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発明の名称 被記録物搬送トレイおよび液体噴射装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−1255(P2007−1255A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−186938(P2005−186938)
出願日 平成17年6月27日(2005.6.27)
代理人 【識別番号】100104156
【弁理士】
【氏名又は名称】龍華 明裕
発明者 斉藤 一夫
要約 課題
液体噴射装置においてディスクトレイ40を用いたときに生じる搬送速度の変動を抑制する。

解決手段
回転駆動される搬送駆動ローラ151と、被搬送物を搬送駆動ローラ151に押し付ける搬送従動ローラ152と、搬送駆動ローラ151および搬送従動ローラ152の近傍に配置されて搬送駆動ローラ151および搬送従動ローラ152から送り出される被搬送物の表面に液体を噴射する記録ヘッド168とを備えた液体噴射装置に、液体を噴射されるべき光記録媒体250を搭載しつつ装入されるディスクトレイ40であって、搬送されているときに搬送従動ローラ152に接触する表面部420と、被記録物の規格に定められた範囲で最も大きな厚さに等しい深さまで表面部420から陥没し、被記録物を収容する保持部410とを有する。
特許請求の範囲
【請求項1】
被搬送物の一方の面に接しつつ回転駆動される搬送駆動ローラと、
前記被搬送物の他方の面に接して前記被搬送物を前記搬送駆動ローラに押し付けつつ前記被搬送物の移動に伴って連れ回される搬送従動ローラと、
前記搬送駆動ローラおよび前記搬送従動ローラの近傍に配置されて前記搬送駆動ローラおよび前記搬送従動ローラから送り出される前記被搬送物の表面の少なくとも一部に対して液体を噴射する液体噴射ヘッドと
を備えた液体噴射装置に、前記液体を噴射されるべき被記録物を搭載しつつ前記被搬送物として装入される被記録物搬送トレイであって、
搬送されているときに前記搬送従動ローラに接触する表面部と、
前記被記録物の規格に定められた範囲で最も大きな厚さに等しい深さまで前記表面部から陥没し、前記被記録物を収容する保持部と
を有する前記被記録物搬送トレイ。
【請求項2】
被搬送物の一方の面に接しつつ回転駆動される搬送駆動ローラと、
前記被搬送物の他方の面に接して前記被搬送物を前記搬送駆動ローラに押し付けつつ前記被搬送物の移動に伴って連れ回される搬送従動ローラと、
前記搬送駆動ローラおよび前記搬送従動ローラの近傍に配置されて前記搬送駆動ローラおよび前記搬送従動ローラから送り出される前記被搬送物の表面の少なくとも一部に対して液体を噴射する液体噴射ヘッドと
を備えた液体噴射装置に、前記液体を噴射されるべき被記録物を搭載しつつ前記被搬送物として装入される被記録物搬送トレイであって、
搬送されているときに前記搬送駆動ローラに接触する表面部と、
前記表面部から陥没して前記被記録物を収容する保持部とを有し、
前記被記録物に対して液体が噴射されるときの搬送方向について、前記被記録物の前端側では前記保持部の底面に対する前記表面部の高さが前記被記録物の厚さよりも小さく、前記被記録物の後端側では前記保持部の底面に対する前記表面部の高さが前記被記録物の厚さよりも大きい被記録物搬送トレイ。
【請求項3】
前記表面部において、前記被記録物に対して液体が噴射されるときの搬送方向について前記搬送従動ローラを迎える傾斜を有する傾斜面を介して、前記被記録物の前端側の高さと同じ高さを有する領域と、前記被記録物の後端側の高さと同じ高さを有する領域とが連続している請求項2に記載の被記録物搬送トレイ。
【請求項4】
前記液体噴射装置に対して着脱できる請求項1に記載の被記録物搬送トレイ。
【請求項5】
前記被記録物が、円板状の光記録媒体である請求項1に記載の被記録物搬送トレイ。
【請求項6】
被搬送物の一方の面に接しつつ回転駆動される搬送駆動ローラと、
前記被搬送物の他方の面に接して前記被搬送物を前記搬送駆動ローラに押し付けつつ前記被搬送物の移動に伴って連れ回される搬送従動ローラと、
前記搬送駆動ローラおよび前記搬送従動ローラの近傍に配置されて前記搬送駆動ローラおよび前記搬送従動ローラから送り出される前記被搬送物の表面の少なくとも一部に対して液体を噴射する液体噴射ヘッドと
搬送されているときに前記搬送従動ローラに接触する表面部、および、被記録物の規格に定められた範囲で最も大きな厚さに等しい深さまで前記表面部から陥没して前記被記録物を収容する保持部を有し、前記液体を噴射されるべき前記被記録物を搭載しつつ前記被搬送物として装入される被記録物搬送トレイと
を備える液体噴射装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、被記録物搬送トレイとそれを備えた液体噴射装置に関する。より詳細には、通常の被記録物とは異なる形状を有する異形被記録物を液体噴射装置に装入して記録できるようにする被記録物搬送トレイと、それを備えた液体噴射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液体噴射装置は、回転駆動される搬送駆動ローラと、軸支されて搬送駆動ローラに連れ回される搬送従動ローラとを含む搬送部を備えている。搬送部では、搬送従動ローラが被記録物を搬送駆動ローラに押し付けることにより、搬送駆動ローラの回転に従って被記録物が搬送される。その搬送方向について搬送部の近傍には液体噴射ヘッドが配置され、搬送部により送り込まれた被記録物に対して液体を噴射する記録動作が行われる。
【0003】
一方、液体噴射装置は、代表的な被記録物である矩形の記録用紙とは異なる形状を有するものを被記録物とする場合がある。具体的には、円形の基板を有する光記録媒体等が挙げられる。このような異形被記録物の寸法あるいは形状が上記の搬送部における取り扱いに適さない場合、異形被記録物を被記録物搬送トレイに搭載して液体噴射装置に装入する。
【0004】
被記録物搬送トレイは、記録用紙に概ね等しい略矩形の形状を有し、その表面の一部を陥没させて形成された保持部に異形被記録物を収容できる。異形被記録物を搭載した被記録物搬送トレイは、矩形の記録用紙の搬送に適合させて形成された搬送部でも取り扱うことができるので、液体を噴射する領域を異形被記録物の収容された保持部に限定することにより、異形被記録物への記録動作ができるようになる。
【0005】
下記特許文献1には、記録媒体を搬送させるための記録媒体搬送用トレイ自体の構造が開示されている。この文献によると、トレイに複数の長溝を形成することにより、材料を節約でき、軽量化できると同時に、記録媒体搬送用トレイに生じる反り等を防止できる。
【0006】
また、下記特許文献2にも、被記録材をトレイに搭載して記録装置に装入する技術が記載されている。この文献によると、トレイ上に被検出手段を設けることにより、トレイの搬送を精密且つ迅速に制御できる。
【0007】
更に、下記特許文献3にも、ディスクトレイに搭載して搬送させることにより、記録装置でディスク媒体に記録する技術が開示されている。この文献によると、ディスクを搭載するためにディスクトレイ上に形成された載置部に適切な摩擦係数を付与することにより、ディスクトレイ自体に対するディスク媒体の位置決めを確実にできる。
【特許文献1】特開2003−212357号公報
【特許文献2】特開2004−042372号公報
【特許文献3】特開2004−122610号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記文献に記載されているように、液体噴射装置は、被記録物搬送トレイに搭載して装入することにより、異形被記録物を記録動作の対象とすることができる。しかしながら、記録用紙等の被記録物では表面がその全長および全幅にわたって平滑であるのに対して、異形の被記録物を搭載した被記録物搬送トレイの表面に段差が生じる場合がある。
【0009】
この段差は、異形被記録物の厚さに製造公差があるために保持部の周囲で生じるもので、保持部の深さが一定である以上、完全に解消することはできない。また、この段差のために被記録物搬送トレイの記録動作中の搬送速度が変動し、結果的に記録画像の品質が劣化することが判った。そこで、被記録物搬送トレイを使用した異形被記録物に対する記録動作においても、一般の被記録物の場合と同様な記録品質を維持できる技術が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態として、被搬送物の一方の面に接しつつ回転駆動される搬送駆動ローラと、被搬送物の他方の面に接して被搬送物を搬送駆動ローラに押し付けつつ被搬送物の移動に伴って連れ回される搬送従動ローラと、搬送駆動ローラおよび搬送従動ローラの近傍に配置されて搬送駆動ローラおよび搬送従動ローラから送り出される被搬送物の表面の少なくとも一部に対して液体を噴射する液体噴射ヘッドとを備えた液体噴射装置に、液体を噴射されるべき被記録物を搭載しつつ被搬送物として装入される被記録物搬送トレイであって、搬送されているときに搬送従動ローラに接触する表面部と、被記録物の規格に定められた範囲で最も大きな厚さに等しい深さまで表面部から陥没し、被記録物を収容する保持部とを有する被記録物搬送トレイが提供される。これにより、被記録物搬送トレイに搬送された異形被記録物が記録ヘッド下を通過して記録動作が行われている期間については、被搬送物に対する搬送従動ローラの変位は低い被記録物の表面から高い表面部へと上昇する移動になる。従って、後述するように、搬送駆動ローラを回転駆動するギアの遊びおよび構成部品の変形に起因する回転量の変動は生じにくくなり、被記録物搬送トレイの搬送速度は安定する。被記録物の搬送量を安定させることにより、高品質な記録動作ができる。
【0011】
また、本発明の第2の形態として、被搬送物の一方の面に接しつつ回転駆動される搬送駆動ローラと、被搬送物の他方の面に接して被搬送物を搬送駆動ローラに押し付けつつ被搬送物の移動に伴って連れ回される搬送従動ローラと、搬送駆動ローラおよび搬送従動ローラの近傍に配置されて搬送駆動ローラおよび搬送従動ローラから送り出される被搬送物の表面の少なくとも一部に対して液体を噴射する液体噴射ヘッドとを備えた液体噴射装置に、液体を噴射されるべき被記録物を搭載しつつ被搬送物として装入される被記録物搬送トレイであって、搬送されているときに搬送駆動ローラに接触する表面部と、表面部から陥没して被記録物を収容する保持部とを有し、被記録物に対して液体が噴射されるときの搬送方向について、被記録物の前端側では保持部の底面に対する表面部の高さが被記録物の厚さよりも小さく、被記録物の後端側では保持部の底面に対する表面部の高さが被記録物の厚さよりも大きい被記録物搬送トレイが提供される。これにより、搬送方向について被記録物の前端側でも後端側でも、被搬送物に対する搬送従動ローラの変位は低い被記録物の表面から高い表面部へと上昇する移動になる。従って、後述するように、搬送駆動ローラを回転駆動するギアの遊びおよび構成部品の変形に起因する回転量の変動は生じにくくなり、被記録物搬送トレイの搬送速度は安定する。被記録物の搬送量を安定させることにより、高品質な記録動作ができる。また、後述ように、搬送方向について側方で生じる搬送従動ローラの肩当たりに起因する被記録物の損傷を低減させることもできる。
【0012】
更に、ひとつの実施形態として、上記被記録物搬送トレイにおいて、表面部において、被記録物に対して液体が噴射されるときの搬送方向について搬送従動ローラを迎える傾斜を有する傾斜面を介して、被記録物の前端側の高さと同じ高さを有する領域と、被記録物の後端側の高さと同じ高さを有する領域とが連続している。これにより、搬送従動ローラの高さが変位するときに生じる搬送駆動ローラに対する駆動負荷の変動が緩和されるので、被記録物搬送トレイの搬送速度を安定させやすくなる。
【0013】
また、他の実施形態として、上記被記録物搬送トレイは、液体噴射装置に対して着脱できる。これにより、液体噴射装置の装置規模を拡大することなく、異形の被記録物に対する記録動作が可能になる。また、液体噴射装置の構造を変更することなく、被記録物搬送トレイを交換するだけで上記の効果を享受できる。
【0014】
また、他の実施形態として、上記被記録物搬送トレイが収容して搬送する被記録物は円板状の光記録媒体である。これにより、多くの記録用紙に比較すると曲げ剛性が著しく高い樹脂基板で形成され、形状が円形で、寸法も記録用紙とは大きく異なる光記録媒体のレーベル面に直接に記録動作を行うことができるようになる。
【0015】
更に、本発明の第3の形態として、被搬送物の一方の面に接しつつ回転駆動される搬送駆動ローラと、被搬送物の他方の面に接して被搬送物を搬送駆動ローラに押し付けつつ被搬送物の移動に伴って連れ回される搬送従動ローラと、搬送駆動ローラおよび搬送従動ローラの近傍に配置されて搬送駆動ローラおよび搬送従動ローラから送り出される被搬送物の表面の少なくとも一部に対して液体を噴射する液体噴射ヘッドと搬送されているときに搬送従動ローラに接触する表面部、および、被記録物の規格に定められた範囲で最も大きな厚さに等しい深さまで表面部から陥没して被記録物を収容する保持部を有し、液体を噴射されるべき被記録物を搭載しつつ被搬送物として装入される被記録物搬送トレイとを備える液体噴射装置が提供される。これにより、記録装置においても、被記録物搬送トレイに搬送された異形被記録物が記録ヘッド下を通過して記録動作が行われている期間については、被搬送物に対する搬送従動ローラの変位は低い被記録物の表面から高い表面部へと上昇する移動になる。従って、後述するように、搬送駆動ローラを回転駆動するギアの遊びおよび構成部品の変形に起因する回転量の変動は生じにくくなり、被記録物搬送トレイの搬送速度は安定する。被記録物の搬送量を安定させることにより、高品質な記録動作ができる。
【0016】
上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションも発明となり得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0018】
図1は、被記録物搬送トレイとして、CD等の光記録媒体を搬送するディスクトレイ20を用いた記録動作に対応したインクジェット式記録装置の内部機構10を示す斜視図である。同図に示すように、この内部機構10は、鉛直に起立したフレーム110の前後に形成されている。
【0019】
フレーム110の後方には、記録用紙130等の通常の被記録物を蓄積するペーパサポート120が装着されている。また、ペーパサポート120の下端近傍にはフレーム110に隠れた給送部が形成されている。記録用紙130への記録動作が行われる場合は、ペーパサポート120に装荷された記録用紙130が給送部により1枚ずつ内部機構10に取り込まれ、次に説明する搬送部に送り出される。
【0020】
フレーム110の略直下には、支持部材154に支持された搬送従動ローラ152が配置されている。これらの搬送従動ローラ152は後述する付勢部材により下方に向かって付勢されており、直下に配置された搬送駆動ローラ151に押し付けられている。これら搬送駆動ローラ151および搬送従動ローラ152により搬送部が形成される。この搬送部の手前には、プラテン170が配置されている。
【0021】
なお、この実施形態では、各支持部材154は、搬送従動ローラ152を2個ずつ支持している。また、搬送駆動ローラ151は、図示されていないモータにより回転駆動されている。
【0022】
前記した給送部から供給された記録用紙130は、この搬送部によってプラテン170上に送り出される。プラテン170上を通過した記録用紙130は、更にその手前に配置された排出部180に送りこまれる。後述するように、排出部180にも排出駆動ローラおよび排出従動ローラが設けられており、これらに挟まれた記録用紙130は、図中に矢印で示す搬送方向Fに送られ、やがて排出トレイ190上に送り出される。
【0023】
前記プラテン170に対して図中の右側には、キャリッジ160が配置されている。キャリッジ160の上面にはカバー166が設けられており、これを開くことにより、キャリッジ160にインクカートリッジを収容できる。一方、キャリッジ160の下面には記録ヘッド168が装着されており、インクカートリッジから供給されるインクを下方に向かって吐出することができる。
【0024】
また、キャリッジ160は、その後方に配置されたガイド軸162に沿ってプラテン170上を往復移動する。従って、前記した記録用紙130の搬送と、このキャリッジ160の往復移動とを組み合わせることにより、記録用紙130上のすべての領域に対してインクを吐出させることができる。更に、このインクジェット式記録装置は、ディスクトレイ20を用いることにより、円板状の光記録媒体250に対しても記録動作を行うことができるが、この動作については後述する。
【0025】
図2は、図1に示した内部機構10に前方から装入されているディスクトレイ20を単独で示す図である。同図に示すように、このディスクトレイ20は、全体として略矩形の板状の部材であり、樹脂材料により一体に形成されている。また、その中央部付近が円形に陥没して形成された保持部210を備えている。即ち、この保持部210は、光記録媒体250と略相補的な形状を有し、光記録媒体250を収容できる。
【0026】
なお、保持部210の中央には、光記録媒体250のスピンドル穴と嵌合して位置決めするための複数のラッチ212を有する。また、保持部210の周上には、保持部210に対して着脱するときにユーザの指が光記録媒体250にかかりやすくするための1対の穴である指避け部220が形成されている。更に、保持部210の内側には、小径の光記録媒体の着脱のときに利用するもう一組の指避け部222が形成されている。
【0027】
また、このディスクトレイ20を使用するときは、内部機構10に対して図上の後端(上端)から装入方向Cに沿ってインクジェット式記録装置に装入する。このときディスクトレイ20の端部が内部機構10の意図しない場所に当たることがあるので、ディスクトレイ20の装入方向C側の端部にはバンパ230が形成されている。
【0028】
更に、材料の節約と強度および剛性の維持とを両立させるために、ディスクトレイ20の保持部210以外の領域には、肉抜きのために複数の長溝240が形成されている。しかしながら、これらの長溝240は、搬送従動ローラ152が肉抜きに落ち込まないように配置されている。換言すれば、長溝240の存在にもかかわらず、搬送従動ローラ152に対しては平坦な表面が形成されていることになる。
【0029】
図3は、図1に示した内部機構10に装入されたときのディスクトレイ20の搬送経路30を示す断面図である。なお、同図において、他の図と共通の構成要素には同じ参照番号を付して重複する説明を省略する。
【0030】
同図に示すように、フレーム110の後方側には、ペーパサポート120および給送部140が配置されている。ペーパサポート120の下端には前後に変位するホッパー122が設けられ、ペーパサポート120に装荷されている記録用紙130を前へ押し出す。押し出された記録用紙130は、ペーパサポート120の直前に配置された給送駆動ローラ141および給送従動ローラ142に挟まれて、次の搬送部150へと送り出される。
【0031】
搬送部150では、記録用紙130は、搬送駆動ローラ151および搬送従動ローラ152に挟まれてプラテン170の支持面172上に送り出される。更に、記録用紙130は、プラテン170の図上右方に配置された排出部180において、排出駆動ローラ181および排出従動ローラ182に挟まれて、排出トレイ190上に向かって搬送方向Fに送られる。
【0032】
一方、プラテン170の上方には、キャリッジ160が配置されており、その下面に装着された記録ヘッド168からプラテン170上の記録用紙130に対する記録動作が実効される。なお、この図では、ガイド軸162が、キャリッジ160後方に形成された軸受け部164に挿通されていることがわかる。
【0033】
また、キャリッジ160の後面上端には、フレーム110上端の折り返し部112の後側まで回り込んだ延在部165が形成されていることが判る。これら、ガイド軸162および折り返し部112の2点で支持されることにより、キャリッジ160は、フレーム110に平行に往復移動ができると同時に、搬送方向については、位置および角度が一定に保たれている。また、記録用紙130の搬送については、この他にも、複数の案内ローラ158、188が関与するが、いずれもディスクトレイ20の搬送には関与しないので、説明は省略する。
【0034】
上記のような搬送経路30に対して、ディスクトレイ20は、内部機構10の前側から、装入方向Cに沿って装入される。ここで、内部機構10の排出部180では、排出従動ローラ182は、その支持部材184ごと上昇している。このため、排出従動ローラ182および案内ローラ188は、ディスクトレイ20およびそれに装荷された光記録媒体には全く接触せず、ディスクトレイ20の搬送または排出にも全く関与しない。なお、ディスクトレイ20の搬送経路30に対して上方に配置された給送部140も、ディスクトレイ20の搬送には関与しない。
【0035】
これに対して、搬送従動ローラ152の支持部材154は枢支部156において転動できる。また、付勢部材155により下方に向かって付勢されている。このため、ディスクトレイ20を装入した状態でも、搬送従動ローラ152はその上面に当接している。また、ディスクトレイ20は、搬送駆動ローラ151によって搬送従動ローラ152に押し付けられ、搬送駆動ローラ151の回転に連れ従って搬送される。さらに、ディスクトレイ20が搬送方向Fに搬送されているときに、記録ヘッド168が上方からインクを吐出することにより、ディスクトレイ20に搬送された光記録媒体250にインクを付着させる記録動作を実行できる。
【0036】
上記のように、搬送経路30において、ディスクトレイ20は搬送部150によって搬送される。従って、ディスクトレイ20を装入する場合は、ディスクトレイ20の端部が搬送部150に到達するまで深く差し込む。また、装入されたディスクトレイ20は、装荷された光記録媒体250が記録ヘッド168の下方を通り過ぎるまで、装入方向Cと同じ方向にいわば後退させられる。その後、光記録媒体250に対する記録動作を行いながら搬送方向Fに前進して再び前方の排出トレイ190上に排出される。なお、排出されたディスクトレイ20は、使用しないときはインクジェット記録装置から取り外すことができる。
【0037】
図4は、上記のような記録動作に供されるディスクトレイ40の機能上の形状を説明するための模式的な平面図である。また、図5は、図4に示したディスクトレイ40の側面形状を模式的に示す断面図である。なお、インクジェット式記録装置の内部機構10に対するディスクトレイ40の位置関係を明瞭にするために、図4には搬送従動ローラ152を、図5には搬送駆動ローラ151、搬送従動ローラ152、プラテン170および記録ヘッド168を、それぞれ併せて示した。
【0038】
これらの図に示すように、搬送方向Fに搬送されるとき、搬送従動ローラ152は、ディスクトレイ40の上面に接している。また、ディスクトレイ40の上面において、光記録媒体250を収容する保持部410以外の領域である表面部420には、一対の水平な領域である表面部後側領域422および表面部前側領域424と、それらを結合する傾斜領域426が形成されている。なお、図中の矢印は、このディスクトレイ40に装荷された光記録媒体250に対する記録動作を行っているときの、ディスクトレイ40の搬送方向Fを示す。
【0039】
ここで、搬送方向Fについて後方側に位置する表面部後側領域422は、図5示す通り、保持部410に収容された光記録媒体250の表面よりも高い位置にある。従って、表面部後側領域422および保持部410の境界では、表面部前側領域424および光記録媒体250表面の間に段差が形成されている。
【0040】
一方、搬送方向Fについて前方側に位置する表面部前側領域424は、保持部410に収容された光記録媒体250の表面よりも低い位置にある。従って、表面部前側領域424および保持部410との境界においても、表面部前側領域424および光記録媒体250表面の間に段差が形成される。
【0041】
なお、図4において、表面部後側領域422の下端が複雑な形状をしているのは、以下のような理由による。まず、光記録媒体250が円形である一方、各搬送従動ローラ152に対する付勢は、それぞれの搬送従動ローラ152の幅方向中央において被搬送物に強く作用する。そこで、搬送従動ローラ152の中央が保持部410境界の段差を通過する位置において、前記した表面部後側領域422側が高くなる段差が形成されるようにした。また、搬送従動ローラ152のそれぞれが段差を乗り越える位置において、搬送従動ローラ152と段差が極力平行になるような形状に境界を形成した。
【0042】
図6は、搬送駆動ローラ151および搬送従動ローラ152がなすローラ対60の間をディスクトレイ40上に形成された段差が通過することにより生じる現象について説明する模式図である。なお、図6では、搬送方向Fについてディスクトレイ40の後方側において表面部後側領域422および光記録媒体250表面の間に形成された段差について示している。
【0043】
図6に示すように、下方に向かって付勢された搬送従動ローラ152は、被搬送物であるディスクトレイ40および光記録媒体250を搬送駆動ローラ151に向かって鉛直に押し下げている。従って、付勢部材155によって搬送従動ローラ152に印加される力Fは搬送駆動ローラ151の中心Qに向かい、両者の間に挟まれた被搬送物に対して垂直に作用する。
【0044】
一方、図中に示すように、被搬送物に形成された段差部が搬送従動ローラ152に後方から当接したき、搬送従動ローラ152から段差部に作用する力Fは、水平方向の成分Fを含む。ただし、搬送方向Fとは逆に作用する成分Fが生じても、搬送駆動ローラ151に十分な駆動力があれば被搬送物の搬送速度に影響はない。
【0045】
図7は、図6と同様に、ローラ対60の間をディスクトレイ70上に形成された段差が通過することにより生じる現象について説明する模式図である。ただし、ここでは、記録動作時の搬送方向Fについて後部に位置するディスクトレイ70の表面部後側領域722が、光記録媒体250表面よりも低い場合を仮定している。
【0046】
図中に示すように、段差部において、搬送従動ローラ152は、光記録媒体250表面から表面部後側領域722へと降下する。このとき、段差部に当接する搬送従動ローラ152から段差部に作用する力Fは、搬送方向Fと同じ方向の水平成分Fを含む。
【0047】
搬送駆動ローラ151の駆動機構は一般にギアを組み合わせて形成されており、このため、駆動機構にはバックラッシュ、軸に対するガタなどの不可避な遊びがある。ディスクトレイに力F5が作用すると、搬送駆動ローラ151にも同じ方向の力Fが作用し、搬送駆動ローラ151およびその駆動機構の駆動力の如何にかかわらず、搬送駆動ローラ151はギアの遊びに相当する回転量まで搬送方向に回ってしまう。このため、被搬送物はそれに応じた量だけ搬送方向Fに進んでしまい、搬送方向についての記録精度が劣化する。
【0048】
上記のように、搬送方向Fに移動するディスクトレイ70に対して搬送従動ローラ152が段差を下る場合は、光記録媒体250に対する記録精度が劣化する。従って、図5に示したように、記録動作時の搬送方向Fについて、搬送従動ローラ152が常に段差を登るように表面部420の形状を形成することにより、ディスクトレイ40および光記録媒体250表面の段差に起因する搬送速度の変動を防止することができる。そこで、搬送方向Fについて光記録媒体250の後側においては、保持部410の底面から表面部後側領域422までの高さを、光記録媒体250の厚さに等しいか、より高くする。換言すれば、保持部410の深さを、光記録媒体250の規格に定められた範囲で最も大きな厚さに等しくなるように設定することで、上記の条件が満たされる。
【0049】
例えば、このインクジェット式記録装置で取り扱われる光記録媒体250が、DVD−RおよびCD−Rである場合、これらの媒体は、日本工業規格においてその厚さが公差も含めて規定されている。即ち、DVD−R(JIS X6245)の場合は、規格上の厚さ1.2mmに対して0.3mmの増加と0.06mmの減少までは許容されている。また、CD−R(JIS X8605)の場合は、規格上の厚さ1.2mmに対して0.3mmの増加と0.1mmの減少が許容されている。従って、図4に示したディスクトレイ40において、保持部410の底部に対する表面部後側領域422の高さを1.23mmとすることにより、表面部420側は、光記録媒体250表面と同じ高さになるか、より高くなる。従って、搬送速度に影響が生じる「搬送方向Fについて搬送従動ローラ152が降下する段差」が生じることがなくなる。
【0050】
なお、ディスクトレイ40の表面部420において、傾斜領域426の傾きは、表面部前側領域424および表面部後側領域422に対して直角でもよい。しかしながら、傾斜をもたせることにより、段差部において生じる駆動力の変動を緩和できる。
【0051】
また、図8に示すように、ディスクトレイ80の表面部全体に一定の傾斜を形成してもよい。ただし、この場合も、記録動作時の搬送方向Fについて、ディスクトレイ80後側の表面部後側領域822が光記録媒体250表面よりも高く、ディスクトレイ80前側の表面部前側領域824が光記録媒体250表面よりも高くなるような傾斜が選択されるべきである。
【0052】
ところで、表面部前側領域424、824と光記録媒体250との境界においては、搬送量の変動は生じても差し支えない。その理由は、この前側境界が搬送駆動ローラ151および搬送従動ローラ152の間を通過するときは、記録ヘッド168による記録動作はまだ開始されていないからである。しかしながら、以下に図9および図10を参照して説明する通り、搬送量の変動以外の要因については、ディスクトレイ20の側方表面部260が光記録媒体250の表面よりもむしろ低いことが望ましい。
【0053】
図9は、図4に示したディスクトレイ40上において、搬送方向Fについて光記録媒体250の側方で搬送従動ローラ152が生じる現象について説明する図である。ここに示すディスクトレイ20では、保持部210に搭載された光記録媒体250の表面に対してディスクトレイ20の側方表面部260の方が低い。これらの被搬送物に対して、ひとつの支持部材154に支持された一対の搬送従動ローラ152が、付勢部材155により押圧方向Pに押し下げられながら上方から当接した場合、支持部材154等の可撓性により、搬送従動ローラ152は傾いてしまう。しかしながら、図9に示した場合では、側方表面部260の方が低いので、光記録媒体250と搬送従動ローラ152の接触面積が減少することの他に問題は生じない。
【0054】
図10は、図4に示したディスクトレイ40上において、搬送方向Fについて光記録媒体250の側方で搬送従動ローラ152が生じる他の現象について説明する図である。ここに示すディスクトレイ20では、保持部210に搭載された光記録媒体250の表面に対してディスクトレイ20の側方表面部260の方が高い。これらの被搬送物に対して下方に向かう押圧方向Pに付勢された搬送従動ローラ152が上方から当接した場合、搬送従動ローラ152の傾きは、図9に示した場合と反対に、光記録媒体250上で低くなる。
【0055】
搬送従動ローラ152がこのように傾いた場合、搬送従動ローラ152の鋭利な肩部が光記録媒体250の表面に当接するので、光記録媒体250が損傷を受ける場合がある。従って、他の事情が許す限り、光記録媒体250の側方については、ディスクトレイ20の側方表面部260は、光記録媒体250の表面よりも低いことが好ましい。
【0056】
以上詳細に説明したように、この発明に係るディスクトレイ20は、その表面部420の被記録物表面に対する高さが適切に形成されているので、ディスクトレイ20上の段差が搬送従動ローラ152下を通過しても搬送速度が変化しない。従って、ディスクトレイ20を用いた場合でも、高い精度で記録動作を実行できる。また、上記の作用はディスクトレイ20の形状により実現されるので、ディスクトレイ20を単体で供給することにより、既存の液体噴射装置においてもその効果を享受することができる。
【0057】
なお、インクジェット式記録装置を例に挙げて説明したが、液体噴射装置としては、液体噴射ヘッドとして材噴射ヘッドを備えた液晶ディスプレイのカラーフィルタ製造装置、液体噴射ヘッドとして電極材(電導ペースト)噴射ヘッドを備えた有機ELディスプレイ、FED(面発光ディスプレイ)等の電極形成装置、液体噴射ヘッドとして生体有機物噴射ヘッドおよび精密ピペットを備えたバイオチップ製造装置等を例示できる。また、被記録物とは、液体噴射ヘッドから噴射された液体を付着され得るものを一般に指し、記録用紙の他に、回路基板、円板形光記録媒体、プレパラート等も含まれる。
【0058】
更に、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加え得ることは当業者に明らかである。また、その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることは、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】インクジェット式記録装置の内部機構10を示す斜視図。
【図2】ディスクトレイ20を単独で示す平面図。
【図3】内部機構10におけるディスクトレイ20の搬送経路30を示す断面図。
【図4】ディスクトレイ40の機能上の形状を模式的に示す図。
【図5】ディスクトレイ40の側面形状を示す模式図。
【図6】表面部後側領域422および光記録媒体250表面の段差が搬送ローラ対60の間を通過するときに生じる現象を説明する概念図。
【図7】表面部後側領域722および光記録媒体250表面の段差が搬送ローラ対60の間を通過するときに生じる他の現象を説明する概念図。
【図8】ディスクトレイ80の他の実施形態を示す模式図。
【図9】保持部210側方に形成される側方段差90で搬送従動ローラ152に生じる現象を説明する概念図。
【図10】同じ側方段差90で搬送従動ローラ152に生じる他の現象を説明する概念図。
【符号の説明】
【0060】
10 内部機構、20、40、70、80 ディスクトレイ、30 搬送経路、60 ローラ対、90 側方段差、110 フレーム、112 折り返し部、120 ペーパサポート、122 ホッパー、130 記録用紙、140 給送部、141 給送駆動ローラ、142 給送従動ローラ、150 搬送部、151 搬送駆動ローラ、152 搬送従動ローラ、154、184 支持部材、155 付勢部材、156 枢支部、158、188 案内ローラ、160 キャリッジ、162 ガイド軸、164 軸受け部、165 延在部、166 カバー、168 記録ヘッド、170 プラテン、172 支持面、180 排出部、181 排出駆動ローラ、182 排出従動ローラ、190 排出トレイ、210、410、710 保持部、220、222 指避け部、230 バンパ、240 長溝、250 光記録媒体、260 側方表面部、420 表面部、422、722、822 表面部後側領域、424、824 表面部前側領域、426 傾斜領域




 

 


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