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発明の名称 画像処理装置、印刷装置、画像処理方法、および印刷方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−1063(P2007−1063A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−181572(P2005−181572)
出願日 平成17年6月22日(2005.6.22)
代理人 【識別番号】100095728
【弁理士】
【氏名又は名称】上柳 雅誉
発明者 伊原 清二
要約 課題
画質を低下させることなく迅速に画像を印刷する。

解決手段
画像データを受け取ると、印刷解像度に変換した後、画像をドット形成の有無によって表現されたドットデータを生成し、ドットデータに従って画像を印刷する。画像の印刷に際しては、画像データをドットデータに変換する速度に関連した変換速度情報、または、ドットデータを供給する速度関連した転送速度情報の少なくとも一方を検出し、検出した情報に応じた印刷解像度に画像データを変換してから、ドットデータを生成する。こうすれば、適切な印刷解像度でドットデータを生成することができるので、印刷装置がドットを形成する速度に合わせてドットデータを供給することができ、延いては、画質を低下させることなく迅速に画像を印刷ことが可能となる。
特許請求の範囲
【請求項1】
ドットを形成して画像を印刷する印刷装置が該ドットの形成を制御するために用いる制御データを、該画像を表す画像データに所定の画像処理を加えることによって生成する画像処理装置であって、
前記画像データを受け取る画像データ受取手段と、
前記画像データを、前記画像を印刷するための印刷解像度に変換する解像度変換手段と、
画素毎にドットを形成するか否かを表すドットデータを、前記印刷解像度に変換された画像データに基づいて生成するドットデータ生成手段と、
前記生成されたドットデータを前記制御データとして前記印刷装置に供給する制御データ供給手段と
を備え、
前記解像度変換手段は、所定の単位画素数分の前記画像データを前記ドットデータに変換するために要する時間に関連した情報たる変換速度情報、または、該単位画素数分の前記制御データを供給するために要する時間に関連した情報たる転送速度情報の少なくとも一方を検出し、該検出した情報に応じて定められる前記印刷解像度に、該画像データを変換する手段である画像処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像処理装置であって、
前記解像度変換手段は、前記変換速度情報または前記転送速度情報の少なくとも一方が所定の許容値に満たない場合は、前記印刷解像度をより低い解像度に変更した後、該変更した解像度に、前記画像データを変換する手段である画像処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像処理装置であって、
前記解像度変換手段は、前記印刷解像度として選択可能な複数の解像度を記憶しており、前記変換速度情報または前記転送速度情報の少なくとも一方に応じて、該記憶されている解像度の中から選択された印刷解像度に、前記画像データを変換する手段である画像処理装置。
【請求項4】
請求項2に記載の画像処理装置であって、
前記解像度変換手段は、前記変換速度情報として、前記画像処理装置に搭載されている論理演算装置の型式、あるいは該画像処理装置に搭載されているメモリ容量の少なくとも一方を検出する手段である画像処理装置。
【請求項5】
請求項2に記載の画像処理装置であって、
前記解像度変換手段は、前記転送速度情報として、前記画像処理装置から前記印刷装置に向かって前記制御データを転送するための転送方式を検出する手段である画像処理装置。
【請求項6】
ドットを形成して画像を印刷する印刷部と、画像データに所定の画像処理を施すことにより、該印刷部がドットの形成を制御するために用いる制御データを生成する画像処理部とを備える印刷装置であって、
前記画像処理部は、
印刷しようとする画像の画像データを受け取る画像データ受取手段と、
前記画像データを、前記画像を印刷するための印刷解像度に変換する解像度変換手段と、
画素毎にドットを形成するか否かを表すドットデータを、前記印刷解像度に変換された画像データに基づいて生成するドットデータ生成手段と、
前記生成されたドットデータを前記制御データとして前記印刷部に供給する制御データ供給手段と
を備え、
前記印刷部は、前記制御データに従って、前記印刷媒体上にドットを形成するドット形成手段を備えており、
前記解像度変換手段は、所定の単位画素数分の前記画像データを前記ドットデータに変換するために要する時間に関連した情報たる変換速度情報、または、前記画像処理部から前記印刷部に向かって該単位画素数分の前記制御データを供給するために要する時間に関連した情報たる転送速度情報の少なくとも一方を検出し、該検出した情報に応じて定められる前記印刷解像度に、該画像データを変換する手段である印刷装置。
【請求項7】
ドットを形成して画像を印刷する印刷装置が該ドットの形成を制御するために用いる制御データを、該画像を表す画像データに所定の画像処理を加えることによって生成する画像処理方法であって、
前記画像データを受け取る第1の工程と、
前記画像データを、前記画像を印刷するための印刷解像度に変換する第2の工程と、
画素毎にドットを形成するか否かを表すドットデータを、前記印刷解像度に変換された画像データに基づいて生成する第3の工程と、
前記生成されたドットデータを前記制御データとして前記印刷装置に供給する第4の工程と
を備え、
前記第2の工程は、所定の単位画素数分の前記画像データを前記ドットデータに変換するために要する時間に関連した情報たる変換速度情報、または、該単位画素数分の前記制御データを供給するために要する時間に関連した情報たる転送速度情報の少なくとも一方を検出し、該検出した情報に応じて定められる前記印刷解像度に、該画像データを変換する工程である画像処理方法。
【請求項8】
画像データに画像処理部で所定の画像処理を施した後、印刷部で印刷媒体上にドットを形成して画像を印刷する印刷方法であって、
印刷しようとする画像の画像データを前記画像処理部で受け取る工程(A)と、
前記画像データを、前記画像を印刷するための印刷解像度に変換する工程(B)と、
画素毎にドットを形成するか否かを表すドットデータを、前記印刷解像度に変換された画像データに基づいて生成する工程(C)と、
前記生成されたドットデータを前記制御データとして前記印刷部に供給する工程(D)と、
前記制御データに従って、前記印刷部で前記印刷媒体上にドットを形成する工程(E)と
を備え、
前記工程(B)は、所定の単位画素数分の前記画像データを前記ドットデータに変換するために要する時間に関連した情報たる変換速度情報、または、前記画像処理部から前記印刷部に向かって該単位画素数分の前記制御データを供給するために要する時間に関連した情報たる転送速度情報の少なくとも一方を検出し、該検出した情報に応じて定められる前記印刷解像度に、該画像データを変換する工程である印刷方法。
【請求項9】
ドットを形成して画像を印刷する印刷装置が該ドットの形成を制御するために用いる制御データを、該画像を表す画像データに所定の画像処理を加えることによって生成する方法を、コンピュータを用いて実現するためのプログラムであって、
前記画像データを受け取る第1の機能と、
前記画像データを、前記画像を印刷するための印刷解像度に変換する第2の機能と、
画素毎にドットを形成するか否かを表すドットデータを、前記印刷解像度に変換された画像データに基づいて生成する第3の機能と、
前記生成されたドットデータを前記制御データとして前記印刷装置に供給する第4の機能と
を実現するとともに、
前記第2の機能は、所定の単位画素数分の前記画像データを前記ドットデータに変換するために要する時間に関連した情報たる変換速度情報、または、該単位画素数分の前記制御データを供給するために要する時間に関連した情報たる転送速度情報の少なくとも一方を検出し、該検出した情報に応じて定められる前記印刷解像度に、該画像データを変換する機能であるプログラム。
【請求項10】
画像データに画像処理部で所定の画像処理を施した後、印刷部で印刷媒体上にドットを形成して画像を印刷する方法を、コンピュータを用いて実現するためのプログラムであって、
印刷しようとする画像の画像データを前記画像処理部で受け取る機能(A)と、
前記画像データを、前記画像を印刷するための印刷解像度に変換する機能(B)と、
画素毎にドットを形成するか否かを表すドットデータを、前記印刷解像度に変換された画像データに基づいて生成する機能(C)と、
前記生成されたドットデータを前記制御データとして前記印刷部に供給する機能(D)と、
前記制御データに従って、前記印刷部で前記印刷媒体上にドットを形成する機能(E)と
を実現するとともに、
前記機能(B)は、所定の単位画素数分の前記画像データを前記ドットデータに変換するために要する時間に関連した情報たる変換速度情報、または、前記画像処理部から前記印刷部に向かって該単位画素数分の前記制御データを供給するために要する時間に関連した情報たる転送速度情報の少なくとも一方を検出し、該検出した情報に応じて定められる前記印刷解像度に、該画像データを変換する機能であるプログラム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷媒体上で印字ヘッドを往復動させながらインクドットを形成することにより、画像を印刷する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷媒体上で印字ヘッドを主走査方向に往復動させながら、インクドットを形成することにより画像を印刷するドットプリンタは、画像や文書の出力機器として広く使用されている。これらドットプリンタは、画素毎に見ればドットを形成するかしないかの何れかの状態しか表現し得ないが、ドットの形成密度を制御することにより、階調が連続的に変化する画像も印刷することが可能となっている。
【0003】
こうしたドットプリンタで画像を印刷するためには、印刷しようとする画像に対して所定の画像処理を施すことにより、画像をドットの有無によって表現したデータ(ドットデータ)に予め変換しておく。かかる画像処理は、コンピュータ上で、プリンタドライバと呼ばれる専用のプログラムを起動させることにより行われる。次いで、得られたデータをコンピュータからドットプリンタに供給し、ドットプリンタでは、印刷媒体上で印字ヘッドを主走査方向に往復動させながら、コンピュータから受け取ったドットデータに従ってドットを形成する。こうすることにより、印刷媒体上に画像が印刷される。
【0004】
また、ドットプリンタでは、画像を迅速に印刷するため、1回の主走査で複数のラスタにドットを形成可能になっている。更に、印字ヘッドが複数のラスタにドットを形成しながら主走査方向に移動している間に、次の主走査でドットを形成する複数のラスタ分のドットデータを供給しておくようになっている。このように、印字ヘッドの主走査中に次の主走査で用いるドットデータを供給しておけば、主走査の終了後、印刷媒体を直ちに副走査方向に移動させて、次の主走査を開始することができるので、画像を迅速に印刷することが可能となる(例えば、特許文献1)。
【0005】
【特許文献1】特開平6−152910号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、コンピュータからプリンタにドットデータを供給するために要する時間は、種々の要因の影響を受けており、このため、コンピュータあるいはドットプリンタの動作環境によっては、ドットデータの供給が間に合わず、印字ヘッドが主走査を終了しても、直ちに次の主走査を開始することができない場合が生じ得る。こうした事態が生じると、画像の印刷に要する時間が増加し、また次の主走査を開始するまでの間にインクドットが乾いて印刷画質の低下を引き起こすこともある。
【0007】
この発明は、従来技術が有する上述した課題を解決するためになされたものであり、印字ヘッドの主走査と次の主走査との間に待ち時間が発生して印刷速度が低下したり、印刷画質が悪化することを回避可能な技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題の少なくとも一部を解決するために、本発明の画像処理装置は次の構成を採用した。すなわち、
ドットを形成して画像を印刷する印刷装置が該ドットの形成を制御するために用いる制御データを、該画像を表す画像データに所定の画像処理を加えることによって生成する画像処理装置であって、
前記画像データを受け取る画像データ受取手段と、
前記画像データを、前記画像を印刷するための印刷解像度に変換する解像度変換手段と、
画素毎にドットを形成するか否かを表すドットデータを、前記印刷解像度に変換された画像データに基づいて生成するドットデータ生成手段と、
前記生成されたドットデータを前記制御データとして前記印刷装置に供給する制御データ供給手段と
を備え、
前記解像度変換手段は、所定の単位画素数分の前記画像データを前記ドットデータに変換するために要する時間に関連した情報たる変換速度情報、または、該単位画素数分の前記制御データを供給するために要する時間に関連した情報たる転送速度情報の少なくとも一方を検出し、該検出した情報に応じて定められる前記印刷解像度に、該画像データを変換する手段であることを要旨とする。
【0009】
また、上記の画像処理装置に対応する本発明の画像処理方法は、
ドットを形成して画像を印刷する印刷装置が該ドットの形成を制御するために用いる制御データを、該画像を表す画像データに所定の画像処理を加えることによって生成する画像処理方法であって、
前記画像データを受け取る第1の工程と、
前記画像データを、前記画像を印刷するための印刷解像度に変換する第2の工程と、
画素毎にドットを形成するか否かを表すドットデータを、前記印刷解像度に変換された画像データに基づいて生成する第3の工程と、
前記生成されたドットデータを前記制御データとして前記印刷装置に供給する第4の工程と
を備え、
前記第2の工程は、所定の単位画素数分の前記画像データを前記ドットデータに変換するために要する時間に関連した情報たる変換速度情報、または、該単位画素数分の前記制御データを供給するために要する時間に関連した情報たる転送速度情報の少なくとも一方を検出し、該検出した情報に応じて定められる前記印刷解像度に、該画像データを変換する工程であることを要旨とする。
【0010】
かかる本発明の画像処理装置および画像処理方法においては、画像データを受け取ると、画像を印刷するための印刷解像度に変換した後、ドットデータを生成して印刷装置に供給する。また、ドットデータの生成に際しては、所定の単位画素数分の画像データをドットデータに変換するために要する時間に関連した情報たる変換速度情報、または、単位画素数分のドットデータを供給するために要する時間に関連した情報たる転送速度情報の少なくとも一方を検出し、検出した情報に応じた印刷解像度に画像データを変換してから、ドットデータを生成する。
【0011】
こうすれば、ドットデータを生成する速度、あるいは生成したドットデータを印刷装置に転送する速度に応じて、適切な印刷解像度でドットデータを生成することができるので、印刷装置がドットを形成する速度に合わせてドットデータを供給することができ、延いては、画像を迅速に印刷するとともに画質を低下させることなく印刷することが可能となる。
【0012】
また、かかる画像処理装置においては、変換速度情報および転送速度情報に対して所定の許容値を定めておき、検出した情報が所定の許容値に満たない場合は、印刷解像度をより低い解像度に変更して、ドットデータを生成することとしても良い。
【0013】
印刷解像度を低くすれば、ドットデータを迅速に生成することができ、また、印刷装置に供給すべきドットデータのデータ量も減少することから、迅速にドットデータを供給することができる。従って、検出した情報が所定の許容値に満たない場合は、解像度を低くすることとしておけば、簡便な処理により、印刷解像度をより適切な解像度に変更することが可能となる。
【0014】
また、こうした画像処理装置においては、選択可能な複数の解像度を記憶しておき、印刷解像度を変更するに際しては、これら解像度の中から、より低い解像度を選択することとしても良い。
【0015】
印刷解像度を変更するに際して、予め設定されている中から選択することとしておけば、印刷解像度を変更する処理を簡素なものとすることができる。また、印刷装置の側でも、任意の全ての解像度に対応することは必ずしも容易なことではないから、予め設定された解像度の中から選択することとしておけば、印刷装置の構成も簡素なものとすることが可能となる。
【0016】
また、変換速度情報としては、画像処理装置に搭載されている論理演算装置の型式、あるいは画像処理装置に搭載されているメモリ容量の少なくとも一方を検出することとしても良い。
【0017】
ドットデータの生成するに際しては、実際に処理を行う論理演算装置の能力、および処理に使用されるメモリの容量が、生成速度に大きな影響を与えている。従って、少なくともこれらの一方を検出すれば、適切な変換速度情報を簡便に検出することが可能となる。
【0018】
また、ドットデータを印刷装置に転送するに際しては、画像処理装置から印刷装置に向かってドットデータを転送する転送方式が、転送速度に対して大きな影響を与える。従って、この転送方式を転送速度情報として検出することとすれば、適切な転送速度情報を簡便に検出することが可能となる。
【0019】
また、生成されたドットデータは、ドットを形成して画像を印刷するために使用されることに着目すれば、本発明は、ドットデータを生成した後、該ドットデータに従って画像を印刷する印刷装置あるいは印刷方法として把握することも可能である。こうした本発明の印刷装置は、
ドットを形成して画像を印刷する印刷部と、画像データに所定の画像処理を施すことにより、該印刷部がドットの形成を制御するために用いる制御データを生成する画像処理部とを備える印刷装置であって、
前記画像処理部は、
印刷しようとする画像の画像データを受け取る画像データ受取手段と、
前記画像データの解像度を、前記画像を印刷するための印刷解像度に変換する解像度変換手段と、
画素毎にドットを形成するか否かを表すドットデータを、前記印刷解像度に変換された画像データに基づいて生成するドットデータ生成手段と、
前記生成されたドットデータを前記制御データとして前記印刷部に供給する制御データ供給手段と
を備え、
前記印刷部は、前記制御データに従って、前記印刷媒体上にドットを形成するドット形成手段を備えており、
前記解像度変換手段は、所定の単位画素数分の前記画像データを前記ドットデータに変換するために要する時間に関連した情報たる変換速度情報、または、前記画像処理部から前記印刷部に向かって該単位画素数分の前記制御データを供給するために要する時間に関連した情報たる転送速度情報の少なくとも一方を検出し、該検出した情報に応じて定められる前記印刷解像度に、該画像データの解像度を変換する手段であることを要旨とする。
【0020】
また、上記の印刷装置に対応する本発明の印刷方法は、
画像データに画像処理部で所定の画像処理を施した後、印刷部で印刷媒体上にドットを形成して画像を印刷する印刷方法であって、
印刷しようとする画像の画像データを前記画像処理部で受け取る工程(A)と、
前記画像データの解像度を、前記画像を印刷するための印刷解像度に変換する工程(B)と、
画素毎にドットを形成するか否かを表すドットデータを、前記印刷解像度に変換された画像データに基づいて生成する工程(C)と、
前記生成されたドットデータを前記制御データとして前記印刷部に供給する工程(D)と、
前記制御データに従って、前記印刷部で前記印刷媒体上にドットを形成する工程(E)と
を備え、
前記工程(B)は、所定の単位画素数分の前記画像データを前記ドットデータに変換するために要する時間に関連した情報たる変換速度情報、または、前記画像処理部から前記印刷部に向かって該単位画素数分の前記制御データを供給するために要する時間に関連した情報たる転送速度情報の少なくとも一方を検出し、該検出した情報に応じて定められる前記印刷解像度に、該画像データの解像度を変換する工程であることを要旨とする。
【0021】
かかる本発明の印刷装置および印刷方法においても、画像データを受け取ると、変換速度情報、または転送速度情報に応じた適切な印刷解像度に変換した後、ドットデータを生し、得られたドットデータに従って印刷媒体上にドットを形成することによって画像を印刷する。こうすれば、ドットを形成する速度に合わせてドットデータを供給することが可能となるので、画像を迅速に印刷するとともに画質を低下させることなく印刷することが可能となる。
【0022】
更に本発明は、上述した画像処理方法または印刷方法を実現するためのプログラムをコンピュータに読み込ませ、所定の機能を実行させることにより、コンピュータを用いて実現することも可能である。従って、本発明は次のようなプログラム、あるいは該プログラムを記録した記録媒体としての態様も含んでいる。すなわち、上述した画像処理方法に対応する本発明のプログラムは、
ドットを形成して画像を印刷する印刷装置が該ドットの形成を制御するために用いる制御データを、該画像を表す画像データに所定の画像処理を加えることによって生成する方法を、コンピュータを用いて実現するためのプログラムであって、
前記画像データを受け取る第1の機能と、
前記画像データの解像度を、前記画像を印刷するための印刷解像度に変換する第2の機能と、
画素毎にドットを形成するか否かを表すドットデータを、前記印刷解像度に変換された画像データに基づいて生成する第3の機能と、
前記生成されたドットデータを前記制御データとして前記印刷装置に供給する第4の機能と
を実現するとともに、
前記第2の機能は、所定の単位画素数分の前記画像データを前記ドットデータに変換するために要する時間に関連した情報たる変換速度情報、または、該単位画素数分の前記制御データを供給するために要する時間に関連した情報たる転送速度情報の少なくとも一方を検出し、該検出した情報に応じて定められる前記印刷解像度に、該画像データの解像度を変換する機能であることを要旨とする。
【0023】
また、上記のプログラムに対応する本発明の記録媒体は、
ドットを形成して画像を印刷する印刷装置が該ドットの形成を制御するために用いる制御データを、該画像を表す画像データに所定の画像処理を加えることによって生成するためのプログラムを、コンピュータで読取可能に記録した記録媒体であって、
前記画像データを受け取る第1の機能と、
前記画像データの解像度を、前記画像を印刷するための印刷解像度に変換する第2の機能と、
画素毎にドットを形成するか否かを表すドットデータを、前記印刷解像度に変換された画像データに基づいて生成する第3の機能と、
前記生成されたドットデータを前記制御データとして前記印刷装置に供給する第4の機能と
をコンピュータを用いて実現させるとともに、
前記第2の機能は、所定の単位画素数分の前記画像データを前記ドットデータに変換するために要する時間に関連した情報たる変換速度情報、または、該単位画素数分の前記制御データを供給するために要する時間に関連した情報たる転送速度情報の少なくとも一方を検出し、該検出した情報に応じて定められる前記印刷解像度に、該画像データの解像度を変換する機能であることを要旨とする。
【0024】
更に、上述した印刷方法に対応する本発明のプログラムは、
画像データに画像処理部で所定の画像処理を施した後、印刷部で印刷媒体上にドットを形成して画像を印刷する方法を、コンピュータを用いて実現するためのプログラムであって、
印刷しようとする画像の画像データを前記画像処理部で受け取る機能(A)と、
前記画像データの解像度を、前記画像を印刷するための印刷解像度に変換する機能(B)と、
画素毎にドットを形成するか否かを表すドットデータを、前記印刷解像度に変換された画像データに基づいて生成する機能(C)と、
前記生成されたドットデータを前記制御データとして前記印刷部に供給する機能(D)と、
前記制御データに従って、前記印刷部で前記印刷媒体上にドットを形成する機能(E)と
を実現するとともに、
前記機能(B)は、所定の単位画素数分の前記画像データを前記ドットデータに変換するために要する時間に関連した情報たる変換速度情報、または、前記画像処理部から前記印刷部に向かって該単位画素数分の前記制御データを供給するために要する時間に関連した情報たる転送速度情報の少なくとも一方を検出し、該検出した情報に応じて定められる前記印刷解像度に、該画像データの解像度を変換する機能であることを要旨とする。
【0025】
また、上記のプログラムに対応する本発明の記録媒体は、
画像データに画像処理部で所定の画像処理を施した後、印刷部で印刷媒体上にドットを形成して画像を印刷するためのプログラムを、コンピュータで読取可能に記録した記録媒体であって、
印刷しようとする画像の画像データを前記画像処理部で受け取る機能(A)と、
前記画像データの解像度を、前記画像を印刷するための印刷解像度に変換する機能(B)と、
画素毎にドットを形成するか否かを表すドットデータを、前記印刷解像度に変換された画像データに基づいて生成する機能(C)と、
前記生成されたドットデータを前記制御データとして前記印刷部に供給する機能(D)と、
前記制御データに従って、前記印刷部で前記印刷媒体上にドットを形成する機能(E)と
をコンピュータを用いて実現させるとともに、
前記機能(B)は、所定の単位画素数分の前記画像データを前記ドットデータに変換するために要する時間に関連した情報たる変換速度情報、または、前記画像処理部から前記印刷部に向かって該単位画素数分の前記制御データを供給するために要する時間に関連した情報たる転送速度情報の少なくとも一方を検出し、該検出した情報に応じて定められる前記印刷解像度に、該画像データの解像度を変換する機能であることを要旨とする。
【0026】
これらのプログラムをコンピュータに読み込んで、上記の各種機能を実現させれば、印刷媒体上にドットを形成する速度に合わせて、ドットデータを供給することが可能となり、画像を迅速に且つ画質を低下させることなく印刷することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下では、上述した本願発明の内容を明確にするために、次のような順序に従って実施例を説明する。
A.実施例の概要:
B.装置構成:
C.画像印刷処理の概要:
D.本実施例の解像度変換処理:
【0028】
A.実施例の概要 :
実施例の詳細な説明に入る前に、図1を参照しながら、実施例の概要について説明しておく。図1は、印刷システムを用いて本実施例の概要を示した説明図である。図示された印刷システムは、画像処理装置10としてのコンピュータと、印刷装置20としてのプリンタとから構成されており、画像処理装置10は、画像を表す画像データに対して所定の画像処理を施すことにより、画像をドットを形成するか否かによって表現したドットデータに変換した後、印刷装置20に向かって出力する。印刷装置20では、画像処理装置10から供給されたドットデータに従って、印刷媒体上にドットを形成することによって画像を印刷する。
【0029】
画像処理装置10は、CPUを初めとしてRAMやROMなどによって構成されているが、その機能に着目すると、図1に示される幾つかのモジュールから構成されていると考えることができる。このうちの画像データ受取モジュールは、印刷しようとする画像の画像データを受け取って、解像度変換モジュールに供給するモジュールである。解像度変換モジュールは、画像データの解像度を画像の印刷解像度に変換して、ドットデータ生成モジュールに供給する。ドットデータ生成モジュールは、印刷解像度に変換された画像データに基づいて、画素毎にドットを形成するか否かを表すドットデータを生成する。こうして生成したドットデータは、制御データ出力モジュールから印刷装置20に向かって出力される。印刷装置20では、印刷媒体上で印字ヘッドを主走査方向に往復動させながら、ドットデータに従ってドットを形成する。こうすることで、画像データに応じた所望の画像を印刷することができる。
【0030】
ここで、画像データからドットデータを生成するために長い時間がかかったり、あるいは、生成したドットデータを印刷装置20に出力するために長い時間がかかったのでは、印刷装置20の印字ヘッドが主走査方向に移動してしまっても、次の主走査で用いるドットデータの供給が未だ完了しておらず、供給が完了して主走査を開始するまでの間に待ち時間が発生することがある。このような事態が生じると、画像の印刷に要する時間が増加したり、更には、インクドットが乾いて印刷画質が低下する恐れも生じる。
【0031】
そこで、図1に示した画像処理装置10では、所定の単位画素数分の画像データをドットデータに変換するために要する時間に関する情報たる変換速度情報、または、単位画素数分の制御データを出力するために要する時間に関する転送速度情報の少なくとも一方を検出する。そして、画像データの解像度を変換するに際しては、検出した情報に応じた印刷解像度に変換する。こうすれば、例えば、ドットデータの生成に時間がかかってドットデータの供給が間に合わず、印刷装置20側で待ち時間が発生したり、あるいは生成したドットデータの供給に時間がかかって印刷装置20側で待ち時間が発生する場合に、印刷解像度を低くすることができる。印刷解像度を低くすれば、処理対象とする画素数が減少するためドットデータを迅速に生成することができ、また、データ量が少なくなるためドットデータを迅速に供給することができる。その結果、印刷装置20側で待ち時間が発生することを回避することが可能となる。こうした画像処理装置10は、図1に例示したものに限られず、各種の態様で実施することが可能である。以下では、こうした各種の実施態様について、実施例に基づいて詳しく説明する。
【0032】
B.装置構成 :
図2は、画像データに画像処理を加えてドットデータを生成するためのコンピュータ100の構成を示す説明図である。コンピュータ100は、CPU102を中心に、ROM104やRAM106などを、バス116で互いに接続することによって構成されている。コンピュータ100には、フレキシブルディスク124やコンパクトディスク126などからデータを読み込むためのディスクコントローラDDC109や、周辺機器との間でデータの授受を行うために用いられる周辺機器インターフェースPIF108、CRT114を駆動するためのビデオインターフェースVIF112等が接続されている。PIF108には、ハードディスク118や、後述するカラープリンタ200等が接続されている。また、デジタルカメラ120や、カラースキャナ122等をPIF108に接続すれば、デジタルカメラ120やカラースキャナ122で取り込んだ画像を印刷することも可能である。また、ネットワークインターフェースカードNIC110を装着すれば、コンピュータ100を通信回線300に接続して、通信回線に接続された記憶装置310に記憶されているデータを取得することもできる。
【0033】
図3は、印刷用紙上に画像を印刷するカラープリンタ200の概略構成を示す説明図である。カラープリンタ200にはシアン,マゼンタ,イエロ,ブラックの4色のインクが搭載されており、それぞれのインクによる4色のインクドットを形成可能なインクジェットプリンタである。尚、以下では、シアンインク,マゼンタインク,イエロインク,ブラックインクを、必要に応じて、それぞれCインク,Mインク,Yインク,Kインクと略称することがあるものとする。また、以下では、画像はもっぱらインクジェットプリンタを用いて印刷するものとして説明するが、もちろん、インクジェットプリンタに限らず、各色のトナーを用いてドットを形成して画像を印刷するレーザープリンタなど、異なる方式でドットを形成して画像を印刷するプリンタや、インクシートに熱を加えてインクを昇華させることによって印刷用紙上に移したり、あるいはインクシートに物理的な力を加えて印刷用紙上に転写させるなど、異なる方式で画像を印刷するプリンタに対しても、同様に適用することが可能である。
【0034】
カラープリンタ200は、図示するように、キャリッジ240に搭載された印字ヘッド241を駆動してインクの吐出およびドット形成を行う機構と、このキャリッジ240をキャリッジモータ230によってプラテン236の軸方向に往復動させる機構と、紙送りモータ235によって印刷用紙Pを搬送する機構と、ドットの形成やキャリッジ240の移動および印刷用紙の搬送を制御する制御回路260などから構成されている。
【0035】
キャリッジ240には、Kインクを収納するインクカートリッジ242と、Cインク、Mインク、Yインクの各種インクを収納するインクカートリッジ243とが装着されている。キャリッジ240にインクカートリッジ242,243を装着すると、カートリッジ内の各インクは図示しない導入管を通じて、印字ヘッド241の下面に設けられた各色毎のインク吐出ヘッド244ないし247に供給される。各色毎のインク吐出ヘッド244ないし247は、こうして供給されたインクを用いてインク滴を吐出することにより、印刷媒体上にインクドットを形成する。尚、図3に示したカラープリンタ200では、Cインク、Mインク、Yインクについては一つのインクカートリッジ243に一体に収納されているものとして説明したが、これらインクをそれぞれ別体に形成された専用のインクカートリッジに収納することも可能である。
【0036】
制御回路260は、CPUを中心として、ROMや、RAM、周辺機器インターフェースPIF等に加えて、デジタルデータをアナログ信号に変換するD/A変換器等から構成されている。もちろん、CPUを搭載せずに、ハードウェアあるいはファームウェアによって同様の機能を実現することとしても良い。制御回路260は、キャリッジモータ230および紙送りモータ235の動作を制御することによって、キャリッジ240の主走査動作および副走査動作の制御を行う。また、キャリッジ240の主走査および副走査に合わせて、適切なタイミングで印字ヘッド241を駆動することによってインク滴を吐出する。こうして制御回路260の制御の下で、各色のインク吐出ヘッド244ないし247から適切なタイミングで各色のインク滴が吐出され、その結果、印刷用紙P上に各色のインクドットが適切な分布で形成されて、カラー画像が印刷されることになる。
【0037】
尚、各色のインク吐出ヘッドからインク滴を吐出する方法には、種々の方法を適用することができる。すなわち、ピエゾ素子を用いてインクを吐出する方式や、インク通路に配置したヒータでインク通路内に泡(バブル)を発生させてインク滴を吐出する方法などを用いることができる。また、インクを吐出する代わりに、熱転写などの現象を利用して印刷用紙上にインクドットを形成する方式や、静電気を利用して各色のトナー粉を印刷媒体上に付着させる方式のプリンタを使用することも可能である。
【0038】
図4は、印字ヘッド241に設けられた各色のインク吐出ヘッド244ないし247の底面に、インク滴を吐出する複数のノズルNzが形成されている様子を示した説明図である。図示するように、各色のインク吐出ヘッドの底面には、各色毎のインク滴を吐出する4組のノズル列が形成されており、1組のノズル列には、48個のノズルNzがノズルピッチpの間隔を空けて千鳥状に配列されている。これらノズルは、制御回路260の制御の下で駆動され、インク滴を吐出することによって印刷用紙上にインクドットを形成する。
【0039】
以上のようなハードウェア構成を有するカラープリンタ200は、キャリッジモータ230を駆動することによって、各色のインク吐出ヘッド244ないし247を印刷用紙Pに対して主走査方向に移動させ、また紙送りモータ235を駆動することによって、印刷用紙Pを副走査方向に移動させる。制御回路260は、キャリッジ240の主走査および副走査を繰り返しながら、適切なタイミングでノズルを駆動してインク滴を吐出する。こうすることで、印刷用紙P上の適切な位置にインクドットが形成されて、その結果、画像が印刷されることになる。
【0040】
C.画像印刷処理の概要 :
上述した構成を有するカラープリンタ200で画像を印刷するためには、画像データに予め適切な画像処理を施して、画像をドット形成の有無によって表現したドットデータに変換しておく必要がある。このため本実施例では、画像の印刷に先立って、先ず画像データをコンピュータ100に供給して所定の画像処理を行うことにより、画像データからドットデータを生成した後、得られたドットデータをカラープリンタ200に供給して画像を印刷している。また、本実施例の画像印刷処理では、画像を迅速に印刷することを可能とするために、画像処理速度およびドットデータの転送速度に関連する情報を取得して、画像データを適切な解像度に変換する処理(解像度変換処理)も行っている。以下では、本実施例の解像度変換処理の内容について詳細に説明するが、その準備として、先ず初めに画像印刷処理の概要について簡単に説明する。
【0041】
図5は、コンピュータ100およびカラープリンタ200を用いて、画像データに対応した画像を印刷する処理(画像印刷処理)の流れを示すフローチャートである。尚、本実施例では、便宜上、インターレース処理(詳細は後述)まではコンピュータ100の側で行い、インターレース処理が施されたドットデータをカラープリンタ200に供給しているものとして説明するが、もちろん、こうして例に限定されるものではなく、例えば、ハーフトーン処理(詳細は後述)によって得られたドットデータをカラープリンタ200に供給して、カラープリンタ200の側でインターレース処理以降の処理を行うこととしても良い。以下、図5に示したフローチャートに従って、画像印刷処理の概要について説明する。
【0042】
図5に示した画像印刷処理を開始すると、コンピュータ100は先ず初めに、印刷しようとする画像の画像データを読み込む処理を開始する(ステップS100)。ここでは、画像データは、画像を構成する複数の画素の各々について、RGB各色についての階調値が設定されたいわゆるRGBカラー画像データであるものとして説明する。R(赤色)、G(緑色)、B(青色)の3色は光の三原色と呼ばれ、これら3色を加法混色することにより、無彩色から有彩色に亘る広い色域の色彩を表現することが可能である。もちろん、画像データはRGBカラー画像データに限らず、例えば、インクの三原色と呼ばれるC(シアン色)、M(マゼンタ色)、Y(イエロ色)を含んだ複数色について階調値が設定された画像データを用いることもできる。更には、カラー画像データに限らず、モノクロ画像データについても同様に適用することができる。
【0043】
画像データを読み込んだら、続いて、画像データの解像度をカラープリンタ200が印刷するための解像度(印刷解像度)に変換する処理を行う(ステップS102)。本実施例の解像度変換処理では、コンピュータ100が画像処理を行う速度に関連する情報や、コンピュータ100からカラープリンタ200にドットデータを転送する速度に関する情報を検出し、これら情報に基づいて、印刷解像度を適切な解像度に設定した後、設定した解像度に画像データを変換する処理を行う。本実施例の画像印刷処理で行っている解像度変換処理の詳細については後述する。
【0044】
画像データの解像度を印刷解像度に変換すると、コンピュータ100は色変換処理を開始する(ステップS104)。色変換処理とは、R,G,Bの階調値の組合せによって表現されているRGBカラー画像データを、プリンタに搭載された各色インクの使用量に対応するデータに変換する処理である。前述したようにカラープリンタ200は、C,M,Y,Kの4色のインクを用いて画像を印刷しているから、色変換処理ではRGB各色によって表現された画像データを、C,M,Y,Kの各色インクの使用量に対応する階調値のデータに変換する処理を行う。
【0045】
色変換処理は、色変換テーブル(LUT)と呼ばれる3次元の数表を参照することによって行われる。図6は、色変換処理のために参照される色変換テーブル(LUT)を概念的に示した説明図である。RGB各色の階調値が0〜255の値を取り得るものとする。この場合、図6に示すように直交する3軸にR,G,B各色の階調値を取った色空間を考えると、全てのRGB画像データは、原点を頂点として一辺の長さが255の立方体(色立体)の内部の点に対応付けることができる。このことから見方を変えれば、色立体をRGB各軸に直角に格子状に細分して得られる各格子点は、それぞれがRGB画像データに対応していると考えることができる。そこで、各格子点に、C,M,Y,Kなどの各色インクの使用量に対応する階調値の組合せを予め記憶しておく。こうすれば、格子点に記憶されている階調値を読み出すことによって、RGB画像データを、各色インクの使用量に対応するデータに迅速に変換することが可能となる。
【0046】
例えば、画像データのR成分がRA、G成分がRG、B成分がRBであったとすると、この画像データは、色空間内のA点に対応づけられる(図6参照)。そこで、色立体を細分する微細な立方体の中から、A点を内包する立方体dVを検出し、この立方体dVの各格子点に記憶されている各色インクの階調値を読み出してやる。そして、これら各格子点の階調値から補間演算すればA点での階調値を求めることができる。以上に説明したように、色変換テーブルLUTとは、RGB各色の階調値の組合せで示される各格子点に、C,M,Y,Kなどの各色インクの使用量に対応する階調値の組合せを記憶した3次元の数表と考えることができ、色変換テーブルを参照すれば、RGB画像データを各色インクの使用量に対応する階調データに、迅速に色変換することが可能となる。
【0047】
色変換処理を終了したら、コンピュータ100は、各色インクの使用量に対応する階調値に変換された画像データに対してハーフトーン処理を開始する(図5のステップS106)。ハーフトーン処理とは、次のような処理である。色変換処理によって得られた画像データは、階調値0から階調値255までの値を取ることができる。これに対してプリンタは、ドットを形成することによって画像を表示しているから、それぞれの画素についてはドットを形成するか否かの状態しか取り得ない。そこで、256階調を有する色変換後の画像データを、画素毎にドット形成の有無によって表現されたデータ(ドットデータ)に変換しておく必要がある。ハーフトーン処理とは、このように256階調を有する画像データを、より階調数の少ないドットデータに変換する処理である。
【0048】
ハーフトーン処理を行う手法としては、誤差拡散法やディザ法などの種々の手法を適用することができる。誤差拡散法は、ある画素についてドットの形成有無を判断したことでその画素に発生する階調表現の誤差を、周辺の画素に拡散するとともに、周囲から拡散されてきた誤差を解消するように、各画素についてのドット形成の有無を判断していく手法である。また、ディザ法は、ディザマトリックスにランダムに設定されている閾値と印刷画像データの階調値とを画素毎に比較して、画像データの方が大きい画素にはドットを形成すると判断し、逆に閾値の方が大きい画素についてはドットを形成しないと判断することで、各画素についてのドットデータを得る手法である。本実施例の画像印刷処理では、誤差拡散法あるいはディザ法の何れの方法を用いてハーフトーン処理を行うことも可能であるが、ここでは、ディザ法を用いてハーフトーン処理を行うものとして説明する。
【0049】
図7は、ディザマトリックスの一部を拡大して例示した説明図である。図示したマトリックスには、縦横それぞれ64画素、合計4096個の画素に、階調値0〜255の範囲から万遍なく選択された閾値がランダムに記憶されている。ここで、閾値の階調値が0〜255の範囲から選択されているのは、本実施例ではインク使用量に対応する画像データが1バイトデータであり、画素に割り当てられる階調値が0〜255の値を取り得ることに対応するものである。尚、ディザマトリックスの大きさは、図7に例示したように縦横64画素分に限られるものではなく、縦と横の画素数が異なるものも含めて、種々の大きさに設定することが可能である。
【0050】
図8は、ディザマトリックスを参照しながら、画素毎にドット形成の有無を判断している様子を概念的に示した説明図である。ドット形成有無の判断に際しては、先ず、判断の対象として着目している画素(着目画素)の階調値と、ディザマトリックス中の対応する位置に記憶されている閾値とを比較する。図中に示した細い破線の矢印は、着目画素の階調値を、ディザマトリックス中の対応する位置に記憶されている閾値と比較していることを模式的に表したものである。そして、ディザマトリックスの閾値よりも着目画素の階調値の方が大きい場合には、その画素にはドットを形成するものと判断する。逆に、ディザマトリックスの閾値の方が大きい場合には、その画素にはドットを形成しないものと判断する。図8に示した例では、画像データの左上隅にある画素の階調値は「97」であり、ディザマトリックス上でこの画素に対応する位置に記憶されている閾値は「1」である。従って、左上隅の画素については、画像データの階調値97の方がディザマトリックスの閾値1よりも大きいから、この画素にはドットを形成すると判断する。図8中に実線で示した矢印は、この画素にはドットを形成すると判断して、判断結果をメモリに書き込んでいる様子を模式的に表したものである。一方、この画素の右隣の画素については、画像データの階調値は「97」、ディザマトリックスの閾値は「177」であり、閾値の方が大きいので、この画素についてはドットを形成しないものと判断する。このように、画像データの階調値とディザマトリックスに設定された閾値とを比較することにより、ドットの形成有無を画素毎に決定することができる。
【0051】
以上に説明したように、図5に示した画像印刷処理のステップS106では、色変換処理によって得られた各色インクのインク使用量に対応する画像データに対して、上述した処理を施して、画素毎にドットについての形成有無を判断することにより、ドットデータを生成する処理を行う。
【0052】
こうしてハーフトーン処理を終了したら、今度は、インターレース処理を開始する(ステップS108)。インターレース処理とは、カラープリンタ200の印字ヘッドが実際にドットを形成する順序を考慮して、ドットデータを並べ替える処理である。次のような処理である。このような処理が必要になるのは、次のような理由によるものである。
【0053】
先ず、ハーフトーン処理では、画像を構成する画素毎にドットを形成するか否かを示すドットデータが得られるが、このデータは画素の順番に並んだデータとなっている。ところが、図4を用いて前述したように、カラープリンタ200のインク吐出ヘッド244〜247には、インク滴を吐出するノズルNzがノズルピッチkの間隔で設けられているので、インクドットもノズルピッチkの間隔を空けて形成される。すなわち、印字ヘッド241がドットを形成する順番は、画像の端から順番に形成していくのではなく、副走査方向にノズルピッチkの間隔を空けて飛び飛びの箇所にドットを形成していくことになる。
【0054】
また、印字ヘッド241は、主走査方向にも飛び飛びの箇所にドットを形成していく。すなわち、主走査方向に並んだ1本のドット列であれば、1回の主走査でこれを形成することが可能であるが、画質上の要請から、1本のドット列を複数回の主走査に分けて形成することとし、各回の主走査では主走査方向に飛び飛びの位置の画素にドットを形成することが行われている。印字ヘッド241は、このようにしてドットを形成している関係上、画素毎にドット形成の有無を表すドットデータが得られたら、このデータを印字ヘッド241がドットを形成する順序で並べ替える処理が必要となるのである。以下では、印字ヘッド241が所定の順番でドットを形成していく様子について、具体例を挙げて説明する。
【0055】
図9は、印字ヘッド241が、主走査と副走査とを行いながら印刷用紙上にドットを形成していく様子を概念的に示した説明図である。図4を用いて前述したように、本実施例の印字ヘッド241には、各色毎に多数(本実施例では各色あたり48個)のノズルが設けられているが、説明が煩雑となることを避けるため、図9ではノズルが4個だけ設けられているものとして説明する。図中に示したN1,N2,N3,N4はこれら4つのノズルを表している。また、ノズルピッチは3であり、1本のドット列を2回の主走査に分けて形成する場合について説明する。
【0056】
図9の左半分には、副走査を行うことによって、印字ヘッドが印刷用紙に対して相対的に少しずつ移動していく様子を示している。図9の左半分に示した縦長の矩形は1色分の印字ヘッド(すなわち、インク吐出ヘッド)を表している。図示されているように、各色のヘッドには4つのノズルが設けられている。また、ノズルピッチは「3」に設定されているので、これらノズルの間には、図中に破線で示されているように、ノズル2つ分に相当する距離(ノズル中心同士で見ればノズルの直径の3倍に相当する距離)が設けられている。
【0057】
図9の右半分には、印字ヘッドを主走査させながらインク滴を吐出することにより、印刷用紙上にドットが形成されていく様子を表している。図9の右半分に示した丸印は印刷用紙上に形成されたドットを模式的に表したものである。尚、図3を用いて前述したように、実際の副走査は印刷用紙を紙送りすることによって行われており、印字ヘッド241が副走査方向に移動するわけではないが、図9では説明の便宜から印刷用紙を基準に取って、あたかも印字ヘッドが移動しているかのように表現している。
【0058】
印刷に際しては、先ず、図中で(1)と表示した位置に印字ヘッドある状態で、インク滴を吐出しながら主走査を行う。この主走査によって印刷用紙上には、図9の右半分で「1」と表示されたドットが形成される。ここで、「1」と表示されたドットが、1画素おきに飛び飛びに形成されているのは、ここでは1本のドット列を2回の主走査に分けて形成するものとしているためである。仮に、1本のドット列を3回の主走査に分けて形成するものとした場合は2画素飛びにドットが形成され、4回の主走査に分けて形成するものとした場合は3画素飛びにドットが形成されることになる。
【0059】
次いで、印字ヘッドをノズル2つ分だけ副走査方向に移動させる。その結果、印字ヘッドは、図9の左半分で(2)と表示した位置に移動する。図9の左半分に示された実線の矢印は、印字ヘッドを副走査する動作を概念的に表したものである。こうして副走査を行った後、再び主走査を行って印刷用紙上にドットを形成する。この2回目の主走査によって印刷用紙上には、図9の右半分で「2」と表示されたドットが形成される。前述したように、印字ヘッドにはノズルが、ノズル3つ分の間隔を空けて設けられているが、副走査では印字ヘッドをノズル2つ分だけ移動させているので、2回目の主走査で形成されるドット列(図中で「2」と表示されたドット列)は、1回目の主走査で形成したドット列(図中で「1」と表示されたドット列)の間に形成されることになる。
【0060】
続いて、再びノズル2つ分だけ副走査を行って印字ヘッドを(3)と表示された位置まで移動させた後、3回目の主走査を行いながらインク滴を吐出することで、「3」と表示されたドットを形成する。3回目の主走査で形成されるドット列(図中で「3」と表示されたドット列)は、1回目の主走査で形成したドット列(図中で「1」と表示されたドット列)と、2回目の主走査で形成したドット列(図中で「2」と表示されたドット列)との間に形成されることになる。すなわち、1回目の主走査では4本のドット列が形成されるが、これらドット列の間には、2本分のドット列が形成されだけの間隔が空いている。2回目の主走査では、これら2本分のドット列の一方にドットが形成され、3回目の主走査では、残りの1本分のドット列にドットが形成されることになる。このように、副走査を行って印字ヘッドを少しずつ移動させながらドットを形成する操作を繰り返していくと、3回目の主走査を行った段階で、ドット列の間に形成された隙間をドット列で埋めることができる。
【0061】
続いて行う4回目の主走査では、1回目の主走査で形成したドット列に重ねてドットが形成される。但し、前述したように、1回目の主走査では1画素おきに飛び飛びの位置にドットが形成されているので、4回目の主走査では、これらドットの間にドットを形成するのである。図9の右半分には、「1」と表示されたドットの間に、4回目の主走査による「4」と表示されたドットが、形成されている様子が概念的に表されている。すなわち、1回目の主走査では、1本の画素列上の半分のドットを形成し、4回目の主走査で残りの半分のドットを形成することで、このドット列を結局2回の主走査に分けて形成したことになる。
【0062】
こうして1本のドット列が完成したら、再び副走査を行って、図中で(5)と表示した位置に印字ヘッドを移動させた後、5回目の主走査を行って、図中で「5」と表示されたドットを形成する。5回目の主走査では、2回目の主走査で形成したドット列に重ねてドットが形成される。すなわち、図中で「2」と表示されたドットの間に「5」と表示されたドットを形成することで、また、新たなドット列を完成する。続いて、再び副走査を行って、図中で(6)と表示した位置に印字ヘッドを移動し、6回目の主走査を行って、「6」と表示されたドットを形成する。「6」と表示されたドットは、「3」と表示されたドットの間に形成され、新たなドット列が完成される。以降は、同様にして、7回目の主走査では、4回目の主走査で形成したドットの間にドットが形成され、8回目の主走査では、5回目の主走査で形成したドットの間にドットが形成される。
【0063】
このように、印字ヘッドを所定量ずつ副走査させながら主走査を行ってドット列を形成する操作を繰り返していくと、やがて隙間無くドットが形成され、そしてそれ以降は、主走査を行ってドットを形成するたびに次々とドット列を完成させて、印刷用紙上に隙間無くドットを形成していくことが可能となる。図9に示した例では、5回目の主走査以降で隙間無くドットが形成されている。すなわち、5回目の主走査以降にドットを形成する領域が、画像の有効表示領域となる。
【0064】
このようにカラープリンタ200は、画像の有効表示領域の端にある画素から順番にドットを形成して行くのではなく、あたかもモザイクを構成するかのように、所定の順番に従ってドットを形成しながら画像を印刷している。そこで、ドットデータを受け取ると、受け取ったドットデータを印字ヘッドが実際にドットを形成する順番に並べ替えた後、順番に印字ヘッドに供給する処理(インターレース処理)を行うのである。
【0065】
図10は、インターレース処理で、ドットデータの順番を並べ替えている様子を示した説明図である。ここでも、図9に示した場合と同様に、印字ヘッドにはノズルピッチ3の間隔で4つのノズルが設けられており、1本のドット列を2回の主走査に分けて形成するものとする。
【0066】
図10(a)は、印刷しようとしている画像の上端付近を拡大して概念的に示した説明図である。図中に示した丸印は、画像を構成している画素を示している。ドットデータは、これら画素の各々に、ドットを形成することを意味するデータ「1」か、ドットを形成しないことを意味するデータ「0」のいずれかが、画素の並びに従ってRAM上に記憶されたデータとなっている。
【0067】
一例として、前述した図9中で、5回目の主走査を行ってドットを形成する場合について説明する。前述したように、5回目の主走査では、図10(a)中で細かい斜線を付した画素にドットが形成される。このうちノズルN1では、1番上にあるドット列の中の、一画素おきに斜線を付した画素にドットが形成され、ノズルN2では、上から4本目のドット列の中の斜線を付した画素にドットが形成され、ノズルN3では、上から7本目のドット列の斜線を付した画素に、そしてノズルN4では、上から10本目のドット列の斜線を付した画素にドットが形成される。インターレース処理では、先ず初めに、このようにRAM上で飛び飛びの位置に記憶されているドットデータを読み出して、一旦、連続した状態でRAMに書き込む操作を行う。
【0068】
図10(b)は、図10(a)で斜線を付した画素に記憶されているドットデータを、RAM上の別の領域に、連続した状態で書き込んでいる様子を概念的に示した説明図である。図10(b)で「N1,1」と表示されているのは、図10(a)で、ノズルN1が1番目に形成する画素のドットデータが書き込まれることを表したものである。また、図10(b)で「N1,2」と表示されているのは、ノズルN1が2番目に形成する画素のドットデータが書き込まれることを表している。このように、1行目には、ノズルN1が形成する画素のドットデータが書き込まれる。同様にして、2行目にはノズルN2が形成する画素のドットデータが書き込まれ、3行目にはノズルN3が形成する画素のドットデータが、4行目にはノズルN4が形成する画素のドットデータが書き込まれる。
【0069】
こうして各ノズルが形成するドットデータを連続した状態で書き込んだら、今度はこのデータの行と列とを入れ換える操作を行う。例えば、データ「N1,2」は図10(b)では1行2列目の位置に書き込まれているので、行と列とを入れ換えて2行1列目の位置に書き込んでやる。同様に、データ「N2,3」は図10(b)では2行3列目の位置に書き込まれているので、このデータは3行2列目の位置に書き込んでやる。このように、行と列とを入れ換えることにより、図10(b)に示したデータは、図10(c)に示したデータに変換される。
【0070】
図10(c)に示されているように、行と列とを入れ換えたことにより、1行目には「N1,1」、「N2,1」、「N3,1」、「N4,1」の4つのデータが書き込まれている。これらのデータは、ノズルN1ないしN4がそれぞれ1番目に形成する画素についてのドットデータである。また、2行目には、「N1,2」、「N2,2」、「N3,2」、「N4,2」の4つのデータが書き込まれており、これらはノズルN1ないしN4がそれぞれ2番目に形成する画素についてのドットデータである。同様に、3行目には、各ノズルが3番目に形成する画素についてのドットデータが書き込まれ、4行目には4番目に形成する画素についてのドットデータが書き込まれている。このように、各ノズルがドットを形成する順番に、ドットデータが書き込まれたデータとなっている。従って、図10(c)に示すような、行と列とを入れ換えたデータの先頭から、ノズルの数に相当する分のデータを読み出して、印字ヘッドの主走査に合わせてそのまま供給してやれば、図10(a)に細かい斜線で示した画素のドットデータに従って、順次ドットを形成することができる。
【0071】
以上のようにして、図9中で5回目の主走査で形成する画素についてのドットを形成したら、今度は6回目の主走査で形成する画素(すなわち、図10(a)中で粗い斜線を付して表示した画素)について同様の操作を行えばよい。このように、インターレース処理では、図10(a)に示すようにRAM上に画素の順番で記憶されているドットデータの中から、印字ヘッドがドットを形成する画素についてのデータだけを読み出して、図10(b)に示すように連続した状態で記憶し、記憶されたデータの行と列とを入れ換えて、得られた図10(c)に示すデータを、先頭からノズル数に相当するデータ数ずつ順次印字ヘッドに供給する処理を行う。
【0072】
カラープリンタ200は、このようにしてインターレース処理が施された状態で、コンピュータ100から供給されてきたドットデータを受け取ると、そのドットデータに従って、キャリッジ240の主走査と印刷用紙の副走査とに同期させて、適切なタイミングで印字ヘッド241を駆動することによりインク滴を吐出して、印刷媒体上にインクドットを形成する(ステップS110)。すなわち、その結果、印刷用紙上に適切な分布でインクドットが形成されて、画像が印刷されることになる。
【0073】
また、このようにドットを形成する処理は、コンピュータ100から、主走査1回分のドットデータ(図10に示した例では、ノズルN1ないしN4の4つのノズルについてのドットデータ)を受け取る度に行われる。従って、キャリッジ240が1回の主走査を終了した時点で、次の主走査で形成すべきドットデータを全て受け取っていない場合は、全てのドットデータを受け取ったことが確認されるまで待機しておき、次の主走査分のドットデータが揃ったことが確認された時点で主走査が開始される。このため、カラープリンタ200で印字ヘッド241がドットを形成しながら主走査する動作に対して、コンピュータ100からカラープリンタ200へのドットデータの供給が間に合わないと、主走査と主走査との間に待ち時間が発生して、画像を迅速に印刷することが困難となる。また、待ち時間の間にインクドットが乾いてしまい、その結果として画質が悪化することも懸念される。本実施例の画像印刷処理では、こうした恐れを回避するために、コンピュータ100でドットデータを生成する速度に関する情報や、コンピュータ100からカラープリンタ200にドットデータを供給する速度に関する情報を考慮して、画像データを適切な印刷解像度に変換している。以下では、かかる解像度変換処理について説明する。
【0074】
D.本実施例の解像度変換処理 :
図11は、本実施例の画像印刷処理中で行われる解像度変換処理の流れを示すフローチャートである。かかる処理は、コンピュータ100に搭載されたCPU102によって実行される処理である。以下、フローチャートに従って説明する。
【0075】
解像度変換処理を開始すると、先ず初めに、予め設定されている標準の印刷解像度を取得する(ステップS200)。標準の印刷解像度は、予めプリンタドライバに設定されている。また、画像の印刷に先立って、コンピュータ100の画面上からプリンタドライバに対して設定することも可能である。
【0076】
次いで、変換速度情報を取得する(ステップS202)。ここで、変換速度情報とは、単位画素数の画像データをドットデータに変換するために要する時間に関連した情報である。本実施例では、変換速度情報として、コンピュータ100に搭載されているCPUの型式と、RAMのメモリ容量とを取得する。これらの情報は、コンピュータ100上で稼働しているOSが、起動時にいわゆるハードウェア情報として検出しており、検出された情報はメモリの所定領域に保存されている。もちろん、変換速度情報は、ドットデータを生成するために要する時間に関連した情報であれば良く、これら情報に限られるものではない。例えば、CPUの型式またはRAMのメモリ容量の何れか一方を取得することとしても良い。
【0077】
変換速度情報を取得したら、今度は、転送速度情報を取得する(ステップS204)。ここで、転送速度情報とは、コンピュータ100からカラープリンタ200に向かって、単位画素数分のドットデータを転送するために要する時間に関連した情報である。本実施例では、転送速度情報として、コンピュータ100からカラープリンタ200に向かってドットデータを転送する際に使用される転送方式を取得する。もちろん、ドットデータの転送に要する時間に関連する情報であれば、転送方式に限らず他の情報を取得することとしても良い。こうした情報も、コンピュータ100上で稼働しているOSが、起動時にいわゆるハードウェア情報として検出して、メモリの所定領域に保存されている。
【0078】
以上のようにして、変換速度情報と転送速度情報とを取得したら、プリンタドライバに設定されている印刷解像度が、コンピュータ100の変換速度に対して許容値を満足しているか否かを判断する(ステップS206)。かかる判断は、次のようにして行う。
【0079】
図12は、変換速度情報と、許容可能な印刷解像度との関係を示した説明図である。本実施例では変換速度情報として、CPU型式と、搭載されたRAMのメモリ容量とを取得しているから、対応関係には、CPU型式と搭載メモリ容量との組合せに対して、許容可能な印刷解像度が設定されている。例えば、搭載メモリ容量64Mバイトと、CPU型式A1との組合せに対しては、印刷解像度720×720が設定されている。これは、搭載メモリ容量が64MバイトでCPU型式がA1である場合、たとえ転送速度に関する制約を受けなかったとしても、主走査方向の解像度720dpi、副走査方向の解像度720dpiの印刷解像度までしか許容できないことを表している。従って、720×720より高解像度で印刷しようとすると、ドットデータの生成が間に合わなくなって、印字ヘッド241が主走査してから次の主走査を開始するまでの間に待ち時間が発生することになる。また、搭載メモリ容量256Mバイトと、CPU型式B2との組合せに対しては、印刷解像度1440×720が設定されている。従って、搭載メモリ容量が256MバイトでCPU型式がB2である場合は、転送速度に関する制約を全く受けない条件でも1440×720の印刷解像度までしか許容できないことになる。
【0080】
図11のステップS206では、取得した変換速度情報(すなわち、CPU型式および搭載メモリ容量)から、図12に示した関係を参照して許容可能な印刷解像度を取得し、ステップS200で取得した現在の印刷解像度が、許容可能な印刷解像度を越えているか否かを判断する処理を行う。
【0081】
その結果、現在の印刷解像度が変換速度に対する許容可能な解像度を超えている(高解像度である)と判断された場合は(ステップS206:no)、許容可能な印刷解像度によってプリンタドライバの印刷解像度を変更する(ステップS208)。これに対し、現在の印刷解像度が変換速度に対する許容可能な解像度よりも低い解像度と判断された場合は(ステップS206:yes)、プリンタドライバの印刷解像度を変更する処理はスキップする。
【0082】
以上のようにして、変換速度情報に基づいて印刷解像度の設定を見直したら、今度は、転送速度情報に基づいて印刷解像度を見直すために、現在の印刷解像度が、転送速度情報に対する許容値を満足しているか否かを判断する(ステップS210)。かかる判断も、変換速度情報に対する許容可能な印刷解像度に基づいて行うことができる。
【0083】
図13は、転送速度情報と、許容可能な印刷解像度との関係を示した説明図である。本実施例では転送速度情報として、コンピュータ100からカラープリンタ200にドットデータを転送するために使用される転送方式を取得しており、転送方式に対して、許容可能な印刷解像度が設定されている。例えば、例えば「SR200A」という転送方式に対しては、印刷解像度720×720が設定されている。これは、転送方式として「SR200A」という方式が採用されている場合は、たとえ十分な速度でドットデータが生成されていても、720×720の解像度までしか許容できないことを示している。従って、これより高い解像度で印刷しようとすると、コンピュータ100からカラープリンタ200へのドットデータの転送が間に合わず、印字ヘッド241が主走査してから次の主走査を開始するまでの間に待ち時間が発生することになる。同様に、例えば「EII10.2」という転送方式に対しては、印刷解像度1440×720までしか許容できない旨が設定されている。
【0084】
図11のステップS210では、取得した転送速度情報(すなわち、コンピュータ100からカラープリンタ200へドットデータを転送する転送方式)から、図13に示した関係を参照して許容可能な印刷解像度を取得し、プリンタドライバに設定されている現在の印刷解像度が、許容可能な印刷解像度を越えているか否かを判断する処理を行う。尚、ステップS208で印刷解像度が許容可能な解像度に変更されている場合は、変更された解像度に対して、転送速度に対する許容可能な解像度を満足しているか否かの判断が行わる。
【0085】
その結果、現在の印刷解像度が転送速度に対する許容可能な解像度を超えている(高解像度である)と判断された場合は(ステップS210:no)、許容可能な印刷解像度によってプリンタドライバの印刷解像度を変更する(ステップS212)。これに対し、現在の印刷解像度が転送速度に対する許容可能な解像度よりも低い解像度と判断された場合は(ステップS210:yes)、プリンタドライバの印刷解像度を変更する処理はスキップする。
【0086】
以上のような処理を行うことにより、プリンタドライバに標準として設定されている印刷解像度を、変換速度(画像データからドットデータを生成する速度)およびコンピュータ100からカラープリンタ200へのドットデータの転送速度を考慮して、適切な印刷解像度に変更することができる。その後、こうして変更された適切な印刷解像度になるように、画像データの解像度を変換する処理を行う(ステップS214)。すなわち、画像データの解像度が印刷解像度よりも低い場合は、隣接する画素の間に補間演算を行って新たな画像データを設定することで、より高い解像度に変換する。逆に、画像データの解像度が印刷解像度よりも高い場合は、隣接する画素の間から一定の割合で画像データを間引くことによって、より低い解像度に変換する。こうして、画像データの解像度を、変換速度情報および転送速度情報に応じた適切な印刷解像度に変換したら、図11に示した解像度変換処理を終了して、図5に示す画像印刷処理に復帰する。
【0087】
前述したように画像印刷処理では、解像度変換処理が施された画像データに対して、色変換処理(ステップS104)、ハーフトーン処理(ステップS106)、インターレース処理(ステップS108)が行われ、カラープリンタ200の印字ヘッド241がドットを形成する順序で、コンピュータ100からカラープリンタ200に向かってドットデータが出力される。このとき、カラープリンタ200の印字ヘッド241が主走査を行ってドットを形成する動きに対して、コンピュータ100からのドットデータの供給が間に合わないと、印字ヘッド241の主走査と次の主走査との間に待ち時間が発生して、印刷速度の低下や、印刷画質の悪化を引き起こしてしまう。これに対して、本実施例の画像印刷処理では、上述した解像度変換処理を行うことにより、ドットデータを生成する速度およびドットデータを転送する速度に応じて適切な印刷解像度が設定されるので、印字ヘッド241の主走査に待ち時間が発生することを回避することができる。すなわち、カラープリンタ200へのドットデータの供給が間に合わず、印字ヘッド241の主走査に待ち時間が発生すると判断された場合には、印刷解像度を低い解像度に変更する。こうすれば、色変換処理や、ハーフトーン処理、更にはインターレース処理で処理すべき画素数が減少するため、ドットデータを迅速に生成することが可能となる。加えて、印字ヘッド241が一回の主走査でドットを形成する画素数も少なくなるので、転送すべきドットデータのデータ量が減少し、より短時間でドットデータを転送することができる。こうした効果により、印字ヘッド241が主走査を行っている間に、次の主走査でドットを形成すべきドットデータを全て供給することが可能となる。その結果、印字ヘッド241は主走査の終了後、直ちに次回の主走査を開始することが可能となり、高画質な画像を迅速に印刷することが可能となる。
【0088】
以上、実施例について説明したが、本発明は上記の実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】印刷システムを用いて本実施例の概要を示した説明図である。
【図2】画像データに画像処理を加えてドットデータを生成するためのコンピュータの構成を示す説明図である。
【図3】印刷用紙上に画像を印刷するカラープリンタの概略構成を示す説明図である。
【図4】各色のインク吐出ヘッドの底面にインク滴を吐出する複数のノズルNzが形成されている様子を示した説明図である。
【図5】画像を印刷する処理(画像印刷処理)の流れを示すフローチャートである。
【図6】色変換処理のために参照される色変換テーブル(LUT)を概念的に示した説明図である。
【図7】ディザマトリックスの一部を拡大して例示した説明図である。
【図8】ディザマトリックスを参照しながら画素毎にドット形成の有無を判断している様子を概念的に示した説明図である。
【図9】印字ヘッドが主走査と副走査とを行いながら印刷用紙上にドットを形成していく様子を概念的に示した説明図である。
【図10】インターレース処理でドットデータの順番を並べ替えている様子を示した説明図である。
【図11】本実施例の画像印刷処理中で行われる解像度変換処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】変換速度情報と許容可能な印刷解像度との関係を示した説明図である。
【図13】転送速度情報と許容可能な印刷解像度との関係を示した説明図である。
【符号の説明】
【0090】
10…画像処理装置、 20…印刷装置、 100…コンピュータ
200…カラープリンタ、 230…キャリッジモータ、 240…キャリッジ、
241…印字ヘッド、 242…インクカートリッジ 243…インクカートリッジ、 244…印字ヘッド、260…制御回路




 

 


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