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発明の名称 液体噴射装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−1106(P2007−1106A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−182969(P2005−182969)
出願日 平成17年6月23日(2005.6.23)
代理人 【識別番号】100095728
【弁理士】
【氏名又は名称】上柳 雅誉
発明者 金谷 宗秀
要約 課題
記録紙に変化を与えず、記録紙への汚染も少なく、しかも構造も簡素でコンパクト化に有利な液体噴射装置を提供する。

解決手段
噴射領域の全幅にわたって多数のノズル23が配置されたラインヘッド11と、上記ラインヘッド11をメンテナンスするメンテナンス装置19と、ノズル面が記録紙1に対面する噴射位置とメンテナンス装置19に対面するメンテナンス位置との間で上記ラインヘッド11を回動させるモータ14と、記録紙1を搬送する搬送手段とを備え、上記搬送手段は、記録紙を噴射領域において横方向に搬送し、上記噴射領域において横方向に搬送される記録紙1の下側に上記ラインヘッド11が配置されるとともに、上記搬送される記録紙1の下側に上記メンテナンス装置19が配置されるようにした。
特許請求の範囲
【請求項1】
噴射領域の全幅にわたって多数のノズルが配置されたラインヘッドと、
上記ラインヘッドをメンテナンスするメンテナンス手段と、
ノズル面が噴射対象物に対面する噴射位置とメンテナンス手段に対面するメンテナンス位置との間で上記ラインヘッドを移動させる移動手段と、
噴射対象物を搬送する搬送手段とを備え、
上記搬送手段は、噴射対象物を噴射領域において横方向に搬送するよう構成され、
上記噴射領域において横方向に搬送される噴射対象物の下側に上記ラインヘッドが配置されるとともに、上記搬送される噴射対象物の下側に上記メンテナンス手段が配置されていることを特徴とする液体噴射装置。
【請求項2】
上記噴射領域において搬送される噴射対象物を上側からガイドするプラテン部材と、上記噴射領域に対して噴射対象物を供給する供給手段とを備え、上記供給手段は、上記噴射対象物をプラテン部材に対して所定の入射角で進入させるように構成されている請求項1記載の液体噴射装置。
【請求項3】
上記メンテナンス手段は、ラインヘッドと略同じ高さかもしくはそれよりも下方に配置されている請求項1または2記載の液体噴射装置。
【請求項4】
上記メンテナンス手段は斜め上を向いた状態でラインヘッドのノズル面と対面してメンテナンスを行うように配置されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
【請求項5】
上記ラインヘッドは、所定ノズル数の単位ヘッドが噴射対象物の幅方向に並ぶように配置されて構成され、各単位ヘッドに対してインクもしくは電気を供給する供給部材がラインヘッドに沿うように配置されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
【請求項6】
上記ラインヘッドに供給する液体を加圧する加圧手段を備えている請求項1〜5のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
【請求項7】
上記ラインヘッドには、ラインヘッド内の液体の水頭値を制御する制御弁が設けられている請求項1〜6のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体カートリッジ等から供給された液体を液滴として噴射する液体噴射装置に係るものであり、詳しくは噴射領域の全幅にわたるノズルを有するライン型の噴射ヘッドを備えた液体噴射装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、液体噴射装置の1つとして、インクジェット記録装置が広く知られている。このインクジェット記録装置は、電子写真式のプリンタ等に比べて、画像形成のための構成が簡単で、特に印字ヘッドが各色のインクを吐出する構成を有するとカラー化が可能であり、デジタルカメラ等の普及に伴って、家庭用を中心に急速に普及している。しかしながら、このインクジェット記録装置の多くは、記録紙の搬送方向に対して直角方向に印字ヘッドを移動させて印字するものであり、印字速度が遅いという問題があった。
【0003】
このため、印字ライン方向に沿って複数のインクノズルを配列したライン印字ヘッドを用い、印字ヘッドを移動させることなく記録紙のみを搬送することで、高速印字を行うようにしたインクジェット記録装置も一部実用化されている。一方、インクジェット記録装置は、劣化したインクによるインクノズルの詰まりや、インクノズルへの塵の侵入などによって印字品質の劣化を招き易いため、ラインヘッドを清掃する清掃装置が必要となる。
【0004】
このようなラインヘッドと清掃装置を備えたインクジェット記録装置として、下記の特許文献1〜4に示すものが開示されている。
【特許文献1】特開平6−143554号
【特許文献2】特開2002−103638号
【特許文献3】特開2002−178526号
【特許文献4】特開2004−74611号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に示す装置は、プラテンローラに沿って送られる記録紙に対向するようライン印字ヘッドを配置し、このライン印字ヘッドを、印字位置と吐出回復位置との間で上下回動可能に支持したものである。
この装置では、記録紙をプラテンローラに巻きつけるようにして紙送りするため、記録できる紙に限りがあり、例えば葉書のような少し厚手の紙には記録することができないという問題がある。また、記録時に記録紙が紙送り方向に巻回されるため、記録領域の上流側から下流側にかけてヘッド面と記録紙との距離が変わることになる。ライン印字ヘッドでは、紙送り方向に色の異なるインクを吐出するノズルが配置されているため、紙送り方向で記録紙との距離が変わると、画質への悪影響が懸念される。
【0006】
上記特許文献2に示す装置は、ラインヘッドを、紙幅方向の端部を軸にして水平方向に回動させるように支持し、記録紙の外側に設けた非画像領域でクリーニングするようにしたものである。
この装置では、紙幅方向の外側にクリーニングを行うための非画像領域を設けなければならず、紙幅方向の装置サイズが大きくなってしまう。また、ラインヘッドを水平方向に回動させ、上記非画像領域は紙送り方向にラインヘッドと同等の長さを有する領域を確保する必要があり、紙送り方向の装置サイズが大きくなってしまう。このように、この装置では装置のコンパクト化に対して極めて大きな障害を有するという問題がある。
【0007】
上記特許文献3に示す装置は、記録紙を水平方向に送り、記録紙の上側にライン印字ヘッドと清掃部を配置して、ライン印字ヘッドを印字位置と清掃位置との間で回動可能なように支持したものである。
この装置では、清掃部が記録紙の上に配置されているため、記録紙上でメンテナンスを行う際に記録紙にインクが落ちて汚れが生じやすい。これを防ぐためには、記録紙が送り出されてからメンテナンスを行う必要があり、必要なときに必要なだけメンテナンスを行うことができないという問題がある。連続的に記録紙を搬送する必要があるロール紙に印刷をする場合はなおさらである。
【0008】
また、特許文献3には、記録紙を垂直方向に送り、記録紙の片面側にライン印字ヘッドと清掃部を配置して、ライン印字ヘッドを印字位置と清掃位置との間で回動可能なように支持した装置も開示されている。
この装置では、記録紙を垂直方向に送る必要があることから、ストックされた印字前の記録紙を垂直に送ったり、印字後の記録紙を排出したりする際に、記録紙を湾曲させねばならず、記録できる紙に限りがあり、例えば葉書のような少し厚手の紙には記録することができないという問題がある。
【0009】
上記特許文献4に示す装置は、印字ヘッドを上下移動可能に支持するとともに、キャップ部材を横方向移動可能に配置することにより、印字ヘッドがキャップ状態から開放状態にする際には、印字ヘッドを一旦持ち上げてキャップ部材を待機位置に移動させ、キャップ状態に戻すときには印字ヘッドを一旦持ち上げて待機位置からキャッピング位置にキャップ部材を移動させるようにしたものである。
この装置では、印字ヘッドを上下移動可能に支持するとともに、キャップも横方向移動可能に配置する必要がある。このように、印字ヘッドとキャップの双方に移動機構を設けなければならず、装置が複雑化、大型化するという問題がある。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、噴射対象物に変化を与えず、噴射対象物への汚染も少なく、しかも構造も簡素でコンパクト化に有利な液体噴射装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、本発明の液体噴射装置は、噴射領域の全幅にわたって多数のノズルが配置されたラインヘッドと、上記ラインヘッドをメンテナンスするメンテナンス手段と、ノズル面が噴射対象物に対面する噴射位置とメンテナンス手段に対面するメンテナンス位置との間で上記ラインヘッドを移動させる移動手段と、噴射対象物を搬送する搬送手段とを備え、上記搬送手段は、噴射対象物を噴射領域において横方向に搬送するよう構成され、上記噴射領域において横方向に搬送される噴射対象物の下側に上記ラインヘッドが配置されるとともに、上記搬送される噴射対象物の下側に上記メンテナンス手段が配置されていることを要旨とする。
【0012】
すなわち、本発明は、上記搬送手段は、噴射対象物を噴射領域において横方向に搬送するよう構成され、上記噴射領域において横方向に搬送される噴射対象物の下側に上記ラインヘッドが配置されるとともに、上記搬送される噴射対象物の下側に上記メンテナンス手段が配置されている。
このように、噴射対象物を、従来のようにプラテンローラに巻きつける等の変化を与えないで横方向に搬送するため、噴射対象物に対する制限が少なくなり、例えば葉書のような少し厚手の紙を噴射対象物とすることができる。また、噴射領域においてノズル面と噴射対象物との距離を略一定に保つことができるため、噴射品質への悪影響もない。
また、上記メンテナンス手段が搬送される噴射対象物の下側に配置されているため、従来のように、噴射対象物の幅方向の外側にメンテナンス領域を設けたり、噴射対象物の送り方向にラインヘッドと同等の長さのメンテナンス領域を確保したりする必要がなくなり、装置サイズのコンパクト化に有利である。
さらに、ラインヘッドとメンテナンス手段が噴射対象物の下側に配置されているため、ラインヘッドやメンテナンス手段の液体がイレギュラーで噴射対象物に付着することがほとんどなくなり、噴射対象物の汚染を防止でき、噴射対象物の状況にとらわれずに必要なときにメンテナンスを実施することができる。
しかも、ラインヘッドを移動させるだけでメンテナンスが実施できるため、移動機構を複雑化することなく、装置を大型化するという問題もない。
このように、本発明の液体噴射装置は、噴射対象物に変化を与えず、噴射対象物への汚染も少なく、しかも構造も簡素でコンパクト化に有利である。
【0013】
本発明において、上記噴射領域において搬送される噴射対象物を上側からガイドするプラテン部材と、上記噴射領域に対して噴射対象物を供給する供給手段とを備え、上記供給手段は、上記噴射対象物をプラテン部材に対して所定の入射角で進入させるように構成されている場合には、
進入する噴射対象物の先端が最初にプラテン部材に当接し、そのままプラテン部材に沿って確実にガイドされながら搬送される。したがって、噴射対象物を供給する際に、プラテン部材の下側に配置されたラインヘッドに供給された噴射対象物が擦れて汚染されることが確実に防止される。
【0014】
本発明において、上記メンテナンス手段は、ラインヘッドと略同じ高さかもしくはそれよりも下方に配置されている場合には、
噴射位置では、ラインヘッドのノズル面を上向きにして噴射対象物に対面させ、メンテナンス位置では、ラインヘッドと略同じ高さかもしくはそれよりも下方に配置されたメンテナンス手段に対してラインヘッドのノズル面を対面させるよう移動させればよい。例えば、ラインヘッドのノズル面を上向きにした噴射位置から、ノズル面が横向きまたは少し斜め下向きになる程度までラインヘッドを回動させることにより、メンテナンス位置への移動が完了する。このように、それほど大きな移動アクションを伴うことなく噴射位置とメンテナンス位置間の移動を行うことができ、移動手段の機構や構造が簡素なものですむ。
【0015】
本発明において、上記メンテナンス手段は斜め上を向いた状態でラインヘッドのノズル面と対面してメンテナンスを行うように配置されている場合には、
メンテナンス手段は、いわば受け口状に配置されることから、メンテナンス手段の液体が落下して周囲を汚染するのを確実に防止できる。
【0016】
本発明において、上記ラインヘッドは、所定ノズル数の単位ヘッドが列状になるよう配置されて構成され、各単位ヘッドに対してインクもしくは電気を供給する供給部材がラインヘッドに沿うように配置されている場合には、
上記ラインヘッドを単位ヘッドの集合体として構成することにより、ラインヘッド自体のコストを大幅に押さえることができる。また、各単位ヘッドに対してインクもしくは電気を供給する供給部材がラインヘッドに沿うように配置することにより、供給部材の引き回しを簡素化することができる。
特に、上記移動手段が所定の回転軸を軸としてラインヘッドを回動させるものであり、上記回転軸に沿って上記供給部材を配置することにより、ラインヘッドの移動にともなう供給部材の移動がほとんど起こらないことから、供給部材が装置の静止部分と擦れて損耗するような不都合が解消される。
【0017】
本発明において、上記ラインヘッドに供給する液体を加圧する加圧手段を備えている場合には、
長手方向に多数のノズルを有するラインヘッドの各ノズルに対して充分に液体を供給することができ、吐出不良等を防止できる。すなわち、ラインヘッドでは、噴射領域の全幅にわたる各ノズルに液体を供給するために液体の圧力損失が大きくなる傾向にある。だからといって、液体の供給路を太くするとそのぶん構造体が大きくなり装置が大型化してしまうし、粘度の低い液体を使用すると、噴射品質に限界が生じてしまう。そこで、加圧手段により液体を加圧供給することにより、これらの問題を解消し、ラインヘッドの各ノズルに対して充分に液体を供給できるようにしたのである。
【0018】
本発明において、上記ラインヘッドには、ラインヘッド内の液体の水頭値を制御する制御弁が設けられている場合には、
特に、液体を加圧供給する場合に、その加圧状態にかかわらずラインヘッドでの液体消費に伴って適切な水頭値を保持することができ、常に適正な噴射を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
【0020】
図1は、本発明の液体噴射装置をインクジェット式記録装置に適用した一例を示す概略構成図である。
【0021】
この記録装置は、噴射領域の全幅にわたって多数のノズル23が配置されたラインヘッド11と、上記ラインヘッド11をメンテナンスするメンテナンス装置19と、ノズル面が噴射対象物である記録紙1に対面する噴射位置とメンテナンス装置19に対面するメンテナンス位置との間で上記ラインヘッド11を移動させる移動手段としてのモータ14と、記録紙1を搬送する搬送手段としての給紙側搬送ローラ9および排紙側搬送ローラ10とを備えている。
【0022】
そして、上記給紙側搬送ローラ9および排紙側搬送ローラ10は、記録紙1を噴射領域において横方向に搬送し、上記噴射領域において横方向に搬送される記録紙1の下側に上記ラインヘッド11が配置されるとともに、上記搬送される記録紙1の下側に上記メンテナンス装置19が配置されている。
【0023】
より詳しく説明すると、上記記録紙1は、装置本体に接続された給紙カセット4に収容され、図示しないコンピュータ等からの画像情報に基づく印字要求が装置になされた時に、給紙ローラ5によって1枚の記録紙1の搬送が開始される。
【0024】
噴射領域である記録領域には、当該噴射領域において搬送される噴射対象物を上側からガイドするプラテン7が設けられている。上記プラテン7の上流側すなわち供給側に給紙側搬送ローラ9が配置され、下流側すなわち排紙側に排紙側搬送ローラ10が配置され、上記給紙側搬送ローラ9および排紙側搬送ローラ10は、記録紙1を噴射領域において横方向に搬送するよう構成されている。
【0025】
給紙カセット4から搬出された記録紙1は、給紙側搬送ローラ9および排紙側搬送ローラ10により、噴射領域に設けられたプラテン7の下側を横方向に搬送され、排紙トレイ6に送られる。
【0026】
上記プラテン7の下側には、ラインヘッド11が配置されている。
【0027】
図2は上記ラインヘッド11をノズル面側から見た図である。上記ラインヘッド11は、所定ノズル数の単位ヘッド22が紙幅方向に並ぶように配置されて構成されている。上記各単位ヘッド22は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(B)の各色インクのノズル23がそれぞれ紙幅方向に列設されている。上記各ノズル23は、所定の解像度(ドットピッチ)に対応したピッチPで配列されている。なお、記録紙1に印字されるインクのドットピッチに関して、ライン方向(紙幅方向)のピッチを狭くするため、各色のノズル23を整列方向に千鳥状に配列してもよい。
【0028】
また、上記各ノズル23は、矢印Xで示す給紙方向の上流側が下流側に比べて淡い色相となるように配列されている。これにより、先に吐出されたインクの後に吐出されるインクに対する影響が小さくなる。
【0029】
そして、複数(この例では4つ)の単位ヘッド22が千鳥状に配置され、ラインヘッド11全体として、各色のノズル23が少なくとも装置が搬送可能な最大幅の用紙と同じ幅にわたって所定ピッチPで設けられている。すなわち、単位ヘッド22の端部に設けられたノズル23と、隣り合う単位ヘッド22の端部に設けられたノズル23との紙幅方向の距離が上述したドットピッチに対応したピッチPになるよう各単位ヘッド22が配置されている。
【0030】
そして、画像情報に対応して必要なノズル23からインクが吐出されて記録紙1上に記録される。記録紙1の搬送速度は、装置の印字解像度、すなわちインク滴の容量とインク吐出タイミングのサイクルとによって決定される。従って、記録紙1の搬送は停止せずに常に搬送が行われるので、高速での印字が可能となっている。
【0031】
図1は、上記ラインヘッド11を横から見た状態であり、紙面の奥行き方向が紙幅方向である。上記ラインヘッド11は、ノズル面を略上向きすなわちプラテン7に向けた状態で配置されている。この状態で、プラテン7の下側を横方向に搬送される記録紙1にノズル面が対面し、ノズル23からインク滴を吐出して記録を行うのであり、この状態がラインヘッド11の噴射位置である。
【0032】
図3(A)に示すように、上記プラテン7は、下側のガイド面の下流側が少し下がるように傾斜角度θを設けて配置されている。そして、上記ラインヘッド11も、噴射位置において少し傾斜したプラテン7にノズル面が対面するよう、少し下流側に傾斜して配置されている。
【0033】
そして、上記給紙側搬送ローラ9は、上記記録紙1をプラテン7に対して所定の入射角で進入させる位置に配置されている。すなわち、上記給紙側搬送ローラ9は、記録紙1を搬送する本発明の搬送手段として機能するとともに、噴射領域に対して記録紙1を供給する本発明の供給手段としても機能する。
【0034】
図3(B)(C)に示すように、上記構成により、進入する記録紙の先端が最初にプラテン7の下面であるガイド面に当接し、そのままプラテン7のガイド面に沿って確実にガイドされながら搬送される。したがって、記録紙1を供給する際に、プラテン7の下側に配置されたラインヘッド11に記録紙1が擦れない。
【0035】
上記メンテナンス装置19は、ノズル面に密着して封止し得るゴム等の弾性素材により形成され、ラインヘッド11のノズル面全体を覆ってキャップし、キャップ空間内を吸引ポンプ20で吸引して各ノズル23から強制的にインクを吸引してノズル23の吐出能力を回復させるキャッピング装置である。したがって、上記メンテナンス装置19は、ラインヘッド11の各単位ヘッド22の単位ノズル面をそれぞれ覆う単位キャップが配置され、各単位キャップのキャップ空間内を吸引するように構成されている。なお、ラインヘッド11のノズル面全体を覆うキャップを採用することもできる。
【0036】
上記メンテナンス装置19は、少し下流側に傾斜するよう配置されたラインヘッド11の下流側に配置されている。そして、ノズル面が記録紙1に対面する噴射位置と、メンテナンス装置19に対面するメンテナンス位置との間で上記ラインヘッド11を移動させる移動手段としてのモータ14が設けられている。
【0037】
すなわち、上記ラインヘッド11は、紙幅方向に延びる回転軸12に軸支されており、上記モータ14は、回動ギヤ15を介し、上記回転軸12を軸としてラインヘッド11を紙送り方向に回動させる。上記ラインヘッド11が、上記噴射位置から下流側に所定角度回動してノズル面をメンテナンス装置19に対面させた状態がメンテナンス位置である(メンテナンス位置のラインヘッド11を鎖線で示す)。
【0038】
この例では、上記メンテナンス装置19は、ラインヘッド11の回転軸12よりも少し下方に配置され、少し斜め上を向いた状態でラインヘッド11のノズル面と対面してメンテナンスを行うように配置されている。なお、メンテナンス装置19は、ラインヘッド11の回転軸12と略同じ高さに配置することもできる。
【0039】
そして、ラインヘッド11の噴射位置が少し下流側に傾斜した配置であり、メンテナンス位置をラインヘッド11がさらに下流側に回動させた配置としたことから、ラインヘッド11が噴射位置とメンテナンス位置を移動する際の回動角度を小さくすることができ、装置自体をコンパクト化するとともに、噴射位置とメンテナンス位置との間のラインヘッド11の移動時間を短縮することができる。
【0040】
上記メンテナンス装置19は、図示しない進退手段が設けられており、図示の待機位置からメンテナンス位置に回動したラインヘッド11のノズル面に向かって進退するように構成されている。これにより、ラインヘッド11の回動の際に、メンテナンス装置19とラインヘッド11との干渉を防止するようになっている。
【0041】
上記メンテナンス装置19の上側、すなわちラインヘッド11の噴射位置のノズル面とメンテナンス位置のノズル面との間に位置するところに、メンテナンス後にノズル面に付着したインクを払拭するワイピング部材18が配置されている。上記ワイピング部材18は、単位ヘッド22の各単位ノズル面をそれぞれ払拭する単位ワイピング部材が配置されている(図では1つしか示していない)。なお、ラインヘッド11のノズル面全体を払拭するワイピング部材を採用することもできる。
【0042】
ラインヘッド11の噴射位置のノズル面とメンテナンス位置のノズル面との間に位置するところにワイピング部材18を配置したことにより、メンテナンス位置でメンテナンスが終了した後に噴射位置に戻る動作によってワイピングを行うことができ、ワイピングのためだけの動作を行わなくてすむことから、メンテナンス時間を短縮することができる。また、メンテナンス装置19やワイピング部材18を空間効率よく納めることができて装置のコンパクト化に有利である。
【0043】
上記ワイピング部材18は、図示しない進退手段が設けられており、図示の待機位置からメンテナンス位置に回動したラインヘッド11のノズル面に向かって進退するように構成されている。これにより、ラインヘッド11の回動の際に、ワイピング部材18とラインヘッド11との干渉を防止するとともに、ラインヘッド11が戻る動作の際に確実にワイピングを行うようになっている。
【0044】
図4に示すように、噴射位置では、ラインヘッド11のノズル面を上向きにして記録紙1に対面させ、図示しない圧電素子の駆動により、ノズル23からインク滴を噴射して記録を行う。そして、所定のメンテナンスタイミングが到来したときに、記録を停止してメンテナンスを行う。
図4(A)に示すように、噴射位置からラインヘッド11を下流側に回動させ、ノズル面がメンテナンス装置19に対面するメンテナンス位置に移動させる。
図4(B)に示すように、メンテナンス装置19をメンテナンス位置にきたラインヘッド11のノズル面に向かって前進させてノズル面をキャッピングする。この状態で、吸引ポンプ20で各ノズル23に対して負圧を与え、各ノズル23から強制的にインクを吸引して各ノズル23の吐出能力を回復させる。
図4(C)に示すように、メンテナンス装置19を待機位置まで後退させてノズル面を露出させるとともに、ワイピング部材18をノズル面に向かって前進させる。
図4(D)に示すように、ラインヘッド11をメンテナンス位置から噴射位置に戻すよう上流側に向かって回動させる。このとき、前進したワイピング部材18がノズル面を擦ってノズル面に付着したインクが払拭される。
【0045】
上記メンテナンス装置19は、強制吸引によるほどのメンテナンスが必要でないときに、記録とは関係のないインク滴を吐出してノズル23の軽微な詰まりを回復するフラッシング動作の際のインク滴受けとしても機能する。また、上記メンテナンス装置19は、記録を行わないときに、ラインヘッド11のノズル面を封止してノズル23の乾燥を極力防止する機能も有する。
【0046】
図1に戻って説明すると、上記ラインヘッド11には、インクカートリッジ33からチューブ38を介してインクが供給されるようになっている。また、上記ラインヘッド11に供給するインクを加圧する加圧手段としての空気加圧ポンプ39を備えている。
【0047】
図5に示すように、上記ラインヘッド11は、所定ノズル数の単位ヘッド22が紙幅方向に並ぶように配置されて構成され、各単位ヘッド22に対してインクを供給する供給部材としてのチューブ38、および各単位ヘッド22に対して電気を供給する供給部材としてのフレキシブルケーブル25がラインヘッド11に沿うように配置されている。
【0048】
このように、各単位ヘッド22に対してチューブ38およびフレキシブルケーブル25をラインヘッド11に沿うように配置することにより、チューブ38およびフレキシブルケーブル25の引き回しを簡素化することができる。また、ラインヘッド11を回動させる回転軸12に沿ってチューブ38およびフレキシブルケーブル25を配置することにより、ラインヘッド11の回動にともなうチューブ38やフレキシブルケーブル25の動きがほとんど起こらない。
【0049】
さらに、上記ラインヘッド11を構成する各単位ヘッド22には、ラインヘッド11内のインクの水頭値を制御する制御弁としてのバルブユニット30が搭載されている。本実施形態では、インクの色(ブラックインクBと、シアンC、マゼンタM、イエローYの各カラーインク)に対応して、バルブユニット30B,30C,30M,30Yが4つずつ設けられている。
【0050】
一方、液体貯留手段としてのインクカートリッジ33が図示しないカートリッジホルダに着脱可能に搭載されている。本実施形態では、インクの色に対応して、インクカートリッジ33B,33C,33M,33Yの4つが設けられている。
【0051】
上記インクカートリッジ33B,33C,33M,33Yは、それぞれ、内部が気密状態となっている外郭ケースと、その内側に設けられた図示しないインクパックとによって構成されており、インクパックには、前記したブラックインクBおよび各カラーインクC,M,Yがそれぞれ貯留されている。
【0052】
インクカートリッジ33のインクパックと、バルブユニット30とは、可撓性を有する液体供給路としてのチューブ38を介して接続されている。本実施形態では、インクの色に対応して、チューブ38B,38C,38M,38Yの4つが設けられている。
【0053】
また、上記各インクカートリッジ33は、空気供給チューブ36B,36C,36M,36Yを介して前記インクカートリッジ33B,33C,33M,33Yの各外郭ケースと接続された空気加圧ポンプ39が接続されている。従って、空気加圧ポンプ39により加圧された空気は、空気供給チューブ36B,36C,36M,36Yを介して各インクカートリッジ33B,33C,33M,33Yの外郭ケース内に導入され、外郭ケースとインクパックとの間に形成された空間に導入されるようになっている。
【0054】
そして、空気加圧ポンプ39が駆動されて外郭ケース内に空気が導入されると、インクパックは加圧空気によって押圧されて、インクパックに貯留されている各インクがチューブ38B,38C,38M,38Yを介してバルブユニット30B,30C,30M,30Yに供給される。
【0055】
つぎに、上記バルブユニット30について図6〜図11に従って説明する。
【0056】
図6に示すように、バルブユニット30(30B,30C,30M,30Y)は、合成樹脂製のユニットケース45をそれぞれ備えている。なお、このユニットケース45は、直方体に半円板形状が一体となった形状をしている。このユニットケース45には、その上部に接続部46が設けられ、この接続部46は前記チューブ38(38B,38C,38M,38Y)が接続されている。また、同ユニットケース45には、その下部にインク導出部47が一体形成されており、このインク導出部47は、単位ヘッド22に取り付けられる流路ユニット31に接続されている。
【0057】
図6、図7および図9に示すように、ユニットケース45の一側面45aには、フィルタ48が収容されたフィルタ室用凹部49、略円筒状の小凹部50、小凹部50に連通している直線状の溝51および水平方向に延びる直線上の溝52が形成されている。また、この一側面45aには、これらフィルタ室用凹部49、小凹部50および溝51を覆う第1のフィルム材53と、溝52を覆う第2のフィルム材54とが熱溶着により貼り付けられている。従って、フィルタ室用凹部49と第1のフィルム材53によってフィルタ室55が、小凹部50と第1のフィルム材53によって供給室56が、溝51と第1のフィルム材53によって第1インク導入路57が形成される。また、溝52と第2のフィルム材54によって、インク導出部47の図示しない孔に連通する流出路58が形成される。
【0058】
なお、上記第1および第2のフィルム材53,54は、インク性状に化学的な影響を及ぼさないこと、更に水分透過度や、酸素や窒素透過度の低い材質である。すなわち、第1および第2のフィルム材53,54は、例えば、高密度ポリエチレンフィルムあるいはポリプロピレンフィルムに、塩化ビニリデン(サラン)をコーティングしたナイロンフィルムを接着ラミネートした構成のフィルムによって構成されている。
【0059】
図9に示すように、供給室56内には、前記第1のフィルム材53の面に、上記供給室56の内径よりも若干小さな外径を有するバネ受け部材59が、供給室56と同心円状に位置するようにして取り付けられている。なお、バネ受け部材59は第1のフィルム材53に対して熱溶着によって予め取り付けるようにしてもよく、また、接着剤、あるいは両面接着テープ等によって取り付けるようにしてもよい。
【0060】
図8および図9に示すように、ユニットケース45の他側面45bには、上記小凹部50と同心円状に設けられた大凹部61と、直線上の溝62とが形成されている。また、この大凹部61は、本実施形態では、断面円形形状となっており、周縁部61aが開口に向かって拡径するような傾斜となっているとともに、大凹部61の上部が上方に行くに従って小さくなるような傾斜面61bとなっている。更に、大凹部61の最下部には、前記一側面45aの溝52に連通する貫通孔52aが形成されている。
【0061】
また、このユニットケース45の他側面45bには、大凹部61を覆う第3のフィルム材63と、溝62を覆う第4のフィルム材64とが熱溶着により貼り付けられている。従って、大凹部61と第3のフィルム材63によって圧力室65が、溝62と第4のフィルム材64によって第2インク導入路66が形成される。また、溝62には、上記フィルタ室用凹部49に連通する貫通孔62aと、上記溝51に連通する貫通孔62bとが形成されている。
【0062】
このため、第2インク導入路66は、貫通孔62aを介してフィルタ室55に、貫通孔62bを介して第1インク導入路57に連通している。すなわち、チューブ38から供給されたインクは、フィルタ室用凹部49、貫通孔62a、第2インク導入路66、貫通孔62bおよび第1インク導入路57を介して供給室56に供給される。なお、圧力室65を形成する大凹部61と貫通孔52aとの接続部が、液体出口Eとなる。なお、第3および第4のフィルム材63,64は、上記第1および第2のフィルム材53,54と同じ材質によって構成されている。
【0063】
また、上記第3のフィルム材63には、上記圧力室65の反対側の面に、略円板形状の受圧板67が取り付けられている。この受圧板67は、圧力室65の内径よりも小さい外径を有し、圧力室65に対して同心円状に配設されている。同受圧板67は、第3のフィルム材63より硬い材料、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンといった軽量のプラスチック材料で形成されている。なお、この受圧板67は、第3のフィルム材63に対して熱溶着によって、または接着剤や両面接着テープ等を用いることにより取り付けられる。
【0064】
図9に示すように圧力室65内には、第3のフィルム材63を付勢する圧力室側バネ70が、第3のフィルム材63および受圧板67を外部に押圧するように配設されている。
【0065】
一方、ユニットケース45の上述した供給室56と圧力室65とを区画している隔壁68には、供給室56と圧力室65とを連通させる開閉弁を構成する支持孔69が貫通形成されている。この支持孔69には、開閉弁を構成する可動バルブ71が摺動可能に支持されている。可動バルブ71は、支持孔69に挿通配置されている円柱状のロッド部71aと、支持孔69の外形より大きい略円板形状の板状部71bとが一体形成されてなる。詳述すると、ロッド部71aは支持孔69および圧力室側バネ70に挿通しているとともに、その先端が上記第3のフィルム材63に当接可能となっている。また、上記板状部71bは、供給室56内に配設されている。
【0066】
図11に示すように、前記支持孔69は、等間隔に4つの切り欠き溝69aが形成されている。従って、支持孔69に可動バルブ71のロッド部71aが挿通支持された状態では、ロッド部71aと切り欠き溝69aとによって、4つのインク流路69bが形成されるようになっている。
【0067】
図9および図11に示すように、板状部71bの支持孔69側には、例えばOリングなどの円形状のシール部材72が支持孔69を囲むように固着されている。従って、可動バルブ71は、その板状部71bのシール部材72が隔壁68より離隔されると、4つのインク流路69bを開いた状態とし、供給室56と圧力室65とを連通する。また、そのシール部材72が隔壁68に当接すると、支持孔69の周囲を覆って、4つのインク流路69bを閉じた状態とし、供給室56と圧力室65とを遮断させる。
【0068】
なお、可動バルブ71の第1のフィルム材53側には段部が形成されており、この段部には、コイル状の供給室側バネ74が嵌合されている。この供給室側バネ74の他端部は上記バネ受け部材59に係合されており、このため、供給室側バネ74は可動バルブ71を圧力室65側に付勢している。
【0069】
そして、以上のように構成されたバルブユニット30は、前記ラインヘッド11が非印刷状態、すなわちインクを消費しない状態においては、供給室側バネ74によるバネ荷重W1が、可動バルブ71の板状部71bに加わっている。また、板状部71bには、供給室56に供給されるインクの加圧力P1も加わる。
【0070】
図9に示すように、前記可動バルブ71のシール部材72は、隔壁68に当接し、前記インク流路69b(図11参照)は閉弁状態となる。すなわち、供給室56と圧力室65との間が非連通状態となり、バルブユニット30が自己封止の状態となる。
【0071】
一方、前記ラインヘッド11が印刷状態となり、インクを消費した場合においては、圧力室65のインクの減少に伴い、圧力室65に負圧が発生する。これにより、第3のフィルム材63が供給室56側に変位しようとし、第3のフィルム材63の中央部が可動バルブ71を押圧する。なお、このときの第3のフィルム材63の変位に要する変位反力をWdとする。また、圧力室側バネ70によるバネ荷重をW2とする。そして、ラインヘッド11においてさらにインクが消費されることにより、圧力室65内には負圧P2が発生し、P2>W1+W2+P1+Wdの関係となったときに、第3のフィルム材63の押圧により可動バルブ71が供給室56側に変位する。そして、これにより、可動バルブ71のシール部材72と隔壁68との当接が解かれ、図10に示すように、インク流路69b(図11参照)は開弁状態となる。
【0072】
従って、供給室56内におけるインクは、供給室56から圧力室65に至るインク流路69bを介して圧力室65に供給され、圧力室65における負圧が解消される。そして、P2≦W1+W2+P1+Wdとなると、可動バルブ71は圧力室65側に変位し、可動バルブ71のシール部材72と隔壁68とが当接する。
そして、図9に示すように、インク流路69bは再び閉弁状態となり、供給室56から圧力室65へのインクの供給が停止する。
【0073】
なお、前記した可動バルブ71の開閉弁の動作は、図9および図10に示す状態が、反復繰り返されるような極端な動作が必ずしもなされる必要はない。現実には印刷動作中においては、第3のフィルム材63は可動バルブ71を構成するロッド部71aの端部に当接した均衡状態を保ち、インクの消費に従って、わずかに開弁しつつ、圧力室65に対してインクを逐次補給するように作用する。
【0074】
すなわち、圧力室65内におけるインクの圧力変動は、可動バルブ71の開閉によって、ある一定の範囲内になるように制限されており、供給室56内のインクの圧力変化とは切り離されている。その結果、圧力室65から流路ユニット31を介して行われるラインヘッド11へのインクの供給は、良好に行われ、所定の水頭値を保つようになっている。
【0075】
以上の構成により、本発明は、記録紙1を、従来のようにプラテンローラに巻きつける等の変化を与えないで横方向に搬送するため、記録紙1に対する制限が少なくなり、例えば葉書のような少し厚手の紙を記録紙1とすることができる。また、噴射領域においてノズル面と記録紙1との距離を略一定に保つことができるため、噴射品質への悪影響もない。
また、上記メンテナンス装置19が搬送される記録紙1の下側に配置されているため、従来のように、記録紙1の幅方向の外側にメンテナンス領域を設けたり、記録紙1の送り方向にラインヘッド11と同等の長さのメンテナンス領域を確保したりする必要がなくなり、装置サイズのコンパクト化に有利である。
さらに、ラインヘッド11とメンテナンス装置19が記録紙1の下側に配置されているため、ラインヘッド11やメンテナンス装置19のインクがイレギュラーで記録紙1に付着することがほとんどなくなり、記録紙1の汚染を防止でき、記録紙1の状況にとらわれずに必要なときにメンテナンスを実施することができる。
しかも、ラインヘッド11を移動させるだけでメンテナンスが実施できるため、移動機構を複雑化することなく、装置を大型化するという問題もない。
このように、本発明のインク噴射装置は、記録紙1に変化を与えず、記録紙1への汚染も少なく、しかも構造も簡素でコンパクト化に有利である。
【0076】
また、上記噴射領域において搬送される記録紙1を上側からガイドするプラテン7と、上記噴射領域に対して記録紙1を供給する給紙側搬送ローラ9とを備え、上記給紙側搬送ローラ9は、上記記録紙1をプラテン7に対して所定の入射角で進入させるように構成されているため、
進入する記録紙1の先端が最初にプラテン7に当接し、そのままプラテン7に沿って確実にガイドされながら搬送される。したがって、記録紙1を供給する際に、プラテン7の下側に配置されたラインヘッド11に供給された記録紙1が擦れて汚染されることが確実に防止される。
【0077】
また、上記メンテナンス装置19は、ラインヘッド11と略同じ高さかもしくはそれよりも下方に配置されているため、
噴射位置では、ラインヘッド11のノズル面を上向きにして記録紙1に対面させ、メンテナンス位置では、ラインヘッド11と略同じ高さかもしくはそれよりも下方に配置されたメンテナンス装置19に対してラインヘッド11のノズル面を対面させるよう移動させればよい。例えば、ラインヘッド11のノズル面を上向きにした噴射位置から、ノズル面が横向きまたは少し斜め下向きになる程度までラインヘッド11を回動させることにより、メンテナンス位置への移動が完了する。このように、それほど大きな移動アクションを伴うことなく噴射位置とメンテナンス位置間の移動を行うことができ、移動手段の機構や構造が簡素なものですむ。
【0078】
また、上記メンテナンス装置19は斜め上を向いた状態でラインヘッド11のノズル面と対面してメンテナンスを行うように配置されているため、
メンテナンス装置19は、いわば受け口状に配置されることから、メンテナンス装置19のインクが落下して周囲を汚染するのを確実に防止できる。
【0079】
また、上記ラインヘッド11は、所定ノズル数の単位ヘッド22が列状になるよう配置されて構成され、各単位ヘッド22に対してインクを供給するチューブ38および電気を供給するフレキシブルケーブル25がラインヘッド11に沿うように配置されているため、
上記ラインヘッド11を単位ヘッド22の集合体として構成することにより、ラインヘッド11自体のコストを大幅に押さえることができる。また、チューブ38およびフレキシブルケーブル25がラインヘッド11に沿うように配置することにより、チューブ38およびフレキシブルケーブル25の引き回しを簡素化することができる。
特に、上記移動手段が所定の回転軸12を軸としてラインヘッド11を回動させるものであり、上記回転軸12に沿って上記チューブ38およびフレキシブルケーブル25を配置することにより、ラインヘッド11の移動にともなうチューブ38およびフレキシブルケーブル25の移動がほとんど起こらないことから、チューブ38およびフレキシブルケーブル25が装置の静止部分と擦れて損耗するような不都合が解消される。
【0080】
また、上記ラインヘッド11に供給するインクを加圧する加圧手段である空気加圧ポンプ39を備えているため、
長手方向に多数のノズル23を有するラインヘッド11の各ノズル23に対して充分にインクを供給することができ、吐出不良等を防止できる。すなわち、ラインヘッド11では、噴射領域の全幅にわたる各ノズル23にインクを供給するためにインクの圧力損失が大きくなる傾向にある。だからといって、インクの供給路を太くするとそのぶん構造体が大きくなり装置が大型化してしまうし、粘度の低いインクを使用すると、噴射品質に限界が生じてしまう。そこで、空気加圧ポンプ39によりインクを加圧供給することにより、これらの問題を解消し、ラインヘッド11の各ノズル23に対して充分にインクを供給できるようにしたのである。
【0081】
また、上記ラインヘッド11には、ラインヘッド11内のインクの水頭値を制御する制御弁としてのバルブユニット30が設けられているため、
特に、インクを加圧供給する場合に、その加圧状態にかかわらずラインヘッド11でのインク消費に伴って適切な水頭値を保持することができ、常に適正な噴射を行うことができる。
【0082】
なお、上述した説明では、噴射対象物の記録メディアとして記録紙1を例にあげて説明したが、上述した給紙カセット4に装着してあるいはロール紙印刷等の液体の噴射対象となりうるものであれば、これに限定するものではなく、各種の噴射対象物を適用することができる。
【0083】
本発明は、液体噴射装置に適用可能であり、その代表例としては、画像記録用のインクジェット式記録ヘッドを備えたインクジェット式記録装置がある。その他の液体噴射装置としては、例えば液晶ディスプレー等のカラーフィルタ製造に用いられる色材噴射ヘッドを備えた装置、有機ELディスプレー、面発光ディスプレー(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッドを備えた装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッドを備えた装置、精密ピペットとしての試料噴射ヘッドを備えた装置等があげられる。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明が適用される記録装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】ラインヘッドをノズル面側から見た図である。
【図3】記録紙の搬送状態を示す図である。
【図4】メンテナンスの状態を示す図である。
【図5】ラインヘッドの周辺構造を示す概略構成図である。
【図6】バルブユニットの斜視図である。
【図7】バルブユニットの側面図である。
【図8】バルブユニットの側面図である。
【図9】バルブユニットの断面図である。
【図10】バルブユニットの断面図である。
【図11】バルブユニットの要部拡大図である。
【符号の説明】
【0085】
1 記録紙,4 給紙カセット,5 給紙ローラ,6 排紙トレイ,7 プラテン,9 給紙側搬送ローラ,10 排紙側搬送ローラ,11 ラインヘッド,12 回転軸
,14 モータ,15 回動ギヤ,18 ワイピング部材,19 メンテナンス装置,20 吸引ポンプ,22 単位ヘッド,23 ノズル,25 フレキシブルケーブル,30 バルブユニット,30B,30C,30M,30Y バルブユニット,31 流路ユニット,33 インクカートリッジ,33B,33C,33M,33Y インクカートリッジ,36B,36C,36M,36Y 空気供給チューブ,38 チューブ,38B,38C,38M,38Y チューブ,39 空気加圧ポンプ,45 ユニットケース,45a 一側面,45b 他側面,46 接続部,47 インク導出部,48 フィルタ,49 フィルタ室用凹部,50 小凹部,51 溝,52 溝,52a 貫通孔,53 フィルム材,54 フィルム材,55 フィルタ室,56 供給室,57 第1インク導入路,58 流出路,59 バネ受け部材,61 大凹部,61a 周縁部,61b 傾斜面,62 溝,62a 貫通孔,62b 貫通孔,63 フィルム材,64 フィルム材,65 圧力室,66 第2インク導入路,67 受圧板,68 隔壁,69 支持孔,69a 切り欠き溝,69b インク流路,70 圧力室側バネ,71 可動バルブ,71a ロッド部,71b 板状部,72 シール部材,74 供給室側バネ




 

 


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