに対応する目標速度Vは、例えばリニア式エンコーダ11からの出力信号が与えられるごとに、例えば基準となる減速曲線Tの場合であれば、アドレス5からアドレスn+5に向けて順次目標速度演算部6cによって読み出され、キャリッジ3の移動速度は、この読み出された目標速度Vとなるように制御される。すなわち、減速開始位置Pから目標停止位置Pに向かうにつれて、順次アドレス5からアドレスn+5に向けて、目標速度VからVn+5が目標速度演算部6cによって順次読み出され、その結果、キャリッジ3は、図5(A)に示す減速曲線Tを描くように減速制御される。
【0043】
ここで、減速開始位置Pから目標停止位置Pに至る距離を考慮すると、目標速度テーブルの参照範囲は、例えば図6に示す範囲Aで足りることとなるが、本実施形態においては、図6に示す様に目標速度テーブルは前記必要な範囲長よりも長いテーブル長を有している(この理由については後に説明する)。そして、基準位置番号としてのアドレス”5”が、PROM21或いはEEPROM23或いはDCU6の内部メモリに格納されていて、DCU6は、当該アドレス”5”を読み出すことにより、アドレス5を基準開始位置として、順次アドレスn+5まで目標速度Vを読み出す。
【0044】
次に、キャリッジ3の動的負荷が何らかの原因、例えば、キャリッジ3とキャリッジ軸32との間の摩擦抵抗の変化等により変化した場合には、キャリッジ3の停止位置は、図5(B)に示す様に目標停止位置Pの前後にずれる場合がある。位置Pは、キャリッジ3が目標停止位置Pの手前で停止した一例を示すものであり、位置Pは、キャリッジ3が目標停止位置Pをオーバーして停止した一例を示すものである。即ち、キャリッジ3の動的負荷が増加した場合には、キャリッジ3は目標停止位置Pの手前で失速して目標停止位置Pの手前で停止し、逆にキャリッジ3の動的負荷が減少した場合には、キャリッジ3は目標停止位置Pの手前で充分に減速できず、目標停止位置Pをオーバーしてしまうことになる。尚、符号T及びTで示す軌跡は、キャリッジ3が位置P、Pで停止する場合のキャリッジ3の実際に描く軌跡(目標速度Vと絶対位置Xの関係)である。
【0045】
キャリッジ3の動的負荷の変化は、キャリッジ3とキャリッジ軸32(図2参照)との関係において、温度変化や経年変化、摺動部の
摩耗、グリスの消耗等によって経時的に変化するものであると共に、部品精度、組み立て精度等によっても発生する。キャリッジ3の停止位置が位置Pに示す様に目標停止位置Pの手前になると、次の主走査の為の加速区間(目標停止位置Pから減速開始位置Pに至る距離)が短くなり、これによって充分な加速制御が行えず、定速度Vに達する前にインク吐出を開始し、もって印刷品質を低下させるといった不具合を招く。
【0046】
以下、この様な問題を解決する手段について説明する。CPU16は、一連の印刷動作終了時に、キャリッジ3の減速制御の結果、つまり、目標停止位置Pとキャリッジ3の停止位置とのずれ量及びずれ方向を表す値(以下これを「前回停止位置偏差d」と言う)を、「停止位置情報」としてDCU6に送信し、DCU6は、これを内部メモリに記憶する。尚、前回停止位置偏差dは、CPU16によってEEPROM23に書き込んでも良い。また、CPU16は、EEPROM23に記憶された前回停止位置偏差dに変化が無い場合には、DCU6へこれを送信しない様にしても良い。ここで、前回停止位置偏差dは、例えば図5(B)に示す目標停止位置Pと位置Pとの距離(リニア式エンコーダ11のステップ数)である。また、本実施形態では、目標停止位置Pの手前で停止した場合の前回停止位置偏差dを負の値とし、逆に目標停止位置Pをオーバーした場合の前回停止位置偏差dを正の値とする。
【0047】
ところで、DCU6は前回停止位置偏差dを受けた際、前回停止位置偏差dが閾値dmaを超えたか否かを判定し、超えない場合には、前回停止位置偏差dを更新し、超えた場合には、前回停止位置偏差dを更新しない様になっている(この理由については、後に説明する)。
【0048】
DCU6は、次の減速制御時において目標速度Vを図6に示す目標速度テーブルから読み出す際に、前回停止位置偏差dを用いることにより、目標速度テーブルにおける適切なアドレスから、所定長さだけ目標速度Vを読み出す。より詳しくは、DCU6は、次の減速制御時の目標速度テーブルからの読み出し開始アドレスを”d+5”とする。例えば、前回停止位置偏差dが”−2”(目標停止位置Pの手前2ステップ)である場合、読み出しアドレスnは”3”となり、この場合には、アドレス3の位置から目標速度Vが呼び出される。
【0049】
つまり、図6において読み出しアドレスnが基準開始位置としての”5”から読み出された場合には、目標速度Vの参照範囲は符号Aで示す範囲となり、従って前回停止位置偏差dが”0”であればそのままの参照範囲(範囲A)に維持され、前記停止位置偏差dが”0”でない場合には、目標速度テーブルの参照範囲は、図6に示す範囲Aの上下にシフトすることになる。尚、範囲Aは最も上にシフトした場合を示し、範囲Aは最も下にシフトした場合を示している。
【0050】
この様に目標速度テーブルの参照範囲がシフトすると、減速開始位置Pから目標停止位置Pに至るキャリッジ3の絶対位置Xに対応する目標速度Vが変化し、範囲Aに示す様に上方向にシフトした場合は、図7において符号T示す様に減速曲線は上方にシフトし、範囲Aに示す様に下方向にシフトした場合は、図7において符号Tで示す様に減速曲線は下方にシフトする。尚、図7において符号Tで示す減速曲線は、目標速度テーブルの参照範囲を範囲Aとした場合の減速曲線(基準となる減速曲線)である。
【0051】
この様に目標速度テーブルにおける目標速度Vの参照範囲をシフトさせることにより、減速曲線が変化し、キャリッジ3の絶対位置Xに対応する目標速度Vが変化するので、例えば図5(B)において位置Pで示す様にキャリッジ3が目標停止位置Pの手前で停止した場合には、減速曲線を図7に示す減速曲線Tの様に変更することにより、キャリッジ3の絶対位置Xに対応する目標速度Vが引き上げられ、これによってより正確にキャリッジ3を目標停止位置Pに停止させることができる様になる。
【0052】
従って、キャリッジ3の動的負荷が変化しても、キャリッジ3を目標停止位置Pに正確に停止させることができ、また、目標停止位置Pを本来の目標停止位置の前後に変更しないで、キャリッジ3を目標停止位置Pに停止させることができるので、上位の制御手段、例えば、プリンタ60に印刷データを送信するホスト・コンピュータ等におけるプリンタドライバによる制御を複雑化させるといったことも無い。
【0053】
尚、前回停止位置偏差dが閾値dmaxを超えた場合には、DCU6は、前回停止位置偏差dの更新を行わないが、これは次の様な理由による。即ち、前回停止位置偏差dが閾値dmaxを超えた場合には、何らかの異常(例えば、ユーザがキャリッジ3を強制的に動かした様な場合)が発生したと考えられ、この様な場合には、キャリッジ3の停止位置ずれはキャリッジ3の動的負荷の変化等によるものではなく、この様な場合に前回停止位置偏差dを更新し、もってキャリッジ3の目標速度Vを変更するのは不適切だからである。
【0054】
続いて、他の実施形態について説明する。目標速度Vは、図6を参照しつつ説明した目標速度テーブルに基づいて決定するのではなく、速度関数を用いて計算により求めることもできる。以下、これについて図8を参照しつつ説明する。ここで、図8は、速度関数f(X)により定まる減速直線を有している。
【0055】
速度関数f(X)は、DCU6の内部メモリ(図示せず)に予め記憶されていて、本実施形態では、該速度関数f(x)は、最終目標速度をVとすると、以下の様になっている。 V=f(X)={〔(V−V)−(d×C)〕/(P−P)}・X ここで、値Cは予め定められ且つDCU6の内部メモリに記憶された補正係数を示し、値dは、前述した前回停止位置偏差を示している。DCU6は、この様な速度関数f(X)に基づいて目標速度Vを算出する。
【0056】
具体的な例によって説明すると、例えば、減速開始速度V=100(step/msec)、最終目標速度V=10(step/msec)、目標停止位置P=10(step)、減速開始位置P=110(step)、補正係数C=0.95としたときに、前回停止位置偏差d=0の場合、つまり、図8に示す減速直線S(基準となる減速直線)を表す速度関数f(X)は、 V=f(X)=0.9・X となる。
【0057】
そしてこの速度関数f(X)を用いて制御を行った結果、例えばキャリッジ3が目標停止位置Pの手前5stepで停止した場合、速度関数f(X)は、 V=f(X)=0.95・X となる。 従ってこれによると、キャリッジ3の絶対位置Xに対応する目標速度Vは引き上げられ、図8において符号Sで示す様な減速直線となり、これにより、キャリッジ3は、より正確に目標停止位置Pに停止することができる様になる。
【0058】
つまり、速度関数f(X)は、前回停止位置偏差dを含んでいる為、これによって前回制御結果が次回の制御に反映されることとなり、これにより、キャリッジ3をより正確に目標停止位置Pに停止させることができる。
【0059】
尚、前述の例では、図8に示す変更後の減速直線Sの最終目標速度はV’となっている。従って、最終目標速度V’そのものを変更することにより、減速直線Sを減速直線Sの様に変更することもできる。例えば、減速直線Sを示す速度関数f(X)が、 V=f(X)={(V−V)/(P−P)}・X で与えられているとき、最終目標速度Vに、前回停止位置偏差dの値に対応して予め定められた補正値C’を乗ずることにより、最終目標速度V’の値そのものを変更して、減速直線Sを得ることも可能である。
【0060】
次に、更に他の実施形態について説明する。目標速度Vは、図6を参照しつつ説明した目標速度テーブルの参照範囲をシフトさせることによって変更する方法や、図8を参照しつつ説明した前回停止位置偏差dを用いた速度関数f(X)による変更方法の他に、前回停止位置偏差dの値に応じて予め複数の目標速度テーブルを用意し、これによってキャリッジ3の絶対位置Xに対応する目標速度Vを変更する様にしても良い。
【0061】
図9は予め用意された複数の目標速度テーブルを示し、図10はそれぞれの目標速度テーブルに対応する減速曲線を示すものである。図9に示す目標速度テーブルのテーブル長は、減速開始位置Pから目標停止位置Pに至るまでの距離に対応した長さ(アドレス0〜n)となっていて、これら複数の目標速度テーブルは、DCU6の内部メモリ(図示せず)に記憶されている。
【0062】
例えば、図10において符号Wで示す減速曲線を用いて制御を行った結果、キャリッジ3が目標停止位置Pの手前で停止した様な場合には、前回停止位置偏差dの値に対応して予め設定された目標速度テーブルに変更する。例えば、図9においてテーブル(0)からテーブル(2)に変更することにより、図10において符号Wで示す減速曲線となり、これによってキャリッジ3の絶対位置Xに対応した目標速度Vが引き上げられ、もってキャリッジ3をより正確に目標停止位置Pに停止させることができる。
【0063】
尚、図9では一例として3つの目標速度テーブルを示しているが、より多数の目標速度テーブルを用意してよりきめ細かな制御を行う様にすることもできる。
【0064】
ところで、前回停止位置偏差dは、前述した様に本実施形態においては、一連の印刷動作の一環として、印刷動作終了時に、CPU16からDCU6に送信され、DCU6は内部メモリに記憶された前回停止位置偏差dを更新する様になっているが、これを単独で行う様にしても良い。
【0065】
即ち、制御装置100が所定の条件を検出した際に、非印刷動作時にキャリッジ3を駆動制御し、キャリッジ3の減速制御を行い、もってキャリッジ3が目標停止位置Pに正確に停止したか、或いはどの程度前後にずれたかを測定するモード(以下これを「メジャーメントモード」と言う)を備えることにより、所定のタイミングで前回停止位置偏差dを更新する様にしても良い。この様にすることにより、例えば、前回印刷動作後から次回の印刷動作開始時までに相当の時間が経過している場合において、この間のキャリッジ3の駆動負荷の変化が発生していても、適切な前回停止位置偏差dを得ることによってキャリッジ3を正確に停止させることができる。
【0066】
所定の条件としては、例えば、プリンタ60の電源ON検出時があり、電源ON検出時に前記メジャーメントモードを実行することにより、長期間プリンタ60が使用されなかった場合の、キャリッジ3の駆動負荷の変化に適切に対応することができる。
【0067】
或いは、所定の条件としては、印刷データ受信時、つまり、毎回の印刷動作開始前に前記メジャーメントモードを実行することが考えられ、この様な場合には、印刷スループットは低下するものの、常に最新の前回停止位置偏差dを得ることができ、もってより正確にキャリッジ3を目標停止位置Pに停止させることができる。
【0068】
更に、所定の条件として、インクカートリッジ34の交換検出時に実行する
ことも考えられる。この様な場合には、キャリッジ3の駆動負荷が変化し易いインクカートリッジ交換作業後に前記メジャーメントモードを実行するので、後に実行する印刷動作においてはキャリッジ3の駆動負荷が変化した後における前回停止位置情報dが得られ、もってキャリッジ3をより正確に目標停止位置Pに停止させることができる。
【0069】
尚、本実施形態においては、駆動対象としてのキャリッジ3の減速制御について説明したが、本発明はモータの制御装置に関する発明であるので、図3に示したPFモータ1に適用することも可能であることは言うまでも無い。
【0070】
加えて、これまで述べた目標速度演算部6cにおける減速制御は、ハードウェア回路によって実現することもできるし、プログラムおよびプログラムを実行する処理装置(CPU等)によって実現することもできる。また、減速制御を記述したプログラムは、フロッピィ・ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、ハードディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して提供することもできる。
【0071】
以上説明した様に、本発明によれば、モータ制御装置は、駆動対象を減速制御した結果、当該駆動対象が停止した位置を停止位置情報として記憶する停止位置情報記憶手段と、前記停止位置情報に基づいて前記目標速度を設定する速度設定手段とを有している。そして、前記停止位置情報に基づいて、前記駆動対象の移動位置に対応する前記目標速度を変更する。前記駆動対象の移動位置に対応する前記目標停止位置を変更すると、前記駆動対象の停止位置が変化するので、従ってこれにより、前記駆動対象を、目標停止位置に正確に停止させることができるとともに、目標停止位置を変更する必要が無いので、上位の制御手段に影響を与えることが無い。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】インク・ジェット・プリンタの概略構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示すキャリッジおよびこのキャリッジを駆動制御するキャリッジ制御装置の部分を詳細に示す斜視図である。
【図3】プリンタの制御装置の構成を示すブロック図である。
【図4】DCUにおけるCRモータの駆動制御を行う部分を示すブロック図である。
【図5】(A)はキャリッジの減速区間における目標速度と絶対位置との間の関係を示すグラフであり、(B)は(A)の部分拡大図である。
【図6】目標速度テーブルを示す図である。
【図7】目標速度テーブルの参照範囲をシフトさせた場合の、キャリッジの目標速度と絶対位置との間の関係を示すグラフである。
【図8】目標速度を変更する他の実施形態を示す、キャリッジの減速区間における目標速度とキャリッジの絶対位置との間の関係を示すグラフである。
【図9】目標速度を変更する他の実施形態における、目標速度テーブルを示す図である。
【図10】目標速度を変更する他の実施形態を示す、キャリッジの減速区間における目標速度とキャリッジの絶対位置との間の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0073】
3 キャリッジ、4 CRモータ、5 CRモータ・ドライバ、6 DCU、11 リニア式エンコーダ、16 CPU、6a,6e 減算器、6c 目標速度演算部、6d 速度演算部、6i 加算器、50 印刷用紙、60 インク・ジェット・プリンタ、100 制御装置




 

 


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