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発明の名称 液体噴射装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−1109(P2007−1109A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−182972(P2005−182972)
出願日 平成17年6月23日(2005.6.23)
代理人 【識別番号】100095728
【弁理士】
【氏名又は名称】上柳 雅誉
発明者 赤羽 富士男
要約 課題
ノズル数を増やしながら噴射ヘッドの小型化を実現して高速印刷を可能とした液体噴射装置を提供する。

解決手段
インクを噴射するノズル開口15が形成されたノズルプレート10と、上記ノズル開口15からインクを噴射するための圧力発生室19とを含む流路ユニット26と、上記圧力発生室19に圧力振動を付与する圧電振動子14を含む駆動ユニット34と、上記駆動ユニット34が収容されるとともに、上記流路ユニット26が固着されるヘッドケース16とを備えており、上記流路ユニット26を複数備えるとともに、上記各流路ユニット26に対応するよう複数の駆動ユニット34を備え、上記複数の駆動ユニット34が共通のヘッドケース16に収容されるとともに、上記各駆動ユニット34に対応するよう上記共通のヘッドケース16に複数の流路ユニット26が固着されて構成した。
特許請求の範囲
【請求項1】
液体を噴射するノズルが形成されたノズルプレートと、上記ノズルから液体を噴射するための圧力発生室とを含む流路ユニットと、
上記圧力発生室に圧力振動を付与する圧電振動子を含む駆動ユニットと、
上記駆動ユニットが収容されるとともに、上記流路ユニットが固着されるヘッドケースとを備えており、
上記流路ユニットを複数備えるとともに、上記各流路ユニットに対応するよう複数の駆動ユニットを備え、
上記複数の駆動ユニットが共通のヘッドケースに収容されるとともに、上記各駆動ユニットに対応するよう上記共通のヘッドケースに複数の流路ユニットが固着されて構成されていることを特徴とする液体噴射装置。
【請求項2】
同じ種類の液体を噴射するノズルがノズル列方向において所定ピッチで配列されるよう、上記駆動ユニットおよび流路ユニットが千鳥状に配置されている請求項1記載の液体噴射装置。
【請求項3】
上記複数の駆動ユニットに対して共通のヘッド基板を備えている請求項1または2記載の液体噴射装置。
【請求項4】
上記複数の流路ユニットに対して共通の液体導入部材を備えている請求項1〜3のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
【請求項5】
上記流路ユニットは、流路ユニットに形成された第1位置決め穴と、ヘッドケースに形成された第2位置決め穴との双方に、位置決めピンを挿通させることにより位置決めされている請求項1〜4のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体カートリッジ等から供給された液体を液滴として噴射する液体噴射装置に係るものであり、詳しくは噴射ヘッドのノズル数を増やしながら小型化を実現して高速印刷を可能とした液体噴射装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、液体噴射装置の1つとして、インクジェット記録装置が広く知られている。このようなインクジェット記録装置は、記録媒体に直接印刷が可能な上、ヘッドの小型化が容易であり、さらに、インクの色を変えることでカラー印刷も容易に行うことが出来るという利点を有する。
【0003】
図8は、上記のような記録装置に用いられるインク噴射ヘッドの代表的な一例である。この噴射ヘッドは、圧力発生手段としての圧電振動子74が収容されるヘッドケース76と、このヘッドケース76のユニット固着面に接着剤等で固着される流路ユニット86とを備えている。
【0004】
上記流路ユニット86は、圧力発生室79を含む流路空間が形成された流路形成基板71と、上記流路形成基板71の一面に積層されて圧力発生室79内のインクを噴射するノズル開口75が形成されたノズルプレート70と、上記流路形成基板71の他面に積層されて圧力発生室79を含む流路空間を封止する振動板(封止板)72とが積層されて構成されている。
【0005】
上記ノズルプレート70は、ノズル開口75が複数列設されてノズル列85が形成され、この例では2列のノズル列85が形成されてそれぞれ異なる種類のインクを噴射するようになっている。このノズルプレート70は、ステンレス板から形成されている。上記流路形成基板71は、上記各ノズル開口75に連通する圧力発生室79が列設されている。上記振動板72は、ポリフェニレンサルファイドフィルムにステンレス板がラミネートされ、上記ステンレス板の必要な部分がエッチング除去されて島部(図示せず)が形成されている。
【0006】
そして、上記流路形成基板71の一面にノズルプレート70が積層され、他面に振動板72が島部を外側に配置するように積層されて流路ユニット86が構成されている。
【0007】
一方、上記ヘッドケース76は、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂が射出成形されてなり、ノズル列85に沿って伸びるとともに上下に貫通する収容空間81が形成されるとともに、ユニット固着面には、各圧力発生室79に連通して各圧力発生室79に対して供給するインクを貯留する共通のインク貯留室77が形成されている。また、上記インク貯留室77に対してフィルタユニット88から導入されるインクを供給するインク供給路78が形成されている。
【0008】
また、固定板80の先端側に棒状の圧電振動子74が列設されるとともに、各圧電振動子74に噴射信号を入力するためのフレキシブルケーブル82が接続されて振動子ユニット91が構成されている。上記圧電振動子74は、縦振動モードの圧電振動子74である。
【0009】
上記振動子ユニット91は、ユニット固着面に各圧電振動子74の先端を露出させた状態で、上記ヘッドケース76の収容空間81に収容され、上記ヘッドケース76のユニット固着面に、流路ユニット86の振動板72側が接着剤で接合される。この状態で、圧電振動子74の先端面が振動板72の島部に固着されるとともに、固定板20がヘッドケース76に接着固定される。
【0010】
そして、上記ヘッドケース76のユニット固着面と反対側にヘッド基板87が配置され、さらにフィルタユニット88が取り付けられることにより、噴射ヘッド100が構成されている。
【0011】
上記フィルタユニット88は、図示しないインクカートリッジ等からインクの供給を受ける中空のインク導入針90が立設され、上記インク導入針90の根元部にインクをろ過するフィルタ89が設けられている。図において、94はフィルタユニット88のインク供給口95とヘッドケース76のインク供給路78との間の液密を保持するようシールするシール部材94である。
【0012】
上記フィルタユニット88の両側部には、噴射ヘッド100を図示しないキャリッジ等に取り付けるための取り付け穴93bが穿設されたフランジ部92bが形成されている。同様に、ヘッドケース76の両側部にも、取り付け穴93aが穿設されたフランジ部92aが形成されている。これらは組み付け状態で重なって一体的な取り付け穴93およびフランジ部92として機能する。
【0013】
上記構成の噴射ヘッド100は、図示しない駆動回路で発生させた駆動信号をフレキシブルケーブル82を介して圧電振動子74に入力することにより、圧電振動子74が長手方向に伸縮される。この圧電振動子74の伸縮により、振動板72の島部を振動させて圧力発生室79内の圧力を変化させ、圧力発生室79内のインクをノズル開口75からインク滴として吐出させるようになっている。
【0014】
ここで、ヘッドチップを千鳥状に配置したインクジェット記録装置として、下記の特許文献1に示すものが開示されている。
【特許文献1】特開2002−127377号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
近年では、高速印刷を実現するため、噴射ヘッド100のノズル数を多くすることが検討されている。ところが、1つの噴射ヘッド100のノズル数を増やそうとすると、噴射ヘッドを構成するノズルプレート70や流路形成基板71、振動子ユニット91等の各パーツを大型化しなければならない。このように、各パーツを大型化すると、高い加工精度を確保するのが困難となり、高精度で加工するために加工設備の見直しを行わなければならない。しかも、高精度で大型のパーツを作ろうとすると、歩留まりも大幅に低下することが避けられない。したがって、パーツの大型化は非常なコストアップとなってしまい、現実問題として限界がある。
【0016】
そこで、上述したような噴射ヘッド100を複数並べて配置することにより、1つのヘッドユニット101を構成し、1つのヘッドユニット101のノズル数を増加させることが検討されている。
【0017】
図9は、複数の噴射ヘッド100を並べて構成したヘッドユニット101の一例を示す。この例では、2列のノズル列85を有する噴射ヘッド100を主走査方向Xに2つ並べて構成されている。そして、一方の噴射ヘッド100aの紙送り方向(Y方向)下流側のノズル列85端部と、他方の噴射ヘッド100bの紙送り方向(Y方向)上流側のノズル列85端部とが合致するよう、2つの噴射ヘッド100a,100bが段違い状に位置決めされている。
【0018】
このようなヘッドユニット101は、図示しないキャリッジに搭載されて主走査方向Xに往復移動し、副走査方向Yに向かって記録媒体を送りながら各ノズル列85を構成するノズル開口75からインク滴を吐出することにより、記録媒体上にドットマトリックスにより画像を形成するものである。
【0019】
このように、複数の噴射ヘッド100を並べて配置すると、噴射ヘッド100の取り付け用の部材であるフランジ部92等が各噴射ヘッド100ごとに形成されているため、噴射ヘッド100同士の間にある程度の距離が必要であり、それがいわばデットスペースとなって、ヘッドユニット101そのものが大型化し、記録装置自体を大型化させてしまう。
【0020】
しかも、複数の噴射ヘッド100は正確に位置決めされている必要がある。特に、2つの噴射ヘッド100の相対位置において、紙送り方向であるY方向のずれは、電気的な補正が不可能であることから、物理的な取り付け位置を高精度にあわせる必要がある。したがって、各噴射ヘッド100を取り付けるたびに正確な物理的な位置決め作業を行わなければならないという問題があった。
【0021】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、ノズル数を増やしながら噴射ヘッドの小型化を実現して高速印刷を可能とした液体噴射装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
上記課題を解決するため、本発明の液体噴射装置は、液体を噴射するノズルが形成されたノズルプレートと、上記ノズルから液体を噴射するための圧力発生室とを含む流路ユニットと、上記圧力発生室に圧力振動を付与する圧電振動子を含む駆動ユニットと、上記駆動ユニットが収容されるとともに、上記流路ユニットが固着されるヘッドケースとを備えており、上記流路ユニットを複数備えるとともに、上記各流路ユニットに対応するよう複数の駆動ユニットを備え、上記複数の駆動ユニットが共通のヘッドケースに収容されるとともに、上記各駆動ユニットに対応するよう上記共通のヘッドケースに複数の流路ユニットが固着されて構成されていることを要旨とする。
【0023】
すなわち、本発明は、上記流路ユニットを複数備えるとともに、上記各流路ユニットに対応するよう複数の駆動ユニットを備え、上記複数の駆動ユニットが共通のヘッドケースに収容されるとともに、上記各駆動ユニットに対応するよう上記共通のヘッドケースに複数の流路ユニットが固着されて構成されている。このため、従来のように複数の噴射ヘッドを並べて配置するのではなく、共通のヘッドケースに複数の駆動ユニットを収容するとともに、複数の流路ユニットを固着して噴射ヘッドを構成するため、駆動ユニットおよび流路ユニット同士の距離を小さくしてデッドスペースを少なくし、ノズル数を増やしながら噴射ヘッドの小型化を実現する。しかも、従来のように噴射ヘッドごとに位置決めしながら取り付けるのではなく、所定の精度でできたヘッドケースに対して駆動ユニットや流路ユニットを取り付けるため、従来に比べ、位置決め作業が大幅に簡素化できる。しかも、駆動ユニットや流路ユニット自体を大型化するのではなく、従来の噴射ヘッドに用いるものを流用できるため、駆動ユニットや流路ユニットを大型化することに伴う加工設備の見直しや歩留まりの低下の問題がなく、コストアップも最小限ですむ。特に大型化することによるコストアップや歩留まり低下が極端な駆動ユニットや流路ユニットを兼用するため、その効果は顕著である。
【0024】
本発明において、同じ種類の液体を噴射するノズルがノズル列方向において所定ピッチで配列されるよう、上記駆動ユニットおよび流路ユニットが千鳥状に配置されている場合には、従来のように複数の噴射ヘッドを並べて配置するのではなく、共通のヘッドケースに複数の駆動ユニットおよび流路ユニットを収容して噴射ヘッドを構成するため、駆動ユニットおよび流路ユニット同士の距離を小さくしてデッドスペースを少なくし、ノズル数を増やしながら噴射ヘッドの小型化を実現して高速印刷を可能とする。
【0025】
本発明において、上記複数の駆動ユニットに対して共通のヘッド基板を備えている場合には、ヘッド基板を共通化することにより、パーツ数を少なくして組み立ての作業効率を向上するとともに、複数の駆動ユニットに対する制御信号を共通のヘッド基板から入力するようにして制御の一元化を図ることができる。
【0026】
本発明において、上記複数の流路ユニットに対して共通の液体導入部材を備えている場合には、液体導入部材を共通化することにより、パーツ数を少なくして組み立ての作業効率を向上することができる。
【0027】
本発明において、上記流路ユニットは、流路ユニットに形成された第1位置決め穴と、ヘッドケースに形成された第2位置決め穴との双方に、位置決めピンを挿通させることにより位置決めされている場合には、従来のように噴射ヘッドごとに位置決めしながら取り付けるのではなく、所定の精度でできたヘッドケースに対して複数の流路ユニットをそれぞれ位置決めピンによる位置決めを行って取り付けるため、従来に比べ、位置決め作業が大幅に簡素化できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
【0029】
図1は、本発明の液体噴射装置を適用したインクジェット式記録装置の周辺構造の一例を示す図である。
【0030】
この記録装置は、上部に液体供給源としてのインクカートリッジ2が搭載され、インク滴を噴射する噴射ヘッド1が下面に取り付けられたキャリッジ3とを備えている。
【0031】
上記キャリッジ3は、タイミングベルト4を介してステッピングモータ5に接続され、ガイドバー6に案内されて記録紙7の紙幅方向に往復移動するようになっている。また、上記キャリッジ3には、記録紙7と対向する面(この例では下面)に、噴射ヘッド1が取り付けられている。そして、この噴射ヘッド1にインクカートリッジ2からインクが供給され、キャリッジ3を移動させながら記録紙7上面にインク滴を吐出させて記録紙7に画像や文字をドットマトリックスにより印刷するようになっている。
【0032】
図において、8はキャリッジ3の移動範囲内の非印刷領域に設けられ、印刷休止中に噴射ヘッド1のノズル開口を封止することによりノズル開口の乾燥をできるだけ防ぐキャッピング装置8である。また、上記キャッピング装置8は、ノズル開口を封止した状態で、吸引ポンプでキャップ内に負圧を与えることにより、ノズル開口から強制的にインクを吸引し、ノズル開口の目詰まりを回復するようになっている。また、9は上記吸引後のヘッド本体のノズル面をワイピングするワイピング装置9である。
【0033】
図2は、本発明の第1実施例の噴射ヘッド1を示す分解斜視図であり、図3は、上記噴射ヘッド1の振動子ユニット27および流路ユニット26の詳細を説明するための断面図である。
【0034】
図に示すように、上記噴射ヘッド1は、ノズルからインクを噴射させるための圧力を発生させる圧力発生室19を含む流路ユニット26と、上記圧力発生室19に対する圧力発生手段としての圧電振動子14を含む駆動ユニット34と、上記駆動ユニット34が収容されるとともに、ユニット固着面(図示の下側面)に流路ユニット26が固着されるヘッドケース16を備えて構成されている。
【0035】
上記流路ユニット26は、圧力発生室19を含む流路空間が形成された流路形成基板11と、上記流路形成基板11の一面に積層されて圧力発生室19内のインクを噴射するノズル開口15が形成されたノズルプレート10と、上記流路形成基板11の他面に積層されて圧力発生室19を含む流路空間を封止する振動板(封止板)12とが積層されて構成されている。
【0036】
上記ノズルプレート10は、所定の解像度(ドットピッチ)に対応したピッチPでノズル開口15が複数列設されて2列のノズル列28が形成され、それぞれのノズル開口15からインク滴を噴射するようになっている。このノズルプレート10は、ステンレス板から形成されている。
【0037】
上記流路形成基板11は、上記各ノズル開口15に連通する圧力発生室19が列設されている。また、後述するインク貯留室17の圧力変動を逃がすダンパ室29が形成されている。上記圧力発生室19およびダンパ室29となる空間は、流路形成基板11の振動板12側に凹部として形成されている。上記流路形成基板11は、この例ではSi単結晶基板をエッチングすることにより形成されている。
【0038】
上記振動板12は、ポリフェニレンサルファイドフィルムとステンレス板がラミネートされて形成され、ステンレス板の必要な部分がエッチング除去されて、圧力発生室19に圧力振動を付与する島部13等が形成されている。また、この振動板12には、後述するインク貯留室17のインクを各圧力発生室19に供給するためのインク供給口18が形成されるとともに、ダンパ室29およびインク貯留室17に対応する部分にダンパ用開口30が形成されている。
【0039】
そして、上記流路形成基板11の一面にノズルプレート10が積層され、他面に振動板12が島部13を外側に配置するように積層されて流路ユニット26が構成されている。上記流路形成基板11、ノズルプレート10、振動板12に接着剤が塗布され、所定の高温に加熱保持して接合したのち室温まで冷却することにより、流路ユニット26がつくられる。
【0040】
また、上記ノズルプレート10、流路形成基板11、振動板12には、それぞれ2つの角部近傍に、積層されて流路ユニット26を構成した状態で、位置決めピン32が挿通される第1位置決め穴31が穿設されている。
【0041】
上記駆動ユニット34は、流路ユニット26のノズル列28の数に対応する数の振動子ユニット27から構成されている。この例では、流路ユニット26に2列のノズル列28が形成されているので、この流路ユニット26に対応する駆動ユニット34は、2個1組の振動子ユニット27から構成されている。
【0042】
上記振動子ユニット27は、固定板20の先端に、上記各圧力発生室19に対応するよう列設された棒状の圧電振動子14が固着され、上記各圧電振動子14に、吐出信号を入力するためのフレキシブルケーブル22が接続されて構成されている。上記圧電振動子14は、縦振動モードの圧電振動子14である。
【0043】
図4はヘッドケース16を示す図であり、図4(A)は正面図、図4(B)はユニット固着面33から見た図である。
【0044】
上記ヘッドケース16は、熱硬化性樹脂が射出成形されてなり、略ブロック状のユニット組み付け部35と、略板状の取り付け部36とから構成されている。
【0045】
上記ユニット組み付け部35は、上記駆動ユニット34および流路ユニット26が組みつけられる部分であり、上記取り付け部36は、噴射ヘッド1自体をキャリッジ3等に取り付けるための取り付け穴37が穿設された略板状の部分である。この例では、上記ヘッドケース16は、ユニット組み付け部35と取り付け部36とがそれぞれ2つずつ設けられ、ユニット組み付け部35および取り付け部36が互い違いに(言い換えれば千鳥状に)配置されて構成されている。
【0046】
上記ヘッドケース16のユニット組み付け部35には、それぞれ、ノズル列28方向に延びて上下に貫通する収容空間21が2つずつ形成され、各収容空間21にそれぞれ1つの振動子ユニット27が収容されるようになっている。
【0047】
また、上記ユニット組み付け部35のユニット固着面33には、上記圧力発生室19の列に対応して各圧力発生室19に対して供給するインクを貯留する共通のインク貯留室17が、上記圧力発生室19の列に沿って配置されるよう凹設されている。また、上記ユニット組み付け部35には、インク貯留室17にインクを供給するインク流路24が形成されている。
【0048】
さらに、上記ユニット固着面33には、その角部近傍の2箇所に、上記位置決めピン32が挿通されて流路ユニット26を位置決めするための第2位置決め穴38が形成されている。
【0049】
この噴射ヘッド1では、上記流路ユニット26を複数(この例では2つ)備えるとともに、上記各流路ユニット26に対応するよう複数の駆動ユニット(この例では2組)を備えている。そして、上記複数の駆動ユニット34が共通のヘッドケース16に収容されるとともに、上記各駆動ユニット34に対応するよう上記共通のヘッドケース16に複数の流路ユニット26が固着されて構成されている。
【0050】
この状態で、上記ヘッドケース16のユニット固着面33に、流路ユニット26の振動板12側が接着剤で接合され、収容空間21に収容された圧電振動子14の先端面が振動板12の島部13に固着され、固定板20がヘッドケース16に接着固定される。
【0051】
このとき、上記流路ユニット26は、流路ユニット26に形成された第1位置決め穴31と、ヘッドケース16に形成された第2位置決め穴38との双方に、位置決めピン32を挿通させることにより位置決めされる。
【0052】
図5は、上記流路ユニット26をヘッドケース16に取り付けて位置決めを行う状態を示す図である。図5(A)に示すように、上記第2位置決め穴38は、深さ方向の途中部分の内面に微小突起47を有しており、位置決めピン32の長さは、流路ユニット26の厚みと第2位置決め穴38の深さを足した程度の長さに設定されている。
【0053】
まず、図5(B)に示すように、ヘッドケース16のユニット固着面33に接着剤48を塗布して流路ユニット26をユニット固着面33に載置し、第1位置決め穴31と第2位置決め穴38を略同心状になるように流路ユニット26の位置を合わせる。その状態で、位置決めピン32を第1位置決め穴31と第2位置決め穴38の双方に挿通させて微小突起47の深さまで押し込む。この状態で接着剤48を硬化させ、図5(C)に示すように、位置決めピン32を第2位置決め穴38の奥まで押し込むことが行われる。
【0054】
さらに、上記ヘッドケース16のユニット固着面33と反対側に、ヘッド基板39が配置され、さらに液体導入部材としてのフィルタユニット40が取り付けられることにより、噴射ヘッド1が構成されている。
【0055】
上記ヘッド基板39は、各駆動ユニット34を構成する振動子ユニット27のフレキシブルケーブル22を挿通させるスリット49が形成されている。上記スリット49は、駆動ユニット34に対応するよう2個1組のものが2組形成されている。また、上記ヘッド基板39には、フレキシブルケーブル22の接点41と導通を図るための接点42が形成されている。
【0056】
そして、この噴射ヘッド1では、上記ヘッド基板39は、上記複数の駆動ユニット34に対して共通する1つのヘッド基板39である。
【0057】
また、上記フィルタユニット40は、インクカートリッジ2からインクの供給を受ける中空のインク導入針43が立設されている。各インク導入針43は、ヘッドケース16のインク流路24に対応して4つ設けられている。すなわち、この例では、各ノズル列28に対応して、インク貯留室17、インク流路24、振動子ユニット27、インク導入針43がそれぞれ設けられている。
【0058】
上記インク導入針43の根元部には、導入されたインクをろ過するフィルタ44が設けられている。図において、46はフィルタユニット40のインク供給路45とヘッドケース16のインク流路24との間の液密を保持するようシールするシール部材46である。また、上記フィルタユニット40には、ヘッドケース16の取り付け穴37に対応する取り付け穴50が穿設されている。
【0059】
そして、この噴射ヘッド1では、上記フィルタユニット40は、上記複数の流路ユニット26に対して共通する1つのフィルタユニット40である。
【0060】
上記構成の噴射ヘッド1は、駆動回路23で発生させた駆動信号をフレキシブルケーブル22を介して圧電振動子14に入力することにより、圧電振動子14が長手方向に伸縮される。この圧電振動子14の伸縮により、振動板12の島部13を振動させて圧力発生室19内の圧力を変化させ、圧力発生室19内のインクをノズル開口15からインク滴として吐出させるようになっている。
【0061】
図6は、噴射ヘッド1をノズル面側から見た図である。この例では、2つの流路ユニット26が段違いすなわち千鳥状に配置され、同じ色のインクを噴射するノズル開口15がノズル列28方向において所定ピッチで配列されるよう、上記駆動ユニット34および流路ユニット26が千鳥状に配置されている。
【0062】
すなわち、この例では、各流路ユニット26にはノズル列28が2列ずつ形成されている。流路ユニット26は、ノズル列28が紙送り方向(Y方向)に沿うとともに、ノズル列28と直交する紙幅方向(X方向)に並ぶように配置されている。
【0063】
上記各ノズル列28は、ノズルが所定の解像度(ドットピッチ)に対応したピッチPで配列されている。そして、複数(この例では2つ)の流路ユニット26が、ノズル列28の長さ分だけY方向にずれた段違いの千鳥状に配置され、噴射ヘッド1全体として、同じ色のノズル列28がノズル列28方向(記録紙7の搬送方向;Y方向)に2つ並ぶようになっている。すなわち、流路ユニット26の端部に設けられたノズルと、隣り合う流路ユニット26の端部に設けられたノズルとの紙送り方向の距離が上述したドットピッチに対応したピッチPになるよう各流路ユニット26が位置決めされ配置されている。
【0064】
そして、上記噴射ヘッド1のノズル面を記録紙7に対面させ、画像情報に対応して必要なノズルからインクが吐出されて記録紙7上に記録される。このとき、噴射ヘッド1がX方向に1ストロークするときに2つのノズル列28からインクの噴射が行われるため、高速印刷が可能となっている。
【0065】
図7は、本発明が適用された記録装置の第2例を示す。
【0066】
第1例では、1つの共通のヘッドケース16に対して流路ユニット26を2つ、駆動ユニット34を2組取り付けて噴射ヘッド1を構成したが、この例では、1つの共通のヘッドケース16に対して流路ユニット26を5つ、駆動ユニット34を5組取り付けて噴射ヘッド1を構成している。このように、1つの共通のヘッドケース16に対して取り付ける流路ユニット26や駆動ユニット34の数を限定する趣旨ではない。
【0067】
以上の構成により、本発明は、上記流路ユニット26を複数備えるとともに、上記各流路ユニット26に対応するよう複数の駆動ユニット34を備え、上記複数の駆動ユニット34が共通のヘッドケース16に収容されるとともに、上記各駆動ユニット34に対応するよう上記共通のヘッドケース16に複数の流路ユニット26が固着されて構成されている。このため、従来のように複数の噴射ヘッド1を並べて配置するのではなく、共通のヘッドケース16に複数の駆動ユニット34を収容するとともに、複数の流路ユニット26を固着して噴射ヘッド1を構成するため、駆動ユニット34および流路ユニット26同士の距離を小さくしてデッドスペースを少なくし、ノズル数を増やしながら噴射ヘッド1の小型化を実現する。しかも、従来のように噴射ヘッド1ごとに位置決めしながら取り付けるのではなく、所定の精度でできたヘッドケース16に対して駆動ユニット34や流路ユニット26を取り付けるため、従来に比べ、位置決め作業が大幅に簡素化できる。しかも、駆動ユニット34や流路ユニット26自体を大型化するのではなく、従来の噴射ヘッド1に用いるものを流用できるため、振動子ユニット27や流路ユニット26を大型化することに伴う加工設備の見直しや歩留まりの低下の問題がなく、コストアップも最小限ですむ。特に大型化することによるコストアップや歩留まり低下が極端なが駆動ユニット34や流路ユニット26を流用するため、その効果は顕著である。
【0068】
また、同じ種類の液体を噴射するノズル開口15がノズル列28方向において所定ピッチで配列されるよう、上記駆動ユニット34および流路ユニット26が千鳥状に配置されているため、従来のように複数の噴射ヘッド1を並べて配置するのではなく、共通のヘッドケース16に複数の駆動ユニット34および流路ユニット26を収容して噴射ヘッド1を構成するため、駆動ユニット34および流路ユニット26同士の距離を小さくしてデッドスペースを少なくし、ノズル数を増やしながら噴射ヘッド1の小型化を実現して高速印刷を可能とする。
【0069】
また、上記複数の駆動ユニット34に対して共通のヘッド基板39を備えているため、ヘッド基板39を共通化することにより、パーツ数を少なくして組み立ての作業効率を向上するとともに、複数の駆動ユニット34に対する制御信号を共通のヘッド基板39から入力するようにして制御の一元化を図ることができる。
【0070】
また、上記複数の流路ユニット26に対して共通のフィルタユニット40を備えているため、フィルタユニット40を共通化することにより、パーツ数を少なくして組み立ての作業効率を向上することができる。
【0071】
また、上記流路ユニット26は、流路ユニット26に形成された第1位置決め穴31と、ヘッドケース16に形成された第2位置決め穴38との双方に、位置決めピン32を挿通させることにより位置決めされているため、従来のように噴射ヘッド1ごとに位置決めしながら取り付けるのではなく、所定の精度でできたヘッドケース16に対して複数の流路ユニット26をそれぞれ位置決めピン32による位置決めを行って取り付けるため、従来に比べ、位置決め作業が大幅に簡素化できる。
【0072】
また、上記流路ユニット26は、位置決めピン32で位置決めするのではなく、ヘッドケース16のユニット固着面33に接着剤48を塗布して流路ユニット26を仮止めし、拡大鏡等で投影してアライメントマスクに合わせるよう位置の微調整を行って位置決めした後、その位置を保持したまま接着剤48を硬化させるようにしてもよい。
【0073】
本発明は、液体噴射装置に適用可能であり、その代表例としては、画像記録用のインクジェット式記録ヘッドを備えたインクジェット式記録装置がある。その他の液体噴射装置としては、例えば液晶ディスプレー等のカラーフィルタ製造に用いられる色材噴射ヘッドを備えた装置、有機ELディスプレー、面発光ディスプレー(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッドを備えた装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッドを備えた装置、精密ピペットとしての試料噴射ヘッドを備えた装置等があげられる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明が適用される記録装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】ヘッドユニットを示す分解斜視図である。
【図3】上記ヘッドユニットの一部分の断面図である。
【図4】ヘッドケースを示す図である。
【図5】流路ユニットの取り付け状態を説明する図である。
【図6】上記ヘッドユニットをノズル面側から見た図である。
【図7】ヘッドユニットの第2例を示す図である。
【図8】従来例を示す分解斜視図である。
【図9】上記従来例をノズル面側から見た図である。
【符号の説明】
【0075】
1 噴射ヘッド,2 インクカートリッジ,3 キャリッジ,4 タイミングベルト,5 ステッピングモータ,6 ガイドバー,7 記録紙,8 キャッピング装置,9 ワイピング装置,10 ノズルプレート,11 流路形成基板,12 振動板,13 島部,14 圧電振動子,15 ノズル開口,16 ヘッドケース,17 インク貯留室,18 インク供給口,19 圧力発生室,20 固定板,21 収容空間,22 フレキシブルケーブル,23 駆動回路,24 インク流路,26 流路ユニット,27 振動子ユニット,28 ノズル列,29 ダンパ室,30 ダンパ用開口,31 第1位置決め穴,32 位置決めピン,33 ユニット固着面,34 駆動ユニット,35 ユニット組み付け部,36 取り付け部,37 取り付け穴,38 第2位置決め穴,39 ヘッド基板,40 フィルタユニット,41 接点,42 接点,43 インク導入針,44 フィルタ,45 インク供給路,46 シール部材,47 微小突起,48 接着剤,49 スリット,50 取り付け穴,70 ノズルプレート,71 流路形成基板,72 振動板,74 圧電振動子,75 ノズル開口,76 ヘッドケース,77 インク貯留室,78 インク供給路,79 圧力発生室,80 固定板,81 収容空間,82 フレキシブルケーブル,85 ノズル列,86 流路ユニット,87 ヘッド基板,88 フィルタユニット,89 フィルタ,90 インク導入針,91 振動子ユニット,92,92a,92b フランジ部,93,93a,93b 取り付け穴,94 シール部材,95 インク供給口,100,100a,100b 噴射ヘッド,101 ヘッドユニット




 

 


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